特許第6576498号(P6576498)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6576498FPC一体型静電容量スイッチおよびその製造方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6576498
(24)【登録日】2019年8月30日
(45)【発行日】2019年9月18日
(54)【発明の名称】FPC一体型静電容量スイッチおよびその製造方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/041 20060101AFI20190909BHJP
   H05K 1/02 20060101ALI20190909BHJP
【FI】
   G06F3/041 495
   G06F3/041 430
   G06F3/041 450
   G06F3/041 470
   H05K1/02 E
【請求項の数】10
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2018-42530(P2018-42530)
(22)【出願日】2018年3月9日
(65)【公開番号】特開2019-159513(P2019-159513A)
(43)【公開日】2019年9月19日
【審査請求日】2019年7月18日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000231361
【氏名又は名称】NISSHA株式会社
(72)【発明者】
【氏名】西村 剛
(72)【発明者】
【氏名】植田 健太
(72)【発明者】
【氏名】河村 真矢
【審査官】 佐伯 憲太郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−8621(JP,A)
【文献】 特開2013−214173(JP,A)
【文献】 特開2015−215735(JP,A)
【文献】 特開2010−86498(JP,A)
【文献】 特開2013−149392(JP,A)
【文献】 特開2014−160558(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/041
G06F 3/044
H05K 1/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
樹脂フィルムからなり、センサ部と前記センサ部の縁から延在するテール部とを有する透明フレキシブル基材と、
前記透明フレキシブル基材の第一主面上で、かつ前記センサ部内に形成された複数の電極と、
前記複数の電極と電気的に接続され、前記テール部と隣接する縁まで延長されて集約形成された複数の電極用第一配線と、
前記複数の電極用第一配線と電気的に接続され、前記テール部内に並列に配置して形成された、導電性粒子を含むフォトレジストからなる複数の電極用第二配線と、
前記透明フレキシブル基材の前記第一主面とは反対面である第二主面上で、かつ平面視で前記複数の電極を含む領域と重複するように形成された電磁波シールドと、
前記電磁波シールドと電気的に接続され、前記テール部と隣接する縁まで延長されて形成された一対の電磁波シールド用第一配線と、
前記一対の電磁波シールド用配線と電気的に接続され、前記テール部内に平面視で前記複数の電極用第二配線を含む領域より外側に配置して形成された、導電性粒子を含むフォトレジストからなる一対の電磁波シールド用第二配線と、
前記透明フレキシブル基材の第二主面上で、かつ前記テール部内に平面視で前記複数の電極用第二配線を含む領域と重複するように形成された、遮光性金属膜を含む電磁波シールド側マスクと、
を備えたFPC一体型静電容量スイッチ。
【請求項2】
前記電磁波シールド側マスクが分割されており、分割された前記電磁波シールド側マスクの前記透明フレキシブル基材側とは反対側の面に、前記一対の電磁波シールド用第二配線が分かれて重複している請求項1記載のFPC一体型静電容量スイッチ。
【請求項3】
前記電磁波シールド側マスクが、前記一対の電磁波シールド用第一配線に電気的に接続されている請求項2記載のFPC一体型静電容量スイッチ。
【請求項4】
前記電磁波シールド側マスクが、前記一対の電磁波シールド用第一配線から独立している請求項2記載のFPC一体型静電容量スイッチ。
【請求項5】
前記電磁波シールド側マスクに前記一対の電磁波シールド用第二配線が非重複であり、
さらに、前記透明フレキシブル基材の第一主面上で、かつ前記テール部内に平面視で前記一対の電磁波シールド用第二配線と重複するように形成された、遮光性金属膜を含む一対の電極側マスクを備える請求項1記載のFPC一体型静電容量スイッチ。
【請求項6】
前記センサ部がビューエリアと前記ビューエリアを囲う額縁エリアとを有し、前記ビューエリア上において前記電極、前記電極用第一配線および前記電磁波シールドは透明である請求項1〜5記載のFPC一体型静電容量スイッチ。
【請求項7】
前記電極用第二配線および前記電磁波シールド用第二配線に含まれる前記導電性粒子が、金属粉末、核材表面を導電層で被覆したもの、カーボンまたはグラファイトのいずれかである請求項1〜6記載のFPC一体型静電容量スイッチ。
【請求項8】
前記電磁波シールド側マスクの前記遮光性金属膜が、銅、銀、錫、アルミニウムまたはニッケルのいずれかからなる請求項1〜7記載のFPC一体型静電容量スイッチ。
【請求項9】
請求項1に記載のFPC一体型静電容量スイッチの製造方法であって、
〔1〕 樹脂フィルムからなり、センサ部と前記センサ部の縁から延在するテール部とを面内に有する透明フレキシブル基材原反を用い、前記透明フィルム基材原反の第一主面および前記第一主面と反対面である第二主面に、それぞれ透明導電膜、遮光性金属膜および第一フォトレジストを順次積層する工程と、
〔2〕 前記第一主面側の前記第一フォトレジストを部分的に露光し、現像して前記複数の電極および前記複数の電極用第一配線に対応する形状にパターニングし、前記第二主面側の前記第一フォトレジストを部分的に露光し、現像して前記電磁波シールド、前記一対の電磁波シールド用第一配線および前記電磁波シールド側マスクに対応する形状にパターニングする工程と、
〔3〕 露出した前記透明導電膜および前記遮光性金属膜をエッチングする工程と、
〔4〕 エッチング後の前記第一フォトレジストを剥離する工程と、
〔5〕 前記第一フォトレジスト剥離後の前記第一主面側および前記第二主面側に、それぞれ第二フォトレジストを形成する工程と、
〔6〕 前記第一主面側の前記第二フォトレジストを部分的に露光し、現像してビューエリアの前記遮光性金属膜を露出させ、前記第二主面側の前記第二フォトレジストを部分的に露光し、現像して前記電磁波シールドを露出させる工程と、
〔7〕 露出した前記遮光性金属膜のみをエッチングする工程と、
〔8〕 エッチング後の前記第二フォトレジストを剥離する工程と、
〔9〕 前記第二フォトレジスト剥離後の前記第一主面側および前記第二主面側に、それぞれ導電性粒子を含む第三フォトレジストを形成する工程と、
〔10〕 前記第一主面側の前記第三フォトレジストを部分的に露光し、現像して前記複数の電極用第二配線の形状にパターニングし、前記第二主面側の前記第三フォトレジストを部分的に露光し、現像して前記一対の電磁波シールド用第二配線の形状にパターニングする工程と、
〔11〕 最後に前記透明フレキシブル基材原反を、前記センサ部および前記テール部を有する透明フレキシブル基材の形状に打ち抜く工程と、
を備える。
【請求項10】
請求項5に記載のFPC一体型静電容量スイッチの製造方法であって、
〔1〕 樹脂フィルムからなり、センサ部と前記センサ部の縁から延在するテール部とを面内に有する透明フレキシブル基材原反を用い、前記透明フィルム基材原反の第一主面および前記第一主面と反対面である第二主面に、それぞれ透明導電膜、遮光性金属膜および第一フォトレジストを順次積層する工程と、
〔2〕 前記第一主面側の前記第一フォトレジストを部分的に露光し、現像して前記複数の電極、前記複数の電極用第一配線および前記一対の電極側マスクに対応する形状にパターニングし、前記第二主面側の前記第一フォトレジストを部分的に露光し、現像して前記電磁波シールド、前記一対の電磁波シールド用第一配線および前記電磁波シールド側マスクに対応する形状にパターニングする工程と、
〔3〕 露出した前記透明導電膜および前記遮光性金属膜をエッチングする工程と、
〔4〕 エッチング後の前記第一フォトレジストを剥離する工程と、
〔5〕 前記第一フォトレジスト剥離後の前記第一主面側および前記第二主面側に、それぞれ第二フォトレジストを形成する工程と、
〔6〕 前記第一主面側の前記第二フォトレジストを部分的に露光し、現像してビューエリアの前記遮光性金属膜を露出させ、前記第二主面側の前記第二フォトレジストを部分的に露光し、現像して前記電磁波シールドを露出させる工程と、
〔7〕 露出した前記遮光性金属膜のみをエッチングする工程と、
〔8〕 エッチング後の前記第二フォトレジストを剥離する工程と、
〔9〕 前記第二フォトレジスト剥離後の前記第一主面側および前記第二主面側に、それぞれ導電性粒子を含む第三フォトレジストを形成する工程と、
〔10〕 前記第一主面側の前記第三フォトレジストを部分的に露光し、現像して前記複数の電極用第二配線の形状にパターニングし、前記第二主面側の前記第三フォトレジストを部分的に露光し、現像して前記一対の電磁波シールド用第二配線の形状にパターニングする工程と、
〔11〕 最後に前記透明フレキシブル基材原反を、前記センサ部および前記テール部を有する透明フレキシブル基材の形状に打ち抜く工程と、
を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、腕時計や車載機器等に使用されるFPC一体型静電容量スイッチおよびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の静電容量スイッチは、例えば特許文献1に示すように、屈曲可能な透明のフィルム基材と、このフィルム基材の片面の周縁部以外の領域に形成される複数の透明電極と、複数の透明電極と接続して形成される複数の電極用配線(配線ライン)とを備え、腕時計や車載機器等の表示装置上に設置され、複数の透明電極に指が選択的に接近する場合にこれらの間にキャパシタを形成し、静電容量の変化を検出する。
【0003】
また、上記特許文献1には、フィルム基材の周縁部を部分的に延ばして屈曲可能な延長接続片とするとともに、この延長接続片の片面に複数の電極用配線(配線ライン)を伸ばしてFPC部分を形成する、いわゆるFPC一体型静電容量スイッチも開示されている。静電容量スイッチ本体とFPC部分のフィルム基材を一体とすることで、別途FPCを用意して接続することが不要となり、部品点数の削減を図ることができる。
【0004】
また、静電容量スイッチにおいては、表示装置からの誤動作を引き起こす有害なノイズを削減する目的で、フィルム基材の透明電極の形成された面とは反対側の面に透明導電膜からなる電磁波シールドが形成されこともある。この場合、電磁波シールドと接続された一対の電磁波シールド用配線が延長接続片まで伸ばして形成されることとなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2014−160558号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、静電容量スイッチの使用される製品を小型化するためには、静電容量スイッチのFPC部分を折り曲げて回路基板等に接続させる必要がある。また、FPC部分自体を小型化するためには、FPC部分の電極用配線を高密度化、すなわち配線幅を細く、配線間の隙間を狭くする必要もある。
【0007】
したがって、本発明の目的は、FPC部分において、屈曲使用時における電気的信頼性が高く、かつ、配線の高密度化を実現できるFPC一体型静電容量スイッチおよびその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
以下に、課題を解決するための手段として複数の態様を説明する。これら態様は、必要に応じて任意に組み合せることができる。
【0009】
本発明のFPC一体型静電容量スイッチは、
樹脂フィルムからなり、センサ部と前記センサ部の縁から延在するテール部とを有する透明フレキシブル基材と、
前記透明フレキシブル基材の第一主面上で、かつ前記センサ部内に形成された複数の電極と、
前記複数の電極と電気的に接続され、前記テール部と隣接する縁まで延長されて集約形成された複数の電極用第一配線と、
前記複数の電極用第一配線と電気的に接続され、前記テール部内に並列に配置して形成された、導電性粒子を含むフォトレジストからなる複数の電極用第二配線と、
前記透明フレキシブル基材の前記第一主面とは反対面である第二主面上で、かつ平面視で前記複数の電極を含む領域と重複するように形成された電磁波シールドと、
前記電磁波シールドと電気的に接続され、前記テール部と隣接する縁まで延長されて形成された一対の電磁波シールド用第一配線と、
前記一対の電磁波シールド用配線と電気的に接続され、前記テール部内に平面視で前記複数の電極用第二配線を含む領域より外側に配置して形成された、導電性粒子を含むフォトレジストからなる一対の電磁波シールド用第二配線と、を備える。
【0010】
このFPC一体型静電容量スイッチでは、テール部内に形成された複数の電極用第二配線および一対の電磁波シールド用第二配線が、ともに導電性粒子を含むフォトレジストからなる。そのため、FPC部分の配線が屈曲使用時においても断線せず、電気的信頼性が高い。また、導電性粒子を含むフォトレジストからなる膜を露光、現像することにより配線パターンが得られるため、複数の電極用第二配線の高密度化が可能である。
【0011】
また、本発明者らは、本発明過程おいて、導電性粒子を含むフォトレジストからなる膜の露光、現像が、FPC部分の配線の形成工程であるが故に、以下の新たな課題を生ずることに気付いた。
すなわち、透明フレキシブル基材の片面に形成された導電性粒子を含むフォトレジストからなる膜を露光すると、透明フレキシブル基材の反対面に形成された導電性粒子を含むフォトレジストからなる膜まで、光が到達して露光してしまう。そのため、複数の電極用第二配線と同じ配線パターンが、透明フレキシブル基材を介して裏側にも形成される(以下、裏写りという)。
【0012】
静電容量スイッチのFPC部分を折り曲げて回路基板等に接続させる方法としては、圧着が用いられる。ところが、複数の電極用第二配線の裏写りパターンが存在していると、圧着時の押圧力が裏写りパターンの隙間に透明フレキシブル基材が押し込まれて波打ちが生じることがわかった。この波打ち状態での圧着は、複数の電極用第二配線に破損、断線を生じさせる懼れがある。
【0013】
そこで、本発明者らは、上記の構成要素に加え、前記透明フレキシブル基材の第二主面上で、かつ前記テール部内に平面視で前記複数の電極用第二配線を含む領域と重複するように形成された、遮光性金属膜を含む電磁波シールド側マスクを備える構成とした。
【0014】
このように構成することで、複数の電極用第二配線の裏写りパターンが形成されるのを防ぐことができる。具体的には、透明フレキシブル基材の第二主面上に遮光性金属膜を含む電磁波シールド側マスクを形成した後に、一対の電磁波シールド用配線を形成するための導電性粒子を含むフォトレジストからなる膜を形成する。したがって、この膜の電磁波シールド側マスクが存在する部分には、後に行なわれる複数の電極用第二配線を形成するための露光が届かず、裏写りパターンは形成されない。その結果、圧着時においても断線せず、電気的信頼性が高い。
【0015】
また、前記電磁波シールド側マスクが分割されており、分割された前記電磁波シールド側マスクの前記透明フレキシブル基材側とは反対側の面に、前記一対の電磁波シールド用第二配線が分かれて重複していてもよい。この場合、さらに電磁波シールド側マスクが、一対の電磁波シールド用第一配線に電気的に接続されていてもよいし、一対の電磁波シールド用第一配線から独立していてもよい。
【0016】
また、前記電磁波シールド側マスクに前記一対の電磁波シールド用第二配線が非重複であり、さらに、前記透明フレキシブル基材の第一主面上で、かつテール部内に平面視で前記一対の電磁波シールド用第二配線と重複するように形成された、遮光性金属膜を含む一対の電極側マスクを備えるようにしてもよい。
【0017】
このように構成することで、さらに電気的信頼性を向上させることができる。
まず、一対の電磁波シールド用第二配線は電磁波シールド側マスクと非重複であるため、万が一に電磁波シールド側マスクにクラックが生じた場合でも、そのクラックが電磁波シールド用第二配線に影響しない。
また、一対の電磁波シールド用第二配線の裏写りパターンが形成されるのを防ぐことができる。具体的には、透明フレキシブル基材の第一主面上に遮光性金属膜を含む電極側マスクを形成した後に、複数の電極用第二配線を形成するための導電性粒子を含むフォトレジストからなる膜を形成する。したがって、この膜の電極側マスクが存在する部分には、後に行なわれる一対の電磁波シールド用第二配線を形成するための露光が届かず、裏写りパターンは形成されない。
その結果、透明フレキシブル基材の第一主面および第二主面のいずれにも裏写りパターンが第一主面1a側に形成されないため、複数の電極用第二配線および一対の電磁波シールド用第二配線の形成領域では、積層順が異なるだけで積層材料が等しくなる。すなわち厚みの差が生じない。テール部の複数の電極用第二配線を含む領域(中央部)を挟む両端部の厚みが裏写りパターンによって厚くなると、両端部の腰が強くなり、中央部がヨレ易くなる。しかし、一対の電磁波シールド用第二配線の裏写りパターンが形成されなければ、ヨレない。
【0018】
さらに、前記センサ部がビューエリアと前記ビューエリアを囲う額縁エリアとを有し、前記ビューエリア上において前記電極、前記電極用第一配線および前記電磁波シールドは透明であってもよい。
【0019】
前記電極用第二配線および前記電磁波シールド用第二配線に含まれる前記導電性粒子は、金属粉末、核材表面を導電層で被覆したもの、カーボンまたはグラファイトのいずれかであってもよい。また、前記電磁波シールド側マスクの前記遮光性金属膜は、銅、銀、錫、アルミニウムまたはニッケルのいずれかからなってもよい。
【0020】
前記透明フレキシブル基材の第一主面上で、かつ前記テール部の端部に形成された、複数の端子部をさらに備え、前記端子部上に前記複数の電極用第二配線が電気的に接続されていてもよい。
【0021】
上記のFPC一体型静電容量スイッチの製造方法は、
〔1〕 樹脂フィルムからなり、センサ部と前記センサ部の縁から延在するテール部とを面内に有する透明フレキシブル基材原反を用い、前記透明フィルム基材原反の第一主面および前記第一主面と反対面である第二主面に、それぞれ透明導電膜、遮光性金属膜および第一フォトレジストを順次積層する工程と、
〔2〕 前記第一主面側の前記第一フォトレジストを部分的に露光し、現像して前記複数の電極および前記複数の電極用第一配線に対応する形状にパターニングし、前記第二主面側の前記第一フォトレジストを部分的に露光し、現像して前記電磁波シールド、前記一対の電磁波シールド用第一配線および前記電磁波シールド側マスクに対応する形状にパターニングする工程と、
〔3〕 露出した前記透明導電膜および前記遮光性金属膜をエッチングする工程と、
〔4〕 エッチング後の前記第一フォトレジストを剥離する工程と、
〔5〕 前記第一フォトレジスト剥離後の前記第一主面側および前記第二主面側に、それぞれ第二フォトレジストを形成する工程と、
〔6〕 前記第一主面側の前記第二フォトレジストを部分的に露光し、現像してビューエリアの前記遮光性金属膜を露出させ、前記第二主面側の前記第二フォトレジストを部分的に露光し、現像して前記電磁波シールドを露出させる工程と、
〔7〕 露出した前記遮光性金属膜のみをエッチングする工程と、
〔8〕 エッチング後の前記第二フォトレジストを剥離する工程と、
〔9〕 前記第二フォトレジスト剥離後の前記第一主面側および前記第二主面側に、それぞれ導電性粒子を含む第三フォトレジストを形成する工程と、
〔10〕 前記第一主面側の前記第三フォトレジストを部分的に露光し、現像して前記複数の電極用第二配線の形状にパターニングし、前記第二主面側の前記第三フォトレジストを部分的に露光し、現像して前記一対の電磁波シールド用第二配線の形状にパターニングする工程と、
〔11〕 最後に前記透明フレキシブル基材原反を、前記センサ部および前記テール部を有する透明フレキシブル基材の形状に打ち抜く工程と、
を備える。
【0022】
この製造方法では、さらに、ビューエリア外の複数の電極用第一配線および前記一対の電磁波シールド用第一配線を透明導電膜と遮光性金属膜の積層体とすることによって、配線は十分に低抵抗となる。これにより、入力操作に対する十分な反応速度、十分に抑制された消費電流となる。しかも、電磁波シールド側マスクも同じ透明導電膜と遮光性金属膜の積層体からパターニングするため、電磁波シールド側マスク形成のための工程が別途不要である。
【0023】
なお、FPC一体型静電容量スイッチが前記電極側マスクを有する場合には、前記工程〔2〕において、前記第一主面側の前記第一フォトレジスト(70)を部分的に露光し、現像する際に、前記複数の電極および前記複数の電極用第一配線(21)に対応する形状のパターニングに加えて、前記一対の電極側マスクに対応する形状のパターニングも形成することとなる。
【発明の効果】
【0024】
本発明のPC一体型静電容量スイッチでは、FPC部分において、屈曲使用時や圧着時における電気的信頼性が高く、かつ、配線の高密度化を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】第一実施形態におけるFPC一体型静電容量スイッチを示す模式図。
図2図1のAA線断面を示す部分拡大断面図。
図3】第一実施形態における静電容量スイッチの製造工程を示す部分拡大断面図。
図4】第一実施形態における静電容量スイッチの製造工程を示す模式図。
図5】第一実施形態における静電容量スイッチの製造工程を示す模式図。
図6】第一実施形態における静電容量スイッチの製造工程を示す模式図。
図7】第一実施形態における静電容量スイッチの製造工程を示す模式図。
図8】第一実施形態における静電容量スイッチの製造工程を示す模式図。
図9】第一実施形態における静電容量スイッチの製造工程を示す模式図。
図10】第一実施形態における静電容量スイッチの製造工程を示す模式図。
図11】第一実施形態における静電容量スイッチの製造工程を示す模式図。
図12】第一実施形態における静電容量スイッチの製造工程を示す模式図。
図13】第一実施形態における静電容量スイッチの製造工程を示す模式図。
図14】第二実施形態におけるFPC一体型静電容量スイッチを示す模式図。
図15】第三実施形態におけるFPC一体型静電容量スイッチを示す模式図。
図16】第三実施形態における静電容量スイッチの製造工程を示す模式図。
図17】第三実施形態における静電容量スイッチの製造工程を示す模式図。
図18】第三実施形態における静電容量スイッチの製造工程を示す模式図。
図19】第三実施形態における静電容量スイッチの製造工程を示す模式図。
図20】第三実施形態における静電容量スイッチの製造工程を示す模式図。
図21】テール部内に電磁波シールド側マスクが有る場合の露光状態を示す部分拡大断面図。
図22】テール部内に電磁波シールド側マスクが無い場合に得られるFPC一体型静電容量スイッチのテール部を示す部分拡大断面図。
図23】テール部内に電磁波シールド側マスクが無い場合の露光状態を示す部分拡大模式図。
図24】テール部内に電磁波シールド側マスクが無い場合に得られるFPC一体型静電容量スイッチのテール部を示す部分拡大断面図。
図25】第三実施形態で電極側マスクが有る場合の露光状態を示す部分拡大断面図。
図26】第三実施形態で電極側マスクが有る場合に得られるFPC一体型静電容量スイッチのテール部を示す部分拡大断面図。
図27】第三実施形態で電極側マスクが無い場合の露光状態を示す部分拡大模式図。
図28】第三実施形態で電極側マスクが無い場合に得られるFPC一体型静電容量スイッチのテール部を示す部分拡大断面図。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、実施形態について、図面を参照しながら説明する。しかし、本発明は以下に具体的に示される実施形態に限定されるものではない。
【0027】
1.第一実施形態
(FPC一体型静電容量スイッチ)
図1は、第一実施形態におけるFPC一体型静電容量スイッチを示す模式図である。また、図2は、図1のAA線断面を示す部分断面図である。なお、図面中における(a)、(b)はそれぞれ透明フレキシブル基材1の第一主面1a側、第二主面1b側からみた見た図を示している。また、図中の符号のうち丸括弧で囲んだものは、模式図において露出している最表面の層を示している。
FPC一体型静電容量スイッチ5は、透明フレキシブル基材1と、透明フレキシブル基材1の第一主面1aに形成された複数の電極2、複数の電極用第一配線21および複数の電極用第二配線22と、透明フレキシブル基材1の第一主面1aとは反対面である第二主面1b上に形成された電磁波シールド3、一対の電磁波シールド用第一配線31、電磁波シールド側マスク33および一対の電磁波シールド用第二配線32と、を備えている。
【0028】
<透明フレキシブル基材>
透明フレキシブル基材1は、図1に示すように、静電容量スイッチ本体の基材であるセンサ部11と、センサ部11の縁から延在するFPC部分の基材であるテール部12とを有している。センサ部11の形状は、センサ部11の形状は、図1に示す長方形以外に、FPC一体型静電容量スイッチ5の用途に応じて、その他の形態、例えば、円形、正方形、三角形、多角形であってもよい。
【0029】
また、透明フレキシブル基材1は、樹脂フィルムからなる。90%以上の透過率をもつフレキシブルな材料であれば特に制限はなく、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルスルホン(PES)、環状オレフィンコポリマー(COC)、トリアセチルセルロース(Triacetylcellulose;TAC)フィルム、ポリビニルアルコール(Polyvinyl alcohol;PVA)フィルム、ポリイミド(Polyimide;PI)フィルム、ポリスチレン(Polystyrene;PS)、又は二軸延伸ポリスチレン(biaxially oriented PS;BOPS)などのフィルム、又はそれらの積層体などが用いられる。好ましくは、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリイミド(PI)、ポリカーボネート(PC)、トリアセチルセルロース(TAC)フィルムなどであってもよい。
【0030】
また、透明フレキシブル基材1は、単一層又は2層以上の貼合された積層体であってもよい。また、透明フレキシブル基材1の厚みは、通常、各フィルムの単独厚で20μm以上、各フィルムの合計厚が500μm以下とされている。単独厚が20μmに満たないとフィルム製造時のハンドリングが難しく、合計厚が500μmを超えると透光性やフレキシブル性が低下するからである。
【0031】
<電極>
図1(a)に示すように、透明フレキシブル基材1の第一主面1aのうち、センサ部11内に区画された長方形のビューエリア111においては、透明導電膜50からなる複数の電極2が形成されている。複数の電極2は、静電容量スイッチの検出電極を構成するものであり、各々が正方形状で、縦横4×4に行列配置されている。
【0032】
透明導電膜50としては、酸化錫、酸化インジウム、酸化アンチモン、酸化亜鉛、酸化カドミウム、若しくは、インジウムチンオキサイド(ITO)などの金属酸化物膜、又は、これらの金属酸化物を主体とする複合膜が挙げられる。これらは、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法などで形成するとよい。厚みは数十から数百nm程度で形成され、塩化第二鉄などの溶液では遮光性金属膜60とともに容易にエッチングされるが、酸性雰囲気下での過酸化水素水など遮光性金属膜60のエッチング液では容易にエッチングされないことが必要である。そして、80%以上の光線透過率、数mΩから数百Ωの表面抵抗値を示すことが好ましい。
【0033】
<電極用第一配線>
図1(a)に示すように、透明フレキシブル基材1の第一主面1aのうち、センサ部11においては、複数の電極2と電気的に接続され、テール部12と隣接する縁まで延長されて集約された複数の電極用第一配線21が形成されている。
【0034】
電極用第一配線21は、図1(a)に示すように、センサ部11内に区画されたビューエリア111においては、電極2と同じ透明導電膜50からなる。また、複数の電極用第一配線21は、図1(a)および図2に示すように、センサ部11内のビューエリア111を取り囲む残りの額縁エリア112においては、透明フレキシブル基材1側から透明導電膜50、遮光性金属膜60が順次積層された積層体である。
【0035】
電極用第一配線21の透明導電膜50は、電極2とは一体的に形成されるものである。すなわち、電極2と同じ材料であるから、材料についての説明は省略する。
【0036】
電極用第一配線21のうちビューエリア111外に形成される部分は、透明である必要はない。そのため、透明導電膜50の上に、透明導電膜50より導電率が高く、かつ、遮光性の良い材料からなる遮光性金属膜60を積層することができる。
透明導電膜50よりも導電率が高い遮光性金属膜60を積層するによって、ビューエリア111外の電極用第一配線21は十分に低抵抗となる。これにより、入力操作に対する十分な反応速度、十分に抑制された消費電流となる。
【0037】
遮光性金属膜60としては、銅、銀、錫、アルミニウム、ニッケルなどの単一の金属膜やそれらの合金または化合物などが挙げられる。とくに銅が好ましい。これらは、金属箔ラミネート法、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法などで形成するとよい。厚みは、20〜1000nmで形成され、より好ましくは30nm以上である。さらに好ましくは、100〜500nmにするとよい。厚み100nm以上であれば、高い導電性の遮光性金属膜60が得られ、厚み500nm以下であれば、取り扱いやすく加工性に優れた遮光性金属膜60が得られるからである。
【0038】
<電極用第二配線>
図1(a)に示すように、透明フレキシブル基材1の第一主面1aのうち、センサ部11の縁から延在する帯状のテール部12には、複数の電極用第一配線21と電気的に接続された、複数の電極用第二配線22が形成されている。複数の電極用第二配線22は、FPC部分の配線を構成するものであり、平行に並列に配置されている。
【0039】
電極用第二配線22は、図1(a)に示すように、導電性粒子を含む第三フォトレジスト80からなる。
第三フォトレジスト80からなる電極用第二配線22は、静電容量スイッチ5の製造工程において、露光、現像を経てパターン化されたものである。そのため、一般にFPC配線に使用される印刷パターンよりも配線幅を細く、配線間の隙間を狭くすること、すなわち高密度化を実現できる。
また、この第三フォトレジスト80は、屈曲性に優れた感光性樹脂をベースとしており、屈曲使用時において断線しにくく、電気的信頼性が高い。
【0040】
第三フォトレジスト80のベースとしては、カーボンアーク灯、水銀蒸気アーク灯、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、キセノンランプ等で露光し、後述するアルカリ性水溶液等で現像が可能な感光性樹脂で構成する。
【0041】
第三フォトレジスト80に含有させる導電性粒子としては、銀、金、銅、ニッケル、白金、パラジウムなどの金属粉末のほか、核材としてアルミナ、ガラスなどの無機絶縁体やポリエチレン、ポリスチレン、ジビニルベンゼンなどの有機高分子などを用い、核材表面を金、ニッケルなどの導電層で被覆したもの、カーボン、グラファイトなどが挙げられる。とくに銀粉末が好ましい。また、導電性粒子の形状は、フレーク状、球状、短繊維状などの形状のものを用いることができる。
【0042】
電極用第二配線22の形成方法は、グラビア、スクリーン、オフセットなどの汎用の印刷法のほか、各種コーターによる方法、塗装、ディッピングなどの方法、ドライフィルムレジスト(DFR)のラミネートなどの各種方法により全面形成した後に、露光・現像してパターニングするとよい。中でもドライフィルムレジストのラミネートがより好ましい。
ドライフィルムレジストは、液状レジストと異なり、予め均一な膜厚に加工されているため、膜厚が不均一になったり、膜減りを起こしたりすることが無い。また、有機溶剤の乾燥時間も必要無いので、乾燥不良が原因で、巻き取った際に転移することがない。
【0043】
電極用第二配線22の厚みは、2〜10μmとするのが好ましい。より好ましくは、3〜5μmである。厚み3μm以上であれば、配線として用いるのに十分に低い導電率を持つ電極用第二配線22が得られ、5μm以下であれば耐屈曲性に優れた電極用第二配線22が得られるからである。
【0044】
<電磁波シールド>
図1(b)に示すように、透明フレキシブル基材1の第一主面1aとは反対面である第二主面1b上で、かつ平面視で複数の電極2を含む領域と重複するように、透明導電膜50からなる電磁波シールド3が形成されている。電磁波シールド3は、表示装置からの誤動作を引き起こす有害なノイズを削減するものである。
【0045】
電磁波シールド3の透明導電膜50は、電極2と同じ材料であるから、材料についての説明は省略する。
【0046】
<電磁波シールド用第一配線>
また、図1(b)に示すように、透明フレキシブル基材1の第二主面1bのセンサ部11には、電磁波シールド(3)と電気的に接続され、テール部12と隣接する縁まで延長された一対の電磁波シールド用第一配線31が形成されている。
【0047】
電磁波シールド用第一配線31は、図1(b)に示すように、透明フレキシブル基材1側から透明導電膜50、遮光性金属膜60が順次積層された積層体である。電磁波シールド用第一配線31の透明導電膜50および遮光性金属膜60は、電極用第一配線21の積層体部分と同じ材料であるから、材料についての説明は省略する。
【0048】
<電磁波シールド側マスク>
また、図1(b)に示すように、透明フレキシブル基材1の第二主面1bのテール部12には、平面視で複数の電極用第二配線22を含む領域と重複するように、遮光性金属膜を含む電磁波シールド側マスク33が形成されている。
本実施形態においては、電磁波シールド側マスク33は、透明フレキシブル基材1側から透明導電膜50、遮光性金属膜60が順次積層された積層体であり、平面視で分割されている。また、電磁波シールド側マスク33の透明導電膜50および遮光性金属膜60は、電磁波シールド用第一配線31とは一体的に形成されている。電磁波シールド側マスク33は、電磁波シールド用第一配線31と同じ材料であるから、材料についての説明は省略する。
【0049】
遮光性金属膜を含む電磁波シールド側マスク33は、静電容量スイッチ5の製造過程における、複数の電極用第二配線22の裏写りパターン34が形成されるのを防ぐためのものである。
より具体的には、透明フレキシブル基材1の第二主面1b上に遮光性金属膜を含む電磁波シールド側マスク33を形成した後に、後述する一対の電磁波シールド用配線31を形成するための導電性粒子を含む第三フォトレジスト80からなる膜を形成する。したがって、図16に示すように、この膜の電磁波シールド側マスク33が存在する部分には、後に行なわれる複数の電極用第二配線22を形成するための露光200が届かず、裏写りパターン34は形成されない。その結果、圧着時においても断線せず、電気的信頼性が高い。図中、濃くなっている部分80aは硬化部分である。
【0050】
<電磁波シールド用第二配線>
また、図1(b)に示すように、透明フレキシブル基材1の第一主面1aのうち、センサ部11の縁から延在する帯状のテール部12には、一対の電磁波シールド用配線31と電気的に接続された、導電性粒子を含む第三フォトレジスト80からなると一対の電磁波シールド用第二配線32が形成されている。
複数の一対の電磁波シールド用第二配線32は、FPC部分の配線を構成するものであり、平面視で複数の電極用第二配線22を含む領域より外側に配置されている。
つまり、電磁波シールド側マスク33の分割は、電磁波シールド側マスク33と重複で一対の電磁波シールド用第二配32を短絡させないためである。
【0051】
電磁波シールド用第二配線32は、電極用第二配線22と同じ材料であるから、材料についての説明は省略する。
【0052】
(静電容量スイッチの製造方法)
図を用いて、本発明の静電容量スイッチの製造方法を説明する。
図3は、第一実施形態における静電容量スイッチの製造工程を示す部分拡大断面図である。図4〜12は、第一実施形態における静電容量スイッチの製造工程を示す模式図である。図面中における(a)、(b)はそれぞれ透明フレキシブル基材1の第一主面1a側、第二主面1b側からみた見た図を示している。また、図中の符号のうち丸括弧で囲んだものは、模式図において露出している最表面の層を示している。
【0053】
〔1〕第一積層工程
まず、樹脂フィルムからなり、センサ部11とセンサ部11の縁から延在するテール部12とを面内に有する、静電容量スイッチ5よりもサイズの大きな透明フレキシブル基材原反100を用意する。
この透明フィルム基材原反100の第一主面100aおよび前記第一主面100aと反対面である第二主面100bに、それぞれ透明導電膜50、遮光性金属膜60および第一フォトレジスト70を順次積層する(図3および図4参照)。透明導電膜50、遮光性金属膜60および第一フォトレジスト70は、本積層工程においては、透明フィルム基材原反100に対して全面的に形成されている。
【0054】
透明フレキシブル基材原反100については、前述した静電容量スイッチ5の透明フレキシブル基材1と同じ材料を用いることができる。また、透明導電膜50、遮光性金属膜60および第一フォトレジスト70の形成についても、前述した材料および形成方法が用いられる。
なお、透明フィルム基材原反100は、枚葉で準備されてもよいし、ロールに巻き取られた状態で準備されてもよい。透明フィルム基材原反100がロールに巻き取られた状態で準備される場合、ロールから巻き出して供給される透明フィルム基材原反100に対して、本積層工程およびそれ以降の工程が連続して、あるいは途中で何度か一旦巻き取りながら、施されていくことになる。
【0055】
〔2〕第一露光・現像工程
その後、図5に示すように、第一主面100a側の第一フォトレジスト70を部分的に露光し、現像して前述の複数の電極2および複数の電極用第一配線21に対応する形状にパターニングする。また、第二主面100b側の第一フォトレジスト70を部分的に露光し、現像して前述の電磁波シールド3、一対の電磁波シールド用第一配線31および電磁波シールド側マスク33に対応する形状にパターニングする。
【0056】
露光は、第一フォトレジスト70の露光領域を硬化させ、現像液に対して溶解性を低下させる処理である。露光方法としては、デジタル露光、アナログ露光等が挙げられる。
【0057】
現像は、露光領域を硬化させた後、現像液を用いて未硬化領域を除去することにより、感光性導電層6のパターンを形成する処理である。
現像液としては、特に制限はなく、例えば、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物若しくは炭酸塩、炭酸水素塩、アンモニア水、4級アンモニウム塩の水溶液などが好適に挙げられる。現像液は、界面活性剤、消泡剤、有機塩基(などと併用してもよい。また、現像液は、水又はアルカリ水溶液と有機溶剤を混合した水系現像液であってもよく、有機溶剤単独であってもよい。
【0058】
〔3〕第一エッチング工程
次に、図6に示すように、露出した透明導電膜50および遮光性金属膜60をエッチングする。
これにより、両面の透明導電膜50、遮光性金属膜60が、両面の第一フォトレジスト70のパターンと同一のパターンにパターニングされる。とくに額縁エリア112において複数の電極用第一配線21を構成するパターンは、フォトリソグラフィー技術によるため、銀ペーストのスクリーン印刷にて形成される場合と比べて、十分に高精細に形成することができる。
なお、本実施形態では、遮光性金属膜60を有するため、第一フォトレジスト70を表裏同時に露光ができ、非常に生産性よく製造できる。
【0059】
エッチング液としては、塩化第二鉄溶液などの公知のものから、透明導電膜50および遮光性金属膜60を両方ともエッチングするものが適宜選択して用いられる。例えば、透明導電膜50および遮光性金属膜60がITO膜と銅膜の場合、塩化第二鉄溶液をエッチング液として用いることができる。
【0060】
〔4〕第一レジスト剥離工程
次に、図7に示すように、両面の第一フォトレジスト70を剥離する。
これによって、第一フォトレジスト70で覆われていた部分の遮光性金属膜60が、両面で露出するようになる。
剥離液としては、公知のものから第一フォトレジスト70のみ剥離するものを適宜選択して使用する。
【0061】
〔5〕第二積層工程
次に、図8に示すように、第一フォトレジスト70剥離後の前記第一主面100a側および第二主面100b側に、それぞれ第二フォトレジスト71を形成する。
第二フォトレジスト71は、第一フォトレジスト70と同様の材料を用い、透明フィルム基材原反100に対して全面的に形成されている。
【0062】
〔6〕第二露光・現像工程
その後、図9に示すように、第一主面100a側の第二フォトレジスト71を部分的に露光し、現像して前述のビューエリア111の遮光性金属膜60を露出させる。また、第二主面100b側の第二フォトレジスト71を部分的に露光し、現像して電磁波シールド3を露出させる。
なお、本実施形態では、遮光性金属膜60を有するため、第二フォトレジスト71を表裏同時に露光ができ、非常に生産性よく製造できる。
【0063】
露光、現像の詳細については、パターン以外は前述の第一露光・現像工程と同様であるので、説明を省略する。
【0064】
〔7〕第二エッチング工程
次に、図10に示すように、露出した遮光性金属膜60のみをエッチングする。
これにより、ビューエリア111は透明導電膜50となり、静電容量スイッチ5の背後に図示しない表示装置を配置した場合、表示画面を透視することができる。
【0065】
エッチング液としては、酸性雰囲気下での過酸化水素水など公知のもののうちから、遮光性金属膜60のみをエッチングするものが適宜選択して用いられる。例えば、透明導電膜50および遮光性金属膜60がITO膜と銅膜の場合、酸性雰囲気下での過酸化水素水などをエッチング液として用いることができる。
【0066】
〔8〕レジスト剥離工程
次に、図11に示すように、エッチング後の第二フォトレジスト71を剥離する。
これによって、第二フォトレジスト71で覆われていた部分の遮光性金属膜60が、両面で露出するようになる。
剥離液としては、公知のものから第二フォトレジスト71のみ剥離するものを適宜選択して使用する。
【0067】
〔9〕第三積層工程
次に、図12に示すように、第二フォトレジスト71剥離後の第一主面100a側および第二主面100b側に、それぞれ導電性粒子を含む第三フォトレジスト80を形成する。
第三フォトレジスト80の形成についても、前述した静電容量スイッチ5の材料および形成方法と同じである。
【0068】
〔10〕第三露光・現像工程
その後、図13に示すように、第一主面100a側の第三フォトレジスト80を部分的に露光し、現像して複数の電極用第二配線22の形状にパターニングし、第二主面100b側の第三フォトレジスト80を部分的に露光200し、現像して一対の電磁波シールド用第二配線32の形状にパターニングする。
本第三露光・現像工程は、第三フォトレジスト80が導電性粒子を含むので、露光・現像後、第三フォトレジスト80自体が導電性パターンとなる。この点で第一および第二露光・現像工程と異なる。
【0069】
また、前述のように、透明フレキシブル基材1の第二主面1b上で、かつテール部12内に平面視で複数の電極用第二配線22を含む領域と重複するように形成された、遮光性金属膜を含む電磁波シールド側マスク33を有するため、複数の電極用第二配線22を形成するための露光が第二主面100b側の第三フォトレジスト80に届かず、複数の電極用第二配線22の裏写りパターン34は形成されない(図21図22参照)。図中、濃くなっている部分80aは硬化部分である。
なお、テール部12内に遮光性金属膜を含む電磁波シールド側マスク33が無い場合には、図23に示すように、一方面側の第三フォトレジスト80への露光200が、他方面側の第三フォトレジスト80に届いてしまい、余計な硬化部分ができる。これを現像すると、図24に示すような、複数の電極用第二配線22の裏写りパターン90が形成されてしまう。
【0070】
露光、現像の詳細については、上記のこと以外は前述の第一および第二露光・現像工程と同様であるので、説明を省略する。
【0071】
〔11〕打ち抜き工程
最後に、透明フレキシブル基材原反100を、センサ部11およびテール部12を有する透明フレキシブル基材1の形状に打ち抜いて、図1に示すFPC一体型静電容量スイッチ5を得る。
透明フレキシブル基材原反100のうち抜きには、公知の手段を用いることが出来る。機械式打ち抜き方法としては、例えば、トムソン刃による平抜き、ダイカットロールによる円筒抜きが挙げられる。光学式打ち抜き方法としては、CO2レーザーカッターを上げることができる。
【0072】
以上のようにして得られるFPC一体型静電容量スイッチ5は、テール部12内に形成された複数の電極用第二配線22および一対の電磁波シールド用第二配線32が、ともに導電性粒子を含む第三フォトレジスト80からなる。そのため、FPC部分の配線が屈曲使用時においても断線せず、電気的信頼性が高い。また、導電性粒子を含む第三フォトレジスト80からなる膜を露光、現像することにより配線パターンが得られるため、複数の電極用第二配線22の高密度化が可能である。
【0073】
また、透明フレキシブル基材1の第二主面1b上に遮光性金属膜60を含む電磁波シールド側マスク33を形成した後に、一対の電磁波シールド用第二配線32を形成するための導電性粒子を含む第三フォトレジスト80からなる膜を形成するので、電磁波シールド側マスク33が存在する部分においては、後に行なわれる複数の電極用第二配線22を形成するための露光が第二主面1b側の第三フォトレジスト80に届かず、裏写りパターンは形成されない。その結果、圧着時においても断線せず、電気的信頼性が高い。
【0074】
2.第二実施形態
第一実施形態では、電磁波シールド側マスク33が、一対の電磁波シールド用第一配線31に電気的に接続されているFPC一体型静電容量スイッチ5を説明したが、本発明はその実施形態に限定されない。
例えば、図14に示すように、電磁波シールド側マスク33が、一対の電磁波シールド用第一配線31から独立していてもよい。
このように構成した場合、一対の電磁波シールド用第一配線31と電磁波シールド側マスク33とで別の材料を用いることができるというメリットがある。
その他の点については、第一実施形態と同様であるので、説明を省略する。
【0075】
3.第三実施形態
また、第一実施形態では、分割された電磁波シールド側マスク33の透明フレキシブル基材1側とは反対側の面に、一対の電磁波シールド用第二配線32が分かれて重複しているFPC一体型静電容量スイッチ5を説明したが、本発明はその実施形態に限定されない。
例えば、図15に示すように、一対の電磁波シールド用第二配線32が電磁波シールド側マスク33に重複せず、電磁波シールド側マスク33の両側に平行に離間して形成されていてもよい。
このように構成した場合、電磁波シールド側マスク33を分割しなくても(図15参照)、一対の電磁波シールド用第二配32が短絡するおそれがない。そのため、電磁波シールド側マスク33間の隙間にも第三フォトレジスト80からなるパターンが形成されないので、圧着時の波打ちをより確実に防止できる。
また、一対の電磁波シールド用第二配線32が電磁波シールド側マスク33と非重複であるため、万が一に電磁波シールド側マスク33にクラックが生じた場合でも、そのクラックが電磁波シールド用第二配線32に影響しない。
【0076】
なお、第三実施形態のように一対の電磁波シールド用第二配線32と電磁波シールド側マスク33とを非重複とする場合、透明フレキシブル基材1の第一主面1a上で、かつテール部12内に平面視で一対の電磁波シールド用第二配線32と重複するように形成された、遮光性金属膜を含む一対の電極側マスク34を備えるようにするのが好ましい(図15参照)。この電極側マスク34の幅は、電磁波シールド用第二配線32と同じか、又は電磁波シールド用第二配線32より広く形成される。
このように構成することで、一対の電磁波シールド用第二配線32の裏写りパターンが第一主面1a側に形成されるのを防ぐことができる。具体的には、透明フレキシブル基材1の第一主面1a上に遮光性金属膜を含む電極側マスク34を形成した後に、複数の電極用第二配線32を形成するための導電性粒子を含むフォトレジストからなる膜を形成する。したがって、この膜の電極側マスク34が存在する部分には、後に行なわれる一対の電磁波シールド用第二配線32を形成するための露光が届かず、裏写りパターンは形成されない(図25参照)。
【0077】
その結果、透明フレキシブル基材1の第一主面1aおよび第二主面1bのいずれにも裏写りパターンが形成されないため、複数の電極用第二配線22および一対の電磁波シールド用第二配線32の形成領域では、積層順が異なるだけで積層材料が等しくなる(図26参照)。すなわち厚みの差が生じない。
テール部12の複数の電極用第二配線22を含む領域(中央部)を挟む両端部の厚みが一対の電磁波シールド用第二配線32の裏写りパターン90によって厚くなると(図27図28参照)、両端部の腰が強くなり、中央部がヨレ易くなる(図27図28中、電磁波シールド側マスク33と電磁波シールド用第二配線32の厚みが同等に描かれているが、これは層構成がわかりやすくするためであり、実際には前述のように電磁波シールド用第二配線32の方が1桁程度数値が小さい)。しかし、上記したように一対の電磁波シールド用第二配線32の裏写りパターン90が形成されなければ、ヨレない。
【0078】
その他の点については、第一実施形態と同様であるので、説明を省略する。
【0079】
(静電容量スイッチの製造方法)
図を用いて、第三実施形態の静電容量スイッチの製造方法を説明する。
【0080】
〔1〕第一積層工程

第一実施形態と同様である(図4参照)。
〔2〕第一露光・現像工程
第一主面100a側の前記第一フォトレジスト70を部分的に露光し、現像する際に、複数の電極2および複数の電極用第一配線21に対応する形状のパターニングに加えて、一対の電極側マスク34に対応する形状のパターニングもするように変更する(図16参照)。
その他は、第一実施形態と同様である。
〔3〕第一エッチング工程
前工程の変更に基づき電極側マスク34が形成される以外、第一実施形態と同様である(図17参照)。
〔4〕第一レジスト剥離工程
第一実施形態と同様である(図18参照)。
【0081】
〔5〕第二積層工程
第一実施形態と同様である(図8参照)。
〔6〕第二露光・現像工程
第一実施形態と同様である(図9参照)。
〔7〕第二エッチング工程
第一実施形態と同様である(図10参照)。
〔8〕レジスト剥離工程
第一実施形態と同様である(図19参照)。
【0082】
〔9〕第三積層工程
第一実施形態と同様である(図12参照)。
〔10〕第三露光・現像工程
電極側マスク34が存在する部分に、一対の電磁波シールド用第二配線32を形成するための露光が届かず、裏写りパターンは形成されないこと以外は、第一実施形態と同様である(図20参照)。
【0083】
〔11〕打ち抜き工程
第一実施形態と同様である(図15参照)。
【0084】
4.他の実施形態
以上、本発明の複数の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。特に、本明細書に書かれた複数の実施形態および変形例は必要に応じて任意に組み合せ可能である。
【0085】
例えば、センサ部11がビューエリア111を有し、ビューエリア111上において電極2、電極用第一配線21および電磁波シールド3は透明と説明したが、ビューエリア111を設けずにこれらを不透明な材料で形成してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0086】
本発明のFPC一体型静電容量スイッチは、腕時計、車載機器のほか、携帯用小型端末、電子ペーパー、コンピュータディスプレイ、小型ゲーム機、現金自動支払機の表示面、乗車券自動販売機などに装着される静電容量スイッチとして好ましく使用することができる。
【符号の説明】
【0087】
1 :透明フレキシブル基材
1a,100a :第一主面
1b,100b :第二主面
2 :電極
3 :電磁波シールド
11 :センサ部
12 :テール部
21 :電極用第一配線
22 :電極用第二配線
31 :電磁波シールド用第一配線
32 :電磁波シールド用第二配線
33 :電磁波シールド側マスク
34 :電極側マスク
50 :透明導電膜
60 :遮光性金属膜
70 :第一フォトレジスト
71 :第二フォトレジスト
80 :第三フォトレジスト(導電性粒子含む)
80a :硬化部分
90 :裏写りパターン
111 :ビューエリア
112 :額縁エリア
100 :透明フレキシブル基材原反
200 :露光
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
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図23
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図28