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特許6576510メモリデバイス及びそのテスト読書き方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6576510
(24)【登録日】2019年8月30日
(45)【発行日】2019年9月18日
(54)【発明の名称】メモリデバイス及びそのテスト読書き方法
(51)【国際特許分類】
   G11C 29/34 20060101AFI20190909BHJP
【FI】
   G11C29/34
【請求項の数】14
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2018-100086(P2018-100086)
(22)【出願日】2018年5月25日
【審査請求日】2018年5月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】512167426
【氏名又は名称】華邦電子股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Winbond Electronics Corp.
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100169823
【弁理士】
【氏名又は名称】吉澤 雄郎
(72)【発明者】
【氏名】中岡 裕司
【審査官】 後藤 彰
(56)【参考文献】
【文献】 特開平03−012900(JP,A)
【文献】 特開2013−235636(JP,A)
【文献】 特開2013−037729(JP,A)
【文献】 特開2011−204295(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G11C 29/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プリチャージ参照電圧に基づき、第一のプリチャージ電圧及び第二のプリチャージ電圧を生成するプリチャージ電圧制御回路と、
ビット線及び相補ビット線の間に結合され、前記ビット線に結合されたメモリユニットのデータを検出するのに用いられ、前記プリチャージ電圧制御回路に結合され、前記ビット線及び前記相補ビット線に、それぞれ前記第一のプリチャージ電圧及び前記第二のプリチャージ電圧を受信させるセンス増幅回路と、を含み、
プリチャージ操作中、前記第一のプリチャージ電圧及び前記第二のプリチャージ電圧の電圧レベルは、同じであり、前記プリチャージ操作後のテスト書込み検出期間及びテスト読取り検出期間において、前記プリチャージ電圧制御回路が前記ビット線及び前記相補ビット線に提供する前記第一のプリチャージ電圧及び前記第二のプリチャージ電圧の電圧レベルは異なり、
前記プリチャージ電圧制御回路に結合され、前記第一のプリチャージ電圧及び前記第二のプリチャージ電圧のうちの一つ及びテスト参照電圧を比較して、テスト結果を生成するテスト比較回路をさらに含み、
前記第一のプリチャージ電圧及び前記第二のプリチャージ電圧のうちの一つが前記テスト参照電圧より大きい時、前記テスト結果は、前記メモリユニットのデータ検出が成功であることを表し、前記第一のプリチャージ電圧及び前記第二のプリチャージ電圧のいずれも前記テスト参照電圧より小さい時、前記テスト結果は、前記メモリユニットのデータ検出が失敗であることを表すメモリデバイス。
【請求項2】
前記センス増幅回路は、
第一端は、前記第一のプリチャージ電圧を受信し、第二端は、前記ビット線に結合され、第一のプリチャージイネーブル信号によって制御される第一のスイッチと、
第一端は、前記第二のプリチャージ電圧を受信し、第二端は、前記相補ビット線に結合され、前記第一のプリチャージイネーブル信号によって制御される第二のスイッチと、
前記ビット線及び前記相補ビット線の間に結合され、第二のプリチャージイネーブル信号によって制御される第三のスイッチと、
前記ビット線及び前記相補ビット線の間に結合され、前記ビット線及び前記相補ビット線の間の電圧差を大きくするのに用いられるセンス回路と、を含む請求項1に記載のメモリデバイス。
【請求項3】
前記センス増幅回路に結合され、プリチャージイネーブル信号に基づき、前記第一のプリチャージイネーブル信号及び前記第二のプリチャージイネーブル信号を生成するプリチャージイネーブル制御回路を、さらに含み、
前記メモリユニットに対してテスト書込み操作及びテスト読取り操作を行う時、前記第一のプリチャージイネーブル信号の電圧レベルは切り換えられ、前記第二のプリチャージイネーブル信号の論理レベルは前記第一のプリチャージイネーブル信号と異なり、前記テスト書込み操作及び前記テスト読取り操作終了後、前記第二のプリチャージイネーブル信号の電圧レベルは切り換えられて、前記第一のプリチャージイネーブル信号の論理レベルと同じレベルに回復する請求項2に記載のメモリデバイス。
【請求項4】
前記テスト参照電圧の電圧レベルは、前記プリチャージ参照電圧より高く、電源電圧より小さい請求項1に記載のメモリデバイス。
【請求項5】
前記第一のプリチャージ電圧及び前記第二のプリチャージ電圧のうちの一つが前記テスト参照電圧より大きい時、前記テスト結果の電圧値は、前記電源電圧及び接地電圧のうちの一方に実質的に等しく、前記第一のプリチャージ電圧及び前記第二のプリチャージ電圧のいずれも前記テスト参照電圧より小さい時、前記テスト結果の電圧値は、前記電源電圧及び前記接地電圧のうちの他方に実質的に等しい請求項4に記載のメモリデバイス。
【請求項6】
前記テスト書込み検出期間において、前記第一のプリチャージ電圧及び前記第二のプリチャージ電圧のうちの一方の電圧値は、電源電圧より低いが、前記プリチャージ参照電圧より高く、他方の電圧値は、前記プリチャージ参照電圧より低い請求項1に記載のメモリデバイス。
【請求項7】
前記メモリユニットに対して前記テスト読取り操作を行う時、前記テスト読取り検出を行う前に、前記第一のプリチャージ電圧及び前記第二のプリチャージ電圧は、まず、電源電圧に実質的に等しい電圧に引き上げられる請求項1に記載のメモリデバイス。
【請求項8】
メモリユニットに対してテスト書込み操作及びテスト読取り操作を行うのに用いられる、メモリデバイス用の読書き方法であって、
プリチャージ参照電圧に基づき、第一のプリチャージ電圧及び第二のプリチャージ電圧を生成することと、
ビット線及び相補ビット線に、それぞれ前記第一のプリチャージ電圧及び前記第二のプリチャージ電圧を受信させることと、を含み、
プリチャージ操作中、前記第一のプリチャージ電圧及び前記第二のプリチャージ電圧の電圧レベルは、同じであり、前記プリチャージ操作後のテスト書込み検出期間及びテスト読取り検出期間において、プリチャージ電圧制御回路が前記ビット線及び前記相補ビット線に提供する前記第一のプリチャージ電圧及び前記第二のプリチャージ電圧(HFVN)の電圧レベルは異なり、
前記第一のプリチャージ電圧及び前記第二のプリチャージ電圧のうちの一つ及びテスト参照電圧を比較して、テスト結果を生成することをさらに含み、
前記第一のプリチャージ電圧及び前記第二のプリチャージ電圧のうちの一つが前記テスト参照電圧より大きい時、前記テスト結果は、前記メモリユニットのデータ検出が成功であることを表し、前記第一のプリチャージ電圧及び前記第二のプリチャージ電圧のいずれも前記テスト参照電圧より小さい時、前記テスト結果は、前記メモリユニットのデータ検出が失敗であることを表す読書き方法。
【請求項9】
第一のプリチャージイネーブル信号によって第一のスイッチと、第二のスイッチと、を制御して、前記ビット線及び前記相補ビット線は、それぞれ前記第一のプリチャージ電圧及び前記第二のプリチャージ電圧を受信するか否か決定することと、
第二のプリチャージイネーブル信号によって第三のスイッチを制御して、前記ビット線及び前記相補ビット線を電気的に接続するか否か決定することと、
センス回路によって前記ビット線及び前記相補ビット線の間の電圧差を大きくすることと、をさらに含む請求項8に記載の読書き方法。
【請求項10】
プリチャージイネーブル信号に基づき、前記第一のプリチャージイネーブル信号及び前記第二のプリチャージイネーブル信号を生成すること、をさらに含み、
前記メモリユニットに対して前記テスト書込み操作及び前記テスト読取り操作を行う時、前記第一のプリチャージイネーブル信号の電圧レベルは切り換えられ、前記第二のプリチャージイネーブル信号の論理レベルは前記第一のプリチャージイネーブル信号と異なり、前記テスト書込み操作及び前記テスト読取り操作終了後、前記第二のプリチャージイネーブル信号の電圧レベルは切り換えられて、前記第一のプリチャージイネーブル信号の論理レベルと同じレベルに回復する請求項9に記載の読書き方法。
【請求項11】
前記テスト参照電圧の電圧レベルは、前記プリチャージ参照電圧より高く、電源電圧より小さい請求項8に記載の読書き方法。
【請求項12】
前記第一のプリチャージ電圧及び前記第二のプリチャージ電圧のうちの一つが前記テスト参照電圧より大きい時、前記テスト結果の電圧値は、前記電源電圧及び接地電圧のうちの一方に実質的に等しく、前記第一のプリチャージ電圧及び前記第二のプリチャージ電圧のいずれも前記テスト参照電圧より小さい時、前記テスト結果の電圧値は、前記電源電圧及び前記接地電圧のうちの他方に実質的に等しい請求項11に記載の読書き方法。
【請求項13】
前記テスト書込み検出期間において、前記第一のプリチャージ電圧及び前記第二のプリチャージ電圧のうちの一方の電圧値は、電源電圧より低いが、前記プリチャージ参照電圧より高く、他方の電圧値は、前記プリチャージ参照電圧より低い請求項8に記載の読書き方法。
【請求項14】
前記メモリユニットに対して前記テスト読取り操作を行う時、前記テスト読取り検出を行う前に、前記第一のプリチャージ電圧及び前記第二のプリチャージ電圧は、まず、電源電圧に実質的に等しい電圧に引き上げられる請求項8に記載の読書き方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は半導体メモリ技術に関し、特に、パラレルテストモード(parallel test mode)において、選定されたワード線上の全てのセンス回路を一度で読書きできるメモリデバイス及びそのテスト読書き方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的な半導体メモリデバイスは、例えば、DRAM中にセンス増幅器が構成されており、メモリユニットアレイのビット線に接続され、且つ、選択されたメモリユニットからデータをアクセスし、データを増幅する。
【0003】
従来の技術において、メモリデバイスに対してテストを行う時、例えば、パラレルテストモードにおいて、正常に読書きする複数の増幅器を一度で選定するが、データ線(Data line)の数より多くのメモリユニットを一度で選定してテストを行うことはできず、如何にして一回の周期(cycle)内でワード線における複数のセンス増幅器を選択して、パラレルテストモードを行うかは、現在解決が望まれている課題の一つになっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、一回の周期(cycle)内でワード線の複数のセンス増幅器を選択して、パラレルテストモードを行うことができるメモリデバイス及びそのテスト読書き方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、プリチャージ参照電圧に基づき、第一のプリチャージ電圧及び第二のプリチャージ電圧を生成するプリチャージ電圧制御回路と、ビット線及び相補ビット線の間に結合され、ビット線に結合されたメモリユニットのデータを検出するのに用いられ、プリチャージ電圧制御回路に結合され、ビット線及び相補ビット線に、それぞれ第一のプリチャージ電圧及び第二のプリチャージ電圧を受信させるセンス増幅回路と、を含み、プリチャージ操作中、第一のプリチャージ電圧及び第二のプリチャージ電圧の電圧レベルは、同じであり、プリチャージ操作後のテスト書込み検出期間及びテスト読取り検出期間において、プリチャージ電圧制御回路がビット線及び相補ビット線に提供する第一のプリチャージ電圧及び第二のプリチャージ電圧の電圧レベルは異なるメモリデバイスを提供する。
【0006】
メモリユニットに対してテスト書込み操作及びテスト読取り操作を行うのに用いられる、メモリデバイス用の読書き方法であって、プリチャージ参照電圧に基づき、第一のプリチャージ電圧及び第二のプリチャージ電圧を生成することと、
ビット線及び相補ビット線に、それぞれ第一のプリチャージ電圧及び第二のプリチャージ電圧を受信させることと、を含み、
プリチャージ操作中、第一のプリチャージ電圧及び第二のプリチャージ電圧の電圧レベルは、同じであり、プリチャージ操作後のテスト書込み検出期間及びテスト読取り検出期間において、プリチャージ電圧制御回路がビット線及び相補ビット線に提供する第一のプリチャージ電圧及び第二のプリチャージ電圧の電圧レベルは異なる読書き方法を提供する。
【発明の効果】
【0007】
上述に基づき、一回の周期(cycle)内でワード線における複数のセンス増幅器を選択して、パラレルテストモードを行うことを実現できるメモリデバイス及びそのテスト読書き方法を提供できる。
【0008】
本発明の上述した特徴と利点を更に明確化するために、以下に、実施例を挙げて図面と共に詳細な内容を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施例に基づくメモリデバイスを図示する模式図である。
図2】本発明の実施例に基づくメモリデバイスのアレイ構造を図示する模式図である。
図3】本発明の実施例に基づく制御テスト回路を図示するブロック模式図である。
図4】本発明の実施例に基づくセンス制御回路を図示する回路模式図である。
図5】本発明の実施例に基づくテスト読取り書込み回路を図示する回路模式図である。
図6】本発明の実施例に基づくメモリデバイスの論理「0」及び論理「1」のテスト書込み操作をそれぞれ図示する波形図である。
図7】本発明の実施例に基づくメモリデバイスの論理「0」及び論理「1」のテスト書込み操作をそれぞれ図示する波形図である。
図8】本発明の実施例に基づくメモリデバイスの論理「0」及び論理「1」のテスト書込み操作をそれぞれ図示する波形図である。
図9】本発明の実施例に基づくメモリデバイスのテスト読取り操作をそれぞれ図示する波形図である。
図10】本発明の実施例に基づくメモリデバイスのテスト読取り操作をそれぞれ図示する波形図である。
図11】本発明の実施例に基づくメモリデバイスのテスト読取り操作をそれぞれ図示する波形図である。
図12】本発明の別の実施例に基づくメモリデバイスが全てのメモリユニットに対する論理「0」のテスト書込みを図示する動作波形図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1を参照すると、図1は、本発明の実施例に基づくメモリデバイスを図示する模式図である。メモリ回路100は、ワード線WLと、ビット線BLTと、相補ビット線BLNと、メモリユニットMCと、センス増幅回路110と、制御テスト回路120と、を含む。制御テスト回路120は、センス増幅回路110に結合されて、複数の制御信号を提供する。
【0011】
メモリユニットMCは、例えば、データレベルを保存するのに用いられるメモリキャパシタ(memory capacitor)及びスイッチとする金属酸化物半導体トランジスタ(Metal Oxide Semiconductor Transistor、MOSFET)(図には示されていない)を含み、MOSトランジスタの第一端はキャパシタと結合され、第二端はビット線BLTに結合され、ゲートはワード線WLに結合される。ここで、複数のメモリユニットMCは、複数のワード線WL及び複数のビット線BLT、複数の相補ビット線BLNの方向においてアレイ配列をなしてメモリアレイ130を形成する。また、図1に示すワード線信号WLn及びWLmは、異なるワード線WLにおける信号を表す。
【0012】
センス増幅回路110は、一対のビット線、即ち、ビット線BLT及び相補ビット線BLNに結合されることで、前記メモリユニットMCのデータを検出するのに用いられ、したがって、メモリユニットMCに対してテスト書込み操作又はテスト読取り操作を行うことができる。
【0013】
センス増幅回路110は、制御テスト回路120から第一のプリチャージ電圧HFVT、第二のプリチャージ電圧HFVN、第一のプリチャージイネーブル信号BLP1、第二のプリチャージイネーブル信号BLP2を受信する。センス増幅回路110は、第一のプリチャージイネーブル信号BLP1及び第二のプリチャージイネーブル信号BLP2に基づき、ビット線BLT及び相補ビット線BLNに、それぞれ第一のプリチャージ電圧HFVT及び第二のプリチャージ電圧HFVNを受信させるか否か決定し、プリチャージ操作中、第一のプリチャージ電圧HFVT及び第二のプリチャージ電圧HFVNの電圧レベルは、同じであることから、ビット線BLT及び相補ビット線BLNに、同じ電圧レベルを備えさせるが、プリチャージ操作後のテスト書込み検出期間及びテスト読取り検出期間において、制御テスト回路120が提供する第一のプリチャージ電圧HFVT及び第二のプリチャージ電圧HFVNの電圧レベルは異なり、且つ、第一のプリチャージイネーブル信号BLP1は、テスト書込み検出期間及びテスト読取り検出期間において、電圧レベルを切り換えるタイミングも異なることから、一般的なメモリデバイスとは異なり、検出プロセスにおいて、ビット線BLT及び相補ビット線BLNの間の電圧差は、主にメモリユニットMCが放出するデータの影響を受け、本実施例におけるビット線BLT及び相補ビット線BLNの間の電圧差は、第一のプリチャージ電圧HFVT及び第二のプリチャージ電圧HFVNの間の電圧差と関連する。以下の実施例では、さらに詳細に説明する。
【0014】
センス増幅回路110は、第一のスイッチT1と、第二のスイッチT2と、第三のスイッチT3と、センス回路SAと、を含み、第一のスイッチT1と、第二のスイッチT2と、第三のスイッチT3は、ここでは、nチャネルトランジスタを例とするが、これに制限しない。第一のスイッチT1の第一端(ドレイン)は、第一のプリチャージ電圧HFVTを受信し、第二端(ソース)は、ビット線BLTに結合され、ゲート端は、第一のプリチャージイネーブル信号BLP1を受信して、導通するか否か決定する。第二のスイッチT2の第一端(ドレイン)は、第二のプリチャージ電圧HFVNを受信し、第二端(ソース)は、相補ビット線BLNに結合され、ゲート端は、同様に第一のプリチャージイネーブル信号BLP1を受信して、導通するか否か決定する。第三のスイッチT3は、ビット線BLT及び相補ビット線BLNの間に結合され、ゲート端は、第二のプリチャージイネーブル信号BLP2を受信する。
【0015】
センス回路SAは、ビット線BLT及び相補ビット線BLNの間に結合され、センス増幅回路120から受信したpチャネル制御電圧SAP及びnチャネル制御電圧SANに基づき、ビット線BLT及び相補ビット線BLNの間の電圧差を大きくするのに用いられる。本実施例において、センス回路SAは、二つのMOSトランジスタQ1、Q2を含むCMOSインバータ及び二つのMOSトランジスタQ3、Q4を含むCMOSインバータによって正帰還経路のフリップフロップに接続されるように実施される。
【0016】
センス回路SAのトランジスタQ1及びQ3の第一端(ここではソースである)は、第一の中間ノードN1に結合され、この第一の中間ノードN1は、pチャネル制御電圧SAPを受信し、トランジスタQ2及びQ4の第二端(ここではソースである)は、第二の中間ノードN2に結合され、この第二の中間ノードN2は、nチャネル制御電圧SANを受信する。センス回路SAのトランジスタQ1及びQ2の他端(ここではドレインである)及びトランジスタQ3、Q4のゲートは、ビット線BLTに結合され、トランジスタQ3及びQ4の他端(ここではドレインである)及びトランジスタQ1、Q2のゲートは、相補ビット線BLNに結合され、したがって、ビット線BLT及び相補ビット線BLNの電圧レベルは、pチャネル制御電圧SAP及びnチャネル制御電圧SANの影響を受けて、引き上げられて(pull up)、又は引き下げられて(pull down)、論理「1」又は論理「0」を表すことができる。
【0017】
図2は、本発明の実施例に基づくメモリデバイスのアレイ構造を図示する模式図である。図2の実施例は、図1のメモリデバイス100に適用できる。図2を参照すると、メモリアレイ130は、複数のワード線WL及び複数のビット線BLTの接続箇所のメモリユニットMCからなり、Xデコーダブロック(XDEC)140及びYデコーダブロック(YDEC)150は、メモリアレイ130に結合され、どのメモリユニットMCに対してデータアクセスを行うのか選択するのに用いられる。メモリアレイ130は、センス増幅器ブロック160に結合され、センス増幅器ブロック160は、制御テスト回路120に結合され、センス増幅器ブロック160は、複数の上記センス増幅回路110を含み、制御テスト回路120とセンス増幅器ブロック160のセンス増幅回路110との間の配置関係は、上記図1の開示内容を参考にできる。
【0018】
図3は、本発明の実施例に基づく制御テスト回路を図示するブロック模式図である。図3を参照すると、制御テスト回路120は、センス制御回路200及びセンス制御回路200近傍に配されたテスト読取り書込み回路300を含む。センス制御回路200及びテスト読取り書込み回路300は、いずれもセンス増幅回路110に結合され、それぞれ第一のプリチャージイネーブル信号BLP1、第二のプリチャージイネーブル信号BLP2、pチャネル制御電圧SAP、nチャネル制御電圧SAN、第一のプリチャージ電圧HFVT及び第二のプリチャージ電圧HFVNを提供する。テストモードにおいて、テスト読取り書込み回路300は、第一のプリチャージ電圧HFVT及び第二のプリチャージ電圧HFVNのうちの一つとテスト参照電圧TMREFとの比較結果に基づき、テスト結果TFAILを生成して、メモリユニットMCが不具合を有するか否かを判定する。以下の実施例は、メモリユニットMCが不具合であるか否かを判定するメカニズムを詳細に記述する。
【0019】
図4は、本発明の実施例に基づくセンス制御回路を図示する回路模式図である。図4を参照すると、本実施例において、センス制御回路200は、プリチャージイネーブル制御回路210及びセンス増幅電圧制御回路220を含む。プリチャージイネーブル制御回路210は、例えば、インバータINV21〜INV26及びNANDゲートNA21が接続してなるものである。
【0020】
具体的には、インバータINV21の入力端は、プリチャージイネーブル信号BLPE1を受信し、プリチャージイネーブル信号BLPE1は、ビット線BLT及び相補ビット線BLNに対していつプリチャージを行うのか決定するのに用いられ、出力端は、NANDゲートNA21のうちの一方の入力端に結合され、NANDゲートNA21の他方の入力端は、ローアドレス信号X12B13Bを受信し、ローアドレス信号X12B13Bは、どのワード線WLを動作(act)させるのか選択するのに用いられ、NANDゲートNA21の出力端は、インバータINV22の入力端に結合され、インバータINV22及びインバータINV23は、直列接続され、インバータINV23は、第一のプリチャージイネーブル信号BLP1を出力する。インバータINV24、インバータINV25及びインバータINV26は、順に直列接続され、インバータINV24は、ローアドレス信号X12B13Bを受信し、インバータINV26は、第二のプリチャージイネーブル信号BLP2を出力する。
【0021】
したがって、プリチャージイネーブル制御回路210は、センス増幅回路110に結合され、プリチャージイネーブル信号BLPE1及びローアドレス信号X12B13Bに基づき、第一のプリチャージイネーブル信号BLP1及び第二のプリチャージイネーブル信号BLP2を生成して、センス増幅回路110に提供する。メモリユニットMCに対してテスト書込み操作及びテスト読取り操作を行う時、プリチャージイネーブル制御回路210は、第一のプリチャージイネーブル信号BLP1を制御して、電圧レベルを切り換えることができ、第二のプリチャージイネーブル信号BLP2の論理レベルは、第一のプリチャージイネーブル信号BLP1と異なり、テスト書込み操作及びテスト読取り操作終了後、プリチャージイネーブル制御回路210は、第二のプリチャージイネーブル信号BLP2の電圧レベルを切り換えて、第一のプリチャージイネーブル信号BLP1の論理レベルと同じレベルに回復する。
【0022】
また、センス増幅電圧制御回路220は、インバータINV27〜インバータINV29と、NANDゲートNA22及びNANDゲートNA23と、スイッチQ21〜Q25とが接続されてなり、上記スイッチQ21〜Q25は、トランジスタの方法で実施され、SAP出力ノードNP及びSAN出力ノードNNの電圧レベルをそれぞれプリチャージ参照電圧HFV、電源電圧VDD、接地電圧VSSの間で切り換える。SAP出力ノードNP及びSAN出力ノードNNは、pチャネル制御電圧SAP及びnチャネル制御電圧SANを出力できる。
【0023】
具体的には、NANDゲートNA22及びNA23は、ローアドレス信号X12B13Bを受信し、他方の入力端は、それぞれセンスイネーブル信号SE1及びSE2を受信し、NANDゲートNA22及びインバータINV27、インバータINV28は、順に直列接続され、スイッチQ21は、インバータINV28の出力信号によって制御され、且つ、第一端は電源電圧VDDを受信し、第二端はSAP出力ノードNPに結合されて、pチャネル制御電圧SAPを電源電圧VDDに引き上げるのに用いられる。
【0024】
NANDゲートNA23及びインバータINV29は、直列接続され、スイッチQ22は、インバータINV29の出力信号によって制御され、且つ、第一端はSAN出力ノードNNに結合され、第二端は接地電圧VSSに結合され、nチャネル制御電圧SANを接地電圧VSSに引き下げるのに用いられる。
【0025】
スイッチQ23、スイッチQ24及びスイッチQ25は、いずれも第二のプリチャージイネーブル信号BLP2によって制御され、スイッチQ24及びスイッチQ25の第一端は、プリチャージ参照電圧HFVを受信し、プリチャージ参照電圧HFVは、電源電圧VDDより低く、一般的に、プリチャージ参照電圧HFVの電圧値は、実質的に電源電圧VDDの半分である。スイッチQ24の第二端は、スイッチQ23の第一端に結合され、且つ、スイッチQ25の第二端は、SAP出力ノードNPに結合され、スイッチQ23の第二端は、SAN出力ノードNNに結合される。スイッチQ23〜Q25は、第二のプリチャージイネーブル信号BLP2のイネーブル期間(例を挙げると、スイッチQ23〜Q25は、ここでは、nチャネルトランジスタを例とし、したがって、第二のプリチャージイネーブル信号BLP2のイネーブル期間は、ハイレベル状態である)において、pチャネル制御電圧SAP及びnチャネル制御電圧SANの電圧レベルをプリチャージ参照電圧HFVに回復させるのに用いられる。
【0026】
図5は、本発明の実施例に基づくテスト読取り書込み回路を図示する回路模式図である。図5を参照すると、テスト読取り書込み回路300は、プリチャージ電圧制御回路310及びテスト比較回路320を含み、プリチャージ電圧制御回路310は、テスト比較回路320及びセンス増幅回路110に結合される。例を挙げると、プリチャージ電圧制御回路310は、インバータINV31〜INV33と、NANDゲートNA31〜NA33と、NORゲートNO31及びNO32と、スイッチQ31〜Q36と、伝送ゲートTG31〜TG34と、を含む。テスト比較回路320は、コンパレータ312と、インバータINV34及びINV35と、NANDゲートNA34及びNA35と、NORゲートNO33と、スイッチQ37〜Q39と、を含む。本実施例において、スイッチQ31〜Q39及び伝送ゲートTG31〜TG34は、CMOSトランジスタの方法で実施されるが、これに制限しない。
【0027】
本実施例において、テスト比較回路320は、ラッチ回路(latch)314をさらに含むが、必ずしも必要ではなく、別の実施例において、テスト比較回路320は、ラッチ回路314を含まなくてもよい。
【0028】
具体的には、プリチャージ電圧制御回路310のNANDゲートNA31は、ローアドレス信号X12B13B及びテストイネーブル信号TESTを受信し、NANDゲートNA31の出力端は、インバータINV31、伝送ゲートTG31及び伝送ゲートTG32のnチャネルゲートに結合され、インバータINV31の出力端は、伝送ゲートTG31及び伝送ゲートTG32のpチャネルゲートに結合され、伝送ゲートTG31及び伝送ゲートTG32の一端は、プリチャージ参照電圧HFVを受信し、他端は、それぞれHFVT出力ノードNHT及びHFVN出力ノードNHNに結合され、HFVT出力ノードNHT及びHFVN出力ノードNHNは、それぞれ、第一のプリチャージ電圧HFVT及び第二のプリチャージ電圧HFVNをセンス増幅回路110に提供する。ここで、伝送ゲートTG31及び伝送ゲートTG32は、同時に導通又は同時に切断され、導通時には、HFVT出力ノードNHT及びHFVN出力ノードNHNは、プリチャージ参照電圧HFVを同時に受信する。
【0029】
インバータINV32は、テストデータ信号TDAを受信し、出力端は、伝送ゲートTG33のpチャネルゲート、伝送ゲートTG34のnチャネルゲート、インバータINV33の入力端、NORゲートNO31のうちの一つの入力端に結合される。インバータINV33の出力端は、伝送ゲートTG33のnチャネルゲート、伝送ゲートTG34のpチャネルゲート、NORゲートNO32のうちの一つの入力端に結合される。伝送ゲートTG33及び伝送ゲートTG34の一端は、それぞれHFVT出力ノードNHT及びHFVN出力ノードNHNに結合され、他端は、テスト比較回路320のコンパレータ312の反転入力端に共通結合され、第一のプリチャージ電圧HFVT及び第二のプリチャージ電圧HFVNのうちの一つをコンパレータ312に提供するのに用いられる。
【0030】
NANDゲートNA32は、ローアドレス信号X12B13B及びテストデータ線プリチャージ信号TPIOを受信し、出力端は、スイッチQ35及びスイッチQ36が導通するか否かを制御し、且つ、スイッチQ35及びスイッチQ36の第一端は、電源電圧VDDを受信し、スイッチQ35の第二端は、HFVN出力ノードNHNに結合され、スイッチQ36の第二端は、HFVT出力ノードNHTに結合される。したがって、テストデータ線プリチャージ信号TPIOのイネーブル期間(ここでは、例えば、ハイレベル状態である)において、第一のプリチャージ電圧HFVT及び第二のプリチャージ電圧HFVNの電圧値を電源電圧VDDに引き上げる。
【0031】
NANDゲートNA33は、ローアドレス信号X12B13B及びテスト書込みイネーブル信号TWEを受信し、出力端は、NORゲートNO31及びNORゲートNO32の他方の入力端に結合される。NORゲートNO31の出力端は、スイッチQ31及びスイッチQ34が導通するか否かを制御し、NORゲートNO32の出力端は、スイッチQ32及びスイッチQ33が導通するか否かを制御し、スイッチQ31の第一端は、電源電圧VDDを受信し、第二端は、スイッチQ32の第一端及びHFVT出力ノードNHTに結合され、スイッチQ32の第二端は、接地電圧VSSに結合され、したがって、第一のプリチャージ電圧HFVTの電圧レベルを、接地電圧VSS又は電源電圧VDDからスイッチQ31の臨界電圧を引いた電圧にすることができ、スイッチQ33の第一端は、電源電圧VDDを受信し、第二端は、スイッチQ34の第一端及びHFVN出力ノードNHNに結合され、スイッチQ34の第二端は、接地電圧VSSに結合され、したがって、第二のプリチャージ電圧HFVNの電圧レベルを、接地電圧VSS又は電源電圧VDDからスイッチQ33の臨界電圧を引いた電圧にすることができる。
【0032】
したがって、プリチャージ電圧制御回路310は、プリチャージ参照電圧HFVに基づき、第一のプリチャージ電圧HFVT及び第二のプリチャージ電圧HFVNを生成し、且つ、テスト書込みイネーブル信号TWE及びテストデータ信号TDAをさらに受信して、第一のプリチャージ電圧HFVT及び第二のプリチャージ電圧HFVNを、電源電圧VDD、電源電圧VDDからトランジスタの臨界電圧を引いた電圧、接地電圧VSS又はプリチャージ参照電圧HFVにすることができる。
【0033】
具体的には、テスト比較回路320のNANDゲートNA34は、ローアドレス信号X12B13B及びテストデータイネーブル信号TDEを受信し、インバータINV34に出力し、インバータINV34の出力端は、インバータINV35の入力端及びNANDゲートNA35のうちの一つの入力端に結合され、インバータINV35の出力端は、NORゲートNO33のうちの一方の入力端に結合される。コンパレータ312の非反転入力端は、テスト参照電圧TMREFを受信し、反転入力端は、伝送ゲートTG33又は伝送ゲートTG34から第一のプリチャージ電圧HFVT及び第二のプリチャージ電圧HFVNのうちの一つを受信し、コンパレータ312の出力端は、NANDゲートNA35及びNORゲートNO33の他方の入力端に結合される。ここで、テスト参照電圧TMREFは、初期設定の一定の電圧値であり、電圧値は、電源電圧VDDの1/2より大きい、又は、プリチャージ参照電圧HFVより高く、電源電圧VDDより小さく、例えば、テスト参照電圧TMREFは、電源電圧VDDの3/4である。
【0034】
スイッチQ37はNANDゲートNA35によって制御の出力結果によって制御され、第一端は、電源電圧VDDに結合され、第二端は、テストノードNTに結合され、テストノードNTは、テスト結果TFAILを出力する。スイッチQ38はNORゲートNO33の出力結果によって制御され、第一端は、テストノードNTに結合され、第二端は、接地電圧VSSに結合される。したがって、テスト結果TFAILの電圧レベルは、コンパレータ312の出力結果によって電源電圧VDD又は接地電圧VSSになる。
【0035】
また、スイッチQ39の第一端もテストノードNTに結合され、第二端は、接地電圧VSSに結合され、テストデータ線プリチャージ信号TPIOによって制御されて、テストデータ線プリチャージ信号TPIOのイネーブル期間において、テスト結果TFAILの電圧レベルを接地電圧VSSに引き下げる。ラッチ回路314もテストノードNTに結合され、テスト結果TFAILの電圧レベルをラッチするのに用いられる。
【0036】
簡単に述べると、テスト比較回路320は、第一のプリチャージ電圧HFVT及び第二のプリチャージ電圧HFVNのうちの一つ及びテスト参照電圧TMREFを比較して、テスト結果TFAILを生成して、メモリユニットMCの不具合を有するか否かを判定し、第一のプリチャージ電圧HFVT及び第二のプリチャージ電圧HFVNのうちの一つがテスト参照電圧TMREFより大きい時、テスト結果TFAILは、例えば、電源電圧VDD及び接地電圧VSSのうちの一方に実質的に等しく、メモリユニットMCのデータ検出が成功であることを表し、また、第一のプリチャージ電圧HFVT及び第二のプリチャージ電圧HFVNのいずれもテスト参照電圧TMREFより小さい時、テスト結果TFAILは、例えば、電源電圧VDD及び接地電圧VSSのうちの他方に実質的に等しく、メモリユニットMCのデータ検出が失敗であることを表す。以下の実施例は、テスト読書き及びメモリユニットMCの不具合を有するか否かを判定する実施方式について、さらに詳細に説明する。
【0037】
続いて、図6図8を参照すると、図6図8は、本発明の実施例に基づくメモリデバイスの論理「0」及び論理「1」のテスト書込み操作をそれぞれ図示する波形図である。図6図8の動作は、上記図1図5の実施例に適用できる。テスト書込み操作において、いずれか一つのメモリユニットMCを例とすると、図6は、対応するワード線WLにおけるワード線信号WLn、テスト書込みイネーブル信号TWE、センスイネーブル信号SE1、SE2、第一のプリチャージイネーブル信号BLP1及び第二のプリチャージイネーブル信号BLP2の動作波形図を示す。図7は、書込みデータが論理「0」である時のテスト書込み操作、第一のプリチャージ電圧HFVT、第二のプリチャージ電圧HFVN、pチャネル制御電圧SAP、nチャネル制御電圧SAN、ビット線BLT及び相補ビット線BLNの電圧レベルの動作波形図を示す。特に説明することとして、図7及び図8に示される、異なる符号で説明されている細い直線は、図6における波形動作を表しており、図面が乱雑にならないように、符号を標記していないが、当業者は、図6からこれらの細い直線が表す意味を知り得ることができる。
【0038】
まず、図1図5を併せて、図6及び図7を参照すると、第一のプリチャージ電圧HFVT及び第二のプリチャージ電圧HFVNは、テストを行う前に、伝送ゲートTG31及び伝送ゲートTG32は、導通されて、プリチャージ参照電圧HFVの電圧値の大きさに維持される。テスト書込み操作において、特に、テスト書込み検出期間tWにおいて、第一のプリチャージ電圧HFVT及び第二のプリチャージ電圧HFVNのうちの一方の電圧値は、電源電圧VDDより低いが、プリチャージ参照電圧HFVより高く、他方の電圧値は、プリチャージ参照電圧HFVより低く、例えば、接地電圧VSSに実質的に等しい。
【0039】
まず、メモリユニットMCに対して論理「0」を表すデータを書き込もうとすることを例とすると、テストデータ信号TDAは、ローレベル状態にされ、且つ、この時、ワード線信号WLn及びテスト書込みイネーブル信号TWEの電圧はハイレベル状態であり、したがって、スイッチQ31及びQ34は切断され、スイッチQ32及びQ33は導通され、ここで、スイッチQ31〜Q34はいずれもnチャネルトランジスタを例とするが、これに制限せず、プリチャージ電圧制御回路310が提供する第一のプリチャージ電圧HFVTの電圧を接地電圧VSSに引き下げ、第二のプリチャージ電圧HFVNは、電源電圧VDDからnチャネルトランジスタの臨界電圧VTNを引いた電圧の大きさに引き上げられる。説明が必要なこととして、電源電圧VDDの電圧値は、プリチャージ参照電圧HFVと臨界電圧VTNの電圧の和より大きい。
【0040】
続いて、プリチャージイネーブル制御回路210は、第一のプリチャージイネーブル信号BLP1を元のローレベル状態からハイレベル状態に切り換えるが、第二のプリチャージイネーブル信号BLP2はローレベル状態を維持して、第一のスイッチT1及び第二のスイッチT2を導通させ、第三のスイッチT3を切断させ、ビット線BLT及び相補ビット線BLNは、それぞれ第一のプリチャージ電圧HFVT及び第二のプリチャージ電圧HFVNを受信できる。
【0041】
特に説明することとして、本実施例において、メモリユニットMCに対してテスト書込み操作を行う時、且つ、第一のプリチャージイネーブル信号BLP1は、イネーブル状態に切り換える前、即ち、第一のスイッチT1及び第二のスイッチT2が導通する前に、第一のプリチャージ電圧HFVT及び第二のプリチャージ電圧HFVNの電圧レベルはすでに異なる。
【0042】
続いて、センス増幅電圧制御回路220は、pチャネル制御電圧SAP及びnチャネル制御電圧SANを、プリチャージ参照電圧HFVからそれぞれ電源電圧VDD及び接地電圧VSSに切り換える。pチャネル制御電圧SAP及びnチャネル制御電圧SANの電圧レベルは、元は電源電圧VDDより低く維持され、ここでは、プリチャージ参照電圧HFVと同じであり、センスイネーブル信号SE1及びSE2のイネーブル期間において、スイッチQ21及びスイッチQ22は導通され、pチャネル制御電圧SAP及びnチャネル制御電圧SANは、それぞれ電源電圧VDD及び接地電圧VSSに切り換えられて、ビット線BLT及び相補ビット線BLNの間の電圧差を大きくすることから、テスト書込み検出期間tWにおいて、ビット線BLTの電圧レベルは、接地電圧VSSに実質的に等しく、相補ビット線BLNの電圧レベルは、電源電圧VDDであり、メモリユニットMCに、論理「0」を表すデータを保存させる。
【0043】
続いて、図1図5を併せて、図6及び図8を参照すると、図8は、論理「1」であるデータを書込む時のテスト書込み操作、第一のプリチャージ電圧HFVT、第二のプリチャージ電圧HFVN、pチャネル制御電圧SAP及びnチャネル制御電圧SANの動作波形図を示す。テスト書込み操作において、メモリユニットMCに対して論理「1」を表すデータを書き込もうとすることを例とすると、テストデータ信号TDAは、ハイレベル状態にされ、テスト書込み検出期間tWにおいて、プリチャージ電圧制御回路310が出力する第一のプリチャージ電圧HFVTの電圧値は、電源電圧VDDからnチャネルトランジスタの臨界電圧VTNを引いた電圧の大きさに引き上げられ、第二のプリチャージ電圧HFVNの電圧レベルは、接地電圧VSSに引き下げられ、詳細な実施方式は、当業者が上記実施例及び一般的技術から十分な教示及び提示を得ることができ、ここでは繰り返し述べない。
【0044】
図9図11は、本発明の実施例に基づくメモリデバイスのテスト読取り操作をそれぞれ図示する波形図である。図9図11の動作は、上記図1図8の実施例に適用できる。図1図5を併せて、図9図11を参照すると、テスト読取り操作において、いずれか一つのメモリユニットMCを例とすると、図9は、ワード線信号WLn、センスイネーブル信号SE1及びSE2、テストデータ線プリチャージ信号TPIO、テストデータイネーブル信号TDE、第一のプリチャージイネーブル信号BLP1及び第二のプリチャージイネーブル信号BLP2の動作波形図を示す。図10及び図11は、それぞれテスト読取り操作の読取り結果が成功及び失敗と判定した場合の第一のプリチャージ電圧HFVT、第二のプリチャージ電圧HFVN、pチャネル制御電圧SAP、nチャネル制御電圧SAN、ビット線BLT及び相補ビット線BLNの電圧レベルの動作波形図を示す。特に説明することとして、図10及び図11に示される、異なる符号で説明されている細い直線は、図9における波形動作を表しており、図面が乱雑にならないように、符号を標記していないが、当業者は、図9からこれらの細い直線が表す意味を知り得ることができる。
【0045】
まず、図9及び図10を参照すると、第一のプリチャージ電圧HFVT及び第二のプリチャージ電圧HFVNは、テストを行う前に、伝送ゲートTG31及び伝送ゲートTG32は、導通されて、プリチャージ参照電圧HFVの電圧値の大きさに維持される。
【0046】
メモリユニットMCに対してテスト読取り操作を行う時、メモリユニットMCが論理「0」を表すデータを読取ることを例とすると、ワード線信号WLnにおけるハイレベル状態において、且つ、テスト読取り検出期間tRの前に、まず、データ線プリチャージ操作を行う、即ち、テストデータ線プリチャージ信号TPIOのイネーブル期間において、スイッチQ35、スイッチQ36及びスイッチQ39を導通させることから、第一のプリチャージ電圧HFVT及び第二のプリチャージ電圧HFVNは、まず電源電圧VDDに実質的に等しい電圧に引き上げられ、テストノードNTは、接地電圧VSSを実質的に受信する。ここで、スイッチQ35及びスイッチQ36は、pチャネルトランジスタ、スイッチQ39は、nチャネルトランジスタを例とする。
【0047】
データ線プリチャージ操作終了後、テストデータ線プリチャージ信号TPIOをディスネーブル(例えば、ローレベル状態)にし、センスイネーブル信号SE1及びSE2をイネーブルにすることから、pチャネル制御電圧SAP及びnチャネル制御電圧SANは、それぞれプリチャージ参照電圧HFVから電源電圧VDD及び接地電圧VSSに切り換えられる。
【0048】
続いて、第一のプリチャージイネーブル信号BLP1は、元のローレベル状態からハイレベル状態に切り換えられ、第二のプリチャージイネーブル信号BLP2は、ローレベル状態に維持される。ハイレベル状態に切り換えられた第一のプリチャージイネーブル信号BLP1は、第一のスイッチT1及び第二のスイッチT2を導通させ、同一のワード線WLにおけるメモリユニットMCのデータは、いずれも検出が成功する場合、テスト読取り検出期間tRにおいて、第一のプリチャージ電圧HFVT及び第二のプリチャージ電圧HFVNの電圧レベルは異なり、第一のプリチャージ電圧HFVT及び第二のプリチャージ電圧HFVNのうちの一方の電圧レベルは、電源電圧VDDに維持され、他方の電圧レベルは、接地電圧VSSに実質的に等しい電圧に引き下げられ、図9の実施例において、第二のプリチャージ電圧HFVNは、電源電圧VDDに維持され、且つ、第一のプリチャージ電圧HFVTは、接地電圧VSSに引き下げられることを例とする。
【0049】
特に説明することとして、テスト書込み操作及びテスト読取り操作において、第一のプリチャージイネーブル信号BLP1は、ローレベル状態からハイレベル状態に切り換えるタイミングは異なり、具体的には、第一のプリチャージイネーブル信号BLP1は、テスト書込み操作を行う時に、電圧レベルを切り換えるタイミングは、テスト読取り操作を行う時のタイミングより早い。テスト書込み操作において、第一のプリチャージイネーブル信号BLP1は、センスイネーブル信号SE1及びSE2より早くハイレベル状態に切り換えるが、テスト読取り操作において、第一のプリチャージイネーブル信号BLP1は、センスイネーブル信号SE1及びSE2より遅くハイレベル状態に切り換える。
【0050】
続いて、コンパレータ312は、テスト参照電圧TMREF及び第一のプリチャージ電圧HFVT及び第二のプリチャージ電圧HFVNのうちの一つ、例えば、電圧レベルが高いものを受信することから、本実施例において、コンパレータ312は、テスト参照電圧TMREF及び第二のプリチャージ電圧HFVNを受信し、テスト参照電圧TMREFの電圧値は、電源電圧VDDの3/4にされ、第二のプリチャージ電圧HFVNは、この時、電源電圧VDDに実質的に等しい。テスト読取り検出期間tRにおいて、第二のプリチャージ電圧HFVNは、テスト参照電圧TMREFより大きいことから、テスト結果TFAILは、ローレベル状態にされ、例えば、接地電圧VSSに実質的に等しく、同一のワード線WLにおけるメモリユニットMCのデータは、いずれも検出が成功する。
【0051】
図9及び図11を参照すると、同一のワード線WLにおけるメモリユニットMCにデータ検出の失敗が発生した場合、第一のプリチャージイネーブル信号BLP1がハイレベル状態に切り換わり、第一のスイッチT1及び第二のスイッチT2を導通させてから、電圧値は接地電圧VSSに引き下げられるため、第一のプリチャージ電圧HFVT及び第二のプリチャージ電圧HFVNのうち元はハイレベル状態にある信号は、元の電圧レベルより小さい。
【0052】
本実施例において、第二のプリチャージ電圧HFVNは、元はハイレベル状態にあり、且つ、電圧値は電源電圧VDDに実質的に等しく、第一のプリチャージ電圧HFVTの電圧値の大きさは、接地電圧VSSに実質的に等しい。テスト読取り検出期間tRにおいて、第一のスイッチT1及び第二のスイッチT2が導通してから、第一のプリチャージ電圧HFVTは、接地電圧VSSに等しいが、第二のプリチャージ電圧HFVNの電圧は、電源電圧VDDの約1/2の大きさに引き下げられ、具体的には、第二のプリチャージ電圧HFVNの電圧は、電源電圧VDDからnチャネルトランジスタの臨界電圧VTNを引いた電圧の大きさに低減され、実施例において、電源電圧VDDは1.5Vであり、nチャネルトランジスタの臨界電圧VTNは0.7Vであり、したがって、第二のプリチャージ電圧HFVNの低減された電圧は、電源電圧VDDの約1/2の大きさである。
【0053】
続いて、コンパレータ312は、テスト参照電圧TMREF及び第二のプリチャージ電圧HFVNを受信して比較を行い、テスト参照電圧TMREFの電圧値は、初期設定の電源電圧VDDの3/4にされ、第二のプリチャージ電圧HFVNのこの時の電圧値は、電源電圧VDDの約1/2の大きさに等しく、テスト参照電圧TMREFより小さいことから、テスト結果TFAILは、ハイ電圧レベルに変更され、例えば、電源電圧VDDに実質的に等しく、同一のワード線WLにおけるメモリユニットMCのデータの検出が失敗した状態を表す。
【0054】
図9図11の実施例において、メモリユニットMCに対して、テスト読取り操作を行う時、テスト読取り検出期間tRにおいて、第一のプリチャージ電圧HFVT及び第二のプリチャージ電圧HFVNのうちの一方の電圧値は、電源電圧VDDより大きくないが、プリチャージ参照電圧HFVより高く、他方の電圧値は、プリチャージ参照電圧HFVより低く、例えば、接地電圧VSSに等しい。
【0055】
別の実施例において、第一のプリチャージ電圧HFVTは、ハイレベル状態であり、且つ、コンパレータ312は、テスト参照電圧TMREF及び第一のプリチャージ電圧HFVTを受信して比較を行ってもよく、詳細な実施方式は、当業者が上記説明及び一般的技術から十分な教示を得ることができ、ここでは繰り返し述べない。
【0056】
図12を参照すると、図12は、本発明の別の実施例に基づくメモリデバイスが全てのメモリユニットに対する論理「0」のテスト書込みを図示する動作波形図である。本実施例は、上記図1図11の実施例のメモリデバイス100に適用できる。図12の実施例において、メモリデバイス100の電源が入る(Power up)又はリセット状態(RESET)後、メモリデバイス100は、拡張書込みサイクルT内、例えば、200μ秒〜300μ秒より小さな範囲内において、図12の実施例において、拡張書込みサイクルTを約300μ秒であることを例とすると、メモリデバイス100における全てのワード線WL及び関連する全てのセンス増幅回路110に対して書込み操作を行い、且つ、図12において省略された符号は、これを表す。即ち、本発明のメモリデバイス100は、短時間内で、全てのワード線WLにおけるメモリユニットMCに対して論理「0」のデータを書込む。図12の動作波形の実施方式について、当業者が図6図8の実施例から十分な教示及び提示を得ることができ、ここでは繰り返し述べない。
【0057】
以上より、本発明は、プリチャージ電圧制御回路及びセンス増幅回路を含むメモリデバイスを提供する。プリチャージ電圧制御回路は、プリチャージ参照電圧に基づき、第一のプリチャージ電圧及び第二のプリチャージ電圧を生成する。センス増幅器は、ビット線及び相補ビット線の間に結合され、ビット線に結合されたメモリユニットのデータを検出するのに用いられ、且つ、プリチャージ電圧制御回路に結合され、プリチャージ操作中、第一のプリチャージ電圧及び第二のプリチャージ電圧の電圧レベルは、同じであり、プリチャージ操作後のテスト書込み検出期間及びテスト読取り検出期間において、プリチャージ電圧制御回路がビット線及び相補ビット線に提供する第一のプリチャージ電圧及び第二のプリチャージ電圧の電圧レベルは異なる。このように、一回の周期(cycle)内でワード線における複数のセンス増幅器を選択して、パラレルテストモードを行うことを実現できる。
【0058】
本文は以上の実施例のように示したが、本発明を限定するためではなく、当業者が本発明の精神の範囲から逸脱しない範囲において、変更又は修正することが可能であるが故に、本発明の保護範囲は専利請求の範囲で限定したものを基準とする。
【産業上の利用可能性】
【0059】
本発明が提供する検出器は、低い消費電力で、データバス反転機能の検出動作を完了する。メモリデバイスにおいて、データバス反転機能の効率は、効果的に向上する。且つ、メモリデバイスに記載の電子デバイスのデータアクセス効率も効果的に向上される。
【符号の説明】
【0060】
100:メモリ回路
110:センス増幅回路
120:制御テスト回路
130:メモリアレイ
140:Xデコーダブロック
150:Yデコーダブロック
160:センス増幅器ブロック
200:センス制御回路
210:プリチャージイネーブル制御回路
220:センス増幅電圧制御回路
300:テスト読取り書込み回路
310:プリチャージ電圧制御回路
312:コンパレータ
314:ラッチ回路
320:テスト比較回路
BLT:ビット線
BLN:相補ビット線
BLPE1:プリチャージイネーブル信号
BLP1:第一のプリチャージイネーブル信号
BLP2:第二のプリチャージイネーブル信号
HFV:プリチャージ参照電圧
HFVT:第一のプリチャージ電圧
HFVN:第二のプリチャージ電圧
INV:インバータ
MC:メモリユニット
N1:第一の中間ノード
N2:第二の中間ノード
NP:SAP出力ノード
NN:SAN出力ノード
NHT:HFVT出力ノード
NHN:HFVN出力ノード
NT:テストノード
NA21〜NA23、NA31〜NA35:NANDゲート
NO31〜NO33:NORゲート
Q1、Q2、Q3、Q4:トランジスタ
Q21〜Q25、Q1〜Q39:スイッチ
SA:センス回路
SE1、SE2:センスイネーブル信号
SAP:pチャネル制御電圧
SAN:nチャネル制御電圧
T:拡張書込みサイクル
T1:第一のスイッチ
T2:第二のスイッチ
T3:第三のスイッチ
TFAIL:テスト結果
TG31〜TG34:伝送ゲート
TWE:テスト書込みイネーブル信号
TDA:テストデータ信号
TDE:テストデータイネーブル信号
TEST:テストイネーブル信号
TPIO:テストデータ線プリチャージ信号
tR:テスト読取り検出期間
tW:テスト書込み検出期間
TMREF:テスト参照電圧
VDD:電源電圧
VSS:接地電圧
VTN:nチャネルトランジスタの臨界電圧
WL:ワード線
WLn、WLm:ワード線信号
X12B13B:ローアドレス信号
【要約】      (修正有)
【課題】一回の周期内でワード線における複数のセンス増幅器を選択して、パラレルテストモードを行うことを実現できるメモリデバイス及びそのテスト読書き方法を提供する。
【解決手段】プリチャージ電圧制御回路は、第一のプリチャージ電圧HFVT及び第二のプリチャージ電圧HFVNを生成し、ビット線BLT及び相補ビット線BLNに、第一のプリチャージ電圧HFVT及び第二のプリチャージ電圧HFVNを受信させる。プリチャージ操作中、第一のプリチャージ電圧及び第二のプリチャージ電圧の電圧レベルは同じであり、プリチャージ操作後のテスト書込み検出期間及びテスト読取り検出期間において、プリチャージ電圧制御回路がビット線BLT及び相補ビット線BLNに提供する第一のプリチャージ電圧HFVT及び第二のプリチャージ電圧HFVNの電圧レベルは異なる。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12