特許第6576610号(P6576610)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6576610化合物、これを含む有機発光素子及び平板表示装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6576610
(24)【登録日】2019年8月30日
(45)【発行日】2019年9月18日
(54)【発明の名称】化合物、これを含む有機発光素子及び平板表示装置
(51)【国際特許分類】
   C07D 413/14 20060101AFI20190909BHJP
   C07D 417/14 20060101ALI20190909BHJP
   C07D 471/04 20060101ALI20190909BHJP
   C09K 11/06 20060101ALI20190909BHJP
   H05B 33/10 20060101ALI20190909BHJP
   H01L 51/50 20060101ALI20190909BHJP
【FI】
   C07D413/14CSP
   C07D417/14
   C07D471/04 103S
   C09K11/06 690
   H05B33/10
   H05B33/14 B
   H05B33/22 B
   H05B33/22 D
【請求項の数】14
【全頁数】57
(21)【出願番号】特願2013-132880(P2013-132880)
(22)【出願日】2013年6月25日
(65)【公開番号】特開2014-9231(P2014-9231A)
(43)【公開日】2014年1月20日
【審査請求日】2016年6月23日
【審判番号】不服2018-1263(P2018-1263/J1)
【審判請求日】2018年1月30日
(31)【優先権主張番号】10-2012-0071370
(32)【優先日】2012年6月29日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】512187343
【氏名又は名称】三星ディスプレイ株式會社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Display Co.,Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】110002619
【氏名又は名称】特許業務法人PORT
(72)【発明者】
【氏名】李 廷 渉
(72)【発明者】
【氏名】梁 承 ▲かく▼
【合議体】
【審判長】 佐藤 健史
【審判官】 佐々木 秀次
【審判官】 関 美祝
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2008/123189号(WO,A1)
【文献】 国際公開第2008/117826号(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
IPC C07D
DB名 CAplus/Registry(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記化合物のうちいずれか一つである化合物。
【化1】

【請求項2】
第1電極と、
第2電極と、
前記第1電極及び第2電極の間に介在する有機層と、を含む有機発光素子であって、
前記有機層が、請求項1に記載の化合物を含む有機発光素子。
【請求項3】
前記有機層が、発光層であることを特徴とする請求項2に記載の有機発光素子。
【請求項4】
前記有機層が発光層であり、
前記化合物が、蛍光ホストまたはリン光ホストとして用いられることを特徴とする請求項2または3に記載の有機発光素子。
【請求項5】
前記有機発光素子が、電子注入層、電子輸送層、発光層、正孔注入層、正孔輸送層、または正孔注入機能及び正孔輸送機能を同時に有する機能層を含み、
前記発光層は、前記化合物及びアントラセン系化合物を含むことを特徴とする請求項2ないし4のいずれか1項に記載の有機発光素子。
【請求項6】
前記有機発光素子が、電子注入層、電子輸送層、発光層、正孔注入層、正孔輸送層、または正孔注入機能及び正孔輸送機能を同時に有する機能層を含み、
前記発光層は、前記化合物及びアリールアミン系化合物を含むことを特徴とする請求項2ないし4のいずれか1項に記載の有機発光素子。
【請求項7】
前記有機発光素子が、電子注入層、電子輸送層、発光層、正孔注入層、正孔輸送層、または正孔注入機能及び正孔輸送機能を同時に有する機能層を含み、
前記発光層は、前記化合物及びスチリル系化合物を含むことを特徴とする請求項2ないし4のいずれか1項に記載の有機発光素子。
【請求項8】
前記有機発光素子が、電子注入層、電子輸送層、発光層、正孔注入層、正孔輸送層、または正孔注入機能及び正孔輸送機能を同時に有する機能層を含み、
前記発光層は、赤色層、緑色層、青色層及び白色層を有し、
前記発光層の赤色層、緑色層、青色層及び白色層のうちのいずれか1層は、リン光化合物を含むことを特徴とする請求項2に記載の有機発光素子。
【請求項9】
前記正孔注入層、正孔輸送層、または正孔注入機能及び正孔輸送機能を同時に有する機能層が、電荷生成物質を含むことを特徴とする請求項5ないし8のいずれか1項に記載の有機発光素子。
【請求項10】
前記電荷生成物質がp−ドーパントであり、
該p−ドーパントが、キノン誘導体、金属酸化物またはシアノ基含有化合物であることを特徴とする請求項9に記載の有機発光素子。
【請求項11】
前記有機発光素子が電子輸送層を含み、
該電子輸送層が、電子輸送性有機化合物及び金属錯体を含むことを特徴とする請求項2に記載の有機発光素子。
【請求項12】
前記金属錯体がLi錯体を含むことを特徴とする請求項11に記載の有機発光素子。
【請求項13】
前記有機層が、前記化合物を使用して湿式工程で形成されることを特徴とする請求項2ないし12のいずれか1項に記載の有機発光素子。
【請求項14】
ソース電極及びドレイン電極を含む薄膜トランジスタと、請求項2ないし13のいずれか1項に記載の有機発光素子と、を含み、
前記有機発光素子の第1電極が、前記薄膜トランジスタのソース電極またはドレイン電極と電気的に連結されたことを特徴とする平板表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機発光素子用化合物、これを含む有機発光素子及び平板表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
有機発光素子(OLED:organic light emitting diode)は、自発光型素子であって、視野角が広く、コントラストに優れるだけではなく、応答時間が短く、かつ輝度、駆動電圧及び応答速度特性に優れ、多色化が可能であるという長所を有している。
【0003】
一般的な有機発光素子は、基板上部にアノードが形成されており、このアノード上部に、正孔輸送層、発光層、電子輸送層及びカソードが順に形成された構造を有している。ここで、正孔輸送層、発光層及び電子輸送層は、有機化合物からなる有機薄膜である。
【0004】
前述のような構造を有する有機発光素子の駆動原理は、次の通りである。
【0005】
前記アノード及びカソード間に電圧を印加すると、アノードから注入された正孔は、正孔輸送層を経由して発光層に移動し、カソードから注入された電子は、電子輸送層を経由して発光層に移動する。前記正孔及び電子のようなキャリアは、発光層領域で再結合し、励起子(exiton)を生成する。この励起子が励起状態から基底状態に戻る過程で光が生成される。
【0006】
OLEDの発光効率を決定する最も重要な要因は、発光材料である。発光材料としては、現在まで蛍光材料が広く使用されているが、電気発光のメカニズム上、理論的に4倍まで発光効率を改善させることができるリン光材料の開発は、発光効率を改善する最良の方法のうちの一つである。
【0007】
リン光発光体のホスト材料としては、現在までに4,4’−N,N’−ジカルバゾール−ビフェニル(CBP)が最も広く知られており(たとえば、特許文献1)、2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン(BCP)及びアルミニウム(III)ビス(2−メチル−8−ヒドロキシキノリン)−4−フェニルフェノレート(BAlq)のような正孔遮断層を適用した高効率のOLED;BAlq誘導体をホストとして利用した高性能のOLEDが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2006−135295号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、既存の材料は、発光特性では有利な面があるが、ガラス転移温度が低く、熱的安定性に非常に劣り、真空下で高温蒸着工程を経るとき、材料が劣化するというような短所を有している。OLEDでは、「電力効率=(π/電圧)×電流効率」という関係があるので、電力効率は電圧に反比例するが、OLEDの消費電力を低くしようとすれば、電力効率が高くなければならない。実際、リン光発光材料を使用したOLEDは、蛍光発光材料を使用したOLEDに比べ、電流効率(cd/A)がかなり高いが、リン光発光材料のホストとして、BAlqやCBPなど従来の材料を使用する場合、蛍光材料を使用したOLEDに比べ、駆動電圧が高く、電力効率(lm/w)面で大きい利点がなかった。また、OLED素子での寿命側面でも、決して満足すべきレベルに到達しておらず、さらに安定性が良好で、さらに性能に優れたホスト材料の開発が要求されている。
【0010】
したがって、本発明の目的は、既存のホスト材料より、発光効率及び素子寿命が良好である優れた骨格(backbone)を有する有機発光化合物を提供することにある。また、本発明の他の目的は、前記化合物を含む高効率及び長寿命の有機発光素子を提供するものである。さらに、本発明の他の目的は、前記有機発光素子を含む平板表示装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者らは、上記課題に鑑み鋭意研究を行なった。その過程で、上記構造を有する化合物により、上記の課題が解決されうることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0012】
本発明の第1は、下記化学式1で表される化合物である:
【0013】
【化1】
【0014】
前記化学式1中、
ないしAは、それぞれ独立して、N、O、SまたはC(R20)を示し、
X及びYは、それぞれ独立して、N、OまたはSを示し、
Bは、NまたはC(R21)を示し、
Arは、置換もしくは非置換のC−C60アリール基、または置換もしくは非置換のC−C60ヘテロアリール基であり、
ないしR15、R20、R21は、それぞれ独立して、水素、重水素、置換もしくは非置換のC−C60アルキル基、置換もしくは非置換のC−C60シクロアルキル基、置換もしくは非置換のC−C60アリール基、または置換もしくは非置換のC−C60ヘテロアリール基を示し、
15及びR21は、互いに結合して環を形成してもよい。
【0015】
本発明の第2は、第1電極と;第2電極と;前記第1電極及び第2電極の間に介在された有機層とを含む有機発光素子であって、前記有機層が前記化合物を含む、有機発光素子である。
【0016】
本発明の第3は、ソース電極及びドレイン電極を含む薄膜トランジスタと、前記有機発光素子を含み、前記有機発光素子の第1電極が、前記薄膜トランジスタのソース電極またはドレイン電極と電気的に連結された、平板表示装置である。
【発明の効果】
【0017】
本発明の第1による、前記化学式1で表される化合物によれば、既存のホスト材料より、発光効率及び素子寿命が良好である優れた骨格を有する有機発光化合物が提供される。また、本発明の第2による有機発光素子によれば、前記化合物を含む高効率及び長寿命の有機発光素子を提供するものである。さらに、本発明の第3による平板表示装置によれば、前記有機発光素子を含む平板表示装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】一実施形態に係る有機発光素子の概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態を説明する。なお、本発明の構成要件及び実施の形態等について以下に詳細に説明するが、これらは本発明の実施態様の一例であり、これらの内容に限定されるものではない。
【0020】
本発明の第1は、下記化学式1で表される化合物である:
【0021】
【化2】
【0022】
(前記化学式1中、
ないしAは、それぞれ独立して、N、O、SまたはC(R20)を示し、
X及びYは、それぞれ独立して、N、OまたはSを示し、
Bは、NまたはC(R21)を示し、
Arは、置換もしくは非置換のC−C60アリール基、または置換もしくは非置換のC−C60ヘテロアリール基であり、
ないしR15、R20及びR21は、それぞれ独立して、水素、重水素、置換もしくは非置換のC−C60アルキル基、置換もしくは非置換のC−C60シクロアルキル基、置換もしくは非置換のC−C60アリール基、または置換もしくは非置換のC−C60ヘテロアリール基を示し、
15及びR21は、互いに結合して環を形成してもよい)。
【0023】
本発明者らは、上記化学式1で表される構造の化合物が、従来のホスト材料に比べて発光効率が良好であり、材料の寿命特性に優れることを見出し、本発明に至った。したがって、本発明の上記化合物を用いて素子を製造することにより、駆動寿命、電力効率、消費電力、輝度が極めて優れたOLED(organic light emitting diode)素子を製造することができる。
【0024】
本発明の化合物によるOLED素子の駆動寿命の向上は、ヘテロ環構造(本明細書中で別途の定義がない限り、「ヘテロ」とは、N、O、SまたはPから選択されたヘテロ原子を1個以上含有することを意味する。)に起因すると考えられる。すなわち、分子内にヘテロ環を含む上記化学式1で表される化合物は、ヘテロ環の導入により、高いガラス転移温度(Tg)や融点を有する。したがって、電界発光時における発光層(または有機層)において、発光層間、ないしは発光層と金属電極との間で発生するジュール熱に対する耐熱性、及び高温環境下での耐性が向上する。したがって、本発明の化合物を用いて製造された有機発光素子は、保存時及び駆動時の耐久性に優れる。
【0025】
また、本発明者らは、以下で詳述するように、本発明の上記化合物が、優れた発光特性を示し、緑色のリン光発光を呈する有用な化合物であることもまた見出した。さらに、本発明の化合物は、適切な色座標を有する。
【0026】
以下、本発明の化合物の構造について詳説する。
【0027】
本発明の上記化学式1の化合物は、主として四つの部分から構成される。すなわち、本発明の化合物は、コアに相当する部分、当該コアに連結される部分(I)および(II)、ならびにArから構成される。
【0028】
前記化学式1の化合物中、コアに該当する下記化学式1−1で表される部分:
【0029】
【化3】
【0030】
前記コアに連結された部分(I)である、下記化学式1−2で表される部分:
【0031】
【化4】
【0032】
前記コアに連結された部分(II)である、下記化学式1−3で表される部分:
【0033】
【化5】
【0034】
及びArについて以下に具体的に述べる。
【0035】
本発明の化合物において、前記化学式1中、下記化学式1−1で表される部分:
【0036】
【化6】
【0037】
(前記化学式1−1中、*は、結合部位を示す)
は、AないしAのうち、いずれか一つがNであると好ましく、AないしAのうち、二つ以上がNであるとより好ましい。
【0038】
さらに、化学式1−1で表される部分は、下記構造のうちいずれか一つであるとさらに好ましい:
【0039】
【化7】
【0040】
(上記構造中、Arは、化学式1に記載の定義と同様であり、*は、結合部位を示す)。
【0041】
前記構造のコアを含むことにより、前記化学式1の化合物は、良好な電子輸送能を有する。
【0042】
本発明の化合物において、前記化学式1中、下記化学式1−2で表される部分:
【0043】
【化8】
【0044】
(前記化学式1−2中、*は、結合部位を示す)
は、X及びYのうち、いずれか一方がNであると好ましい。
【0045】
さらに、化学式1−2で表される部分は、下記構造のうちいずれか一つであるとさらに好ましい:
【0046】
【化9】
【0047】
(上記構造中、RないしRは、化学式1に記載の定義と同様であり、*は、結合部位を示す)。
【0048】
本発明の化合物において、前記化学式1中、化学式1−3で表される部分:
【0049】
【化10】
【0050】
(前記化学式1−3中、*は、結合部位を示す)
は、Bが、NまたはC(R21)を示し、R15及びR21は、互いに結合して環を形成してもよい。このように、R15及びR21が結合されて環を形成する場合は、R15及びR21を含む五員環、六員環を形成すると好ましい。
【0051】
さらに、化学式1−3で表される部分は、下記構造のうちいずれか一つであると好ましい:
【0052】
【化11】
【0053】
(上記構造中、RないしR15及びR21は、化学式1に記載の定義と同様であり、R30ないしR33は、それぞれ独立して、水素、重水素、置換もしくは非置換のC−C60アルキル基、置換もしくは非置換のC−C60シクロアルキル基、置換もしくは非置換のC−C60アリール基、または置換もしくは非置換のC−C60ヘテロアリール基を示し、*は結合部位を示す)。
【0054】
前記化学式1−3で表されるカルバゾール誘導体部分(すなわち、コアに連結された部分(II))は、リンカーを介することなく、カルバゾール部分の9位の窒素原子(N)がコア(すなわち、化学式1−1で表される部分)に直接連結されることによって、形成された励起子のバンドギャップの値が大きくなる一方で、同時にリン光ホストに有利となるT1エネルギーレベル(2.5eV以上)を有することになる。したがって、本発明の化合物は、かような特性を有することから、正孔輸送層に用いるよりも、発光層におけるホスト化合物として使用されると好適である。
【0055】
また、化学式1−3で表される前記カルバゾール誘導体部分を含むことにより、前記化学式1の化合物は、良好な正孔輸送能を有する。
【0056】
さらに、本発明の前記化学式1の化合物は、コア部分及びカルバゾール誘導体部分を含むことによって、電子及び正孔の両者の輸送能を有することになり、発光材料として好適に使用可能である。
【0057】
本発明の化合物において、前記化学式1中、Arは、下記構造のうちいずれか一つであると好ましい:
【0058】
【化12】
【0059】
(上記構造中、*は、結合部位を示す)。
【0060】
本発明の化合物において、前記化学式1中、RないしRは、それぞれ独立して、水素または重水素を示し、RないしR15及びR21は、それぞれ独立して、水素、重水素、または置換もしくは非置換のC−C60アリール基であると好ましい。さらに、RないしRは、水素原子であると好ましく、RないしR15及びR21は、それぞれ独立して、水素、または置換もしくは非置換のC−C20アリール基であると好ましい。
【0061】
以下、本明細書で使用される置換基のうち、代表的な置換基の定義について述べる(置換基を限定する炭素数は、非制限的なものであり、置換基の特性を制限するものではない)。
【0062】
非置換のC−C60アルキル基は、直鎖または分枝鎖状であり、その非制限的な例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、ペンチル基、iso−アミル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノナニル基、ドデシル基などを挙げることができる。C−C60アルキル基は置換されていてもよく、前記非置換のアルキル基のうち1以上の水素原子は、重水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾン基、カルボン酸基やその塩、スルホン酸基やその塩、リン酸基やその塩、C−C10アルキル基、C−C10アルコキシ基、C−C10アルケニル基、C−C10アルキニル基、C−C16アリール基、またはC−C16ヘテロアリール基で置換されていてもよい。
【0063】
−C60非置換のアルコキシ基とは、−OA(ここで、Aは、前述の非置換のC−C60アルキル基である)の構造を有する基であり、その非制限的な例としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロピルオキシ基、ブトキシ基、ペントキシ基などを挙げることができる。それらアルコキシ基のうち少なくとも1以上の水素原子は、前述のアルキル基の場合と同じ置換基で置換されていてもよい。
【0064】
非置換のC−C60アルケニル基は、前記非置換のアルキル基の中間や末端に、1以上の炭素−炭素二重結合を含んでいることを意味する。その例としては、エテニル基、プロペニル基、ブテニル基などがある。それら非置換のアルケニル基のうち少なくとも1以上の水素原子は、前述の置換されたアルキル基の場合と同じ置換基で置換されていてもよい。
【0065】
非置換のC−C60アルキニル基は、前記非置換のアルキル基の中間や末端に、1以上の炭素−炭素三重結合を含んでいることを意味する。その例としては、エチニル基、プロピニル基、フェニルエチニル基、ナフチルエチニル基、イソプロピルエチニル基、t−ブチルエチニル基、ジフェニルエチニル基などがある。それらアルキニル基のうち少なくとも1以上の水素原子は、前述の置換されたアルキル基の場合と同じ置換基で置換されていてもよい。
【0066】
非置換のC−C60シクロアルキル基は、C−C60の環状のアルキル基を意味し、前記シクロアルキル基のうち1以上の水素原子は、前述のC−C60アルキル基の置換基と同一の置換基で置換されていてもよい。
【0067】
非置換のC−C60アリール基は、1以上の環を含む炭素環芳香族系を意味し、2以上の環を有する場合、互いに縮合(fused)していてもよいし、あるいは単結合などを介して連結されていてもよい。アリールという用語は、フェニル、ナフチル、アントラセニルのような芳香族系を含む。また、前記アリール基のうち1以上の水素原子は、前述のC−C60アルキル基の置換基と同一の置換基で置換されていてもよい。
【0068】
置換もしくは非置換のC−C60アリール基の例としては、フェニル基、C−C10アルキルフェニル基(例えば、エチルフェニル基)、ハロフェニル基(例えば、o−,m−及びp−フルオロフェニル基、ジクロロフェニル基)、シアノフェニル基、ジシアノフェニル基、トリフルオロメトキシフェニル基、ビフェニル基、ハロビフェニル基、シアノビフェニル基、C−C10アルキルビフェニル基、C−C10アルコキシビフェニル基、o−,m−及びp−トリル基、o−,m−及びp−クメニル基、メシチル基、フェノキシフェニル基、(α,α−ジメチルベンゼン)フェニル基、(N,N’−ジメチル)アミノフェニル基、(N,N’−ジフェニル)アミノフェニル基、ペンタレニル基、インデニル基、ナフチル基、ハロナフチル基(例えば、フルオロナフチル基)、C−C10アルキルナフチル基(例えば、メチルナフチル基)、C−C10アルコキシナフチル基(例えば、メトキシナフチル基)、シアノナフチル基、アントラセニル基、アズレニル基、ヘプタレニル基、アセナフチレニル基、フェナレニル基、フルオレニル基、アントラキノリル基、メチルアントリル基、フェナントリル基、トリフェニレン基、ピレニル基、クリセニル基、エチル−クリセニル基、ピセニル基、ペリレニル基、クロロペリレニル基、ペンタフェニル基、ペンタセニル基、テトラフェニレニル基、ヘキサフェニル基、ヘキサセニル基、ルビセニル基、コロネリル基、トリナフチレニル基、ヘプタフェニル基、ヘプタセニル基、ピラントレニル基、オバレニル基などを挙げることができる。
【0069】
−C60非置換のヘテロアリール基は、N、O、PおよびSのうち選択された1,2または3個のヘテロ原子を含み、2以上の環を有する場合、それらは互いに縮合されていてもよいし、あるいは単結合などを介して連結されていてもよい。非置換のC−C60ヘテロアリール基の例としては、ピラゾリル基、イミダゾリル基、オキサゾリル基、チアゾリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、オキサジアゾリル基、ピリジニル基、ピリダジニル基、ピリミジニル基、トリアジニル基、カルバゾリル基、インドリル基、キノリニル基、イソキノリニル基、ジベンゾチオフェン基などを挙げることができる。また、前記ヘテロアリール基のうち1以上の水素原子は、前述のC−C60アルキル基の置換基と同一の置換基で置換されていてもよい。
【0070】
−C60非置換のアリールオキシ基とは、−OAで表示される基であり、このとき、Aは、前記C−C60アリール基である。前記アリールオキシ基の例としては、フェノキシ基などを挙げることができる。前記アリールオキシ基のうち1以上の水素原子は、前述のC−C60アルキル基の置換基と同一の置換基で置換されていてもよい。
【0071】
−C60非置換のアリールチオ基は、−SAで表示される基であり、このとき、Aは、前記C−C60アリール基である。前記アリールチオ基の例としては、ベンゼンチオ基、ナフチルチオ基などを挙げることができる。前記アリールチオ基のうち1以上の水素原子は、前述のC−C60アルキル基の置換基と同一の置換基で置換されていてもよい。
【0072】
非置換のC−C60縮合多環基とは、1以上の芳香族環及び1以上の非芳香族環が互いに縮合された2以上の環を含んだ置換基、または環内に不飽和基を有するが、共役構造を有することができない置換基を示すものであり、前記縮合多環基は、全体的には、芳香族性を有することができないという点で、アリール基またはヘテロアリール基と区別される。
【0073】
本発明の前記化学式1で表現される化合物の具体的な例としては、下記化合物1ないし34を挙げることができるが、これらに制限されるものではない。なお、以下の実施例において、化合物を、下記化合物番号にて規定する。
【0074】
【化13】
【0075】
【化14】
【0076】
本発明の第2による有機発光素子は、第1電極;第2電極;並びに前記第1電極及び第2電極の間に介在する有機層を含む有機発光素子であって、前記有機層が、前記化学式1で表される化合物を含む。
【0077】
前記有機層は、正孔注入層、正孔輸送層、正孔注入機能及び正孔輸送機能を同時に有する機能層(以下、「H−機能層(H−functional layer)」とも称する)、バッファ層、電子阻止層、発光層、正孔阻止層、電子輸送層、電子注入層、並びに電子輸送機能及び電子注入機能を同時に有する機能層(以下、「E−機能層(E−functional layer)」ともする)のうち少なくとも1層であってもよい。
【0078】
さらに具体的には、前記有機層は、発光層であってもよく、前記化合物は、蛍光素子またはリン光素子において、ホスト化合物としても使用されると好ましい。すなわち、本発明の化合物は、蛍光ホストまたはリン光ホストとして用いられると好ましい。
【0079】
本発明の一実施形態において、前記有機発光素子は、電子注入層、電子輸送層、発光層、正孔注入層、正孔輸送層、または正孔注入機能及び正孔輸送機能を同時に有する機能層を含み、前記発光層は、本発明の化合物;及びアントラセン系化合物、アリールアミン系化合物またはスチリル系化合物;を含んでもよい。
【0080】
本発明の他の実施形態において、前記有機発光素子は、電子注入層、電子輸送層、発光層、正孔注入層、正孔輸送層、または正孔注入機能及び正孔輸送機能を同時に有する機能層を含み、前記発光層は、赤色層、緑色層、青色層及び白色層を有し、前記発光層の赤色層、緑色層、青色層及び白色層のうちいずれか1層は、リン光化合物を含んでいてもよい。また、前記正孔注入層、正孔輸送層、または正孔注入機能及び正孔輸送機能を同時に有する機能層は、電荷生成物質を含んでもよい。一方、前記電荷生成物質は、p−ドーパント(p型ドーパント)であり、該p−ドーパントは、キノン誘導体、金属酸化物及びシアノ基含有化合物であってもよい。
【0081】
本発明のさらに他の実施形態において、前記有機発光素子は、電子輸送層を含み、該電子輸送層は、電子輸送性有機化合物及び金属錯体を含んでいてもよい。このとき、前記金属錯体は、Li錯体であると好ましい。
【0082】
本明細書において「有機層」は、有機発光素子において、第1電極と第2電極との間に介在された単一及び/または複数の層を示す用語である。
【0083】
前記有機層は、発光層を含み、前記発光層に前記化合物が含まれていてもよい。または、前記有機層は、正孔注入層、正孔輸送層、正孔注入機能及び正孔輸送機能を同時に有する機能層(H−機能層)のうち少なくとも1層を含み、前記正孔注入層、正孔輸送層、正孔注入機能及び正孔輸送機能を同時に有する機能層(H−機能層)のうち少なくとも1層に、前記化合物が含まれていてもよい。
【0084】
前記発光層に含まれた前記化合物は、リン光ホスト化合物としての役割を果たすことができる。例えば、前記化合物は、緑色光を放出する緑色リン光ホストの役割を果たすことができる。または、前記発光層に含まれる前記化合物は、赤色光、緑色光または青色光を放出する蛍光ホストまたはリン光ホストの役割を行うことができる。
【0085】
図1は、本発明の一実施形態に係る有機発光素子の断面図を概略的に図示したものである。以下、図1を参照して、本発明の一実施形態に係る有機発光素子の構造及び製造方法について説明する。
【0086】
基板(図示せず)では、一般的な有機発光素子で使用される基板を使用することができるが、機械的強度、熱的安定性、透明性、表面平滑性、取り扱い容易性及び防水性に優れるガラス基板または透明プラスチック基板を使用することができる。
【0087】
前記第1電極は、基板上部に、第1電極用物質を蒸着法またはスパッタリング法などを利用することによって形成される。前記第1電極がアノードである場合、正孔注入が容易なように、第1電極用物質は、高い仕事関数を有する物質から選択される。前記第1電極は、反射型電極または透過型電極であってもよい。第1電極用物質としては、透明であって伝導性に優れる酸化インジウムスズ(ITO)、酸化インジウム亜鉛(IZO)、酸化スズ(SnO)、酸化亜鉛(ZnO)などを利用することができる。または、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、アルミニウム−リチウム(Al−Li)、カルシウム(Ca)、マグネシウム−インジウム(Mg−In)、マグネシウム−銀(Mg−Ag)などを利用すれば、前記第1電極を反射型電極に形成することもできる。
【0088】
前記第1電極は、単一層または2以上の多層構造を有することができる。例えば、前記第1電極は、ITO/Ag/ITOの3層構造を有することができるが、これに限定されるものではない。
【0089】
前記第1電極上部には、有機層が形成されている。
【0090】
前記有機層は、正孔注入層、正孔輸送層、バッファ層(図示せず)、発光層、電子輸送層または電子注入層などを含んでもよい。
【0091】
正孔注入層(HIL)は、前記第1電極上部に、真空蒸着法、スピンコーティング法、キャスト法、LB(Langmuir-Blodgett)法などのような多様な方法を利用して形成される。
【0092】
真空蒸着法によって正孔注入層を形成する場合、その蒸着条件は、正孔注入層の材料として使用する化合物、目的とする正孔注入層の構造及び熱的特性などによって異なるが、例えば、蒸着温度100ないし500℃、真空度1.33×10−6ないし1.33×10−1Pa、蒸着速度0.01ないし100Å/secの範囲で選択されるが、これらに限定されるものではない。
【0093】
スピンコーティング法によって正孔注入層を形成する場合、そのコーティング条件は、正孔注入層の材料として使用する化合物、目的とする正孔注入層の構造及び熱的特性によって異なるが、2,000rpmないし5,000rpmのコーティング速度、コーティング後の溶媒除去のための熱処理温度は、80℃ないし200℃の温度範囲で選択されるが、これらに限定されるものではない。
【0094】
正孔注入物質としては、公知の正孔注入物質を使用することができるが、公知の正孔注入物質としては、例えば、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス−[4−(フェニル−m−トリル−アミノ)−フェニル]−ビフェニル−4,4’−ジアミン(DNTPD)、銅フタロシアニンなどのフタロシアニン化合物、4,4’、4”−トリス(3−メチルフェニルフェニルアミノ)トリフェニルアミン(m−MTDATA)、N,N’−ジ(1−ナフチル)−N,N’−ジフェニルベンジジン(NPB)、4,4’,4”−トリス{N,Nジフェニルアミノ}トリフェニルアミン(TDATA)、4,4',4”−トリス(N,N−2−ナフチルフェニルアミノ)トリフェニルアミン(2−TNATA)、ポリアニリン/ドデシルベンゼンスルホン酸(Pani/DBSA)、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)/ポリ(4−スチレンスルホネート)(PEDOT/PSS)、ポリアニリン/カンファースルホン酸(Pani/CSA)またはポリアニリン/ポリ(4−スチレンスルホネート)(PANI/PSS)などを使用することができるが、これらに限定されるものではない:
【0095】
【化15】
【0096】
前記正孔注入層の厚みは、100Åないし10,000Å、例えば、100Åないし1,000Åである。前記正孔注入層の厚みが前述のような範囲内にある場合、実質的な駆動電圧の上昇なしに、満足すべき正孔注入特性を得ることができる。
【0097】
次に、前記正孔注入層の上部に、真空蒸着法、スピンコーティング法、キャスト法、LB法のような多様な方法を利用して、正孔輸送層(HTL)を形成することができる。真空蒸着法及びスピンコーティング法によって正孔輸送層を形成する場合、その蒸着条件及びコーティング条件は、使用する化合物によって異なるが、一般的に正孔注入層の形成とほぼ同一の条件範囲から選択される。
【0098】
正孔輸送物質としては、公知の正孔輸送物質を使用することができる。公知の正孔輸送材料としては、例えば、N−フェニルカルバゾール、ポリビニルカルバゾールなどのカルバゾール誘導体;N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−N,N’−ジフェニル−[1,1−ビフェニル]−4,4’−ジアミン(TPD)、4,4’,4”−トリス(N−カルバゾリル)トリフェニルアミン(TCTA)、N,N’−ジ(1−ナフチル)−N,N’−ジフェニルベンジジン(NPB)などを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0099】
【化16】
【0100】
前記正孔輸送層の厚みは、50Åないし2,000Å、例えば100Åないし1,500Åである。前記正孔輸送層の厚みが前述のような範囲内にある場合、実質的な駆動電圧が上昇することなく、十分な正孔輸送特性を得ることができる。
【0101】
前記H−機能性(正孔注入機能及び正孔輸送機能を同時に有する機能層)には、前述のような正孔注入層物質及び正孔輸送層物質のうち1以上の物質が含まれ、前記H−機能層の厚みは、500Åないし10,000Å、例えば、100Åないし1,000Åである。前記H−機能層の厚みが前述のような範囲内にある場合、実質的な駆動電圧が上昇することなく、十分な正孔注入特性及び正孔輸送特性を得ることができる。
【0102】
一方、前記正孔注入層、正孔輸送層及びH−機能層のうち少なくとも1層は、下記化学式300で表される化合物、及び下記化学式350で表される化合物のうち1以上を含んでもよい:
【0103】
【化17】
【0104】
【化18】
【0105】
前記化学式300中、Ar11およびAr12は、互いに独立して、置換もしくは非置換のC−C60アリーレン基であり、C−C20アリーレン基であると好ましい。ここで、C−C60アリーレン基は、上記のC−C60アリール基から、さらに水素原子を1個除いた原子団であり、二価の置換基である。
【0106】
ここで、アリーレン基としては、フェニレン基、ビフェニレン基、ナフチレン基、ターフェニレン基などが挙げられるが、これらに制限されるものではない。
【0107】
上記化学式350中、Ar21及びAr22は、互いに独立して、C−C60アリール基であり、C−C20アリール基であると好ましい。なお、Ar21及びAr22に係わる説明は、上記と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0108】
前記化学式300で、e及びfは、互いに独立して、0ないし5の整数であり、0、1または2であると好ましい。例えば、前記eは、1であり、fは、0であると好ましいが、これらに限定されるものではない。
【0109】
前記化学式300及び350中、R51ないしR58、R61ないしR69並びにR71及びR72は、互いに独立して、水素、重水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾン基、カルボン酸基やその塩、スルホン酸基やその塩、リン酸基やその塩、置換もしくは非置換のC−C60アルキル基、置換もしくは非置換のC−C60アルケニル基、置換もしくは非置換のC−C60アルキニル基、置換もしくは非置換のC−C60アルコキシ基、置換もしくは非置換のC−C60シクロアルキル基、置換もしくは非置換のC−C60アリール基、置換もしくは非置換のC−C60アリールオキシ基、または置換もしくは非置換のC−C60アリールチオ基であってもよい。例えば、前記R51ないしR58、R61ないしR69、並びにR71及びR72は、互いに独立して、水素;重水素;ハロゲン原子;ヒドロキシル基;シアノ基;ニトロ基;アミノ基;アミジノ基;ヒドラジノ基;ヒドラゾン基;カルボン酸基やその塩;スルホン酸基やその塩;リン酸基やその塩;C−C10アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基など);C−C10アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペントキシ基など);重水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾン基、カルボン酸基やその塩、スルホン酸基やその塩、及びリン酸基やその塩のうち1以上で置換されたC−C10アルキル基及びC−C10アルコキシ基;フェニル基;ナフチル基;アントリル基;フルオレニル基;ピレニル基;重水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾン基、カルボン酸基やその塩、スルホン酸基やその塩、リン酸基やその塩、C−C10アルキル基及びC−C10アルコキシ基のうち1以上で置換されたフェニル基、ナフチル基、アントリル基、フルオレニル基及びピレニル基;のうち一つであるが、これらに限定されるものではない。
【0110】
前記化学式300中、R59は、フェニル基;ナフチル基;アントリル基;ビフェニル基;ピリジル基;及び重水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾン基、カルボン酸基やその塩、スルホン酸基やその塩、リン酸基やその塩、置換もしくは非置換のC−C20アルキル基、及び置換もしくは非置換のC−C20アルコキシ基のうち1以上で置換されたフェニル基、ナフチル基、アントリル基、ビフェニル基及びピリジル基;のうち一つである。
【0111】
一実施形態によれば、前記化学式300で表される化合物は、下記化学式300Aで表されるが、これに限定されるものではない:
【0112】
【化19】
【0113】
前記化学式300A中、R51、R59、R61及びR62の詳細な説明は、上記と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0114】
例えば、前記正孔注入層、正孔輸送層及びH−機能層のうち少なくとも1層は、下記化合物301ないし320のうち1以上を含んでもよいが、これらに限定されるものではない。上記化学式350に係る化合物は、以下に示す化合物301〜308であると好ましく、また、上記化学式300(300A)に係る化合物は、以下に示す化合物309〜320であると好ましいが、これらに限定されるものではない:
【0115】
【化20】
【0116】
【化21】
【0117】
前記正孔注入層、正孔輸送層及びH−機能層のうち少なくとも1層は、前述のような公知の正孔注入物質、公知の正孔輸送物質、及び/または正孔注入機能及び正孔輸送機能を同時に有する物質以外に、膜の導電性などを向上させるために、電荷生成物質をさらに含んでいてもよい。
【0118】
前記電荷生成物質は、例えば、p−ドーパント(p型ドーパント)であってもよい。前記p−ドーパントは、キノン誘導体、金属酸化物及びシアノ基含有化合物のうち一つであるが、それらに限定されるものではない。例えば、前記p−ドーパントの非制限的な例としては、テトラシアノキノジメタン(TCNQ)及び2,3,5,6−テトラフルオロ−テトラシアノ−1,4−キノジメタン(F4−TCNQ)のようなキノン誘導体;タングステン酸化物及びモリブデン酸化物のような金属酸化物;及び下記化合物200のようなシアノ基含有化合物などを挙げることができるが、それらに限定されるものではない。
【0119】
【化22】
【0120】
前記正孔注入層、前記正孔輸送層または前記H−機能層が、前記電荷生成物質をさらに含む場合、前記電荷生成物質は、正孔注入層、前記正孔輸送層または前記H−機能層内に均一に(homogeneous)分散していてもよいし、あるいはまたは不均一に分布していてもよく、多様な変形が可能である。
【0121】
前記正孔注入層、正孔輸送層及びH−機能層のうち少なくとも1層と、前記発光層との間には、バッファ層が介在してもよい。前記バッファ層は、発光層から放出される光の波長による光学的共振距離を補償して効率を向上させる役割を担うことができる。前記バッファ層は、公知の正孔注入材料、正孔輸送材料を含んでもよい。または、前記バッファ層は、バッファ層の下部に形成された前記正孔注入層、正孔輸送層及びH−機能層に含まれた物質のうち一つと同一の物質を含んでもよい。
【0122】
次に、正孔輸送層、H−機能層またはバッファ層の上部に、真空蒸着法、スピンコーティング法、キャスト法、LB法のような方法を利用して、発光層(EML)が形成される。真空蒸着法及びスピンコーティング法によって発光層を形成する場合、その蒸着条件は、使用する化合物によって異なるが、一般的に正孔注入層の形成とほぼ同一の条件範囲から選択される。
【0123】
前記発光層は、本発明による化合物を含んでいると好ましい。
【0124】
前記発光層は、前記化合物以外に、ホストをさらに含んでいると好ましい。
【0125】
前記ホストとしては、Alq3(トリス(8−キノリノラト)アルミニウム)、4,4’−N,N’−ジカルバゾール−ビフェニル(CBP)、ポリ(n−ビニルカルバゾール)(PVK)、9,10−ジ(ナフタレン−2−イル)アントラセン(ADN)、4,4’,4”−トリス(N−カルバゾリル)トリフェニルアミン(TCTA)、1,3,5−トリス(N−フェニルベンズイミダゾール−2−イル)ベンゼン(TPBI)、3−tert−ブチル−9,10−ジ(ナフト−2−イル)アントラセン(TBADN)、E3、ジスチリルアリーレン(DSA)、4,4’−ビス(9−カルバゾール)−2,2’−ジメチル−ビフェニル(dmCBP)、下記化合物501ないし509などを使用することができるが、これらに限定されるものではない。
【0126】
【化23】
【0127】
【化24】
【0128】
または、前記ホストとしては、下記化学式400で表示されるアントラセン系化合物を使用することができる:
【0129】
【化25】
【0130】
前記化学式400中、Ar111及びAr112は、互いに独立して、置換もしくは非置換のC−C60アリーレン基であり、前記Ar113ないしAr116は、互いに独立して、置換もしくは非置換のC−C10アルキル基、または置換もしくは非置換のC−C60アリール基であり、g、h、i及びjは、互いに独立して、0ないし4の整数である。
【0131】
例えば、前記化学式400中、Ar111及びAr112は、フェニレン基、ナフチレン基、フェナントレニレン基またはピレニレン基;またはフェニル基、ナフチル基及びアントリル基のうち1以上で置換されたフェニレン基、ナフチレン基、フェナントレニレン基、フルオレニル基またはピレニレン基であってもよいが、これらに限定されるものではない。
【0132】
前記化学式400中、g、h、i及びjは、互いに独立して、0、1または2であると好ましい。
【0133】
前記化学式400中、Ar113ないしAr116は、互いに独立して、フェニル基、ナフチル基及びアントリル基のうち1以上で置換されたC−C10アルキル基;フェニル基;ナフチル基;アントリル基;ピレニル基;フェナントレニル基;フルオレニル基;重水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾン基、カルボン酸基やその塩、スルホン酸基やその塩、リン酸基やその塩、C−C60アルキル基、C−C60アルケニル基、C−C60アルキニル基、C−C60アルコキシ基、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、ピレニル基、フェナントレニル基及びフルオレニル基のうち1以上で置換されたフェニル基、ナフチル基、アントリル基、ピレニル基、フェナントレニル基及びフルオレニル基;及び下記式:
【0134】
【化26】
【0135】
で表される置換基のうち一つであると好ましいが、これらに限定されるものではない。
【0136】
例えば、前記化学式400で表されたアントラセン系化合物は、下記化合物のうちの一つであると好ましいが、これに限定されるものではない:
【0137】
【化27】
【0138】
【化28】
【0139】
または、前記ホストとしては、下記化学式401で表されるアントラセン系化合物を使用することができる:
【0140】
【化29】
【0141】
前記化学式401で、Ar122ないしAr125に係わる詳細な説明は、前記化学式400のAr113に係わる説明を参照する。
【0142】
前記化学式401で、Ar126及びAr127は、互いに独立して、C−C10アルキル基(例えば、メチル基、エチル基またはプロピル基)である。
【0143】
前記化学式401で、k及びlは、互いに独立して、0ないし4の整数であってもよい。例えば、前記k及びlは、0、1または2である。
【0144】
例えば、前記化学式401で表示されたアントラセン系化合物は、下記化合物のうちの一つであると好ましいが、これらに限定されるものではない:
【0145】
【化30】
【0146】
前記有機発光素子がフルカラー有機発光素子である場合、発光層は、赤色発光層、緑色発光層及び青色発光層にパターニングされる。このとき、緑色発光層に、本発明の化合物が緑色リン光ホストとして含まれていると好ましい。
【0147】
一方、前記赤色発光層、緑色発光層及び青色発光層のうち少なくとも1層は、下記ドーパントを含んでもよい(ppy=フェニルピリジン)。
【0148】
例えば、青色ドーパントとしては、下記化合物を使用することができるが、これらに限定されるものではない。
【0149】
【化31】
【0150】
【化32】
【0151】
例えば、赤色ドーパントとしては、下記化合物を使用することができるが、これらに限定されるものではない。
【0152】
【化33】
【0153】
【化34】
【0154】
例えば、緑色ドーパントとしては、下記化合物を使用することができるが、これらに限定されるものではない。
【0155】
【化35】
【0156】
一方、前記発光層に含まれるドーパントは、以下のようなPt−錯体であってもよいが、これらに限定されるものではない:
【0157】
【化36】
【0158】
【化37】
【0159】
【化38】
【0160】
【化39】
【0161】
また、前記発光層に含まれるドーパントは以下のようなOs−錯体であってもよいが、これらに限定されるものではない:
【0162】
【化40】
【0163】
前記発光層がホスト及びドーパントを含む場合、ドーパントの含量は、一般的にホスト100重量部を基準にして、0.01ないし15重量部の範囲で選択されるが、これに限定されるものではない。
【0164】
前記発光層の厚みは、100Åないし1,000Å、例えば、200Åないし600Åである。前記発光層の厚みが前述のような範囲である場合、実質的な駆動電圧が高くなることなく、優れた発光特性を得ることができる。
【0165】
次に、発光層の上部に、電子輸送層(ETL)が、真空蒸着法、スピンコーティング法、またはキャスト法などの多様な方法を利用して形成される。真空蒸着法及びスピンコーティング法によって電子輸送層を形成する場合、その条件は、使用する化合物によって異なるが、一般的に正孔注入層の形成とほぼ同一の条件範囲から選択される。前記電子輸送層材料としては、電子注入電極(カソード)から注入された電子を安定して輸送する機能を行うものであり、公知の電子輸送物質を利用することができる。公知の電子輸送物質の例としては、Alq3、アルミニウム(III)ビス(2−メチル−8−ヒドロキシキノリン)−4−フェニルフェノレート(BAlq)、ベリリウムビス(ベンゾキノリン−10−オラート)(Bebq2)のようなキノリン誘導体;1,2,4−トリアゾール誘導体(TAZ);9,10−ジ(ナフタリン−2−イル)アントラセン(ADN);化合物201、化合物202のような材料を使用することもできるが、これらに限定されるものではない。
【0166】
【化41】
【0167】
前記電子輸送層の厚みは、100Åないし1,000Å、例えば、150Åないし500Åである。前記電子輸送層の厚みが前述のような範囲を満足する場合、実質的に駆動電圧が上昇することなく、満足すべき電子輸送特性を得ることができる。
【0168】
または、前記電子輸送層は、公知の電子輸送性有機化合物以外に、金属含有物質をさらに含んでもよい。
【0169】
前記金属含有物質は、Li錯体を含んでもよい。前記Li錯体の非制限的な例としては、8−ヒドロキシキノリノラトリチウム(Liq)または下記化合物203などを挙げることができる:
【0170】
【化42】
【0171】
また、電子輸送層の上部に、カソードから電子の注入を容易にする機能を有する物質である電子注入層(EIL)が積層されるが、この材料は、特に制限されない。
【0172】
前記電子注入層の形成材料としては、LiF、NaCl、CsF、LiO、BaOのような電子注入層の形成材料として公知の任意の物質を利用することができる。前記電子注入層の蒸着条件は、使用する化合物によって異なるが、一般的に正孔注入層の形成とほぼ同一の条件範囲のうち選択される。
【0173】
前記電子注入層の厚みは、1Åないし100Å、3Åないし90Åである。前記電子注入層の厚みが前述のような範囲内にある場合、実質的な駆動電圧が高くなることなく、十分な電子注入特性を得ることができる。
【0174】
このような有機層の上部には、第2電極が供えられる。前記第2電極は、電子注入電極であるカソードであるが、このとき、前記第2電極形成用の金属としては、小さい仕事関数を有する金属、合金、電気伝導性化合物及びそれらの混合物を使用することができる。具体的な例としては、リチウム(Li)、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、アルミニウム−リチウム(Al−Li)、カルシウム(Ca)、マグネシウム−インジウム(Mg−In)、マグネシウム−銀(Mg−Ag)などを薄膜に形成して透過型電極を得ることができる。一方、前面発光素子を得るために、ITO、IZOを利用した透過型電極を形成することができるなど、多様な変形が可能である。
【0175】
以上、前記有機発光素子について、図1を参照して説明したが、それらに限定されるものではない。
【0176】
また、発光層に、リン光ドーパントを使用する場合には、三重項励起子または正孔が電子輸送層に拡散する現象を防止するために、前記正孔輸送層と発光層との間、またはH−機能層と発光層との間に、真空蒸着法、スピンコーティング法、キャスト法、LB法のような方法を利用して、正孔阻止層(HBL)が形成される。真空蒸着法及びスピンコーティング法によって正孔阻止層を形成する場合、その条件は、使用する化合物によって異なるが、一般的に正孔注入層の形成とほぼ同一の条件範囲のうち選択することができる。公知の正孔阻止材料も使用することができるが、その例としては、オキサジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、フェナントロ−ルリン誘導体などを挙げることができる。例えば、下記のような2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン(BCP)を正孔阻止層の材料として使用することができる。
【0177】
【化43】
【0178】
前記正孔阻止層の厚みは、20Åないし1,000Å、例えば、30Åないし300Åである。前記正孔阻止層の厚みが前述のような範囲内にある場合、実質的な駆動電圧が高くなることなく、優れた正孔阻止特性を得ることができる。
【0179】
本発明による有機発光素子は、多様な形態の平板表示装置、例えば、受動マトリックス有機発光表示装置及び能動マトリックス有機発光表示装置に具備される。特に、能動マトリックス有機発光表示装置に具備される場合、基板側に配設された第1電極は、画素電極であり、薄膜トランジスタのソース電極またはドレイン電極と電気的に連結されていてもよい。また、前記有機発光素子は、両面に画面を表示することができる平板表示装置に備えられてもよい。
【0180】
また、本発明の一実施形態による有機発光素子の有機層は、本発明の化合物を使用して、蒸着法で形成してもよいし、あるいは、本発明の化合物を含む溶液を調製し、当該溶液をコーティングする湿式方法で形成してもよい。
【0181】
以下、合成例及び実施例を挙げ、本発明の一実施形態による有機発光素子についてさらに具体的に説明するが、本発明は、下記の合成例及び実施例に限定されるものではない。
【実施例】
【0182】
≪中間体の合成1≫
下記反応式1によって、中間体A〜Fを合成した。
【0183】
【化44】
【0184】
<段階1>中間体Aの合成
10H−フェノチアジン(10g,1eq,0.05mol)、2,4,6−トリクロロピリミジン10.1g(4.14g,1.1eq,0.055mol)を400mlのトルエンに溶解させた。これに、Pd(dba)0.95g(0.02eq,0.001mmol)、Na(t−bu)O 8.31g(1.2eq,0.06mol)、P(t−Bu) 0.12g(0.08ea,0.004mmol)をそれぞれ添加した後、12時間加熱撹拌した。
【0185】
反応が終了した反応溶液を、セライト(登録商標)を介して濾過した後、カラムクロマトグラフィを介して、中間体A 9.7g(収率=56。4%)を得た。
【0186】
ガスクロマトグラフ質量分析(GC−Mass)(理論値:346.23g/mol、測定値:345g/mol)。
【0187】
<段階1−1>中間体Bの合成
中間体A 20g(1eq,0.057mol)、9H−カルバゾール10.6g(1.1eq,0.063mol)を400mlのトルエンに溶解させた。これに、Pd(dba)0.97g(0.02eq,0.00114mmol)、Na(t−bu)O 8.4g(1.2eq,0.068mol)、P(t−Bu) 0.13g(0.08ea,0.0045mmol)をそれぞれ添加した後、12時間加熱撹拌した。
【0188】
反応が終了した反応溶液を、セライト(登録商標)を介して濾過した後、カラムクロマトグラフィを介して、中間体B 27.18g(収率=60.8%)を得た。
【0189】
GC−Mass(理論値:476.98g/mol、測定値:475g/mol)。
【0190】
<段階1−2>中間体Cの合成
中間体A 20g(1eq,0.057mol)、5H−ピリド[4,3−b]インドール10.59g(1.1eq,0.063mol)を400mlのトルエンに溶解させた。これに、Pd(dba)0.97g(0.02eq,0.00114mmol)、Na(t−bu)O 8.4g(1.2eq,0.068mol)、P(t−Bu) 0.13g(0.08ea,0.0045mmol)をそれぞれ添加した後、12時間加熱撹拌した。
【0191】
反応が終了した反応溶液を、セライト(登録商標)を介して濾過した後、カラムクロマトグラフィを介して、中間体B 14.05g(収率=51.6%)を得た。
【0192】
GC−Mass(理論値:477.97g/mol、測定値:476g/mol)。
【0193】
<段階1−3>中間体Dの合成
中間体A 20g(1eq,0.057mol)、3,6−ジフェニル−9H−カルバゾール20.12g(1.1eq,0.063mol)を400mlのトルエンに溶解させた。これに、Pd(dba)0.97g(0.02eq,0.00114mmol)、Na(t−bu)O 8.4g(1.2eq,0.068mol)、P(t−Bu) 0.13g(0.08ea,0.0045mmol)をそれぞれ添加した後、12時間加熱撹拌した。
【0194】
反応が終了した反応溶液を、セライト(登録商標)を介して濾過した後、カラムクロマトグラフィを介して、中間体B 22.8g(収率=63.7%)を得た。
【0195】
GC−Mass(理論値:629.17g/mol、測定値:628g/mol)。
【0196】
<段階2>中間体Eの合成
10H−フェノチアジン(10g,1eq,0.05mol)、2,4,6−トリクロロ−1,3,5−トリアジン10.14g(4.14g,1.1eq,0.055mol)を400mlのトルエンに溶解させた。これに、Pd(dba)0.95g(0.02eq,0.001mmol)、Na(t−bu)O 8.31g(1.2eq,0.06mol)、P(t−Bu) 0.12g(0.08ea,0.004mmol)をそれぞれ添加した後、12時間加熱撹拌した。
【0197】
反応が終了した反応溶液を、セライト(登録商標)を介して濾過した後、カラムクロマトグラフィを介して、中間体E 12.56g(収率=72.4%)を得た。
【0198】
GC−Mass(理論値:347.22g/mol、測定値:346g/mol)。
【0199】
<段階2−1>中間体Fの合成
中間体20g(1eq,0.0576mol)、9H−カルバゾール10.6g(1.1eq,0.063mol)を400mlのトルエンに溶解させた。これに、Pd(dba)0.97g(0.02eq,0.00114mmol)、Na(t−bu)O8.4g(1.2eq,0.068mol)、P(t−Bu)0.13g(0.08ea,0.0045mmol)をそれぞれ添加した後、12時間加熱撹拌した。
反応が終了した反応溶液を、セライト(登録商標)を介して濾過した後、カラムクロマトグラフィを介して、中間体F18.36g(収率=66.7%)を得た。
【0200】
GC−Mass(理論値:477.97g/mol、測定値:476g/mol)。
【0201】
≪中間体の合成2≫
下記反応式2によって、中間体H〜Lを合成した。
【0202】
【化45】
【0203】
<段階3>中間体Hの合成
10H−フェノキサジン(10g,1eq,0.054mol)、2,4,6−トリクロロ−1,3,5−トリアジン(10.95g,1.1eq,0.059mol)を600mlのトルエンに溶解させた。これに、Pd(dba)0.95g(0.02eq,0.001mmol)、Na(t−bu)O 8.31g(1.2eq,0.06mol)、P(t−Bu) 0.12g(0.08ea,0.004mmol)をそれぞれ添加した後、12時間加熱撹拌した。
【0204】
反応が終了した反応溶液を、セライト(登録商標)を介して濾過した後、カラムクロマトグラフィを介して、中間体H 9.96g(収率=55.7%)を得た。
【0205】
GC−Mass(理論値:341.16g/mol、測定値:340g/mol)。
【0206】
<段階3−1>中間体Iの合成
中間体H 10g(1eq,0.0293mol)、9H−カルバゾール5.38g(1.1eq,0.0322mol)を400mlのトルエンに溶解させた。これに、Pd(dba)0.56g(0.02eq,0.0005mmol)、Na(t−bu)O 6.5g(1.2eq,0.035mol)、P(t−Bu) 0.47g(0.08ea,0.0028mmol)をそれぞれ添加した後、12時間加熱撹拌した。
【0207】
反応が終了した反応溶液を、セライト(登録商標)を介して濾過した後、カラムクロマトグラフィを介して、中間体I 8.39g(収率=62%)を得た。
【0208】
GC−Mass(理論値:461.90g/mol、測定値:460g/mol)。
【0209】
<段階3−2>中間体Jの合成
中間体H 10g(1eq,0.0293mol)、7H−ベンゾ[c]カルバゾール6.99g(1.1eq,0.0322mol)を500mlのトルエンに溶解させた。これに、Pd(dba)0.56g(0.02eq,0.0005mmol)、Na(t−bu)O 6.5g(1.2eq,0.035mol)、P(t−Bu) 0.47g(0.08ea,0.0028mmol)をそれぞれ添加した後、12時間加熱撹拌した。
【0210】
反応が終了した反応溶液を、セライト(登録商標)を介して濾過した後、カラムクロマトグラフィを介して、中間体J 7.8g(収率=52%)を得た。
GC−Mass(理論値:511.96g/mol、測定値:510g/mol)。
【0211】
<段階3−3>中間体Kの合成
中間体H 10g(1eq,0.0293mol)、3,6−ジフェニル−9H−カルバゾール10.28g(1.1eq,0.0322mol)を500mlのトルエンに溶解させた。これに、Pd(dba)0.56g(0.02eq,0.0005mmol)、Na(t−bu)O 6.5g(1.2eq,0.035mol)、P(t−Bu) 0.47g(0.08ea,0.0028mmol)をそれぞれ添加した後、12時間加熱撹拌した。
【0212】
反応が終了した反応溶液を、セライト(登録商標)を介して濾過した後、カラムクロマトグラフィを介して、中間体K 9.12g(収率=50.7%)を得た。
【0213】
GC−Mass(理論値:614.09g/mol、測定値:613g/mol)。
【0214】
<段階4>中間体Gの合成
10H−フェノキサジン(10g,1eq,0.054mol)、2,4,6−トリクロロピリミジン(10.8g,1.1eq,0.059mol)を400mlのトルエンに溶解させた。これに、Pd(dba)0.95g(0.02eq,0.001mmol)、Na(t−bu)O 8.31g(1.2eq,0.06mol)、P(t−Bu) 0.12g(0.08ea,0.004mmol)をそれぞれ添加した後、12時間加熱撹拌した。
【0215】
反応が終了した反応溶液を、セライト(登録商標)を介して濾過した後、カラムクロマトグラフィを介して、中間体G 9.7g(収率=61.9%)を得た。
【0216】
GC−Mass(理論値:330.17g/mol、測定値:329g/mol)。
【0217】
<段階4−1>中間体Lの合成
中間体G 10g(1eq,0.03mol)、9H−カルバゾール5.38g(1.1eq,0.0322mol)を500mlのトルエンに溶解させた。これに、Pd(dba)0.56g(0.02eq,0.0005mmol)、Na(t−bu)O 6.5g(1.2eq,0.035mol)、P(t−Bu) 0.47g(0.08ea,0.0028mmol)をそれぞれ添加した後、12時間加熱撹拌した。
【0218】
反応が終了した反応溶液を、セライト(登録商標)を介して濾過した後、カラムクロマトグラフィを介して、中間体L 13.82g(収率=66.4%)を得た。
【0219】
GC−Mass(理論値:460.91g/mol、測定値:459g/mol)。
【0220】
≪化合物1の合成≫
前記で合成した中間体B14.3g(1eq,0.03mol)、2−(4,4、5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピリミジン5.38g(1.1eq,0.0322mol)を500mlのトルエンに溶解させた。フラスコに入れ、Pd(PPh1.52g(0.02eq,0.0013mol)を添加した。トルエン400ml及び2MKCO飽和溶液70mlを添加した後、5時間還流撹拌した。
【0221】
反応が終結した後、メチルクロロホルム(MC)400mlと蒸溜水150mlとで洗浄及び抽出を行ってから、溶媒を除去した後、得られた固体をカラムクロマトグラフィで精製し、所望の化合物1 14.2g(収率84.5%)を得た。
【0222】
1H NMR:7.22(d,1H)、7.78(m,3H)、8.12(m,3H)、9.07(s,1H)
元素分析:C,73.83;H,3.87;N,16.14;S,6.16。
【0223】
≪化合物5の合成≫
前記で合成した中間体B14.3g(1eq,0.03mol)、3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)イソキノリン7.1g(1.1eq,0.0322mol)を600mlのトルエンに溶解させた。フラスコに入れ、Pd(PPh1.52g(0.02eq,0.0013mol)を添加した。トルエン200ml及び2MKCO飽和溶液70mlを添加した後、5時間還流撹拌した。
【0224】
反応が終結した後、MC 400mlと蒸溜水150mlとで洗浄及び抽出してから、溶媒を除去した後、得られた固体をカラムクロマトグラフィで精製し、所望の化合物5 13.9g(収率81.5%)を得た。
【0225】
1H NMR:8.97(d,2H)、8.55(m,3H)、7.92(m,7H)、7.78(m,12H)
元素分析:C,75.77;H,3.89;N,14.73;S,5.62。
【0226】
≪化合物8の合成≫
前記で合成した中間体B 10g(1eq,0.04mol)、ナフタレン−2−イルボロン酸7.5g(1.1eq,0.044mol)を200mlのトルエンに溶解させた。フラスコに入れ、Pd(PPh 0.92g(0.02eq,0.0008mol)を添加した。トルエン400ml及び2M KCO飽和溶液50mlを添加した後、5時間還流撹拌した。
【0227】
反応が終結した後、MC 400mlと蒸溜水150mlとで洗浄及び抽出してから、溶媒を除去した後、得られた固体をカラムクロマトグラフィで精製し、所望の化合物8 17.5g(収率77.4%)を得た。
【0228】
GC−Mass(理論値:568.17g/mol、測定値:567g/mol)
元素分析:C,80.26;H,4.25;N,9.85;S,5.64。
【0232】
≪化合物15の合成≫
前記で合成した中間体F 10g(1eq,0.03mol)、ナフタレン−1−イルボロン酸7.1g(1.1eq,0.0322mol)を600mlのトルエンに溶解させた。フラスコに入れ、Pd(PPh 1.52g(0.02eq,0.0013mol)を添加した。トルエン200ml及び2M KCO飽和溶液70mlを添加した後、5時間還流撹拌した。
【0233】
反応が終結した後、MC 400mlと蒸溜水150mlとで洗浄及び抽出してから、溶媒を除去した後、得られた固体をカラムクロマトグラフィで精製し、所望の化合物15 14.2g(収率84.5%)を得た。
【0234】
1H NMR:6.99(t,2H)、7.22(m,9H)、7.78(m,4H)、8.12(m,5H)、9.07(t,2H)
元素分析:C,78.01;H,4.07;N,12.29;S,5.63。
【0235】
≪化合物21の合成≫
前記で合成した中間体L 10g(1eq,0.03mol)、イソキノリン−3−イルボロン酸5.1g(1.1eq,0.0322mol)を500mlのトルエンに溶解させた。フラスコに入れ、Pd(PPh 1.52g(0.02eq,0.0013mol)を添加した。トルエン400ml及び2M KCO3飽和溶液70mlを添加した後、5時間還流撹拌した。
【0236】
反応が終結した後、MC 400mlと蒸溜水150mlとで洗浄及び抽出してから、溶媒を除去した後、得られた固体をカラムクロマトグラフィで精製し、所望の化合物21 12.7g(収率79%)を得た。
【0237】
1H NMR:6.78(t,2H)、7.22(m,6H)、7.42(m,6H)、7.78(m,5H)、8.12(d,1H)、9.07(s,1H)
元素分析:C,80.27;H,4.19;N,12.65;O、2.89。
【0238】
≪化合物26の合成≫
前記で合成した中間体I 10g(1eq,0.03mol)、2−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピリジン4.7g(1.1eq,0.0322mol)を500mlのトルエンに溶解させた。フラスコに入れ、Pd(PPh 1.52g(0.02eq,0.0013mol)を添加した。トルエン400ml及び2M KCO飽和溶液70mlを添加した後、5時間還流撹拌した。
反応が終結した後、MC 400mlと蒸溜水150mlとで洗浄及び抽出してから、溶媒を除去した後、得られた固体をカラムクロマトグラフィで精製し、所望の化合物26 14.2g(収率84.5%)を得た。
【0239】
1H NMR:6.99(t,2H)、7.22(m,6H)、7.52(m,5H)、7.78(m,4H)、8.12(m,1H)、9.07(t,2H)
元素分析:C,76.18;H,4.00;N,16.66;O、3.17。
【0240】
≪化合物27の合成≫
前記で合成した中間体K18.42g(1eq,0.03mol)、2−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピリジン4.7g(1.1eq,0.0322mol)を500mlのトルエンに溶解させた。フラスコに入れ、Pd(PPh1.52g(0.02eq,0.0013mol)を添加した。トルエン400ml及び2MKCO飽和溶液70mlを添加した後、5時間還流撹拌した。
【0241】
反応が終結した後、MC400mlと蒸溜水150mlとで洗浄及び抽出してから、溶媒を除去した後、得られた固体をカラムクロマトグラフィで精製し、所望の化合物2713.6g(収率81.5%)を得た
【0242】
1H NMR:6.99(t,2H)、7.22(m,6H)、7.52(m,5H)、7.78(m,4H)、8.12(m,1H)、9.07(t,2H)
元素分析:C,80.47;H,4.30;N,12.80;O、2.44。
【0243】
≪化合物28の合成≫
前記で合成した中間体J 10g(1eq,0.03mol)、2−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピリジン5.38g(1.1eq,0.0322mol)を500mlのトルエンに溶解させた。フラスコに入れ、Pd(PPh 1.52g(0.02eq,0.0013mol)を添加した。トルエン400ml及び2M KCO飽和溶液70mlを添加した後、5時間還流撹拌した。
【0244】
反応が終結した後、MC 400mlと蒸溜水150mlとで洗浄及び抽出してから、溶媒を除去した後、得られた固体をカラムクロマトグラフィで精製し、所望の化合物28 22.7g(収率87.1%)を得た。
【0245】
1H NMR:6.89(t,2H)、7.2(m,5H)、7.49(m,7H)、7.9(m,3H)、8.22(m,2H)
元素分析:C,77.96;H,4.00;N,15.15;O、2.88。
【0246】
≪化合物30の合成≫
前記で合成した中間体C10g(1eq,0.03mol)、1−ナフタレンボロン酸5.54g(1.1eq,0.0322mol)を400mlのトルエンに溶解させた。フラスコに入れ、Pd(PPh1.34g(0.02eq,0.001mol)を添加した。トルエン250ml及び2MKCO飽和溶液50mlを添加した後、5時間還流撹拌した。
【0247】
反応が終結した後、MC 400mlと蒸溜水150mlとで洗浄及び抽出してから、溶媒を除去した後、得られた固体をカラムクロマトグラフィで精製し、所望の化合物30 17.7g(収率91%)を得た。
【0248】
1H NMR:6.97(m,2H)、7.22(m,24H)、7.78(d,1H)、8.12(m,4H)、9.07(s,1H)
元素分析:C,73.83;H,3.87;N,16.14;S,6.16。
【0249】
≪化合物32の合成≫
前記で合成した中間体C 10g(1eq,0.03mol)、フェナントレン−9−イルボロン酸5.8g(1.1eq,0.033mol)を500mlのトルエンに溶解させた。フラスコに入れ、Pd(PPh 1.52g(0.02eq,0.0013mol)を添加した。トルエン500ml及び2M KCO飽和溶液70mlを添加した後、5時間還流撹拌した。
【0250】
反応が終結した後、MC 400mlと蒸溜水150mlとで洗浄及び抽出してから、溶媒を除去した後、得られた固体をカラムクロマトグラフィで精製し、所望の化合物32 14.2g(収率84.5%)を得た。
【0251】
1H NMR:7.10(m,10H)、7.78(d,1H)、8.10(m,8H)、8.47、(d,1H)、8.55(d,1H)、8.98(d,2H)、9.07(s,1H)
元素分析:C,77.40;H,3.90;N,13.54;S,5.17。
【0252】
≪化合物34の合成≫
前記で合成した中間体C 10g(1eq,0.03mol)、ピレン−4−イルボロン酸6.2g(1.1eq,0.0322mol)を600mlのトルエンに溶解させた。フラスコに入れ、Pd(PPh 1.52g(0.02eq,0.0013mol)を添加した。トルエン600ml及び2M KCO飽和溶液90mlを添加した後、5時間還流撹拌した。
【0253】
反応が終結した後、MC 400mlと蒸溜水150mlとで洗浄及び抽出してから、溶媒を除去した後、得られた固体をカラムクロマトグラフィで精製し、所望の化合物34 12.9(収率81.4%)を得た。
【0254】
1H NMR:7.10(m,2H)、7.62(m,8H)、7.88(d,1H)、7.99(m,6H)、8.12(d,1H)、8.47、(d,1H)、8.55(d,1H)、9.07(s,1H)
元素分析:C,78.24;H,3.75;N,13.03;S,4.97。
【0255】
≪実施例1≫
アノードは、コーニング(Corning)15Ω/cm(500Å)ITOガラス基板を、50mm×50mm×0.5mmサイズに切り、イソプロピルアルコールと純水とを利用して、それぞれ10分間超音波洗浄した後、10分間紫外線を照射してオゾンに露出させて洗浄し、真空蒸着装置にこのガラス基板を設置した。
【0256】
基板上部に、まず正孔注入層として、公知の物質である4,4',4”−トリス(N,N−2−ナフチルフェニルアミノ)トリフェニルアミン(2−TNATA)を真空蒸着して600Å厚に形成した後、次に、正孔輸送性化合物として、公知の物質である4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(NPB)を300Å厚に真空蒸着して正孔輸送層を形成した。
【0257】
【化46】
【0258】
正孔輸送層の上部に、公知の緑色リン光ドーパントであるIr(PPy)と化合物1とを、重量比13:87で同時蒸着し、300Å厚に発光層を形成した。次に、発光層の上部に、電子輸送層として、Alq3を300Å厚に蒸着した後、Alを1,200Å(カソード電極)厚に真空蒸着してAl電極を形成することによって、有機発光素子を製造した。
【0259】
m2 この素子は、電流密度5.4mA/cmで駆動電圧3.6V、発光輝度3,500cd/mで色座標が(0.32,0.62)であり、発光効率が68.5cd/Aと、高効率を示した。
【0260】
≪実施例2≫
発光層の形成時、化合物1の代わりに化合物5を利用したことを除き、実施例1と同様に行って有機発光素子を製作した。
【0261】
この素子は、電流密度5.9mA/cmで駆動電圧4.2V、発光輝度3,500cd/mで、色座標が(0.32,0.63)であり、発光効率が58.9cd/Aと高効率を示した。
【0262】
≪実施例3≫
発光層の形成時、化合物1の代わりに化合物8を利用したことを除き、実施例1と同様に行って有機発光素子を製作した。
【0263】
この素子は、電流密度5.9mA/cmで駆動電圧4.0V、発光輝度3,500cd/mで、色座標が(0.33,0.63)であり、発光効率が60.7cd/Aと高効率を示した。
【0264】
≪実施例4≫
発光層の形成時、化合物1の代わりに化合物11を利用したことを除き、実施例1と同様に行って有機発光素子を製作した。
【0265】
この素子は、電流密度5.9mA/cmで駆動電圧3.6V、発光輝度3,500cd/mで、色座標が(0.34,0.61)であり、発光効率が69.3cd/Aと高効率を示した。
【0266】
≪実施例5≫
発光層の形成時、化合物1の代わりに化合物15を利用したことを除き、実施例1と同様に行って有機発光素子を製作した。
【0267】
この素子は、電流密度5.4mA/cmで駆動電圧3.6V、発光輝度3,500cd/mで、色座標が(0.33,0.62)であり、発光効率が64.7cd/Aと高効率を示した。
【0268】
≪実施例6≫
発光層の形成時、化合物1の代わりに化合物21を利用したことを除き、実施例1と同様に行って有機発光素子を製作した。
【0269】
この素子は、電流密度5.9mA/cmで駆動電圧4.2V、発光輝度3,500cd/mで、色座標が(0.31,0.60)であり、発光効率が64.6cd/Aと高効率を示した。
【0270】
≪実施例7≫
発光層の形成時、化合物1の代わりに化合物26を利用したことを除き、実施例1と同様に行って有機発光素子を製作した。
【0271】
この素子は、電流密度5.5mA/cmで駆動電圧3.9V、発光輝度3,500cd/mで、色座標が(0.32,0.60)であり、発光効率が70.4cd/Aと高効率を示した。
【0272】
≪実施例8≫
発光層の形成時、化合物1の代わりに化合物27を利用したことを除き、実施例1と同様に行って有機発光素子を製作した。
【0273】
この素子は、電流密度5.4mA/cmで駆動電圧3.6V、発光輝度3,500cd/mで、色座標が(0.32,0.62)であり、発光効率が66.5cd/Aと高効率を示した。
【0274】
≪実施例9≫
発光層の形成時、化合物1の代わりに化合物28を利用したことを除き、実施例1と同様に行って有機発光素子を製作した。
【0275】
この素子は、電流密度5.2mA/cmで駆動電圧4.1V、発光輝度3,500cd/mで、色座標が(0.31,0.61)であり、発光効率が67.4cd/Aと高効率を示した。
【0276】
≪実施例10≫
発光層の形成時、化合物1の代わりに化合物30を利用したことを除き、実施例1と同様に行って有機発光素子を製作した。
この素子は、電流密度5.8mA/cmで駆動電圧4.7V、発光輝度3,500cd/mで、色座標が(0.30,0.62)であり、発光効率が55.7cd/Aと高効率を示した。
【0277】
≪実施例11≫
発光層の形成時、化合物1の代わりに化合物32を利用したことを除き、実施例1と同様に行って有機発光素子を製作した。
この素子は、電流密度5.2mA/cmで駆動電圧3.9V、発光輝度3,500cd/mで、色座標が(0.31,0.65)であり、発光効率が62.1cd/Aと高効率を示した。
【0278】
≪実施例12≫
発光層の形成時、化合物1の代わりに化合物34を利用したことを除き、実施例1と同様に行って有機発光素子を製作した。
【0279】
この素子は、電流密度5.7mA/cmで駆動電圧4.32V、発光輝度3,500cd/mで、色座標が(0.31,0.64)であり、発光効率が69.8cd/Aと高効率を示した。
【0280】
≪比較例1≫
発光層の形成時、化合物1の代わりに公知の物質である4,4’−N,N’−ジカバゾール−ビフェニル(CBP)を利用したことを除き、実施例1と同様に行って有機発光素子を製作した。
【0281】
この素子は、電流密度6.2mA/cmで駆動電圧5.1V、発光輝度3,500cd/mで、色座標が(0.32,0.62)であって、実施例とほぼ同一であったが、発光効率が51.2cd/Aであった。
【0282】
【化47】
【0283】
実施例1ないし12及び比較例1の素子特性及び寿命を要約して表1に示した。
【0284】
【表1】
【0285】
化合物1,5,8,11,15,21,26,27,28,30,32,34の構造を有する実施例を、リン光ホストとして発光層に、有機発光素子において使用した結果、いずれも公知の物質であるCBPと比べ、駆動電圧が約20%以上低くなり、効率が大幅に向上した優秀なI−V−L特性を示し、特に、寿命改善効果にすぐれ、実施例1ないし12の場合、比較例1対比で、寿命が70%以上向上するという結果を示した。
【0286】
本発明について、前記合成例及び実施例を参考にして説明したが、これらは、例示的なものに過ぎず、本発明に属する技術分野の当業者であるならば、これらから多様な変形及び均等な他の実施例が可能であるという点を理解するであろう。従って、本発明の真の技術的保護範囲は、特許請求の範囲の技術的思想によって決まるものである。
【産業上の利用可能性】
【0287】
本発明の新規の有機発光化合物、これを含んだ有機発光素子及び平板表示装置は、例えば、ディスプレイ関連の技術分野に効果的に適用可能である。
【符号の説明】
【0288】
1 第1電極
2 正孔注入層
3 正孔輸送層
4 発光層
5 電子輸送層
6 電子注入層
7 第2電極
図1