(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記被係合部と前記係合部の一方が、内壁面に突片が形成された凹部であり、前記被係合部と前記係合部の他方が、厚みの大きい増厚部が先端に形成された凸部であり、前記凹部に前記凸部を挿入して前記増厚部が前記突片を乗り越えることにより、前記係合部が前記被係合部と係合することを特徴とする、請求項1乃至4のいずれかに記載の点検口装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の開閉構造においては、点検口蓋を開く際にフック部と引掛部の係合状態を解除すると、それまで弾性部材に加わっていた圧縮力が開放されて弾性部材が急激に伸び、点検口蓋が点検口枠から室内側へ勢いよく飛び出す虞があり、安全性上問題があった。また、点検口蓋が閉じられている状態では、点検口蓋は弾性部材から常に室内方向への弾性力を受けているため、フック部が引掛部に対して適正に係合していない場合には、フック部が引掛部から外れて点検口蓋が室内側へ勢いよく飛び出す虞がある。
【0007】
本発明は、上記の事情に鑑みて成されたものであり、蓋部材を安全に開閉することができる点検口装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するために、
本願の第1の発明は、室内空間と壁裏空間とを仕切る壁に形成された点検口の縁に沿って設けられる枠部材と、前記枠部材が有する開口を塞ぐように取り付けられる板状の蓋部材と
、前記枠部材に保持された前記蓋部材の周縁部を室内側から覆うカバー部材とを備え、前記枠部材は、
前記蓋部材の壁裏空間側の面が当接する支持部と、前記蓋部材の外周面を囲む
保持壁面
とを有し、当該
保持壁面に突設された弾性部材を介して前記蓋部材を保持し、前記蓋部材が前記
支持部に当接した状態において、前記弾性部材は、前記
保持壁面における前記蓋部材の外周面に対向する位
置から内方に突出しており
、前記支持部に当接した前記蓋部材の外周面と前記保持壁面との間に挟まれて弾性変形した前記弾性部材が前記蓋部材の外周面に弾性的に接触することにより、当該弾性変形した弾性部材を介して前記蓋部材が前記枠部材に保持され、前記カバー部材は、前記枠部材に形成された被係合部に対して着脱可能に係合する係合部と、前記蓋部材が前記保持壁面に保持されかつ前記係合部が前記被係合部に係合した状態で前記蓋部材の室内空間側の面を押圧する押圧片とを備えることを特徴とする、点検口装置を提供する。
また、本願の第2の発明は、室内空間と壁裏空間とを仕切る壁に形成された点検口の縁に沿って設けられる枠部材と、前記枠部材が有する開口を塞ぐように取り付けられる板状の蓋部材と、前記枠部材に保持された前記蓋部材の周縁部を室内側から覆うカバー部材とを備え、前記枠部材は、前記蓋部材の壁裏空間側の面が当接する支持部と、前記蓋部材の外周面を囲む保持壁面とを有し、当該保持壁面に突設された弾性部材を介して前記蓋部材を保持し、前記蓋部材が前記支持部に当接した状態において、前記弾性部材は、前記蓋部材の周縁部の室内空間側の面を覆うように前記保持壁面から内方に突出しており、前記カバー部材は、前記枠部材に形成された被係合部に対して着脱可能に係合する係合部と、前記蓋部材が前記保持壁面に保持されかつ前記係合部が前記被係合部に係合した状態で前記蓋部材の室内空間側の面を押圧する押圧片とを備えることを特徴とする、点検口装置を提供する。
【0009】
前記第1および第2の発明によれば、枠部材は、弾性部材を介して蓋部材を安定して保持することができる。すなわち、
前記第1の発明のように、弾性部材が
保持壁面における蓋部材の外周面に対向する位置から突出している場合には、弾性部材が蓋部材の外周面を押圧し、弾性部材と蓋部材との間に摩擦力が発生するので、ユーザが
当該摩擦力より大きな力で蓋部材を室内空間側へ引っ張らない限り、蓋部材は枠部材から外れない。一方、
前記第2の発明のように、弾性部材が蓋部材の室内空間側の面を覆う
ように突設されている場合には、蓋部材の周縁部が弾性部材を乗り越えるまでユーザが蓋部材を室内空間側へ引っ張らない限り、蓋部材は枠部材から外れない。
【0010】
また、いずれの場合も、上述した従来技術とは異なり、蓋部材を枠部材から取り外す際に、蓋部材が勢いよく室内空間側に飛び出すことはない。従って、
前記第1および第2の発明によれば、蓋部材を安全に開閉することができる点検口装置を提供することができる。
【0012】
特に、前記第1の発明のように、弾性部材が蓋部材の外周面と保持壁面との間に挟まれて弾性変形するように配置されている場合、蓋部材の外周面には、弾性変形した弾性部材の弾発力(弾性復元力)が当該外周面に対して直角方向に作用する。蓋部材を室内空間側へ引っ張る力が作用すると、蓋部材は、弾性部材から弾発力に比例した大きさの摩擦力を受ける。従って、蓋部材は、この弾発力および摩擦力によって枠部材にしっかりと保持され、枠部材からの脱落が防止される。
【0013】
一方、前記第2の発明のように、弾性部材が蓋部材の室内空間側の面を覆うように配置されている場合、蓋部材は、枠部材が有する支持部と、弾性部材との間に挟み込まれるので、蓋部材は枠部材に確実に保持される。
【0016】
さらに、前記第1および第2の発明では、枠部材に着脱可能に係合するカバー部材が設けられ、蓋部材が枠部材の壁面に保持されかつカバー部材の係合部が枠部材の被係合部に係合した状態で、カバー部材の押圧片が蓋部材を押圧する。つまり、カバー部材の係合部が枠部材の係合部と係合することにより、カバー部材の押圧片が蓋部材を押圧した状態となる。従って、カバー部材によって蓋部材を枠部材に対してロックして、枠部材から蓋部材が外れるのを防止することができる。
【0017】
前記第1の発明において、前記押圧片は、可撓性を有することが好ましい。
【0018】
この構成によれば、厚みの小さい蓋部材に対しては、押圧片を少なめに弾性変形させて当該押圧片を蓋部材に押し付け、係合部を被係合部に係合させることができる。また、厚みの大きい蓋部材に対しては、押圧片を多めに弾性変形させて当該押圧片を蓋部材に押し付け、係合部を被係合部に係合させることができる。つまり、この構成によれば、可撓性の押圧片が可撓性を有することにより、厚みの異なる蓋部材を使用する場合にその厚みの差を吸収することができる。
【0019】
前記第1の発明において、前記カバー部材は、可撓性の連結部を介して前記枠部材と一体化されていることが好ましい。
【0020】
この構成によれば、連結部を曲げ伸ばしすることにより、カバー部材を枠部材に連結した状態のまま、カバー部材を枠部材に対して移動させることができる。つまり、カバー部材が枠部材から完全に分離することがないので、ロックを解除したときにカバー部材を紛失するのを防止することができる。
【0021】
前記第1の発明において、自然状態の前記舌片は、壁裏空間側へ傾いた状態で前記
保持壁面から突出していることが好ましい。
【0022】
この構成によれば、蓋部材を壁面に沿って室内空間側から壁裏空間側へ容易に移動させることができる。また、蓋部材が保持位置まで移動するときに、舌片は確実に壁裏空間側へ倒れる。この状態で蓋部材を室内側へ移動させようとしても、倒れた舌片から蓋部材に弾発力および摩擦力が作用するので、蓋部材が枠部材から脱落するのを防止することができる。
【0023】
前記第1の発明において、前記被係合部と前記係合部の一方が、内壁面に突片が形成された凹部であり、前記被係合部と前記係合部の他方が、厚みの大きい増厚部が先端に形成された凸部であり、前記凹部に前記凸部を挿入して前記増厚部が前記突片を乗り越えることにより、前記係合部が前記被係合部と係合することが好ましい。
【0024】
この構成によれば、凸部を凹部に対して軽く押し込むことにより、増厚部が突片を乗り越え、凸部を凹部に容易に嵌合させることができる。また、凸部が凹部に嵌合した状態で凸部を軽く引っ張ることにより、凸部を押し込むときとは反対方向に増厚部が突片を乗り越え、凸部を凹部から容易に取り外すことができる。従って、係合部と被係合部の係合および係合解除を容易に行うことができ、これにより、カバー部材による蓋部材のロックおよびロック解除を容易に行うことができる。
【発明の効果】
【0027】
以上説明したように、本発明によれば、蓋部材を安全に開閉することができる点検口装置を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、添付図面を参照しながら本発明の好ましい実施形態について詳述する。
【0030】
(第1実施形態)
図1に示されるように、第1実施形態に係る点検口装置100は、室内空間S1(
図6参照)と壁裏空間S2とを仕切る側壁Kに形成された点検口Tの縁に沿って設けられる枠部材1と、枠部材1が有する開口部10(
図2(a)参照)を塞ぐように取り付けられる板状の蓋部材9と、枠部材1に取り付けられた蓋部材9の周縁部を室内空間S1側から覆うカバー部材8とを備える。
【0031】
側壁Kは、床と天井とを接続する上下方向に平行な壁である。
図6に示されるように、側壁Kは、下地桁材SKに固定されている。下地桁材SKは、例えば、木質材、軽量鉄骨、あるいは鋼管などから構成することができる。
【0032】
点検口Tは、側壁Kに形成された四角形状の開口部である。
【0033】
本実施形態においては、
図6に示す方向D1が鉛直方向である。側壁Kの壁面は、鉛直方向D1に平行である。
【0034】
<枠部材1の構成>
図2(a)に示されるように、枠部材1は、四角形状に構成されている。枠部材1は、4つの辺部材2a〜2dに分割された枠本体2と、辺部材2a〜2dに各々設けられた舌片(本発明の弾性部材に相当)7と、4つの内側コーナーピースP1(
図2(a),(c)参照)と、4つの外側コーナーピースP2(
図2(a),(d)参照)とを備えている。
【0035】
枠本体2は、枠本体2の上辺を構成する上辺部材2aと、下辺を構成する下辺部材2bと、左辺を構成する左辺部材2cと、右辺を構成する右辺部材2dとからなる。
【0036】
上辺部材2aは、点検口Tの上縁に沿って設けられる長尺部材である。下辺部材2bは、点検口Tの下縁に沿って設けられる長尺部材である。左辺部材2cは、点検口Tの左縁に沿って設けられる長尺部材である。右辺部材2dは、点検口Tの右縁に沿って設けられる長尺部材である。以下の説明では、上辺部材2a、下辺部材2b、左辺部材2c、および右辺部材2dを総称して、「辺部材2a〜2d」と称する。
【0037】
枠部材1の内側に、蓋部材9が着脱可能に取り付けられる(
図1、6〜10参照)。蓋部材9は、四角形状の平板部材である。蓋部材9の外周面90は、蓋部材9の上辺に対応する上側面90a(
図1、6参照)と、下辺に対応する下側面90b(
図1、6参照)と、左辺に対応する左側面90c(
図1参照)と、右辺に対応する右側面90d(
図1参照)とからなる。
【0038】
<枠本体2の構成>
枠本体2を構成する辺部材2a〜2dは、
図3に示されるように、正面側から見て、外側縁3が内側縁4よりも長い。外側縁3の端部と内側縁4の端部とを結ぶ端縁5は、外側縁3と45°の角度をなして交わっている。また、端縁5は、内側縁4と135°の角度をなして交わっている。
【0039】
以下の説明では、外側縁3に近い側を「外側縁3側」と称し、内側縁4に近い側を「内側縁4側」と称する。
【0040】
図4、5に示されるように、辺部材2a〜2dは、基底部60と、立ち上がり壁61と、カバー部材支持部62と、立ち上がり片63
(本発明の支持部に相当)とを備えている。基底部60と、立ち上がり壁61と、カバー部材支持部62と、立ち上がり片63は、一体に形成されている。
【0041】
辺部材2a〜2dは、蓋部材9を支持する強度を有する硬質材料から構成されている。硬質材料は、特に限定されるものではないが、例えば、硬質の合成樹脂、アルミニウム、あるいはアルミニウム合金を挙げることができる。硬質の合成樹脂としては、例えば、硬質の塩化ビニル樹脂を挙げることができる。
【0042】
基底部60は、下地桁材SKの室内空間S1側の面(
図6参照)に対向するように設けられた鉛直方向D1に平行な平板状の部位である。基底部60には、ネジあるいは釘などの固定部材N(
図6参照)の軸部を挿通する挿通孔601が形成されている。
【0043】
なお、本実施形態においては、挿通孔601は、上辺部材2aおよび下辺部材2bにのみ形成されており、左辺部材2cおよび右辺部材2dには形成されていないが(
図2(a)参照)、辺部材2a〜2dの全てに形成されてもよい。
【0044】
立ち上がり壁61は、点検口Tの縁に対向するように設けられた平板状の部位である。立ち上がり壁61は、基底部60における外側縁3側(点検口Tの縁側)の端部から室内空間S1側へ直角に立ち上がっている。立ち上がり壁61は、基底部60における外側縁3側の端部全体に亘って設けられている。
図4、5に示されるように、立ち上がり壁61は、予め定められた間隔をあけて互いに平行に配置された内側壁611および外側壁612と、内側壁611と外側壁612を連結する連結壁614とを有している。外側壁612は、内側壁611よりも外側(外側縁3側)に配置されている。
【0045】
立ち上がり壁61の先端側には、カバー部材8の凸部80(後述する)が挿入される溝状の凹部610が形成されている。凹部610は、立ち上がり壁61の長手方向全体に亘って形成されている。
【0046】
凹部610は、立ち上がり壁61の内側壁611と外側壁612の間に形成されている。
【0047】
凹部610の幅(具体的には、内側壁611と外側壁612の間隔)は、カバー部材8の後述する拡径部801の直径(厚み)よりも若干大きい。
【0048】
立ち上がり壁61の内側壁611の先端部には、鉤状部(突片)613が形成されている。鉤状部613は、外側壁612側に突出している。鉤状部613の先端と、外側壁612の内面との距離は、後述する拡径部801の直径よりも若干小さい。
【0049】
立ち上がり壁61の内側壁611における内側縁4側の面には、保持壁面602が形成されている。保持壁面602は、蓋部材9が枠部材1に取り付けられた状態において蓋部材9の外周面90と対向するように設けられた平面である。保持壁面602は、側壁Kの厚み方向D3(
図4、5参照)と平行である。
【0050】
上辺部材2aの保持壁面602と下辺部材2bの保持壁面602との距離d1(
図6参照)は、蓋部材9の上側面90aと下側面90bの距離d2よりも若干大きい。また、左辺部材2cの保持壁面602と右辺部材2dの保持壁面602との距離は、蓋部材9の左側面90cと右側面90dの距離よりも若干大きい。
【0051】
上辺部材2aの保持壁面602、下辺部材2bの保持壁面602、左辺部材2cの保持壁面602、および右辺部材2dの保持壁面602により、蓋部材9の外周面90を囲うようになっている。
【0052】
保持壁面602には、複数の舌片7が突設されている。舌片7は、可撓性材料から構成されている。可撓性材料は、特に限定されるものではないが、例えば、軟質の塩化ビニル樹脂を挙げることができる。
【0053】
舌片7は、保持壁面602の長手方向のほぼ全範囲に亘って設けられている。また、自然状態(弾性変形していない状態)の舌片7は、壁裏空間S2側へ傾くように突出している。これにより、舌片7は、室内空間S1側から壁裏空間S2側へ撓み易くなっている。
【0054】
立ち上がり片63は、基底部60において、立ち上がり壁61よりも内側縁4側から立ち上がる平板状の部位である。立ち上がり片63は、基底部60から室内空間S1側へ立ち上がっている。立ち上がり片63の高さは、立ち上がり壁61の高さよりも低い。立ち上がり片63は、基底部60の長手方向全体に亘って設けられている。
【0055】
立ち上がり片63の先端部は、蓋部材9が枠本体2に取り付けられた状態(
図7〜10参照)において、蓋部材9における外周面90近傍の壁裏空間S2側の面を支持する。立ち上がり片63の先端部には、可撓性のクッション部材630が一体に設けられている。クッション部材630は、蓋部材9が枠本体2に取り付けられる際の、立ち上がり片63と蓋部材9の衝突の衝撃を吸収する。
【0056】
カバー部材支持部62は、立ち上がり壁61における外側壁612の先端から外側縁3側に延出する平板状の部位である。
【0057】
カバー部材8は、カバー本体81と、凸部80と、押圧片82と、連結部83とを備えている。
【0058】
カバー本体81は、平板状の部位であり、辺部材2a〜2dの長手方向全体に亘って設けられている。カバー本体81は、カバー部材8を閉じた状態(
図4参照)において、内側縁4側の端部が立ち上がり壁61の内側壁611よりも内側縁4側に迫り出すように配置されている。
【0059】
押圧片82は、カバー本体81の内側縁4側の端部から基底部60側に突出している。押圧片82は、カバー本体81の長手方向全体に亘って設けられている。押圧片82は、可撓性材料から構成されている。可撓性材料の種類は特に限定されないが、例えば、軟質の塩化ビニル樹脂を挙げることができる。
【0060】
カバー部材8を閉じた状態では、自然状態(弾性変形していない状態)の押圧片82は、カバー本体81と接続する基端部から中途部までが内側縁4側へ傾斜するように延びており、中途部から先端部までが側壁Kの厚み方向D3に沿って基底部60側へ延びている。
【0061】
凸部80は、首部802と、拡径部(増厚部)801とを備えている。
【0062】
首部802は、カバー本体81の基底部60側の面から突出する平板状の部位である。首部802は、カバー本体81の長手方向全体に亘って延びている。カバー部材8を閉じた状態における首部802の厚み(
図4参照)は、拡径部801の直径(厚み)よりも小さい。
【0063】
拡径部801は、首部802の先端に一体に設けられた断面円弧状の部位である。円弧の内角は、180°より大きい。カバー部材8を閉じた状態では、鉤状部613の先端が、拡径部801と首部802の境界部(括れ部)と係合する(
図4参照)。
【0064】
連結部83は、カバー本体81の外側縁3側の端部に設けられている。連結部83の外側縁3側の端部は、カバー部材支持部62と一体化されている。連結部83の内側縁4側の端部は、カバー本体81の外側縁3側の端部と一体化されている。連結部83は、可撓性材料から構成されている。可撓性材料の種類は特に限定されないが、例えば、軟質の塩化ビニル樹脂を挙げることができる。
【0065】
内側コーナーピースP1は、
図2(a),(c)に示されるように、正面視でL形をなす板状部材である。内側コーナーピースP1は、例えば、硬質の塩化ビニル樹脂などの硬質合成樹脂から構成される。
【0066】
内側コーナーピースP1は、上辺部材2aの基底部60と右辺部材2dの基底部60との境界部(隣接部)、右辺部材2dの基底部60と下辺部材2bの基底部60との境界部、下辺部材2bの基底部60と左辺部材2cの基底部60との境界部、および左辺部材2cの基底部60と上辺部材2aの基底部60との境界部に各々配置される。内側コーナーピースP1は、上記境界部を跨ぐように配置される。内側コーナーピースP1は、辺部材2a〜2dの基底部60における室内空間S1側の面と溶着または接着される。これにより、内側コーナーピースP1は、上辺部材2aと右辺部材2d、右辺部材2dと下辺部材2b、下辺部材2bと左辺部材2c、左辺部材2cと上辺部材2aを各々連結する。
【0067】
外側コーナーピースP2は、
図2(a),(d)に示されるように、正面視でL形をなす板状部材である。外側コーナーピースP2は、例えば、硬質の塩化ビニル樹脂などの硬質合成樹脂から構成される。
【0068】
外側コーナーピースP2は、上辺部材2aのカバー部材支持部62と右辺部材2dのカバー部材支持部62との境界部(隣接部)、右辺部材2dのカバー部材支持部62と下辺部材2bのカバー部材支持部62との境界部、下辺部材2bのカバー部材支持部62と左辺部材2cのカバー部材支持部62との境界部、および左辺部材2cのカバー部材支持部62と上辺部材2aのカバー部材支持部62との境界部に各々配置される。外側コーナーピースP2は、上記境界部を跨ぐように配置される。外側コーナーピースP2は、辺部材2a〜2dのカバー部材支持部62における壁裏空間S2側の面と溶着または接着される。これにより、外側コーナーピースP2は、上辺部材2aと右辺部材2d、右辺部材2dと下辺部材2b、下辺部材2bと左辺部材2c、左辺部材2cと上辺部材2aを各々連結する。
【0069】
内側コーナーピースP1および外側コーナーピースP2により、4つの辺部材2a〜2dは一体化される(
図2(a)参照)。この一体化は、工場において行われる。この一体化により、枠部材1が作製される。
【0070】
なお、辺部材2a、舌片7、およびカバー部材8は、例えば、複数種類の合成樹脂(軟質の合成樹脂と硬質の合成樹脂)を材料とした共押出成形により、全体を一体に成形することができる。辺部材2b〜2dについても、同様の方法により、舌片7およびカバー部材8と一体に成形することができる。
【0071】
次に、枠部材1の使用方法について、
図1、6〜9を参照しつつ説明する。
【0072】
まず、
図6に示されるように、枠部材1を点検口Tに挿入する。そして、基底部60の挿通孔601にネジ等の固定部材Nの軸部を挿通し、固定部材Nを下地桁材SKにねじ込む等して、枠部材1を下地桁材SKに固定する。そして、カバー部材8を開く。つまり、カバー部材8の凸部80を、辺部材2a〜2dの凹部610から外した状態にする。なお、枠部材1を下地桁材SKに固定する前に、予め、カバー部材8の凸部80を、辺部材2a〜2dの凹部610から外しておいてもよい。
【0073】
次いで、
図7に示されるように、蓋部材9を枠部材1の開口部10(
図6参照)に嵌め込む。具体的には、
図8に示されるように、枠部材1の開口部10に蓋部材9を挿入して、蓋部材9の壁裏空間S2側の面がクッション部材630に当接する位置11(以下、「保持位置11」と称する)まで蓋部材9を押し込む。蓋部材9が保持位置11に到達した状態では、蓋部材9の挿入前には起立していた舌片7が、蓋部材9の外周面90と保持壁面602に挟まれて弾性変形して壁裏空間S2側に倒れる。舌片7が倒れることにより、蓋部材9の外周面90は、舌片7から弾発力を受ける。
【0074】
次いで、
図9に示されるように、カバー部材8を閉じる。具体的には、
図10に示されるように、カバー部材8の凸部80を辺部材2a〜2dの凹部610内に押し込んで、鉤状部613の先端を、拡径部801と首部802の境界部と係合させる。カバー部材8を閉じた状態では、押圧片82の先端部が、蓋部材9の室内空間S1側の面に当接する。
【0075】
これにより、
図1に示されるように、枠部材1に蓋部材9が取り付けられる。
【0076】
なお、蓋部材9の室内空間S1側の面には、建設現場において、壁紙等の化粧シートが貼り付けられることがあり、その化粧シートの厚みは、建設現場毎に異なることが多い。このような化粧シートを蓋部材9に貼り付ける場合であっても、枠部材1は十分に対応することができる。
【0077】
すなわち、
図11に示されるように、押圧片82は可撓性材料で構成されているため、化粧シート12の厚みに応じて押圧片82が弾性変形し、化粧シート12の厚みを吸収することができる。つまり、化粧シート12の厚みが小さいときには、押圧片82は自然状態よりも傾斜角度が増えるように弾性変形し、化粧シート12の厚みが大きいときには、押圧片82は化粧シート12の厚みが小さいときよりも傾斜角度が大きく増えるように弾性変形する。これにより、化粧シート12の厚みが異なっていても、押圧片82は、化粧シート12の厚みの差を吸収しつつ化粧シート12の表面をしっかりと押圧することができる。
【0078】
なお、壁裏空間S2内を点検するために、枠部材1から蓋部材9を取り外す際には、枠部材1に蓋部材9を取り付ける順序と逆の順序で作業を行えばよい。具体的には、まず、カバー部材8を開く(
図7、8参照)。次いで、蓋部材9の室内空間S1側の面に設けられた図外の把手を持って、蓋部材9を室内空間S1側に引っ張ることにより、蓋部材9を枠部材1から取り外す(
図6参照)。蓋部材9を室内空間S1側に引っ張ることにより、蓋部材9の外周面90と舌片7の間に引っ張り力に抗する摩擦力が働く。しかしながら、この摩擦力より大きい力で引っ張ることにより、蓋部材9を枠部材1から取り外すことができる。
【0079】
以上説明したように、本実施形態に係る点検口装置100によれば、枠部材1は、蓋部材9の外周面90と枠本体2の保持壁面602の間に挟まれて倒れるように弾性変形した舌片7を介して蓋部材9を保持する。つまり、蓋部材9の外周面90には、弾性変形した舌片7の弾発力(弾性復元力)が外周面90に対して直角方向に作用する。蓋部材9を室内空間S1側へ引っ張る力が作用すると、蓋部材9は、舌片7から弾発力に比例した大きさの摩擦力を受ける。従って、蓋部材9は、この弾発力および摩擦力によって枠部材1にしっかりと保持され、枠部材1からの脱落が防止される。
【0080】
蓋部材9を枠本体2から取り外す際には、上記摩擦力より大きな力で蓋部材9を室内空間S1側へ引っ張ればよい。つまり、摩擦力に抗して蓋部材9を室内空間S1側へ引っ張らない限り、蓋部材9は枠本体2から外れない。このため、蓋部材9を枠本体2から取り外す際に、蓋部材9が勢いよく室内空間S1側に飛び出すことはない。
【0081】
このように、本実施形態によれば、蓋部材9を安全に開閉することができる点検口装置1を提供することができる。
【0082】
また、カバー部材8の凸部80が枠本体2の凹部610と係合することにより、カバー部材8の押圧片82が蓋部材9を押圧した状態となる。従って、カバー部材8によって蓋部材9を枠本体2に対してロックして、枠本体2から蓋部材9が外れるのを防止することができる。
【0083】
また、押圧片82が可撓性を有するので、厚みの小さい蓋部材9に対しては、押圧片82を少なめに弾性変形させて押圧片82を蓋部材9に押し付け、凸部80を凹部610に係合させることができる。また、厚みの大きい蓋部材9に対しては、押圧片82を多めに弾性変形させて押圧片82を蓋部材9に押し付け、凸部80を凹部610に係合させることができる。従って、押圧片82は、厚みの異なる蓋部材9を使用する場合にその厚みの差を吸収することができる。
【0084】
また、カバー部材8は、可撓性の連結部83を介して辺部材2a〜2dと一体化されている。従って、連結部83を曲げ伸ばしすることにより、カバー部材8を辺部材2a〜2dに連結した状態のまま、カバー部材8を辺部材2a〜2dに対して移動させることができる。つまり、カバー部材8が辺部材2a〜2dから完全に分離することがないので、ロックを解除したときにカバー部材8を紛失するのを防止することができる。
【0085】
また、自然状態の舌片7は壁裏空間S2側へ傾いた状態で保持壁面602から突出している。従って、蓋部材9を保持壁面602に沿って室内空間S1側から壁裏空間S2側へ容易に移動させることができる。また、蓋部材9を枠部材1の開口部10に挿入したときに、舌片7は確実に壁裏空間S2側へ倒れる。この状態で蓋部材9を室内空間S1側へ移動させようとしても、倒れた舌片7から蓋部材9に弾発力および摩擦力が作用するので、蓋部材9が枠部材1から脱落するのを防止することができる。
【0086】
また、凸部80を凹部610に対して軽く押し込むことにより、拡径部801が鉤状部613を乗り越え、凸部80を凹部610に容易に嵌合させることができる。また、凸部80が凹部610に嵌合した状態で凸部80を軽く引っ張ることにより、凸部80を押し込むときとは反対方向に拡径部801が鉤状部613を乗り越え、凸部80を凹部610から容易に取り外すことができる。従って、凸部80と凹部610の係合および係合解除を容易に行うことができ、これにより、カバー部材8による蓋部材9のロックおよびロック解除を容易に行うことができる。
【0087】
なお、上記実施形態においては、辺部材2a〜2dの保持壁面602に軟質の塩化ビニル樹脂からなる舌片7を設けているが、これに限られない。例えば、保持壁面602に種々の弾性体を設けてもよい。例えば、保持壁面602にゴム、樹脂発泡体、或いは板バネ等を取り付けてもよい。ゴム、樹脂発泡体の場合には、例えば、保持壁面602に沿った板状体や、保持壁面602から突出する舌片とすることができる。また、可撓性の舌片7あるいは上記弾性体を、蓋部材9の外周面90に設けてもよい。
【0088】
なお、上記実施形態においては、舌片7は、辺部材2の長手方向に沿って長く連続する長尺部材としたが、辺部材2の長手方向における長さが短い短尺部材であってもよい。
【0089】
また、上記実施形態においては、舌片7を、
図4に示されるように側壁Kの厚み方向D3に沿って2本並べて配置したが、方向D3に沿って3本以上並べて配置してもよく、或いは1本のみを配置してもよい。
【0090】
また、舌片7を短尺部材とする場合には、辺部材2の長手方向に沿って多数の舌片7を設けることが好ましい。
【0091】
また、上記実施形態においては、鉤状部613を内側壁611の先端部に形成したが、鉤状部613を外側壁612の先端部に形成してもよく、鉤状部613を内側壁611と外側壁612の双方に形成してもよい。鉤状部613を外側壁612に形成する場合には、鉤状部613は内側壁611側に突出する。
【0092】
また、上記実施形態においては、凹部610を立ち上がり壁61に形成し、凸部80をカバー本体81に形成したが、逆に、凹部610をカバー本体81に形成し、凸部80を立ち上がり壁61に形成してもよい。
【0093】
また、拡径部801の断面形状は、三角形状(矢尻状)であってもよい。
【0094】
また、上記実施形態においては、点検口装置100を側壁Kの点検口Tに配置したが、天井の点検口或いは床の点検口に配置してもよい。
【0095】
(第2実施形態)
次に、
図12〜20を参照しつつ、第2実施形態について説明する。第2実施形態を説明するに当たり、第1実施形態と同様の構成については、同一の参照符号を付してその説明を省略する。
【0096】
第2実施形態に係る点検口装置は、枠部材1A(
図14参照)の構成が第1実施形態とは異なる。具体的には、第2実施形態における枠部材1Aは、第1実施形態における4つの辺部材2a〜2dを4つの辺部材21a〜21d(
図12,13参照)に置換し、かつ、舌片7を舌片70(
図12,13参照)に置換した構造を有している。
【0097】
なお、
図14に示される例では、蓋部材9は、その室内空間S1側の面に、化粧シート12を有している。
【0098】
以下の説明では、上辺部材21a、下辺部材21b、左辺部材21c、および右辺部材21dを総称して、「辺部材21a〜21d」と称する。
【0099】
図12、13に示されるように、辺部材21a〜21dは、基底部64と、立ち上がり片41と、立ち上がり壁66と、延出片(本発明の支持部に相当)65と、カバー部材支持部62とを備えている。基底部64と、立ち上がり片41と、立ち上がり壁66と、延出片65と、カバー部材支持部62は、一体に形成されている。
【0100】
基底部64は、下地桁材SKの室内空間S1側の面(
図14参照)に対向するように設けられた鉛直方向D1に平行な平板状の部位である。
【0101】
図12,13に示されるように、立ち上がり片41は、基底部64における内側縁4側の端部に設けられ、基底部64に対して直角をなす平板状の部位である。立ち上がり片41は、基底部64における内側縁4側の端部全体に亘って設けられている。立ち上がり片41は、基底部64における内側縁4側の端部から室内空間S1側へ直角に立ち上がる室内側部分41aと、基底部64における内側縁4側の端部から壁裏空間S2側へ直角に立ち上がる壁裏側部分41bとを有する。室内側部分41aの室内空間S1側の端面は、蓋部材9の壁裏空間S2側の面を支持する。壁裏側部分41bの壁裏空間S2側の端面は、下地桁材SKの室内空間S1側の面に当接する。
【0102】
立ち上がり壁66は、点検口Tの縁に対向するように設けられた平板状の部位である。立ち上がり壁66は、基底部64における外側縁3側の端部から室内空間S1側へ直角に立ち上がっている。立ち上がり壁66は、基底部64における外側縁3側の端部全体に亘って設けられている。
【0103】
図12、13に示されるように、立ち上がり壁66は、予め定められた間隔をあけて互いに平行に配置された内側壁615および外側壁616と、内側壁615と外側壁616を連結する連結壁614とを有している。外側壁616は、内側壁615よりも外側(外側縁3側)に配置されている。内側壁615の壁裏空間S2側の端部は、基底部64における外側縁3側の端部に連結されている。外側壁616の壁裏空間S2側の端部は、自由端となっている。
【0104】
図14に示されるように、外側壁616の壁裏空間2側の端部は、内側壁615の壁裏空間S2側の端部および基底部64よりも、壁裏空間S2側に迫り出している。外側壁616の壁裏空間S2側の端部は、下地桁材SKの室内空間S1側の面に当接する(
図14参照)。
【0105】
立ち上がり壁66の内側壁615における内側縁4側の面には、保持壁面602が形成されている。上辺部材21aの保持壁面602と下辺部材21bの保持壁面602との距離d1(
図14参照)は、蓋部材9の上側面90aと下側面90bの距離d2よりも若干大きい。また、左辺部材2cの保持壁面602と右辺部材2dの保持壁面602との距離は、蓋部材9の左側面と右側面の距離よりも若干大きい。
【0106】
延出片65は、保持壁面602から内側縁4側に突出するように、保持壁面602に突設されている。
図12,13に示されるように、延出片65の室内空間S1側の面と、立ち上がり片41の室内空間S1側の端面は、各々、基底部64と平行であり、かつ、基底部64からの距離が同じである。つまり、延出片65の室内空間S1側の面と、立ち上がり片41の室内空間S1側の端面は、同一平面上にある。延出片65の室内空間S1側の面は、蓋部材9が枠部材1Aに取り付けられた状態(
図17〜20参照)において、蓋部材9の周縁部の壁裏空間S2側の面を支持する。
【0107】
複数の舌片70(本発明の弾性部材に相当)が、保持壁面602から内側縁4側に突出するように、保持壁面602に突設されている。舌片70は、保持壁面602の長手方向のほぼ全範囲に亘って設けられている。舌片70は、可撓性材料(弾性材料)から構成されている。可撓性材料は、特に限定されるものではないが、例えば、軟質の塩化ビニル樹脂を挙げることができる。自然状態(弾性変形していない状態)の舌片70は、保持壁面602に対して直角をなす方向に突出(起立)している。
【0108】
舌片70は、蓋部材9の壁裏空間S2側の面が延出片65および立ち上がり片41に支持された状態(以下、「蓋支持状態」と称する)において、蓋部材9の周縁部の室内空間S1側の面を覆うように配置されている。具体的には、舌片70は、延出片65よりも室内空間S1側に位置している。蓋支持状態において、舌片70は、保持壁面602における蓋部材9の室内空間S1側の面Fに対応する位置、すなわち、保持壁面602における蓋部材9の室内空間S1側の面Fに略一致する位置から内側縁3側に突出している。蓋支持状態において、舌片70の壁裏空間S2側の面と蓋部材9の室内空間S1側の面とは、同一平面上にある。
【0109】
延出片65の室内空間S1側の面と、舌片70の壁裏空間S2側の面との距離は、蓋部材9の厚み(化粧シート12の厚さを含む)とほぼ同じである。
図18,20に示されるように、舌片70の突出方向の自然長L1は、枠部材1Aに保持された状態の蓋部材9の外周面90と保持壁面602との距離L2よりも大きい。つまり、蓋支持状態において、舌片70は、蓋部材9の周縁部の室内空間S1側の面(化粧シート12の表面)に接するように配置されている。従って、延出片65の室内空間S1側の面と、舌片70の壁裏空間S2側の面とにより、蓋部材9の周縁部をしっかりと挟持することができる。
【0110】
次に、枠部材1Aの使用方法について、
図14〜20を参照しつつ説明する。
【0111】
まず、
図14に示されるように、枠部材1Aを点検口Tに挿入する。具体的には、たち上がり片42の壁裏空間S2側の端面、および外側壁616の壁裏空間S2側の端面が、下地桁材SKの室内空間S1側の面に当接するように、枠部材1Aを点検口Tに挿入する。そして、基底部64の挿通孔601にネジ等の固定部材Nの軸部を挿通し、固定部材Nを下地桁材SKにねじ込む等して、枠部材1Aを下地桁材SKに固定する。そして、カバー部材8を開く。
【0112】
次いで、
図15に示されるように、蓋部材9を枠部材1Aの開口部10に挿入する。具体的には、
図16に示されるように、枠部材1Aの舌片70を弾性変形させつつ、蓋部材9を開口部10に押し込む。蓋部材9を押し込むことにより、蓋部材9の挿入前には保持壁面602に対して直角に起立していた舌片70が、蓋部材9の外周面90と保持壁面602に挟まれて弾性変形して壁裏空間S2側に倒れる。
【0113】
さらに蓋部材9を押し込むことにより、
図17,18に示されるように、蓋部材9の壁裏空間S2側の面を延出片65の室内空間S1側の面、および立ち上がり片41の室内空間S1側の面に当接させる。この蓋支持状態となる位置(以下、「保持位置71と称する」)まで蓋部材9を押し込むことにより、
図17,18に示されるように、舌片70は、自らの弾性復元力により起立状態に戻る。舌片70が起立状態に戻ることにより、蓋部材9の周縁部は、舌片70と延出片65に挟持される。
【0114】
次いで、
図19,20に示されるように、カバー部材8を閉じる。
【0115】
これにより、
図19に示されるように、枠部材1Aに蓋部材9が取り付けられる。
【0116】
なお、壁裏空間S2内を点検するために、枠部材1Aから蓋部材9を取り外す際には、枠部材1Aに蓋部材9を取り付ける順序と逆の順序で作業を行えばよい。具体的には、まず、カバー部材8を開く(
図17、18参照)。次いで、蓋部材9の室内空間S1側の面に設けられた図外の把手を持って、蓋部材9を室内空間S1側に引っ張ることにより、蓋部材9を枠部材1Aから取り外す(
図14参照)。蓋部材9を室内空間S1側に引っ張ることにより、蓋部材9の周縁部が舌片70を乗り越えようとし、このときに蓋部材9の外周面90と舌片70の間に引っ張り力に抗する摩擦力が働く。この摩擦力より大きい力で引っ張ることにより、蓋部材9を枠部材1Aから取り外すことができる。 本実施形態によれば、蓋部材9を枠部材1Aから取り外す際には、蓋部材9の周縁部が舌片70を乗り越えるまで、ユーザが蓋部材9を室内空間S1側に引っ張らない限り、蓋部材9は枠部材1Aから外れない。従って、舌片70を介して蓋部材9を安定して保持することができる。また、蓋部材9を枠部材1Aから取り外す際に、蓋部材9が勢いよく室内空間S1側に飛び出すのを防止することができる。
【0117】
なお、上記実施形態2においては、蓋部材9は化粧シート12を有しているが、蓋部材9は化粧シート12を有していなくてもよい。この場合には、延出片65の室内空間S1側の面と、舌片70の壁裏空間S2側の面との距離は、蓋部材9(化粧シートを有さない)の厚みとほぼ同じに設定される。