(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の巻き芯保護用粘着シートは、巻き芯の表面に貼り合わせる巻き芯保護用粘着シートである。本発明の巻き芯保護用粘着シートは、巻き芯の全表面(すなわち、巻き芯の両端面を除いた表面の全て)に貼り合わせても良いし、巻き芯の表面の一部(すなわち、巻き芯の両端面を除いた表面の一部)に貼り合わせても良い。本発明の効果を十分に発現させるためには、好ましくは、本発明の巻き芯保護用粘着シートは、巻き芯の全表面(すなわち、巻き芯の両端面を除いた表面の全て)に貼り合わせる。
【0020】
巻き芯は、好ましくは、多軸巻き取り装置の巻き芯である。多軸巻き取り装置としては、例えば、2軸巻き取り装置、3軸巻き取り装置などが挙げられる。多軸巻き取り装置の軸に取り付ける巻き芯として後述する本発明の保護済巻き芯を用いることにより、巻き取ったフィルム等がせん断方向には剥がれにくく、巻き芯へのフィルム等の巻き取り開始初期において、フィルム等の貼り付き性が向上し、また、回転方向へのフィルム等の追従性が向上する。さらに、高い剥離角度における軽剥離が発現されることにより、巻き取ったフィルム等を剥離して巻き戻す作業(巻き芯の再使用のための再生作業)が容易になる。さらに、巻き取ったフィルム等との濡れ性が十分であるため、巻き取るフィルム等との接着面積が瞬時に得られ、巻き芯の切り替え(巻き替え)の際の新たな巻き芯への巻き取りの開始がスムーズに可能となる。すなわち、本発明のフィルムの巻き取り巻き替え方法は、多軸巻き取り装置によってフィルムを巻き取って巻き替える方法であって、軸に取り付ける巻き芯として本発明の保護済巻き芯を用いる。
【0021】
図1は、本発明の巻き芯保護用粘着シートが貼り合わせられた巻き芯を備える2軸巻き取り装置の一例の概略断面図である。
図1において、フィルム1000は、送りロール50を経由して、第1の保護済巻き芯100に巻き取られている。第1の保護済巻き芯100は、第1の巻き芯10の表面に本発明の巻き芯保護用粘着シート11が貼り合わせられている。第1の保護済巻き芯100の下方には、回転中心30を中心に回転する支持部材40を介して、第2の保護済巻き芯200が備わる。第2の保護済巻き芯200は、第2の巻き芯20の表面に本発明の巻き芯保護用粘着シート21が貼り合わせられている。第1の保護済巻き芯100によるフィルム1000の巻き取り量が一杯になったところで、支持部材40が回転中心30を中心に反時計回りに回転し、第2の保護済巻き芯200がフィルム1000と接する時に、フライングカッター500でフィルム1000がカッティングされる。これにより、引き続き、フィルム1000は第2の保護済巻き芯200に巻き取られていくとともに、支持部材40が回転中心30を中心に反時計回りに回転し、フィルム1000が巻き取られている第2の保護済巻き芯200が、もともと第1の保護済巻き芯100が配置していた場所に移動する。その後、フィルム1000の巻き取り量が一杯になった第1の保護済巻き芯100からフィルム1000が回収され、新たにフィルム1000がまだ巻き取られていない第1の保護済巻き芯100が配置される。この動きが繰り返されることにより、連続的にフィルム1000が巻き取られる。
【0022】
本発明の巻き芯保護用粘着シートは、シリコーン樹脂層と基材層と粘着剤層をこの順に含む。本発明の巻き芯保護用粘着シートは、シリコーン樹脂層と基材層と粘着剤層をこの順に含むことにより、巻き芯の表面に貼り合わせてフィルム等を巻き取る際に、巻き取ったフィルム等がせん断方向には剥がれにくい一方で剥離角度が高くなると軽剥離が発現され、巻き取ったフィルム等との濡れ性が十分であるために巻き取るフィルム等との接着面積が瞬時に得られて巻き芯の切り替え(巻き替え)がスムーズに可能であり、洗浄レスで繰り返し使用可能となる。巻き取ったフィルム等がせん断方向には剥がれにくいことにより、巻き芯へのフィルム等の巻き取り開始初期において、フィルム等の貼り付き性が向上し、また、回転方向へのフィルム等の追従性が向上する。さらに、高い剥離角度における軽剥離が発現されることにより、巻き取ったフィルム等を剥離して巻き戻す作業(巻き芯の再使用のための再生作業)が容易になる。さらに、巻き取ったフィルム等との濡れ性が十分であることにより、巻き取るフィルム等との接着面積が瞬時に得られ、巻き芯の切り替え(巻き替え)の際の新たな巻き芯への巻き取りの開始がスムーズに可能となる。
【0023】
本発明の巻き芯保護用粘着シートは、シリコーン樹脂層と基材層と粘着剤層をこの順に含んでいれば、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な他の層を有していても良い。
【0024】
本発明の巻き芯保護用粘着シートの厚みは、それに含まれる各層の厚みによって、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な厚みに設定される。本発明の巻き芯保護用粘着シートの厚みは、好ましくは10μm〜5000μmである。
【0025】
図2に、本発明の巻き芯保護用粘着シートの一例の概略断面図を示す。本発明の巻き芯保護用粘着シート11は、シリコーン樹脂層12と基材層13と粘着剤層14をこの順に含む。
図2に示すように、シリコーン樹脂層12の表面や、粘着剤層14の表面には、剥離フィルム15が設けられていても良い。
【0026】
シリコーン樹脂層は、シリコーン樹脂を含む。
【0027】
シリコーン樹脂層中のシリコーン樹脂の含有割合は、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な含有割合を採用し得る。シリコーン樹脂層中のシリコーン樹脂の含有割合は、好ましくは30重量%〜98重量%であり、より好ましくは40重量%〜97重量%であり、さらに好ましくは45重量%〜96重量%であり、特に好ましくは50重量%〜95重量%である。シリコーン樹脂層中のシリコーン樹脂の含有割合が上記範囲内に収まることにより、巻き芯の表面に貼り合わせてフィルム等を巻き取る際に、巻き取ったフィルム等の高い剥離角度における軽剥離が一層発現され、巻き取ったフィルム等との濡れ性が一層十分であるために巻き取るフィルム等との接着面積が瞬時に得られて巻き芯の切り替え(巻き替え)が一層スムーズに可能となる。
【0028】
シリコーン樹脂としては、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切なシリコーン樹脂を採用し得る。シリコーン樹脂は、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。このようなシリコーン樹脂としては、常温で液状のシリコーン樹脂であっても良いし、常温で固体状のシリコーン樹脂であっても良い。また、このようなシリコーン樹脂としては、縮合型のシリコーン樹脂であっても良いし、付加型のシリコーン樹脂であっても良い。また、このようなシリコーン樹脂としては、単独で乾燥させる1液型のシリコーン樹脂であっても良いし、硬化剤を配合する2液型のシリコーン樹脂であっても良い。
【0029】
本発明においては、本発明の効果がより発現し得る点で、シリコーン樹脂としては、これらの中でも、2液型のシリコーン樹脂が好ましく、2液型の付加型シリコーン樹脂がより好ましい。このような2液型の付加型シリコーン樹脂としては、例えば、信越化学工業(株)製のKE−1950−10(A/B)、KE−1950−20(A/B)、KE−1950−30(A/B)、KE−1950−35(A/B)、KE−1950−40(A/B)、KE−1950−50(A/B)、KE−1950−60(A/B)、KE−1950−70(A/B)、KE−1987(A/B)、KE−1988(A/B)、旭化成ワッカーシリコーン(株)製のLR7665シリーズ、LR3033シリーズ、モメンティブ(株)製のTSE3032シリーズ、LSRシリーズなどが挙げられる。
【0030】
シリコーン樹脂は、該シリコーン樹脂の100%モジュラス(引張応力)が、好ましくは0.1MPa〜10MPaであり、より好ましくは0.1MPa〜6MPaである。また、このようなシリコーン樹脂は、有機溶剤に可溶であるものが好ましい。
【0031】
シリコーン樹脂層は、好ましくは、シリコーンオイルをさらに含む。すなわち、シリコーン樹脂層は、好ましくは、シリコーン樹脂とシリコーンオイルを含む。
【0032】
シリコーン樹脂層がシリコーン樹脂とシリコーンオイルを含む場合、該シリコーンオイルは、マトリックスであるシリコーン樹脂の表面に移行し、表面をシリコーンオイルで覆うことによって、巻き芯の表面に貼り合わせてフィルム等を巻き取る際に、巻き取ったフィルム等の高い剥離角度における軽剥離が一層発現され、巻き取ったフィルム等との濡れ性が一層十分であるために巻き取るフィルム等との接着面積が瞬時に得られて巻き芯の切り替え(巻き替え)が一層スムーズに可能となる。
【0033】
シリコーン樹脂100重量部に対するシリコーンオイルの含有量は、好ましくは1重量部〜150重量部であり、より好ましくは3重量部〜140重量部であり、さらに好ましくは5重量部〜130重量部であり、さらに好ましくは8重量部〜120重量部であり、さらに好ましくは10重量部〜110重量部であり、さらに好ましくは20重量部〜100重量部であり、さらに好ましくは30重量部〜90重量部であり、特に好ましくは40重量部〜80重量部であり、最も好ましくは45重量部〜70重量部である。本発明の効果をより発現させ得る点で、特に好ましくは、シリコーン樹脂層中のシリコーンオイルの含有割合は8重量%〜70重量%である。シリコーン樹脂100重量部に対するシリコーンオイルの含有量を上記範囲内に調整することにより、巻き芯の表面に貼り合わせてフィルム等を巻き取る際に、巻き取ったフィルム等の高い剥離角度における軽剥離がより一層発現され、巻き取ったフィルム等との濡れ性がより一層十分であるために巻き取るフィルム等との接着面積が瞬時に得られて巻き芯の切り替え(巻き替え)がより一層スムーズに可能となる。
【0034】
本発明において、シリコーンオイルは、好ましくは、非反応性シリコーンオイルを含む。このような非反応性シリコーンオイルは、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。
【0035】
本発明において、シリコーンオイルが非反応性シリコーンオイルを含むことにより、巻き芯の表面に貼り合わせてフィルム等を巻き取る際に、巻き取ったフィルム等の高い剥離角度における軽剥離が一層発現され、巻き取ったフィルム等との濡れ性が一層十分であるために巻き取るフィルム等との接着面積が瞬時に得られて巻き芯の切り替え(巻き替え)が一層スムーズに可能となる。
【0036】
また、本発明において、シリコーンオイルが非反応性シリコーンオイルを含むことにより、シリコーンオイルがシリコーン樹脂層の表面へより効果的にしみ出すことができ、巻き芯の表面に貼り合わせてフィルム等を巻き取る際に、巻き取ったフィルム等の高い剥離角度における軽剥離が一層発現され、巻き取ったフィルム等との濡れ性が一層十分であるために巻き取るフィルム等との接着面積が瞬時に得られて巻き芯の切り替え(巻き替え)が一層スムーズに可能となる。
【0037】
非反応性シリコーンオイルとしては、主鎖がシロキサン結合からなるポリシロキサンであり、置換基を有していてもよい。主鎖は環を形成していても良い。ポリエーテル変性シリコーンオイル以外の非反応性シリコーンオイルとしては、例えば、ストレートシリコーンオイル、変性シリコーンオイル(ポリエーテル変性シリコーンオイルを除く)が挙げられる。
【0038】
ストレートシリコーンオイルにおける置換基は、好ましくは、メチル基、フェニル基である。
【0039】
ストレートシリコーンオイルにおける置換基の結合位置は、任意の適切な結合位置であり得る。例えば、置換基が主鎖の両末端に結合されていても良いし、置換基が主鎖の片末端に結合されていても良いし、置換基が側鎖に結合されていても良い。
【0040】
ポリエーテル変性シリコーンオイル以外の非反応性シリコーンオイルは、好ましくは、一般式(1)で表される。
【0042】
一般式(1)中、R
1は、同一または異なって、炭素数1〜10のアルキル基、アリール基、アラルキル基、フルオロアルキル基、ポリエーテル基、または水酸基を表し、R
2は、同一または異なって、炭素数1〜10のアルキル基、アリール基、アラルキル基、ポリエーテル基、フルオロアルキル基を表し、nは0〜150の整数を表す。一般式(1)中のR
1としては、好ましくは、メチル基、フェニル基、水酸基である。一般式(1)中のR
2としては、好ましくは、メチル基、フェニル基、4−トリフルオロブチル基である。
【0043】
一般式(1)で表されるシリコーンオイルは、数平均分子量が、好ましくは180〜20000であり、より好ましくは1000〜10000である。
【0044】
一般式(1)で表されるシリコーンオイルは、粘度が、好ましくは10センチストークス〜10000センチストークスであり、より好ましくは100センチストークス〜5000センチストークスである。
【0045】
一般式(1)で表されるシリコーンオイルとしては、具体的には、例えば、両末端または片末端のR
1が水酸基である末端水酸基含有ジメチルシリコーンオイル、R
1およびR
2の全てがメチル基であるジメチルシリコーンオイル、これらのジメチルシリコーンオイルのメチル基の一部がフェニル基に置換されたフェニルメチルシリコーンオイルなどが挙げられる。
【0046】
非反応性シリコーンオイルとしては、例えば、信越シリコーン(株)製の、商品名「KF96L」、「KF96」、「KF69」、「KF99」、「KF50」、「KF54」、「KF410」、「KF412」、「KF414」、「FL」、「KF−6104」、「KF−6100」;東レダウコーニング(株)製の、商品名「BY16−846」、「SF8416」、「SH200」、「SH203」、「SH230」、「SF8419」、「FS1265」、「SH510」、「SH550」、「SH710」、「FZ−2110」、「FZ−2203」;などが挙げられる。
【0047】
本発明において、シリコーン樹脂100重量部に対する、非反応性シリコーンオイルの含有量は、好ましくは1重量部〜150重量部であり、より好ましくは3重量部〜140重量部であり、さらに好ましくは5重量部〜130重量部であり、さらに好ましくは8重量部〜120重量部であり、さらに好ましくは10重量部〜110重量部であり、さらに好ましくは20重量部〜100重量部であり、さらに好ましくは30重量部〜90重量部であり、特に好ましくは40重量部〜80重量部であり、最も好ましくは45重量部〜70重量部である。シリコーン樹脂100重量部に対するシリコーンオイルの含有量を上記範囲内に調整することにより、巻き芯の表面に貼り合わせてフィルム等を巻き取る際に、巻き取ったフィルム等の高い剥離角度における軽剥離がより一層発現され、巻き取ったフィルム等との濡れ性がより一層十分であるために巻き取るフィルム等との接着面積が瞬時に得られて巻き芯の切り替え(巻き替え)がより一層スムーズに可能となる。
【0048】
シリコーン樹脂層は、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な他のオイルを含んでいても良い。このような他のオイルとしては、例えば、流動パラフィン、界面活性剤、液状炭化水素、フッ化オイル、ワックス、ペトロラタム、動物脂類、脂肪酸などが挙げられる。これらは、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。
【0049】
流動パラフィンとしては、本発明の効果を損なわない範囲で任意の適切な流動パラフィンを採用し得る。流動パラフィンとしては、例えば、(株)MORESCO製のP−40、P−55、P−60、P−70、P−80、P−100、P−120、P−150、P−200、P−260、P−350、和光純薬工業(株)製の炭化水素系流動パラフィンなどが挙げられる。
【0050】
界面活性剤としては、例えば、アニオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、両性界面活性剤、カチオン系界面活性剤、などが挙げられる。
【0051】
シリコーン樹脂層には、強度を向上させるために、フィラーなどを添加させることができる。フィラーとしては、例えば、シリカ粒子、珪藻土などが挙げられる。また、フィラーとしては、分散性の観点から、表面が疎水性処理された粒子が好ましい。このような表面処理方法としては、ジメチルポリシロキサン、ジメチルジクロロシラン、ヘキサメチレンジシラザン、環状ジメチルシロキサンなどで表面処理する方法が挙げられる。このような表面が疎水性処理された粒子の大きさとしては、好ましくは、平均粒径が5nm〜300nmである。このような表面が疎水性処理された粒子の大きさを上記範囲内に調整することにより、シリコーン樹脂層に十分な強度を付与し得るとともに、シリコーン樹脂層中に該粒子が均一に分散し得、シリコーン樹脂層に衝撃が加わった際にクラックが生じにくくなり得る。また、シリコーン樹脂層と基材層との密着性も向上し得る。このような表面が疎水性処理された粒子の添加量は、シリコーン樹脂に対して、好ましくは0.1重量%〜10重量%である。このような表面が疎水性処理された粒子の添加量を上記範囲内に調整することにより、シリコーン樹脂層に十分な強度を付与し得るとともに、シリコーン樹脂層に添加した材料を均一に分散し得、基材層上に塗工する場合、精密に塗工し得る。
【0052】
このような表面が疎水性処理された粒子としては、例えば、日本アエロジル社製の疎水性フュームドシリカが挙げられ、具体的には、日本アエロジル社製の、商品名「AEROSIL(登録商標)RXシリーズ」(RX50、RX200、RX300など)、「AEROSIL(登録商標)RYシリーズ」(RY50、RY200、RY200Sなど)、「AEROSIL(登録商標)NY50シリーズ」、「AEROSIL(登録商標)NAXシリーズ」、「AEROSIL(登録商標)Rシリーズ」などが挙げられる。
【0053】
シリコーン樹脂層には、耐熱剤、難燃剤、顔料、反応制御剤、硬化促進剤(例えば、白金触媒など)などの添加剤を含有させても良い。このような添加剤は、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。
【0054】
シリコーン樹脂層には、導電性を持たせるために、任意の適切な導電剤を含有させても良い。このような導電剤は、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。シリコーン樹脂層に導電性を持たせることによって、剥離帯電による静電気の発生を抑制し得る。
【0055】
導電剤としては、例えば、金属粉末、金属繊維、金属フレーク、導電性金属酸化物等の金属系導電剤;カーボンブラック;などが挙げられる。
【0056】
金属粉末、金属繊維、金属フレークなどに用いられる金属としては、例えば、銀、銅、ニッケル、ステンレス、アルミニウムなどが挙げられる。
【0057】
導電性金属酸化物としては、例えば、導電性酸化亜鉛、導電性酸化チタンなどが挙げられる。
【0058】
カーボンブラックとしては、例えば、アセチレンブラック、コンダクティブファーネスブラック(CF)、スーパーコンダクティブファーネスブラック(SCF)、エクストラコンダクティブファーネスブラック(XCF)、コンダクティブチャンネルブラック(CC)、1500℃程度の高温で熱処理されたファーネスブラックまたはチャンネルブラックなどが挙げられる。
【0059】
アセチレンブラックの具体例としては、例えば、電化アセチレンブラック(電気化学株式会社製)、シャウニガンアセチレンブラック(シャウニガンケミカル株式会社製)などが挙げられる。
【0060】
コンダクティブファーネスブラックの具体例としては、例えば、コンチネックスCF(コンチネンタルカーボン株式会社製)、バルカンC(キャボット株式会社製)などが挙げられる。
【0061】
スーパーコンダクティブファーネスブラックの具体例としては、例えば、コンチネックスSCF(コンチネンタルカーボン株式会社製)、バルカンSC(キャボット株式会社製)などが挙げられる。
【0062】
エクストラコンダクティブファーネスブラックの具体例としては、例えば、旭HS−500(旭カーボン株式会社製)、バルカンXC−72(キャボット株式会社製)などが挙げられる。
【0063】
コンダクティブチャンネルブラックの具体例としては、例えば、コウラックスL(デグッサ株式会社製)などが挙げられる。
【0064】
カーボンブラックとして、ファーネスブラックの一種であるケッチェンブラックECやケッチェンブラックEC−600JD(ケッチェンブラックインターナショナル株式会社製)を用いることもできる。
【0065】
シリコーン樹脂層中の導電剤の含有割合は、導電剤が金属系導電付与剤の場合は、好ましくは0重量%〜90重量%であり、より好ましくは0.1重量%〜80重量%であり、さらに好ましくは1重量%〜75重量%である。シリコーン樹脂層中のこのような導電剤の含有割合が多すぎると、含有割合に見合うだけの導電剤の効果が得られないおそれがあり、また、シリコーン樹脂層の機械的強度が低下するおそれがある。
【0066】
シリコーン樹脂層中の導電剤の含有割合は、導電剤がカーボンブラックの場合は、好ましくは0重量%〜60重量%であり、より好ましくは0.1重量%〜50重量%であり、さらに好ましくは1重量%〜40重量%である。シリコーン樹脂層中のこのような導電剤の含有割合が多すぎると、含有割合に見合うだけの導電剤の効果が得られないおそれがあり、また、シリコーン樹脂層の機械的強度が低下するおそれがある。
【0067】
シリコーン樹脂層の厚みは、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な厚みを採用し得る。シリコーン樹脂層の厚みは、好ましくは5μm〜2000μmである。シリコーン樹脂層の厚みが上記範囲内に収まることにより、本発明の巻き芯保護用粘着シートは、巻き芯の表面に貼り合わせてフィルム等を巻き取る際に、巻き取ったフィルム等がせん断方向には一層剥がれにくい一方で剥離角度が高くなると軽剥離が一層発現され、巻き取ったフィルム等との濡れ性が一層十分であるために巻き取るフィルム等との接着面積が瞬時に得られて巻き芯の切り替え(巻き替え)が一層スムーズに可能であり、洗浄レスで繰り返し使用可能となる。
【0068】
シリコーン樹脂層の表面の、温度23℃、湿度65%RH、引張速度50mm/分でのせん断接着力は、好ましくは1N/cm
2以上であり、より好ましくは1N/cm
2〜90N/cm
2であり、さらに好ましくは2N/cm
2〜70N/cm
2であり、さらに好ましくは4N/cm
2〜50N/cm
2であり、特に好ましくは5N/cm
2〜30N/cm
2であり、最も好ましくは6N/cm
2〜20N/cm
2である。シリコーン樹脂層の表面の、温度23℃、湿度65%RH、引張速度50mm/分でのせん断接着力を上記範囲内に調整することにより、本発明の巻き芯保護用粘着シートを巻き芯の表面に貼り合わせてフィルム等を巻き取る際に、巻き取ったフィルム等がせん断方向に適度に剥がれにくくなり、巻き芯へのフィルム等の巻き取り開始初期において、フィルム等の貼り付き性が向上し、また、回転方向へのフィルム等の追従性が向上する。
【0069】
シリコーン樹脂層の表面の、温度23℃、湿度65%RH、引張速度300mm/分での180度ピール接着力は、好ましくは10N/20mm以下であり、より好ましくは0N/20mm〜10N/20mm以下であり、さらに好ましくは0N/20mm〜5N/20mm以下であり、さらに好ましくは0N/20mm〜3N/20mm以下であり、特に好ましくは0N/20mm〜1N/20mm以下であり、最も好ましくは0N/20mm〜0.5N/20mm以下である。シリコーン樹脂層の表面の、温度23℃、湿度65%RH、引張速度300mm/分での180度ピール接着力を上記範囲内に調整することにより、本発明の巻き芯保護用粘着シートを巻き芯の表面に貼り合わせてフィルム等を巻き取った後に、巻き取ったフィルム等を剥離して巻き戻す作業(巻き芯の再使用のための再生作業)が容易になる。
【0070】
基材層は、1層のみであっても良いし、2層以上の積層体であっても良い。基材層が2層以上の積層体である場合は、該積層体は、例えば、ラミネートで成形しても良いし、共押出しによって成形しても良い。
【0071】
基材層の材料としては、例えば、ポリウレタン樹脂、ポリウレタンアクリル樹脂、ゴム系樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂、エラストマー類、フッ素樹脂、ポリアミド樹脂、ポリオレフィン樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレンなど)、アクリル樹脂などが挙げられる。このような基材層の材料は、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。
【0072】
基材層の材料は、本発明の効果をより発現させ得る点で、ポリエステル樹脂およびエラストマー樹脂から選ばれる少なくとも1種を含む。
【0073】
基材層は、その伸びが、好ましくは100%以上であり、より好ましくは120%以上であり、さらに好ましくは150%以上である。基材層の伸びが100%以上であることによって、本発明の巻き芯保護用粘着シートは、巻き芯の形状に良好に追従できる。基材層の伸びが100%未満の場合、巻き芯の形状に十分に追従できず、皺などが発生してしまい、外観不良や接着不良の原因となるおそれがある。基材層の伸びの上限は、基材層の強度の観点から、好ましくは2000%以下である。
【0074】
基材層は、その破断点応力が、好ましくは10MPa以上であり、より好ましくは12MPa以上であり、さらに好ましくは15MPa以上である。基材層の破断点応力が上記範囲内にあることによって、使用済みの本発明の巻き芯保護用粘着シートを巻き芯から剥がす際に基材層が切断されることを抑制できる。基材層の破断点応力が10MPa未満の場合、使用済みの本発明の巻き芯保護用粘着シートを巻き芯から剥がす際に、基材層が頻繁に切断してしまい、作業効率が著しく悪くなるおそれがある。基材層の破断点応力の上限は、基材層の取扱性の観点から、好ましくは200MPa以下である。
【0075】
基材層は、その弾性率が、好ましくは4000MPa以下であり、より好ましくは1000MPa以下であり、さらに好ましくは100MPa以下であり、特に好ましくは50MPa以下である。基材層の弾性率が4000MPa以下であることによって、本発明の巻き芯保護用粘着シートは、巻き芯の形状に良好に追従でき、施工性が向上する。基材層の弾性率の下限は、基材層の取扱性の観点から、好ましくは0.1MPa以上である。
【0076】
基材層は、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な添加剤を含んでいても良い。このような添加剤としては、例えば、オレフィン系樹脂、シリコーン系ポリマー、液状アクリル系共重合体、粘着付与剤、老化防止剤、ヒンダードアミン系光安定剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、帯電防止剤、ポリエチレンイミン、脂肪酸アミド、脂肪酸エステル、リン酸エステル、滑剤、界面活性剤、充填剤や顔料(例えば、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、シリカ、酸化亜鉛、酸化チタン、カーボンブラックなど)などが挙げられる。
【0077】
基材層は、紫外線吸収剤を含むことが好ましい。基材層が紫外線吸収剤を含むことにより、本発明の巻き芯保護用粘着シートの耐候性が向上する。基材層が紫外線吸収剤を含んでいない場合、野外での使用において太陽光によって基材が劣化しやすくなり、当初の基材強度を維持することが難しくなるおそれがある。そして、基材が劣化してしまうと、使用済みの本発明の巻き芯保護用粘着シートを巻き芯から剥がす際に、基材層が頻繁に切断してしまい、作業効率が著しく悪くなるおそれがある。
【0078】
基材層の厚みは、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な厚みを採用し得る。基材層の厚みは、好ましくは1μm〜1000μmであり、より好ましくは10μm〜800μmであり、さらに好ましくは20μm〜500μmである。基材層の厚みを上記範囲内に収めることにより、本発明の巻き芯保護用粘着シートは、巻き芯に作業性良く貼着でき、貼着後の表面にしわや浮きなどの外観不良が生じ難い。基材層の厚みが薄過ぎると、ハンドリング性が悪くなり、基材としての役割を果たせず、実用的ではなくなるおそれがある。基材層の厚みが厚過ぎると、巻き芯の形状に十分に追従できなくなり、汚れが付きやすいおそれがある。
【0079】
基材層には、シリコーン樹脂層との密着性をより向上させるために、シランカップリング剤が含まれていても良い。シリコーン樹脂と反応するシラノール基やアルコキシシラン基をシランカップリング剤によって基材層中に導入し、密着性を向上させることができる。
【0080】
シランカップリング剤は、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。市販されている具体的なシランカップリング剤としては、例えば、信越化学工業(株)製のKBM5103、KBM1003、KBM903、KBM403、KBM802などが挙げられる。
【0081】
基材層にシランカップリング剤が含まれる場合、基材層中のシランカップリング剤の含有割合は、好ましくは0.01重量%〜10重量%である。基材層中のシランカップリング剤の含有割合を上記範囲内に収めることにより、基材層が硬くなり過ぎることを抑制できるとともに、基材層とシリコーン樹脂層との間の密着性がより高まる。
【0082】
粘着剤層としては、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な粘着剤層を採用し得る。このような粘着剤層の材料としては、例えば、アクリル樹脂系粘着剤、エポキシ樹脂系粘着剤、アミノ樹脂系粘着剤、ビニル樹脂(酢酸ビニル系重合体など)系粘着剤、硬化型アクリル樹脂系粘着剤、シリコーン樹脂系粘着剤などが挙げられる。粘着剤層の材料は、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。
【0083】
粘着剤層は、その23℃で引張速度300mm/minにおける180度ピール接着力が、好ましくは30N/20mm以下であり、より好ましくは20N/20mm以下であり、さらに好ましくは15N/20mm以下である。粘着剤層の23℃で引張速度300mm/minにおける180度ピール接着力を上記範囲内に調整することにより、本発明の巻き芯保護用粘着シートを巻き芯から剥がし易くなる。粘着剤層の23℃で引張速度300mm/minにおける180度ピール接着力が30N/20mmを超える場合、使用済みの巻き芯保護用粘着シートを巻き芯から剥がすことが困難になり、作業効率が著しく悪くなるおそれがある。粘着剤層の23℃で引張速度300mm/minにおける180度ピール接着力の下限は、十分な粘着力を維持できる観点から、好ましくは3N/20mm以上である。
【0084】
粘着剤層の厚みは、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な厚みを採用し得る。粘着剤層の厚みは、好ましくは10μm以上である。粘着剤層の厚みが10μmより薄いと、巻き芯の形状に十分に追従できなくなり、接着面積が減少してしまい、十分な粘着力が発現できないおそれがある。粘着剤層の厚みの上限は、取扱性の観点から、好ましくは100μm以下である。
【0085】
本発明の巻き芯保護用粘着シートは、任意の適切な方法によって製造し得る。このような方法としては、例えば、基材層の一方の面にシリコーン樹脂層形成材料を塗布してシリコーン樹脂層を形成し、基材層のもう一方の面に別途準備した粘着剤層を貼付する方法、別途準備した基材層と粘着剤層を貼付した後にシリコーン樹脂層形成材料を基材層上に塗布してシリコーン樹脂層を形成する方法、基材層の一方の面に粘着剤層形成材料を塗布して粘着剤層を形成し、基材層のもう一方の面にシリコーン樹脂層形成材料を塗布してシリコーン樹脂層を形成する方法、基材層形成材料と粘着剤層形成材料を共押出しして基材層/粘着剤層の積層体を形成させた後にシリコーン樹脂層形成材料を基材層上に塗布してシリコーン樹脂層を形成する方法、などが挙げられる。
【0086】
シリコーン樹脂層形成材料を基材層上に塗布する方法としては、例えば、スプレー、ハケ塗り、ローラー、カーテンフロー、ロール、ディップ、コーターなどが挙げられる。これらの方法でシリコーン樹脂層形成材料を基材層上に塗布して、例えば、室温から250℃までの温度(好ましくは、室温から180℃の温度)で乾燥させることにより、シリコーン樹脂層を形成することができる。
【実施例】
【0087】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例になんら限定されるものではない。
【0088】
<せん断接着力>
実施例および比較例で得られた粘着シートを幅30mm×長さ100mmに切断し、粘着層側を平滑なABS樹脂板(幅30mm×長さ100mm、厚さ3mm)にハンドローラーにて貼り合せた。この上にPET基材(商品名「ルミラーS10」、東レ(株)製、厚み38μm)を接着面積20mm×20mmとなるように2kgローラー1往復にて圧着し、30分後、温度23℃、湿度65%RHの条件下にて、引張試験機にて、せん断方向に剥離に要する力を測定した(引っ張り速度:50mm/分)。
【0089】
<180度ピール接着力>
実施例および比較例で得られた粘着シートを幅30mm×長さ100mmに切断し、粘着層側を平滑なABS樹脂板(幅30mm×長さ100mm、厚さ3mm)にハンドローラーにて貼り合せた。この上にPET基材(商品名「ルミラーS10」、東レ(株)製、厚み38μm)を接着面積20mm×80mmとなるように2kgローラー1往復にて圧着し、30分後、温度23℃、湿度65%RHの条件下にて、引張試験機にて、剥離角度180度で剥離に要する力を測定した(引っ張り速度:300mm/分)。
【0090】
<濡れ性評価>
実施例および比較例で得られた粘着シートを幅30mm×長さ100mmに切断し、粘着層側を平滑なABS樹脂板(幅30mm×長さ100mm、厚さ3mm)にハンドローラーにて貼り合せた。この上にPET基材(商品名「ルミラーS10」、東レ(株)製、厚み38μm)を20mm×80mmに切り出したものを静かに置いたときの粘着シートに対する濡れ性を目視で評価した。
○:速やかに濡れが観察され気泡も少ない。
△:濡れていくが速度が遅く、気泡が多い。
×:まったく濡れていかない。
【0091】
<巻き芯切り替え性評価>
実施例および比較例で得られた粘着シートを外径10インチ、幅650mmのFRPの巻き芯にハンドローラーで隙間なく貼り合せた。これを、自動2軸巻き取り装置を持つ塗工機の巻取部に掛け、PET基材(商品名「ルミラーS10」、東レ(株)製、厚み38μm)巻き取り時の自動巻き芯切り替え時における様子を目視で観察した。
○:PET基材が巻き芯に貼り付き、問題無く切り替え可能。
△:PET基材が巻き芯に貼り付き概ね切り替え可能だが、まれに切り替えに失敗することがある。
×:PET基材が巻き芯に貼り付かず、切り替えができない。
【0092】
<塗工シート剥離性評価>
巻き芯切り替え性評価で巻き芯に貼り付いたPET基材を手作業で剥離除去したときの剥離性を評価した。
○:PET基材をダメージ無く、汚染無く容易に剥離除去することが可能。
△:PET基材をダメージ無く容易に剥離除去することが可能だが、PET基材がオイルで汚染する。
×:PET基材を剥離するのに大きな力が必要でPET基材にもダメージがある。
【0093】
〔製造例1〕:粘着剤層の作製
冷却管、窒素導入管、温度計、および攪拌機を備えた反応容器に、(メタ)アクリル系モノマーとして、2−エチルヘキシルアクリレート(2EHA、東亜合成(株)製):90重量部、アクリル酸(AA):10重量部、光重合開始剤として2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン(商品名「イルガキュア651」、BASF製):0.1重量部を投入して分散させ、攪拌しながら窒素気流下にて上部よりUV照射することにより、一部のモノマーをポリマーに転化させて塗工可能な粘度に調整し、(メタ)アクリル系モノマー混合物を得た。この(メタ)アクリル系モノマー混合物に、架橋剤として1,6−ヘキサンジオールジアクリレート(HDDA):0.08重量部を添加し、これをセパレーター(商品名「MRF38」、三菱樹脂(株)製、厚み50μm)の表面にアプリケーターにて塗布し、カバーセパレーター(商品名「MRF38」、三菱樹脂(株)製、厚み38μm)をハンドローラーにて貼り合わせ、さらに紫外線ランプ(BLタイプ)により紫外線を照射(紫外線照度:3.4mW/cm
2、積算照射量:2000mJ/cm
2)することにより、厚み50μmの粘着剤層を得た。
【0094】
〔実施例1〕
液状シリコーンゴムとしてKE−1950−A(信越化学工業(株)製):50重量部、KE−1950−B(信越化学工業(株)製):50重量部、シリコーンオイルとしてKF−96−100Cs(信越化学工業(株)製):10重量部を添加し、トルエン:32重量部を加えて撹拌混合することで塗布液を調整した。この塗布液をアプリケーターにて乾燥後厚み100μmとなるようにPET基材(商品名「ルミラーS10」、東レ(株)製、厚み38μm)上に塗布し、オーブンにて130℃×5分加熱することにより、シリコーン樹脂層付き基材(1)を得た。製造例1において得られた粘着剤層とシリコーン樹脂層付き基材(1)をハンドローラーにて貼り合わせることにより、シリコーン樹脂層/基材層/粘着剤層の積層構造を有する粘着シート(1)を得た。粘着シート(1)のシリコーン樹脂層中のシリコーンオイルの含有割合は9.1重量%であった。
結果を表1に示した。
【0095】
〔実施例2〕
実施例1のKF−96−100Cs(信越化学工業(株)製)を90重量部に、トルエンを0重量部に変更した以外は、実施例1と同様に行い、シリコーン樹脂層/基材層/粘着剤層の積層構造を有する粘着シート(2)を得た。粘着シート(2)のシリコーン樹脂層中のシリコーンオイルの含有割合は47.4重量%であった。
結果を表1に示した。
【0096】
〔実施例3〕
実施例1のKF−96−100Cs(信越化学工業(株)製)を150重量部に、トルエンを0重量部に変更した以外は、実施例1と同様に行い、シリコーン樹脂層/基材層/粘着剤層の積層構造を有する粘着シート(3)を得た。粘着シート(3)のシリコーン樹脂層中のシリコーンオイルの含有割合は60重量%であった。
結果を表1に示した。
【0097】
〔実施例4〕
実施例1のKF−96−100Cs(信越化学工業(株)製)を250重量部に、トルエンを0重量部に変更した以外は、実施例1と同様に行い、シリコーン樹脂層/基材層/粘着剤層の積層構造を有する粘着シート(4)を得た。粘着シート(4)のシリコーン樹脂層中のシリコーンオイルの含有割合は75重量%であった。
結果を表1に示した。
【0098】
〔実施例5〕
実施例1のKF−96−100Cs(信越化学工業(株)製)を0重量部に、トルエンを0重量部に変更した以外は、実施例1と同様に行い、シリコーン樹脂層/基材層/粘着剤層の積層構造を有する粘着シート(5)を得た。粘着シート(5)のシリコーン樹脂層中のシリコーンオイルの含有割合は0重量%であった。
結果を表1に示した。
【0099】
〔比較例1〕
PET基材(商品名「ルミラーS10」、東レ(株)製、厚み38μm)に製造例1において得られた粘着剤層をハンドローラーにて貼り合わせることにより、基材層/粘着剤層の積層構造を有する粘着シート(C1)を得た。
結果を表1に示した。
【0100】
〔比較例2〕
製造例1において得られた粘着剤層をそのまま粘着シート(C2)として使用した。
結果を表1に示した。
【0101】
【表1】