特許第6576812号(P6576812)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6576812
(24)【登録日】2019年8月30日
(45)【発行日】2019年9月18日
(54)【発明の名称】滅菌バッグ
(51)【国際特許分類】
   A61L 2/26 20060101AFI20190909BHJP
   B65D 81/20 20060101ALI20190909BHJP
【FI】
   A61L2/26
   B65D81/20 M
【請求項の数】7
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-238550(P2015-238550)
(22)【出願日】2015年12月7日
(65)【公開番号】特開2017-104175(P2017-104175A)
(43)【公開日】2017年6月15日
【審査請求日】2018年10月23日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000941
【氏名又は名称】株式会社カネカ
(72)【発明者】
【氏名】永井 広梓
【審査官】 吉岡 沙織
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2006/0260967(US,A1)
【文献】 米国特許第05222600(US,A)
【文献】 米国特許出願公開第2006/0186010(US,A1)
【文献】 特表2013−502241(JP,A)
【文献】 特開平05−221461(JP,A)
【文献】 特開2003−054575(JP,A)
【文献】 特開2003−300536(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61L 2/
A61B
A61J
B65D
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
非通気性シートと細菌非透過性通気性シートを貼りあわせて作られる第一収納 部と、
前記第一収納部の非通気性シート表面に配置される、非通気性部分と細菌非 過性通気性部分を含むシートと前記第一収納部の非通気性シートを貼りあわせて 作られる第二収納部とからなり、
第二収納部を構成するシートは第一収納部を構成するシートより小さく、
第一収納部の外周上の箇所であって、当該箇所と向かい合う対辺との間に第二 収納部の収納部分を含まない箇所に切断部を有し、
前記第二収納部の貼りあわせ箇所の一部と、それに重なる箇所の前記第一収納 部の非通気性シートと細菌非透過性通気性シートとが貼りあわされた滅菌バッグ 。
【請求項2】
第二収納部の外周上の一または複数の箇所に切断部を有する請求項1に記載の 滅菌バッグ。
【請求項3】
前記第一収納部の非通気性シート上であって、第二収納部の向かい合う二辺と その延長とにより規定される箇所上に製品情報が表示されている請求項1または に記載の滅菌バッグ。
【請求項4】
前記第二収納部の貼りあわせ箇所の一部と、前記それに重なる第一収納部の非 通気性シートと細菌非透過性通気性シートの貼りあわせ箇所は、熱溶着されてい る請求項1から3のいずれか一項に記載の滅菌バッグ。
【請求項5】
すべての貼りあわせ箇所が熱溶着により貼りあわせられ、熱溶着された箇所の うち、通気性シートと細菌非透過性通気性シートとの貼りあわせ箇所のシール 強度が3N以上である請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の滅菌バッグ 。
【請求項6】
非通気シートと細菌非透過性通気性シートはポリエチレンの層が含まれるこ とが特徴である、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の滅菌バッグ。
【請求項7】
一または複数の切断部を有する、非通気性部分と細菌非透過性通気性部分を含 むシートと、前記シートよりも大きい非通気シートとを熱溶着して開口部を有 する第二収納部を形成する工程と、
前記非通気シートと細菌非透過性通気性シートと熱溶着して開口部を有する 第一収納部を形成する工程と、
前記第二収納部の開口部を熱溶着する工程と、
前記第一収納部の開口部を熱溶着する工程と、を含む
滅菌バッグの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カテーテルを包装する滅菌バッグに関するものである。
【背景技術】
【0002】
医療用で使用されているカテーテルは1ミリ以下から数ミリの断面積で長さが数十センチからメートルオーダーの長尺のものであるため、そのままの形状で輸送すると、輸送時に他の積荷から荷重がかかることによりカテーテルの折れや曲がりの問題が生じる。上記問題が生じないようにカテーテルの外径より大きな外径を有した樹脂製チューブにカテーテルを挿入し、渦巻状に丸めた渦巻チューブ形状で滅菌バッグに封入している場合が多い。
【0003】
その場合、一般的には図4a、bで示すように施術前に用いるフラッシュツールなどのカテーテル付属品一式は、前述の滅菌バッグより小型である小型滅菌バッグに封入後、渦巻チューブに封入されたカテーテルとまとめて前述の滅菌バッグに封入している。
【0004】
手術現場では術者が開けられた滅菌バッグから前記渦巻チューブを取り出す。その際、渦巻チューブと小型滅菌バッグが干渉し、渦巻チューブの取出しと同時に小型滅菌バッグが一緒に取り出されて落下する恐れがある。落下した小型滅菌バッグ表面は汚染されてしまい、さらに別の術者が気付かずその落下し汚染された小型滅菌バッグに誤って触れてしまい手の汚染が生じる可能性がある。
【0005】
また、前述の小型滅菌バッグには印字などにより製品情報などの表示がされていない場合が多く、現場にて複数のカテーテルを扱う場合にそれぞれのカテーテル付属品が入った袋が混在し、誤ったカテーテル付属品を使用して施術に不具合が生じる危険性がある。手術に際しては、カテーテルに合致する付属品の識別が容易に行える必要があり、かつまとまった状態でアクセサリ保管が可能な形態である形態が好ましい。
【0006】
特許文献1においては医療用の滅菌袋内に部分的に通気性フィルムで構成された隔膜を設けて部材を分けるようにした医療用滅菌袋が開示されている。特許文献1の滅菌袋形態では隔膜で隔てた片側のみの選択的な開封は構成的に不可能であるため、例えばカテーテルとアクセサリを別の収納部に封入しても、カテーテルを取り出した際にはアクセサリ側も開口状態になるため、ふとした拍子にアクセサリが落下して汚染するリスクが生じる可能性がある。
【0007】
特許文献2においては落下防止しないようシート同士を所定の形状で熱溶着することにより内容物を固定した滅菌バッグが開示されている。しかし、渦巻チューブに封入されたカテーテルのように、円形のものは、予め滅菌バッグにストッパーを形成すると、袋に入れることが困難になる。またそのような円形のものとその付属品を滅菌バッグに封入後、ストッパーを形成しようとすると、封入物に一定の厚みがあり、またその厚みがそれぞれ異なるため、ヒートシーラーを用いてストッパーを形成しすることが困難になる。
【0008】
また、図5に示すようにシールにより滅菌バッグを、長尺方向にてカテーテルとアクセサリを分割するように熱溶着すると、滅菌バッグとして長手方向の面積が必要になってしまうため病院保管時に、あるいは術時にカテーテルを取り出した後などに、場所をとってしまい邪魔になる可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】実公平03−009741号公報
【特許文献2】特開2009―034269号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
前述の問題を鑑みて、本発明の目的とするところは、術者が開封された滅菌バッグからカテーテルが収納された渦巻管を取り出す際にアクセサリ包装袋が同時に落下せず、かつ場所をとらず種類識別が容易な滅菌バッグを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者が鋭意検討したところ、非通気性シートと細菌非透過性通気性シートをヒートシールにて貼りあわせた第一収納部外面に、非通気性シートと細菌非透過性非通気性シートを貼りあわせた第二収納部を設け、かつ切断部と製品情報表示箇所を工夫することにより前述の課題を解決可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0012】
(1)本発明の第一は、非通気性シートと細菌非透過性通気性シートを貼りあ わせて作られる第一収納部と、
前記第一収納部の非通気性シート表面に配置される、非通気性部分と細菌非 過性通気性部分を含むシートと前記第一収納部の非通気性シートを貼りあわせて 作られる第二収納部とからなり、
第二収納部を構成するシートは第一収納部を構成するシートより小さく、
第一収納部の外周上の箇所であって、当該箇所と向かい合う対辺との間に第二 収納部の収納部分を含まない箇所に切断部を有し、
前記第二収納部の貼りあわせ箇所の一部と、それに重なる箇所の前記第一収納 部の非通気性シートと細菌非透過性通気性シートとが貼りあわされた滅菌バッグ に関する。
【0013】
(2)本発明では、第二収納部の外周上の一または複数の箇所に切断部を有することが望ましい。
【0014】
(3)本発明では、前記第一収納部の非通気性シート上であって、第二収納部の向かい合う二辺とその延長とにより規定される箇所上に製品情報が表示されていることが望ましい。
【0015】
(4)本発明では、前記第二収納部の貼りあわせ箇所の一部と、前記それに重なる第一収納部の非通気性シートと細菌非透過性通気性シートの貼りあわせ箇所は、熱溶着されていることが望ましい。
【0016】
(5)本発明では、すべての貼りあわせ箇所が熱溶着により貼りあわせられ、 熱溶着された箇所のうち、通気性シートと細菌非透過性通気性シートとの貼り あわせ箇所のシール強度が3N以上であることが望ましい。
【0017】
(6)本発明では、非通気シートと細菌非透過性通気性シートはポリエチレ ンの層が含まれることが特徴であることが望ましい。
【0018】
(7)本発明の第二は、一または複数の切断部を有する、非通気性部分と細菌 非透過性通気性部分を含むシートと、前記シートよりも大きい非通気シートと を熱溶着して開口部を有する第二収納部を形成する工程と、
前記非通気シートと細菌非透過性通気性シートと熱溶着して開口部を有する 第一収納部を形成する工程と、
前記第二収納部の開口部を熱溶着する工程と、
前記第一収納部の開口部を熱溶着する工程と、を含む
滅菌バッグの製造方法に関する。


【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、施術時にカテーテルが収納された渦巻管を滅菌バッグから取り出す際にアクセサリを入れた小型滅菌バッグが同時に落下するリスクが低減する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1a】本発明に係る滅菌バッグにおける実施形態の一形態を表す表から見た平面図である。
図1b】本発明に係る滅菌バッグにおける実施形態の一形態を表す裏から見た平面図である。
図1c】本発明に係る滅菌バッグにおける実施形態の一形態を図1bのAA断面から見た断面図である。
図2a】本発明に係る滅菌バッグの第二実施形態の構造を説明する断面図である。
図2b】本発明に係る滅菌バッグの第一の収納部を分離した形態の図である。
図3】本発明に係る滅菌バッグ製造を行う装置の一つを示す概略図である。
図4a】一般的なアクセサリ入り滅菌バッグを封入した二重包装型滅菌バッグの平面図である。
図4b】一般的なアクセサリ入り滅菌バッグを封入した二重包装型滅菌バッグの平面図である。
図5】カテーテルとアクセサリを滅菌バッグ内で分割した滅菌バッグ形態を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明に係る滅菌バッグの実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、便宜上、図面において符号を省略する場合もあるが、かかる場合、他の図面を参照するものとする。また、図面における種々部材の寸法は、便宜上、見やすいように調整されていることもある。
【0022】
<第一の実施形態>
図1aからcに示すように本発明に係る滅菌バッグ1は、非通気性のフィルムシート11と、細菌非透過性通気性シート12と、非通気性シートと細菌非透過性通気性シートからなるシート13とを備える。なお、図1cにおいては、滅菌バッグの封入物を図示していない。この滅菌バッグ1の平面形状は四角形状であるが、形状に特に限定はなく、封入物の形状や用途に応じて、長方形状や正方形状、円形状、さらには不定形など任意の形状でよい。非通気性のフィルムシートの材質は、樹脂性が好ましく、特にPE、PET、NY(ナイロン)が好ましい。細菌非透過性通気性シートの材質は、樹脂製や紙製がこのましく、樹脂製ではPEやNYが挙げられるが、柔軟性および紙粉が生じないことからPEが好ましい。シートの厚さは、20μmから400μmが好ましく、50μmから200μmがより好ましい。
【0023】
滅菌バッグの製造に当たっては、非通気性のフィルムシートと細菌非透過性通気性シートとを貼りあわせて第二の収納部を構成するシートを作製する。作製した第二の収納部を構成するシートとこのシートよりも大きい非通気性シート11とを貼りあわせて、第二収納部を形成する。第一の収納部21を配置すべく、第二の収納部を形成した非通気性シート11と細菌非透過性通気性シート12を貼りあわせている。図1cにおいて、貼りあわせ部14を模式的に示している。いずれの貼りあわせについても貼りあわせの方法については特に限定しないが、熱媒によりフィルムあるいはシートの一部を溶融させて接合させる熱溶着か、接着剤や接着テープなどにより部材同士を接着させる方法が挙げられる。熱媒の温度は、貼りあわせるシートの材質に応じて適宜選択することができる。熱溶着を行った場合は、貼りあわせ箇所のシール強度が3N以上であることが好ましい。輸送時のこすれなどにより容易に開封されないようにするためである。接着剤による場合は、接着剤はプライマーを含んだシアノアクリレート系接着剤が好ましい。
【0024】
第一の収納部21および第二の収納部22を構成する滅菌バッグ1に渦巻チューブに収納されたカテーテル101およびアクセサリ102を収納するとき、まず渦巻チューブに収納されたカテーテル101を第一の収納部21に収納し、アクセサリ102を第二の収納部22へ収納する。その後貼りあわせる順番としては、第二の収納部22を先に貼りあわせて封止した後に、第一の収納部21を貼りあわせて封止する。第一の収納部21および第二の収納部22を構成するシートの溶着面は、例えば全てPE(ポリエチレン)など同一材質を層として含むシートを用いることが好ましい。これにより第二の収納部22を封止する際に、第一の収納部21まで一度の加熱で溶着することが可能となる。これにより第一の収納部21内に貼りあわせ部14bが配置され、渦巻チューブを第一の収納部21内に固定することが可能となる。このような構成により製品輸送時に渦巻収納部からカテーテル101が抜け落ちたり、施術時に第一の収納部21を開封した際にカテーテル101が落下したりして汚染する危険性を低下することが可能となる。このような構成とするためシートおよびフィルムの貼りあわせには熱溶着が好ましい。なお、第一収納部の第二収納部が設けられていない方のシートを、第二収納部から引き剥がすことで、渦巻チューブは滅菌バッグの固定から解除される。
【0025】
収納部は図1では直線で形成された貼りあわせ部に囲まれるように構成され、バッグの上角から開けやすいようにした貼りあわせ部(図1斜線部領域)を示しているが、貼りあわせ部の形状は特に限定はされず、例えば開封時に袋が均等に開封されるように1角の貼りあわせ部を山形にしてもよい。あるいは角から開けずに辺を用いて開封可能なよう1辺を山形に貼りあわせ部を構成する、などとしてもよい。
【0026】
第一の収納部21を構成する非通気性のフィルムシート11には第一の切断部31が配置されており、図1では三角形状に切り欠いてあるが、切断部形状については特に限定せず製作が容易なよう単純な線だけの切り込みあるいは任意の箇所で開封可能なよう端部に小孔を設けた構造でもよい。切断部は、第一収納部の外周上のいずれかの箇所であって、当該箇所が設けられた辺とそれと向かい合う辺との間に第二収納部が配置されていないことを条件に選定する。これにより、第一収納部を開封しても第二収納部は開封されず、意図しないアクセサリの落下等を防ぐことができる。
【0027】
第二の収納部22を構成する非通気性シートと細菌非透過性通気性シートからなるシート13には第二の切断部32が配置されており、図1では三角形状に切り欠いてあるが、切断部形状については特に限定せず製作が容易なよう単純な線だけの切り込みあるいは任意の箇所で開封可能なよう端部に小孔を設けた構造でもよい。非通気性シートと細菌非透過性通気性シートからなる第二収納部を構成するシート13については、図1では非通気性のフィルムシート2枚と細菌非透過性通気性シート1枚を張りあわせたシートを非通気性のフィルムシート11に貼り付けているが特にシートの構成には限定せず、たとえば非通気性のフィルムシート1枚と細菌非透過性通気性シート1枚を張りあわせたシートでもよい。第二収納部に設けられる切断部は、複数個所とすることが好ましい。複数の切断部を把持して帯状に開封する方法が開口しやすくなるためである。
【0028】
<第二の実施形態>
図2aには図1と同様な形状の滅菌バッグだが、製品情報が第二の収納部を構成する非通気性のフィルムシートに表示されていることが特徴である。製品情報とは、例えばカテーテルの場合、製品名、滅菌日、使用期限、ロット番号、シリアル番号、バルーン径、バルーン長、カテーテル長、耐圧性能、滅菌情報、禁止事項、梱包内容などを指すが、特に限定はしない。さらに表示方法については前記製品情報が記載されたラベルの貼り付けや非通気性のフィルムへの直接印字を用いる手段があるが特に限定はしない。表示情報が消えにくくなる利点から、表示内容は第二の収納部22内部に配置することが好ましい。また、第一収納部の非通気性シート上であって、第二収納部が設けられている箇所のすぐ脇に製品情報を表示することも好ましい。第一収納部を開封し、第二収納部が設けられている箇所以外の第一収納部を構成するシートを廃棄しても製品情報の表示部分は第二収納部とともに保持されるようにするためである。特に、第一収納部の切断部によって切断した場合に、第二収納部の配置される部位に表示されるようにすることが好ましい。
【0029】
図2bは施術時にカテーテル101を取り出した後に第一の切断部を用いて第二の収納部22のみにした状態を示す。第一の切断部を用いて開封し、第二の収納部22と第一の収納部を分離することにより第一の収納部の一部を廃棄可能にし、かつ製品情報が表示された第二の収納部22のみにすることが可能になる。この状態だと施術時のアクセサリの保管スペースも小さくてすむ。第二収納部を構成するシートを、第一収納部を構成するシートより小さくするため、第一収納部の開封後に、それより小さい第二収納部のみを取り扱うことが可能となる。さらに施術によっては複数のカテーテル101を扱うことがあるため、複数のアクセサリ102が混在することによりアクセサリ102の取り間違えが生じる可能性があるが、第二収納部のフィルムシートに製品情報が表示されているため、本実施形態の滅菌バッグを用いることにより施術時の取り間違えの危険性が低減する。
【0030】
<滅菌バッグ製造方法の一つの形態>
本発明に係る滅菌バッグの製造方法について図面を参照しつつ説明する。
【0031】
図3に貼りあわせロールによる包装機概要の一例を示しているが、所定寸法のフィルムおよびシートを用いた貼りあわせによる装置や、所定寸法のフィルムおよびシートを貼りあわせる冶具を用いた人による製造でもよく特に限定しない。
【0032】
図3に示す包装機には、フィルムやロールの供給部として第二の収納部22形態を形作るため第一の収納部を形成する非通気性のフィルムロール41のセット部と、第二の収納部22を形成する非通気性のフィルムロールと細菌非透過性通気性シートの組合せからなるシートロール42のセット部と、第一の収納部を形成する細菌非透過性通気性シートロール43セット部が配置されている。供給部の先には滅菌バッグに切断部を配置するための第一の収納部用の切断部制作部51と第二の収納部22用の切断部制作部52が配置されている。本機構では切断部制作部はプレスによる切断部形状づけになるが特にプレス以外でも問題なく例えば回転刃でもよく特に限定しない。第一の収納部22を形成するために第一のブロックヒーター53と第二の収納部22を形成するために第二のブロックヒーター54が配置されている。ブロックヒーターの加熱方向は製造するバッグの材質により上からでも下からでも適宜変更することができる。形成した滅菌バッグを切断するためのカッティング部55が配置されている。製品情報が表示されたラベル貼り付けや印字を行う場合、図3の装置内に適宜配置することができる。
【0033】
製造フローとしては、まず第二の収納部形態22を形作るため第一の収納部21を形成する非通気性のフィルムロール41と、第二の収納部22を形成するシートロール42と、第一の収納部21を形成する細菌非透過性通気性シートロール43を包装機にセットする。各ロール部セット後に包装機を作動させると、まず第二の収納部22を形成するためにシートロール41と非通気性フィルムロール42が重ねられるが、前記シートとロールを重ねる前に第一の切断部制作部51および第二の切断部制作部52により、フィルムロールに第一の切断部31およびシートロールに第二の切断部32が形成される。重ねられた後にブロックヒーター52を用いた熱溶着により2枚は貼りあわせされる。貼りあわせ時にはアクセサリ102等が挿入可能なよう第一の収納部21の一部は未溶着のまま次の工程に流される。その後セットされた細菌非透過性通気性ロール43と重ねられ、第二のブロックヒーター54を用いた熱溶着により貼りあわされる。最後にカッティング部55を用いることにより滅菌バッグの形状となり排出される。
【符号の説明】
【0034】
1 滅菌バッグ
11 非通気性シート
12 細菌非透過性通気性シート
13 非通気性シートと細菌非透過性通気性シートからなるシート
14 貼りあわせ部
21 第一の収納部
22 第二の収納部
31 第一の切断部
32 第二の切断部
41 非通気性のフィルムロール
42 シートロール
43 細菌非透過性通気性シートロール
51 第一の切断部制作部
52 第二の切断部制作部
53 第一のブロックヒーター
54 第二のブロックヒーター
55 カッティング部
101 カテーテル
102 アクセサリ
103 製品情報表示
図1a
図1b
図1c
図2a
図2b
図3
図4a
図4b
図5