(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【実施例1】
【0014】
図1〜
図10は本発明の実施例1を示すものであり、まず本実施形態に係る天井構造について説明する。天井構造の一例としては、上階床スラブから垂設された吊りボルトに装着された金具からなるハンガー部材に把持されて天井裏で正方形の格子状に組み付けられた天井下地材5を備えている。
【0015】
ここで、天井下地材5は格子状に配列されており、格子状に組み付けられた天井下地材5で構成されるブロック(区画)には、天井パネル7や音響機器、照明機器、消火機器等の各種設備が搭載された設備プレートが設置される。
【0016】
天井下地材5は、スチール製の板材を折り曲げした加工物やアルミニウム製の押出形材等を断面略逆T字形状としたTバー等からなり、上下方向に延設された縦片部9と、縦片部9の下部から水平方向に延設されたフランジ状の横片部10とを備えている。
【0017】
縦片部9の上端には二股状に上方に平行に延設された一対の上側突条11,11が上方で連結して形成された頭部12を備えており、この頭部12はハンガー部材4に把持可能に形成されたものである。また、横片部10の幅方向(図中、Y方向)両端には、上方に立設された下側突条13,13が形成されており、天井下地材5の強度を向上させる補強リブの役目を果している。
【0018】
横片部10に天井パネル7又は設備プレートがビス止め又は載置される。尚、天井下地材5の形状は、前記形状に限定されるものではなく、突条を有さない形状であってもよい。
【0019】
次に、本実施形態に係る切断工具14について説明する。切断工具14は、形材である天井下地材5を位置決めして保持する保持部15と、保持部15で保持された天井下地材5を切断する切断刃16と、切断刃16を操作する操作部17とを備えている。
【0020】
保持部15は、第1の外板材18と、第2の外板材19と間にスペース材20を配置し、第1の外板材18と第2の外板材19との間に切断刃16が進退動可能なガイド溝21を形成し、ガイド溝21の途中で切断刃16を露出させる開口部22とを備えた中空体からなる。
【0021】
第1の外板材18は、天井下地材5を保持する第1の保持溝部23が形成された上部24と、一方の側面を切り欠いて第1の保持溝部23と連続して形成された第1の開口部25を備えた中間部26と、保持部15の上下方向と平行に形成された第1の保持側長穴27を備えた下部28からなる略コ型形状を有している。
【0022】
第2の外板材19は、天井下地材5を保持する第2の保持溝部29が形成された上部30と、一方の側面を切り欠いて第2の保持溝部29と連続して形成された第2の開口部31を備えた中間部32と、保持部15の上下方向と平行に形成された第2の保持側長穴33を備えた下部34からなる略コ型形状を有している。
【0023】
尚、第2の外板材19の上部30の下端は、第1の外板材18の上部24の下端より、下方へ長く突出している。
【0024】
更に、第2の外板材19の中間部32の他方の側面の上部30との境界部分から下方へ所定間隔をおいて第2の開口部31と連続させて形成した切欠部35を備えている。切欠部35の縦方向の間隔は、天井パネル7の厚み以上に形成されている。
【0025】
スペース材20は、切断刃16の山形状の上部を受ける凹部36が形成された上部37と、第1の外板部18と第2の外板部19のそれぞれの中間部26、32に対応する中間部38と、第1の外板部18と第2の外板部19のそれぞれの下部28、34の一方の側面側と他方の側面側にそれぞれ対応した一側側面部39と他側側面部40とを備え、一側側面部39と他側側面部40との間に前記ガイド溝21を形成する下部41とを備えた鋼板からなる。
【0026】
第1の保持溝部23は、第1の外板材18の上部24の下端から上方へむけて切り欠いて形成されたものであり、天井下地材5の縦片部9を保持可能な形状に切り欠いて形成された第1の縦片用溝部42からなる。
【0027】
第2の保持溝部29は、第2の外板材19の上部24の下端から上方へむけて切り欠いて形成されたものであり、天井下地材5の縦片部9を保持可能な形状に切り欠いて形成された第2の縦片用溝部43と、第2の外板材19の第2の縦片用溝部43の両側に対の関係にある4本の横片用溝部44からなり、4本の横片用溝部44を一定の間隔をおいて形成して、切断対象となる天井下地材5の横片部10の幅寸法に応じて適宜選択することにより、形状の異なる天井下地材5を個々に保持可能な構成としている。
【0028】
第1の縦片用溝部42は、縦寸法を縦片部9の高さ寸法と同様か或いは大きく形成し、横寸法を縦片部9の頭部12の幅寸法より大きく形成された矩形状に切り欠いた溝となっている。
【0029】
第2の縦片用溝部43は、縦寸法を縦片部9の高さ寸法と同様か或いは大きく形成し、横寸法を縦片部9の頭部12の幅寸法より大きく形成された矩形状に切り欠いた溝において、溝の上部の開口部側を、溝の上端から天井下地材5の上側突条11の高さ以上の縦寸法だけ横方向へ平行に突出させて、その上部の幅寸法を拡大させて切り欠き係合部45を形成し、第2の縦片用溝部43全体を鍵形に形成されている。
【0030】
切断刃16は、ガイド溝21内を摺動するもので、第1の保持溝部23及び第2の保持溝部29に対向している。
【0031】
この切断刃16は、鋼板によって形成され、ほぼ中央に鋭利な先端部46が形成され、この先端部46の左右に暫時後退する切断面47、48が形成された山形状に形成された片刃となっている。切断刃16のテーパ面49を第1の外板材18に向けている。
【0032】
この切断刃16は、先端部46の位置を第1の縦片用溝部42および第2の縦片用溝部43における中心から上部24、30の閉鎖側にずらしている。
【0033】
切断刃16の左右の切断面47、48は、切断刃16における先端部46の移動方向を示す移動線Lと交差する傾斜角α、βが異なる角度に設定されている。
【0034】
切断刃16の基端部50には、刃側長穴51が形成されており、この刃側長穴51の基端側には、刃側長穴51の幅より大きな直径を有する円弧状の大径部52が形成されている。刃側長穴51の長さ方向は、切断刃16の移動線Lと平行に形成されている。
【0035】
また、保持部15の基端部53にある第1の保持側長穴27及び第2の保持側長穴33は、刃側長穴51の幅と略同一かそれ以上の幅に形成されている。保持側長穴54の長さ方向は、切断刃16の移動線Lと平行に形成されている。
【0036】
操作部17は、保持部15の下部の閉塞側に固着された固定ハンドル55と、保持部15の下部の開口部22側に軸56に回動可能に支承された可動ハンドル57とを備えている。
【0037】
可動ハンドル57の軸56まわりには、略L状のフレーム58が突設されており、このフレーム58には円弧状のハンドル側長穴59が形成されている。
【0038】
ハンドル側長穴59は、保持側長穴54の長手方向の中心線M上に中心点を有し、軸56と保持側長穴54の最下点とを通過する仮想線Nに示す円上において、前記最下点から前記円と軸56を中心とし半径が軸56から長手方向の中心線上までの距離よりわずかに小さな円(仮想線R)とが交差する点にかけて形成された円弧状に形成された溝である。
【0039】
ハンドル側長穴59と保持側長穴54と刃側長穴51には、ピン60が挿通されている。
【0040】
ピン60は、ハンドル側長穴59内及び保持側長穴54内を摺動可能、且つ大径部52に係合可能な径に形成された円柱状となっている。
【0041】
ピン60の中間部分における周壁には、刃側長穴51に係合する係合溝部61が形成されている。
【0042】
ピン60の第1の外板材18側は保持側長穴54の幅より大きな外径に形成されたピン側大径部62を備えるとともに、ピン60の第2の外板材19側には保持側長穴54の幅より大きな外径に形成され一方を閉塞した中空円筒状のカバー材63が外嵌されている。
【0043】
カバー材63とピン60との隙間には、ピン60を第2の外板材19側に付勢する弾性部材たるコイルバネ64が収容されている。ピン側大径部62には摘み部65が装着されている。
【0044】
以上の構成の切断工具14の作用効果について説明する。切断刃16の位置調節方法について説明する。まず、切断刃16を落とした状態とするには、可動ハンドル57を開いた状態で、ピン60の係合溝部61を刃側長穴51に係合させた状態のまま、
図7に示すようにピン60が刃側長穴51の最上部に来るまで切断刃16を下降させると、切断刃16が保持部15の下部に隠れて、開口部22が最大限まで開放される。この切断刃16を落とした状態で、開口部22に天井下地材5を収容することが可能となる。
【0045】
次に、天井下地材5を切断する作業状態とするには、可動ハンドル57を開いた状態で、ピン60を刃側長穴51の大径部51に係合させると、
図8に示すように切断刃16を最も下降させた状態でも、切断刃16の先端部46と保持部15の上部の下端との上下方向の距離は、天井下地材5の高さより小さくなり、天井下地材5を第1の保持溝部23及び第2の保持溝部29に位置決めすると、開口部22から天井下地材5が離脱することがなくなる。
【0046】
第1の保持溝部23及び第2の保持溝部29に位置決めされた天井下地材5は、縦片部9は第1の縦片用溝部42及び第2の縦片用溝部43内に係合し、横片部10の下側突条13は横片用溝部44に係合する。また、切欠部35に天井パネルが当接して位置決めされる。
【0047】
図8の作業状態から
図9に示すように可動ハンドル57を閉じて、切断刃16を上昇させて天井下地材5を切断する様子について説明する。まず、先端部46が閉塞側の横片部10に刺さる。さらに切断刃16が上昇すると、切断面47、48によって各横片部10が切断されるとともに、切断面16によって天井下地材5が第2の縦片用溝部43内で開口部22側に押し上げられると頭部12が係合部45に係合して、縦片部9が第2の縦片用溝部43に位置決めされる。さらに切断刃16が上昇して天井下地材5が完全に切断されると、テーパ面49側の天井下地材5が離脱する。
【0048】
フレーム58のハンドル側長穴59が円弧状に形成されたことで、ピン60とハンドル側長穴59との接触面積が増大し、可動ハンドル57からの力を切断刃16に効率的に伝達し、天井下地材5を効果的に切断することができる。
【0049】
以上のように本実施例は、縦片部9と前記縦片部9の下端に左右に突設した横片部10、10とからなる断面逆T字状の形材として天井下地材5を位置決めして収容する保持部15と、保持部15に向けて移動して天井下地材5を切断する切断刃16とを備えたことにより、切断工具14が電源不要となり作業性向上し、断面逆T字状の天井下地材5を位置決めするので、切断時における天井下地材5の変形を防止することができる。
【0050】
また、保持部15は天井下地材5の縦片部9を収容する縦片用保持部として第1の縦片用溝部42及び第2の縦片用溝部43を備えたことにより、切断時における天井下地材5の縦片部9の変形を防止することができる。
【0051】
また、天井下地材5は、横片部10から立設された下側突条13とを備え、保持部15に下側突条が係合される横片用保持部として横片用溝部44を備えたことにより、切断時における天井下地材5の横片部10の変形を防止することができる。
【0052】
また、切断刃16は山型に形成され、切断刃16の先端部46の軌道を縦片部9からずらして備えたことにより、切断時の天井下地材5の変形を防止しつつ、スムーズに天井下地材5を切断することができる。
【0053】
また、切断刃16を落として保持部15に天井下地材5を収容する状態と、切断刃16で天井下地材5を切断可能な状態とのいずれかに切断刃16を位置決めする位置決め手段として刃側長穴51、大径部52及びピン60を備えたことにより、天井下地材5の収容と、天井下地材5の位置決めを容易に行うことができる。
【0054】
尚、第2の外板材19の上部30の第2の縦片用溝部43及び横片用溝部44は、天井下地材5の縦片部9及び横片部10に形状に模して形成されているため、保持部15において様々な形状の天井下地材5の縦片部9及び横片部10の形状に適合する第2の縦片用溝部43及び横片用溝部44を備えた第2の外板材19の上部30を複数用意して、適宜交換してもよい。
【0055】
また、操作部17の固定ハンドル55及び可動ハンドル57の形状は、
図10に示すように湾曲していても、その他の形状でも良いものとする。
【0056】
本発明は上記各実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において種々の変形実施が可能である。保持部の形状、切断刃の形状等は適宜変更可能である。