(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、
図1〜
図7を参照して、圧縮空気乾燥システムの一実施形態について説明する。
図1に示すように、圧縮空気乾燥システムは、第1のオイルミストセパレータ11及び第2のオイルミストセパレータ12と、エアドライヤ13とを備えている。第1のオイルミストセパレータ11及び第2のオイルミストセパレータ12はいずれもオイルミストを捕捉するためのフィルタを備え、エアドライヤ13は、水分を捕捉する乾燥剤と、オイルミストを捕捉するフィルタとを備えている。
【0022】
第1のオイルミストセパレータ11は、その入口11aが、コンプレッサ15の排出口に接続され、出口11bが、第2のオイルミストセパレータ12に接続されている。第2のオイルミストセパレータ12は、その入口12aが、第1のオイルミストセパレータ11に接続され、出口12bが、エアドライヤ13に接続されている。エアドライヤ13は、その入口13aが、第2のオイルミストセパレータ12に接続され、出口13bが、エアタンク16に接続されている。
【0023】
第1のオイルミストセパレータ11と第2のオイルミストセパレータ12の間、第2のオイルミストセパレータ12とエアドライヤ13の間には、チェックバルブ14が設けられている。チェックバルブ14は、コンプレッサ15からエアタンク16へ向かう圧縮空気の流れに対して逆方向となる流れを規制する。
【0024】
エアドライヤ13の出口13bは逆止弁17を備えている。この逆止弁17が開くと、エアタンク16に圧縮乾燥空気が供給され、この逆止弁17が閉じると、エアタンク16への圧縮乾燥空気の供給が遮断される。例えば、エアタンク16内の圧力が遮断設定値Pmaxよりも低いときに逆止弁17は開き、エアタンク16内の圧力が遮断設定値Pmaxまで上昇すると逆止弁17は閉じる。
【0025】
圧縮空気を乾燥するロード運転時においてエアタンク16内の圧力が遮断設定値Pmaxに到達するまでは、コンプレッサ15から送られた圧縮空気は、流路10を通じて、第1のオイルミストセパレータ11、第2のオイルミストセパレータ12の順に流れる。この段階で、圧縮空気に含まれるオイルミストが捕捉される。第2のオイルミストセパレータ12から排出された圧縮空気は、エアドライヤ13に流入する。圧縮空気がエアドライヤ13内を通過することによって、水分及びオイルミストが捕捉される。エアドライヤ13から排出された圧縮乾燥空気は、エアタンク16に貯留される。エアタンク16に貯留された圧縮乾燥空気は例えばエアブレーキ系統の各種機器の作動に利用される。
【0026】
第1のオイルミストセパレータ11、第2のオイルミストセパレータ12、及びエアドライヤ13は、ドレン口11c、12c、13cをそれぞれ備えている。ドレン口11c、12c、13cには、第1のドレンバルブ装置11d,第2のドレンバルブ装置12d,及び第3のドレンバルブ装置13dがそれぞれ設けられている。
【0027】
オイルミストセパレータ11,12のフィルタとエアドライヤ13の乾燥剤等を再生するアンロード運転の際は、第1のドレンバルブ装置11d及び第2のドレンバルブ装置12dが開いて、オイル及び圧縮空気を含むドレンがドレン口11c、12cから排出される。また、第3のドレンバルブ装置13dが開いて、水分、オイル及び圧縮空気を含むドレンがドレン口13cから排出される。
【0028】
エアドライヤ13は、空気圧力信号を出力する調圧器であるプレッシャガバナ20を備えている。このプレッシャガバナ20は、エアタンク16の圧力を検知して、エアタンク16の圧力が遮断設定値Pmaxまで上昇すると、アンロード信号を供給して、第3のドレンバルブ装置13dを開き、エアタンク16の圧力が、供給開始設定値Pminまで下降すると、アンロード信号の供給を停止して、第3のドレンバルブ装置13dを閉じる。
【0029】
プレッシャガバナ20は、信号供給路21を通じて、第2のドレンバルブ装置12d、及び第1のドレンバルブ装置11dにも接続されている。プレッシャガバナ20からアンロード信号が供給されると、信号供給路21を通じて、第2のドレンバルブ装置12d、及び第1のドレンバルブ装置11dにもアンロード信号が供給され、第1のドレンバルブ装置11d及び第2のドレンバルブ装置12dが開かれる。
【0030】
本実施形態では、上記信号供給路21は、コンプレッサ15にも接続されている。コンプレッサ15は、アンロード信号を入力すると、圧縮空気を供給し続けるモードから、空転等により圧縮空気の供給を停止するモードに移行する。
【0031】
さらに、エアドライヤ13には、パージタンク22が接続されている。パージタンク22は、プレッシャガバナ20がアンロード信号を供給した際に、エアドライヤ13の乾燥剤よりも上流に向かって圧縮乾燥空気を供給する。
【0032】
オイルミストセパレータ11,12に設けられたフィルタ、エアドライヤ13に設けられた乾燥剤及びフィルタを再生するためアンロード運転が、所定のタイミングで行われる。本実施形態では、エアタンク16内の圧力が遮断設定値Pmaxに到達したタイミングでアンロード運転が行われる。アンロード運転では、第1のドレンバルブ装置11d、第2のドレンバルブ装置12d、及び第3のドレンバルブ装置13dが開かれて、フィルタや乾燥剤から除去した水分やオイルを含むドレンが排出されることにより、フィルタや乾燥剤が再生される。
【0033】
(オイルミストセパレータ)
次に、
図2を参照して、オイルミストセパレータ11,12の構成の一例について説明する。なお、本実施形態において、第1のオイルミストセパレータ11、第2のオイルミストセパレータ12は、一部を除き同じ構成であるため、ここでは第1のオイルミストセパレータ11についてその構成を説明する。
【0034】
図2に示すように、オイルミストセパレータ11は、ベース31と、フィルタ収容部32を備えている。ベース31の側面には、圧縮空気が流入する入口11aと、圧縮空気を排出する出口11bとが設けられている。また、ベース31の内部には、下部が開口した収容室36が形成されている。収容室36には、第1のドレンバルブ装置11dが設けられている。第1のドレンバルブ装置11dの下方には、円筒状の排気管37が取り付けられている。排気管37の出口であるドレン口11cは、大気に開放されている。またベース31には、信号供給路21と収容室36とを連通する連通孔39が形成されている。さらに収容室36には、筒部47が設けられ、その内側の空間は、連通孔39を介して信号供給路21に連通されている。
【0035】
第1のドレンバルブ装置11dは、空気圧によって開閉するバルブ装置であって、ドレン弁40と台座41とを備えている。ドレン弁40は、上部に第1の弁部45、下部に第2の弁部46を備え、台座41に対して摺動可能に支持されている。第1の弁部45は、筒部47の内側に収容され、第1の弁部45の上面と筒部47の内側面とによって、連通孔39からの空気が一時貯留される空気室50が構成される。さらに、筒部47に設けられた段差は、第1の弁部45が着座する第1の弁座51として機能する。
【0036】
台座41には、排出路52が貫通形成されている。排出路52の出口は、ドレン口11cに接続されている。また、台座41の上面に形成された凹部には、付勢ばね55が挿入されている。付勢ばね55は、ドレン弁40と台座41との間に介在することにより、ドレン弁40を、第1の弁座51に着座する全閉位置に付勢する。
【0037】
排出路52の出口が形成された台座41の底面は、第2の弁部46が着座する第2の弁座として機能する。空気室50に圧縮空気が供給されると、付勢ばね55の付勢力に抗してドレン弁40が押し下げられ、第1の弁部45が第1の弁座51から離間するとともに、第2の弁部46が第2の弁座から離間する。この際、第1の弁部45の底面が、台座41の上面に当接することによりドレン弁40の下方への移動が規制され、ドレン弁40は全開位置に配置される。
【0038】
ところで、第1のドレンバルブ装置11d、第2のドレンバルブ装置12dは、ドレン弁40の開弁に要する空気圧(押圧力)が、コンプレッサ15に近い第1のオイルミストセパレータ11の方が小さくなるように調整されている。本実施形態では、その調整が、第1のドレンバルブ装置11d及び第2のドレンバルブ装置12dの付勢ばね55の構成を変えることによってなされている。例えば、第1のオイルミストセパレータ11のドレン弁40が第2のオイルミストセパレータ12のドレン弁40よりも早く開き始めるように、付勢ばね55のばね定数等が調整されている。
【0039】
次に、第1のオイルミストセパレータ11のフィルタ収容部32について説明する。フィルタ収容部32は、内カバー56、オイルミストを捕捉するフィルタ57、外カバー58、及びカバー固定部59を備える。外カバー58は、有底筒状をなし、カバー固定部59に固定される。外カバー58内周面、カバー固定部59、及び内カバー56により区画された空間は、圧縮空気を溜める貯留室60として機能する。
【0040】
フィルタ57は、有底筒状の内カバー56によって覆われている。フィルタ57は、アルミ等の金属材が圧縮された材料からなり、その内側に、圧縮空気が通過する細かい流路が形成されている。この細かい流路に圧縮空気を通過させて、金属表面と圧縮空気とを衝突させながら空気の流れを細かく変えることで、圧縮空気に含まれるオイルミストがフィルタ57に捕捉される。なお、フィルタ57は、オイルミストを捕捉する機能を備えていれば、金属圧縮材以外の材料を用いてもよい。例えば、金属の線材を圧縮したワイヤーメッシュ、ガラス含有不職布、樹脂含有不職布、樹脂性スポンジ等を用いることができる。また、フィルタ57は、上述したようにオイルミストとフィルタとの衝突によってオイルミストを捕捉するタイプのフィルタであってもよいし、オイルミストとフィルタとの間に生じる静電気力等、その他の物理的又は化学的作用によってオイルミストを捕捉するタイプのフィルタであってもよい。
【0041】
フィルタ57の上面と内カバー56との間には、円盤状のパンチングメタル61が設けられている。また、内カバー56の上壁部には、フィルタ57に圧縮空気を流入させるための通気孔62が多数形成されている。なお、このパンチングメタル61は、別の位置への設置等により、必要に応じて省略可能である。
【0042】
フィルタ57を収容した内カバー56は、カバー固定部59に対してボルト63等によって固定される。またフィルタ57とカバー固定部59との間には、ばね座64を介して、圧縮ばね65が設けられている。この圧縮ばね65は、フィルタ57の内カバー56からの脱落を防止している。また、ばね座64には、孔部66が貫通形成されている。
【0043】
またカバー固定部59には、ベース31の収容室36と、フィルタ収容部32とを連通する入口側貫通孔67と、貯留室60と出口11bとを連通する出口側貫通孔68が形成されている。フィルタ57を収容した内カバー56と、外カバー58とが固定されたカバー固定部59は、ボルト63によってベース31に固定される。
【0044】
次に、
図2及び
図3を参照して、前述のように構成されたオイルミストセパレータ11,12の動作について説明する。
まず
図2を参照して、オイルミストセパレータ11,12のロード運転時の動作について説明する。入口11aを介して流入した圧縮空気は、収容室36を介して、カバー固定部59に形成された入口側貫通孔67、ばね座64に形成された孔部66を順に通過し、フィルタ57に流入する。フィルタ57内では、上述したように圧縮空気に含まれるオイルミストが捕捉される。
【0045】
フィルタ57を通過した圧縮空気は、内カバー56の通気孔62を通過して、貯留室60に供給される。貯留室60内の圧縮空気は、カバー固定部59の出口側貫通孔68を介して、出口11bから排出される。
【0046】
上述したように、第1のオイルミストセパレータ11から排出された圧縮空気は、さらに第2のオイルミストセパレータ12に流入し、第2のオイルミストセパレータ12のフィルタ57を通過する。従って、圧縮空気に含まれるオイル粒子は、1つのオイルミストセパレータを用いる場合に比べ、上記金属圧縮材と衝突する確率が高められるので、オイルミストの除去率が高められる。
【0047】
次に、
図3を参照して、オイルミストセパレータ11,12のアンロード運転時の動作について説明する。なお、ここではオイルミストセパレータ11,12の動作を説明し、ドレン弁40が開弁するタイミングについては後述する。
【0048】
プレッシャガバナ20によりアンロード信号が出力されると、信号供給路21を介して、空気室50に圧縮空気が供給される。空気室50に圧縮空気が貯留されることにより、その内部圧力が付勢ばね55に対応させた上限値を超えると、ドレン弁40が全閉位置から移動する。ドレン弁40が開弁されると、貯留室60内に溜まった圧縮空気が、フィルタ57を上方から下方へ向かって勢いよく流れて、フィルタ57内に捕捉されたオイルをフィルタ57の下流へ排出する。圧縮空気及びオイルを含むドレンは、第1の弁部45に形成された上記連通溝や、台座41に形成された排出路52等を介して、ドレン口11cから排出される。
【0049】
そして、プレッシャガバナ20によりアンロード信号の出力が停止されると、空気室50から圧縮空気が排出され、付勢ばね55の付勢力により、ドレン弁40は全閉位置に配置される。
【0050】
(エアドライヤ)
次に、
図4を参照して、エアドライヤ13の構成の一例について説明する。
エアドライヤ13は、乾燥剤収容部70と、乾燥剤収容部70を支持する支持ベース71とを備えている。支持ベース71の側部には、入口13a及び出口13b(
図1参照)が設けられている。また、支持ベース71には、プレッシャガバナ20、ドレン口13cが設けられている。
【0051】
エアドライヤ13の出口13bには、空気圧によって開閉する逆止弁17(
図1参照)が設けられている。また、支持ベース71の上側中央に設けられた内側円筒部75と、上側外縁部に設けられた外側円筒部76との間の空間は、入口13aから流入した圧縮空気を溜める上流側貯留室80として機能する。
【0052】
ドレン口13cには、第3のドレンバルブ装置13dが収容されるとともに、排気管77が装着されている。また支持ベース71には、空間78が形成されている。この空間78は、信号供給路21に通じる通路に連通されている。プレッシャガバナ20は、支持ベース71に形成された連通路79を介して空間78にアンロード信号を出力することによって、信号供給路21に圧縮空気を供給することが可能となっている。
【0053】
第3のドレンバルブ装置13dは、ドレン口13cを開閉するための弁体81と、弁体81を移動させるピストン82とを備えている。弁体81は、ピストン82と一体に移動するとともに、第3のドレンバルブ装置13dの弁座83に着座するように設置されている。ピストン82は、空間78を閉蓋する状態で設置されるとともに、付勢ばね84によって上方に付勢されている。プレッシャガバナ20から空間78に圧縮空気が供給されて、空間78の圧力が所定の圧力になると、ピストン82が押し下げられる。ピストン82とともに弁体81が押し下げられると、弁体81が弁座83から離間してドレン口13cが開く。一方、空間78から空気が排出されると、ピストン82が弁体81とともに付勢ばね84によって押し上げられる。弁体81が弁座83に着座すると、ドレン口13cが閉じられる。
【0054】
なお、アンロード運転時には、第3のドレンバルブ装置13dの弁体81は、ピストン82の構成及び形状や、付勢ばね84の付勢力等により、第1のオイルミストセパレータ11のドレン弁40及び第2のオイルミストセパレータ12のドレン弁40よりも、遅いタイミングで開き始めるようになっている。
【0055】
乾燥剤収容部70は、支持ベース71に向かって開口する開口部を有する有底筒状の外側ケース85と、外側ケース85の開口部を閉蓋するとともに、支持ベース71に装着される取付板86とを備えている。外側ケース85の内部には、乾燥剤87が充填された円筒形状の乾燥容器88が収容されている。この乾燥剤収容部70は、取付板86に形成された貫挿孔89に、支持ベース71の内側円筒部75を螺着することにより、乾燥剤収容部70内と支持ベース71内の流路とを連通させた状態で、支持ベース71に装着される。
【0056】
乾燥容器88内に充填された粒状の乾燥剤87は、不織布等の繊維フィルタ90を介して、上部プレート91と下部プレート92とによって挟まれている。外側ケース85の内部には、圧縮ばね93が設置されている。圧縮ばね93は、上部プレート91を下部プレート92へ向けて付勢している。上部プレート91及び下部プレート92には、複数の小径孔91a、92aが形成されている。
【0057】
また外側ケース85の内部空間には、オイル吸着材95が収容されている。本実施形態では、オイル吸着材95は、耐油性、耐熱性、及び耐湿性を有するスポンジからなる。なお、オイル吸着材95は、オイルミストを吸着できれば、ほかのフィルタでもよいが、本実施形態では、オイルミストセパレータ11,12のフィルタ57と異なる材料とする。材料を異ならせることで、オイルミストの除去率を高めることが可能となる。例えば、金属圧縮材は、比較的大径のオイル粒子の捕捉効率がよく、オイル吸着材95は、比較的小径のオイル粒子の捕捉効率がよい。このため、これらを組み合わせることで、圧縮空気から除去されるオイル粒子の粒径の幅を拡大することができる。
【0058】
次に、
図4及び
図5を参照して、エアドライヤ13の動作について説明する。
まず、
図4を参照して、ロード運転時の動作について説明する。ロード運転時には、出口13bの逆止弁17が開かれるとともに、第3のドレンバルブ装置13dが閉じられている。第2のオイルミストセパレータ12から入口13aを介して流入した圧縮空気は、上流側貯留室80内に導入される。この圧縮空気は、取付板86に形成された孔96から、オイル吸着材95に流入する。圧縮空気に含まれるオイルミストは、オイル粒子及びオイル吸着材95との間に発生する静電気力等によって、オイル吸着材95に捕捉される。また、オイルミストは、オイル吸着材95だけでなく、繊維フィルタ90においても吸着される。
【0059】
オイル吸着材95を通過した圧縮空気は、外側ケース85と乾燥容器88との間の隙間を経由し、上部プレート91の小径孔91aを通じて、乾燥剤87に流入する。圧縮空気は乾燥剤87と接触することにより水分が除去され、出口13bから排出されて、エアタンク16に供給される。このとき、パージタンク22にも圧縮乾燥空気の一部が供給される。
【0060】
次に
図5を参照して、アンロード運転時の動作について説明する。出口13bに設けられた逆止弁17(
図1参照)は、エアタンク16の圧力が遮断設定値Pmaxに達すると閉じられる。また、プレッシャガバナ20からアンロード信号が出力されて、空間78の圧力が上昇し、第3のドレンバルブ装置13dが開かれる。このように出口13bが閉じられ、第3のドレンバルブ装置13dが開かれると、乾燥剤87よりも下流にある圧縮乾燥空気に加え、パージタンク22から送られた圧縮乾燥空気が、勢いよく乾燥剤87に流入し、圧縮乾燥空気が乾燥剤87、繊維フィルタ90、及びオイル吸着材95と接触することで、乾燥剤87、繊維フィルタ90、及びオイル吸着材95が再生される。繊維フィルタ90及び乾燥剤87を通過した圧縮空気は、ロード運転時とは逆の方向に流れてオイル吸着材95を通過して水分及びオイルを含むドレンとしてドレン口13cから排出される。
【0061】
コンプレッサ15からの圧縮空気の供給による空気圧が低下し、プレッシャガバナ20のアンロード信号の出力が停止されると、空間78から空気が排出され、第3のドレンバルブ装置13dは、付勢ばね84の付勢力によってドレン口11cを閉じる。そしてエアドライヤ13は、アンロード運転からロード運転に移行する。
【0062】
(圧縮乾燥システムのアンロード運転)
次に、
図6及び
図7を参照して、圧縮乾燥システムのアンロード運転について、その動作とともに説明する。
【0063】
図6に示すように、エアタンク16内の圧力が遮断設定値Pmaxに到達すると、上述したように、エアドライヤ13の逆止弁17が閉じるとともに、プレッシャガバナ20からアンロード信号が出力される。アンロード信号は、エアドライヤ13の空間78と、信号供給路21とに送られる。
【0064】
コンプレッサ15にアンロード信号が出力されると、コンプレッサ15は空転モードになり、圧縮空気の供給を停止する。
アンロード信号の出力により、エアドライヤの空間78と、第1のオイルミストセパレータ11の空気室50、第2のオイルミストセパレータ12の空気室50とに圧縮空気が供給される。上述したように第1のドレンバルブ装置11dは、第2のドレンバルブ装置12dよりも、低い空気圧で開き始めるように調整されているため、まず第1のドレンバルブ装置11dが開き始め、ドレン口11cが大気に開放される。このため、第1のオイルミストセパレータ11の貯留室60の圧縮空気は、フィルタ57を勢い良く通過して、フィルタ57に捕捉されたオイルをフィルタ57の下流に排出し、ドレンとしてドレン口11cから排出する。
【0065】
第1のドレンバルブ装置11dが開き始めたとき、第2のオイルミストセパレータ12内には圧縮空気が貯留されているが、第1のオイルミストセパレータ11及び第2のオイルミストセパレータ12の間のチェックバルブ14により、第2のオイルミストセパレータ12から第1のオイルミストセパレータ11に向かう圧縮空気の逆流は防がれる。このため、第2のオイルミストセパレータ12は、圧縮空気を貯留した状態を維持できる。
【0066】
第1のオイルミストセパレータ11の第1のドレンバルブ装置11dが開いた後、第2のオイルミストセパレータ12の第2のドレンバルブ装置12dが開く。このとき、第2のオイルミストセパレータ12の入口12aの圧力は、第1のオイルミストセパレータ11の内部の圧力よりも高く維持されているので、第2のオイルミストセパレータ12内の圧縮空気は、フィルタ57内を通過して、フィルタ57によって捕捉されたオイルをその下流に排出する。そして、圧縮空気及びオイルを含むドレンは、ドレン口12cから排出される。
【0067】
最後に、エアドライヤ13の第3のドレンバルブ装置13dが開くと、エアドライヤ13内の圧縮乾燥空気は、乾燥剤87及びオイル吸着材95を順に通過して、水分やオイルを含むドレンとしてドレン口13cから排出される。
【0068】
図7を参照して、第1のドレンバルブ装置11d、第2のドレンバルブ装置12d及び第3のドレンバルブ装置13dが開くタイミングについて説明する。プレッシャガバナ20からアンロード信号が出力されると、コンプレッサ15に近い方の第1のドレンバルブ装置11dが開き始める。その後に、第2のドレンバルブ装置12dが開き始める。また第2のドレンバルブ装置12dが開いた後に、第3のドレンバルブ装置13dが開き始める。そして、プレッシャガバナ20がアンロード信号の出力を停止すると、第1のドレンバルブ装置11d、第2のドレンバルブ装置12d及び第3のドレンバルブ装置13dが閉じられる。
図7では、ドレンバルブ装置11d、12d、13dは同時に閉じるが、ドレンバルブ装置11d、12d、13dはドレン量等に応じて異なるタイミングで閉じてもよい。即ち、第1のドレンバルブ装置11d、第2のドレンバルブ装置12d及び第3のドレンバルブ装置13dが閉じられるタイミングは、コンプレッサ15に近い順番でなくてもよい。
【0069】
ところで、第1のドレンバルブ装置11dの付勢ばね55、第2のドレンバルブ装置12dの付勢ばね55の付勢力を同じにした場合には、アンロード信号が到達する順、即ちプレッシャガバナ20に近い第2のドレンバルブ装置12dから開き始める。第1のドレンバルブ装置11dよりも第2のドレンバルブ装置12dが先に開くと、第2のオイルミストセパレータ12のドレン口12cが先に大気に開放されるため、第1のドレンバルブ装置11d内の圧縮空気が、チェックバルブ14を介して、第2のオイルミストセパレータ12に向かって排出される。その結果、第1のドレンバルブ装置11dが開いても、第1のオイルミストセパレータ11内の圧縮空気が不足し、アンロード運転によるフィルタの再生効果が低下してしまう。
【0070】
これに対し、本実施形態では、上述したように、第1のドレンバルブ装置11dは、第2のドレンバルブ装置12dよりも、低い空気圧で開き始めるように調整されている。このため、第1のオイルミストセパレータ11及び第2のオイルミストセパレータ12の両方のアンロード運転における再生機能を維持することができる。
【0071】
前段の第1のオイルミストセパレータ11で高温の圧縮空気に含有されるオイルミストを捕捉し、後段の第2のオイルミストセパレータ12で温度が低下した圧縮空気内で凝縮したオイルミストを捕捉できる。また、例え、第1のオイルミストセパレータ11を通過する圧縮空気の温度と、第2のオイルミストセパレータ12を通過する圧縮空気の温度との間に差がなくても、圧縮空気は2回に亘ってオイルミストが除去されるので、オイルミストセパレータ11,12を並列接続する場合に比べ、オイルミストの除去率を高めることができる。
【0072】
さらに、並列接続した場合には、各オイルミストセパレータ11,12に流入する空気流量が比較的少量となるため、分岐数に応じてこれらのバルブ装置の構成を変更しなければならないが、直列接続する場合には、バルブ装置の構成を変更することなく圧縮空気乾燥システムに搭載することができる。
【0073】
以上説明したように、本実施の形態にかかる圧縮空気乾燥システムによれば、以下の効果が得られるようになる。
(1)コンプレッサ15とエアドライヤ13との間の流路に、第1のオイルミストセパレータ11及び第2のオイルミストセパレータ12が接続されているので、圧縮空気に含まれるオイルミストの除去率を高めることができる。
【0074】
(2)オイルミストセパレータ11,12は直列に接続されているので、圧縮空気は、オイルミストセパレータ11,12を連続して通過する。このため、オイルミストセパレータ11,12を並列に接続する場合に比べ、さらなるオイルミストの除去率の向上を図ることができる。
【0075】
(3)第1のドレンバルブ装置11d及び第2のドレンバルブ装置12dは、エアドライヤ13のプレッシャガバナ20に接続されるので、エアドライヤ13のプレッシャガバナ20のアンロード信号によって、第1のドレンバルブ装置11d及び第2のドレンバルブ装置12dを開くことができる。このため、第1のドレンバルブ装置11d及び第2のドレンバルブ装置12dを開閉するための装置が共有されるので、オイルミストセパレータ11,12を小型化することができる。
【0076】
(4)第1のドレンバルブ装置11dの付勢ばね55は、第2のドレンバルブ装置12dの付勢ばね55よりも、その付勢力が小さいので、プレッシャガバナ20からアンロード信号が送られたとき、第1のドレンバルブ装置11dが開き始める。第2のドレンバルブ装置12dが開く前に、第2のオイルミストセパレータ12内の圧力が著しく低下しないので、アンロード運転時のフィルタ57の再生機能を維持することができる。
【0077】
上記実施形態は、以下のように変更することもできる。
・
図8及び
図9に示すように、オイルミストセパレータは、オイルミストを除去するフィルタを備える構成であれば、他の構成であってもよい。
図8に示すように、このオイルミストセパレータは、フィルタ57内に障壁部110を備え、フィルタ57が、第1のフィルタ57a及び第2のフィルタ57bに分割されている点で、上記各実施形態のオイルミストセパレータ11,12と異なる。障壁部110は、円盤状の上壁部111と、上壁部111を支持する円筒状の側壁部112を備える。側壁部112には、複数の通気孔113が貫通形成されている。第1のフィルタ57aは、内カバー56と障壁部110との間に設けられ、第2のフィルタ57bは、障壁部110内に設けられている。また、第1のフィルタ57aと第2のフィルタ57bとは、異なる密度を有している。例えば、第1のフィルタ57aの密度を、第2のフィルタ57bの密度よりも高くすると、比較的粒径の小さいオイル粒子を第1のフィルタ57aで捕捉でき、第2のフィルタ57bの密度よりも低くすると、比較的粒径が大きいオイル粒子を第1のフィルタ57aで捕捉できる。ロード運転の際には、入口11aから流入した圧縮空気は、収容室36等を介して、第2のフィルタ57b内に流入する。第2のフィルタ57b内に流入した圧縮空気は、上壁部111や側壁部112に衝突することで進行方向を変えつつ、通気孔113から第1のフィルタ57aに流入する。第1のフィルタ57a内を通過した圧縮空気は、内カバー56の通気孔62を通過して、貯留室60に供給される。このように、障壁部110を設けることで、圧縮空気がフィルタ57内を通る距離(時間)が増加するので、オイル粒子との慣性衝突との機会が増えることとなり、オイルミストの除去率を高めることができる。また、第1のフィルタ57aと第2のフィルタ57bとを異なる密度とすることにより、たとえば二峰性の粒径分布、多峰性の粒径分布、またはブロードな粒径分布を持ったオイルミストの除去率を高めることができる。また、
図9に示すように、アンロード運転の際にドレン弁40が開弁されると、貯留室60内に溜まった圧縮空気が、フィルタ57を上方から下方へ向かって勢いよく流れて、フィルタ57内に捕捉されたオイルをフィルタ57の下流へ排出する。このように、障壁部110を設けることで、圧縮空気がフィルタ57内を通る距離(時間)が増加するので、再生能力も高めることができる。第1のフィルタ57aは外側またはシェルフィルタと呼ぶことがあり、第2のフィルタ57bは内側またはコアフィルタと呼ぶことがある。なお、第1のフィルタ57a及び第2のフィルタ57bは、フィルタのオイル捕捉性能等に応じて、同じ密度にすることも可能である。さらに、圧縮空気乾燥システムとしては、同じ構成のオイルミストセパレータを接続してもよいし、異なる構成のオイルミストセパレータを接続してもよい。
【0078】
・コンプレッサ15と第1のオイルミストセパレータ11との間に逆止弁を設けてもよい。このようにすると、アンロード運転の際に、第1のオイルミストセパレータ11の入口の圧力をより高く設定することも可能である。
【0079】
・
図10に示すように、圧縮空気乾燥システムは、第1のオイルミストセパレータ11とコンプレッサ15との間の流路に設けられて当該流路を開閉する弁装置101を備えてもよい。この弁装置101は、信号供給路21に接続され、プレッシャガバナ20のアンロード信号の出力によって閉じ、アンロード信号の出力が停止された際に、コンプレッサ15から送られる圧縮空気によって開く。このような構成によれば、コンプレッサ15が常に圧縮空気を供給するようなモードにおいて、アンロード運転時には、第1のオイルミストセパレータ11に向かって圧縮空気が送られることを抑制することができる。なお、コンプレッサ15から圧縮空気を送り続けるモードや、コンプレッサの空転モードは、例えば圧縮空気乾燥システムが接続されるエア系統や、コンプレッサ15に接続される内燃機関の状態等に応じて適宜選択される。
【0080】
・コンプレッサ15は、アンロード運転の際にも、圧縮空気の供給を継続するものであってもよい。
・上記実施形態では、信号供給路21をコンプレッサ15に接続して、アンロード信号によりコンプレッサ15を制御したが、コンプレッサ15は信号供給路21と接続されず、アンロード信号により制御されない態様であってもよい。
【0081】
・
図11に示すように、第1のオイルミストセパレータ11及び第2のオイルミストセパレータ12は、鉛直方向の高さ位置が異なるように配置されてもよい。例えば、一方のオイルミストセパレータを他方のオイルミストセパレータの下方に好ましくは真下に配置することによって圧縮空気乾燥システムの水平寸法すなわちフットプリントを小さくすることができる。3つ以上のオイルミストセパレータを鉛直方向に整列してもよい。水平方向のスペースが制限される車両において、特に効果を発揮する。
【0082】
・
図12に示すように、第1のオイルミストセパレータ11及び第2のオイルミストセパレータ12は、並列に接続されてもよい。例えば、コンプレッサ15に接続された空気供給流路は2つに分岐し、この分岐した空気供給流路の途中に、第1のオイルミストセパレータ11及び第2のオイルミストセパレータ12がそれぞれ設けられる。両空気供給流路は、第1のオイルミストセパレータ11及び第2のオイルミストセパレータ12の下流で合流し、エアドライヤ13に接続する。また、プレッシャガバナ20とコンプレッサ15とを連通する信号供給路21は、第1のオイルミストセパレータ11の第1のドレンバルブ装置11d、及び第2のオイルミストセパレータ12の第2のドレンバルブ装置12dに連通し、アンロード信号を送ることが可能となっている。なお、
図12では、2つ以上のオイルミストセパレータを並列に接続したが、3つ以上のオイルミストセパレータを並列に接続してもよい。
【0083】
・プレッシャガバナ20は、エアドライヤ20以外に設けられてもよい。
・上記実施形態では、第1のドレンバルブ装置11d及び第2のドレンバルブ装置12dを開弁するために要する押圧力をコンプレッサ15に近い方から小さくするために、付勢ばね55の構成を変更した。これ以外に、例えば、第1のドレンバルブ装置11dのドレン弁40の大きさ及び重さを、第2のドレンバルブ装置12dのドレン弁40の大きさ及び重さよりも小さくしてもよい。このようにしても、第1のドレンバルブ装置11d及び第2のドレンバルブ装置12dを開弁するために要する押圧力をコンプレッサ15に近い方から小さくすることが可能である。
【0084】
・上記実施形態では、エアドライヤ13とコンプレッサ15との間に2つのオイルミストセパレータ11,12を直列に接続したが、3つ以上のオイルミストセパレータを直列に接続してもよい。この態様にあっても、隣接するオイルミストセパレータの間、オイルミストセパレータとエアドライヤ13との間にはチェックバルブ14を設け、コンプレッサ15に近い上流のオイルミストセパレータからドレンバルブ装置が開きはじめるようにする。
【0085】
・エアドライヤ13とコンプレッサ15との間に、並列に接続した複数のオイルミストセパレータ(並列回路)と、それらのオイルミストセパレータに直列に接続した1乃至複数のオイルミストセパレータとを設けてもよい。例えば、圧縮空気乾燥システムは、並列に接続されたオイルミストセパレータと直列に接続されたオイルミストセパレータとの両方を有していてもよい(いわゆる直並列回路)。並列に接続したオイルミストセパレータは、直列に接続したオイルミストセパレータの上流と下流のいずれか一方または両方に設けてもよい。
【0086】
・上記実施形態では、オイルミストセパレータ11,12のフィルタ57と、エアドライヤ13のオイル吸着材95とを異なる材料としたが、オイルミストの除去率が所望の割合に到達すれば、同じ材料としてもよい。
【0087】
・オイルミストセパレータ11,12は、入口、出口、ドレン口、ドレンバルブ装置、及びオイルミストを捕捉可能なフィルタを備える構成であればよく、上述した構成及び形状のもの以外であってもよい。
【0088】
・エアドライヤ13は、入口、出口、ドレン口、ドレンバルブ装置、乾燥剤、及びプレッシャガバナを備える構成であればよく、上述した構成及び形状のもの以外であってもよい。
【0089】
・オイルミストセパレータ11,12は、フィルタ57によってオイルミストを捕捉するタイプのものでなく、熱交換や遠心分離等により圧縮空気内に含まれるオイルミストを分離する、フィルタレスタイプのものであってもよい。このタイプのオイルミストセパレータは、分離した液状のオイルをタンクに溜めるため、フィルタを再生するアンロード運転は不要となるが、このタイプのオイルミストセパレータを直列に接続すると、流入する空気流量が著しく低下しないので、オイルを分離する性能の低下を抑制することができる。また、本実施形態のオイルミストセパレータと、フィルタレスタイプのオイルミストセパレータとを組み合わせて用いてもよい。
【0090】
・上記実施形態及び他の実施形態では、エアドライヤ13に圧縮空気を供給するパージタンク22を設けたが、エアドライヤ13単独でも、アンロード運転時の吐出圧が十分確保できれば、パージタンク22は省略可能である。
【0091】
・上記実施形態では、エアドライヤ13及びオイルミストセパレータ11,12に、空気圧によって開閉するドレンバルブ装置を設けたが、通電及び非通電により開閉弁する電磁弁を設けてもよい。そして、アンロード運転の際には、コンプレッサ15に近い方のオイルミストセパレータ11,12から電磁弁を開くようにしてもよい。
【0092】
本開示には以下の実施例が包含される。
[付記1]圧縮空気流を生成するコンプレッサと前記コンプレッサの下流のエアタンクとの間の流路に配置される圧縮空気乾燥システムにおいて、
前記流路に配置され、圧縮空気流に含まれる水分を除去するエアドライヤと、
前記エアドライヤの上流に配置され、前記圧縮空気流に含まれるオイルミストを捕捉する複数のオイルミストセパレータと、
を備える圧縮空気乾燥システム。
【0093】
[付記2]前記流路は、少なくとも2つのオイルミストセパレータによって形成されるオイルミストセパレータ直列回路を含む付記1に記載の圧縮空気乾燥システム。
[付記3]前記流路は、少なくとも2つのオイルミストセパレータによって形成されるオイルミストセパレータ並列回路を含む付記1に記載の圧縮空気乾燥システム。
【0094】
[付記4]前記流路は、少なくとも2つのオイルミストセパレータによって形成されるオイルミストセパレータ並列回路と、当該並列回路に接続される少なくとも1つのオイルミストセパレータとを含む直並列回路を含む付記1に記載の圧縮空気乾燥システム。
【0095】
[付記5]前記複数のオイルミストセパレータのうちの一つは別のオイルミストセパレータの下方に配置される付記1〜4のいずれか一つに記載の圧縮空気乾燥システム。
[付記6]前記複数のオイルミストセパレータは鉛直方向に整列される付記1〜5のいずれか一つに記載の圧縮空気乾燥システム。
【0096】
[付記7]各オイルミストセパレータは、コアフィルタと、当該コアフィルタを包囲するシェルフィルタとを含み、前記コアフィルタと前記シェルフィルタの密度は異なる付記1〜6のいずれか一つに記載の圧縮空気乾燥システム。
【0097】
[付記8]各オイルミストセパレータは、オイルドレン口と、前記オイルドレン口に設けられるオイルドレンバルブ装置とを含み、
前記複数のオイルミストセパレータは、上流オイルミストセパレータと下流オイルミストセパレータとを含み、
前記エアタンクの圧力を検知し、設定圧力の超過を検出したときに前記複数のオイルミストセパレータの前記オイルドレンバルブ装置を開かせて、前記複数のオイルミストセパレータの前記オイルドレン口からオイルとともに圧縮空気を放出させる調圧器を備える付記1〜7のいずれか一つに記載の圧縮空気乾燥システム。
【0098】
[付記9]前記複数のオイルミストセパレータの前記オイルドレンバルブ装置は、互いに異なる閉鎖力で対応するオイルドレン口を閉じるように構成され、
前記調圧器が設定圧力の超過に応答して信号を出力したときに、前記上流オイルミストセパレータのドレン口が最初に開き、前記上流オイルミストセパレータのドレン口が開いた時点から遅延時間が経過したときに前記下流オイルミストセパレータのドレン口が開くように、前記複数のオイルミストセパレータの前記オイルドレンバルブ装置の前記所定の閉鎖力は設定される付記8に記載の圧縮空気乾燥システム。
【0099】
[付記10]各オイルドレンバルブ装置は、対応するオイルドレン口を閉じるためのばねを含み、
前記調圧器が設定圧力の超過に応答して信号を出力したときに、前記上流オイルミストセパレータのドレン口が最初に開き、前記上流オイルミストセパレータのドレン口が開いた時点から遅延時間が経過したときに前記下流オイルミストセパレータのドレン口が開くように、前記複数のオイルミストセパレータの前記オイルドレンバルブ装置の前記ばねの付勢力は設定される付記8に記載の圧縮空気乾燥システム。
【0100】
[付記11]前記調圧器は、前記複数のオイルミストセパレータ及び前記エアドライヤのうち、前記流路において最下流位置にある装置に設けられる付記8に記載の圧縮空気乾燥システム。
【0101】
[付記12]前記調圧器は、前記エアドライヤに設けられる付記11に記載の圧縮空気乾燥システム。
本発明は、例示したものに限定されるものではない。例えば、開示した特定の実施形態の全ての特徴が本発明にとって必須であると解釈されるべきでなく、本発明の主題は、開示した特定の実施形態の全ての特徴より少ない特徴に存在することがある。