【実施例】
【0038】
以下に本発明の実施例を示すが、本発明は下記実施例に限定されない。
粉末X線回折(透過型):
式(1)の化合物の結晶のX線回折データの測定は、株式会社リガク製高速イメージングプレート型X線回折装置(R−AXISVII)を使用し、−180℃下、CuKα線(50kV、90mA、λ=1.5418Å)を用いて実施した。サンプルは内径0.7mmのガラス製キャピラリーに充填し、回折像は、カメラ長300mm、振動角40°間隔、露光時間45分の条件で収集した。
回折像の周回積分処理は、株式会社リガク製 R−AXIS display softwareにより実施した(積分範囲:45〜135°)。得られた積分強度の最大値を100として、各積分強度の相対強度を算出し、回折角2θに対しプロットすることで、回折パターンを作成した。
【0039】
2−(3,5−ジメチル−1H−ピラゾール−1−イル)−5−メチルフェノール(式(1))の製造と結晶の調製
実施例1:2−(3,5−ジメチル−1H−ピラゾール−1−イル)−5−メチルフェノールの製造
1)3,5−ジメチル−1−(4−メチルフェニル)−1H−ピラゾール25.6gに脱水テトラヒドロフラン390mLを加え、窒素雰囲気下、−5〜0℃まで冷却した。2.65Mのn−ブチルリチウムのn−ヘキサン溶液78mL(1.5当量)を滴下し、−5〜0℃で1時間撹拌した。ホウ酸トリイソプロピル64mL(2.0当量)を加え、0〜10℃で30分撹拌した。10%塩化アンモニウム溶液390mLを加え、6Mの塩酸でpH=4.5に調整した後、酢酸エチル390mLで抽出し水層を除去した。有機層を15%食塩水240mLで洗浄後、有機層を120mLまで減圧下にて濃縮した。アセトン240mLを加え減圧下にて120mLまで濃縮し、2−{(3,5−ジメチル−1H−ピラゾール−1−イル)−5−メチルフェニル}ボロン酸(式(6))のアセトン溶液を得た。
2−{(3,5−ジメチル−1H−ピラゾール−1−イル)−5−メチルフェニル}ボロン酸(6)
Mass;m/z231(M+H)
+【0040】
2)1)で得た2−{(3,5−ジメチル−1H−ピラゾール−1−イル)−5−メチルフェニル}ボロン酸のアセトン溶液にアセトン330mLを加え、0〜5℃まで冷却した。0.3MのOXONE(登録商標)水溶液550mL(1.2当量)を加え、0〜25℃で20分撹拌した。10℃以下まで冷却した後、25%亜硫酸ナトリウム溶液240mLを加え、トルエン450mLを加えた。懸濁液をろ過後、6Mの塩酸でpH=5に調整し、水層を除去した。有機層を300mLまで減圧下にて濃縮し、1Mの水酸化ナトリウム溶液300mLを加え、有機層を除去した。水層をトルエン60mLで洗浄後、6Mの塩酸でpH=5に調整した。酢酸エチル300mLで抽出後、水層を除去した。有機層を水150mLで洗浄した。活性炭3gを加え15分撹拌した後、ろ過し、減圧下にて60mLまで濃縮した。2−プロパノール240mLを加え、60mLまで減圧濃縮した。2−プロパノール60mL、水60mLを加え10℃以下まで冷却し結晶を析出させた後、水180mLを加えて撹拌した。結晶をろ過し、2−プロパノールと水の混液で洗浄後、乾燥し、2−(3,5−ジメチル−1H−ピラゾール−1−イル)−5−メチルフェノールの固体21.3gを得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl
3)δ(ppm);9.62(1H,s)、7.07(1H,d,J=8.0Hz)、6.91(1H,s)、6.71(1H,d,J=8.0Hz)、6.01(1H,s)、2.37(3H,s)、2.33(3H,s)、2.29(3H,s)
Mass(ESI);m/z203(M+H)
+
粉末X線回折を測定した結果、回折ピークが観測された。この回折パターンを示す結晶形をForm Aとした。
【0041】
以下、実施例の生成物は、実施例1の
1H−NMRの分析結果と照合し、2−(3,5−ジメチル−1H−ピラゾール−1−イル)−5−メチルフェノールであることを確認した。
【0042】
実施例2:2−(3,5−ジメチル−1H−ピラゾール−1−イル)−5−メチルフェノールの製造
3,5−ジメチル−1−(4−メチルフェニル)−1H−ピラゾール278.8mgに脱水テトラヒドロフラン7mLを加え、窒素雰囲気下、0℃まで冷却した。1.64Mのn−ブチルリチウムのn−ヘキサン溶液1mL(1.1当量)を滴下し、0℃で30分撹拌した。ホウ酸トリイソプロピル0.5mL(1.5当量)を加え、0℃で1時間撹拌した。水7mL、トルエン20mLを加え、1Mの塩酸でpH=1.0に調整した後、室温で30分撹拌した。1Mの水酸化ナトリウム溶液でpH=4に調整し水層を除去した。有機層を15%食塩水10mLで洗浄後、有機層を減圧下にて濃縮し2−{(3,5−ジメチル−1H−ピラゾール−1−イル)−5−メチルフェニル}ボロン酸318mgを得た。
この2−{(3,5−ジメチル−1H−ピラゾール−1−イル)−5−メチルフェニル}ボロン酸にアセトン5mLを加え、0〜5℃まで冷却した。0.3MのOXONE(登録商標)の水溶液5mL(1.0当量)を加え、15〜25℃で35分撹拌した。10℃以下まで冷却した後、飽和亜硫酸ナトリウム溶液10mL、酢酸エチル20mLを加え、水層を除去した。有機層に飽和亜硫酸ナトリウム溶液10mL加え、水層を除去した。有機層に15%食塩水10mLを加え、水層を除去した。有機層を減圧下にて濃縮し、2−(3,5−ジメチル−1H−ピラゾール−1−イル)−5−メチルフェノールの粗生成物243mgを得た。
この2−(3,5−ジメチル−1H−ピラゾール−1−イル)−5−メチルフェノールの粗生成物207mgに2−プロパノール0.8mL、水0.4mLを加えて10℃以下まで冷却し、固体を析出させた後、水1.3mLを加えて撹拌した。固体をろ過し、2−プロパノールと水の混液で洗浄後、乾燥し、2−(3,5−ジメチル−1H−ピラゾール−1−イル)−5−メチルフェノールの結晶性固体160mgを得た。
【0043】
実施例3:2−(3,5−ジメチル−1H−ピラゾール−1−イル)−5−メチルフェノールの製造
3,5−ジメチル−1−(4−メチルフェニル)−1H−ピラゾール2.65gに脱水テトラヒドロフラン40mLを加え、窒素雰囲気下、0℃まで冷却した。1.64Mのn−ブチルリチウムのn−ヘキサン溶液13.0mL(1.5当量)を滴下し、0℃で30分撹拌した。ホウ酸トリイソプロピル6.6mL(2.0当量)を加え、0℃で1時間撹拌した。10%塩化アンモニウム溶液40mLを加え、2Mの塩酸でpH=4に調整した後、酢酸エチル53mLで抽出し水層を除去した。有機層を15%食塩水27mLで洗浄後、有機層を減圧下にて濃縮し2−{(3,5−ジメチル−1H−ピラゾール−1−イル)−5−メチルフェニル}ボロン酸3.45gを得た。
この2−{(3,5−ジメチル−1H−ピラゾール−1−イル)−5−メチルフェニル}ボロン酸にアセトン48mLを加え、0〜5℃まで冷却した。0.3MのOXONE(登録商標)の水溶液48mL(1.0当量)を加え、15〜25℃で30分撹拌した。10℃以下まで冷却した後、15%亜硫酸ナトリウム溶液40mL、トルエン40mLを加えた。懸濁液をろ過後、水層を除去した。有機層に15%食塩水27mLを加え、水層を除去した。
有機層を27mLまで減圧下にて濃縮し、1Mの水酸化ナトリウム溶液27mLを加え、有機層を除去した。水層を2Mの塩酸でpH=5に調整した。酢酸エチル27mLで抽出後、水層を除去した。有機層を水13mLで洗浄した。活性炭0.27gを加え10分撹拌した後、ろ過し、減圧下にて5mLまで濃縮した。
2−プロパノール21mLを加え、5mLまで減圧濃縮した。2−プロパノール5mL、水5mLを加え10℃以下まで冷却し固体を析出させた後、水16mLを加え撹拌した。固体をろ過して、2−プロパノールと水の混液で洗浄後、乾燥し、2−(3,5−ジメチル−1H−ピラゾール−1−イル)−5−メチルフェノールの結晶性固体2.54gを得た。
【0044】
実施例4:2−(3,5−ジメチル−1H−ピラゾール−1−イル)−5−メチルフェノールの製造
1)m−クレゾール20.070gをヘプタン200mLに溶解し、室温下でジヒドロピラン25.4mLとピリジニウムパラトルエンスルホネート446mgを加え、終夜撹拌した。この溶液に1Mナトリウムメトキシド3.8mLを加え、室温下で30分間撹拌した。この溶液に1M水酸化ナトリウム水溶液100mLを加えた後、有機層を分け取り、得られた有機層を20%食塩水で洗浄した。得られた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、乾燥剤を濾去した後、溶媒を減圧下で留去することで、2−(m−トリルオキシ)テトラヒドロ−2H−ピランの粗生成物33.497gを得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl
3)δ(ppm);7.16(1H,dd,J=7.8,7.8Hz)、6.85−6.87(2H,m)、6.80(1H,d,J=7.3Hz)、5.41(1H,dd,J=3.2,3.2Hz)、3.89−3.95(1H,m)、3.57−3.62(1H,m)、2.33(3H,s)、1.96−2.03(1H,m)、1.83−1.87(2H,m)、1.58−1.72(3H,m)
【0045】
2)1)で得た2−(m−トリルオキシ)テトラヒドロ−2H−ピランの粗生成物全量をテトラヒドロフラン670mLに溶解し、0℃にて1.6Mのn−ブチルリチウム158mLを滴下し、その温度で30分間撹拌した。この溶液にホウ酸トリイソプロピル56.3mLを0℃にて加え、さらにその温度で1時間撹拌した。この溶液に2M塩酸水150mLを加え、さらに室温下で終夜撹拌した。この溶液にイソプロピルエーテル300mLを加え、有機層を分け取った後、さらに得られた有機層を2M塩酸水150mLで洗浄した。得られた有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、乾燥剤を濾別した後、溶媒を減圧下で留去した。残渣にヘキサン500mLを加え、生じた固体をろ過、乾燥することで、(2−ヒドロキシ−4−メチルフェニル)ボロン酸の粗生成物15.197gを得た。
【0046】
3)(2−ヒドロキシ−4−メチルフェニル)ボロン酸の粗生成物20.045gとピナコール31.178gを酢酸エチル200mLに溶解し、室温下で撹拌した。溶媒を減圧下で留去し、得られた残渣を酢酸エチル100mLに溶解した。この溶液を65℃の1,3−ジメチルピラゾール63.402gと無水酢酸銅(II)23.959gをN,N−ジメチルホルムアミド400mLに溶解した溶液に滴下し、その後、室温〜65℃で撹拌した。この溶液に酢酸エチル400mLと20%食塩水400mLを加え、有機層を分け取った。得られた有機層を20%食塩水400mLで2度洗浄し、さらに15%ロッシェル塩水溶液400mLで2度洗浄した。得られた有機層に硫酸マグネシウム100g、活性炭4gを加え撹拌した後、濾過した。得られた濾液を減圧下でトルエンに溶媒置換、濃縮し、得られたトルエン溶液に1M水酸化ナトリウム水溶液400mLを加えた。水層を分け取った後、トルエン400mLで洗浄し、得られた水層に酢酸エチル400mLを加え、6M塩酸でpHを5.9に調整した。得られた有機層を減圧下で2−プロパノールに溶媒置換、濃縮した後、水を加えて固体を析出させた。得られた固体をろ過、乾燥し2−(3,5−ジメチル−1H−ピラゾール−1−イル)−5−メチルフェノールの結晶性固体18.249gを得た。
粉末X線回折を測定した結果、Form Aであることを確認した。
【0047】
実施例5:2−(3,5−ジメチル−1H−ピラゾール−1−イル)−5−メチルフェノールの製造
1)m−クレゾール10.040gを塩化メチレン100mLに溶解し、ホルムアルデヒドジメチルアセタール37mLとp−トルエンスルホン酸88mgを加え、24時間加熱還流した。この溶液に1Mナトリウムメトキシド1mLを加えた後、溶媒を減圧下で留去し、得られた残渣をヘプタン200mLで希釈し、1M水酸化ナトリウム水溶液200mLを加えた。有機層を分け取り、得られた有機層を20%食塩水200mLで洗浄し、得られた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥剤を濾去した後、減圧下で溶媒を留去することで、1−(メトキシメトキシ)−3−メチルベンゼンの粗生成物5.602gを得た。
【0048】
2)1−(メトキシメトキシ)−3−メチルベンゼンの粗生成物506mgをテトラヒドロフラン5mLに溶解し、0℃にて1.6Mのn−ブチルリチウム2.22mLを滴下し、その温度で50分間撹拌した。この溶液にホウ酸トリイソプロピル0.848mLをテトラヒドロフラン5mLに溶解した溶液を0℃にて加え、さらにその温度で2時間撹拌した。この溶液にピナコール864mgをテトラヒドロフラン5mLに溶解した溶液を0℃にて加え、室温まで昇温して撹拌した。得られた溶液を酢酸エチル30mLで希釈し、20%塩化アンモニウム水溶液30mLを加えた。有機層を分け取った後、水層を酢酸エチルで再抽出した。得られた有機層を合わせ、20%食塩水30mLで洗浄した後、得られた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥剤を濾去した後、溶媒を減圧下で留去することで、2−(2−(メトキシメトキシ)−4−メチルフェニル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロランの粗生成物1.095gを得た。
【0049】
3)2−(2−(メトキシメトキシ)−4−メチルフェニル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロランの粗生成物744mgと1,3−ジメチルピラゾール1.029g、無水酢酸銅(II)12mgを2−プロパノール12mLに溶解し、室温下で撹拌した。不溶物を濾別し、さらに不溶物を酢酸エチルで洗浄した後、溶媒を減圧下で留去した。残渣に酢酸エチルと15%ロッシェル塩水溶液を加え、有機層を分け取り、さらに得られた有機層を15%ロッシェル塩水溶液で洗浄した。溶媒を減圧下で留去し、1−(2−(メトキシメトキシ)−4−メチルフェニル)−3,5−ジメチル−1H−ピラゾールの粗生成物を得た。これを2−プロパノール4mLに溶解し、6M塩酸水を2mL加え、室温下で撹拌した。これを水で希釈し、1M水酸化ナトリウム水溶液でpHを1.3に調整した。有機層を分け取った後、さらに水層を酢酸エチルで3回抽出し、得られた有機層を定量したところ、2−(3,5−ジメチル−1H−ピラゾール−1−イル)−5−メチルフェノール144mgを得た。
【0050】
実施例6:2−(3,5−ジメチル−1H−ピラゾール−1−イル)−5−メチルフェノールの製造
m−クレゾール505mgから合成した2−(m−トリルオキシ)テトラヒドロ−2H−ピランの粗生成物をテトラヒドロフラン8.5mLに溶解した。0℃にて1.6Mのn−ブチルリチウム3.23mLを加え、室温下で終夜撹拌した。この溶液に0℃にてホウ酸トリイソプロピル1.41mLを加え、さらに室温まで昇温した。この溶液にピナコール1.103gのテトラヒドロフラン0.5mL溶液を加えた。この溶液に1,3−ジメチルピラゾール4.489gと無水酢酸銅(II)848mgを加えた。この懸濁液にさらにテトラヒドロフラン10mLと無水酢酸銅(II)848mgを加え室温下で終夜撹拌した。この懸濁液に2M塩酸水12mLと6M塩酸水6mLを加え、室温下で3時間撹拌した。不溶物を濾別し、さらに不溶物を酢酸エチルで洗浄した後、15%ロッシェル塩水溶液を加え、有機層を分け取った。さらに水層を酢酸エチルで3回抽出し、得られた有機層を定量したところ、2−(3,5−ジメチル−1H−ピラゾール−1−イル)−5−メチルフェノール212mgを得た。
【0051】
実施例7:2−(3,5−ジメチル−1H−ピラゾール−1−イル)−5−メチルフェノールの製造
(2−ヒドロキシ−4−メチルフェニル)ボロン酸の粗生成物504mgと1,3−ジメチルピラゾール1.594gをエタノール10mLに溶解し、酢酸銅(II)二水和物1.324gを加え、さらにエタノール5mLと、トリエチルアミン2.3mLをエタノール5mLに溶解したものとを加え室温下で撹拌した。酢酸エチルで希釈し、0.1MのEDTA水溶液130mLを加えた後、析出物を濾去した。有機層を分け取った後、水層を酢酸エチルで3回抽出し、得られた有機層を定量したところ、2−(3,5−ジメチル−1H−ピラゾール−1−イル)−5−メチルフェノール208mgを得た。
【0052】
実施例8:2−(3,5−ジメチル−1H−ピラゾール−1−イル)−5−メチルフェノールの製造
(2−ヒドロキシ−4−メチルフェニル)ボロン酸の粗生成物37mgと1,3−ジメチルピラゾール117mgを2−プロパノール1mLに懸濁し、ここに酢酸銅(II)二水和物97mgを加え、この懸濁液にさらに2−プロパノール1mLとトリエチルアミン0.17mLを加え室温下で撹拌した。得られた溶液を酢酸エチルで希釈し、15%ロッシェル塩水溶液を加えた。有機層を分け取った後、有機層を15%ロッシェル塩水溶液で洗浄し、得られた有機層を定量したところ、2−(3,5−ジメチル−1H−ピラゾール−1−イル)−5−メチルフェノール208mgを得た。
【0053】
実施例9:2−(3,5−ジメチル−1H−ピラゾール−1−イル)−5−メチルフェノールの製造
(2−ヒドロキシ−4−メチルフェニル)ボロン酸の粗生成物27mgと1,3−ジメチルピラゾール85mgをテトラヒドロフラン1mLに溶解し、ここに酢酸銅(II)二水和物71mgを加え、さらにテトラヒドロフラン1mLとトリエチルアミン0.12mLを加え室温下で撹拌した。酢酸エチルで希釈し、15%ロッシェル塩水溶液を加えた。不溶物を濾去し、有機層を分け取った後、水層を酢酸エチルで3回抽出し、得られた有機層を定量したところ、2−(3,5−ジメチル−1H−ピラゾール−1−イル)−5−メチルフェノール15mgを得た。
【0054】
実施例10:2−(3,5−ジメチル−1H−ピラゾール−1−イル)−5−メチルフェノールの製造
(2−ヒドロキシ−4−メチルフェニル)ボロン酸の粗生成物26mgと1,3−ジメチルピラゾール82mg、酢酸銅(II)二水和物68mgを2−プロパノール2mLに懸濁し、ジイソプロピルエチルアミン0.15mLを加え室温下で撹拌した。不溶物を濾去し、得られた有機層を定量したところ、2−(3,5−ジメチル−1H−ピラゾール−1−イル)−5−メチルフェノール14mgを得た。
【0055】
実施例11:2−(3,5−ジメチル−1H−ピラゾール−1−イル)−5−メチルフェノールの製造
(2−ヒドロキシ−4−メチルフェニル)ボロン酸の粗生成物28mgと1,3−ジメチルピラゾール177mgを2−プロパノール1mLに懸濁し、ここに酢酸銅(II)二水和物74mgと2−プロパノール1mLとジイソプロピルエチルアミン0.16mLを加え室温下で終夜撹拌した。不溶物を濾去し、得られた有機層を定量したところ、2−(3,5−ジメチル−1H−ピラゾール−1−イル)−5−メチルフェノール19mgを得た。
【0056】
実施例12:2−(3,5−ジメチル−1H−ピラゾール−1−イル)−5−メチルフェノールの製造
(2−ヒドロキシ−4−メチルフェニル)ボロン酸の粗生成物98mgと1,3−ジメチルピラゾール645mg、無水酢酸銅(II)234mgを脱水2−プロパノール4mLに懸濁し、ジイソプロピルエチルアミン0.56mLを加え、65℃で終夜撹拌した。得られた有機層を定量したところ、2−(3,5−ジメチル−1H−ピラゾール−1−イル)−5−メチルフェノール54mgを得た。
【0057】
実施例13:2−(3,5−ジメチル−1H−ピラゾール−1−イル)−5−メチルフェノールの製造
(2−ヒドロキシ−4−メチルフェニル)ボロン酸の粗生成物26mgと1,3−ジメチルピラゾール82mg、酢酸銅(II)二水和物68mgを2−プロパノール2mLに懸濁し、ジアザビシクロウンデセン0.13mLを加え室温下で撹拌した。不溶物を濾去し、得られた有機層を定量したところ、2−(3,5−ジメチル−1H−ピラゾール−1−イル)−5−メチルフェノール7mgを得た。
【0058】
実施例14:2−(3,5−ジメチル−1H−ピラゾール−1−イル)−5−メチルフェノールの製造
(2−ヒドロキシ−4−メチルフェニル)ボロン酸の粗生成物23mgと1,3−ジメチルピラゾール73mgをエタノール1mLに溶解し、ここに酢酸銅(II)二水和物60mgとエタノール1mLを加えた。ここにジイソプロピルエチルアミン0.13mLを加え室温下で終夜撹拌した。不溶物を濾去し、得られた有機層を定量したところ、2−(3,5−ジメチル−1H−ピラゾール−1−イル)−5−メチルフェノール10mgを得た。
【0059】
実施例15:2−(3,5−ジメチル−1H−ピラゾール−1−イル)−5−メチルフェノールの製造
(2−ヒドロキシ−4−メチルフェニル)ボロン酸の粗生成物23mgと1,3−ジメチルピラゾール73mgをアセトニトリル1mLに溶解し、ここに酢酸銅(II)二水和物60mgとアセトニトリル1mLを加えた。ここにジイソプロピルエチルアミン0.13mLを加え室温下で終夜撹拌した。不溶物を濾去し、得られた有機層を定量したところ、2−(3,5−ジメチル−1H−ピラゾール−1−イル)−5−メチルフェノール12mgを得た。
【0060】
実施例16:2−(3,5−ジメチル−1H−ピラゾール−1−イル)−5−メチルフェノールの製造
(2−ヒドロキシ−4−メチルフェニル)ボロン酸の粗生成物23mgと1,3−ジメチルピラゾール85mgをメチレンクロリド1mLに溶解し、ここに酢酸銅(II)二水和物71mgとメチレンクロリド1mLを加えた。ここにジイソプロピルエチルアミン0.13mLを加え室温下で終夜撹拌した。不溶物を濾去し、得られた有機層を定量したところ、2−(3,5−ジメチル−1H−ピラゾール−1−イル)−5−メチルフェノール11mgを得た。
【0061】
実施例17:2−(3,5−ジメチル−1H−ピラゾール−1−イル)−5−メチルフェノールの製造
モレキューラーシーブス4Aと(2−ヒドロキシ−4−メチルフェニル)ボロン酸の粗生成物35mg、1,3−ジメチルピラゾール111mgをメチレンクロリド1.5mLに懸濁し、ここに酢酸銅(II)二水和物92mgとメチレンクロリド0.5mLを加えた。ここにジイソプロピルエチルアミン0.2mLを加え室温下で終夜撹拌した。不溶物を濾去し、得られた有機層を定量したところ、2−(3,5−ジメチル−1H−ピラゾール−1−イル)−5−メチルフェノール7mgを得た。
【0062】
実施例18:2−(3,5−ジメチル−1H−ピラゾール−1−イル)−5−メチルフェノールの製造
(2−ヒドロキシ−4−メチルフェニル)ボロン酸の粗生成物27mgと1,3−ジメチルピラゾール171mg、酢酸銅(II)二水和物71mgにテトラヒドロフラン2mLを加え、室温下で撹拌した。不溶物を濾去し、得られた有機層を定量したところ、2−(3,5−ジメチル−1H−ピラゾール−1−イル)−5−メチルフェノール7mgを得た。
【0063】
実施例19:2−(3,5−ジメチル−1H−ピラゾール−1−イル)−5−メチルフェノールの製造
(2−ヒドロキシ−4−メチルフェニル)ボロン酸の粗生成物29mgと1,3−ジメチルピラゾール184mg、酢酸銅(II)二水和物76mgにメチレンクロリド2mLを加え、室温下で終夜撹拌した。不溶物を濾去し、得られた有機層を定量したところ、2−(3,5−ジメチル−1H−ピラゾール−1−イル)−5−メチルフェノール6mgを得た。
【0064】
実施例20:2−(3,5−ジメチル−1H−ピラゾール−1−イル)−5−メチルフェノールの製造
(2−ヒドロキシ−4−メチルフェニル)ボロン酸の粗生成物27mgと1,3−ジメチルピラゾール171mg、酢酸銅(II)二水和物71mgに2−プロパノール2mLを加え、室温下で撹拌した。不溶物を濾去し、得られた有機層を定量したところ、2−(3,5−ジメチル−1H−ピラゾール−1−イル)−5−メチルフェノール13mgを得た。
【0065】
実施例21:2−(3,5−ジメチル−1H−ピラゾール−1−イル)−5−メチルフェノールの製造
(2−ヒドロキシ−4−メチルフェニル)ボロン酸の粗生成物26mgと1,3−ジメチルピラゾール164mg、酢酸銅(II)二水和物68mg、炭酸セシウム279mgに2−プロパノール2mLを加え、室温下で撹拌した。不溶物を濾去し、得られた有機層を定量したところ、2−(3,5−ジメチル−1H−ピラゾール−1−イル)−5−メチルフェノール2mgを得た。
【0066】
実施例22:2−(3,5−ジメチル−1H−ピラゾール−1−イル)−5−メチルフェノールの製造
(2−ヒドロキシ−4−メチルフェニル)ボロン酸の粗生成物27mgと1,3−ジメチルピラゾール171mg、酢酸銅(II)二水和物71mgにジメチルスルホキシド2mLを加え、室温下で撹拌した。得られた有機層を定量したところ、2−(3,5−ジメチル−1H−ピラゾール−1−イル)−5−メチルフェノール5mgを得た。
【0067】
実施例23:2−(3,5−ジメチル−1H−ピラゾール−1−イル)−5−メチルフェノールの製造
1)2−アミノクレゾール5.047gをエタノール10mLに溶解し、ここに濃塩酸3.55mLとエタノール5mLを加えた。これを0℃に冷却し、さらに亜硝酸イソアミル5.62mLを滴下した。この溶液を−7.5℃に冷却したヨウ化カリウム68.035gの水70mL溶液に滴下し、室温まで昇温した。この溶液にエタノール15mLを加え、さらに室温下で撹拌した。得られた溶液を酢酸エチルで希釈し、さらにアミレンを加え、有機層を分け取った。さらに水層から酢酸エチルで抽出した後、得られた有機層を20%食塩水で洗浄した。得られた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、乾燥剤を濾去した後、溶媒を減圧下で留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより2−ヨード−5−メチルフェノール4.601gを得た。
【0068】
2)2−ヨード−5−メチルフェノール1.016gを1,4−ジオキサン10mLに溶解し、さらにビスピナコールジボラン2.756gの1,4−ジオキサン10mL溶液を加え、さらに酢酸カリウム2.130gの1,4−ジオキサン10mL溶液を加えた。窒素で置換した後、塩化パラジウムジフェニルホスフィノフェロセン錯体([1,1’-Bis(diphenylphosphino)ferrocene]dichloropalladium(II))355mgを加え、95℃で撹拌した。室温付近まで冷却した後、不溶物を濾去し、溶媒を減圧下で留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより5−メチル−2−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン)−2−イル)フェノール405mgを得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl
3)δ(ppm);7.75(1H,s)、7.49(1H,d,J=8.2Hz)、6.70−6.72(2H,m)、2.32(3H,s)、1.36(12H,s)、6.01(1H,s)、2.37(3H,s)、2.33(3H,s)、2.29(3H,s)
【0069】
3)5−メチル−2−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン)−2−イル)フェノール20mgと1,3−ジメチルピラゾール82mg、酢酸銅(II)二水和物34mgに2−プロパノール3mLを加え、さらにジイソプロピルエチルアミン0.074mLを加え室温下で撹拌した。得られた有機層を定量したところ、2−(3,5−ジメチル−1H−ピラゾール−1−イル)−5−メチルフェノール11mgを得た。
【0070】
実施例24:2−(3,5−ジメチル−1H−ピラゾール−1−イル)−5−メチルフェノールの製造
モレキューラーシーブス3Aと5−メチル−2−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン)−2−イル)フェノール20mgと1,3−ジメチルピラゾール82mg、酢酸銅(II)二水和物34mgに2−プロパノール3mLを加え、さらにジイソプロピルエチルアミン0.074mLを加え室温下で撹拌した。得られた有機層を定量したところ、2−(3,5−ジメチル−1H−ピラゾール−1−イル)−5−メチルフェノール14mgを得た。
【0071】
実施例25:2−(3,5−ジメチル−1H−ピラゾール−1−イル)−5−メチルフェノールの製造
5−メチル−2−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン)−2−イル)フェノール19mgと1,3−ジメチルピラゾール78mg、酢酸銅(II)二水和物32mgに2−プロパノール3mLを加え、室温下で撹拌した。得られた有機層を定量したところ、2−(3,5−ジメチル−1H−ピラゾール−1−イル)−5−メチルフェノール12mgを得た。
【0072】
実施例26:2−(3,5−ジメチル−1H−ピラゾール−1−イル)−5−メチルフェノールの製造
5−メチル−2−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン)−2−イル)フェノール19mgと1,3−ジメチルピラゾール78mg、無水酢酸銅(II)31mgに脱水2−プロパノール3mLを加え、室温下で撹拌した。得られた有機層を定量したところ、2−(3,5−ジメチル−1H−ピラゾール−1−イル)−5−メチルフェノール13mgを得た。
【0073】
実施例27:2−(3,5−ジメチル−1H−ピラゾール−1−イル)−5−メチルフェノールの製造
(2−ヒドロキシ−4−メチルフェニル)ボロン酸の粗生成物21mgとピナコール33mgに脱水2−プロパノール2mLを加え、撹拌した。この溶液に1,3−ジメチルピラゾール133mgと無水酢酸銅(II)50mgと脱水2−プロパノール1mLを加え、室温下で終夜撹拌した。不溶物を濾去し、得られた有機層を定量したところ、2−(3,5−ジメチル−1H−ピラゾール−1−イル)−5−メチルフェノール17mgを得た。
【0074】
実施例28:2−(3,5−ジメチル−1H−ピラゾール−1−イル)−5−メチルフェノールの製造
(2−ヒドロキシ−4−メチルフェニル)ボロン酸の粗生成物49mgとピナコール38mgにテトラヒドロフラン2mLを加え、撹拌した。ここにピナコール38mgを加え、さらに終夜撹拌した。この溶液に1,3−ジメチルピラゾール310mgのテトラヒドロフラン3.5mL溶液と、無水酢酸銅(II)117mgとテトラヒドロフラン2mLを加え、室温下で終夜撹拌した。不溶物を濾去し、得られた有機層を定量したところ、2−(3,5−ジメチル−1H−ピラゾール−1−イル)−5−メチルフェノール42mgを得た。
【0075】
実施例29:2−(3,5−ジメチル−1H−ピラゾール−1−イル)−5−メチルフェノールの製造
(2−ヒドロキシ−4−メチルフェニル)ボロン酸の粗生成物106mgとピナコール165mgにテトラヒドロフラン5mLを加え、撹拌した。この溶液に1,3−ジメチルピラゾール671mgとテトラヒドロフラン5mLと、無水酢酸銅(II)117mgとテトラヒドロフラン10mLを加え、65℃で終夜撹拌した。得られた有機層を定量したところ、2−(3,5−ジメチル−1H−ピラゾール−1−イル)−5−メチルフェノール111mgを得た。
【0076】
実施例30:2−(3,5−ジメチル−1H−ピラゾール−1−イル)−5−メチルフェノールの製造
(2−ヒドロキシ−4−メチルフェニル)ボロン酸の粗生成物501mgとピナコール779mgに酢酸エチル10mLを加え、撹拌した。この溶液を2−プロパノールに溶媒置換し、濃縮した。この溶液に2−プロパノール20mLと1,3−ジメチルピラゾール3.169gと無水酢酸銅(II)1.198gを加え、65℃で終夜撹拌した。不溶物を濾去し、得られた有機層を定量したところ、2−(3,5−ジメチル−1H−ピラゾール−1−イル)−5−メチルフェノール440mgを得た。
【0077】
実施例31:2−(3,5−ジメチル−1H−ピラゾール−1−イル)−5−メチルフェノールの製造
(2−ヒドロキシ−4−メチルフェニル)ボロン酸の粗生成物101mgと1,3−ジメチルピラゾール71mg、無水酢酸銅(II)12mgとビピリジン10mgを脱水2−プロパノール4mLに懸濁し、ジイソプロピルエチルアミン0.56mLを加え65℃で撹拌した。得られた有機層を定量したところ、2−(3,5−ジメチル−1H−ピラゾール−1−イル)−5−メチルフェノール6mgを得た。
【0078】
実施例32:2−(3,5−ジメチル−1H−ピラゾール−1−イル)−5−メチルフェノールの製造
1,3−ジメチルピラゾール319mg、無水酢酸銅(II)121mgをジメチルホルムアミド2mLに懸濁し、65℃で撹拌した。ここに(2−ヒドロキシ−4−メチルフェニル)ボロン酸の粗生成物101mgのジメチルホルムアミド1mL溶液を加えた。さらに3時間撹拌し、得られた有機層を定量したところ、2−(3,5−ジメチル−1H−ピラゾール−1−イル)−5−メチルフェノール35mgを得た。
【0079】
実施例33:2−(3,5−ジメチル−1H−ピラゾール−1−イル)−5−メチルフェノールの製造
(2−ヒドロキシ−4−メチルフェニル)ボロン酸101mgとピナコール151mgに酢酸エチル2mLを加え、終夜撹拌した。酢酸エチルを減圧下で留去し、これを1,3−ジメチルピラゾール319mg、無水酢酸銅(II)121mgをジメチルホルムアミド2mLに懸濁し、65℃で終夜撹拌したものに添加した。さらに3時間撹拌し、得られた有機層を定量したところ、2−(3,5−ジメチル−1H−ピラゾール−1−イル)−5−メチルフェノール98mgを得た。
【0080】
試験例 結晶形安定性試験
式(1)の化合物の結晶について下記の温湿度条件で保存した後、粉末X線回折を測定した。その結果、いずれの測定時においても、結晶形の変化は認められなかった。これにより、式(1)の化合物のForm A結晶は加速条件でさえ6箇月以上の長期にわたって非常に安定で、高純度であることがわかった。
試験1
期間 :12箇月
保存条件 :25 ± 2℃ / 60 ± 5%RH
*
包装形態 :ポリエチレン2重袋/ファイバードラム
試験2
期間 :6箇月
保存条件 :40 ± 2℃ / 75 ± 5%RH
*
包装形態 :ポリエチレン2重袋/ファイバードラム
*:RH:相対湿度
【0081】
【表1】