特許第6576941号(P6576941)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6576941骨髄異形成症候群の治療のためのJAK1阻害剤
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6576941
(24)【登録日】2019年8月30日
(45)【発行日】2019年9月18日
(54)【発明の名称】骨髄異形成症候群の治療のためのJAK1阻害剤
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/506 20060101AFI20190909BHJP
   A61K 45/00 20060101ALI20190909BHJP
   A61P 7/06 20060101ALI20190909BHJP
   A61P 7/00 20060101ALI20190909BHJP
   A61K 39/395 20060101ALI20190909BHJP
   A61K 38/00 20060101ALI20190909BHJP
   A61K 31/706 20060101ALI20190909BHJP
   A61K 31/454 20060101ALI20190909BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20190909BHJP
【FI】
   A61K31/506
   A61K45/00
   A61P7/06
   A61P7/00
   A61K39/395 N
   A61K38/00
   A61K31/706
   A61K31/454
   A61K39/395 V
   A61P43/00 111
【請求項の数】33
【全頁数】68
(21)【出願番号】特願2016-554471(P2016-554471)
(86)(22)【出願日】2015年2月27日
(65)【公表番号】特表2017-506659(P2017-506659A)
(43)【公表日】2017年3月9日
(86)【国際出願番号】US2015017963
(87)【国際公開番号】WO2015131031
(87)【国際公開日】20150903
【審査請求日】2018年2月27日
(31)【優先権主張番号】61/946,124
(32)【優先日】2014年2月28日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】505193450
【氏名又は名称】インサイト・コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】INCYTE CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100101454
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 卓二
(74)【代理人】
【識別番号】100062144
【弁理士】
【氏名又は名称】青山 葆
(74)【代理人】
【識別番号】100106518
【弁理士】
【氏名又は名称】松谷 道子
(74)【代理人】
【識別番号】100156144
【弁理士】
【氏名又は名称】落合 康
(72)【発明者】
【氏名】クリシュナ・ヴァディ
【審査官】 横山 敏志
(56)【参考文献】
【文献】 特表2009−519340(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/177606(WO,A1)
【文献】 特表2013−522214(JP,A)
【文献】 特表2013−543007(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0005166(US,A1)
【文献】 国際公開第2012/068450(WO,A1)
【文献】 Blood,2012年 5月17日,Vol.119, No.20,pp.4614-4618
【文献】 ANONYMOUS,RUXOLITINIB FOR PATIENTS WITH LOW OR INTERMEDIATE-1 RISK MYELODYSPLASTIC SYNDROME (MDS),CLINICALTRIALS.GOV ARCHIVE [ONLINE],2013年 8月19日,URL,https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT01895842
【文献】 Biomarker Research,2013年,Vol.1, No.1, Arn.5,pp.1-10,URL,http://www.biomarkerres.org/content/1/1/5
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K31/00−33/44
A61P1/00−43/00
A61K38/00−38/58
A61K39/395
A61K45/00−45/08
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
骨髄異形成症候群の治療を必要としている患者における骨髄異形成症候群の治療に用いるための医薬であって、
3−[1−(6−クロロピリジン−2−イル)ピロリジン−3−イル]−3−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]プロパンニトリル;
3−(1−[1,3]オキサゾロ[5,4−b]ピリジン−2−イルピロリジン−3−イル)−3−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]プロパンニトリル;
4−[(4−{3−シアノ−2−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]プロピル}ピペラジン−1−イル)カルボニル]−3−フルオロベンゾニトリル;
4−[(4−{3−シアノ−2−[3−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピロール−1−イル]プロピル}ピペラジン−1−イル)カルボニル]−3−フルオロベンゾニトリル;
{1−{1−[3−フルオロ−2−(トリフルオロメチル)イソニコチノイル]ピペリジン−4−イル}−3−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]アゼチジン−3−イル}アセトニトリル;
4−{3−(シアノメチル)−3−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]アゼチジン−1−イル}−N−[4−フルオロ−2−(トリフルオロメチル)フェニル]ピペリジン−1−カルボキサミド;
[3−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]−1−(1−{[2−(トリフルオロメチル)ピリミジン−4−イル]カルボニル}ピペリジン−4−イル)アゼチジン−3−イル]アセトニトリル;
[トランス−1−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]−3−(4−{[2−(トリフルオロメチル)ピリミジン−4−イル]カルボニル}ピペラジン−1−イル)シクロブチル]アセトニトリル;
{トランス−3−(4−{[4−[(3−ヒドロキシアゼチジン−1−イル)メチル]−6−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]オキシ}ピペリジン−1−イル)−1−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]シクロブチル}アセトニトリル;
{トランス−3−(4−{[4−{[(2S)−2−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−イル]メチル}−6−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]オキシ}ピペリジン−1−イル)−1−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]シクロブチル}アセトニトリル;
{トランス−3−(4−{[4−{[(2R)−2−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−イル]メチル}−6−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]オキシ}ピペリジン−1−イル)−1−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]シクロブチル}アセトニトリル;
4−(4−{3−[(ジメチルアミノ)メチル]−5−フルオロフェノキシ}ピペリジン−1−イル)−3−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]ブタンニトリル;
5−{3−(シアノメチル)−3−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]アゼチジン−1−イル}−N−イソプロピルピラジン−2−カルボキサミド;
4−{3−(シアノメチル)−3−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]アゼチジン−1−イル}−2,5−ジフルオロ−N−[(1S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチルエチル]ベンズアミド;
5−{3−(シアノメチル)−3−[4−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]アゼチジン−1−イル}−N−イソプロピルピラジン−2−カルボキサミド;
{1−(シス−4−{[6−(2−ヒドロキシエチル)−2−(トリフルオロメチル)ピリミジン−4−イル]オキシ}シクロヘキシル)−3−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]アゼチジン−3−イル}アセトニトリル;
{1−(シス−4−{[4−[(エチルアミノ)メチル]−6−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]オキシ}シクロヘキシル)−3−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]アゼチジン−3−イル}アセトニトリル;
{1−(シス−4−{[4−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)−6−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]オキシ}シクロヘキシル)−3−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]アゼチジン−3−イル}アセトニトリル;
{1−(シス−4−{[4−{[(3R)−3−ヒドロキシピロリジン−1−イル]メチル}−6−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]オキシ}シクロヘキシル)−3−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]アゼチジン−3−イル}アセトニトリル;
{1−(シス−4−{[4−{[(3S)−3−ヒドロキシピロリジン−1−イル]メチル}−6−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]オキシ}シクロヘキシル)−3−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]アゼチジン−3−イル}アセトニトリル;
{トランス−3−(4−{[4−({[(1S)−2−ヒドロキシ−1−メチルエチル]アミノ}メチル)−6−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]オキシ}ピペリジン−1−イル)−1−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]シクロブチル}アセトニトリル;
{トランス−3−(4−{[4−({[(2R)−2−ヒドロキシプロピル]アミノ}メチル)−6−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]オキシ}ピペリジン−1−イル)−1−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]シクロブチル}アセトニトリル;
{トランス−3−(4−{[4−({[(2S)−2−ヒドロキシプロピル]アミノ}メチル)−6−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]オキシ}ピペリジン−1−イル)−1−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]シクロブチル}アセトニトリル;及び
{トランス−3−(4−{[4−(2−ヒドロキシエチル)−6−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]オキシ}ピペリジン−1−イル)−1−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]シクロブチル}アセトニトリル
から選択される、JAK1選択的阻害剤、又はその薬学的に許容される塩を含む、医薬。
【請求項2】
前記JAK1選択的阻害剤が、JAK2、JAK3及びTYK2よりもJAK1に対して選択的である、請求項1に記載の医薬。
【請求項3】
前記骨髄異形成症候群が、単一血球系統の異形成を伴う不応性血球減少症(RCUD)である、請求項1又は2に記載の医薬。
【請求項4】
前記骨髄異形成症候群が、環状鉄芽球を伴う不応性貧血(RARS)である、請求項1又は2に記載の医薬。
【請求項5】
前記骨髄異形成症候群が、多血球系統の異形成を伴う不応性血球減少症である、請求項1又は2に記載の医薬。
【請求項6】
前記骨髄異形成症候群が、芽球増加を伴う不応性貧血−1(RAEB−1)である、請求項1又は2に記載の医薬。
【請求項7】
前記骨髄異形成症候群が、芽球増加を伴う不応性貧血−2(RAEB−2)である、請求項1又は2に記載の医薬。
【請求項8】
前記骨髄異形成症候群が、分類不能型骨髄異形成症候群(MDS−U)である、請求項1又は2に記載の医薬。
【請求項9】
前記骨髄異形成症候群が、染色体異常isolated del(5q)を伴う骨髄異形成症候群である、請求項1又は2に記載の医薬。
【請求項10】
前記骨髄異形成症候群が、赤血球造血刺激因子製剤に対して不応性である、請求項1又は2に記載の医薬。
【請求項11】
前記患者が赤血球輸血依存である、請求項1〜10のいずれか一項に記載の医薬。
【請求項12】
IMiD、抗IL−6剤、抗TNF−α剤、メチル化抑制剤、及び生物学的修飾物質(BRM)から選択される追加の治療薬を更に投与することができる、請求項1〜11のいずれか一項に記載の医薬。
【請求項13】
前記抗TNF−α剤が、インフリキシマブ及びエタネルセプトから選択される、請求項12に記載の医薬。
【請求項14】
前記メチル化抑制剤がDNAメチルトランスフェラーゼ阻害剤である、請求項12に記載の医薬。
【請求項15】
前記DNAメチルトランスフェラーゼ阻害剤が、5アザシチジン及びデシタビンから選択される、請求項14に記載の医薬。
【請求項16】
前記IMiDが、サリドマイド、レナリドミド、ポマリドミド、CC−11006、及びCC−10015から選択される、請求項12に記載の医薬。
【請求項17】
抗胸腺細胞グロブリン、組み換えヒト顆粒球コロニー刺激因子(G CSF)、顆粒球単球CSF(GM−CSF)、赤血球造血刺激因子製剤(ESA)、及びサイクロスポリンから選択される追加の治療薬を更に投与することができる、請求項1〜11のいずれか一項に記載の医薬。
【請求項18】
JAK1選択的阻害剤を含む、骨髄異形成症候群の治療を必要としている患者における骨髄異形成症候群の治療に用いるための医薬であって、JAK1選択的阻害剤が、{1−{1−[3−フルオロ−2−(トリフルオロメチル)イソニコチノイル]ピペリジン−4−イル}−3−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]アゼチジン−3−イル}アセトニトリル又はその薬学的に許容される塩である、医薬。
【請求項19】
前記骨髄異形成症候群が、単一血球系統の異形成を伴う不応性血球減少症(RCUD)である、請求項18に記載の医薬。
【請求項20】
前記骨髄異形成症候群が、環状鉄芽球を伴う不応性貧血(RARS)である、請求項18に記載の医薬。
【請求項21】
前記骨髄異形成症候群が、多血球系統の異形成を伴う不応性血球減少症である、請求項18に記載の医薬。
【請求項22】
前記骨髄異形成症候群が、芽球増加を伴う不応性貧血−1(RAEB−1)である、請求項18に記載の医薬。
【請求項23】
前記骨髄異形成症候群が、芽球増加を伴う不応性貧血−2(RAEB−2)である、請求項18に記載の医薬。
【請求項24】
前記骨髄異形成症候群が、分類不能型骨髄異形成症候群(MDS−U)である、請求項18に記載の医薬。
【請求項25】
前記骨髄異形成症候群が、染色体異常isolated del(5q)を伴う骨髄異形成症候群である、請求項18に記載の医薬。
【請求項26】
前記骨髄異形成症候群が、赤血球造血刺激因子製剤に対して不応性である、請求項18に記載の医薬。
【請求項27】
前記患者が赤血球輸血依存である、請求項18〜26のいずれか一項に記載の医薬。
【請求項28】
IMiD、抗IL−6剤、抗TNF−α剤、メチル化抑制剤、及び生物学的修飾物質(BRM)から選択される追加の治療薬を更に投与することができる、請求項18〜27のいずれか一項に記載の医薬。
【請求項29】
前記抗TNF−α剤が、インフリキシマブ及びエタネルセプトから選択される、請求項28に記載の医薬。
【請求項30】
前記メチル化抑制剤がDNAメチルトランスフェラーゼ阻害剤である、請求項28に記載の医薬。
【請求項31】
前記DNAメチルトランスフェラーゼ阻害剤が、5アザシチジン及びデシタビンから選択される、請求項30に記載の医薬。
【請求項32】
前記IMiDが、サリドマイド、レナリドミド、ポマリドミド、CC−11006、及びCC−10015から選択される、請求項28に記載の医薬。
【請求項33】
抗胸腺細胞グロブリン、組み換えヒト顆粒球コロニー刺激因子(G CSF)、顆粒球単球CSF(GM−CSF)、赤血球造血刺激因子製剤(ESA)、及びサイクロスポリンから選択される追加の治療薬を更に投与することができる、請求項18〜27のいずれか一項に記載の医薬。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、2014年2月28日出願の米国特許仮出願第61/946,124号の優先権の利益を主張するものであり、これにより、この特許の内容全体を参照によって本願明細書に引用したものとする。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、JAK1選択的阻害剤及び骨髄異形成症候群(MDS)の治療におけるその使用に関する。
【背景技術】
【0003】
骨髄異形成症候群(MDS)は、以前は前白血病として知られており、1つ以上の主要な骨髄性細胞系統における無効造血を特徴とする異種性及びクローン性の造血障害である。骨髄異形成症候群は、骨髄機能不全、末梢血球減少症、及び急性骨髄性白血病(AML)へと発展する性質と関連する。更に、MDSでは約50%の症例においてクローン性の細胞遺伝学的異常が検出される。一般集団において、MDSは100,000人あたり5人に発症し、その発症率は年齢と共に上昇し、70歳を超える人々では100,000人あたり約22〜45人にまで達する(非特許文献1;非特許文献2)。MDSの病態生理学に関する知見の科学的進歩にも関わらず、とりわけ罹患患者が造血幹細胞移植(HSCT)の候補者ではない場合、利用可能な治療法の選択肢は少ししかなく、ほとんどが待期的である。
【0004】
MDSの標準治療には、診察及び臨床モニタリングを伴う支持療法、社会心理学的補助療法、並びに生活の質の改善への取り組みが含まれる(非特許文献3;非特許文献4;非特許文献5)。更に、症候性貧血に対する赤血球輸血及び血小板減少症による出血症状に対する血小板輸血が必要とされる。赤血球輸血を必要とする骨髄異形成症候群患者は、輸血の頻度を増やすことを必要とするアロ抗体の形成、血清フェリチンを1000μg/L未満に維持するために鉄キレート化剤を必要とする、肝臓、心臓、及び内分泌器への末端器官障害を伴う鉄過剰などの合併症を引き起こすことがある(非特許文献4,非特許文献5)。治療抵抗性のある症候性血球減少症の症例では、感染性合併症を伴う好中球減少症MDSに対する組み換えヒト顆粒球コロニー刺激因子(G CSF)又は顆粒球単球CSF(GM−CSF)の使用、症候性貧血に対する赤血球造血刺激因子製剤(ESA)の使用など、造血サイトカイン補助療法が必要とされる(非特許文献3,非特許文献6;非特許文献7)。初期のMDS、即ち、IPSS low及びIPSS Intermediate−1の場合、治療的介入が必要となる最も一般的な原因は症候性貧血である。ESAは、これらの患者のごく一部に限り効果があり、赤血球輸血に依存していない患者又は内因性EPO値が低い(<500IU)患者において最高の反応が得られている(非特許文献3,非特許文献6,非特許文献7,非特許文献8)。最終的には、患者はESA療法に反応しなくなり、赤血球輸血補助療法が必要になるが、赤血球輸血が必要で、網赤血球数が低い場合であっても、通常はESAの使用が継続される。輸血の必要量は様々であり、アンギナ、赤血球に対するアロ抗体の形成、巨脾症、血小板減少症又は血小板機能異常症による潜在性消化管出血など、より高いHgb値を必要とする合併症の影響を受けることがある(非特許文献4,非特許文献5,非特許文献8)。
【0005】
低強度療法には、低強度化学療法又は生物学的修飾物質(BRM)が含まれる。DNAメチルトランスフェラーゼ阻害剤である5アザシチジン及びデシタビン(5−アザ−2’−デオキシシチジン)などのメチル化抑制剤は、無作為化第3相試験において白血病性形質転換のリスクを減少させ、一定割合の患者において全生存期間を改善させることが示されている(非特許文献8,非特許文献9;非特許文献10)。同様に、デシタビンは、中リスク及び高リスクの疾患を有するMDS患者において、より高い疾患奏功率、寛解持続期間、AMLに発展するまでの時間、及び延命効果を実証している。更に、デシタビンは、疲労及び身体機能に関する患者報告QOL(The European Organisation for Research and Treatment of Cancer[EORTC QLQ C30]に準拠)において大幅な改善を実証した(非特許文献11;非特許文献12;非特許文献13)。5−アザシチジン及びデシタビンは両方ともMDS治療用として承認されており、具体的には、IPSS Intermediate 2及び高リスクMDSの患者に対して臨床的有用性を提供し、NCCN MDS委員会によって推奨されている(非特許文献14)。
【0006】
炎症性分子は、MDSにおいて造血前駆細胞の増殖及びアポトーシス死を促進する制御キューとして関係があるとされる。慢性の免疫刺激が、造血幹/前駆細胞(HSPC)とBM微小環境の両方における老化依存の変化と組み合わさって、疾患の病因に対し決定的な役割を果たしていると考えられる。相次ぐ証拠は、造血の老化とMDSの病理生物学の両方における自然免疫シグナル伝達の活性化を意味している(Chen et al.,2014)。そのため、抗胸腺細胞グロブリン(ATG)、サイクロスポリン、サリドマイドとその類似体レナリドミドなどのT細胞阻害剤を含む免疫療法剤(非特許文献15;非特許文献16;非特許文献17;非特許文献18;非特許文献19)が低強度剤MDSとして使用される。MDSの高強度療法には、強化導入化学療法が含まれ、これは、AML及びHSCTを処置するために使用される。疾病の自然史を変化させる可能性を有する様々な強化化学療法レジメンが試されてきたが、比較試験でその有効性を示すことはできていない。この方法は依然として臨床試験段階であり、高リスク疾患のMDS患者のための可能な選択肢の1つである。同種HSCT(MDSの唯一の治癒的な治療方法であり、好ましくは適合血縁ドナーによる)は、高リスクMDS患者に対して好ましい選択肢であるが、好適なドナーの不足及び加齢に関連した並存疾患により、これらの患者がこの方法を受けられないことがよくある(非特許文献14;非特許文献20;非特許文献21)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】Greenberg,「The myelodysplastic syndromes」in Hoffman,et al,eds.Hematology:Basic Principles and Practice(3rd ed.),Churchill Livingston;2000:1106〜1129
【非特許文献2】Liesveld and Lichtman,Chapter 88.「Myelodysplastic Syndromes(Clonal Cytopenias and Oligoblastic Myelogenous Leukemia)」,in Prchal et al,eds.Williams Hematology.8th ed.,New York:McGraw−Hill;2010
【非特許文献3】Cheson,et al,Blood 2000;96:3671〜3674
【非特許文献4】Venugopal et al.Cancer Treat Res 2001;108:257〜265
【非特許文献5】Greenberg,Int J Ped Hem−Onc 1997;4:231〜238
【非特許文献6】Jadersten et al,Blood 2005;106:803〜811
【非特許文献7】Schiffer,Hematology Am Soc Hematol Educ Program 2006:205〜210
【非特許文献8】Fenaux,et al.,Lancet Oncol 2009;10:223〜232
【非特許文献9】Silverman,J Clin Oncol 2002;20:2429〜2440
【非特許文献10】Silverman,J Clin Oncol 2006;24:3895〜3903
【非特許文献11】Kantarjian,et al.,Cancer 2006;106:1794〜1803
【非特許文献12】Lubbert,et al.,Br J Haematol 2001;114:349〜357
【非特許文献13】Lubbert,et al.,J Clin Oncol 2011;29:1987〜1996
【非特許文献14】National Comprehensive Cancer Network(NCCN)。Myelodysplastic Syndromes Guidelines Version 1。2012。www.nccn.org/professionals/physician_gls/f_guidelines.asp
【非特許文献15】Molldrem,et al.,Br J Haematol 1997;99:699〜705
【非特許文献16】Sloand,et al.,J Clin Oncol 2008;26:2505〜2511
【非特許文献17】Raza,et al.,Blood 2008;111:86〜93
【非特許文献18】Fenaux,et al.,Blood 2011;118:3765〜3776
【非特許文献19】List,et al.,N Engl J Med 2005;352:549〜557
【非特許文献20】Larson,Best Pract Res Clin Hematol 2006;19:293〜300
【非特許文献21】Schiffer,Best Pract Res Clin Hematol 2007;20:49〜55
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで、骨髄異形成症候群の治療のための新療法を開発する必要性がある。本願は、この必要性及びその他に対処する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本願は、骨髄異形成症候群(MDS)の治療を必要としている患者においてそれを行う方法を提供するものであり、治療的に有効な量のJAK1選択的阻害剤、又はその薬学的に許容される塩を患者に投与することを含む。
【0010】
本願は、骨髄異形成症候群の治療を必要としている患者においてそれを行うためのJAK1選択的阻害剤を更に提供する。
本願はまた、骨髄異形成症候群の治療を必要としている患者においてその治療で使用する薬剤の製造のためにJAK1選択的阻害剤を使用する方法も提供する。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本明細書に記載される方法は、JAK1選択的阻害剤を利用する。JAK1選択的阻害剤は、JAK1活性を他のヤヌスキナーゼよりも優先的に阻害する化合物である。JAK1は、無調節の場合に疾病状態をもたらし得る、又はその一因となり得る、幾つかのサイトカイン及び増殖因子シグナル伝達経路において中心的な役割を果たす。例えば、関節リウマチ(有害な影響を与えることが示唆されている疾病)ではIL−6値が上昇する(Fonesca,et al.,Autoimmunity Reviews,8:538〜42,2009)。IL−6は、少なくとも部分的に、JAK1を介してシグナルを送るため、JAK1阻害によって直接的又は間接的にIL−6を中和すると、臨床的有用性が得られることが期待される(Guschin,et al Embo J 14:1421,1995;Smolen,et al.Lancet 371:987,2008)。更に、一部の癌では、JAK1が変異し、好ましくない腫瘍細胞の増殖と生存が構成される(Mullighan,Proc Natl Acad Sci U S A.106:9414〜8,2009;Flex,J Exp Med.205:751〜8,2008)。他の自己免疫疾患及び癌では、JAK1を活性化する全身の炎症性サイトカイン値の上昇もまた、疾病及び/又は関連症状の一因となり得る。したがって、そのような疾病を有する患者は、JAK1阻害が有効な場合がある。JAK1の選択的阻害剤は、他のJAKキナーゼの阻害による不必要な潜在的に好ましくない効果を発生させることなく、効能を得ることができる。
【0012】
JAK1の(他のJAKキナーゼに対する)選択的阻害剤は、より選択性の劣る阻害剤よりも多様な治療上の利点を有し得る。JAK2に対する選択性に関しては、幾つかの重要なサイトカイン及び増殖因子がJAK2を介してシグナルを送っており、これには、例えば、エリスロポエチン(Epo)及びトロンボポエチン(Tpo)が挙げられる(Parganas,et al.Cell.93:385〜95,1998)。Epoは、赤血球産生のための重要な増殖因子である。したがって、Epo依存性シグナル伝達が少ないと、赤血球の数が減少し、貧血が発症することがある(Kaushansky,NEJM 354:2034〜45,2006)。Tpoは、JAK2依存性成長因子の別の例であり、巨核球(血小板が産生される細胞)の増殖及び成熟の制御において中心的な役割を果たす(Kaushansky,NEJM 354:2034〜45,2006)。そのため、Tpoシグナル伝達の減少は、巨核球の数を減少させ(巨核球減少症)、循環血小板数を減少させる(血小板減少症)であろう。結果として、好ましくない及び/又は制御できない出血が起こり得る。JAK3、Tyk2などの他のJAKの阻害の減少もまた、これらのキナーゼの機能的なバージョンが不足しているヒトには重症複合免疫不全症、高IgE症候群などの多数の疾患が発症することが証明されているので、好ましい場合がある(Minegishi,et al.Immunity 25:745〜55,2006;Macchi,et al.Nature,377:65〜8,1995)。したがって、他のJAKに対する結合性が低下しているJAK1阻害剤は、免疫抑制、貧血、及び血小板減少症を伴う副作用の減少に関して、より選択性の劣る阻害剤よりも非常に有利であろう。
【0013】
炎症性サイトカインは、MDSの病因において重要な役割を果たし、結果的に血球減少症及び異形成造血(dysplastic hematopoiesis)を発症させる。これらの炎症性サイトカインの活性を抑制すると、正常な造血が促進され、骨髄前駆細胞が早期アポトーシスから救済されることが仮説として立てられている。炎症性サイトカインは、リガンド媒介受容体二量化及び転移/自己リン酸化からのJAKの近位を伴うJAK活性化によって下流効果を媒介する。結果として生じるJAKヘテロ二量体は、JAK1とJAK2又はJAK1とJAK3から構成されており、シグナルを変換し、これらのサイトカインの細胞応答を媒介する。更に、JAKホモ二量体は、JAK2のみで構成されており、EPO(赤血球産生を活性化する役割を持つ)、TPO(血小板産生を活性化する役割を持つ)などの骨髄増殖因子からのシグナルを変換する。したがって、選択的JAK1阻害剤は、結果的にJAK2媒介の赤血球産生及び血小板産生を阻害することなく炎症性サイトカイン信号伝達を破棄し、それにより、正常な造血が回復され、骨髄性の血球減少が軽減されるであろう。
【0014】
MDSの病態生理学に関する知見の科学的進歩にも関わらず、とりわけ罹患患者がHSCTの候補者ではない場合、利用可能な治療法の選択肢は少ししかなく、ほとんどが待期的である。幾つかの研究では、MDSはクローン性疾患であることが指摘されており、増殖したクローンは骨髄内の造血前駆細胞の過剰増殖の結果であることが実証されている。抹消血球減少症の原因となる骨髄内の過剰増殖状態のパラドックスについて調査が行われ、過剰な量の骨髄内プログラム細胞死又は造血細胞のアポトーシスが存在することが明らかになった。このアポトーシスは、全てのFAB分類の患者に見られたが、芽球数が増加している患者では減少した。クローン集団は、アポトーシスに対して徐々に耐性を示すようになり、正常な造血前駆細胞よりも増殖性が優位となって、芽球数の増加及びAMLへの発展につながったことは明らかだった。更に、過剰なアポトーシスは、MDS患者の骨髄内で過剰発現する複数の前炎症性サイトカインによって大部分が媒介されたことが明白になった。MDSの病理生物学に関係していたサイトカインには、腫瘍壊死因子−アルファ(TNF−α)、インターフェロン−ガンマ(IFN γ)、及びIL 1βが挙げられる。高血漿濃度のTNF−α(典型的なアポトーシス促進性サイトカイン)がMDS患者の末梢血及び骨髄の中で観測されており、TNF受容体及びメッセンジャーリボ核酸(mRNA)の高い発現がMDS患者由来の骨髄単核球の中で観測されている。同様に、IFN γ及びIL 1βの量の増加がMDS骨髄単核球の中で発見されており、MDSからAMSへの発展にIL−1βが関係していると考えられている。IL−1βは、GM−CSF及びIL−3を活性化することによって可変の調節作用を造血細胞に与えるが、炎症状態で見られるような高い濃度では、TNF α及びプロスタグランジンE2の誘発によって造血の抑制をもたらし、後者は骨髄性幹細胞増殖の強力な抑制剤である。更に、高い値のIL−6、線維芽細胞増殖因子、肝細胞増殖因子、及びトランスフォーミング増殖因子βがMDS患者由来の骨髄性細胞の中で見られている。また更に、正常な造血増殖及び成熟を抑制するサイトカインですら、このアポトーシス促進作用を発展中の異常クローンに与えることに失敗し、結果的にこれらの異常細胞が選択的に増殖する。これらの前炎症性サイトカインの発生源は、正常には正常な造血細胞を育成して増殖及び分化させ、またMDSの病理生物学に影響する免疫調節細胞の浸潤及び腫瘍起因性血管形成の原因でもあり得る、異常骨髄微小環境であることを示す証拠が存在する(Raza,et al.,Blood 1995;86:268〜276;Raza,et al,Int J Hematol 1996a;63:265〜278;Raza,et al.,Leuk Res 1996b;20:881〜890;Mundle,et al.Am J Hematol 1999;60:36〜47;Claessens,et al.,Blood 2002;99:1594〜1601)。
【0015】
サイトカイン媒介の前炎症性状態がMDSの病因に関与しているという発想は、分化中の造血細胞を早期アポトーシスから保護することによってMDSにおける血球減少症を改善する、抗サイトカイン療法という今までにない斬新なアプローチにつながった。サリドマイドとその類似体レナリドミド、インフリキシマブ、エタネルセプトなどの抗TNF−α剤がMDS患者の血球減少症の改善において有効であることは実証済みである(NCCN 2012(supra),Larson 2006(supra),Schiffer 2007(supra))。MDS患者14人の臨床試験において、エタネルセプトは、患者の25%において赤血球系の血液改善を示すと共に、評価可能な患者の12.5%において血小板数及びANCの改善を示した。更に、断続的なエタネルセプトとATGを組み合わせて投与すると、赤血球系の血液改善の効果が更に高まり、輸血を必要としているMDS患者14人のうちの5人が赤血球及び血小板の輸血を2年以上にわたって必要としなくなった。MDSにおいてサリドマイドを調査した臨床試験では、患者83人が登録され、51人が12週間の治療を完了し、患者16人が血液の改善を示し、そのうちそれまで輸血に依存していた10人が輸血に依存しなくなったと共に、奏功患者のほとんどがIPPS低リスク又はIntermediate 1リスクのいずれかに分類された(NCCN 2012 (supra))。更に、より高いリスクに分類された患者、とりわけ高い芽球割合を有する患者は、早期に治療を中断する傾向があった。前炎症性サイトカインの影響を抑制する別の方法は、それらの細胞応答を阻害することである。相当数のサイトカイン及び増殖因子受容体が、JAKファミリーの非受容体TYKを利用して、細胞外リガンド結合を転写因子STATシグナル伝達によって細胞応答に伝達する。
【0016】
JAKには、JAK1、JAK2、JAK3、及びTYK2の4つのメンバーが存在する。JAKは、サイトカイン及び増殖因子受容体と構成的に関連付けられ、リガンド誘導性受容体二量化の直接の結果として活性化状態になっており、JAK活性化は、後続のJAKの近位化及びJAK触媒ドメインの活性化ループで検出された保存チロシンの転移/自己リン酸化時に起こる。これらのチロシンのリン酸化時、JAKは高活性状態になり、次いでサイトカイン受容体上の特定のチロシン残基をリン酸化することができ、これらは複数のタンパク質(STATタンパク質を含む)に対して接合部位として機能する。JAKは、STAT活性化に関連付けられたキナーゼの主要ファミリーである。活性化されたSTATは核に転座し、その場所で転写因子として機能し、細胞活性化、局在、生存、及び増殖に重要な複数の遺伝子の発現を促進する。
【0017】
ルキソリチニブは、JAK1及びJAK2阻害剤であり、骨髄線維症患者の脾臓の大きさの顕著な減少及び症状の改善を実証済みである。これらの改善は、JAK2におけるV617F突然変異の存在の有無に関係なく被験者によく表れていたため、前炎症性サイトカインの阻害と結びついている可能性が高い。ルキソリチニブで観測される主要有害事象(AE)は、血小板減少症及び貧血である。両方ともまれに、二重盲式プラシーボ対照第3相試験において臨床試験中止の原因になったことがあり、両方とも少なくとも部分的に、JAK2媒介の骨髄抑制によるものである。したがって、JAK1の選択的阻害は、MDS患者内で前炎症性サイトカインを阻害する有益な影響を与え、結果的に、造血前駆細胞の早期アトポーシスがもたらす血球減少症を寛解させるであろうことが仮説として立てられる。更に、JAK2活性を残すことにより、造血サイトカイン、即ちEPO及びTPOの生理活性が可能となり、正常な造血細胞の生理学的な増殖及び分化が可能となるであろう。
【0018】
更に、MDS患者には鉄過剰が高い頻度で発生し、最新のデータでは全生存期間と無白血病生存期間の両方に影響することが示唆されている。ヘプシジン(近年発見された鉄恒常性を調節する重要ホルモン)の異常産生がこの点に関与し、IL−6などの炎症性サイトカインによって調節されることが仮定されている。MDSにおいて、ヘプシジン及びCRPの両方が、一般的炎症のマーカーとして増加することが近年発見された。Santini,et al.,PLoS One,6(8),e23109,pages 1〜8(2011)。これらのデータは、CRP値及びヘプシジン値を減少させることができるJAK阻害は、MDSで発生する炎症及び鉄過剰を反転させ得ることを示唆している。
【0019】
そこで、本願は、とりわけ、骨髄異形成症候群の治療を必要としている患者においてそれを行う方法を提供するものであり、治療的に有効な量のJAK1選択的阻害剤、又はその薬学的に許容される塩を患者に投与することを含む。本明細書で使用するとき、骨髄異形成症候群は、2008年に世界保健機関によって提案されたMDSの分類を指す(例えば、表1を参照)。特に、1997年において、世界保健機関(WHO)は、Society for Hematopathology(SH)及びEuropean Association of Hematopathology(EAHP)と協力して、造血器新生物の新しい分類を提案した(Harris,et al.,J Clin Oncol 1999;17:3835〜3849;Vardiman,et al.,Blood 2002;100:2292〜2302)。MDSの場合、WHOは、French−American−British(FAB)分類の形態学的基準だけでなく、取り込まれた使用可能な遺伝学的、生物学的、及び臨床的な特徴を利用してMDSのサブセットを定義した(Bennett,et al.,Br J Haematol 1982;51:189〜199)。2008年において、MDSのWHO分類(表1)は、新しい臨床的及び科学的な情報を取り込むことによって、単一血球系統異形成症の精密かつ予後的に関連した下位分類を可能にするように更に改良された(Vardiman,et al.,Blood 2009;114:937〜951;Swerdlow,et al.,WHO Classification of Tumours of Haematopoietic and Lymphoid Tissues.4th Edition.Lyon France:IARC Press;2008:88〜103;Bunning and Germing,”Myelodysplastic syndromes/neoplasms”in Chapter 5,Swerdlow,et al,eds.WHO Classification of Tumours of Haematopoietic and Lymphoid Tissues.(ed.4th edition):Lyon,France:IARC Press;2008:88〜103)。
【0020】
【表1】
【0021】
幾つかの実施形態では、JAK1選択的阻害剤は、JAK2、JAK3、及びTYK2よりもJAK1に対して選択的である。例えば、本明細書に記載の化合物、又はその製薬的に許容できる塩は、1つ以上のJAK2、JAK3、及びTYK2よりもJAK1を優先的に阻害する。幾つかの実施形態では、この化合物はJAK1をJAK2よりも優先的に阻害する(例えば、JAK1/JAK2 IC50比>1を有する)。幾つかの実施形態では、この化合物又は塩は、JAK2よりもJAK1に対して約10倍選択的である。幾つかの実施形態では、この化合物又は塩は、1mM ATPでのIC50を測定することによって計算されるように、JAK2よりもJAK1に対して約3倍、約5倍、約10倍、約15倍、又は約20倍選択的である(例えば、実施例Aを参照)。
【0022】
幾つかの実施形態では、JAK1選択的阻害剤は、表2の化合物、又はその製薬的に許容できる塩である。
【0023】
【表2-1】
【0024】
【表2-2】
【0025】
【表2-3】
【0026】
【表2-4】
【0027】
【表2-5】
【0028】
【表2-6】
+は、10nM未満を意味する(アッセイ条件については実施例Aを参照)
鏡像異性体1のデータ
鏡像異性体2のデータ
【0029】
幾つかの実施形態では、JAK1選択的阻害剤は、{1−{1−[3−フルオロ−2−(トリフルオロメチル)イソニコチノイル]ピペリジン−4−イル}−3−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]アゼチジン−3−イル}アセトニトリルアジピン酸塩である。
【0030】
幾つかの実施形態では、JAK1選択的阻害剤は、(R)−3−[1−(6−クロロピリジン−2−イル)ピロリジン−3−イル]−3−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]プロパンニトリル、(R)−3−(1−[1,3]オキサゾロ[5,4−b]ピリジン−2−イルピロリジン−3−イル)−3−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]プロパンニトリル、(R)−4−[(4−{3−シアノ−2−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]プロピル}ピペラジン−1−イル)カルボニル]−3−フルオロベンゾニトリル、(R)−4−[(4−{3−シアノ−2−[3−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピロール−1−イル]プロピル}ピペラジン−1−イル)カルボニル]−3−フルオロベンゾニトリル、若しくは(R)−4−(4−{3−[(ジメチルアミノ)メチル]−5−フルオロフェノキシ}ピペリジン−1−イル)−3−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]ブタンニトリル、又は上記のいずれかの製薬的に許容できる塩から選択される。
【0031】
幾つかの実施形態では、JAK1選択的阻害剤は、(S)−3−[1−(6−クロロピリジン−2−イル)ピロリジン−3−イル]−3−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]プロパンニトリル、(S)−3−(1−[1,3]オキサゾロ[5,4−b]ピリジン−2−イルピロリジン−3−イル)−3−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]プロパンニトリル、(S)−4−[(4−{3−シアノ−2−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]プロピル}ピペラジン−1−イル)カルボニル]−3−フルオロベンゾニトリル、(S)−4−[(4−{3−シアノ−2−[3−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピロール−1−イル]プロピル}ピペラジン−1−イル)カルボニル]−3−フルオロベンゾニトリル、若しくは(S)−4−(4−{3−[(ジメチルアミノ)メチル]−5−フルオロフェノキシ}ピペリジン−1−イル)−3−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]ブタンニトリル、又は上記のいずれかの製薬的に許容できる塩から選択される。
【0032】
幾つかの実施形態では、JAK1選択的阻害剤は、GLPG0634(Galapagos)である。
【0033】
幾つかの実施形態では、表2に記載の化合物は、2010年5月21日出願の米国特許出願公開第2010/0298334号、2010年8月31日出願の同第2011/0059951号、2011年3月9日出願の同第2011/0224190号、2011年11月18日出願の同第2012/0149681号、2011年11月18日出願の同第2012/0149682号、2012年6月19日出願の同第2013/0018034号、2012年8月17日出願の同第2013/0045963号、及び2013年5月17日出願の同第2014/0005166号に記載されている合成手順によって調製され、各特許の内容全体を参照によって本願明細書に引用したものとする。
【0034】
幾つかの実施形態では、JAK1阻害剤は、2010年5月21日出願の米国特許出願公開第2010/0298334号、2010年8月31日出願の同第2011/0059951号、2011年3月9日出願の同第2011/0224190号、2011年11月18日出願の同第2012/0149681号、2011年11月18日出願の同第2012/0149682号、2012年6月19日出願の同第2013/0018034号、2012年8月17日出願の同第2013/0045963号、及び2013年5月17日出願の同第2014/0005166号に記載の化合物から選択され、各特許の内容全体を参照によって本願明細書に引用したものとする。
【0035】
幾つかの実施形態では、骨髄異形成症候群は、単一血球系統の異形成を伴う不応性血球減少症(RCUD)である。
【0036】
幾つかの実施形態では、骨髄異形成症候群は、環状鉄芽球を伴う不応性貧血(RARS)である。
【0037】
幾つかの実施形態では、骨髄異形成症候群は、多血球系統の異形成を伴う不応性血球減少症である。
【0038】
幾つかの実施形態では、骨髄異形成症候群は、芽球増加を伴う不応性貧血−1(RAEB−1)である。
【0039】
幾つかの実施形態では、骨髄異形成症候群は、芽球増加を伴う不応性貧血−2(RAEB−2)である。
【0040】
幾つかの実施形態では、骨髄異形成症候群は、分類不能型骨髄異形成症候群(MDS−U)である。
【0041】
幾つかの実施形態では、骨髄異形成症候群は、染色体異常isolated del(5q)を伴う骨髄異形成症候群である。
【0042】
幾つかの実施形態では、骨髄異形成症候群は、赤血球造血刺激因子製剤(ESA)に対して不応性である。幾つかの実施形態では、ESAに対する不応性は、少なくとも40,000IU/週のエリスロポエチン(EPO)(又は等価物)を8週間投与した後、少なくとも1.5g/dLのHgbにおいて改善がないことを意味する。
【0043】
幾つかの実施形態では、患者は、赤血球(RBC)輸血依存である。幾つかの実施形態では、赤血球輸血依存とは、患者が治療前の8週間にわたってHgb 9g/dL未満に対して少なくとも4単位の赤血球濃厚液を必要とすることを意味する。
【0044】
幾つかの実施形態では、患者は、健常人の対照群と比べて血清ヘプシジン値が上昇している。幾つかの実施形態では、患者は、健常人の対照群と比べて血清C反応性タンパク質(CRP)濃度が上昇している。幾つかの実施形態では、上昇した血清CRP濃度は、約10μg/mL以上の濃度である。幾つかの実施形態では、健常人は、Santini,et al.,PLoS One,6(8),e23109,pages 1〜8(2011)で定義されるものであり、これにより、この文献の内容全体を参照によって本願明細書に引用したものとする。
【0045】
幾つかの実施形態では、患者は、1又は2の修正グラスゴー予後スコア(modified Glasgow Prognostic Score)を有する。修正グラスゴー予後スコア(GPS)は、McMillian,Cancer Treatment Reviews,39(5):534〜540(2013)に記載されており、これにより、この文献の内容全体(とりわけ、表1に示されているスコア)を参照によって本願明細書に引用したものとする。
【0046】
幾つかの実施形態では、本発明は、本明細書に記載の化合物、又はその製薬的に許容できる塩を、本明細書のいずれかの実施形態に記載されているように、本明細書に記載のいずれかの疾患又は障害の治療方法で使用するために、提供する。幾つかの実施形態では、本発明は、本明細書に記載の化合物、又はその製薬的に許容できる塩の使用を、本明細書のいずれかの実施形態に記載されているように、本明細書に記載のいずれかの疾患又は障害の治療方法で使用するための薬剤の調製のために、提供する。
【0047】
JAK1選択的阻害剤はまた、本明細書に記載の化合物の製薬的に許容できる塩を含む。本明細書で使用するとき、「製薬的に許容できる塩」は開示される化合物の誘導体を指し、親化合物は、既存の酸部分又は塩基部分をその塩形態に転化することによって修正される。製薬的に許容できる塩の例には、アミンなどの塩基性残基の無機又は有機酸塩、カルボン酸などの酸性残基のアルカリ又は有機塩、及び同種のものが挙げられるが、これらに限定されない。製薬的に許容できる塩には、例えば、非毒性の無機又は有機酸から形成された親化合物の非毒性塩が含まれる。製薬的に許容できる塩は、塩基性部分又は酸性部分を含む親化合物から従来の化学的手法によって合成され得る。一般には、かかる塩は、これらの化合物の遊離酸性又は塩基性形態を適切な塩基又は酸の化学量論量と水中、有機溶媒中、又はそれら2つの混合物中で反応させることにより調製され得、一般には、エーテル、酢酸エチル、アルコール(例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、又はブタノール)、アセトニトリル(ACN)などの非水性媒体が好ましい。好適な塩のリストは、Remington’s Pharmaceutical Sciences,17th ed.,Mack Publishing Company,Easton,Pa.,1985,p.1418及びJournal of Pharmaceutical Science,66,2(1977)に記載されており、各文献の内容全体を参照によって本願明細書に引用したものとする。幾つかの実施形態では、本明細書に記載の化合物はN−酸化物形態を含む。
【0048】
本明細書に記載の化合物は、非対称性であり得る(例えば、1つ以上の立体中心を有している)。別途記載のない限り、鏡像異性体、ジアステレオマーなど、全ての立体異性体を対象とする。非対称に置換された炭素原子を含有する本明細書に記載の化合物は、光学活性体又はラセミ体で単離され得る。光学不活性の出発原料から光学活性体を調製する方法は、ラセミ混合物の分割による方法、立体選択合成による方法など、当該技術分野において周知である。オレフィン、C=N二重結合、及び同種のものの多くの幾何異性体もまた、本明細書に記載の化合物中に存在することができ、そのような安定異性体は全て、本発明において意図される。本発明の化合物のシス及びトランス幾何異性体が記述され、異性体の混合物として、又は別個の異性体として、単離され得る。
【0049】
化合物のラセミ混合物の分割は、当該技術分野において周知である多数の方法のうちのいずれかによって実施され得る。方法の例には、光学活性の塩生成有機酸であるキラル分割酸を使用した分別再結晶が挙げられる。分別再結晶法の好適な分割剤は、例えば、光学活性酸であり、酒石酸、ジアセチル酒石酸、ジベンゾイル酒石酸、マンデル酸、リンゴ酸、乳酸、又はβ−カンファースルホン酸などの様々な光学活性カンファースルホン酸のD体及びL体などである。分別再結晶法に好適な他の分割剤には、α−メチルベンジルアミン(例えば、S及びR体、又は純粋なジアステレオマー体)、2−フェニルグリシノール、ノルエフェドリン、エフェドリン、N−メチルエフェドリン、シクロヘキシルエチルアミン、1,2−ジアミノシクロヘキサン、及び同種のものの純粋な立体異性体が挙げられる。
【0050】
ラセミ混合物の分割はまた、光学活性分割剤(例えば、ジニトロベンゾイルフェニルグリシン)が充填されたカラムでの溶出により実施され得る。好適な溶出溶媒組成物は、当業者なら決定することができる。
【0051】
本明細書に記載の化合物はまた、互変異性体も含む。互変異性体は、プロトンの同時移動と共に、単結合を隣接する二重結合と交換することから得られる。互変異性体には、同じ実験式及び総電荷を有している異性体プロトン化状態であるプロトトロピー互変異性体が含まれる。プロトトロピー互変異性体の例には、ケトン−エノールペア、アミド−イミド酸ペア、ラクタム−ラクチムペア、エナミン−イミンペア、及びプロトンが複素環系の2つ以上の位置を占め得る環状体、例えば、1H−及び3H−イミダゾール、1H−、2H−及び4H−1,2,4−トリアゾール、1H−及び2H−イソインドール、並びに1H−及び2H−ピラゾールが挙げられる。互変異性体は、適切な置換によって平衡的に又は立体的に1つの形態に固定され得る。
【0052】
本発明の化合物はまた、中間体又は最終化合物に存在する原子の全ての同位体も含み得る。同位体には、原子番号は同じでも質量数が異なる原子が含まれる。例えば、水素の同位体には重水素が含まれる。
【0053】
本明細書で使用するとき、用語「化合物」は、記載された構造の全ての立体異性体、幾何異性体、互変異性体、及び同位体を含むように意図されている。更に、名前又は構造によって1つの特定の互変異性体に識別される本明細書に記載の化合物は、特に明記しない限り、他の互変異性体を含むように意図されている。
【0054】
全ての化合物及びその製薬的に許容できる塩は、水、溶媒などの他の物質と一緒に検出され得る(例えば、水和物及び溶媒和物)、又は単離され得る。
【0055】
幾つかの実施形態では、本明細書に記載の化合物又はその塩は、実質的に単離される。「実質的に単離される」は、化合物がその形成又は検出環境から少なくとも部分的に又は実質的に分離されることを意味する。部分的な分離は、例えば、本発明の化合物中で濃縮された組成物を含み得る。実質的な分離は、本発明の化合物又はその塩の少なくとも約50重量%、少なくとも約60重量%、少なくとも約70重量%、少なくとも約80重量%、少なくとも約90重量%、少なくとも約95重量%、少なくとも約97重量%、又は少なくとも約99重量%を含有している組成物を含み得る。化合物及びその塩を単離する方法は、当該技術分野において常用されている。
【0056】
本明細書で使用するとき、用語「個体」又は「患者」は、互換的に使用され、哺乳類、好ましくは、マウス、ラット、その他のげっ歯類、ウサギ、イヌ、ネコ、ブタ、ウシ、ヒツジ、ウマ、又は霊長類、及び最も好ましくはヒトを含めて、任意の動物を指す。
【0057】
本明細書で使用するとき、成句「治療的に有効な量」は、組織、系、動物、固体、又はヒトにおいて研究者、獣医、医師、又は他の臨床医によって探究されている生物学的応答又は薬物応答を引き出す活性化合物又は医薬品の量を指す。幾つかの実施形態では、治療的に有効な量は、約1mg〜約100mg、約1mg〜約20mg、約4mg〜約10mg、約5mg〜約1000mg、又は約10mg〜約500mgである。幾つかの実施形態では、治療的に有効な量は、4mg、6mg、又は10mg QDである。
【0058】
成句「製薬的に許容できる」は、堅実な医学的判断の範囲内において、合理的な利益/リスク比に相応な毒性、刺激、アレルギー反応、又はその他の問題若しくは合併症が過剰に発生することなく、ヒト及び動物の組織に接触した状態での使用に適しているそれらの化合物、材料、組成物、及び/又は剤形を指すために本明細書で使用される。
【0059】
本明細書で使用するとき、用語「治療する」又は「治療」は、(1)疾病を予防すること、例えば、疾病、容態、又は障害になりやすくなっている可能性があるが、まだその病状又は徴候を呈して又は示していない個体において疾病、容態、又は障害を予防すること、(2)疾病を抑制すること、例えば、疾病、容態、又は障害の病状又は徴候を呈して又は示している個体において疾病、容態、又は障害を抑制すること(即ち、病状及び/又は徴候の更なる発展を阻止すること)、及び(3)疾病を改善すること、例えば、疾病の重症度を減少させるなど、疾病、容態、又は障害の病状又は徴候を呈して又は示している個体において疾病、容態、又は障害を改善すること(即ち、病状及び/又は徴候を反転させること)のうちの1つ以上を指す。
【0060】
併用療法
本明細書に記載の方法は、1つ以上の追加の治療薬を投与することを更に含み得る。この1つ以上の追加の治療薬は、同時に又は連続的に患者に投与され得る。
【0061】
幾つかの実施形態では、この方法は、IMiD、抗IL−6剤、抗TNF−α剤、メチル化抑制剤、及び生物学的修飾物質(BRM)から選択される追加の治療薬を投与することを更に含む。
【0062】
一般には、BRMは、疾病を治療するために生体から製造される物質であり、体内で自然に発生することも、実験室内で製造されることもある。BRMの例には、IL−2、インターフェロン、様々なタイプのコロニー刺激因子(CSF、GM−CSF、G−CSF)、アブシキシマブなどのモノクローナル抗体、エタネルセプト、インフリキシマブ、リツキシマブ、トラスツズマブ、及び高用量アスコルビン酸塩が挙げられる。
【0063】
幾つかの実施形態では、抗TNF−α剤はインフリキシマブ及びエタネルセプトである。
【0064】
幾つかの実施形態では、メチル化抑制剤は、DNAメチルトランスフェラーゼ阻害剤である。幾つかの実施形態では、DNAメチルトランスフェラーゼ阻害剤は、5アザシチジン及びデシタビンから選択される。
【0065】
一般には、IMiDは、免疫調節薬として存在する。幾つかの実施形態では、IMiDは、サリドマイド、レナリドミド、ポマリドミド、CC−11006、及びCC−10015から選択される。
【0066】
幾つかの実施形態では、この方法は、抗胸腺細胞グロブリン、組み換えヒト顆粒球コロニー刺激因子(G CSF)、顆粒球単球CSF(GM−CSF)、赤血球造血刺激因子製剤(ESA)、及びサイクロスポリンから選択される追加の治療薬を投与することを更に含む。
【0067】
幾つかの実施形態では、この方法は、追加のJAK阻害剤を患者に投与することを更に含む。幾つかの実施形態では、追加のJAK阻害剤は、トファシチニブ又はルキソリチニブである。
【0068】
1つ以上の追加の治療薬には、化学療法薬、抗炎症薬、ステロイド、免疫抑制薬、並びに、例えば、国際公開第2006/056399号に記載のものなど(これにより、この特許の内容全体を参照によって本願明細書に引用したものとする)、Bcr−Abl、Flt−3、RAF、及びFAKキナーゼ阻害剤が含まれてもよく、又は他の薬剤を本明細書に記載の化合物と組み合わせて使用することができる。
【0069】
化学療法薬の例には、プロテオソーム阻害剤(例えば、ボルテゾミブ)、サリドマイド、レブラミド、並びにメルファラン、ドキソルビシン、シクロホスファミド、ビンクリスチン、エトポシド、カルムスチン、及び同種のものなどのDNA損傷剤が挙げられる。
【0070】
ステロイドの例には、デキサメサゾン又はプレドニゾンなどの副腎皮質ホルモンが挙げられる。
【0071】
Bcr−Abl阻害剤の例には、米国特許第5,521,184号、国際公開第04/005281号、及び米国特許出願60/578,491に開示されている属及び種の化合物並びにその製薬的に許容できる塩が挙げられ、これにより、それら全ての特許の内容全体を参照によって本願明細書に引用したものとする。
【0072】
好適なFlt−3阻害剤の例には、国際公開第03/037347号、同第03/099771号、及び同第04/046120号に開示されているような化合物並びにその製薬的に許容できる塩が挙げられ、これにより、それら全ての特許の内容全体を参照によって本願明細書に引用したものとする。
【0073】
好適なRAF阻害剤の例には、国際公開第00/09495号及び同第05/028444号に開示されているような化合物並びにその製薬的に許容できる塩が挙げられ、これにより、それら両方の特許の内容全体を参照によって本願明細書に引用したものとする。
【0074】
好適なFAK阻害剤の例には、国際公開第04/080980号、同第04/056786号、同第03/024967号、同第01/064655号、同第00/053595号、及び同第01/014402号に開示されているような化合物並びにその製薬的に許容できる塩が挙げられ、これにより、それら全ての特許の内容全体を参照によって本願明細書に引用したものとする。
【0075】
幾つかの実施形態では、本発明の1つ以上の化合物が、とりわけイマチニブ又は他のキナーゼ阻害剤に耐性を示す患者を治療するために、イマチニブを含む1つ以上の他のキナーゼ阻害剤と組み合わせて使用され得る。
【0076】
幾つかの実施形態では、好適な化学療法薬は、代謝拮抗薬、トポイソメラーゼ1阻害剤、白金アナログ、タキサン、アントラサイクリン、及びEGFR阻害剤、並びにこれらの組み合わせから選択され得る。
【0077】
幾つかの実施形態では、代謝拮抗薬には、カペシタビン、ゲムシタビン、及びフルオロウラシル(5−FU)が含まれる。
【0078】
幾つかの実施形態では、タキサンには、パクリタキセル、Abraxane(登録商標)(注射懸濁液用のパクリタキセル蛋白結合粒子)、及びTaxotere(登録商標)(ドセタキセル)が含まれる。
【0079】
幾つかの実施形態では、白金アナログには、オキサリプラチン、シスプラチン、及びカルボプラチンが含まれる。
【0080】
幾つかの実施形態では、トポイソメラーゼ1阻害剤には、イリノテカン及びトポテカンが含まれる。
【0081】
幾つかの実施形態では、アントラサイクリンには、ドキソルビシン又はドキソルビシンのリポソーム製剤が含まれる。
【0082】
幾つかの実施形態では、化学療法薬は、FOLFIRINOX(5−FU、ロイコボリン(lecovorin)、イリノテカン、及びオキサリプラチン)である。幾つかの実施形態では、化学療法薬は、ゲムシタビン及びAbraxane(登録商標)(注射懸濁液用のパクリタキセル蛋白結合粒子)である。
【0083】
幾つかの実施形態では、追加の治療薬は、メルファラン、メルファランとプレドニゾン[MP]、ドキソルビシン、デキサメサゾン、及びベルケイド(ボルテゾミブ)である。多発性骨髄腫の治療に使用される更に追加の薬剤には、Bcr−Abl、Flt−3、RAF、及びFAKキナーゼ阻害剤が含まれる。これらの薬剤は本化合物と単一又は連続した剤形で組み合わされ得る、又はこれらの薬剤は別個の剤形として同時に又は連続的に投与され得る。
【0084】
幾つかの実施形態では、デキサメサゾンなどの副腎皮質ホルモンは、少なくとも1つのJAK1選択的阻害剤と組み合わせて患者に投与され、デキサメサゾンは連続的ではなく断続的に投与される。
【0085】
更に幾つかの実施形態では、1つ以上のJAK1選択的阻害剤と他の治療薬との組み合わせが、骨髄移植又は幹細胞移植の前、施術中、及び/又は後に患者に投与され得る。
【0086】
幾つかの実施形態では、追加の治療薬は、フルオシノロンアセトニド(Retisert(登録商標))、又はリメキソロン(AL−2178、Vexol、Alcon)である。
【0087】
幾つかの実施形態では、追加の治療薬はサイクロスポリン(Restasis(登録商標))である。
【0088】
幾つかの実施形態では、追加の治療薬は副腎皮質ホルモンである。幾つかの実施形態では、副腎皮質ホルモンは、トリアムシノロン、デキサメサゾン、フルオシノロン、コルチゾン、プレドニゾロン、又はフルメトロンである。
【0089】
幾つかの実施形態では、追加の治療薬は、Dehydrex(商標)(Holles Labs)、シバミド(Opko)、ヒアルロン酸ナトリウム(Vismed、Lantibio/TRB Chemedia)、サイクロスポリン(ST−603、Sirion Therapeutics)、ARG101(T)(テストステロン、Argentis)、ARG1012(P)(Argentis)、エカベトナトリウム(Senju−Ista)、ゲファルナート(Santen)、15−(s)−ヒドロキシエイコサテトラエン酸(15(S)−HETE)、セビメリン(cevilemine)、ドキシサイクリン(ALTY−0501、Alacrity)、ミノサイクリン、iDestrin(商標)(NP50301、Nascent Pharmaceuticals)、サイクロスポリンA(Nova22007、Novagali)、オキシテトラサイクリン(Duramycin、MOLI1901、Lantibio)、CF101(2S,3S,4R,5R)−3,4−ジヒドロキシ−5−[6−[(3−ヨードフェニル)メチルアミノ]プリン−9−イル]−N−メチル−オキソラン−2−カルバミル、Can−Fite Biopharma)、ボクロスポリン(LX212又はLX214、Lux Biosciences)、ARG103(Agentis)、RX−10045(合成レゾルビンアナログ、Resolvyx)、DYN15(Dyanmis Therapeutics)、リボグリタゾン(DE011、Daiichi Sanko)、TB4(RegeneRx)、OPH−01(Ophtalmis Monaco)、PCS101(Pericor Science)、REV1−31(Evolutec)、ラクリチン(Senju)、レバミピド(Otsuka−Novartis)、OT−551(Othera)、PAI−2(University of Pennsylvania及びTemple University)、ピロカルピン、タクロリムス、ピメクロリムス(AMS981、Novartis)、ロテプレドノールエタボナート、リツキシマブ、ジクアホソルテトラナトリウム(INS365、Inspire)、KLS−0611(Kissei Pharmaceuticals)、デヒドロエピアンドロステロン、アナキンラ、エファリズマブ、ミコフェノール酸ナトリウム、エタネルセプト(Embrel(登録商標))、ヒドロキシクロロキン、NGX267(TorreyPines Therapeutics)、アクテムラ、ゲムシタビン、オキサリプラチン、L−アスパラギナーゼ、又はサリドマイドから選択される。
【0090】
幾つかの実施形態では、追加の治療薬は、抗血管新生薬、コリン作動薬、TRP−1受容体調節薬、カルシウムチャネル拮抗薬、ムチン分泌促進薬、MUC1刺激薬、カルシニューリン阻害薬、副腎皮質ホルモン、P2Y2受容体作動薬、ムスカリン受容体作動薬、mTOR阻害剤、別のJAK阻害剤、Bcr−Ablキナーゼ阻害剤、Flt−3キナーゼ阻害剤、RAFキナーゼ阻害剤、及びFAKキナーゼ阻害剤、例えば、国際公開第2006/056399号に記載のものなどであり、これにより、この特許の内容全体を参照によって本願明細書に引用したものとする。幾つかの実施形態では、追加の治療薬は、テトラサイクリン誘導体(例えば、ミノサイクリン又はドキシサイクリン(doxycline))である。幾つかの実施形態では、追加の治療薬はFKBP12に結合する。
【0091】
幾つかの実施形態では、追加の治療薬は、アルキル化剤又はDNA架橋剤;代謝拮抗薬/脱メチル化剤(例えば、5−フルオロウラシル(flurouracil)、カペシタビン、又はアザシチジン);抗ホルモン療法(例えば、ホルモン受容体拮抗薬、SERM、又はアロマターゼ阻害剤);分裂阻害剤(例えば、ビンクリスチン又はパクリタキセル);トポイソメラーゼ(I又はII)阻害剤(例えば、ミトキサントロン及びイリノテカン);アポトーシス誘導剤(例えば、ABT−737);核酸療法(例えば、アンチセンス又はRNAi);核内受容体リガンド(例えば、作動薬及び/又は拮抗薬:オールトランスレチノイン酸又はベキサロテン);ヒストン脱アセチル化酵素阻害薬(例えば、ボリノスタット)、メチル化抑制剤(例えば、デシタビン)などのエピジェネティック標的薬;Hsp90阻害剤、ユビキチン及び/又はユビキチン様共役若しくは脱共役分子などのタンパク質安定性の調整剤;又はEGFR阻害剤(エルロチニブ)である。
【0092】
製剤処方及び剤形
医薬品として使用されるとき、JAK1選択的阻害剤は、医薬組成物の形態で投与され得る。これらの組成物は、製薬技術分野において周知の方法で調製され得、局所性の治療と全身性の治療のどちらが好ましいかの選択及び治療する領域に応じて、様々な経路で投与され得る。投与は、局所性でも(経皮投与、表皮投与、点眼、及び鼻腔内、膣、直腸送達などの粘膜への投与を含む)、肺でも(例えば、噴霧など、粉末又はエアロゾルの吸入又は送気による方法、気管内又は鼻腔内)、経口でも、非経口でもよい。非経口投与には、静脈内、動脈内、皮下、腹腔内筋肉内又は(intraperitoneal intramuscular or)注射若しくは注入、又は頭蓋内(例えば、髄腔内又は脳室内)投与が含まれる。非経口投与は、単回ボーラス投与の形態で行うことができ、又は、例えば、連続注入ポンプによる方法でもよい。局所性投与の医薬組成物及び処方は、経皮貼付剤、軟膏、ローション、クリーム、ゲル、点滴、座薬、噴霧剤、液体、及び粉末を含み得る。従来の製薬学的な担体である、水性、粉末性、又は油性の基剤、増粘剤、及び同種のものが、必要又は好ましい場合がある。
【0093】
本発明はまた、1つ以上の製薬的に許容できる担体(賦形剤)と組み合わせて、本明細書に記載のJAK1選択的阻害剤又はその製薬的に許容できる塩を活性成分として含有する医薬組成物を含む。幾つかの実施形態では、この組成物は、局所性投与に適している。この組成物の製造において、活性成分は、典型的には賦形剤と混合されるか、賦形剤によって希釈されるか、又は、例えば、カプセル、袋、紙、又は他の容器の形態でかかる担体内に封入される。賦形剤が希釈剤として働く場合、その賦形剤は、固体、半固体、又は液体材料であり得、活性成分の媒介物、担体、又は媒体として機能する。そのため、この組成物は、錠剤、丸剤、散剤、菱形剤、袋、カシェ剤、エリキシル剤、懸濁剤、乳剤、水剤、シロップ剤、エアロゾル(固体として又は液体媒質中)、例えば、最大10重量%の活性化合物を含有している軟膏、軟質及び硬質ゼラチンカプセル、座薬、無菌注射溶液、並びに滅菌包装散剤の形態であり得る。
【0094】
処方の調製において、活性化合物は、他の成分と組み合わせる前に適切な粒径となるように粉砕され得る。活性化合物が実質的に不溶性である場合、その活性化合物は200メッシュ未満の粒径まで粉砕され得る。活性化合物が実質的に水溶性である場合、粒径は、処方内で実質的に一様分布、例えば、約40メッシュとなるように粉砕によって調節され得る。
【0095】
JAK1選択的阻害剤は、錠剤形成及び他の処方タイプに対して適切な粒径となるように、湿式粉砕などの公知の粉砕方法を使用して粉砕されてもよい。JAK1選択的阻害剤の超微粒子状(ナノ粒子状)調製物は、当該技術分野において周知のプロセスによって調製され得る(例えば、国際公開第2002/000196号を参照)。
【0096】
好適な賦形剤の幾つかの例には、乳糖、ブドウ糖、ショ糖、ソルビトール、マンニトール、でんぷん、アラビアゴム、リン酸カルシウム、アルギン酸塩、トラガカント、ゼラチン、ケイ酸カルシウム、微結晶セルロース、ポリビニルピロリドン、セルロース、水、シロップ、及びメチルセルロースが含まれる。処方には、滑石、ステアリン酸マグネシウム、鉱油などの平滑剤;湿潤剤;乳化剤及び懸濁化剤;メチル−及びプロピルヒドロキシ−ベンゾアートなどの保存剤;甘味剤;並びに着香剤が更に含まれる。組成物は、当該技術分野において周知の方法を使用して、患者に投与してから活性成分が急速に、持続的に、又は遅延して放出されるように処方され得る。
【0097】
幾つかの実施形態では、医薬組成物は、ケイ化微結晶セルロース(SMCC)及び本明細書に記載の少なくとも1つの化合物又はその製薬的に許容できる塩を含む。幾つかの実施形態では、ケイ化微結晶セルロースは、約98%の微結晶セルロース及び約2%の二酸化ケイ素(W/W)を含む。
【0098】
幾つかの実施形態では、組成物は、本明細書に記載の少なくとも1つのJAK1選択的阻害剤又はその製薬的に許容できる塩と少なくとも1つの製薬的に許容できる担体を含む持続放出組成物である。幾つかの実施形態では、組成物は、本明細書に記載の少なくとも1つのJAK1選択的阻害剤又はその製薬的に許容できる塩と、微結晶セルロース、ラクトース一水和物、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、及びポリエチレンオキシドから選択される少なくとも1つの成分とを含む。幾つかの実施形態では、組成物は、本明細書に記載の少なくとも1つのJAK1選択的阻害剤又はその製薬的に許容できる塩、微結晶セルロース、ラクトース一水和物、及びヒドロキシプロピルメチルセルロースを含む。幾つかの実施形態では、組成物は、本明細書に記載の少なくとも1つのJAK1選択的阻害剤又はその製薬的に許容できる塩、微結晶セルロース、ラクトース一水和物、及びポリエチレンオキシドを含む。幾つかの実施形態では、組成物は、ステアリン酸マグネシウム又は二酸化ケイ素を更に含む。幾つかの実施形態では、微結晶セルロースは、Avicel PH102(商標)である。幾つかの実施形態では、ラクトース一水和物は、Fast−flo 316(商標)である。幾つかの実施形態では、ヒドロキシプロピルメチルセルロースは、ヒドロキシプロピルメチルセルロース2208 K4M(例えば、Methocel K4 M Premier(商標))及び/又はヒドロキシプロピルメチルセルロース2208 K100LV(例えば、Methocel K00LV(商標))である。幾つかの実施形態では、ポリエチレンオキシドは、ポリエチレンオキシドWSR 1105(例えば、Polyox WSR 1105(商標))である。
【0099】
幾つかの実施形態では、組成物の製造に湿式造粒プロセスが使用される。幾つかの実施形態では、組成物の製造に乾式造粒プロセスが使用される。
【0100】
組成物は単位剤形で処方され得、それぞれの用量は、約5〜約1,000mg(1g)、より一般には、約100mg〜約500mgの活性成分を含む。幾つかの実施形態では、それぞれの容量は、約10mgの活性成分を含む。幾つかの実施形態では、それぞれの容量は、約50mgの活性成分を含む。幾つかの実施形態では、それぞれの容量は、約25mgの活性成分を含む。用語「単位剤形」は、ヒト被験体及び他の哺乳類に対する単位投与量として適する物理的に別個の単位を指し、それぞれの単位は、好適な医薬品賦形剤と併せて好ましい治療的効果が得られるように計算された所定の量の活性物質を含む。
【0101】
幾つかの実施形態では、組成物は、約2mg〜約10mg、又は約5mg〜約50mgの活性成分を含む。これは、約2mg〜約10mg、5mg〜約10mg、約10mg〜約15mg、約15mg〜約20mg、約20mg〜約25mg、約25mg〜約30mg、約30mg〜約35mg、約35mg〜約40mg、約40mg〜約45mg、又は約45mg〜約50mgの活性成分を含む化合物又は組成物を具現することを、当業者なら理解するであろう。
【0102】
幾つかの実施形態では、組成物は、約50mg〜約500mgの活性成分を含む。これは、約50mg〜約100mg、約100mg〜約150mg、約150mg〜約200mg、約200mg〜約250mg、約250mg〜約300mg、約350mg〜約400mg、又は約450mg〜約500mgの活性成分を含む化合物又は組成物を具現することを、当業者なら理解するであろう。
【0103】
幾つかの実施形態では、組成物は、約500mg〜約1,000mgの活性成分を含む。これは、約500mg〜約550mg、約550mg〜約600mg、約600mg〜約650mg、約650mg〜約700mg、約700mg〜約750mg、約750mg〜約800mg、約800mg〜約850mg、約850mg〜約900mg、約900mg〜約950mg、又は約950mg〜約1,000mgの活性成分を含む化合物又は組成物を具現することを、当業者なら理解するであろう。
【0104】
活性化合物は、幅広い投与量範囲にわたって有効であり得、一般には、製薬的に有効な量で投与される。しかし、実際に投与される化合物の量は、通常は、治療する容態、選択した投与経路、投与される実際の化合物、個々の患者の年齢、体重、及び応答、患者の症状の重症度、並びに同種のものを含め、関連する状況に応じて医師により決定されることは理解されるであろう。
【0105】
錠剤などの固形組成物を調製するために、主要活性成分は、医薬品賦形剤と混合されて、本明細書に記載の化合物又はその製薬的に許容できる塩の均質混合物を含有する固形の予備処方組成物を形成する。これらの予備処方組成物を均質と呼ぶ場合、活性成分は、典型的には、組成物全体にわたって均一に分散しているので、組成物は、錠剤、丸剤、カプセルなど、等しい効果の単位剤形に容易に分割することができる。次いで、この固形の予備処方組成物は、例えば、本発明の約0.1〜約1000mgの活性成分を含有している、前述のタイプの単位剤形に分割される。
【0106】
錠剤又は丸剤は、コーティングないし別の方法で調合されて、持続性作用の利点を有する剤形を提供する。例えば、錠剤又は丸剤は、内側の投与量構成要素及び外側の投与量構成要素を含むことができ、後者は前者の外皮となる。これら2つの構成要素は、胃の中での分解を阻止するように働く腸溶性の層によって隔てることができ、内側の構成要素が十二指腸内に無傷で届くように、又は遅れて放出されるようにすることができる。このような腸溶性の層又はコーティングには、様々な物質を使用することができ、そのような物質には、幾つかのポリマー酸、及びポリマー酸とセラック、セチルアルコール、酢酸セルロースなどの物質との混合物が挙げられる。
【0107】
化合物及び組成物を経口又は注射による投与のために混合させることができる液体形態には、水溶液、好適には、香味シロップ、水性又は油性懸濁液、及び綿実油、ゴマ油、ココナッツ油、ピーナッツ油などの食用油を含有する香味乳液、並びにエリキシル及び同種の賦形薬が挙げられる。
【0108】
吸入又は送気のための組成物には、製薬的に許容できる水性若しくは有機溶媒中又はその混合物中の溶液及び懸濁液並びに粉末が含まれる。液体又は固体の組成物は、上で説明したように、好適な製薬的に許容できる賦形剤を含有してもよい。幾つかの実施形態では、組成物は、局所的又は全身的な効果を得るために口又は鼻の呼吸経路によって投与される。内部の組成物は、不活性ガスの使用によって噴霧され得る。噴霧された溶液は噴霧装置から直接吸い込まれてもよく、又は噴霧装置をフェイスマスクテント、若しくは間欠陽圧呼吸機械装置に接続することができる。溶液、懸濁液、又は粉末の組成物は、処方を適切な方法で送達する装置から経口又は経鼻投与することができる。
【0109】
局所処方は、1つ以上の従来の担体を含有し得る。幾つかの実施形態では、軟膏は、水並びに、例えば、流動パラフィン、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、プロピレングリコール、白色ワセリン、及び同種のものから選択される1つ以上の疎水性の担体を含有し得る。クリームの担体組成物は、水を主成分とし、グリセロール並びに1つ以上の他の成分、例えば、モノステアリン酸グリセリン、PEG−モノステアリン酸グリセリン、及びセチルステアリルアルコールと組み合わせられ得る。ゲルは、イソプロピルアルコール及び水を使用して、好適には、例えば、グリセロール、ヒドロキシエチルセルロース、及び同種のものなどの他の成分と組み合わされて、処方され得る。幾つかの実施形態では、局所処方は、少なくとも約0.1、少なくとも約0.25、少なくとも約0.5、少なくとも約1、少なくとも約2、又は少なくとも約5重量%の本明細書に記載の化合物又はその製薬的に許容できる塩を含有する。局所処方は、好適には、特定の適応症、例えば、乾せん又は他の皮膚容態の治療のための手順と任意追加的に関連付けられている、例えば、100gのチューブにパッケージ化され得る。
【0110】
患者に投与される化合物又は組成物の量は、投与されるもの、予防又は治療など、投与の目的、患者の状態、投与の方法、及び同種の要因によって変化する。治療的応用において、組成物は、既に疾病を発症している患者に、疾病及びその合併症の症状を治癒させる又は少なくとも部分的に停止させるのに十分な量で投与され得る。有効量は、治療される疾病の状態のみならず、疾病の重症度、患者の年齢、体重、及び一般容態、並びに同種のものなどの要因に応じて下される担当医師の判断によっても左右されることになる。
【0111】
患者に投与される組成物は、前述の医薬組成物の形態であり得る。これらの組成物は、従来の滅菌テクニックによって滅菌され得る、又は滅菌濾過されてもよい。水溶液は、そのまま使用するためにパッケージ化することも、凍結乾燥することもでき、凍結乾燥調製は投与の前に無菌水性担体と混合される。化合物調製物のpHは、典型的には3〜11、より好ましくは5〜9、及び最も好ましくは7〜8になる。前述の賦形剤、担体、又は安定剤の一部の使用が製薬的な塩の形成をもたらすことは理解されるであろう。
【0112】
本明細書に記載のJAK1選択的阻害剤又はその製薬的に許容できる塩の治療用量は、例えば、治療が行われる特定の用途、化合物の投与方法、患者の健康状態及び容態、並びに処方医師の判断に応じて変化し得る。医薬組成物中の本明細書に記載の化合物又はその製薬的に許容できる塩の比率又は濃度は、投与量、化学的特徴(例えば、疎水性)、投与経路を含む幾つかの要因に応じて変化し得る。例えば、JAK1選択的阻害剤は、非経口投与のために約0.1〜約10% w/vの化合物を含有している生理的緩衝水溶液で提供され得る。幾つかの典型的な投与量範囲は、1日あたり体重の約1μg/kg〜約1g/kgである。幾つかの実施形態では、投与量範囲は、1日あたり体重の約0.01mg/kg〜約100mg/kgである。投与量は、疾病又は障害の進行のタイプ及び範囲、特定患者の総合的な健康状態、選択した化合物の生物学的効果比、賦形剤の処方、並びに投与経路などの変数に左右されやすい。有効量は、インビトロ又は動物モデル試験システムから得られる用量反応曲線から外挿され得る。
【0113】
本発明の組成物は、化学療法薬、ステロイド、抗炎症化合物、又は免疫抑制薬などの1つ以上の追加の医薬品を更に含み得え、これらの例は、本明細書内に前述されている。
【0114】
キット
本発明はまた、例えば、骨髄異形成症候群の治療又は予防において有用な製薬キットを含み、これには、治療的に有効な量の本明細書に記載の化合物又はその製薬的に許容できる塩を含む医薬組成物を収容している1つ以上の容器が含まれる。当業者なら容易に理解するように、かかるキットは、例えば、1つ以上の製薬的に許容できる担体を含む容器、追加の容器など、従来の様々な製薬キット成分のうちの1つ以上を、所望により、更に含み得る。投与する成分の量、投与に関するガイドライン、及び/又は成分の混合に関するガイドラインを示している手順書もまた、挿入物又はラベルのいずれかの形式で、キットに含まれ得る。
【実施例】
【0115】
本発明は、具体的な実施例によってより詳細に説明される。次の実施例は、例示を目的として提供されるものであり、いかなる方法でも本発明を限定することは意図していない。当業者なら、本質的に同じ結果が得られるように変更又は修正することができる、様々な重要でないパラメーターを容易に認識するであろう。実施例の化合物は、本明細書に記載の少なくとも1つのアッセイによりJAK阻害剤になることがわかっている。
【0116】
実施例1.3−[1−(6−クロロピリジン−2−イル)ピロリジン−3−イル]−3−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]プロパンニトリル(単離された2つの異なる鏡像異性体)
【0117】
【化1】
【0118】
工程1.ベンジル3−{2−シアノ−1−[4−(7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]エチル}ピロリジン−1−カルボキシラート
ベンジル3−[2−シアノビニル]ピロリジン−1−カルボキシラート(4.3g、0.017mol、国際公開第2007/070514号Ex.742に記載されているように調製されるE及びZ異性体の混合物)をアセトニトリル(270mL)に溶解した。1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(5.02mL、0.0336mol)を加え、その後に4−(1H−ピラゾール−4−イル)−7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(5.6g、0.017mol、国際公開第2007/070514,Ex.65に記載されているように調製される)を加えた。この混合物をRTにおいて一晩中攪拌した。溶媒を回転蒸発によって除去し、残渣を酢酸エチルに再溶解した。この溶液を1N HCl、水、飽和重炭酸ナトリウム、及びブラインで連続して洗浄し、硫酸ナトリウムの上で乾燥させ、減圧下で濃縮した。生成物をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製し、ヘキサン中の0〜100%酢酸エチルの勾配で溶離してジアステレオマー1(第1の溶離)(3.5g、36%)及びジアステレオマー2(第2の溶離)(2.5g、25%)を産出した。LCMS(M+H):572.2。
【0119】
工程2.3−ピロリジン−3−イル−3−[4−(7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]プロパンニトリル
ベンジル3−{2−シアノ−1−[4−(7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]エチル}ピロリジン−1−カルボキシラート(3.5g、6.1mmol)(実施例1、工程1のジアステレオマー1)を100mLメタノールに溶解し、10%Pd−Cの触媒量を加えた。この混合物を1.0MPa(50psi)の水素下で24時間振とうさせた。次いで、この混合物を濾過し、溶媒を減圧下で除去した。生成物を更に精製することなく使用した。LCMS(M+H):438.2。
【0120】
工程3.3−[1−(6−クロロピリジン−2−イル)ピロリジン−3−イル]−3−[4−(7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]プロパンニトリル
NMP(1.6mL)及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン(96μL、0.55mmol)中の3−ピロリジン−3−イル−3−[4−(7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]プロパンニトリル(150mg、0.27mmol)及び2,6−ジクロロピリジン(48.7mg、0.329mmol)の混合物をマイクロ波で135℃まで20分間加熱した。シリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィーによる精製においてヘキサン中の0〜80%酢酸エチルの勾配で溶離させ、表題生成物(28mg、18%)を産出した。H NMR(400MHz,CDCl):δ 8.85(s,1H),8.36(s,1H),8.36(s,1H),7.41(d,1H),7.37(dd,1H),6.79(d,1H),6.57(d,1H),6.22(d,1H),5.68(s,2H),4.45(dt,1H),3.91(dd,1H),3.57−3.46(m,3H),3.39−3.29(m,2H),3.24(dd,1H),3.13−3.01(m,1H),3.01(dd,1H),1.98−1.88(m,1H),1.82−1.69(m,1H),0.95−0.88(m,2H),−0.06(s,9H);LCMS(M+H):549.1。
【0121】
このラセミ生成物をキラルHPLC(Chiral Technologies Chiralcel OJ−H、5μ、30×250mm、45% EtOH/ヘキサン、20mL/分)によって鏡像異性体に分離して鏡像異性体1(第1の溶離、保持時間40.7分)及び鏡像異性体2(第2の溶離、保持時間51.6分)を産出し、これらを工程4a/4bで別々に脱保護した。
【0122】
工程4a.3−[1−(6−クロロピリジン−2−イル)ピロリジン−3−イル]−3−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]プロパンニトリル(鏡像異性体1)
3−[1−(6−クロロピリジン−2−イル)ピロリジン−3−イル]−3−[4−(7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]プロパンニトリル(工程3の鏡像異性体1)を、1:1TFA/DCM(2mL)を含有している溶液中で2時間攪拌し、次いで濃縮した。残渣を1mLのMeOHに溶解し、0.2mLのEDAを加えた。分取HPLC/MS(0.15% NHOHを含有しているACN/HOの勾配で溶出するC18カラム)による精製で生成物を産出した。H NMR(400MHz,CDCl):δ 9.44(br s,1H),8.84(s,1H),8.37(s,2H),7.39(dd,1H),7.38(dd,1H),6.79(dd,1H),6.58(d,1H),6.22(d,1H),4.46(dt,1H),3.92(dd,1H),3.55−3.48(m,1H),3.39−3.31(m,2H),3.25(dd,1H),3.13−3.02(m,1H),3.02(dd,1H),2.00−1.88(m,1H),1.84−1.71(m,1H);LCMS(M+H):419.1。
【0123】
工程4b.3−[1−(6−クロロピリジン−2−イル)ピロリジン−3−イル]−3−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]プロパンニトリル(鏡像異性体2)
工程3の鏡像異性体2を使用して、工程4aと同じように実施した:H NMR(400MHz,CDCl):δ 9.59(br s,1H),8.84(s,1H),8.37(s,2H),7.40(dd,1H),7.38(dd,1H),6.79(dd,1H),6.58(d,1H),6.22(d,1H),4.46(dt,1H),3.92(dd,1H),3.55−3.48(m,1H),3.39−3.31(m,2H),3.25(dd,1H),3.14−3.02(m,1H),3.02(dd,1H),1.99−1.90(m,1H),1.83−1.72(m,1H);LCMS(M+H):419.1。
【0124】
実施例2.3−(1−[1,3]オキサゾロ[5,4−b]ピリジン−2−イルピロリジン−3−イル)−3−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]プロパンニトリル(単離された1つの鏡像異性体)
【0125】
【化2】
【0126】
工程1.3−(1−[1,3]オキサゾロ[5,4−b]ピリジン−2−イルピロリジン−3−イル)−3−[4−(7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]プロパンニトリル
1,4−ジオキサン(30mL)中のオキサゾロ[5,4−b]ピリジン−2(1H)−チオン(1.17g、7.68mmol、米国特許出願公開第2010/0298334号の実施例33、工程4に記載されているように調製される)及び3−ピロリジン−3−イル−3−[4−(7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]プロパンニトリル(実施例15、工程3の2.80g、6.40mmol)を70℃まで2時間加熱した。溶媒を減圧下で除去した。粗生成物をエタノール(40mL)で還元し、硝酸銀(3g、15mmol)及び水性水酸化アンモニウム(6mL)で20時間にわたって少しずつ処理した。反応に水、1N NaOH、及びブラインを加えた。不溶性の物質を濾過により除去した。濾液の層を分離させた。水性部分を3部分の酢酸エチルで抽出した。抽出物を硫酸ナトリウムの上で乾燥させ、デカントし、濃縮した。粗生成物をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製し、10% MeOH/DCMで溶離して、生成物を灰白色の発泡体として産出した(2.84g、80%)。H NMR(300MHz,CDCl):δ 8.83(s,1H),8.37(s,1H),8.36(s,1H),7.92(dd,1H),7.57(dd,1H),7.40(d,1H),7.13(dd,1H),6.78(d,1H),5.67(s,2H),4.52(dt,1H),4.05(dd,1H),3.82(ddd,1H),3.67−3.44(m,4H),3.25(dd,1H),3.24−3.09(m,1H),2.98(dd,1H),2.06−1.74(m,2H),0.97−0.88(m,2H),−0.06(s,9H);LCMS(M+H):556.1。
【0127】
工程2.3−(1−[1,3]オキサゾロ[5,4−b]ピリジン−2−イルピロリジン−3−イル)−3−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]プロパンニトリル
3−(1−[1,3]オキサゾロ[5,4−b]ピリジン−2−イルピロリジン−3−イル)−3−[4−(7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]プロパンニトリル(5.35g、9.63mmol、工程1の方法によって調製される)をDCM及びTFAの2:1混合物(60mL)中で6時間攪拌した。溶媒を回転蒸発によって除去した。粗残渣を、EDA(5.15mL、77.0mmol)を含有しているメタノール(50mL)に溶解し、一晩攪拌した。溶媒の除去後、生成物をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製し、0〜15% MeOH/DCM(3.59g、88%)の勾配で溶離した。H NMR(300MHz,CDCl):δ 8.72(s,1H),8.40(s,1H),8.34(s,1H),7.89(dd,1H),7.54(dd,1H),7.36(d,1H),7.12(dd,1H),6.75(d,1H),4.56(dt,1H),4.01(dd,1H),3.80(ddd,1H),3.60(ddd,1H),3.48(dd,1H),3.26(dd,1H),3.21−3.06(m,1H),3.02(dd,1H),2.03−1.76(m,2H);LCMS(M+H):426.1。
【0128】
実施例3.4−[(4−{3−シアノ−2−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]プロピル}ピペラジン−1−イル)カルボニル]−3−フルオロベンゾニトリルトリフルオロアセタート塩(単離された単一鏡像異性体)
【0129】
【化3】
【0130】
工程1.(R)−及び(S)−tert−ブチル4−{3−シアノ−2−[4−(7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]プロピル}ピペラジン−1−カルボキシラート
1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(5.5mL、0.037mol)をアセトニトリル(70mL)中の(E)−及び(Z)−tert−ブチル4−(3−シアノアリル)ピペラジン−1−カルボキシラート(11.1g、0.0441mol、米国特許出願公開第2011/0059951号の実施例1、工程1〜2に記載されているように調製される)及び4−(1H−ピラゾール−4−イル)−7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(11.6g、0.0368mol、国際公開第2007/070514号、実施例65に記載されているように調製される)の溶液に加えた。この混合物を50℃で15時間攪拌した。溶媒を減圧下で除去した。残渣を酢酸エチルに溶解し、水(3回)、ブライン(1回)で洗浄し、硫酸ナトリウムの上で乾燥させ、濃縮した。フラッシュカラムクロマトグラフィー、分取HPLC−MSを順に使用して(0.15% NHOHを含有しているMeCN/HOの勾配で溶離)、生成物を白色の発泡体として産出した(8.20g、39%)。
【0131】
キラルHPLCを使用してラセミ混合物を単一鏡像異性体に分離した(Phenomenex Lux−Cellulose−2、21.2×250mm、5μm、30% EtOH/70%ヘキサンにより20mL/分で溶離)。ピーク1(第1の溶離):4.0g及びピーク2(第2の溶離):4.0g.H NMRピーク1(400MHz,CDCl):δ 8.84(s,1H),8.33(s,1H),8.31(s,1H),7.40(d,1H),6.79(d,1H),5.68(s,2H),4.70−4.62(m,1H),3.58−3.51(m,2H),3.44−3.35(br m,4H),3.16(dd,1H),3.10(dd,1H),2.99(dd,1H),2.89(dd,1H),2.50−2.40(br m,4H),1.44(s,9H),0.95−0.89(m,2H),−0.06(s,9H);LCMS(M+H):567.3。H NMRピーク2(400MHz,CDCl):δ 8.84(s,1H),8.32(s,1H),8.31(s,1H),7.40(d,1H),6.79(d,1H),5.68(s,2H),4.70−4.62(m,1H),3.58−3.51(m,2H),3.45−3.34(br m,4H),3.16(dd,1H),3.10(dd,1H),2.99(dd,1H),2.90(dd,1H),2.50−2.40(br m,4H),1.44(s,9H),0.95−0.89(m,2H),−0.06(s,9H);LCMS(M+H):567.3。
【0132】
工程2.4−ピペラジン−1−イル−3−[4−(7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]ブタンニトリル塩酸塩
tert−ブチル4−{3−シアノ−2−[4−(7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]プロピル}ピペラジン−1−カルボキシラート(4.0g、7.0mmol;工程1のピーク2)を1,4−ジオキサン(40mL)に溶解し、ジオキサン中の4.0MのHCl(25mL、100mmol)を加えた。この混合物を室温で80分間攪拌した。溶媒を減圧下で除去して、生成物を塩酸塩として産出した。LCMS(M+H):467.3。
【0133】
工程3.4−[(4−{3−シアノ−2−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]プロピル}ピペラジン−1−イル)カルボニル]−3−フルオロベンゾニトリルトリフルオロアセタート塩
THF(10.0mL)中の4−シアノ−2−フルオロ安息香酸(138mg、0.836mmol、Alfa Aesar)、N,N,N’,N’−テトラメチル−O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)ウロニウムヘキサフルオロホスファート(254mg、0.669mmol)及びトリエチルアミン(0.466mL、3.34mmol)の混合物を室温で15分間攪拌した。4−ピペラジン−1−イル−3−[4−(7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]ブタンニトリル塩酸塩(0.33g、0.56mmol;工程2由来)を加えた。この反応を室温で1時間攪拌した。この反応を酢酸エチル及び水で希釈した。層を分離し、有機層を水、0.1N NaOH、及びブラインで連続して洗浄し、硫酸ナトリウムの上で乾燥させ、濃縮した。残渣をDCM:THAの2:1混合物に溶解し、3時間攪拌し、濃縮し、次いで0.8mLのエチレンジアミンを加えた8mLメタノールの混合物に溶解した。1時間攪拌した後、生成物をHPLC−MSによって精製し、0.2% TFAを含有しているMeCN及びHOの勾配で溶離した。溶離液を凍結し、凍結乾燥して、白色の粉末を産出した(200mg、47%)。H NMR(400MHz,d−dmso):δ 12.64(br s,1H),8.97(s,1H),8.83(s,1H),8.51(s,1H),7.99(dd,1H),7.82−7.76(m,2H),7.61(t,1H),7.15−7.11(m,1H),5.13(br m,1H),3.82−2.37(br,12H);19F NMR(400MHz,d−dmso):δ −74.97(s,7.2F),−114.49(br s,1F);LCMS(M+H):484.2。
【0134】
実施例4.4−[(4−{3−シアノ−2−[3−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピロール−1−イル]プロピル}ピペラジン−1−イル)カルボニル]−3−フルオロベンゾニトリルトリフルオロアセタート塩(単離された単一鏡像異性体)
【0135】
【化4】
【0136】
工程1.tert−ブチル4−{3−シアノ−2−[3−(7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピロール−1−イル]プロピル}ピペラジン−1−カルボキシラート
N,N−ジメチルホルムアミド(25mL)中の(E)−及び(Z)−tert−ブチル4−(3−シアノアリル)ピペラジン−1−カルボキシラート(4.0g、0.016mol;米国特許出願公開第2011/0059951号の実施例1、工程1〜2に記載されているように調製される)及び4−(1H−ピロール−3−イル)−7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(4.2g、0.013mol、国際公開第2009/114512号、実施例82に記載されているように調製される)の混合物に炭酸カリウム(5.540g、0.0401mol)を加えた。この混合物を60℃で17時間攪拌した。追加の(E)−及び(Z)−tert−ブチル4−(3−シアノアリル)ピペラジン−1−カルボキシラート(4.0g、0.016mol)を加え、この反応を60℃で24時間攪拌した。更なる部分の(E)−及び(Z)−tert−ブチル4−(3−シアノアリル)ピペラジン−1−カルボキシラート(4.0g、0.016mol)を加えた。3晩の加熱後、LCMSによって判定したところ、出発原料のほとんどが所望の生成物に転化していた。次いで、この混合物を濾過し、EtOAcで希釈し、水(3回)、ブライン(1回)で洗浄し、硫酸ナトリウムの上で乾燥させ、デカントし、濃縮した。分取HPLC−MSによる精製(0.15% NHOHを含有しているMeCN/HOの勾配で溶離)により、褐色の発泡体を産出した(4.20g、55%)。H NMR(300MHz,CDCl):δ 8.81(s,1H),7.66(t,1H),7.34(d,1H),6.97(dd,1H),6.89(t,1H),6.84(d,1H),5.66(s,2H),4.47−4.36(m,1H),3.57−3.50(m,2H),3.45−3.37(m,4H),3.06(dd,1H),3.00−2.90(m,2H),2.83(dd,1H),2.57−2.35(m,4H),1.45(s,9H),0.96−0.86(m,2H),−0.06(s,9H);LCMS(M+H):566.3。
【0137】
キラルHPLCを使用してラセミ化合物を単一鏡像異性体に分離した(Chiral Technologies ChiralPAK IA 20×250mm、5μm、移動相30% EtOH/70%ヘキサン、流量12mL/分)。ピーク1(第1の溶離鏡像異性体)、1.8g;ピーク2(第2の溶離鏡像異性体):1.9g。
【0138】
工程2.4−ピペラジン−1−イル−3−[3−(7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピロール−1−イル]ブタンニトリル塩酸塩
1,4−ジオキサン(20mL)中のtert−ブチル4−{3−シアノ−2−[3−(7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピロール−1−イル]プロピル}ピペラジン−1−カルボキシラート(1.9g、0.0034mol;工程1のピーク2)の溶液にp−ジオキサン中の4.0MのHCl(12mL、48mmol)を加えた。この混合物を室温で80分間攪拌した。溶媒を減圧下で除去して、生成物を淡黄色の固体として産出した(1.90g、100%)。LCMS(M+H):466.3。
【0139】
工程3.4−[(4−{3−シアノ−2−[3−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピロール−1−イル]プロピル}ピペラジン−1−イル)カルボニル]−3−フルオロベンゾニトリルトリフルオロアセタート塩
THF(2.4mL)中の4−シアノ−2−フルオロ安息香酸(44mg、0.26mmol、Alfa Aesar)、N,N,N’,N’−テトラメチル−O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)ウロニウムヘキサフルオロホスファート(93mg、0.24mmol)及びトリエチルアミン(171μL、1.22mmol)の混合物を室温で15分間攪拌した。4−ピペラジン−1−イル−3−[3−(7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピロール−1−イル]ブタンニトリル塩酸塩(110mg、0.20mmol;工程2由来)を加えた。この反応を2時間攪拌した。酢酸エチル及び水を加えた。層を分離し、有機層を水、1N NaOH、及びブラインで連続して洗浄し、硫酸ナトリウムの上で乾燥させ、濃縮した。残渣を最初にDCM:TFAの1:1混合物に1時間溶解してから濃縮し、次いでエチレンジアミン(0.2mL)を含有しているメタノール(2mL)中で1時間攪拌した。分取HPLC−MSによる精製(0.1% TFAを含有しているMeCN/HOの勾配で溶離)により、生成物を3.3×TFA塩として産出した(84mg、48%)。H NMR(300MHz,d−dmso):δ 13.22(br s,1H),8.90(s,1H),8.38(s,1H),8.00(dd,1H),7.97−7.93(m,1H),7.80(dd,1H),7.61(t,1H),7.35(s,2H),7.18−7.13(m,1H),5.00−4.80(m,1H),3.75−3.49(br m,2H),3.35−2.33(m,10H);19F NMR(300MHz,d−dmso):δ −74.82(s,10F),−114.53(s,1F);LCMS(M+H):483.2。
【0140】
実施例5.{1−{1−[3−フルオロ−2−(トリフルオロメチル)イソニコチノイル]ピペリジン−4−イル}−3−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]アゼチジン−3−イル}アセトニトリル
【0141】
【化5】
【0142】
工程A:tert−ブチル3−オキソアゼチジン−1−カルボキシラート
tert−ブチル3−ヒドロキシアゼチジン−1−カルボキシラート(10.0g、57.7mmol)、ジメチルスルホキシド(24.0mL、338mmol)、トリエチルアミン(40mL、300mmol)及び塩化メチレン(2.0mL)の混合物に三酸化イオウ−ピリジン錯体(40g、200mmol)を0℃にて少しずつ加えた。この混合物を3時間攪拌し、ブラインで急冷し、塩化メチレンで抽出した。混合抽出物を無水NaSOの上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラム(ヘキサン中の0〜6%酢酸エチル(EtOAc))によって精製して、tert−ブチル3−オキソアゼチジン−1−カルボキシラート(5.1g、52%収率)を得た。
【0143】
工程B:tert−ブチル3−(シアノメチレン)アゼチジン−1−カルボキシラート
攪拌子、セプタム、窒素入口、250mL添加漏斗、及び熱電対を備えた、オーブン乾燥された1Lの四口丸底フラスコに、水素化ナトリウム(5.6g、0.14mol)及びテトラヒドロフラン(THF)(140mL)を窒素雰囲気下で充填した。この混合物を3℃まで冷却した後、ジエチルシアノメチルホスホン酸塩(22.4mL、0.138mol)を20分かけて注射器で滴下充填した。この溶液は淡黄色のスラリーになった。次いで、この反応を18.2℃まで温めながら75分間攪拌した。テトラヒドロフラン(280mL)中のtert−ブチル3−オキソアゼチジン−1−カルボキシラート(20g、0.1mol)の溶液を、オーブン乾燥された丸底内で調製し、カニューレによって添加漏斗に充填した後、反応混合物に25分かけて滴下した。この反応溶液の色は赤色になった。この反応を一晩中攪拌させた。この反応を24時間後にTLC(70%ヘキサン/EtOAc)で検査し、反応が完了していることがわかった。この反応を200mLの20%ブライン及び250mLのEtOAcで希釈した。この溶液を分配し、水相を250mLのEtOAcで抽出した。混合有機相をMgSOの上で乾燥させ、濾過し、減圧下で蒸発させ、フラッシュクロマトグラフィー(0%〜20% EtOAc/ヘキサン、150gフラッシュカラム)によって精製して、所望の生成物、tert−ブチル3−(シアノメチレン)アゼチジン−1−カルボキシラート(15g、66.1%収率)を得た。
【0144】
工程C:4−クロロ−7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン
−5℃(氷/塩バス)のN,N−ジメチルアセトアミド(118mL)中の水素化ナトリウム(36.141g、903.62mmol)の懸濁液に、N,N−ジメチルアセトアミド(237mL)中の4−クロロピロロ[2,3−d]ピリミジン(119.37g、777.30mmol)の暗色の溶液をゆっくりと加えた。フラスコ及び添加漏斗をN,N−ジメチルアセトアミド(30mL)ですすいだ。大量のガスが即座に発生した。この混合物はわずかに混濁した橙色の混合物になった。この混合物を0℃で60分間攪拌して、淡褐色の混濁した混合物が得られた。この混合物に[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチルクロリド(152.40g、914.11mmol)をゆっくりと加え、反応を0℃にて1時間攪拌した。この反応を、12mLのHOをゆっくりと加えることにより急冷した。追加の水(120mL)を加え、その後にメチルtert−ブチルエーテル(MTBE)(120mL)を加えた。この混合物を10分間攪拌した。有機層を分離させた。水層を別の部分のMTBE(120mL)で抽出した。有機抽出物を混合し、ブライン(120mL×2)で洗浄し、減圧下で濃縮して、粗生成物4−クロロ−7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジンを暗色の油として得た。収量:85.07g(97%);LC−MS:284.1(M+H)。精製することなく次の反応に持ち越された。
【0145】
工程D:4−(1H−ピラゾール−4−イル)−7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン
1000mL丸底フラスコに4−クロロ−7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(10.00g、35.23mmol)、1−ブタノール(25.0mL)、1−(1−エトキシエチル)−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ピラゾール(15.66g、52.85mmol)、水(25.0mL)及び炭酸カリウム(12.17g、88.08mmol)を充填した。この溶液を4回脱気し、毎回窒素を充填した。この溶液にテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(4.071g、3.523mmol)を加えた。この溶液を4回脱気し、毎回窒素を充填した。この混合物を100℃で一晩中攪拌した。室温まで冷却した後、この混合物をセライトのベッドで濾過し、セライトを酢酸エチル(42mL)ですすいだ。濾液を混合し、有機層を分離させた。水層を酢酸エチルで抽出した。有機抽出物を混合し、浴温(bath temerature)30〜70℃の真空下で濃縮して、最終化合物4−(1H−ピラゾール−4−イル)−7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジンを得た。収率:78%。LC−MS:316.2(M+H)
【0146】
工程E:tert−ブチル3−(シアノメチル)−3−[4−(7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]アゼチジン−1−カルボキシラート
オーバーヘッド攪拌機、セプタム、及び窒素入口を備えた2L丸底フラスコにtert−ブチル3−(シアノメチレン)アゼチジン−1−カルボキシラート(9.17g、0.0472mol)、4−(1H−ピラゾール−4−イル)−7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(14.9g、0.0472mol)及びアセトニトリル(300mL)を充填した。結果として生じた溶液は不均一であった。この溶液に1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(8.48mL、0.0567mol)を室温にて3分かけて注射器により少しずつ加えた。この溶液はゆっくりと均一化し、黄色に変化した。この反応を室温で3時間攪拌させた。この反応をHPLC及びLC/MSによって完了させ、回転蒸発により濃縮して、アセトニトリル(〜150mL)を除去した。EtOAc(100mL)を加え、その後に100mLの20%ブラインを加えた。2つの相を分配した。水相を150mLのEtOACで抽出した。混合有機相をMgSOの上で乾燥させ、濾過し、濃縮して、橙色の油を回収した。フラッシュクロマトグラフィー(150グラムのシリカ、60% EtOAc/ヘキサン、CHCl充填)による精製により、表題化合物tert−ブチル3−(シアノメチル)−3−[4−(7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]アゼチジン−1−カルボキシラートを黄色の油として回収した(21.1g、88%収率)。LC−MS:[M+H]=510.3。
【0147】
工程F:{3−[4−(7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]アゼチジン−3−イル}アセトニトリルジヒドロクロリド
THF10mL中のtert−ブチル3−(シアノメチル)−3−[4−(7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]アゼチジン−1−カルボキシラート(2g、3.9mmol)の溶液にジオキサン中の4N HCl10mLを加えた。この溶液を室温で1時間攪拌し、減圧下で濃縮して、1.9g(99%)の表題化合物を白色の粉末固形として得た。この化合物は、精製することなく次の反応で使用された。LC−MS:[M+H]=410.3。
【0148】
工程G:tert−ブチル4−{3−(シアノメチル)−3−[4−(7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]アゼチジン−1−イル}ピペリジン−1−カルボキシラート
THF(30mL)中の{3−[4−(7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]アゼチジン−3−イル}アセトニトリルジヒドロクロリド(2.6g、6.3mmol)、tert−ブチル4−オキソ−1−ピペリジンカルボキシラート(1.3g、6.3mmol)の溶液にN,N−ジイソプロピルエチルアミン(4.4mL、25mmol)及びナトリウムトリアセトキシボロヒドリド(2.2g、10mmol)を加えた。この混合物を室温で一晩中攪拌した。ブライン20mLを加えた後、この溶液をEtOAcで抽出した。抽出物を無水NaSOの上で乾燥させ、濃縮した。残渣をヘキサン中の30〜80% EtOAcで溶離するコンビフラッシュカラムによって精製して、所望の生成物、tert−ブチル4−{3−(シアノメチル)−3−[4−(7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]アゼチジン−1−イル}ピペリジン−1−カルボキシラートを得た。収量:3.2g(86%);LC−MS:[M+H]=593.3。
【0149】
工程H:{1−ピペリジン−4−イル−3−[4−(7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]アゼチジン−3−イル}アセトニトリルトリヒドロクロリド
THF10mL中のtert−ブチル4−{3−(シアノメチル)−3−[4−(7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]アゼチジン−1−イル}ピペリジン−1−カルボキシラート(3.2g、5.4mmol)の溶液にジオキサン中の4N HCl10mLを加えた。反応混合物を室温で2時間攪拌した。溶媒を減圧下で除去して、3.25g(100%)の{1−ピペリジン−4−イル−3−[4−(7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]アゼチジン−3−イル}アセトニトリルトリヒドロクロリドを白色の粉末固形として回収した。これは、次の反応においてそのまま使用された。LC−MS:[M+H]=493.3。H NMR(400MHz,DMSO−d):δ 9.42(s 1H),9.21(s,1H),8.89(s,1H),8.69(s,1H),7.97(s,1H),7.39(d,1H),5.68(s,2H),4.96(d,2H),4.56(m,2H),4.02−3.63(m,2H),3.55(s,2H),3.53(t,2H),3.49−3.31(3,3H),2.81(m,2H),2.12(d,2H),1.79(m,2H),0.83(t,2H),−0.10(s,9H)。
【0150】
工程I:{1−{1−[3−フルオロ−2−(トリフルオロメチル)イソニコチノイル]ピペリジン−4−イル}−3−[4−(7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]アゼチジン−3−イル}アセトニトリル
ジメチルホルムアミド(DMF)(20.0mL)中の{1−ピペリジン−4−イル−3−[4−(7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]アゼチジン−3−イル}アセトニトリルトリヒドロクロリド(1.22g、2.03mmol)、3−フルオロ−2−(トリフルオロメチル)イソニコチン酸(460mg、2.2mmol)、ベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスファート(1.07g、2.42mmol)、及びトリエチルアミン(2.0mL、14mmol)の混合物を室温で一晩中攪拌した。LS−MSは反応が完了したことを示した。EtOAc(60mL)及び飽和NaHCO水溶液(60mL)を反応混合物に加えた。室温で10分間攪拌した後、有機相を分離させ、水層をEtOAcで3回抽出した。混合有機相をブラインで洗浄し、無水NaSOの上で乾燥させ、濾過し、減圧下で蒸発させた。フラッシュクロマトグラフィーによる精製により、所望の生成物{1−{1−[3−フルオロ−2−(トリフルオロメチル)イソニコチノイル]ピペリジン−4−イル}−3−[4−(7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]アゼチジン−3−イル}アセトニトリルを得た。LC−MS:684.3(M+H)
【0151】
工程J:{1−{1−[3−フルオロ−2−(トリフルオロメチル)イソニコチノイル]ピペリジン−4−イル}−3−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]アゼチジン−3−イル}アセトニトリル
塩化メチレン(1.5mL)中の{1−{1−[3−フルオロ−2−(トリフルオロメチル)イソニコチノイル]ピペリジン−4−イル}−3−[4−(7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]アゼチジン−3−イル}アセトニトリル(56mg、0.1mmol)の溶液にトリフルオロ酢酸(1.5mL)を加えた。この混合物を室温で2時間攪拌した。溶媒を真空下で除去した後、残渣を、20%エチレンジアミンを含有しているメタノール溶液に溶解した。室温で1時間攪拌した後、溶液をHPLC(方法B)により精製して、表題化合物を得た。LC−MS:554.3(M+H)H NMR(400MHz,CDCl):9.71(s,1H),8.82(s,1H),8.55(d,J=4.6Hz,1H),8.39(s,1H),8.30(s,1H),7.52(t,J=4.6Hz,1H),7.39(dd,J=3.4Hz,J=1.5Hz,1H),6.77(dd,J=3.6Hz,J=0.7Hz,1H),4.18(m,1H),3.75(m,2H),3.63(dd,J=7.8Hz,J=3.7Hz,2H),3.45(m,2H),3.38(s,2H),3.11(m,1H),2.57(m,1H),1.72(m,1H),1.60(m,1H),1.48(m,1H),1.40(m,1H)。
【0152】
実施例6.4−{3−(シアノメチル)−3−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]アゼチジン−1−イル}−N−[4−フルオロ−2−(トリフルオロメチル)フェニル]ピペリジン−1−カルボキサミド
【0153】
【化6】
【0154】
工程A:4−{3−(シアノメチル)−3−[4−(7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]アゼチジン−1−イル}−N−[4−フルオロ−2−(トリフルオロメチル)フェニル]ピペリジン−1−カルボキサミド
テトラヒドロフラン(30mL)中の{1−ピペリジン−4−イル−3−[4−(7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]アゼチジン−3−イル}アセトニトリルトリヒドロクロリド(500mg、1mmol)の溶液に、トリエチルアミン(0.29g、2.8mmol)及び4−フルオロ−1−イソシアナト−2−(トリフルオロメチル)ベンゼン(190mg、0.95mmol)を加えた。この混合物を室温で1時間攪拌した。溶媒を減圧下で除去した。30〜100% EtOAc/ヘキサンを使用したコンビフラッシュによる精製により、4−{3−(シアノメチル)−3−[4−(7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]アゼチジン−1−イル}−N−[4−フルオロ−2−(トリフルオロメチル)フェニル]ピペリジン−1−カルボキサミドを粉末として得られた。LC−MS:698.1(M+H)
【0155】
工程B:4−{3−(シアノメチル)−3−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]アゼチジン−1−イル}−N−[4−フルオロ−2−(トリフルオロメチル)フェニル]ピペリジン−1−カルボキサミド
4−{3−(シアノメチル)−3−[4−(7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]アゼチジン−1−イル}−N−[4−フルオロ−2−(トリフルオロメチル)フェニル]ピペリジン−1−カルボキサミド(210mg、0.3mmol)を塩化メチレン(20mL)中のトリフルオロ酢酸の50M溶液に溶解した。室温で1時間攪拌した後、溶媒を減圧下で除去した。残渣をメタノール(20mL)及びエチレンジアミン(1.0g、17mmol)に溶解した。室温で1時間攪拌した後、混合物をHPLC(方法B)により精製して、4−{3−(シアノメチル)−3−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]アゼチジン−1−イル}−N−[4−フルオロ−2−(トリフルオロメチル)フェニル]ピペリジン−1−カルボキサミドを白色の粉末として得られた。LC−MS:568.1(M+H)H NMR(400MHz,DMSO−d):δ 12.10(s,1H),8.76(s,1H),8.63(s,1H),8.36(s,1H),8.18(s,1H),7.55(d,J=3.6Hz,1H),7.50(m,1H),7.43(m,1H),7.34(m,1H),7.01(d,J=3.6Hz,1H),3.79(m,2H),3.67(d,J=8Hz,2H),3.51(m,4H),2.92(m,2H),2.38(m,1H),1.62(m,2H),1.09(m,2H)。
【0156】
実施例7.[3−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]−1−(1−{[2−(トリフルオロメチル)ピリミジン−4−イル]カルボニル}ピペリジン−4−イル)アゼチジン−3−イル]アセトニトリル
【0157】
【化7】
【0158】
実施例5の調製に使用したのと類似の方法によって表題化合物を調製した。LC−MS(M+H)+:537.2。
【0159】
実施例8.[トランス−1−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]−3−(4−{[2−(トリフルオロメチル)ピリミジン−4−イル]カルボニル}ピペラジン−1−イル)シクロブチル]アセトニトリル
【0160】
【化8】
【0161】
テトラヒドロフラン(6mL)中の2−(トリフルオロメチル)ピリミジン−4−カルボン酸(0.225g、1.17mmol、国際公開第2006/067445号に記載されているようにApolloから得られるメチルエステルの加水分解によって調製される)、N,N,N’,N’−テトラメチル−O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)ウロニウムヘキサフルオロホスファート(0.29g、0.76mmol、Aldrich)、及びトリエチルアミン(0.26mL、1.9mmol)の混合物を15分間事前攪拌し、その後にテトラヒドロフラン(10mL)中の{トランス−3−ピペラジン−1−イル−1−[4−(7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]シクロブチル}アセトニトリル(0.188g、0.380mmol、米国特許出願公開第2012/0149681の実施例1b、工程1に記載されているように調製される)を加えた。この反応を一晩中攪拌した。THFを減圧下で除去した。残渣を飽和重炭酸ナトリウムと酢酸エチルとの間で分配した。水性部分を合計3回抽出した。混合有機抽出物を硫酸ナトリウムの上で乾燥させ、デカントし、濃縮した。DCM中の0〜10% MeOHの勾配で溶離する、フラッシュクロマトグラフィーを使用して、SEM保護中間体を精製した。最初に塩化メチレン(10mL)中のトリフルオロ酢酸(10mL)と2時間攪拌し、その後に溶媒を減圧下で蒸発させ、次いでエチレンジアミン(0.5mL、7mmol)を含有しているメタノール(6mL、200mmol)と一晩中攪拌することにより脱保護を達成した。反応混合物を水と酢酸エチルとの間で分配し、水性部分を酢酸エチルで更に2回抽出した。混合抽出物を硫酸ナトリウムの上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。DCM中の0〜10% MeOHの勾配で溶離する、フラッシュクロマトグラフィーを使用して生成物を精製した。生成物を分取HPLC−MS(C18、0.1% TFAを含有しているHO/MeCNの勾配で溶離)で再精製した。所望の物質を含有している溶離液から回転蒸発によってアセトニトリルを除去し、次いで残りの水溶液を重炭酸ナトリウムの添加によって中和し、酢酸エチルで数回抽出した。混合有機抽出物を硫酸ナトリウムの上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。生成物を分取HPLC−MS(C18、0.15%NHOHを含有しているHO/MeCNの勾配で溶離)で再精製した。所望の物質を含有している溶離液を凍結し、凍結乾燥して、生成物を遊離塩基として産出した(99mg、48%)。H NMR(300MHz,CDOD):δ 9.13(d,1H),8.71(s,1H),8.66(s,1H),8.39(s,1H),7.88(d,1H),7.50(d,1H),6.98(d,1H),3.89−3.81(m,2H),3.59−3.52(m,2H),3.34(s,2H),3.13−3.03(m,2H),2.97(tt,1H),2.59−2.42(m,6H);19F NMR(282MHz,CDOD):δ−72.43(s,3F);LCMS(M+H):537.0。
【0162】
実施例9.{トランス−3−(4−{[4−[(3−ヒドロキシアゼチジン−1−イル)メチル]−6−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]オキシ}ピペリジン−1−イル)−1−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]シクロブチル}アセトニトリル
【0163】
【化9】
【0164】
置換工程でN,N−ジイソプロピルエチルアミン(64μL、0.37mmol)及びアゼチジン−3−オール塩酸塩(30mg、0.3mmol、Oakwood)を使用して、米国特許出願公開第2012/0149681号の実施例153の手順に従った。室温で一晩中攪拌した後、メタノール(0.20mL)を加えて均一な溶液を産出し、この溶液を室温で更に2.5時間攪拌し、米国特許出願公開第2012/0149681号の実施例153に記載されている脱保護及び精製条件に従って処理して、生成物を遊離塩基として産出した(9.7mg、44%)。H NMR(400MHz,dmso)δ 12.12(br s,1H),8.81(s,1H),8.67(s,1H),8.40(s,1H),7.59(d,J=3.6Hz,1H),7.29(s,1H),7.06(d,J=3.6Hz,1H),6.93(s,1H),5.34(d,J=6.4Hz,1H),5.05−4.77(m,1H),4.19(h,J=6.1Hz,1H),3.60(s,2H),3.50(td,J=6.1,2.0Hz,2H),3.40(s,2H),3.06−2.92(m,2H),2.86−2.71(m,3H),2.68−2.53(m,2H),2.38−2.22(m,2H),2.22−2.07(br m,2H),2.05−1.95(br m,2H),1.75−1.48(m,2H);19F NMR(376MHz,dmso)δ−67.36(s);LCMS(M+H):608.2。
【0165】
実施例10.{トランス−3−(4−{[4−{[(2S)−2−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−イル]メチル}−6−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]オキシ}ピペリジン−1−イル)−1−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]シクロブチル}アセトニトリル
【0166】
【化10】
【0167】
室温にて一晩中、(2S)−ピロリジン−2−イルメタノール(20μL、0.2mmol、Aldrich)を使用してメシラートをアミンで置換したことを除き、米国特許出願公開第2012/0149681号の実施例158に記載の方法に従った(8.3mg、59%)。HNMR(500MHz,DMSO)δ 12.09(br s,1H),8.81(s,1H),8.69(s,1H),8.41(s,1H),7.59(d,J=3.5Hz,1H),7.39(s,1H),7.06(d,J=3.6Hz,1H),7.03(s,1H),5.00(tt,J=8.4,3.9Hz,1H),4.48(s,1H),4.12(d,J=14.8Hz,1H),3.45(d,J=15.0Hz,1H),3.41(s,2H),3.42−3.25(m,2H),3.06−2.97(m,2H),2.87−2.77(m,2H),2.69−2.62(m,2H),2.59(dddd,J=5.8,5.8,5.8,8.1Hz,1H),2.41−2.31(m,2H),2.22−2.09(m,3H),2.08−1.95(m,2H),1.83(dddd,J=8.1,8.1,8.3,12.2Hz,1H),1.75−1.46(m,5H);19F NMR(376MHz,dmso)δ −67.24(s);LCMS(M+H):636.3。
【0168】
実施例11.{トランス−3−(4−{[4−{[(2R)−2−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−イル]メチル}−6−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]オキシ}ピペリジン−1−イル)−1−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]シクロブチル}アセトニトリル
【0169】
【化11】
【0170】
室温にて一晩中、(2R)−ピロリジン−2−イルメタノール(20μL、0.2mmol、Aldrich)を使用してメシラートをアミンで置換したことを除き、米国特許出願公開第2012/0149681号の実施例158に記載の方法に従った(8.3mg、59%)。H NMR(400MHz,dmso)δ 12.14(br s,1H),8.83(s,1H),8.69(s,1H),8.42(s,1H),7.60(d,J=3.6Hz,1H),7.39(s,1H),7.08(d,J=3.6Hz,1H),7.03(s,1H),5.04−4.94(m,1H),4.52(t,J=5.4Hz,1H),4.12(d,J=14.9Hz,1H),3.52−3.22(m,5H),3.09−2.92(m,2H),2.86−2.73(m,2H),2.70−2.53(m,3H),2.42−2.27(m,2H),2.22−2.09(m,3H),2.06−1.87(m,2H),1.82(dddd,J=8.0,8.0,8.4,11.9Hz,1H),1.77−1.37(m,5H);19F NMR(376MHz,dmso)δ−67.24(s);LCMS(M+H):636.3。
【0171】
実施例12.4−(4−{3−[(ジメチルアミノ)メチル]−5−フルオロフェノキシ}ピペリジン−1−イル)−3−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]ブタンニトリル(キラル)
【0172】
【化12】
【0173】
工程1.3−フルオロ−5−ヒドロキシベンズアルデヒド
トルエン(60.0mL、−78℃)中の3−フルオロ−5−ヒドロキシベンゾニトリル(1.00g、7.29mmol)の懸濁液に、トルエン(18.2mL、18.2mmol)中の1.0M水素化ジイソブチルアルミニウムを加えた。結果として生じた混合物を−78℃で1時間攪拌し、一晩で室温まで温まるのを待った。メタノールと水の1:1混合物(10mL)を加え、35分間攪拌した。固形物を濾過し、酢酸エチルで洗浄した。濾液を水及びブラインで洗浄し、次いでNaSOの上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムで精製して(10〜50%酢酸エチル/ヘキサンで溶離)、所望の生成物を得た(0.77g、75%)。H NMR(DMSO−d)δ 10.49(s,1H),9.88(s,1H),7.10(m,2H),6.87(d,1H)。
【0174】
工程2.3−[(ジメチルアミノ)メチル]−5−フルオロフェノール
塩化メチレン(9.0mL)中のジメチルアミン塩酸塩(160mg、1.96mmol)及び3−フルオロ−5−ヒドロキシベンズアルデヒド(250.0mg、1.784mmol)の混合物に、トリエチルアミン(323μL、2.32mmol)及びトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムのレジン(1.1g、2.7mmol)を加えた。結果として生じた混合物を一晩中攪拌し、次いで濾過し、濃縮した。粗製物をシリカゲルカラムで精製して(0〜15%メタノール/DCMで溶離)、所望の生成物を得た(0.21g、70%)。H NMR(DMSO−d)δ 6.55(m,2H),6.42(d,1H),2.15(s,6H),1.89(s,2H)。LCMS(M+H):170.1。
【0175】
工程3.4−(4−{3−[(ジメチルアミノ)メチル]−5−フルオロフェノキシ}ピペリジン−1−イル)−3−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]ブタンニトリル
塩化メチレン(9mL)中の3−[(ジメチルアミノ)メチル]−5−フルオロフェノール(158mg、0.934mmol)の混合物に、トリフェニルホスフィンのレジン(578mg、1.37mmol)及びジ−tert−ブチルアゾジカルボキシラート(229mg、0.996mmol)を加えた。この混合物を20分間攪拌した後、塩化メチレン(2mL)中の4−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−3−[4−(7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]ブタンニトリル(300mg、0.6mmol)の溶液を加えた。この反応を室温で一晩中攪拌した。追加のトリフェニルホスフィンのレジン(0.5g)、ジ−tert−ブチルアゾジカルボキシラート(0.23g)、及びDCM(8mL)を加え、更に2時間攪拌した。バイアル瓶及びレジンをDCMで洗浄し、濾過した。濾液を10% NaOH水溶液で洗浄した。有機層をMgSOの上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗製物をシリカゲルカラムで精製して(0〜15%メタノール/DCMで溶離)、SEM保護生成物を得た。LCMS(M+H):633.5。精製された生成物に塩化メチレン(1.5mL)及びトリフルオロ酢酸(1.5mL、19mmol)を加え、2時間攪拌した。溶媒を蒸発させた後、メタノール(3.5mL)及びエチレンジアミン(0.70mL、10mmol)を加えた。結果として生じた混合物を1時間攪拌し、次いで濃縮した。濃縮物をDCM中に入れ、水で洗浄し、NaSOの上で乾燥させ、濾過し、濃縮して、キラル分取HPLC(Chiralcel OJ−Hカラム、4.6×250mm、5μμ、60%エタノール/Hex、0.5mL/分)によって精製されて2つの鏡像異性体を産出する粗生成物を得た。
【0176】
鏡像異性体1(第1の溶離):LCMS(M+H):503.3。
【0177】
鏡像異性体2(第2の溶離):H NMR(DMSO−d)δ 8.78(s,1H),8.67(s,1H),8.35(s,1H),7.59(d,1H),6.96(d,1H),6.64(t,3H),4.94(m,1H),4.36(m,1H),3.39(m,2H),3.19(d,3H),2.77(m,3H),2.60(m,1H),2.32(m,2H),2.10(s,6H),1.83(m,2H),1.54(m,2H)。LCMS(M+H):503.3。
【0178】
実施例13.5−{3−(シアノメチル)−3−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]アゼチジン−1−イル}−N−イソプロピルピラジン−2−カルボキサミド
【0179】
【化13】
【0180】
工程1:メチル5−{3−(シアノメチル)−3−[4−(7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]アゼチジン−1−イル}ピラジン−2−カルボキシラート
(R)−(+)−2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル(0.065g、0.10mmol)を窒素下でトルエン(15.0mL)中の{3−[4−(7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]アゼチジン−3−イル}アセトニトリルジヒドロクロリド(0.50g、1.0mmol)、メチル5−クロロピラジン−2−カルボキシラート(0.18g、1.0mmol)(Ark Pharm,Inc.,Cat.#:AK−23920)、及び炭酸セシウム(1.0g、3.1mmol)の混合物に加え、その後に酢酸パラジウム(0.023g、0.10mmol)を加えた。反応混合物を120℃で3時間攪拌した。室温まで冷却した後、反応混合物をセライトのパッドで濾過し、酢酸エチルで洗浄した。濾液を減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラム上のフラッシュクロマトグラフィーによりジクロロメタン中の酢酸エチル(0〜70%)で精製して、所望の生成物を産出した(0.31g、55%)。LCMS(M+H):m/z=546.3。
【0181】
工程2:5−{3−(シアノメチル)−3−[4−(7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]アゼチジン−1−イル}ピラジン−2−カルボン酸
メタノール(6.0mL)及び水(2.5mL)中のメチル5−{3−(シアノメチル)−3−[4−(7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]−メチル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]アゼチジン−1−イル}ピラジン−2−カルボキシラート(0.31g、0.57mmol)、水酸化リチウム一水和物(0.060g、1.4mmol)の混合物を30℃で一晩中攪拌した。この混合物をHCl水でpH=4に調整し、減圧下で濃縮してMeOHを除去した。結果として生じた固形物を濾過し、水及びエーテルで洗浄し、次いで真空下で乾燥させて所望の生成物を産出した(0.25g、83#)。LCMS(M+H):m/z=532.3。
【0182】
工程3:5−{3−(シアノメチル)−3−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]アゼチジン−1−イル}−N−イソプロピルピラジン−2−カルボキサミド
トリエチルアミン(15μL、0.11mmol)を塩化メチレン(1.3mL)中の5−{3−(シアノメチル)−3−[4−(7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]アゼチジン−1−イル}ピラジン−2−カルボン酸(19.4mg、0.0365mmol)及びベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスファート(19mg、0.044mmol)及び2−プロパンアミン(3.2mg、0.055mmol)の混合物に加えた。反応混合物を室温で一晩中攪拌した。反応混合物をNaHCO水でワークアップし、塩化メチレン(2x2mL)で抽出した。混合有機層を水(1mL)で洗浄し、減圧下で濃縮した。残渣は更に精製することなく次の工程で使用された。LCMS(M+H):m/z=573.3。
【0183】
塩化メチレン(1.3mL)及びトリフルオロ酢酸(0.6mL)を前述の中間体に加えた。反応混合物を室温で1.5時間攪拌した。この混合物を減圧下で濃縮した。残渣をメタノール(1.3mL)に溶解した。この溶液にエチレンジアミン(0.086mL)を加えた。反応混合物を室温で2時間攪拌し、RP−HPLC(pH=10)によって精製して所望の生成物を産出した。LCMS(M+H):m/z=443.2。H NMR(400MHz,DMSO−d):δ 12.15(br,1H),8.97(s,1H),8.68(s,1H),8.63(d,J=1.2Hz,1H),8.46(s,1H),8.12(d,=8.4Hz,1H),7.97(d,J=1.2Hz,1H),7.60(dd,J=3.3,2.4Hz,1H),7.07(dd,J=3.4,1.7Hz,1H),4.81(d,J=9.8Hz,2H),4.53(d,J=9.6Hz,2H),4.13−4.02(m,1H),3.78(s,2H),1.14(d,J=6.8Hz,6H)。
【0184】
実施例14.4−{3−(シアノメチル)−3−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]アゼチジン−1−イル}−2,5−ジフルオロ−N−[(1S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチルエチル]ベンズアミド
【0185】
【化14】
【0186】
工程1:4−クロロ−2,5−ジフルオロ−N−[(1S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチルエチル]ベンズアミド
4−クロロ−2,5−ジフルオロベンゾイルクロリド(29.6mg、0.140mmol)(Oakwood、Cat.#:001628)を0℃のジクロロメチレン(4.0mL)中の(2S)−1,1,1−トリフルオロプロパン−2−アミン塩酸塩(20.0mg、0.134mmol)(SynQuest Lab、Cat.#:3130−7−S1)及びジイソプロピルエチルアミン(58μL、0.33mmol)の混合物に加えた。反応混合物を室温で30分間攪拌し、飽和NaHCO水でワークアップし、ジクロロメチレン(3x10mL)で抽出した。混合有機層をブラインで洗浄し、MgSOの上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、次の工程の反応において更に精製することなくそのまま使用される所望の生成物を産出した。LCMS(M+H):m/z=288.0/290.0。
【0187】
工程2:4−{3−(シアノメチル)−3−[4−(7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]アゼチジン−1−イル}−2,5−ジフルオロ−N−[(1S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチルエチル]ベンズアミド
(R)−(+)−2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル(8.3mg、0.013mmol)をN下でトルエン(4.0mL)中の{3−[4−(7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]アゼチジン−3−イル}アセトニトリルジヒドロクロリド(65mg、0.13mmol)、4−クロロ−2,5−ジフルオロ−N−[(1S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチルエチル]ベンズアミド(0.14mmol)、及び炭酸セシウム(0.13g、0.40mmol)の混合物に加え、その後に酢酸パラジウム(3.0mg、0.013mmol)を加えた。反応混合物を130℃で5時間攪拌した。反応混合物が室温まで冷却された後、その混合物を水でワークアップし、酢酸エチル(3×10mL)で抽出した。混合有機層をブラインで洗浄し、MgSOの上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、次の工程の反応において更に精製することなくそのまま使用される粗生成物を産出した。LCMS(M+H):m/z=661.2。
【0188】
工程3:4−{3−(シアノメチル)−3−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]アゼチジン−1−イル}−2,5−ジフルオロ−N−[(1S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチルエチル]ベンズアミド
三フッ化ホウ素エーテラート(0.051mL、0.40mmol)をN下で0℃のアセトニトリル(1.0mL)中の4−{3−(シアノメチル)−3−[4−(7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]アゼチジン−1−イル}−2,5−ジフルオロ−N−[(1S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチルエチル]ベンズアミドの溶液に加えた。反応混合物を室温で3時間攪拌した。(LCMS(M+H):m/z=561.3)。次いで、この混合物を0℃まで冷却し、水(0.13mL)を加えた。30分後、水中の5.0M水酸化アンモニウム(0.2mL、1mmol)を0℃で5分かけてゆっくりと加えた。反応混合物を室温で一晩中攪拌し、RP−HPLC(pH=10)によって精製して所望の生成物を産出した。LCMS(M+H):m/z=531.0。H NMR(400MHz,DMSO−d6):δ 12.62(br,1H),9.07(s,1H),8.84(s,1H),8.55(s,1H),8.51(dd,J=8.8,1.2Hz,1H),7.78(br,1H),7.35(dd,J=12.6,6.5Hz,1H),7.23(d,J=1.9Hz,1H),6.65(dd,J=11.9,7.3Hz,1H),4.76(m,1H),4.70(d,J=9.3Hz,2H),4.44(d,J=9.2Hz,2H),3.76(s,2H),1.30(d,J=7.1Hz,3H)。
【0189】
実施例15.5−{3−(シアノメチル)−3−[4−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]アゼチジン−1−イル}−N−イソプロピルピラジン−2−カルボキサミド
【0190】
【化15】
【0191】
工程1:メチル5−{3−(シアノメチル)−3−[4−(1−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]アゼチジン−1−イル}ピラジン−2−カルボキシラート
N,N−ジイソプロピルエチルアミン(1.0mL、6.0mmol)を1,4−ジオキサン(15mL)中の{3−[4−(1−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]アゼチジン−3−イル}アセトニトリルジヒドロクロリド(0.96g、2.0mmol)及びメチル5−クロロピラジン−2−カルボキシラート(0.34g、2.0mmol)の混合物に加えた。反応混合物を120℃で一晩中攪拌した。この混合物を飽和NaHCO水でワークアップし、ジクロロメチレン(3×20mL)で抽出した。混合有機層をブラインで洗浄し、MgSOの上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラム上のフラッシュクロマトグラフィーによりヘキサン中の酢酸エチル(0〜60%)で精製して、所望の生成物を産出した(0.13g、12%)。LCMS(M+H):m/z=545.2。
【0192】
工程2:5−{3−(シアノメチル)−3−[4−(1−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]アゼチジン−1−イル}ピラジン−2−カルボン酸
メタノール(4.0mL)、THF(2.0mL)及び水(1.0mL)中のメチル5−{3−(シアノメチル)−3−[4−(1−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]アゼチジン−1−イル}ピラジン−2−カルボキシラート(0.13g、0.24mmol)、水酸化リチウム一水和物(0.025g、0.60mmol)の反応混合物を40℃で3時間攪拌した。この混合物を2.0N HCl水溶液でpH=4に調整し、減圧下で濃縮してMeOH及びTHFを除去した。形成された沈殿物を濾過し、水及びエーテルで洗浄し、真空下で乾燥させて所望の生成物を産出した(0.100g、79%)。LCMS(M+H)+:m/z=531.4。
【0193】
工程3:5−{3−(シアノメチル)−3−[4−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]アゼチジン−1−イル}−N−イソプロピルピラジン−2−カルボキサミド
N,N−ジイソプロピルエチルアミン(19μL、0.11mmol)をDMF(1.0mL)中の5−{3−(シアノメチル)−3−[4−(1−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]アゼチジン−1−イル}ピラジン−2−カルボン酸(19.4mg、0.0365mmol)、ベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスファート(19mg、0.044mmol)及び2−プロパンアミン(3.2mg、0.055mmol)の混合物に加えた。反応混合物を室温で一晩中攪拌した。反応混合物を飽和NaHCO水でワークアップし、ジクロロメチレン(3×20mL)で抽出した。混合有機層をブラインで洗浄し、MgSOの上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を塩化メチレン(1.3mL)及びTFA(1.3mL)で処理した。この混合物を室温で1.5時間攪拌し、減圧下で濃縮した。残渣をメタノール(1.3mL)に溶解し、エチレンジアミン(0.086mL、1.3mmol)で処理した。結果として生じた混合物を室温で2時間攪拌し、次いでRP−HPLC(pH=10)によって精製して所望の生成物を産出した。LCMS(M+H):m/z=442.1。H NMR(400MHz,DMSO−d):δ 12.19(br,1H),8.99(s,1H),8.66(d,J=1.4Hz,1H),8.47(s,1H),8.32(d,J=5.7Hz,1H),8.14(d,J=8.4Hz,1H),8.00(d,J=1.4Hz,1H),7.67(dd,J=3.2,2.7Hz,1H),7.54(d,J=5.5Hz,1H),7.09(dd,J=3.5,2.7Hz),4.82(d,J=10.0Hz,2H),4.56(d,J=10.0Hz,2H),4.10(m,1H),3.79(s,2H),1.17(d,J=6.4Hz,6H)。
【0194】
実施例16.{1−(シス−4−{[6−(2−ヒドロキシエチル)−2−(トリフルオロメチル)ピリミジン−4−イル]オキシ}シクロヘキシル)−3−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]アゼチジン−3−イル}アセトニトリルトリス(トリフルオロアセタート)
【0195】
【化16】
【0196】
工程1:ジエチル[6−(1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカ−8−イルオキシ)−2−(トリフルオロメチル)ピリミジン−4イル]マロナート
テトラヒドロフラン(40mL)及び鉱油中のNaH(1.1g、28mmol)の0℃の混合物にマロン酸エチル(4.2mL、28mmol)を滴下した。次いで、4−クロロ−6−(1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカ−8−イルオキシ)−2−(トリフルオロメチル)ピリミジン(米国特許出願公開第2013/0045963号の実施例1、工程1に記載されている)(3.75g、11.1mmol)を加えた。反応混合物を64℃で攪拌した。3時間後、HPLC及びLCMS分析は70%の反応完了を示した。更に6時間加熱し、次いで20℃まで冷却した。脱炭酸化生成物のわずかな痕跡が形成された。反応を水性重炭酸塩で希釈し、EtOAcで抽出した。EtOAc抽出物をブラインで洗浄し、NaSOの上で乾燥させ、減圧下で蒸発させて8.5gの油を得た(過剰のマロン酸エチル及び鉱油を含む)。120gシリカゲルカラム上のクロマトグラフィーによって、溶媒A=ヘキサン、溶媒B=EtOAc、流量60mL/分、A3分、40分の40%Bへの勾配、254nmに設定された検出器、収集された47mLフラクション、保持時間28分を使用して、粗生成物を精製した。混合フラクションを蒸発させて、4.6gの無色の油を得た(90%収率)。H NMR(300MHz,CDCl):δ7.05(s,1H);5.30(m,1H,OCH);4.85(s,1H,CH);4.25(m,2H,OCH);3.95(s,4H,OCH);1.6−2.1(m,8H);1.28(t,3H,CH)。
【0197】
工程2:エチル[6−(1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカ−8−イルオキシ)−2−(トリフルオロメチル)ピリミジン−4−イル]アセタート
ジエチル[6−(1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカ−8−イルオキシ)−2−(トリフルオロメチル)ピリミジン−4−イル]マロナート(4.60g、9.95mmol)をエタノール(46mL)に溶解した。水(18μL、1.0mmol)及びエタノール中の21%ナトリウムエトキシド(0.37mL、1.0mmol)を加えた。反応混合物を75℃で1時間攪拌した。HPLC及びLCMS分析は60%の脱炭酸化を示した。加熱を更に2時間継続した(反応完了)。反応を水性重炭酸塩で希釈し、EtOAcで抽出した。EtOAc抽出物をブラインで洗浄し、次いで乾燥させ(NaSO)、減圧下で蒸発させて3.4gの油を得た(88%収率)。LCMS、HPLC、及びNMRは、これが処理を進める上で十分純粋であることを示した。H NMR(400MHz,DMSO−D):δ7.20(s,1H);5.20(m,1H,OCH);4.10(q,2H,OCH);3.89(s,2H,CH);3.85(s,4H,OCH);1.5−2.0(m,8H);1.15(t,3H,CH)。HPLCは、これがUVmax 222及び252nmを有することを示した。
【0198】
工程3:2−[6−(1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカ−8−イルオキシ)−2−(トリフルオロメチル)ピリミジン−4−イル]エタノール
エチル[6−(1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカ−8−イルオキシ)−2−(トリフルオロメチル)ピリミジン−4−イル]アセタート(3.0g)をテトラヒドロフラン(40mL)に溶解し、氷浴で冷却した。ナトリウムテトラヒドロボラート(884mg、23.4mmol)及びその後にメタノール(4.8mL、120mmol)を少しずつ加えた。反応混合物を20分間攪拌し、氷浴を取り外し、21℃で0.5時間攪拌した。HPLC及びLCMSは、残留エステルが存在しないことを示し、所望のM+H349への転換を示し、更には幾つかの過還元生成物の存在も示した(このうちの少なくとも1つはUV吸光度を有しない)。反応混合物を水で急冷し、蒸発させた。反応混合物を水性重炭酸塩及びEtOAcで希釈し、0.5時間攪拌した。EtOAc層をブラインで洗浄し、乾燥させ(NaSO)、蒸発させて、3.0gの油を得た。120gシリカゲルカラム上のクロマトグラフィーによって、溶媒A=ヘキサン;溶媒B=3%iPA/EtOAc;流量60mL/分;A、3分;30分の50%Bへの勾配、次いで15分の50%B;254nmに設定された検出器;収集された47mLフラクション;保持時間、34分を使用して生成物を精製し、蒸発させて、1.5gの淡黄色の粘性油を回収した(56%収率)。H NMR(300MHz,DMSO−D):δ7.10(s,1H);5.20(m,1H,OCH);4.71(t,1H,OH);3.85(s,4H,OCH);3.72(q,2H,OCH);2.85(t,2H,CH);1.5−2.0(m,8H)。
【0199】
工程4:4−{[6−(2−ヒドロキシエチル)−2−(トリフルオロメチル)ピリミジン−4−イル]オキシ}シクロヘキサノン
2−[6−(1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカ−8−イルオキシ)−2−(トリフルオロメチル)ピリミジン−4−イル]エタノール
をアセトン(60mL,900mmol)に溶解し、水中の5.0M塩化水素(20mL、98mmol)を加え、17時間攪拌した。LCMS及びHPLC分析は、M+H305へのほぼ完全な転換を示した。水性重炭酸塩を加え、反応混合物を攪拌し、次いで濃縮した。この混合物をEtOAcで抽出した。EtOAcを乾燥させ(NaSO)、減圧下で蒸発させて、1.3gの淡黄色の粘性油を得た(次の工程の反応において、精製することなく使用される)。H NMR(300MHz,CDCl):δ6.80(s,1H);5.60(m,1H,OCH);4.06(t,2H,OCH);3.04(t,2H,CH);2.61(m,2H);2.45(m,2H);2.25(m,2H)。
【0200】
工程5:{1−(4−{[6−(2−ヒドロキシエチル)−2−(トリフルオロメチル)ピリミジン−4−イル]オキシ}シクロヘキシル)−3−[4−(7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]アゼチジン−3−イル}アセトニトリル
{3−[4−(7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]アゼチジン−3−イル}アセトニトリルジヒドロクロリド(1.9g、3.9mmol)、及び4−{[6−(2−ヒドロキシエチル)−2−(トリフルオロメチル)ピリミジン−4−イル]オキシ}シクロヘキサノン(1.3g、4.3mmol)を、乾燥テトラヒドロフラン(36mL)中で窒素下にて15分間攪拌した。次いでトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(1.7g、8.2mmol)を加えた。この混合物を20℃で16時間攪拌した。HPLC及びLCMS分析は、トランス及びシス生成物への完全な転換を示した(M+H698、1:1比)。この反応を水で急冷し、濃縮し、20% KHCOと共に攪拌し、酢酸エチルで抽出し、乾燥させ(NaSO)、濾過し、蒸発させて、2.8gを得た。Waters機器及び30mm×100mm Xbridge C18カラム;60mL/分;55% CHCN−HO(0.1%NHOH);0.5分;72%への4.5勾配;24回実行;保持時間トランス異性体、4.6分;シス異性体、5.4分を使用した分取LCMSによって異性体生成物を分離した。単離されたシス異性体は、1%未満の残留トランス異性体を含有していた。1.00gのシス異性体を回収する(37%収率)。H NMR(500MHz,CDCl;更にまたCOSY、HSQC、及びHMBCも):δ8.83(s,1H);8.40(s,1H);8.28(s,1H);7.40(m,1H);6.80(m,1H);6.67(s,1H);5.64(s,2H,SEM);5.17(m,1H,OCH);4.01(t,2H,OCH);3.74(s,2H,NCH);3.59(m,2H,NCH);3.55(t,2H,SEM);3.38(s,2H,CHCN);2.95(t,2H,CH);2.30(m,1H,NCH);2.15(m,2H);1.84(m,2H);1.50(m,2H);1.30(m,2H);0.90(t,2H,SEM);−0.92(s,9H,SEM)。
【0201】
工程6:{1−(シス−4−{[6−(2−ヒドロキシエチル)−2−(トリフルオロメチル)ピリミジン−4−イル]オキシ}シクロヘキシル)−3−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]アゼチジン−3−イル}アセトニトリルトリス(トリフルオロアセタート)
{1−(4−{[6−(2−ヒドロキシエチル)−2−(トリフルオロメチル)ピリミジン−4−イル]オキシ}シクロヘキシル)−3−[4−(7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]アゼチジン−3−イル}アセトニトリル異性体を塩化メチレン(18mL)及びトリフルオロ酢酸(TFA、18mL、230mmol)に溶解し、1.0時間攪拌した。この溶液を濃縮してTFAを除去した。LCMSは、ヒドロキシメチル中間体(M+H598)、幾らかのそのTFAエステル(M+H694)、及び5%未満の残留SEMへの転換を示した。残渣をメタノール(36mL)に溶解し、水中の15.0M水酸化アンモニウム(9.0mL、130mmol)を加えた。この溶液を21℃で18時間攪拌した。HPLC及びLCMSは、M+H598ピークもTFAエステルも残っていないことを示した。この溶液を蒸発させた。水性重炭酸塩を加え、生成物をEtOAcで抽出することによって、アンモニウムトリフルオロアセタートを除去した。混合EtOAc抽出物を蒸発させて、0.96gを得た。これを1.5当量のTFA(180μL)を含有している70mLの10% HO/ACNに溶解した。Waters Fraction−Linx機器及び30mm×100mm Sunfire C18カラム;60mL/分;15% ACN−HO(0.1%TFA)、0.5分;33%への4.5分勾配;m/z568に設定された検出器;14回実行;保持時間5.0分を使用した分取LCMSによって生成物を単離した。HPLCは、UVmax 224、252、294、及び318nmを示した。混合フラクションを凍結乾燥した。1.0gの白色の固形物を回収する(80%収率)。NMRは、それが2.5TFA塩であることを示した。H NMR(500MHz,CDCN;更にまたCOSY、HSQC、及びHMBCも):δ10.84(s,1H,NH);9.00(s,1H);8.90(s,1H);8.56(s,1H);7.66(m,1H);7.10(m,1H);6.86(s,1H);5.39(m,1H,OCH);4.86(brs,2H,NCH);4.66(m,2H,NCH);3.90(t,2H,OCH);3.78(s,2H,CHCN);3.39(m,1H,NCH);2.92(t,2H,CH);2.20(m,2H);1.92(m,2H);1.76(m,4H)。19F NMR(400MHz,DMSO−D):δ−69.8(s);−74.8(s,TFA);C2729に対して計算されたLCMS(M+H):m/z=568.24。
【0202】
実施例17:{1−(シス−4−{[4−[(エチルアミノ)メチル]−6−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]オキシ}シクロヘキシル)−3−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]アゼチジン−3−イル}アセトニトリルトリス(トリフルオロアセタート)
【0203】
【化17】
【0204】
工程1:[2−[(シス−4−{3−(シアノメチル)−3−[4−(7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]アゼチジン−1−イル}シクロヘキシル)オキシ]−6−(トリフルオロメチル)ピリジン−4−イル]メチルメタンスルホナート
{1−(シス−4−{[4−(ヒドロキシメチル)−6−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]オキシ}シクロヘキシル)−3−[4−(7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]アゼチジン−3−イル}アセトニトリル(米国特許出願公開第2013/0045963号の実施例64に記載のもの、145.0mg、0.2124mmol)を塩化メチレン(2.93mL)に溶解し、0℃まで冷却した。それにN,N−ジイソプロピルエチルアミン(60.5μL、0.347mmol)を加え、その後にメタンスルホニルクロリド(23μL、0.30mmol)を加えた。この反応を0℃で1時間攪拌した。次いで、反応混合物をEtOAcでワークアップし、次の反応で使用した。MS(ES):761(M+1)。
【0205】
工程2:{1−(シス−4−{[4−[(エチルアミノ)メチル]−6−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]オキシ}シクロヘキシル)−3−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]アゼチジン−3−イル}アセトニトリルトリス(トリフルオロアセタート)
[2−[(シス−4−{3−(シアノメチル)−3−[4−(7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]アゼチジン−1−イル}シクロヘキシル)オキシ]−6−(トリフルオロメチル)ピリジン−4−イル]メチルメタンスルホナート(50mg、0.06571mmol)を1,4−ジオキサン(2.5mL)に溶解し、THF中の2.0Mエチルアミン(300μL、0.6mmol)を加えた。この反応を25℃で16時間攪拌し、この時点でLCMS分析は主として生成物を示した。米国特許出願公開第2013/0045963号の実施例1に記載されているように生成物をLCによって精製し、蒸発させ、脱保護した後、LCによって精製して生成物を得た。H NMR(400MHz,CDOD)δ 9.08(s,1H),8.87(s,1H),8.58(s,1H),7.78(d,1H),7.50(s,1H),7.25(d,1H),7.13(s,1H),5.38(m,1H),5.08(d,2H),4.80(d,2H),4.27(s,2H),3.74(s,2H),3.50(m,1H),3.16(q,2H),2.24(m,2H),2.01(m,2H),1.76(m,4H),1.34(t,3H)。19F NMR(376MHz,CDOD)δ −70.52(s),−77.49(s)。MS(ES):580(M+1)。
【0206】
実施例18:{1−(シス−4−{[4−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)−6−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]オキシ}シクロヘキシル)−3−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]アゼチジン−3−イル}アセトニトリルビス(トリフルオロアセタート)
【0207】
【化18】
【0208】
工程1:2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)イソニコチン酸
2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ピリジン(1.0g、5.51mmol、Oakwood製品)をテトラヒドロフラン(20mL)に溶解し、THF中の1.0Mリチウムクロリド−クロロ(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−イル)マグネシウム(1:1)(6.610mL、6.610mmol、Aldrich Co.)を25℃で加えた。この反応を25℃で1時間攪拌し、
−78℃まで冷却した。この反応を−78℃で1時間攪拌し、室温まで温まるのを待ち、水で急冷し、1N NaOHとエーテルとの間で分配した。相を分離し、水相を追加のエーテルで洗浄し、濃縮HClでpH〜1に酸性化し、エーテルで抽出した。混合有機相を水、飽和NaClで洗浄し、MgSOの上で乾燥させ、濾過し、蒸発乾燥固して、粗生成物を得た。NMR分析は、これがパラ及びメタカルボン酸の〜2:1混合物からなることを示した。この混合物は次の反応に持ち越された。440MHz NMR(CDCl)δ 8.17(s,1H),8.11(s,1H)。
【0209】
工程2:エチル2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)イソニコチナート及びエチル2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ニコチナート
バイアル瓶内で、2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ニコチン酸(0.98g、4.4mmol)及び2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)イソニコチン酸(1.85g、8.2mmol)をエチルオルトホルマート(5.0mL、30.1mmol)に溶解し、120℃で5時間加熱し、この時点でTLC分析は、出発原料のほとんどが消費され、生成物が形成されていることを示した。反応混合物を減圧下で蒸発させ、10% EtOAc/ヘキサンを使用したシリカゲルクロマトグラフィーによって残渣を精製して、2つのエチルエステル生成物を得た。H NMR(400MHz,CDCl):δ 8.14(s,1H),8.08(s,1H),4.47(q,2H),1.44(t,3H)。
【0210】
工程3:2−[2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ピリジン−4−イル]プロパン−2−オール
エチル2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)イソニコチナート(0.35g、1.4mmol)をテトラヒドロフラン(13.8mL)に溶解し、−78℃まで冷却し、次いでエーテル中の3.0Mメチルマグネシウムブロミド(1.4mL、4.1mmol)を加えた。この反応を−78℃で3時間攪拌し、この時点でLCMS分析は出発原料がなくなっていることを示した。この反応を飽和NHClで急冷し、水/1N HClとEtOAcとの間で分配し、相を分離し、水相を追加のEtOAcで洗浄した。混合有機相を水、飽和NaClで洗浄し、MgSOの上で乾燥させ、濾過し、蒸発乾燥固して、粗生成物を得た。NMR分析は、これがアルコール及びメチルケトン中間体の〜1:1混合物からなることを示した。この粗材料は、次の反応において精製することなく使用された。NMR 400MHz NMR(CDCl):δ 7.70(s,1H),7.63(s,1H),1.60(s,6H)。
【0211】
工程4:2−[2−(1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカ−8−イルオキシ)−6−(トリフルオロメチル)ピリジン−4−イル]プロパン−2−オール
1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカン−8−オール(0.25g、1.58mmol)及び2−[2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ピリジン−4−イル]プロパン−2−オール(0.2g、0.835mmol)をテトラヒドロフラン(2mL)に溶解し、0℃まで冷却し、鉱油中の水素化ナトリウム(70.0mg、1.75mmol)の60%混合物を加え、この反応を0℃で30分間、25℃で60時間攪拌し、この時点でTLC分析は、幾らかの生成物の存在を示した。この反応を水で急冷し、酢酸エチルで抽出し、有機抽出物を水、飽和NaClで洗浄し、乾燥させ(MgSO)、減圧下で蒸発させた。残渣をLC(pH2)によって精製して生成物を得た。MS(ES):362(M+1)。
【0212】
工程5:4−{[4−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)−6−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]オキシ}シクロヘキサノン
2−[2−(1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカ−8−イルオキシ)−6−(トリフルオロメチル)ピリジン−4−イル]プロパン−2−オール(0.049g、0.14mmol)をアセトン(3.7mL)に溶解した。水中の12.0M塩化水素の溶液(0.43mL、5.2mmol)を加え、25℃で16時間攪拌し、この時点でLCMSは約70%の反応が完了していることを示した。追加の水中の12.0M塩化水素(0.43mL、5.2mmol)を加え、3時間攪拌し、LCMSは〜90%の反応が完了したことを示し、過剰NaHCOの中に入れて急冷し、EtOAcで抽出し、有機抽出物を蒸発させて生成物を得た。これは、次の反応において精製することなく使用された。MS(ES):318(M+1)。
【0213】
工程5:{1−(シス−4−{[4−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)−6−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]オキシ}シクロヘキシル)−3−[4−(7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]アゼチジン−3−イル}アセトニトリル
{3−[4−(7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]アゼチジン−3−イル}アセトニトリルジヒドロクロリド(55.3mg、0.115mmol)及び4−{[4−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)−6−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]オキシ}シクロヘキサノンを乾燥1,2−ジクロロエタン(1.38mL)に溶解し、5分間攪拌し、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(86.1mg、0.406mmol)を加えた。反応混合物を25℃で16時間攪拌し、この時点でLCMS分析は主として2つのジアステレオマー生成物を示した。この反応を水で急冷し、NaHCOで中和し、酢酸エチルで抽出し、溶媒を蒸発させた。残渣をLCMS(pH10)によって精製し、第2のピークを含有しているフラクションを混合し、蒸発させて、{1−(シス−4−{[4−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)−6−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]オキシ}シクロヘキシル)−3−[4−(7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]アゼチジン−3−イル}アセトニトリルを得た。第1のピークもまた単離して、{1−(トランス−4−{[4−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)−6−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]オキシ}シクロヘキシル)−3−[4−(7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]アゼチジン−3−イル}アセトニトリルを得た。MS(ES):712(M+1)。
【0214】
工程6:{1−(シス−4−{[4−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)−6−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]オキシ}シクロヘキシル)−3−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]アゼチジン−3−イル}アセトニトリルビス(トリフルオロアセタート)
{1−(シス−4−{[4−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)−6−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]オキシ}シクロヘキシル)−3−[4−(7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]アゼチジン−3−イル}アセトニトリルを米国特許出願公開第2013/0045963号の実施例1に記載されているように脱保護し、液体クロマトグラフィー(pH2)によって精製して、1−(シス−4−{[4−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)−6−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]オキシ}シクロヘキシル)−3−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]アゼチジン−3−イル}アセトニトリルビス(トリフルオロアセタート)を得た。同様に、{1−(トランス−4−{[4−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)−6−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]オキシ}シクロヘキシル)−3−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]アゼチジン−3−イル}アセトニトリルビス(トリフルオロアセタート)を調製し、特性化した。H NMR(400MHz,CDOD)δ 9.07(s,1H),8.87(s,1H),8.59(s,1H),7.78(d,J=3.7Hz,1H),7.44(s,1H),7.24(d,J=3.7Hz,1H),7.05(s,1H),5.35(s,1H),5.09(d,J=12.2Hz,2H),4.82(d,J=12.2Hz,2H),3.72(s,2H),3.5(m,1H),2.27(m,2H),2.0(m,2H),1.74(m,4H),1.50(s,6H)。MS(ES):581(M+1)。
【0215】
以下の実施例19及び20は、実施例17の手順と同様に調整された。
【0216】
【化19】
【0217】
【表3】
【0218】
実施例21.{トランス−3−(4−{[4−({[(1S)−2−ヒドロキシ−1−メチルエチル]アミノ}メチル)−6−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]オキシ}ピペリジン−1−イル)−1−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]シクロブチル}アセトニトリル
【0219】
【化20】
【0220】
N,N−ジイソプロピルエチルアミン(9.4μL、0.054mmol)及びメタンスルホン酸無水物(7.9mg、0.045mmol)を塩化メチレン(0.30mL)中の{トランス−3−(4−{[4−(ヒドロキシメチル)−6−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]オキシ}ピペリジン−1−イル)−1−[4−(7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]シクロブチル}アセトニトリル(10.0mg、0.018mmol、米国特許出願公開第2014/0005166号の中間体実施例A2、工程Fに記載されているピーク1)の溶液に加え、このメシラート形成を30分間攪拌した。溶媒を減圧下で除去し、残渣をテトラヒドロフラン(0.30mL)及びメタノール(0.10mL)の混合物に再溶解し、(2S)−2−アミノプロパン−1−オール(20.μL、0.27mmol、Acros)を加えた。反応混合物を40℃で一晩中攪拌した。溶媒を減圧下で除去し、1:1のTFA:DCMで1時間攪拌することによって粗生成物を脱保護し、その後、濃縮し、LCMSによる判定で脱保護が完了するまでメタノール(1.0mL)中のエチレンジアミン(0.10mL)と共に攪拌した。分取HPLC−MS(0.15% NHOHを含有するMeCN/HOの勾配で溶離するC18)を使用して生成物を精製した。溶離液を凍結し、凍結乾燥して、生成物を遊離塩基として産出した(6.0mg、54%)。H NMR(400MHz,CDOD)δ 8.74(s,1H),8.67(s,1H),8.40(s,1H),7.51(d,J=3.6Hz,1H),7.37(s,1H),7.00−6.97(m,2H),5.23−5.00(m,1H),3.90(d,J=14.8Hz,1H),3.81(d,J=14.8Hz,1H),3.50(dd,J=10.9,4.9Hz,1H),3.41(dd,J=10.9,6.9Hz,1H),3.31(s,2H),3.16−3.05(m,2H),2.95(p,J=7.5Hz,1H),2.83−2.63(m,3H),2.56−2.42(m,2H),2.39−2.23(m,2H),2.19−2.04(m,2H),1.93−1.75(m,2H),1.05(d,J=6.4Hz,3H)。19F NMR(376MHz,CDOD)δ −70.30(s)。LCMS(M+H):610.3。
【0221】
実施例22.{トランス−3−(4−{[4−({[(2R)−2−ヒドロキシプロピル]アミノ}メチル)−6−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]オキシ}ピペリジン−1−イル)−1−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]シクロブチル}アセトニトリル
【0222】
【化21】
【0223】
米国特許出願公開第2014/0005166号の実施例9の手順に従い、その置換工程で(2R)−1−アミノプロパン−2−オール(12μL、0.15mmol、Aldrich)を使用し、これを50℃で2時間実施した。生成物を遊離塩基として得た(8.7mg、46%)。H NMR(400MHz,d−DMSO)δ 12.13(s,1H),8.83(s,1H),8.69(s,1H),8.42(s,1H),7.60(d,J=3.6Hz,1H),7.42(s,1H),7.08(d,J=3.6Hz,1H),7.04(s,1H),5.11−4.90(m,1H),4.49(d,J=4.4Hz,1H),3.76(s,2H),3.67(tt,J=10.3,5.6Hz,1H),3.42(s,2H),3.11−2.96(m,2H),2.81(p,J=7.5Hz,1H),2.74−2.56(m,2H),2.46−2.25(m,4H),2.24−2.09(m,2H),2.09−1.90(m,2H),1.81−1.51(m,2H),1.03(d,J=6.2Hz,3H)。19F NMR(376MHz,d−DMSO)δ −67.29(s)。LCMS(M+H):610.3。
【0224】
実施例23.{トランス−3−(4−{[4−({[(2S)−2−ヒドロキシプロピル]アミノ}メチル)−6−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]オキシ}ピペリジン−1−イル)−1−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]シクロブチル}アセトニトリル
【0225】
【化22】
【0226】
米国特許出願公開第2014/0005166号の実施例9の手順に従い、その置換工程で(2S)−1−アミノプロパン−2−オール(12μL、0.15mmol、Aldrich)を使用し、これを50℃で2時間実施した(7.9mg、42%)。H NMR(400MHz,d−DMSO)δ 12.13(s,1H),8.83(s,1H),8.69(s,1H),8.42(s,1H),7.60(d,J=3.6Hz,1H),7.42(s,1H),7.08(d,J=3.6Hz,1H),7.04(s,1H),5.27−4.71(m,1H),4.49(d,J=4.4Hz,1H),3.76(s,2H),3.72−3.62(m,1H),3.42(s,2H),3.09−2.96(m,2H),2.81(p,J=7.4 Hz,1H),2.72−2.55(m,2H),2.43−2.25(m,4H),2.25−2.08(m,2H),2.08−1.96(m,2H),1.78−1.57(m,2H),1.03(d,J=6.2Hz,3H)。19F NMR(376MHz,d−DMSO)δ −67.29(s)。LCMS(M+H):610.3。
【0227】
実施例24.{トランス−3−(4−{[4−(2−ヒドロキシエチル)−6−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]オキシ}ピペリジン−1−イル)−1−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]シクロブチル}アセトニトリル
【0228】
【化23】
【0229】
{トランス−3−(4−{[4−(2−ヒドロキシエチル)−6−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]オキシ}ピペリジン−1−イル)−1−[4−(7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]シクロブチル}アセトニトリル(9.0mg、0.013mmol、米国特許出願公開第2014/0005166号の中間体実施例A4、工程3に記載されているピーク2)を、塩化メチレン(0.50mL)及びトリフルオロ酢酸(0.50mL)の混合物中で1時間攪拌することによって脱保護し、精製した。溶媒を減圧下で除去し、エチレンジアミン(0.1mL)を含有しているメタノール(0.1mL)中で残渣を攪拌した。分取HPLC−MS(0.15% NHOHを含有するMeCN/HOの勾配で溶離するC18)による精製により、生成物を遊離塩基として産出した(5.8mg、79%)。H NMR(300MHz,d−DMSO)δ 12.12(s,1H),8.83(s,1H),8.69(s,1H),8.42(s,1H),7.60(d,J=3.6Hz,1H),7.34(s,1H),7.08(d,J=3.6Hz,1H),6.95(s,1H),4.99(tt,J=8.2,4.1Hz,1H),4.73(t,J=4.9Hz,1H),3.66(q,J=5.9Hz,2H),3.42(s,2H),3.11−2.95(m,2H),2.90−2.71(m,3H),2.71−2.56(m,2H),2.44−2.30(m,2H),2.15(t,J=9.2Hz,2H),2.09−1.82(m,2H),1.83−1.58(m,2H)。19F NMR(282MHz,d−DMSO)δ −67.26(s)。LCMS(M+H):567.2。
【0230】
実施例A:インビトロJAKキナーゼアッセイ
本明細書に記載の化合物を、Park et al.,Analytical Biochemistry 1999,269,94−104に記載されている以下のインビトロアッセイに従って、JAK標的の阻害活性について試験した。N末端Hisタグを有するヒトJAK1(a.a.837〜1142)、JAK2(a.a.828〜1132)、及びJAK3(a.a.781〜1124)の触媒ドメインを、昆虫細胞中のバキュロウイルスを使用して発現させ、精製した。JAK1、JAK2、又はJAK3の触媒活性を、ビオチン化ペプチドのリン酸化を測定することによってアッセイした。リン酸化されたペプチドは、ホモジニアス時間分解蛍光法(HTRF)によって検出した。化合物のIC50を、100mM NaCl、5mM DTT、及び0.1mg/mL(0.01%)BSAを含む50mMトリス(pH7.8)緩衝液中に酵素、ATP、及び500nMペプチドを含有する40μLの反応液中でキナーゼごとに測定した。1mM IC50測定について、反応液中のATP濃度は1mMであった。反応を室温で1時間実行し、次いで20μLのアッセイ緩衝液(Perkin Elmer,Boston,MA)中の45mM EDTA、300nM SA−APC、6nM Eu−Py20で停止させた。ユーロピウム標識抗体への結合を40分間行い、HTRFシグナルをFusionプレートリーダー(Perkin Elmer,Boston,MA)上で測定した。実施例Aのアッセイによって1mM ATPで試験された、実施例の化合物のデータについては、表2を参照されたい。
【0231】
実施例B:細胞アッセイ
サイトカイン及びしたがってJAK/STATシグナル伝達に依存する癌細胞株は、増殖のために、RPMI1640、10% FBS、及び1nG/mLの適切なサイトカイン中にウェルあたり6000個の細胞(96ウェルプレート形式)でプレートに播くことができる。化合物は、DMSO/培地(最終濃度0.2% DMSO)中の細胞に添加し、37℃、5% COにて72時間培養することができる。細胞生存性に対する化合物の効果は、CellTiter−Glo Luminescent Cell Viability Assay(Promega)、次いでTopCount(Perkin Elmer,Boston,MA)定量化を使用して評価される。化合物の潜在的なオフターゲット効果は、非JAK駆動細胞株を同じアッセイ読み出しで使用して同時に測定される。全ての実験は、典型的には2連で実施される。
【0232】
上記の細胞株はまた、JAKキナーゼのリン酸化又はSTATタンパク質、Akt、Shp2、Erkなどの潜在的な下流基質に対する化合物の効果を調べるために使用することもできる。これらの実験は、一晩のサイトカイン飢餓、次いで化合物との短時間の前培養(2時間以下)及び約1時間以下のサイトカイン刺激の後に実施することができる。その後、タンパク質が細胞から抽出され、ウエスタンブロット法、又はリン酸化タンパク質と総タンパク質とを区別することができる抗体を使用したELISAを含め、当業者によく知られているテクニックによって分析される。これらの実験は、正常細胞又は癌細胞を利用して、腫瘍細胞の生存性生物学又は炎症性疾病の媒介物質に対する化合物の活性を調査することができる。例えば、後者に関しては、IL−6、IL−12、IL−23、IFNなどのサイトカインを使用してJAK活性化を刺激し、STATタンパク質のリン酸化、並びに潜在的には転写プロフィール(アレイ又はqPCR技術によって評価される)又はIL−17などのタンパク質の産生及び/若しくは分泌をもたらすことができる。化合物がこれらのサイトカイン媒介効果を阻害する能力は、当業者に周知のテクニックを使用して測定することができる。
【0233】
本明細書に記載の化合物はまた、突然変異型JAK、例えば、骨髄増殖性障害で検出されるJAK2V617F突然変異に対するそれらの効力及び活性を評価するように設計された細胞モデルにおいて試験することもできる。これらの実験は、多くの場合、野生型又は突然変異型JAKキナーゼが異所性発現する、血液学的系統のサイトカイン依存性細胞(例えばBaF/3)を利用する(James,C.,et al.Nature 434:1144−1148;Staerk,J.,et al.JBC 280:41893−41899)。エンドポイントには、細胞の生存、増殖、及びリン酸化JAK、STAT、Akt、又はErkタンパク質に対する化合物の効果が含まれる。
【0234】
本明細書に記載の一部の化合物は、T細胞の増殖を阻害するそれらの活性について評価することができる。そのようなアッセイは、第2のサイトカイン(すなわちJAK)駆動増殖アッセイ、及び更に免疫抑制又は免疫活性化阻害の単純化したアッセイであるとみなすことができる。以下は、そのような実験がどのように実施され得るかの概要である。フィコールハイパック分離法を使用してヒト全血サンプルから末梢血単核球(PBMC)を調製し、T細胞(フラクション2000)をPBMCから水簸によって得ることができる。新鮮分離されたヒトT細胞は、培地(10%ウシ胎児血清、100U/mLペニシリン,100μg/mLストレプトマイシンが補充されるRPMI 1640)中に、密度2×10細胞/mL、37℃にて、最長2日間維持することができる。IL−2刺激細胞増殖分析の場合、T細胞は、最初にフィトヘムアグルチニン(PHA)で最終濃度10μg/mLにて72時間処理される。PBSで1回洗浄した後、6000細胞/ウェルが96ウェルプレートに播かれ、100U/mLヒトIL−2の存在下で培地中の様々な濃度の化合物で処理される(ProSpec−Tany TechnoGene;Rehovot,Israel)。これらのプレートは37度で72時間培養され、製造元(Promega;Madison,WI)が提案するプロトコルに従ってCellTiter−Glo発光試薬を使用して増殖指数が評価される。
【0235】
アッセイC.S100A9トランスジェニックマウスモデル
S100A9トランスジェニックマウスが、MDSに類似した進行性の多血球系統血球減少症及び細胞学的異形成症の発展と共にMDSCの骨髄集積を示すことは、既に明らかにされている。更に、オールトランスレチノイン酸処理又はCD33シグナル伝達の活性免疫受容活性化チロシンモチーフ保有(ITAM保有)アダプタータンパク質(DAP12)分断のいずれかによるMDSCの早期の強制的な突然変異は、血液学的表現型を救済し、疾病を軽減した。このシステムは、前臨床的モデルにおいてMDS類似の疾病でのJAK1阻害に対する効果を試験するのに有用となり得る。J.Clin.Invest.,123(11):4595〜4611(2013)、したがって、JAK1選択的阻害剤は、経口胃管栄養法によって投与される。S100A9トランスジェニックマウスで観測された、化合物が血球減少症及び細胞学的異形成症を軽減する能力は、監視される。
【0236】
全ての特許、特許出願、学術論文及び書籍は、それらの内容全体を参照によって本願明細書に引用したものとする。
また、本発明は、以下のものも包含される。
[発明1]
骨髄異形成症候群の治療を必要としている患者においてそれを行う方法であって、治療的に有効な量のJAK1選択的阻害剤、又はその薬学的に許容される塩を前記患者に投与することを含む、方法。
[発明2]
前記JAK1選択的阻害剤が、JAK2、JAK3、及びTYK2よりもJAK1に対して選択的である、発明1に記載の方法。
[発明3]
前記JAK1選択的阻害剤が、
3−[1−(6−クロロピリジン−2−イル)ピロリジン−3−イル]−3−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]プロパンニトリル;
3−(1−[1,3]オキサゾロ[5,4−b]ピリジン−2−イルピロリジン−3−イル)−3−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]プロパンニトリル;
4−[(4−{3−シアノ−2−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]プロピル}ピペラジン−1−イル)カルボニル]−3−フルオロベンゾニトリル;
4−[(4−{3−シアノ−2−[3−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピロール−1−イル]プロピル}ピペラジン−1−イル)カルボニル]−3−フルオロベンゾニトリル;
{1−{1−[3−フルオロ−2−(トリフルオロメチル)イソニコチノイル]ピペリジン−4−イル}−3−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]アゼチジン−3−イル}アセトニトリル;
4−{3−(シアノメチル)−3−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]アゼチジン−1−イル}−N−[4−フルオロ−2−(トリフルオロメチル)フェニル]ピペリジン−1−カルボキサミド;
[3−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]−1−(1−{[2−(トリフルオロメチル)ピリミジン−4−イル]カルボニル}ピペリジン−4−イル)アゼチジン−3−イル]アセトニトリル;
[トランス−1−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]−3−(4−{[2−(トリフルオロメチル)ピリミジン−4−イル]カルボニル}ピペラジン−1−イル)シクロブチル]アセトニトリル;
{トランス−3−(4−{[4−[(3−ヒドロキシアゼチジン−1−イル)メチル]−6−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]オキシ}ピペリジン−1−イル)−1−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]シクロブチル}アセトニトリル;
{トランス−3−(4−{[4−{[(2S)−2−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−イル]メチル}−6−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]オキシ}ピペリジン−1−イル)−1−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]シクロブチル}アセトニトリル;
{トランス−3−(4−{[4−{[(2R)−2−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−イル]メチル}−6−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]オキシ}ピペリジン−1−イル)−1−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]シクロブチル}アセトニトリル;
4−(4−{3−[(ジメチルアミノ)メチル]−5−フルオロフェノキシ}ピペリジン−1−イル)−3−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]ブタンニトリル;
5−{3−(シアノメチル)−3−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]アゼチジン−1−イル}−N−イソプロピルピラジン−2−カルボキサミド;
4−{3−(シアノメチル)−3−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]アゼチジン−1−イル}−2,5−ジフルオロ−N−[(1S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチルエチル]ベンズアミド;
5−{3−(シアノメチル)−3−[4−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]アゼチジン−1−イル}−N−イソプロピルピラジン−2−カルボキサミド;
{1−(シス−4−{[6−(2−ヒドロキシエチル)−2−(トリフルオロメチル)ピリミジン−4−イル]オキシ}シクロヘキシル)−3−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]アゼチジン−3−イル}アセトニトリル;
{1−(シス−4−{[4−[(エチルアミノ)メチル]−6−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]オキシ}シクロヘキシル)−3−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]アゼチジン−3−イル}アセトニトリル;
{1−(シス−4−{[4−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)−6−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]オキシ}シクロヘキシル)−3−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]アゼチジン−3−イル}アセトニトリル;
{1−(シス−4−{[4−{[(3R)−3−ヒドロキシピロリジン−1−イル]メチル}−6−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]オキシ}シクロヘキシル)−3−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]アゼチジン−3−イル}アセトニトリル;
{1−(シス−4−{[4−{[(3S)−3−ヒドロキシピロリジン−1−イル]メチル}−6−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]オキシ}シクロヘキシル)−3−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]アゼチジン−3−イル}アセトニトリル;
{トランス−3−(4−{[4−({[(1S)−2−ヒドロキシ−1−メチルエチル]アミノ}メチル)−6−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]オキシ}ピペリジン−1−イル)−1−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]シクロブチル}アセトニトリル;
{トランス−3−(4−{[4−({[(2R)−2−ヒドロキシプロピル]アミノ}メチル)−6−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]オキシ}ピペリジン−1−イル)−1−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]シクロブチル}アセトニトリル;
{トランス−3−(4−{[4−({[(2S)−2−ヒドロキシプロピル]アミノ}メチル)−6−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]オキシ}ピペリジン−1−イル)−1−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]シクロブチル}アセトニトリル;
{トランス−3−(4−{[4−(2−ヒドロキシエチル)−6−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]オキシ}ピペリジン−1−イル)−1−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]シクロブチル}アセトニトリル;
又はその製薬的に許容できる塩から選択される、発明1に記載の方法。
[発明4]
前記骨髄異形成症候群が、単一血球系統の異形成を伴う不応性血球減少症(RCUD)である、発明1〜3のいずれか1つに記載の方法。
[発明5]
前記骨髄異形成症候群が、環状鉄芽球を伴う不応性貧血(RARS)である、発明1〜3のいずれか1つに記載の方法。
[発明6]
前記骨髄異形成症候群が、多血球系統の異形成を伴う不応性血球減少症である、発明1〜3のいずれか1つに記載の方法。
[発明7]
前記骨髄異形成症候群が、芽球増加を伴う不応性貧血−1(RAEB−1)である、発明1〜3のいずれか1つに記載の方法。
[発明8]
前記骨髄異形成症候群が、芽球増加を伴う不応性貧血−2(RAEB−2)である、発明1〜3のいずれか1つに記載の方法。
[発明9]
前記骨髄異形成症候群が、分類不能型骨髄異形成症候群(MDS−U)である、発明1〜3のいずれか1つに記載の方法。
[発明10]
前記骨髄異形成症候群が、染色体異常isolated del(5q)を伴う骨髄異形成症候群である、発明1〜3のいずれか1つに記載の方法。
[発明11]
前記骨髄異形成症候群が、赤血球造血刺激因子製剤に対して不応性である、発明1〜10のいずれか1つに記載の方法。
[発明12]
前記患者が赤血球輸血依存である、発明1〜11のいずれか1つに記載の方法。
[発明13]
IMiD、抗IL−6剤、抗TNF−α剤、メチル化抑制剤、又は生物学的修飾物質(BRM)から選択される追加の治療薬を投与することを更に含む、発明1〜12のいずれか1つに記載の方法。
[発明14]
前記抗TNF−α剤が、インフリキシマブ及びエタネルセプトから選択される、発明13に記載の方法。
[発明15]
前記メチル化抑制剤がDNAメチルトランスフェラーゼ阻害剤である、発明13に記載の方法。
[発明16]
前記DNAメチルトランスフェラーゼ阻害剤が、5アザシチジン及びデシタビンから選択される、発明15に記載の方法。
[発明17]
前記IMiDが、サリドマイド、レナリドミド、ポマリドミド、CC−11006、及びCC−10015から選択される、発明13に記載の方法。
[発明18]
抗胸腺細胞グロブリン、組み換えヒト顆粒球コロニー刺激因子(G CSF)、顆粒球単球CSF(GM−CSF)、赤血球造血刺激因子製剤(ESA)、及びサイクロスポリンから選択される追加の治療薬を投与することを更に含む、発明1〜12のいずれか1つに記載の方法。