【文献】
Sindhunata,J.S.J van Deventer,Effect of Curing Temperature and Silicate Concentration on Fly-Ash-Based Geopolymer,Ind. Eng. Chem. Res.,米国,American Chemical Society,2006年,45,3559-3568
【文献】
Medpelli et al.,Geopolymer with hierarchically Meso-/Macroporous Structures from Reactive Emulsion Templating,J. Am. Ceram. Soc.,2014年 1月,Vol.97 No.1,P.70-73
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記有機液体は、前記有機液体の全乾燥質量に基づき、トリグリセライドを最大50質量%、特には最大40質量%、格別には最大30質量%、より格別には最大20質量%、最も格別には最大10質量%含むことを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
前記有機液体は、芳香族合成炭化水素、塩素含有線形炭化水素、塩素含有芳香族炭化水素、塩素フッ素含有線形炭化水素、アルコール、ケトン、グリコールエーテル、およびエーテルからなる群から選択される少なくとも1種の成分であるか、または該少なくとも1種の成分を含むことを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
前記有機液体は、シンチレータ液体、モーター油、変圧器用油、ベンゼン、アルキルベンゼン、アルキルナフタレン、アルキルビフェニル、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、灯油、ヘキサン、シクロヘキサン、オクタン、エチルシクロヘキサン、ドデカン、イコサン、フェノール、ジクロロメタン、トリクロロエタン、ジクロロベンゼン、トリクロロエチレン、パークロルエチレン、トリクロロベンゼン、ポリクロロビフェニル、トリクロロトリフルオロエタン、アルキルジアリールエチレン、2−オクタノン、4−ドデカノン、リン酸トリブチル(TBP)、テトラヒドロフラン(THF)、ジエチルエーテル、ポリジメチルシロキサン、およびポリジフェニルシロキサンからなる群から選択される少なくとも1種の成分であるか、または該少なくとも1種の成分を含むことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の方法。
アルミノケイ酸塩源に加えて、砂;自然界の、人造の、もしくは再生材料の、平均粒度が10〜125mmである粒状物;および/または平均粒度が5〜200μmの微粉が前記サブステップ(b)の間に前記活性化溶液に添加されることを特徴とする請求項1〜9のうちのいずれかに記載の方法。
【発明の概要】
【0013】
本発明は、先行技術の材料と方法について前述の技術的問題と欠点を解決する可能性をもたらす。確かに、発明者は、そのような方法のための産業適用を想定した可能性をもたらす合理的なステップ回数および合理的コストを備え、マクロポーラスな多孔性とメソポーラスな多孔性を有するジオポリマーを調整することを可能にする作業手順を開発した。
【0014】
本発明は、多孔性ジオポリマー材料、特には発泡体タイプのジオポリマーを、ジオポリマー材料中の有機液体の固定化、それに続くジオポリマー材料の多孔性を出すことのできる処理により製造することにある。
確かに、オプションでアルミノケイ酸塩源を添加した後で、ひとたびジオポリマー化プロセスが完了させられると、アルミノケイ酸塩源がオプションで添加される活性化溶液の最も基本的なpHが、有機相(すなわち有機液体)を備えた単一の相を維持する可能性だけではなく、均一なジオポリマーのブロックも得る可能性をもたらすことを発明者は示した。
【0015】
したがって、本発明は、得られた材料がどのような構造的な欠陥も持っておらず、溶出現象が存在しないジオポリマー材料中の有機液体の直接的固定することにある。本発明では、有機液体は、液体状態から、有機液体がカプセル化されるかさらにはマイクロカプセル化されるジオポリマータイプの固体状態に移行するときに、状態を変えることに注意すべきである。
他方では、有機液体が混入されるジオポリマーの材料は、調整するのが容易であり、また、他方では、この材料から有機液体を取り除くステップは、適用するのも容易である。
【0016】
したがって、本発明は、以下の連続的ステップを含むマクロポーラスかつメソポーラスなジオポリマーを調整する方法に関する。すなわち、1)ジオポリマーマトリックスと有機液体を含む複合材料を調整するステップ、また、その後、2)前記有機液体を、熱処理、酸化処理、光分解処理、および超臨界流体または超音波による抽出からなる群から選択される一つの処理によって除去するステップである。
【0017】
さらに詳細には、本発明は、以下の連続的ステップを含むマクロポーラスかつメソポーラスなジオポリマーを調整する方法に関する。すなわち、1)ジオポリマーマトリックスおよび有機液体を含む複合材料を調整するステップ、そして、次に、2)前記有機液体を、熱処理、酸化処理、光分解処理、および超臨界流体または超音波による抽出からなる群から選択される処理により、前記有機液体を除去するステップである。ここに、前記ステップ(1)は以下のサブステップからなる。すなわち、a)前記有機液体を含む活性化溶液を調整する、b)ステップ(a)の中で得られた溶液に少なくとも1種のアルミナ−ケイ酸源を添加する、c)ジオポリマーが硬化する条件下にステップ(b)で得られた混合物を置く。
【0018】
ステップ(1)の間に調整された材料は複合材料である。《複合材料》は、本発明の範囲内では、ジオポリマーマトリックスと有機液体の会合体を意味する。この会合体が、ジオポリマーマトリックスによる有機液体のカプセル化、ジオポリマーマトリックスによって有機液体のマイクロカプセル化、および/またはジオポリマーマトリックスを備えた有機液体のコーティングとして現われることがある。
【0019】
さらに詳細には、前記発明の範囲内で調整された複合材料は、有機液体ビーズ、特には有機液体のマイクロビーズおよび/またはナノビーズがコートされるジオポリマー(またはジオポリマーマトリックス)として現われる。《マイクロビーズ》は、平均直径が1と1,000μmの間にあり、特には5と900μmの間にあり、詳細には20と800μmの間にある有機液体の液滴を意味する。《ナノビーズ》は、平均直径が1と1,000nmの間にあり、特には10と900nmの間にあり、詳細には20と800nmの間にある有機液体の液滴を意味する。前記発明による複合材料中にある有機液体のマイクロビーズおよびナノビーズは、楕円体、回転楕円体、または多面体のような様々な形状を有してよい。これらのナノビーズとマイクロビーズは、最終的ジオポリマー、すなわち、発明に係る方法のステップ(2)の後に得られもののマクロポーラスな性質に本質的に関係するものであり、実施に、楕円体、回転楕円体、または多面体のような様々な形状を与える。
【0020】
本発明に係る前記方法のステップ(1)の間に調整された複合材料は、単に有機液体のマイクロビーズおよび/またはナノビーズとジオポリマーマトリックスのみを含むことが有利である。
《有機液体》は、本発明の範囲内では、化合物および/または溶媒を含む液体を意味し、前記化合物および前記溶媒は少なくとも1つの炭素原子および特には少なくとも2つの炭素原子を有している。
本発明の範囲内で適用される有機液体は、水に混和できない液体か、または2重量%未満の濃度で完全に水に可溶であることが有利であり、これは25℃かつ大気圧で実施される。
【0021】
本発明の範囲内で適用される有機液体は、前記有機液体の全乾燥質量に基づき、トリグリセリドを最大50質量%、特には最大40質量%、格別には最大30質量%、より格別には最大20質量%、および最も格別には最大10質量%含むことがさらに有利である。詳細な代替手段では、有機液体はトリグリセリドをなんら含まない。《トリグリセリド》は、化学式H
2C(OR
1)−C(H)(OR
2)−C(OR
3)H
2の化合物を意味し、ここにR
1、R
2およびR
3は同一か異なるかのいずれかであり、式−C(=O)Rの基を表わし、Rは炭素質基を表す。この炭素質基は、特には線形、環状、または枝分かれしたアルキル基であって、飽和されていてもまたは不飽和であってもよく、1から40の炭素原子を備え、有利には2から30の炭素原子を備え、N、O、F、Cl、P、Si、Br、およびSから作られた群から選択される少なくとも1つのヘテロ原子で置換された、または含んでいてもよい。
【0022】
特には、本発明の範囲内で適用される有機液体は、鹸化可能でない有機液体である。《鹸化可能でない有機液体》は、基本的条件の下で加水分解されるであろうどのようなエステル基も有しない有機液体を意味する。この実施形態では、有機液体はどのようなトリグリセリド、リン脂質、および糖脂質も含まない。
【0023】
したがって、本発明の範囲内で適用される有機液体は、脱脂剤または油であってもよい。《脱脂剤》は、保持体と接触することにより保持体の表面に存在する残留物を除去することができる液体を意味する。《油》は、25℃および大気圧で、水と混和できない液体、または2重量%以下の濃度で水に完全に可溶である液体を意味する。そのような油は、特には鉱油または合成油である。有利には、本発明の範囲内で適用される有機液体は、熱的絶縁油であるか、またはそれを含む。《熱的絶縁油》は、熱伝導率が0.1から0.2 W/(m.K)の間にあり、特には0.1と0.17 W/(m.K)の間にある油を意味する。
【0024】
特には、本発明の範囲内において、適用される有機液体は、以下からなる群から選択される少なくとも一つの成分であるか、またはそれを含む。すなわち、ナフテン油、脂肪族炭化水素、不飽和の線形合成炭化水素、合成芳香族炭化水素のような芳香族炭化水素、塩素化線形炭化水素、塩素化芳香族炭化水素、塩素化フッ化線形炭化水素、エチレン化芳香族炭化水素、塩素化溶媒、アルコール、ケトン、グリコールエーテル、およびエーテル酸化物のような酸素化溶媒、アルキルリン酸、塩化アルキル、および液体シリコーンである。
【0025】
さらに詳細には、本発明の範囲内で適用される有機液体は、下記の群から選択される少なくとも1つの要素であるか、またはそれを含む。すなわち、市販のシンチレータ用液体、モーター油、変圧器用油、ベンゼン、アルキルベンゼン、アルキルナフタレン、アルキルビフェニル、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、灯油、ヘキサン、シクロヘキサン、オクタン、エチルシクロヘキサン、ドデカン、イコサン、フェノール、ジクロロメタン、トリクロロエタン、ジクロロベンゼン、トリクロロエチレン、パークロルエチレン、トリクロロベンゼン、ポリ塩化ビフェニルトリクロロトリフルオロエタンアルキルジアリールエチレン、2−オクタノン、4−ドデカノン、リン酸トリブチル(TBP)、テトラヒドロフラン(THF)、ジエチルエーテル、ポリジメチルシロキサン、およびポリジフェニルシロキサンである。
【0026】
本発明の範囲内で適用される有機液体は、溶液、乳剤、マイクロエマルジョン、懸濁液、またはコロイド懸濁液として現われてもよい。
【0027】
《ジオポリマー》または《ジオポリマーマトリックス》は、本発明の範囲内では、固体材料であり、乾燥状態で多孔性であって、微粉化された材料(すなわち、アルミノケイ酸塩源)と
アルカリ塩溶液(すなわち、活性化溶液)を含む混合物の硬化の後に得られる。前記混合物は、時間がたつにつれて、凝固し硬化することができる。この混合物も《ジオポリマー混合物》または《ジオポリマー合成物》の用語で呼ばれることもある。ジオポリマーの硬化は、強いpHの
アルカリ塩溶液(すなわち活性化溶液)のような
アルカリ塩溶液中のジオポリマー混合物の微粉化された材料の分解/重縮合の結果である。
【0028】
さらに詳細には、ジオポリマーまたはジオポリマーマトリックスは、非晶質のアルミノケイ酸塩無機高分子である。前記ポリマーは、本質的にケイ酸とアルミニウム含む反応性の材料(すなわちアルミノケイ酸塩源)であって、強いアルカリ性溶液により活性化され、調合物中の質量比固体/溶液が低いものから得られる。ジオポリマー構造は、ケイ酸四面体(SiO
4)で作られたSi−O−Al格子と、酸素原子を共有することによりそれらの頂点に束縛されたアルミン酸塩(AlO
4)からなる。この格子内では、AlO
4−複合体の負電荷を補償する可能性をもたらす補償陽イオンとも呼ばれる電荷を補償する1つまたは数個の陽イオンが見いだされる。前記補償陽イオンは、リチウム(Li)、ナトリウム(Na)、カリウム(K)、ルビジウム(Rb)、およびセシウム(Cs)のようなアルカリ金属、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)、およびバリウム(Ba)のようなアルカリ土類金属、およびその混合物からなる群から選択されることが有利である。
【0029】
《本質的にケイ酸とアルミニウムを含む反応性の材料》および《アルミノケイ酸塩源》の表現は、本発明中においては同一であり、相互に置き換えて使ってもよい。
【0030】
前記発明の範囲内で適用されたジオポリマーマトリックスの調整のためにあるかもしれないケイ酸およびアルミニウムを本質的に含む反応性の材料は、有利に非晶質アルミノケイ酸塩を含む固体源である。これらの非晶質アルミノケイ酸塩は、特には、以下の鉱物から選ばれる。すなわち、(1)イライト、束沸石、カオリナイト、葉蝋石、アンダルサイト、ベントナイト、カイアナイト、ミロナイト、グロブナイト、アメサイト、コーディエライト、長石、アロフェン、その他などのような自然界のアルミノケイ酸塩、(2)メタカオリンのようなか焼された自然界のアルミノケイ酸塩鉱物、(3)純粋なアルミノケイ酸塩に基づいた合成ガラス、(4)アルミナセメント、(5)軽石、(6)飛灰のようなか焼されたサブ生成物または産業利用残留物、および石炭の燃焼からおよび溶鉱炉中での鉄鉱石から鋳鉄への変換の最中に得られた溶鉱炉スラグ、および(7)それらの混合物である。
【0031】
ジオポリマー化の分野で《活性化溶液》として知られる強いpHを有する
アルカリ塩溶液は、ケイ酸、コロイダルシリカ、およびガラス質ケイ酸からなる群から顕著に選択されるケイ酸塩要素をオプションで含んでいるだろう強いアルカリ性の水溶液である。
【0032】
本発明中においては、《活性化溶液》、《強いpHを持った
アルカリ塩溶液》、および《強いアルカリ性溶液》は同一であり、相互に交換して使用してよい。
【0033】
《強いアルカリ性》または《強いpH》は、pHが9を超えて、特には10を超えている溶液を、詳細には11を超える溶液、さらに詳細には12を超える溶液を意味する言いかえれば、活性化溶液は、0.01Mを超え、特には0.1Mを超え、詳細には1M以上を超え、さらに詳細には5と20Mの間であるOH−濃度を有する。
【0034】
活性化溶液は、補償陽イオンまたはイオン溶液または塩としての補償陽イオンの混合物を含む。したがって、活性化溶液は、特には、ケイ酸ナトリウム(Na
2SiO
3)、ケイ酸カリウム(K
2SiO
2)、水酸化ナトリウム(NaOH)、水酸化カリウム(KOH)、水酸化カルシウム(Ca(OH)
2)、水酸化セシウム水酸化物(CsOH)、それらの誘導体、その他の水溶液から選ばれる。
【0035】
第一の実施形態では、本発明に係る前記方法のステップ(1)は、以下のサブステップを含む:すなわち、a)前記有機液体を含む活性化溶液を調整する、b)ステップ(a)で得られた溶液に少なくとも1つのアルミノケイ酸塩源を添加する、c)ステップ(b)で得られた混合物を、ジオポリマーの硬化を許可する条件下に置くステップである。
【0036】
この適用実施形態は、得られたジオポリマーの最終多孔性を制御する可能性をもたらすので、注目すべきであり、これはサブステップ(a)と同じくらい早いものである。
【0037】
本発明に係る前記方法のサブステップ(a)は、先に指定したように、前もって作られた活性化溶液に有機液体を添加することに存する。活性化溶液の先だっての調整は、ジオポリマー分野では標準的ステップである。
【0038】
以上説明したように、活性化溶液は、ケイ酸、コロイダルシリカ、およびガラス質のケイ酸からなる群から顕著に選択される1つまたはいくつかのケイ酸塩要素をオプションで含んでいてもよい。活性化溶液が1つまたはいくつかのケイ酸塩要素を含む場合、後者は、活性化溶液に100mMと10Mの間、特には500mMと8Mの間、および詳細には1と6Mの間の量で存在する。
【0039】
有機液体は、一時に、またはバッチで、または液滴滴下法によっても活性化溶液に添加される。一旦有機液体が活性化溶液に添加されれば、得られた溶液は、混練機、攪拌機、磁気棒、超音波バス、またはホモジナイザーを使って混合される。前記発明に係る方法のサブステップ(a)の間の混合/混成は、比較的保持された速度において確保される。《比較的保持された速度》は、本発明の範囲内では、250rpm超の速度、特には350rpm以上の速度を意味する。そのような撹拌は、均一な溶液、特には均質な溶液またはマイクロエマルジョンタイプの溶液を得る可能性をもたらす。
【0040】
前記発明に係る方法のサブステップ(a)は、10℃と40℃の間の温度で実施され、有利には、15℃と30℃の間で、より詳細には室温で(すなわち23℃±5℃)で実施され、サブステップ(a)は、6時間を超える時間実施され、特には10時間超にわたり、詳細には10時間と48時間の間、およびさらに詳細には12時間と36時間の間、実施される。
【0041】
サブステップ(a)の間、少なくとも1つの界面活性剤、すなわち親油性の(無極性の)部分および親水性の(有極性の)部分を含む分子使うことが必要であるだろうことに注意すべきであり、これは、前記発明に係る方法のサブステップ(a)の後に、均一な溶液を得るためである。言いかえれば、1つまたはいくつかの界面活性剤は、活性化溶液での有機液体の混和性または分散を増加させるために、添加されなければならないかもしれない。
【0042】
界面活性剤は、(α)有機液体の添加に先立って、活性化溶液へ、(β)活性化溶液に添加されるに先立って有機液体へ、または(γ)有機液体が既に添加された活性化溶液へ添加されてもよい。界面活性剤+有機液体の混合物を添加することによって、有機液体のナノビーズおよび/またはマイクロビーズのサイズ、すなわち有機液体で充満された界面活性剤ミセルのサイズをさらに制御すること、および得られたジオポリマーの気孔率をこれにより制御することが可能であるので、実施形態(β)が有利である。
【0043】
本発明の範囲内で使用されるであろう界面活性剤の中で、以下のものが言及されるであろう。
【0044】
i)陰イオン性界面活性剤であって、その親水性の部分が、アルキルまたはアリルスルホン酸、硫酸塩、リン酸塩、またはアンモニウムイオン(NH
4+)のような対イオンと結合したスルホサクシネート、テトラブチルアンモニウムのような四級アンモニウム、Na
+、Li
+、およびK
+のようなアルカリ陽イオンのような、負に帯電しているもの。陰イオン界面活性剤として、例えば、テトラエチルアンモニウム・パラトルエンスルホン酸、ドデシル硫酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ミリスチン酸ナトリウム、ジ(2-エチルヘキシル)スルホこはく酸ナトリウム、ベンゼンスルホン酸メチル、およびベンゼンスルホン酸エチルを使用することが可能である。
【0045】
ii)陽イオン界面活性剤(その親水性の部分は正に帯電されている)は、テトラフルオロホウ酸塩のようなホウ素誘導体またはF
−、Br
−、I
−、またはCl
−のようなハライドイオンの中から顕著に選択された陰イオン性対イオンと結合した、少なくとも1つの脂肪族チェーンC
4−C
22を含む第四アンモニウムの中から顕著に選択される。陽イオン界面活性剤として、例えば、塩化テトラブチルアンモニウム、塩化テトラデシルアンモニウム、臭化テトラデシルトリメチルアンモニウム(TTAB)、脂肪族の鎖を持つハロゲン化アルキルピリジニウム、およびハロゲン化アルキルアンモニウムを使用することは可能である。
【0046】
iii)1ユニットおよび反対符号の正式の電荷を有する中性化合物である双性イオンの界面活性剤、特には、一般的に硫酸塩またはカルボン酸塩のような負に帯電した官能基、およびアンモニウムのような正に帯電した官能基で置換されたアルキル基のC5−C20鎖を有する化合物から選ばれる界面活性剤。双性イオンの界面活性剤として、ナトリウムN、N−ジメチルドデシルアンモニウムブタン酸、ナトリウムジメチルドデシルアンモニウムプロパン酸、およびアミノ酸が言及されるであろう。
【0047】
iv) それらが置かれた媒質に依存して酸としてまたは塩基として作用する化合物である両性界面活性剤。両性界面活性剤として、ニナトリウムラウロアンフォディアセテート、およびアルキルアミドプロピルベタインまたはラウリルハイドロキシスルフォベタインのようなベタインを使うことができる。
【0048】
v)中性(非イオン性)界面活性剤、その表面活性な特性、特にはその親水性は、アルコール、エーテル、エステル、またはさらにはアミドのような非帯電官能基によって提供され、窒素または酸素のようなヘテロ原子を含んでおり、これらの官能基の低い親水性の寄与のために、非イオン性界面活性剤化合物はしばしば多官能性である。非イオン性界面活性剤として、例えば、ポリエチレングリコールラウリルエーテル(POE23またはBrij(R)35)、ポリオール、(砂糖から導出した界面活性剤)、特には、例えばグルコースヘキサネートのようなグルコースアルキレートのようなポリエトキシ化界面活性剤と同様なポリエーテルを使用することが可能である。
【0049】
本発明の範囲内で使用される界面活性剤の量は、有機液体と前記方法の中で使用される活性化溶液にかなりの程度依存することになる。当業者は、ルーチンテストによって適当量を決定することができるであろう。例として、有機液体を含む活性化溶液では、界面活性剤は、前記溶液の全容積に基づき、0.1から20体積%の間、特には0.5から15の体積%の間、詳細には1から10体積%の間の比率で存在する。
【0050】
前記発明に係る方法のサブステップ(b)は、有機液体およびオプションで界面活性剤を含む活性化溶液、および先に指定されたようなアルミノケイ酸塩源を接触させることからなる。
【0051】
アルミノケイ酸塩源は、有機液体およびオプションで界面活性剤を含む活性化溶液に、1回または数回注がれてもよい。サブステップ(b)の具体的な実施形態では、アルミノケイ酸塩源は、有機液体およびオプションで界面活性剤を含む活性化溶液に、まき散らされてもよい。
【0052】
前記発明に係る方法のサブステップ(b)は、有機液体およびオプションで界面活性剤を含む活性化溶液が前もって導入される混練機において適用されることが、有利である。本発明の範囲内では、当業者に知られたどのような混練機が使用されてもよい。非限定的例として、混合機NAUTA(R)、混練機HOBART(R)、および混練機HENSCHEL(R)が言及されるであろう。
【0053】
したがって、前記発明に係る方法のサブステップ(b)は、有機液体およびオプションでアルミノケイ酸塩源を備えた界面活性剤を含む活性化溶液の混合または混練を含む。前記発明に係る方法のサブステップ(b)の間の混合/混成は、比較的低い速度において確保される。《相対的に遅い速度》は、本発明の範囲内では、250rpm以下の混練機軸車の回転数、特には50rpm以上の回転数、詳細には100から250rpmの間の回転数を意味する。非限定的例として、標準化された混練機の場合は、撹拌速度は200rpmである。
【0054】
前記発明に係る方法のサブステップ(b)は、0℃と40℃の間の温度で実施され、有利には15℃と30℃の間で、さらに詳細には、室温(すなわち23℃±5℃)で実施され、2分以上の期間、特には4分と1時間の間、詳細には5分と30分の間、実施される。
【0055】
当業者は、適用される有機液体の性質、有機液体の量、および適用される活性化溶液、並びにジオポリマー化の分野における当業者の知識により本発明の範囲内において、使用するアルミノケイ酸塩源の量を決定することができるであろう。
【0056】
有利には、本発明に係る前記方法において、活性化溶液を備えた活性化溶液/MK質量比は、有利に0.6と2の間にあり、特には1と1.5の間にある。ここに活性化溶液は、有機液体を含んでおりオプションで界面活性剤を含む活性化溶液の質量(gで表記)を表わし、またMKは、アルミノケイ酸塩源の質量(gで表記)を表わす。具体的な実施例として、活性化溶液/MK比は1.28程度である(すなわち、1.28±0.1)。1.2と1.4の間の活性化溶液/MK比は、量と、カプセル化および特には有機液体のマイクロカプセル化に好都合なジオポリマー中の細孔サイズを保証する可能性をもたらす。
【0057】
さらに、アルミノケイ酸塩源に加えて、砂、グラニュレート、および/または微粉が、前記発明に係る方法の前記ステップ(b)において活性化溶液に添加されてもよい。
【0058】
《グラニュレート》は、粒状であって、自然界の、人造の、または再生材料を意味し、その平均粒度は有利には10〜125mmの間である。
【0059】
《フィラー》または《追加微粉》とも呼ばれる微粉は、先に指定されたような自然岩石、グラニュレート、および装飾的な石を切りかき加工、鋸切断、または細工を行うことより生じる、微細に分割された乾燥製品である。微粉は、特には5と200μmの間の平均粒度を有することが有利である。
【0060】
砂、グラニュレート、および微粉は、前記方法のサブステップ(b)の間の温度上昇をよりよく調節するために、かつ得られた複合材料の物理的および機械的性質を最適化するためにも、添加される。
【0061】
サブステップ(b)の間にオプションで添加される砂は、石灰石砂またはケイ砂でもよい。これが、得られた複合材料の物理的および機械的性質の最適化について最良の結果を達成する可能性をもたらすケイ砂であることが有利である。《ケイ砂》は、本発明の範囲内では、珪砂(SiO
2)が90体積%超の、特には95体積%超の、詳細には98体積%超の、最も詳細には9体積%超からなる砂を意味する。本発明で有利に適用されたケイ砂は、特には10mm未満の、特には7mm未満の、詳細には4mm未満の平均サイズを有している。具体的な実施例として、0.2と2mmの間の粒体の平均サイズを持っているケイ砂を使うことができる。
【0062】
アルミノケイ酸塩源の他に、活性化溶液へ砂が添加される場合、砂とアルミノケイ酸塩源の間の質量比は、2/1と1/2の間、特には1.5/1と1/1.5の間、および詳細には1.2/1と1/1.2の間である。
【0063】
前記発明に係る方法のサブステップ(c)は、サブステップ(b)に対し得られた混合物を、ジオポリマー混合物の硬化を許可する条件下に置くことからなる。
【0064】
有機液体が中に存在するジオポリマー混合物を硬化するための当業者に既知の技術は、どのようなものであれ、前記方法の硬化ステップの間に使用されてもよい。
【0065】
サブステップ(c)の間に硬化することを可能にする条件は、オプションで乾燥ステップに後続するキュアリングステップを含むのが有利である。キュアリングステップは、ジオポリマー混合物を取り囲む大気の加湿によって、または前記混合物上に不浸透性のコーティングを塗布することによって自由な空気中で、水の中で、種々の気密に密封した金型の中で、行われてよい。このキュアリングステップは、10と80℃の間で、特には20と60℃の間で、および詳細には30と40℃の間の温度下で行われよく、これは1〜40日間の間、あるいはさらに長く続くいてもよい。キュアリングの持続時間が、後者の間では、適用される条件に依存することは明白であり、当業者は、一旦条件が決まれば、オプションでルーチン試験により、最も適した持続時間を決定することができるであろう。
【0066】
硬化ステップが乾燥ステップを含む場合、キュアリングステップに加えて、この乾燥は、30と90℃の間の温度で達成されてもよく、特には40と80℃の間、および詳細には50と70℃の間の温度でもよく、かつ、乾燥は6時間と10日の間持続し、特には12時間と5日の間、および詳細には24〜60時間の間でもよい。
【0067】
さらに、有機液体が存在するジオポリマー混合物の硬化に先立って、後者は、この硬化に次いであらかじめ定めた形状を与えるように金型中に置かれてもよい。
【0068】
第2の実施形態では、本発明に係る前記方法のステップ(1)は、以下のステップを含む:すなわち、a)少なくとも1つのアルミノケイ酸塩源を活性化溶液に添加する、b)ステップ(a’)で得られた混合物に前記有機液体を添加する、c)ジオポリマーの硬化を許可する条件下にステップ(b)で得られた混合物を置くである。
【0069】
本発明に係る前記方法のサブステップ(a’)は、少なくとも1つのアルミノケイ酸塩源が先に指定したように添加される活性化溶液を先に指定したように調整することからなる。そのようなサブステップは、ジオポリマー分野では標準である。
【0070】
サブステップ(a)の間において、活性化溶液に関して以前に記述されたことのすべては、サブステップ(a’)の間に適用される活性化溶液についても適用される。
【0071】
また、サブステップ(b)について記述されたことのすべて、特には、混合/混成条件、混練機のタイプ、温度、アルミノケイ酸塩源の量、および活性化溶液/MK質量比は、必要に応じて変更を加えて、サブステップ(a’)に適用される。
【0072】
前記方法のサブステップ(b’)は、混合物(活性化溶液+アルミノケイ酸塩源)に有機液体を導入することからなる。前記混合物の調整の後に、このサブステップが比較的急速に適用されることは明白であり、これは、以下のサブステップ(b’)に従って均質な化合物を得ることを防止するであろうこの混合物の硬化の前に行われる。
【0073】
その後、有機液体は混合物(活性化溶液+アルミノケイ酸塩源)に、一回だけまたは数回、さらには液滴吐出的に、添加される。一旦有機液体が混合物(活性化溶液+アルミノケイ酸塩源)に添加されたならば、得られた調整物は、混練機、攪拌機、磁気棒、超音波バス、またはホモジナイザーの使用により混合される。前記発明に係る方法のサブステップ(b’)の間の混合/混成は、先に指定したように、比較的保持された速度で達成され、これは以下のサブステップ(b’)にしたがって均質な混合物を得るためである。
【0074】
前記発明に係る方法のサブステップ(b’)は、10℃と40℃の間の温度で行なわれるが、有利には15℃と30℃の間で、そして、より詳細には室温(すなわち23℃±5℃)で6時間以上の持続時間にわたって、特には10時間以上にわたって、詳細には10時間と48時間の間で、そして最も詳細には12時間と36時間の間で行われる。
【0075】
以上説明したように、サブステップ(b’)の間は、先に指定したように、少なくとも1つの界面活性剤を使用することが必要とされることがあり、これは前記発明に係る方法のサブステップ(b’)に従って均質な混合物を得るためである。言いかえれば、1つまたはいくつかの界面活性剤が、混和性あるいは混合物(活性化溶液+アルミノケイ酸塩源)中の有機液体の分散を増加させるために、添加されなければならないかもしれない。
【0076】
界面活性剤は、混合物(α’)(活性化溶液+アルミノケイ酸塩源)に、混合物(活性化溶液+アルミノケイ酸塩源)の中へのその添加に先立ち有機液体(β’)に、または有機液体が既に添加された混合物(γ’)(活性化溶液+アルミノケイ酸塩源)に添加されてもよい。実施形態(β’)は求められた目的に対しては望ましい。サブステップ(a)の範囲において界面活性剤について示されたすべてのものおよび特には界面活性剤の量は、サブステップ(b’)にも適用される。
【0077】
さらに、第1の実施形態の範囲で意図されるように、砂、グラニュレート、および/または微粉は、先に指定したように、前記発明に係る方法の以下のステップ(1)で得られた複合材料を調整するために使用されてもよい。砂、グラニュレート、および/または微粉は、サブステップ(a’)の間に添加されてもよく、添加がサブステップ(a’)に続いてかつサブステップ(b’)に先立ってでもよく、また、添加がサブステップ(b’)の間でもよく、および/またはサブステップ(b’)に続いてかつサブステップ(c’)に先立ってでもよい。
【0078】
最後に、サブステップ(c)について記述されたすべてのことは、サブステップ(c’)にも適用される。
【0079】
本発明に係る前記方法の以下のステップ(1)に従って得られた複合材料においては、有機液体は、以下の体積%まで、ジオポリマーマトリックスとる。すなわち、前記複合材料の全容積に基づいた90体積%の混入レベルまで、特には前記複合材料の全容積に基づいた80体積%の混入レベルまで混入させられ、典型的には前記複合材料の全容積に基づいた0.5から70体積%の間の混入レベルで混入させられる。言いかえれば、有機液体は、前記発明の目的または前記発明の目的である前記方法によって調整された複合材料である、複合材料の全容積に基づいた0.5〜70体積%を示す。有利には、この混入レベルは、前記複合材料の全容積に基づき、1〜65体積%の間であり、特には5〜60体積%の間で、そして詳細には10〜55体積%である。具体的な実施例として、この混入レベルは、前記複合材料の全容積に基づいて20体積%程度(すなわち20体積%±5体積%)、30体積%程度(すなわち30体積%±5体積%)、40体積%程度(すなわち40体積%±5体積%)、または50体積%程度(すなわち50体積%±5体積%)であってよい。
【0080】
本発明に係る前記方法のステップ(2)は、有機液体の除去と、それによる以下のステップ(1)で得られる複合材料の多孔性を解放することに存する。この除去が、前記複合材料の調整の間にオプションで使用される界面活性剤の除去をさらに引き起こすことは明白である。
【0081】
異なる代替手段がこの除去に関して想定される。
【0082】
これらの代替手段の1番目は熱処理にある。《熱処理》は、本発明の範囲内では、ステップ(1)の複合材料を高温下に置く事実を意味する。すなわち、200℃超の温度、特には300℃と1,000℃の間の温度、また詳細には400℃と800℃の間の温度である。
【0083】
この熱処理は、酸素下で、空気中で、アルゴンのような不活性ガス下で、窒素のような中性ガス下で、有利に実施されるが、酸素下でまたは空気中で実施するのが有利である。この熱処理ステップは、有機液体と界面活性剤が適用される有機化合物の焼成または昇華に存する。
【0084】
このステップは、15分と12時間の間、および特には1時間と6時間の間の持続時間を有する。当業者が加熱処理条件を変えることは可能であり、そしてこれは、任意の有機化合物がない多孔性ジオポリマーを得るためのステップ(1)の終わりで得られる複合材料に依存する。
【0085】
有機液体およびオプションで使用した界面活性剤を除去することを意図した代替手段の2番目は、これらの要素を主としてCO
2とH
2Oへ酸化させることからなる。そのような酸化処理は、顕著にプラズマ処理またはオゾンによる処理のいずれかである。
【0086】
プラズマ処理は、以下のステップ(1)に従うことで得られた複合材料をプラズマへ暴露することからなる。プラズマは、物質の第4の状態と従来考えられていた、イオン化状態におけるガスであることに注意が必要である。ガスのイオン化に必要なエネルギーは、電磁波(無線周波数またはマイクロ波)によって提供される。プラズマは、中性分子、イオン、電子、ラジカル種(化学的に非常に活性)、および物質の表面と反応する励起種からなる。
【0087】
プラズマに含まれる化学種のイオン化レベルに関して互いに区別されるいわゆる《コールド》プラズマといわゆる《ホット》プラズマが区別される。いわゆる《コールド》プラズマについては、反応種のイオン化レベルは10
−4未満であり、一方、《ホット》プラズマついては、それが10
−4を超える。《ホット》と《コールド》の用語は、いわゆる《ホット》プラズマがいわゆる《コールド》プラズマよりずっと活動的である事実から来ている。
【0088】
プラズマは、少なくとも2つのガスを混合することによって、有利に生成される。ここに第1と第2のガスは、不活性ガスからなる群および空気と酸素からなる群からそれぞれ選択される。プラズマ処理の持続時間は、1と30分の間、特には5と15分の間を有する。
【0089】
オゾンによる処理は、以下のステップ(1)で得られた複合材料をオゾンに暴露することからなる。この暴露は、オゾンフローとこの複合材料を接触させること、またはオゾンを含む大気中に後者を配置することのいずれかを意味してもよい。
【0090】
必要なオゾンは、空気、酸素、酸素富化空気、または酸素富化ガスのような酸素富化ガスから、あるいは低圧水銀灯(28mW/cm
2、254nm)を備えたUVOクリーナーモデル42−200のようなオゾン発生器によって得てもよい。オゾン処理の持続時間は可変であってよい。非限定的例として、この持続時間は、有利には30秒と3時間の間で、特には1分と1時間の間で、詳細には5分と30分の間で、さらに詳細には10分(10分±3分)の程度である。
【0091】
有機液体およびオプションで使用される界面活性剤を除去するための想定された代替手段の3番目は、光分解処理である。後者は、光放射および特にはUV光への暴露によって以下のステップ(1)で得られた複合材料に含まれていた有機化合物の劣化に存する。
【0092】
適用されるUV光は、10nmと400nmの間、特には100nmと380nmの間、および詳細には180nmと360nmの間の波長を有することが有利である。どのようなUV光源も、そのようなUV光の生成のために使用されてよい。例として、低圧水銀灯、中間圧力水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯のUVランプ、電気アークランプ、ハライドを有するランプ、キセノンを有するランプ、レーザー、エキシマーArFレーザー、エキシマーKrFレーザー、エキシマーランプ、またはシンクロトロン照射が言及されるであろう。
【0093】
本発明の範囲内のUV処理は、5℃と120℃の間の温度で、特には10℃と80℃の間で、詳細には15℃と40℃の間で達成されてもよい。さらに詳細には前記発明によるUV処理は室温で実施される。本発明の範囲内のUV処理は、特には1分から5時間間にわたり、特には5分から1時間にわたり、詳細には10分から45分にわたり、持続する。その照射は、唯一回実施、または数回、特には2から20回まで、詳細には3から10回まで繰り返される。
【0094】
このUV処理は、ガス中で、および特には空気、酸素、オゾンのような酸素富化したおよび/またはオゾンを富化したガス、酸素および/またはオゾンを富化した空気、または酸素および/またはオゾンを富化したガスの存在下で実施するのが有利である。
【0095】
これらの代替手段の中の最後のものは、超臨界流体を用いたまたは超音波を用いた有機液体と界面活性剤が適用された有機化合物の抽出に存する。
【0096】
以上において、および以下において、《超臨界流体》の表現は、その一般的な受容において使われている。すなわち、《超臨界流体》はその臨界温度(臨界点の圧力または温度に係わらず、液相における最大温度)を超えた温度まで加熱されており、その臨界圧力(臨界点の圧力)を超えた圧力下に置かれていて、そのような超臨界流体の物理的特性(密度、粘性、および拡散率)は、液体のそれらおよびガスのそれらの間の中間的である。前記発明に係る方法のステップ(2)は、超臨界流体が有する有機化合物の著しい可溶性の性質を利用する。
【0097】
当業者に知られ有機物質の抽出と可溶化のための方法で一般に使われるどのような超臨界流体も、本発明の範囲内で使用されてよい。本発明に係る前記方法のステップ(2)の範囲内で使用される超臨界流体は、超臨界二酸化炭素(CO
2)、超臨界一酸化窒素(N
2O)、超臨界フレオン22および超臨界フレオン23、超臨界メタノール、超臨界ヘキサン、および超臨界水からなる群から選択されるのが有利である。さらに詳細には、本発明に係る前記方法のステップ(2)の範囲内で使用される超臨界流体は、超臨界CO
2であって、その臨界温度(31℃)およびその臨界圧(74バール)は到達するのは比較的容易である。
【0098】
超音波による処理は、特には、超音波のタンク/タブ中の適切な溶媒または超音波プローブと共に置かれた以下のステップ(1)で得られた複合材料上で達成されてもよく、これは5分と24時間の間、特には10分と12時間の間、行われる。例として、超音波タンク/タブまたは超音波プローブは、200Wと750Wの間のパワーを放出し10〜45kHzの間の周波数で作動する状態で使用されてもよい。
【0099】
超臨界流体と超音波で実施されるこの抽出ステップは、15分と12時間の間、特には1時間と6時間の間の持続時間を有する。当業者が、超臨界流体を介した処理を変更することは可能であり、これは有機化合物のない多孔性ジオポリマーを得るためにステップ(1)の終わりで得られた複合材料に依存する。
【0100】
一旦前記発明に係る方法のステップ(2)が適用されたならば、メソポーラスかつマクロポーラスなジオポリマー、すなわちマクロポアとメソポアの両方を有するジオポリマーが得られる。《マクロポア》は、50nmを超える、特には70nmを超える平均直径を持つ細孔または空隙を意味する。《メソポア》は、2と50nmの間、特には2と20nmの間の平均直径を有する細孔または空隙を意味する。このジオポリマーでは、マクロポアは本質的に有機液体のナノビーズおよび/またはマイクロビーズに由来し、一方、メソポアはジオポリマー化方法から主として生じる。
【0101】
本発明による方法に従って得られたジオポリマーには、開いた多孔性、貫通する開いた多孔性、連結した多孔性、および閉じた多孔性がある。さらに、ある実施形態では、これは、ジオポリマー発泡体と呼ばれるかもしれない。これは、ジオポリマー全容積に基づき表された30体積%超の気孔率を有するジオポリマーについて有利であり、特には40体積%超、詳細には50体積%超が有利である。そのような発泡体は、気孔率の増加が熱伝導率の減少を引き起こすことが知られているので、それが提供する熱絶縁のゆえに、建築での適用において興味深い。
【0102】
限定としてではなく例示として与えられた下記の実施例を読めば、前記発明の他の特徴および利点は当業者にとって明白になるであろう。