(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6576951
(24)【登録日】2019年8月30日
(45)【発行日】2019年9月18日
(54)【発明の名称】交流光信号を送受信するための装置及び方法
(51)【国際特許分類】
H04B 10/114 20130101AFI20190909BHJP
B23Q 17/22 20060101ALI20190909BHJP
【FI】
H04B10/114
B23Q17/22 C
【請求項の数】16
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2016-563969(P2016-563969)
(86)(22)【出願日】2015年4月22日
(65)【公表番号】特表2017-515390(P2017-515390A)
(43)【公表日】2017年6月8日
(86)【国際出願番号】EP2015058660
(87)【国際公開番号】WO2015162154
(87)【国際公開日】20151029
【審査請求日】2018年2月21日
(31)【優先権主張番号】BO2014A000233
(32)【優先日】2014年4月23日
(33)【優先権主張国】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】500200708
【氏名又は名称】マーポス、ソチエタ、ペル、アツィオーニ
【氏名又は名称原語表記】MARPOSS S.P.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100082991
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 泰和
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【弁理士】
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100158964
【弁理士】
【氏名又は名称】岡村 和郎
(72)【発明者】
【氏名】アレッサンドロ、ルッジェーリ
【審査官】
前田 典之
(56)【参考文献】
【文献】
特表平08−508096(JP,A)
【文献】
特開2000−216733(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2003/0201381(US,A1)
【文献】
特開2008−009226(JP,A)
【文献】
特開2007−123747(JP,A)
【文献】
特開平09−155692(JP,A)
【文献】
特開2001−312786(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 10/114
B23Q 17/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
交流光信号を送受信するための装置(7)であって、
互いに電気的に絶縁された第1部分(71)と第2部分(72)と、
前記第2部分(72)に収容されるとともに前記第1部分(71)に対面する副送信器(25)であって、交流光信号を送信するように構成された副送信器(25)と、
前記第1部分(71)に収容されるとともに前記第2部分(72)に対面する主受信器(14)であって、前記交流光信号を受信するとともに対応するアナログ電気信号を生成するように構成された主受信器(14)と、
前記第1部分(71)に収容されるとともに前記主受信器(14)に連結された信号検出器(105)であって、略ゼロの平均値を有するAC成分であって有用な情報を含むように構成されたAC成分を前記アナログ電気信号から抽出するように構成された信号検出器(105)と、を備え、
前記装置(7)は、前記第1部分(71)に収容されるとともに主受信器(14)に連結されたバイアス検出器(106)であって、前記アナログ電気信号から連続成分を抽出するように構成されたバイアス検出器(106)を有し、
前記装置(7)は、前記第1部分(71)に連結された処理制御ユニット(4)であって、前記AC成分及び前記連続成分を受領し、前記連続成分に基づいて、前記AC成分が有用な情報を含んでいるかどうかを確認し、もしそうである場合は前記AC成分を処理するように構成された処理制御ユニット(4)を備えている、装置(7)。
【請求項2】
前記処理制御ユニット(4)は、前記連続成分に基づいて、副送信器(25)が存在して適切に作動しているかどうかを確認するように構成されている、請求項1に記載の装置(7)。
【請求項3】
前記処理制御ユニット(4)は、前記第1部分(71)と前記第2部分(72)との間の距離に関する情報を得ることを目的として前記連続成分を処理するように構成されている、請求項1に記載の装置(7)。
【請求項4】
前記連続成分に基づいて、前記AC成分が有用な情報を含んでいるか、又は前記副送信器(25)が存在して適切に作動しているかどうかを確認し、もしそうである場合は前記AC成分を処理するように構成されたロジックユニット(40)を備えている、請求項1に記載の装置(7)。
【請求項5】
前記第1部分(71)に収容されるとともに前記主受信器(14)に連結された第1復調器(104)であって、前記アナログ電気信号をデジタル電気信号に変換するように構成された第1復調器(104)を備えている、請求項1に記載の装置(7)。
【請求項6】
前記処理制御ユニット(4)は、
前記デジタル電気信号を選択して処理するように構成され、且つ、
別の選択肢として前記AC成分及び連続成分を選択し、前記連続成分に基づいて、前記AC成分が有用な情報を含んでいるか、又は前記副送信器(25)が存在して適切に作動しているかどうかを確認し、もしそうである場合は前記AC成分を処理するように構成された処理制御ユニット(4)、
を備えている、請求項5に記載の装置(7)。
【請求項7】
前記第1部分(71)は、前記第2部分(72)に対面するとともに交流光信号を送信するように構成された主送信器(15)を備え、
前記第2部分(72)は、前記第1部分(71)に対面するとともに前記主送信器(15)により送信された前記交流光信号を受信して対応するアナログ電気信号を生成するように構成された副受信器(24)を備えている、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の装置(7)。
【請求項8】
前記第2部分(72)は、
前記副送信器(25)により送信された前記交流光信号を受信して対応する補助アナログ電気信号を生成するように構成された副受信器(24)と、
前記副受信器(24)に連結された更なるバイアス検出器であって、補助連続成分を前記補助アナログ電気信号から抽出するように構成された更なるバイアス検出器と、を備えている、請求項1に記載の装置(7)。
【請求項9】
前記第2部分(72)は、前記信号検出器(105)及びバイアス検出器(106)に連結されたアダプティブゲインユニットであって、前記副送信器(25)により送信された前記交流光信号の強度に関する情報を得ることを目的として前記補助連続成分を処理するように構成されたアダプティブゲインユニットを備えている、請求項8に記載の装置(7)。
【請求項10】
前記第2部分(72)は、長手方向軸(A)を中心として回転するように構成されている、請求項1乃至9のいずれか一項に記載の装置(7)。
【請求項11】
互いに電気的に絶縁された第1部分(71)と第2部分(72)との間で交流光信号を送受信するための方法であって、
交流光信号を送信する工程と、
前記交流光信号を受信して、対応するアナログ電気信号を生成する工程と、
−略ゼロの平均値を有するとともに有用な情報を含むAC成分を前記アナログ電気信号から抽出する工程と、を備え、
前記方法は、更に、
連続成分を前記アナログ電気信号から抽出する工程と、
前記連続成分に基づいて、前記AC成分が有用な情報を含んでいるかどうかを確認し、もしそうである場合は前記AC成分を処理する工程と、
を備えることを特徴とする、方法。
【請求項12】
前記アナログ電気信号をデジタル電気信号に変換する更なる工程を備えている、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記デジタル電気信号、又は別の選択肢として、前記AC成分及び連続成分を選択する更なる工程を備えている、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
機械的被加工物(W)を機械加工するための工作機械(M)であって、
音響振動センサ(8)と、
請求項1乃至10のいずれか一項に記載の、交流光信号を送受信するための装置(7)と、
処理制御ユニット(4)と、を有し、
前記処理制御ユニット(4)は、前記第1部分(71)に連結されおり、前記音響振動センサ(8)は、前記第2部分(72)に連結されている、機械的被加工物(W)を機械加工するための工作機械(M)。
【請求項15】
処理制御ユニット(4)と、主軸(2)に連結されてこれとともに回転する工具(1)と、を有する、機械的被加工物(W)を機械加工するための工作機械(M)用の工具制御システム(9)であって、
前記回転する工具(1)と前記機械的被加工物(W)との間の接触を原因とする振動を検出するように構成された音響振動センサ(8)と、
前記処理制御ユニット(4)に対する前記振動センサ(8)の非接触連結のために前記振動センサ(8)に連結された、請求項1乃至10のいずれか一項に記載の送受信用装置(7)と、を備えている工具制御システム(9)。
【請求項16】
前記処理制御ユニット(4)に対する前記装置(7)の非接触連結のために前記装置(7)に連結された平衡機構(6)を備え、
前記平衡機構(6)は、前記処理制御ユニット(4)によって前記装置(7)を介して送られた信号によって前記工具(1)を平衡させるように指定されている、請求項15に記載の工具制御システム(9)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、互いに電気的に絶縁された第1部分と第2部分と、前記第2部分に収容されて前記第1部分に対面している、交流光信号を送信するように構成された副送信器と、前記第1部分に収容されて前記第2部分に対面している、前記交流信号を受信するとともに対応するアナログ電気信号を生成する主受信器と、前記第1部分に収容されて前記主受信器に連結された、略ゼロの平均値を有するAC成分を上記アナログ電気信号から抽出するように構成された信号検出器と、を備えた、交流光信号を送受信するための装置に関する。
【0002】
本発明は、また、交流光信号を送信する工程と、前記交流光信号を受信して対応するアナログ電気信号を生成する工程と、略ゼロの平均値を有するAC成分を前記アナログ電気信号から抽出する工程とを備えた、互いに電気的に絶縁された第1部分と第2部分との間で交流光信号を送受信するための方法に関する。
【0003】
本発明は、特に工作機械において、回転部から固定部への検査信号の送信及び関連する受信に有利に適用されるがこれに限定されない。本発明は、以下の説明により一般性を失うことなく明確に説明される。
【背景技術】
【0004】
工作機械には、工作機械に取り付けられた回転工具の不均衡状態により引き起こされる好ましくない振動が一般に存在する。不均衡状態は、回転工具に付随する様々な要因を原因している。例えば、研削機において振動を引き起こす不均衡状態は、外側研磨面と内側センタリングホールとの間の不均一な材料やエラー等の研削機の形状や製造に関連した欠陥、すなわち、研削砥石の回転フランジに対する不正確な組み付けにより研削砥石の重心が回転軸上に位置しないことや、加工中の被加工物の研削において生じる摩耗及び/又は破片を原因とする変形を原因としている。このような振動は、加工された被加工物の特性における楕円化やロービング等の誤差、及び工作機械自体にダメージを与え得る力や張力の上昇を発生させる。
【0005】
このような不均衡状態を相殺するために、研削機は、平衡ヘッドを有する平衡装置を有し得る。平衡ヘッドは、研削砥石に連結されて、例えば、研削砥石と加工中の被加工物を相互移動させるように指定された砥石スライドである工作機械の支持手段に対して研削砥石とともに回転する。平衡ヘッドは、位置調節が可能である可動質量体を備え、対応する移動(変位)が駆動電気モータにより生じる。平衡ヘッドを有する平衡装置の他に、例えば、研削砥石と加工中の被加工物との接触、又は研削砥石とドレッシング工具との接触を原因とする音響放射を検出し、検査電気信号を生成する音響センサ等の振動センサが、研削機に含まれ得る。研削砥石と加工中の被加工物との間の相互移動の速度を制御する検査信号は、砥石スライド用の対応する制御信号とともに、好適な送受信ユニット又はカプセルを有する送受信装置を含む二方向非接触送受信用システムを介して固定部に取り付けられた処理制御ユニットに送られる。送受信用システムは、処理制御ユニットと平衡装置との間の非接触連結も可能にする。当該システムは、上記の検査信号及び砥石スライド用の制御信号に加えて又はこれらの信号に代えて、平衡ヘッドに関する診断信号、並びに可動質量体の移動を制御する駆動電気モータ用の制御信号を送信したり受信したりするように指定されている。
【0006】
例えば、振動センサが取り付けられた公知の平衡装置について記載しているUS特許番号第5688160号は、工作機械の固定部にしっかりと連結されるとともに処理制御ユニットに連結され得る第1送受信部(ステータ)と、工作機械の主軸に部分的に配置されてこれとともに回転するとともに平衡ヘッドにワイヤーで取り付けられ得る第2送受信部(ロータ)と、を備えた送受信装置であって、前記2つの送受信部は互いに対面しているとともに、回転砥石が固定されている主軸回転軸に対して同軸位置に配置されている送受信装置を示している。具体的には、ロータはステータに振動センサからの信号、及び、もし存在すれば、例えば平衡ヘッド又は回転群全体の状態及び/又は適切な動作に関する情報を含む診断信号を送信する。例えば上記のUS特許番号第5688160号に対応し、Marposs S.p.Aから市販されている平衡装置が正常に作動している場合、ロータとステータとの間の通信は、光学的に実施されて一般にシリアル方式で、すなわち、デジタル信号が送信されて開始される。より精緻な信号処理を有利に実施すべき場合、例えば、工作機械が高速で動作している、又は相当な背景雑音が存在しているために、信号対ノイズ比が最適である周波数帯域を選択すること、又は弱い検査信号又は診断信号を増幅することが有用である場合には、ロータとステータとの間の通信がアナログ方式だけで実施されることが好適であり、したがってロータとステータとの間のあらゆるシリアル通信が遮断される。このような通信に関わるアナログ光信号は、2つの成分:すなわち、音響振動センサからの情報内容を有するAC成分と、AC成分の最適な伝達のためだけに機能する連続成分と、に分離され得る。連続成分は情報内容を伴わないため、ステータにおいて通常は除去される。光アナログ通信において、ステータにより受信される信号のレベルは、所定の範囲内であらゆるものが可能であり、これにはゼロが含まれる。したがって、公知技術による送受信装置は、零信号が、音響振動センサにより検出された信号がない状態で適切に動作しているロータにより発生したものか、又は誤動作しているロータにより発生したものか識別することができない。
【発明の概要】
【0007】
本発明の目的は、交流光信号を送受信するための装置及び関連する方法を提供するものであり、このような装置及び方法は、上述の不都合を有さないと同時に容易に且つ安価に実現される。
【0008】
本発明によれば、上記の及び他の目的は、本発明の記載の根幹をなす請求項1及び請求項12それぞれによる交流光信号を送受信するための装置及び方法により達成される。
【0009】
本発明のこれらの及び他の目的及び利点は、非制限的な例として例示される本発明の好適な実施形態についての以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
【0010】
本発明を、非制限的な例として例示される添付図面を参照しつつ説明する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の好適な実施形態による装置を有する工作機械の長手方向部分断面概略図。
【
図4】本発明の別の実施形態による装置を有する工作機械の細部の機能ブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の実施の非制限的な例として、
図1は、工作機械M、具体的には被加工物Wを機械加工するための研磨機を示す。工作機械Mは、主軸2に連結された工具、すなわち研削砥石1を有し、研削砥石1は、処理制御ユニット4の制御の下で、長手方向軸Aを中心として、支持手段3例えば砥石スライドに対して、主軸2とともに回転する。
【0013】
工作機械Mは、また、平衡機構6と例えば圧電性の音響振動センサ8とを有する工具制御システム9と、送受信用装置、すなわち送受信機7と、を有している。送受信機7は、ケーブル5により平衡機構6及び圧電センサ8に電気的に連結されている。この目的は、以下に詳細に説明するように、平衡機構6及び圧電センサ8の処理制御ユニット4に対する被接触連結を可能とすることである。平衡機構6と、圧電センサ8と、送受信機7の一部と、ケーブル5は、主軸2の長手方向孔部20に配置されている。平衡機構6は、それ自体公知の方法により研削砥石1を平衡させるように指定されており、例えば可動質量体を使用する。可動質量体の位置は、処理制御ユニット4により送受信機7を介して送られた信号によって制御される駆動電気モータを介して調節可能である(質量体とモータは図示せず)。圧電センサ8は、研削砥石1と加工中の被加工物Wとの接触により生じる振動を検出し、処理制御ユニット4に送受信機7を介して、対応する検査信号を、すなわち研削処理中の砥石スライドと被加工物Wとの間の相互移動の速度を変更するように公知の態様で処理された検査信号を送る。
【0014】
送受信機7は、互いに電気的に絶縁された、例えば互いに離間した2つの部分、すなわち、支持手段3にアーム30を介して連結された第1部分すなわち固定部71と、主軸2の孔部20内に配置されるとともに長手方向軸Aを中心として主軸2とともに回転するように構成された第2部分すなわち回転部72と、を実質的に備えている。これらは、より良い理解のために
図1に対して拡大して意図的に間隔を置いた状態で
図2に概略的に示されている。送受信機7は、固定部71に連結された処理制御ユニット4と、回転部72に連結された工具制御システム9の部品、とりわけ圧電センサ8との間の非接触連結を実現する。
【0015】
図2を参照すると、固定部71は、第1基準支持要素12とを有する第1ケース11と、第1基準支持要素12に固定されるとともに主受信器すなわち主光ダイオード14と主送信器すなわち主LED15とを有する光電子装置を収容する主回路13と、を備えている。主光ダイオード14と主LED15は、双方とも回転部72に対面している。第1基準支持要素12に固定された第1強磁性円筒状カプセル16が、主回路13に電気的に連結された主電気巻線17のための座部を画成している。回転部72は、主軸2の孔部20に挿入されるとともに第2基準支持要素22を有する第2ケース21を備えている。副受信器すなわち副光ダイオード24と副送信器すなわち副LED25とを有する光電子装置を収容する副回路23が、第2ケース21内に配置され固定されている。副光ダイオード24と副LED25は、双方とも固定部71に対面している。第2基準支持要素22に連結された第2強磁性円筒状カプセル26が、副回路23に電気的に連結された副電気巻線27のための別の座部を画成している。
【0016】
例えば、副LED25は、例えば検査のための交流光信号を送信するように構成されているのに対し、主LED15は、例えば制御及び/又は要求等の操作交流光信号を送信するように構成されている。主光ダイオード14と副光ダイオード24は、それぞれこのような光信号を受信して、対応する操作アナログ電気信号を生成するように構成されている。
【0017】
図2に示した構造要素を示す機能ブロック図である
図3は、送受信機7の固定部71及び回転部72のそれぞれの主回路13及び副回路23のいくつかの機能を非常に概略的に図示している。
【0018】
具体的には、副回路23は、主軸2に連結された装置、例えば
図3では図示されない駆動電気モータ及び/又は圧電センサと回転部72との相互作用のためのインターフェース50と、インターフェース50を副LED25に連結する第2アダプタ201と、回転部72の全ての回路に給電するために副電気巻線27と主電気巻線17との間の電磁誘導結合を介して送信された供給交流電流の整流器202と、副光ダイオード24をインターフェース50に連結する第2復調器204と、を有している。第2アダプタ201は、例えば圧電センサ8によりインターフェース50を介して送信された検査電気信号が副LED25に光学的に送信されるように、この電気信号を好適な態様で、すなわちアナログ的又はデジタル的に変調する役割を有しているとともに、1つ又は複数の信号増幅器と、アナログ変調器と、オン/オフ・キーイング変調器と、を備え得る。これら2つの変調器は、副LED25のアナログ又はデジタル駆動を制御するように構成されたマルチプレクサに連結されている。1つ又は複数の信号増幅器、2つの変調器、及びマルチプレクサは図示していない。第2復調器204は、副光ダイオード24により受信された制御及び/又は要求アナログ電気信号を、対応する好適に変調されたデジタル電気信号に変換して、例えば平衡化工程を開始する、すなわち、インターフェース50を介して駆動電気モータを制御する役割を有している。
【0019】
主回路13は、主LED15を処理制御ユニット4に連結するとともに、第2アダプタ201と同様の役割を有する、すなわち、処理制御ユニット4からの制御及び/又は要求電気信号を主LED15へ光学的に送信されるように好適に変調された信号に変換するように構成された第1アダプタ101と、処理制御ユニット4及び主電気巻線17に連結されて回転部72に上述の誘導結合を介して送信されるように構成された供給交流電流を生成する発振器102と、処理制御ユニット4からの適切な信号に従って発振器102の機能を有効にするように構成された許可回路103と、を備えている。また、主回路13は、副LED25により送信されるとともに主光ダイオード14により受信された検査光信号を処理するための3つの異なるブロック:すなわち、第2復調器204と同様に主光ダイオード14から出力された検査アナログ電気信号をデジタル電気信号に変換する役割を有する第1復調器104と、例えばバンドパスフィルタと1つ又は複数の増幅器(図示せず)を備えた信号検出器105と、バンドパスフィルタと、1つ又は複数の増幅器と、ヒステリシスによるダイヤルゲージ(図示せず)とを有し得るバイアス検出器106と、を有している。信号検出器105及びバイアス検出器106は、それぞれ、検査アナログ信号から、被加工物Wの機械加工の検査に有用な情報を含むように構成された略ゼロの平均値を有するAC成分と、副LED25及び回転部72の存在及び/又は適切な動作に関する情報であって、AC成分の有効性、すなわちAC成分が上述の有用な情報を含んでいるという事実を示唆する情報を含むように構成された連続成分、すなわちバイアス信号とを抽出する。第1復調器104と、信号検出器105と、バイアス検出器106は、処理制御ユニット4に連結されており、処理制御ユニット4は、信号を受信して入力されたアナログ及びデジタル電気信号の中から、その都度信号を識別して選択し処理することができる。
【0020】
本発明による交流光信号を送受信するための方法を以下に詳しく説明する。このような方法は、例えば研削機械Mの圧電センサ8の操作に有用である。
【0021】
初期の研削局面において、研削機械Mの研削砥石1は、それほど高速でない速度で回転し、信号はノイズからわずかに影響を受けるだけで、回転部72と固定部71との間の通信はシリアル方式で行われている。処理制御ユニット4は、発振器102を有効にするように許可回路103に信号を送り、発振器102は、回転部72に副電気巻線27と主電気巻線17との間の誘導結合を介して送信される供給交流電流、及び第1アダプタ101への別の制御及び/又は要求電気信号を生成し、第1アダプタ101は、当該信号を、主LED15により副光ダイオード24へと光学的に送信されるように好適に変調された信号に変換する。回転部72においては、副電気巻線27が、副回路23に給電するために整流器202に誘導交流電流を送信し、第2復調器204が、副光ダイオード24により受信された制御及び/又は要求アナログ電気信号を、対応する復調デジタル電気信号に変換して駆動電気モータをインターフェース50を介して制御する。また、第2アダプタ201が、圧電センサ8によりインターフェース50を介して送られた検査電気信号をデジタル的に変調し、これにより、当該信号が副LED25により主光ダイオード14へ光学的に送信される。第1復調器104は、主光ダイオード14から出力されたアナログ電気信号を検査デジタル光信号に変換し、これを処理制御ユニット4に送る。信号検出器105とバイアス検出器106もまた動作して、同一の検査アナログ電気信号からAC成分とバイアス信号とをそれぞれ抽出する。処理制御ユニット4は、信号を受信して入力されたアナログ及びデジタル電気信号の中から、信号を識別して選択し処理する。具体的には、この局面において、回転部72と固定部71との間の通信がシリアル方式で行われるという事実に従って、処理制御ユニット4はAC成分及びバイアス信号を無視して、第1復調器104から出力されたデジタル電気信号のみを選択し、検査を実施して砥石スライドと被加工物Wとの間の相互移動速度を変更するように、選択された信号を公知の態様で適切に処理する。この局面において、副LED25すなわち回転部72の存在及び適切な動作に関する検査は、シリアル通信プロトコルに委ねられている。
【0022】
例えば微粉砕の局面において、機械加工の種類や加工中の被加工物Wの仕上げのために研削機械Mにより使用されている研削砥石1に付随する要因を理由として又はこれに基づいて、信号対ノイズ比が減少するとともに、有用な信号が存在する周波数帯域、実際には最適な信号対ノイズ比が存在する周波数帯域がタイトになる。したがって、回転部72から固定部71に送信された信号の処理が更に精錬されなくてはならない。なぜならば、例えば信号対ノイズ比が最適である周波数帯域の選択が重要だからである。上述の場合と同様に、副回路23の給電が、副電気巻線27と主電気巻線17との間の誘導結合を介して依然として実施されている。これに対して、回転部72から固定部71への通信は、もはやシリアル方式ではなくアナログ方式のみで行われなくてはならない。この目的のために、処理制御ユニット4は、回転部72に、シリアル通信からアナログ通信へのシフトを要求する要求信号を上述の手順に従って送り、回転部72は、アナログ通信へのシフトを有効にしつつ処理制御ユニット4に当該要求を受領したことを認める承認デジタル信号を送る。この時点で、第2アダプタ201は、圧電センサ8によりインターフェース50を介して送られた検査電気信号をアナログ的に変調し、副LED25はこれを主光ダイオード14に光学的に送信する。主光ダイオード14により出力された検査アナログ電気信号から、信号検出器105とバイアス検出器106は、被加工物Wの機械加工を検査するのに有用な情報を含むAC成分と、副LED25の存在及び/又は適切な動作に関する情報を含むバイアス信号であって、AC成分が上述の有用な情報を含んでいるという事実を示唆するバイアス信号とをそれぞれ抽出し、これらを処理制御ユニット4に送る。第1復調器104も動作して、この検査アナログ電気信号から、デジタル電気信号を再構成する。処理制御装置4は、信号を受信して入力されたアナログ及びデジタル電気信号の中から、信号を識別して選択し処理する。具体的には、当該局面において回転部72と固定部71との間の通信がアナログ方式で行われているという事実に従って、処理制御ユニット4は、第1復調器104から受信したデジタル電気信号を無視して、信号検出器105により抽出されたAC成分及びバイアス検出器106から出力されたバイアス信号を選択する。次いで、処理制御ユニット4は、バイアス信号に基づいて、副LED25が存在して適切に動作しているかどうかを、すなわちAC成分が有用な情報を含んでいるかどうかを確認する。例えば、処理制御ユニット4は、バイアス信号が所定値を越えている場合、副LED25が存在して適切に動作している、又はAC成分が有用な情報を含んでいるとみなす。もしそうであれば、処理制御ユニット4は、検査を実施して砥石スライドと被加工物Wとの相互移動速度を変更するように、AC成分を公知の態様で好適に処理する。
【0023】
微粉砕の局面が完了すると、処理制御ユニット4は、元に戻って第1復調器104から受信したデジタル電気信号にのみ基づいて検査を実施してもよい。この目的のために、例えば、処理制御ユニット4は、適切な信号を許可回路103に送って発振器102を無効にしてもよい。発振器102は、オフとなって副電気巻線27と主電気巻線17との間の誘導結合を遮断し、これにより、回転部72と固定部71とのあらゆる通信が阻止される。別の初期局面又は微粉砕局面の開始が要請される場合、処理制御ユニット4は、新たな信号を許可回路103に送って発振器102を有効にし、副電気巻線27と主電気巻線17との間の誘導結合を復活させ、副回路23に再び給電し、研削の種類や既述の状況に応じて回転部72から固定部71への光学的通信がシリアル又はアナログ方式で再開される。
【0024】
バイアス検出器106から出力されたバイアス信号は、回転部72の存在と適切な動作に関する検査とともに、更なる検査に有利に利用され得る。公知のように、副LED25から主光ダイオード14に伝搬する交流光信号の強度は、両者の間の距離、すなわち固定部71と回転部72との間の距離の単調関数である減衰の影響を受ける。バイアス信号はこの減衰の関数であり、具体的には、固定部71と回転部72との間の距離が増加すると減少する。したがって、処理制御ユニット4は、この距離に関する情報を得るようにバイアス信号を処理して、バイアス信号に応じて当該距離を有利に制御してもよい。更に、検査アナログ電気信号のAC成分はダイナミクスを特徴付け、その振幅はこのアナログ電気信号のバイアス信号の関数である。AC成分のダイナミクスが小さければ小さいほど、このようなAC成分を検査アナログ電気信号から抽出するように構成された信号検出器105の1つ又は複数の増幅器のゲインは増大するはずである。上記によれば、このゲインは、バイアス信号のみに基づいて自動的に制御され得る。これにより、検査アナログ電気信号の特性に対して信号検出器105の感度を適応させるという利点、すなわち、最後の工程として、主光ダイオード14により受信された交流光信号の強度に対して信号検出器105の感度を適応させるという明らかな利点が得られる。
【0025】
前述の光信号を送受信するための装置及び方法は、本発明の趣旨から逸脱することなく変更することができる。
【0026】
本発明の別の実施形態において、副回路23は、副光ダイオード24に連結された、バイアス検出器106に類似する更なるバイアス検出器と、第2アダプタ201及び上記更なるバイアス検出器に連結されたゲインアダプティブユニットと、を有している。発光ダイオードの周知の放射ダイアグラムに従い、副LED25が発した交流光信号は、その大部分が主光ダイオード14に送信されるとともに、その一部が副光ダイオード24に送信される。副光ダイオード24は、副LED25が発した交流光信号の一部を受信し、対応する補助アナログ電気信号を生成する。更なるバイアス検出器は、補助連続成分すなわち補助バイアス信号を、当該補助アナログ電気信号から抽出する機能を有している。補助バイアス信号は、副LED25により送信された交流光信号の強度に関する情報であって、ゲインアダプティブユニットに送られるべき情報を含んでいる。このような別の実施形態を使用する方法によれば、第2アダプタ201内の1つ又は複数の増幅器のゲインが、更なるバイアス信号にのみ基づいて、自動的且つ適応的に有利に制御され得ると考えられる。換言すれば、この方法によれば、ゲインアダプティブユニットが、補助連続成分に基づいて、例えば熱ドリフトを理由とする副LED25の機能特性、具体的には操作ポイントの変動とは無関係に、副LED25により送信された交流光信号の強度を制御する。
【0027】
本発明の装置において、平衡機構6は、有利には、主軸2の内部に便宜上配置されて送受信機7に専用のケーブルを介して連結されている、可動質量体の所定の構成を示唆する信号を発するホール効果磁気センサ、又は工具1の温度を検査するための熱センサのような公知タイプの追加のセンサを備え得る。このような追加のセンサは、処理制御ユニット4に、対応する検査信号を送って被加工物Wの研削処理を公知の態様で制御処理する機能を有している。
【0028】
例えば、第2アダプタ201は、インターフェース50を介して送られる、例えば、工作機械Mの研削砥石や他の回転工具1の認証コード等の相対プロトコルのサービス情報を含む通信信号、及び/又は、回転部72の副回路23や他の要素の状態に関する情報を含む、例えば短絡を検出するための診断信号、及び/又は、制御及び/又は要求信号が副光ダイオード24により正常に受領されたことを認めるためのいわゆる承認信号を更にデジタル的に変調する。これにより、これらの信号が処理制御ユニット4に送信されて正常に理解されることが可能となる。
【0029】
或いは、
図4に示すように、処理制御ユニット4は、ロジックユニット40を備え得る。例えば、ロジックユニット40は第1ケース11に収容されて、固定部71に、具体的には、第1復調器104、信号検出器105、及びバイアス検出器106に連結されている。ロジックユニット40は、処理制御ユニット4により実行される機能のうちの少なくともいくつかを実施するように構成されている。すなわち、送信がシリアル方式で行われている場合、第1復調器104から出力されたデジタル電気信号のみを選択して処理するように構成されている。別の選択肢として、送信がアナログ方式でのみ行われている場合、信号検出器105により抽出されたAC成分及びバイアス検出器106により出力されたバイアス信号を選択し、バイアス信号に基づいて、副LED25が存在して適切に動作しているか、すなわち、AC成分が有用な情報を含んでいるかどうかを確認し、もしそうであればAC成分を好適に処理するように構成されている。
【0030】
例えば微粉砕局面が完了し、第1復調器104により受信されたデジタル電気信号のみに基づいて検査を実施するように元に戻る、或いは上述のように発振器102が無効とされた後に有効とされて副電気巻線27と主電気巻線17との間の誘導結合を遮断させた後に復活させることが望まれる場合、処理制御ユニット4は、回転部72にアナログ方式からシリアル方式の通信へのシフトを要求する要求信号を送ってもよい。回転部72は、要求の受領を認める承認を行いシリアル方式通信へのシフトを有効にしつつ、承認アナログ信号にて返信してもよい。
【0031】
本発明の送受信用装置は、音響センサ8又は類似の振動センサのみを備えた工具制御システム、又は平衡装置6を有さない工具制御システムにおいて、適切な回路変更と単純化により、利用され得る。
【0032】
上述の交流光信号を送受信するための装置及び方法、並びに関連する変形例は、多くの利点を呈する。なぜならば、これらは容易に且つ安価に実現されるとともに、特に回転部72から固定部71への検査信号を送受信するために用いられるアナログ方式においても信頼性ある送信を可能とするからである。当業者には、本発明による交流光信号を送受信するための装置及び方法が、単純且つ効果的な態様で、例えば回転部72から固定部71へと送信されたゼロの平均値を有する交流光信号の受領が、当該回転部72の誤作動により引き起こされたか否かどうかを確認できることが明らかである。