特許第6576963号(P6576963)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6576963
(24)【登録日】2019年8月30日
(45)【発行日】2019年9月18日
(54)【発明の名称】角度可変型ロック式回転矯正プレート
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/80 20060101AFI20190909BHJP
【FI】
   A61B17/80
【請求項の数】17
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-575932(P2016-575932)
(86)(22)【出願日】2015年6月18日
(65)【公表番号】特表2017-519589(P2017-519589A)
(43)【公表日】2017年7月20日
(86)【国際出願番号】US2015036326
(87)【国際公開番号】WO2016003659
(87)【国際公開日】20160107
【審査請求日】2018年5月31日
(31)【優先権主張番号】14/320,525
(32)【優先日】2014年6月30日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】513069064
【氏名又は名称】デピュイ・シンセス・プロダクツ・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】ハシュミ・アダム
(72)【発明者】
【氏名】ケリー・リン
(72)【発明者】
【氏名】トウハリスキ・ダニーン
(72)【発明者】
【氏名】フィッシャー・トーマス・ジェイ
【審査官】 宮下 浩次
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2007/0233114(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2004/0102775(US,A1)
【文献】 特表2013−504390(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0217327(US,A1)
【文献】 欧州特許出願公開第02476388(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/00 − 17/94
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
指節骨及び中手骨の1つに固定するためのサイズ及び形状の骨プレートであって、
第1端部から第2端部へと延びるヘッドであって、細長い湾曲したプレート穴を有し、前記細長い湾曲したプレート穴は、前記湾曲したプレート穴の第1端部から前記湾曲したプレート穴の第2端部への湾曲した経路に沿って、該ヘッドを貫通して延在、該細長い湾曲したプレート穴のプレート穴軸線が、前記骨プレートの上面から骨接触面に直交的に延びており、前記湾曲したプレート穴は、中に骨固定要素を受容するように構成されている、ヘッドと、
前記ヘッドから延びるシャフトであって、該シャフトは、該シャフトを貫通して延在し、前記骨プレートの中央長手方向軸線に直交して延びる方向に長くなった細長いシャフトプレート穴を含み、該細長いシャフトプレート穴のプレート穴軸線が、前記上面から前記骨接触面に直交的に延びている、シャフトと、を備える、骨プレート。
【請求項2】
前記細長い湾曲したプレート穴が、前記中央長手方向軸線の第1側に位置決めされている、請求項1に記載の骨プレート。
【請求項3】
前記ヘッドが、前記ヘッドを貫通して延在する第1及び第2角度可変プレート穴を含む、請求項2に記載の骨プレート。
【請求項4】
前記第1及び第2角度可変プレート穴が互いに対して開口している、請求項3に記載の骨プレート。
【請求項5】
前記第1及び第2角度可変プレート穴が、前記中央長手方向軸線の第2側に位置決めされている、請求項4に記載の骨プレート。
【請求項6】
前記ヘッドが、前記細長い湾曲したプレート穴と前記第1角度可変プレート穴との間の前記第1端部に第1ノッチを更に備え、該第1ノッチが、前記骨プレートの外壁のへこみとして形成されている、請求項3に記載の骨プレート。
【請求項7】
前記ヘッドが、前記骨プレートの、前記第1角度可変プレート穴と前記第2角度可変プレート穴との間の第1側壁に第2ノッチを更に備える、請求項6に記載の骨プレート。
【請求項8】
前記ヘッドと前記シャフトとの間に、狭い直径のネックを更に備え、前記ネックの直径が、前記ヘッド及び前記シャフトの隣接部位よりも小さくなっている、請求項1に記載の骨プレート。
【請求項9】
前記シャフトが、前記シャフトを貫通して延在し、前記ヘッドと前記細長いシャフトプレート穴との間に位置決めされる、第3、第4、及び第5角度可変プレート穴を更に備える、請求項3に記載の骨プレート。
【請求項10】
前記第3、第4、及び第5角度可変プレート穴が、前記中央長手方向軸線の周りでジグザグに配置され、前記第3プレート穴及び前記第5プレート穴が前記中央長手方向軸線の第1側に配置され、前記第4プレート穴が前記中央長手方向軸線の第2側に配置されている、請求項9に記載の骨プレート。
【請求項11】
前記細長いシャフトプレート穴は、前記中央長手方向軸線上に中心がある、請求項2に記載の骨プレート。
【請求項12】
前記骨プレートを貫通して延在し、かつ前記細長いシャフトプレート穴と前記ヘッドの反対側の前記骨プレートの部との間に位置決めされた、第6及び第7角度可変プレート穴を更に備える、請求項9に記載の骨プレート。
【請求項13】
前記第6及び角度可変プレート穴は、前記中央長手方向軸線上に中心がある、請求項12に記載の骨プレート。
【請求項14】
前記シャフトが、前記シャフトの第1及び第2側壁に形成される複数のシャフトノッチを含み、該シャフトノッチが、前記シャフトの幅の狭い領域を画定する、請求項1に記載の骨プレート。
【請求項15】
前記骨プレートの前記骨接触面の内部に、前記骨プレートの厚さよりも浅い深さに延びる複数の下側切り取り部を更に備える、請求項1に記載の骨プレート。
【請求項16】
前記骨プレートの外周部の周囲に広がり、前記骨プレートの外形を縮小するテーパー付き領域を更に備える、請求項1に記載の骨プレート。
【請求項17】
前記ヘッドの骨接触面が、の頭部の背面の解剖学的構造に適合するようにかたどられている、請求項1に記載の骨プレート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、手の骨折を固定するための骨プレート、及び、これらのプレートを骨に結合する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
骨折、特に手の骨折を固定するための、多くの現行のシステム及び方法は、骨上でのプレートの配置及び向きが限定されている。例えば、外科医又は他のユーザーは、骨整復施術開始前に、骨プレートを最終的にどこにどのように配置するかの選択を要する場合がある。このようなプレートは、外科医が骨プレートを埋め込むための、最も好適な配置を選択するのを妨げる場合がある。更に、このようなプレートは、折れた骨又は他の損傷を受けた骨がある場合に、1つ又は2つ以上の骨片が完全に正しく位置合わせされた状態で固定されるのを妨げる場合がある。そのような骨片上に骨プレートを配置するのに先立って、骨片を最終的な配置構造にできるだけ近付けておかなければならないが、そのことは、骨プレートが骨に固定されていくにつれて、その後の位置合わせ不良につながる場合もある。指を完全に屈曲しよう(例えば、こぶしを握ろう)とした場合には、指を交差させたりはさみのように動かしたりするために、回転方向の位置合わせ不良は特に問題が大きい。指における小規模な回転エラーでさえも、骨折が癒えた後に、外科的に矯正しなければならないという場合もある。更に、この挿入の方法はまた、近隣の軟組織を傷つける場合もある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明は、指節骨及び中手骨の1つに固定するためのサイズ及び形状の骨プレートを対象とする。その骨プレートは、第1端部から第2端部へと延びるヘッドであって、第1端部から第2端部への湾曲した経路に沿って、ヘッドを貫通して延在する細長い湾曲したプレート穴を有し、細長い湾曲したプレート穴のプレート穴軸線が、骨プレートの上面から骨接触面に直交的に延びている、ヘッドと、そのヘッドから延びるシャフトであって、このシャフトは、シャフトを貫通して延在し、骨プレートの中央長手方向軸線に直交して延びる方向に長くなった細長いシャフトプレート穴を含み、細長いシャフトプレート穴のプレート穴軸線が、上面から骨接触面に直交的に延びている、シャフトと、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0004】
具体例を挙げ添付の図面を参照して本発明のいくつかの実施形態について以下で述べる。
図1】本発明の第1の例示的実施形態による骨固定プレートの上面図である。
図2図1の骨固定プレートの下面図である。
図3図1の骨固定プレートの斜視図である。
図4図1の骨固定プレートの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0005】
例示的実施形態は、以下の説明及び添付図面を参照するとより良く理解することができ、図面においては、同様の要素は同じ参照番号で示されている。例示的実施形態は、骨折を治療するための装置及び方法に関するものであり、特に、中手骨及び指節骨の骨折を固定するためのデバイスに関するものである。例示的実施形態は、骨固定プレートを説明するものであるが、その骨固定プレートは第1端部にヘッドを有し、そのヘッドからは第2端部へと細長いシャフトが延びている。例示的骨固定プレートのヘッドは、その第1側に沿って、第1及び第2角度可変固定穴を有する。ヘッドはまた、その第2側に沿って、細長い湾曲した穴も含む。以下により詳しく述べるように、細長い湾曲した穴により、骨プレートを、その穴に挿入された皮質骨螺子の周りで回転させたり、角度をつけたりすることが可能になる。シャフトは、骨プレートの中央長手方向軸線の周りでジグザグに配列された、第3、第4、及び第5プレート穴と、中央長手方向軸線と直交する軸線に沿って延在する細長いプレート穴とを含む。より詳しくは後述するように、細長い穴は、ターゲットとなる骨の部位上にプレートを最適に位置決めするのを更に助けるものである。シャフトは、その第2端部に、第6及び第7角度可変型ロック穴を更に備え得る。第6及び第7穴は、中央長手方向軸線に位置合わせされている。ヘッドの骨接触面は、プレートを骨の上にぴったりと据え付けるため、骨の背面の曲率に一致するように選択される曲率を有する。以下により詳しく述べるように、例示的な、湾曲して細長いプレート穴によって、骨プレートを最終的に骨に固定するのに先立って、骨プレートの回転と角度つけの調整をすることが可能になる。
【0006】
図1〜4に示すように、例示的な骨プレート100は、ヘッド104をその第1端部102に有し、かつ、ヘッド104から、概ね中央長手方向軸線110に沿って第2端部106へと延びるシャフト108を有する。ヘッド102は、骨接触面116から上面118へとヘッド102を貫通して延在する第1及び第2角度可変プレート穴112、114を含み、同第1及び第2プレート穴112、114は、互いに対して、開口部111で開いている。第1及び第2プレート穴112、114それぞれのプレート穴軸線113、115の軌跡は、一般的な骨折のパターンを捉えつつも、骨の関節の表面を回避し、かつ近隣の側副靭帯への干渉を最小限に抑えるように選択される。図4に示すように、プレート穴軸線113、115は、上面118に概ね直交し得る一方で、プレート穴112、114の角度可変機能により、外科医が螺子をこれらの穴に挿入する(穴の軸線に対する)角度を変更し、上記の軌跡が特定の患者の解剖学的構造に合うように最適化することが可能となる。
【0007】
ヘッド104は、第1端部124から第2端部126へ、湾曲した円弧状軸線123に沿って延在する、細長い湾曲したプレート穴122を更に備える。第1端部124と第2端部126との間のプレート穴122の長さは、第1及び第2プレート穴112、114の直径よりも大きい。プレート穴122の幅は、第1及び第2プレート穴112、114の直径相当である。プレート穴122の長さは、第1及び第2プレート穴112、114を組み合わせたものの長さ相当又はわずかにそれより長いものであり得る。第1及び第2プレート穴112、114、並びに湾曲したプレート穴122は、螺子を配置する面積量の広さを最大にしつつ、ヘッド104の接地する面積を最小化し、かつプレート100の強度を維持するようなサイズ、形状で、ヘッド104に沿って位置決めされ得る。
【0008】
プレート穴122の曲率半径は、例えば、3.75mm又は5.0mmであり得るが、本発明の範囲内で他の値を採ることもある。プレート穴122の曲率半径を測定する場合の中心は、例えば、第1プレート穴112を通る位置に配置され得る。湾曲したプレート穴122は、バナナのような曲線に沿って、中央長手方向軸線110に向かって湾曲し、第1端部124は第2端部126よりも、軸線110から遠くなっている。細長い湾曲したプレート穴122の例示的な曲線により、同穴122に挿入された骨接合用螺子の周りで曲線に沿って骨プレートをスライドさせることが可能になる。具体的には、骨接合用螺子(不図示)は、1つ又は2つ以上の骨片を捉えるよう選択された位置で、細長い湾曲したプレート穴122内に挿入されてよい。骨接合用螺子(不図示)は、骨プレート100及び骨(不図示)を通して、骨接合用螺子の周りで骨プレート100が動くことを可能な第1深さまで挿入され得る。その後、骨プレート100を軸線123に沿ってスライドさせると、骨プレート100が中央長手方向軸線110に沿って第1及び第2方向に動かされるにつれて、骨プレート100は、軸線123に対応する湾曲した経路に沿って動くことになる。更に、外科医又は他のユーザーは、骨プレート100を骨上で、所望の向きにするために、細長いプレート穴122内に受容されている骨接合用螺子(不図示)の周りで回転させ得るが、これについては、例示的方法に関連して後述する。指節骨及び中手骨が骨折する場合、典型的には、頭部又は関節丘が、小さな骨片に破壊されるものとなるが、ヘッド104内に湾曲したプレート穴122が配置されていることにより、外科医又は他のユーザーは、プレート100のヘッド104を、上記の小さな骨片にまず付着させることが可能となり、かつその後シャフトにフィットするようにプレート100を回転させることが可能である。
【0009】
ヘッド104の外面は、第1及び第2プレート穴112、114並びに細長いプレート穴122の位置に実質的に従うものである。具体的には、ヘッド104のヘッドの第1側壁128は、細長いプレート穴122の曲線に対応した湾曲した経路をたどる。ヘッド104の第2側壁130もまた、第1及び第2プレート穴112、114の形状に適合するように湾曲しており、第2壁130のサイズ及び曲率は、第1及び第2プレート穴112、114の周りに最小限のクリアランスが形成されるようになっている。第1ノッチ132が、ヘッド104の第2側壁130に形成されており、この第1ノッチ132は実質的に丸い形状を有する。第1ノッチ132は、第2側壁130の中に延在する切り欠きとして形成されており、この第1ノッチ132は円弧に対応する形状を有する。別の実施形態においては、第1ノッチ132は、円形状ではない形状(例えば、長方形等)を有するが、それでも本発明の範囲から逸脱はしていない。骨プレート100の第1端部102もまた、第1プレート穴112と細長いプレート穴122との間に位置決めされている第2ノッチ134を備え、この第2ノッチ134もまた、実質的に丸い形状を有する。1つの実施形態においては、第2ノッチ134は、1.5mm又は2.0mmの曲率半径を有する。しかしながら、この曲率半径の値はあくまで例示的なものに過ぎず、他の値もまた、本発明の範囲を逸脱することなく用いることができる。第2ノッチ134は、骨プレートの中央長手方向軸線110の周りに中心がある。別の実施形態においては、第2ノッチ134は、円形状ではない形状(例えば、長方形等)を有するが、それでも本発明の範囲から逸脱はしていない。第1及び第2ノッチ132、134はまた、骨プレート100の構造的完全性を損なうことなく、同プレート100の外側外形を効果的に縮小する。
【0010】
骨プレート100の骨接触面116は、中手骨又は指節骨のターゲットとなる背面の曲線に適合するように湾曲している。1つの実施形態においては、ヘッド104の骨接触面116は、様々な曲率半径の曲線を含む。第1コーナー122において、ヘッド104の所定の長さは、骨に向かって下方向に、すなわち埋め込まれた状態で骨の掌側の面に向かう方向に湾曲している。この下方向への曲線が、骨折部位を整復するのに役立つ。
【0011】
直径の小さいネック部136が、ヘッド104をシャフト108から分離させている。シャフト108は、ネック部136から遠位端部106へと、遠位方向に延びており、第3、第4、第5、第6、及び第7角度可変プレート穴138、140、142、144、146を含む。1つの実施形態においては、第3、第4、第5、第6、及び第7プレート穴138、140、142、144、146の軌跡139、141、143、145、147は、骨プレート100を包含している平面に直交するが、骨プレート100の角度可変機能により、外科医がそれぞれの穴に螺子を挿入する角度を変更し、これらの軌跡が特定の患者の解剖学的構造に好適となるように最適化することが可能となる。このように、軌跡139、141、143、145、147は、骨の対向する皮質表面を貫通して延びることなく、骨にロックし係合するように選択されるいずれかの経路をとり得る。第3、第4、及び第5プレート穴138、140、142は、中央長手方向軸線110の周りでジグザグに配置されており、これらプレート穴の中心軸線139、141、143は、軸線110に対してオフセットされている。当業者ならば理解するように、プレート100のジグザグのシャフト部位は、プレートの強度を増大させ、骨のより大きな面積に骨接合用螺子を分布させて、骨折した骨片を、細かく分割されたシャフトに捉えるのを可能にしている。具体的には、第3及び第5プレート穴138、142は、シャフト108の第1側壁148に向かって第1方向にオフセットされている。具体的には、第3及び第5プレート穴138、142は、シャフト108の他のどの部位よりも大きな距離で、軸線110から遠ざかるように第1方向に延在している。1つの好ましい実施形態においては、第3プレート穴138の中心軸線139は、軸線110から距離Dだけ離れ、第5プレート穴142の中心軸線143は、軸線110から距離Dだけ離れており、ここでDは、Dよりも大きい。第4プレート穴140は、シャフト108の第2側壁150に向かって第2方向にオフセットされ、距離Dが、第4プレート穴140の中心軸線141と軸線110との間に形成されている。距離D及び距離Dは実質的に互いに対して等価であってよい。第4及び第5プレート穴140、142の中心軸線141、143はそれぞれ、第3プレート穴138の中心軸線139よりも、軸線110により近くなっていてよいが、それは、指節骨及び中手骨が、その中心部分に向かって次第に細くなっているからである。しかしながら、当業者には理解されると思われるが、プレート100が骨に沿って位置決めされた際に、第3、第4、及び第5穴138、140、142が骨の一部位に沿って延在するように、第3、第4、及び第5穴138、140、142が、プレート100を介して位置決めされている限りにおいて、Dは、D及びDよりも大きくなっている必要はない。この例示的な実施形態においては、第3及び第5穴138、142が、軸線110に対して第1側壁148に向かって第1方向にオフセットされ、かつ第4プレート穴140が、軸線110から第2側壁150に向かって第2方向にオフセットされて示されているが、第3、第4、及び第5穴138、140、142がオフセットされる方向は、逆であってもよいということもまた、当業者には理解されると思われる。特に、第3及び第5穴138、142が、第2方向にオフセットされる一方で、第4穴140が第1方向にオフセットされてもよい。
【0012】
シャフト108はまた、長手方向軸線110と直交する方向に長くなっている細長い穴152を含む。細長い穴152は、中央長手方向軸線110の周りに中心があり、その軌跡153は、骨接触面116から上面118に直交して延在している。細長い穴130の軸方向長さは、少なくとも、第1〜第7プレート穴112、114、138、140、142、144、146の直径よりも大きい一方で、細長い穴152の幅は、第1〜第7プレート穴112、114、138、140、142、144、146の直径相当であり得る。1つの好ましい実施形態においては、第1〜第7プレート穴112、114、138、140、142、144、146は、1.5mmの角度可変穴である。しかしながら、別の実施形態においては、第1〜第7プレート穴112、114、138、140、142、144、146のうちの1つ又は2つ以上が、2.0mmの直径を有する標準的なロック穴として形成され得る。また更には、特定の施術の求めるところに適合するために、穴の直径として任意の他の値を、本発明の範囲を逸脱することなく採用し得るということにも留意されたい。例示的方法に関して後述するように、細長い穴130により、外科医又は他のユーザーは、骨プレート100を決まった場所にロックするのに先立って、所定の範囲内で(すなわち、細長い穴152の長さに対応する範囲内で)、骨プレート100を骨の上でスライドさせることが可能になる。1つの実施形態においては、細長い穴130は、軸線154に沿って骨プレートを動かすのを可能にし得る一方で、骨プレート100を同軸線154周りに回転させるのも可能にする。後でより詳細に説明するように、具体的には、外科医又は他のユーザーは、骨プレート100の骨上での位置に影響を及ぼすために第1骨接合用螺子を、細長い穴122、152のうちの1つに挿入し得る。例示的な細長いプレート穴152は、骨プレート100を、上面118から骨接触面116に直交方向に貫通して延在している。細長い穴122、152は、骨プレート100を骨上に位置決めするためのガイドワイヤを不要にする。むしろ、骨プレート100が、細長い穴122、152を通して挿入された骨接合用螺子に対して調整可能であるため、外科医又は他のユーザーは、骨プレート100を骨上に位置決めする際に、細長い穴122、152をガイドとして用い得る。
【0013】
第6及び第7穴144、146は、軸方向で位置合わせされており、かつそれぞれは中央長手方向軸線110に対して対称に位置決めされている。
【0014】
シャフト108の骨接触面116は、長手方向軸線110に沿って湾曲し、シャフト108が据えられる骨のターゲットとなる部位の、実質的に円筒形状に適合するようになっている。1つの実施形態においては、シャフト108の長さ方向には、単一の、均一の曲線が含まれ得る。別の実施形態においては、シャフト108の骨接触面116は、シャフト108を骨の上にぴったりと据え付けられるように選択される、複数の湾曲部を含み得る。
【0015】
シャフト108はまた、それぞれが第1側壁148に沿って、各穴138、142、148、144、146どうしの間に延在する、複数の第1網目部位158と、それぞれが第2側壁150に沿って、各穴114、140、152、144、146どうしの間に延在する複数の第2網目部位160とを含む。第1及び第2網目部位158、160は、骨プレート100の幅方向に食い込んで延在し、その外形を縮小する一方で、骨プレート100の構造的完全性を維持するノッチとして形成される。第1及び第2網目部位158、160並びに第1及び第2ノッチ132、134は、骨プレート100のプレート穴の各々の境界線の周りに、最小の望ましいクリアランスが維持されるようなサイズになっている。当業者には理解されるように、骨プレート100の外周部は、更に外形を縮小するために丸く加工されたテーパー部を含み得る。
【0016】
骨プレート100の骨接触面116は、プレート穴どうしの間にそれぞれ位置決めされている、複数の下側切り取り部162、164、166、168、170、172を更に備えるが、これらは、骨が内部成長するのを可能にしつつ、骨プレート100に更なる可撓性を付与し、外科医が骨プレート100を所望の曲線に合わせて更に屈曲させて、患者の骨の解剖学的構造によりよく一致させ、健全に骨が内部成長するのを促すようになっている。下側切り取り部162、164、166、168、170、172は、骨プレート100の内部に骨接触面116から、骨プレート100の厚さよりも小さい深さで延在する切り欠き部として形成される。1つの好ましい実施形態においては、この切り欠き部の形状は半円筒の弓形であるが、他の形状(例えば、矩形等)も、本発明の範囲を逸脱することなく採用し得る。第1、第2、及び第3下側切り取り部162、164、166は、第3、第4、及び第5プレート穴138、140、142の位置に従い、軸線110に対して角度がつけられている。具体的には、第1下側切り取り部162は、軸線110に対して105Eの角度を含む。第2下側切り取り部164は、軸線110に対して60Eの角度を含む。第3下側切り取り部166は、軸線110に対して120Eの角度を含む。第4、第5、及び第6下側切り取り部168、170、172は、軸線110に直交して延在している。
【0017】
例示的骨プレート100は、中手骨及び指節骨の粉砕骨折、多骨片化骨折、及び/又は関節周囲骨折に対する間接的整復法において用いるように構成されている。本発明による例示的方法によると、細長い湾曲したプレート穴112が、折れていない骨の部分に近い、骨折の遠い側の近隣に位置決めされるように、骨プレート100が、骨10のターゲットとなる背面上にターゲットとなる向きで位置決めされている。外科医又は他のユーザーは、骨10上で、骨プレート100の所望の位置に接近させる。第1皮質骨螺子(不図示)が次に、細長い湾曲した穴122を通して骨10の内部に、第1深さまで挿入されるが、この第1深さは、骨プレート100を骨10上で保持するのに十分な深さでありながら、なお骨プレート100が骨10に対して動くのを可能にする深さである。骨プレート100は次に、穴122に挿入された第1皮質骨螺子(不図示)の周りを軸123に沿って、所望に位置に到達するまでスライドされる。第1皮質骨螺子(不図示)は、この再位置決めの間に複数回にわたり、締め込まれたり緩められたりし得る。次に第2皮質骨螺子(不図示)が、長穴152の中に、第1深さまで挿入されるが、この第1深さは、骨プレート100を骨10上で保持するのに十分な深さでありながら、なお骨プレート100が骨10に対して動くのを可能にする深さである。次に骨プレート100を、軸線154に沿って所望の最終的配置に再位置決めする。第1及び第2皮質骨螺子(不図示)は、上記の再位置決めの間に複数回にわたり、締め込まれたり緩められたりし得る。本発明による例示的骨プレート100は、骨プレート100を骨上で恒久的に固定するのに先立って、骨プレート100の回転及び角度つけの調整を可能にする。ひとたびターゲットとなる位置に至ると、更に別の螺子(不図示)が、残りのプレート穴112、114、138、140、142、144、146のうちの任意の穴に挿入され得る。本発明による例示的システム及び方法は、骨にあらかじめ穴を開けておくことを不要にする。むしろ、ひとたびターゲットとなる位置に到達すると、プレート穴112、114、138、140、142、144、146のうちの任意の穴を通して、骨10の内部へと、特定の骨の要求に適合するように選択される所望の角度で穴を削って開ける。対照的に、現行の骨固定システムでは、骨プレートを骨の上に配置するのに先立ってガイドワイヤを骨の内部に挿入する必要があり、骨プレートを骨の上に配置するのに先立って、骨プレートの最終的な位置を選択しておかなければならない。この方法では、配置の精度が落ちる恐れがあり、特に、たとえ正しい位置からのずれが最小限の(例えば、数ミリの)ものであっても最適とは言い難い固定に終わってしまうような指節骨の固定においては、配置の精度が落ちる恐れがある。その一方で、例示的骨プレート100は、骨プレート100の位置を調整することが、たとえ骨プレート100を骨に最初に取り付けた後であっても可能であり、そのため、確実に、骨プレート100の最終的位置が骨10のすべての骨片を捉えながら、靭帯、腱、又は他の組織との干渉を回避できる。
【0018】
本発明の広い範囲から逸脱することなく、開示された実施形態に対して、様々な改変及び修正を行うことができるということを、当業者であれば理解できるであろう。これらのうちのいくつかは上記で検討されており、その他は、当業者には明らかであろう。
【0019】
〔実施の態様〕
(1) 指節骨及び中手骨の1つに固定するためのサイズ及び形状の骨プレートであって、
第1端部から第2端部へと延びるヘッドであって、第1端部から第2端部への湾曲した経路に沿って、該ヘッドを貫通して延在する細長い湾曲したプレート穴を有し、該細長い湾曲したプレート穴のプレート穴軸線が、前記骨プレートの上面から骨接触面に直交的に延びている、ヘッドと、
前記ヘッドから延びるシャフトであって、該シャフトは、該シャフトを貫通して延在し、前記骨プレートの中央長手方向軸線に直交して延びる方向に長くなった細長いシャフトプレート穴を含み、該細長いシャフトプレート穴のプレート穴軸線が、前記上面から前記骨接触面に直交的に延びている、シャフトと、を備える、骨プレート。
(2) 前記細長い湾曲したプレート穴が、前記中央長手方向軸線の第1側に位置決めされている、実施態様1に記載の骨プレート。
(3) 前記ヘッドが、前記ヘッドを貫通して延在する第1及び第2角度可変プレート穴を含む、実施態様2に記載の骨プレート。
(4) 前記第1及び第2角度可変プレート穴が互いに対して開口している、実施態様3に記載の骨プレート。
(5) 前記第1及び第2角度可変プレート穴が、前記中央長手方向軸線の第2側に位置決めされている、実施態様4に記載の骨プレート。
【0020】
(6) 前記ヘッドが、前記細長い湾曲したプレート穴と前記第1角度可変プレート穴との間の前記第1端部に第1ノッチを更に備え、該第1ノッチが、前記骨プレートの外壁のへこみとして形成されている、実施態様1に記載の骨プレート。
(7) 前記ヘッドが、前記骨プレートの、前記第1角度可変プレート穴と第2角度可変プレート穴との間の第1側壁に第2ノッチを更に備える、実施態様6に記載の骨プレート。
(8) 前記ヘッドと前記シャフトとの間に、狭い直径のネックを更に備え、前記ネックの直径が、前記ヘッド及び前記シャフトの隣接部位よりも小さくなっている、実施態様1に記載の骨プレート。
(9) 前記シャフトが、前記シャフトを貫通して延在し、前記ヘッドと前記細長いシャフトプレート穴との間に位置決めされる、第3、第4、及び第5角度可変プレート穴を更に備える、実施態様3に記載の骨プレート。
(10) 前記第3、第4、及び第5プレート穴が、前記中央長手方向軸線の周りでジグザグに配置され、前記第3プレート穴及び前記第5プレート穴が前記中央長手方向軸線の第1側に配置され、前記第4プレート穴が前記中央長手方向軸線の第2側に配置されている、実施態様9に記載の骨プレート。
【0021】
(11) 前記細長いシャフトプレート穴は、前記中央長手方向軸線の周りに中心がある、実施態様2に記載の骨プレート。
(12) 前記骨プレートを貫通して延在し、かつ前記細長いシャフトプレート穴と前記骨プレートの前記第2端部との間に位置決めされた、第6及び第7角度可変プレート穴を更に備える、実施態様9に記載の骨プレート。
(13) 前記第6及び前記第7プレート穴は、前記中央長手方向軸線の周りに中心がある、実施態様12に記載の骨プレート。
(14) 前記シャフトが、前記シャフトの第1及び第2側壁に形成される複数のシャフトノッチを含み、該シャフトノッチが、前記シャフトの幅の狭い領域を画定する、実施態様1に記載の骨プレート。
(15) 前記骨プレートの前記骨接触面の内部に、前記骨プレートの厚さよりも浅い深さに延びる複数の下側切り取り部を更に備える、実施態様1に記載の骨プレート。
【0022】
(16) 前記骨プレートの外周部の周囲に広がり、前記骨プレートの外形を縮小するテーパー付き領域を更に備える、実施態様1に記載の骨プレート。
(17) 前記ヘッドの骨接触面が、前記骨の頭部の背面の解剖学的構造に適合するようにかたどられている、実施態様1に記載の骨プレート。
図1
図2
図3
図4