(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
現在の(たとえば、4G)ワイヤレスシステムは、UEのバッテリー寿命を改善するために、不連続受信(DRX)と呼ばれる技法を使用し得る。DRXでは、UEは、周期的にUEの受信機をオンおよびオフにする。UEは、UEの受信機の電源がオフにされる時間の間、電力を節約する。UEは、UEのサービングBSに知られているサイクルでUEの受信機をオンおよびオフにし、BSは、UEの受信機の電源が投入される時間に信号をUEに送信する。BSまたはUEが延長された時間期間にわたって通信する必要がある場合、DRXサイクルが中断され、長い持続時間の間、UEの受信機がアクティブ化され得る。DRXを使用するとき、DRXサイクルの長さはシステムレイテンシ全体の重大な一因となり得る。すなわち、UEのDRXサイクルの一部としてUEの受信機がオンになるのをBSが待つ時間は、データがソースから宛先UEへネットワークを横断するのに必要とされる時間の大部分、または過半数でさえあり得る。
【0014】
将来の(たとえば、5G)ワイヤレスシステムはより短いレイテンシを必要とする場合があり、このことは、ネットワーク事業者がそれらのワイヤレスシステムにおいてより短いDRXサイクルを使用することを動機づける。しかしながら、短いDRXサイクルで動作するUE内の受信機は、より頻繁に(たとえば、DRX ON持続時間において)オンになり、したがって、受信機がより長いDRXサイクルで動作する場合よりも多くの電力を消費し、UEのバッテリー寿命に悪影響を及ぼす。本発明の実施形態を利用することができる現在および将来のワイヤレスシステムに関して、現在存在するシステム(たとえば、2G/3G/4G)を参照しながら、以下で説明するサンプルのシナリオが作成され得るが、これらは説明の目的で行われることが強調されるべきである。すなわち、本発明の実施形態は、たとえば、5Gネットワークを含む、多くの異なるタイプの通信ネットワークと一緒に利用され得る。状況によっては、サンプルは、読者が本明細書で開示する様々な特徴のうちの1つまたは複数を諒解することを可能にする方法で与えられる。
【0015】
DRXのもとで動作するUEは、UEがUEの受信機をオフにするとき、上位(たとえば、アプリケーション、伝送制御プロトコル(TCP)など)プロトコルレイヤにおいて1つまたは複数の接続を維持し得る。このDRX動作モードは、接続不連続受信(C-DRX:connected discontinuous reception)と呼ばれることがある。本開示の態様によれば、UEは、C-DRXサイクルのON持続時間の間に制御チャネルおよび他の信号(たとえば、データインジケータ)をリッスンするために、UEのプライマリ受信機よりも低い電力消費量を有するセカンダリ受信機を使用し得る。本開示の一実施形態では、UEは、C-DRX動作の間にUEの全電力(たとえば、プライマリ)受信機を低電力状態(たとえば、「ディープスリープ」)にし、サービング基地局からの制御チャネル、「ウェイクアップ」、および他の信号を監視するために片方の低電力低複雑度受信機をオンにすることができる。
【0016】
上位プロトコルレイヤ接続なしでセルにキャンプオンしたUEは、アイドルモード不連続受信(I-DRX)を実行し得る。本開示の態様によれば、UEは、I-DRXサイクルのON持続時間の間にページングインジケータおよび他の信号をリッスンするために、UEのプライマリ受信機よりも低い電力消費量を有するセカンダリ受信機を使用し得る。本開示の一実施形態では、UEは、I-DRX動作の間にUEの全電力(たとえば、プライマリ)受信機を低電力状態(たとえば、「ディープスリープ」)にし、サービング基地局からのページングインジケータ、「ウェイクアップ」、および他の信号を監視するために片方の低電力低複雑度受信機をオンにすることができる。
【0017】
添付の図面に関して以下に記載する詳細な説明は、様々な構成の説明として意図されており、本明細書で説明する概念が実践され得る唯一の構成を表すことは意図されていない。詳細な説明は、様々な概念の完全な理解を与えるための具体的な詳細を含む。しかしながら、これらの概念がこれらの具体的な詳細なしに実践され得ることは当業者に明らかであろう。場合によっては、そのような概念を曖昧にすることを回避するために、よく知られている構造および構成要素がブロック図の形態で示される。
【0018】
次に、電気通信システムのいくつかの態様が、様々な装置および方法を参照して提示される。これらの装置および方法について、以下の詳細な説明において説明し、様々なブロック、モジュール、構成要素、回路、ステップ、プロセス、アルゴリズムなど(「要素」と総称される)によって添付の図面に示す。これらの要素は、ハードウェア、ソフトウェア、またはそれらの組合せを使用して実装され得る。そのような要素がハードウェアとして実装されるかソフトウェアとして実装されるかは、特定の適用例および全体的なシステムに課された設計制約に依存する。
【0019】
例として、要素、または要素の任意の部分、または要素の任意の組合せは、1つまたは複数のプロセッサを含む「処理システム」を用いて実装され得る。プロセッサの例は、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プログラマブル論理デバイス(PLD)、状態機械、特定用途向け集積回路(ASIC)、ゲート論理/トランジスタ論理/メモリスタ論理、個別ハードウェア回路、および本開示全体にわたって説明する様々な機能を実行するように構成された他の適切なハードウェアを含む。当業者が諒解するように、プロセッサ(またはコントローラ)は、さらなる処理のための出力データを生成するために入力データが操作/変換されるようにデータの処理を可能にする、内部アーキテクチャからなる。処理システム内の1つまたは複数のプロセッサは、ソフトウェアを実行し得る。ソフトウェアは、ソフトウェア/ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語と呼ばれるか、または他の名称で呼ばれるかどうかにかかわらず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ファームウェア、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行ファイル、実行スレッド、プロシージャ、関数などを意味するように広く解釈されるべきである。
【0020】
したがって、1つまたは複数の例示的な実施形態では、説明する機能は、ハードウェア、ソフトウェア、またはそれらの組合せにおいて実装され得る。ソフトウェアにおいて実装される場合、機能は、コンピュータ可読媒体上の1つまたは複数の命令またはコードとして、記憶または符号化され得る。コンピュータ可読媒体は、コンピュータ記憶媒体を含む。記憶媒体は、コンピュータによってアクセスされ得る任意の利用可能な媒体であり得る。限定ではなく例として、そのようなコンピュータ可読媒体は、RAM、ROM、EEPROM、PCM(相変化メモリ)、フラッシュメモリ、CD-ROMもしくは他の光ディスクストレージ、磁気ディスクストレージもしくは他の磁気ストレージデバイス、または、命令もしくはデータ構造の形態の所望のプログラムコードを搬送もしくは記憶するために使用され得、コンピュータによってアクセスされ得る任意の他の媒体を含むことができる。本明細書で使用するディスク(disk)およびディスク(disc)は、コンパクトディスク(disc)(CD)、レーザーディスク(登録商標)(disc)、光ディスク(disc)、デジタル多用途ディスク(disc)(DVD)、フロッピー(登録商標)ディスク(disk)およびブルーレイディスク(disc)を含み、ディスク(disk)は通常、データを磁気的に再生し、ディスク(disc)は、レーザーを用いてデータを光学的に再生する。上記の組合せも、コンピュータ可読媒体の範囲内に含まれるべきである。
【0021】
図1は、本開示の態様が実践され得る例示的な展開を示す。たとえば、UE110は、プライマリ受信機およびセカンダリ受信機を有することができ、DRXモードで動作している間、プライマリ受信機を低電力状態(たとえば、電源オフまたは非アクティブ)にすることができ、UEが(たとえば、プライマリ受信機の電源を投入するかまたはプライマリ受信機をアクティブ化することによって)プライマリ受信機を低電力状態から出すべきであることを示すシグナリングを監視するためにセカンダリ受信機を使用することができる。UE110などのUEにおいて、プライマリ受信機は、アクティブである間、100mW以上の電力を消費し得、プライマリ受信機は、低電力状態にされると、5〜10mWの電力を消費し得る。本開示の態様によれば、シグナリングを監視するセカンダリ受信機は、1mW未満の電力を消費し得る。第2の例として、eNB122または基地局132は、UEがUEのプライマリ受信機を低電力状態から出すべきであることを示す信号をUE110に送信し得る。
【0022】
発展型ユニバーサル地上波無線アクセスネットワーク(E-UTRAN)120は、LTEをサポートし得、ユーザ機器(UE)のワイヤレス通信をサポートすることができる、いくつかの発展型ノードB(eNB)122および他のネットワークエンティティを含み得る。各eNBは、特定の地理的エリアに通信カバレージを提供し得る。「セル」という用語は、このカバレージエリアにサービスするeNBおよび/またはeNBサブシステムのカバレージエリアを指すことがある。サービングゲートウェイ(S-GW)124は、E-UTRAN120と通信し得、パケットのルーティングおよびフォワーディング、モビリティアンカリング、パケットバッファリング、ネットワークトリガ型サービスの開始などの様々な機能を実行し得る。モビリティ管理エンティティ(MME)126は、E-UTRAN120およびサービングゲートウェイ124と通信し得、モビリティ管理、ベアラ管理、ページングメッセージの配信、セキュリティ制御、認証、ゲートウェイ選択などの様々な機能を実行し得る。LTEにおけるネットワークエンティティは、公開されている「Evolved Universal Terrestrial Radio Access (E-UTRA) and Evolved Universal Terrestrial Radio Access Network (E-UTRAN); Overall description」と題する3GPP TS 36.300に記載されている。
【0023】
無線アクセスネットワーク(RAN)130は、GSM(登録商標)をサポートし得、UEのワイヤレス通信をサポートすることができる、いくつかの基地局132および他のネットワークエンティティを含み得る。モバイル交換センター(MSC)134は、RAN130と通信し得、音声サービスをサポートし、回線交換呼のルーティングを行い、MSC134によってサービスされるエリア内に位置するUEのモビリティ管理を実行し得る。任意選択で、インターワーキング機能(IWF)140は、(たとえば、1xCSFBのための)MME126とMSC134との間の通信を容易にし得る。
【0024】
E-UTRAN120、サービングゲートウェイ124、およびMME126は、LTEネットワーク102の一部であり得る。RAN130およびMSC134は、GSMネットワーク104の一部であり得る。簡単にするために、
図1は、LTEネットワーク102およびGSMネットワーク104内のいくつかのネットワークエンティティのみを示す。LTEネットワークおよびGSMネットワークは、様々な機能およびサービスをサポートし得る他のネットワークエンティティも含み得る。
【0025】
一般に、任意の数のワイヤレスネットワークが、所与の地理的エリアにおいて展開され得る。各ワイヤレスネットワークは、特定のRATをサポートし得、1つまたは複数の周波数上で動作し得る。RATは、無線技術、エアインターフェースなどと呼ばれることもある。周波数は、キャリア、周波数チャネルなどと呼ばれることもある。各周波数は、異なるRATのワイヤレスネットワーク間の干渉を回避するために、所与の地理的エリアにおいて単一のRATをサポートし得る。
【0026】
UE110は、固定またはモバイルであってよく、移動局、端末、アクセス端末、加入者ユニット、局、または一般にワイヤレスデバイスなどと呼ばれることもある。UE110は、セルラーフォン、携帯情報端末(PDA)、ワイヤレスモデム、ワイヤレス通信デバイス、ハンドヘルドデバイス、ラップトップコンピュータ、コードレスフォン、ワイヤレスローカルループ(WLL)局、エンターテインメントデバイス、車両構成要素、および、ワイヤレス通信用に構成され、ワイヤレス通信が可能な、多くの他のタイプのデバイスであり得る。
【0027】
電源が投入されると、UE110は、UE110が通信サービスを受信することができるワイヤレスネットワークを探索し得る。2つ以上のワイヤレスネットワークが検出された場合、UEは、どのキャリアが各ネットワークを提供するかということと、各ネットワークによって使用される無線アクセス技術とに基づいて、検出されたネットワークの優先順位を付けることができる。たとえば、ユーザは、キャリアXにセルフォンサービスの代金を支払う場合があり、ユーザのセルフォンは、他のネットワークよりもキャリアXのネットワークを選ぶようにプログラムされる場合がある。本例では、セルフォンは、GSMネットワークよりもLTEネットワークを選ぶ場合がある。依然として本例では、セルフォンは、最も高い優先度をキャリアXのLTEネットワークに割り当て、2番目に高い優先度をキャリアXの非LTEネットワークに割り当て、3番目に高い優先度を他のキャリアのLTEネットワークに割り当て、最も低い優先度を他のキャリアの非LTEネットワークに割り当てる場合がある。
【0028】
電源投入時に2つ以上のワイヤレスネットワークを検出するUE110は、UE110にサービスする優先度が最も高いワイヤレスネットワークを選択し得る。選択されたネットワークは、UE110のサービングネットワークと呼ばれることがある。UE110は、必要な場合、サービングネットワークへの登録を実行し得る。次いで、UE110は、サービングネットワークとアクティブに通信するために接続モードで動作し得る。代替的に、アクティブな通信がUE110によって必要とされない場合、UE110はアイドルモードで動作し、サービングネットワークにキャンプオンし得る。
【0029】
UE110は、アイドルモードである間、複数の周波数および/または複数のRATのセルのカバレージ内に位置し得る。LTEの場合、UE110は、優先度リストに基づいて、キャンプオンするべき周波数およびRATを選択し得る。この優先度リストは、周波数のセット、各周波数に関連付けられたRAT、および各周波数の優先度を含み得る。たとえば、優先度リストは、3つの周波数X、YおよびZを含み得る。周波数Xは、LTEに使用されてよく、最も高い優先度を有することができ、周波数Yは、GSM(登録商標)に使用されてよく、最も低い優先度を有することができ、周波数Zは、やはりGSM(登録商標)に使用されてよく、周波数Xの優先度と周波数Yの優先度との間の優先度を有することができる。一般に、優先度リストは、RATの任意のセットに対する任意の数の周波数を含み得、UEロケーションに固有のものであり得る。UE110は、たとえば、上記の例によって与えられたような、LTE周波数が最も高い優先度にあり、他のRATの周波数がより低い優先度にある優先度リストを定義することによって、利用可能であればLTEのほうを選ぶように構成され得る。
【0030】
UE110は、次のようにアイドルモードで動作し得る。UE110は、UE110が通常のシナリオでは「適切な」セルを、または緊急のシナリオでは「許容可能な」セルを見つけることが可能なすべての周波数/RATを識別することができ、「適切な」および「許容可能な」はLTE規格において規定されている。次いで、UE110は、すべての識別された周波数/RATの中で最も高い優先度を有する周波数/RATにキャンプオンし得る。UE110は、(i)周波数/RATが所定のしきい値においてもはや利用可能ではなくなるまで、または(ii)より高い優先度を有する別の周波数/RATがこのしきい値に達するまで、この周波数/RATにキャンプオンしたままであり得る。アイドルモードにおけるUE110のこの動作挙動は、公開されている「Evolved Universal Terrestrial Radio Access (E-UTRA); User Equipment (UE) procedures in idle mode」と題する3GPP TS 36.304に記載されている。
【0031】
UE110は、LTEネットワーク102からパケット交換(PS)データサービスを受信することが可能であり得、アイドルモードである間にLTEネットワークにキャンプオンし得る。LTEネットワーク102では、ボイスオーバーインターネットプロトコル(VoIP)のサポートが限られているか、または存在しないことがあり、これは、LTEネットワークの初期の展開の場合にしばしば当てはまり得る。限られたVoIPサポートにより、UE110は、音声呼の場合は別のRATの別のワイヤレスネットワークに転送され得る。この転送は、回線交換(CS)フォールバックと呼ばれることがある。UE110は、1xRTT、WCDMA(登録商標)、GSM(登録商標)などの、音声サービスをサポートすることができるRATに転送され得る。CSフォールバックを伴う呼発信の場合、UE110は最初に、音声サービスをサポートしない場合があるソースRAT(たとえば、LTE)のワイヤレスネットワークに接続され得る。UEは、このワイヤレスネットワークとの音声呼を発信することができ、音声呼をサポートすることができるターゲットRATの別のワイヤレスネットワークに上位レイヤシグナリングを通じて転送され得る。UEをターゲットRATに転送するための上位レイヤシグナリングは、様々な手順、たとえば、リダイレクションを伴う接続解放、PSハンドオーバなどのためのものであり得る。
【0032】
図2は、
図1のUE110、eNB122、およびMME126の設計のブロック図を示す。本開示の態様について、LTE用語およびLTEネットワークにおいて使用される機器を使用して説明するが、本開示はそのように限定されず、本開示の態様は他のネットワーク技術に適用可能である。UE110において、エンコーダ212は、アップリンク上で送られるべきトラフィックデータおよびシグナリングメッセージを受信し得る。エンコーダ212は、トラフィックデータおよびシグナリングメッセージを処理(たとえば、フォーマット、符号化、およびインターリーブ)し得る。変調器(Mod)214は、符号化されたトラフィックデータおよびシグナリングメッセージをさらに処理(たとえば、シンボルマッピングおよび変調)し、出力サンプルを提供し得る。送信機(TMTR)222は、出力サンプルを調整(たとえば、アナログに変換、フィルタリング、増幅、および周波数アップコンバート)し、アップリンク信号を生成し得、アップリンク信号は、アンテナ224を介してeNB122に送信され得る。
【0033】
ダウンリンク上では、アンテナ224は、eNB122および/または他のeNB/基地局によって送信されたダウンリンク信号を受信し得る。受信機(RCVR)226は、アンテナ224から受信された信号を調整(たとえば、フィルタリング、増幅、周波数ダウンコンバート、およびデジタル化)し、入力サンプルを提供し得る。復調器(Demod)216は、入力サンプルを処理(たとえば、復調)し、シンボル推定値を提供し得る。デコーダ218は、シンボル推定値を処理(たとえば、デインターリーブおよび復号)し、UE110に送られる復号されたデータおよびシグナリングメッセージを提供し得る。エンコーダ212、変調器214、復調器216、およびデコーダ218は、モデムプロセッサ210によって実装され得る。これらのユニットは、UE110が通信しているワイヤレスネットワークによって使用されるRAT(たとえば、LTE、1xRTTなど)に従って処理を実行し得る。
【0034】
コントローラ/プロセッサ230は、UE110における動作を指示し得る。コントローラ/プロセッサ230はまた、本明細書で説明する技法のための他のプロセスを実行または指示し得る。コントローラ/プロセッサ230は、
図8に示す動作800、および
図10に示す動作1000を実行するためのUE110による処理を実行または指示し得る。メモリ232は、UE110のためのプログラムコードおよびデータを記憶し得る。メモリ232はまた、優先度リストおよび構成情報を記憶し得る。
【0035】
eNB122において、送信機/受信機238は、UE110および他のUEとの無線通信をサポートし得る。コントローラ/プロセッサ240は、UEとの通信のための様々な機能を実行し得る。コントローラ/プロセッサ240は、
図9に示す動作900、および
図11に示す動作1100を実行するためのeNB122による処理を実行または指示し得る。アップリンク上では、UE110からのアップリンク信号は、アンテナ236を介して受信され、受信機238によって調整され、コントローラ/プロセッサ240によってさらに処理されて、UE110によって送られるトラフィックデータおよびシグナリングメッセージを復元し得る。ダウンリンク上では、トラフィックデータおよびシグナリングメッセージは、コントローラ/プロセッサ240によって処理され、送信機238によって調整されて、ダウンリンク信号を生成し得、ダウンリンク信号は、アンテナ236を介してUE110および他のUEに送信され得る。コントローラ/プロセッサ240はまた、本明細書で説明する技法のための他のプロセスを実行または指示し得る。コントローラ/プロセッサ240はまた、eNB122による処理を実行または指示し得る。メモリ242は、基地局のためのプログラムコードおよびデータを記憶し得る。通信(Comm)ユニット244は、MME126および/または他のネットワークエンティティとの通信をサポートし得る。
【0036】
MME126において、コントローラ/プロセッサ250は、UEのための通信サービスをサポートするための様々な機能を実行し得る。コントローラ/プロセッサ250はまた、MME126による処理を実行または指示し得る。メモリ252は、MME126のためのプログラムコードおよびデータを記憶し得る。通信ユニット254は、他のネットワークエンティティとの通信をサポートし得る。
【0037】
態様によれば、本明細書でさらに詳細に説明するように、UE110は、複数のRAT(たとえば、同時RAT)(CRAT)との通信をサポートし得る。CRAT UEは、たとえば、TDMの点で、2つのRAT間でアップリンク送信を共有し得る。CRAT UEは、ダウンリンク送信のデュアル受信をサポートし得る。態様によれば、本明細書でさらに詳細に説明するように、UE110は、シングル無線デバイスであり得る。そのようなUEは、複数のRATとの通信をサポートし得る。
【0038】
図2は、UE110、eNB122、およびMME126の設計を示す。一般に、各エンティティは、任意の数の送信機、受信機、プロセッサ、コントローラ、メモリ、通信ユニットなどを含み得る。他のネットワークエンティティも、同様に実装され得る。
【0039】
たとえば、
図2のUE110は、シングルTMTR222と、シングルRCVR226とを備える。態様によれば、UE110は、シングルTMTRと、デュアルRCVRとを備えてもよく、したがって、CRATをサポートし得る。たとえば、UE110は、2つのRAT間でアップリンク送信を共有し得、デュアルダウンリンク受信をサポートし得る。態様によれば、UEは、LTEおよびGMSまたはCDMA2000 1xRTTとのCRATをサポートし得る。
【0040】
複数のRAT通信のためにシングル送信機を利用することに伴う1つの課題は、時折、両方のRATにおけるスケジュールされたアップリンク送信間の競合が存在し得るということである。競合はアップリンク送信で生じ得るが、アップリンク送信自体はスケジュールされたダウンリンク送信の結果として生じ得る。たとえば、スケジュールされたLTEダウンリンク送信の場合、UEは、UEがデータを受信したことを確認するために、アップリンクにおいてACKを送信する必要があり得る。言い換えれば、所与の送信期間の間に、UEが両方のRATにおいてアップリンク送信のためにスケジュールされ得る可能性がある。
【0041】
場合によっては、複数のRATを用いるRx(たとえば、同時Rx)も達成され得る。たとえば、2つのRx(たとえば、2つの別個のアンテナを有する2つの別個の受信チェーン)が、同時ハイブリッドデュアル受信機(SHDR:Simultaneous Hybrid Dual Receiver)と同様の方法で、GSM(登録商標)またはCDMA2000 1xRTTと、LTEとによって共有され得る。GSM(登録商標)またはCDMA2000 1xRTT受信が必要とされないとき、LTEは、多入力多出力(MIMO)およびダイバーシティのために2つの受信チェーンを使用し得る。GSM(登録商標)またはCDMA2000 1xRTT受信が必要とされるとき、1つのRxがGSM(登録商標)またはCDMA2000 1xRTTに同調され得、残りのRxがLTE受信に使用され得る。いくつかの実施形態では、1つのみの受信チェーンがLTEに使用されているので、UEは、デュアルレイヤ送信のためのeNBスケジューリングを回避するために、偽のチャネル品質インジケータ(CQI)を報告することがある。
【0042】
同様に、複数のRATとの通信のためにシングル受信機を利用することに伴って存在する課題は、時折、両方のRATにおけるスケジュールされたダウンリンク送信間の競合が存在し得るということである。
図2に示すUE110は、シングルTMTR222と、シングルRCVR226とを備え、したがって、いつでも、単一のRAT、たとえば、
図1に示すLTEネットワーク102またはGSM(登録商標)ネットワーク104と通信することしかできない。
【0043】
UE110などの、複数のRAT(たとえば、1xRTT、GSM(登録商標)、およびLTE)を介して通信することが可能なシングル無線デバイスでは、デバイスは時として、その無線機を各サポートされるRATに同調させ、そのRATのBSからの通信(たとえば、ページ)をリッスンする。ページまたは他の通信を検出および受信するために、デバイスは、ある時間期間の間(たとえば、80ms)、その無線機をRATに同調させることができる。デバイスは、その無線機を特定のRATに周期的に同調させることができ、期間(たとえば、1.28秒、2.56秒など)は、たとえば、RRCシグナリングを介してネットワークによって構成可能である。
【0044】
図3は、LTEにおけるDLフレーム構造の一例を示す
図300である。フレーム(10ms)は、0〜9のインデックスを有する、等しいサイズの10個のサブフレームに分割され得る。各サブフレームは、2つの連続するタイムスロットを含み得る。リソースグリッドは、各タイムスロットがリソースブロックを含む、2つのタイムスロットを表すために使用され得る。リソースグリッドは、複数のリソース要素に分割される。LTEでは、リソースブロックは、周波数領域中に12個の連続するサブキャリアを含み、また、各OFDMシンボル中のノーマルサイクリックプレフィックスの場合、時間領域中に7個の連続するOFDMシンボル、すなわち84個のリソース要素を含む。拡張サイクリックプレフィックスの場合、リソースブロックは、時間領域中に6個の連続するOFDMシンボルを含み、72個のリソース要素を有する。R302、R304として示す、リソース要素のうちのいくつかは、DL基準信号(DL-RS)を含む。DL-RSは、セル固有RS(CRS)(共通RSと呼ばれることもある)302と、UE固有RS(UE-RS)304とを含む。UE-RS304は、対応する物理DL共有チャネル(PDSCH)がマッピングされるリソースブロック上のみで送信される。各リソース要素によって搬送されるビット数は、変調方式に依存する。したがって、UEが受信するリソースブロックが多いほど、また変調方式が高いほど、UEのデータレートは高くなる。
【0045】
LTEでは、eNBは、そのeNB内の各セルのプライマリ同期信号(PSS)およびセカンダリ同期信号(SSS)を送ることができる。プライマリ同期信号およびセカンダリ同期信号は、それぞれ、ノーマルサイクリックプレフィックス(CP)を有する各無線フレームのサブフレーム0および5の各々の中のシンボル期間6および5において送られ得る。同期信号は、セル検出および獲得のためにUEによって使用され得る。eNBは、サブフレーム0のスロット1中のシンボル期間0から3において、物理ブロードキャストチャネル(PBCH)を送ることができる。PBCHは、あるシステム情報を搬送することができる。
【0046】
eNBは、各サブフレームの第1のシンボル期間において、物理制御フォーマットインジケータチャネル(PCFICH)を送ることができる。PCFICHは、制御チャネルに使用されるシンボル期間の数(M)を搬送することができ、Mは、1、2または3に等しくてもよく、サブフレームごとに変化してもよい。Mはまた、たとえば、10個未満のリソースブロックを有する小さいシステム帯域幅では、4に等しくてもよい。eNBは、各サブフレームの最初のM個のシンボル期間において、物理HARQインジケータチャネル(PHICH)および物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)を送ることができる。PHICHは、ハイブリッド自動再送要求(HARQ)をサポートするための情報を搬送することができる。PDCCHは、UEに対するリソース割振りに関する情報と、ダウンリンクチャネルに対する制御情報とを搬送することができる。eNBは、各サブフレームの残りのシンボル期間において、物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)を送ることができる。PDSCHは、ダウンリンク上でのデータ送信のためにスケジュールされたUEのためのデータを搬送することができる。
【0047】
eNBは、eNBによって使用されるシステム帯域幅の中心1.08MHzにおいて、PSS、SSS、およびPBCHを送ることができる。eNBは、PCFICHおよびPHICHが送られる各シンボル期間において、システム帯域幅全体にわたってこれらのチャネルを送ることができる。eNBは、システム帯域幅のある部分において、PDCCHをUEのグループに送ることができる。eNBは、システム帯域幅の特定の部分において、PDSCHを特定のUEに送ることができる。eNBは、ブロードキャスト方式でPSS、SSS、PBCH、PCFICH、およびPHICHをすべてのUEに送ることができ、ユニキャスト方式でPDCCHを特定のUEに送ることができ、ユニキャスト方式でPDSCHを特定のUEに送ることもできる。
【0048】
いくつかのリソース要素は、各シンボル期間において利用可能であり得る。各リソース要素(RE)は、1つのシンボル期間において1つのサブキャリアをカバーし得、実数値または複素数値であり得る1つの変調シンボルを送るために使用され得る。各シンボル期間において基準信号に使用されないリソース要素は、リソース要素グループ(REG)に配置され得る。各REGは、1つのシンボル期間において4つのリソース要素を含み得る。PCFICHは、4つのREGを占有してもよく、4つのREGは、シンボル期間0において、周波数にわたってほぼ等しく離間され得る。PHICHは、3つのREGを占有してもよく、3つのREGは、1つまたは複数の構成可能なシンボル期間において、周波数にわたって分散され得る。たとえば、PHICHの3つのREGは、シンボル期間0にすべて属し得るか、またはシンボル期間0、1、および2に分散され得る。PDCCHは、9、18、36、または72個のREGを占有してもよく、これらのREGは、たとえば、最初のM個のシンボル期間において、利用可能なREGから選択され得る。REGのいくつかの組合せのみがPDCCHに対して許可され得る。本方法および本装置の態様では、サブフレームは、2つ以上のPDCCHを含み得る。
【0049】
UEは、PHICHおよびPCFICHに使用される特定のREGを知っていることがある。UEは、PDCCHのためのREGの異なる組合せを探索し得る。探索すべき組合せの数は通常、PDCCHに対して許可される組合せの数よりも少ない。eNBは、UEが探索する組合せのいずれかにおいてPDCCHをUEに送ることができる。
【0050】
図4は、LTEにおけるULフレーム構造の一例を示す
図400である。ULのために利用可能なリソースブロックは、データセクションおよび制御セクションに区分され得る。制御セクションは、システム帯域幅の2つの縁部に形成され得、構成可能なサイズを有し得る。制御セクション内のリソースブロックは、制御情報の送信のためにUEに割り当てられ得る。データセクションは、制御セクションに含まれないすべてのリソースブロックを含み得る。ULフレーム構造により、データセクションは連続的なサブキャリアを含むことになり、これにより、単一のUEが、データセクション内の連続的なサブキャリアのすべてを割り当てられることが可能になり得る。
【0051】
UEは、制御情報をeNBに送信するために、制御セクション内のリソースブロック410a、410bを割り当てられ得る。UEはまた、データをeNBに送信するために、データセクション内のリソースブロック420a、420bを割り当てられ得る。UEは、制御セクション内の割り当てられたリソースブロック上の物理UL制御チャネル(PUCCH)内で、制御情報を送信し得る。UEは、データセクション内の割り当てられたリソースブロック上の物理UL共有チャネル(PUSCH)内で、データのみ、またはデータと制御情報の両方を送信し得る。UL送信は、サブフレームの両方のスロットにまたがる場合があり、周波数にわたってホップする場合がある。
【0052】
リソースブロックのセットは、初期システムアクセスを実行し、物理ランダムアクセスチャネル(PRACH)430におけるUL同期を実現するために使用され得る。PRACH430は、ランダムシーケンスを搬送し、いかなるULデータ/シグナリングも搬送できない。各ランダムアクセスプリアンブルは、6つの連続するリソースブロックに対応する帯域幅を占有する。開始周波数は、ネットワークによって指定される。すなわち、ランダムアクセスプリアンブルの送信は、いくつかの時間リソースおよび周波数リソースに制限される。PRACHの場合、周波数ホッピングは存在しない。PRACHの試行は、単一のサブフレーム(1ms)内で、または少数の連続するサブフレームのシーケンス内で搬送され、UEは、フレーム(10ms)ごとに単一のPRACHの試行しか行うことができない。
【0053】
図5は、LTEにおけるユーザプレーンおよび制御プレーンの無線プロトコルアーキテクチャの一例を示す
図500である。UEおよびeNBの無線プロトコルアーキテクチャは、レイヤ1、レイヤ2、およびレイヤ3という3つのレイヤで示される。レイヤ1(L1レイヤ)は最下位レイヤであり、様々な物理レイヤ信号処理機能を実装する。L1レイヤは、本明細書では物理レイヤ506と呼ばれる。レイヤ2(L2レイヤ)508は物理レイヤ506の上にあり、物理レイヤ506を介したUEとeNBとの間のリンクを担う。
【0054】
ユーザプレーンでは、L2レイヤ508は、媒体アクセス制御(MAC)サブレイヤ510、無線リンク制御(RLC)サブレイヤ512、およびパケットデータコンバージェンスプロトコル(PDCP)サブレイヤ514を含み、これらはネットワーク側のeNBで終端される。図示されていないが、UEは、L2レイヤ508の上にいくつかの上位レイヤを有する場合があり、これらは、ネットワーク側のPDNゲートウェイ118で終端されるネットワークレイヤ(たとえば、IPレイヤ)と、接続の他端(たとえば、遠端UE、サーバなど)で終端されるアプリケーションレイヤとを含む。
【0055】
PDCPサブレイヤ514は、異なる無線ベアラと論理チャネルとの間の多重化を行う。PDCPサブレイヤ514はまた、無線送信オーバーヘッドを低減するための上位レイヤデータパケットのヘッダ圧縮、データパケットを暗号化することによるセキュリティ、およびeNB間のUEのためのハンドオーバーサポートを実現する。RLCサブレイヤ512は、上位レイヤデータパケットのセグメント化および再アセンブリ、紛失したデータパケットの再送、ならびに、ハイブリッド自動再送要求(HARQ)による順序の狂った受信を補償するためのデータパケットの並べ替えを実現する。MACサブレイヤ510は、論理チャネルとトランスポートチャネルとの間の多重化を行う。MACサブレイヤ510はまた、1つのセルの中の様々な無線リソース(たとえば、リソースブロック)をUEの間で割り振ることを担う。MACサブレイヤ510はまた、HARQ動作を担う。
【0056】
制御プレーンでは、制御プレーンのためのヘッダ圧縮機能がないことを除いて、UEおよびeNBの無線プロトコルアーキテクチャは、物理レイヤ506およびL2レイヤ508について実質的に同じである。制御プレーンはまた、レイヤ3(L3レイヤ)内に無線リソース制御(RRC)サブレイヤ516を含む。RRCサブレイヤ516は、無線リソース(すなわち、無線ベアラ)を取得すること、およびeNBとUEとの間のRRCシグナリングを使用して下位レイヤを構成することを担う。
【0057】
図6は、アクセスネットワーク内でUE650と通信しているeNB610のブロック図である。DLでは、コアネットワークからの上位レイヤパケットが、コントローラ/プロセッサ675に与えられる。コントローラ/プロセッサ675は、L2レイヤの機能を実装する。DLでは、コントローラ/プロセッサ675は、ヘッダ圧縮、暗号化、パケットのセグメント化および並べ替え、論理チャネルとトランスポートチャネルとの間の多重化、ならびに、様々な優先度メトリックに基づくUE650への無線リソース割振りを行う。コントローラ/プロセッサ675はまた、HARQ動作、紛失したパケットの再送、およびUE650へのシグナリングを担う。
【0058】
TXプロセッサ616は、L1レイヤ(すなわち、物理レイヤ)の様々な信号処理機能を実装する。信号処理機能は、UE650における前方誤り訂正(FEC)を容易にするためのコーディングおよびインターリービング、ならびに様々な変調方式(たとえば、2位相シフトキーイング(BPSK)、4位相シフトキーイング(QPSK)、M位相シフトキーイング(M-PSK)、M直交振幅変調(M-QAM))に基づく信号コンスタレーションへのマッピングを含む。次いで、コーディングされ変調されたシンボルは、並列ストリームに分割される。次いで、各ストリームは、OFDMサブキャリアにマッピングされ、時間領域および/または周波数領域において基準信号(たとえば、パイロット)と多重化され、次いで、逆高速フーリエ変換(IFFT)を使用して一緒に結合されて、時間領域OFDMシンボルストリームを搬送する物理チャネルを生成する。OFDMストリームは、空間的にプリコーディングされて、複数の空間ストリームを生成する。チャネル推定器674からのチャネル推定値は、コーディングおよび変調方式を決定するために、ならびに空間処理のために使用され得る。チャネル推定値は、UE650によって送信された基準信号および/またはチャネル状態フィードバックから導出され得る。次いで、空間ストリームは、別個の送信機618TXを介して異なるアンテナ620に与えられる。各送信機618TXは、送信のためにそれぞれの空間ストリームでRFキャリアを変調する。
【0059】
UE650において、各受信機654RXは、そのそれぞれのアンテナ652を通じて信号を受信する。各受信機654RXは、RFキャリア上に変調された情報を復元し、その情報を受信機(RX)プロセッサ656に与える。RXプロセッサ656は、L1レイヤの様々な信号処理機能を実装する。RXプロセッサ656は、情報に対して空間処理を実行して、UE650に向けられたあらゆる空間ストリームを復元する。複数の空間ストリームがUE650に向けられる場合、それらは、RXプロセッサ656によって単一のOFDMシンボルストリームに結合され得る。次いで、RXプロセッサ656は、高速フーリエ変換(FFT)を使用して、OFDMシンボルストリームを時間領域から周波数領域に変換する。周波数領域信号は、OFDM信号のサブキャリアごとに別個のOFDMシンボルストリームを含む。各サブキャリア上のシンボル、および基準信号は、eNB610によって送信された最も可能性が高い信号コンスタレーションポイントを決定することによって復元され復調される。これらの軟判定は、チャネル推定器658によって計算されたチャネル推定値に基づき得る。次いで、軟判定は復号およびデインターリーブされて、物理チャネル上でeNB610によって最初に送信されたデータおよび制御信号を復元する。次いで、データおよび制御信号は、コントローラ/プロセッサ659に与えられる。
【0060】
コントローラ/プロセッサ659は、L2レイヤを実装する。コントローラ/プロセッサ659は、プログラムコードおよびデータを記憶するメモリ660に関連付けられ得る。メモリ660は、コンピュータ可読媒体と呼ばれることがある。ULでは、コントローラ/プロセッサ659は、コアネットワークからの上位レイヤパケットを復元するために、トランスポートチャネルと論理チャネルとの間の逆多重化、パケット再アセンブリ、暗号化解除、ヘッダ圧縮解除、制御信号処理を行う。次いで、上位レイヤパケットはデータシンク662に与えられ、データシンク662はL2レイヤの上のすべてのプロトコルレイヤを表す。様々な制御信号も、L3処理のためにデータシンク662に与えられ得る。コントローラ/プロセッサ659はまた、HARQ動作をサポートするために、肯定応答(ACK)および/または否定応答(NACK)プロトコルを使用する誤り検出を担う。
【0061】
ULでは、データソース667は、上位レイヤパケットをコントローラ/プロセッサ659に与えるために使用される。データソース667は、L2レイヤの上のすべてのプロトコルレイヤを表す。eNB610によるDL送信に関して説明した機能と同様に、コントローラ/プロセッサ659は、ヘッダ圧縮、暗号化、パケットのセグメント化および並べ替え、ならびに、eNB610による無線リソース割振りに基づく論理チャネルとトランスポートチャネルとの間の多重化を実現することによって、ユーザプレーンおよび制御プレーンのためのL2レイヤを実装する。コントローラ/プロセッサ659はまた、HARQ動作、紛失したパケットの再送、eNB610へのシグナリングを担う。
【0062】
eNB610によって送信された基準信号またはフィードバックからチャネル推定器658によって導出されたチャネル推定値は、適切なコーディングおよび変調方式を選択し、空間処理を容易にするために、TXプロセッサ668によって使用され得る。TXプロセッサ668によって生成された空間ストリームは、別個の送信機654TXを介して異なるアンテナ652に与えられる。各送信機654TXは、送信のためにそれぞれの空間ストリームでRFキャリアを変調する。
【0063】
UL送信は、UE650における受信機機能に関して説明した方法と同様の方法でeNB610において処理される。各受信機618RXは、そのそれぞれのアンテナ620を通じて信号を受信する。各受信機618RXは、RFキャリア上に変調された情報を復元し、その情報をRXプロセッサ670に与える。RXプロセッサ670は、L1レイヤを実装し得る。
【0064】
コントローラ/プロセッサ675は、L2レイヤを実装する。コントローラ/プロセッサ675は、プログラムコードおよびデータを記憶するメモリ676に関連付けられ得る。メモリ676は、コンピュータ可読媒体と呼ばれることがある。ULでは、コントローラ/プロセッサ675は、UE650からの上位レイヤパケットを復元するために、トランスポートチャネルと論理チャネルとの間の逆多重化、パケット再アセンブリ、暗号化解除、ヘッダ圧縮解除、制御信号処理を行う。コントローラ/プロセッサ675からの上位レイヤパケットは、コアネットワークに与えられ得る。コントローラ/プロセッサ675はまた、HARQ動作をサポートするために、ACKおよび/またはNACKプロトコルを使用する誤り検出を担う。コントローラ/プロセッサ675、659は、それぞれeNB610およびUE650における動作を指示し得る。コントローラ/プロセッサ659ならびに/またはUE650における他のプロセッサおよびモジュールは、たとえば、動作、たとえば
図8の動作800、および/または、本明細書で説明する技法のための他のプロセスを実行または指示し得る。コントローラ/プロセッサ675ならびに/またはeNB610における他のプロセッサおよびモジュールは、たとえば、動作および/または本明細書で説明する技法のための他のプロセスを実行または指示し得る。態様では、
図6に示す構成要素のいずれかのうちの1つまたは複数は、例示的な動作800および/または本明細書で説明する技法のための他のプロセスを実行するために用いられ得る。
【0065】
例示的なC-DRXモード動作
スマートフォンの人気が絶えず増大しているので、電力消費量およびシグナリング需要を含む、ワイヤレスシステムの設計に関する多くの新しい課題がある。たとえば、スマートフォンは、典型的に少ない割合の通話時間のみのためにアウェイクするのではなく、はるかに頻繁にアウェイクする。電子メールまたはソーシャルネットワーキングなどのアプリケーションは、たとえば、20分から30分ごとに「キープアライブ」メッセージを送ることができる。そのようなアプリケーションはしばしば、かなり大量の制御シグナリングを必要とし得る、多くの小さいバーストなデータ送信を使用する。いくつかのシステムレベル評価は、トラフィックチャネル制限に加えて、制御チャネル制限を識別している。
【0066】
接続不連続受信(C-DRX)は一般に、電力消費量を低減し、それによってモバイルデバイスのバッテリーを節約するためにワイヤレス通信において使用される技法を指す。モバイルデバイスおよびネットワークは、C-DRXサイクルのON持続時間と呼ばれる、(たとえば、接続状態において)モバイルデバイスの受信機がオンにされる場合に、データ転送が行われる位相をネゴシエートする。OFF持続時間と呼ばれる他の時間の間、モバイルデバイスはその受信機をオフにし、低電力状態に入る。通常、この目的のためにプロトコル内に設計された機能がある。たとえば、送信は、デバイスが、その送信がデバイスに関連するかどうかを決定するために各スロットにおいてアドレスの詳細を含むヘッダをリッスンし得るように、これらのヘッダを用いてスロットにおいて構造化され得る。この場合、受信機は、ヘッダを受信するために各スロットの先頭のみにおいてアクティブになり、バッテリー寿命を節約し得る。他のDRX技法はポーリングを含み、それによって、デバイスは所与の時間の間スタンバイにされ、次いで、スタンバイを待つ任意のデータがあるかどうかを示すためのビーコンが基地局によって周期的に送られる。
【0067】
LTEでは、C-DRXは通常、無線リソース制御(RRC)シグナリングを介して制御(構成)される。たとえば、RRCシグナリングは、ある期間の間に、通常はすべてのスケジューリングおよびページング情報が送信されるときに、UEの受信機が動作可能であるサイクルを設定し得る。UEが最初にC-DRX動作に入っているとき、UEは、構成された時間期間の間、非アクティビティタイマーを開始し得る。非アクティビティタイマーが動作している間、UEはその受信機をオンにしたままにし、UEがこの時間の間に任意のシグナリングを受信した場合、UEは非アクティビティタイマーを構成された時間期間にリセットし、その受信機をオンのままにする。サービング発展型ノードB(eNB)は、UEの受信機が完全にオフにされており、何も受信できないことを知っている場合がある。C-DRXであるときを除いて、UEの受信機は、物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)を監視してダウンリンクデータを識別するためにアクティブになっている可能性が最も高いことがある。C-DRXの間、UEの受信機はオフにされ得る。LTEでは、C-DRXは、アクティブモードよりも長いサイクル時間を有するRRC_Idle状態にも適用され得る。
【0068】
一般に、UEには2つのRRC状態、すなわち、(1)無線機はアクティブではないが、識別子(ID)がUEに割り当てられネットワークによって追跡される、RRC_Idle、および(2)アクティブな無線動作がeNBにおいてコンテキストを有する、RRC_Connectedがある。
【0069】
第2の受信機を用いた低電力不連続受信のための例示的な方法および装置
現在の(たとえば、4G)ワイヤレスシステムでは、C-DRXサイクルの長さはシステムレイテンシ全体の重大な一因となり得る。将来の(たとえば、5G)ワイヤレスシステムはより短いレイテンシを必要とする場合があり、このことは、ネットワーク事業者がそれらのワイヤレスシステムにおいてより短いC-DRXサイクルを使用することを動機づける。しかしながら、短いC-DRXサイクルで動作するUE内の受信機は、より頻繁に(たとえば、C-DRX ON持続時間において)オンになり、したがって、受信機がより長いC-DRXサイクルで動作する場合よりも多くの電力を消費し、UEのバッテリー寿命に悪影響を及ぼす。
【0070】
本開示の態様によれば、UEは、C-DRXサイクルのON持続時間の間に制御チャネルおよび他の信号(たとえば、データインジケータ)をリッスンするために、UEのプライマリ受信機よりも低い電力消費量を有するセカンダリ受信機を使用し得る。本開示の一実施形態では、UEは、C-DRX動作の間にUEの全電力(たとえば、プライマリ)受信機を低電力状態(たとえば、「ディープスリープ」)にし、サービング基地局からの制御チャネル、「ウェイクアップ」、および他の信号を監視するために片方の低電力低複雑度受信機をオンにすることができる。
【0071】
本開示の態様によれば、UEは、低い電力消費量を有するセカンダリ受信機を使用し得る。たとえば、セカンダリ受信機の電力消費量は、アクティブである間に1mW以下とすることができ、これは、アクティブである間に100mW以上であるプライマリ受信機の電力消費量よりも著しく低い。本開示の態様によれば、UEは、アイドルモード不連続受信(I-DRX)サイクルのON持続時間の間にページングインジケータおよび他の信号をリッスンするために、低い電力消費量(たとえば、1mW未満)を有するセカンダリ受信機を使用し得る。本開示の一実施形態では、UEは、I-DRX動作の間にUEの全電力(たとえば、プライマリ)受信機を低電力状態(たとえば、「ディープスリープ」)にすることができ、全電力受信機は100mW未満(たとえば、10mW)の電力を消費し、サービング基地局からのページングインジケータ、「ウェイクアップ」、および他の信号を監視するために片方の低電力低複雑度受信機をオンにする。
【0072】
本開示の態様によれば、セカンダリ受信機をオンにし、プライマリ受信機を低電力状態にして動作するUEは、サービングeNBからの信号(たとえば、ページングまたは「ウェイクアップ」)を監視し、信号を検出すると、eNBからのシグナリング(たとえば、データまたは制御シグナリング)を受信するためにプライマリ受信機をアクティブ化することができる。いくつかの態様によれば、信号は、プライマリ受信機によって復調され得る波形(たとえば、OFDM)に基づき得る。本開示のいくつかの態様では、信号は、セカンダリ受信機のみが復調するように設計された専用の波形(たとえば、オンオフキーイング、振幅シフトキーイング(ASK)、周波数シフトキーイング(FSK))に基づき得る。
【0073】
本開示のいくつかの態様によれば、超再生受信機がUE内のセカンダリ受信機として使用され得る。超再生受信機は、オンオフキーイング波形の非コヒーレント検出が可能であり得る。代替的に、非常に低い電力レベルでそれ相応に適切な波形を復調することが可能な、他のタイプ(たとえば、低中間周波数(low-IF:low intermediate-frequency))の非コヒーレントなエネルギー検出ベースの受信機が使用され得る。たとえば、エネルギー検出ベースの受信機は、UEがプライマリ受信機をアクティブ化すべきであることを示すUEへの信号を監視している間、1mW以下の電力を消費し得る。
【0074】
本開示のいくつかの態様によれば、複数の無線アクセス技術(RAT)をサポートすることが可能な複数の受信機を有するUEは、UEが第2のRATの受信機をアクティブ化すべきであることを示すシグナリング(たとえば、ページングまたは「ウェイクアップ」)を監視するために1つのRATの受信機を使用し得る。UEは、UEが1つまたは複数の他のRATの1つまたは複数の受信機をアクティブ化すべきであることを示すシグナリングを監視するために、低電力受信機または低電力RAT用の受信機を使用し得る。
【0075】
本開示の態様によれば、複数の受信機を有するUEは、UEが第2の周波数帯域(たとえば、3.5GHz周波数帯域)上で受信するために別の受信機をアクティブ化すべきであることを示す、第1の周波数帯域(たとえば、1GHz以下の周波数帯域)上のシグナリング(たとえば、ページングまたは「ウェイクアップ」)を監視するために、受信機を使用し得る。UEは、UEが別の周波数帯域上でUEのプライマリ受信機をアクティブ化すべきであることを示す(たとえば、BSからの)シグナリングについて1つの周波数帯域を監視するために、低電力(たとえば、1mW以下を消費する)受信機を使用し得る。追加または代替として、複数の受信機を有するUEは、UEがある周波数帯域内の第2のキャリア上で受信するために別の受信機をアクティブ化すべきであることを示すシグナリングについて、その周波数帯域内の第1のキャリアを監視し得る。キャリアアグリゲーション(CA)で動作するセルでは、UEは、UEのセカンダリ(たとえば、低電力)受信機によって検出された1つのキャリア周波数上のシグナリングに応答して、複数のキャリア周波数上で受信するためにプライマリ受信機をアクティブ化し得る。
【0076】
本開示のいくつかの態様によれば、基地局は、現在のワイヤレスシステム(たとえば、LTE C-DRX)の場合と同様に、UEが非アクティビティタイマーが満了するのを待つ方式の代替としてまたはそれらの方式に加えて、拡張または低電力DRX(LP-DRX)モードに入るよう、セカンダリ受信機を有するUEにシグナリングし得る。拡張DRXモードは、遅延耐性デバイスで終端するアプリケーション用に最適化された、現在の(たとえば、LTE Rel-8)ワイヤレス技術において使用されるものよりも長いスリープ(たとえば、低電力または非アクティブ化)サイクル(たとえば、5.12秒)を用いて、UEを動作させることを含み得る。たとえば、現在のワイヤレス技術を使用するUEは、2.56秒のスリープサイクルで構成され得るが、拡張DRXを使用するUEは、10.24秒のスリープサイクルで構成され得る。UEが低電力DRXモードに入るための信号を受信するとき、UEはそのプライマリ受信機を低電力状態にし、セカンダリ受信機を使用して信号を監視する。
【0077】
本開示のいくつかの態様によれば、C-DRXサイクルのON持続時間において動作するUEは、現在の(たとえば、4G LTE)ワイヤレスシステムの場合と同様に、UEがプライマリ受信機を低電力状態にする前にON持続時間全体を待つ方式の代替としてまたはそれらの方式に加えて、信号の受信時にUEのプライマリ受信機を低電力状態にするようサービング基地局によってシグナリングされ得る。
【0078】
本開示のいくつかの態様によれば、アイドルモードDRX(I-DRX)サイクルにおいて動作するセカンダリ受信機を有するUEは、I-DRXサイクルのON持続時間の間にページインジケータを監視するためにセカンダリ受信機をアクティブ化し、ページインジケータがセカンダリ受信機によって検出されるまで、UEのプライマリ受信機を低電力状態のままにすることができる。本開示の一態様では、プライマリ受信機は、セカンダリ受信機がページインジケータを検出したことに応答して、実際のページメッセージを復号するためにUEによってアクティブ化され得る。
【0079】
本開示の態様に従って動作する2つの受信機を有するUEは、現在の(たとえば、4G LTE)ワイヤレスシステムとともにC-DRXモードで動作するUEよりも低い平均レイテンシで動作し得る。たとえば、40msecのDRXサイクル長を用いて、現在のワイヤレスシステムとともにC-DRXモードで動作するUEは、20msecの平均レイテンシを有する。本例では、2つの受信機を有するUEは、10msecに1回アクティブになるために、プライマリ受信機によって消費される電力(たとえば、250mW)の10%未満(たとえば、1mW)を消費するセカンダリ受信機を構成し得る。依然として本例では、2つの受信機を有するUEは、現在のワイヤレスシステムとともに動作するUEのレイテンシよりも低い平均レイテンシである5msecの平均レイテンシを有するが、現在のワイヤレスシステムとともに動作するUEよりも少ない電力を消費する。データを受信していない、本開示の態様に従って動作するUEも、データを受信していない、現在の(たとえば、4G LTE)ワイヤレスシステムとともにC-DRXモードで動作するUEよりも少ない電力を消費し得る。上記の例を続けると、現在のワイヤレスシステムとともに動作するUEは、40msec(すなわち、DRXサイクル長)中の1msecの間に250mWの電力を消費するが、本開示の態様に従って動作する2つの受信機を有するUEは、40msec中の4msecの間に1mWの電力を消費する。データを受信している、本開示の態様に従って動作するUEは、データを受信している、現在の(たとえば、4G LTE)ワイヤレスシステムとともにC-DRXモードで動作するUEよりもわずかに多くの(たとえば、1%未満だけ多い)電力を使用し得るが、これは、前者の場合、プライマリ受信機とセカンダリ受信機の両方がアクティブ化されるからである。したがって、本開示の態様に従って動作するUEは、現在の(たとえば、4G LTE)ワイヤレスシステムとともにC-DRXモードで動作するUEよりも低いレイテンシと、そのUEよりも低い全体的な電力消費量との両方を用いて、動作し得る。
【0080】
図7は、現在の(たとえば、4G LTEまたは「Today's DRX」)ワイヤレス通信システムにおいてC-DRXを使用して動作するUEの例示的なタイムライン700と、本開示の態様に従って動作するセカンダリ受信機を有するUEの例示的なタイムライン750とを示す。例示的なタイムライン700では、UEは、時間702においてデータを受信し、704においてデータ送信が終わると、非アクティビティタイマーを開始する。706において、非アクティビティタイマーが満了し、UEはその受信機を低電力(「OFF」)状態にする。708において、UEのためのデータがUEのサービング基地局に到着し、710において生じるUEのための次のON持続時間までバッファ内に保持される。現在の(たとえば、4G LTEまたは「Today's DRX」)ワイヤレス通信システムに従ってC-DRXモードで動作するUEへの送信の平均レイテンシは、712に示すような1つのON持続時間および1つのOFF持続時間からなるDRXサイクルの長さの約半分であり得る。
【0081】
例示的なタイムライン750では、UEは、時間752においてサービング基地局(たとえば、eNB)からデータを受信し、754において基地局がUEにデータを送信し終えると、UEのサービング基地局は、拡張DRXモードまたは低電力DRX(LP-DRX)モードに入るようUEにシグナリングする。UEは、754において基地局からコマンドを受信すると、LP-DRXモードまたは超低電力リスニングモード(ULPL:ultra-low-power listening mode)に入る。UEは、デューティサイクルにおいてセカンダリ受信機を動作させ、時間756a〜756dの各々において基地局からの信号(たとえば、制御チャネルまたは「ウェイクアップ」信号)を監視するためにセカンダリ受信機をアクティブ化する。セカンダリ受信機のデューティサイクルにおける各ON持続時間の開始の間の時間期間は、ULPL無線期間または有効(Effective)DRXサイクルと呼ばれることがある。
【0082】
758において、UEのためのデータがサービング基地局に到着し、サービング基地局は、760に示すように、「ウェイクアップ」信号を送信する。サービングBSはUEのセカンダリ受信機のデューティサイクルに気づいている場合があり、例示的なタイムラインにおける756dに示すように、セカンダリ受信機デューティサイクルの次のON持続時間まで「ウェイクアップ」信号の送信を遅延させることができる。UEは、UEのセカンダリ受信機が756dにおいてアクティブになると、「ウェイクアップ」信号を検出し、UEのプライマリ受信機またはフルモデムのアクティブ化を開始する。「ウェイクアップ」信号がDRX OFF持続時間の終了前に送信される場合、UEは、(たとえば、DRX OFF持続時間タイマーの満了前に)早めにDRX OFF持続時間を終了させる(たとえば、DRX ON持続時間に遷移する)ことができる。UEのプライマリ受信機は762において完全にアクティブ(「ON」)になり、サービング基地局はデータをUEに送信する。サービング基地局は、UEのプライマリ受信機が完全にアクティブになるのに必要とされる時間に関する(たとえば、UEから前に受信された能力メッセージからの)情報を有し、「ウェイクアップ」信号を送信した後、UEへのデータの送信を試みる前に、少なくともその時間期間の間、遅延させる。
【0083】
764において、サービング基地局またはeNBがデータを送信し終えると、サービング基地局またはeNBは、UEにそのプライマリ受信機を低電力状態に戻すよう指示する信号(たとえば、「ゴーアウェイ(go away)」信号)を送信する。764において、UEにそのプライマリ受信機を低電力状態に戻すよう指示する信号をUEが受信すると、UEは、プライマリ受信機を低電力状態に戻し、ULPLモードに戻って遷移する。UEは、DRXモードの構成されたON持続時間766の終了前に、プライマリ受信機を低電力状態に戻すことができる。開示する技法に従って動作するセカンダリ受信機を有するUEへの送信の平均レイテンシは、プライマリ受信機またはフルモデムの電源投入(たとえば、「ランプアップ」)時間を加えたULPL無線期間の半分にほぼ等しくてもよい。
【0084】
図8は、上記で説明したような低電力不連続受信(LP-DRX)を実行するための例示的な動作800を示す。動作800は、たとえば、2つ以上の受信機を有するUEによって実行され得る。動作800は、たとえば、UEが拡張不連続受信(DRX)モードであるときに、UEが第1の受信機を低電力状態にする(たとえば、非アクティブ化されるか、または電源を切断され、100mW未満の電力を消費する)ことによって、802において開始する。上述のように、拡張DRXモードは、遅延耐性デバイスで終端するアプリケーション用に最適化された、現在のシステムにおいて使用されるものよりも長いスリープサイクルを用いて、UEを動作させることを含み得る。804において、UEは、たとえば、第1の受信機が低電力状態である間、第1の受信機を低電力状態から出すようUEに指示する基地局からのシグナリングを、第2の受信機を用いて監視することができる。
【0085】
本開示の態様によれば、ワイヤレスデバイスは、第1のトリガリングイベントに応答して、第1の(たとえば、プライマリ)受信機を低電力状態にすることができる。トリガリングイベントの一例は、
図7を参照しながら上記で説明したように、第1の受信機を低電力状態にするようワイヤレスデバイスに指示する基地局(BS)からのシグナリングを受信することである。トリガリングイベントの第2の例は、タイマー(たとえば、DRX ON持続時間タイマーまたは非アクティビティタイマー)の満了である。
【0086】
本開示の態様によれば、ワイヤレスデバイスは、第2のトリガリングイベントに応答して、第1の(たとえば、プライマリ)受信機を低電力状態から出すことができる。トリガリングイベントの一例は、
図7を参照しながら上記で説明したように、第1の受信機を低電力状態から出すようワイヤレスデバイスに指示する基地局(BS)からのシグナリングを受信することである。トリガリングイベントの第2の例は、タイマー(たとえば、DRX OFF持続時間タイマー)の満了である。
【0087】
図9は、上記で説明したような低電力不連続受信(LP-DRX)を実行するための例示的な動作900を示す。動作900は、たとえば、基地局(BS)またはeNBによって実行され得る。動作900は、たとえば、BSが不連続受信(DRX)パラメータのセットをワイヤレスデバイスにシグナリングすることによって、902において開始し、DRXパラメータは、第1の受信機がアクティブであるDRX ON持続時間と、第1の受信機が低電力状態であるDRX OFF持続時間とを定義する。904において、BSは、たとえば、ワイヤレスデバイスが拡張DRXモードであるときに、第2の受信機による検出のためにDRX OFF持続時間の間に第1のシグナリング(たとえば、ページインジケータ、またはデータインジケータ)をワイヤレスデバイスに送信することができ、第1のシグナリングは、第1の受信機を低電力状態から出すようワイヤレスデバイスに指示する。
【0088】
本開示の態様によれば、BSは、ワイヤレスデバイスが拡張DRXモード(たとえば、
図7および
図8に関して上記で説明したLP-DRXモード)をサポートするという指示を受信し得る。この指示は、たとえば、ワイヤレスデバイスから受信された能力メッセージを介して搬送され得る。そのような能力メッセージは、たとえば、ワイヤレスデバイス初期コンテキストセットアップの間に受信される場合があるか、または、RRC接続セットアップごとに1回送られるかもしくは更新される場合がある。
【0089】
本開示の態様によれば、BSは、第1のトリガリングイベントに応答して、第1のシグナリングをワイヤレスデバイスに送信し得る。そのようなトリガリングイベントの例は、BSがワイヤレスデバイスのためのデータを検出する(たとえば、別のデバイスから受信する)こと、またはBSにおけるタイマーの満了を含む。
【0090】
本開示の態様によれば、BSは、第1の受信機を低電力状態にするようワイヤレスデバイスに指示する第2のシグナリングをワイヤレスデバイスに送信し得る。BSは、第2のトリガリングイベントに応答して、第2のシグナリングを送信し得る。そのようなトリガリングイベントの例は、BSがUEに送信すべきデータを有しない(たとえば、BSがUEへのデータ送信を完了した)とBSが決定すること、またはBSにおけるタイマーの満了を含む。
【0091】
本開示の態様によれば、BSは、第1のシグナリングに使用され得る時間リソースおよび/または周波数リソースをワイヤレスデバイスに示し得る。ワイヤレスデバイスは、拡張DRXモードである間、ワイヤレスデバイスのセカンダリ受信機を使用して、示されたリソースを監視し得る。BSは、ワイヤレスデバイスの能力に関する情報(たとえば、ワイヤレスデバイスからの能力メッセージにおいて受信された情報)に基づいて、時間リソースおよび/または周波数リソースを選択し得る。
【0092】
本開示の態様によれば、BSは、ワイヤレスデバイスがプライマリ受信機をアクティブ化するのに必要とされる時間期間に関するワイヤレスデバイスからの情報を(たとえば、能力メッセージにおいて)受信し得る。BSはこの情報を記憶することができ、BSがワイヤレスデバイスに送るべきデータを有するとき、BSは、ページまたは「ウェイクアップ」信号をワイヤレスデバイスに送るが、少なくともワイヤレスデバイスがプライマリ受信機をアクティブ化するのに必要とされる時間期間の間、ワイヤレスデバイスへの他の送信をスケジュールするのを遅延させることができる。
【0093】
本開示の態様によれば、BSは、ワイヤレスデバイスの低電力発振器の不正確さ(たとえば、ドリフト)に関するワイヤレスデバイスからの情報を(たとえば、能力メッセージにおいて)受信し得る。ワイヤレスデバイスは、プライマリ受信機が非アクティブである間、低電力発振器をクロックとして使用し得る。ワイヤレスデバイスは、発振器の不正確さまたはドリフトの尺度を有し得、その尺度をサービングBSに提供し得る。サービングBSは、いつページング信号または「ウェイクアップ」信号をワイヤレスデバイスに送るべきかを決定する際に、ワイヤレスデバイスの低電力発振器の不正確さに関する情報を利用し得る。サービングBSは、ワイヤレスデバイスの低電力発振器の不正確さに関する情報に基づいて、複数のページング信号または「ウェイクアップ」信号をワイヤレスデバイスに送ることを決定し得る。
【0094】
本開示の態様によれば、BSは、LP-DRXを使用して、ワイヤレスデバイスによって受信されるべき時間指示信号を送信し得る。ワイヤレスデバイスのセカンダリ受信機が受信するように設計された時間指示信号は、周波数および/または変調技法を使用して送信され得る。時間指示信号は、ワイヤレスデバイスのクロックドリフトを補正するために、LP-DRXで動作するワイヤレスデバイスによって受信され、ワイヤレスデバイスによるページング信号または「ウェイクアップ」信号の受信の信頼性を改善し得る。サービングBSは、時間指示信号の送信に基づいてページング信号または「ウェイクアップ」信号の送信をスケジュールし得、ワイヤレスデバイスがBSと時間同期した直後にページング信号をワイヤレスデバイスに送ることは、ワイヤレスデバイスによるページング信号の受信の信頼性を改善し得るので、BSは、ページング信号または「ウェイクアップ」信号を時間指示信号の直後に生じるようにスケジュールする。
【0095】
図10は、上記で説明したような低電力不連続受信(LP-DRX)を実行するための例示的な動作1000を示す。動作1000は、たとえば、ワイヤレスデバイス(たとえば、UE)によって実行され得る。動作1000は、たとえば、ワイヤレスデバイスが、DRX OFF持続時間を開始するようワイヤレスデバイスに指示する第1のシグナリングを受信することによって、1002において開始する。1004において、ワイヤレスデバイスは、たとえば、DRX OFF持続時間の間、受信機を低電力(たとえば、非アクティブ化または電源切断)状態にすることができる。1006において、ワイヤレスデバイスは、たとえば、トリガリングイベント(たとえば、DRX OFF持続時間タイマーの満了)に応答して、受信機を低電力状態から出し、DRX OFF持続時間を終了することができる。
【0096】
本開示の態様によれば、第1のシグナリングは、構成されたDRX ON持続時間内に受信され得る。たとえば、ワイヤレスデバイスは、アクティブ状態の受信機を用いて動作中であり、DRX OFF持続時間を開始するようワイヤレスデバイスに指示するシグナリングを受信する場合がある。本例では、ワイヤレスデバイスは、DRX ON持続時間タイマーの満了または非アクティビティタイマーの満了を待つことなしに、受信機を低電力状態にすることができる。
【0097】
上述のように、拡張DRXモードまたはLP-DRXモードで動作するワイヤレスデバイスがプライマリ受信機をアクティブ化すべきであることを示す信号は、プライマリ受信機が復調するように設計されていない専用の波形を介して送信され得る。そのような専用の波形を使用するシステムでは、ワイヤレスデバイスおよびワイヤレスデバイスのサービングBSは、ワイヤレスデバイスのプライマリ受信機がアクティブであることをBSが期待しているときにワイヤレスデバイスがプライマリ受信機を低電力状態にしないことを保証するように協調すべきである。
【0098】
本開示の態様によれば、ワイヤレスデバイスおよびサービングBSは、ワイヤレスデバイスによるLP-DRXの使用を協調させるためのメッセージを交換し得る。一態様では、ワイヤレスデバイスは、LP-DRXの使用を開始するための要求をワイヤレスデバイスのサービングBSに送信し得、BSは、応答メッセージにおいて、要求を受け入れるかまたは拒否し得る。要求を受け入れる応答メッセージにおいて、サービングBSは、LP-DRXを実行する際にワイヤレスデバイスによって使用されるべきパラメータ(たとえば、LP-DRX ON持続時間、LP-DRXサイクル長、BSからのページングシグナリングまたは「ウェイクアップ」シグナリングについてUEによって監視されるべき時間リソースおよび/または周波数リソース)を含み得る。代替的に、サービングBSは、LP-DRXパラメータを搬送する別個のメッセージをワイヤレスデバイスに送ることができる。要求を拒否する応答メッセージにおいて、サービングBSは、別のLP-DRX要求を行う前に待つ時間期間および/または、標準のDRXサイクルのためのパラメータを含む、標準のDRXサイクルに入る(たとえば、ワイヤレスデバイスがワイヤレスデバイスのプライマリ受信機をアクティブ化および非アクティブ化する)ためのコマンドをワイヤレスデバイスに示し得る。
【0099】
本開示の別の態様では、サービングBSは、ワイヤレスデバイスがLP-DRXの使用を開始するための要求を送信し得る。要求メッセージは、LP-DRXを実行する際にワイヤレスデバイスによって使用されるべきLP-DRXパラメータ(たとえば、LP-DRX ON持続時間、LP-DRXサイクル長、BSからのページングシグナリングまたは「ウェイクアップ」シグナリングについてワイヤレスデバイスによって監視されるべき時間リソースおよび/または周波数リソース)を含み得るか、または、サービングBSは、要求の受入れをワイヤレスデバイスから受信した後に、LP-DRXパラメータをワイヤレスデバイスに送ることができる。この態様では、ワイヤレスデバイスは、LP-DRXの使用を開始し、受入れメッセージをBSに送ることが必要とされ得るか、または、代替的に、ワイヤレスデバイスは、要求を拒絶し、ワイヤレスデバイスが要求を受け入れたか拒絶したかに基づいて受入れまたは拒否メッセージを送ることが許可され得る。
【0100】
本開示の態様によれば、ワイヤレスデバイスは、ワイヤレスデバイスがLP-DRX動作をサポートすることをワイヤレスデバイスのサービング基地局(たとえば、eNB)に示す信号を送ることができる。たとえば、ワイヤレスデバイスは、初期ワイヤレスデバイスコンテキストセットアップの間、ワイヤレスデバイスがLP-DRX動作をサポートすることをワイヤレスデバイスのサービング基地局に示す能力メッセージを送ることができる。ワイヤレスデバイスはまた、各RRC接続セットアップにおいて能力メッセージを送ることができる。能力メッセージは、周波数(たとえば、周波数帯域、キャリア周波数)、変調技法(たとえば、オンオフキーイング、ASK、FSK)、および/またはワイヤレスデバイスのプライマリ受信機が低電力状態である間にシグナリングを監視するためのワイヤレスデバイスの能力に関する他の情報を示し得る。能力メッセージはまた、ワイヤレスデバイスがプライマリ受信機をアクティブ化するのに必要とされる時間期間および/またはワイヤレスデバイスの低電力(たとえば、1mW未満を消費する)発振器の正確さ(たとえば、内部クロックの正確さ)の尺度を示し得る。
【0101】
本開示の態様によれば、上述のように、拡張DRXモードまたはLP-DRXモードで動作するワイヤレスデバイスがワイヤレスデバイスのプライマリ受信機をアクティブ化すべきであることを示す信号は、プライマリ受信機が復調するように設計された波形(たとえば、OFDM波形)を介して(たとえば、サービングBSによって)送信され得る。そのような波形を使用するシステムでは、ワイヤレスデバイスおよびワイヤレスデバイスのサービングBSは、ワイヤレスデバイスによる拡張DRXモードまたはLP-DRXモードの使用を協調させることが必要とされない場合がある。ワイヤレスデバイスは、プライマリ受信機またはセカンダリ受信機のいずれかを有するワイヤレスデバイスのためのデータをBSが有することを示す信号を受信することができるので、この協調が必要ではない場合がある。ワイヤレスデバイスおよびサービングBSは、ワイヤレスデバイスによる拡張DRXモードまたはLP-DRXモードの使用を協調させることが必要とされないので、ワイヤレスデバイスは、サービングBSの動作に影響を及ぼすことなしに、どちらの受信機を使用するかを決定することができる。
【0102】
本開示の態様によれば、2つの受信機を有するワイヤレスデバイスは、第1の受信機もしくは第2の受信機の感度またはワイヤレスデバイスの現在のカバレージ状態に基づいて、どちらの受信機を使用すべきかを決定し得る。たとえば、ワイヤレスデバイスの低電力またはセカンダリ受信機がワイヤレスデバイスのプライマリ受信機よりも悪い感度を有する場合、ワイヤレスデバイスがワイヤレスデバイスのサービングBSからの劣悪なカバレージにある場合、および/またはセカンダリ受信機の性能を損なう他のRF干渉がある場合、ワイヤレスデバイスは、プライマリ(たとえば、全電力)受信機のみを使用することを決定し得る。
【0103】
本開示の態様によれば、2つの受信機を有するワイヤレスデバイスは、ワイヤレスデバイスによって電力を節約する必要、1つもしくは複数のアプリケーションのレイテンシの必要、またはトラフィックパターン学習に基づいて、どちらの受信機を使用すべきかを決定し得る。たとえば、トラフィックパターンが、DRXサイクルごとに全電力受信機がウェイクアップされる(たとえば、各DRXサイクルにおいてデータを受信する)可能性が非常に高いようなものであるとワイヤレスデバイスが決定した場合、ワイヤレスデバイスは、全電力受信機のみを使用することを決定し得る。
【0104】
図11は、上記で説明したような低電力不連続受信(LP-DRX)を実行するための例示的な動作1100を示す。動作1100は、たとえば、基地局(BS)またはeNBによって実行され得る。動作1100は、たとえば、BSが不連続受信(DRX)パラメータのセットをワイヤレスデバイスにシグナリングすることによって、1102において開始する。1104において、BSは、たとえば、DRX OFF持続時間を開始し、DRX OFF持続時間の間に受信機を低電力状態にするようワイヤレスデバイスに指示する第1のシグナリングを送信し得る。
【0105】
本開示の態様によれば、BSは、構成されたDRX ON持続時間の間に第1のシグナリングを送信し得る。たとえば、ワイヤレスデバイスは、アクティブ状態の受信機を用いて動作中であり得、BSは、DRX OFF持続時間を開始するようワイヤレスデバイスに指示する第1のシグナリングを送信し得る。本例では、ワイヤレスデバイスは、DRX ON持続時間タイマーの満了または非アクティビティタイマーの満了を待つことなしに、受信機を低電力状態にすることができる。
【0106】
図12は、プライマリ受信機およびセカンダリ受信機を有し、本明細書で提供する態様に従って動作することが可能なワイヤレスデバイス1200において利用され得る様々な構成要素を示す。ワイヤレスデバイス1200は、たとえば、
図1に示すUE110の一実装形態であり得る。
【0107】
ワイヤレスデバイス1200は、ワイヤレスデバイス1200の動作を制御する1つまたは複数のプロセッサ1204を含み得る。プロセッサ1204は、中央処理ユニット(CPU)と呼ばれることもある。プロセッサ1204は、本明細書で説明する方法(たとえば、
図8および
図10を参照しながら上記で説明した方法)を実行するか、またはその実行を指示し得る。読取り専用メモリ(ROM)とランダムアクセスメモリ(RAM)の両方を含み得るメモリ1206は、命令およびデータをプロセッサ1204に提供する。メモリ1206の一部分は、不揮発性ランダムアクセスメモリ(NVRAM)も含み得る。プロセッサ1204は、通常、メモリ1206内に記憶されたプログラム命令に基づいて論理演算および算術演算を実行する。メモリ1206における命令は、本明細書で説明する方法(たとえば、
図8および
図10を参照しながら上記で説明した方法)を実装するように実行可能であり得る。
【0108】
ワイヤレスデバイス1200は、無線機1210および1212も含み得る。一方の無線機はプライマリ受信機を含み得るが、他方の無線機はセカンダリ受信機を含み得る。各無線機は、たとえば、送信機および受信機、ならびにワイヤレスデバイス1200とBSとの間のデータの送信および受信を可能にする任意の他の「RFチェーン」構成要素を含み得る。単に一例として、2つの無線機が示されているが、(たとえば、3つ以上のRATをサポートするために)3つ以上の無線機が含まれ得る。各無線機は、単一または複数のアンテナ1216を介して通信し得る。
【0109】
ワイヤレスデバイス1200は、トランシーバ1214によって受信された信号のレベルを検出および定量化するために使用され得る信号検出器1218も含み得る。信号検出器1218は、総エネルギー、シンボルあたりのサブキャリアあたりのエネルギー、電力スペクトル密度、および他の信号などの信号を検出し得る。ワイヤレスデバイス1200は、信号を処理する際に使用するためのデジタル信号プロセッサ(DSP)1220も含み得る。
【0110】
図13は、本開示の態様による、プライマリ受信機およびセカンダリ受信機を有するワイヤレスデバイスとの通信に参加することが可能な基地局1300において利用され得る様々な構成要素を示す。基地局1300は、たとえば、
図1に示すeNB122または基地局132の一実装形態であり得る。
【0111】
基地局1300は、基地局1300の動作を制御する1つまたは複数のプロセッサ1304を含み得る。プロセッサ1304は、中央処理ユニット(CPU)と呼ばれることもある。プロセッサ1304は、本明細書で説明する方法(たとえば、
図9および
図11を参照しながら上記で説明した方法)を実行するか、またはその実行を指示し得る。読取り専用メモリ(ROM)とランダムアクセスメモリ(RAM)の両方を含み得るメモリ1306は、命令およびデータをプロセッサ1304に提供する。メモリ1306の一部分は、不揮発性ランダムアクセスメモリ(NVRAM)も含み得る。プロセッサ1304は、通常、メモリ1306内に記憶されたプログラム命令に基づいて論理演算および算術演算を実行する。メモリ1306における命令は、本明細書で説明する方法(たとえば、
図9および
図11を参照しながら上記で説明した方法)を実装するように実行可能であり得る。
【0112】
基地局1300は、たとえば、1つまたは複数のRATを介してUEと通信するために、1つまたは複数の無線機1310も含み得る。各無線機は、たとえば、送信機および受信機、ならびに基地局1300と異なるUEとの間のデータの送信および受信を可能にする任意の他の「RFチェーン」構成要素を含み得る。各無線機は、単一または複数のアンテナ1316を介して通信し得る。基地局1300は、(たとえば、X2バックホール接続を介して)他の基地局と、または(たとえば、S1接続を介して)コアネットワークと通信するためのインターフェース1312も含み得る。
【0113】
基地局1300は、トランシーバ1314によって受信された信号のレベルを検出および定量化するために使用され得る信号検出器1318も含み得る。信号検出器1318は、総エネルギー、シンボルあたりのサブキャリアあたりのエネルギー、電力スペクトル密度、および他の信号などの信号を検出し得る。基地局1300は、信号を処理する際に使用するためのデジタル信号プロセッサ(DSP)1320も含み得る。
【0114】
図14は、本開示の態様による、LP-DRXを実行するUE1200とUEにサービスするeNB1300との間の例示的な呼フロー1400を示す。呼フローは、UEがLP-DRXを実行することが可能であることを示す能力メッセージをUEがeNBに送ることで、1402において開始する。上記で説明したように、能力メッセージは、たとえば、UEのセカンダリ受信機が受信することができる周波数帯域に関する情報、UEのセカンダリ受信機が復調することができる変調技法、およびUEがUEのプライマリ受信機をアクティブ化するために必要な時間期間を含み得る。eNBは、UEから受信された能力情報を記憶する。1404において、eNBはダウンリンクデータをUEに送信し得る。1406において、eNBはLP-DRXパラメータのセットをUEに送信する。LP-DRXパラメータの送信は、UEへのデータ送信の前、後、または間に行われ得る。1408において、eNBはUEへのデータ送信を完了しており、直ちにLP-DRXに入るようUEにシグナリングする。1410において、UEはLP-DRXに入るためのコマンドに肯定応答(ACK)する。eNBからのコマンドに肯定応答した後、UEは任意のDRX ON持続時間を終了(すなわち、DRX ON持続時間タイマーを終了)し、プライマリ無線機(たとえば、プライマリ受信機)を低電力状態にし、UEのセカンダリ無線機(たとえば、セカンダリ受信機)を周期的にアクティブ化することを開始する。UEは、1414、1418、および図示されていない他の時間においてセカンダリ無線機をアクティブ化する。UEは、1416、1420などにおいてセカンダリ無線機を非アクティブ化する。
【0115】
1422において、eNBは、UEに配信するためのトラフィック(たとえば、データ)を取得する。eNBは、トラフィックを配信する機会を待っている間、トラフィックをバッファ内に保持する。1424において、eNBは、eNBによって記憶されたUEのLP-DRXサイクルについての情報(たとえば、LP-DRXサイクルが開始した時間、LP-DRXサイクル長、LP-DRX ON持続時間)に基づいて、UEのセカンダリ無線機がアクティブであり得ることを決定し、UEのセカンダリ無線機によって受信されるべき「ウェイクアップ」信号を送信する。1426において、UEはUEのセカンダリ無線機をアクティブ化しており、1424においてeNBによって送信された「ウェイクアップ」信号を検出する。UEは、「ウェイクアップ信号」を検出したことに応答して、UEのプライマリ無線機をアクティブ化することを開始する。1428において、UEは、UEのプライマリ無線機のアクティブ化を完了しており、DRX ON持続時間タイマーを開始し得る。
【0116】
eNBは、UEがUEのプライマリ受信機をアクティブ化するために必要な時間期間に関する情報を有し、1424において「ウェイクアップ」信号を送信した後、少なくともその時間期間の間、UEのプライマリ無線機の送信をスケジュールするのを遅延させる。1430において、eNBは、時間期間が経過したと決定し、トラフィックをUEに送信する。1432において、eNBは、UEへのデータ送信を完了しており、早めにLP-DRXに入るようUEにシグナリングする。前述のように、1434において、UEはコマンドに肯定応答し、1436において、UEは任意のDRX ON持続時間を終了(すなわち、DRX ON持続時間タイマーを終了)し、プライマリ無線機(たとえば、プライマリ受信機)を低電力状態にし、UEのセカンダリ無線機(たとえば、セカンダリ受信機)を周期的にアクティブ化することを開始する。UEは1438などにおいてセカンダリ無線機をアクティブ化し、UEは1440などにおいてセカンダリ無線機を非アクティブ化する。
【0117】
開示したプロセスにおけるステップの特定の順序または階層は、例示的な手法の例示であることを理解されたい。設計上の選好に基づいて、プロセスにおけるステップの特定の順序または階層は再構成されてもよいことを理解されたい。さらに、いくつかのステップは、組み合わされるか、または省略される場合がある。添付の方法クレームは、様々なステップの要素を例示的な順序で提示したものであり、提示された特定の順序または階層に限定されるものではない。
【0118】
さらに、「または」という用語は、排他的な「または」ではなく、包括的な「または」を意味するものとする。すなわち、別段に規定されていない限り、または、文脈から明らかでない限り、たとえば、「XはAまたはBを使用する」という句は、自然包括的並べ替えのいずれかを意味するものとする。すなわち、たとえば、「XはAまたはBを使用する」という句は、以下の例のいずれかによって満足される。XはAを使用する。XはBを使用する。XはAとBの両方を使用する。加えて、本出願および添付の特許請求の範囲で使用する冠詞「a」および「an」は、別段に規定されていない限り、または単数形を対象とすることが文脈から明らかでない限り、概して「1つまたは複数の」を意味するものと解釈されるべきである。項目のリスト「のうちの少なくとも1つ」に言及する句は、単一のメンバーを含むそれらの項目の任意の組合せを指す。一例として、「a、b、またはcのうちの少なくとも1つ」は、a、b、c、a-b、a-c、b-c、およびa-b-cを包含するものとする。
【0119】
前述の説明は、いかなる当業者も本明細書で説明する様々な態様を実践できるようにするために提供される。これらの態様に対する様々な修正は、当業者に容易に明らかになり、本明細書で定義した一般原理は、他の態様に適用され得る。したがって、特許請求の範囲は、本明細書に示す態様に限定されるものではなく、文言通りの特許請求の範囲と一致するすべての範囲を与えられるべきであり、単数形の要素への言及は、そのように明記されていない限り、「唯一無二の」ではなく、「1つまたは複数の」を意味するものとする。別段に明記されていない限り、「いくつかの」という用語は、1つまたは複数を指す。当業者に知られているか、または後で当業者に知られることになる、本開示全体にわたって説明する様々な態様の要素のすべての構造的および機能的等価物は、参照により本明細書に明確に組み込まれ、特許請求の範囲によって包含されるものとする。さらに、本明細書で開示するものは、そのような開示が特許請求の範囲において明示的に列挙されているかどうかにかかわらず、公に供されるものではない。いかなるクレーム要素も、要素が「ための手段」という句を使用して明確に列挙されていない限り、ミーンズプラスファンクションとして解釈されるべきではない。