(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従って、本発明で取り組む問題は、布地の通気性を保持するのと同時に、著しくかつ永続的に撥水性の手段として、異なる布地に含浸することが可能である有機ポリシロキサンを含んでなる組成物を布地に含浸し、適用中に水素を放出せず、かつ環境に優しい方法を提供することであった。
本問題は、本発明によって解消される。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、式:
R
13SiO[SiR
1(OR
2)O]
x[SiR
12O]
y[SiR
1R
3O]
zSiR
13 (I)
(式中、
R
1はそれぞれ、同一又は異なり、かつ場合により置換されたC
1〜C
7の炭化水素部分を表し、
R
2はそれぞれ、同一又は異なり、かつ水素原子又はC
1〜C
6の炭化水素部分を表し、
R
3はそれぞれ、同一又は異なり、かつC
8〜C
30の炭化水素部分を表し、
xは、1以上、好ましくは5以上、より好ましくは10以上、かつ
1000以下、好ましくは100以下、より好ましくは50以下の整数を表し、
yは、0以上、かつ100以下、好ましくは50以下、より好ましくは10以下の整数を表し、
zは、0以上、好ましくは5以上、より好ましくは10以上、かつ
1000以下、好ましくは100以下、より好ましくは50以下の整数を表すが、
ただし、全てのシロキサンユニットのx+y+zの合計に基づいて、
10mol%以上、好ましくは30mol%以上、かつ
100mol%以下、好ましくは70mol%以下
の量
のxユニット[SiR1(OR2)O]、
0mol%以上、かつ90mol%以下、好ましくは50mol%以下
の量
のyユニット[SiR12O]、及び
0mol%以上、好ましくは20mol%以上、かつ
90mol%以下、好ましくは70mol%以下
の量
のzユニット[SiR1R3O]が存在する)
のアルコキシポリシロキサン(A)を含んでなる組成物を布地に含浸する方法を提供する。
【0009】
それぞれ、yが0を表し、かつzが1以上の整数を表す式(I)のアルコキシポリシロキサン(A)を使用することが好ましい。
【0010】
従って、式:
R
13SiO[SiR
1(OR
2)O]
x’[SiR
1R
3O]
z’SiR
13 (II)
(式中、
R
1、R
2及びR
3は、それぞれ上記で定義された通りであり、
x’は、1以上、好ましくは5以上、より好ましくは10以上、かつ
1000以下、好ましくは100以下、より好ましくは50以下の整数を表し、
z’は、1以上、好ましくは5以上、より好ましくは10以上、かつ
1000以下、好ましくは100以下、より好ましくは50以下の整数を表すが、
ただし、全てのシロキサンユニットのx’+z’の合計に基づいて、
10mol%以上、好ましくは20mol%以上、より好ましくは30mol%以上、かつ
95mol%以下、好ましくは80mol%以下、より好ましくは70mol%以下
の量のx’ユニット[SiR
1(OR
2)O]、
5mol%以上、好ましくは20mol%以上、より好ましくは30mol%以上、かつ
90mol%以下、好ましくは80mol%以下、より好ましくは70mol%以下
の量のz’ユニット[SiR
1R
3O]が存在する)
のアルコキシポリシロキサン(A)を使用することが好ましい。
【0011】
その結果、本発明は、式:
R
13SiO[SiR
1(OR
2)O]
x’[SiR
1R
3O]
z’SiR
13 (II)
(式中、
R
1、R
2及びR
3は、それぞれ上記で定義された通りであり、
x’は、1以上、好ましくは5以上、より好ましくは10以上、かつ
1000以下、好ましくは100以下、より好ましくは50以下の整数を表し、
z’は、1以上、好ましくは5以上、より好ましくは10以上、かつ
1000以下、好ましくは100以下、より好ましくは50以下の整数を表すが、
ただし、全てのシロキサンユニットのx’+z’の合計に基づいて、
10mol%以上、好ましくは20mol%以上、より好ましくは30mol%以上、かつ
95mol%以下、好ましくは80mol%以下、より好ましくは70mol%以下
の量のx’ユニット[SiR
1(OR
2)O]、
5mol%以上、好ましくは20mol%以上、より好ましくは30mol%以上、かつ
90mol%以下、好ましくは80mol%以下、より好ましくは70mol%以下
の量のz’ユニット[SiR
1R
3O]が存在する)
のアルコキシポリシロキサン(A)を含んでなる組成物を提供する。
【0012】
式(I)及び(II)のアルコキシポリシロキサン(A)は、10mol%まで、好ましくは5mol%までの式:R
1SiO
3/2のユニット、及び10mol%まで、好ましくは5mol%までのSiに結合した式:−O−R
2の基を有する末端シロキサンユニットを含んでも良い(式中、R
1及びR
2は、それぞれ上記で定義された通りである)。これらのシロキサンユニットは望まれていないが、ほとんど避けられない副反応によって、アルコキシポリシロキサンの合成の過程において形成される。
【発明を実施するための形態】
【0013】
アルコキシポリシロキサン(A)として使用されるアルコキシポリシロキサンは、1つのアルコキシポリシロキサン又は2以上のアルコキシポリシロキサンの混合物であっても良い。
【0014】
アルコキシポリシロキサン又はアルコキシポリシロキサンの混合物(A)は、好ましくは25℃で液体であり、かつ好ましくは10〜100000mPa・s(25℃)、より好ましくは100〜10000mPa・s(25℃)の粘度を有するか、又は好ましくは30〜100℃、より好ましくは30〜70℃の融点を有する固体物質である。
【0015】
1〜7個の炭素原子を有する炭化水素部分R
1の例は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、1−n−ブチル、2−n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、tert−ペンチルなどのアルキル部分;n−ヘキシルなどのヘキシル部分;n−ヘプチルなどのヘプチル部分;シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル及びメチルシクロヘキシルなどのシクロアルキル部分;ビニル、1−プロペニル及び2−プロペニルなどのアルケニル部分;フェニル部分などのアリール部分;o−、m−、p−トリル部分などのアルカリル部分;並びにベンジル部分などのアラルキル部分である。
【0016】
置換された部分R
1の例は、ハロゲン、シアノ、グリシドキシ、ポリアルキレン、グリコール又はアミノ基で置換された部分、例えば、トリフルオロプロピル、シアノエチル、グリシドキシプロピル、ポリアルキレングリコールプロピル及びアミノ含有炭化水素部分である。
【0017】
部分R
1は、1〜4個の炭素原子を有する炭化水素部分又はフェニル部分、好ましくはC
1〜C
4のアルキル部分又はフェニル部分、より好ましくはメチル部分であることが好ましい。
【0018】
部分R
2の例は、水素原子、及び1〜6個の炭素原子、好ましくは2〜4個の炭素原子のアルキル部分である。
【0019】
10〜20個の炭素原子を有する炭化水素部分であるR
3部分を使用することが好ましい。
部分R
3の例は、i−ドデシル、n−ドデシル、n−テトラデシル、nヘキサデシル及びn−オクタデシル部分などの12〜18個の炭素原子のアルキル部分である。
【0020】
アルコキシポリシロキサン(A)は、例えば、米国特許登録公報第2003/0180624A号、日本特許公開公報第2004067561A号、国際公開公報第2014/099497A2号、又はTitvinidze et al.,Oxidation Communications 37(2014),372において記載されたような公知の方法によって製造する。
【0021】
本発明の組成物は、アルコキシポリシロキサン(A)に加えて、更なる構成要素を含んでも良い。更なる構成要素の例は、乳化剤(B)、水(C)、触媒(D)、有機溶媒(E)、及び更なる成分(F)である。
【0022】
有効な触媒は(D)は、アルコキシシロキサンの加水分解及び/又は縮合を促進する公知の任意の触媒、好ましくはアルカリ性水酸物、アミン、グアニジン及びスズ、亜鉛、ジルコニウム又はチタンの化合物を含む。
【0023】
触媒(D)は、100部のアルコキシポリシロキサン(A)あたり0.01〜1部の量を使用することが好ましい。触媒は、適用時にのみ添加することが好ましい。
【0024】
本発明の1つの実施形態において、本発明のアルコキシポリシロキサン(A)は、有機溶媒(E)中の溶質である。本溶液は、触媒(D)を含んでも良い。
【0025】
本発明により使用されるアルコキシポリシロキサン(A)のための有機溶媒(E)の典型的な例は、ペンタン、n−ヘキサン、ヘキサン異性体混合物、ヘプタン、オクタン、ナフサ、石油エーテル、ベンゼン、トルエン及びキシレンなどの炭化水素;ジクロロメタン、トリクロロメタン、テトラクロロメタン、1,2−ジクロロエタン及びトリクロロエチレンなどのハロゲン化炭化水素;メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−アミルアルコール及びi−アミルアルコールなどのアルコール;アセトン、メチルエチルケトン、ジイソプロピルケトン及びメチルイソブチルケトン(MIBK)などのケトン;エチルアセテート、ブチルアセテート、プロピルプロピオネート、エチルブチレート及びエチルイソブチレートなどのエステル;テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル及びジエチレングリコールジメチルエーテルなどのエーテル;又はそれらの混合物である。
【0026】
有機溶媒(E)を使用する際は、アルコキシポリシロキサン(A)100重量部あたり100〜10000重量部の量を使用することが好ましい。
【0027】
本発明の更なる実施形態において、本発明の組成物は、本発明のアルコキシポリシロキサン(A)、乳化剤(B)及び水(C)を含んでなる水性エマルジョンである。
【0028】
乳化剤(B)は、全てのアルコキシポリシロキサン(A)100重量部に基づいて、好ましくは1〜60重量部、より好ましくは2〜30重量部の量を使用する。
【0029】
公知の全タイプの乳化剤が、本発明の方法に使用可能である。それらは、例えば、アニオン性、カチオン性、非イオン性及び両性の乳化剤、保護コロイド、及びエマルジョンを安定にする粒子を含む。
【0030】
エマルジョンの構成要素(B)を用いる関連では、商業的に利用可能な乳化剤、例えば、10〜22個の炭素原子を有する脂肪酸のソルビタンエステル;10〜22個の炭素原子及び35パーセントまでのエチレンオキシド含有量を有する脂肪酸のポリオキシエチレンソルビタンエステル;10〜22個の炭素原子を有する脂肪酸のポリオキシエチレンソルビトールエステル;芳香族上に6〜20個の炭素原子及び95パーセントまでのエチレンオキシド含有量を有するフェノールのポリオキシエチレン誘導体;10〜22個の炭素原子を有するアミドベタイン及び脂肪族アミノベタイン;8〜22個の炭素原子及び95パーセントまでのエチレンオキシド含有量を有する脂肪酸又は脂肪族アルコールのポリオキシエチレン縮合物;アルキル基中に6〜20個の炭素原子を有するアルキルアリールスルホネートなどのイオン性乳化剤;8〜22個の炭素原子を有する脂肪酸せっけん;8〜22個の炭素原子を有する脂肪族サルフェート;10〜22個の炭素原子を有するアルキルスルホネート;ジアルキルスルホサクシネートのアルカリ金属塩;10〜22個の炭素原子を有する脂肪族アミンオキシド;6〜20個の炭素原子を有する脂肪族イミダゾリン;10〜22個の炭素原子を有する脂肪族アミドスルホベタイン;10〜22個の炭素原子を有する脂肪族アンモニウム化合物などの4級エマルジョン;10〜22個の炭素原子を有する脂肪族モルホリンオキシド;10〜22個の炭素原子及び95パーセントまでのエチレンオキシドを有するカルボキシル化エトキシ化アルコールのアルカリ金属塩;10〜22個の炭素原子及び95パーセントまでのエチレンオキシドを有するグリコール脂肪酸モノエステルのエチレンオキシド縮合物;10〜22個の炭素原子を有する脂肪酸モノ−又はジエタノールアミド;エチレンオキシドユニット及び/又はプロピレンオキシドユニットを有するアルコキシル化シリコーン乳化剤;アルキルホスフェート、並びにそれらの塩であることが好ましい。
【0031】
乳化剤の分野で公知であるように、アニオン性乳化剤の場合の対イオンは、アルカリ金属イオン、アンモニア又はテトラメチルアミン若しくはテトラエタノールアミンなどの置換されたアミンのアンモニウムイオンであっても良い。通常、アンモニウム、ナトリウム及びカリウムイオンが好ましい。カチオン性乳化剤の場合において、対イオンは、ハライド、サルフェート又はメトサルフェートである。クロリドが、大抵は、工業的に利用可能である化合物である。
【0032】
エマルジョンの例は、デシルアミノベタイン;ココアミドスルホベタイン;オレイルアミドベタイン;ココイミダゾリン;ココスルホイミダゾリン;セチルイミダゾリン;1−ヒドロキシエチル−2−ヘプタデセニル−イミダゾリン;n−ココモルホリンオキシド;デシルジメチルアミンオキシド;ココアミドジメチルアミンオキシド;エチレンオキシドの縮合基を有するソルビタントリステアレート;エチレンオキシドの縮合基を有するソルビタントリオレート;ナトリウム又はカリウムドデシルサルフェート;ナトリウム又はカリウムステアリルサルフェート;ナトリウム又はカリウムドデシルベンゼンスルホネート;ナトリウム又はカリウムステアリルスルホネート;ドデシルサルフェートのトリエタノールアミン塩;トリメチルドデシルアンモニウムクロリド;トリメチルステアリルアンモニウムメトサルフェート;ナトリウムラウレート;ナトリウム又はカリウムミリステート、ジ−n−ブチルホスフェート、ジ−n−ヘキシルホスフェート、モノ−n−オクチルホスフェート、ジ−n−オクチルホスフェート、モノ−2−エチルヘキシルホスフェート、ジ−2−エチルヘキシルホスフェート、モノ−i−ノニルホスフェート、ジ−i−ノニルホスフェート、モノ−n−デシルホスフェート、n−オクチルn−デシルホスフェート、ジ−n−デシルホスフェート、モノイソトリデシルホスフェート、ジ−n−ノニルフェニルホスフェート、モノオレイルホスフェート及びジステアリルホスフェート;モノ−n−オクチルホスフェート、ジ−n−オクチルホスフェート、モノ−n−デシルホスフェート、n−オクチルn−デシルホスフェート、ジ−n−デシルホスフェート、200個のエチレングリコールユニットを有するエトキシ化ヒマシ油、40個のエチレングリコールユニットを有するエトキシ化ヒマシ油及び200個のエチレングリコールユニットを有するエトキシ化水素化ヒマシ油、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンステアレート(ポリソルベート60)、ポリオキシエチレン(20)ソルビタントリステアレート(ポリソルベート65)、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンオレート(ポリソルベート80)及びポリオキシエチレン(20)ソルビタンラウレート(ポリソルベート20)、式:i−C
13H
27−O−(CH
2CH
2O)
10−H、C
16H
33−O−(CH
2CH
2O)
4−H、C
16H
33−O−(CH
2CH
2O)
20−H、C
16H
33−O−(CH
2CH
2O)
25−H、C
18H
37−O−(CH
2CH
2O)
4−H、C
18H
37−O−(CH
2CH
2O)
20−H、C
18H
37−O−(CH
2CH
2O)
25−H、C
18H
35−O−(CH
2CH
2O)
20−H、C
12H
23−O−(CH
2CH
2O)
4−H、C
12H
23−O−(CH
2CH
2O)
23−H、C
16H
33−CH
2−C(O)−O−(CH
2CH
2O)
20−H、C
16H
33−CH
2−C(O)−O−(CH
2CH
2O)
30−H、C
16H
33−CH
2−C(O)−O−(CH
2CH
2O)
40−H、及びC
16H
33−CH
2−C(O)−O−(CH
2CH
2O)
100−Hの化合物である。
【0033】
構成要素(B)は、1つの乳化剤又は2以上の乳化剤の混合物からなっても良い。
【0034】
1つの好ましい実施形態において、成分(B)は、50wt%超の非イオン性乳化剤を含んでなり、そしてより好ましくは75wt%超の非イオン性乳化剤を含んでなる。
【0035】
本発明のエマルジョンに含まれる非イオン性乳化剤(B)は、10〜17、好ましくは11〜15の平均HLB値を有することが好ましい。
【0036】
HLB値は、乳化剤の親水性基と疎水性基との間での釣り合いを意味する。HLB値の定義、及びまた、それを定量する方法は当業者に公知であり、かつ、例えば、the Journal of Colloid and Interface Science 298(2006),441−450、及びまた、そこに引用されている文献、特に引用[23]に記載されている。
【0037】
乳化に有効な保護コロイドは、例えば、ポリビニルアルコール、並びにメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース及びカルボキシメチルセルロースなどのセルロースエーテルを含む。
【0038】
エマルジョンを安定にするための有効な粒子は、例えば、部分的に水素化コロイドシリカを含む。
【0039】
成分(A)、(B)、(C),(D)及び(E)に加えて、シリコーンエマルジョンに習慣的に添加される任意の更なる物質(F)を使用することが可能であり、その例は、アルコキシポリシロキサン(A)以外の更なるシロキサン、例えばポリエーテルシロキサン、シラン、特にアルコキシシラン、増粘剤、及び/又は保護コロイド、充填剤、並びに、添加剤、例えば、防腐剤、殺菌剤、湿潤剤、腐食防止剤、染料、及び香水である。
【0040】
本発明の方法が、乳化剤(B)に加えて成分(F)として増粘剤及び/又は保護コロイドを利用する際に、関連としては、アクリル酸共重合体、セルロースエーテル、及び多糖、例えば、キサンタンガムを用いることが好ましい。
【0041】
増粘剤及び/又は保護コロイド(F)を使用する際に、当該量は、アルコキシポリシロキサン(A)100重量部に基づいて、0.01〜2重量部であることが好ましい。
【0042】
本発明による有効な添加剤(F)の例は、例えば、従来の防腐剤、染料/香水、特に、メチルイソチアゾリノン、クロロメチルイソチアゾリノン、ベンジルイソチアゾリノン、フェノキシメタノール、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、ブチルパラベン、イソブチルパラベン、アルカリ金属ベンゾエート、アルカリ金属ソルベート、ヨードプロピニルブチルカルバメート、ベンジルアルコール及び2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオールなどの防腐剤を含む。
【0043】
添加剤(F)を使用する際に、当該量は、アルコキシポリシロキサン(A)100重量部に基づいて、0.0005〜2重量部であることが好ましい。本発明の方法は、添加剤(F)、特に防腐剤を利用することが好ましい。
【0044】
本発明の乳化剤は、DIN EN ISO 3251で測定した時に、好ましくは1〜80wt%、より好ましくは30〜70wt%の非揮発分を有する。
【0045】
本発明による乳化剤のpHは、好ましくは3〜10の範囲内、そしてより好ましくは6〜8の範囲内である。
【0046】
水(C)としては、エマルジョンを製造するために今までにも使用されたような任意のタイプの水を使用しても良い。
【0047】
水(C)としては、部分的な又は完全なイオンフリー水、蒸留若しくは(繰り返しの)再蒸留水、医療用の水、又は製薬目的、例えば浄化水(Pharm.Eur.の通りの精製水)を使用することが好ましい。
【0048】
水(C)が本発明において使用される場合は、全て、25℃及び1010hPaにおいて、50μS/cm未満、好ましくは10μS/cm未満、より好ましくは1.3μS/cm未満の伝導度を有することが好ましい。
【0049】
水性エマルジョンの形成において、本発明の組成物を製造するための有効な混合及び均質化ツールは、様々な様式における従来の任意の乳化機器、例えば、高速撹拌機、ディソルバーディスク、動静翼ホモジナイザー、超音波ホモジナイザー及び高圧ホモジナイザーを含む。また、大きな粒子が要求される際は、低速撹拌機も適切である。
【0050】
水性エマルジョンの形成において、本発明の組成物を製造するためのプロセスは、連続式、半連続式又はバッチ式で操作しても良い。
【0051】
水性エマルジョンの形成において、本発明の組成物を製造するために、全ての成分は、撹拌機及び/又は動静翼ホモジナイザーの円周速度が、好ましくは5m/sを上回って、より好ましくは10m/sを上回って、そして特に5〜50m/sの範囲である場合に、撹拌及び/又は均質化、例えば、要求される任意の手順によって共に混合しても良い。
【0052】
成分(A)、(B)、(C)、及び場合により(F)を含んでなる水性エマルジョンの形成において、本発明の組成物は、高粘性、非流動性のペーストを形成するために、成分(C)の一部と他の成分との第一の混合によって製造することが好ましい。このペースト状プレ混合物の降伏限界(DIN 53019−1及びそこに引用されている標準に相当する)は、100Pa(25℃)超、特に1000Pa(25℃)超であることが特に好ましい。その次に、このペースト状プレ混合物を、所望の粒径に達するまで、せん断エネルギーの作用によって均質化し、かつ流動性エマルジョンを形成するために撹拌及び/又は均質化の下で水(C)を用いて希釈することが好ましい。
本発明のエマルジョンは、水(C)を、全ての成分(A)100重量部に基づいて、好ましくは50重量部超含んでなり、より好ましくは50〜1000重量部含んでなり、そしてさらに好ましくは80〜500重量部含んでなる。
【0053】
布地の例は、天然又は合成的に生産された繊維、糸、編物、マット、かせ、織物、結ばれた又は編まれた布地である。布地は、単一の繊維、繊維束、ファイバーフィル繊維、糸、カーペット、布編物、又は衣服若しくは衣服の一部として存在しても良い。
布地は、コットン、ウール、ビニルアセテートの共重合体、レーヨン、麻繊維、天然絹糸、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド、アラミド、ポリイミド、ポリアクリレート、ポリアクリロニトリル、ポリアクチド、ポリビニルクロリド、ガラス繊維、セラミック繊維、セルロース又はそれらの混合物からなっても良い。
【0054】
処理される布地への適用は、所望の任意の適切な手段で行われ、かつ例えば、浸漬、拡散、投げ込み、噴霧、ローリング、詰め込み、印刷又は泡の適用による広範囲の布地の処理が使用される。
【0055】
処理された布地は、10℃〜250℃、好ましくは25℃〜200℃、より好ましくは80℃〜180℃の温度で乾燥することが好ましい。
前記乾燥工程の過程において、本発明のアルコキシポリシロキサンは硬化し、そして処理された布地は含浸され、それによって撥水性の状態になる。
【0056】
本発明のアルコキシポリシロキサンは、それらが異なる布地上で非常に良好な撥水性の仕上がりを提供するという利点を有する。
【0057】
本発明のアルコキシポリシロキサンは、撥水性の仕上がりが洗浄に対して非常に高い耐久性を有するという利点を有する。
【0058】
本発明のアルコキシポリシロキサンは、それらが単純かつ安全なプロセスであるという利点を有する。
【0059】
本発明のアルコキシポリシロキサンは、それらが環境的に持続性の汚染物質なしに入手可能であるという利点を有する。
【0060】
以下の実施例における部及びパーセンテージは、特に指定のない限り重量による。同様に、特に指定のない限り、以下の例は、周囲の大気圧の圧力、すなわち約1010hPa、及び室温、すなわち約25℃、又は反応物を追加の加熱若しくは冷却なしに室温で共に添加する際に確立された温度で実施する。例で報告される粘度は、全て25℃の温度に基づく。
【0061】
それらの構造を決定するために、アルコキシポリシロキサンの
29Si NMRスペクトルを、0.1mol/lのCr(acac)
3を含有するCDCl
3中で記録した(BrukerのAVANCE 400、10mm選択性
29Si NMRプローブヘッド、パルス角90°、遅延時間15秒、400回のスキャン)。
【0062】
以下の例において得られたエマルジョンを、以下のように試験した。
【0063】
粒径は、Malvern Mastersizer 2000(Malvern Instruments GmbH D−Herrenberg;測定原理:ISO 13320に従ったフラウンホーファー回折)を使用して実施した。測定のパラメーターとして、連続相の屈折率1.33、分散相の屈折率1.39、吸収0.01を有する球形モデルを使用する。
【0064】
pHは、20℃において、US Pharmacopeia USP 33により測定した。
【0065】
処理された布地の疎水性は、AATCC試験方法No.22−2005の通りに、噴霧試験によって試験する。この試験において、本布地に、脱イオン水をスポットする。報告された結果は、本方法の説明におけるスポットされた布地表面と評価画像との比較から、濡れないで残っている領域のパーセンテージの近似値を示す。
【実施例】
【0066】
[製造例1]
式:
(CH
3)
3−Si−O−[SiH(CH
3)−O]
50−Si(CH
3)
3
のポリオルガノシロキサン20gを、トルエン20g及びエタノール15.2gと共に70℃に加熱して、ペルフルオロトリフェニルボランB(C
6F
5)
30.174gのトルエン溶液と5分かけて混ぜる。温度を3時間の過程において100℃に上昇して、90℃で水素を形成する増加範囲が始まる。次にこれを30分撹拌する。この混合物を140℃のポット温度まで1〜2mbarで徹底的に加熱し、式:(CH
3)
3−Si−O−[Si(CH
3)OEt−O]
50−Si(CH
3)
3(NMR分析)の無色の生成物70gを得る。
【0067】
[製造例2]
使用した出発材料が、式:
(CH
3)
3−Si−O−[SiH(CH
3)−O]
47−[Si(CH
3)
2−O]
13−Si(CH
3)
3
のポリオルガノシロキサンであること以外は例1を繰り返す。
得られた生成物は、NMR分析により、式:
(CH
3)
3−Si−O−[Si(CH
3)OEt−O]
47−[Si(CH
3)
2−O]
13−Si(CH
3)
3
を有することが示される。
【0068】
[製造例3]
式:(CH
3)
3−Si−O−[Si(CH
3)H−O]
54−Si(CH
3)
3のシロキサン50g及びKarstedt触媒(1%Pt)0.18gを80℃に加熱した。温度を120℃に上昇する間に、1時間の過程においてオクタデセン101gを徐々に混ぜた。80℃に冷却した後、多量のガス及び泡の発生が観察された間に、75分の過程においてエタノール30gを混ぜた。次に、これを80℃で2時間撹拌した。その後、ロータリーエバポレーターで100℃かつ10mbarにおいて、揮発性物質を除去した。冷却すると、生成物は47℃において固体及び再溶融性に変化した。
以下の比率からなる異なるシロキサンユニットの生成物のNMR分析を示す。
(CH
3)
3−Si−O
1/2 3.4mol%
C
2H
5O(CH
3)
2−Si−O
1/2 3.0mol%
SiH(CH
3)−O
2/2 0.6mol%
Si(CH
3)(C
18H
37)−O
2/2 38.8mol%
Si(CH
3)(OC
2H
5)−O
2/2 48.7mol%
CH
3−Si−O
3/2 5.5mol%
【0069】
[製造例4]
式:(CH
3)
3−Si−O−[Si(CH
3)H−O]
54−Si(CH
3)
3のシロキサン50g及びKarstedt触媒(1%Pt)0.18gを40℃に加熱した。
メタノール14gを60分かけて混ぜて、反応混合物を80℃でさらに2時間撹拌した。その次に、温度を115℃に上昇する間に、1時間の過程においてオクタデセン101gを徐々に混ぜた。触媒0.18g及びメタノール14gの混合物の後に、反応生成物を80℃でさらに2時間撹拌し、その次に、もう一度、触媒18g及びオクタデセン20gと混ぜて、80℃で2時間撹拌した。
その後、ロータリーエバポレーターで100℃かつ10mbarにおいて、揮発性物質を除去した。冷却すると、生成物は58℃において固体及び再溶融性に変化した。
以下の比率からなる異なるシロキサンユニットの生成物のNMR分析を示す。
(CH
3)
3−Si−O
1/2 3.6mol%
CH
3O(CH
3)
2−Si−O
1/2 4.5mol%
SiH(CH
3)−O
2/2 0.0mol%
Si(CH
3)(C
18H
37)−O
2/2 58.4mol%
Si(CH
3)(OCH
3)−O
2/2 28.7mol%
CH
3−Si−O
3/2 4.8mol%
【0070】
[製造例5]
式:
(CH
3)
3−Si−O−[SiH(CH
3)−O]
47−[Si(CH
3)
2−O]
13−Si(CH
3)
3
のシロキサン106g及びKarstedt触媒(1%Pt)0.18gを80℃に加熱した。温度を120℃に上昇する間に、1時間の過程においてドデセン67.3gを徐々に混ぜた。75℃に冷却後、多量のガス及び泡の発生が観察された間に、30分の過程においてエタノール20gを混ぜた。次に、これを80℃で2時間撹拌した。次に、これを触媒0.18g及びオクテン40gの更なる混合物として、80℃でさらに2時間撹拌した。
その後、ロータリーエバポレーターで100℃かつ10mbarにおいて、揮発性物質を除去した。2370mPasの粘度を有する茶色の油を得た。
以下の比率からなる異なるシロキサンユニットの生成物のNMR分析を示す。
(CH
3)
3−Si−O
1/2 2.2mol%
SiH(CH
3)−O
2/2 3.0mol%
Si(CH
3)
2−O
2/2 20.9mol%
Si(CH
3)(C
12H
25)−O
2/2 56.8mol%
Si(CH
3)(C
8H
17)−O
2/2 9.6mol%
Si(CH
3)(OC
2H
5)−O
2/2 7.5mol%
【0071】
[製造例6]
式:(CH
3)
3−Si−O−[Si(CH
3)H−O]
54−Si(CH
3)
3のシロキサン50g及びKarstedt触媒(1%Pt)0.18gを80℃に加熱した。温度を110℃に上昇する間に、80分の過程においてドデセン50.53gを徐々に混ぜた。90℃に加熱後、多量のガス及び泡の発生が観察された間に、30分の過程においてn−プロパノール32gを混ぜた。次に、これを100℃で2時間撹拌した。次に、これを触媒0.18g及びオクテン40gの更なる混合物として、80℃でさらに2時間撹拌した。その後、ロータリーエバポレーターで100℃及び10mbarにおいて、揮発性物質を除去して、1320mPasの粘度を有する茶色がかった油を得た。
以下の比率からなる異なるシロキサンユニットの生成物のNMR分析を示す。
(CH
3)
3−Si−O
1/2 3.9mol%
C
3H
7O(CH
3)
2−Si−O
1/2 1.5mol%
SiH(CH
3)−O
2/2 0.0mol%
Si(CH
3)(C
12H
24)−O
2/2 + 51.6mol%
Si(CH
3)(C
8H
17)−O
2/2 7.1mol%
Si(CH
3)(OC
3H
7)−O
2/2 34.7mol%
CH
3−Si−O
3/2 1.2mol%
【0072】
[製造例7]
13.7のHLB値(BASF SE D−Ludwigshafenの「LUTENSOL(登録商標) TO 109」として入手可能)を有するエトキシ化イソトリデシルアルコール17g及び水15gを、4000/minにおいてULTRA−TURRAX(登録商標)T50を用いて混合した。例3に記載されたように得られた生成物250gを、70℃で融解し、徐々に混ぜ、そして6000/minにおいて均質化して、4220Paの降伏限界を有する硬いゲル型相を得た。この相を、ACTICIDE(登録商標) MV(Thor GmbH Speyerで利用可能)0.45gを含有する水218gで追加的に希釈した。エマルジョンは、432nm(体積配分のD(50)値)の粒径を有し、いかなる分離の兆候なしに、50℃において28日間保存した。
【0073】
[例1〜7の使用]
製造例1〜3の生成物を使用して、4%のイソプロパノール溶液を製造する。これらの溶液のpHを、NaOHを用いて9.0に調整する。製造例4〜6の生成物を使用して、4%のトルエン溶液を製造する。これらの溶液を、ブチルチタネート0.02%と混ぜる。ポプリングレー65/35 PES/Coのストライプを、これらの溶液にそれぞれ2時間浸漬し、室温のドラフト中において研究用幅出機で予め乾燥し、その次に、150℃で10分間硬化する。10部の製造例7の生成物を、990部の完全なイオンフリー水で希釈して、液剤を形成する。この液剤のpHを、NaOHを用いて9.0に調整する。ポプリングレー65/35 PES/CoのA4サイズの片を、この液剤に浸漬する。浸透した布を、2ロールのパットアングルで70%のウェットピックアップに圧搾し、伸ばして、そして150℃で10分間研究用幅出機で乾燥する。
3日後、20日後、及び40℃洗浄(Miele Softtronic W 1935 洗濯機;Express 20 プログラム;1kgのコットン及びポリエステルバラスト布)後に疎水性を試験する。この結果を表1にまとめる。
【0074】
【表1】
【0075】
表2の値が高ければ高いほど疎水性、すなわち、布地上がより撥水性の仕上がりである。例1〜7の本発明のアルコキシポリシロキサンで処理された布地は、非常に良好な撥水性の仕上がりに有益、及びまた、洗浄に対して非常に良好な耐久性の利益を示す。特に良好な撥水性の仕上げ、及び洗浄に対して特に良好な耐久性は、例3〜7の通りのアルコキシポリシロキサン、すなわち、アルコキシ基を有するシロキサンユニットに加えて、比較的長いアルキル基を有するシロキサンユニットを含む式(II)の通りのアルコキシポリシロキサンによって達成される。