(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6577054
(24)【登録日】2019年8月30日
(45)【発行日】2019年9月18日
(54)【発明の名称】搬送装置
(51)【国際特許分類】
B65G 54/02 20060101AFI20190909BHJP
B65G 15/32 20060101ALN20190909BHJP
【FI】
B65G54/02
!B65G15/32
【請求項の数】16
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2017-557979(P2017-557979)
(86)(22)【出願日】2016年5月19日
(65)【公表番号】特表2018-520073(P2018-520073A)
(43)【公表日】2018年7月26日
(86)【国際出願番号】EP2016061224
(87)【国際公開番号】WO2016188841
(87)【国際公開日】20161201
【審査請求日】2017年11月6日
(31)【優先権主張番号】102015209610.6
(32)【優先日】2015年5月26日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】591245473
【氏名又は名称】ロベルト・ボッシュ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100177839
【弁理士】
【氏名又は名称】大場 玲児
(74)【代理人】
【識別番号】100172340
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 始
(72)【発明者】
【氏名】ワイプ,アルフレート
(72)【発明者】
【氏名】ラーツ,ハイケ
【審査官】
福島 和幸
(56)【参考文献】
【文献】
特表2014−532870(JP,A)
【文献】
特開2004−097533(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 54/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送装置であって、少なくとも1つのムーバ(20)を有しており、該ムーバ(20)が少なくとも1つの磁石(19)を有していて、駆動面(13)と協働し、それによって前記ムーバ(20)が前記駆動面(13)に対して少なくとも2つの自由度でしゅう動可能および/または回転可能に移動せしめられる形式のものにおいて、 少なくとも1つの保護装置(40)が設けられており、該保護装置(40)が前記駆動面(13)と前記ムーバ(20)との間に配置されており、
前記保護装置(40)を移動させるための少なくとも1つの移動手段(50)が設けられていることを特徴とする、搬送装置。
【請求項2】
前記保護装置(40)が交換可能および/または可動であって、かつ、可動な帯材として構成されていることを特徴とする、請求項1記載の装置。
【請求項3】
前記保護装置(40)がフィルムまたはプレートとして構成されていることを特徴とする、請求項1または2記載の装置。
【請求項4】
少なくとも1つの固定手段(62)が前記駆動面(13)の領域内に設けられており、前記固定手段(62)を介して前記保護装置(40)が固定され得ることを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項記載の装置。
【請求項5】
前記保護装置(40)に負圧を作用させるための少なくとも1つの開口である固定手段(62)が前記駆動面(13)の領域内に設けられており、前記固定手段(62)を介して前記保護装置(40)が固定され得ることを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項記載の装置。
【請求項6】
前記保護装置(40)を切断するための少なくとも1つの切断手段(52)が設けられていることを特徴とする、請求項1から5までのいずれか1項記載の装置。
【請求項7】
前記保護装置(40)を清浄するための少なくとも1つの清浄装置(66)が設けられていることを特徴とする、請求項1から6までのいずれか1項記載の装置。
【請求項8】
少なくとも1つのローラ(56)が設けられており、該ローラ(56)に前記保護装置(40)の一部が巻き付けられ、これに対して前記保護装置(40)の他の部分が前記駆動面(13)を少なくとも部分的に覆うことを特徴とする、請求項1から7までのいずれか1項記載の装置。
【請求項9】
前記保護装置(40)が循環式に構成されていることを特徴とする、請求項1から8までのいずれか1項記載の装置。
【請求項10】
少なくとも1つの前記ムーバ(20)が前記保護装置(40)を移動させるための手段を有していることを特徴とする、請求項1から9までのいずれか1項記載の装置。
【請求項11】
前記保護装置(40)が、ポリエーテルイミド、ポリエーテルケトンおよびポリエーテルエーテルケトンのうちの少なくとも1つを含有していることを特徴とする、請求項1から10までのいずれか1項記載の装置。
【請求項12】
前記保護装置(40)の表面が、ポリエーテルイミド、ポリエーテルケトンおよびポリエーテルエーテルケトンのうちの少なくとも1つを含有していることを特徴とする、請求項1から10までのいずれか1項記載の装置。
【請求項13】
前記保護装置(40)の表面上に付着した汚れが、前記ムーバ(20)と前記駆動面(13)との間の間隔を監視することによって検出されることを特徴とする、請求項1から12までのいずれか1項記載の装置。
【請求項14】
前記駆動面(13)が少なくとも1つの待機ゾーン(42)を有しており、該待機ゾーン(42)が、磁力を前記ムーバ(20)に加えることができる手段を有していることを特徴とする、請求項1から13までのいずれか1項記載の装置。
【請求項15】
前記駆動面(13)が、前記保護装置(40)によって覆われていない少なくとも1つの前記待機ゾーン(42)を有していることを特徴とする、請求項14記載の装置。
【請求項16】
前記磁石(19)は永久磁石である、請求項1から15までいずれか1項記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、独立請求項の上位概念部に記載した搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1によれば、様々なステーション間で複数の容器を搬送するためのシステムが既に公知であり、この場合、容器は容器支持体内に保持されている。このシステムは、容器支持体を制御するコントロールユニットと、複数の部分面に分割された搬送面と、駆動手段とを有しており、前記搬送面上に容器支持体を可動に配置することができ、前記駆動手段がコントロールユニットによって制御されている。このシステムは、特に実験室分析システムの試料容器を搬送するために要求されるような高い自由度を有することを特徴としている。
【0003】
特許文献2によれば、制御可能な多数の変換器要素を有する組み合わせ可能な平面要素が既に公知である。この装置によって構成された電磁場は、相応に設計された対象を移動させるための制御可能な力作用に役立つ。このような可動な対象は、特にロジスティックな課題を実行するための複数のローラ要素を支持する搬送装置である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第2011/138448号明細書
【特許文献1】独国特許出願公開第102007025822号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は、冒頭に述べた形式の搬送装置を、特に衛生的な繊細な分野に使用するために、特に清浄可能性に関連してさらに最適化することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この課題は、独立請求項の特徴によって解決される。
【発明の効果】
【0007】
これに対して、独立請求項に記載した特徴を有する本発明による装置は、著しく汚れにくいという利点を有している。このために少なくとも1つの保護装置が設けられており、この保護装置は駆動面とムーバとの間に配置されている。これによって、駆動面は確実に機械的に保護され得る。製薬工業または食品工業における衛生的な要求のために必要とされているように、駆動面の気密なシールが行われる。この安全装置は、機械側面若しくは固定子(オイル領域)と、内部にムーバが存在している製造室との間の明確な分離を可能にする。このような分離のおかげで、製造室は、使用に応じて、まさに製薬工業のための包装機械にとって重要であるように、清浄室、滅菌室または所定の衛生等級を有する室として構成され得る。保護装置のおかげで、製造室を開放することなしに、固定子側の機械領域内に組み込むことができる。これによって、装置全体を運転停止させる必要がない。しかも、この保護装置は、モジュール式に構成された駆動面の組み立て時に生ぜしめられるギャップを覆う。これによって清浄可能性が改善される。ギャップ内に発生し得る細菌群も製造室内で減少される。さらに、この保護装置は、いわゆる“Wash down”(ウォッシュダウン/洗い流し)法で実施することができる装置の清浄可能性を改善する。またこの保護装置は、振動、および場合によっては発生する(運転)騒音を減衰する。しかも、固体の堆積汚れをプロセス的に確実に検出することができる。整備コストも相応に安価である
【0008】
好適な発展形態によれば、保護装置が交換可能および/または可動であって、好適には可動な帯材として構成されている。固定子とムーバとの間に存在する非金属の成分(例えばパン屑)は、交換可能および/または可動な保護装置によって取り除かれるかまたは運び出される。例えば搬送方向に対して横方向に移動せしめられる保護装置において、ムーバは運転中に、ムーバが特別な載設面を必要とすることなしに、移行部なしに導出および導入され得る。平面型駆動装置の縁部において、可動な保護装置はいわば間仕切り板としてムーバの搬送を行う。これは、別の平面型モジュールを設けるよりもコスト的に好都合である。
【0009】
好適な発展形態によれば、保護装置はフィルムまたはプレートとして構成されている。この構成はコスト的に好都合であり、フィルムの場合にはまさに保護装置の簡単な交換を可能にする。
【0010】
好適な発展形態によれば、保護装置を移動させるための少なくとも1つの移動手段が設けられている。これによって、保護装置の交換または清浄を自動的にまたは半自動的に行うことができる。従って、作業員をさらに支援することができる。
【0011】
好適な発展形態によれば、少なくとも1つの固定手段、特に保護装置に負圧を作用させるための少なくとも1つの開口が駆動面の領域内に設けられており、この固定手段を介して保護装置を固定することができる。これによって、まさにフレキシブルな保護装置、例えばフィルムはその規定された位置で保持され得るので、汚れがつきやすい折り畳み部または段部は生じない。
【0012】
好適な発展形態によれば、保護装置を清浄するための少なくとも1つの清浄装置が設けられている。これによって、保護装置は清浄後に別の製造プロセスのために新たに使用することができる。
【0013】
好適な発展形態によれば、少なくとも1つのローラが設けられており、該ローラに保護装置の一部が巻き付けられ、これに対して保護装置の他の部分が駆動面を少なくとも部分的に覆う。これによって、場所をとらずに保護装置を迅速に交換することができる。何故ならば、簡単な転動によって、保護装置の新たな清潔な区分が駆動面を覆うからである。
【0014】
好適な発展形態によれば、保護装置が環状に構成されている。まさに清浄装置に関連して、連続的に可動で再使用可能な清浄の構成が実現され得る。
【0015】
好適な発展形態によれば、少なくとも1つのムーバが保護装置を移動させるための手段を有している。特に好適には、少なくとも1つのムーバが、保護装置を固定するための少なくとも1つの固定手段を有している。これによって、ムーバ自体が駆動面もしくは固定子に対して相対的な保護装置の相対運動を引き越こすことができる。従って、その他の移動手段はもはや必要ない。このために、ムーバは保護装置を固定し、従ってムーバの運動が保護装置の前記相対運動を生ぜしめる。
【0016】
好適な発展形態によれば、保護装置、特に保護装置の表面が、容易に滅菌可能な材料、好適にはプラスチック、特にポリエーテルイミドおよび/またはポリエーテルケトンおよび/またはポリエーテルエーテルケトンを含有している。この材料は、良好な清浄可能性を特徴としていて、まさに様々な方法で滅菌するために適している。従ってこの材料は、特に薬剤包装または食品包装に使用するために適している。
【0017】
好適な発展形態によれば、保護装置の表面上に付着した汚れが、ムーバと駆動面との間の間隔を監視することによって検出される。追加的なセンサ等を設けることなしに、特に簡単な形式で清浄の必要性を求めることができる。
【0018】
好適な発展形態によれば、駆動面が少なくとも1つの待機ゾーンを有しており、この待機ゾーンは、わずかな磁力をムーバに加えることができる手段によって優れている。特に好適には、駆動面は、別個の保護装置を備えた少なくとも1つの待機ゾーンを有している。これによって簡単な形式で、保護装置の交換が可能となる。何故ならば、ムーバは待機領域にもたらされ、ここで保護装置の交換を妨げないからである。しかもこの領域内で、ムーバは例えば整備等のために駆動面から簡単に取り外すことができる。
【0019】
別の好適な発展形態は、その他の従属請求項および明細書に記載されている。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図4】取り外し可能な保護装置を備えた側面図である。
【
図5】ムーバによって移動せしめられる保護装置を備えた側面図である。
【
図6】保護装置のための固定手段を備えた側面図である。
【
図7】清浄装置を備えた循環式の保護装置を備えた側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明による装置の実施例を図面に示し、以下に詳しく説明する。
【0022】
図1に示した実施例では、矩形の基本形状を有するムーバ20が示されている。キャリアプレート12若しくは駆動面13は、複数の個別部分若しくはタイル16より成っている。タイル16は正方形若しくは矩形に構成されている。タイル16は、概ね平面的な表面を有していて、層状に構成されている。つまり、タイル16は、コイル面18とセンサ面22とパワーエレクトロニクス面24とを有している。さらにバスシステム26が設けられており、このバスシステム26は、図示していない中央コンピュータ若しくはプロセッサにタイル16を接続する。さらに、所属の接続部を有する電圧供給部28が設けられており、この電圧供給部28を介してパワーエレクトロニクス面24若しくはコイル面18および/またはセンサ面22にエネルギが供給され得る。ベースプラットフォーム10は、システムキャリア若しくは機械フレームと理解される基本要素を描写する。ベースプラットフォーム10は、予め制御素子およびパワーエレクトロニクスを受け入れていてよい。オプション的に、キャリアプレート12若しくは駆動面13も予めベースプラットフォーム10の構成要素であってよい。ベースプラットフォーム10の表面で駆動面13上に、この駆動面13に対して相対的に可動なムーバ20が配置されている。このために、駆動面13若しくはキャリアプレート12は、ムーバ20に作用してムーバ20を所望の運動に変換する駆動力を発生させる。定置の駆動面13は、好適な形式で平面的に構成されている。ムーバ20は少なくとも2つの自由度でしゅう動可能および/または回転可能であるように制御される。これによって、様々な位置に臨機応変な形式で走行可能である。
【0023】
ムーバ20は、装置の可動素子を描写する。一方ではムーバ20は、キャリアプレート12若しくは駆動面13に対する相対運動を生ぜしめる。さらに、ムーバ20はキャリアプレート12若しくは駆動面13に向かう方向の力を発生させる。このために、ムーバ20は、磁界を生ぜしめるための少なくとも1つの手段、特に磁石、好適には永久磁石19を有しており、この永久磁石19は、運動を生ぜしめるために、キャリアプレート12若しくは駆動面13の、進行磁界を生ぜしめるコイル18と協働する。この場合、キャリアプレート12若しくは駆動面13とムーバ20との間にエアギャップが形成されているので、駆動面13に対して相対的にムーバ20の無接触な運動が行われ得る。さらに、ムーバ20は位置を検知するための手段を有していてよい。
図1には保護装置40が示されており、この保護装置40は駆動面13上に設置されてよい。さらに、駆動面13の前方領域に待機ゾーン42が破線で示されている。
【0024】
ムーバエアギャップを一定に保つために、ムーバ20によって一時的に覆われた磁石コイル18の磁気的な磁界の強さを、負荷に依存して個別に適合させる必要がある。磁界制御のために、実際のエアギャップを検出するためのフレーム固定されたホールセンサが設けられていてよい。実際のムーバ位置は、好適な形式で適切な無接触のリニア測定システムによってx方向およびy方向で、0.01mmの分解能および極端に短いサイクル時間で絶対的に決定され得る。このために、タイル16内に相応の位置決めセンサ22が設けられていてよい。
【0025】
より低い速度および可能な限り小さい傾倒モーメントでの制御走行において、固定子表面に付着する汚れは、ムーバエアギャップの連続的な測定を介してプロセス的に確実に識別することができる。
【0026】
保護装置40を交換するために、すべてのムーバ20が、保護装置40に接続されていない独立した保護装置ストリップによって覆われた待機ゾーン42内に走行される。保護装置40は、負圧または真空の遮断状態において問題なく交換することができる。ムーバ交換を簡単にするために、および押しつぶしの危険性を確実に避けるために、待機ゾーン42の範囲内にフレーム固定された磁石コイル18の鉄心磁束帰路が、アクティブな駆動面13の領域内よりも著しく弱く構成されている。
【0027】
図2に示した実施例では、保護装置40が駆動面13若しくは固定子を覆っている。保護装置40として、固体のプレートまたは可動なフィルムが設置されるか若しくは緊張される。保護装置40は、固定的または可動であってよい。このために、特に非金属製および/または非磁性の材料が適している。駆動面13(固定子)の敏感な表面を保護するために、摩耗部分として構成された約1mmの厚さを有する滅菌可能な保護装置40、好適な形式で特にプラスチック製のフィルムが設けられている。フィルムは特に好適にはポリエーテルイミド(PEI)より成っていてよい。固体の構成において、保護装置40は薄いステンレスの金属薄板(非磁性)より成っていてよい。薄いプレートが例えばポリエーテルケトン(短縮してPEK)またはポリエーテルエーテルケトン(PEEK)より成っていてもよい。一般的な滅菌法を考慮して、材料は相応の耐熱性も有していなければならない。
【0028】
図3に示した実施例は、保護装置40を移動させることができる移動手段50を特徴としている。この場合、フレキシブルな保護装置40は、側方に配置された2つのローラ56と連携して巻き取られおよび繰り出されるようになっている。移動手段50は通常の一般的な駆動装置と同様に少なくとも1つのローラ56を回転させ、このローラ56に保護装置40がさらに巻き取られる。従って保護手段40は駆動面13に対して平行に移動する。固定子若しくは駆動面13の保護の他に、この保護手段40は特に汚れ粒子を取り除くために役立つ。
【0029】
可動な保護装置40の場合、この保護装置40は、固定子面若しくは駆動面13上を移動させられる。この場合、保護装置40上に存在する粒子は固定子面から取り除かれる。さらに、可動な保護装置40は、機械停止状態においてムーバ20を機械から搬出するために若しくは出口開口へ搬送するために使用することができる。従って機械操作者は、好適な形式で、アクセス可能性を完全なものにする搬送領域を有する必要がない。可動な保護装置40は、個別のまたは複数のムーバ20を、移行部なしに平面駆動領域内に導入または平面駆動領域から導出するためにも使用され得る。
【0030】
可動な保護装置40は幅の広いコンベヤベルトであってよく、このコンベヤベルト上に、磁性のムーバ20が配置されているだけではなく、コンベヤベルトによって移動せしめられるか若しくは磁性のムーバ20によって押しずらされるかまたは移動させられる非磁性の受動素子も配置されている。移動式の場合では、非移動式の場合と同様に固定子面が保護装置40によって機械的負荷に対して保護される。さらに、保護装置40は、埃、液状および固体の汚れから保護する。
【0031】
図4に示した実施例は、可動な保護装置40を有しており、この可動な保護装置40は、一端部が固定手段54の後ろで切断手段52によって分離され得る。これは、特に保護装置40の汚れた部分を取り除くために役立つ。運転中に、固定手段54は保護装置40が滑るのを阻止する。
【0032】
図5に示した実施例では、保護装置40がやはり固定子若しくは駆動面13を覆っている。汚れた保護装置40を交換するために、ムーバ20が保護装置を搬送方向60でさらに搬送することができる。この場合、ムーバ20は、保護装置40を固定するための少なくとも1つの保持手段58を有している。保持手段58は、例えば吸込み若しくは真空によって磁気的に、または締付手段によって摩擦締結式および形状締結式に保護装置40と接続され得る。
【0033】
図6に示した実施例では、駆動面13若しくは固定子の領域内に、保護装置40のための少なくとも1つの固定手段62が設けられている。好適にはこの固定手段62は、保護装置の交換を可能にするために解除可能に構成されている。固定手段62は、真空によって、磁気的または機械的に(締付その他)行うことができる。保護装置40は、最小の負圧を介して駆動面13の表面に吸い付けられてよい。例えば真空開口は、保護装置40を運転中に一方では不動に固定するために、しかしながら他方では交換できるようにするために、
図6に示されているように固定手段62として用いられる。平面型駆動装置の遮断時に保護装置40は、ムーバ20の保存的な支持力によって不動に固定される。
【0034】
図7に示した実施例は、循環式の保護装置40を特徴としており、この循環式の保護装置40は駆動面13の上側を覆い、反対側の下側を通って戻し案内される。このために、少なくとも1つの移動手段50および変向部64が設けられている。駆動面13の側方に清浄装置66が配置されていて、この清浄装置66は保護装置40の表面から汚れを取り除く。次いで、保護装置40の清浄された表面は新たに駆動面13を覆うために使用される。
【0035】
以上記載した固定子シールの利点は、以下のように要約することができる。保護装置40上の汚れは、ムーバエアギャップを監視することによって検出される。駆動面13の密閉した気密のシールが行われる。保護装置40は容易に交換可能である。しかも、駆動面は機械的に保護されている。この保護装置は、支持ローラ等の機械的なガイドにおいて、最初の塑性変形に基づいて形成される保護装置40の通過痕跡溝によって、ムーバ20の追加的な安定化効果に寄与する。この変形プロセスは、支持ローラの相応に拡大する支持成分が得られるまで、比較的短い運転時間後に終了される。振動および運転騒音が減衰される。
【0036】
この装置は、例えば固形の製品または液状の製品としての薬剤または食品の、特に包装技術における様々な搬送利用のためのフレキシブルな搬送システムの構成部分である。しかしながら、使用はこれに限定されるものではない。
【符号の説明】
【0037】
13 駆動面
19 永久磁石
20 ムーバ
40 保護装置
42 待機ゾーン
50 移動手段
52 切断手段
56 ローラ
58 固定手段
62 固定手段
66 清浄装置