(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6577062
(24)【登録日】2019年8月30日
(45)【発行日】2019年9月18日
(54)【発明の名称】被覆装置および被覆装置洗浄装置を有する3Dプリンタ
(51)【国際特許分類】
B29C 64/35 20170101AFI20190909BHJP
B33Y 30/00 20150101ALI20190909BHJP
B33Y 40/00 20150101ALI20190909BHJP
B29C 64/205 20170101ALI20190909BHJP
【FI】
B29C64/35
B33Y30/00
B33Y40/00
B29C64/205
【請求項の数】12
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2017-566193(P2017-566193)
(86)(22)【出願日】2016年1月28日
(65)【公表番号】特表2018-507805(P2018-507805A)
(43)【公表日】2018年3月22日
(86)【国際出願番号】EP2016051831
(87)【国際公開番号】WO2016146289
(87)【国際公開日】20160922
【審査請求日】2017年11月15日
(31)【優先権主張番号】102015103726.2
(32)【優先日】2015年3月13日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】514326904
【氏名又は名称】エクスワン ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100104318
【弁理士】
【氏名又は名称】深井 敏和
(72)【発明者】
【氏名】ホクスマン, レイナー
(72)【発明者】
【氏名】ミュラー, アレクサンダー
(72)【発明者】
【氏名】クラウア, スヴェン
【審査官】
辰己 雅夫
(56)【参考文献】
【文献】
独国特許出願公開第102012022859(DE,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2013/0000553(US,A1)
【文献】
特表2017−527454(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C64/00−64/40
B33Y10/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被覆装置(30)および被覆装置洗浄装置(50)を有し、
前記被覆装置(30)は、粒状構成材料を受容するための内部空洞(34)を画定する容器(32)と、粒状構成材料を排出するための細長い排出領域(36)とを含み、前記被覆装置洗浄装置(50)の上方に配置された洗浄位置に移動可能であり、
前記被覆装置洗浄装置(50)は、拭き取り部材(54)と拭き取り部材を移動させるための駆動装置とを備えた3Dプリンタ(10)であって、
前記被覆装置(30)が前記被覆装置洗浄装置(50)の上方に位置するときに、前記駆動装置が前記拭き取り部材(54)を前記排出領域(36)に沿って移動させ、排出領域(36)を洗浄するように構成されており、
さらに前記駆動装置は、前記被覆装置(30)に対して前記拭き取り部材(54)を下方位置に移動させるように構成されていることを特徴とする3Dプリンタ(10)。
【請求項2】
被覆装置(30)および被覆装置洗浄装置(50)を有し、
前記被覆装置(30)は、粒状構成材料を受容するための内部空洞(34)を画定する容器(32)と、粒状構成材料を排出するための細長い排出領域(36)とを含み、前記被覆装置洗浄装置(50)の上方に配置された洗浄位置に移動可能であり、
前記被覆装置洗浄装置(50)は、拭き取り部材(54)と拭き取り部材を移動させるための駆動装置とを備えた3Dプリンタ(10)であって、
前記被覆装置(30)が前記被覆装置洗浄装置(50)の上方に位置するときに、前記駆動装置が前記排出領域(36)に沿って第1の経路セクションで延在する循環路(U)に沿って前記拭き取り部材(54)を移動させ、排出領域(36)を洗浄するように構成されていることを特徴とする3Dプリンタ(10)。
【請求項3】
前記駆動装置は、前記拭き取り部材(54)が取り付けられた循環式に移動可能な細長いキャリア構造(52)を含み、前記拭き取り部材(54)がその循環路に沿って移動する、請求項2に記載の3Dプリンタ(10)。
【請求項4】
被覆装置(30)および被覆装置洗浄装置(50)を有し、
前記被覆装置(30)は、粒状構成材料を受容するための内部空洞(34)を画定する容器(32)と、粒状構成材料を排出するための細長い排出領域(36)とを含み、前記被覆装置洗浄装置(50)の上方に配置された洗浄位置に移動可能であり、
前記被覆装置洗浄装置(50)は、拭き取り部材(54)と拭き取り部材を移動させるための駆動装置とを備えた3Dプリンタ(10)であって、
前記被覆装置(30)が前記被覆装置洗浄装置(50)の上方に位置するときに、前記駆動装置が前記拭き取り部材(54)を前記排出領域(36)に沿って移動させ、排出領域(36)を洗浄するように構成されており、
前記拭き取り部材(54)の位置を検出するように構成されたセンサ(S)をさらに備えることを特徴とする3Dプリンタ(10)。
【請求項5】
前記駆動装置は、前記拭き取り部材(54)を下方位置に移動させるように構成されている請求項2〜4のいずれか1項に記載の3Dプリンタ(10)。
【請求項6】
被覆装置(30)および被覆装置洗浄装置(50)を有し、
前記被覆装置(30)は、粒状構成材料を受容するための内部空洞(34)を画定する容器(32)と、粒状構成材料を排出するための細長い排出領域(36)とを含み、前記被覆装置洗浄装置(50)の上方に配置された洗浄位置に移動可能であり、
前記被覆装置洗浄装置(50)は、拭き取り部材(54)と拭き取り部材を移動させるための駆動装置とを備えた3Dプリンタ(10)であって、
前記被覆装置(30)が前記被覆装置洗浄装置(50)の上方に位置するときに、前記駆動装置が前記拭き取り部材(54)を前記排出領域(36)に沿って移動させ、排出領域(36)を洗浄するように構成されており、
前記被覆装置洗浄装置(50)は、複数の拭き取り部材(54)を含むことを特徴とする3Dプリンタ(10)。
【請求項7】
前記複数の拭き取り部材(54)は、共にそれぞれ下方位置に移動可能である、請求項6に記載の3Dプリンタ(10)。
【請求項8】
前記排出領域(36)が横方向延長部を有し、拭き取り部材(54)は、その横方向において排出領域に重なる、請求項1〜7のいずれか1項に記載の3Dプリンタ(10)。
【請求項9】
前記拭き取り部材(54)がブラシとして構成される、請求項1〜8のいずれか1項に記載の3Dプリンタ(10)。
【請求項10】
前記排出領域(36)は、細長い排出スロット(40)および/または、容器(32)から排出された構成材料を撫付けるように構成された少なくとも一つの細長い撫付け面を備え、排出された構成材料を平坦におよび/または圧縮する、請求項1〜9のいずれか1項に記載の3Dプリンタ(10)。
【請求項11】
被覆装置(30)が、粒状構成材料を受容するための内部空洞(34)を画定し、かつ前記粒状構成材料を排出するための細長い排出領域(36)を有する容器(32)を備え、
前記被覆装置(30)を、拭き取り部材(54)と拭き取り部材を移動させるための駆動装置とを備えた被覆装置洗浄装置(50)の上方に被覆装置が配置される洗浄位置に移動させる3Dプリンタ(10)の被覆装置(30)の洗浄方法であって、
前記駆動装置によって、前記排出領域(36)の長手方向に前記拭き取り部材(54)を移動させて、前記被覆装置が前記被覆装置洗浄位置内にあるときに、排出領域(36)を拭き取り、洗浄し、
前記排出領域を洗浄した後に前記拭き取り部材(54)が下方位置に移動することを特徴とする3Dプリンタ(10)の被覆装置(30)の洗浄方法。
【請求項12】
前記拭き取り部材の移動は、閉鎖した軌道上で行われる、請求項11に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被覆装置および被覆装置洗浄装置を有する3Dプリンタおよび3Dプリンタの被覆装置の洗浄方法に関する。例えば、本発明は、請求項1および請求項12の序文に記載の3Dプリンタおよび3Dプリンタの被覆装置を洗浄する方法に関する。この種の3Dプリンタおよびこの種の洗浄方法は、それぞれ、例えば、独国特許出願公開第10 2009 056 687号明細書から公知である。
【背景技術】
【0002】
様々な生成/付加製造プロセス(およびその結果として、様々なタイプの3Dプリンタ、すなわち、層内にコンポーネントを構築するための機械/装置)が知られている。
【0003】
いくつかの生成的製造プロセスには、以下の共通する工程がある。
(1)まず、未固化粒状材料の層を形成するために、構成場の全表面に粒状材料を適用する。
(2)未固化粒状材料の適用層を、例えばバインダーのような処理剤を選択的に印刷することによって(あるいは、例えばレーザ焼結によって)所定の部分領域において選択的に固化させる。
(3)工程(1)と(2)を繰り返し、所望のコンポーネントを製造する。この目的のために、コンポーネントが層状に構築される構成プラットホームは、例えば、新しい層が表面全体に適用される前に、それぞれ1つの層の厚さだけ下げられるようになっていてもよい(あるいは、被覆装置および印刷装置は、例えば、それぞれ1つの層の厚さだけ上げるようになっていてもよい)。
(4)最後に、固くない未固化粒状材料によって支持され包囲されている製造されたコンポーネントを解放する。
【0004】
1つまたは複数のコンポーネントが製造される構成空間は、例えば、いわゆる構成ボックス(「ジョブボックス」とも称する)によって画定されてもよい。このタイプの構成ボックスは、上方向に開いて垂直方向に延びる周壁構造(例えば、4つの垂直側壁によって形成されている)を有していてもよく、例えば、上方から見て長方形に形成されてもよい。高さ調節可能な構成プラットホームが、構成ボックス内に受け入れられてもよい。この点において、構成プラットホームの上の空間および垂直な周壁構造間の空間は、例えば、少なくとも構成空間の形成に寄与し得る。構成空間の上部領域は、例えば、構成場と呼ばれることがある。このような構成ボックスの一例は、例えば独国特許出願公開第10 2009 056 696号明細書に記載されている。
【0005】
上記工程(1)では、通常、被覆装置(「リコータ」ともいう)が用いられる。3Dプリンタでの使用のための種々の被覆装置が知られており、これにより、粒状の建材が、全面にわたって均一な層の形態で構成場(構成面または構成区域とも呼ばれる)に適用される。
【0006】
ローラを使用する被覆装置(略して「ローラ被覆装置」)の1つのタイプは、最初に多量の粒状構成材料を置き、次に均一な層の形態で構成場上に粒状構成材料を適用するために、構成場を横切って水平に移動する。この点で、ローラは移動方向と反対に回転してもよい。大きな長さの被覆装置構成体(したがって大きな寸法の3Dプリンタ)は、とりわけローラのたわみの可能性のために、ローラ被覆装置を使用して実現することが困難である。
【0007】
別の種類の被覆装置(いわゆる「容器被覆装置」、例えば「スロット被覆装置」)は、粒状構成材料を受容するための内部空洞を画定する容器を使用し、粒状構成材料を排出するための細長い排出領域(例えば、排出スロット)を有している。容器被覆装置は、例えば、粒状構成材料が細長い排出領域を通って構成場に排出されるように、構成場を横切って(例えば水平方向に、例えば、縦方向と交差して)移動可能であり、これによって、構成場の全面に均一な構成材料層を適用する。被覆装置は、例えば、矩形の構成場の長さまたは幅に広がるかまたは覆うために、細長いものであってもよい。長大な(したがって、大きな寸法の3Dプリンタ)被覆装置構成体は、容器被覆装置を使用して適切に実現することができる。
【0008】
上記工程(2)において、例えば、印刷ヘッドを有する印刷装置を使用して、先に被覆された構成材料層の副領域に、制御された方法によって処理剤を適用する。処理剤は、副領域内の構成材料層の(直接的および/または事後的な)固化に寄与する。例えば、処理剤はバインダー、例えば、多成分バインダーのバインダー成分であってもよい。
【0009】
あるいは、レーザは、例えば上記(2)の工程でレーザを使用して、副領域内の構成材料を焼結または溶融して、先に適用した構成材料層の副領域を固化させてもよい。
【発明の概要】
【0010】
本発明は、上述の第2のタイプのコーティング装置、例えば「スロット被覆装置」のような「容器コーティング装置」を有する3Dプリンタに関する。
【0011】
このタイプの被覆装置は、例えば、構成場に適用された構成材料を撫付けることにより、構成材料を圧縮および/または水平にするための撫付け/掃引部材を備える。撫付け/掃引部材は、排出スロットに隣接して配置されてもよく、および/または排出スロットを区切ってもよく、排出スロットと共に被覆装置容器のいわゆる排出領域を形成してもよい。
【0012】
「スロット被覆装置」の例は、独国特許出願公開第10 2009 056 689号明細書から知られている(例えば、その
図17〜
図20を参照。)。
【0013】
さらに、3Dプリンタに被覆装置洗浄装置を設けることが知られており、この装置によって、障害をなくすために、容器の下側に付着する構成材料を除去および/または拭き取ってもよく、および/または容器の長手方向のスロットを拭き取ってもよい。必要ならば、独国特許出願公開第10 2009 056 687号明細書、例えば、その
図21,24および25を参照。
【0014】
独国特許出願公開第10 2009 056 687号明細書から知られている被覆装置洗浄装置は、被覆装置容器の下の構成材料収集容器に少なくとも部分的に受容される細長い拭き取り部材を含む。拭き取り部材は、回転可能に支持され、拭き取り部材駆動機構によって回転駆動可能である。
【0015】
上述した被覆装置洗浄装置に関して別のおよび/または改良された被覆装置洗浄装置(および/または、対応する3Dプリンタ)を提供し、かつ別のおよび/または改良された被覆装置の洗浄方法を示すことが発明の目的であると考えられる。
【0016】
このために、本発明は、請求項1に記載の3Dプリンタ、請求項11に記載の3Dプリンタ、および請求項12に記載の方法を提供する。さらに、本発明の3Dプリンタおよび本発明の方法の実施形態は、従属請求項に記載されている。
【0017】
本発明の種々なアスペクトによれば、改善された/良好な洗浄結果を達成することができ、および/または長い被覆装置および/または大きな寸法の3Dプリンタに対しても容易におよび/またはコスト効率よく実現することができ、および/または、フェイルセーフで効率的な方法で、被覆装置を確実に洗浄するような、被覆装置およびその被覆装置を洗浄する装置を有する3Dプリンタが提供される。
【0018】
本発明の様々なアスペクトによれば、被覆装置を有する3Dプリンタおよびそのような被覆装置洗浄装置が提供され、それによって容器の排出領域に付着する構成材料を確実に除去して拭き取ることができ、および/または必要に応じて、障害物を壊すために、容器の排出領域を確実に拭き取ることができる。
【0019】
本発明の様々なアスペクトによれば、被覆装置および被覆装置洗浄装置を有する3Dプリンタが提供され、被覆装置は、粒状構造材を受容するための内部空洞を画定する容器と、粒状構造材を排出する細長い排出領域とを備え、被覆装置洗浄装置の上方に配置された洗浄位置に移動可能であり、被覆装置洗浄装置は、拭き取り部材と該拭き取り部材を移動させる駆動装置とを備え、駆動装置は被覆装置が被覆装置洗浄装置の上方に位置するときに、排出領域を洗浄するために拭き取り部材を排出領域に沿って移動させる。
【0020】
3Dプリンタは、例えば、最初に説明した生成的製造方法のうち、少なくとも(1)〜(3)の工程を実施して構成される。
【0021】
3Dプリンタは、例えば、最初に説明したような構成空間を備えることができ、その構成空間内で1つまたは複数の構成要素が製造され、これは、例えば、いわゆる構成ボックス(「ジョブボックス」とも称する)と定義される。このタイプの構成ボックスは、上方向に開いて垂直方向に延びる周壁構造(例えば、4つの垂直側壁によって形成されている)を有していてもよく、例えば、上方から見て長方形に形成されてもよい。高さ調節可能な構成プラットホームが構成ボックスに受け入れられてもよい。この点において、構成プラットホームの上の空間および垂直な周壁構造の間の空間は、例えば、少なくとも構成空間の形成に寄与する。構成空間の上部領域は、例えば、構成場と呼ばれることがある。
【0022】
3Dプリンタは、例えば、先に適用された構成材料層の部分領域上に制御された方法で処理剤を適用するように構成された印刷ヘッドを有する印刷装置を含んでもよい。この点において、処理剤は、副領域内の構成材料層の(直接的および/または後続の)固化に寄与する。例えば、処理剤は、結合剤、例えば多成分バインダーのバインダー成分であってもよい。これに加えてまたはこれに代えて、3Dプリンタは、先に適用された構成材料層の副領域を、例えば、副領域内の構成材料を焼結または溶融することによって、固化させるように構成されたレーザ装置を備えていてもよい。
【0023】
被覆装置(または「リコータ」)は、例えば「スロット被覆装置」(すなわち、排出スロットを有する)などの、いわゆる「容器被覆装置」として構成される。容器被覆装置は、例えば、構成場を横切って(例えば水平に、例えばその長手方向を横切って)移動可能であり、粒状構成材料が細長い排出領域を通って構成場に排出され、構成場の全面に均一な構成材料層を適用する。被覆装置は、例えば、矩形の構成場の長さまたは幅に広がるまたは覆うために細長いものであってもよい。
【0024】
容器は、例えば、矩形の構成場の全長または全幅に広がるまたは覆うために、細長い形状を有してもよい。容器の内部空洞は、例えば、横断面が例えば下方向に(少なくとも部分的に)テーパー状および/または漏斗形状を有するシャフト/ダクトを形成することができる。粒状構成材料を受容するための内部空洞は、例えば、以下に説明する(細長い)排出スロットのような細長い排出領域に通じ、それに接続することができる。
【0025】
3Dプリンタは、例えば、容器を(新鮮な)構成材料で満たすために、被覆装置をその中に移動させることができる固定式充填ステーションを備えていてもよい。
【0026】
容器は、例えば、一緒に移動するチャージング容器によって構成材料を供給してもよい。
【0027】
構成材料を配布するための配布装置は、例えば、任意のチャージング容器および/または容器に、例えば配布ワームの形態で収容されてもよい。
【0028】
様々な実施形態によれば、細長い排出領域は、例えば、(細長い)排出スロットおよび/または、排出された構成材料を平坦におよび/または圧縮するために、容器から排出された構成材料(例えば、通常の操作/被覆操作中に構成場上に適用される構成材料)を撫付けるように構成されている1以上の(例えば1または2の)細長い撫付け/掃引面(例えば、それを含むことができる)を備える。少なくとも1つの(効果的な)撫付け/掃引面は、例えば、いわゆる撫付けバー/ストリップおよび/または撫付けブレードの形態で設けられる撫付け/掃引部材によって設けられてもよく、例えば、階段状に下方に突出してもよい下向きの方向に揃えられた撫付け部材の部分によって設けてもよい。例えば、(それぞれの)撫付け/掃引面は、平面状および/または帯状に構成されてもよい。1以上の撫付け/掃引面および撫付け/掃引部材は、例えば、排出スロットに隣接して配置されてもよく、および/またはそれらを、例えばそれぞれ横方向に区切ってもよい。例えば、排出スロットは、2つの撫付け/掃引面と撫付け/掃引部材との間に横方向に配置されてもよい。それによって、被覆装置は、双方向に被覆する装置として形成および/または操作することができ、移動方向の後部に位置する撫付け/掃引面はそれぞれアクティブである。この点で、少なくともそれぞれのアクティブな撫付け/掃引面(例えば、被覆装置全体)を傾斜させて、構成場に対して撫付け/掃引面のいわゆる設定角度を調整することができ、粒状材料の圧縮の影響を受ける。1以上の撫付け/掃引部材は、例えば、排出スロットを選択的に閉じるためのオプションの閉鎖装置とともに、被覆装置のキャリア構造に固定および/または当該キャリア構造からサスペンドされていてもよい。前記キャリア構造は、例えば、被覆装置の移動方向に対して横方向に、および/または長手方向に延びてもよい。容器は、例えば任意の少なくとも1つの撫付け/掃引部材および/または任意の閉鎖装置とは別に、キャリア構造に固定されていてもよい。
【0029】
例えば、細長い排出領域および/または(細長い)排出スロットおよび/または1以上の細長い撫付け/掃引面は、例えば構成場に向かって下方に向けられてもよい。細長い排出領域および/または(細長い)排出スロットおよび/または1以上の細長い(効果的な)撫付け/掃引面は、長手方向に第1延長部を、横方向に第2延長部を有し、第1延長部は第2延長部よりも、例えば少なくとも2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17,18,19,20またはそれ以上大きい。例えば、細長い排出領域および/または(細長い)排出スロットおよび/またはそれぞれの撫付け面は、上から見た場合、実質的に矩形および/または帯状であってもよい。
【0030】
被覆装置を移動させることができる洗浄位置および被覆装置洗浄装置は、それぞれ、例えば、構成場に隣接して配置することができる。
【0031】
被覆装置洗浄装置は、例えば固定などで静止しているように構成されてもよい。
【0032】
被覆装置洗浄装置の拭き取り部材は、例えば、上記長手方向の延長部を有してもよく、これは、細長い排出領域および/または(細長い)排出スロットの第1延長部および/または1以上の細長い(効果的な)撫付け/掃引面の第1の延長部よりも短く、例えば、拭き取り部材の延長部:第1延長部の比が、1:2以下、1:3以下、1:4以下、1:5以下、1:6以下、1:7以下、またはそれ以下 1:8未満、1:9以下、1:10以下、1:11以下、1:12以下、1:13以下、 1:14以下、1:15以下、1:16以下、1:17以下、1以下18以下、1:19以下または1:20以下である。
【0033】
被覆装置洗浄装置の拭き取り部材は、例えば、前記横方向の延長部を有していてもよく、これは細長い排出領域および/または(細長い)排出スロットおよび/または1以上の細長い(効果的な)撫付け/掃引面の第2延長部と実質的に同じか、それよりも大きい。
【0034】
様々な実施形態によれば、排出領域(および/または(細長い)排出スロットおよび/または1以上の細長い(効果的な)撫付け/掃引面)は、例えば、横方向の伸長部を有し、前記拭き取り部材は、主に(すなわち、その大部分)または実質的に全体に前記排出領域(および/または(細長い)排出スロットおよび/または1以上の細長い(有効な)撫付け/掃引面)にその横方向に重なり合う(コーティング装置がその洗浄位置にあるとき)。
【0035】
様々な実施形態によれば、拭き取り部材は、例えば、ブラシとして、またはワイパーブレードまたはワイパーリップとして(例えば、弾性ワイパーブレード/ワイパーリップとして)構成される。本発明の様々なアスペクトによれば、1以上のブラシを使用することにより、排出領域の輪郭および例えばその排出スロットの輪郭の適切な再生を容易にすることができ、それによって特に良好な洗浄結果を達成することができる。
【0036】
様々な実施形態によれば、被覆装置洗浄装置は、例えば、複数の拭き取り部材を備えることができる。いくつかの拭き取り部材は、例えば、拭き取り部材のグループにグループ化することができ、グループの拭き取り部材は互いに隣接して配置され、および/または互いに接触する。この点で、いくつかのグループは互いに距離を置いて設けてもよい。
【0037】
拭き取り部材は、被覆装置が被覆装置洗浄装置の上に位置するとき、排出領域を洗浄するために、駆動装置によって移動可能であり、すなわち、実質的に長手方向および/または(実質的な排出領域の)長手に沿って、排出領域の例えば実質的に全長、またはその一セクションに沿って移動可能であり、この一セクションは、全長の半分以上、例えば全長の3/4以上、例えば全長の4/5以上、例えば、全長の5/6以上である。これにより、排出領域は、最初に述べたような、排出領域が回転する拭き取り部材によって横方向に拭き取られる先端技術以外に、拭き取り部材によって長手方向に拭き取られる。
【0038】
駆動装置は、例えば、コントローラ/コントロールユニットに接続されてもよく、および/またはそれによって制御され、および/または電気駆動装置を備えてもよい。
【0039】
上述したように、駆動装置は、拭き取り部材を排出領域、すなわち実質的にその長手方向および/または実質的に(排出領域の)長手に沿って、例えば、実質的な全長またはその実質的/主要なセクションに沿って移動させるように構成される。
【0040】
本発明の様々な実施形態によれば、排出領域(例えば、排出スロットおよび/または少なくとも1つの撫付け/掃引面)の効果的および/または効率的な洗浄は、例えば、最初に述べた従来の洗浄装置と比較して改善された洗浄効果および/または最初に言及した従来の洗浄装置と比較して低減された駆動によって克服される抵抗をもって、長手方向にそれを拭き取ることによって、達成され得る。
【0041】
本発明の様々な実施形態によれば、排出領域(例えば、排出スロットおよび/または少なくとも1つの撫付け/掃引面)の適切な洗浄は、例えば長いコーティング装置または長い排出領域の場合にも、長手方向に拭き取ることによって簡単にかつ費用効果的な方法で実現することができる。これに関して、本発明の様々なアスペクトによれば、従来のクリーニング装置に必要とされる細長い(例えばローラ形状の)拭き取り部材を省くことができ、場合によっては、拭き取り部材の長さを短くすることができ、克服すべき抵抗を低減することができるので、拭き取り部材の駆動機構の強度を低減することができる。
【0042】
駆動装置は、例えば、拭き取り部材を排出領域に沿って直線的/一直線上に移動させるように構成されてもよい。言い換えれば、拭き取り部材は、その長手方向に沿った直線状の運動で排出領域に沿って移動し、排出領域を拭き取り、洗浄してもよい。
【0043】
様々な実施形態によれば、拭き取り部材は、例えばリニアガイドによって排出領域に沿って直線的/一直線上に移動可能であり、例えば拭き取り部材がリニアガイドのスライドに取り付けられていてもよい。言い換えれば、駆動装置は、様々な実施形態によるリニアガイドを備えていてもよい。様々な実施形態によれば、拭き取り部材は、例えば、排出領域に沿ってのみ移動可能であってもよいし、高さ方向に限定されていてもよい。
【0044】
様々な実施形態によれば、駆動装置は、例えば、拭き取り部材を(例えば、被覆装置を洗浄した後に)下方位置(例えば、「パーキング位置」または「アイドル位置」)に移動させ、被覆装置との衝突(例えば、被覆装置の通常の動作中)を回避するように構成されていてもよい。したがって、拭き取り部材は、例えば、下方位置と、駆動装置による下方位置(例えば、排出領域を洗浄するための「洗浄位置」)と比較して上昇した位置との間で前後に移動可能であってもよい。言い換えれば、拭き取り部材は、高さ方向に少なくとも2つの前記した位置の間で高さ方向にも移動可能に構成されていてもよい。これにより、被覆装置洗浄装置を構成場の近くに配置してもよいし、被覆装置の通常の動作に影響を及ぼすことなく(例えば、被覆装置が第1の洗浄と第2の洗浄との間を移動する間)、被覆装置洗浄装置を被覆装置の近くに移動させることができれば、3Dプリンタの特にコンパクトな構成が可能である。言い換えれば、洗浄装置を横切って衝突することなく被覆装置を移動させることが可能である。また、拭き取り部材自体を下方位置で洗浄することが可能であり、それによって最終的に被覆装置のさらに改善された洗浄が達成される。
【0045】
様々な実施形態によれば、駆動装置は、被覆装置が被覆装置の洗浄位置にあるときに、例えば、拭き取り部材を排出領域に沿って(すなわち、実質的にその長手方向に、および/または(排出領域の長さに実質的に沿って、例えば実質的に全長に沿って、またはその実質的な部分に沿って)、第1の経路部分と共に延びる循環経路(例えば、2つの直線部分および2つの湾曲部分、例えば半円形部分を含む閉鎖経路/軌道)に沿って移動させるように構成されてもよい。このように、本実施形態によれば、拭き取り部材は、それ自身の回転軸を中心に回転移動することはなく、外部ポイントの回りを循環する。第1経路部分は、例えば、直線状に構成されてもよく、および/または排出領域に対して平行に、または排出領域に延びてもよい。拭き取り部材を循環経路に沿って移動させるには、拭き取り部材を上記の下方位置にその間移動させるのが可能な方法である。この点に関して、循環経路は、例えば、第1の経路部分の垂直下方に、排出領域の垂直下方に配置された第2の経路部分を含んでいてもよい。この点において、第2経路部分は、例えば、直線状に構成されてもよく、および/または第1経路セクションに対して平行に延びてもよい。拭き取り部材が第2の経路部分に位置している場合、拭き取り部材は、例えば、排出領域から下方に向き、すなわち、排出領域から外れていてもよいが、第1の経路部分に位置している場合は上方に向いている。
【0046】
様々な実施形態によれば、駆動装置は、例えば、拭き取り部材が取り付けられ、循環方式(例えば内側の循環路)で移動可能な細長いキャリア構造(例えば、可撓性および/またはエンドレスキャリア構造)を含み、拭き取り部材をその循環路に沿って移動させる。したがって、駆動装置は、例えば、駆動手段によって内部循環経路に沿って細長いキャリア構造を移動させるように構成されてもよい。細長いキャリア構造は、例えば、ベルトおよび/またはストラップとして提供されてもよい。駆動装置は、例えば、2またはそれ以上のデフレクション手段(例えば、(ベルト)プーリーおよび/またはロールの形態を有する)をさらに備えてもよく、少なくとも1つのデフレクション手段を(例えば、電動モータによって)駆動することによって、キャリア構造、ひいてはワイパーブレードが被覆装置に対して移動可能となるように、細長いキャリア構造が巻き付け/敷設/ガイドされる。例えば、内側循環路の第1の部分は、排出領域に対して実質的にその長手方向に(わずかな)距離だけ延びていてもよく、および/または排出領域の垂直方向下方に配置されていてもよく、および/または直線的に構成されていてもよく、および/または排出領域に平行に延在してもよく、および/または高さ方向に排出領域と第2の部分との間に配置してもよく、これは再び直線状および/または排出領域および/または第1の経路部分に対して並行に延びてもよい。
【0047】
様々な実施形態によれば、被覆装置洗浄装置は、例えば、拭き取り部材の位置を検出するように構成されたセンサ(例えば、位置センサ)をさらに備えていてもよい。このために、センサによって検出されるターゲットは、拭き取り部材自体に取り付けられてもよく、および/または拭き取り部材によって形成されてもよく、および/または上記キャリア構造に取り付けられてもよく、および/またはキャリア構造によって形成されてもよい。センサは、例えば、コントローラに接続することができる。コントローラは、例えば、センサによって受信された位置信号に従って駆動装置(例えば、その電動モータ)を制御するように構成されてもよい。これにより、例えば、洗浄が意図した通りに確実に行われ、および/または洗浄後に拭き取り部材が上述の下方位置に配置されることを確実にすることができる。
【0048】
複数の拭き取り部材を使用する場合、これらの拭き取り部材は、被覆装置が、1以上の拭き取り部材と衝突しないように、例えば共にそれぞれ下方位置に移動してもよい。例えば、拭き取り部材が移動可能な上記循環経路の場合、拭き取り部材は、互いに離間して、または互いに相対的に、それらが全ておよび/または共に第2の経路部分上に配置されていてもよく、および/または第2の経路部分に移動可能であってもよく、および/または、例えば洗浄工程が一旦完了すると、第1の経路部分が拭き取り部材から解放されてもよい。
【0049】
様々な実施形態によれば、例えば、異なる拭き取り部材の動作パターンに従って駆動装置(例えば、その電動モータ)を制御するように構成されたコントローラ/コントロールユニット(例えば、センサに接続された上述のコントローラ)を設けてもよい。言い換えれば、コントローラには様々な動作パターンが記憶されていてもよい。第1の動作パターンは、例えば、一方向(例えば、上述の循環経路に沿った)での拭き取り部材の永久的な移動を含んでもよい。第2の動作パターンによれば、拭き取り部材は、例えば、左および右に交互に移動させてもよい。さらに、2つの動作パターンは、例えば、1つの拭き取り部材または複数の拭き取り部材が異なる速度で移動する点で異なる。拭き取り部材に異なる動作パターンを与えることにより、それぞれ適切な洗浄を効率的に実行することができる。コントローラは、例えば、使用される構成材料、および/または汚染の程度、および/または排出領域の閉塞(下記参照)、および/または洗浄間隔(すなわち、連続する2回の洗浄の間のタイムラグ)に応じてそれぞれの動作パターンを選択してもよい。
【0050】
様々な実施形態によれば、3Dプリンタは、例えば被覆装置の排出領域の汚染および/または障害を、例えば汚染および/または障害の程度を含めて、(例えば、光学的に)検出するセンサ(汚染センサ)を備えることができる。この場合、コントローラは、例えば、汚染および/または障害に応じて対応する動作パターンを選択して実行するように構成されていてもよい。
【0051】
様々な実施形態によれば、被覆装置洗浄装置は、例えば、(少なくとも部分的に)収集容器(例えば、槽)内に受け入れ/配置することができる。この点に関して、拭き取り部材は、例えば、被覆装置を洗浄するために、またはその洗浄位置において、容器の縁を越えて上方に突出してもよい。洗浄の間に発生した粒状材料、例えばブラッシングで除去された粒状材料は、容器内、例えば槽内に蓄積することができる。さらに、拭き取り部材自体の洗浄は、容器/槽内で行われてもよい。蓄積された粒状物質は、例えばリサイクルしてもよい。
【0052】
本発明の様々なアスペクトによれば、3Dプリンタは、被覆装置と被覆装置洗浄装置とを備え、被覆装置は、粒状構成材料を受容するための内部空洞を画定し、粒状構成材料を排出する排出領域を有し、被覆装置洗浄装置の上方に配置された洗浄位置に移動させることができる容器を備える。この点において、被覆装置洗浄装置は、循環式に(例えば、内部循環経路に沿って)移動可能な細長いキャリア構造(例えば、ベルトおよび/またはストラップの形状)と、キャリア構造に取り付けられている拭き取り部材とを備える。さらに、被覆装置洗浄装置は、循環式にキャリア構造を移動させることによって、被覆装置が被覆装置洗浄装置内に位置したときに被覆装置の排出領域を洗浄するように構成されていてもよく、それによってキャリア構造に取り付けられた拭き取り部材は、被覆装置の排出領域を実質的に長手方向(例えば、長手方向)に、例えばその長手方向の全長に沿って拭き取る。
【0053】
上記は3Dプリンタにも同様に適用される。これに関して、例えば、請求項2〜10に記載の実施形態は、この3Dプリンタにも同様に適用される。
【0054】
本発明の様々なアスペクトによれば、3Dプリンタの被覆装置を洗浄する方法を提供することができ、前記被覆装置は、粒状構成材料を受け入れるための内部空洞を画定し、前記粒状構成材料を排出するための細長い排出領域を有する容器を備え、
前記洗浄方法は、
前記拭き取り部材と、拭き取り部材を移動/回転移動させる駆動手段以とを備えた被覆装置洗浄装置の上方に、前記被覆装置が配置される洗浄位置に前記被覆装置を移動させ、
前記駆動装置によって実質的に前記排出領域の長手方向(例えば、長手方向)に前記拭き取り部材を移動させて、前記被覆装置が前記被覆装置の洗浄位置にあるときに拭き取りして洗浄する。
【0055】
様々な実施形態によれば、例えば、被覆領域との衝突を回避するために、排出領域を洗浄した後、拭き取り部材を下降した位置に移動させてもよい。例えば、拭き取り桶は、この目的のために循環路上を移動してもよい。
【0056】
様々な実施形態によれば、拭き取り部材の移動は、例えば、閉鎖された軌道上で行うのがよい。
【0057】
それとは別に、3Dプリンタに関して上記で提供されたコメントまたは3Dプリンタは、この方法に同様にして適用される。
【0058】
さらに、次のことが、洗浄方法と3Dプリンタの両方に適用される。
【0059】
この用途の意味における粒状構成材料は、少なくとも1種類の粒状材料(例えば、砂粒(例えば、砂利)の砂、および/または金属粒子、および/または合成材料の粒子)を含む構成材料として理解され得る。新しい砂と再利用砂の混合物、または微細砂と粗砂の混合物または2つの異なる種類の砂の混合物のように、いくつかの異なる種類の粒状物質も構成材料に含んでもよい。さらに、構成材料は、少なくとも1つの液体成分、例えばバインダー成分、例えば活性化剤、および/または1以上の固体および/または液体の添加剤を含んでもよい。構成材料がバインダー成分を含む場合には、予め被覆された構成材料層上に、フラン樹脂等の別のバインダー成分を印刷装置により、前に適用した構成材料層の上に選択的に印刷してこの層を所定の領域間で固化させてもよい。製造される部品、例えば鋳型または鋳物芯に応じて、この目的のために特別に調製された構成材料組成物を使用してもよい。この点において、構成材料組成は、使用される成分の数だけでなく、構成材料(混合物)に含まれる部品のそれぞれのタイプおよびそれぞれのシェアによって規定されてもよい。この点で、構成材料の滴下または流れの挙動は、構成材料の組成に応じてかなり変動しうる。これに対応して、汚染の一時的な発生および/または汚染の程度、およびそのために必要な洗浄は、使用される構成材料の組成に応じて変化しうる。
【0060】
様々な実施形態によれば、被覆装置は、例えば、内部空洞内に受け入れられた粒状材料を振動させてそれに影響を及ぼすように振動装置を設け、例えば、粒状構成材料の滴下または流れの挙動、または排出領域からの粒状構成材料の排出を支持するために使用してもよい。この種の振動装置は、例えば、容器の壁部の少なくとも一部が振動するか、または粒状構成材料の排出に影響を与える振動運動に曝されるシェーキング装置によって形成されてもよい。様々な実施形態によれば、滴下または流れの挙動が乏しい粒状構成材料は、振動装置を用いて適切に振動させてもよく、および/または構成材料を受け入れる容器の壁部分が、シェーキング装置を用いて適切なシェーキング運動に曝されてもよい。
【0061】
様々な実施形態によれば、被覆装置には、例えば、被覆装置が停止しているときに構成材料が流出/漏れ出すことを防止する、容器の内側に複雑に入り組んだ構造、および/または(例えば排出スロットの)排出領域の選択的閉鎖を可能にする、例えば被覆装置に取り付けられた閉鎖部材を備えた閉鎖装置が備えられていてもよい。
【0062】
本発明の一例であるがこれに限定されない実施形態を図面に示し、以下詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0063】
図1は、本発明の第1の実施形態に係る3Dプリンタの被覆装置および被覆装置洗浄装置の側面図である。
図2は、
図1による被覆装置および被覆装置洗浄装置の断面図を示す。
図3は、本発明の第2の実施形態に係る3Dプリンタの被覆装置および被覆装置洗浄装置の側面図を示す。
図4は、
図3による被覆装置および被覆装置洗浄装置の断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0064】
以下の詳細な説明では、その中に組み込まれ、本発明を実施することができる特定の実施形態を例示として示す添付の図を参照する。この点において、「上」、「下」、「前」、「後」などの用語は、記載された図の方向に関して使用される。実施形態の構成要素は多数の異なる方向に配置されてもよいため、異なる方向を示す用語は説明のためのものであり、決して限定的ではない。
【0065】
本発明の保護の範囲から逸脱することなく、他の実施形態を使用することができ、構造的または論理的変更を行うことができることを理解されたい。言うまでもなく、本明細書に記載された様々な例示的実施形態の特徴は、他に特定されない限り組み合わせてもよい。したがって、以下の詳細な説明は、限定的な意味で理解されるべきではなく、本発明の保護の範囲は、添付の特許請求の範囲によって規定されるものとする。
【0066】
この説明では、「接続された」、「取り付けられた」および「結合された」などの用語は、直接および間接接続、直接または間接接続、および直接または間接結合の両方を表すために使用される。
【0067】
図面において、同一または類似の部材には、適切な場合には同一の参照番号が付される。
【0068】
図1および
図2は、それぞれの排出領域36を洗浄するため、被覆装置洗浄装置50の鉛直上方に配置された洗浄位置に移動する被覆装置30の概略的な簡略化された側面図および断面図を示す。洗浄位置は、例えば、関連する3Dプリンタ10の構成場の近くに配置され、その構成場は示されていない。
【0069】
図示されているように、被覆装置30は、粒状構成材料を受容するための内部空洞34を画定する容器32を含む。さらに、被覆装置30は、粒状構成材料を構成場に排出するための細長い排出領域36を有する。
【0070】
被覆装置洗浄装置50は、少なくとも1つの拭き取り部材54と、拭き取り部材を移動させるための駆動装置とを備える。
【0071】
ここで、複数の拭き取り部材54が例として示されており、一例として、グループ56に6つの拭き取り部材54がそれぞれ配置され、拭き取り部材のグループが全部で5つ設けられている。
【0072】
ここで、全ての拭き取り部材54は、一例として、ブラシとして構成されており、特にブラシトリミング54aを示す
図2を参照すると、例えば毛が逆立った形態である。
図1に示すように、拭き取り部材54は、被覆装置30との衝突を回避するために、駆動装置によって各々下方位置に一緒に移動するように分布してなる。この点に関して、
図1は、それぞれ上昇位置にある全ての拭き取り部材54を示すが、拭き取り部材54は、共に下方位置に移動可能であることを理解すべきである。
【0073】
駆動装置は、被覆装置30が被覆装置洗浄位置にあるとき、拭き取り部材54を排出領域36に沿って移動させて洗浄するように構成される。
【0074】
図1に示すように、被覆装置30および容器32はそれぞれ細長い形状を有する、すなわち、長手方向Lにおける延長は、横方向Qにおける延長よりも大きい。同様のことが、横方向Qの延長よりも大きい長手方向Lへの延長を有する排出領域36にも当てはまる。例えば、
図1の排出領域36は、容器32の実質的に全長にわたって延びていてもよい。
【0075】
図2に示すように、排出領域36は、細長い排出スロット40と、容器32から構成場に排出された構成材料を撫付けるように構成され、それによって排出された構成材料を平坦におよび/または圧縮する、少なくとも1つの細長い撫付け/掃引面とを含む。ここで、被覆装置30は、双方向被覆装置として構成されており、両方向(すなわち、左および右への移動中および/または構成場を越えて往復動の間に)の構成場に層を適用してもよく、この目的のために、被覆装置には、ここでは2つの棒状の撫付け/掃引部材38aおよび38bによって、またはそれらのそれぞれの下側によって形成されている2つの細長い撫付け面が設けられている。2つの撫付け/掃引部材38a、38bは、排出スロット40の対向する側で被覆装置の横方向(被覆装置が構成場を横切って水平に移動できる方向に)に配置され、横方向にそれを区切る。被覆装置は、1つの撫付け/掃引表面および/または1つの撫付け/掃引部材を有する単方向被覆装置として構成することができることも理解されたい。また、被覆装置は、撫付け表面/撫付け部材無しで実現することもできる。
【0076】
図2によってさらに示されるように、(それぞれの)拭き取り部材54は、ここでは例えば完全にその横方向に排出領域36を覆い、すなわち、排出スロット40と、下方に突出する掃引部材38a、38bの部分の下側によって形成される2つの(有効な)撫付け面との両方が、下側が構成場に面している。
【0077】
駆動装置は、拭き取り部材54を排出領域36に沿って移動させて排出領域36を洗浄するように構成されている。そのため、被覆装置30が被覆装置洗浄位置にあるとき、実質的に長手方向における排出領域の拭き取りによって、細長い排出領域36は、例えば、従来技術から知られているように、その横方向における排出領域の拭き取りと比較して、効果的かつ効率的に洗浄することができる。
【0078】
図1に示すように、駆動装置は、循環経路U(
図1の点線)に沿ってそれぞれの拭き取り部材54を移動させるように構成されてもよく、被覆装置30が被覆装置洗浄位置にあるときに、排出領域36に沿って第1の経路部分と共に延びる。ここで、第1の経路部分は、直線状で、排出領域36において/その中に延在するように構成される。ここでは、直線状に構成された第2の経路部分が第1の経路領域の下方に延びている。
【0079】
この点において、駆動装置は、例えば、ここでは無端ベルトまたは無限のストラップの形状で、各拭き取り部材54が取り付けられ、循環式に(例えば電動モータによって)移動可能であり、それによって拭き取り部材をその循環経路に沿って移動させることができる、細長いキャリア構造52を含む。
【0080】
図1に示すように、駆動装置は、例えば、第1の円盤58および第2の円盤60をさらに備え、そのうちの1つは、例えば電気モータ(図示せず)によって駆動されて、無端のストラップ/ベルトを移動させ、それによってそれぞれの拭き取り部材54を順に移動させる。
【0081】
図1および
図2は、ブラシが上昇位置にあり、排出領域を洗浄するために上方に向けられた状態を示す。3Dプリンタ10の通常の動作では、すべてのブラシを下方位置に移動させて下向きにして、被覆装置/リコータ30を衝突することなく横切って移動させることができる。被覆装置30またはその排出領域36を清浄する場合、洗浄装置50を上方の位置に移動させて停止させることができる。次に、ブラシ駆動をオンにするか、または2つの第1および第2の円盤58,60の一方を(例えば、図示しない制御装置によって)回転させてブラシをその下方位置から上方に移動させる。ブラシおよび無端ストラップ/ベルトそれぞれの適切な運動パターンは、所望の洗浄効果を達成するのに役立つ。例えば、エンドレスストラップ/ベルトを一方向に永続的に移動させることができ、またはエンドレスストラップ/ベルトを左右に交互に移動させることができる。排出領域が十分に洗浄された後、ブラシは再び下方に移動させ、被覆装置/リコータ30を、衝突することなく再び洗浄位置を横切って移動させてもよい。
【0082】
次に、本発明の他の実施形態に係る3Dプリンタについて、
図3および
図4を参照して説明する。この点に関して、3Dプリンタが
図1および
図2のものと共通する特徴部分の繰り返しとなる記載は可能な限り省略される。
【0083】
図3および
図4の3Dプリンタ10と
図1および
図2の3Dプリンタとの1つの違いは、3Dプリンタ10または本実施形態に係るクリーニング装置50が、キャリア部材52の循環位置、ひいてはそれぞれの拭き取り部材54の位置を検出するように構成されるセンサSを備える点である。この目的のために、例えば、
図3に示すように、センサターゲット62がキャリア構造52に取り付けられていてもよい。代替的にまたは追加的に、拭き取り部材54自体の1以上は、例えば、センサターゲット62を備えてもよい。
【0084】
図3によってさらに示されるように、3Dプリンタ10は、例えば、円盤58を駆動する電気モータ(図示せず)を有する駆動装置に接続されたコントローラCを備えてもよい。コントローラCは、排出領域36を洗浄するための1以上の移動パターンを含んでいてもよい。
【0085】
例えば、センサとコントローラとを互いに接続すると、センサによって検出された位置をコントローラに送信することができる。
【0086】
その他、
図3および
図4の被覆装置洗浄装置50は、
図1および
図2のものと同様である。
【0087】
この実施形態による被覆装置30は、例えば、以下の文献:独国特許出願公開第 10 2014 112 454.5号明細書、独国特許出願公開第 10 2014 112 450.2号明細書、独国特許出願公開第 10 2014 112 469.3号明細書のいずれかに記載されているように、被覆装置構成の形態で構成されていてもよい。これらの文書の開示内容は、それぞれ、被覆装置および被覆装置の配置に関する限り、ここに含まれる。
【0088】
あるいは、被覆装置は、例えば、以下の文献:国際公開第2011/067303 号パンフレットおよび独国特許出願公開第10 2009 056 687号明細書のいずれか1つに記載のように構成されてもよい。被覆装置に関する限り、これらの文書の開示内容も本明細書に含まれる。
【0089】
図4に示すように、ここでは、容器32は、左のキャリア構造31’と右のキャリア構造31との間に配置/形成されてもよい。この点において、それぞれのキャリア構造は、上部キャリア構造31aおよび31a’および下部キャリア構造31bおよび31b’からそれぞれ構成されてもよい。これに関して、ここでは詳細には図示されていない容器32の壁は、例えば、右上および/または左上のキャリア構造31a、31a'に取り付けられて、下方に延びてもよい。
【0090】
この点において、いわゆるチャージング容器は、例えば、それぞれ左右の上側キャリア構造31aおよび31a’、および/またはそれに固定された各々の壁構造の近傍、および/またはそれらの間に形成されてもよい。
【0091】
図4によってさらに示されるように、それぞれ、それぞれ閉鎖部材42aおよび42bおよび/または撫付け/掃引ブレード38aおよび38bは、例えば、左および/または右の下側キャリア構造31b、31b’に固定されてもよい。後者は、その下側に、容器から排出された構成材料を撫付けるように構成された細長い撫付け面を形成し、それによって排出された構成材料を平坦におよび/または圧縮する。閉鎖部材42aおよび42bは、それぞれ、例えば、排出スロット40に面する部分を含み、圧縮空気によって変形可能であり得る。この点で、
図4には閉鎖状態が示されており、それぞれの変形可能部分は、例えば排出領域36を洗浄するために、排出スロット40を閉じるために内側に移動される。
【0092】
本発明の特定の例示的な実施形態の前述の説明は、例示および説明の目的で提示されたものである。それは包括的であることを意図したものでも、本発明を開示された精密な形態に限定するものでもない。本明細書に開示された教示に照らして様々な変更および変形が可能であることを理解されたい。例示的な実施形態は、当業者が本発明の様々な例示的な実施形態、ならびにその様々な代替および変更を製造し使用することを可能にするために、本発明の特定の原理およびその実際の適用を説明するために選択および記載されている。本発明の保護の範囲は、添付の特許請求の範囲およびそれらの等価物によって規定されるものとする。