特許第6577074号(P6577074)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 杉山電機システム株式会社の特許一覧

<>
  • 特許6577074-ミスフィード検出装置 図000002
  • 特許6577074-ミスフィード検出装置 図000003
  • 特許6577074-ミスフィード検出装置 図000004
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6577074
(24)【登録日】2019年8月30日
(45)【発行日】2019年9月18日
(54)【発明の名称】ミスフィード検出装置
(51)【国際特許分類】
   B21D 43/00 20060101AFI20190909BHJP
   G04F 3/00 20060101ALI20190909BHJP
   B30B 15/00 20060101ALI20190909BHJP
【FI】
   B21D43/00 B
   G04F3/00 301E
   B21D43/00 D
   B30B15/00 D
【請求項の数】2
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2018-20790(P2018-20790)
(22)【出願日】2018年2月8日
(65)【公開番号】特開2019-136728(P2019-136728A)
(43)【公開日】2019年8月22日
【審査請求日】2018年2月8日
(73)【特許権者】
【識別番号】397051689
【氏名又は名称】杉山電機システム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000394
【氏名又は名称】特許業務法人岡田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】杉山 良夫
(72)【発明者】
【氏名】岩瀬 隆幸
【審査官】 豊島 唯
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−181514(JP,A)
【文献】 特開平08−174103(JP,A)
【文献】 実開昭60−187906(JP,U)
【文献】 特開2001−096329(JP,A)
【文献】 特開2004−174556(JP,A)
【文献】 米国特許第04525706(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B21D 43/00 − 43/05
B30B 15/00
G04F 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
材料を順送りに供給してプレス加工するプレス機に対して所定の時刻までに前記材料が未検出の場合、前記プレス機に対して前記プレス加工の停止信号を送信するミスフィード検出装置であって、
前記プレス機に対して前記材料が検出された時刻から前記所定の時刻までの時間を差し引いて算出する第1制御部と、
前記第1制御部が算出した時間を表示する第1表示部と、を備えているミスフィード検出装置。
【請求項2】
請求項1に記載のミスフィード検出装置であって、
前記第1制御部が算出した時間を角度に変換する第2制御部と、
前記第2制御部が変換した角度を表示する第2表示部と、を備えているミスフィード検出装置。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ミスフィード検出装置に関し、詳しくは、材料を順送りに供給してプレス加工するプレス機に対して所定の時刻までに材料が未検出の場合、プレス機に対してプレス加工の停止信号を送信するミスフィード検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、材料を順送りに供給して一対の金型によってプレス加工するプレス機に対して所定の時刻(プレス加工を停止させると、金型が型締めされる前に金型を停止できる時刻であり、後述するタイミング信号がOFFする時刻)までに材料が未検出の場合、このプレス機に対してプレス加工の停止信号を送信する技術、いわゆる、ミスフィード検出に関する技術が既に知られている(特許文献1参照)。この技術を装置化したものとして、例えば、ミスフィード検出装置が既に知られている。このミスフィード検出装置をプレス機に対して電気的に接続することにより、このプレス機に対して材料が未検出(未供給)の状態でプレス加工が施されることを防止できる。したがって、プレス機の金型の破損を防止できる。また、このようなミスフィード検出装置には、2つの表示部(例えば、第1ランプと第2ランプ)が備えられている。この第1ランプは、タイミング信号のONに同期して点灯するものである。このタイミング信号とは、任意に決定可能な信号であり、このタイミング信号がONしているときに、プレス機に対して供給された材料を検出できないと、ミスフィードと判断してプレス機のプレス加工を停止させるためのものである。また、この第2ランプは、プレス機に対する材料の検出(供給)の有無に同期して点灯するものであり、材料を検出した時刻から未検出となった時刻までの時間だけ点灯するものである。これら2つのランプの点灯により、プレス機の動作状態の確認を簡便に実施できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開昭57−156295号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したプレス機では、生産効率を高めるためにプレス加工の加工速度を速めると、金型の停止に要する時間が増加することとなる。そのため、ミスフィード防止の観点から、余裕時間(プレス機に対して材料が検出された時刻からタイミング信号がOFFするまでの時刻)を短く設定する必要があった。しかしながら、この設定は、上述した2つのランプの点灯を見ながら行う作業となっており、経験や勘に頼るといった個人差が生じる作業となっていた。
【0005】
本発明は、このような課題を解決しようとするもので、その目的は、プレス機のプレス加工の余裕時間を短くする設定を簡便にできるミスフィード検出装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記の目的を達成するためのものであって、以下のように構成されている。
請求項1に記載の発明は、材料を順送りに供給してプレス加工するプレス機に対して所定の時刻までに材料が未検出の場合、プレス機に対してプレス加工の停止信号を送信するミスフィード検出装置である。このミスフィード検出装置は、プレス機に対して材料が検出された時刻から所定の時刻までの時間を差し引いて算出する第1制御部と、第1制御部が算出した時間を表示する第1表示部とを備えている。


【0007】
請求項1の発明によれば、プレス加工の余裕時間を短く設定する作業は、第1表示部に表示された数値を確認しながら実施可能となっている。したがって、従来技術で説明したような、2つのランプの点灯を見ながら行う作業となることがないため、この設定を簡便に実施できる。
【0008】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のミスフィード検出装置であって、第1制御部が算出した時間を角度に変換する第2制御部と、第2制御部が変換した角度を表示する第2表示部とを備えている。
【0009】
請求項2の発明によれば、余裕時間をプレス加工の一連の動作に対応させた状態で(視覚化して)捉えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施形態に係るプレス機とミスフィード検出装置との概略構成を説明する図である。
図2図1におけるロータリーカムによるプレス機のプレス加工の一連の動作を説明する図である。
図3図1におけるタイミング信号とセンサ信号との関係を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を実施するための形態を、図1〜3を用いて説明する。はじめに、プレス機1とフィーダ3とミスフィード検出装置4の構成を個別に説明する。
【0012】
まず、プレス機1から説明する。このプレス機1は、上型10と下型11とから成る一対の金型を備えている。この上型10は、上下に往復移動するスライダ13の下面に取り付けられている。一方、この下型11は、床フロア(図示しない)に固定されている。スライダ13およびこれに取り付けられた上型10を上下に往復移動させる機構は、両端が軸支されたクランク軸14と、このクランク軸14のオフセット部分14aとスライダ13とを連係させるロッド15とから構成されている。
【0013】
このプレス機1の制御は、制御装置16によって行われ、クランク軸14の回転も制御装置16からの駆動指令信号を受けた駆動回路17およびサーボモータ18によって制御されている。また、プレス機1には、クランク軸14の回転角度を検出するロータリーカム(電子式のカムスイッチ)19が備えられている。このロータリーカム19は、クランク軸14の回転角度を1度単位で測定することが可能である。このロータリーカム19により、例えば、図2に示すように、プレス機1のプレス加工の一連の動作状態を認識できる。また、プレス機1には、後述するフィーダ3から金型(上型10と下型11)に対して材料30の有を検出するセンサ20が備えられている。プレス機1は、このように構成されている。
【0014】
次に、フィーダ3を説明する。このフィーダ3は、プレス機1に対して材料30を供給する付帯設備であり、プレス機1の上型10の往復移動に連動して材料30を金型(上型10と下型11)に順送りに供給可能な構成となっている。このフィーダ3は、例えば、図1に示すように、フープ31から材料30を引き出すように回転する一対のローラ32、33と、この一対のローラ32、33を間欠回転させるサーボモータ34および駆動回路35とから構成されている。このように一対のローラ32、33の回転は、制御装置16から出力される駆動指令信号より駆動する駆動回路35およびサーボモータ34により制御されるので、クランク軸14の回転と連動して一対のローラ32、33を回転させることが可能である。フィーダ3は、このように構成されている。
【0015】
最後に、ミスフィード検出装置4を説明する。このミスフィード検出装置4は、コントローラ40と、スイッチ等からなる操作部41と、時間表示可能な第1表示部42と、角度表示可能な第2表示部43とから構成されている。このコントローラ40が、特許請求の範囲に記載の「第1制御部と第2制御部」に相当する。このコントローラ40は、これら操作部41と第1表示部42と第2表示部43に対して電気的に接続されている(図1参照)。このコントローラ40は、上述したプレス機1の制御装置16とロータリーカム19とセンサ20と電気的に接続されている。このロータリーカム19とセンサ20とにより、ミスフィード検出装置4のコントローラ40は、プレス機1のプレス加工の一連の動作状態を認識できる。ミスフィード検出装置4は、このように構成されている。
【0016】
続いて、図2〜3を参照して、このプレス機1のプレス加工の一連の動作を説明する。プレス機1は、制御装置16の制御によりクランク軸14とフィーダ3とが連動して材料30にプレス加工を連続して行う。この図2において、上型10の往復移動における上死点に相当する位置がクランク軸14の回転角度0°であり、同下死点に相当する位置が回転角度180°である。
【0017】
この回転角度が240°から60°までの角度θ1が、タイミング信号がONしている時間に相当する。このタイミング信号とは、プレス機1のロータリーカム19によって任意に設定可能な信号のことであり、このタイミング信号がONしているときに、プレス機1に対して供給された材料30を検出できないと、ミスフィードと判断してプレス機1のプレス加工を停止させるためのものである。なお、このタイミング信号がOFFする時刻が、特許請求の範囲に記載の「所定の時刻」に相当する。
【0018】
また、この回転角度がa°から270°までの角度θ2が、センサ20からの材料検出信号がON(材料30を検出)している時間に相当する。また、この回転角度がb°からc°までの角度θ3が、材料30に対してプレス加工が行われている時間に相当する。また、この回転角度がa°から60°までの角度θ4が、後述する余裕角度となっている。この余裕角度は、センサ20からの材料検出信号がONした時刻からタイミング信号がOFFした時刻までの時間(以下、「余裕時間」と記す)から算出されるものである。
【0019】
この余裕時間は、ミスフィード検出装置4のコントローラ40によって算出されるものであり、タイミング信号がOFFした時刻からセンサ20からの材料検出信号がONした時刻を差し引いた時間のことである。図3において、tが余裕時間を示している。なお、この図3において、Tは、プレス機1のプレス加工の一工程(1サイクル)に要する時間である。
【0020】
そして、この算出された余裕時間は、ミスフィード検出装置4の第1表示部42に表示されている。さらに、この算出された余裕時間は、ミスフィード検出装置4のコントローラ40によって角度に変換されている。この変換された角度が上述した余裕角度(θ4)であり、ミスフィード検出装置4のコントローラ40によって、360×t/Tによって算出されている。
【0021】
そして、この変換された余裕角度は、ミスフィード検出装置4の第2表示部43に表示されている。なお、ミスフィード検出装置4のコントローラ40は、図2に示すように、回転角度が60°に到達するまでに、センサ20からの材料検出信号のONを検出すると、ミスフィードでないと判断してプレス機1の制御装置16に対してプレス加工の停止信号を送信しない処理を実行している。
【0022】
一方、ミスフィード検出装置4のコントローラ40は、回転角度が60°に到達するまでに、センサ20からの材料検出信号のONを検出しないと、ミスフィードと判断してプレス機1の制御装置16に対してプレス加工の停止信号を送信する処理を実行している。これにより、従来技術と同様に、プレス機1に対して材料30が未検出(未供給)の状態でプレス加工が施されることを防止できる。したがって、プレス機1の金型(上型10、下型11)の破損を防止できる。
【0023】
本発明の実施形態に係るミスフィード検出装置4は、上述したように構成されている。この構成によれば、ミスフィード検出装置4のコントローラ40は、タイミング信号がOFFした時刻からセンサ20からの材料検出信号がONした時刻を差し引いた余裕時間を算出可能となっている。そして、この算出された余裕時間は、ミスフィード検出装置4の第1表示部42に表示されている。そのため、この余裕時間を短く設定する作業は、第1表示部42に表示された数値を確認しながら実施可能となっている。したがって、従来技術で説明したような、2つのランプの点灯を見ながら行う作業となることがないため、この設定を簡便に実施できる。
【0024】
また、この構成によれば、ミスフィード検出装置4のコントローラ40は、算出した余裕時間を余裕角度に変換可能となっている。そして、この変換された余裕角度は、ミスフィード検出装置4の第2表示部43に表示されている。そのため、余裕時間を角度表示で認識できることとなる。したがって、余裕時間をプレス加工の一連の動作に対応させた状態で(視覚化して)捉えることができる。
【0025】
上述した内容は、あくまでも本発明の一実施の形態に関するものであって、本発明が上記内容に限定されることを意味するものではない。実施形態で説明した各種の数値は、一例であって、これに限定されるものでなく、プレス機1や材料30等に応じて決められる設計的な事項である。また、プレス機1は、油圧によって駆動する直動式プレスであっても構わない。
【0026】
また、実施形態では、センサ20は、材料30を検出すると、材料検出信号をONする構成を説明した。しかし、これに限定されるものでなく、センサ20は、材料30を検出すると、材料検出信号をOFFする構成でも構わない。また、実施形態では、第1表示部42と第2表示部43とは、個別に設けられる構成を説明した。しかし、これに限定されるものでなく、第1表示部42と第2表示部43とは、共通に設けられる構成(同一な構成)でも構わない。その場合、切替スイッチ等を設けておき、時間と角度との表示の切り替えを行う構成となる。
【符号の説明】
【0027】
1 プレス機
4 ミスフィード検出装置
30 材料
40 コントローラ(第1制御部、第2制御部)
42 第1表示部
43 第2表示部


図1
図2
図3