特許第6577075号(P6577075)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6577075
(24)【登録日】2019年8月30日
(45)【発行日】2019年9月18日
(54)【発明の名称】医療用装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/24 20060101AFI20190909BHJP
   A61M 25/10 20130101ALI20190909BHJP
【FI】
   A61B17/24
   A61M25/10 540
【請求項の数】20
【全頁数】27
(21)【出願番号】特願2018-25882(P2018-25882)
(22)【出願日】2018年2月16日
(62)【分割の表示】特願2015-505941(P2015-505941)の分割
【原出願日】2013年4月12日
(65)【公開番号】特開2018-108407(P2018-108407A)
(43)【公開日】2018年7月12日
【審査請求日】2018年2月16日
(31)【優先権主張番号】61/623,892
(32)【優先日】2012年4月13日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/675,569
(32)【優先日】2012年7月25日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/698,040
(32)【優先日】2012年9月7日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】13/827,593
(32)【優先日】2013年3月14日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】506353574
【氏名又は名称】アクラレント インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】チャウ・ミナ・ウェイ−ビン
(72)【発明者】
【氏名】ジェンキンス・トーマス・ロイ
(72)【発明者】
【氏名】リン・アーサー・エム
(72)【発明者】
【氏名】パーダー・メイ・ワイ
(72)【発明者】
【氏名】チャン・ジェシカ・クリステン
(72)【発明者】
【氏名】チャムネス・スコット・オー
【審査官】 中村 一雄
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2012/039905(WO,A1)
【文献】 特表2012−502749(JP,A)
【文献】 特表2008−513125(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/24
A61M 25/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
副鼻腔にアクセスし、かつ前記副鼻腔を拡張及び灌注するための医療用装置であって、
前記医療用装置の片手操作に有用なハンドルであって、近位端、遠位端、及び前記近位端と前記遠位端との間のハンドル本体を有する、ハンドルと、
前記ハンドルの前記遠位端に取り付けられた副鼻腔ガイドカテーテルと、
前記副鼻腔にアクセスするためのガイド要素と、
前記副鼻腔を拡張及び灌注するためのバルーン拡張カテーテルと、を備え、
バルーンカテーテル移動メカニズム及びガイド要素移動メカニズムが、前記医療用装置を前記副鼻腔から除去することなく、前記副鼻腔にアクセスし、かつ前記副鼻腔を拡張及び灌注するように、前記ガイド要素及びバルーンカテーテルを片手で移動させるため前記ハンドルに沿って摺動可能であり、
前記副鼻腔の灌注のために前記ガイド要素を後退させることができるように、前記ガイド要素移動メカニズムおよび前記バルーンカテーテル移動メカニズムは、互いに独立して移動するように構成されており、前記ガイド要素移動メカニズムおよび前記バルーンカテーテル移動メカニズムは、前記ハンドルの頂部に位置しており、
前記ガイド要素移動メカニズムが前記バルーンカテーテル移動メカニズムよりも遠位側に位置する事、及び、前記バルーンカテーテル移動メカニズムが前記ガイド要素移動メカニズムよりも遠位側に位置する事の双方があり得、
前記ガイド要素移動メカニズムおよび前記バルーンカテーテル移動メカニズムは、前記ハンドルの前記頂部に形成された単一の開口を通って、前記ハンドルの上方に突出しており、前記ガイド要素移動メカニズムおよび前記バルーンカテーテル移動メカニズムは、互いに直接摺動する形状および配置を有する、医療用装置。
【請求項2】
前記バルーンカテーテル移動メカニズムが、1本の指又は親指を使用した、前記ハンドル及び前記副鼻腔ガイドカテーテルを通じた前記バルーンカテーテルの前進又は後退のために構成されている、請求項1に記載の医療用装置。
【請求項3】
前記ガイド要素移動メカニズムが、1本の指又は親指を使用した、前記ハンドル及び前記副鼻腔ガイドカテーテルを通じた前記ガイド要素の前進又は後退のために構成されている、請求項1に記載の医療用装置。
【請求項4】
前記ガイド要素移動メカニズムが、前記ガイド要素の回転のために更に構成されている、請求項1に記載の医療用装置。
【請求項5】
前記ガイド要素移動メカニズム及び前記バルーンカテーテル移動メカニズムが、並んで配置される、請求項1に記載の医療用装置。
【請求項6】
前記ガイド要素移動メカニズム及び前記バルーンカテーテル移動メカニズムの内の一方が凸部を有し、前記ガイド要素移動メカニズム及び前記バルーンカテーテル移動メカニズムの内の他方が凹部を有し、前記凸部が前記凹部に入り込んでいる、請求項1に記載の医療用装置。
【請求項7】
前記バルーン拡張カテーテルが、一体型シャフトシステムを含む、請求項1に記載の医療用装置。
【請求項8】
前記一体型シャフトシステムが、近位部分及び遠位部分を有し、かつ
前記近位部分及び前記遠位部分を通して延びる膨張ルーメンと、
前記遠位部分内の組み合わされた灌注ルーメン及びガイド要素ルーメンと、
前記近位部分内の同軸の灌注ルーメン及びガイド要素ルーメンと、を有する、請求項7に記載の医療用装置。
【請求項9】
前記一体型シャフトシステムが、近位部分及び遠位部分を有し、かつ
前記近位部分及び前記遠位部分を通して延びる膨張ルーメンと、
前記遠位部分内の組み合わされた灌注ルーメン及びガイド要素ルーメンと、
前記近位部分内の並んだ灌注ルーメン及びガイド要素ルーメンと、を有する、請求項7に記載の医療用装置。
【請求項10】
前記ガイド要素が、副鼻腔照明システムである、請求項1に記載の医療用装置。
【請求項11】
前記バルーン拡張カテーテルが、更に、
近位端と、
遠位端と、
前記バルーン拡張カテーテルの前記近位端と前記遠位端との間のシャフトシステムであって、近位シャフト区分、中間シャフト区分及び遠位シャフト区分を有する、シャフトシステムと、を含み、
前記近位シャフト区分が、前記バルーンカテーテル移動メカニズム及び膨張ルーメンを含み、
前記中間シャフト区分が、ガイド要素挿入ポート、ガイド要素ルーメン及び膨張ルーメンを有するハイポチューブを含み、前記ガイド要素ルーメン及び前記膨張ルーメンが、並んだルーメンであり、
前記遠位シャフト区分が、インフレータブルバルーン及びガイド要素ルーメンを含む、請求項1に記載の医療用装置。
【請求項12】
前記バルーン拡張カテーテルが、非外傷性先端部分を更に含む、請求項11に記載の医療用装置。
【請求項13】
1つ又は2つ以上の直接可視化マーカを更に含む、請求項11に記載の医療用装置。
【請求項14】
1つ又は2つ以上のX線撮影マーカを更に含む、請求項11に記載の医療用装置。
【請求項15】
前記非外傷性先端部分が、X線撮影で可視である、請求項12に記載の医療用装置。
【請求項16】
前記バルーン拡張カテーテルが、更に、
近位端と、
遠位端と、
前記バルーン拡張カテーテルの前記近位端と前記遠位端との間のシャフトシステムであって、近位シャフト区分、中間シャフト区分及び遠位シャフト区分を有する、シャフトシステムと、を含み、
前記近位シャフト区分が、前記バルーンカテーテル移動メカニズム及び膨張ルーメンを含み、
前記中間シャフト区分が、ガイド要素挿入ポート、ガイド要素ルーメン及び膨張ルーメンを有するハイポチューブを含み、前記ガイド要素ルーメン及び前記膨張ルーメンが、並んだルーメンであり、
前記遠位シャフト区分が、インフレータブルバルーン及びガイド要素ルーメンを含む、請求項1に記載の医療用装置。
【請求項17】
前記バルーンカテーテル移動メカニズムが、1本の指又は親指を使用した、前記ハンドル及び前記副鼻腔ガイドカテーテルを通じた前記バルーンカテーテルの前進又は後退のために構成されている、請求項16に記載の医療用装置。
【請求項18】
1つ又は2つ以上の直接可視化マーカを更に含む、請求項16に記載の医療用装置。
【請求項19】
前記医療用装置が、1つ又は2つ以上のX線撮影マーカを更に備える、請求項16に記載の医療用装置。
【請求項20】
前記ガイド要素が、ガイドワイヤ又は副鼻腔照明システムからなる群から選択される、請求項16に記載の医療用装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、米国特許法119条に従い、「Balloon Dilation Catheter for Treatment of the Sinuses」と題された2012年4月13日出願の米国特許仮出願第61/623,892号、「Balloon Dilation Catheter System for Treatment and Irrigation of the Sinuses」と題された2012年7月25日出願の米国特許仮出願第61/675,569号、及び「Balloon Dilation Catheter System for Treatment and Irrigation of the Sinuses」と題された2012年9月7日出願の米国特許仮出願第61/698,040号の優先権を主張し、これらの出願の全体は参照することにより本明細書に組み込まれる。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、広くは、医療用装置に関し、特定すると、副鼻腔の状態の治療のための医療用装置及び関連する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
副鼻腔は、副鼻腔口として知られる小さい開口によって鼻の導管に接続されている頭蓋骨の空洞である。副鼻腔と鼻腔との間の、1層の粘膜組織によって覆われた骨によって、それぞれの副鼻腔口は形成されている。通常、空気は副鼻腔口を通り抜けて副鼻腔を出入りする。また、粘液は副鼻腔の粘膜内層によって連続して形成され、副鼻腔口を通って排出され、鼻の導管に入る。
【0004】
副鼻腔炎は、1つ又は2つ以上の副鼻腔の炎症を指す一般用語である。急性副鼻腔炎に伴って生じ得る上気道感染又はアレルギー状態は組織を膨潤し、副鼻腔口からの正常な排液及び副鼻腔の換気を一時的に妨害する場合があり、その結果、副鼻腔の空洞の内部にいくらかの粘液が溜まること、及び場合によっては副鼻腔の空洞の内部の感染をもたらすことがある。慢性副鼻腔炎は、1つ又は2つ以上の副鼻腔口の慢性的な狭窄又は閉塞を特徴とする長期的状態であり、結果的に副鼻腔の慢性の感染及び炎症がもたらされる。慢性副鼻腔炎には、長年にわたる呼吸器系アレルギー、鼻のポリープ、鼻介骨肥大、及び/又は鼻中隔湾曲がしばしば伴う。典型的には、急性副鼻腔炎は単一の病原体(例えば、1つの細菌型、1つのウィルス型、1つの真菌型など)による感染によって引き起こされるが、慢性副鼻腔炎には複数の病原体感染(例えば、複数の細菌型又は複数の微生物属)が関わることがしばしばである。
【0005】
治療をせずに慢性副鼻腔炎を放置すると、副鼻腔の解剖学的形態の組織及び/又は骨構造の修復不能の損傷に至る場合がある。通常、慢性副鼻腔炎の初期の治療には、充血除去剤、ステロイド類鼻スプレー及び抗生物質(細菌感染の場合)のような薬剤の使用が関わる。薬剤治療のみで永久的な改善ができない場合は、外科的介入が指示される場合がある。
【0006】
慢性副鼻腔炎を治療するための最も一般的な外科的処置は、機能的内視鏡下副鼻腔手術(「FESS」)である。FESSは一般には、患者の鼻孔を通して挿入される内視鏡及び多様な堅い器具類を用いて行われる。内視鏡は位置決めを可視化するために使用され、鼻腔及び副鼻腔口から組織を除去して鼻腔の排液を改善するために多様な堅い器具類が使用される。
【0007】
Balloon Sinuplasty(商標)処置として知られる技術、及びこの処置を実施するためのシステムが、副鼻腔炎の治療のために、Acclarent,Inc.(Menlo Park,CA)によって開発されてきた。米国特許第7645272号、同第7654997号、及び同第7803150号を含む多くの米国特許及び特許出願が、Balloon Sinuplasty(商標)処置の様々な実施形態、並びにかかる処置の実施に有用な様々な装置について説明している。Balloon Sinuplasty(商標)処置では、ガイドカテーテルを鼻に挿入し、患部副鼻腔の副鼻腔口の内部に、又は副鼻腔口に隣接して、配置する。次いで、そのガイドカテーテルを通してガイドワイヤを前進させ、患部副鼻腔内に挿入する。次いで、拡張器(例えばインフレータブルバルーン)を有する拡張カテーテルをそのガイドワイヤ上で、拡張器が配置されている患部副鼻腔の副鼻腔口の内部の位置まで前進させる。次いで拡張器を拡張し、粘膜の切開又は骨の除去を必要とせずに、副鼻腔口の拡張及び副鼻腔口に隣接する骨の再形成を引き起こす。次いで、カテーテル及びガイドワイヤを除去すると、拡張された副鼻腔口によって、患部副鼻腔からの排液及び換気の改善が可能となる。
【0008】
副鼻腔の治療のための改善された方法及び装置に対する継続的な必要性がある。上述した拡張カテーテルは使用が容易であるが、その全体が参照により本明細書に組み込まれる米国特許公開第2012/0071856号に記載されている片手操作可能なBalloon Sinuplasty(商標)システムを使用する場合、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、Devices And Methods For Transnasal Dilation And Irrigation Of The Sinusesと題された米国特許出願第13/550293号に記載されているものなどの、副鼻腔を更に灌注できる拡張カテーテルを提供することが有用である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
したがって、一態様では、本発明は、副鼻腔にアクセスし、かつ副鼻腔を拡張及び灌注するための医療用装置に関する。本装置は、医療用装置の片手操作に有用なハンドルを備える。ハンドルは、近位端、遠位端、及び近位端と遠位端との間のハンドル本体を有する。本装置は更に、ハンドル遠位端に取り付けられた副鼻腔ガイドカテーテルを備える。本装置は更に、副鼻腔にアクセスするためのガイド要素と、副鼻腔を拡張及び灌注するためのバルーン拡張カテーテルとを備える。バルーンカテーテル移動メカニズム及びガイド要素移動メカニズムは、医療用装置を副鼻腔から除去することなく、副鼻腔にアクセスし、かつ副鼻腔を拡張及び灌注するように、ガイド要素及びバルーンカテーテルを片手で移動させるためハンドル本体に沿って摺動可能である。
【0010】
本発明の医療用装置の別の実施形態では、バルーンカテーテル移動メカニズムは、1本の指又は親指を使用した、ハンドル及びガイドカテーテルを通じたバルーンカテーテルの前進又は後退のために構成されている。別の実施形態では、ガイド要素移動メカニズムは、1本の指又は親指を使用した、ハンドル及びガイドカテーテルを通じたガイド要素の前進又は後退のために構成されている。更なる別の実施形態では、ガイド要素移動メカニズムは、ガイド要素の回転のために更に構成されている。
【0011】
本発明の医療用装置の更なる実施形態では、ガイド要素移動メカニズム及びバルーンカテーテル移動メカニズムは、並んで配置される。別の実施形態では、ガイド要素移動メカニズム及びバルーンカテーテル移動メカニズムは、一方を他方の上にして配置される。
【0012】
本発明の別の実施形態では、バルーン拡張カテーテルは、一体型シャフトシステムを含む。更なる別の実施形態では、一体型シャフトシステムは、近位部分及び遠位部分を有し、かつ近位部分及び遠位部分を通して延びる膨張ルーメンと、遠位部分内の組み合わされた灌注ルーメン及びガイド要素ルーメンと、近位部分内の同軸の灌注ルーメン及びガイド要素ルーメンと、を有する。尚別の実施形態では、一体型シャフトシステムは、近位部分及び遠位部分を有し、かつ近位部分及び遠位部分を通して延びる膨張ルーメンと、遠位部分内の組み合わされた灌注ルーメン及びガイド要素ルーメンと、近位部分内の並んだ灌注ルーメン及びガイド要素ルーメンと、を有する。
【0013】
装置の別の実施形態では、ガイド要素は、副鼻腔照明システム及びガイドワイヤからなる群から選択される。
【0014】
別の態様では、本発明は、鼻の解剖学的形態内の標的空間を治療するための方法に関する。本方法は、副鼻腔の解剖学的形態内に医療用装置を挿入することであって、医療用装置が、ハンドルと、ガイド要素と、副鼻腔ガイドカテーテルと、灌注開口部を有するバルーン拡張カテーテルと、バルーンカテーテル移動メカニズムと、ガイド要素移動メカニズムと、を備える、挿入することを含む。本方法は更に、副鼻腔ガイドカテーテルを鼻の解剖学的形態内に配置することと、ガイド要素を鼻の解剖学的形態の標的空間内に前進させることと、バルーン拡張カテーテルをガイド要素上で鼻の解剖学的形態の標的空間内に前進させることと、バルーンを膨張させて、鼻の解剖学的形態内の標的空間を拡張することと、バルーンを収縮させることと、ガイド要素移動メカニズムを近位方向に摺動させて、鼻の解剖学的形態内の標的空間からガイド要素を除去することと、バルーン拡張カテーテルの灌注開口部を通じて鼻の解剖学的形態を灌注することと、を含む。
【0015】
本方法の別の実施形態では、鼻の解剖学的形態内の標的空間は、前頭洞の開口、上顎洞の開口、篩骨洞の開口及び蝶形骨洞の開口からなる群から選択される。
【0016】
本発明の新規特徴は、特に添付の「特許請求の範囲」に記載される。本発明の特徴及び利点は、次の、本発明の原理が利用される例示的な実施形態を記載する以下の「発明を実施するための形態」、並びに同様の数表示が同様の要素を示す添付の図面を参照することによって、より理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の一実施形態によるバルーン拡張カテーテルの側面図である。
図2図1に示したカテーテルの遠位端の拡大図である。
図3図1のカテーテルの断面図である。
図4図1のカテーテルのバルーンカテーテル移動メカニズムの端面図である。
図5図1のカテーテルの近位膨張チューブ遷移部への中間膨張チューブの拡大切り欠き図である。
図6図1のカテーテルのバルーン遷移部への二重ルーメンの拡大切り欠き図である。
図7A図1のカテーテルの二重ルーメン及びハイポチューブの拡大切り欠き図である。
図7B図7Aの二重ルーメン及びハイポチューブ区分の断面である。
図8】本発明のバルーン拡張カテーテルの配置に有用な角度を有する、副鼻腔ガイドカテーテルの集合を示す。
図9】本発明の一実施形態による副鼻腔開口の治療のための医療用装置の側面図である。
図10】本発明の別の実施形態の一体型シャフトシステムの拡大切り欠き図である。
図10A図10に示した実施形態の遠位端の断面である。
図10B図10に示した実施形態の近位端の断面である。
図11】本発明の一実施形態によるガイド要素移動メカニズム及びバルーンカテーテル移動メカニズムの近位側の拡大図である。
図12図11のメカニズムを備える、本発明の特定の実施形態の医療用装置の上面図である。
図13】バルーンカテーテル移動メカニズムの前方のガイド要素移動メカニズムを有する、図12の医療用装置の側面図である。
図14】ガイド要素移動メカニズムの前方のバルーンカテーテル移動メカニズムを有する、図12の医療用装置の側面図である。
図14A図12の医療用装置のガイド要素移動メカニズム及びバルーンカテーテル移動メカニズムの代替的な実施形態である。
図14B図12の医療用装置のガイド要素移動メカニズム及びバルーンカテーテル移動メカニズムの代替的な実施形態である。
図14C図12の医療用装置のガイド要素移動メカニズム及びバルーンカテーテル移動メカニズムの代替的な実施形態である。
図15】本発明の一体型シャフトシステムの代替的な実施形態の拡大切り欠き図である。
図16図15に示した一体型シャフトシステムの更なる拡大図である。
図17】本発明の一体型シャフトシステムの別の実施形態の拡大切り欠き図である。
図17A図17に示した実施形態の近位端の断面である。
図17B図17に示した実施形態の遠位端の断面である。
図18A】本発明の医療用装置のハンドルの代替的な実施形態の側面図である。
図18B図18Aのハンドルの切り欠き図である。
図19A】本発明の医療用装ハンドルの代替的な実施形態の切り欠き図である。
図19B】本発明の医療用装ハンドルの代替的な実施形態の切り欠き図である。
図20A】本発明の医療用装置のハンドルの代替的な実施形態の側面図である。
図20B図20Aのハンドルの切り欠き図である。
図21A】本発明の医療用装置のハンドルの代替的な実施形態の側面図である。
図21B図21Aのハンドルの切り欠き図である。
図22A】本発明の医療用装置のハンドルの代替的な実施形態の側面図である。
図22B】装置が副鼻腔口を拡張するように構成されている場合の、図22Aのハンドルの切り欠き図である。
図22C】装置が灌注用に構成されている場合の、図22Aのハンドルの切り欠き図である。
図23】本発明の医療用装置のハンドルの代替的な実施形態の側面図である。
図24A】本発明によるバルーン拡張カテーテルの代替的な実施形態の側面図である。
図24B】カテーテルの長さに沿った異なる位置における図24のカテーテルの断面図である。
図24C】カテーテルの長さに沿った異なる位置における図24のカテーテルの断面図である。
図24D】カテーテルの長さに沿った異なる位置における図24のカテーテルの断面図である。
図24E】カテーテルの長さに沿った異なる位置における図24のカテーテルの断面図である。
図24F】カテーテルの長さに沿った異なる位置における図24のカテーテルの断面図である。
図24G】カテーテルの長さに沿った異なる位置における図24のカテーテルの断面図である。
図25A】本発明の別の実施形態によるバルーン拡張カテーテルの断面図である。
図25B】本発明の別の実施形態によるバルーン拡張カテーテルの断面図である。
図26】本発明の一実施形態による副鼻腔開口の治療及び灌注のための医療用装置の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下の詳細な説明は、図面を参照しつつ読まれるべきもので、異なる図面中、同様の要素は同様の符号にて示してある。図面は、必ずしも実寸ではなく、あくまで説明を目的とした例示的な実施形態を図示したものであり、本発明の範囲を限定することを目的とするものではない。詳細な説明は、本発明の原理を限定するものではなく、あくまでも例として説明するものである。この説明文は、当業者による発明の製造及び使用を明確に可能ならしめるものであり、出願時における発明を実施するための最良の形態と考えられるものを含む、発明の複数の実施形態、適応例、変形例、代替例及び使用例を述べるものである。
【0019】
本明細書で使用するとき、任意の数値又は数値の範囲について用いる「約」又は「およそ」という用語は、構成要素の部分又は構成要素の集合が、本明細書で述べるその所望の目的に沿って機能することを可能とするような適当な寸法の許容範囲を示すものである。
【0020】
本発明の実施形態による医療用装置は、例えば、それらの構成が、患者の副鼻腔開口の準備及び治療を特に効率的にするものであり、また機械的にも簡潔であるという点で有利である。更に、医療用装置の簡潔性により、これらの医療用装置は費用効果的な方式で製造される。更に、本発明の実施形態に係る医療用装置は十分硬く、副鼻腔の解剖学的形態へアクセスし、続いて副鼻腔の簡便なリモデリング及び灌注に有益に用いることができる。
【0021】
図1は、本発明の一実施形態による、鼻の解剖学的形態内の標的部位(例えば、前頭洞の開口、上顎洞の開口、篩骨洞の開口又は蝶形骨洞の開口)の治療のためのバルーン拡張カテーテル100の簡略化側面図である。副鼻腔開口に関して説明したが、本明細書で説明する本発明はまた、エウスタキオ管の拡大、頭蓋骨の骨折の修復、声門下狭窄の拡大などの気道の処置、並びに耳、鼻及び喉の他の処置にも有用となり得る。バルーン拡張カテーテル100は、一体型シャフトシステム102、及び先端部106付近に高圧バルーン104を有する、副鼻腔リモデリングカテーテルである。シャフトシステム102は、下記に詳細に記載するように、隣接する二重のルーメン配管を含む。「隣接する二重のルーメン配管」とは、二重のルーメン配管は、ルーメンが互いに隣合っているが、互いから離間されているということを意図する。本発明のシャフトシステム102の構成により、副鼻腔の解剖学的形態及びガイドカテーテルルーメンを通じたバルーン104の挿入及び後退が可能となる(例えば図8及び9参照、本明細書にて更に記載する)。
【0022】
膨張ルーメン108は、膨張ポート160を通して水、造影剤、又は食塩水を用いてバルーンを膨張させるのに使用され、ガイド要素ルーメン110は、ガイドワイヤ又は副鼻腔照明システムの通過を可能にして、標的部位へのバルーン拡張カテーテル100の前進を容易にする。バルーン拡張カテーテル100は、副鼻腔口及び副鼻腔の空洞内の空間を拡張するよう意図される。
【0023】
副鼻腔バルーン104は、ノンコンプライアント又はセミコンプライアントであるように設計される。ノンコンプライアントバルーンの直径は、膨張圧による変化に比較的反応せず、セミコンプライアントバルーンの直径は、膨張圧により幾分変化し、場合によっては標的領域の周囲にて「砂時計」又は「犬用の骨」状となるであろう。バルーン自体は、三角形、楕円形、又は円形など任意の形状であってもよい。図1に示す実施形態では、バルーンは円形かつセミコンプライアント(ナイロン)であるが、PET、Pebax又は多層ナイロン/Pebaxを含むがこれらに限定されない材料からも作製され得る。ハイポチューブ116は、中間区分114上に組み込まれて、下記に更に記載するように、副鼻腔ガイドカテーテルを通じた挿入中、剛性を提供する。
【0024】
バルーン拡張カテーテル100は、近位区分124、中間区分114及び遠位区分118を有するシャフトシステム102を含む。バルーン拡張カテーテルの遠位区分118は、場合により軟性の非外傷性先端部106を有するバルーン104と、直接可視化マーカ128、129及び130とを含む。遠位区分118の遠位シャフト部分120は、約40mm〜150mm、多くの場合、約60mmの長さを有する、ナイロン又はpebax又は様々なデュロメーター(72D、70D及び63Dを含むがこれらに限定されない)又はHytrelから選択されてもよい可撓性シャフト材料である。シャフト直径は、約1〜3mm、多くの場合、約2mmである。
【0025】
バルーン拡張カテーテルの近位区分124は、膨張ポート160を有するルアーコネクター132、バルーンカテーテル移動メカニズム134(図4も参照)及び膨張配管122を含む。膨張配管122は、様々なデュロメーター(72D、70D及び63Dを含むがこれらに限定されない)のナイロン若しくはpebax、又はHytrelから選択される可撓性材料である。ルアーコネクター132は、ルアーコネクター132が、膨張装置(図示せず)に取り付けられ、医療手技中、バルーン拡張カテーテル100から離れて柔軟に移動できるように、粗面化された又は粗面化されていない膨張配管122に結合される。近位区分124は、約100mm〜400mm、多くの場合、約320mmの長さを有する。
【0026】
シャフトシステム102の中間区分114は、図3及び5により詳細に示される。中間区分114の近位端140は、ハイポチューブ116により包囲された単一ルーメン膨張配管を有する。単一ルーメン膨張配管の遠位は、中間カテーテル部分144である(図3で円ABとして示され、図5に詳細に示される)。中間カテーテル部分144は、第1の単一ルーメン膨張配管区分142、第2の単一ルーメン膨張配管区分143及びハイポチューブ116を含むが、ハイポチューブ116の切り取り部分146及びハイポチューブ116上のポリマージャケット150(図3参照)も含む。図5に示すハイポチューブ116の切り取り部分146は、図3に示したバルーンカテーテル移動メカニズム134及び図9に示すガイド要素移動メカニズム608と一列になっている。代替的な実施形態では、ハイポチューブ116の切り取り部分146は、バルーンカテーテル移動メカニズム134及び/又はガイド要素移動メカニズム608の両方に関連して回転されてもよい。膨張ルーメン108は、ハイポチューブ116の切り取り部分146から180°離れて位置してもよく、又はハイポチューブ116の切り取り部分146から90°〜180°離れて位置してもよい。ポリマージャケット150は、任意の好適な高分子材料から構成されてもよいが、多くの場合、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)などの、比較的剛性かつ滑らかな材料から構成される。高分子ジャケット150の切り取り区分152は、ハイポチューブ116の近位区分と整合され、ポリマージャケット150のスリット区分154は、ハイポチューブ116の遠位区分と整合される(図3及び7A参照)。ポリマージャケット150は、切り取り区分152を有し、またハイポチューブ116に固定されて示されているが、ポリマージャケット150は、ガイド要素移動メカニズム608に固定された完全な円筒(初期のガイド要素進入のための小窓を有する)であってもよい。その場合、ポリマージャケット150は、ガイド要素移動メカニズム608と共に摺動し、ハイポチューブ116の切り取り部分146を覆うであろう。代替的な実施形態は、ポリマージャケットのための金属性材料の使用、即ちガイド要素移動メカニズム608に付着される必要がないように、ポリマージャケットを負荷するバネのための金属性材料の使用、又は、ガイド要素移動メカニズム608がハンドル614から離れて遠位方向に移動されたときに圧縮される、ハイポチューブ116の切り取り部分146の周りに緩く巻回されたバネコイルの使用のための金属性材料の使用を想定している。
【0027】
バルーン拡張カテーテル100の中間区分114は、ガイド要素挿入ポート112(図7A参照)を含み、ここからガイド要素ルーメン110が開始する。ガイド要素ルーメン110及び膨張ルーメン108は、ハイポチューブ116の切り取り部分146の遠位端からバルーン遷移区分148(図3で円ADとして示され、図6に詳細に示される)に延びる並んだルーメン(図3の円AC及び図7A及び7Bでの詳細を参照)である。中間区分114の材料及びその二重ルーメン構成の両方は、バルーン拡張カテーテル100の挿入及び後退中のもつれ耐性を確実にする。中間区分114は、約70mm〜110mm、多くの場合、約90mmの長さを有する。シャフト直径は、約1〜3mm、多くの場合、約2mmである。バルーン拡張カテーテル100の全長は、約210mm〜約610mm、多くの場合、約540mmである。
【0028】
図1に示されるように、一部の実施形態では、直接可視化マーカ及び/又はX線撮影マーカが、一体型シャフトシステム102に沿って配置されてもよい。概して、「直接可視化マーカ」は、肉眼又は内視鏡の使用によって、使用時に見ることができるマーカを指し、一方、「X線撮影マーカ」は、X線不透過性材料を含み、手術中にX線透視検査などのX線撮影装置を使用して見ることができる。
【0029】
直接可視化マーカは、一体型シャフトシステム102に沿って多くの位置に配置されてもよい。一実施形態は図1及び2に関して本明細書に説明されているが、他の変形例が代替的な実施形態において置き換えられてもよい。一実施形態において、シャフトシステム102は、黒、紺青色、濃い灰色などの暗色を有してもよく、マーカは、白、緑、赤などの明色を有してもよい。一部の実施形態では、マーカは、使用時にマーカを互いに見分けるのを容易にするために、異なる色及び/又は異なる幅を有してもよい。この色のコントラストは、血液の存在下で、暗い手術室において、及び/又は患者内部で内視鏡を使用するときに、マーカを見るのを容易にすることができる。
【0030】
一実施形態において、マーカの遠位縁が、バルーン104の近位テーパ部140aがシャフトシステム102に接触する位置から1cm±0.2cmにあるように、シャフトシステム102の遠位シャフト部分118上に配置された第1の遠位シャフトマーカ128(又は、使用時に内視鏡を介して一般的に見られるので、「内視鏡マーカ」)が存在してもよい。このマーカは、シャフト位置が、バルーンの端部から1cm離れているということをユーザーに示し、これは、バルーンが処置中にガイドから伸びたことを示す。
【0031】
第2の遠位シャフトマーカ130は、マーカの遠位縁が、第1の遠位シャフトマーカ128の遠位縁から1cm±0.1cmであるように、シャフトシステム102上に配置されてもよい。図1に示されるように、第2の遠位シャフトマーカは、第1の遠位シャフトマーカ128と第2の遠位シャフトマーカ130を互いから区別するための二重マーカである。第2の遠位シャフトマーカ130は、バルーン104の近位端から2cm離れたシャフト位置を示し、したがってバルーンが処置中にガイドから伸びた距離を示す。一実施形態では、第2の遠位シャフトマーカ130を形成する2つのマーカは、それぞれ幅0.75mm及び白色であるが、代替的な実施形態では、マーカのサイズ及び色は変更されてもよい。第1の遠位シャフトマーカ及び第2の遠位シャフトマーカの色、長さ及びマーカの数における差は、内視鏡下で可視である、バルーンの近位の相対位置を示す。第3の遠位シャフトマーカ129は、近位テーパ部140aバルーン104に隣接して配置されている。ユーザーである医師は、内視鏡を使用して、ガイドカテーテルから外に前進し、後退したカテーテルの長さを特定することができ、並びに/あるいは、副鼻腔口、他の副鼻腔開口、又は耳、鼻若しくは喉の他の開口など、患者の解剖学的形態におけるバルーン104の位置を概算することができる。バルーン位置のこの概算は、バルーン104がもはや内視鏡を介して見ることができないほど十分遠くに、バルーン104が解剖学的形態の位置まで前進したときの状況において非常に有用である。バルーンの近位部分がもはや可視でないとき、例えば、3つの内視鏡マーカを使用して、ユーザーは内視鏡で、カテーテルが前頭凹部内に前進した距離を測定することができる。当然ながら、代替的な実施形態では、カテーテルシャフトに沿って異なる数、サイズ、色、及び位置を有する遠位シャフトマーカが使用されてもよい。
【0032】
図8は、医療用装置100と共に使用され得る一連の副鼻腔ガイドカテーテル200a〜200fを示す。これらのガイドカテーテル200a〜200fは、実質的に剛性の近位区分、剛性が低い遠位及び非外傷性先端部を有し、それぞれが、およそ0度(200a)、30度(200b)、90度(200d)、70度(200c)又は110度(200e及び200f)の予め設定された遠位曲線を有する。ガイドは、ガイドカテーテル200e及び200fに関して示したように、比較的剛性が低い遠位区分において異なる直径を有してもよい。異なる湾曲は、異なる副鼻腔口にアクセスするのに使用可能である。例えば、70度のガイドは典型的に、前頭洞口にアクセスするのに使用され、90度又は110度のガイドは典型的に上顎洞口などにアクセスするのに使用される。これらのガイドカテーテル200a〜200fはそれぞれ、約12.7cmの軸の長さを有する。これらの副鼻腔ガイドカテーテルは、参照により本明細書に組み込まれる米国特許出願第10/944,270号及び同第11/355,512号、並びに米国特許第7,654,997号及び同第7,803,150号に記載され、Acclarent,Inc.(Menlo Park,Calif)からRelieva(商標)副鼻腔ガイドカテーテルとして市販されている。
【0033】
以下の記載において、副鼻腔のガイドカテーテルは200aと見なされるが、図8に示されている任意のガイドカテーテル200b〜fが使用されてもよい。副鼻腔ガイドカテーテル200a内へのバルーン拡張カテーテル100の挿入後、ガイド要素、例えば副鼻腔ガイドワイヤ(即ち、Acclarent Inc(Menlo Park,CA)によって製造され、図6示されているRelieva Vigor(登録商標)Sinus Guidewire)、又は副鼻腔照明システム(即ち、Acclarent Inc(Menlo Park,CA)によって製造されたRelieva Luma Sentry(商標)Sinus Illumination System)が、バルーン拡張カテーテル100の切り取り部分146を通して、かつ副鼻腔ガイドカテーテル200aの遠位先端部まで挿入される。副鼻腔のアクセスは、鼻の解剖学的形態内に副鼻腔ガイドカテーテル200aを配置し、副鼻腔ガイドワイヤ又は副鼻腔照明システムを標的の副鼻腔内に前進させることによって達成される。いったん副鼻腔のアクセスが達成されると、バルーン拡張カテーテル100は、副鼻腔ガイドワイヤ又は副鼻腔照明システム上で、標的空間内に前進される。バルーンカテーテル上の内視鏡マーカを使用して、配置に役立てることができる。次いで、バルーン拡張カテーテル100が膨張されて副鼻腔口を拡張する。拡張に続いて、バルーンが収縮される。ガイドワイヤ又は副鼻腔照明システムが鼻の解剖学的形態から除去された後、バルーン拡張カテーテル100及び副鼻腔ガイドカテーテル200aが除去される。バルーン拡張カテーテル100は、同一の患者内での更なる副鼻腔拡張のために準備されてもよい。
【0034】
図9は、本発明のバルーンカテーテルが使用され得る代替的な装置を示す。この装置は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2012/0071856号に詳細に記載されている。医療用装置600は、ガイドカテーテル602、ガイドワイヤ604、バルーンカテーテル移動メカニズム134が取り付けられた、本明細書に記載したバルーンカテーテル100、ガイドワイヤ移動メカニズム608及び吸引経路612を備える。バルーンカテーテル移動メカニズム134は、親指又は1本の指を使用した、バルーンカテーテル移動メカニズム134のユーザー操作によって、ハンドル614及びガイドカテーテル602を通じてバルーンカテーテル100を前進及び後退させるように構成されている。ハンドル614は、装置600の支持をもたらすように右利き又は左利きのユーザーの指の間に指掛けペグ616a、616b及び616cが置かれるように、人間工学的に設計されている。ロックタブ618は、バルーンカテーテルメカニズム134がその上向きの位置にあるときに近位に移動するのを防止するが、遠位に移動することを可能にする。ロックタブ618が下向きの位置にあるとき、バルーンカテーテル100及びガイドワイヤ604をガイドカテーテル602を通してハンドル内に挿入することができる。
【0035】
バルーン拡張カテーテル100のサイズは、5mm×16mm、6mm×16mm及び7mm×16mmであってもよく、又は3.5mm×12mm、6mm×16mm又は7mm×24mmであってもよいが、5mm×16mm、5mm×24mm又は7mm×16mmを含むがこれらに限定されないその他も、本発明の範囲内に含まれる。医療用装置のバルーンが膨張した直径は以下のとおりである。3.5mm×12mmのものは3.5mm、5mm×16mm及び5mm×24mmのものは5mm、6mm×16mmのものは6mm、並びに7mm×24mmのものは7mm。医療用装置のバルーンが膨張した作業長は、以下のとおりである。3.5mm×12mmのものは12mm、5mm×16mm、6mm×16mm及び7mm×16mmのものは16mm、並びに5mm×24mm、6mm×24mm及び7mm×24mmのものは24mm。バルーンカテーテルの収縮時間は、約30秒である。
【0036】
バルーン104は、膨張バルーンに関して当技術分野にて既知の任意の好適な材料から作製され、また、構成され、又は、ナイロン(セミコンプライアンス型)及びポリエチレンテレフタレート(PET)(非コンプライアンス型)など、非コンプライアンス型のセミコンプライアンス型であってもよい。特定の実施形態において、バルーンは、ナイロンから構成されている。非外傷性先端部分106は、より軟性の材料(バルーンカテーテルの残りの部分よりも低いデュロメーター、即ち約20D〜55Dの)で作製され、ナイロン、pebax又はこれらの材料の複合混合物で作製されてもよい。代替的に、非外傷性先端部は、より小径の材料(直径約2.0mm未満、多くの場合、直径約1.5mm未満)で構成されて、該先端部が軟性かつ非外傷性であることを確実にしてもよい。先端部は、長さがおよそ1mmであり、目視による又は内視鏡下での可視化のために0.5%〜5%の着色剤を含んでもよく、また、患者の解剖学的形態内のX線透視法による可視化のために、放射線不透過性マーカとして20%硫酸バリウムを含んでもよい。ハイポチューブシャフト116は、ステンレス鋼及びニチノールを含むがこれらに限定されない材料から構成されてもよく、多くの場合、304ステンレス鋼から構成される。材料とカテーテル構成との組み合わせ(ナイロンバルーン、軟性の非外傷性先端部106及び隣接する二重ルーメン設計)は、バルーン拡張カテーテル100の、ガイドカテーテル200a又は医療用装置600内への挿入及びガイドカテーテル200a又は医療用装置600からの除去、並びに蛇行した副鼻腔の解剖学的形態を通したナビゲーションの容易さを提供する。
【0037】
ここで本発明の更なる実施形態を参照すると、バルーン拡張の前又は後のいずれかに有用な、副鼻腔の灌注のための装置を組み込むことが望ましい可能性がある。
【0038】
図26は、本発明による医療用装置2600を示し、医療用装置2600は、ガイドカテーテル2602、この場合は照明ガイドワイヤであるガイド要素2604、バルーンカテーテル移動メカニズム2608が取り付けられたバルーンカテーテル2606、ガイド要素移動メカニズム2610及び吸引経路2612を備える。ガイド要素移動メカニズム2610は、親指又は1本の指を使用した、ガイド要素2604の前進、後退及び回転のために構成され、バルーンカテーテル移動メカニズム2608は、バルーンカテーテル2606の前進及び後退のために構成されている。ハンドル2614は、装置2600の支持をもたらすように右利き又は左利きのユーザーの指の間に指掛けペグ2616a、2616b、2616c及び2616dが置かれるように、人間工学的に設計されている。
【0039】
図10は、処置の間に副鼻腔から除去される必要がない片手用システムを使用して、副鼻腔口の拡張の前又は後のいずれかに副鼻腔の灌注が達成され得る、図3及び26に示す装置用の代替的なルーメン設計及びバルーンカテーテル先端部構成を示す。図3に示す装置では、バルーン拡張カテーテル100からのハイポチューブ116の切り取り部分146は、灌注ルーメン1002を含む、変更された一体型シャフトシステム1000を有する(図10参照)。膨張ルーメン1020は、一体型シャフトシステム1000の最も近位端からバルーン104までの長さを延び、バルーン104を膨張させて副鼻腔口の拡張を提供する。図10Aに示すように、一体型シャフトシステム1000の遠位部分1022は、組み合わされたルーメン1004(灌注のため及びガイド要素1008の収容のための組み合わされたルーメン)を含む。図10Bに示すように、一体型シャフトシステム1000の近位部分1024は、並んで配置されたガイド要素ルーメン1006及び灌注ルーメン1002を含む。一体型シャフトシステム1000は、バルーンカテーテル100の近位端に付加された灌注ポート(ルアーコネクター)から接合部1010までの灌注流体の流れを提供し、接合部1010において灌注流体は、組み合わされたルーメン1004に進入する。灌注液体は、灌注開口部(例えば、バルーン1516の遠位の、バルーンカテーテル1500の遠位端における、図15の灌注開口部1530を参照)を通してバルーンカテーテルから退出する。再び図10を参照すると、プラグ1012はガイド要素ルーメン1006内に組み込まれて、ガイド要素1008が、灌注ルーメン1002の遠位端1016の接合部1010及び組み合わされたルーメン1004の近位端まで近位方向に(矢印1014の方向に)後退されたとき、ガイド要素ルーメン1006が、ガイド要素1008に取り付けられた停止部1018(この場合、はんだのリング、薄いハイポチューブ又はプラスチックの上部積層(over-lamination))とプラグ1012との間に密封されるように、ガイド要素ルーメン1006を密封する。灌注流体は、ハイポチューブ116の切り取り部分146から外部ではなく、バルーン遠位端へ流れるであろう。代替的な実施形態では、プラグ1012ではなく、ガイド要素ルーメン1006のガイド要素密封領域が、ガイド要素1008の外径に近い寸法を有してもよく、それによりハイポチューブ116の切り取り部分145を通した灌注流体のいずれの流れも最小(10%未満)となり、大部分(90%以上)はバルーン遠位端に流れる。
【0040】
図11は、図10に関して上述した灌注ルーメンを収容するための、図9に示したバルーンカテーテル移動メカニズム134及びガイド要素移動メカニズム608の代替的な設計を示す。この設計では、バルーンカテーテル移動メカニズム1102及びガイド要素移動メカニズム1104は同一直線上にはなく、即ち、他方の後方に示されず隣同士で示されて(しかし、他方の頂部にあってもよい)、治療(バルーン拡張などの)後に副鼻腔の解剖学的形態から装置1100を除去することなく、また灌注を目的として再挿入することなく、灌注を行うことができるように、灌注経路から外部へのガイド要素1110の近位移動を可能にする。バルーンカテーテル移動メカニズム1102はバルーンシャフト1112の周囲に配置され、メカニズム1102及び1104は、阻止されることなく容易に互いを通過して摺動する形状及び配置を有する。図12は、副鼻腔口の拡張及び灌注のための、本発明の医療用装置1100を示す。バルーンカテーテル移動メカニズム1102及びガイド要素移動メカニズム1104は、並んでいる。この構成は、ユーザーがバルーンカテーテル100を副鼻腔内へ前進させ、又はガイド要素先端部106を装置1000内に後退させるときに生じる。ガイド要素移動メカニズム1104は、バネ過負荷メカニズムによってガイド要素1100に接続されて、ガイド要素先端部106を損傷させることなく、その先端部106を配置する十分な力を提供することができる。ガイド要素移動メカニズム1104上の近位突起1106は、特にガイド要素移動メカニズム1104が離れた状態で装置1000を保持するユーザーの場合、又は左利きの人の場合はガイド要素移動メカニズム1104が反対側にある状態で装置1000を保持する場合、ガイド要素移動メカニズム1104がバルーンカテーテル移動メカニズム110に隣接しているときにユーザーがガイド要素移動メカニズム1104を近位方向に引き、又は遠位方向に押すことを可能にする。この構成から、バルーンカテーテル移動メカニズム1102は、メカニズム1102がガイド要素移動メカニズム1104の後方にあるように(図13に示すように)近位方向に移動されることができる。これは、バルーン1516(図15参照)を副鼻腔口内に前進させる前、ガイド要素1110が副鼻腔の空洞内に挿入されているときに行われるであろう。バルーン1516の拡張及び後退後、ガイド要素1110は、灌注前に、ガイド要素1110が副鼻腔から除去されるように後退され得る。したがって、ガイド要素移動メカニズム1104は、図14に示すように、バルーンカテーテル移動メカニズム1102の後方にある。
【0041】
図14A、14B及び14Cに、バルーンカテーテル移動メカニズム1102及びガイド要素移動メカニズム1104を位置付ける代替的な構成を示す。これらの実施形態のそれぞれでは、メカニズムの遠位移動は矢印1400により示される。図14A及び14Bにおいて、バルーンカテーテル移動メカニズム1404及び1414はハンドル1406の側部に位置し、ガイド要素移動メカニズム1402及び1412は、ハンドル1406の頂部に位置する。図14Cにおいて、バルーンカテーテル移動メカニズム1424は、ガイド要素移動メカニズム1422の頂部に位置する。これらの場合のそれぞれにおいて、メカニズムは、それぞれが他方の前部又は後部に存在し得るように、互いに独立して移動する。したがって、ガイド要素は、副鼻腔の解剖学的形態内に挿入され、副鼻腔の空洞(鼻の解剖学的形態内の標的空間)へのアクセスのために、及び副鼻腔口の拡張中に、そこに配置されることができ、バルーンカテーテル1500を通した副鼻腔の空洞の灌注のためにそこから後退されることができる。図14A、14B及び14Cでは、ユーザー仲立ち機構の相対的な形状は、2つの移動メカニズムが周到に(例えば、サイズ又は位置により)互いに明確に区別され得、また、互いに通過するときに、互いに干渉しないように変更されてもよい。それにより、ユーザーは所望通りに一方の又は他方の移動メカニズムとの連続的な接触を維持することができる。バルーンカテーテル移動メカニズム及びガイド要素移動メカニズムの位置付けに関して示した任意の構成において、2つのメカニズムを互いに関連して、又は、ハンドルに関連して、定位置に配置及び保持することが望ましい場合がある。バネ負荷戻り止め、摩擦要素又は磁石を使用して、メカニズムを定位置に保持してもよい。代替的に、例えばユーザー操作による解除ボタン、又は、メカニズムをハンドル内の所定の位置に摺動することにより作動される自動的解除などの、解放のために異なる作用を必要とする、受動的に作動される正のロックラッチを使用して、メカニズムを、ひいてはバルーン104及び/又はガイド要素604を互いに対して、及び/又はハンドル614に対して定位置にロックしてもよい。
【0042】
図15及び16は、副鼻腔の解剖学的形態の拡張及び灌注のための更なる代替的なカテーテルを示す。この実施形態では、バルーン拡張カテーテル1500の一体型シャフトシステム1504の近位端1502は、図17Aに示す3つのルーメン、灌注ルーメン1506、ガイド要素ルーメン1508及び膨張ルーメン1510を含む。ルーメンは、全て並んだルーメンである。図17Bに示す一体型シャフトのより遠位部分1512では、バルーン拡張カテーテル1500のバルーン1516の近位テーパ部1514付近において、ガイド要素ルーメン1508及び灌注ルーメン1506は組み合わされて、組み合わせルーメン1518となっている。ガイド要素1524のガイド要素先端部1522の近位端1520は、組み合わせルーメン1518とガイド要素ルーメン1524及び灌注ルーメン1506との接合部1526に位置して示されている。副鼻腔の空洞を灌注することが望ましいと見なされる場合、ガイド要素1524は図15及び16に示す位置に、近位方向に後退され、それによりガイド要素先端部1522の近位端1520が接合部1526に接して着座されることによって、ガイド要素ルーメン1508を効果的に密封し、ガイド要素ルーメン1508内への、及び図3に示したハイポチューブ116の切り取り部分146から外部への灌注液体の流れを防止するが、副鼻腔の適切な灌注のために、灌注開口部1530を通した、及び/又はバルーン拡張カテーテル1500の近位端を通した灌注液体の流れを可能にする。ガイド要素先端部1522は、ユーザーがガイド要素先端部1522上の張力を維持することに依存するのではなく、バネ負荷されて着座力を提供してもよい。
【0043】
図15を参照すると、灌注開口部1530は、約0.051センチメートル〜約0.13センチメートル(約0.020インチ〜約0.050インチ)であり、約1〜10個の任意の数の開口部、通常、約2〜5個の開口部、及び多くの場合、3つの開口部が存在してもよい。図15に示す実施形態は、前方を向く先端開口1531、並びに、灌注先端部106上で120度離間される3つの半径方向を向く開口1530を含んでもよく、前方を向く先端開口の内径は0.09センチメートル(0.037インチ)であり、側部開口のそれぞれは、0.067センチメートル(0.026インチ)の内径を有し、非外傷性先端部の近位の灌注ルーメンの内径は約0.107センチメートル(0.042インチ)である。代替的な実施形態は、螺旋状パターンなど、任意の好適なパターンで分布している、任意の好適な選択的な数の側部開口を含んでもよい。一実施形態では、第1の側部開口は、医療用装置100の遠位端から約2.5mmにおいて配置されてもよく、第2の側部開口は、医療用装置100の遠位端から約3.5mmにおいて配置されてもよく、第3の側部開口は、医療用装置100の遠位端から約4.5mmにおいて配置されてもよく、これらの測定のそれぞれは、遠位端から各側部開口のおよその中心までである。医療用装置100の遠位端から、バルーン104の遠位端までの灌注先端部の長さは、およそ7mmである。各側部開口は、様々な代替的な実施形態において任意の好適な直径を有してもよい。例えば、一実施形態では、非外傷性先端部106に近位の灌注先端部の灌注ルーメンの直径が、前方を向く先端開口の直径より大きい場合に限り、各側部開口は、約0.051センチメートル〜約0.127センチメートル(約0.020インチ〜約0.050インチ)及び又は約0.076センチメートル〜約0.102センチメートル(約0.030インチ〜約0.040インチ)及び又は約0.084センチメートル(約0.033インチ)の直径を有してもよい。
【0044】
バルーン1516の遠位端からバルーン拡張カテーテル1500の遠位端までの、バルーン拡張カテーテル遠位先端部の長さは、約5mm〜10mm、多くの場合約7mmである。
【0045】
図17は、図15及び16に示した装置の代替物を示す。ガイド要素1524の遠位先端部1522に加えて、ガイド要素1524上にプラグ1528、この場合は、ガイド要素1524のコイル上に溶接されたハイポチューブが含まれて、接合部1526におけるガイド要素ルーメン1508の密封を補助し、灌注中、ガイド要素が後退されたとき、ガイド要素ルーメン1508内への、及びハイポチューブ116の切り取り部分146から外部への灌注液体の流れを防止する。
【0046】
図24A、B、C、D、E及びFは、本発明によるバルーンカテーテルアセンブリ2400の代替的な設計である。図24Aに示すバルーンカテーテルアセンブリは、図24Eに更に示す中間カテーテル結合部2402を有する。バルーンカテーテルアセンブリは、膨張ポート2404と、灌注ポート2406と、ガイド要素(図示せず)の挿入のための切り取り部分2408とを有する。図24Aに更に示すように、アセンブリ2400は、近位区分2410、中間区分2412及び遠位区分2414を有する。近位区分2410におけるカテーテルシャフト2416の断面は、図24Bに示される。カテーテルシャフト2416は、同軸の配置の灌注チューブ2418、灌注ルーメン2420、膨張チューブ2422及び膨張ルーメン2424を含む。中間カテーテル結合部2408の近位の中間区分2412におけるカテーテルシャフト2416の断面は、図24Cに示される。膨張チューブ2426及び膨張ルーメン2428は、灌注チューブ2430及び灌注ルーメン2432と同軸の配置のままである。スリーブ2434(ハイポチューブの場合)は灌注チューブ2430と同軸の配置であるが、スリーブ2434内の開口2436がガイド要素(図示せず)の挿入を可能にする。遠位区分2414におけるカテーテルシャフト2416の断面は、図24Dに示される。この遠位カテーテルシャフト2438は、並んだルーメン、膨張ルーメン2440と灌注及びガイド要素ルーメン2442とを含む。
【0047】
中間カテーテル結合部2408は、更に図24Eに示される。中間カテーテル結合部2408の近位部分2450におけるカテーテルシャフト2416の断面は、図24Fに示され、中間カテーテル結合部2408の遠位部分2452におけるカテーテルシャフト2416の断面は、図24Gに示される。図24Fに示すように、膨張ルーメン2456を有する膨張チューブ2454は、灌注ルーメン2460を有する灌注チューブ2458と同軸である。ガイド要素ルーメン2464が並んで配置されている。ハイポチューブ2466は、ガイド要素ルーメン2464及び灌注チューブ2458の両方を包囲する。ハイポチューブ2466と、ガイド要素ルーメン2464及び灌注チューブ2458との間にはカップラー2470がある。カップラー2470は、中間カテーテル結合部2408にわたって、その遠位端2452からその近位端2450を架橋するチューブである。図24Gに示すように、カップラー2470は、並んで配置されている膨張ルーメン2472とガイド要素ルーメン2464及び灌注ルーメン2474とを包囲する。近位部分2450と遠位部分2452との間の遷移区分2480は、近位部分2450のガイド要素ルーメン2464と灌注ルーメン2460との組み合わせを、遠位部分2452のガイド要素とび灌注ルーメン2474との組み合わせ内に提供する。本発明の更なる実施形態では、バルーンカテーテル2400が、折り曲げられたガイドカテーテル(図8に示すような)内に配置されたとき、組み合わせた灌注及びガイド要素チューブ2476が、ガイド要素の前進、後退及び回転のための潤滑性及びもつれ耐性を提供するように、ライナー(多くの場合、高分子、及び多くの場合、PTFEライナー)が組み合わせルーメン2474の内部に含まれてもよい。
【0048】
図25A及び25Bは、図24Fに示したカテーテルアセンブリ2400の近位部分の代替的な断面設計である。この実施形態では、同軸に配置された膨張及び灌注ルーメンではなく、ガイド要素ルーメン2516及び灌注ルーメン2514は、分離された、並んだルーメンのままであり、更にガイド要素ルーメン2516と並んで配置されている。図25Aに示す近位部分は、並んで配置された膨張ルーメン2502及び灌注ルーメン2504を含む。
【0049】
図11、12、13、14並びに14A、14B及び14Cを参照して、バルーンカテーテル移動メカニズム及びガイド要素移動メカニズムを位置付けるための更なる代替的な構成が、図18A及び18B、19A及び19B、20A及び20B、21A及び21B、22A、22B及び22C並びに23に示される。これらの実施形態のそれぞれでは、メカニズムの遠位移動は矢印1400により示される。図18A及び18Bでは、バルーンカテーテル移動メカニズム1804は、ハンドル1806に固定された回転サムホイールである。バルーンカテーテル移動メカニズム1804は、バルーン可動台1810に取り付けられたベルト1808又は逆向きに巻回されたストリング駆動装置を介してバルーンカテーテルを駆動する。バルーンを駆動する代替的な方法としては、ラック及びピニオン、他のタイプの歯車及びシャフトシステム、回転リードねじタイプの駆動装置、又はスライダー若しくはレバーを有する線形/回転ラチェットシステムが挙げられる。図18A及び18Bに示す実施形態では、ガイド要素移動メカニズム1802は、ハンドル1806の頂部に位置している。ガイド要素移動メカニズム1802(及びガイド要素、図示せず)は、ガイド要素及びバルーンカテーテル1812が独立して配置され得るように、バルーンカテーテル1812上を摺動する。加えて、ガイド要素移動メカニズム1802とバルーンカテーテル移動メカニズム1804との間には、一方は移動スライダーであり、他方は定位置で回転する車輪であるため、明確な触覚的相違が存在する。図18A及び18Bに示す実施形態の代替的なバージョンは、バルーンカテーテル移動メカニズムのためのスライダーと、ガイド要素移動メカニズムのための固定サムホイール又はローラーとを想定している。代替的に、両方の移動メカニズムが固定サムホイール又はローラーであってもよい。
【0050】
図19A及び19Bでは、ガイド要素移動メカニズム1902及びバルーンカテーテル移動メカニズム1904は、ユーザーには、同一の軌道内で同軸の、2つの別個のスライダーメカニズムに見える。しかしながら、バルーンカテーテル移動メカニズム1904はバルーンカテーテル可動台1910に結合され、バルーンカテーテル移動メカニズム1904はバルーンカテーテル可動台1910から分離可能である。バルーンカテーテルのバルーン可動台1910は、バルーンカテーテル1912に取り付けられている。図19Aに示すように、バルーンカテーテル移動メカニズム1904は、バルーンカテーテル1912が副鼻腔の解剖学的形態内に配置されているとき、バルーンカテーテル可動台1910に結合されている。いったんバルーンカテーテル可動台1910が図19Bに示すように配置されると、バルーンカテーテル移動メカニズム1904はバルーン可動台1910から分離され、前述したように、バルーン可動台1910から離れて近位方向に移動することにより、ガイド要素移動メカニズム1902をバルーンカテーテル可動台1910を通過して近位方向に摺動させて、ガイド要素を灌注経路の外部に移動することができる。バルーン可動台1910からのバルーンカテーテル移動メカニズム1904の分離は、例えば、バルーンカテーテル移動メカニズム1904とバルーン可動台1910とが分離し得るようにバネ負荷ボタン1920を押すことにより、ユーザーによって達成することができる。代替的に、ユーザーは、バルーンカテーテル移動メカニズム1904とバルーン可動台1910とが分離し得るように、二状態(双安定)トグル又はボタンをロック解除位置に反転してもよい。
【0051】
バルーン可動台に対するバルーンカテーテルメカニズムの再結合は、例えば、ユーザーがボタンを異なる状態に押すことにより能動的に、又は例えば、バルーンカテーテルメカニズムが、可動台上を摺動するときに、バネ負荷ロックに自動的に再び取り付けられることにより受動的に達成することができる。この実施形態の代替的な設計は、ガイド要素に取り付けられていないが、ガイド要素移動メカニズムとガイド要素可動台とが、ユーザーのバネ負荷ボタンの作動により互いに取り外され得るように、ガイド要素可動台に取り付けられているガイド要素移動メカニズム、又は、ユーザー作動による押しボタンメカニズム若しくは他の作用により、ガイド要素若しくはバルーンカテーテルのいずれかと係合、結合及び分離し得る、バルーンカテーテル及びガイド要素の両方のための単一の外部メカニズムを含むであろう。
【0052】
図20A及び20Bは、ガイド要素の移動にガイド要素移動スライダーメカニズム2002が使用されるが、バルーンカテーテル移動メカニズムは、スイッチにより制御されるモーター2004で置き換えられている、医療用装置600のためのハンドル2006の設計を示す。図20A及び20Bに示すスイッチは押しボタン2008a及び2008bであるが、ロッカータイプ又は当技術分野にて既知の他のスイッチであってもよい。これらのスイッチは、様々な速度を組み込むことができる。バルーンカテーテル(図示せず)のための外部可動制御装置が存在しないため、ガイド要素移動メカニズム2002は、バルーン可動台2010の上方をバルーン可動台2010の近位方向に自由に通過することができる。モーターは、図20Bに示すようなバルーン駆動リードねじ、又は、ラック及びピニオン、ベルト駆動、若しくは当技術分野にて既知の他の伝達タイプなどの別の構成により、バルーンカテーテルを駆動することができる。モーター2004は、電池若しくは外部電源のいずれかにより電力を供給されてもよく、又は吸引ポンプから流出する空気圧駆動モーター、若しくは灌注ポンプなどの水圧駆動であってもよい。
【0053】
図21A及び21Bでは、ガイド要素移動メカニズム2102はハンドル2106の頂部に位置し、バルーンカテーテル移動メカニズム2104はハンドル2106の底部に位置している。ガイド要素移動メカニズム2102及びバルーンカテーテル移動メカニズム2104の位置は、ガイド要素移動メカニズム2102が底部に、バルーンカテーテル移動メカニズム2104が頂部に位置するように逆転されてもよい。いずれの場合でも、メカニズムは、それぞれが他の前部又は後部に存在し得るように、互いに独立して移動する。したがって、ガイド要素は、副鼻腔の解剖学的形態内に挿入され、副鼻腔の空洞(鼻の解剖学的形態内の標的空間)にアクセスするために及び副鼻腔口の拡張中、そこに配置されることができ、また、副鼻腔の空洞の灌注のための容易に操作されるハンドル制御装置の使用により、医療用装置600を外科領域から除去することなく、又は、ガイド要素の後退の補助に更なる人員を必要とすることなく、バルーンカテーテルを通してそこから容易に後退されることができる。
【0054】
図22A、22B及び22Cでは、ガイド要素移動メカニズム2202及びバルーンカテーテル移動メカニズム2204は、同一の軌道内で同軸である。図22Bに示すように、ガイド要素2224は、ガイド要素2224及びバルーンカテーテル(図示せず)の配置中、ガイド要素移動メカニズム2202内の圧縮状態のバネ2226内に保たれている。灌注が所望されるとき、ガイド要素2224は、バネ2226を圧縮解除するクランプリリース又はボタンを介して、ガイド要素移動メカニズムから解放される(図22C参照)。ガイド要素2224はガイド要素移動メカニズム2202内で弛緩した状態となり、自動的に近位方向に移動して、灌注経路を出る。バネが展開(圧縮解除)された後、装置を非灌注モードにリセットするために、ガイド要素及びバネのモードをリセットする必要がある(バネを再圧縮する必要がある)であろう。これは、ガイド要素を矢印1400の方向に牽引する、バネを近位側から再圧縮するユーザー作動によるプランジャータイプのメカニズム、又はハンドル内に若しくはガイド要素の周りに組み込まれたバネリセットメカニズム、により達成することができる。
【0055】
図23に示す実施形態では、ガイド要素移動メカニズム2302はトンネル2310を有し、バルーンカテーテル移動メカニズム2304の突出部2312は、ガイド要素移動メカニズム2302の下部を通過するのに十分小さい。ガイド要素移動メカニズム2302は、ガイド要素の後退と、続く灌注の使用のために、バルーンカテーテル移動メカニズム2304上を通過することができる。ユーザーは、ガイド要素が後退されるときにガイド要素移動メカニズム2302との連続的な接触を維持することができ、ガイド要素移動メカニズム2302がバルーンカテーテル移動メカニズム2304の遠位に移動するのに指の移動を必要としない。
【0056】
治療領域の可視化のために、内視鏡を本発明の装置600又は装置1100と共に使用することが望ましい可能性がある。内視鏡の近位端と、装置の近位端との間に生じ得る任意の干渉を回避する機構を、装置600又は装置1000に含めることが望ましい可能性がある。図9に示したハンドル614とガイドカテーテル602との間に、ボール及びソケットなどの回転及び関節接合要素が挿入される。この要素は所定の範囲の回転及び曲げ角度内で調整可能であり得、又は、本発明の方法の前若しくは該方法中のいずれかに、ユーザーにより決定される個別の位置を有し得る。
【0057】
本発明を本発明の特定の実施例又は実施形態に関して上記に述べたが、本発明の目的とする趣旨及び範囲から逸脱することなくそれらの実施例及び実施形態に様々な追加、削除、修正及び変更を行うことが可能である。例えば、ある実施形態又は実施例の任意の要素若しくは属性は、特に断らないかぎり、あるいはそうすることによって当該実施形態又は実施例がその目的とする使用に適さないものとならないかぎりにおいて、別の実施形態又は実施例に取り入れるか、又は別の実施形態又は実施例とともに使用することが可能である。また、方法又はプロセスの各工程が特定の順序で述べられているか又は列記されている場合、こうした各工程の順序は、特に断らないかぎり、あるいはそうすることによって当該方法又はプロセスがその目的において機能しないものとならないかぎりにおいて、変更することが可能である。すべての妥当な追加、削除、改変及び変更は、述べられた実施例及び実施形態の均等物とみなし、以下の「特許請求の範囲」内に含まれるものとする。
【0058】
〔実施の態様〕
(1) 副鼻腔にアクセスし、かつ前記副鼻腔を拡張及び灌注するための医療用装置であって、
前記医療用装置の片手操作に有用なハンドルであって、近位端、遠位端、及び前記近位端と前記遠位端との間のハンドル本体を有する、ハンドルと、
前記ハンドルの遠位端に取り付けられた副鼻腔ガイドカテーテルと、
前記副鼻腔にアクセスするためのガイド要素と、
前記副鼻腔を拡張及び灌注するためのバルーン拡張カテーテルと、を備え、
バルーンカテーテル移動メカニズム及びガイド要素移動メカニズムが、前記医療用装置を前記副鼻腔から除去することなく、前記副鼻腔にアクセスし、かつ前記副鼻腔を拡張及び灌注するように、前記ガイド要素及びバルーンカテーテルを片手で移動させるため前記ハンドルに沿って摺動可能である、医療用装置。
(2) 前記バルーンカテーテル移動メカニズムが、1本の指又は親指を使用した、前記ハンドル及びガイドカテーテルを通じた前記バルーンカテーテルの前進又は後退のために構成されている、実施態様1に記載の医療用装置。
(3) 前記ガイド要素移動メカニズムが、1本の指又は親指を使用した、前記ハンドル及びガイドカテーテルを通じた前記ガイド要素の前進又は後退のために構成されている、実施態様1に記載の医療用装置。
(4) 前記ガイド要素移動メカニズムが、前記ガイド要素の回転のために更に構成されている、実施態様1に記載の医療用装置。
(5) 前記ガイド要素移動メカニズム及び前記バルーンカテーテル移動メカニズムが、並んで配置される、実施態様1に記載の医療用装置。
【0059】
(6) 前記ガイド要素移動メカニズム及び前記バルーンカテーテル移動メカニズムが、一方を他方の上にして配置される、実施態様1に記載の医療用装置。
(7) 前記バルーン拡張カテーテルが、一体型シャフトシステムを含む、実施態様1に記載の医療用装置。
(8) 前記一体型シャフトシステムが、近位部分及び遠位部分を有し、かつ
前記近位部分及び前記遠位部分を通して延びる膨張ルーメンと、
前記遠位部分内の組み合わされた灌注ルーメン及びガイド要素ルーメンと、
前記近位部分内の同軸の灌注ルーメン及びガイド要素ルーメンと、を有する、実施態様7に記載の医療用装置。
(9) 前記一体型シャフトシステムが、近位部分及び遠位部分を有し、かつ
前記近位部分及び前記遠位部分を通して延びる膨張ルーメンと、
前記遠位部分内の組み合わされた灌注ルーメン及びガイド要素ルーメンと、
前記近位部分内の並んだ灌注ルーメン及びガイド要素ルーメンと、を有する、実施態様7に記載の医療用装置。
(10) 前記ガイド要素が、副鼻腔照明システムである、実施態様1に記載の医療用装置。
【0060】
(11) 鼻の解剖学的形態内の標的空間を治療するための方法であって、
副鼻腔の解剖学的形態内に医療用装置を挿入することであって、前記医療用装置が、
ハンドルと、
ガイド要素と、
副鼻腔ガイドカテーテルと、
灌注開口部を有するバルーン拡張カテーテルと、バルーンカテーテル移動メカニズムと、ガイド要素移動メカニズムと、を備える、挿入することと、
前記副鼻腔ガイドカテーテルを前記鼻の解剖学的形態内に配置することと、
前記ガイド要素を前記鼻の解剖学的形態の前記標的空間内に前進させることと、
前記バルーン拡張カテーテルを前記ガイド要素上で前記鼻の解剖学的形態の前記標的空間内に前進させることと、
前記バルーンを膨張させて、前記鼻の解剖学的形態内の標的空間を拡張することと、
前記バルーンを収縮させることと、
前記ガイド要素移動メカニズムを近位方向に摺動させて、前記鼻の解剖学的形態から前記ガイド要素を除去することと、
前記バルーン拡張カテーテルの灌注開口部を通じて前記鼻の解剖学的形態を灌注することと、を含む、方法。
(12) 前記鼻の解剖学的形態内の前記標的空間が、前頭洞の開口、上顎洞の開口、篩骨洞の開口及び蝶形骨洞の開口からなる群から選択される、実施態様11に記載の方法。
(13) 副鼻腔開口の治療のためのバルーン拡張カテーテルであって、
近位端と、
遠位端と、
前記近位端と前記遠位端との間のシャフトシステムであって、近位シャフト区分、中間シャフト区分及び遠位シャフト区分を有する、シャフトシステムと、を含み、
前記近位シャフト区分が、バルーンカテーテル移動メカニズム及び膨張ルーメンを含み、
前記中間シャフト区分が、ガイド要素挿入ポート、ガイド要素ルーメン及び膨張ルーメンを有するハイポチューブを含み、前記ガイド要素ルーメン及び前記膨張ルーメンが、並んだルーメンであり、
前記遠位シャフト区分が、インフレータブルバルーン及びガイド要素ルーメンを含む、バルーン拡張カテーテル。
(14) 前記遠位シャフト区分が、非外傷性先端部分を更に含む、実施態様13に記載のバルーン拡張カテーテル。
(15) 1つ又は2つ以上の直接可視化マーカを更に含む、実施態様13に記載のバルーン拡張カテーテル。
【0061】
(16) 1つ又は2つ以上のX線撮影マーカを更に含む、実施態様13に記載のバルーン拡張カテーテル。
(17) 前記非外傷性先端部分が、X線撮影で可視である、実施態様14に記載のバルーン拡張カテーテル。
(18) 副鼻腔にアクセスし、かつ前記副鼻腔を拡張するための医療用装置であって、
副鼻腔ガイドカテーテルと、
ガイド要素と、
バルーン拡張カテーテルであって、
近位端と、
遠位端と、
前記近位端と前記遠位端との間のシャフトシステムであって、近位シャフト区分、中間シャフト区分及び遠位シャフト区分を有する、シャフトシステムと、を含む、バルーン拡張カテーテルと、を備え、
前記近位シャフト区分が、バルーンカテーテル移動メカニズム及び膨張ルーメンを含み、
前記中間シャフト区分が、ガイド要素挿入ポート、ガイド要素ルーメン及び膨張ルーメンを有するハイポチューブを含み、前記ガイド要素ルーメン及び前記膨張ルーメンが、並んだルーメンであり、
前記遠位シャフト区分が、インフレータブルバルーン及びガイド要素ルーメンを含む、医療用装置。
(19) 前記バルーンカテーテル移動メカニズムが、1本の指又は親指を使用した、前記ハンドル及びガイドカテーテルを通じた前記バルーンカテーテルの前進又は後退のために構成されている、実施態様18に記載のバルーン拡張カテーテル。
(20) 1つ又は2つ以上の直接可視化マーカを更に含む、実施態様18に記載のバルーン拡張カテーテル。
【0062】
(21) 前記医療用装置が、1つ又は2つ以上のX線撮影マーカを更に備える、実施態様18に記載のバルーン拡張カテーテル。
(22) 前記ガイド要素が、ガイドワイヤ又は副鼻腔照明システムからなる群から選択される、実施態様18に記載の医療用装置。
(23) 鼻の解剖学的形態内の標的空間を治療するための方法であって、
医療用装置を提供することであって、前記医療用装置が、
副鼻腔ガイドカテーテルと、
ガイド要素と、
バルーン拡張カテーテルと、を備え、前記バルーン拡張カテーテルが、
近位端と、
遠位端と、
前記近位端と前記遠位端との間のシャフトシステムであって、近位シャフト区分、中間シャフト区分及び遠位シャフト区分を有する、シャフトシステムと、を含み、
前記近位シャフト区分が、バルーンカテーテル移動メカニズム及び膨張ルーメンを含み、
前記中間シャフト区分が、ガイド要素挿入ポート、ガイド要素ルーメン及び膨張ルーメンを有するハイポチューブを含み、前記ガイド要素ルーメン及び前記膨張ルーメンが、並んだルーメンであり、
前記遠位シャフト区分が、インフレータブルバルーン及びガイド要素ルーメンを含む、提供することと、
前記バルーン拡張カテーテルを前記副鼻腔ガイドカテーテル内に挿入することと、
ガイド要素を前記ガイド要素挿入ポート内に挿入することと、
前記ガイドカテーテルを前記鼻の解剖学的形態内に配置することと、
前記ガイド要素を前記鼻の解剖学的形態の前記標的空間内に前進させることと、
前記バルーン拡張カテーテルを前記ガイド要素上で前記鼻の解剖学的形態の前記標的空間内に前進させることと、
前記バルーンを膨張させて、前記鼻の解剖学的形態内の標的空間を拡張することと、
前記バルーンを収縮させることと、
前記ガイド要素及び前記バルーンを前記医療用装置内に引っ込めることと、
前記医療用装置を副鼻腔の解剖学的形態から引っ込めることと、を含む、方法。
(24) 前記鼻の解剖学的形態内の前記標的空間が、前頭洞の開口、上顎洞の開口、篩骨洞の開口及び蝶形骨洞の開口からなる群から選択される、実施態様23に記載の方法。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図8
図9
図10
図10A
図10B
図11
図12
図13
図14
図14A
図14B
図14C
図15
図16
図17
図17A
図17B
図18A
図18B
図19A
図19B
図20A
図20B
図21A
図21B
図22A
図22B
図22C
図23
図24A
図24B
図24C
図24D
図24E
図24F
図24G
図25A
図25B
図26