(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6577084
(24)【登録日】2019年8月30日
(45)【発行日】2019年9月18日
(54)【発明の名称】フィルタコーンのコーティング法
(51)【国際特許分類】
B01D 46/00 20060101AFI20190909BHJP
B01D 46/52 20060101ALI20190909BHJP
【FI】
B01D46/00 302
B01D46/52 A
【請求項の数】5
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2018-81855(P2018-81855)
(22)【出願日】2018年4月20日
(65)【公開番号】特開2019-126802(P2019-126802A)
(43)【公開日】2019年8月1日
【審査請求日】2018年4月20日
(31)【優先権主張番号】107102493
(32)【優先日】2018年1月24日
(33)【優先権主張国】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】515041240
【氏名又は名称】淳靖股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100120329
【弁理士】
【氏名又は名称】天野 一規
(72)【発明者】
【氏名】林 象濟
(72)【発明者】
【氏名】▲ジェイ▼ 振▲コン▼
【審査官】
宮部 裕一
(56)【参考文献】
【文献】
特開2002−143622(JP,A)
【文献】
特表2009−536574(JP,A)
【文献】
特表2011−528987(JP,A)
【文献】
特開2016−198755(JP,A)
【文献】
実開昭63−009208(JP,U)
【文献】
特開2002−001029(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2017/0333818(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D 46/00−46/54
B01D 39/00−39/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
材料準備:芯材及びフィルタコーンフレームを準備して、当該フィルタコーンフレームは枠体と、当接部と、コーティング部とを含み、当該枠体はリング状であり且つ軸方向両端開口を備え、当該当接部は軸方向に突出し且つ当該枠体の一端開口の開口周縁に周回成型され、当該当接部の当該枠体と反対側の一面に芯材当接面が形成され、当該コーティング部は軸方向に突出し且つ当該当接部の芯材当接面上に周回成型され、当該コーティング部の径方向内側及び径方向外側にそれぞれ内コーティング面及び外コーティング面が成形されるステップと、
フィルタコーンフレーム及び芯材を下型に置き、当該フィルタコーンフレーム及び当該芯材を下型内に置き、そして、当該フィルタコーンフレームが当該芯材の下側にあり、当該芯材の軸方向一端が当該コーティング部内に貫設され、且つ当該フィルタコーンフレームの当該芯材当接面に密着されるステップと、
コロイド塗布:コロイドを当該フィルタコーンフレームの当該コーティング部及び当該芯材に塗布し、当該コロイドが当該コーティング部の先端、当該外コーティング面及び当該芯材の外壁面に貼り付けるステップと、
上型による余計なコロイドの切除:上型を当該下型及び当該フィルタコーンフレームに向かって下へ押さえることで、当該コロイドを内膠部及び外膠部にカットし、当該内膠部が当該フィルタコーンフレーム及び当該芯材上に付着し、当該フィルタコーンフレーム及び当該芯材を接着固定し、且つ同時に、当該上型も当該内膠部が当該コーティング部の当該内コーティング面に貼り付けるように、当該内膠部を当該コーティング部と当該芯材との間に押し込み、当該内膠部を当該コーティング部に被覆させ、最後には、当該フィルタコーンフレーム、当該芯材及び当該内膠部を当該上型及び当該下型から取り出すステップとを含むフィルタコーンのコーティング法。
【請求項2】
当該フィルタコーンフレームの径方向外側に周回される溶解溝が当該下型のトップ側に周回凹設され、
「コロイド塗布」ステップにおいて、当該コロイドを当該フィルタコーンフレームの当該コーティング部に塗布すると同時に当該溶解溝に充填し、
「上型による余計なコロイドの切除」ステップにおいて、当該コロイドがカットされてなる当該外膠部が当該溶解溝内にある請求項1に記載のフィルタコーンのコーティング法。
【請求項3】
当該溶解溝の径方向外側にある溢流溝が当該下型のトップ側に周回凹設され、且つ当該溶解溝と当該溢流溝との間にリング状壁が設置され、
「コロイド塗布」ステップにおいて、当該コロイドを当該フィルタコーンフレームの当該コーティング部に塗布すると同時に当該溶解溝にフィルインし、
「上型による余計なコロイドの切除」ステップにおいて、当該上型の径方向外側にある当該コロイドは当該上型に押え付けられて当該溢流溝内に溢れ流れる請求項2に記載のフィルタコーンのコーティング法。
【請求項4】
当該フィルタコーンフレームの径方向外側面に周回密着して周回延在しているせん断部が当該下型に設置され、当該せん断部がリング状斜面であり、当該上型には周回延在する押え付け部が下へ突設され、当該押え付け部の位置が当該せん断部の位置に対応し、当該押え付け部の底面が平面であり、
「コロイド塗布」ステップにおいて、当該コロイドを当該フィルタコーンフレームの当該コーティング部に塗布し、延在させて当該せん断部に塗布し、
「上型による余計なコロイドの切除」ステップにおいて、当該押え付け部の底面が当該せん断部に当接するまで、当該上型が当該下型に向かって下へ押さえ、当該コロイドが当該せん断部により当該内膠部及び当該外膠部にカットされる請求項1〜3の何れか1項に記載のフィルタコーンのコーティング法。
【請求項5】
当該上型の当該押え付け部の径方向内側に斜め押え面が周回形成され、
「上型による余計なコロイドの切除」ステップにおいて、当該上型は当該下型に向かって下へ押さえ、当該上型の斜め押え面が当該上型の径方向内側にある当該コロイドを当該芯材に推し進め、当該コロイドを当該斜め押え面及び当該芯材の外壁面に沿って上へ張り出す請求項4に記載のフィルタコーンのコーティング法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は流体における浮遊粒子を分離するフィルタのフィルタコーン及びその枠体、並びに当該フィルタコーンのコーティング法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の技術におけるフィルタはハウジングとフィルタコーンとを含み、
図12及び
図13に示すように、フィルタコーンは芯材91と、フィルタコーンフレーム92と、ゴム層93とを含み、フィルタコーンフレーム92は芯材91の一端に嵌めこまれ、また、両者間はコーティング(コロイド94)により互いに接着固定され、そしてフィルタコーンフレーム92と芯材91との隙間を閉鎖し、ゴム層93はフィルタコーンフレーム92上に被覆され、且つ、フィルタコーンフレーム92とハウジングとの隙間を閉鎖するように軸方向又は径方向にフィルタコーンフレーム92とハウジングとの間に介在し、芯材91とフィルタコーンフレーム92との隙間及びフィルタコーンフレーム92とハウジングとの隙間は何れも閉鎖されているので、使用際に、ハウジング内に入り込んだ流体は芯材91を経てハウジングの他端から離れるしかできな、芯材91を通る過程において、流体におけるダストが芯材91上に付着し、芯材91はこれでろ過の効果を果す。
【0003】
しかしながら、従来の技術の両箇所の隙間の密封には何れもその欠点がある。
【0004】
従来の技術のフィルタコーンフレーム92と芯材91をコーティングして結合する際に、まず、フィルタコーンフレーム92を芯材91外に嵌め込み、そして、グルーガンを当該フィルタコーンフレーム92の開口周縁と芯材91の外壁面との間に進入させ、また1週に周回してコーティングすることで、フィルタコーンフレーム92と芯材91との隙間を封鎖すると同時に、フィルタコーンフレーム92及び芯材91を接着固定させる。しかし、このような結合方式の欠点は以下のようである。
【0005】
第一に、グルーガンはフィルタコーンフレーム92と芯材91との隙間に精確に進入し、また、1週に回って移動する必要があるので、グルーガンの動作が複雑になり、人的操作が必要になり、また、動作が複雑になるので多くの時間がかかる必要がある。
【0006】
第二に、前記のように、グルーガンの動作が複雑で、制御しにくいので、コーティングの不均一をおこし、ひいては、コロイド94がはみ出して美観を失ったようになる可能性もある。
【0007】
第三に、このような密封及び接着効果は何れもよくなく、また、コロイド94も圧力不足等の各種類の要素で下へ当該隙間の最も下方まで流れず、さらに接着効果が低減する。
【0008】
第四に、コロイド94はフィルタコーンフレーム92の開口周縁の内壁面及び芯材91の外壁面に接着するだけであり、コロイド94のフィルタコーンフレーム92及び芯材91での接着面積が限られているので、接着効果が悪い。
【0009】
従来の技術のゴム層93はフィルタコーンフレーム92上に被覆された際に、具体的には、ゴム層93は熱可塑性ゴム(Thermo−Plastic−Rubber,TPR)であり、また、フィルタコーンフレーム92上に被覆され、射出成型される。しかし、以下のような欠点がある。
【0010】
第一に、ゴム層93は繰り返して使用できないため、浪費をもたらして環境を保護しない。
【0011】
第二に、熱可塑性ゴムの硬度が高いので、取付際に、それをハウジング内に配設するために、大きい力を使う必要があるため、取付しにくい。
【0012】
第三に、熱可塑性ゴムの硬度が高いので、ゴム層93の圧縮量を大きく設計できない(即ち、ゴム層93の厚さが非常に厚くならない)。さもなければ、ハウジング内に取り付ける難しさをさらに向上させる。しかし、小さい圧縮量によって、許容可能な交差が小さくなるので、効果的に密封できなく、漏れを起こす虞がある。特に、プラスチック材質のハウジングの場合、その体積が大きければ、公差が大きくなり、漏れの可能性がある。
【0013】
第四に、
図14に示すように、芯材91とフィルタコーンフレーム92はラン・ウェイ形であると、芯材91の二つの長辺の平面の側面は応力が不足で、二つの短辺の円弧状の側面に内へ押え付けられがちなので、最後、芯材91とフィルタコーンフレーム92はピーナッツ状のように変形し、この場合、ゴム層93の圧縮量が小さすぎれば、ゴム層93はピーナッツ状に変形した箇所でハウジングの内壁面に貼り付けることができないので、効果的に密封できず、漏れを起こす。また、熱可塑性ゴムの高硬度による反力はさらにピーナッツ状の変形をよりひどくする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
前記の従来の技術の欠点及び不足に鑑みて、本発明はフィルタコーンフレーム、フィルタコーン及びフィルタコーンのコーティング法を提供し、速やかで均一にコーティングでき、また密封及び接着の効果が優れている。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記の発明の目的を達成するために、本発明に採用された技術的手段は、芯材に嵌めこまれ、コロイドにより当該芯材に接着されるフィルタコーンフレームであって、
リング状であり且つ軸方向両端開口を備える枠体と、
その軸方向に突出し且つ当該枠体の一端開口の開口周縁に周回成型され、当該当接部の当該枠体と反対側の一面に、接当該芯材の一端が当接される芯材当接面が成形される当接部と、
その軸方向に突出し且つ当該当接部の芯材当接面上に周回成型され、当該コーティング部の径方向内側及び径方向外側にそれぞれ内コーティング面及び外コーティング面が成形され、当該コーティング部が当該芯材外に周回され、且つ当該コーティング部が当該コロイドを被覆し、当該内コーティング面及び当該外コーティング面が当該コロイドを貼り付けるためであるコーティング部とを含むフィルタコーンフレームを設計する。
【0016】
上記の発明の目的を達成するために、本発明は
芯材と、
当該芯材の軸方向一端に嵌めこまれて結合されるフィルタコーンフレームであって、
リング状であり且つ軸方向両端開口を備える枠体と、
その軸方向に突出し且つ当該枠体の一端開口の開口周縁に周回成型され、当該当接部の当該枠体と反対側の一面に、接当該芯材の一端が当接される芯材当接面が成形される当接部と、
その軸方向に突出し且つ当該当接部の芯材当接面上に周回成型され、当該コーティング部の径方向内側及び径方向外側にそれぞれ内コーティング面及び外コーティング面が成形され、当該コーティング部が当該芯材外に周回され、且つ当該コーティング部が当該コロイドを被覆し、当該内コーティング面及び当該外コーティング面が当該コロイドを貼り付けるためであるコーティング部とを含むフィルタコーンフレームと、
当該フィルタコーンフレーム上に周回設置される少なくとも一つのシール材とを含むフィルタコーンをさらに提供する。
【0017】
上記の発明の目的を達成するために,本発明は、材料準備:芯材及びフィルタコーンフレームを準備して、当該フィルタコーンフレームは枠体と、当接部と、コーティング部とを含み、当該枠体はリング状であり且つ軸方向両端開口を備え、当該当接部は軸方向に突出し且つ当該枠体の一端開口の開口周縁に周回成型され、当該当接部の当該枠体と反対側の一面に芯材当接面が形成され、当該コーティング部は軸方向に突出し且つ当該当接部の芯材当接面上に周回成型され、当該コーティング部の径方向内側及び径方向外側にそれぞれ内コーティング面及び外コーティング面が成形されるステップと、
フィルタコーンフレーム及び芯材を下型に置き、当該フィルタコーンフレーム及び当該芯材を下型内に置き、そして、当該フィルタコーンフレームが当該芯材の下側にあり、当該芯材の軸方向一端が当該コーティング部内に貫設され、且つ当該フィルタコーンフレームの当該芯材当接面に密着されるステップと、
コロイド塗布:コロイドを当該フィルタコーンフレームの当該コーティング部及び当該芯材に塗布し、当該コロイドが当該コーティング部の先端、当該外コーティング面及び当該芯材の外壁面に貼り付けるステップと、
上型による余計なコロイドの切除:上型を当該下型及び当該フィルタコーンフレームに向かって下へ押さえることで、当該コロイドを内膠部及び外膠部にカットし、当該内膠部が当該フィルタコーンフレーム及び当該芯材上に付着させ、当該フィルタコーンフレーム及び当該芯材を接着固定し、且つ同時に、当該上型も当該内膠部が当該コーティング部の当該内コーティング面に貼り付けるように、当該内膠部を当該コーティング部と当該芯材との間に押し込み、当該内膠部を当該コーティング部に被覆させ、最後には、当該フィルタコーンフレーム、当該芯材及び当該内膠部を当該上型及び当該下型から取り出すステップとを含むフィルタコーンのコーティング法をさらに提供する。
【0018】
本発明の利点は、フィルタコーンフレーム上にコーティング部が成形され、且つコーティング部が芯材の一端に周回され、そして、コロイドをコーティング部の先端、コーティング部の径方向外側及び芯材の外壁面に塗布し、その後、上型が下へ抑えることで余計なコロイドを切除すると同時に、コロイドをコーティング部と芯材との間に押し込み、また同時にコーティング部への被覆を完成させ、フィルタコーンフレームを芯材外に接着固定する目的を達成することにある。
【0019】
コロイドがコーティング部を被覆し、且つコーティング部のトップ側及び径方向内外側の内コーティング面及び外コーティング面に少なくと被覆されて貼り付けられるので、効果的にコロイドとフィルタコーンフレームとの接触面積を向上させ、且つ、本発明はまず多くのコロイドをコーティング部及び芯材に塗布し、上型が下へ抑える際に、当該コロイドを、さらに上型内側のコロイドを上へ押すので、コロイドが多くの芯材外壁面に貼り付けることでき、コロイドと芯材との接触面積を向上させ、これにより、コロイドのフィルタコーンフレーム及び芯材に接する面積を向上させ、効果的に密封及び接着の効果を向上させることができる。また、上型が下へ押さえる際に発生した圧力はコロイドを芯材とコーティング部との隙間の奥部に押し込むことで接触面積を向上させるだけではなく、当該圧力はコロイドをコーティング部及び芯材に緊密に付着させ、接着の効果をさらに強化させる。
【0020】
さらに、コロイドはコーティング部外を被覆し、即ち、コロイドの高さがコーティング部の高さより高いので、従来の技術のグルーガンによる塗布に比べると、そのコロイドのトップ側がフィルタコーンフレームの開口周縁でしか切除されなく、さもなければ、コロイドが溢れ流れる虞があるので、フィルタコーンフレームの開口周縁を高く作成する必要があり、フィルタコーンフレームの整体の体積を減少するために、本発明のコーティング部の高さを相対的に低く設置してもよい。
【0021】
最後には、本発明においては、事前に、コロイドを芯材とコーティング部との隙間の奥部まで塗布する必要がなく、大体周回して塗布し、最後には、上型が下へ押さえることにより、余計なコロイド(外膠部)を切除し、そして必要なコロイド(内膠部)の形状を成形するので、グルーガンを使うことに比べると、より速やかで精確で均一になり、コロイドのはみだしによる不美観をより防ぐことが出来る。本発明はこれで、速やかで確実な密封及び接着方式を実現する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】
図1は本発明のフィルタコーンの外観斜視図。
【
図2】
図2は本発明のフィルタコーンの部材分解図。
【
図3-6】
図3〜
図6は本発明のフィルタコーンのコーティング法の動作概念図。
【
図8】
図8は本発明のフィルタコーンのもう一つの実施例概念図。
【
図9】
図9は本発明のフィルタコーンフレームのもう一つの実施例の外観斜視図。
【
図10】
図10は本発明のフィルタコーンフレームのもう一つの実施例の側面断面図。
【
図11】
図11は本発明のフィルタコーンのコーティング法のフローチャート。
【
図13】
図13は従来の技術のフィルタコーンの側面断面概念図。
【
図14】
図14は従来の技術のフィルタコーンのピーナッツ状変形概念図。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面に合わせて本発明の好適な実施例を説明し、本発明が予定の創作目的を達成するために取られた技術的手段をさらに述べる。
【0024】
図1及び
図2に示すように、本発明のフィルタコーンは芯材10と、フィルタコーンフレーム20と、コロイド30と、両シール材40とを含む。
【0025】
前記の芯材10が各種類及び形状に限られず、例えば、形状は円形又はラン・ウェイ形等でもよく、芯材10は通る流体をのろ過する目的を達成すればよい。在本実施例において、芯材10はハニカム式の芯材10であり、複数の軸方向の通路があるが、それに限られず、芯材10は蛇腹式の芯材10でもよい。芯材10の種類が限定されないので、図面において模式的に図示している。
【0026】
図1、
図2及び
図7に示すように、前記のフィルタコーンフレーム20は芯材10の軸方向一端にはめ込まれて結合され、且つフィルタコーンフレーム20の形状は芯材10の形状に当て嵌め、フィルタコーンフレーム20は枠体21と、当接部22と、コーティング部23と、斜面部24と、接着部25と、複数の補強板26と、複数の補強リブ27とを含む。
【0027】
前記の枠体21はリング状であり、軸方向両端開口を備え、且つ、芯材10の当該軸方向一端に位置し、枠体21の径方向外壁面に両リング状溝211が周回して凹設成型されており、当該両リング状溝211は芯材10と反対側の一端開口に隣り合っている。
【0028】
前記の当接部22は軸方向に突出し且つ枠体21の芯材10の一端開口に向ける開口周縁に周回成型され、当接部22は枠体21と反対側の一面に芯材当接面221が形成され、芯材10の当該軸方向一端に当接されている。
【0029】
前記のコーティング部23は軸方向に突出し且つ当接部22の芯材当接面221上に周回成型されるが、芯材当接面221の一部を占め、且つ具体的には、芯材当接面221上における当接部22の径方向外側面に隣接する一部であるので、芯材当接面221がなお当接芯材10として用いられることができ、コーティング部23が芯材10外に周回され、コーティング部23の径方向内側及び径方向外側にそれぞれ内コーティング面231及び外コーティング面232が形成さており、且つコーティング部23の当接部22と反対側の一端にトップコーティング面233が形成され、トップコーティング面233が内コーティング面231と外コーティング面232との間に接続されている。且つ、本実施例において、内コーティング面231及び外コーティング面232は互いに平行になり、且つ内コーティング面231及び外コーティング面232は何れもトップコーティング面233に対して垂直しているが、内コーティング面231及び外コーティング面232の角度はこれに限られない。また、その他の実施例において、
図8に示すように、コーティング部23Aにはトップコーティング面がなく、内コーティング面231A及び外コーティング面232Aのトップ側を直接接続させてもよい。
【0030】
図2及び
図7に示すように、前記の斜面部24は当接部22及びコーティング部23の境界に周回成型され、且つ斜面部24に傾斜コーティング面241が成型され、傾斜コーティング面241が斜めに芯材当接面221と内コーティング面231との間に接続され、また、その他の実施例において、
図8に示すように、コーティング部23Aには斜面部がなく、内コーティング面231Aと芯材当接面221Aを直接接続させてもよい。
【0031】
図2及び
図7に示すように、前記の接着部25は径方向に突出し且つコーティング部23の径方向外側に周回成型され、接着部25の当接部22と反対側の一端にボトムコーティング面251が成型され、ボトムコーティング面251が外コーティング面232に接続されている。本実施例において、ボトムコーティング面251は外コーティング面232に垂直に接続されているが、両者の相対角度がこれに限られない。また、その他の実施例において、
図8に示すように、コーティング部23Aには接着部がなくてもよい。
【0032】
図2及び
図3に示すように、前記の各補強板26の横方向両端はそれぞれ径方向に枠体21の対向する両側の内壁面に接続され、各補強板26のトップ側(軸方向一方側)は当接部22芯材当接面221を切り揃えるまで延在し、各補強板26の底側(軸方向他方側)は枠体21の底側(枠体21の当接部22の他端開口に対する開口周縁)を切り揃えるまで延在する。本実施例において、これらの補強板26は間隔を空けて設置され、且つその中の一つの補強板26は枠体21の中心を通る。
【0033】
前記のこれらの補強リブ27はこれらの補強板26同士の間に接続され、各補強リブ27のトップ側(軸方向一方側)が当接部22の芯材当接面221を切り揃えるまで延在する。
【0034】
本実施例において、フィルタコーンフレーム20はラン・ウェイ型であり、これらの補強板26が直線で間隔を空けて設置されている一方、これらの補強リブ27は斜めに交差してこれらの補強板26同士の間に接続されている。
【0035】
その他の実施例において、
図9及び
図10に示すように、フィルタコーンフレーム20Bが円形であり、これらの補強板26Bが周回して、間隔を空けて設置されている一方、これらの補強リブ27Bはこれらの補強板26B同士の間に周回接続されている。
【0036】
図1及び
図7に示すように、前記のコロイド30はコーティング部23外を被覆し、且つコーティング部23と芯材10との間に伸びこみ、芯材10の外壁面、傾斜コーティング面241、内コーティング面231、トップコーティング面233、外コーティング面232及びボトムコーティング面251に貼り付け、フィルタコーンフレーム20にはコロイド30を介して芯材10が接着固定され、本実施例において、コロイド30はホットメルト接着剤又はポリウレタン(PU,Polyurethane)でモールド発泡成型される。
【0037】
図1〜
図3及び
図7に示すように、前記の両シール材40はフィルタコーンフレーム20上に周回設置され、本実施例において、シール材40は弾性シールリングであり、且つ両弾性シールリングがそれぞれフィルタコーンフレーム20の枠体21の両リング状溝211の中に嵌めこまれ、また、弾性シールリングがリング状溝211外に突出しているが、弾性シールリングの断面の中心が弾性シールリングに沿ってリング状の中心線Cになるように周回延在し、且つ、中心線Cはリング状溝211内(
図7に示すように)にあり、実施例において、シール材40の材質が発泡ゴム、クロロプレンゴム(CR rubber, Chloroprene rubber)、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM rubber, ethylene propylene diene monomer (M−class) rubber)又はポリウレタンであるが、これに限られない。
【0038】
図11に示すように、本発明のフィルタコーンのコーティング法は以下のようなステップを含む。
【0039】
材料準備(S1):
図2及び
図7に示すように、芯材10及びフィルタコーンフレーム20を準備し、その内、フィルタコーンフレーム20は枠体21と、当接部22と、コーティング部23とを含み、枠体21がリング状であり且つ軸方向両端開口を備え、当接部22が軸方向に突出し且つ枠体21の一端開口の開口周縁に周回成型され、当接部22の枠体21と反対側の一面に芯材当接面221が形成されており、コーティング部23が軸方向に突出し且つ当接部22の芯材当接面221上に周回成型され、コーティング部23の径方向内側及び径方向外側にそれぞれ内コーティング面231及び外コーティング面232が形成されており、本実施例において、芯材10及びフィルタコーンフレーム20は前記の芯材10及びフィルタコーンフレーム20と構造が同じであるので、その説明を重複しないが、これに限られていない。
【0040】
フィルタコーンフレーム及び芯材を下型(S2)に置き、
図3及び
図7に示すように、フィルタコーンフレーム20及び芯材10を下型50内に置き、下型50の天面に収容溝51、溶解溝52、せん断部53、溢流溝54、リング状壁55及び位置合わせ槽56が設置されている。
【0041】
収容溝51が下型50の中央に凹設成型されており、且つその形状はフィルタコーンフレーム20の形状に対応している。溶解溝52は収容溝51の開口周縁に周回成型されている。せん断部53は収容溝51と溶解溝52との境界に周回して突出成型され、せん断部53がリング状の斜面である。溢流溝54は溶解溝52の径方向外側に周回されている。リング状壁55は溢流溝54と溶解溝52との間に周回して突出成型されている。位置合わせ槽56は溢流溝54の径方向外側に周回成型され、且つ溢流溝54に連通されている。
【0042】
フィルタコーンフレーム20を下へ向かって芯材10を上に向かって下型50の収容溝51に入れて、この場合、下型50のせん断部53はフィルタコーンフレーム20の径方向外側面に周回して密着され、且つ具体的には、フィルタコーンフレーム20の接着部25の径方向外側面に密着され、芯材10の底端(軸方向一端)がコーティング部23内に貫設され、且つ下に向かってフィルタコーンフレーム20の芯材当接面221に密着されている。
【0043】
コロイド(S3)塗布:
図4及び
図7に示すように、コロイド30をフィルタコーンフレーム20のコーティング部23及び芯材10にに塗布し、具体的には、コロイド30はコーティング部23の先端(トップコーティング面233)、外コーティング面232、ボトムコーティング面251及び芯材10の外壁面に貼り付け、本実施例において、コロイド30は下型50の溶解溝52にフィル・インされるので、コロイド30はせん断部53を覆い、且つフィルタコーンフレーム20の径方向外側(コーティング部23及び接着部25)及び芯材10の外壁面に密着されている。本実施例において、まずコロイド30コーティング部23と芯材10との間に深く進入するように塗布する必要がないが、これに限られない。状況によって、コロイド30を僅かにコーティング部23と芯材10との間に進入させ、又はコーティング部23と芯材10との間の奥部へ塗布してもよい。
【0044】
上型による余計なコロイドの切除(S4):
図5及び
図7に示すように、上型60を下型50及びフィルタコーンフレーム20に向かって下へ押さえ、本実施例において、上型60は熱伝導しやすい材質であり、且つ上型60に押え付け部61、斜め押え面62及び位置合わせ部63が設置されている。
【0045】
押え付け部61は下へ上型60の底面に突出成型され、且つ周回延在され、押え付け部61の位置は下型50のせん断部53の位置に対応しており、押え付け部61の底面は平面であり、さらに説明することには、ここの平面は完全に滑らかで平らな平面を指すことではないが、凹凸があってもよく、ここの平面は押え付け部61の底面を指し、押え付けるようにコロイドを押すことであり、せん断部53の斜面がコロイド30をカットすることに異なるところがある。斜め押え面62は押え付け部61の径方向内側に周回形成されている。位置合わせ部63は下へ向かって上型60の底面に突出成型され、且つ周回延在するとともに、押え付け部61の径方向外側にあり、位置合わせ部63の位置は下型50の位置合わせ槽56の位置に対応する。上型60は下へ押さえる際に、位置合わせ部63及び下型50の位置合わせ槽56により正確な位置合わせを確保する。
【0046】
上型60はコロイド30を下へ押さえ、コロイド30を内膠部31及び外膠部32にカットし、本実施例において、上型60の押え付け部61の底面(平面)はせん断部53に当接し、コロイド30はせん断部53により押え付け部61の径方向内側の内膠部31及び押え付け部61の径方向外側の外膠部32にカットされるが、これに限られない。下型50がせん断部53を備えなく、上型60の押え付け部61の底面を斜面としてもよく、同じくせん断の効果を達成することができる。
【0047】
コロイド30は内膠部31及び外膠部32にカットされた後で、内膠部31はフィルタコーンフレーム20及び芯材10上に付着するとともにフィルタコーンフレーム20及び芯材10を接着固定し、且つ上型60も同時に内膠部31をコーティング部23と芯材10との間に押し込んで、内膠部31が内コーティング面231、傾斜コーティング面241及び芯材10の外壁面に貼り付けることにより、内膠部31はコーティング部23を被覆する。また、上型60は下へ押さえる際に、押え付け部61の径方向内側の斜め押え面62も内膠部31を芯材10に向かって推し進め、そして、内膠部31を斜め押え面62及び芯材10の外壁面に沿って上へ張り出すことで、内膠部31と芯材10の外壁面との接着面積を拡大する。外膠部32は溶解溝52内にあり、また、上型60の押え付け部61に押え付けられて、溢流溝54内に溢れ流れる。
【0048】
また、特に説明することには、コロイド30をカットする時点はとても大切であり、コロイド30は冷却後、粘性が高くなり、流動性が悪くなり、またカットしにくくなるが、コロイド30は温度が高すぎると型抜きしにくくなる。本発明は下型50の溶解溝52に大量のコロイド30を設置することで、コロイド30の温度を維持して、コロイド30の冷却が早すぎることを防ぐことができる。これで、上型60が下へ押さえる際に、コロイドには一定の温度があり、比較的高い流動性を備え、且つカットしやすくなる。また、同時に上型60を熱伝導しやすい材質に設計したので、上型60の押え付け部61がコロイド30に接する際に、熱伝導しやすい材質の押え付け部61はコロイド30の押え付け部61に接した部分を速やかに温度を低減し、硬化させることで、便利にコロイド30を上型60(押え付け部61)から離す。本発明は下型50の溶解溝52及び熱伝導しやすい材質の上型60の設計により、コロイド30が高温に保持でき、流れやすくなるが、カットした後で型抜きしやすくなる。
【0049】
図6に示すように、最後、フィルタコーンフレーム20、芯材10及び内膠部31を上型60及び下型50の中から取り出せばよい。
【0050】
本発明はこれによりコロイド30を芯材10とコーティング部23との隙間の奥部まで塗布しておく工夫をする必要がなく、大体、周回して塗布すればよい。最後には、さらに上型60が下へ押さえることで余計なコロイド30(外膠部32)を切除すると、所望のコロイド30(内膠部31)の形状を形成でき、これで、速やかで精確に内膠部31の形状を制御でき、またコロイド30のはみ出しによる不美観を防ぐことができる。また、下型50における余計なコロイド30(外膠部32)はリサイクルでき、これで、コロイド30の使用量を低減するとともに環境を保護する目的を達成する。
【0051】
本発明においては、コロイド30がフィルタコーンフレーム20のコーティング部23を被覆し、且つコーティング部23のトップ側(トップコーティング面233)及び径方向内外側(内コーティング面231及び外コーティング面232)に被覆されて貼り付け、同時に径方向内側の傾斜コーティング面241及び径方向外側のボトムコーティング面251まで延在するので、大幅にコロイド30とフィルタコーンフレーム20との接触面積を向上させることができる。
【0052】
そして、本発明においては、まず比較的多くのコロイド30をコーティング部23及び芯材10に塗布し、上型60が下へ抑える際に、コロイド30を、そして上型60内側のコロイド30(内膠部31)をさらに上へ押すので、コロイド30は比較的多くの芯材10の外壁面に貼り付けることができ、コロイド30と芯材10との接触面積を向上させる。上型60の斜め押え面62はコロイド30(内膠部31)の高さをさらに高くすることで、芯材10との接触面積を増加させることができる。
【0053】
さらに、上型60の斜め押え面62は内膠部31の高さを高くするだけではなく、内膠部31をリング状斜面に形成させることで、コロイド30の使用量をさらに低減させるとともに、比較的に大きい(芯材10との)接着面積を維持することができる。
【0054】
本発明はコロイド30がフィルタコーンフレーム20及び芯材10に接する面積を向上させるので、効果的に密封及び接着の効果を向上させる。
【0055】
そして、上型60が下へ押さえる際に発生した圧力はコロイド30を芯材10とコーティング部23との隙間の奥部に押し込み、接触面積を向上させるだけではなく、当該圧力はコロイド30をコーティング部23及び芯材10に緊密に付着させることで、接着効果をさらに強化させる。本発明はこれで速やかで且つ確実な密封及び接着方式を実現する。
【0056】
最後には、コロイド30(内膠部31)がコーティング部23外を被覆し、即ち、コロイド30の高さがコーティング部23の高さより高いので、コーティング部23の高さを相対的に低く設置することでき、フィルタコーンフレーム20整体の体積(高さ)を減少する。
【0057】
また、その他の実施例において、下型50には溶解溝52がなく、コロイド30をフィルタコーンフレーム20のコーティング部23の先端及び外コーティング面232並びに芯材10の外壁面に大体塗布し、コロイド30が下型50の天面にわずかに溢れ流れ、最後には、同じくコロイド30をカットしてもよい。これで、同様に前記の複数の効果を達成することができる。
【0058】
それ以外、本発明において、フィルタコーンフレーム20の枠体21にリング状溝211が設置され、シール材40を弾性シールリングとして、リング状溝211の中に配設し、且つ弾性シールリングをフィルタのハウジングの内壁面に当接させ、径方向に密封するので、弾性シールリングが繰り返して使用可能で、環境保護の要求を達成し、また弾性シールリングを置換えやすい。また、弾性シールリングはモジュラー設計であり、異なる使用環境によって異なる材質の弾性シールリング(耐温、耐油、極域気候)を使うことができ、そして、弾性シールリングの製造コストが低いので、大幅に整体のコストを低減することができる。
【0059】
また、弾性シールリングに低い硬度の材質(例えば、発泡ゴム等)を用いるので、大きい力を費やしなくても弾性シールリングをフィルタのハウジング内に便利に組立てることができ、そして、弾性シールリングの圧縮量を向上させても(弾性シールリングの外径を増大しても)、必要な力を低減させてフィルタのハウジング内に収容することができ、比較的大きの圧縮量は比較的大きの公差を許容でき、そして、ラン・ウェイ型の芯材10及びフィルタコーンフレーム20をピーナッツ状に変形しても、フィルタコーンフレーム20上の弾性シールリングがハウジングの内壁面に当接することができ、容易に漏れることを防ぐ。また、低い硬度の材質を使うことで、シール圧力を低減し、即ち、弾性シールリングの反力を低減することにより芯材10及びフィルタコーンフレーム20の変形を防ぐことができる。
【0060】
最後には、本発明のフィルタコーンフレーム20の補強板26及び補強リブ27はより効果的に変形を防ぎことができ、特に、補強板26のトップ側(軸方向一方側)が当接部22の芯材当接面221を切り揃えるまで延在し、且つ補強板26の底側(軸方向他方側)が枠体21の底側を切り揃えるまで延在し、言い換えれば、補強板26は一定の高さを有し、そして、一部の補強板26がフィルタコーンフレーム20の中心を通るので、枠体21及びフィルタコーンフレーム20整体の変形を十分に防ぐことができる。
【符号の説明】
【0061】
10芯材
20フィルタコーンフレーム
21枠体
211リング状溝
22当接部
221芯材当接面
23コーティング部
231内コーティング面
232外コーティング面
233トップコーティング面
24斜面部
241傾斜コーティング面
25接着部
251ボトムコーティング面
26補強板
27補強リブ
30コロイド
31内膠部
32外膠部
40シール材
50下型
51収容溝
52溶解溝
53せん断部
54溢流溝
55リング状壁
56位置合わせ槽
60上型
61押え付け部
62斜め押え面
63位置合わせ部
C中心線
221A芯材当接面
23Aコーティング部
231A内コーティング面
232A外コーティング面
20Bフィルタコーンフレーム
26B補強板
27B補強リブ
91芯材
92フィルタコーンフレーム
93ゴム層
94コロイド