特許第6577092号(P6577092)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6577092遊技場における島ユニット間のメダル移送設備
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6577092
(24)【登録日】2019年8月30日
(45)【発行日】2019年9月18日
(54)【発明の名称】遊技場における島ユニット間のメダル移送設備
(51)【国際特許分類】
   A63F 5/04 20060101AFI20190909BHJP
【FI】
   A63F5/04 691C
【請求項の数】17
【全頁数】29
(21)【出願番号】特願2018-104064(P2018-104064)
(22)【出願日】2018年5月30日
【審査請求日】2018年7月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】000108247
【氏名又は名称】株式会社ジェッター
(74)【代理人】
【識別番号】100081824
【弁理士】
【氏名又は名称】戸島 省四郎
(72)【発明者】
【氏名】大宅 高敏
【審査官】 金子 和孝
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−264063(JP,A)
【文献】 特開2009−189533(JP,A)
【文献】 特開2010−213829(JP,A)
【文献】 特開2014−045791(JP,A)
【文献】 特開2005−349009(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
メダルを用いた遊技機又はメダル貸機を複数列設した島を遊技場に近接して複数配置し、
前記各島には遊技機又はメダル貸機に供給するメダルを所定量貯える補給ホッパーと,
遊技機又はメダル貸機から排出される使用済みメダルを貯えて下部の払出器を介してメダルを排出できる回収ホッパーと,
前記補給ホッパーのメダルを各遊技機又はメダル貸機へ供給する供給コンベヤと,
遊技機又はメダル貸機から排出する使用済みのメダルを回収する回収コンベヤと,
同回収コンベヤで移送されてくるメダルを島の前記回収ホッパーへ送り込む回収リフトとを備えた島ユニットを設置し、近接した島の前記島ユニット間に正逆両方向にメダルを送れる一本コンベヤを設け、互に前記一本コンベヤで接続されて形成されるグループの島ユニットは、回収ホッパーから排出されるメダルを取り込んで研磨清掃して所定枚数のメダルを吐出するメダル研磨装置を備えた研磨島ユニットと,
グループの端末の島に設けられる端末島ユニットと,
研磨島ユニットと端末島ユニットの間の島に配置される1台又は複数台の中間島ユニットの3タイプの島ユニットからなり、
又前記中間島ユニットと端末島ユニットには下部投入口でメダルを受け入れてメダルを上昇させて前記一本コンベヤの高さより少し低い位置でメダルを投入できる中間投入口を有し且つ前記一本コンベヤより高い位置でメダルを吐出する上部吐出口を有する主リフトを設け、
更に前記研磨島ユニットには前記メダル研磨装置から吐出されるメダルを下部投入口でメダルを受け入れてメダルを上昇させて前記一本コンベヤの高さより高い位置でメダルを吐出する上部吐出口を有する副リフトを設け、
同じグループの各島ユニットでは遊技中に研磨されるメダルの使用を可能にする遊技場における島ユニット間のメダル移送設備であって、
前記研磨島ユニット及び中間島ユニットではその島ユニット内の左右にある各一本コンベヤの終端の上方位置に短い正逆両方向にメダルを送れるブリッジコンベヤを配置し、
同ブリッジコンベヤの中間に通過するメダルを所定量取り込んで下方の補給ホッパーへ送り込み、取り込み完了信号を制御部へ出力する取り込み器を設け、同ブリッジコンベヤの両端の終端から落下するメダルをその下方の左右の前記一本コンベヤの終端からやや手前位置の前記一本コンベヤ上に落下するように誘導する落下路を設け、
更に研磨島ユニット内にある左右の各一本コンベヤの終端から落下するメダルを回収ホッパーへ誘導する落下路を設け、
前記端末島ユニットにはそのユニット内の一本コンベヤの終端の上方位置に短い正逆両方向にメダルを送れるブリッジコンベヤを配置し、同ブリッジコンベヤの中間に通過するメダルを所定量取り込んで下方の補給ホッパー内に送り込み、取り込み完了信号を制御部へ出力する取り込み器を設け、且つ前記ブリッジコンベヤの研磨島ユニットに近い方の終端から落下するメダルを前記一本コンベヤの終端の手前位置にメダルを送り込む落下路を設け、
更に端末島ユニット及び中間島ユニットにおいて、同島ユニット内にある前記一本コンベヤの研磨島ユニットから遠い側となる終端から排出するメダルを前記主リフトの中間投入口へ誘導する中間投入路を設け、更に中間島ユニット内にある別の一本コンベヤの研磨島ユニットに近い側となる終端から落下するメダルをその島の回収ホッパー内へ落下させる落下路を設け、
研磨島ユニットでは回収ホッパーのメダルは前記メダル研磨装置に送られ、同研磨装置で研磨されたメダルを前記副リフトの下部投入口から投入させる構造とし、
更に中間島ユニット及び端末島ユニットにおいて回収ホッパーから排出されるメダルを前記主リフトの下部投入口に投入する落下路を設け、
前記した供給コンベヤ・回収コンベヤ・回収リフト・主リフト・副リフト・一本コンベヤ・ブリッジコンベヤ・取り込み器・回収ホッパーの払出器及びメダル研磨装置の機器の作動と停止並びに前記した一本コンベヤとブリッジコンベヤのコンベヤの送り方向を手動操作又はコンピュータソフトによって制御できるコンピュータを用いた制御部を有し、
一つのグループの島ユニットで使うメダルを研磨島ユニットのメダル研磨装置で研磨清掃して、同じグループの島ユニットの補給ホッパーへ補給して研磨したメダルをグループで使用できるようにすることを特徴とする、遊技場における島ユニット間のメダル移送設備。
【請求項2】
一つのグループ内の端末島ユニットのブリッジコンベヤの研磨島ユニットから遠い側となる終端から排出するメダルをその回収ホッパーへ落下させる落下路を設けた、請求項1記載の遊技場における島ユニット間のメダル移送設備。
【請求項3】
研磨島ユニットの回収ホッパーの払出器が、下方のメダル研磨装置に回収ホッパーのメダルに送り出す通常作動とメダル研磨装置にメダルを送らずに直接副リフトの下部投入口へメダルを直接送り込むバイパス路の方へメダルを送る研磨不良時作動との切換作動が制御部を介して行えるものである、請求項1又は2記載の遊技場における島ユニット間のメダル移送設備。
【請求項4】
研磨島ユニットのメダル研磨装置が作動不良な場合、制御部での手動切換操作又は作動不良検出信号によって自動的に研磨島ユニットの回収ホッパーの払出器のメダル送り出しをメダル研磨装置を介せずにバイパス路の方へ切換えられるようにし、回収ホッパーのメダルを研磨せずに島ユニットの補給ホッパーへ補給できるようにした、請求項3記載の遊技場における島ユニット間のメダル移送設備。
【請求項5】
各島ユニットの補給ホッパーにはメダルが不足して所定レベル以下になるのを感知するとそのレベル以下信号を発生させる補給ホッパーの補給レベルセンサーを設け、又各島ユニットの回収ホッパーにはメダルが所定レベル以上なるとそのレベル以上信号を発生する回収コイン量センサーを設け、前記制御部は前記補給レベルセンサーと回収コイン量センサーの前記信号を入力すると補給レベルセンサーがレベル以下信号の入力の場合は、研磨島ユニットにある回収ホッパーの払出器・メダル研磨装置・副リフト・ブリッジコンベヤ・取り込み器と左又は右の一本コンベヤ及び中間島ユニットと端末島ユニットにある主リフト・ブリッジコンベヤ・取り込み器と一本コンベヤの機器の作動と停止並びに一本コンベヤとブリッジコンベヤのメダル送り方向を制御し、研磨島ユニットで研磨したメダルをレベル以下信号を発生させた島ユニットの補給ホッパーに向けてメダルを送るように制御し、
又、回収コイン量センサーのレベル以上信号の場合は、中間島ユニットと端末島ユニットにある回収ホッパーの払出器・主リフト・ブリッジコンベヤと一本コンベヤ及び研磨島ユニットにある一本コンベヤの機器の作動と停止並びに一本コンベヤとブリッジコンベヤのメダル送り方向とを制御し、回収コイン量センサーがレベル以上の信号を発生させた回収ホッパーのメダルを研磨島ユニットの回収ホッパーへ送るように制御するものである、請求項1〜4いずれか記載の遊技場における島ユニット間のメダル移送設備。
【請求項6】
前記制御部は、同じグループのいずれの島ユニットからも補給レベルセンサーのレベル以下信号の発生がない場合は、中間島ユニット及び端末島ユニットの回収ホッパー内の使用済みメダルを研磨島ユニットの回収ホッパーへ移動させるようにコンベヤ方向を制御して全回収モードとし、いずれかの島ユニットの補給レベルセンサーからレベル以下信号の発生が生じた場合、その信号を発生させた島ユニットへ研磨島ユニットからのメダルを所定量補給することとなるメダル移動路においてなされている回収送りを一時終了し、又は一時終了させないで直ちに補給する島ユニット方向への研磨島ユニットからのメダル補給送りとなるようにコンベヤ方向を制御し、補給が終了すると前記全回収モードに戻すことを特徴とする、請求項5記載の遊技場における島ユニット間のメダル移送設備。
【請求項7】
前記制御部において、研磨島ユニットの左又は右側のメダル送りの回収モードにおける回収送りの一時終了を、メダルの回収送りのモードでメダルが送られている回収ホッパーの払出器の払出しを停止した時点から搬送中の使用済みメダルが上流側の回収ホッパーに収容されるだけの所定の時間経過を待って回収送りのモードの終了と判断し、又研磨島ユニットの左又は右側のメダル送りがメダル補給モードである場合における補給モードの終了を、補給されている側の前記レベル以下信号を発生させた全島ユニットのブリッジコンベヤの中間にある各取り込み器からの取り込み完了の信号の制御部の受信をもってその補給が終了すると判断するようにした、請求項6記載の遊技場における島ユニット間のメダル移送設備。
【請求項8】
前記制御部は、いずれの島ユニットの補給レベルセンサーにも以下レベルの信号が発生されていない場合での中間島ユニット及び端末島ユニットの回収ホッパー内の使用済みメダルを研磨島ユニットの回収ホッパーへ移動させる全回収モードにおいて、いずれかの島ユニットの回収ホッパーのメダル量が所定レベル以上となったことを示す回収コイン量センサーの信号があると、その回収ホッパーへのその下流の端末側回収ホッパーの払出器によるメダル払出を一時停止するようにした、請求項5〜7いずれか記載の遊技場における島ユニット間のメダル移送設備。
【請求項9】
一つのグループ内の研磨島ユニットを中心にして、その左側又は右側にある一本コンベヤ及びブリッジコンベヤのメダル送り方向を、研磨島ユニット内のブリッジコンベヤのメダル送り方向と同一になるように制御部で制御することで、研磨島ユニットからのメダルを左側又は右側にある中間島ユニット及び端末島ユニットの補給ホッパーへメダルを補給する片側補給モードとすることができる、請求項1〜5いずれか記載の遊技場における島ユニット間のメダル移送設備。
【請求項10】
一つのグループ内の研磨島ユニットのブリッジコンベヤのメダルの補給送りでその送り方向を所定時間経過後逆方向に切替える制御を制御部で行うことで、研磨島ユニット内で研磨したメダルを一つのグループ内の全島ユニットの補給ホッパーに補給する左右切換補給モードとすることができる、請求項9記載の遊技場における島ユニット間のメダル移送設備。
【請求項11】
前記制御部は、いずれかの島ユニットの前記補給レベルセンサーが以下レベルの信号を発生した場合は、その島ユニットの補給ホッパーに向けて研磨島ユニットからメダルを送る方向に、その送られる側にある島ユニットの一本コンベヤとブリッジコンベヤの送り方向を同一方向に制御して、以下レベルの信号を発生した島ユニット内のブリッジコンベヤの中間の取り込み器より所要量のメダルを取り込んで、下方の補給ホッパーへ落下させて補給するメダル補給モードとする、請求項5記載の遊技場における島ユニット間のメダル移送設備。
【請求項12】
前記請求項11において、前記制御部はメダルが送られる側にある複数の島ユニットの補給レベルセンサーが以下レベル信号を発生させている場合、その以下レベル信号を発生させている島ユニットの中で研磨島ユニットから最も遠い島ユニットまでメダルを送るようにするとともに、メダルが送られる側にあるレベル以下信号を発生している最も遠い島ユニットへの途中の島ユニットにおいてもそのブリッジコンベヤの取り込み器からその島ユニットの補給ホッパーへメダルを所要数補給するように制御する複数島へのメダル補給モードの、請求項11記載の遊技場における島ユニット間のメダル移送設備。
【請求項13】
前記制御部は、一つのグループ内の研磨島ユニットを中心にして、その左側及び右側にある全ての一本コンベヤ及びブリッジコンベヤのメダル送り方向を、研磨島ユニット内のブリッジコンベヤのメダル送り方向と同一になるように制御することで、研磨島ユニットのメダル研磨装置で研磨したメダルをメダル送り側の中間島ユニット及び端末島ユニットの補給ホッパーへメダルを補給する片側補給モードとし、メダル送り側の反対側にある中間島ユニット及び端末島ユニットの回収ホッパー内の使用済みメダルを研磨島ユニットの回収ホッパーへ回収する片側回収モードとし、一グループ内で回収と補給が並行にできる補給回収並行モードとすることで、研磨島ユニットの回収ホッパーの容量を大きくしないで済ませることができることを特徴とする、請求項1〜5いずれか記載の遊技場における島ユニット間のメダル移送設備。
【請求項14】
前記制御部は、同じグループの研磨島ユニットを中心に、その左右両側にある中間島ユニットと端末島ユニットを連絡する一本コンベヤ及びそれらの島ユニット内のブリッジコンベヤのメダル送り方向を、左側と右側とで反対となるようにし且つ全メダルが研磨島ユニットへ送られる方向にし、更に研磨島ユニットの副リフト及びブリッジコンベヤを作動停止させるように制御することで、同じグループの島ユニットの回収ホッパー内のメダルを研磨島ユニットの回収ホッパーに送って全メダルを効率的に研磨できるようにするメダル全回収モードにできる、請求項1〜5いずれか記載の遊技場における島ユニット間のメダル移送設備。
【請求項15】
前記制御部は、同じグループの一本コンベヤ及びブリッジコンベヤのいずれかが作動不良の場合、各島ユニットの補給ホッパー・供給コンベヤ・回収コンベヤ・回収リフト及び回収ホッパーだけを作動するように制御部を制御して、補給ホッパーの残量メダルを使って遊技機又は貸機の作動を所定時間可能にして補給ホッパーの残量メダル使用モードとする、請求項1〜5いずれか記載の遊技場における島ユニット間のメダル移送設備。
【請求項16】
前記制御部は、同じグループの一本コンベヤが作動不良の場合、又は一本コンベヤの作動を停止させて同じ島ユニット内の補給ホッパー・供給コンベヤ・回収コンベヤ・回収リフト・回収ホッパー・主リフト又は副リフト・ブリッジコンベヤ及び取り込み器のみを作動させて制御することで、回収ホッパー内の使用したメダルを同じ島ユニット内の主リフト又は副リフト・ブリッジコンベヤを介して補給ホッパーへ循環させて、各島独立でメダルを遊技機又は貸機に使用可能にできる島循環モードにする、請求項1〜5いずれか記載の遊技場における島ユニット間のメダル移送設備。
【請求項17】
同じグループにある端末島ユニットの回収ホッパーの下にメダル研磨装置を設置し、前記研磨島ユニットと同様な構造とし、その外側に一本コンベヤで接続された中間島ユニット及び端末島ユニットを増設して、一グループの島ユニット数を拡張した、請求項1〜いずれか記載の遊技場における島ユニット間のメダル移送設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
遊技場に所定間隔離して島を複数配置し、各島にメダルを用いたスロットル機等の遊技機又はメダルを貸し出す貸機を複数台列設させた遊技場において、複数の近接した複数の島をグループ化し、グループ化された複数の島においてメダルが島間を移動でき、しかもグループの島の少なくとも一つ以上の島にメダル研磨装置を設けることでグループの島のメダルをこのメダル研磨装置で研磨して、グループの島で研磨したメダルを使用可能とする技術である。
【背景技術】
【0002】
遊技場では、遊技機・貸機を複数列設した島を、所定間隔離して複数設置していることが多い。しかし、特許文献2の如く各島のメダルを移送する島ユニットの全部に独立してメダル研磨装置を設置することは製造コストの増大・メンテナンスの増大の為に実用的でなかった。それに代わり、特許文献1において知られているように各島を往路の供給ラインと復路の回収ラインとなる移送方向を異にする2本のコンベヤの空中ラインSCWを上方に設け、特定の島ユニットのみにメダル研磨装置KSを設置し、他の島ユニットは上記空中ラインSCWの回収ラインを介して研磨装置がある島へメダルを移送し、その島でメダルを研磨し、研磨されたメダルを供給ラインの空中ラインSCWを介して各島の補給ホッパーに移送して、各島で使用できるようにする設備も知られている(図20〜27参照)。
【0003】
しかし、この特許文献1の発明では供給ラインと回収ラインとの2本のコンベヤ(空中ラインSCW)を用いることで島ユニット内に回収と供給の2系列のコンベヤ(ライン)の移動路・コンベヤ駆動部が構築される必要があるので構造が複雑になり、又コンベヤの作動モータを多く必要となり、コストが嵩むものであった。この2本ラインによる島ユニットの内部構造は図20〜27に示し、その動作・構造を明細書段落0037〜0039に説明している。
尚、メダル研磨機としては、メダルを回転ブラシ又はロールブラシで研磨するものが周知であり、特許文献3,4に構造例が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第6098910号公報
【特許文献2】特開2001−118110号公報
【特許文献3】特開2017−58968号公報
【特許文献4】特開2017−55991号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、島間を連絡するコンベヤ(ライン)を一本にして、メダルの移動路を正逆両方向可能にしてシンプルな構造にし且つグループ単位で遊技中にメダルをこまめに研磨してメダル及び装置の汚れを少なくし、又メダルを貯えるホッパーの大きさ・容量を小さくでき、効率的な補給と回収の並行モード・左右切換補給モード・全回収モード等メダルの状況及び遊技場の始動・終了に応じた次の準備処理を行え、製作のコストパフォーマンスも優れたものとした、遊技場における島ユニット間のメダル移送設備を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
かかる課題を解決した本発明の構成は、
1) メダルを用いた遊技機又はメダル貸機を複数列設した島を遊技場に近接して複数配置し、
前記各島には遊技機又はメダル貸機に供給するメダルを所定量貯える補給ホッパーと,
遊技機又はメダル貸機から排出される使用済みメダルを貯えて下部の払出器を介してメダルを排出できる回収ホッパーと,
前記補給ホッパーのメダルを各遊技機又はメダル貸機へ供給する供給コンベヤと,
遊技機又はメダル貸機から排出する使用済みのメダルを回収する回収コンベヤと,
同回収コンベヤで移送されてくるメダルを島の前記回収ホッパーへ送り込む回収リフトとを備えた島ユニットを設置し、近接した島の前記島ユニット間に正逆両方向にメダルを送れる一本コンベヤを設け、互に前記一本コンベヤで接続されて形成されるグループの島ユニットは、回収ホッパーから排出されるメダルを取り込んで研磨清掃して所定枚数のメダルを吐出するメダル研磨装置を備えた研磨島ユニットと,
グループの端末の島に設けられる端末島ユニットと,
研磨島ユニットと端末島ユニットの間の島に配置される1台又は複数台の中間島ユニットの3タイプの島ユニットからなり、
又前記中間島ユニットと端末島ユニットには下部投入口でメダルを受け入れてメダルを上昇させて前記一本コンベヤの高さより少し低い位置でメダルを投入できる中間投入口を有し且つ前記一本コンベヤより高い位置でメダルを吐出する上部吐出口を有する主リフトを設け、
更に前記研磨島ユニットには前記メダル研磨装置から吐出されるメダルを下部投入口でメダルを受け入れてメダルを上昇させて前記一本コンベヤの高さより高い位置でメダルを吐出する上部吐出口を有する副リフトを設け、
同じグループの各島ユニットでは遊技中に研磨されるメダルの使用を可能にする遊技場における島ユニット間のメダル移送設備であって、
前記研磨島ユニット及び中間島ユニットではその島ユニット内の左右にある各一本コンベヤの終端の上方位置に短い正逆両方向にメダルを送れるブリッジコンベヤを配置し、
同ブリッジコンベヤの中間に通過するメダルを所定量取り込んで下方の補給ホッパーへ送り込み、取り込み完了信号を制御部へ出力する取り込み器を設け、同ブリッジコンベヤの両端の終端から落下するメダルをその下方の左右の前記一本コンベヤの終端からやや手前位置の前記一本コンベヤ上に落下するように誘導する落下路を設け、
更に研磨島ユニット内にある左右の各一本コンベヤの終端から落下するメダルを回収ホッパーへ誘導する落下路を設け、
前記端末島ユニットにはそのユニット内の一本コンベヤの終端の上方位置に短い正逆両方向にメダルを送れるブリッジコンベヤを配置し、同ブリッジコンベヤの中間に通過するメダルを所定量取り込んで下方の補給ホッパー内に送り込み、取り込み完了信号を制御部へ出力する取り込み器を設け、且つ前記ブリッジコンベヤの研磨島ユニットに近い方の終端から落下するメダルを前記一本コンベヤの終端の手前位置にメダルを送り込む落下路を設け、
更に端末島ユニット及び中間島ユニットにおいて、同島ユニット内にある前記一本コンベヤの研磨島ユニットから遠い側となる終端から排出するメダルを前記主リフトの中間投入口へ誘導する中間投入路を設け、更に中間島ユニット内にある別の一本コンベヤの研磨島ユニットに近い側となる終端から落下するメダルをその島の回収ホッパー内へ落下させる落下路を設け、
研磨島ユニットでは回収ホッパーのメダルは前記メダル研磨装置に送られ、同研磨装置で研磨されたメダルを前記副リフトの下部投入口から投入させる構造とし、
更に中間島ユニット及び端末島ユニットにおいて回収ホッパーから排出されるメダルを前記主リフトの下部投入口に投入する落下路を設け、
前記した供給コンベヤ・回収コンベヤ・回収リフト・主リフト・副リフト・一本コンベヤ・ブリッジコンベヤ・取り込み器・回収ホッパーの払出器及びメダル研磨装置の機器の作動と停止並びに前記した一本コンベヤとブリッジコンベヤのコンベヤの送り方向を手動操作又はコンピュータソフトによって制御できるコンピュータを用いた制御部を有し、
一つのグループの島ユニットで使うメダルを研磨島ユニットのメダル研磨装置で研磨清掃して、同じグループの島ユニットの補給ホッパーへ補給して研磨したメダルをグループで使用できるようにすることを特徴とする、遊技場における島ユニット間のメダル移送設備
2) 一つのグループ内の端末島ユニットのブリッジコンベヤの研磨島ユニットから遠い側となる終端から排出するメダルをその回収ホッパーへ落下させる落下路を設けた、前記1)記載の遊技場における島ユニット間のメダル移送設備
3) 研磨島ユニットの回収ホッパーの払出器が、下方のメダル研磨装置に回収ホッパーのメダルに送り出す通常作動とメダル研磨装置にメダルを送らずに直接副リフトの下部投入口へメダルを直接送り込むバイパス路の方へメダルを送る研磨不良時作動との切換作動が制御部を介して行えるものである、前記1)又は2)記載の遊技場における島ユニット間のメダル移送設備
4) 研磨島ユニットのメダル研磨装置が作動不良な場合、制御部での手動切換操作又は作動不良検出信号によって自動的に研磨島ユニットの回収ホッパーの払出器のメダル送り出しをメダル研磨装置を介せずにバイパス路の方へ切換えられるようにし、回収ホッパーのメダルを研磨せずに島ユニットの補給ホッパーへ補給できるようにした、前記3)記載の遊技場における島ユニット間のメダル移送設備
5) 各島ユニットの補給ホッパーにはメダルが不足して所定レベル以下になるのを感知するとそのレベル以下信号を発生させる補給ホッパーの補給レベルセンサーを設け、又各島ユニットの回収ホッパーにはメダルが所定レベル以上なるとそのレベル以上信号を発生する回収コイン量センサーを設け、前記制御部は前記補給レベルセンサーと回収コイン量センサーの前記信号を入力すると補給レベルセンサーがレベル以下信号の入力の場合は、研磨島ユニットにある回収ホッパーの払出器・メダル研磨装置・副リフト・ブリッジコンベヤ・取り込み器と左又は右の一本コンベヤ及び中間島ユニットと端末島ユニットにある主リフト・ブリッジコンベヤ・取り込み器と一本コンベヤの機器の作動と停止並びに一本コンベヤとブリッジコンベヤのメダル送り方向を制御し、研磨島ユニットで研磨したメダルをレベル以下信号を発生させた島ユニットの補給ホッパーに向けてメダルを送るように制御し、
又、回収コイン量センサーのレベル以上信号の場合は、中間島ユニットと端末島ユニットにある回収ホッパーの払出器・主リフト・ブリッジコンベヤと一本コンベヤ及び研磨島ユニットにある一本コンベヤの機器の作動と停止並びに一本コンベヤとブリッジコンベヤのメダル送り方向とを制御し、回収コイン量センサーがレベル以上の信号を発生させた回収ホッパーのメダルを研磨島ユニットの回収ホッパーへ送るように制御するものである、前記1)〜4)いずれか記載の遊技場における島ユニット間のメダル移送設備
6) 前記制御部は、同じグループのいずれの島ユニットからも補給レベルセンサーのレベル以下信号の発生がない場合は、中間島ユニット及び端末島ユニットの回収ホッパー内の使用済みメダルを研磨島ユニットの回収ホッパーへ移動させるようにコンベヤ方向を制御して全回収モードとし、いずれかの島ユニットの補給レベルセンサーからレベル以下信号の発生が生じた場合、その信号を発生させた島ユニットへ研磨島ユニットからのメダルを所定量補給することとなるメダル移動路においてなされている回収送りを一時終了し、又は一時終了させないで直ちに補給する島ユニット方向への研磨島ユニットからのメダル補給送りとなるようにコンベヤ方向を制御し、補給が終了すると前記全回収モードに戻すことを特徴とする、前記5)記載の遊技場における島ユニット間のメダル移送設備
7) 前記制御部において、研磨島ユニットの左又は右側のメダル送りの回収モードにおける回収送りの一時終了を、メダルの回収送りのモードでメダルが送られている回収ホッパーの払出器の払出しを停止した時点から搬送中の使用済みメダルが上流側の回収ホッパーに収容されるだけの所定の時間経過を待って回収送りのモードの終了と判断し、又研磨島ユニットの左又は右側のメダル送りがメダル補給モードである場合における補給モードの終了を、補給されている側の前記レベル以下信号を発生させた全島ユニットのブリッジコンベヤの中間にある各取り込み器からの取り込み完了の信号の制御部の受信をもってその補給が終了すると判断するようにした、前記6)記載の遊技場における島ユニット間のメダル移送設備
8) 前記制御部は、いずれの島ユニットの補給レベルセンサーにも以下レベルの信号が発生されていない場合での中間島ユニット及び端末島ユニットの回収ホッパー内の使用済みメダルを研磨島ユニットの回収ホッパーへ移動させる全回収モードにおいて、いずれかの島ユニットの回収ホッパーのメダル量が所定レベル以上となったことを示す回収コイン量センサーの信号があると、その回収ホッパーへのその下流の端末側回収ホッパーの払出器によるメダル払出を一時停止するようにした、前記5)〜7)いずれか記載の遊技場における島ユニット間のメダル移送設備
9) 一つのグループ内の研磨島ユニットを中心にして、その左側又は右側にある一本コンベヤ及びブリッジコンベヤのメダル送り方向を、研磨島ユニット内のブリッジコンベヤのメダル送り方向と同一になるように制御部で制御することで、研磨島ユニットからのメダルを左側又は右側にある中間島ユニット及び端末島ユニットの補給ホッパーへメダルを補給する片側補給モードとすることができる、前記1)〜5)いずれか記載の遊技場における島ユニット間のメダル移送設備
10) 一つのグループ内の研磨島ユニットのブリッジコンベヤのメダルの補給送りでその送り方向を所定時間経過後逆方向に切替える制御を制御部で行うことで、研磨島ユニット内で研磨したメダルを一つのグループ内の全島ユニットの補給ホッパーに補給する左右切換補給モードとすることができる、前記9)記載の遊技場における島ユニット間のメダル移送設備
11) 前記制御部は、いずれかの島ユニットの前記補給レベルセンサーが以下レベルの信号を発生した場合は、その島ユニットの補給ホッパーに向けて研磨島ユニットからメダルを送る方向に、その送られる側にある島ユニットの一本コンベヤとブリッジコンベヤの送り方向を同一方向に制御して、以下レベルの信号を発生した島ユニット内のブリッジコンベヤの中間の取り込み器より所要量のメダルを取り込んで、下方の補給ホッパーへ落下させて補給するメダル補給モードとする、前記5)記載の遊技場における島ユニット間のメダル移送設備
12) 前記11)において、前記制御部はメダルが送られる側にある複数の島ユニットの補給レベルセンサーが以下レベル信号を発生させている場合、その以下レベル信号を発生させている島ユニットの中で研磨島ユニットから最も遠い島ユニットまでメダルを送るようにするとともに、メダルが送られる側にあるレベル以下信号を発生している最も遠い島ユニットへの途中の島ユニットにおいてもそのブリッジコンベヤの取り込み器からその島ユニットの補給ホッパーへメダルを所要数補給するように制御する複数島へのメダル補給モードの、前記11)記載の遊技場における島ユニット間のメダル移送設備
13) 前記制御部は、一つのグループ内の研磨島ユニットを中心にして、その左側及び右側にある全ての一本コンベヤ及びブリッジコンベヤのメダル送り方向を、研磨島ユニット内のブリッジコンベヤのメダル送り方向と同一になるように制御することで、研磨島ユニットのメダル研磨装置で研磨したメダルをメダル送り側の中間島ユニット及び端末島ユニットの補給ホッパーへメダルを補給する片側補給モードとし、メダル送り側の反対側にある中間島ユニット及び端末島ユニットの回収ホッパー内の使用済みメダルを研磨島ユニットの回収ホッパーへ回収する片側回収モードとし、一グループ内で回収と補給が並行にできる補給回収並行モードとすることで、研磨島ユニットの回収ホッパーの容量を大きくしないで済ませることができることを特徴とする、前記1)〜5)いずれか記載の遊技場における島ユニット間のメダル移送設備
14) 前記制御部は、同じグループの研磨島ユニットを中心に、その左右両側にある中間島ユニットと端末島ユニットを連絡する一本コンベヤ及びそれらの島ユニット内のブリッジコンベヤのメダル送り方向を、左側と右側とで反対となるようにし且つ全メダルが研磨島ユニットへ送られる方向にし、更に研磨島ユニットの副リフト及びブリッジコンベヤを作動停止させるように制御することで、同じグループの島ユニットの回収ホッパー内のメダルを研磨島ユニットの回収ホッパーに送って全メダルを効率的に研磨できるようにするメダル全回収モードにできる、前記1)〜5)いずれか記載の遊技場における島ユニット間のメダル移送設備
15) 前記制御部は、同じグループの一本コンベヤ及びブリッジコンベヤのいずれかが作動不良の場合、各島ユニットの補給ホッパー・供給コンベヤ・回収コンベヤ・回収リフト及び回収ホッパーだけを作動するように制御部を制御して、補給ホッパーの残量メダルを使って遊技機又は貸機の作動を所定時間可能にして補給ホッパーの残量メダル使用モードとする、前記1)〜5)いずれか記載の遊技場における島ユニット間のメダル移送設備
16) 前記制御部は、同じグループの一本コンベヤが作動不良の場合、又は一本コンベヤの作動を停止させて同じ島ユニット内の補給ホッパー・供給コンベヤ・回収コンベヤ・回収リフト・回収ホッパー・主リフト又は副リフト・ブリッジコンベヤ及び取り込み器のみを作動させて制御することで、回収ホッパー内の使用したメダルを同じ島ユニット内の主リフト又は副リフト・ブリッジコンベヤを介して補給ホッパーへ循環させて、各島独立でメダルを遊技機又は貸機に使用可能にできる島循環モードにする、前記1)〜5)いずれか記載の遊技場における島ユニット間のメダル移送設備
17) 同じグループにある端末島ユニットの回収ホッパーの下にメダル研磨装置を設置し、前記研磨島ユニットと同様な構造とし、その外側に一本コンベヤで接続された中間島ユニット及び端末島ユニットを増設して、一グループの島ユニット数を拡張した、前記1)〜4)いずれか記載の遊技場における島ユニット間のメダル移送設備
にある。
【発明の効果】
【0007】
本発明は、請求項1,2,3又は4に記載の構成としたことによって、正逆両方向送り可能な一本コンベヤ(ライン)によって、メダルを補給すべき状態がない時間帯では同じグループの中間島ユニット・端末島ユニットの回収ホッパーのメダルを研磨島ユニットの回収ホッパーへ移動させることができ、研磨島ユニットのメダル研磨装置でのメダル研磨の効率を高くすることができる。
尚、いずれかの島ユニットの回収ホッパーのメダル量が所定レベル以上になれば、回収コイン量センサーの信号で所定レベル以上となった回収ホッパーへの下流(端末側)からのメダル移送を停止させて回収ホッパーからメダルのオーバーフローがないようにした。
【0008】
又、本発明によれば、補給ホッパーからのメダル補給命令(いずれかの島ユニットの補給ホッパーの補給レベルセンサーがメダル不足を示す低レベルになったことを示すレベル以下信号が発生した場合)があれば、その島ユニットの補給ホッパーへ研磨したメダルを補給する補給モードとすることができ、その時補給しない側の一本コンベヤとブリッジコンベヤを研磨島ユニットの回収ホッパーに向けて移送する回収モードにでき、これによって補給と回収を並行にでき、バランスのよいメダル送りにでき、研磨島ユニットの回収ホッパーの出入り量が相殺してその回収ホッパーのメダル貯量を小さいものにできる。
【0009】
このように、補給命令なき時間帯では全回収モードとなり、又補給命令があっても片側補給モードで他側を回収モードにする補給と回収の並行モードとすることができ、メダルが研磨島ユニットへ送られる時間が長く確保でき、そのメダル研磨装置による研磨する時間も長くでき、汚れの少ないメダルをグループ内の島で使用可能にする。
【0010】
更に、遊技店が終了した場合、全回収モードにした後左右切換補給モードとすることで明日の開業のため全補給ホッパーに研磨したメダルを所定レベルまで補給することも可能となっている。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は本発明の遊技場における各島ユニットと一本コンベヤとの使用状態を示す説明図である。
図2図2は本発明の実施例の遊技場における島ユニット間のメダル移送設備を示す説明図である。
図3図3は実施例のグループの島ユニットの構造を示す説明図である。
図4図4は実施例の主リフトの内部構造を示す説明図である。
図5図5は実施例の主リフトの下部投入口・中間投入口及び上部吐出口を示す斜視図である。
図6図6は実施例の一本コンベヤとブリッジコンベヤと補給ホッパーと回収ホッパーと主リフト又は副リフト間のメダル移動路の要部を示す説明図である。
図7図7は実施例の右方向片側補給モードの状態を示す説明図である。
図8図8は実施例の左右切換補給モードの状態を示す説明図である。
図9図9は実施例の左方向片側補給モードの状態を示す説明図である。
図10図10は実施例の全回収モードの状態を示す説明図である。
図11図11は実施例の左方向補給の補給回収並行モードの状態を示す説明図である。
図12図12は実施例の図11と反対方向の補給回収並行モードの状態を示す説明図である。
図13図13は実施例におけるメダル送りの通常運用のフローチャート図である。
図14図14は実施例における補給レベルセンサーと回収コイン量センサーを示す説明図である。
図15図15は補給レベルセンサーと取り込み器のメダル取り込み説明図である。
図16図16は実施例の島循環モードの状態を示す説明図である。
図17図17は実施例の補給ホッパーの残量メダル使用モードの状態を示す説明図である。
図18図18は実施例の研磨島ユニットのバイパス路によるメダルの補給の流れを示す説明図である。
図19図19は実施例の研磨装置作動不良の場合におけるメダル補給モードの状態を示す説明図である。
図20図20は実施例の研磨装置不良の場合のメダルの流れの変更のフローチャート図である。
図21図21は実施例の制御部の回路ブロック図である。
図22図22は本発明の同一グループの島ユニットの拡張した例の説明図である。
図23図23は本発明の島ユニット間の一本コンベヤによる他の接続例を示す説明図である。
図24図24は本発明の島ユニット間の一本コンベヤによる接続の他例を示す説明図である。
図25図25は従来の2本空中ラインSCWを使った島ユニット間のメダル移送設備の説明図である。
図26図26は従来の島ユニットにおける供給ラインと回収ラインとスロットル機と貸機内の各メダルホッパーとのメダル移動と配置を示す説明図である。
図27図27は従来の研磨島ユニットKUの内部構造を示す説明図である。
図28図28は従来の中間島ユニットMUの内部構造を示す説明図である。
図29図29は従来の端末島ユニットEUの内部構造を示す説明図である。
図30図30は従来の島ユニット間のメダル移送設備のメダルの移動を示す説明図である。
図31図31は従来の島ユニット間のメダル移送設備での島ユニット間のメダルの送りを示す説明図である。
図32図32は従来の島ユニット間のメダル移送設備での島ユニット間のメダルの回収を示す説明図である。
図33図33は実施例の研磨島ユニットにおけるブリッジコンベヤと一本コンベヤ等の配置構造を示す説明図である。
図34図34は実施例の中間島ユニットにおけるブリッジコンベヤと一本コンベヤ等の配置構造を示す説明図である。
図35図35は実施例の端末島ユニットにおけるブリッジコンベヤと一本コンベヤ等の配置構造を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明において、一グループを一つの研磨島ユニットKUに対し、左右それぞれに2〜3台の中間島ユニットMUの経て端末島ユニットEUで構成することもできるし、3台以上の中間島ユニットMUと2台の端末島ユニットEUに対し、複数の研磨島ユニットを配置することも可能である。この場合、各研磨島ユニットの研磨したメダルの補給する島ユニットと、回収する使用済みのメダルをどちらの研磨島ユニットの回収ホッパーに送るか、事前にその送りのルールを定めておく。
【0013】
本発明で回収送りモードにある移動路が補給モードに切換える場合、回収している側の各島の回収ホッパーの払出器の払出を停止し、各コンベヤは回収方向にしたまま所定時間作動させることで回収路途中の使用済みのメダルをその上流側の回収ホッパーへ格納し(回収の一時終了させ)、その後補給送りすれば使用済みメダルが補給されないようにできて好ましい。又は、回収送りモードを直ちに停止し、コンベヤの送りを逆の補給送りにする方法もある。この場合、切換時間なく回収送りから補給送りにできて制御が容易であるが、回収中の使用済みメダルの一部が補給ホッパーに戻されて研磨されないままのメダルが使用される。本発明では上記いずれの方法でも採用できるが、前者の回収の一時終了後の補給方法は研磨優先で、後者は一時終了させないで直ちに補給の方法は制御容易補給迅速優先である。
同様に、補給送りモードにある移動路を回収送りモードにする場合では、補給信号(メダル補給センサーからのレベル以下の信号を発生させた各島ユニットの補給ホッパーに所定量の研磨したメダルが投入されてメダルが所定レベルに達したことを示す取り込み器又は補給メダルセンサー側の信号又は設定レベルになってからのメダル取り込み時間のタイマー信号を待って(補給完了を待って)回収送りへ切替えるのが一般的である。
【0014】
更に、遊技中のメダル送りの制御は、図13に限らず左又は右側の片側補給モード,左又は右側の片側回収モード等組み合せでも可能である。加えて、図13のフローチャートにかかわらず、押ボタン操作で強制的に全回収モード,左右切換補給モード,右方向補給モード,左方向補給モード,島循環モード,残量メダル使用モード,左右方向の補給回収並行モード等にできるようにすれば、種々の状況の対応性を高くできる。又、メダル研磨装置が作動不良となった場合は図18に示すように回収ホッパー内のメダルを払出器がメダル研磨装置を通さずに直接バイパス路から副リフトの下部投入口に送るようにすれば、上記の各モードで研磨されないメダルを送り込んで遊技の停止を回避できるようにできる。
【実施例】
【0015】
本発明の遊技場における島ユニット間のメダル移送設備の実施例を図1〜21,図33,34,35の図面に基づいて説明する。
本実施例は、研磨島ユニットKUを中心にしてその左右に各一台の中間島ユニットMUと端末島ユニットEUを配置5台の島ユニットで一グループを形成した例である。そして、研磨島ユニットKUのメダル研磨装置KSによってメダルを研磨清掃させながら、研磨したメダルを全島ユニットへ使用できるように補給し、又他の島ユニットの回収ホッパーに貯えられた使用済みのメダルを研磨島ユニットに効率的に送って(回収して)研磨した後、他の島ユニットへ補給できる設備である。
図33〜35に実施例の島ユニット内にある2本の一本コンベヤSCとメダルの受け渡しをする重要なブリッジコンベヤBCと,副リフトFL又は主リフトMLと,補給ホッパーHHと,回収ホッパーKHと,回収リフトKLと,落下路との配置構造を示している。他の中間島ユニットMU,端末島ユニットEUにおけるブリッジコンベヤBCまわりの配置構造も図34図35に示すように図33と同様の構造となっている。尚、バイパス路については省略している。
【0016】
特に、本実施例ではいずれかの島ユニットからの補給命令の信号がなければ制御部のソフトで全回収モードにでき、又補給命令があっても右メダル送り,左メダル送りいずれでも片側補給モード、他側は回収モードの補給回収並行モードにもできることによってメダル回収優先にでき、メダル補給とメダル回収の処理時間のバランスをとっている。
【0017】
加えて、研磨島ユニットのメダル研磨装置が作動停止又は作動不良の場合は手動操作又は制御部の検出器によって制御部は、回収ホッパーの払出器は図18,19,20に示すように回収ホッパーのメダルをメダル研磨装置に送らずにバイパス路へ送って回収ホッパーの使用済みのメダルを各島ユニットの補給ホッパーへ送り込んで、遊技機・メダル貸機の使用を可能とし、遊技者の遊技を続行できるようにしている。従って、本実施例のメダルの種々のモードでの補給送りの図7,8,9,10,11,12,13,16はメダル研磨装置の作動停止・作動不良の場合でも可能としている。上記の図面(図7〜16、図33〜35)は正常なメダル研磨装置の作動でのメダルの流れの状態であり、不良不作動の場合でのバイパス路でのメダル流れは省略しているが、同じメダル流れを可能としている。但し、その場合は研磨されないメダルの使用となっている。
更に、補給も同じメダル送り側にある補給命令(補給信号を発生)がある複数の補給ホッパーへメダル補給も同時にできるものとしている。
【0018】
尚、一本コンベヤが不良の状態の場合では、各島独立で補給ホッパー→供給コンベヤ→回収コンベヤ→主リフト→ブリッジコンベヤ→取り込み器→補給ホッパーの島循環モードにすることで研磨されないメダルで遊技の続行ができるようにしている。
更に、主リフト・ブリッジコンベヤも不良又は使えない状態でも、補給ホッパー→供給コンベヤ→回収コンベヤ→回収リフト→回収ホッパーと補給ホッパー内のメダルを移送することで、補給ホッパー残量メダルでもって所定時間遊技ができるようにしている。
【0019】
(実施例の構造と符号の説明)
Gは実施例の遊技場における島ユニット間のメダル移送設備、mは使用するメダル、YSは遊技場、Pはスロットル機の遊技機、Kは同遊技機の一方の横に設置されるメダル貸出しを行う貸機、Sは遊技機Pと貸機Kとを向い合せに多数台ST上に列設させた島、STは同島の機器の設置台、Uは各島Sに端に設けた島ユニット(総称名)、UCは同島ユニットの島ユニットケーシング、KUは島ユニットUの中のメダル研磨装置KSを備えた研磨島ユニット、MUは島ユニットUの中の中間島ユニット、EUは島ユニットUの中の端末島ユニット、HHは各島ユニットに設けた補給ホッパー、HCは同補給ホッパーHHに貯えたメダルをその島Sの遊技機P・貸機Kへ供給する供給コンベヤ、KCは遊技機P・貸機Kから排出される使用済みメダルの回収コンベヤ、KHは各島ユニットに設けられる使用済みメダルを貯える回収ホッパー、KH1は回収ホッパーKHの下部に設けられてホッパー内のメダルを切り出して排出する払出器、KH2は同払出器から排出されるメダルを主リフトMLの下部投入口ML3へ落下させる落下路、KH3は払出器KH1の駆動部、KLは回収コンベヤKCからのメダルを上方に持ち上げて回収ホッパーKHへ投入するための回収リフト、FLは研磨島ユニットに設けられたメダル研磨装置KSで研磨されたメダルを上方へ移動させる無端垂直コンベヤML1を縦筒状ケーシング内に設けた副リフト、MLは中間島ユニットMUと端末島ユニットEUに設けられたメダルを上方へ移動させる無端垂直コンベヤML1を縦筒状ケーシング内に設けた主リフト、ML1は前記無端垂直コンベヤ、ML2は同無端垂直コンベヤML1のメダルを保持するリフト板、ML3は主リフトMLの下部に設けたメダル投入の下部投入口、ML4は主リフトMLの一本コンベヤSCの高さより低い位置に設けたメダルの投入のための中間投入口、ML5は主リフトMLの一本コンベヤSCの高さより高い位置の上部に設けたメダルの吐出口となる上部吐出口、ML6は同吐出口からメダルを一本コンベヤSCの終端からややコンベヤ送りの方向に離れたコンベヤの往路位置に落下させるために主リフトMLの上部にあるメダルを旋回させて廻して前記位置上方で吐出するためのメダルガイドの上部吐出路である。
【0020】
SCは島ユニットUの上部間でのメダル移送のための一本コンベヤであって、正逆両方向にメダル送りができるようになっている。SC1は一本コンベヤのメダル落下・盗難を防ぐための箱型のケーシング、SC2は一本コンベヤSCの正逆モータを用いた駆動部、SC3,SC4は一本コンベヤSCの終端から落下するメダルを下方の中間投入口ML4又は回収ホッパーKHに誘導する落下路、BCは各島ユニット内の一本コンベヤSCのやや上方に設けたブリッジコンベヤ、BC1,BC2はそのブリッジコンベヤの両終端からのメダルを下方の一本コンベヤSCの終端からやや手前位置のコンベヤ上へ落下誘導する落下路、BC3はブリッジコンベヤの中間に設けられてブリッジコンベヤで送られるメダルをその中間位置で所要数取り込んで下方にメダルを排出させる取り込みメダルカウンター付きで、全メダルを取り込むと取り込み完了信号を制御部CONへ送るようにしている取り込み器、BC31は取り込み板で、基端で枢支されている。BC32は同取り込み板BC31を枢支点まわりに回動して取り込み/通過を切替える電磁ソレノイドである。BC4は同取り込み器から排出されるメダルを下方の補給ホッパーHHに落下誘導する取り込みメダル落下管、BC5はブリッジコンベヤBCの正逆できる駆動部、BC6は端末島ユニットに設けられた各ユニットの取り込み器BC3の作動不良等により取り込み損ねたメダルを回収ホッパーKHへ流すメダルの落下路である。KSは回収ホッパーKHの使用済みメダルを研磨清掃して排出する排出メダル量を制御部CONで制御できるメダル研磨装置、KS1は同メダル研磨装置からのメダルを主リフトMLの下部投入口へ投入するまでのメダル排出路である。HLSは補給ホッパーHHに設けられ、貯えられたメダル量が所定レベル以下になると不足信号を発生する補給レベルセンサー、KCSは回収ホッパーKHに設けられ、貯えられたメダルが所定以上になるとメダル量が所定レベル以上に達したことの信号を発生する回収コイン量センサーである。
【0021】
CONは、実施例の種々のコンベヤ,払出器KH1,取り込み器BC3,主リフトML,回収リフトKL,メダル研磨装置KS等の機器の作動/停止の制御及びメダル送りの方向を制御し、又補給レベルセンサーHLS,回収コイン量センサーKCS及び移送するメダルをカウントしているメダルカウンター,機器の良/不良の各種センサー,制御ソフト,種々のモードのメダル送りを強制的に選択できるモード選択ボタンBT1〜BT9からの信号,時刻,タイマーに応じて及び機器の作動・方向を手動操作優先モードとすることで手動操作でも制御を切替えられるようにしているコンピュータを用いた制御部である。BT1〜BT9は種々のメダル送りのモードに強制的にできるようにするモード選択ボタンである。強制モードにする前に動いているモードを終了させてから指定のモードへ移行する。
モード選択ボタンBT1〜BT9を選択することで、各モードのソフトで選択されたモードでメダル移送を行うようになっている。又、通常は全回収モードで使用済みメダルを回収するモードとし、補給信号が発生すると補給回収並行モードで研磨したメダルを補給する図13の通常運用ソフトで運用させる。各種メダル送りモードにしたい場合は、モード選択ボタンBT1〜BT9を選択することで、そのメダル送りにできるようになっている。又、手動操作優先モードを選択することで、ソフト運用でなく、各機器のハードの作動/不作動ボタン,方向切換ボタンの手動操作で各機器を独立して作動させることも可能にしている。これによって、機器の点検作業・調整作業又は強制作動も可能としている。
【0022】
(取り込み器と補給レベルセンサーの構造と作動の説明)
図15に示す補給レベルセンサーと取り込み器との構造と動作について説明する。
補給ホッパーHHには補給レベルセンサーHLSが取付けられ、貯えられたメダルのレベルが所定レベル(設定レベル)以下になると補給レベルセンサーHLSが貯えられたメダルmとの接触がなくなり、レベル以下となったことを示す不足信号(補給信号)を発生させ、その信号を制御部CONに送る。制御部CONはこれを受け、補給信号を発生させた島ユニットへのメダル補給送りのモードにする。それと同時にブリッジコンベヤBCの途中にある取り込み器BC3の取り込み板BC31を電磁ソレノイドBC32を通電して回動させて、斜めにしてブリッジコンベヤBCで送られるメダルをメダル落下管BC4の方へ誘導して取り込んで落下させる。
【0023】
メダル落下管BC4からメダルが落下すると下方の補給ホッパーHHへ投入され、補給ホッパーHHのメダルレベルが上昇し、補給レベルセンサーHLSが再びメダルmに接触するようになるとその接触信号(ON信号)を制御部CONに送ると、制御部CONはその接触信号(ON信号)から15秒間程の時間取り込み板BC31を斜めにして、ブリッジコンベヤBCに送られているメダルを補給ホッパーHHへ投入する。この15秒終了をもって補給終了の信号とする。補給終了とともに電磁ソレノイドBC32を作動させ、取り込み板BC31をメダル送り面レベルに水平にして、ブリッジコンベヤBCのメダル通過を以後可能とする。
尚、島ユニットの1回の補給ホッパーHHへのメダル補給枚数は250〜350枚程としている。
【0024】
(遊技場における営業前作業/図13参照)
遊技場YSの営業開始する前又は前日の営業終了後において、中間島ユニットMU,端末島ユニットEUの回収ホッパーKHの使用済みメダルを研磨島ユニットKUの回収ホッパーKHへ移動させ、中間島ユニットMU,端末島ユニットEUの回収ホッパーKHのメダル量レベルを低めにする。次に、全ての島ユニット(研磨島ユニットKU,中間島ユニットMU,端末島ユニットEU)の補給ホッパーHH内のメダルを研磨済みメダルで満すように準備する。
【0025】
そのため、まず図10に示す全回収モードにして中間島ユニットMU,端末島ユニットEUの回収ホッパーKHのメダルを研磨島ユニットKUの回収ホッパーKHへ移動させて、中間島ユニットMU,端末島ユニットEUの回収ホッパーKHのメダル量を減らす。
次に、全回収モードを終了させて図8に示すように左右切換えの左右切換補給モードにする。又は、図7,9に示すような左方向の片側補給モード及び右方向の片側補給モードにしてメダル研磨装置KSによって研磨されたメダルを副リフトFLとブリッジコンベヤBCと一本コンベヤSCを用いて補給側へ送る。そして、各島ユニットのブリッジコンベヤBCの途中の取り込み器BC3から研磨されたメダルを所定枚数取り込んでメダル落下管BC4を経て補給ホッパーHHへ落下させることで、各島ユニットの補給ホッパーHHに所定量の研磨したメダルを貯えて遊技準備する。
【0026】
同じ一本コンベヤSCで回収モードと補給モードとの切換える場合、実行中の回収モード又は補給モードがあれば終了させてモードを切換えることが好ましい。回収送りを一時終了させるには、回収されている側(下流側)の回収ホッパーKHの下部の払出器KH1の払出しを停止し、主リフトML,ブリッジコンベヤBC,一本コンベヤSCを回収送り方向に所定時間駆動させることで、下流側(端末側)の回収ホッパーKHから払出されていた使用済みのメダルは上流側(研磨島ユニット側)の回収ホッパーKHへ送られて、所定時間後に回収モードは終了できる。その後に、補給送りモードにすればよい。又は、回収モードを直ちに中断してコンベヤ上に回収途中のメダルを残して、送りを逆にして補給モードとしてもよい。
【0027】
逆に、補給送りモードが残っていて、回収送りモードに切換えるにはしばらくの時間補給送りを続行すると、補給送り途中の研磨済みメダルはブリッジコンベヤBCの途中にある取り込み器BC3から所要量のメダルが取り込まれてメダル落下管BC4を介して補給ホッパーHHへ落下する。補給信号(レベル不足信号)があった全補給ホッパーHHにメダルが補給される(補給レベルセンサーHLSのメダル再接触後の15秒経過する)と補給終了となり、回収モードに切換えられる。即ち、補給命令(信号)があった全島ユニットのブリッジコンベヤBCの取り込み器BC3の取り込み完了(補給終了)の信号を制御部CONが確認して、補給すべき島ユニットからの取り込み器BC3からの全取り込み完了(補給終了)をもって補給の一時終了を確認する。その後、回収モードに切換える。
【0028】
(遊技場営業中でのメダル制御)
営業中は、図13に示すように補給命令(いずれかの島ユニットの補給ホッパーHHの補給レベルセンサーHLSからのメダル量がレベル以下になった信号の発生)がない限り、常時図10に示す全回収モードのメダル送りでもって通常作動とする。但し、全回収モードでいずれかの島ユニットの回収ホッパーKHの回収コイン量センサーKCSがレベル以上(超過状態)になったことを示すレベル以上信号を発生させたときは、その下流側(端末に近い方)の回収ホッパーKHからの使用済みメダルの払出しを中止し、レベル以上信号を発生させた回収ホッパーKHのメダル払出と払出されたメダルの研磨島ユニットKU(上流)への移動させ、レベル以上信号を発生させた回収ホッパーKHのメダル量が減ってレベル以下になれば、下流側の回収ホッパーKHからのメダルの回収送りを再開させるようにしている。
次に、図14に示すようにいずれかの島ユニットUの補給ホッパーHHの補給レベルセンサーHLSからレベル以下の信号が発生した場合、その信号によりその信号を発生させた島ユニットの補給ホッパーHHへメダルを送るメダル送りにする。これは上記常時全回収モード(図10)のメダル送りをしているのを上記の補給レベルセンサーHLSの信号を受けると、回収モードの修了処理(次のメダル補給に支障がないようにコンベヤ・リフト途中のメダルを回収ホッパーKHにとりあえず格納するまでの処理)を行った後、又は前記の如く直ちに終了処理せず補給送りとする。図7,9,11,12の如き片側補給モード(図7),補給回収並行モード(図11図12),同一方向の複数補給(図9,11,12),左右切換補給モード(図8)にして信号を発した補給ホッパーHHへ研磨したメダルを補給し、所定レベル以上のメダル量にする。
この補給が完了すると、全回収モード(図10)へ戻す。
【0029】
(全回収モード/図10参照)
図10に示すこのモードは、各島ユニットの回収ホッパーに使用済みのメダルが多く貯っている状況で行われる場合(即ち、閉店時での使用済みメダルが各島の回収ホッパーKHに多く収容されている状況で行われる場合)と、遊技中に補給信号が発生していない補給送りの必要とされていない時間帯になされる通常モードである。
この場合、全ての一本コンベヤSC及び研磨島ユニットKUを除いたブリッジコンベヤBCはすべて研磨島ユニット方向にメダルを送る方向となっている。端末側(下流側)の島ユニットの回収ホッパーKH内のメダルは、払出器KH1から払い出されて、その落下路KH2より主リフトMLの下部投入口ML3に投入される。
そして、主リフトMLの上部吐出口ML5から吐出されたメダルは、上部吐出路ML6を経てブリッジコンベヤBCのコンベヤ上に落下し、同ブリッジコンベヤBCで運ばれて終端から一本コンベヤSCへ落されて研磨島ユニットKU方向へ送られ、次の島ユニットで一本コンベヤSCの終端から落下して次の島ユニットの回収ホッパーKHへ貯えられる。
この島ユニット内のメダル移動が端末島ユニットEUから中間島ユニットMUへ、中間島ユニットMUから研磨島ユニットKUへなされて、下流側(端末側)の回収ホッパーKHの使用済みメダルが研磨島ユニットKUの回収ホッパーKHへ集められる(図10参照)。
【0030】
このように、各島ユニットの回収ホッパーKHのメダルを研磨島ユニットKUの回収ホッパーKHに集めるのは、メダル研磨するメダル研磨装置KSは研磨島ユニットKUにしかないからである理由の他に、補給命令はそれ程頻発に発生せず、及び使用されたメダルが少量連続的に発生するメダルの回収研磨処理の方が長い処理時間がかかるから遊技中はこの全回収モードにする方が効率的であることによっている。
【0031】
この全回収モードで、いずれかの島ユニットの回収ホッパーKHの回収コイン量センサーKCSが所定レベル以上となっている信号(満杯に近くなっていることを示す信号)を発生させた場合は、その下流側島ユニットの回収ホッパーKHの払出器KH1を停止し、回収送り途中のメダルのみを上流側の島ユニットの回収ホッパーKHへ送り込んでしまう。但し、所定レベル以上になっている信号を発生させた回収ホッパーKHの払出器KH1だけは作動させて、貯えられたメダルを払い出して研磨島ユニットKUの方へ送ると、所定レベル以上となったこの回収ホッパーKHのメダル量のレベルが払出しによって低下して、回収コイン量センサーKCSが所定レベルより低くなっている信号となると、制御部CONは元の全回収モードに戻して全回収モードとする。
【0032】
上記全回収モードにおいて、いずれかの島ユニットの補給ホッパーHHの補給レベルセンサーHLSがレベル以下信号を発生させると、制御部CONは回収モードを一時終了させ(前記の処理手順を行って)、又は直ちに回収送りを中断し、レベル以下信号を発生させた島ユニットの側の方向への補給モードとする。その場合、図11図12の如く補給しない側は回収モードのままにし、補給する側(右側)のみ補給モードとする。図11,12の如く補給回収並行モードにする。研磨島ユニットKUのメダル研磨装置KSを作動し、副リフトFLを作動させ、右側の中間島ユニットMU,端末島ユニットEUの主リフトMLも作動させ、一本コンベヤSC及びブリッジコンベヤBCを右方向送りとする。
これによって、研磨島ユニットKUのメダル研磨装置KSから排出される所定枚数の研磨されたメダルは、副リフトFL,ブリッジコンベヤBC,一本コンベヤSC,中間島ユニットMUの主リフトMLの中間投入口ML4,その上部吐出口ML5,ブリッジコンベヤBC,その途中の取り込み器BC3を介して中間島ユニットMUの補給ホッパーHHへ所要数のメダルを落下させる。
【0033】
端末島ユニットEUへの補給命令(信号)がなければ、これで補給終了する。端末島ユニットEUにも補給命令(信号)が発生していれば、中間島ユニットMUのブリッジコンベヤBCの終端から次の一本コンベヤSC,端末島ユニットEUの主リフトの中間投入口ML4,ブリッジコンベヤBC,取り込み器BC3を介して端末島ユニットEUの補給ホッパーHHへ所定枚数のメダルが落下して、補給されるメダルの総数は制御部がこの右方向での補給枚数が計算され、メダル研磨装置KSからその枚数の研磨されたメダルが排出されるようにしている。
【0034】
一方、この補給回収並行モードでは左側の中間島ユニットMU,端末島ユニットEUは回収モードと同じようなメダル送りのままである。そのメダル移動を図12の左側に示している。左側の端末島ユニットEU・中間島ユニットMUの回収ホッパーKHのメダルは各島の回収ホッパーKHを経て、研磨島ユニットKUの回収ホッパーKHへ送られる。この回収モードのメダル送りは一本コンベヤSC及びブリッジコンベヤBCとも右方向へのメダル送りである。
このように、左側は回収モードにして右側を補給モードにする利点は、研磨島ユニットの回収ホッパーKHへのメダルは出入が同時になされるので、回収ホッパーのメダル貯量の容量を比較的に小さくできる。及び、補給と回収が同時並行にできるので、回収効率がよいというメリットがある。この逆方向の補給回収モードが図11に示している。
【0035】
尚、補給モードは図11又は図12に代え、図7,9に示す右方向(又は左方向)で補給のみで回収モードなしの片側補給モードでも可能である。
【0036】
補給モードは、上記の補給回収並行モード,片側補給モードに代え、全回収モードを終了させて図8に示すように左方向及び右方向の片側補給モードをメダル送り方向を正逆切換えるだけで連続して左右切換方式で補給モードにする方式もある。
この左右切換補給モードは遊技場の終了時点で研磨島ユニットKUの回収ホッパーのメダルを研磨してメダルを全島ユニットの補給ホッパーHHへ配給するモードでもあり、翌日の遊技場の前準備のモードでもある。
【0037】
図16に示すメダル送りは一本コンベヤSCが搬送トラブルになった場合、各島ユニット単独で補給ホッパーHHのメダルを供給コンベヤHCで遊技機Pへ供給して遊技機Pが使えるようにし、使用済みのメダルは回収コンベヤKCで回収され、回収リフトKLで同じ島の回収ホッパーKHへ戻し、同回収ホッパーKHの使用したメダルを払出器KH1,主リフトML,ブリッジコンベヤBCでもって補給ホッパーHHへ戻してメダルの循環使用可能にする島循環モードである。
これは、研磨島ユニットKU以外の島ユニットではメダルは研磨されないが、遊技者の遊技を中断させることなくできる島循環モードである。
【0038】
更に、図17のメダル送りは一本コンベヤSC,ブリッジコンベヤBCがともに作動不良・トラブルになった場合、補給ホッパーHHに貯えた残量メダルを使用して、供給コンベヤHC・回収コンベヤKC・回収リフトKL・回収ホッパーKHと流してしばらくの間遊技機P・貸機Kにメダルを送れて遊技できるためのモードである。
【0039】
図22に示す島ユニットのシステムは、研磨島ユニット1台,中間島ユニット左右各1台,端末島ユニット左右各1台の前記実施例の既設のシステムに、端末島ユニット内部にメダル研磨装置KSを追加し、しかも内部を研磨島ユニット同様に改造し、メダル研磨装置の排出メダルを持ち上げる別の主リフトMLも増設して左右両方向できる研磨島ユニットにし、その右側に中間島ユニットと端末島ユニットを一本コンベヤSCで接続して島ユニットを拡張した例である。
【0040】
図23,24は島ユニットの他の配置例を示すので、本発明における島ユニットの配置の自由度は高く、島ユニット間を一本コンベヤSCで接続できるものであれば種々の配置例を可能としている。又、一グループで複数の研磨島ユニットを設けることも可能である。
【0041】
図25〜32は従来の遊技場の島ユニット間を2本の往路専用と復路専用の空中ラインSCWの例であり、本出願人の旧開発のシステム例である。
図25は2本空中ラインSCWのメダル移送設備の斜視図である。図26は島の設置台上の背中合せの遊技機Pとメダル貸機Kと供給ラインSHLと回収ラインSKLの2本の空中ラインSCWの設置説明図である。HSは供給ラインSHLの途中に設けた取り込み器BC3の末端のメダルシュートで、遊技機PのメダルホッパーHPと、貸機K内のメダルホッパーHKとにメダルを供給している。
【0042】
図27は従来の2本空中コンベヤSCWにおける研磨島ユニットKUの内部のメダル状態を示す構造説明図である。以下、本発明と同じ機器のものには同じ符号を付している。図28は同じく従来の2本空中コンベヤSCWの中間島ユニットMUの内部構造を示す説明図である。図29は同じく従来の2本空中コンベヤSCWの端末島ユニットEUの内部構造を示す説明図である。図30は従来の2本空中コンベヤSCWを用いたメダルの供給(補給)送りと回収送りを示す説明図である。図31は従来の2本空中コンベヤSCWを用いた供給(補給)送りを示す説明図である。図32は従来の2本の空中コンベヤSCWを用いた回収送りを示す説明図である。
【0043】
この従来の2本空中コンベヤSCWを用いた従来の島ユニット間のメダル移送設備では、各島ユニットには2本の空中コンベヤSCWが入り込み、それぞれ独立したメダル送りを形成するので、内部構造が複雑であり、製造コストが高いものとなるという問題点があった。
この点、本願発明では構造をシンプルにし、送りを正逆方向に切換だけで独立送りでないので、その制御もシンプルなものにできる。
【産業上の利用可能性】
【0044】
本発明は、メダルを使用したスロットル機の遊技場での使用を中心にしているが、種々の大人・子供用の遊技機でも使用できるものである。
【符号の説明】
【0045】
G 実施例の遊技場における島ユニット間のメダル移送設備
YS 遊技場
P 遊技機
K 貸機
S 島
ST 島設置台
U 島ユニット
UC 島ユニットケーシング
KU 研磨島ユニット
MU 中間島ユニット
EU 端末島ユニット
HH 補給ホッパー
HC 供給コンベヤ
KC 回収コンベヤ
KH 回収ホッパー
KH1 払出器
KH2 落下路
KL 回収リフト
FL 副リフト
ML 主リフト
ML1 無端垂直コンベヤ
ML2 リフト板
ML3 下部投入口
ML4 中間投入口
ML5 上部吐出口
ML6 上部吐出路
SC 一本コンベヤ
SC1 一本コンベヤのケーシング
SC2 一本コンベヤの駆動部
SC3 落下路
SC4 落下路
BC ブリッジコンベヤ
BC1 落下路
BC2 落下路
BC3 取り込み器
BC31 取り込み板
BC32 電磁ソレノイド
BC4 メダル落下管
BC5 駆動部
BC6 落下路
KS メダル研磨装置
KS1 メダル排出路
KS2 バイパス路
CON 制御部
BT1〜BT9 モード選択ボタン
HLS 補給レベルセンサー
KCS 回収コイン量センサー
SCW 従来の空中ライン(コンベヤ/回収用又は補給用)
HP 遊技機P内のメダルホッパー
HK 貸機K内のメダルホッパー
HS メダルシュート
SHL 供給(補給)ライン
SKL 回収ライン
【要約】
【課題】 遊技場の島間でメダルを移送するコンベヤを一本にしてシンプルな構造とするとともに、同コンベヤでメダルの移動が可能な島のグループの単位で、メダルをこまめに研磨できてメダル及び装置の汚れを少なくする。
【解決手段】 複数の島ユニット間を正逆両方向移動可能な一本コンベヤで連絡されたグループの島ユニットは、遊技機・貸機へ補給ホッパーのメダルを送る供給コンベヤと,回収コンベヤと,回収ホッパーと,回収リフトと,左右の一本コンベヤSCの終端の上方に設けられ、中間に補給ホッパーへのメダルの取り込み器を有する正逆両方向移送可能なブリッジコンベヤと,回収ホッパー又はメダル研磨装置のメダルを上方のブリッジコンベヤへ持ち上げる主リフト又は副リフトと,ブリッジコンベヤの終端からメダルを回収ホッパー又は一本コンベヤへ落下させる落下路と,これらを制御する制御部を有する。
【選択図】図3
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
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図22
図23
図24
図25
図26
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図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
図35