(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明の一実施形態にかかる照明機能付き押圧兼回転式電子部品(以下単に「電子部品」という)1の斜視図、
図2はその断面図(
図1のA−A断面図)、
図3は分解斜視図、
図4はシャフト50を下側から見た斜視図、
図5は回転体70を下側から見た斜視図である。なお以下の説明において、「上」とは下記する押圧スイッチ171からシャフト50を見る方向をいい、「下」とはその反対方向をいうものとする(下記する他の実施形態についても同じ)。
【0014】
図2,
図3に示すように電子部品1は、ケース(以下「第1ケース」という)150の上に、回転式電子部品用の摺接パターン127を設けたケース(以下「第2ケース」という)110と、摺動子90を取り付けた回転体70と、シャフト50と、クリックバネ30を取り付けたカバー10とを設置して構成されている。なお第1ケース150内には、押圧スイッチ71と発光素子173が設置され、さらに作動体190と覆い部材220が収納されている。
【0015】
カバー10は、金属板を略矩形状に形成した上面部11と、上面部11の対向する一対の外周側辺から下方に折り曲げられた一対の側壁部13,13とを具備して構成されている。上面部11の中央には、上方向に突出する筒状の軸支部15が設けられている。軸支部15の内径寸法は下記するシャフト50の外径寸法と略同一である。上面部11の各角部近傍には、小孔からなる係止部17が形成され、また側壁部13を設けていない対向する一対の外周辺のそれぞれ中央近傍には、小孔からなる係合部19が形成されている。一方、側壁部13の下端辺中央からは、他の部材(例えば主回路基板)への取付用の舌片状の取付部21が突設されている。また側壁部13の下端辺の前記取付部21の両側からは舌片状の係止部23が突設されている。
【0016】
クリックバネ30は、弾性金属板をリング状に形成し、180°対向する外周辺から略矩形状の一対の取付部31を突出して構成されている。両取付部31中には、上方向に突出するように根元部分が屈曲する係止片33が設けられている。また両取付部31間を連結する円弧状部分は一対のアーム部35,35となっており、それらの中央は下方向に突出するように屈曲する弾接部37となっている。
【0017】
図4はシャフト50を下面側から見た斜視図である。シャフト50は透明又は半透明な合成樹脂の成形品であり、同図及び
図1〜
図3に示すように、略円形の柱状に形成されている。即ち、柱状のシャフト50の材質自体を透明又は半透明とすることで、シャフト50全体を透光部としている。シャフト50の上部には切欠き部51を設けることで、その先端を図示しないつまみに設けた挿入穴に挿入・嵌合できるようになっている。シャフト50の下部外周にはつば部53が設けられている。シャフト50の下端面中央からは押圧基部55が突出し、またシャフト50の下端面の押圧基部55を挟んだ左右両側からは柱状の突起からなる一対のガイド部57,57が突出している。押圧基部55は円柱の左右両側壁を円弧状に切欠いて凹部59を形成した形状となっている。前記ガイド部57は、凹部59に対向する位置に設けられている。言い換えれば、ガイド部57をシャフト50の外径内に納まるように設けるため、凹部59を設けている。押圧基部55の下面中央には、凹状の素子収納部61が設けられ、その周囲の突出部分の下面は一対の円弧形状の押圧部62,62となっている。
【0018】
図5は回転体70を下面側から見た斜視図である。回転体70は合成樹脂の成形品であり、同図及び
図1〜
図3に示すように、略円形の板状に形成されている。中央には前記シャフト50の押圧基部55を挿通する挿通部71が形成されている。挿通部71の形状は円の内周の左右両側部分を円弧状に内側に窪ませた形状となっており、前記押圧基部55を挿通できる寸法に形成されている。また挿通部71の内周を円弧状に窪ませることで円の内側に突出する部分には、それぞれ前記ガイド部57を上下動自在にがたつきなく係合するガイド部挿通部73が設けられている。回転体70の上面の周囲近傍には、多数の凹凸からなる円弧状のクリック弾接部75が設けられている。回転体70の下面はリング形状の摺動子取付面77となっており、この摺動子取付面77には3本の小突起からなる摺動子取付部79が形成されている。摺動子取付面77の中央には、下方向に突出する筒状の軸部81が設けられている。軸部81の外径寸法は下記する第2ケース110の回転体軸支部115にがたつきなく回転自在に挿入される外径寸法となっている。
【0019】
摺動子90は、弾性金属板をリング状に形成して構成されており、等間隔に設けた3つの基部91から、それぞれ摺動子90の外周に沿うように、円弧状に摺動冊子93を突出している。各摺動冊子93の先端近傍には接点部95が形成されている。一方、基部91には前記回転体70に設けた各摺動子取付部79を挿入する小穴からなる取付部97が形成されている。
【0020】
第2ケース110は、合成樹脂製の第2ケース本体111内に、回転式電子部品用の第2回路基板(以下「第2フレキシブル回路基板」という)121と複数本の端子131とをインサート成形によって一体化して構成されている。
図6は第2フレキシブル回路基板121と端子131とを示す斜視図である。同図に示すように第2フレキシブル回路基板121は、可撓性を有する合成樹脂フィルム123の中央に円形の貫通孔からなる挿通部125を設け、またその上面の挿通部125の周囲にこれを囲むように略リング状の摺接パターン(この例では3組のスイッチパターン)127を設けて構成されている。摺接パターン127からは3つの引出部129が第2フレキシブル回路基板121の1外周辺に引き出され、それらの上にそれぞれ端子131の一端が当接される。端子131は、細長平板状の金属板で構成されている。そして前記第2ケース本体111の形状と同一形状のキャビティーを有する金型内に、第2フレキシブル回路基板121と端子板131とを、
図6に示す状態でインサートし、前記キャビティー内に溶融成形樹脂を射出成形することで、第2ケース110を製造する。
【0021】
第2ケース本体111は矩形状であって、上面中央に円形の凹部からなる収納部113を設けて構成されている。収納部113は前記回転体70と摺動子90を収納する寸法に形成されており、収納部113の底面には前記第2フレキシブル回路基板121の摺接パターン127が露出している。収納部113の底面中央には、円形の貫通孔からなる回転体軸支部115が形成されている。回転体軸支部115は前記第2フレキシブル回路基板121の挿通部125と略同一の内径寸法を有し、前記回転体70の軸部81をがたつきなく回転自在に挿入する寸法に形成されている。また第2フレキシブル回路基板121と端子131とを接合した部分の上下は第2ケース本体111が挟持することで固定される。第2ケース本体111の外周側壁の上面の対向する一対の角部近傍には、小突起状のケース係止部117が設けられている。第2ケース本体111の外周側壁の対向する一対の上端辺中央には、前記クリックバネ30の取付部31を収納する浅い凹部119が形成されている。
【0022】
図8は第1ケース150に作動体190と覆い部材220を収納する組立方法説明図である。同図に示すように、第1ケース150は、合成樹脂製の第1ケース本体151内に、押圧式電子部品用及び発光素子取付用の第1回路基板(以下「第1フレキシブル回路基板」という)161と、端子181とをインサート成形によって一体化して構成されている。
図9は第1ケース本体151と第1フレキシブル回路基板161と端子181とを分解して示す斜視図である(実際には一体成形なので分解はできない)。同図に示すように第1フレキシブル回路基板161は、可撓性を有する合成樹脂フィルム163の略中央部分にある連結部165によって、スイッチ形成部167と発光素子設置部169とを連結し、スイッチ形成部167には押圧スイッチ171を、発光素子設置部169には発光素子173を設置して構成されている。第1ケース本体151がインサート成形されるのは、スイッチ形成部167の部分である。
【0023】
スイッチ形成部167は略矩形状であり、上面中央に押圧スイッチ171を設置している。押圧スイッチ171は、スイッチ形成部167上に形成した図示しない一対の接点パターン上に反転板(この例では可動接点板)171aをテープTによって貼り付けて構成されている。押圧スイッチ171の周囲(下記する作動体190の一対の係止部197に対向する位置)には、小孔からなる一対の被係止部175が形成されている。
【0024】
発光素子設置部169は、その先端近傍部分の下面(後で折り返すことで上面になる)に発光素子173を取り付けて構成されている。発光素子設置部169の左右両側辺からは2本ずつの突出部177を突出し、それらの先端近傍にそれぞれ取付孔179を設けている。端子181は、細長平板状の金属板で構成されている。
【0025】
そして
図9に示すように第1フレキシブル回路基板161の外周の1辺に引き出した図示しない複数の端子接続パターン上に各端子181の先端を当接したものを、前記第1ケース本体151の形状と同一形状のキャビティーを有する金型内にインサートし、前記キャビティー内に溶融成形樹脂を射出成型することで、
図8に示す第1ケース150を製造する。
【0026】
第1ケース本体151は矩形状であって、上面中央に矩形状の凹部からなる作動体収納部153を設けて構成されている。作動体収納部153は下記する作動体190及び覆い部材220を収納する寸法に形成されており、底面には前記第1フレキシブル回路基板161のスイッチ形成部167が露出する。また第1ケース本体151の底面の前記第1フレキシブル回路基板161の各被係止部175に対向する位置には、被係止部175と同一内径の小孔からなる被係止部155が形成されている。また第1フレキシブル回路基板161と端子181とを接合した部分はその上下が第1ケース本体151によって挟持されることで固定されている。また第1ケース本体151の外周側壁の内の発光素子設置部169を突出する側の辺の中央には、切欠き部157が設けられている。そしてこの切欠き部157を通して第1ケース150の外部に発光素子設置部169を突出している。また第1ケース本体151の切欠き部157の両端部分の外周側壁の内側には、一対の覆い部材挿入部159が形成されている。
【0027】
覆い部材220は合成樹脂を平板状に成形して構成されており、その両端は前記第1ケース本体151の覆い部材挿入部159に挿入され、これによって切欠き部157を覆う。覆い部材挿入部159に挿入されたときの覆い板220の上端辺の高さは、ケース本体151の外周側壁の上端辺と略同一になる。
【0028】
図7は作動体190を下面側から見た斜視図である。同図及び
図8等に示すように、作動体190は合成樹脂の一体成形品であり、一対の基部191と、一対の基部191から突出して基部191間を連結し且つその中間位置から一方の方向に突出する部分を有するヒンジ部193と、ヒンジ部193の前記中間突出部分の先端に接続される作動体本体部195とを具備して構成されている。各基部191は、基部191の下面から突出して前記第1ケース150の被係止部175,155に挿入・位置決めされる小突起からなる係止部197と、この基部191上に発光素子設置部169を取り付けるためにその上面から突出する小突起状の基板取付部199とを有している。ヒンジ部193はT字型薄板状でその全体が上下方向に可撓性を有している。作動体本体部195は、その上面を前記発光素子設置部169を設置する設置面201にすると共に、その下面に押圧スイッチ171を押圧する押圧部203を設けて構成されている。設置面201の所定位置には、一対の小突起状の基板取付部205が設けられている。
【0029】
次に電子部品1の組立方法を説明する。まず回転体70の摺動子取付面77に摺動子90を設置し、その際回転体70の各摺動子取付部79を摺動子90の各取付部97に挿入し、各摺動子取付部79の先端を熱カシメすることで回転体70に摺動子90を固定しておく。
【0030】
次に
図8において、作動体190をその基部191が第1ケース本体151側を向くように上下逆にして、発光素子設置部169の上面(発光素子173を設置した反対側の面)に載置する。このとき、作動体190の各基板取付部199,205(4つ)を発光素子設置部169の各取付孔179に挿入し、発光素子設置部169の下面側で各基板取付部199,205の先端を熱カシメし、これによって作動体190を発光素子設置部169に取り付ける。
【0031】
次に前記一体化した発光素子設置部169と作動体190とを、連結部165の部分を折り曲げることで、スイッチ形成部167の真上に位置するように折り返す。このとき作動体190の係止部197を第1ケース150の被係止部175,155に挿入し、作動体収納部153内での作動体190の位置決めを行う。即ちこれによって、作動体190は、第1ケース150内でがたつかなくなる。そして第1ケース150の一対の覆い部材挿入部159に覆い部材220の両端を挿入し、切欠き部157を塞ぐ。これによって
図2,
図3に示すように、押圧スイッチ171の反転板171aの中央に作動体190の押圧部203が配置され、その上に発光素子173が配置される。
【0032】
次にカバー10の上面部11の下面にクリックバネ30を配置し、クリックバネ30の各係止片33をカバー10の各係合部19に係合し、これによってカバー10にクリックバネ30を係止する。次にカバー10の下面側からその軸支部15内にシャフト50を挿入する。次にシャフト50の下側に摺動子90を取り付けた回転体70を配置し、その際、回転体70の挿通部71にシャフト50の押圧基部55を挿通し、同時に回転体70の一対のガイド部挿通部73にシャフト50の一対のガイド部57を挿入する。このときクリックバネ30の両弾接部37が回転体70のクリック弾接部75に弾接する。
【0033】
次に回転体70等の下側に第2ケース110を配置して摺動子90と回転体70を第2ケース110の収納部113内に収納する。このとき回転体70の軸部81が第2ケース110の回転体軸支部115内に挿入されて軸支され、同時に摺動子90の接点部95が第2フレキシブル回路基板121の摺接パターン127上に弾接する。またカバー10の対向する一対の係止部17に第2ケース110の一対のケース係止部117が挿入されて位置決めされ、同時にカバー10の両側壁部13,13の間に第2ケース110が位置する。さらにこのとき、第2ケース110の凹部119内にクリックバネ30の取付部31が収納される。
【0034】
次に第2ケース110の下側に前記作動体190等を収納した第1ケース150を配置し、次に第1ケース150の両外側に位置するカバー10の各係止部23の先端部分を第1ケース150の底面側に折り曲げて、第2ケース110と第1ケース150をカバー10と一体化する。これによって電子部品1が完成する。このとき
図2に示すように、シャフト50の押圧部62は第1フレキシブル回路基板161の発光素子設置部169の上面に当接し、発光素子173はシャフト50の素子収納部61内に位置している。なお上記組立手順はその一例であり、他の各種異なる組立手順を用いて組み立てても良いことはいうまでもない。
【0035】
そしてシャフト50を回転すれば、これと一体に回転体70及び摺動子90が回転し、摺動子90の接点部95が摺接パターン127上を摺動することで各端子131間のオンオフ出力が変化する。
【0036】
一方シャフト50をその回転軸方向(下方向)に押圧すれば、回転体70に対してシャフト50のみが下降し、その押圧部62が発光素子設置部169の上から作動体本体部195を押圧してこれを下降させ、その押圧部203が押圧スイッチ171の反転板171aを押圧してこれを反転し、押圧スイッチ171をオンする。前記シャフト50への押圧を解除すれば、反転板171aの弾性復帰力によって、反転板171aは元の形状に自動復帰し、同時に押圧スイッチ170はオフし、シャフト50は元の上昇位置に戻る。
【0037】
発光素子173を発光すると、その光はその真上及びその周囲を覆っている透明なシャフト50内に導入され、シャフト50の上部に向かって放射され、シャフト50の上部を明るく照らし出す。
【0038】
電子部品1においては、上述のように、回転体70を上下動自在に貫通するシャフト50によってこの回転体70を回転するので、シャフト50による回転式電子部品の回転操作をスムーズに行うことができる。同時にシャフト50の下方(この例の場合は真下)に作動体190を介して押圧スイッチ171を設置したので、シャフト50の押圧による押圧式電子部品の押圧操作もスムーズに行うことができる。さらに作動体190上のシャフト50の真下に発光素子173を設置したので、発光素子173によるシャフト50の効果的な照明を行うことができる。発光素子173は、シャフト50下端に設けた素子収納部61内に収納されるので、シャフト50による押圧スイッチ171の押圧によって発光素子173が破壊されることはなく、同時に高さ方向の小型化も図ることができる。また発光素子173と押圧スイッチ171は上下に配置されるので、発光素子173を設置してもこの発光素子173によって押圧スイッチ171の設置スペースが小さくなることはない。従って押圧スイッチ171に反転板171aを用いても、この反転板171aは従来と同等の大きさのものを容易に使用できる。このためシャフト50の押圧動作ストロークや押圧力の変更が容易に行える。
【0039】
また電子部品1は、作動体190を収納する作動体収納部153を有する第1ケース150を具備し、この作動体収納部153の底面に押圧スイッチ171を設置するので、第1ケース150内に押圧スイッチ171と作動体190とをコンパクトに収納することができる。
【0040】
また作動体190は、第1ケース150の作動体収納部153内に取り付けられる基部191と、基部191から突出する可撓性を有するヒンジ部193と、ヒンジ部193の先端に接続され上面に発光素子173を載置すると共に下面に押圧部203を設けてなる作動体本体部195と、を有して構成されているので、押圧部203を設ける作動体本体部195の上下動は安定し、シャフト50による押圧スイッチ171のオンオフ動作をよりスムーズに確実に行わせることができる。また作動体本体部195の上面に発光素子173を載置するので、発光素子173の安定した保持が行える。
【0041】
また第1フレキシブル回路基板161のスイッチ形成部167を第1ケース150の作動体収納部153の内底面に設置すると共に、この第1フレキシブル回路基板161を折り返すことで、発光素子設置部169を作動体190の上面に配置したので、押圧スイッチ171と発光素子173とを1枚の第1フレキシブル回路基板161上に形成できると共に、この第1フレキシブル回路基板161を折り返すだけで作動体190の上下に両者を配置でき、部品点数の削減が図れるばかりが、組立も容易になる。
【0042】
また第1フレキシブル回路基板161は上述のように、スイッチ形成部167が第1ケース150の作動体収納部153の内底面にインサート成形され、その際第1ケース150の作動体収納部153の外周側壁に設けた切欠き部157を通して第1ケース150の外部に突出する発光素子設置部169は、作動体収納部153内に折り返されて作動体190上に配置される。このようにスイッチ形成部167を第1ケース150の作動体収納部153の内底面にインサート成形して固定すると同時に、発光素子設置部169を第1ケース150の外部に突出させたので、第1フレキシブル回路基板161を平面状の状態としたままインサート成形ができ、その成形が容易に行えるようになる。また第1ケース150の外周側面に切欠き部157を設けたので、第1ケース150の外部に突出する発光素子設置部169を作動体収納部153内に折り返すことが容易に行え、組立作業性も良くなる。
【0043】
図10は本発明の他の実施形態にかかる照明機能付き押圧兼回転式電子部品(以下単に「電子部品」という)1−2の斜視図、
図11はその断面図(
図10のB−B断面図)、
図12は分解斜視図、
図13はシャフト50−2を下側から見た斜視図、
図14はケース150−2を別の角度から見た斜視図である。
【0044】
図11,
図12に示すように電子部品1−2は、導光部材230−2と発光素子173−2と作動体190−2とを一体化(ユニット化)してなる組立体240−2と、押圧部材280−2とを収納したケース(以下「第1ケース」という)150−2の上に、回転式電子部品用の摺接パターン127−2を設けたケース(以下「第2ケース」という)110−2と、摺動子90−2を取り付けた回転体70−2と、シャフト50−2と、クリックバネ30−2と、カバー10−2とを設置して構成されている。なお第1ケース150−2内には、押圧スイッチ171−2が設置されている。
【0045】
カバー10−2は、金属板を略矩形状に形成した上面部11−2と、上面部11−2の対向する一対の外周側辺から下方に折り曲げられた一対の側壁部13−2とを具備して構成されている。上面部11−2の中央には、上方向に突出する筒状の軸支部15−2が設けられている。軸支部15−2の内径寸法は下記するシャフト50−2の外径寸法と略同一である。上面部11−2の4つの角部近傍には、小孔からなる係止部17−2(図では3つのみ示す)が形成されている。一方、側壁部13−2の下端辺中央からは、他の部材(例えば主回路基板)への取付用の舌片状の取付部21−2が突設されている。また側壁部13−2の下端辺の前記取付部21−2の両側からは舌片状の係止部23−2が突設されている。
【0046】
クリックバネ30−2は、弾性金属板を略矩形リング状に形成してなる取付部31−2と、前記取付部31−2の中央の開口内に配置される半円弧状の一対のアーム部35−2と、一方のアーム部35−2の中央に下方向に突出するように屈曲して設けられる弾接部37−2と、を具備して構成されている。両アーム部35−2の両端は、取付部31−2の開口の内周辺の180°対向する位置に接続されており、これら両端部分を下方に折り曲げることで両アーム部35−2は下方に傾斜している。両アーム部35−2全体としては円形に形成されている。また取付部31−2の2つの角部(前記カバー10−2の2つの係止部17−2に対向する位置)には、係止部17−2と同一内径の挿通部39−2が形成されている。
【0047】
シャフト50−2は透明又は半透明な合成樹脂の成形品であり、
図13及び
図10〜
図12に示すように、略円形の柱状に形成されている。即ち、柱状のシャフト50−2の材質自体を透明又は半透明とすることで、シャフト50−2全体を透光部としている。シャフト50−2の下部外周にはつば部53−2が設けられている。シャフト50−2の下端面中央からは小突起状(略円柱状)の押圧基部55−2が突出し、またシャフト50−2の下端面の押圧基部55−2を挟んだ左右両側には小穴からなる一対のガイド部挿通部57−2,57−2が形成されている。押圧基部55−2の下面は押圧部62−2となっている。
【0048】
回転体70−2は合成樹脂の成形品であり、
図11,
図12に示すように、略円形の板状に形成されている。中央には前記シャフト50−2の押圧基部55−2を挿通する円形の挿通部71−2が形成されている。また挿通部71−2の両側には、上方向に突出して、それぞれ前記ガイド部挿通部57−2に上下動自在にがたつきなく係合する円柱状のガイド部73−2が設けられている。回転体70−2の上面の周囲近傍には、多数の凹凸からなる円弧状のクリック弾接部75−2が設けられている。回転体70−2の下面は、
図11に示すように、リング形状の摺動子取付面77−2となっており、この摺動子取付面77−2には3本の図示しない小突起からなる摺動子取付部が形成されている。これら摺動子取付部は、下記する摺動子90−2の各取付部97−2に対向する位置に設けられている。摺動子取付面77−2の中央には、下方向に階段状に突出する筒状の軸部81−2が設けられている。軸部81−2の下端側部分の外径寸法は下記する第2ケース110−2の回転体軸支部115−2にがたつきなく回転自在に挿入される外径寸法となっている。
【0049】
摺動子90−2は、弾性金属板をリング状に形成して構成されており、等間隔に設けた3つの基部91−2から、それぞれ摺動子90−2の外周に沿うように、円弧状に摺動冊子93−2を突出している。各摺動冊子93−2の先端近傍には接点部95−2が形成されている。一方、基部91−2には前記回転体70−2に設けた各摺動子取付部を挿入する小穴からなる取付部97−2が形成されている。
【0050】
第2ケース110−2は、合成樹脂製の第2ケース本体111−2内に、回転式電子部品用の第2回路基板(以下「第2フレキシブル回路基板」という)121−2と複数本(3本)の端子131−2とをインサート成形によって一体化して構成されている。第2フレキシブル回路基板121−2は、可撓性を有する合成樹脂フィルム123−2の中央に円形の貫通孔からなる挿通部125−2を設け、またその上面の挿通部125−2の周囲にこれを囲むように略リング状の摺接パターン(この例では同心円状に2トラック)127−2を設けて構成されている。摺接パターン127−2からは図示しない引出パターンが第2フレキシブル回路基板121−2の1外周辺に引き出され、それらの上にそれぞれ端子131−2の一端が当接されている。端子131−2は、細長平板状の金属板で構成され、第2ケース本体111−2から外部に突出した位置で下方向に屈曲している。
【0051】
第2ケース本体111−2は矩形状であって、上面中央に円形の凹部からなる収納部113−2を設けて構成されている。収納部113−2は前記回転体70−2と摺動子90−2を収納する寸法に形成されており、収納部113−2の底面には前記第2フレキシブル回路基板121−2の摺接パターン127−2が露出している。収納部113−2の底面中央には、円形の貫通孔からなる回転体軸支部115−2が形成されている。回転体軸支部115−2は前記第2フレキシブル回路基板121−2の挿通部125−2と略同一の内径寸法を有し、前記回転体70−2の軸部81−2(その下側部分)をがたつきなく回転自在に挿入する寸法に形成されている。また第2フレキシブル回路基板121−2と端子131−2とを接合した部分の上下は第2ケース本体111−2が挟持することで固定されている。第2ケース本体111−2の外周側壁の上面の隣接する一対の角部近傍には、小突起状のケース係止部117−2が設けられている。また図示はしないが、第2ケース本体111−2の下面の下記する第1ケース150−2の一対のケース係止部159−2に対向する位置には、これらを係合する凹部からなる係合部が設けられている。
【0052】
図14は第1ケース150−2を別の角度から見た斜視図である。同図及び
図11,
図12に示すように、第1ケース150−2は、合成樹脂製の第1ケース本体151−2内に、フレキシブル回路基板からなる押圧スイッチ設置用回路基板167−2と、金属板からなる端子181−2とをインサート成形によって一体化して構成されている。このとき端子181−2は、その一端が第1ケース150−2の外部に突出し、他端が第1ケース150−2の下記する作動体収納部153−2の底面に露出している。
【0053】
押圧スイッチ設置用回路基板167−2は、可撓性を有する略矩形状の合成樹脂フィルム163−2の上面の略中央部分に押圧スイッチ171−2を設置して構成されている。押圧スイッチ171−2は、押圧スイッチ設置用回路基板167−2上に形成した図示しない一対の接点パターン上に反転板(この例では可動接点板)171a−2を取り付けて構成され、各接点パターンからは押圧スイッチ設置用回路基板167−2の端子181−2を接続する辺まで図示しない端子接続パターン(2つ)を引き出している。
【0054】
第1ケース本体151−2は矩形状であって、上面中央に矩形状の凹部からなる作動体収納部153−2を設けて構成されている。作動体収納部153−2は組立体240−2及び押圧部材280−2を収納する寸法に形成されており、底面には前記押圧スイッチ設置用回路基板167−2が露出している。押圧スイッチ設置用回路基板167−2と端子181−2とを接合した部分はその上下が第1ケース本体151−2によって挟持されることで固定されている。その際、5本ある端子181−2の内、2本の端子181−2の一端部の下面には、押圧スイッチ設置用回路基板167−2の前記図示しない端子接続パターンが当接接続されている。また
図14に示すように、各端子181−2の第1ケース本体151−2内に埋設された側の一端部の上面は、作動体収納部153−2の底面上に露出した露出面183−2となっている。また第1ケース本体151−2の前記端子181−2を露出させていない対向する外周側壁の内側面には、下記する組立体240−2(導光部材230−2)のガイド部239−2を上下動自在にガイドする凹状の一対ずつのガイド部155−2と、下記する押圧部材280−2の両端を上下動自在にガイドする一対のガイド部157−2とが上下方向に向かって形成されている。また第1ケース本体151−2の外周側壁の上面の対向する一対の角部近傍には、小突起状のケース係止部159−2が設けられ、また第1ケース本体151−2の前記ガイド部155−2を設けた側の外側面には、前記カバー10−2の取付部21−2と係止部23−2の間に挿入される係止突部158−2が設けられている。
【0055】
図15は組立体240−2の分解斜視図、
図16は組立体240−2を下面側から見た分解斜視図である。両図に示すように組立体240−2は、発光素子173−2を取り付けた発光素子設置用回路基板250−2の上下を、導光部材230−2と作動体190−2とによって挟持して一体化(ユニット化)して構成されている。
【0056】
同図に示すように発光素子設置用回路基板250−2は、可撓性を有する略矩形状の合成樹脂フィルム251−2の上面中央に発光素子173−2を設置して構成されている。発光素子173−2の図示しない各端子部は、発光素子設置用回路基板250−2の上面に形成された図示しない回路パターンに接続され、この回路パターンはスルーホールによって発光素子設置用回路基板250−2の下面側に引き出され、発光素子設置用回路基板250−2の下面の1辺に設けた4つの端子接続パターン253−2に接続されている。
また発光素子設置用回路基板250−2の前記端子接続パターン253−2を設けた外周辺以外の対向する一対の外周辺の略中央には、凹状の挿通部255−2が形成されている。また発光素子設置用回路基板250−2の発光素子173−2を設置した部分と端子接続パターン253−2を設けた部分の間には、複数個(4つ)の小孔からなる折り曲げ容易部257−2が直線状に設けられている。なお、図では発光素子設置用回路基板250−2が屈曲した状態で示されているが、これは最終的に組み立てられたときの状態を示しており、組み立てられる前は全体が平面状になっている。
【0057】
導光部材230−2は透明又は半透明な合成樹脂の成形品であり、全体として略矩形状に形成され、中央には上部が円形の導光部231−2が設けられている。即ち、導光部材230−2の材質自体を透明又は半透明とすることで、導光部材230−2全体を透光性を有する透光部としている。導光部231−2の下面には、前記発光素子173−2を収納する素子収納部233−2が設けられている。導光部231−2の左右両側には、スリット状の貫通孔からなる一対の係止部挿通部235−2が形成されている。また各係止部挿通部235−2の導光部231−2側の内側面中央には、爪状の係止片237−2が設けられている。導光部材230−2の外周側面の4つの角部には、それぞれ長手方向に延びる小突起状のガイド部239−2が設けられている。
【0058】
作動体190−2は金属板を略矩形状に形成して構成されており、その中央には、下方向に円錐台形状に突出するように加工された押圧部203−2が設けられている。作動体190−2の対向する一対の外周辺には、舌片状に突出する一対の係合基部207−2が設けられている。これら係合基部207−2中には、略矩形状の小孔からなる係合部209−2が設けられ、係合部209−2の中央付近で係合基部207−2は上方向に略垂直に折り曲げられている。
【0059】
そして、発光素子173−2を取り付けた発光素子設置用回路基板250−2の上下を挟持するように、導光部材230−2と作動体190−2とを設置し、その際、作動体190−2の各係合基部207−2を、発光素子設置用回路基板250−2の挿通部255−2を通して、導光部材230−2の各係止部挿通部235−2に挿入する。このとき、導光部材230−2の各係止片237−2が作動体190−2の各係合部209−2にスナップイン方式で係合される。またこのとき、導光部材230−2の素子収納部233−2内に発光素子173−2が収納される。これによって、発光素子173−2と発光素子設置用回路基板250−2と作動体190−2と導光部材230−2とを一体化した組立体240−2が完成する。
【0060】
図12に戻って、押圧部材280−2は、ゴム等の弾性部材を細長の略矩形棒状に形成して構成されており、その上下の面には、複数(5つ)一列に突出する押圧部281−2が設けられている。各押圧部281−2は、前記第1ケース150−2の各端子181−2の露出面183−2に対向する位置に設けられている。
【0061】
次に電子部品1−2の組立方法を説明する。まず回転体70−2の摺動子取付面77−2に摺動子90−2を設置し、その際回転体70−2の図示しない各摺動子取付部を摺動子90−2の各取付部97−2に挿入し、各摺動子取付部の先端を熱カシメすることで回転体70−2に摺動子90−2を固定しておく。
【0062】
また第1ケース150−2の作動体収納部153−2内に、組立体240−2を挿入する。その際、導光部材230−2の各ガイド部239−2を第1ケース150−2の各ガイド部155−2に挿入する。このとき、導光部材230−2から突出する発光素子設置用回路基板250−2下面の各端子接続パターン253−2(4つ)は、第1ケース150−2の作動体収納部153−2の底面に露出した各端子181−2(5つの内の4つ)の露出面183−2に当接する。次に、第1ケース150−2の作動体収納部153−2内に、押圧部材280−2を挿入する。その際、押圧部材280−2の左右両端を第1ケース150−2の一対のガイド部157−2に挿入する。これによって、発光素子設置用回路基板250−2の端子接続パターン253−2を設けた反対側の面(上面)が、押圧部材280−2の各押圧部281−2によって押圧され、前記各端子181−2と端子接続パターン253−2間の電気的接続を確実にする。
【0063】
そして、カバー10−2の上面部11−2の下面にクリックバネ30−2を配置し、次にカバー10−2の下面側からその軸支部15−2内にシャフト50−2を挿入する。次にシャフト50−2の下側に摺動子90−2を取り付けた回転体70−2を配置し、その際、回転体70−2の挿通部71−2にシャフト50−2の押圧基部55−2を挿通し、同時に回転体70−2の一対のガイド部73−2をシャフト50−2の一対のガイド部挿通部57−2に挿入する。このときクリックバネ30−2の弾接部37−2が回転体70−2のクリック弾接部75−2に弾接する。
【0064】
次に回転体70−2等の下側に第2ケース110−2を配置して摺動子90−2と回転体70−2を第2ケース110−2の収納部113−2内に収納する。このとき回転体70−2の軸部81−2が第2ケース110−2の回転体軸支部115−2内に挿入されて軸支され、同時に摺動子90−2の接点部95−2が第2フレキシブル回路基板121−2の摺接パターン127−2上に弾接する。また第2ケース110−2の一対のケース係止部117−2が、カバー10−2の係止部17−2とクリッバネ30−2の挿通部39−2に挿入されて位置決めされ、同時にカバー10−2の両側壁部13−2,13−2の間に第2ケース110−2が挿入される。
【0065】
次に第2ケース110−2の下側に前記組立体240−2と押圧部材280−2を収納した第1ケース150−2を配置し、その際第1ケース150−2の外側面側に位置するカバー10−2の各係止部23−2の先端側部分を、
図10に示すように第1ケース150−2の外側面に設けた係止突部158−2の下面側に折り曲げて、第2ケース110−2と第1ケース150−2をカバー10−2と一体化する。これによって電子部品1−2が完成する。このとき
図11に示すように、回転体70−2を上下動自在に貫通したシャフト50−2の押圧部62−2は導光部材230−2の導光部231−2の上面中央に当接し、また発光素子173−2は導光部材230−2の素子収納部233−2内に位置し、作動体190−2の押圧部203−2は押圧スイッチ171−2の上面中央に当接している。また押圧部材280−2は上側の各押圧部281−2が第2ケース110−2の下面によって押圧されることで、下側の各押圧部281−2が発光素子設置用回路基板250−2の端子接続パターン253−2をその裏面側(上面側)から押圧し、端子接続パターン253−2と端子181−2間の電気的接続をさらに確実にしている。なお上記組立手順はその一例であり、他の各種異なる組立手順を用いて組み立てても良いことはいうまでもない。
【0066】
そしてシャフト50−2を回転すれば、これと一体に回転体70−2及び摺動子90−2が回転し、摺動子90−2の接点部95−2が摺接パターン127−2上を摺動することで各端子131−2間のオンオフ出力が変化する。
【0067】
一方シャフト50−2をその回転軸方向(下方向)に押圧すれば、回転体70−2に対してシャフト50−2のみが下降し、その押圧部62−2が導光部材230−2を介して作動体190−2を押圧してこれを下降させ、作動体190−2の押圧部203−2が押圧スイッチ171−2の反転板171a−2を押圧してこれを反転し、押圧スイッチ171−2をオンする。前記シャフト50−2への押圧を解除すれば、反転板171a−2の弾性復帰力によって、反転板171a−2は元の形状に自動復帰し、同時に押圧スイッチ170−2はオフし、シャフト50−2は元の上昇位置に戻る。
【0068】
発光素子173−2を発光すると、その光はその真上及びその周囲を覆っている透明な導光部材230−2内に導入された後に、シャフト50−2の押圧部62−2からシャフト50−2内に導入され、シャフト50−2の上部に向かって放射され、シャフト50−2の上部を明るく照らし出す。
【0069】
電子部品1−2においても、上述のように、回転体70−2を上下動自在に貫通するシャフト50−2によってこの回転体70−2を回転するので、シャフト50−2による回転式電子部品の回転操作をスムーズに行うことができる。同時にシャフト50−2の下方(この例の場合は真下)に作動体190−2を介して押圧スイッチ171−2を設置したので、シャフト50−2の押圧による押圧式電子部品の押圧操作もスムーズに行うことができる。
【0070】
さらに作動体190−2上のシャフト50−2の真下に導光部材230−2を介して発光素子173を設置したので、発光素子173−2によるシャフト50−2の効果的な照明を行うことができる。即ち、導光部材230−2を設けることで、発光素子173−2が発光した光を、確実にシャフト50−2側に導くことができる。また導光部材230−2に設けた素子収納部233−2内に発光素子173−2を収納したので、シャフト50−2による押圧スイッチ171−2の押圧によって発光素子173−2が破壊されることはなく、同時に高さ方向の小型化も図ることができる。また発光素子173−2と押圧スイッチ171−2は上下に配置されるので、発光素子173−2を設置してもこの発光素子173−2によって押圧スイッチ171−2の設置スペースが制限されることはない。従って押圧スイッチ171−2に反転板171a−2を用いても、この反転板171a−2は従来と同等の大きさのもの等を容易に使用できる。このためシャフト50−2の押圧動作ストロークや押圧力の変更が容易に行える。
【0071】
また電子部品1−2は、作動体190−2及び導光部材230−2を収納する作動体収納部153−2を有する第1ケース150−2を具備し、この作動体収納部153−2の底面に押圧スイッチ171−2を設置するので、第1ケース150−2内に押圧スイッチ171−2と作動体190−2と導光部材230−2とをコンパクトに収納することができる。
【0072】
また導光部材230−2は、その素子収納部233−2内に発光素子173−2を収納した状態で、作動体190−2に取り付けられているので、これら各部材を一体化(ユニット化)した組立体240−2とすることができ、この電子部品1−2の組み立てをより容易に行うことができる。
【0073】
またこの電子部品1−2では、発光素子設置用回路基板250−2の端子接続パターン253−2を、直接、端子181−2の露出面183−2に接続して導通させたので、簡単な構造で確実に、発光素子173−2と端子181−2間を導通させることができる。
【0074】
またこの電子部品1−2では、発光素子設置用回路基板250−2と、押圧スイッチ設置用回路基板167−2をそれぞれ個別の回路基板として構成し、それぞれの端子接続パターンを個別に端子181−2に当接・接続させる構成なので、発光素子173−2から引き出した回路パターン及び端子接続パターン253−2と、押圧スイッチ171−2から引き出した回路パターン及び端子接続パターンとを、お互いに制限されることなく、容易にそれぞれの回路基板に形成することができる。
【0075】
また組立体240−2は、導光部材230−2に設けたガイド部239−2を、第1ケース150−2に設けたガイド部155−2に上下動自在に係合させているので、組立体240−2、即ち作動体190−2の上下動は安定し、シャフト50−2による押圧スイッチ171−2のオンオフ動作をよりスムーズに確実に行わせることができる。また組立体240−2に一体に発光素子173−2を取り付けるので、発光素子173−2の安定した保持が行える。
【0076】
図17は本発明のさらに他の実施形態にかかる照明機能付き押圧兼回転式電子部品(以下単に「電子部品」という)1−3の断面図(
図11と同一部分での断面図)である。同図に示す電子部品1−3において、前記
図10〜
図16に示す電子部品1−2と同一又は相当部分には同一符号を付す(但し、各符号には添え字「−3」を付す)。この電子部品1−3において、前記電子部品1−2と相違する部分は、組立体240−3中の発光素子設置用回路基板250−3の構造のみである。従って発光素子設置用回路基板250−3以外の事項については、前記
図10〜
図16に示す実施形態と同じなので、それらの説明は省略する。
【0077】
図18は組立体240−3の斜視図、
図19は組立体240−3の分解斜視図、
図20は組立体240−3を下面側から見た分解斜視図である。これらの図に示す組立体240−3も、発光素子173−3を取り付けた発光素子設置用回路基板250−3の上下を、導光部材230−3と作動体190−3とによって挟持して一体化(ユニット化)して構成されている。
【0078】
これらの図に示すように発光素子設置用回路基板250−3は、可撓性を有する略矩形状の合成樹脂フィルム251−3の約半分の部分を発光素子設置部260−3、残りの部分を端子パターン形成部270−3としており、両者は折り曲げ部275−3の部分で180°折り返されている。そして発光素子設置部260−3の一方の面の中央に発光素子173−3を設置している。そして発光素子173−3の図示しない各端子部は、発光素子設置部260−3の発光素子173−3を取り付けた面に形成された図示しない回路パターンに接続され、この回路パターンは折り曲げ部275−3を介して端子パターン形成部270−3側に引き出され、端子パターン形成部270−3の1辺に設けた4つの端子接続パターン253−3に接続されている。つまりこの発光素子設置用回路基板250−3の場合、各種回路パターンは、発光素子設置用回路基板250−3の一方の面側にのみに形成すれば良く、スルーホール等を形成する必要はない。
【0079】
また発光素子設置部260−3の対向する一対の外周辺の略中央には、凹状の挿通部255−3が形成されている。また端子パターン形成部270−3の略中央には、作動体190−3の押圧部203−3を挿通する円形の開口からなる押圧部挿通部271−3が形成されている。なお、図では折り曲げ部275−3の部分を屈曲して発光素子設置部260−3と端子パターン形成部270−3とを上下に配置した状態を示しているが、これは最終的に組み立てられたときの状態を示しており、組み立てられる前は全体が平面状になっている。
【0080】
そして、発光素子173−3を取り付けた発光素子設置部260−3の上下を挟持するように、導光部材230−3と作動体190−3とを設置し、その際、作動体190−3の各係合基部207−3を、発光素子設置部260−3の挿通部255−3を通して、導光部材230−3の各係止部挿通部235−3に挿入し、導光部材230−3の各係止片237−3を作動体190−3の各係合部209−3をスナップイン方式で係合する。このとき、導光部材230−3の素子収納部233−3内に発光素子173−3が収納される。これによって
図18に示すような、発光素子173−3と発光素子設置用回路基板250−3と作動体190−3と導光部材230−3とを一体化した組立体240−3が完成する。
【0081】
電子部品1−3の組立方法及び動作は、前記電子部品1−2の組立方法及び動作と同一なので、その説明を省略する。この電子部品1−3においても、前記電子部品1−2において説明した作用効果と同様の作用効果を生じる。
【0082】
以上本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲、及び明細書と図面に記載された技術的思想の範囲内において種々の変形が可能である。なお直接明細書及び図面に記載がない何れの形状や構造や材質であっても、本願発明の作用・効果を奏する以上、本願発明の技術的思想の範囲内である。例えば、上記電子部品1(1−2,1−3)では検出手段として摺動子90と摺接パターン127を用いたが、回転体70の回転に応じて検出出力(電気的、磁気的、光学的検出出力)を変化する検出手段であれば、他の各種構成であっても良い。
【0083】
また上記電子部品1(1−2,1−3)では、シャフト50の材質を透明又は半透明とすることで透光部を構成したが、例えばシャフト50の中央に上下に貫通する貫通孔を設け、この貫通孔を透光部としても良い。貫通孔は必ずしも上下に貫通する構造に限定されず、側面に開口するように形成しても良い。またシャフト50を二材成形し、一方の材質を透明又は半透明とすることで透光部を構成する等しても良い。
【0084】
また上記電子部品1(1−2,1−3)では、押圧スイッチ171を、1枚の回路基板上に形成した一対のスイッチ接点上に反転板171a取り付けることで構成したが、その代りに、2枚の合成樹脂フィルムを重ね合わせて両合成樹脂フィルムに設けた一対の接点パターンを隙間を介して対向させ、一方の合成樹脂フィルムに設けた接点パターンの裏面側に反転板を設置すること(但し反転板は必ずしも設置しなくても良い)で構成されるいわゆるメンブレンスイッチで押圧スイッチを構成しても良い。また上記電子部品1(1−2,1−3)では、第1回路基板161(又は押圧スイッチ設置用回路基板167−2,167−3)と第2回路基板121(121−2,121−3)とをフレキシブル回路基板で構成したが、場合によってはこれらを硬質回路基板で構成しても良い。さらに発光素子設置用回路基板250−2を硬質回路基板で構成しても良い。