特許第6577664号(P6577664)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ヤマハ発動機株式会社の特許一覧

特許6577664可撓性密閉蓄電セル、蓄電モジュール及び蓄電パック
<>
  • 特許6577664-可撓性密閉蓄電セル、蓄電モジュール及び蓄電パック 図000002
  • 特許6577664-可撓性密閉蓄電セル、蓄電モジュール及び蓄電パック 図000003
  • 特許6577664-可撓性密閉蓄電セル、蓄電モジュール及び蓄電パック 図000004
  • 特許6577664-可撓性密閉蓄電セル、蓄電モジュール及び蓄電パック 図000005
  • 特許6577664-可撓性密閉蓄電セル、蓄電モジュール及び蓄電パック 図000006
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6577664
(24)【登録日】2019年8月30日
(45)【発行日】2019年9月18日
(54)【発明の名称】可撓性密閉蓄電セル、蓄電モジュール及び蓄電パック
(51)【国際特許分類】
   H01M 2/34 20060101AFI20190909BHJP
   H01M 2/30 20060101ALI20190909BHJP
   H01M 2/06 20060101ALI20190909BHJP
   H01M 2/10 20060101ALI20190909BHJP
   H01M 2/20 20060101ALI20190909BHJP
   H01G 11/76 20130101ALI20190909BHJP
   H01G 11/82 20130101ALI20190909BHJP
【FI】
   H01M2/34 B
   H01M2/30 D
   H01M2/06 K
   H01M2/10 Y
   H01M2/20 A
   H01G11/76
   H01G11/82
【請求項の数】10
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2018-512774(P2018-512774)
(86)(22)【出願日】2016年11月29日
(86)【国際出願番号】JP2016085314
(87)【国際公開番号】WO2017183227
(87)【国際公開日】20171026
【審査請求日】2018年10月4日
(31)【優先権主張番号】特願2016-83474(P2016-83474)
(32)【優先日】2016年4月19日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000010076
【氏名又は名称】ヤマハ発動機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001531
【氏名又は名称】特許業務法人タス・マイスター
(72)【発明者】
【氏名】高木 栄好
【審査官】 渡部 朋也
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−73789(JP,A)
【文献】 特開2006−260777(JP,A)
【文献】 特開2007−103162(JP,A)
【文献】 特開2004−134115(JP,A)
【文献】 特開2014−22273(JP,A)
【文献】 特開2011−222913(JP,A)
【文献】 韓国公開特許第10−2016−0050275(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 2/34
H01G 11/76
H01G 11/82
H01M 2/06
H01M 2/10
H01M 2/20
H01M 2/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケース外から又は前記ケース外への電力の供給が可能なように前記ケース内に収容された状態で用いられる可撓性密閉蓄電セルであって、
前記可撓性密閉蓄電セルは、
正極及び負極と、
前記正極と負極との間に設けられるセパレータと、
電解質と、
前記正極及び負極と前記セパレータとを前記電解質とともに収容する収容部と、前記収容部を密閉するために前記収容部の外周の少なくとも一部に形成される閉止部とを備え、可撓性を有する可撓性収容体と、
前記閉止部から前記可撓性収容体の外部に部分的に露出するように前記可撓性収容体から延出され且つ前記閉止部において前記可撓性収容体と接合されるとともに、前記収容部の内部において前記正極及び前記負極の各々とそれぞれ接続され、前記可撓性収容体の外部に露出する部分に、前記ケース内に収容された他の可撓性密閉蓄電セル又は前記ケース外から若しくは前記ケース外への電力の供給を可能とするための端子と電気的に接続されるための外部接続部を有する板状の引出端子と、
前記引出端子の延出方向において前記引出端子の前記閉止部との接合部分と前記外部接続部との間に位置するとともに前記引出端子の表面及び裏面を前記引出端子の幅方向に覆い且つ可撓性を有する可撓性内側部と、前記可撓性内側部から少なくとも前記引出端子の厚さ方向に拡がり且つ可撓性を有する可撓性拡張部とを含み、可撓性を有する可撓性保護部材と
を備える。
【請求項2】
請求項1に記載の可撓性密閉蓄電セルであって、
前記可撓性保護部材は、少なくとも前記可撓性拡張部と前記引出端子とが、直角又は前記可撓性収容体へ向けて開く鋭角を成すように形成されている。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の可撓性密閉蓄電セルであって、
前記可撓性保護部材は、前記可撓性内側部の少なくとも一部が前記引出端子と接触するように設けられている。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1に記載の可撓性密閉蓄電セルであって、
前記可撓性保護部材は、前記引出端子に支持されている。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1に記載の可撓性密閉蓄電セルであって、
前記可撓性保護部材は、前記引出端子の厚さ方向から見た時に前記収容部と重ならないように設けられている。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1に記載の可撓性密閉蓄電セルであって、
前記可撓性保護部材は、可撓性シート状材料からなる。
【請求項7】
請求項6に記載の可撓性密閉蓄電セルであって、
前記可撓性シート状材料は、前記引出端子よりも薄い。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1に記載の可撓性密閉蓄電セルであって、
前記可撓性保護部材は、前記閉止部において前記引出端子と前記可撓性収容体との間に生じる間隙から噴出する前記収容部の内容物が前記外部接続部に接触することを抑制するように構成されている。
【請求項9】
蓄電モジュールであって、
前記蓄電モジュールは、請求項1〜8のいずれか1に記載の少なくとも一つの可撓性密閉蓄電セルと、ケースとを備え、
前記少なくとも一つの可撓性密閉蓄電セルは、前記ケース外から又は前記ケース外への電力の供給が可能なように前記ケース内に収容される。
【請求項10】
蓄電パックであって、
前記蓄電パックは、
請求項9に記載の少なくとも一つの蓄電モジュールを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、可撓性密閉蓄電セル、蓄電モジュール及び蓄電パックに関する。
【背景技術】
【0002】
可撓性密閉蓄電セルとしては、例えば、ラミネート型バッテリセル、ラミネート型キャパシタセルが挙げられる。このような可撓性密閉蓄電セルでは、使用状況等によって、過充電又は過放電が生じる場合がある。過充電又は過放電が生じると、可撓性密閉蓄電セルの内圧が上昇し、可撓性密閉蓄電セルの内容物が噴出する場合がある。可撓性密閉蓄電セルの内容物の噴出は、当該可撓性密閉蓄電セルだけではなく、当該可撓性密閉蓄電セルを含む蓄電パックや、当該蓄電パックが設けられた機器等の不具合の原因となる場合があった。
【0003】
特許文献1は、密閉型二次電池を開示している。特許文献1の密閉型二次電池は、正極板と隔離体と負極板と備えた発電要素を収容する袋状収容体を備える。袋状収容体は、ラミネート材の周縁が溶着されることにより袋状に形成されている。前記袋状収容体の周縁の溶着部には、切除部が形成されている。
【0004】
特許文献1の密閉型二次電池では、切除部における溶着強度が、切除部以外の部分における溶着強度よりも弱い。そのため、袋状収容体に過充電又は過放電に起因するガスが生じて内圧が上昇した時に、切除部が開く。その結果、切除部に生じた開口からガスが排出される。このように、特許文献1の密閉型二次電池は、特定の箇所から速やかにガスを排出することにより、圧力開放の信頼性を向上させ、不具合の発生の抑制を図っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−56835号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1の密閉型二次電池では、切除部における溶着強度が、確実に、切除部以外の部分における溶着強度よりも弱くなければならない。そうでなければ、切除部以外の部分に開口が形成され、その開口からガスが排出される。その場合、圧力開放の信頼性の向上が実現されない。
【0007】
従って、特許文献1の密閉型二次電池は、密閉型二次電池が長期間にわたって使用されても、切除部における溶着強度が切除部以外の部分における溶着強度よりも弱い状態が継続するように製造されなければならない。密閉型二次電池が長期間にわたって使用された結果、切除部以外の部分における溶着強度が切除部における溶着強度よりも弱くなると、切除部以外の部分からガスが排出される可能性が生じる。切除部以外の部分からガスが排出されると、圧力開放の信頼性が損なわれる。そのような事態を避けるために、切除部における溶着強度と切除部以外の部分における溶着強度との差が充分に確保される必要がある。言い換えれば、切除部における溶着強度は、切除部以外の部分における溶着強度と比べて、充分に弱くなければならない。しかし、切除部における溶着強度が充分に弱い場合、袋状収容体にガスが生じる前に切除部が開口し、液漏れが生じるおそれがある。
【0008】
このように、切除部における溶着強度が充分に弱くなければ、切除部以外の部分に開口が生じる可能性が生じる。その一方で、切除部における溶着強度が弱すぎると、内圧が上昇する前に液漏れが生じるおそれがある。そのため、特許文献1の密閉型二次電池では、袋状収容体の周縁における溶着強度が精度よく制御される必要がある。しかしながら、密閉型二次電池が実際に製造される場合(例えば密閉型二次電池が量産される場合)、溶着強度を精度よく制御することは難しいという問題があった。
【0009】
本発明は、製造及び組立が容易な構成により、過充電又は過放電に起因する不具合の発生を抑制可能な可撓性密閉蓄電セルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る可撓性密閉蓄電セルは、ケース外から又は前記ケース外への電力の供給が可能なように前記ケース内に収容された状態で用いられる。前記可撓性密閉蓄電セルは、
正極及び負極と、
前記正極と負極との間に設けられるセパレータと、
電解質と、
前記正極及び負極と前記セパレータとを前記電解質とともに収容する収容部と、前記収容部を密閉するために前記収容部の外周の少なくとも一部に形成される閉止部とを備え、可撓性を有する可撓性収容体と、
前記閉止部から前記可撓性収容体の外部に部分的に露出するように前記可撓性収容体から延出され且つ前記閉止部において前記可撓性収容体と接合されるとともに、前記収容部の内部において前記正極及び前記負極の各々とそれぞれ接続され、前記可撓性収容体の外部に露出する部分に、前記ケース内に収容された他の可撓性密閉蓄電セル又は前記ケース外から若しくは前記ケース外への電力の供給を可能とするための端子と電気的に接続されるための外部接続部を有する板状の引出端子と、
前記引出端子の延出方向において前記引出端子の前記閉止部との接合部分と前記外部接続部との間に位置するとともに前記引出端子の表面及び裏面を前記引出端子の幅方向に覆い且つ可撓性を有する可撓性内側部と、前記可撓性内側部から少なくとも前記引出端子の厚さ方向に拡がり且つ可撓性を有する可撓性拡張部とを含み、可撓性を有する可撓性保護部材と
を備える。
【0011】
本発明者は、製造及び組立が容易な構成により過充電又は過放電に起因する不具合の発生を抑制する可撓性密閉蓄電セルを得るために検討を行い、以下の知見を得た。
【0012】
可撓性密閉蓄電セルは、通常、ケース外から又は前記ケース外への電力の供給が可能なように前記ケース内に収容された状態で用いられる。ケース内に収容された可撓性密閉蓄電セルは、前記ケース内に収容された他の可撓性密閉蓄電セル、又はケース外から若しくはケース外への電力の供給を可能とするための端子と電気的に接続される。このような状態の可撓性密閉蓄電セルでは、長期間の使用によって、可撓性収容体の閉止部と板状の引出端子との接合部分における接合強度が弱くなり易い。そのため、過充電又は過放電に起因して可撓性収容体の内圧が上昇すると、閉止部と引出端子との接合部分に隙間が生じる可能性が高い。閉止部と引出端子との接合部分に隙間が生じると、可撓性収容体の内容物がその隙間から噴出する。その結果、高濃度の内容物が引出端子の外部接続部に接触することがある。引出端子の外部接続部は、他の可撓性密閉蓄電セル又はケース外から若しくはケース外への電力の供給を可能とするための端子と接続される部分である。外部接続部は、比較的高温になり易い。そのため、高濃度の内容物と外部接続部との接触によって、不具合が生じるおそれがある。高濃度の内容物と外部接続部との接触は避けられる必要がある。
【0013】
外部接続部は、閉止部と引出端子との接合部分から引出端子の延出方向に離れた位置に位置している。そのため、閉止部と引出端子との接合部分に生じる隙間から可撓性収容体の内容物が噴出した場合には、可撓性収容体の内容物が外部接続部に接触する可能性が高い。そこで、可撓性収容体から噴出される内容物と外部接続部との接触を避けるために、閉止部と引出端子との接合部分以外の特定の位置に隙間が生じるように、接合強度が弱い部分を可撓性収容体の周縁に形成することが考えられる。しかし、上述したように、特定の位置に確実に隙間が生じるように接合強度を精度よく制御することは難しい。
【0014】
そこで、本発明者は、隙間が生じる可能性が高い閉止部と引出端子との接合部と、可撓性収容体の内容物との接触が避けられるべき外部接続部とが、引出端子の延出方向に離れていることに着目し、引出端子を利用して可撓性保護部材を設けることに想到した。
【0015】
本発明に係る可撓性密閉蓄電セルは、可撓性を有する可撓性保護部材を備える。可撓性保護部材は、可撓性を有する可撓性内側部と、可撓性を有する可撓性拡張部とを含む。可撓性内側部は、引出端子の延出方向において引出端子の閉止部との接合部分と外部接続部との間に位置するとともに引出端子の表面及び裏面を引出端子の幅方向に覆う。可撓性拡張部は、可撓性内側部から少なくとも引出端子の厚さ方向に拡がる。
【0016】
可撓性保護部材は、可撓性内側部が引出端子の表面及び裏面を引出端子の幅方向に覆うとともに可撓性拡張部が可撓性内側部から少なくとも引出端子の厚さ方向に拡がるように構成されている。引出端子と閉止部との接合部分と可撓性保護部材との間に外部接続部が位置しない。従って、可撓性保護部材は、閉止部において引出端子と可撓性収容体との間に生じる間隙から噴出する収容部の内容物が外部接続部に接触することを抑制できる。特に、前記間隙から噴出する収容部の内容物が直接的に外部接続部に接触することを抑制できる。また、可撓性保護部材は、その可撓性により、前記間隙から噴出する収容部の内容物が可撓性保護部材に接触した時に当該内容物が広く飛散することを抑制できる。高濃度の内容物と外部接続部との接触を効果的に抑制できる。
【0017】
また、本願発明は、ケース外から又はケース外への電力の供給が可能なようにケース内に収容された状態で使用される可撓性密閉蓄電セルの性質上、可撓性収容体において隙間が生じる可能性が高い位置を特定し、可撓性保護部材を設けている。対策が施される位置が特定されているので、可撓性保護部材の小型化及び軽量化が可能である。本発明において、可撓性保護部材は、引出端子へ容易に設置可能なように簡単な構成で実現され得る。
【発明の効果】
【0018】
本発明は、製造及び組立が容易な構成により、過充電又は過放電に起因する不具合の発生を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】第一実施形態の可撓性密閉蓄電セルを模式的に示す斜視図である。
図2図2(a)は、図1に示す可撓性密閉蓄電セルの平面図であり、図2(b)は、その側面図である。
図3図1に示す可撓性密閉蓄電セルの部分拡大断面図である。
図4図4(a)は、第二実施形態の可撓性密閉蓄電セルを模式的に示す平面図であり、図4(b)は、その側面図である。
図5図5(a)は、第三実施形態の可撓性密閉蓄電セルを模式的に示す側面図であり、図5(b)は、図5(a)における可撓性保護部材及び引出端子の部分拡大断面図であり、図5(c)は、第四実施形態の可撓性密閉蓄電セルを模式的に示す側面図であり、図5(d)は、図5(c)における可撓性保護部材及び引出端子の部分拡大断面図であり、図5(e)は、第五実施形態の可撓性密閉蓄電セルを模式的に示す側面図であり、図5(f)は、図5(e)における可撓性保護部材及び引出端子の部分拡大断面図であり、図5(g)は、第六実施形態の可撓性密閉蓄電セルを模式的に示す側面図であり、図5(h)は、図5(g)における可撓性保護部材及び引出端子の部分拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に、本発明の実施形態の可撓性密閉蓄電セル10について、図面を参照して説明する。図中、Lは、引出端子30の延出方向を示す。引出端子30の延出方向とは、引出端子30が延出する方向と平行な方向をいう。引出端子30の延出方向は、例えば、可撓性密閉蓄電セル10の長手方向に相当する。Tは、引出端子30の厚さ方向を示す。引出端子30の厚さ方向は、例えば、可撓性密閉蓄電セル10の厚さ方向に相当する。Wは、引出端子30の幅方向を示す。引出端子30の幅方向は、例えば、可撓性密閉蓄電セル10の短手方向に相当する。なお、以下の説明において、可撓性密閉蓄電セルは、ラミネート型バッテリセルであるが、本発明は、この例に限定されない。可撓性密閉蓄電セルは、例えば、ラミネート型キャパシタセルであってもよい。また、バッテリは、特に限定されない。バッテリとしては、例えば、リチウムイオンバッテリが挙げられる。キャパシタは、特に限定されない。キャパシタとしては、例えば、リチウムイオンキャパシタが挙げられる。
【0021】
<第一実施形態>
図1は、第一実施形態の可撓性密閉蓄電セルを模式的に示す斜視図である。図2(a)は、図1に示す可撓性密閉蓄電セルの平面図であり、図2(b)は、その側面図である。図3は、図1に示す可撓性密閉蓄電セルの部分拡大断面図である。
【0022】
図1図3は、直列に接続された2つの可撓性密閉蓄電セル10を示している。2つの可撓性密閉蓄電セル10は、互いに同じ構成を有している。可撓性密閉蓄電セル10は、可撓性収容体20と、引出端子30(正極引出端子30a及び負極引出端子30b)と、可撓性保護部材40とを備える。
【0023】
可撓性収容体20は、収容部21と閉止部22とを備え、可撓性を有する。可撓性収容体20は、可撓性を有する包材により形成されている。可撓性とは、撓むことが可能な性質をいう。可撓性を有する包材としては、例えば、樹脂ラミネート金属箔が挙げられる。樹脂ラミネート金属箔は、金属箔の片面又は両面に樹脂フィルムがラミネートされることにより形成されている。金属箔の材質としては、アルミニウム、アルミニウム合金、チタン等が挙げられる。樹脂フィルムの材質としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等の熱可塑性樹脂等が挙げられる。なお、ラミネートされる樹脂フィルム及び/又は金属箔は、それぞれ1層に限定されるものではなく、2層以上であってもよい。収容部21は、図3に示すように、正極11及び負極12とセパレータ13とを電解質14とともに収容している。収容部21内では、厚さ方向Tにおいて、複数の正極11と複数の負極12とが、交互に配置されている。正極11と負極12との間には、セパレータ13が配置されている。厚さ方向Tにおける最も外側にも、セパレータ13が配置されている。閉止部22は、収容部21を密閉するために収容部21の外周の少なくとも一部に形成される部分である。本実施形態では、閉止部22は、収容部21の外周の全てに形成されている。閉止部22は、厚さ方向Tに重ね合わされた2枚の包材の周縁が互いに溶着又は接合されることにより形成されている。閉止部22は、例えば、2つ折りされた1枚の包材の互いに重なり合う周縁が互いに溶着又は接合されることにより形成されていてもよい。
【0024】
各可撓性密閉蓄電セル10は、正極引出端子30aと、負極引出端子30bとを有する。図3に示すように、正極引出端子30aは、収容部21内において、正極11と接続線35を介して電気的に接続されている。負極引出端子30bは、収容部21内において、負極12と接続線35を介して電気的に接続されている。なお、正極引出端子30aは、正極11と直接接続されてもよい。負極引出端子30bは、負極12と直接接続されてもよい。なお、本明細書においては、特に区別されない限り、引出端子30は、正極引出端子30aと負極引出端子30bとの両方を指す。
【0025】
各引出端子30は、板状を有している。引出端子30の幅は、引出端子30の厚さよりも大きい。引出端子30の幅は、幅方向Wにおける引出端子30の長さである。引出端子30の厚さは、厚さ方向Tにおける引出端子30の長さである。引出端子30は、図3に示すように、金属板状体32とシーラント33とからなる。シーラント33は、引出端子30の延出方向Lにおける金属板状体32の一部の周囲を金属板状体32の幅方向及び厚さ方向に覆うように設けられている。引出端子30の厚さ方向Tにおいて、シーラント33は、可撓性収容体20の閉止部22と少なくとも部分的に重なり合い、融着等により閉止部22と接合されている。図3に示すように、引出端子30は、閉止部22から可撓性収容体20の外部に部分的に露出するように可撓性収容体20から延出され且つ閉止部22において可撓性収容体20と接合されている。なお、本発明において、引出端子は、必ずしも、シーラントを備えていなくてもよい。引出端子は、金属板状体のみから構成されてもよい。また、本実施形態では、可撓性収容体20に設けられた引出端子30のシーラント33が部分的に可撓性収容体20の外部に露出しているが、本発明は、この例に限定されない。可撓性収容体20に設けられた引出端子30のシーラント33は可撓性収容体20から露出していなくてもよい。
【0026】
各引出端子30は、可撓性収容体20の外部に露出する部分に、外部接続部31を有している。図中、上側の可撓性密閉蓄電セル10の正極引出端子30aの外部接続部31aは、下側の可撓性密閉蓄電セル10の負極引出端子30bの外部接続部31bと接続されている。なお、上側の可撓性密閉蓄電セル10の負極引出端子30bの外部接続部31bは、ケース60(図2(a)、(b)参照)に設けられた負極端子(図示せず)と電気的に接続されている。また、下側の可撓性密閉蓄電セル10の正極引出端子30aの外部接続部31aは、ケース60に設けられた正極端子(図示せず)と電気的に接続されている。このように、ケース60内の複数(2つ)の可撓性密閉蓄電セル10は、直列接続され、ケース60外から又はケース60外への電力の供給が可能なようにケース60内に収容されている。これにより、蓄電モジュール50が構成されている。
【0027】
各引出端子30には、可撓性保護部材40が設けられている。可撓性保護部材40は、可撓性内側部41と、可撓性拡張部42とを有する。可撓性保護部材40は、可撓性を有する。本実施形態において、可撓性保護部材40は、可撓性シート状材料からなる。可撓性シート状材料は、例えば、非導電性樹脂(絶縁性樹脂)からなる。非導電性樹脂としては、特に限定されず、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等の熱可塑性樹脂等が挙げられる。可撓性シート状材料は、図3に示すように、引出端子30よりも薄い。可撓性保護部材40は、閉止部22において引出端子30と可撓性収容体20との間に生じる隙間から噴出する収容部21の内容物が外部接続部31に接触することを抑制するように構成されている。なお、図中、Zが、前記隙間が生じ易い位置を示している。延出方向Lにおいて、前記隙間が生じやすい位置Zと、外部接続部31との間に、可撓性保護部材40が設けられている。可撓性保護部材40は、製造及び組立が容易な構成により、可撓性収容体20から噴出される収容部21の内容物と外部接続部31との接触を抑制可能である。なお、可撓性保護部材40は、引出端子30のシーラント33と別体である。
【0028】
可撓性内側部41は、引出端子30の延出方向Lにおいて引出端子30の閉止部22との接合部分と外部接続部31との間に位置する。可撓性内側部41は、引出端子30の表面及び裏面を、引出端子30の幅方向Wに覆う。なお、引出端子30の表面は、厚さ方向Tから見た時の上側の面であり、引出端子30の裏面は、厚さ方向Tから見た時の下側の面である。可撓性内側部41は、延出方向Lに引出端子30を通すスリーブ状を有する。可撓性内側部41は、可撓性を有する。可撓性内側部41は、可撓性保護部材40のうち、引出端子30の厚さ方向Tにおいて、引出端子30の表面に最も近い部分、及び引出端子30の裏面に最も近い部分を指す。可撓性保護部材40は、可撓性内側部41の少なくとも一部が引出端子30と接触するように設けられていることが好ましい。閉止部22において引出端子30と可撓性収容体20との間に生じる隙間から噴出する収容部21の内容物が外部接続部31に接触することを、より効果的に抑制できるからである。
【0029】
可撓性拡張部42は、可撓性内側部41から少なくとも引出端子30の厚さ方向Tに拡がる。本実施形態において、可撓性拡張部42は、可撓性内側部41から引出端子30の厚さ方向T及び幅方向Wに拡がっている。可撓性拡張部42は、可撓性を有する。可撓性保護部材40は、少なくとも可撓性拡張部42と引出端子30とが成す角αが、図3に示すように、可撓性収容体20へ向けて開く鋭角を成すように形成されている。なお、角αは鋭角又は直角であることが好ましい。閉止部22において引出端子30と可撓性収容体20との間に生じる隙間から噴出する収容部21の内容物が外部接続部31に接触することを、より効果的に抑制できるからである。
【0030】
本実施形態では、可撓性保護部材40が引出端子30に支持されている。引出端子30は、可撓性保護部材40の重さの少なくとも一部を支えている。可撓性保護部材40は、可撓性内側部41の少なくとも一部が引出端子30と接触するように引出端子30に設けられている。この場合、可撓性内側部41の少なくとも一部が引出端子30と厚さ方向Tに接触することが好ましい。なお、可撓性内側部41が厚さ方向Tにおいて引出端子30と接触しない部分を有する場合、厚さ方向Tにおける当該部分と引出端子30との間の空隙の距離は、引出端子30の厚さ以下であることが好ましい。可撓性保護部材40は、引出端子30に固定されるように引出端子30に支持されてもよく、引出端子30に固定されずに引出端子30に支持されてもよい。可撓性保護部材40は、可撓性収容体20に接触するように設けられてもよく、可撓性収容体20に接触しないように設けられてもよい。可撓性保護部材40は、可撓性収容体20に固定されていない。可撓性保護部材40は、可撓性収容体20に固定されなくても、可撓性収容体20から噴出される収容部21の内容物が外部接続部31に接触することを抑制できる。従って、可撓性保護部材40は、製造及び組立が容易な構成により、可撓性収容体20から噴出される収容部21の内容物と外部接続部31との接触を抑制可能である。
【0031】
本実施形態では、可撓性保護部材40は、図2(a)に示すように、引出端子30の厚さ方向Tから見た時に収容部21と重ならないように設けられている。より具体的に、可撓性保護部材40は、引出端子30の厚さ方向Tから見た時に可撓性拡張部42が収容部21と重ならないように設けられている。このように、本実施形態では、製造及び組立が容易な構成により、可撓性収容体20から噴出される収容部21の内容物と外部接続部31との接触の抑制が実現可能である。
【0032】
本実施形態では、厚さ方向Tから見て、一対の引出端子30が、矩形状の可撓性密閉蓄電セル10の片側から延出されており、可撓性保護部材40が、複数の可撓性密閉蓄電セル10の各々が有する一対の引出端子30の各々に個別に設けられている場合について説明した。つまり、第一実施形態では、全ての可撓性保護部材40が、矩形状の可撓性密閉蓄電セル10の片側に設けられている。但し、本発明は、本実施形態に限定されない。本発明は、例えば、後述する第二〜第六実施形態を採用可能である。
【0033】
以下、図面を参照して、第二〜第六実施形態について説明する。なお、図4(a)〜図5(h)において、第一実施形態の構成と対応する構成に対しては、第一実施形態の構成と同じ符号が付されている。また、第二〜第六実施形態の説明では、主に、第一実施形態と異なる構成について説明することとし、第一実施形態と同じ構成については説明を省略する。
【0034】
<第二実施形態>
図4(a)は、第二実施形態の可撓性密閉蓄電セル10を模式的に示す平面図であり、図4(b)は、その側面図である。
【0035】
第二実施形態では、複数(2つ)の可撓性密閉蓄電セル10が直列接続され、ケース(図示せず)外から又はケース外への電力の供給が可能なようにケース内に収容されている。各可撓性密閉蓄電セル10において、厚さ方向Tから見て、一対の引出端子30の各々が、矩形状の可撓性密閉蓄電セル10の両側の各々からそれぞれ延出方向Lに延出されている。図中、上側の可撓性密閉蓄電セル10の正極引出端子30aの外部接続部31aは、下側の可撓性密閉蓄電セル10の負極引出端子30bの外部接続部31bと接続されている。なお、上側の可撓性密閉蓄電セル10の負極引出端子30bの外部接続部31bは、ケースに設けられた負極端子(図示せず)と電気的に接続されている。また、下側の可撓性密閉蓄電セル10の正極引出端子30aの外部接続部31aは、ケースに設けられた正極端子(図示せず)と電気的に接続されている。可撓性保護部材40は、複数の可撓性密閉蓄電セル10の各々が有する一対の引出端子30の各々に設けられている。第二実施形態では、矩形状の可撓性密閉蓄電セル10の両側の各々に、可撓性保護部材40が設けられている。可撓性保護部材40の構成は、第一実施形態の可撓性保護部材40と同じであるから、ここでの説明を省略する。
【0036】
<第三実施形態>
図5(a)は、引出端子30の延出方向Lから見た、第三実施形態の可撓性密閉蓄電セル10を模式的に示す側面図であり、図5(b)は、図5(a)における可撓性保護部材40及び引出端子30の部分拡大断面図である。可撓性保護部材40以外の構成については、第三実施形態の可撓性密閉蓄電セル10は、第一実施形態の可撓性密閉蓄電セル10と同じ構成を有している。第三実施形態では、厚さ方向Tに重ね合わされた3つの可撓性密閉蓄電セル10が、ケース(図示せず)内に収容されている。各引出端子30には、個別に可撓性保護部材40が設けられている。各可撓性保護部材40は、可撓性拡張部42と引出端子30とが成す角α(図5(b)参照)が鋭角になるように引出端子30の幅方向Wに延びる折曲線43(図5(a)参照)に沿って折り曲げられた1枚の可撓性シート状材料からなる。各可撓性保護部材40は、折曲線43に沿って形成された1つの貫通孔を有している。貫通孔に引出端子30が挿通されている。第三実施形態では、可撓性保護部材40の貫通孔の外縁が、可撓性保護部材40の可撓性内側部41を構成している。第三実施形態の可撓性保護部材40は、スリーブ状の可撓性内側部41を有していない。可撓性拡張部42は、可撓性内側部41から引出端子30の厚さ方向Tに拡がっている。
【0037】
<第四実施形態>
図5(c)は、引出端子30の延出方向Lから見た、第四実施形態の可撓性密閉蓄電セル10を模式的に示す側面図であり、図5(d)は、図5(c)における可撓性保護部材40及び引出端子30の部分拡大断面図である。第四実施形態では、第三実施形態と異なり、可撓性密閉蓄電セル10が備える一対の引出端子30ごとに、1つの可撓性保護部材40が設けられている。各可撓性保護部材40は、可撓性拡張部42と引出端子30とが成す角α(図5(d)参照)が鋭角になるように、引出端子30の幅方向Wに延びる折曲線43(図5(c)参照)に沿って折り曲げられた1枚の可撓性シート状材料からなる。各可撓性保護部材40は、折曲線43に沿って互いに間隔を空けて形成された2つの貫通孔を有している。各貫通孔にそれぞれ引出端子30が挿通されている。可撓性保護部材40の2つの貫通孔の各々の外縁が、可撓性保護部材40が有する2つの可撓性内側部41を構成している。可撓性拡張部42は、各可撓性内側部41から引出端子30の厚さ方向T及び幅方向Wに拡がっている。
【0038】
<第五実施形態>
図5(e)は、引出端子30の延出方向Lから見た、第五実施形態の可撓性密閉蓄電セル10を模式的に示す側面図であり、図5(f)は、図5(e)における可撓性保護部材40及び引出端子30の部分拡大断面図である。可撓性保護部材40以外の構成については、第五実施形態の可撓性密閉蓄電セル10は、第二実施形態の可撓性密閉蓄電セル10と同じ構成を有している。第五実施形態では、厚さ方向Tに重ね合わされた複数(3つ)の可撓性密閉蓄電セル10が、ケース(図示せず)内にパックされている。図5(e)に示すように、厚さ方向Tに並ぶ複数(3つ)の引出端子30が、複数(3つ)の可撓性密閉蓄電セル10の片側から延出されている。1つの可撓性保護部材40が、厚さ方向Tに並ぶように複数(3つ)の可撓性密閉蓄電セル10の片側から延出された複数(3つ)の引出端子30に設けられている。図示しないが、厚さ方向Tに並ぶ複数の引出端子30が、複数の可撓性密閉蓄電セル10の別の片側からも延出され、複数の引出端子30に可撓性保護部材40が設けられている。
【0039】
可撓性保護部材40は、引出端子30の幅方向Wに延びる複数の折曲線43に沿って交互に折り曲げられることにより蛇腹状に形成された1枚の可撓性シート状材料からなる。折曲線43の数は、5つであり、引出端子30の数(3つ)と引出端子30間の間隙の数(2つ)との和である。可撓性保護部材40は、複数(3つ)の引出端子30の各々に対応する折曲線43に沿って形成された複数(3つ)の貫通孔を有している。貫通孔にそれぞれ引出端子30が挿通されている。可撓性保護部材40の3つの貫通孔の各々の外縁が、可撓性保護部材40が有する3つの可撓性内側部41を構成している。可撓性拡張部42は、各可撓性内側部41の各々から引出端子30の厚さ方向Tに拡がるように構成されている。第五実施形態の可撓性保護部材40は、厚さ方向Tに伸縮できるように蛇腹状を有しているので、可撓性保護部材40が複数の引出端子30に設けられる時の位置合わせが容易である。製造及び組立がより容易である。
【0040】
<第六実施形態>
図5(g)は、引出端子30の延出方向Lから見た、第六実施形態の可撓性密閉蓄電セル10を模式的に示す側面図であり、図5(h)は、図5(g)における可撓性保護部材40及び引出端子30の部分拡大断面図である。可撓性保護部材40以外の構成については、第六実施形態の可撓性密閉蓄電セル10は、第四実施形態の可撓性密閉蓄電セル10と同じ構成を有している。厚さ方向Tに重ね合わされた複数の可撓性密閉蓄電セル10の各々から、互いに幅方向Wに並ぶように間隔を空けて配置された一対の引出端子30が延出されている。従って、厚さ方向に並ぶように複数の可撓性密閉蓄電セル10の片側から、複数対(3対)の引出端子30が延出されている。
【0041】
可撓性保護部材40は、第五実施形態(図5(e)及び図5(f))と同じように、蛇腹状に形成された1枚の可撓性シート状材料からなる。可撓性保護部材40は、複数対(3対)の引出端子30の各々に対応する折曲線43に沿って形成された複数対(3対)の貫通孔を有している。貫通孔にそれぞれ引出端子30が挿通されている。可撓性保護部材40の6つの貫通孔の各々の外縁が、可撓性保護部材40が有する6つの可撓性内側部41を構成している。可撓性拡張部42は、各可撓性内側部41の各々から引出端子30の厚さ方向T及び幅方向Wに拡がるように構成されている。
【0042】
第四実施形態及び第六実施形態では、可撓性保護部材40が、幅方向Wに間隔を空けて隣り合う一対の引出端子30の各々に対応する貫通孔を個別に有している。引出端子30ごとに貫通孔が形成されることにより、可撓性収容体から噴出される収容部の内容物と外部接続部との接触を、より効果的に抑制できる。しかし、本発明は、この例に限定されない。例えば、可撓性保護部材40が、幅方向Wに間隔を空けて隣り合う複数の引出端子30の両方に対応するように形成された幅方向Wに延びる貫通孔を有していてもよい。1つの貫通孔が複数の引出端子30に対応するように貫通孔が形成されることにより、製造及び組立がより容易な構成を実現できる。
【0043】
また、第三〜第六実施形態では、可撓性保護部材40が、延出方向Lに引出端子30が挿通される部分として貫通孔を有している。しかし、本発明は、この例に限定されない。貫通孔に代えて、可撓性保護部材40の幅方向Wの片側の外縁に到達するスリットが形成されていてもよい。
【0044】
また、第三〜第六実施形態では、可撓性保護部材40が折曲線43に沿って折り曲げられているが、可撓性保護部材40は折り曲げられていなくてもよい。この場合、角αは、例えば、直角になる。
【0045】
1つのケース内に収容される可撓性密閉蓄電セルの数は、特に限定されず、1つであってもよく、複数であってもよい。複数の可撓性密閉蓄電セルの接続態様は、特に限定されない。複数の可撓性密閉蓄電セルは、互いに直列接続されてもよく、並列に接続されていてもよく、並列接続と直列接続との組合せにより接続されていてもよい。
【0046】
本発明では、蓄電モジュールは、図2(a)及び図2(b)に示すように、ケース外から又はケース外への電力の供給が可能なようにケース内に収容された少なくとも一つの可撓性密閉蓄電セルと、ケースとを備える。図示しないが、蓄電パックは、少なくとも一つの蓄電モジュールを備える。また、蓄電パックは、蓄電モジュールに含まれる可撓性密閉蓄電セルの状態を監視及び制御するためのバッテリコントローラを備えていてもよい。また、蓄電パックは、可撓性密閉蓄電セルの状態(例えば、電圧値、電流値、温度等)を検出し、検出結果をバッテリコントローラへ出力するように前記バッテリコントローラと接続されたセンサを備えていてもよい。可撓性保護部材を除いて、蓄電モジュール及び蓄電パックの構成としては、従来公知の構成を採用可能である。本発明の蓄電モジュール及び蓄電パックは、上述したような可撓性保護部材を有しているので、製造及び組立が容易な構成により、過充電又は過放電に起因する不具合の発生を抑制できる。
【0047】
ここに用いられた用語及び表現は、説明のために用いられたものであって限定的に解釈するために用いられたものではない。ここに示され且つ述べられた特徴事項の如何なる均等物をも排除するものではなく、本発明のクレームされた範囲内における各種変形をも許容するものであると認識されなければならない。本発明は、本願明細書に記載された実施形態に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0048】
10 可撓性密閉蓄電セル
11 正極
12 負極
13 セパレータ
14 電解質
20 可撓性収容体
21 収容部
22 閉止部
30 引出端子
30a 正極引出端子
30b 負極引出端子
31 外部接続部
31a (正極引出端子30aの外部接続部)
31b (負極引出端子30bの外部接続部)
32 金属板状体
33 シーラント
35 接続線
40 可撓性保護部材
41 可撓性内側部
42 可撓性拡張部
43 折曲線
50 蓄電モジュール
60 ケース
図1
図2
図3
図4
図5