特許第6577761号(P6577761)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6577761
(24)【登録日】2019年8月30日
(45)【発行日】2019年9月18日
(54)【発明の名称】遠隔健康管理システム
(51)【国際特許分類】
   G08B 25/04 20060101AFI20190909BHJP
   G08B 21/04 20060101ALI20190909BHJP
   A61B 5/00 20060101ALI20190909BHJP
   H04Q 9/00 20060101ALI20190909BHJP
【FI】
   G08B25/04 K
   G08B21/04
   A61B5/00 102C
   H04Q9/00 301Z
   H04Q9/00 311J
【請求項の数】14
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2015-123456(P2015-123456)
(22)【出願日】2015年6月19日
(65)【公開番号】特開2017-10182(P2017-10182A)
(43)【公開日】2017年1月12日
【審査請求日】2018年2月9日
(73)【特許権者】
【識別番号】000230962
【氏名又は名称】日本光電工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】特許業務法人 信栄特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中桐 泉
(72)【発明者】
【氏名】福原 到
(72)【発明者】
【氏名】峯岸 由佳
(72)【発明者】
【氏名】松田 大河
(72)【発明者】
【氏名】柳沼 貴志
(72)【発明者】
【氏名】矢出 雅洋
【審査官】 山岸 登
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−108671(JP,A)
【文献】 特開2004−030541(JP,A)
【文献】 特開2004−171266(JP,A)
【文献】 特開2013−172164(JP,A)
【文献】 特開2004−326623(JP,A)
【文献】 特開2015−095843(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/00− 5/01
G08B 19/00−31/00
H03J 9/00− 9/06
H04M 3/00
3/16− 3/20
3/38− 3/58
7/00− 7/16
11/00−11/10
H04Q 9/00− 9/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被管理者の住居内の居室に設置され、当該被管理者の当該居室における活動を検知する活動検知センサを含む複数種類のセンサを有するセンサ装置と、
前記住居から遠隔した場所に設置された管理装置と、
前記センサ装置が取得したデータを前記管理装置へ送信するデータ送信部と、
を備え、
前記管理装置は、
経時的に蓄積された前記データに基づいて、前記データを検知した検知期間の各日を示す第一軸と一日の時刻を示す第二軸とで構成されるマップを生成する生成部を有し、
前記マップには、前記検知期間の各日時における前記活動の有無と対応づけて、前記活動の有無以外の情報であって前記活動が検知された前記居室に関連する情報が表示され、
前記センサ装置は、前記活動検知センサに加えて、温度センサを有し、
前記マップには、前記検知期間の各日時における前記活動の有無と対応づけて、前記活動が検知された前記居室の温度が、当該温度の高低を示す表示効果に基づいて識別可能に表示される、
遠隔健康管理システム。
【請求項2】
被管理者の住居内の居室に設置され、当該被管理者の当該居室における活動を検知する活動検知センサを含む複数種類のセンサを有するセンサ装置と、
前記住居から遠隔した場所に設置された管理装置と、
前記センサ装置が取得したデータを前記管理装置へ送信するデータ送信部と、
を備え、
前記管理装置は、
経時的に蓄積された前記データに基づいて、前記データを検知した検知期間の各日を示す第一軸と一日の時刻を示す第二軸とで構成されるマップを生成する生成部を有し、
前記マップには、前記検知期間の各日時における前記活動の有無と対応づけて、前記活動の有無以外の情報であって前記活動が検知された前記居室に関連する情報が表示され、
前記センサ装置は、前記活動検知センサに加えて、照度センサを有し、
前記マップには、前記検知期間の各日時における前記活動の有無と対応づけて、前記活動が検知された前記居室の照度が、当該照度の高低を示す表示効果に基づいて識別可能に表示される、
遠隔健康管理システム。
【請求項3】
被管理者の住居内の居室に設置され、当該被管理者の当該居室における活動を検知する活動検知センサを含む複数種類のセンサを有するセンサ装置と、
前記住居から遠隔した場所に設置された管理装置と、
前記センサ装置が取得したデータを前記管理装置へ送信するデータ送信部と、
を備え、
前記管理装置は、
経時的に蓄積された前記データに基づいて、前記データを検知した検知期間の各日を示す第一軸と一日の時刻を示す第二軸とで構成されるマップを生成する生成部を有し、
前記マップには、前記検知期間の各日時における前記活動の有無と対応づけて、前記活動の有無以外の情報であって前記活動が検知された前記居室に関連する情報が表示され、
前記センサ装置は、前記活動検知センサに加えて、温度センサと湿度センサとを有し、
前記管理装置の前記生成部は、前記温度センサの出力と前記湿度センサの出力とから暑さ指数を算出し、
前記マップには、前記検知期間の各日時における前記活動の有無と対応づけて、前記活動が検知された前記居室の暑さ指数が、当該暑さ指数の高低を示す表示効果に基づいて識別可能に表示される、
遠隔健康管理システム。
【請求項4】
前記マップは、前記検知期間の各日時で区画される複数のグリッドにより構成され、
前記各グリッドには、当該グリッドが示す時間帯における各前記居室で検知された前記居室に関連する情報の高低が、当該情報の高低を示す表示効果に基づいて識別可能に表示される、
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の遠隔健康管理システム。
【請求項5】
前記住居は複数の居室を有し、
各前記居室には、それぞれ前記センサ装置が設置されている、
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の遠隔健康管理システム。
【請求項6】
前記マップには、前記検知期間の各日時における前記活動の有無と対応づけて、前記活動が検知された前記居室の場所が、当該居室の場所を示す表示効果に基づいて識別可能に表示される、
請求項5に記載の遠隔健康管理システム。
【請求項7】
更に、前記管理装置と通信可能であり、かつ前記被管理者とは異なるオブザーバに対して情報を提示可能な端末装置を備え、
前記管理装置は、前記マップを前記端末装置へ送信するマップ送信部を有し、
前記端末装置には、前記マップが表示される、請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の遠隔健康管理システム。
【請求項8】
前記端末装置は、現在の前記マップと過去の前記マップとを一画面内に並べて表示可能である、請求項7に記載の遠隔健康管理システム。
【請求項9】
前記管理装置の前記生成部は、前記センサ装置に含まれる前記複数種類のセンサ毎に前記マップを作成し、
前記端末装置は、複数の前記マップのいずれか一つを選択して表示するための選択部を有する、
請求項7または請求項8に記載の遠隔健康管理システム。
【請求項10】
さらに、前記住居に設置されたゲートウェイ装置を備え、
前記ゲートウェイ装置は、前記データ送信部を有し、前記センサ装置から取得したデータを前記管理装置へ送信する、請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の遠隔健康管理システム。
【請求項11】
前記データ送信部は、前記センサ装置に設けられる、請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の遠隔健康管理システム。
【請求項12】
被管理者の住居内の居室に設置され、当該被管理者の当該居室における活動を検知する活動検知センサと温度センサとを含む複数種類のセンサを有するセンサ装置と、
前記住居から遠隔した場所に設置された管理装置と、
前記センサ装置が取得したデータを前記管理装置へ送信するデータ送信部と、
前記管理装置と通信可能であり、かつ前記被管理者とは異なるオブザーバに対して情報を提示可能な端末装置と、
を備え、
前記住居は複数の居室を有し、
各前記居室には、それぞれ前記センサ装置が設置され、
前記管理装置は、
経時的に蓄積された前記データに基づいて、前記データを検知した検知期間の各日を示す第一軸と一日の時刻を示す第二軸とで構成されるマップを生成する生成部と、
前記マップを前記端末装置へ送信するマップ送信部と、
を備え、
前記端末装置は、
前記検知期間の各日時における前記活動の有無と対応づけて、前記活動が検知された前記居室の温度が、当該温度の高低を示す表示効果に基づいて識別可能に表示される前記マップと、
前記検知期間の各日時における前記活動の有無と対応づけて、前記活動が検知された前記居室の場所が、当該居室の場所を示す表示効果に基づいて識別可能に表示される前記マップと、を切り替えて表示可能である、
遠隔健康管理システム。
【請求項13】
被管理者の住居内の居室に設置され、当該被管理者の当該居室における活動を検知する活動検知センサを少なくとも含むセンサ装置と、
前記住居から遠隔した場所に設置された管理装置と、
前記センサ装置が取得したデータを前記管理装置へ送信するデータ送信部と、
を備え、
前記住居は複数の居室を有し、
各前記居室には、それぞれ前記センサ装置が設置され、
前記管理装置は、
経時的に蓄積された前記データに基づいて、前記データを検知した検知期間の各日を示す第一軸と一日の時刻を示す第二軸とで構成されるマップを生成する生成部を有し、
前記マップには、前記検知期間の各日時において、前記活動が検知された各前記居室における活動量の大小が、当該活動量の大小を示す表示効果に基づいて識別可能に表示される、
遠隔健康管理システム。
【請求項14】
前記マップは、前記検知期間の各日時で区画される複数のグリッドにより構成され、
前記各グリッドには、当該グリッドが示す時間帯における各前記居室で検知された活動量の積算値の大小が、当該積算値の大小を示す表示効果に基づいて識別可能に表示される、
請求項13に記載の遠隔健康管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遠隔から被管理者の健康を管理するシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
核家族化の進行に伴い、独り暮らしの高齢者が増加している。当該高齢者が被管理者とされ、その健康状態を遠隔地に居ながらにして把握するためのシステムが知られている。例えば、特定の電気機器に内蔵されたセンサが当該電気機器の操作頻度を検出し、これをもって被管理者の活動状況を把握するシステムが知られている(特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−248093号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載のシステムが遠隔地に住む家族等に提供可能な情報は、被管理者の健康状態や生活リズムの変化を把握するための情報としては不十分であった。このため、特許文献1に記載のシステムでは、家族等は、被管理者の日常的な健康状態を安心して見守りにくい場合があった。
【0005】
そこで、本発明は、遠隔地にいる者が安心して被管理者の日常的な健康状態を見守ることが可能な遠隔健康管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の遠隔健康管理システムは、
被管理者の住居内の居室に設置され、当該被管理者の当該居室における活動を検知する活動検知センサを含む複数種類のセンサを有するセンサ装置と、
前記住居から遠隔した場所に設置された管理装置と、
前記センサ装置が取得したデータを前記管理装置へ送信するデータ送信部と、
を備え、
前記管理装置は、
経時的に蓄積された前記データに基づいて、前記データを検知した検知期間の各日を示す第一軸と一日の時刻を示す第二軸とで構成されるマップを生成する生成部を有し、
前記マップには、前記検知期間の各日時における前記活動の有無と対応づけて、前記活動の有無以外の情報であって前記活動が検知された前記居室に関連する情報が表示される。
【0007】
この構成によれば、マップには被管理者の活動の有無に加えて、その活動時の他の情報(例えば活動が検知された居室の温度、照度、湿度等)が表示される。このため、遠隔地にいる家族等は、マップを確認することにより、被管理者の活動の有無に加えて、活動が検知された居室の環境を知ることができ、被管理者の健康状態を把握し易くなる。また、このマップは、検知期間の各日を示す第一軸と一日の時刻を示す第二軸とで構成されている。このため、家族等は、マップを介して、被管理者の生活リズムの変化を視覚的に把握し易くなる。このように、この構成によれば、家族等は、マップを確認することで、安心して被管理者の日常的な健康状態を見守ることができる。
【0008】
また、本発明の遠隔健康管理システムにおいて、
前記センサ装置は、前記活動検知センサに加えて、温度センサを有し、
前記マップには、前記検知期間の各日時における前記活動の有無と対応づけて、前記活動が検知された前記居室の温度が、当該温度の高低を示す表示効果に基づいて識別可能に表示されても良い。
【0009】
この構成によれば、マップには、被管理者の活動時の居室の温度が、当該温度の高低を示す表示効果(色、模様等)に基づいて識別可能に表示される。このため、遠隔地にいる家族等は、被管理者の活動の有無に加えて、活動時の居室の温度を視覚的に確認することができ、被管理者の日常的な健康状態や行動(エアコン利用の有無や頻度等)を把握し易くなる。このように、この構成によれば、家族等は、マップを確認することで、安心して被管理者の日常的な健康状態や行動を見守ることができる。
【0010】
また、本発明の遠隔健康管理システムにおいて、
前記センサ装置は、前記活動検知センサに加えて、照度センサを有し、
前記マップには、前記検知期間の各日時における前記活動の有無と対応づけて、前記活動が検知された前記居室の照度が、当該照度の高低を示す表示効果に基づいて識別可能に表示されても良い。
【0011】
この構成によれば、マップには、被管理者の活動時の居室の照度が、当該照度の高低を示す表示効果(色、模様等)に基づいて識別可能に表示される。このため、遠隔地にいる家族等は、被管理者の活動の有無に加えて、活動時の居室の照度を視覚的に確認することができ、被管理者の日常的な健康状態や行動(天井灯利用の有無等)を把握し易くなる。このように、この構成によれば、家族等は、マップを確認することで、安心して被管理者の日常的な健康状態や行動を見守ることができる。
【0012】
また、本発明の遠隔健康管理システムにおいて、
前記センサ装置は、前記活動検知センサに加えて、温度センサと湿度センサとを有し、
前記管理装置の前記生成部は、前記温度センサの出力と前記湿度センサの出力とから暑さ指数を算出し、
前記マップには、前記検知期間の各日時における前記活動の有無と対応づけて、前記活動が検知された前記居室の暑さ指数が、当該暑さ指数の高低を示す表示効果に基づいて識別可能に表示されても良い。
【0013】
この構成によれば、マップには、被管理者の活動時の居室の暑さ指数が、当該暑さ指数の高低を示す表示効果(色、模様等)に基づいて識別可能に表示される。このため、遠隔地にいる家族等は、被管理者の活動の有無に加えて、活動時の居室の暑さ指数を視覚的に確認することができ、被管理者の日常的な健康状態を把握し易くなる。このように、この構成によれば、家族等は、マップを確認することで、安心して被管理者の日常的な健康状態を見守ることができる。
【0014】
また、本発明の遠隔健康管理システムにおいて、
前記マップは、前記検知期間の各日時で区画される複数のグリッドにより構成され、
前記各グリッドには、当該グリッドが示す時間帯における各前記居室で検知された前記居室に関連する情報の高低が、当該情報の高低を示す表示効果に基づいて識別可能に表示されても良い。
【0015】
この構成によれば、遠隔地にいる家族等は、被管理者の活動が検知された居室の温度、照度、暑さ指数等の変化を更に把握し易くなり、安心して被管理者の日常的な健康状態を見守ることができる。
【0016】
また、本発明の遠隔健康管理システムにおいて、
前記住居は複数の居室を有し、
各前記居室には、それぞれ前記センサ装置が設置されていても良い。
【0017】
この構成によれば、被管理者が住居内の複数の居室を移動した場合、活動が検知された各居室のデータが収集されて、そのデータに基づいて、被管理者の移動に追従した情報を示すマップが生成される。このため、遠隔地にいる家族等は、被管理者の生活リズムの変化を把握し易くなる。
【0018】
また、本発明の遠隔健康管理システムにおいて、
前記マップには、前記検知期間の各日時における前記活動の有無と対応づけて、前記活動が検知された前記居室の場所が、当該居室の場所を示す表示効果に基づいて識別可能に表示されても良い。
【0019】
この構成によれば、マップには、被管理者の活動時の居室の場所(居間、トイレ、台所、寝室等)が、当該居室の場所を示す表示効果(色や模様等)に基づいて識別可能に表示される。このため、遠隔地にいる家族等は、被管理者の活動の有無の加えて、活動時の居室の場所を視覚的に確認することができ、被管理者の生活リズムの変化を把握し易くなる。
【0020】
また、本発明の遠隔健康管理システムにおいて、
更に、前記管理装置と通信可能であり、かつ前記被管理者とは異なるオブザーバに対して情報を提示可能な端末装置を備え、
前記管理装置は、前記マップを前記端末装置へ送信するマップ送信部を有し、
前記端末装置には、前記マップが表示されても良い。
【0021】
この構成によれば、家族等は、端末装置に表示されたマップを見ることで、安心して被管理者の日常的な健康状態を見守ることができる。
【0022】
また、本発明の遠隔健康管理システムにおいて、
前記端末装置は、現在の前記マップと過去の前記マップとを一画面内に並べて表示可能であっても良い。
【0023】
この構成によれば、遠隔地にいる家族等は、被管理者の生活リズムの変化を更に把握し易くなる。
【0024】
また、本発明の遠隔健康管理システムにおいて、
前記管理装置の前記生成部は、前記センサ装置に含まれる前記複数種類のセンサ毎に前記マップを作成し、
前記端末装置は、複数の前記マップのいずれか一つを選択して表示するための選択部を有しても良い。
【0025】
この構成によれば、家族等は、観察したいマップを適宜に選択することができ、被管理者の日常的な健康状態を見守りやすくなる。
【0026】
また、本発明の遠隔健康管理システムにおいて、
更に、前記住居に設置されたゲートウェイ装置を備え、
前記ゲートウェイ装置は、前記データ送信部を有し、前記センサ装置から取得したデータを前記管理装置へ送信しても良い。
【0027】
この構成によれば、センサ装置から取得したデータを確実に管理装置へ送信することができる。
【0028】
また、本発明の遠隔健康管理システムにおいて、
前記データ送信部は、前記センサ装置に設けられても良い。
【0029】
この構成によれば、システムのコンパクト化を図ることができる。
【0030】
また、本発明の遠隔健康管理システムは、
被管理者の住居内の居室に設置され、当該被管理者の当該居室における活動を検知する活動検知センサと温度センサとを含む複数種類のセンサを有するセンサ装置と、
前記住居から遠隔した場所に設置された管理装置と、
前記センサ装置が取得したデータを前記管理装置へ送信するデータ送信部と、
前記管理装置と通信可能であり、かつ前記被管理者とは異なるオブザーバに対して情報を提示可能な端末装置と、
を備え、
前記住居は複数の居室を有し、
各前記居室には、それぞれ前記センサ装置が設置され、
前記管理装置は、
経時的に蓄積された前記データに基づいて、前記データを検知した検知期間の各日を示す第一軸と一日の時刻を示す第二軸とで構成されるマップを生成する生成部と、
前記マップを前記端末装置へ送信するマップ送信部と、
を備え、
前記端末装置は、
前記検知期間の各日時における前記活動の有無と対応づけて、前記活動が検知された前記居室の温度が、当該温度の高低を示す表示効果に基づいて識別可能に表示される前記マップと、
前記検知期間の各日時における前記活動の有無と対応づけて、前記活動が検知された前記居室の場所が、当該居室の場所を示す表示効果に基づいて識別可能に表示される前記マップと、を切り替えて表示可能である。
【0031】
この構成によれば、端末装置には、被管理者の活動時の居室の温度を例えば色や模様等の表示効果で提示するマップと、被管理者の活動時の居室の場所(居間、トイレ、台所、寝室等)を例えば色や模様等の表示効果で提示するマップとが切り替え可能に表示される。このため、遠隔地にいる家族等は、これらのマップを総合的に観察することで、被管理者の日常的な行動(エアコン利用の有無や頻度等)や生活リズムの変化を把握し易くなる。したがって、この構成によれば、家族等は、端末装置に表示されたマップを見ることで、被管理者の認知症の初期症状等を発見しやすくなり、安心して被管理者の日常的な健康状態や行動を見守ることができる。
【0032】
また、本発明の遠隔健康管理システムは、
被管理者の住居内の居室に設置され、当該被管理者の当該居室における活動を検知する活動検知センサを少なくとも含むセンサ装置と、
前記住居から遠隔した場所に設置された管理装置と、
前記センサ装置が取得したデータを前記管理装置へ送信するデータ送信部と、
を備え、
前記住居は複数の居室を有し、
各前記居室には、それぞれ前記センサ装置が設置され、
前記管理装置は、
経時的に蓄積された前記データに基づいて、前記データを検知した検知期間の各日を示す第一軸と一日の時刻を示す第二軸とで構成されるマップを生成する生成部を有し、
前記マップには、前記検知期間の各日時において、前記活動が検知された各前記居室における活動量の大小が、当該活動量の大小を示す表示効果に基づいて識別可能に表示される。
【0033】
この構成によれば、被管理者が住居内の複数の居室を移動した場合、活動が検知された各居室のデータが収集されて、そのデータに基づいて、被管理者の移動に追従した情報を示すマップが生成される。そして、このマップでは、被管理者の活動量の大小が例えば色や模様等の表示効果で識別可能に表示される。このため、遠隔地にいる家族等は、被管理者の活動量の変化を把握し易くなり、安心して被管理者の日常的な健康状態を見守ることができる。
【0034】
また、本発明の遠隔健康管理システムにおいて、
前記マップは、前記検知期間の各日時で区画される複数のグリッドにより構成され、
前記各グリッドには、当該グリッドが示す時間帯における各前記居室で検知された活動量の積算値の大小が、当該積算値の大小を示す表示効果に基づいて識別可能に表示されても良い。
【0035】
この構成によれば、遠隔地にいる家族等は、被管理者の活動量の変化を更に把握し易くなり、安心して被管理者の日常的な健康状態を見守ることができる。
【発明の効果】
【0036】
本発明の遠隔健康管理システムによれば、遠隔地にいる者が安心して被管理者の日常的な健康状態を見守ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
図1】本発明の実施形態に係る遠隔健康管理システムを示す図である
図2】上記システムが備えるセンサの設置例を示す図である。
図3】上記システムが備える端末装置の表示情報例を示す図である。
図4】上記端末装置に表示される情報例を示す図である。
図5】上記端末装置に表示される情報例を示す図である。
図6】上記端末装置に表示される情報例を示す図である。
図7】上記端末装置に表示される情報例を示す図である。
図8】上記端末装置に表示される情報例を示す図である。
図9】上記システムの一構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下、本実施形態の一例について、図面を参照して詳細に説明する。図1は、遠隔健康管理システム1を示す機能ブロック図である。遠隔健康管理システム1は、遠隔地から被管理者100の健康を管理するシステムである。被管理者100の例としては、独り暮らしの高齢者が挙げられる。図1に示すように、遠隔健康管理システム1は、センサ装置2と、ゲートウェイ装置3と、管理装置4と、端末装置5とを備えている。
【0039】
センサ装置2は、被管理者100の住居200内の居室300に設置される。ここで「居室」とは、居間や寝室などの部屋に加え、玄関、台所、浴室、洗面所、トイレなど生活活動が営まれる場所を含む意味である。
【0040】
センサ装置2は、複数種類のセンサを備えうる。センサには、少なくとも活動検知センサ21が含まれ、その他に例えば、温度センサ22、照度センサ23、湿度センサ24などの居室の環境状態を検知するセンサが含まれうる。活動検知センサ21は、居室300における被管理者100の活動を検知するセンサである。温度センサ22は、居室300の温度を検知するセンサである。照度センサ23は、居室300の照度を検知するセンサである。湿度センサ24は、居室300の湿度を検知するセンサである。
【0041】
例えば、活動検知センサ21は、所定の検知範囲を有しており、当該検知範囲内に被管理者100が在している場合に活動信号(活動データ)を出力するように構成される。したがって、活動信号の出力をもって、被管理者100が居室300で活動していると把握することができる。また、活動信号の出力継続時間や出力/非出力の切り替わり頻度などに基づいて、被管理者100の居室300における活動量(活動状態)を把握することもできる。
【0042】
なお、活動検知センサ21は、例えば焦電センサで構成しても良い。焦電センサは、焦電素子を含む検知部を備えており、人体から放射される赤外線を検知するように構成されている。焦電素子は、赤外線の照射が開始された瞬間と照射が終了された瞬間に電荷を生ずる。したがって、両瞬間の時刻を管理することにより、焦電センサの検知範囲内に被管理者100が在している時間帯を把握できる。
【0043】
温度センサ22、照度センサ23、湿度センサ24は、常時データを検知させておくようにしても良いし、活動検知センサ21から出力される活動信号をトリガとして、各センサにおけるデータの検知を開始させるようにしても良い。
【0044】
ゲートウェイ装置3は、住居200に設置される。ゲートウェイ装置3は、活動検知センサ21から出力された活動信号(活動データ)、温度センサ22から出力された温度データ、照度センサ23から出力された照度データ及び湿度センサ24から出力された湿度データ(以下、各センサの出力をまとめてセンサデータと称する)を受信する。センサ装置2とゲートウェイ装置3の間で行われるセンサデータの送受は、有線通信あるいは無線通信により行われる。ゲートウェイ装置3は、データ送信部31を有している。データ送信部31は、センサ装置2から受信したセンサデータを外部に送信可能に構成されている。なお、データ送信部31は、センサ装置2内に設けられる構成としても良い。その場合、センサ装置2は、データ送信部31からセンサデータを送信可能に構成される。
【0045】
管理装置4は、住居200から遠隔した場所に設置される。管理装置4は、データ送信部31から送信されたセンサデータを受信可能に構成されている。
管理装置4は、生成部41を備えている。生成部41は、データ送信部31から送信されるセンサデータを経時的に蓄積し、蓄積したセンサデータに基づいて被管理者100の健康状態を把握するための指標となるマップ(例えば二次元マップ)を生成するように構成されている。二次元マップは、例えば横軸にセンサデータが検知された検知期間の各日が示され、縦軸に検知期間における一日の時刻が示されたグラフとして表わされる。
【0046】
二次元マップには、例えば各日時における居室300での被管理者100の活動量が表示されうる。また、二次元マップには、居室300における被管理者100の活動有無に対応づけられた活動有無以外の情報が表示されうる。活動有無以外の情報としては、例えば被管理者100の活動が検知された居室300に関連する情報が挙げられる。
【0047】
居室に関連する情報には、例えば温度センサ22により検知された居室300の温度データ、照度センサ23により検知された居室300の照度データ、温度センサ22の温度データと湿度センサ24により検知された居室300の湿度データとから算出された暑さ指数データなどの環境情報が含まれる。即ち、二次元マップには、被管理者100が各日時において、どのような温度の居室300内で活動していたかを表示しうる。また、二次元マップには、被管理者100が各日時において、どのような明るさの居室300内で活動していたかを表示しうる。また、二次元マップには、被管理者100が各日時において、どのような暑さ指数の居室300内で活動していたかを表示しうる。
【0048】
管理装置4は、マップ送信部42を備えている。マップ送信部42は、生成部41により生成された二次元マップを端末装置5へ送信可能に構成されている。
【0049】
端末装置5は、管理装置4から送信された二次元マップを受信可能に構成されている。端末装置5は、被管理者100とは異なるオブザーバ150に対して情報を提示可能な装置である。端末装置5は、受信した二次元マップをオブザーバ150に提示する。端末装置5の例としては、携帯情報端末(スマートフォン、タブレット型コンピュータ、ノート型コンピュータなど)、据え置き型のモニタ装置などが挙げられる。端末装置5は、例えばタッチパネル式の液晶画面を備えている。オブザーバ150の例としては、被管理者100の家族を含む血縁関係者、被管理者100のかかり付け医師を含む医療従事者、被管理者100を担当するホームヘルパーを含む介護関係者、被管理者100あるいはその関係者が契約している警備会社、自治体、健康保険事業者などが挙げられる。
【0050】
この構成によれば、遠隔地にいる家族等は、二次元マップを確認することにより、被管理者100の各日時における活動量の他に、被管理者100の活動が検知された居室300の環境情報を知ることができ、被管理者100の健康状態を把握し易くなる。また、二次元マップにより被管理者100の生活リズムの変化を視覚的に把握し易くなる。したがって、家族等は、二次元マップを確認することで、安心して被管理者の日常的な健康状態を見守ることができる。
【0051】
図2に示すように、遠隔健康管理システム1は、複数のセンサ装置2a〜2fを備える構成とされうる。本例においては、被管理者100の住居200は、玄関301、台所302、浴室303、居間304、洗面所/トイレ305、寝室306などの複数の居室を備えている。玄関301にはセンサ装置2aが設置されており、台所302にはセンサ装置2bが設置されており、浴室303にはセンサ装置2cが設置されている。また、居間304にはセンサ装置2dが設置されており、洗面所/トイレ305にはセンサ装置2eが設置されており、寝室306にはセンサ装置2fが設置されている。各センサ装置2a〜2fの機能および動作は、図1を参照して説明したセンサ装置2の機能および動作と同じであるため、繰り返しとなる説明は省略する。
【0052】
複数の居室にセンサ装置が設置された場合、各日時においていずれかのセンサ装置2a〜2fが被管理者100の活動を検知すると、活動が検知された居室のセンサ装置のセンサデータがゲートウェイ装置3に送信されるように構成されている。センサデータには各センサ装置2a〜2fが設置されている各居室を識別可能な識別記号が添付されている。
【0053】
管理装置4の生成部41は、複数のセンサ装置2a〜2fから出力されたセンサデータに基づいて二次元マップを生成する。
【0054】
二次元マップには、例えば各日時において被管理者100の活動が検知された各居室における活動量が表示されうる。また、二次元マップには、上記と同様の被管理者100の活動有無に対応づけられて、活動が検知された居室の温度データ、照度データ、暑さ指数データなどが色や模様等の表示効果に基づいて、データの高低が識別可能に表示されうる。さらに、二次元マップには、被管理者100の活動有無に対応づけられて、被管理者100の活動が検知された居室の場所、即ち、被管理者100が各日時において、どこの居室301〜306で活動していたかについても色や模様等の表示効果に基づいて識別可能に表示されうる。
【0055】
図3図7に示すように、生成部41で生成された二次元マップ51〜55は、被管理者100の活動に対応づけられた各情報が、それらの内容を示す表示効果(例えば、色、模様等)に基づいて識別可能な状態で表示されうる。
【0056】
図3に示す二次元マップ51には、被管理者100の活動が検知された居室の温度データが、居室の温度の高低を識別できるように模様で表示されている。本例では、二次元マップ51における情報の検知期間を一カ月間に設定している。二次元マップ51の横軸には一カ月の検知期間の各日(本例では、8月1日〜8月31日)が示され、縦軸には一日の時刻である0:00〜24:00までが一時間ごとに示されている。なお、図3は、二次元マップ51が端末装置5の液晶画面に表示された状態を示している。
【0057】
二次元マップ51は、検知期間の各日時で区画される複数のグリッド61により構成されている。本例における最小のグリッド61は、縦軸において例えば30分間に区画されている。各グリッド61には、被管理者100の活動が検知された居室の温度が、予め対応づけられている模様62に基づいて表示される。グリッド61が示す時間帯内において居室の温度が変化した場合には、例えば、その時間帯において最も長い期間測定された温度に対応する模様を表示しても良いし、その時間帯の平均温度に対応する模様を表示しても良い。なお、二次元マップ51において、模様が付されていない時間帯63は、生成部41にセンサデータが送信されなかった時間帯、即ち、被管理者100の活動が確認できなかった時間帯を示している。この時間帯の一例として、被管理者100が外出していた時間帯が推測されうる。
【0058】
図3に示す例では、例えば、8月5日の夜〜8月6日の朝までを見ると、8月5日の22:00以降の温度が通常の夜の温度よりも高く、8月6日の夜中3:00頃からいつもの温度に下がっている。これは、エアコンを付けずに就寝して、夜中に寝苦しくてエアコンを動作させたことが推測されうる。また、8月16日の夜〜8月17日の朝、8月21日の夜〜8月22日の朝、8月25日の夜〜8月26日の朝にかけては、居室の温度が通常より高い(28.0〜30.5℃)にもかかわらず朝まで変化していない。これは、寝苦しいにもかかわらずエアコンを付けずに就寝していたことが推測されうる。また、仮に、30.5℃以上であることを示す模様が長い時間帯で表示されていたとすれば、被管理者100が暑い中でエアコンを動作させずに過ごしていた(活動していた)と考えられる。これらのことから、被管理者100が体調を崩している可能性があると推測される他、場合によっては認知症の兆候ではないかと推測されうる。このように、家族等は、二次元マップ51を通じて被管理者の行動パターンや生活リズム等を把握することができ、被管理者100に連絡をとって様子を伺うといった対応が可能になる。
【0059】
図4に示す二次元マップ52には、被管理者100の活動が検知された居室の照度データが、居室の照度の高低(明るい−暗い)を識別できるように模様で表示されている。なお、図4図7において、二次元マップ52〜55の軸表示、グリッドの区画および模様の表示方法などについては図3と同様である。図4図7の二次元マップ52〜55は、図3に示される二次元マップ51と同様に端末装置5の液晶画面に表示されうる。
【0060】
図4に示す例では、例えば、8月4日の夜〜8月5日の朝までを見ると、8月4日の22:00以降の居室の明るさが通常の夜の居室の明るさよりも明るく、8月5日の夜中2:00頃からいつもの明るさに戻っている。これは、照明を付けたまま就寝して、夜中のトイレに起きたときに気づいて照明を消したことが推測されうる。また、8月12日の夜〜8月13日の朝にかけては、気づかず朝まで照明を付けたままにしていたと推測されうる。また、仮に、二次元マップ52において、居室の明るさが夜遅くまで明るい日が長く続いていたとすれば、被管理者100の生活パターンが昼夜逆転している可能性があると推測されうる。また、仮に、夜中に短いグリッドで明るさが変化している時間帯(例えば、8月1日の3:00頃のグリッド61)が数多くあれば、被管理者100が頻繁にトイレに起きていると推測でき、頻尿等を伴う体調の不良を疑いうる。このように、家族等は、二次元マップ52を通じて被管理者の行動パターンや生活リズム等を把握することができ、被管理者100に連絡をとって様子を伺うといった対応が可能になる。
【0061】
図5に示す二次元マップ53には、被管理者100の活動が検知された居室の暑さ指数データが、居室の暑さ指数の高低(不快−快適)を識別できるように模様で表示されている。この例でも、家族等は、被管理者100に連絡をとって様子を伺うといった対応が可能になる。
【0062】
このように、上記図3図5に示す二次元マップ51〜53の構成によれば、遠隔地にいる家族等は、二次元マップ51〜53を通じて、被管理者100の行動パターン、生活リズム等を視覚的に表示された情報から把握することができる。したがって、家族等は、二次元マップ51〜53を見ることで、安心して被管理者100の日常的な健康状態や行動を見守ることができる。
【0063】
また、図6に示す二次元マップ54には、被管理者100の活動が検知された居室の場所が、被管理者100がどこの居室に居たかを識別できるように模様で表示されている。
【0064】
この構成によれば、被管理者100が時間帯ごとに活動していた場所(居間、洗面所/トイレ、台所、寝室、浴室、玄関等)から被管理者100の移動に追従した生活リズムが正確に把握されうる。例えば、被管理者100の就床時間と起床時間、夜中にトイレのために起きた回数、外出する時間帯と回数、食事時間帯等が把握されうる。したがって、遠隔地にいる家族等は、二次元マップ54を確認することで、被管理者100の生活リズムの変化を把握することができ、安心して被管理者100の日常的な健康状態や行動を見守ることができる。
【0065】
図7に示す二次元マップ55には、被管理者100の活動が検知された居室内における被管理者100の活動量が、その活動量の大小を識別できるように模様で表示されている。活動量は、例えば30分単位のグリッドで示される各時間帯において、各居室で検知された被管理者100の活動量を積算することにより決定されうる。また、例えば、活動量は、各グリッドで示される時間帯において被管理者100が最も長い時間活動していた居室の活動量としても良い。あるいは、複数の居室で活動が検知された場合、その中で最も活動量が大きかった居室の活動量としても良い。
【0066】
この構成によれば、二次元マップ55を見ることで、住居200内における被管理者100の移動に追従した活動量の変化を視覚的に容易に把握することができる。したがって、遠隔地にいる家族等は、安心して被管理者100の日常的な健康状態を見守ることができる。
【0067】
二次元マップ51〜55は、選択的に端末装置5の液晶画面に表示されうる。端末装置5の液晶画面上には、表示させる二次元マップを選択するためのマップ切り替えボタン(選択部の一例)71が設けられている(図3参照)。「活動−温度」ボタン71a〜「活動量」ボタン71eのいずれかを選択してタッチすることにより、各ボタンに対応づけられている二次元マップ51〜55を端末装置5に切り替えて表示することができる。
【0068】
この構成によれば、観察したい二次元マップ51〜55を適宜に選択することができので、被管理者100の健康状態が正確に把握されうる。例えば、居室の温度を表示する二次元マップ51と、活動した居室の場所を表示する二次元マップ54とを切り替えて表示できるので、これらの二次元マップを総合的に観察することで、被管理者100の日常的な行動(エアコン利用の有無や頻度等)や生活リズムの変化を把握し易くなる。したがって、遠隔地にいる家族等は、二次元マップを見ることで、被管理者100の認知症の初期症状等を発見しやすくなり、安心して被管理者の日常的な健康状態や行動を見守ることができる。
【0069】
図8に示すように、端末装置5の液晶画面内には、2つの二次元マップ56と57とが例えば上下二段に並設して表示されうる。二次元マップの並設表示は、マップ切り替えボタン71の中の「データ比較」ボタン71fをタッチすることにより行うことができるように構成されている。表示させる2つの二次元マップ56,57は、それぞれボタン71a〜71eの中から選択することができるように構成されている。また、選択表示させた二次元マップ56,57は、スライドボタン72a〜72dをタッチすることにより、任意の検知期間のデータに切り替えて表示できるように構成されている。
【0070】
この構成によれば、並設された二次元マップを比較することにより被管理者100の健康状態が正確に把握されうる。例えば、同じ情報を提示する現在の二次元マップと過去の二次元マップとを並設表示させたり、上記の二次元マップ51〜53,55と二次元マップ54とを並設表示させることができる。このため、並設された二次元マップを一画面上で総合的に観察することができ、被管理者100の日常的な行動や生活リズムの変化を把握し易くなる。したがって、遠隔地にいる家族等は、二次元マップを見ることで、被管理者100の認知症の初期症状等を発見しやすくなり、安心して被管理者の日常的な健康状態や行動を見守ることができる。
【0071】
図9に示すように、遠隔健康管理システム1は、活動量計25を備える構成とされうる。活動量計25は、少なくとも住居200からの外出時において被管理者100により所持されるセンサ装置2Aに装備されている。活動量計25は、被管理者100の身体活動量に対応する活動量データを生成するように構成される。身体活動量の例としては、歩数や中強度運動量が挙げられる。よって、活動量データの例としては、被管理者100が活動量計25を所持している間の歩数や中強度運動量を示すデータが挙げられる。中強度運動量とは、例えば3メッツ以上の強度のある身体活動・運動を1日60分、1週間に23エクササイズ(メッツ×時間)以上行うことである。なお、3メッツ以上の身体活動として、速歩、ジョギング、テニス、水泳等が該当する。
【0072】
この場合、ゲートウェイ装置3は、被管理者100の在宅時における所定のタイミングでセンサ装置2Aから活動量データを含むセンサデータを取得するように構成されうる。また、ゲートウェイ装置3は、センサ装置2Aから取得したセンサデータを管理装置4へ送信するように構成される。管理装置4の生成部41は、センサ装置Aから取得したセンサデータに基づいて、各二次元マップ51〜55における外出時間帯(模様が付されていなかった時間帯63)の模様を生成しても良い。管理装置4のマップ送信部42は、生成された二次元マップを、端末装置5へ送信するように構成される。
【0073】
この構成によれば、被管理者100の在宅時のみならず、外出時まで含めた二次元マップをオブザーバ150に伝達できる。したがって、遠隔地にいるオブザーバ150は、被管理者100の生活リズムや環境状況等をより正確に確認することができ、安心して被管理者100の日常的な健康状態を見守ることができる。
【0074】
管理装置4のマップ送信部42は、活動信号の出力に基づいて被管理者100の健康状態が正常でないと把握される場合、端末装置5へアラーム信号と二次元マップとを送信するように構成されうる。例えば、住居200内における総合的な活動量がある程度低下している場合、被管理者100が体調を崩している事態が推定される。また、例えば、浴室303やトイレ305など特定の居室に設置したセンサ装置からの活動信号の出力継続時間が通常想定される値を大きく上回っている(所定の閾値を超えている)場合、被管理者100が浴室303やトイレ305内で転倒したり発作を起こしたりして動けなくなっている事態が推定される。このような場合にアラーム信号に添付して二次元マップが端末装置5へ送信されることにより、被管理者100が体調を崩している可能性を正確にオブザーバ150に報知できる。
【0075】
この構成によれば、遠隔地にいるオブザーバ150は、添付されている二次元マップを見て被管理者100の活動の変化などを正確に把握でき、緊急事態や病気の発症を未然に防ぐための対応をとることができる。
【0076】
上記の実施形態は本発明の理解を容易にするためのものであって、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく変更・改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは明らかである。
【0077】
例えば、マップは、センサデータを取得した期間の各日を第一軸に示し、取得期間における一日の時刻を第二軸に示し、活動量を第三軸に示す三次元のマップとしても良い。また、例えば、マップに示される検知期間は、一カ月に限定されず、例えば一週間、二週間等でも良い。また、グリッドの最小単位は、30分間に限定されず、例えば5分間、15分間等でも良い。これらは、オブザーバ150の選択により切り替えることができるように構成されうる。また、表示効果については、色や模様に限らず、視覚的に識別可能な表示形態であれば、本発明の表示効果の概念に含まれうる。
【符号の説明】
【0078】
1:遠隔健康管理システム、2,2a〜2f:センサ装置、3:ゲートウェイ装置、4:管理装置、5:端末装置、21:活動検知センサ、22:温度センサ、23:照度センサ、24:湿度センサ、31:データ送信部、41:生成部、42:マップ送信部、61:グリッド、71:マップ切り替えボタン(選択部の一例)、200:住居、300〜306:居室
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9