【文献】
vivo,Remaining aspects on NR-PBCH contents and payload,3GPP TSG RAN WG1 Meeting #91 R1-1719757,2017年,Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_91/Docs/R1-1719757.zip>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
異なる種類の複数の同期信号ブロック(91)を時間軸上に第1の配置パターン(95)で含む同期信号ブロックグループ(92)が時間軸上に第2の配置パターン(96)で配置されているフレーム(90)の先頭位置(93)を検出するフレーム同期装置(30)であって、
前記フレーム同期装置への入力信号(c)から前記同期信号ブロックの1つを検出する検出部(50)と、
前記第1及び第2の配置パターンに基づいて、前記検出部が検出した種類の同期信号ブロックの時間軸上の次の候補位置を設定する設定部(60)と、
前記次の候補位置が設定されるごとに、前記入力信号における前記次の候補位置の信号ブロックが前記検出した種類の同期信号ブロックと同一であるか否かを判定する判定部(70)と、
前記判定部により前記次の候補位置の信号ブロックが前記検出した種類の同期信号ブロックと同一でないと判定されたとき、前記第1及び第2の配置パターンに基づいてフレームの先頭位置を特定する先頭位置特定部(32)と、
を備えたことを特徴とするフレーム同期装置。
前記入力信号における時間軸上の位置を示す位置データを格納する記憶部(31)をさらに含み、前記記憶部は、前記判定部により前記次の候補位置の信号ブロックが前記検出した種類の同期信号ブロックと同一であると判定されたとき、前記次の候補位置を示す位置データで記憶内容を更新し、
前記先頭位置特定部は、前記判定部により前記次の候補位置の信号ブロックが前記検出した種類の同期信号ブロックと同一でないと判定されたとき、前記記憶部に格納された位置データに基づいてフレームの先頭位置を特定することを特徴とする請求項1に記載のフレーム同期装置。
前記設定部が設定した前記次の候補位置が複数ある場合、前記先頭位置特定部は、前記判定部により前記次の候補位置全ての信号ブロックが前記検出した種類の同期信号ブロックと同一でないと判定されたとき、前記第1及び第2の配置パターンに基づいてフレームの先頭位置を特定することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のフレーム同期装置。
異なる種類の複数の同期信号ブロック(91)を時間軸上に第1の配置パターン(95)で含む同期信号ブロックグループ(92)が時間軸上に第2の配置パターン(96)で配置されているフレーム(90)の先頭位置(93)を検出するフレーム同期方法であって、
入力信号(c)から前記同期信号ブロックの1つを検出する検出ステップ(S17)と、
前記第1及び第2の配置パターンに基づいて、前記検出ステップで検出した種類の同期信号ブロックの時間軸上の次の候補位置を設定する設定ステップ(S19)と、
前記次の候補位置が設定されるごとに、前記入力信号における前記次の候補位置の信号ブロックが前記検出した種類の同期信号ブロックと同一であるか否かを判定する判定ステップ(S22)と、
前記判定ステップにより前記次の候補位置の信号ブロックが前記検出した種類の同期信号ブロックと同一でないと判定されたとき、前記第1及び第2の配置パターンに基づいてフレームの先頭位置を特定する先頭位置特定ステップ(S24)と、
を備えたことを特徴とするフレーム同期方法。
前記入力信号における時間軸上の位置を示す位置データを格納する記憶ステップ(S18)をさらに含み、前記記憶ステップでは、前記判定ステップにより前記次の候補位置の信号ブロックが前記検出した種類の同期信号ブロックと同一であると判定されたとき、前記次の候補位置を示す位置データで記憶内容を更新し、
前記先頭位置特定ステップは、前記判定ステップにより前記次の候補位置の信号ブロックが前記検出した種類の同期信号ブロックと同一でないと判定されたとき、前記記憶ステップで格納された位置データに基づいてフレームの先頭位置を特定することを特徴とする請求項7に記載のフレーム同期方法。
前記設定ステップで設定した前記次の候補位置が複数ある場合、前記先頭位置特定ステップは、前記判定ステップにより前記次の候補位置全ての信号ブロックが前記検出した種類の同期信号ブロックと同一でないと判定されたとき、前記第1及び第2の配置パターンに基づいてフレームの先頭位置を特定する(S23、S24)ことを特徴とする請求項7〜10のいずれか1項に記載のフレーム同期方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来のフレーム同期方法は、LTE(Long Term Evolution)/LTE−Advancedの規格に準拠したフレームには適用できるが、次世代の5G NR(5th Generation New Radio)規格に準拠したフレームには適用することができない。5G NRに準拠したフレームに対して、従来の構成では、チャンネルデコーデングやシグナリング解析などの処理を行わなければならず、装置の構成が複雑化したり、処理ステップが増大してしまうという課題があった。
【0006】
本発明は、従来の課題を解決するためになされたものであり、簡単な構成で5G NRの規格に準拠したフレームに対してもその先頭位置を迅速に検出することができるフレーム同期装置及びそれを備えた信号解析装置並びにフレーム同期方法及び信号解析方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の請求項1に係るフレーム同期装置は、異なる種類の複数の同期信号ブロック(91)を時間軸上に第1の配置パターン(95)で含む同期信号ブロックグループ(92)が時間軸上に第2の配置パターン(96)で配置されているフレーム(90)の先頭位置(93)を検出するフレーム同期装置(30)であって、前記フレーム同期装置への入力信号(c)から前記同期信号ブロックの1つを検出する検出部(50)と、前記第1及び第2の配置パターンに基づいて、前記検出部が検出した種類の同期信号ブロックの時間軸上の次の候補位置を設定する設定部(60)と、前記次の候補位置が設定されるごとに、前記入力信号における前記次の候補位置の信号ブロックが前記検出した種類の同期信号ブロックと同一であるか否かを判定する判定部(70)と、前記判定部により前記次の候補位置の信号ブロックが前記検出した種類の同期信号ブロックと同一でないと判定されたとき、前記第1及び第2の配置パターンに基づいてフレームの先頭位置を特定する先頭位置特定部(
32)と、を備えたことを特徴としている。
【0008】
この構成により、本発明の請求項1に係るフレーム同期装置は、第1及び第2の配置パターンに基づいて次の候補位置を順次設定し、次の候補位置の信号ブロックが当初に検出した種類の同期信号ブロックと同一か否かを判定していく。判定する候補位置を第1及び第2の配置パターンにより限定できるので、処理ステップを低減することができる。
【0009】
また、次の候補位置の信号ブロックが当初検出した種類の同期信号ブロックと同一でなくなった時に、当該信号ブロックが最後の同期信号ブロックグループから外れたことが分かる。これにより、第2の配置パターンにける最後の同期信号ブロックグループに存在する同期信号ブロックを容易に特定することができる。したがって、簡単な構成で5G NR規格に準拠したフレームの先頭位置を物理層レベルで迅速に検出することができる。
【0010】
本発明の請求項2に係るフレーム同期装置は、前記入力信号における時間軸上の位置を示す位置データを格納する記憶部(31)をさらに含み、前記記憶部は、前記判定部により前記次の候補位置の信号ブロックが前記検出した種類の同期信号ブロックと同一であると判定されたとき、前記次の候補位置を示す位置データで記憶内容を更新し、前記先頭位置特定部は、前記判定部により前記次の候補位置の信号ブロックが前記検出した種類の同期信号ブロックと同一でないと判定されたとき、前記記憶部に格納された位置データに基づいてフレームの先頭位置を特定している。
【0011】
この構成により、本発明の請求項2に係るフレーム同期装置は、判定部により次の候補位置の信号ブロックが当初検出した種類の同期信号ブロックと同一でないと判定されたとき、記憶部に格納された位置データが、第2の配置パターンの最後尾の同期信号ブロックグループに属する同期信号ブロックの位置を示していることが分かる。これにより、簡単な構成で5G NR規格に準拠したフレームの先頭位置を物理層レベルで迅速に検出することができる。
【0012】
本発明の請求項3に係るフレーム同期装置では、前記判定部は、前記次の候補位置の信号ブロックに含まれるシンボルと、前記検出した種類の同期信号ブロックに含まれ且つ前記種類を特定する同期シンボル(94)との相関値を算出する相関値算出手段(72)と、前記相関値と所定の閾値を比較する比較手段(74)と、を備えている。
【0013】
この構成により、本発明の請求項3に係るフレーム同期装置は、同期信号ブロックの全部ではなく、それに含まれる1つの同期シンボルについて相関処理を行えばよいので、処理負荷を低減することができる。
【0014】
本発明の請求項4に係るフレーム同期装置では、前記設
定部は、前記第2の配置パターンにより定まる同期信号ブロックグループの間隔に基づいて次の候補位置を設定している。
【0015】
この構成により、本発明の請求項4に係るフレーム同期装置は、次の候補位置を容易に設定することができるので、処理負荷を低減することができる。
【0016】
本発明の請求項5に係るフレーム同期装置では、前記設定部が設定した前記次の候補位置が複数ある場合、前記先頭位置特定部は、前記判定部により前記次の候補位置全ての信号ブロックが前記検出した種類の同期信号ブロックと同一でないと判定されたとき、前記第1及び第2の配置パターンに基づいてフレームの先頭位置を特定する構成を有している。
【0017】
この構成により、本発明の請求項5に係るフレーム同期装置は、次の候補位置が複数ある場合であっても、フレームの先頭位置を確実に検出することができる。
【0018】
本発明の請求項6に係る信号解析装置では、請求項1〜5のいずれか1項に記載のフレーム同期装置(30)を備え、フレーム(90)を含む入力信号(a)の信号特性を解析する信号解析装置(10)であって、前記入力信号をベースバンド信号にダウンコンバートするダウンコンバータ(21)と、ダウンコンバートされた前記ベースバンド信号をサンプリングしてデジタル信号に変換するアナログ・デジタル変換部(22)と、前記デジタル信号にFFT処理を行ってFFT処理信号を出力するFFT処理部(81)と、前記フレーム同期装置が前記FFT処理信号から検出した前記フレームの先頭位置に基づいて前記FFT処理信号を復調して復調信号を出力する復調部(82)と、出力された前記復調信号の信号特性を解析する解析部(83)と、を備えたことを特徴としている。
【0019】
この構成により、本発明の請求項6に係る信号解析装置は、フレーム同期装置を備えているので、簡単な構成で5G NR規格に準拠したフレームの先頭位置を迅速に検出することができる。
【0020】
本発明の請求項7に係るフレーム同期方法では、異なる種類の複数の同期信号ブロック(91)を時間軸上に第1の配置パターン(95)で含む同期信号ブロックグループ(92)が時間軸上に第2の配置パターン(96)で配置されているフレーム(90)の先頭位置(93)を検出するフレーム同期方法であって、入力信号(c)から前記同期信号ブロックの1つを検出する検出ステップ(S17)と、前記第1及び第2の配置パターンに基づいて、前記検出ステップで検出した種類の同期信号ブロックの時間軸上の次の候補位置を設定する設定ステップ(S19)と、前記次の候補位置が設定されるごとに、前記入力信号における前記次の候補位置の信号ブロックが前記検出した種類の同期信号ブロックと同一であるか否かを判定する判定ステップ(S22)と、前記判定ステップにより前記次の候補位置の信号ブロックが前記検出した種類の同期信号ブロックと同一でないと判定されたとき、前記第1及び第2の配置パターンに基づいてフレームの先頭位置を特定する先頭位置特定ステップ(S24)と、を備えたことを特徴としている。
【0021】
この構成により、本発明の請求項7に係るフレーム同期方法は、第1及び第2の配置パターンに基づいて次の候補位置を順次設定し、次の候補位置の信号ブロックが当初に検出した種類の同期信号ブロックと同一か否かを判定していく。判定する候補位置を第1及び第2の配置パターンにより限定できるので、処理ステップを低減することができる。したがって、簡単な構成で5G NR規格に準拠したフレームの先頭位置を物理層レベルで迅速に検出することができる。
【0022】
本発明の請求項8に係るフレーム同期方法では、前記入力信号における時間軸上の位置を示す位置データを格納する記憶ステップ(S18)をさらに含み、前記記憶ステップでは、前記判定ステップにより前記次の候補位置の信号ブロックが前記検出した種類の同期信号ブロックと同一であると判定されたとき、前記次の候補位置を示す位置データで記憶内容を更新し、前記先頭位置特定ステップは、前記判定ステップにより前記次の候補位置の信号ブロックが前記検出した種類の同期信号ブロックと同一でないと判定されたとき、前記記憶ステップで格納された位置データに基づいてフレームの先頭位置を特定している。
【0023】
この構成により、本発明の請求項8に係るフレーム同期方法は、判定ステップにより次の候補位置の信号ブロックが当初検出した種類の同期信号ブロックと同一でないと判定されたとき、記憶部に格納された位置データが、第2の配置パターンの最後尾の同期信号ブロックグループに属する信号ブロックの位置を示していることが分かる。これにより、簡単な構成で5G NR規格に準拠したフレームの先頭位置を物理層レベルで迅速に検出することができる。
【0024】
本発明の請求項9に係るフレーム同期方法では、前記判定ステップは、前記次の候補位置の信号ブロックに含まれるシンボルと前記検出した種類の同期信号ブロックに含まれる同期シンボルの相関値を算出する相関値算出ステップ(S21)と、前記相関値と所定の閾値を比較する比較ステップ(S22)と、を備えている。
【0025】
この構成により、本発明の請求項9に係るフレーム同期方法は、同期信号ブロックの全部ではなく、それに含まれる1つの同期シンボルについて相関処理を行えばよいので、処理負荷を低減することができる。
【0026】
本発明の請求項10に係るフレーム同期方法では、前記設
定ステップは、前記第2の配置パターンにより定まる同期信号ブロックグループの間隔に基づいて次の候補位置を設定している。
【0027】
この構成により、本発明の請求項10に係るフレーム同期方法は、次の候補位置を容易に設定することができるので、処理負荷を低減することができる。
【0028】
本発明の請求項11に係るフレーム同期方法では、前記設定ステップで設定した前記次の候補位置が複数ある場合、前記先頭位置特定ステップは、前記判定ステップにより前記次の候補位置全ての信号ブロックが前記検出した種類の同期信号ブロックと同一でないと判定されたとき、前記第1及び第2の配置パターンに基づいてフレームの先頭位置を特定する(S23、S24)構成を有している。
【0029】
この構成により、本発明の請求項11に係るフレーム同期方法は、次の候補位置が複数ある場合であっても、フレームの先頭位置を確実に検出することができる。
【0030】
本発明の請求項12に係る信号解析方法は、請求項7〜11のいずれか1項に記載のフレーム同期方法を備え、フレーム(90)を含む入力信号(a)の信号特性を解析する信号解析方法であって、前記入力信号をベースバンド信号にダウンコンバートするダウンコンバートステップ(S11)と、ダウンコンバートされた前記ベースバンド信号をサンプリングしてデジタル信号に変換するアナログ・デジタル変換ステップ(S12)と、前記デジタル信号にFFT処理を行ってFFT処理信号を出力するFFT処理ステップ(S16)と、前記フレーム同期
方法において入力信号(c)としての前記FFT処理信号から
特定した前記フレームの先頭位置に基づいて
、前記FFT処理信号を復調して復調信号を出力する復調ステップ(S25)と、出力された前記復調信号の信号特性を解析する解析ステップ(S26)と、を備えたことを特徴としている。
【0031】
この構成により、本発明の請求項12に係る信号解析方法は、フレーム同期方法を含んでいるので、簡単な構成で5G NR規格に準拠したフレームの先頭位置を迅速に検出することができる。
【発明の効果】
【0032】
本発明によれば、簡単な構成で5G NR規格に準拠したフレームに対してもその先頭位置を迅速に検出することができるフレーム同期装置及びそれを備えた信号解析装置並びにフレーム同期方法及び信号解析方法を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0034】
本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
以下では、例として、5G NR規格に準拠してOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing:直交周波数分割多重)信号を出力する被測定装置(DUT:Device Under Test)について、その信号特性を解析する本実施形態の信号解析装置を説明する。
【0035】
[信号解析装置]
図1に示すように、本実施形態に係る信号解析装置10は、DUT1から入力する入力信号aの信号特性を解析するものであり、受信部20、フレーム同期装置30、信号処理部80、及び表示部11を備えている。この入力信号aは、OFDM信号である。
【0036】
受信部20は、DUT1からアンテナを介して、或いは、有線で入力信号aを受信するものであり、ダウンコンバータ21及びADC(アナログ・デジタル変換器)22を備えている。
【0037】
ダウンコンバータ21は、DUT1から入力した入力信号aをベースバンドの信号に周波数変換し、ADC22に出力するようになっている。
【0038】
ADC22は、ダウンコンバータ21が周波数変換した信号をサンプリングしてアナログ値からデジタル値に変換し、得られたデジタル信号bを信号処理部80及び前処理部40に出力するようになっている。
【0039】
信号処理部80は、受信部20が出力したデジタル信号bに各種デジタル信号処理を施し、入力信号aの信号特性を解析するものであり、FFT(高速フーリエ変換)処理部81、サブキャリア復調部82、及び信号解析部83を備えている。
【0040】
FFT処理部81は、ADC22が変換したデジタル信号bに対し、高速フーリエ変換を行ってFFT処理信号cを取得し、フレーム同期装置30及びサブキャリア復調部82に出力するようになっている。
【0041】
フレーム同期装置30は、FFT処理部81が出力したFFT処理信号cに含まれるフレームの先頭位置を検出し、検出したフレームの先頭位置を示す先頭位置検出信号dをサブキャリア復調部82に出力するようになっている。このフレーム同期装置30の詳細な構成については後述する。なお、FFT処理信号cは、フレーム同期装置30の入力信号である。
【0042】
サブキャリア復調部82は、FFT処理部81が出力したFFT処理信号cと、フレーム同期装置30が出力した先頭位置検出信号dを入力するようになっている。そして、サブキャリア復調部82は、先頭位置検出信号dに基づいて、FFT処理信号cをサブキャリア毎に復調して復調信号eを生成し、信号解析部83に出力するようになっている。
【0043】
信号解析部83は、サブキャリア復調部82によって復調された復調信号eに対して、例えば、周波数エラー、タイミングエラー、EVM(Error Vector Magnitude)、送信パワー、コンスタレーション等を測定、解析するように構成されている。信号解析部83は解析部の一例である。
【0044】
表示部11は、信号解析部83により得られた解析結果のデータやグラフ等を表示するようになっている。
【0045】
[フレーム構成]
次に、入力信号cに含まれるフレームの構成について説明する。
【0046】
図2は、フレームの構成、及びフレーム内での同期信号ブロック(以下、SS(Synchronization Signal)ブロックともいう)の配置パターンを示す。
図2に示すように、1つのフレームは10個のサブフレームから構成され、8個のフレームにより1つのTTI(Transmission Time Interval)が構成されている。フレーム周期は10msである。
【0047】
また、2フレームごとに1つのSSバーストセットが、配置されている。すなわち、SSバースト周期は、フレーム周期の2倍である(20ms)。1つのSSバーストセットには、L個のSSブロックが含まれている。SSブロックの個数Lは最大64である。1つのSSバーストセット内の各SSブロックには、時間軸上の先頭のSSブロックから順に0,1,2,・・・,63(L=64の場合)のように、SSブロックインデックスが付与されている。1つのSSブロックは、PSS−PBCH−SSS−PBCHシンボルで構成されている。
【0048】
フレーム内の各シンボルは、時間軸上の配置順に付与されたシンボル番号により識別される。よって、フレーム内の時間軸上の位置は、シンボル番号により指定することができる。
【0049】
SSブロックの時間軸上の配置パターンは、サブキャリア間隔に依存して個別に定められている。例えば、サブキャリア間隔が120kHzの場合、SSブロックの先頭のシンボル番号は、次式で示される(L=64の場合)。
{4,8,16,20}+28*n
ここで、n=0,1,2,3,5,6,7,8,10,11,12,13,15,16,17,18
【0050】
具体的には、サブキャリア間隔が120kHzの場合、SSブロックの先頭シンボル(PSS)のシンボル番号は、4,8,16,20,32,36,44,48,・・・,480,484,492,496,508,512,520,524である。
【0051】
図3は、サブキャリア間隔が240kHzの場合におけるSSブロックの配置パターンを示している(L=64の場合)。SSブロックの先頭のシンボル番号は、次式で示される。
{8,12,16,20,32,36,40,44}+56*n
ここで、n=0,1,2,3,5,6,7,8
【0052】
具体的には、サブキャリア間隔が240kHzの場合、SSブロックの先頭シンボル(PSS)のシンボル番号は、8,12,16,20,32,36,40,44,・・・,456,460,464,468,480,484,488,492である。
【0053】
FFT処理部81から出力されるFFT処理信号cは、周波数軸上にサブキャリア数Nと同じ個数の成分データを含んでいる。
【0054】
図4は、無線リソースにおけるSSブロックの配置パターンを部分的に抽出して示す説明図である。PSSは、シンボル番号nのリソースブロック4〜15に配置され、SSSは、シンボル番号n+2のリソースブロック4〜15に配置されている。PBCHは、シンボル番号n+1及びn+3のリソースブロック0〜19、シンボル番号n+2のリソースブロック0〜3及び16〜19に配置されている。各リソースブロックは、12個のリソースエレメントから構成されている。
図4に示すように、PBCHのリソースブロックには、DMRS(DeModulation Reference Signal)のリソースエレメントが含まれている。
【0055】
SSブロックを構成するPSS、SSS、PBCHは、それぞれ、所定の規則で定められた擬似ランダム系列のシーケンスデータからなる。1つのSSバーストセット内の64個のSSブロックに含まれるPSSは、すべて、周波数軸上で同じデータシーケンスである。また、1つのSSバーストセット内の64個のSSブロックに含まれるSSSは、すべて、周波数軸上で同じデータシーケンスである。
【0056】
一方、1つのSSバーストセット内の64個のSSブロックに含まれるPBCHは、周波数軸上で8種類のデータシーケンスを有している。すなわち、SSバーストセットには、PBCHによって識別可能な8種類のSSブロックが存在している。本実施形態では、SSブロックの2番目のシンボルであるPBCHシンボル(
図4のシンボル番号n+1)を「同期シンボル」として用いる。同期シンボルとして、SSブロックの4番目のシンボルであるPBCHシンボル(シンボル番号n+3)を採用してもよい。
【0057】
次に、SSブロックの時間軸上の配置パターンについて説明する。
【0058】
図5は、1つのSSバーストセット内の64個のSSブロック(SSブロックインデックス:0,1,2,・・・,63)について、配置パターンの特徴を示している。
【0059】
各SSブロックには、SSブロックの種類の示すSSブロックタイムインデックス(0,1,2,3,4,5,6,7)が対応付けられている。
【0060】
また、SSブロックタイムインデックスが0〜7である8つのSSブロックを、1つのSSブロックグループとして扱う。SSブロックグループは、SSブロックグループ番号(1,2,3,4,5,6,7,8)によって識別される。
【0061】
具体的には、SSブロックグループ番号1は、SSブロックインデックスが{0,1,2,3,4,5,6,7}のSSブロックの集合を示している。SSブロックグループ番号2は、SSブロックインデックスが{8,9,10,11,12,13,14,15}のSSブロックの集合を示している。同様にして、各SSブロックグループ番号に対して、SSブロックの集合が対応している。
【0062】
SSブロックタイムインデックスとSSブロックインデックスとには、次の関係が成り立つ。
SSブロックタイムインデックス=(SSブロックインデックス mod 8)
mod演算子は、SSブロックインデックスを8で割った剰余を求める演算子である。
【0063】
配置パターンとは、SSブロックやSSブロックグループをフレームにおいて時間軸上に配置し得る位置を示す情報であり、時間軸上の位置はシンボル番号により指定することができる。すなわち、配置パターンは、SSブロックインデックスとシンボル番号との対応関係を示すものである。本実施形態では、SSブロックタイムインデックス0〜7で識別される8種類のSSブロックが、時間軸上に第1の配置パターン95で配置されている。また、SSブロックグループ番号1〜8で識別される8個のSSブロックグループが、時間軸上に第2の配置パターン96で配置されている。
【0064】
[フレーム同期装置]
次に、フレーム同期装置30の構成について説明する。
【0065】
フレーム同期装置30は、入力信号からフレームの先頭位置を検出するものであり、前処理部40、検出部50、設定部60、判定部70、先頭位置特定部32、及び基準位置記憶部31を備えている。
【0066】
基準位置記憶部31は、フレーム内の時間軸上の基準位置を格納するものである。基準位置記憶部31は記憶部の一例である。
【0067】
前処理部40は、セクターID検出部41、セルIDグループ検出部42、及び参照シンボル生成部43を備えている。
【0068】
セクターID検出部41は、ADC22からのデジタル信号bからスライディング相関によりPSSを検出し、セクターIDを取得するようになっている。セルIDグループ検出部42は、ADC22からのデジタル信号bからスライディング相関によりSSSを検出し、セルIDグループを取得するようになっている。
【0069】
参照シンボル生成部43は、セクターIDとセルIDグループからセルIDを算出し、セルIDの情報に基づいて、参照シンボル信号を生成するようになっている。参照シンボル信号をFFT処理して得られた参照シンボルデータが、第1参照シンボル記憶部51及び第2参照シンボル記憶部71に出力される。参照シンボルデータは、SSブロック内の2番目のシンボルであるPBCHシンボル(同期シンボル)の理想データである。
【0070】
検出部50は、入力信号cから参照シンボル(同期シンボル)を検出し、SSブロックタイムインデックスを取得するよう構成されている。具体的には、検出部50は、第1参照シンボル記憶部51、第1相関値算出部52、第1閾値記憶部53、第1比較部54、及び次シンボル設定部55を備えている。
【0071】
第1参照シンボル記憶部51は、参照シンボル生成部43が生成した参照シンボルデータを格納するようになっている。参照シンボルは、同期シンボルと同一である。
【0072】
基準位置記憶部31には、予め時間軸上の初期の位置のデータが格納されている。位置のデータは、入力信号cの時間軸上の所定の開始位置からのシンボルの通し番号であるシンボル番号により指定される。
【0073】
第1相関値算出部52は、基準位置記憶部31に格納された時間軸上の位置(「基準位置」という)のシンボルデータ(信号ブロック)と、第1参照シンボル記憶部51に格納された参照シンボルデータ(同期信号ブロック)の相関値を算出するようになっている。
【0074】
第1閾値記憶部53は、基準位置のシンボルデータが参照シンボルデータに一致するか否かを決めるための閾値を格納するようになっている。閾値記憶部53に格納される閾値は、例えば、実験やシミュレーションによって求められたものであり、振幅値(パワー)で示される。
【0075】
第1比較部54は、第1相関値算出部52が算出した相関値と、第1閾値記憶部53に格納された閾値を対比し、基準位置のシンボルデータが、参照シンボルデータ(すなわち同期シンボル)と同一であるか否かを判定する。
【0076】
次シンボル設定部55は、第1比較部54で基準位置のシンボルデータが参照シンボルデータと同一でないと判定された場合に、入力信号cにおける基準位置の次の位置のシンボルデータを取得すると共に、その位置を基準位置として基準位置記憶部31の記憶内容を更新する。すなわち、入力信号cのシンボルデータを時間軸上で1シンボル分だけシフトさせる。
【0077】
上記構成により、検出部50は、入力信号cに含まれるシンボルデータと参照シンボルデータをスライディング相関し、参照シンボル(同期シンボル)を検出するようになっている。
【0078】
設定部60は、次候補位置設定部61と配置パターン記憶部62を備えている。次候補位置設定部61は、SSブロックの第1及び第2の配置パターンに基づいて、基準位置記憶部31に格納された基準位置の次の候補位置(次候補位置ともいう)を設定するようになっている。次の候補位置とは、基準位置にSSブロックが存在している場合に、SSブロックが次に存在する可能性のある位置である。次の候補位置は、複数存在し得る。
【0079】
配置パターン記憶部62は、SSブロックの時間軸上の第1及び第2の配置パターンを示す情報を格納するようになっている。
【0080】
判定部70は、基準位置のシンボルデータ(信号ブロック)が最後のSSブロックグループに属しているか否かを判定するように構成されている。具体的には、判定部70は、第2参照シンボル記憶部71、第2相関値算出部72、第2閾値記憶部73、及び第2比較部74を備えている。
【0081】
第2参照シンボル記憶部71は、参照シンボル生成部43が生成した参照シンボルデータを格納するようになっている。
【0082】
第2相関値算出部72は、入力信号cにおける次の候補位置のシンボルデータと、第2参照シンボル記憶部71に格納された参照シンボルデータの相関値を算出するようになっている。第2相関値算出部72は、相関値算出手段に対応している。
【0083】
第2閾値記憶部73は、基準位置のシンボルデータが参照シンボルデータに一致するか否かを決めるための閾値を格納するようになっている。
【0084】
第2比較部74は、第2相関値算出部72が算出した相関値と、第2閾値記憶部73に格納された閾値を対比し、次の候補位置のシンボルデータが、参照シンボルデータと同一であるか否かを判定する。次の候補位置のシンボルデータが、参照シンボルデータと同一であると判定された場合には、次の候補位置を基準位置として基準位置記憶部31の記憶内容を更新する。第2比較部74は比較手段に対応している。
【0085】
先頭位置特定部80は、判定部70により次の候補位置のシンボルデータが参照シンボルデータと同一ではないと判定された場合に、現在の基準位置のシンボルデータ(信号ブロック)が、最後のSSブロックグループに属していると判断し、第1及び第2の配置パターンの情報を基に、フレームの先頭位置を特定するようになっている。フレームの先頭位置の情報は、先頭位置検出信号dとしてサブキャリア復調部82に送られる。
【0086】
次に、次候補位置の取得方法及びフレームの先頭位置の特定方法について、
図5を参照して具体的に説明する。
【0087】
図5において、横方向のSSブロックタイムインデックスの時間軸上の配置パターンが第1の配置パターン95であり、縦方向のSSブロックグループの時間軸上の配置パターンが第2の配置パターン96である。
【0088】
具体的には、
図5において、例えば、検出部50により基準位置のSSブロックのSSブロックタイムインデックスが3であることが検出された場合を考える。このとき、基準位置のSSブロックは、SSブロックインデックスが3,11,19,27,35,43,51,59のいずれかの可能性がある。すなわち、基準位置のSSブロックがいずれのSSブロックグループに属するのか不明である。そこで、SSブロックグループの時間軸上の配置を示す第2の配置パターンの情報から、可能性のある次の候補位置を取得する。
【0089】
例えば、検出部50で検出したSSブロックのSSブロックインデックスが3であれば、次の候補位置は、SSブロック11(SSブロックインデックスが11のSSブロック)が存在し得る時間軸上の位置である。
【0090】
次いで、SSブロック11が最後のSSブロックグループ8に属するか否かを判定する。SSブロック11はSSブロックグループ2に属するので、判定結果は否である。この場合には、次の候補位置を取得する。次の候補位置はSSブロック19が存在可能な位置である。
【0091】
上記操作を繰り返し、SSブロック59までくると、次の候補位置に参照シンボルは存在せず、SSブロック59が最後のSSブロックグループ8に属すると判断される。配置パターンの情報から、SSブロック59のシンボル番号が取得できるので、フレームの先頭位置(先頭シンボル)を知ることができる。
【0092】
図6は、本実施形態に係るフレーム同期装置30のハードウエア構成を示すブロック図である。フレーム同期装置30は、CPU101、ROM102、RAM103、I/Oインタフェース104等を含んだコンピュータにより構成されている。RAM103を作業領域として用い、ROM102に格納されたプログラムをCPU101が実行することにより、コンピュータにフレーム同期装置30の各部の機能を実行させることができる。フレーム同期装置30は、信号解析装置10に一体的に組み込まれてコンピュータを共用する構成であってもよい。また、フレーム同期装置30は、信号解析装置10のコンピュータにインストールするアプリケーションソフトウェア(プログラム)であってもよい。
【0093】
次に、本実施形態における信号解析装置10の動作について
図7を参照して説明する。
図7は、本実施形態におけるフレーム同期方法及び信号解析方法を説明するためのフローチャートである。
【0094】
ダウンコンバータ21は、DUT1から入力した入力信号aをベースバンドの信号にダウンコンバートする(ステップS11)。ADC22は、ダウンコンバートされた信号をアナログ値からデジタル値に変換する(ステップS12)。この変換で得られたデジタル信号bは、信号処理部80と前処理部40に出力される。
【0095】
セクターID検出部41は、ADC22が出力したデジタル信号bからスライディング相関によりPSSを検出し、セクターIDを取得する(ステップS13)。セクターIDは、セル内のセクターを識別するIDである。
【0096】
セルIDグループ検出部42は、ADC22が出力したデジタル信号bからスライディング相関によりSSSを検出し、セルIDグループ情報を取得する(ステップS14)。セルIDグループ情報は、セルIDグループを識別する情報である。
【0097】
参照シンボル生成部43は、セクターID及びセルIDグループの情報に基づいてセルIDを取得し、SSブロック内の2番目のシンボルであるPBCHシンボルの理想のデータである参照シンボルデータを生成する(ステップS15)。参照シンボルデータは、第1参照シンボル記憶部51及び第2参照シンボル記憶部71にそれぞれ格納される。
【0098】
一方、FFT処理部81は、ADC22が出力したデジタル信号bに対してFFT処理を行う(ステップS16)。FFT処理で得られたFFT処理信号cは、検出部50に送られる。このFFT処理信号cは、フレーム同期装置30の入力信号である。
【0099】
検出部50は、FFT処理信号cからSSブロックタイムインデックスを検出する(ステップS17)。SSブロックタイムインデックスは、SSブロックの種類を示すインデックスである。
【0100】
具体的には、第1相関値算出部52は、FFT処理信号cから基準位置記憶部31に格納された基準位置のシンボルデータを取得し、第1参照シンボル記憶部51に格納された参照シンボルデータとの相関値を算出する。
【0101】
次いで、第1比較部54は、第1相関値算出部52が算出した相関値を、第1閾値記憶部53に格納された閾値と比較する。相関値が閾値を超えたとき、基準位置に参照シンボルと同一のシンボルが存在していると判断し、判定部70に通知する。一方、相関値が閾値以下のとき、基準位置に参照シンボルと同一のシンボルが存在していないと判断し、次シンボル設定部55に通知する。
【0102】
次シンボル設定部55は、時間軸上の基準位置から次の位置に存在するシンボルデータを取得する。そして、再度、第1相関値算出器52が、次シンボル設定部55が取得したシンボルデータと参照シンボルデータの相関値を算出し、第1比較部54において閾値との対比を行う。相関値が閾値を超えるまで、上記操作を繰り返し、参照シンボルを検出する。参照シンボルは、SSブロックタイムインデックスと対応関係にあるので、SSブロックタイムインデックスを特定することができる。SSブロックタイムインデックスが検出されると、第1比較部54は、設定部60及び判定部70に通知すると共に、参照シンボルが存在している時間軸上の位置を基準位置として、基準位置記憶部31の記憶内容を更新する(ステップS18)。
【0103】
次に、設定部60では、次候補位置設定部61が、配置パターン記憶部62に格納されたフレーム内でのSSブロックの時間軸上の第1及び第2の配置パターンに基づいて、次の候補位置を設定し(ステップS19)、FFT処理信号cから該候補位置のシンボルデータを取得する(ステップS20)。
【0104】
次に、判定部70は、次の候補位置が設定されるごとに、FFT処理信号cにおける次の候補位置のシンボルデータが参照シンボルデータと同一であるか否かを判定する。
【0105】
具体的には、第2相関値算出部72は、FFT信号cの時間軸上の次の候補位置のシンボルデータを取得し、第2参照シンボル記憶部71に格納された参照シンボルデータとの相関値を算出する(ステップS21)。
【0106】
次いで、第2比較部74は、第2相関値算出部72が算出した相関値を、第2閾値記憶部73に格納された閾値と比較する(ステップS22)。相関値が閾値を超えた場合には、基準位置のシンボルデータが、最後のSSブロックグループ8に属していないと判断する。そして、ステップS18に戻り、次候補位置を基準位置として基準位置記憶部31の記憶内容を更新すると共に、次候補位置設定部61が次の候補位置を設定し、相関処理を行う。一方、ステップS22において、相関値が閾値を超えない場合に、基準位置のシンボルデータが、最後のSSブロックグループ8に属していると判断する。
【0107】
次いで、SSブロックの次の候補位置が複数存在する場合には、全ての候補位置について上記相関処理を行ったか否かをチェックする(ステップS23)。全ての候補位置について相関処理を行っていないならば、ステップS19に戻って相関処理を繰り返す。
【0108】
例えば、サブキャリア間隔が120kHzの場合、SSブロックグループの間隔は、56(28×2)シンボルや84(28×3)シンボルの可能性がある。サブキャリア間隔が240kHzの場合、SSブロックグループの間隔は、56(56×1)シンボルや112(56×2)シンボルの可能性がある。また、Long CP(Cyclic Prefix)のシンボルは0.5ms周期で現れるので、SSブロックグループの範囲でLong CPのシンボルが1回又は2回現れる可能性がある。
【0109】
すなわち、サブキャリア間隔が120kHzの場合、(1)SSブロックグループの間隔が56シンボルで、SSブロックグループ内にLong CPが1回現れる場合、(2)SSブロックグループの間隔が84シンボルで、SSブロックグループ内にLong CPが1回現れる場合、(3)SSブロックグループの間隔が56シンボルで、SSブロックグループ内にLong CPが2回現れる場合、(4)SSブロックグループの間隔が84シンボルで、SSブロックグループ内にLong CPが2回現れる場合、の4パターンの可能性がある。
【0110】
同様に、サブキャリア間隔が240kHzの場合、(1)SSブロックグループの間隔が56シンボルで、SSブロックグループ内にLong CPが1回現れる場合、(2)SSブロックグループの間隔が112シンボルで、SSブロックグループ内にLong CPが1回現れる場合、(3)SSブロックグループの間隔が56シンボルで、SSブロックグループ内にLong CPが2回現れる場合、(4)SSブロックグループの間隔が112シンボルで、SSブロックグループ内にLong CPが2回現れる場合、の4パターンの可能性がある。
したがって、各サブキャリア間隔について、上記のような4パターンの可能性を考慮して、次の候補位置を設定し相関処理を行う必要がある。
【0111】
一方、ステップS23において、全ての候補位置について相関処理を行っているならば(ステップS23でYes)、先頭位置特定部80は、現在の基準位置に基づいてフレームの先頭位置を特定し(ステップS24)、先頭位置検出信号dをサブキャリア復調部82に送る。
【0112】
サブキャリア復調部82は、先頭位置検出信号dに基づいて、FFT処理部81からのFFT処理信号cを復調して復調信号eを生成し、信号解析部83に送る(ステップS25)。
【0113】
信号解析部83は、サブキャリア復調部82からの復調信号eに対し、周波数エラー、タイミングエラー、EVMなど信号特性を解析する(ステップS26)。
【0114】
上述したように、本実施形態におけるフレーム同期装置30は、第1及び第2の配置パターンに基づいて次の候補位置を順次設定し、次の候補位置の信号ブロックが当初に検出した種類のSSブロックと同一か否かを判定していく。判定する候補位置を第1及び第2の配置パターンにより限定できるので、処理ステップを低減することができる。
【0115】
また、次の候補位置の信号ブロックが当初検出した種類のSSブロックと同一でなくなった時に、当該信号ブロックが最後のSSブロックグループから外れたことが分かる。これにより、第2の配置パターンにおける最後のSSブロックグループに存在するSSブロックを容易に特定することができる。したがって、簡単な構成で5G NR規格に準拠したフレームの先頭位置を物理層レベルで迅速に検出することができる。
【0116】
なお、5G NR規格に準拠するフレーム構造を基に本発明の実施形態を説明してきたが、規格はこれに限定されるものではない。上述したフレーム構造と同様のフレーム構造を有するのであれば何れの規格であってもよい。
【0117】
以上のように、本発明に係るフレーム同期装置及びそれを備えた信号解析装置並びにフレーム同期方法及び信号解析方法は、簡単な構成で5G NR規格に準拠したフレームに対してもその先頭位置を物理層レベルで迅速に検出することができるという効果を有し、フレーム同期装置及びそれを備えた信号解析装置並びにフレーム同期方法及び信号解析方法に有用である。