特許第6578033号(P6578033)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6578033
(24)【登録日】2019年8月30日
(45)【発行日】2019年9月18日
(54)【発明の名称】電子部品の容器の製造方法
(51)【国際特許分類】
   B65D 85/86 20060101AFI20190909BHJP
   H05F 1/02 20060101ALI20190909BHJP
【FI】
   B65D85/86 100
   B65D85/86 300
   H05F1/02 K
【請求項の数】12
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2018-71100(P2018-71100)
(22)【出願日】2018年4月2日
(65)【公開番号】特開2019-131286(P2019-131286A)
(43)【公開日】2019年8月8日
【審査請求日】2018年4月2日
(31)【優先権主張番号】10-2018-0010885
(32)【優先日】2018年1月29日
(33)【優先権主張国】KR
(31)【優先権主張番号】10-2018-0015100
(32)【優先日】2018年2月7日
(33)【優先権主張国】KR
(31)【優先権主張番号】10-2018-0026654
(32)【優先日】2018年3月7日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】518012663
【氏名又は名称】ユン、セ ウォン
(74)【代理人】
【識別番号】100130111
【弁理士】
【氏名又は名称】新保 斉
(72)【発明者】
【氏名】ユン、セ ウォン
【審査官】 加藤 信秀
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−158795(JP,A)
【文献】 特開2007−253980(JP,A)
【文献】 特開2003−094382(JP,A)
【文献】 再公表特許第2010/004888(JP,A1)
【文献】 特開昭60−059077(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 85/86
H05F 1/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート生地からなるベース層の上部及び下部の表面に、第1及び第2の除電層を形成する工程と、
前記ベース層と、第1及び第2の除電層を空気で加圧成形して、多数の収容溝をマトリックス状に形成する工程と、
前記多数の収容溝が形成された生地の状態をそれぞれM×N(MとNは自然数)個の収容溝を有する単位電子部品の容器に切断する工程と、
前記単位電子部品の容器の切断面に接触摩擦部材によって導電体または伝導性高分子物質が含有された合成樹脂を自動または手動で接触及び摩擦させて、第1及び第2の除電層と電気的に接続する導電層を形成する工程を含み、
前記メッシュ網として100〜500メッシュの金属網を使用する
ことを特徴とする電子部品の容器の製造方法。
【請求項2】
シート生地からなるベース層の上部及び下部の表面に、第1及び第2の除電層を形成する工程と、
前記ベース層と、第1及び第2の除電層を空気で加圧成形して、多数の収容溝をマトリックス状に形成する工程と、
前記多数の収容溝が形成された生地の状態をそれぞれM×N(MとNは自然数)個の収容溝を有する単位電子部品の容器に切断する工程と、
前記一つまたは複数で重ねた状態の単位電子部品の容器の切断面を塗布装置を構成する水槽内の導電体または伝導性高分子物質が含有された合成樹脂が溶解された有機溶剤を付いた前記塗布装置を構成する一つまたは複数の回転するローラーで移送させて塗布して導電層を形成しながら前記ベースの側面に形成されたバリと微細粒子を除去する工程を含み、
前記一つまたは複数のローラーは、前記一つまたは複数の単位電子部品の容器の移送方向と逆になって互いにかみ合うように回転する
ことを特徴とする電子部品の容器の製造方法。
【請求項3】
シート生地からなるベース層の上部及び下部の表面に、第1及び第2の除電層を形成する工程と、
前記ベース層と、第1及び第2の除電層を空気で加圧成形して、多数の収容溝をマトリックス状に形成する工程と、
前記多数の収容溝が形成された生地の状態をそれぞれM×N(MとNは自然数)個の収容溝を有する単位電子部品の容器に切断する工程と、
前記一つまたは複数で重ねた状態の単位電子部品の容器の切断面を塗布装置を構成する水槽内の導電体または伝導性高分子が含有された合成樹脂が溶解された有機溶剤を付いた塗布装置を構成する回転棒と、該回転棒の外周面を巻くように形成されたワイヤを含む一つまたは複数の回転するマイヤーバーで移送させて塗布して導電層を形成しながら前記ベース層の側面に形成されたバリと微細粒子を除去する工程を含み、
前記一つまたは複数のマイヤーバーは、前記一つまたは複数の単位電子部品の容器の移送方向と逆になって互いにかみ合うように回転する
ことを特徴とする電子部品の容器の製造方法。
【請求項4】
前記導電層を形成する導電体として伝導性物質または導電性金属を使用する
請求項1ないし3のいずれかに記載の電子部品の容器の製造方法。
【請求項5】
前記導電層を形成する伝導性高分子物質としてピダト(PEDOT:3,4−Ethylene Di Oxy Thiophene)、PSS(Poly Stylene Sulfonate)、ピロール(Pyrrole)及びポリアニリン(Poly Aniline)の中のいずれか一つを使用する
請求項1ないし3のいずれかに記載の電子部品の容器の製造方法。
【請求項6】
前記導電層を形成する際に、前記有機溶剤としてトルエン、MEK(メチルエチルケトン)、アセトン、酢酸エチル、TCE(Tri Chloro Ethylene)、DMSO(Di Methyl Sulfoxide)、DCM(Di Chloro Methane)、HFP(Hexa Fluoro−2− Propanol)及びアルコール類の中のいずれか一つを使用する
請求項1ないし3のいずれかに記載の電子部品の容器の製造方法。
【請求項7】
前記接触摩擦部材は、前記導電体または伝導性高分子物質を含有する合成樹脂が溶解された有機溶剤を吸収する吸収部材と、前記吸収部材を取り囲むメッシュ網からなるスタンプパッドを使用する
請求項1に記載の電子部品の容器の製造方法。
【請求項8】
前記吸収部材として不織布、布、スポンジ(sponge)及び金属ブラシの中のいずれか一つを使用する
請求項1に記載の電子部品の容器の製造方法。
【請求項9】
前記一つまたは複数のローラーは、金属、セラミックス、シリコン、合成樹脂、ゴム及びテフロンの中のいずれか一つからなる
請求項2に記載の電子部品の容器の製造方法。
【請求項10】
前記一つまたは複数のローラは、表面に陽刻または陰刻加工された複数の微細突起が形成された
請求項2に記載の電子部品の容器の製造方法。
【請求項11】
前記回転棒は、金属、セラミックス、シリコン、合成樹脂、ゴム及びテフロンの中のいずれか一つからなる
請求項3に記載の電子部品の容器の製造方法。
【請求項12】
前記ワイヤは、金属及び合成樹脂の中のいずれか一つで形成される
請求項3に記載の電子部品の容器の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子部品の容器の製造方法に関するもので、特に、半導体素子などの電子部品を包装するためのトレイ(tray)またはキャリアテープなどを含む電子部品の容器の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
半導体素子など、それぞれの個別の電子部品またはそれぞれの異なる個別の電子部品をモジュールで組み立てた電子部品のM×N(MとNは自然数)個を包装するためにトレイまたはキャリアテープなどが使用されている。これらの包装容器は、包装された半導体素子など、それぞれの個別の電子部品またはそれぞれの異なる個別の電子部品をモジュールで組み立てた電子部品などが静電気によって破壊されることを防止するためにボディを構成する非伝導性の合成樹脂からなるベース層の上部及び下部の表面に導電性材料を含んで除電特性を有する第1及び第2の除電層がそれぞれ形成される。前記で、第1及び第2の除電層によってトレイまたはキャリアテープなどを含む容器に静電気が発生しても収容溝の内に収容された電子部品に伝達されず、外部に放電して、この電子部品が破壊されることを防止する。
【0003】
前記で、トレイまたはキャリアテープは、非伝導性の合成樹脂のシート生地からなるベース層の上部及び下部の表面に伝導性を有する第1及び第2の除電層をそれぞれ形成した後、シートを加熱してから、トレイ金型に至って上下金型の間で真空成形または圧空成形して電子部品が収容される収容溝を形成し、この収容溝がM×N(MとNは自然数)個を有する単位で切断することによって形成される。
【0004】
前記で、成形後の単位トレイまたはキャリアテープに切断されるとき、ベース層、第1及び第2の除電層がすべて除去されず、切断面でいずれか一つ層の一部または複数層の一部が残留する微細なバリ(burr)が生成されるだけでなく、切断面が滑らかせず荒くなって弱く付着している微細粒子が発生する。これらのバリと微細粒子は、使用時、収容溝に収容された電子部品に付着され、この電子部品を短絡させて破壊させる。
【0005】
従って、単位トレイまたはキャリアテープを含む電子部品の容器は切断面に形成されたバリと微細粒子を除去しなければならない。
【0006】
従来技術に係るバリと微細粒子を除去することが、本出願人が出願した特許文献1に開示されている。
【0007】
従来技術に係る電子部品の容器の製造方法は、シート生地からなるベース層の上部及び下部の表面に、第1及び第2の除電層を形成する工程と、前記ベース層と、第1及び第2の除電層を空気に加圧成形して多数の収容溝をマトリックス状に形成する工程と、前記多数の収容溝が形成された生地の状態をそれぞれM×N(MとNは自然数)個の収容溝を有する単位電子部品の容器に切断する工程と、前記単位電子部品の容器の上部面と下部面の縁部を含んで切断面に、第1及び第2の除電層と電気的に接続される導電層を形成する工程を含む。
【0008】
前記で、生地の状態をそれぞれM×N(MとNは自然数)個の収容溝を有する単位電子部品の容器で切断するとき、切断面には多数のバリが生成されるだけでなく、切断面が滑らかせず荒くなる。したがって、単位電子部品の容器の上部面と下部面の縁部を含んで切断面を、有機溶剤に伝導性高分子物質を混合した状態で、第1の除電層と第2の除電層を電気的に接続される導電層を形成する。前記で、導電層を自動または手動による浸漬法またはスプレー法により形成する。また、導電層を、自動または手動による布、スポンジ(sponge)またはブラシ(brush)に塗布して形成する。前記で、導電層を形成する際に、生産性を向上させるために、切断された単位電子部品の容器を複数の重なった状態に形成することができる。
【0009】
前記で、浸漬法は、切断された単位電子部品の容器を一つまたは重なった複数の上部面と下部面の縁部を含んで切断面を、水槽に浸した伝導性高分子物質が混合された有機溶剤に浸漬して導電層を形成するものである。また、スプレー法は、切断された単位電子部品の容器を一つまたは重なった複数の上部面と下部面の縁部を含んで切断面に、伝導性高分子物質が混合された有機溶剤を噴霧器にて噴射して形成するものである。また、導電層を布、スポンジまたはブラシにて形成する方法は、布、スポンジまたはブラシに伝導性高分子物質が混合された有機溶剤をつけて、切断された単位電子部品の容器を一つまたは重なった複数の上部面と下部面の縁部を含んで切断面に塗布する。
【0010】
しかし、上述した従来技術に係り導電層を形成すると、伝導性高分子物質が混合された有機溶剤が切断された単位電子部品の容器の上部面と下部面の縁部に一定の幅で塗布されず、収容溝の外部の側面、つまり、隣接する単位電子部品の容器の接触面にも塗布することができ、乾燥後、隣接する単位電子部品の容器が付着して分離されていない問題があった。また、導電層を布等で形成する場合、毛羽などの異物が発生して単位電子部品の容器の塗布面に再び付く問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】大韓民国特許出願第2017−0023538号(発明の名称:電子部品の容器及びその製造方法)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
従って、本発明の目的は、複数のに導電層を同時に形成して、生産性を向上させることができる電子部品の容器の製造方法を提供することにある。
【0013】
本発明の他の目的は、導電層を複数の単位電子部品の容器に形成しても、隣接するものが相互に付着して分離されていないことが防止できる電子部品の容器の製造方法を提供することにある。
【0014】
本発明のまた他の目的は、導電層の形成時、毛羽などの異物が単位電子部品の容器の塗布面に再び付くことが防止できる電子部品の容器の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
前記目的を達成するための本発明の一実施形態に係る電子部品の容器の製造方法は、シート生地からなるベース層の上部及び下部の表面に、第1及び第2の除電層を形成する工程と、前記ベース層と、第1及び第2の除電層を空気で加圧成形して、多数の収容溝をマトリックス状に形成する工程と、前記多数の収容溝が形成された生地の状態をそれぞれM×N(MとNは自然数)個の収容溝を有する単位電子部品の容器に切断する工程と、前記単位電子部品の容器の切断面に接触摩擦部材によって導電体または伝導性高分子物質が含有された合成樹脂を自動または手動で接触及び摩擦させて、第1及び第2の除電層と電気的に接続する導電層を形成する工程を含む。
【0016】
また、前記目的を達成するための本発明の他の実施形態に係る電子部品の容器の製造方法は、シート生地からなるベース層の上部及び下部の表面に、第1及び第2の除電層を形成する工程と、前記ベース層と、第1及び第2の除電層を空気で加圧成形して、多数の収容溝をマトリックス状に形成する工程と、前記多数の収容溝が形成された生地の状態をそれぞれM×N(MとNは自然数)個の収容溝を有する単位電子部品の容器に切断する工程と、前記一つまたは複数の重ねた状態の単位電子部品の容器の切断面を塗布装置を構成する水槽内の導電体または伝導性高分子物質が含有された合成樹脂が溶解された有機溶剤を付いた前記塗布装置を構成する一つまたは複数の回転するローラーで移送させて塗布して導電層を形成しながら前記ベースの側面に形成されたバリと微細粒子を除去する。
【0017】
前記目的を達成するための本発明の他の実施形態に係る電子部品の容器の製造方法は、シート生地からなるベース層の上部及び下部の表面に、第1及び第2の除電層を形成する工程と、前記ベース層と、第1及び第2の除電層を空気で加圧成形して、多数の収容溝をマトリックス状に形成する工程と、前記多数の収容溝が形成された生地の状態をそれぞれM×N(MとNは自然数)個の収容溝を有する単位電子部品の容器に切断する工程と、前記一つまたは複数で重ねた状態の単位電子部品の容器の切断面を塗布装置を構成する水槽内の導電体または伝導性高分子が含有された合成樹脂が溶解された有機溶剤を付いた塗布装置を構成する回転棒と、該回転棒の外周面を巻くように形成されたワイヤを含む一つまたは複数の回転するマイヤーバーで移送させて塗布して導電層を形成しながら前記ベース層の側面に形成されたバリと微細粒子を除去する工程を含む。
【0018】
前記で、導電層を形成する導電体として伝導性物質または導電性金属を使用する。
【0019】
前記で、導電層を形成する伝導性高分子物質としてピダト(PEDOT:3,4−Ethylene Di Oxy Thiophene)、PSS(Poly Stylene Sulfonate)、ピロール(Pyrrole)及びポリアニリン(Poly Aniline)の中のいずれか一つを使用する。
【0020】
前記で、導電層を形成する際に、前記有機溶剤としてトルエン、MEK(メチルエチルケトン)、アセトン、酢酸エチル、TCE(Tri Chloro Ethylene)、DMSO(Di Methyl Sulfoxide)、DCM(Di Chloro Methane)、HFP(Hexa Fluoro−2− Propanol)及びアルコール類の中のいずれか一つを使用する。
【0021】
前記で、接触摩擦部材は、前記導電体または伝導性高分子物質を含有する合成樹脂が溶解された有機溶剤を吸収する吸収部材と、前記吸収部材を取り囲むメッシュ網からなるスタンプパッドを使用する。
【0022】
前記で、吸収部材として不織布、布、スポンジ(sponge)及び金属ブラシの中のいずれか一つを使用する。
【0023】
前記で、メッシュ網として100〜500メッシュの金属網を使用する。
【0024】
前記で、一つまたは複数のローラーは、前記一つまたは複数の単位電子部品の容器の移送方向と逆になって互いにかみ合うように回転する。
【0025】
前記で、一つまたは複数のローラーは、金属、セラミックス、シリコン、合成樹脂、ゴム及びテフロンの中のいずれか一つからなる。
【0026】
前記で、一つまたは複数のローラは、表面に陽刻または陰刻加工された複数の微細突起が形成される。
【0027】
前記で、一つまたは複数のマイヤーバーは、前記一つまたは複数の単位電子部品の容器の移送方向と逆になって互いにかみ合うように回転する。
【0028】
前記で、前記回転棒は、金属、セラミックス、シリコン、合成樹脂、ゴム及びテフロンの中のいずれか一つからなる。
【0029】
前記で、ワイヤは、金属及び合成樹脂の中のいずれか一つで形成される。
【発明の効果】
【0030】
したがって、本発明は、一つまたは複数の重なった単位電子部品の容器の切断面に導電層を同時に形成することができるので、生産性を向上させることができ、また、伝導性物質または導電性金属を含有する合成樹脂の溶解された有機溶剤が単位電子部品の容器の上部面と下部面の縁部に一定の幅で塗布されるようにして、隣接する単位電子部品の容器が付着することを防止して容易に分離することができる利点がある。また、導電層の形成時に、単位電子部品の容器の塗布面がメッシュ網によって吸収部材と接触しないので、毛羽などの異物が再び付くことを防止できる利点がある。そして、導電層の形成時に、単位電子部品の容器の塗布面がローラーに接触されるので、毛羽などの異物が再び付くことが防止できる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】本発明に係る電子部品の容器の平面図
図2図1をA−A線に沿って切断した断面図
図3a】本発明に係る電子部品の容器の製造工程図
図3b】本発明に係る電子部品の容器の製造工程図
図3c】本発明に係る電子部品の容器の製造工程図
図3d】本発明に係る電子部品の容器の製造工程図
図4】本発明の一実施形態に使用されたスタンプパッドの斜視図
図5図3dの工程の状態を示す側面図
図6】本発明の他の実施形態で使用された塗布装置の斜視図
図7】本発明の他の実施形態で使用された塗布装置を用いた図3dの工程の状態を示す側面図
図8】本発明の他の実施形態で使用された塗布装置を用いた図3dの工程の状態を示す側面図
図9】本発明のまた他の実施形態で使用された塗布装置の斜視図
図10】本発明のまた他の実施形態で使用された塗布装置を図3dの工程の状態を示す側面図
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、添付の図面を参照して本発明について詳細に説明する。
【0033】
図1は本発明に係る電子部品の容器の平面図であり、図2図1をA−A線に沿って切断した断面図である。
【0034】
本発明に係る電子部品の容器10は、ベース層11と、第1の除電層13及び第2の除電層15と、収容溝19と、導電層17を含む。
【0035】
ベース層11は、電子部品の容器が形状保持可能な程度の強さを有するように、0.5〜3mm程度の厚さを有する合成樹脂で形成される。前記で、ベース層11は、ポリエチレン(Poly Ethylene)、ポリプロピレン(Poly Propylene)、ポリエステル(Polyethylene Terephthalate)及びポリカーボネート(Poly Carbonate)などの有機溶剤に溶解されない耐溶剤性樹脂の中のいずれか一つで形成されるか、または、ポリスチレン(Poly Stylene)、ポリ塩化ビニル(Poly Vinyl Chloride)及びABS(Acrylonitrile Butadiene Styrene)などの有機溶剤に溶解される溶剤性樹脂の中のいずれか一つで形成されることができる。また、ベース層11は、溶剤性樹脂と耐溶剤性樹脂の複合樹脂層で形成されることもできる。
【0036】
第1の除電層13及び第2の除電層15は、ベース層11の上部表面及び下部表面にそれぞれ押出されて、0.005〜0.3mm程度の厚さに形成される。前記で、第1の除電層13及び第2の除電層15は、ベース層11との接着力が良好であるように同一の物質、すなわち、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、PET(Polyethylene Terephthalate)及びポリカーボネート(PC)などの耐溶剤性樹脂の中のいずれか一つで形成されるか、または、ポリスチレン(PS)、ポリ塩化ビニル(PVC)及びABS(Acrylonitrile Butadiene Styrene)などの溶剤性樹脂の中のいずれか一つの合成樹脂にカーボンナノチューブまたは伝導性カーボンなどの伝導性物質や、あるいは、金、銀、銅またはアルミニウムなどの導電性金属が含まれて、表面抵抗が106〜109Ω/sq程度になるように形成される。
【0037】
また、第1の除電層13及び第2の除電層15は、ベース層11の上部及び下部の表面にピダト(PEDOT:3,4−Ethylene Di Oxy Thiophene)、PSS(Poly Stylene Sulfonate)、ピロール(Pyrrole)及びポリアニリン(Poly Aniline)などの伝導性高分子物質の中のいずれか一つでコーティングして形成されることもできる。
【0038】
前記で、第1の除電層13及び第2の除電層15は、伝導性物質または導電性金属が含まれた溶剤性樹脂または耐溶剤性樹脂で形成されると、含まれている伝導性物質または導電性金属によって不透明に形成され,また、伝導性高分子物質で形成されると、透明に形成される。したがって、第1の除電層13及び第2の除電層15は、必要に応じて選択的に形成することができる。つまり、ベース層11がポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、PET(Polyethylene Terephthalate)、ポリカーボネート(PC)またはポリ塩化ビニル(PVC)などの透明な合成樹脂で形成されると、透明な電子部品の容器を得るために第1の除電層13及び第2の除電層15が伝導性高分子物質で形成されることができる。
【0039】
収容溝19は、ベース層11と、第1の除電層13及び第2の除電層15がマトリックス状に配列されるように成形されて形成される。収容溝19は、図1に2×2個が形成されたもので図示されているが、M×N(MとNは自然数)個が形成されることができる。
【0040】
導電層17は、ベース層11の側面に第1の除電層13及び第2の除電層15と電気的に接続されるように、0.005〜0.3mm程度の厚さに形成され,25〜90℃程度の低温で乾燥する。したがって、導電層17は、ベース層11の露出された側面を覆いながら、第1の除電層13及び第2の除電層15との間を電気的に接続する。
【0041】
前記で、導電層17は、カーボンナノチューブまたは伝導性カーボンなどの伝導性物質の中のいずれか一つ、あるいは、金、銀、銅またはアルミニウムなどの導電性金属の中のいずれか一つが含有されたポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル系樹脂、ビニル系樹脂及びブッチラル樹脂などの合成樹脂の中のいずれか一つで形成される。即ち、導電層17は、上述した導電性物質を含む上述した合成樹脂がトルエン、MEK(メチルエチルケトン)、アセトン、酢酸エチル、TCE(Tri chloro Ethylene)、DMSO(Di Methyl Sulfoxide)、DCM(Di Chloro Methane)、HFP(Hexa Fluoro −2− Propanol)及びアルコール類などの有機溶剤の中のいずれか一つと混合された状態で、電子部品の容器の側面に塗布されて形成される。導電層17は、図4に示されたスタンプパッド30を接触して通ることによって形成される。前記で、スタンプパッド30は、不織布、布、スポンジ(sponge)または金属ブラシなどからなり、上述した伝導性金属を含有した合成樹脂が混合された有機溶剤を含有することができる吸収部材31が金属からなるメッシュ網33に取り囲む構造に形成される。
【0042】
また、導電層17は、図6に図示された塗布装置40によって形成される。前記で、塗布装置40は、一つまたは複数の、例えば、1〜10個程度のローラ41と伝導性金属を含有した合成樹脂が混合された有機溶剤を入れる水槽45で構成される。そこで、導電層17は、一つまたは複数の、例えば、1〜200個程度が重なった単位電子部品の容器10の切断面が1〜10個程度のローラ41と接触して移送させることによって形成される。前記で、ローラ41は、金属、セラミックス、シリコン、合成樹脂及びゴムの中のいずれか一つの表面に陽刻または陰刻加工された複数の微細突起43が形成されるように構成されることができる。また、ローラ41はテフロンからなることもできる。
【0043】
また、導電層17は、ピダト(PEDOT:3,4−Ethylene Di Oxy Thiophene)、PSS(Poly Stylene Sulfonate)、ピロール(Pyrrole)及びポリアニリン(Poly Aniline)などの伝導性高分子物質の中のいずれか一つがトルエン、MEK(メチルエチルケトン)、アセトン、酢酸エチル、TCE(Tri chloro Ethylene)、DMSO(Di Methyl Sulfoxide)、DCM(Di Chloro Methane)、HFP(Hexa Fluoro −2− Propanol)及びアルコール類などの有機溶剤の中のいずれか一つと混合されて形成されることができる。
【0044】
前記で、導電層17は、第1の除電層13及び第2の除電層15を電気的に接続するので、多数の電子部品の容器10が積層された状態でも発生した静電気を容易に除去することができ、収容溝19の内にある電子部品が静電気によって破壊されることを防止することができる。また、導電層17が導電性物質を含む有機溶剤で形成されるので、側面に形成されることができるバリ21は溶解されて除去するか、または埋没して露出されなくなる。
【0045】
つまり、ベース層11と、第1の除電層13及び第2の除電層15がポリスチレン(PS)、ポリ塩化ビニル(PVC)及びABS(Acrylonitrile Butadiene Styrene)などの溶剤性樹脂の中のいずれか一つで形成されると、導電層17が形成されるとき、バリ21は導電性物質を含む有機溶剤によって溶解して除去される。また、ベース層11と、第1の除電層13及び第2の除電層15がポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、PET(Polyethylene Terephthalate)及びポリカーボネート(PC)などの耐溶剤性樹脂の中のいずれか一つで形成されると、導電層17が形成されるときに、バリ21と微細粒子は導電性物質を含む有機溶剤によって溶解されないが、内部に埋没されて露出されない。
【0046】
また、導電層17が形成されるときに、バリ21と微細粒子が有機溶剤によって低温でも溶解して除去されるので、電子部品の容器10が熱により形状が変形することが防止される。また、ベース層11と、第1の除電層13及び第2の除電層15が耐溶剤性樹脂で形成されて導電層17が形成されるときに、バリ21と微細粒子が溶解されて除去されなくても、この導電層17の内部に埋没して露出されないので、除去時間が減少され、生産性が向上する。
【0047】
図3a乃至図3dは、本発明に係る電子部品の容器の製造工程図である。
【0048】
図3aを参照すると、シート生地からなるベース層11の上部及び下部の表面に、第1の除電層13及び第2の除電層15を形成する。前記で、ベース層11をポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、PET(Polyethylene Terephthalate)及びポリカーボネート(PC)などの耐溶剤性樹脂の中のいずれか一つで形成するか、または、ポリスチレン(PS)、ポリ塩化ビニル(PVC)及びABS(Acrylonitrile Butadiene Styrene)などの溶剤性樹脂の中のいずれか一つで0.5〜3mm程度の厚さを有するように形成することができる。
【0049】
そして、第1の除電層13及び第2の除電層15をベース層11と同一の物質、すなわち、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、PET(Polyethylene Terephthalate)及びポリカーボネート(PC)などの耐溶剤性樹脂の中のいずれか一つ、または、ポリスチレン(PS)、ポリ塩化ビニル(PVC)及びABS(Acrylonitrile Butadiene Styrene)などの溶剤性樹脂の中のいずれか一つをベース層11の上部及び下部の表面にシート状に押出して形成することができる。また、本発明は、ベース層11を溶剤性と耐溶剤性樹脂の複合樹脂層に形成することもできる。
【0050】
このとき、第1の除電層13及び第2の除電層15を形成するための合成樹脂にカーボンナノチューブまたは伝導性カーボンなどの伝導性物質、あるいは、金、銀、銅またはアルミニウムなどの導電性金属を含ませて、0.005〜0.3mm程度の厚さに押し出して形成する。そこで、第1の除電層13及び第2の除電層15は表面抵抗が106〜109Ω/sq程度となる。
【0051】
また、第1の除電層13及び第2の除電層15をピダト(PEDOT:3,4−Ethylene Di Oxy Thiophene)、PSS(Poly Stylene Sulfonate)、ピロール(Pyrrole)及びポリアニリン(Poly Aniline)などの伝導性高分子物質の中のいずれか一つをコーティングして形成することもできる。
【0052】
図3bを参照すると、ベース層11と、第1の除電層13及び第2の除電層15を上下金型の間で空気で加圧成形して,収容溝19をマトリックス状に形成する。
【0053】
前記で、M×N(MとNは自然数)個の収容溝19を形成することは、トレイを形成することであり、収容溝19が1個の行に1〜5個程度が多数の列に連続するように形成されて、ロール(Roll)状に巻け得るキャリアテープに形成することもできる。
【0054】
図3cを参照すると、多数の収容溝19が形成された生地の状態をM×N(MとNは自然数)個の収容溝19を有する単位電子部品の容器10に切断する。前記で、単位電子部品の容器10の切断面には、多数のバリ21が生成されるだけでなく、切断面が滑らかせず荒くなって弱く付着している微細粒子が発生する。前記で、バリ21は、ベース層11や第1の除電層13及び第2の除電層15が完全に除去されずに残留して形成することができる。
【0055】
図3dを参照すると、単位電子部品の容器10の切断面の表面に導電層17を第1の除電層13及び第2の除電層15と電気的に接続されるように形成する.本発明の一実施形態に係る導電層17を形成する方法は、図4に示されたスタンプパッド30を使用して、0.005〜0.3mm程度の厚さに形成した後、25〜90℃程度の低温で乾燥する。つまり、導電層17を図5に示すように、伝導性物質または導電性金属が含有された合成樹脂が溶解された有機溶剤が入れた水槽35のスタンプパッド30を入れて、このスタンプパッド30の表面に一つまたは複数の、例えば、1〜200個程度が重なった単位電子部品の容器10の切断面に自動または手動で接触摩擦させて、塗布して形成する。これにより、1〜200個程度が重なった単位電子部品の容器10のそれぞれの切断面にスタンプパッド30の吸収部材31を浸す伝導性高分子物質の混合された有機溶剤が塗布されて、導電層17が形成される。このとき、単位電子部品の容器10のそれぞれのベース層11の側面に形成されたバリ21と微細粒子は、伝導性高分子物質が混合された有機溶剤によって溶解されながら、スタンプパッド30のメッシュ網33と摩擦されて物理的に除去される。また、導電層17の形成時に、単位電子部品の容器10の塗布面がメッシュ網33によって吸収部材31と接触されないので、毛羽などの異物が再び付くことを防止できる。
【0056】
前記で、スタンプパッド30は、吸収部材31は、水槽35内の伝導性物質または導電性金属を含有する合成樹脂が溶解された有機溶剤を吸収して、1〜200個程度が重なった単位電子部品の容器10の切断面が接触摩擦されると、伝導性物質または導電性金属を含有する合成樹脂が溶解された有機溶剤が付くようにして導電層17が形成されるようにする。このとき、吸収部材31を取り囲むメッシュ網33が伝導性物質または導電性金属を含有する合成樹脂の溶解された有機溶剤が単位電子部品の容器10の上部面と下部面の縁部に一定の幅で塗布されて、収容溝19の外部の側面、すなわち、隣接する単位電子部品の容器10の接触面に塗布されないようにして、単位電子部品の容器10が接着されて分離されていないことを防止する。前記で、吸収部材31は、不織布、布、スポンジ(sponge)及び金属ブラシなどの中のいずれか一つを使用することができ、また、メッシュ網33は、100〜500メッシュ程度の金属網で形成することができる。
【0057】
前記で、導電層17を形成する伝導性物質としてカーボンナノチューブまたは伝導性カーボンなどの中のいずれか一つを使用することができ、導電性金属、あるいは、金、銀、銅またはアルミニウムなどの中のいずれか一つを使用することができる。また、導電層17を形成する合成樹脂としてポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル系樹脂、ビニル系樹脂及びブッチラル樹脂などの中のいずれか一つを使用することができ、また、有機溶剤としてトルエン、MEK(メチルエチルケトン)、アセトン、酢酸エチル、TCE(Tri Chloro Ethylene)、DMSO(Di Methyl Sulfoxide)、DCM(Di Chloro Methane)、HFP(Hexa Fluoro−2− Propanol)またはアルコール類などの中のいずれか一つを使用することができる。
【0058】
また、導電層17をピダト(PEDOT:3,4−Ethylene Di Oxy Thiophene)、PSS(Poly Stylene Sulfonate)、ピロール(Pyrrole)及びポリアニリン(Poly Aniline)などの伝導性高分子物質の中のいずれか一つを、上述した有機溶剤と混合して形成することもできる。
【0059】
前記で、伝導層17を形成する際に、スタンプパッド30のメッシュ網33は、単位電子部品の容器10の切断面が接触する部分の吸収部材31が変形することを防止する。これにより、吸収部材31を濡らしていた伝導性物質または導電性金属を含有する合成樹脂の溶解された有機溶剤が一つまたは複数の重なった単位電子部品の容器10の切断面に収容溝19の外部の側面、つまり、隣接する単位電子部品の容器10の接触面に塗布されていなく、上部面と下部面の縁部に一定の幅で塗布されて伝導層17が形成される。
【0060】
また、導電層17を、上述した導電性物質を含む合成樹脂を有機溶剤に混合した状態で形成するので、ベース層11の側面に形成されたバリ21と微細粒子を溶解して除去するか、または埋没されて外部に露出しないように形成する。
【0061】
つまり、ベース層11と、第1の除電層13及び第2の除電層15をポリスチレン(PS)、ポリ塩化ビニル(PVC)及びABS(Acrylonitrile Butadiene Styrene)などの溶剤性樹脂の中のいずれか一つで形成すると、導電層17が形成するときに、バリ21と微細粒子は有機溶剤によって溶解して除去される。また、ベース層11と、第1の除電層13及び第2の除電層15をポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、PET(Polyethylene Terephthalate)及びポリカーボネート(PC)などの耐溶剤性樹脂の中のいずれか一つで形成すると、導電層17が形成するときに、バリ21と微細粒子は有機溶剤によって溶解されないが、内部に埋没して外部に露出されなくなる。
【0062】
また、導電層17を形成する際に、ベース層11の側面に形成されたバリ21と微細粒子が合成樹脂を混合する有機溶剤に溶解して除去されることができるが、メッシュ網33との摩擦によって物理的に除去されることもできる。
【0063】
本発明の一実施形態に係る導電層17を形成する方法は、図4に示されたスタンプパッド30を使用して0.005〜0.3mm程度の厚さに形成した後、25〜90℃程度の低温で乾燥する。
【0064】
また、本発明の他の実施形態に係る導電層17を形成する方法は、図6に示した塗布装置40を使用して形成することもできる。つまり、導電層17を図7及び図8に示すように、一つまたは複数の、例えば、1〜200個程度が重なった単位電子部品の容器10の切断面を塗布装置40の一つまたは複数の、例えば、1〜10個程度のローラ41に接触させて移送させながら形成する。前記で、一つまたは複数の、例えば、1〜10個程度のローラ41は、回転しながら水槽45に浸した伝導性物質または導電性金属を含有する合成樹脂の溶解された有機溶剤をつけて、移送される一つまたは複数の、例えば、1〜200個程度が重なった単位電子部品の容器10の切断面を塗布する。
【0065】
このとき、一つまたは複数の、例えば、1〜10個程度のローラ41の回転方向は、一つまたは複数の、例えば、1〜200個程度が重なった単位電子部品の容器10の移送方向と逆になって互いにかみ合うようにする、すなわち、1〜200個程度が重なった単位電子部品の容器10が右から左に移動すると、1〜10個程度のローラ41は時計方向に回転する。これにより、移送される1〜200個程度が重なった単位電子部品の容器10の切断面は、ローラ41との摩擦力が増大され、それぞれのベース層11の側面に形成されたバリ21と微細粒子を有機溶剤によって溶解するだけでなく、摩擦力によって物理的に除去することができる。また、金属のローラー41は、バリ21と微細粒子を除去する際に、毛羽などの異物が発生しないだけでなく、摩擦力によって物理的に除去されたバリ21と微細粒子は、回転ローラー41によって水槽45内の伝導性物質または導電性金属を含有する合成樹脂の溶解された有機溶剤に溶解されるので、単位電子部品の容器10に再び付くことを防止することができる。前記で、ローラ41は、金属、セラミックス、シリコン、合成樹脂及びゴムの中のいずれか一つで表面に陽刻または陰刻加工された複数の微細突起43が形成されるよう構成されることができる。また、ローラ41は、テフロン(登録商標)からなることもできる。
【0066】
前記で、一つまたは複数の、例えば、1〜10個程度のローラ41の表面に形成された陽刻または陰刻加工された複数の微細突起43は、移送される1〜200個程度が重なった単位電子部品の容器10の切断面と摩擦力が増大されて、ベース層11の側面に形成されたバリ21と微細粒子をより容易に物理的に除去することができる。また、ローラ41は、表面の複数の微細突起43によって伝導性物質または導電性金属を含有する合成樹脂の溶解された有機溶剤が安定して均一の厚さで付くようにして、導電層17が単位電子部品の容器10の切断面に収容溝19の外部の側面、すなわち、隣接する単位電子部品の容器10の接触面に塗布されないように、上部面と下部面の縁部に一定の幅で塗布されて形成されるようにする。
【0067】
前記で、導電層17を形成する際に、塗布装置40のローラ41は、単位電子部品の容器10の切断面の接触によって変形されることが防止されるので、伝導性物質または導電性金属を含有する合成樹脂の溶解された有機溶剤が一つまたは複数の重なった単位電子部品の容器10の切断面に収容溝19の外部の側面、すなわち、隣接する単位電子部品の容器10の接触面に塗布されなくなる。これにより、導電層17が一つまたは複数の重なった単位電子部品の容器10の切断面付近の上部面と下部面の縁部に一定の幅で塗布されて形成されて、乾燥した後、隣接する単位電子部品の容器10が互いに付着されることが防止される。
【0068】
また、本発明の他の実施形態に係る導電層17を形成する方法は、図9に示した塗布装置50を使用して形成することもできる。つまり、導電層17を図10に示すように、一つまたは複数の、例えば、1〜200個程度が重なった単位電子部品の容器10の切断面を塗布装置50の一つまたは複数の、例えば、1〜10個程度のマイヤーバー51(Mayer bar)に接触させて移送させながら形成する。前記で、一つまたは複数の、例えば、1〜10個程度のマイヤーバー51は、回転棒53が回転しながらワイヤ54が水槽55に入れた伝導性物質または導電性金属が含有された合成樹脂が溶解された有機溶剤をつけて移送される一つまたは複数の、例えば、1〜200個程度が重なった単位電子部品の容器10の切断面を塗布する。
【0069】
このとき、一つまたは複数の、例えば、1〜10個程度のマイヤーバー51を構成する回転棒53の回転方向は、一つまたは複数の、例えば、1〜200個程度が重なった単位電子部品の容器10の移送方向と逆になって互いにかみ合うようにする、すなわち、1〜200個程度が重なった単位電子部品の容器10が右から左に移送されると、1〜10個程度のマイヤーバー51を構成する回転棒53は時計方向に回転する。これにより、搬送される1〜200個程度が重なった単位電子部品の容器10の切断面は、マイヤーバー51を構成するワイヤ54との摩擦力が増大され、それぞれのベース層11の側面に形成されたバリ21と微細粒子を有機溶剤により溶解するだけでなく、摩擦力によって物理的に除去することができる。また、ワイヤ54は、バリ21と微細粒子を除去する際に、毛羽などの異物が発生しないだけでなく、摩擦力によって物理的に除去されたバリ21と微細粒子は、回転されるワイヤ54によって水槽55内の伝導性物質または導電性金属が含有された合成樹脂が溶解された有機溶剤に溶解されるので、単位電子部品の容器10に再び付くことを防止することができる。前記で、マイヤーバー51を構成する回転棒53は、金属、セラミックス、シリコン、合成樹脂及びゴムの中のいずれか一つで形成され、ワイヤ54は、金属及び合成樹脂の中のいずれか一つで形成されることができる。また、回転棒53は、テフロンからなることもできる。また、ワイヤ54は、0.005〜0.5mm程度の直径を有することで、直径に応じて導電層17の厚さを調節することができる。つまり、ワイヤ54の直径が小さいと導電層17の厚さが薄く塗布されて形成され、ワイヤ54の直径が大きいと導電層17の厚さが厚く塗布されて形成される。
【0070】
前記で、一つまたは複数の、例えば、1〜10個程度の回転棒53の表面に形成されたワイヤ54は、移送される1〜200個程度が重なった単位電子部品の容器10の切断面との摩擦力が増大され、ベース層11の側面に形成されたバリ21と微細粒子をより容易に物理的に除去することができる。また、回転棒53の表面に形成されたワイヤ54は、伝導性物質または導電性金属が含有された合成樹脂が溶解された有機溶剤が安定して、均一な厚さで付くようにして、導電層17が単位電子部品の容器10の切断面に収容溝19の外部の側面、すなわち、隣接する単位電子部品の容器10の接触面に塗布されないように、上部面と下部面の縁部に一定の幅で塗布されて形成されるようにする。
【0071】
本発明の他の実施形態及びまた他の実施形態でも本発明の一実施形態のように導電層17をピダト(PEDOT:3,4−Ethylene Di Oxy Thiophene)、PSS(Poly Stylene Sulfonate)、ピロール(Pyrrole)及びポリアニリン(Poly Aniline)などの伝導性高分子物質の中のいずれか一つを、上述した有機溶剤と混合して形成することもできる。
【0072】
前記で、導電層17が、第1の除電層13及び第2の除電層15を電気的に接続するので、多数の電子部品の容器が積層された状態でも発生した静電気を容易に除去することができ、収容溝19の内にある電子部品が静電気によって破壊されることを防止することができる。
【0073】
そして、導電層17を塗布した後、25〜90℃程度の低温で乾燥するので、電子部品の容器が熱により形状が変形することが防止される。また、ベース層11と、第1の除電層13及び第2の除電層15が耐溶剤性樹脂で形成されて、導電層17が形成されるときに、バリ21と微細粒子が溶解されなくてもこの導電層17の内部に埋没して露出されないので、除去時間が減少され、生産性が向上する。
【0074】
以上で説明した本発明は、前述した実施形態及び添付された図面によって限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内で、様々な置換、変形及び変更が可能であることが、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者にとって明らかである。
【符号の説明】
【0075】
11:ベース層
13:第1の除電層
15:第2の除電層
17:導電層
19:収容溝
21:バリ(burr)
30:スタンプパッド
31:吸収部材
33:メッシュ網
35:水槽
40、50:塗布装置
41:ローラ
43:微細突起
45:水槽
51:マイヤーバー
53:回転棒
54:ワイヤ
図1
図2
図3a
図3b
図3c
図3d
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10