特許第6578035号(P6578035)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6578035
(24)【登録日】2019年8月30日
(45)【発行日】2019年9月18日
(54)【発明の名称】電子メールシステム及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 13/00 20060101AFI20190909BHJP
   H04L 12/58 20060101ALI20190909BHJP
【FI】
   G06F13/00 610Q
   H04L12/58 100F
【請求項の数】13
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2018-71642(P2018-71642)
(22)【出願日】2018年4月3日
【審査請求日】2018年8月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】501440684
【氏名又は名称】ソフトバンク株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】若松 広司
【審査官】 北川 純次
(56)【参考文献】
【文献】 特表2009−512082(JP,A)
【文献】 特開2004−128991(JP,A)
【文献】 特開2003−046576(JP,A)
【文献】 特開2012−208757(JP,A)
【文献】 特開2010−171471(JP,A)
【文献】 特開2006−060811(JP,A)
【文献】 特開2006−178995(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0270540(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 13/00
H04L 12/58
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
配信することが許容される電子メールの送信元のドメイン又はメールアドレスを含む第1リスト、及び、ユーザが受け取ることを許容する電子メールのドメイン又はメールアドレスを含む第2リストを格納する格納部と、
配信対象の電子メールのうち、送信元のドメイン又はメールアドレスが前記第1リスト及び前記第2リストに含まれる電子メールを少なくとも、前記ユーザに配信する配信部と、
前記配信対象の電子メールのうち、送信元のドメイン又はメールアドレスが前記第1リスト及び第2リストのいずれにも含まれない電子メールを保持する保持部と、
前記保持部に保持されている電子メールの内容を解析して、前記保持部に保持されている電子メールのうち配信することが許容されるべき電子メールを抽出し、抽出した電子メールの送信元のドメイン又はメールアドレスに基づいて、前記第1リストを更新する第1更新部と、
前記配信対象の電子メールのうち、送信元のドメイン又はメールアドレスが前記第1リストに含まれ、かつ、前記第2リストに含まれない電子メールの送信元のドメイン又はメールアドレスの中から、前記ユーザにより指定されたドメイン又はメールアドレスを、前記第2リストに追加する第2更新部と
を備える電子メールシステム。
【請求項2】
前記配信部は、前記保持部に保持されている電子メールの中から、送信元のドメイン又はメールアドレスが前記第1更新部により更新された前記第1リスト及び前記第2更新部により更新された前記第2リストに含まれる電子メールを抽出し、抽出した電子メールを前記ユーザに配信する
請求項1に記載の電子メールシステム。
【請求項3】
前記配信部は、前記配信対象の電子メールの送信元のドメイン又はメールアドレスが前記第1リストに含まれない場合であっても、当該電子メールの送信元のドメイン又はメールアドレスが前記第2リストに含まれる場合に、当該電子メールを前記ユーザに配信する
請求項1又は2に記載の電子メールシステム。
【請求項4】
電子メールの送信元ドメインのドメイン認証を行う認証部
をさらに備え、
前記配信対象の電子メールは、前記認証部により認証された電子メールである
請求項1から3のいずれか一項に記載の電子メールシステム。
【請求項5】
前記第1更新部は、
前記電子メールに含まれる予め定められた複数のフィールドの文字列からそれぞれ入力値を生成する入力値生成部と、
前記入力値生成部により生成された複数の前記入力値に基づいて、前記配信することが許容されるべき電子メールであるか否かを判別する判別器と
を有し、
前記判別器は、配信されることが許容される電子メールを複数の電子メールを用いて学習するディープラーニングによって構築されている
請求項1から4のいずれか一項に記載の電子メールシステム。
【請求項6】
前記配信対象の電子メールのうち、送信元のドメイン又はメールアドレスが前記第1リストに含まれ、かつ、前記第2リストに含まれない電子メールの送信元のドメイン又はメールアドレスを送信元とする電子メールを受信するか否かを前記ユーザに提示する提示部
をさらに備え、
前記第2更新部は、前記提示部により提示された電子メールを受信することを前記ユーザが選択した場合に、前記送信元のドメイン又はメールアドレスが前記第1リストに含まれ、かつ、前記第2リストに含まれない電子メールの送信元のドメイン又はメールアドレスを、前記第2リストに追加する
請求項1から5のいずれか一項に記載の電子メールシステム。
【請求項7】
前記第2更新部はさらに、前記ユーザに配信された電子メールに対する前記ユーザの処理内容を取得し、取得した処理内容に基づいて、前記第2リストを更新する
請求項1から6のいずれか一項に記載の電子メールシステム。
【請求項8】
前記第2更新部は、前記ユーザに配信されてから前記ユーザが予め定められた時間内に削除した電子メール、又は、前記ユーザに配信された後前記ユーザが開かずに削除した電子メールの送信元のドメイン又はメールアドレスを、前記第2リストから削除する
請求項7に記載の電子メールシステム。
【請求項9】
前記第2更新部はさらに、前記ユーザが送信した電子メールの送信先のドメイン又メールアドレスを取得し、取得したドメイン又メールアドレスを、前記第2リストに追加する
請求項1から8のいずれか一項に記載の電子メールシステム。
【請求項10】
前記第2更新部はさらに、Webプロキシデータを取得し、取得したWebプロキシデータに基づいて、前記ユーザがアクセスしたネットワークリソースのドメインを特定し、特定したドメインの少なくとも一部を、前記第2リストに追加する
請求項1から9のいずれか一項に記載の電子メールシステム。
【請求項11】
前記第2更新部はさらに、前記ユーザにより追加又は更新された前記ユーザの顧客データに含まれる電子メールアドレス又はURLのドメインを、前記第2リストに追加する
請求項1から10のいずれか一項に記載の電子メールシステム。
【請求項12】
前記第2更新部はさらに、前記ユーザにより追加又は更新された前記ユーザのアドレス帳に含まれる電子メールアドレス又は電子メールアドレスのドメインを、前記第2リストに追加する
請求項1から11のいずれか一項に記載の電子メールシステム。
【請求項13】
コンピュータを、請求項1から12のいずれか一項に記載の電子メールシステムとして機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子メールシステム及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
電子メールが迷惑メールであるか否かを判断して、迷惑メールであると判断した場合に電子メールを自動的に削除する技術が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1]特開2003−131999号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来、サーバにおいてスパムメールの除去に要する負荷を軽減しつつ、スパムメールが配信されない確率を高めることが望まれていた。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の第1の態様によれば、電子メールシステムが提供される。電子メールシステムは、配信することが許容される電子メールの送信元のドメイン又はメールアドレスを含む第1リスト、及び、ユーザが受け取ることを許容する電子メールのドメイン又はメールアドレスを含む第2リストを格納する格納部を備える。電子メールシステムは、配信対象の電子メールのうち、送信元のドメイン又はメールアドレスが第1リスト及び第2リストに含まれる電子メールを少なくとも、ユーザに配信する配信部を備えてよい。電子メールシステムは、配信対象の電子メールのうち、送信元のドメイン又はメールアドレスが第1リスト及び第2リストのいずれにも含まれない電子メールを保持する保持部を備えてよい。電子メールシステムは、保持部に保持されている電子メールの内容を解析して、保持部に保持されている電子メールのうち配信することが許容されるべき電子メールを抽出し、抽出した電子メールの送信元のドメイン又はメールアドレスに基づいて、第1リストを更新する第1更新部を備えてよい。電子メールシステムは、配信対象の電子メールのうち、送信元のドメイン又はメールアドレスが第1リストに含まれ、かつ、第2リストに含まれない電子メールの送信元のドメイン又はメールアドレスの中から、ユーザにより指定されたドメイン又はメールアドレスを、第2リストに追加する第2更新部を備えてよい。
【0005】
配信部は、保持部に保持されている電子メールの中から、送信元のドメイン又はメールアドレスが第1更新部により更新された第1リスト及び第2更新部により更新された第2リストに含まれる電子メールを抽出し、抽出した電子メールをユーザに配信してよい。
【0006】
配信部は、配信対象の電子メールの送信元のドメイン又はメールアドレスが第1リストに含まれない場合であっても、当該電子メールの送信元のドメイン又はメールアドレスが第2リストに含まれる場合に、当該電子メールをユーザに配信してよい。
【0007】
電子メールシステムは、電子メールの送信元ドメインのドメイン認証を行う認証部をさらに備えてよい。配信対象の電子メールは、認証部により認証された電子メールであってよい。
【0008】
第1更新部は、電子メールに含まれる予め定められた複数のフィールドの文字列からそれぞれ入力値を生成する入力値生成部を有してよい。第1更新部は、入力値生成部により生成された複数の入力値に基づいて、配信することが許容されるべき電子メールであるか否かを判別する判別器を有してよい。判別器は、配信されることが許容される電子メールを複数の電子メールを用いて学習するディープラーニングによって構築されていてよい。
【0009】
電子メールシステムは、配信対象の電子メールのうち、送信元のドメイン又はメールアドレスが第1リストに含まれ、かつ、第2リストに含まれない電子メールの送信元のドメイン又はメールアドレスを送信元とする電子メールを受信するか否かをユーザに提示する提示部をさらに備えてよい。第2更新部は、提示部により提示された電子メールを受信することをユーザが選択した場合に、送信元のドメイン又はメールアドレスが第1リストに含まれ、かつ、第2リストに含まれない電子メールの送信元のドメイン又はメールアドレスを、第2リストに追加してよい。
【0010】
第2更新部はさらに、ユーザに配信された電子メールに対するユーザの処理内容を取得し、取得した処理内容に基づいて、第2リストを更新してよい。
【0011】
第2更新部は、ユーザに配信されてからユーザが予め定められた時間内に削除した電子メール、又は、ユーザに配信された後ユーザが開かずに削除した電子メールの送信元のドメイン又はメールアドレスを、第2リストから削除してよい。
【0012】
第2更新部はさらに、ユーザが送信した電子メールの送信先のドメイン又メールアドレスを取得し、取得したドメイン又メールアドレスを、第2リストに追加してよい。
【0013】
第2更新部はさらに、Webプロキシデータを取得し、取得したWebプロキシデータに基づいて、ユーザがアクセスしたネットワークリソースのドメインを特定し、特定したドメインの少なくとも一部を、第2リストに追加してよい。
【0014】
第2更新部はさらに、ユーザにより追加又は更新されたユーザの顧客データに含まれる電子メールアドレス又はURLのドメインを、第2リストに追加してよい。
【0015】
第2更新部はさらに、ユーザにより追加又は更新されたユーザのアドレス帳に含まれる電子メールアドレス又は電子メールアドレスのドメインを、第2リストに追加してよい。
【0016】
本発明の第2の態様によれば、プログラムが提供される。プログラムは、コンピュータを、上記電子メールシステムとして機能させる。
【0017】
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】一実施形態に係るメールシステム10の一例を概略的に示す。
図2】メールサーバ100の機能ブロックを概略的に示す。
図3】メールシステム10における処理内容を概略的に示す。
図4】メールアプリケーションによってユーザデバイス110に表示される画面500の一例を概略的に示す。
図5】Webプロキシサーバ140から収集されるプロキシログの一例をテーブル形式で示す。
図6】メール送信サーバ130から収集されるメール送信ログの一例をテーブル形式で示す。
図7】アプリケーションサーバ150により格納される名刺情報の内容を模式的に示す。
図8】会社毎に管理される正当な名刺情報リスト800をテーブル形式で示す。
図9】メールサーバ100として機能するコンピュータ1000の一例を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0020】
図1は、一実施形態に係るメールシステム10の一例を概略的に示す。メールシステム10は、メールサーバ100、ユーザデバイス110、ユーザデバイス120、メール送信サーバ130、Webプロキシサーバ140、及びアプリケーションサーバ150を備える。なお、簡単のため、電子メールのことを単にメールと呼ぶ場合がある。例えば、電子メールアドレスのことを単にメールアドレスと呼ぶ場合がある。また、電子メールの送信元のメールアドレスのことを送信元アドレスと呼び、電子メールの送信元のメールアドレスのドメインのことを送信元ドメインと呼ぶ場合がある。
【0021】
本実施形態において、ユーザデバイス120はメールを送信するデバイスであり、ユーザデバイス110はメールを受信するデバイスである。ユーザデバイス110及びユーザデバイス120は、例えば、ユーザ端末である。ユーザデバイス110及びユーザデバイス120は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、パーソナルコンピュータ等の情報処理装置であってよい。ユーザデバイス110及びユーザデバイス120は、メールに関する操作を行うことができるデバイスであれば、どのようなデバイスであってよい。
【0022】
ユーザ80は、ユーザデバイス110の利用者である。ユーザ80は、メールサーバ100を運用する事業者のメールアカウントを有する。なお、ユーザデバイス120の利用者であるユーザ90は、メールサーバ100を運用する事業者のメールアカウントを有してよいし、メールサーバ100を運用する事業者のメールアカウントを有しなくてよい。
【0023】
メールサーバ100、ユーザデバイス110、ユーザデバイス120、メール送信サーバ130、Webプロキシサーバ140、及びアプリケーションサーバ150は、ネットワーク50を介して接続されている。ネットワーク50は任意のネットワークであってよい。ネットワーク50は、例えば、インターネット及び電話網を含む。メールサーバ100、メール送信サーバ130、Webプロキシサーバ140、及びアプリケーションサーバ150はそれぞれ、1つ又は複数のコンピュータにより実現されてよい。また、メールサーバ100、メール送信サーバ130、Webプロキシサーバ140、及びアプリケーションサーバ150は、それぞれ単一のコンピュータにより実現されてよい。メールサーバ100、メール送信サーバ130、Webプロキシサーバ140、及びアプリケーションサーバ150の機能のうちの複数の機能が1つ以上の同じコンピュータにより実現されてよい。
【0024】
ユーザデバイス120から、ユーザ80宛てのメール20が送信される場合を取り上げて、メールサーバ100における動作の概要を説明する。メール20は、ユーザ90のメールアドレスを送信元アドレスとし、ユーザ80のメールアドレスを宛先アドレスとするメールである。メール20は、ネットワーク50を通じて、メールサーバ100により受信される。メールサーバ100は、ドメイン認証によってメール20の送信元ドメインを認証する。メール20のドメイン認証が完了すると、メールサーバ100は、送信元ドメインがドメイン評判リスト310に含まれるか否かを判断する。また、メールサーバ100は、メール20の送信元アドレスがホワイトリスト320に含まれるか否かを判断する。
【0025】
ドメイン評判リスト310は、第1リストの一例である。ドメイン評判リスト310は、メールサーバ100の運用者によって、安全である旨が推定されるドメインのリストである。安全である旨が推定されるドメインは、当該ドメインを送信元ドメインとするメールを配信することが許容されるドメインである。ホワイトリスト320は、第2リストの一例である。ホワイトリスト320は、例えば、ユーザ80が配信されることを希望する送信元アドレスのリストである。なお、ホワイトリスト320はユーザに対応づけて設定されてよい。本実施形態の説明においては、特に断らない限り、ホワイトリスト320はユーザ80に対応づけられているとする。
【0026】
メールサーバ100は、メール20の送信元ドメインがドメイン評判リスト310に含まれ、メール20の送信元アドレスがホワイトリスト320に含まれる場合に、ユーザ80にメール20を配信する。なお、ユーザ80にメール20を配信するとは、例えば、ネットワーク50上に存在するユーザ80のメールボックスにメール20を格納することや、ユーザデバイス110にメール20を転送すること等を含む。メールボックスにメール20を格納するとは、ユーザ80に対応づけてメール20を格納することを含む。
【0027】
また、メールサーバ100は、メール20の送信元ドメインがドメイン評判リスト310に含まれず、かつ、メール20の送信元アドレスがホワイトリスト320に含まれない場合、ユーザ80にメール20を配信せずに、メールサーバ100において保持する。メールサーバ100は、保持しているメール20が配信されるべきメールであるか否かを判別器によって判別する。判別器は、配信されるべきメールであることをメール20の内容に基づいて判別するべく、メール20の内容に基づくディープラーニングによって構築されている。メールサーバ100は、判別器によりメール20がユーザ80に配信されるべきメールであると判断すると、メール20の送信元アドレスをホワイトリスト320に追加する。
【0028】
メールサーバ100において、メール20の送信元ドメインがドメイン評判リスト310に含まれ、メール20の送信元アドレスがホワイトリスト320に含まれない場合、メール20の送信元アドレスからのメールを受信することをユーザ80に推奨する。メール20の送信元アドレスからのメールを受信する旨の操作をユーザ80が行うと、メールサーバ100は、メール20の送信元アドレスをホワイトリスト320に追加する。例えば、メールサーバ100は、メールボックスの確認フォルダにメール20を配置して、確認フォルダ内のメール20の送信元ドメインが安全である旨をユーザ80に通知する。メールサーバ100は、ユーザがメール20を開封すると、メール20の送信元アドレスをホワイトリスト320に追加する。
【0029】
また、メールサーバ100は、メールボックスに格納されたメールに対するユーザ80の処理情報に基づいて、ホワイトリスト320を更新する。例えば、メールサーバ100は、ユーザ80に配信されたメール20をユーザ80が開封せずに削除した場合に、メール20の送信元ドメイン又は送信元アドレスを、ホワイトリスト320から削除する。
【0030】
また、メールサーバ100は、ユーザ80がネットワークアクセスしたサイトのドメインを示す情報を、Webプロキシサーバ140から収集する。また、メールサーバ100は、ユーザ80が送信したメールの宛先情報を、メール送信サーバ130から収集する。また、アプリケーションサーバ150は、アプリケーションサーバ150からユーザ80の顧客データを収集する。メールサーバ100は、メール送信サーバ130、Webプロキシサーバ140、及びアプリケーションサーバ150から収集した情報やユーザ80がメールの送信に使用するアドレス帳データに基づいて、ホワイトリスト320を更新する。例えば、メールサーバ100は、ユーザ80が送信したメールの宛先を、ホワイトリスト320に追加する。
【0031】
メールサーバ100によれば、ドメイン評判リスト310及びホワイトリスト320により配信するべきメールを選別し、残りのメールの中から、スパムメールでないメールを判別器により選別する。そのため、全メールに対してスパムメールを検出する処理を行う場合に比べて、負荷を軽減することができる。特に、メールサーバ100は、スパムメールを検出するのではなく、スパムメールでないメールを検出する。そのため、スパムメールの送信者がスパムメールの検出ロジックで検出されることを回避するためにスパムメールの内容を変える対策を施しても、その効果を低下させることができる。
【0032】
図2は、メールサーバ100の機能ブロックを概略的に示す。メールサーバ100は、認証部200と、第1更新部210と、第2更新部220と、フィルタ部230と、保持部240と、配信部250と、メールボックス270と、メール処理部280とを備える。
【0033】
認証部200は、メールの送信元ドメインのドメイン認証を行う。認証部200におけるドメイン認証としては、送信元のIPアドレスを用いて送信メールサーバの正当性の検査を行うSPF(Sender Policy Framework)と、電子署名を用いて正当な送信者からの改ざんされていないメールであるかどうかを検査するDKIM(DomainKeys Identified Mail)等を例示することができる。認証部200により認証されたメールが、配信対象のメールとしてフィルタ部230に供給される。
【0034】
格納部290は、配信することが許容されるメールの送信元のドメイン又はメールアドレスを含むドメイン評判リスト310、及び、ユーザが受け取ることを許容するメールのドメイン又はメールアドレスを含むホワイトリスト320を格納する。
【0035】
フィルタ部230は、配信対象のメールの送信元のドメイン又はメールアドレスがドメイン評判リスト310及びホワイトリスト320のそれぞれが含んでいるか否かを判断する。配信部250は、配信対象のメールのうち、送信元のドメイン又はメールアドレスがドメイン評判リスト310及びホワイトリスト320に含まれるメールを少なくとも、ユーザに配信する。
【0036】
保持部240は、配信対象のメールのうち、送信元のドメイン又はメールアドレスがドメイン評判リスト310及びホワイトリスト320のいずれにも含まれないメールを保持する。第1更新部210は、保持部240に保持されているメールの内容を解析して、保持部240に保持されているメールのうち配信することが許容されるべきメールを抽出し、抽出したメールの送信元のドメイン又はメールアドレスに基づいて、ドメイン評判リスト310を更新する。
【0037】
第2更新部220は、配信対象のメールのうち、送信元のドメイン又はメールアドレスがドメイン評判リスト310に含まれ、かつ、ホワイトリスト320に含まれないメールの送信元のドメイン又はメールアドレスの中から、ユーザにより指定されたドメイン又はメールアドレスを、ホワイトリスト320に追加する。
【0038】
配信部250は、保持部240に保持されているメールの中から、送信元のドメイン又はメールアドレスが第1更新部210により更新されたドメイン評判リスト310及び第2更新部220により更新されたホワイトリスト320に含まれるメールを抽出し、抽出したメールをユーザに配信する。
【0039】
配信部250は、配信対象のメールの送信元のドメイン又はメールアドレスがドメイン評判リスト310に含まれない場合であっても、当該メールの送信元のドメイン又はメールアドレスがホワイトリスト320に含まれる場合に、当該メールをユーザに配信してよい。
【0040】
第1更新部210は、メールに含まれる予め定められた複数のフィールドの文字列からそれぞれ入力値を生成する入力値生成部211と、入力値生成部211により生成された複数の入力値に基づいて、配信することが許容されるべきメールであるか否かを判別する判別器212とを有する。判別器212は、配信されることが許容されるメールを複数のメールを用いて学習するディープラーニングによって構築されていてよい。
【0041】
メール処理部280は、ユーザデバイス110と通信して、ユーザ80宛のメールに関する処理を担う。メール処理部280は、配信対象のメールのうち、送信元のドメイン又はメールアドレスがドメイン評判リスト310に含まれ、かつ、ホワイトリスト320に含まれないメールの送信元のドメイン又はメールアドレスを送信元とするメールを受信するか否かをユーザに提示する。メール処理部280は、ドメイン評判リスト310に含まれホワイトリスト320に含まれないメールのドメイン又はメールアドレスに関してユーザに提示する提示部の一例である。第2更新部220は、メール処理部280により提示されたメールを受信することをユーザが選択した場合に、送信元のドメイン又はメールアドレスがドメイン評判リスト310に含まれ、かつ、ホワイトリスト320に含まれないメールの送信元のドメイン又はメールアドレスを、ホワイトリスト320に追加する。
【0042】
第2更新部220はさらに、ユーザに配信されたメールに対するユーザの処理内容を取得し、取得した処理内容に基づいて、ホワイトリスト320を更新してよい。例えば、第2更新部220は、ユーザに配信されてからユーザが予め定められた時間内に削除したメール、又は、ユーザに配信された後ユーザが開かずに削除したメールの送信元のドメイン又はメールアドレスを、ホワイトリスト320から削除してよい。
【0043】
第2更新部220はさらに、ユーザが送信したメールの送信先のドメイン又メールアドレスを取得し、取得したドメイン又メールアドレスを、ホワイトリスト320に追加してよい。
【0044】
第2更新部220はさらに、Webプロキシデータを取得し、取得したWebプロキシデータに基づいて、ユーザがアクセスしたネットワークリソースのドメインを特定し、特定したドメインの少なくとも一部を、ホワイトリスト320に追加してよい。
【0045】
第2更新部220はさらに、ユーザにより追加又は更新されたユーザの顧客データに含まれるメールアドレス又はURLのドメインを、ホワイトリスト320に追加してよい。顧客データとしては、アプリケーションサーバ150に格納されている名刺データや、アドレス帳データなどを例示することができる。このように、第2更新部220はさらに、ユーザ80により追加又は更新されたユーザ80のアドレス帳に含まれる電子メールアドレス又は電子メールアドレスのドメインを、ホワイトリスト320に追加してよい。
【0046】
メールサーバ100において、ドメイン又はメールアドレスがドメイン評判リスト310及びホワイトリスト320に含まれないメールは、スパムメールである可能性が高いメールである。判別器212は、このようなスパムメールである可能性が高いメールのみを対象として非スパムメールを判別するので、メールサーバ100における負荷を低減することができる。したがって、判別器212に演算量が多い判別処理を行わせることができる。
【0047】
また、メールサーバ100によれば、メール送信サーバ130、Webプロキシサーバ140、アプリケーションサーバ150から収集したデータや、ユーザ80のアドレス帳データを用いてホワイトリスト320を更新する。そのため、ユーザ80に適したホワイトリストを構築することができる。
【0048】
図3は、メールシステム10における処理内容を概略的に示す。メールサーバ100において、ドメイン認証処理300は、認証部200により実行される処理である。ドメイン認証処理300は、メールゲートウェイ装置において実現されてよい。
【0049】
ドメイン認証処理300により認証されたメールは、ドメイン評判リスト310と照合される。また、ドメイン認証処理300により認証されたメールは、ホワイトリスト320と照合される。
【0050】
ドメイン認証処理300により認証されたメールのうち、送信元ドメインがドメイン評判リスト310に含まれ、かつ、送信元アドレスがホワイトリスト320に含まれるメールは、メールボックス270の受信フォルダに格納される、又は、ユーザデバイス110に転送される。なお、送信元ドメインがドメイン評判リスト310に含まれていない場合であっても、送信元アドレスがホワイトリスト320に含まれているメールは、メールボックス270の受信フォルダに格納される、又は、ユーザデバイス110に転送されてよい。
【0051】
ドメイン認証処理300により認証されたメールのうち、送信元ドメインがドメイン評判リスト310に含まれ、送信元アドレスがホワイトリスト320に含まれないメールは、メールボックス270において、受信フォルダとは異なる確認フォルダに格納される。ユーザ80は、ユーザデバイス110を操作して、確認フォルダに格納されたメールの送信元アドレスのメール受信する操作を行うと、第2更新部220は、当該メールの送信元アドレスをホワイトリスト320に追加する。
【0052】
ドメイン認証処理300により認証されたメールのうち、送信元ドメインがドメイン評判リスト310に含まれず、かつ、送信元アドレスがホワイトリスト320に含まれないメールは、保持部240に保持される。第1更新部210は、保持部240に保持されたメールを、判別器212を用いて判別する。判別器212から、非スパムメールである旨の出力が得られると、第1更新部210は、ドメイン評判リスト310に、当該メールの送信元ドメインを追加する。
【0053】
第2更新部220は、メール送信サーバ130から収集されたメール送信ログ330、Webプロキシサーバ140から収集されたWebプロキシログ340、アプリケーションサーバ150から収集されたユーザ80の顧客データ350やアドレス帳データ360に基づいて、配信されるべきメールアドレス又はドメインを抽出して、ホワイトリスト320に追加してよい。第1更新部210は、メール送信ログ330、Webプロキシログ340、顧客データ350、及びアドレス帳データ360に基づいて、配信されるべきメールアドレスのドメインを決定して、ドメイン評判リスト310に追加してよい。
【0054】
ドメイン評判リスト310やホワイトリスト320に追加されるドメイン又はメールアドレスの抽出は、ディープラーニングによって得られた判別器を用いてもよいし、予め定められた抽出ロジックを用いてもよい。
【0055】
図4は、メールアプリケーションによってユーザデバイス110に表示される画面500の一例を概略的に示す。ユーザデバイス110は、メールサーバ100によって提供されるWebメール機能により、メールボックス270に格納されたメールにアクセスしてよい。ユーザデバイス110は、アプリケーションサーバ150及びメールサーバ100との組み合わせにより提供されるメールアプリケーション機能により、メールボックス270に配信されたメールにアクセスしてよい。ユーザデバイス110は、ユーザデバイス110に格納されたローカルのメールアプリケーション機能により、メールボックス270に配信されたメールにアクセスしてよい。この場合、ユーザデバイス110は、IMAPプロトコルによってメールサーバ100のメールボックス270に格納されたメールにアクセスしてよい。
【0056】
画面500において、受信フォルダに対応するフォルダ501と、ユーザが作成したフォルダ502a、フォルダ502b、及びフォルダ502cと、削除したメールが格納されるフォルダ508と、確認フォルダ509とを含む。フォルダ501は、新着メールが到着した場合にデフォルトで格納されるフォルダである。
【0057】
確認フォルダ509には、送信元ドメインがドメイン評判リスト310に含まれるものの、送信元アドレスがホワイトリスト320に含まれないメールが格納される。ユーザ80が確認フォルダ509を開いてメール22を選択する操作をすると、メニュー510が表示される。メニュー510は、メール22の送信元アドレスからのメール配信をユーザ80が受け入れるか否かを問い合わせるメニューである。メール処理部280は、確認フォルダに格納されたメールを取得する指示を受け付けた場合に、ユーザデバイス110にメニュー510を表示させてよい。ユーザ80がボタン511を通じて受信する旨を選択すると、メール処理部280はメール22のデータをユーザデバイス110に送信するとともに、第2更新部220はホワイトリスト320にメール22の送信元アドレスを追加する。
【0058】
なお、第2更新部220は、ユーザ80がメール22の送信元アドレスのメール配信を受け入れた場合であっても、メール22を開封した後の予め定められた時間内にメール22がゴミ箱のフォルダ308に移動された場合は、ホワイトリスト320からメール22の送信元アドレスを削除してよい。あるいは、第2更新部220は、ユーザ80がメール22の送信元アドレスのメール配信を受け入れた場合であっても、メール22を開封した後の予め定められた時間内にメール22がゴミ箱フォルダ308以外のフォルダ501、フォルダ502a、フォルダ502b、又はフォルダ502cに移動された場合に、ホワイトリスト320にメール22の送信元アドレスを追加してよい。
【0059】
なお、ユーザ80がフォルダ501に格納されたメールを開封することなくゴミ箱のフォルダ508に移動した場合、第2更新部220は、当該メールの送信元アドレスをホワイトリスト320から削除してよい。また、ユーザ80がフォルダ501に格納されたメールを開封した後、予め定められた時間内に当該メールをゴミ箱のフォルダ508に移動した場合、第2更新部220は、当該メールの送信元アドレスをホワイトリスト320から削除してよい。
【0060】
図5は、Webプロキシサーバ140から収集されるプロキシログの一例をテーブル形式で示す。プロキシログには、日時、接続時間、接続結果、転送データ量、アクセス種別、及びURLが含まれる。日時は、Webプロキシサーバ140を通じて外部のウェブサーバにアクセスした日時を示す。接続時間は、Webプロキシサーバ140を通じてウェブサーバと通信した時間を示す。接続結果は、外部のウェブサーバへのアクセスが成功したか否かを示す。転送データ量は、外部のウェブサーバから転送されたデータ量を示す。アクセス種別は、外部のウェブサーバからデータを取得したか、外部のウェブサーバにデータを送信したかを示す。URLは、外部のウェブサーバのURLを示す。
【0061】
第2更新部220は、プロキシログに基づいて、ユーザデバイス110からアクセスされたウェブサーバのURLのドメインを取得し、取得したドメインをホワイトリスト320に追加する。なお、第2更新部220は、予め定められた期間内に予め定められた時間以上通信したウェブサーバを特定し、特定したウェブサーバのURLのドメインを、ホワイトリスト320に追加してよい。また、第2更新部220は、同一のURL又は同一のドメインへのアクセスが予め定められた回数を超えたことを条件として、ホワイトリスト320に追加してよい。
【0062】
図6は、メール送信サーバ130から収集されるメール送信ログの一例をテーブル形式で示す。メール送信ログには、開始日時、送信元、宛先、サイズ、送信状態、送信完了日時を含む。開始日時は、メールの送信処理を開始した日時を示す。送信元は、メールの送信元アドレスを示す。宛先は、メールの宛先アドレスを示す。サイズは、メールのデータサイズを示す。送信状態は、送信が正常に完了したか否かを示す。送信完了日時は、送信が正常に完了した日時を示す。
【0063】
第2更新部220は、送信が正常に完了した宛先アドレスを、ホワイトリスト320に追加する。第2更新部220は、予め定められた期間内に予め定められた回数以上メールの送信が正常に完了した宛先アドレスを、ホワイトリスト320に追加してよい。なお、第2更新部220は、同一の宛先アドレスへのメールの送信が予め定められた回数を超えたことを条件として、ホワイトリスト320に追加してよい。
【0064】
図7は、アプリケーションサーバ150により格納される名刺情報の内容を模式的に示す。アプリケーションサーバ150は、ユーザ80の取引先会社の社名、取引先会社の社員の名称、取引先会社の社員のメールアドレス、取引先会社のURLを含む取引先情報を格納する。これらのデータは、ユーザ80によりアプリケーションサーバ150に登録されてよい。アプリケーションサーバ150は、登録された顧客データを用いて、顧客管理アプリケーションをユーザ80に提供してよい。
【0065】
メールサーバ100は、アプリケーションサーバ150から、取引先会社の社員のメールアドレスを取得する。第2更新部220は、取得したメールアドレスを、ホワイトリスト320に追加する。アプリケーションサーバ150において新たな名刺情報が登録された場合、第2更新部220は、新たに登録された名刺情報に含まれるメールアドレスを取得して、ホワイトリスト320に追加してよい。アプリケーションサーバ150において名刺情報に含まれるメールアドレスが更新された場合、第2更新部220は、更新前及び更新後のメールアドレスを取得して、ホワイトリスト320に格納されている更新前のメールアドレスを、更新後のメールアドレスに書き換えてよい。
【0066】
図8は、会社毎に管理される正当な名刺情報リスト800をテーブル形式で示す。名刺情報リスト800には、メールの正当な送信者となり得る社員の名刺情報が含まれる。名刺情報リスト800は、各会社から提供された情報に基づいて生成されてよい。名刺情報リスト800は、会社の社名、会社の社員の名称、会社の社員のメールアドレス、会社のURLを含む。名刺情報リスト800は、アプリケーションサーバ150により管理されてよい。
【0067】
メールサーバ100において、第2更新部220は、アプリケーションサーバ150から取得した名刺情報リスト800に基づいて、ホワイトリスト320を更新してよい。例えば、ユーザ80が○○会社の社員の名刺情報を取引先会社の名刺情報としてアプリケーションサーバ150に登録した場合、第2更新部220は、名刺情報リスト800において○○会社に対応づけて格納されている他の社員のメールアドレス、当該メールアドレスのドメイン、URLのドメインを取得して、ユーザ80のホワイトリスト320に追加してよい。また、第2更新部220は、上述したようにユーザ80が送信したメールの宛先メールアドレスをホワイトリスト320に追加したり、確認フォルダ509に格納されたメールを取得する指示に応じて当該メールの送信元メールアドレスをホワイトリスト320に追加する場合において、当該追加されるメールアドレスに対応づけられた会社の社員のメールアドレス、当該メールアドレスのドメイン、URLのドメインを名刺情報リスト800から取得して、ユーザ80のホワイトリスト320に追加してよい。例えば、第2更新部220は、ホワイトリスト320に新たに追加するメールアドレスが○○会社の社員のメールアドレスとして名刺情報リスト800に格納されている場合に、名刺情報リスト800において○○会社に対応づけて格納されている他の社員のメールアドレス、当該メールアドレスのドメイン、URLのドメインを、ホワイトリスト320に追加してよい。
【0068】
また、第2更新部220は、名刺情報リスト800に基づいてユーザ80のホワイトリスト320を更新する場合に、ユーザ80が属する会社の他の社員のホワイトリストを、名刺情報リスト800に基づいて更新してよい。例えば、ユーザ80が××会社の社員であるとすると、第2更新部220は、○○会社の社員のメールアドレス、当該メールアドレスのドメイン、及びURLのドメインをユーザ80のホワイトリスト320に追加した場合に、××会社の他の全ての社員のホワイトリストに、○○会社の社員のメールアドレス、当該メールアドレスのドメイン、及びURLのドメインを追加してよい。これにより、法人ユーザ同士でやり取りされるメールがスパムメールとして処理される可能性を低減することができる。なお、ユーザ80が属する会社を特定する情報や各会社の社員を特定する情報は、アプリケーションサーバ150等において管理されており、第2更新部220は、アプリケーションサーバ150等から取得した情報に基づいて、ユーザ80が属する会社の他の社員のホワイトリストを更新してよい。
【0069】
なお、アプリケーションサーバ150は、ユーザ80のアドレス帳データを格納してよい。アプリケーションサーバ150に格納されるアドレス帳データは、ユーザデバイス110内のアドレス帳データと同期されてよい。メールサーバ100において、第2更新部220は、アプリケーションサーバ150から取得したアドレス帳データにメールアドレスが追加された場合に、当該メールアドレスをホワイトリスト320に追加してよい。第2更新部220は、アプリケーションサーバ150から取得したアドレス帳データに格納されているメールアドレスが更新された場合に、ホワイトリスト320に格納されている更新前のメールアドレスを、更新後のメールアドレスに書き換えてよい。
【0070】
以上に説明したように、メールシステム10によれば、ドメイン評判リスト310及びホワイトリスト320により選別されたメール以外のメールを対象に判別器212で判別するので、メールサーバ100における負荷を低減することができる。また、判別器212は、非スパムメールの特徴を学習することにより構築されているので、スパムメールの送信者がスパムメールの内容を変化させるという回避策の効果を低減することができる。
【0071】
また、メールシステム10によれば、メール送信サーバ130、Webプロキシサーバ140、アプリケーションサーバ150から収集したデータや、ユーザ80のアドレス帳データを用いてホワイトリスト320を更新するので、ユーザ80に適したホワイトリストを構築することができる。一般的には好ましくないと判断されるサイトからのメールであっても、ユーザ80がメールを受け入れている限り、そのメールを送信しないことは好ましくない。メールシステム10によれば、ユーザ80に適したホワイトリスト320をユーザ毎に構築することができるので、ユーザ80が欲する送信者からのメールをユーザ80に配信することができる。
【0072】
図9は、メールサーバ100として機能するコンピュータ1000の一例を概略的に示す。本実施形態に係るコンピュータ1000は、ホストコントローラ1092により相互に接続されるCPU1010、及びRAM1030を有するCPU周辺部と、入出力コントローラ1094によりホストコントローラ1092に接続されるROM1020、通信I/F1040、ハードディスクドライブ1050、及び入出力チップ1080を有する入出力部を備える。
【0073】
CPU1010は、ROM1020及びRAM1030に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。通信I/F1040は、有線又は無線によりネットワークを介して他の装置と通信する。また、通信I/F1040は、通信を行うハードウエアとして機能する。ハードディスクドライブ1050は、CPU1010が使用するプログラム及びデータを格納する。
【0074】
ROM1020は、コンピュータ1000が起動時に実行するブート・プログラム及びコンピュータ1000のハードウエアに依存するプログラムなどを格納する。入出力チップ1080は、例えばパラレル・ポート、シリアル・ポート、キーボード・ポート、マウス・ポートなどを介して各種の入出力装置を入出力コントローラ1094へと接続する。
【0075】
RAM1030を介してハードディスクドライブ1050に提供されるプログラムは、ICカードなどの記録媒体に格納されて利用者によって提供される。プログラムは、記録媒体から読み出され、RAM1030を介してハードディスクドライブ1050にインストールされ、CPU1010において実行される。
【0076】
コンピュータ1000にインストールされ、コンピュータ1000をメールサーバ100として機能させるプログラムは、CPU1010などに働きかけて、コンピュータ1000を、メールサーバ100の各部としてそれぞれ機能させてよい。これらのプログラムに記述された情報処理は、コンピュータ1000に読込まれることにより、ソフトウエアと上述した各種のハードウエア資源とが協働した具体的手段である認証部200、第1更新部210、第2更新部220、フィルタ部230、保持部240、配信部250、メールボックス270、メール処理部280として機能する。そして、これらの具体的手段によって、本実施形態におけるコンピュータ1000の使用目的に応じた情報の演算又は加工を実現することにより、使用目的に応じた特有のメールサーバ100が構築される。
【0077】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0078】
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階などの各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」などと明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」などを用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0079】
10 メールシステム、20、22 メール、50 ネットワーク、80 ユーザ、90 ユーザ、100 メールサーバ、110 ユーザデバイス、120 ユーザデバイス、130 メール送信サーバ、140 Webプロキシサーバ、150 アプリケーションサーバ、200 認証部、210 第1更新部、211 入力値生成部、212 判別器、220 第2更新部、230 フィルタ部、240 保持部、250 配信部、270 メールボックス、280 メール処理部、290 格納部、300 ドメイン認証処理、308 フォルダ、310 ドメイン評判リスト、320 ホワイトリスト、340 Webプロキシログ、350 顧客データ、360 アドレス帳データ、500 画面、501、502、508 フォルダ、509 確認フォルダ、510 メニュー、511 ボタン、800 名刺情報リスト、1000 コンピュータ、1010 CPU、1020 ROM、1030 RAM、1040 通信I/F、1050 ハードディスクドライブ、1080 入出力チップ、1092 ホストコントローラ、1094 入出力コントローラ
【要約】
【課題】スパムメールの除去に要する負荷を軽減し、スパムメールが配信されない確率を高めること。
【解決手段】電子メールシステムは、配信が許容されるメールの送信元ドメイン又はアドレスを含む第1リスト、及び、ユーザが受取りを許容するドメイン又はアドレスを含む第2リストを格納し、送信元のドメイン又はアドレスが第1リスト及び第2リストに含まれるメールをユーザに配信し、送信元のドメイン又はアドレスが第1リスト及び第2リストのいずれにも含まれないメールを保持し、保持しているメール内容を解析して配信が許容されるべきメールを抽出し、抽出したメールの送信元のドメイン又はアドレスに基づき第1リストを更新し、送信元のドメイン又はアドレスが第1リストに含まれかつ第2リストに含まれないメールの送信元のドメイン又はアドレスの中から、ユーザにより指定されたドメイン又はアドレスを第2リストに追加する。
【選択図】図3
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9