(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6578046
(24)【登録日】2019年8月30日
(45)【発行日】2019年9月18日
(54)【発明の名称】PDE5阻害用医薬組成物及びPDE5阻害用食品組成物
(51)【国際特許分類】
A61K 31/4015 20060101AFI20190909BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20190909BHJP
A61P 15/10 20060101ALI20190909BHJP
A23L 33/10 20160101ALI20190909BHJP
C12N 9/16 20060101ALN20190909BHJP
C07D 207/27 20060101ALN20190909BHJP
【FI】
A61K31/4015
A61P43/00 111
A61P15/10
A23L33/10
!C12N9/16 C
!C07D207/27 Z
【請求項の数】2
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2018-156230(P2018-156230)
(22)【出願日】2018年8月23日
【審査請求日】2019年4月11日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】300022526
【氏名又は名称】TOWA CORPORATION 株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100148792
【弁理士】
【氏名又は名称】三田 大智
(72)【発明者】
【氏名】橋本 顕
【審査官】
谷合 正光
(56)【参考文献】
【文献】
特表2003−531174(JP,A)
【文献】
Synthetic Communications,1998年,Vol.28, No.9,pp.1649-1659
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 31/4015
A23L 33/10
A61P 15/10
A61P 43/00
C07D 207/27
C12N 9/16
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/REGISTRY
/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
5-アセチル-1-ベンジルピロリジン-2-オンを有効成分として含有してなるPDE5阻害用医薬組成物。
【請求項2】
5-アセチル-1-ベンジルピロリジン-2-オンを有効成分として含有してなるPDE5阻害用食品組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ホスホジエステラーゼ(PDE:Phosphodiesterase)5
阻害用の医薬組成物及び食品組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
5-アセチル-1-ベンジルピロリジン-2-オン(5-Acetyl-1-benzylpyrrolidin-2-one)は、ピロリジンの5位に位置する炭素にアセチル基がついており、1位に位置する窒素にベンジル基がついており、2位に位置する炭素に酸素の二重結合がついている化合物である。
【0003】
従来、下記非特許文献1に示すように、この5-アセチル-1-ベンジルピロリジン-2-オンが合成化合物の一例として示唆されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】DESKUS、外2名、「SYNTHESIS OF 5S-(1-OXOALKYL AND ARYL)-2-PYRROLIDINONE DERIVATIVES」、SYNTHETIC COMMUNICATIONS、アメリカ合衆国、Marcel Dekker,Inc.、1998年5月、第28巻、第9号、p.1649-1659
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記非特許文献1においては、5-アセチル-1-ベンジルピロリジン-2-オンの存在が示唆されているにすぎず、具体的な属性については何らの開示も示唆もなされていない。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は、鋭意研究の結果、PDE5の働き、つまりサイクリックGMP(cGMP)をGMPに分解する働きを阻害して、平滑筋を有効に弛緩させて陰茎に血液流入を促す作用を5-アセチル-1-ベンジルピロリジン-2-オンが有していることを見出し、本発明を完成するに至ったものである。
【0007】
すなわち、本発明は、5-アセチル-1-ベンジルピロリジン-2-オンを有効成分として含有してな
るPDE5阻害用医薬組成物又はPDE5阻害用食品組成物に関する。
【発明の効果】
【0008】
本発明
のPDE5阻害用医薬組成物又はPDE5阻害用食品組成物は、PDE5の働きによりcGMPが過度に分解される状態の予防及び/又は治療に貢献することができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明は、5-アセチル-1-ベンジルピロリジン-2-オンを有効成分として含有するPDE5
阻害用の医薬組成物に関する。
【0010】
5-アセチル-1-ベンジルピロリジン-2-オンは、ピロリジンの5位に位置する炭素にアセチル基がついており、1位に位置する窒素にベンジル基がついており、2位に位置する炭素に酸素の二重結合がついている化合物であり、構造式は下記化1のとおりである。また、分子式はC
13H
15NO
2である。
【0012】
PDE5は、既述の如く、cGMPを加水分解する酵素であり、陰茎海綿体の血管平滑筋等に偏在する
。
【0013】
本発明は、5-アセチル-1-ベンジルピロリジン-2-オンを有効成分として含有する、PDE5により仲介される状態の予防及び/又は治療のためのPDE5阻害用医薬組成物に関する。
【0014】
PDE5により仲介される状態としては、PDE5が関与する状態であればよいが、特に男性機能障害があげられる。
【0015】
本発明に係る医薬組成物は、医薬品又は医薬部外品として使用することができ、各種の形態とすることができる。これら医薬品又は医薬部外品は、例えば、散剤、丸剤、錠剤(例えば、コーティング錠、糖衣錠、チュワブル錠等)、カプセル剤(例えば、硬若しくは軟ゼラチンカプセル剤等)、顆粒剤、内服液剤(例えば、乳濁剤、懸濁剤、シロップ等)等の経口投与に適した剤形とすることができる。
【0016】
その他、例えば、坐剤等の直腸内投与に適した剤形、例えば、注射剤、輸液等の血管内投与、筋肉内投与、皮下又は皮肉投与等に適した剤形、例えば軟膏、クリーム剤、ゲル剤、又は液剤(点眼液、洗眼液等を含む。)等の局部的又は経皮的投与に適した剤形、すなわち非経口的投与に適した剤形とすることもできるが、好ましくは経口投与である。
【0017】
本発明の医薬組成物を錠剤、顆粒剤,カプセル剤、チュワブル錠の形態で用いる場合には、打錠加工助剤、顆粒加工助剤、カプセル加工助剤等をはじめとして既知の担体が用いられ得る。
【0018】
打錠加工助剤としては、グラニュー糖、上白糖、粉糖、還元麦芽糖水飴粉末、乳糖、ブドウ糖、プルラン、エリスリトール、デンプン、デキストリン等あらゆる糖類、結晶セルロース、アラビアガム、おから等の食物繊維類、トウモロコシタンパク、リン酸カルシウム等の食品カルシウム、食品エキス類、食品乾燥粉末類、天然果汁末類、ショ糖脂肪酸エステル等の界面活性剤、粉末油脂類、グリセリン、脂肪酸エステル等の油脂類、又はチュワブル錠に使用する各種甘味料、各種酸味料、各種香料等の味付け素材、コーティング素材としてのシェラック、トウモロコシタンパク、酵母細胞壁、デンプン、還元麦芽糖水飴、シュガーレス糖衣、マルチトール、グリセリン、ソルビトール、HPMC、HPC等が例示される。ただし、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はない。
【0019】
また、顆粒加工助剤としても、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はないが、グラニュー糖、上白糖、粉糖、還元麦芽糖水飴粉末、乳糖、ブドウ糖、プルラン、エリスリトール、デンプン、デキストリン等あらゆる糖類、結晶セルロース、アラビアガム等の食物繊維類、トウモロコシタンパク、リン酸カルシウム等の食品カルシウム、食品エキス類、食品乾燥粉末類、天然果汁末類等が例示される。
【0020】
また、カプセル加工助剤としても、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はないが、ハードカプセルタイプのカプセルを調製するための、グラニュー糖、上白糖、粉糖、還元麦芽糖水飴粉末、乳糖、ブドウ糖、プルラン、エリスリトール、デンプン、デキストリン等あらゆる糖類、結晶セルロース、アラビアガム等の食物繊維類、トウモロコシタンパク、リン酸カルシウム等の食品カルシウム、食品エキス類、食品乾燥粉末類、天然果汁末類等が、ソフトカプセルタイプのカプセルを調製するための、食品油脂、ミツロウ、グリセリン脂肪酸エステル等の内容物粘度調整剤等が、それぞれ例示される。
【0021】
錠剤は、通常、打錠機を使用して調製され得るが、錠剤に味付け素材をブレンドしてチュワブル錠にしたり、錠剤表面を、自動コーティング機、噴霧顆粒機、又は手掛けパンを用いてコーティングしたりしてもよい。顆粒剤の成形には、噴霧顆粒機タイプ、練りだし(押し出し)タイプ、又は高速撹拌顆粒機タイプの各種顆粒機が使用され得る。カプセル剤の調製には、カプセル助剤を混合してカプセル充填機(ハードタイプ及びソフトタイプ)が使用され得る。
【0022】
また、本発明は、5-アセチル-1-ベンジルピロリジン-2-オンを有効成分として含有してなる、PDE5により仲介される状態の予防及び/又は改善のためのPDE5阻害用食品組成物に関する。
【0023】
本発明のPDE5阻害用食品組成物は、食品、飲料又は動物用飼料として、例えば、健康食品、機能性食品、特定保健用食品、美容食品又は栄養補助食品(サプリメント)として使用することができる。これら食品、飲料及び動物用飼料は、例えば、アイスクリーム、ゼリー、あめ、チョコレート、及びチューインガム等の既知の食品形態、お茶及びジュース等の飲料水としての形態であってもよい。また、液剤、粉剤、粒剤、カプセル剤又は錠剤等の形態であってもよい。
【0024】
なお、本発明のPDE5阻害用食品組成物は、特に男性機能障害が気になるかたにすすめられる。
【0025】
本発明に係
るPDE5阻害用医薬組成物、PDE5阻害用食品組成物の摂取量は、特に制限されないが、使用者若しくは患者等の摂取者又は摂取動物の年齢、体重又は症状等や剤形に応じて適宜選択することができる。また、摂取期間は、摂取者又は摂取動物の年齢、症状に応じて任意に定めることができる。
【実施例】
【0026】
次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り以下の実施例に限定されるものではない。
【0027】
ホスホジエステラーゼアッセイ
5-アセチル-1-ベンジルピロリジン-2-オンのPDE5阻害活性を評価するため、蛍光偏光法によるPDE5阻害アッセイを実施した。アッセイには、IMAP(商標)アッセイキット(モレキュラーデバイス社製、カタログ番号R8127)を使用した。評価はすべて二重検定で実施した。ナノ粒子上に固定した金属配位錯体によるリン酸塩の高親和性結合にもとづいて、アッセイした。IMAP結合試薬は、ホスホジエステラーゼによりcGMPから生じたヌクレオチド一リン酸のリン酸基と複合体を形成する。蛍光偏光の検出により、結合すると、リン酸含有分子の分子運動速度に変化が生じ、結果として基質にラベルした蛍光の偏光が増大する。
【0028】
(試薬の調製)
1)基質溶液
2.5mM Tris−HCl、2mM MgCl
2、0.01% NaN
3、0.02% BSAを含むIMAP反応緩衝液中でフルオレセイン標識cGMP(100nM)を調製した。
2)酵素溶液
バキュロウイルスを用いて昆虫細胞で発現・精製させたヒトPDE5触媒ドメインをIMAP反応緩衝液中に調製した。
3)IMAP結合溶液
IMAP結合試薬をIMAP反応緩衝液中で調製した。
【0029】
(被験化合物溶液の調製)
被験化合物をジメチルスルホキシドに溶解した。
(試験方法及び測定方法)
1)96ウェルブラックプレートに被験化合物溶液、基質溶液、酵素溶液を1ウェルあたり各10μLずつ添加した(ジメチルスルホキシドの最終濃度は3%)。
2)遮光かつ37℃で40分間インキュベートした。
3)IMAP結合溶液を1ウェルあたり60μLずつ添加した。
4)マルチラベルリーダー(パーキンエルマ一社製、Victor3)で各ウェルの485nm/530nm ex/emで蛍光偏光を測定した。
5)被験化合物に代えてジメチルスルホキシドを添加し、他は前記と同じ操作を実施して、その結果をコントロールとした。
6)酵素溶液に代えてIMAP反応緩衝液を添加し、他は前記と同じ操作を実施して、その結果をバックグラウンドとした。
【0030】
(PDE5阻害率の計算式)
PDE5限害率(%)は下記の式により算出した。結果は二重検定の平均とした。
PDE5阻害率(%)={1−(被験化合物の蛍光偏光値−バックグラウンドの蛍光偏光値)/(コントロールの蛍光偏光値−バックグラウンドの蛍光偏光値)}×100
【0031】
(IC50値の計算)
統計解析ソフトGraphPad Prismを用いてデータ解析した。50%阻害濃度(IC50)値は、0.001〜100mg/mLの化合物濃度の存在下で酵素活性を測定し、その後、蛍光偏光値に対する化合物濃度をプロットした用量反応曲線から求めた。
【0032】
(評価結果)
5-アセチル-1-ベンジルピロリジン-2-オンのIC50値は33.7mg/mLであった。
【0033】
(アッセイの妥当性の確認)
PDE5阻害剤として知られるシルデナフィルを参照被験化合物として、他は本願化合物と同じ条件で同じ操作を実施して得られたIC50値は20.6nMであった。本試験方法における適正範囲は約5〜50nMであることから、アッセイの妥当性が示された。
【要約】
【課題】 PDE5
阻害用医薬組成物及びPDE5阻害用食品組成物の提供。
【解決手段】 本発明は5−アセチル−1ベンジルピロリジン−2−オンを有効成分として含有してなるPDE5
阻害用医薬組成物及びPDE5阻害用食品組成物に関する。
【選択図】 なし