(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6578052
(24)【登録日】2019年8月30日
(45)【発行日】2019年9月18日
(54)【発明の名称】多モード外科用気体送達システムのための一体化された気密シールを伴う多経路濾過アセンブリ
(51)【国際特許分類】
A61B 17/94 20060101AFI20190909BHJP
【FI】
A61B17/94
【請求項の数】32
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2018-500343(P2018-500343)
(86)(22)【出願日】2016年6月17日
(65)【公表番号】特表2018-519923(P2018-519923A)
(43)【公表日】2018年7月26日
(86)【国際出願番号】US2016037976
(87)【国際公開番号】WO2017003712
(87)【国際公開日】20170105
【審査請求日】2018年5月28日
(31)【優先権主張番号】62/186,549
(32)【優先日】2015年6月30日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】517133507
【氏名又は名称】サージクエスト,インク.
【氏名又は名称原語表記】SURGIQUEST, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】110001014
【氏名又は名称】特許業務法人東京アルパ特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100094651
【弁理士】
【氏名又は名称】大川 晃
(72)【発明者】
【氏名】マストリ,ドミニク
(72)【発明者】
【氏名】ゼルジーベル,アール エム.
(72)【発明者】
【氏名】オージェリ,マイケル ジェー.
(72)【発明者】
【氏名】ブライア,ケネス
(72)【発明者】
【氏名】スターンズ,ラルフ
【審査官】
木村 立人
(56)【参考文献】
【文献】
特表2010−502360(JP,A)
【文献】
特表2012−505027(JP,A)
【文献】
特表2012−505056(JP,A)
【文献】
特表2013−541972(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2013/0231606(US,A1)
【文献】
国際公開第2015/019695(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/34
A61B 17/94
A61M 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の体腔のなかで又は患者の体管腔を通じて外科的処置を実行している間に、気体を送り届けるシステムであって、
a)吹き込み気体を気体源から受け入れるポートを含み、前記システム全体にわたって気体を循環させるポンプアセンブリを囲い込む主筐体
を有する気体送達装置と、
b)前記気体送達装置と連繋動作するよう構成され、
i)吹き込み気体を前記体腔又は管腔に送り届け、前記体腔又は管腔から静圧を定期的に容易に測定できるようにする吹き込み気体流路と、
ii)加圧された気体を加速してこれにより吹き込み気体が前記体腔又は管腔から出ていくのを妨げる気体調節ユニットのなかに含有された連続的な圧力バリアを生成するよう構成された内部ノズルアセンブリに、前記ポンプアセンブリから加圧された前記気体を送り届ける加圧気体流路と、
iii)前記内部ノズルアセンブリによって費やされ減圧された気体を真空のもとで前記ポンプアセンブリに戻す真空戻り流路と、
iv)特定の異常動作条件のもとで、空気を前記体腔又は管腔のなかへ引き入れて、そのなかの所与の圧力を維持する空気巻き込み流路と、
v)前記体腔又は管腔から煙及び残屑を運搬する煙排出流路と、
を画定する、前記気体調節ユニットと、
を備える、システム。
【請求項2】
請求項1記載のシステムにおいて、
前記気体調節ユニットは、前端部と反対側の後端部とを有する略円筒形の濾過筐体を含み、
前記気体送達装置の前記主筐体は、前記気体調節ユニットの前記後端部を取り外し可能に受け入れる係合ポートを含む、
システム。
【請求項3】
請求項2記載のシステムにおいて、
前記濾過筐体のなかで画定された各流路は、それと連繋する濾過要素を有し、そこを通じて流れる気体を調節する、
システム。
【請求項4】
請求項3記載のシステムにおいて、
前記空気巻き込み流路及び前記煙排出流路は、襞状の濾過要素の形をした共通の濾過要素を共有する、
システム。
【請求項5】
請求項3記載のシステムにおいて、
前記真空戻り流路及び前記加圧気体流路は、それぞれ、それと連繋する独立した襞状の濾過要素を有する、
システム。
【請求項6】
請求項3記載のシステムにおいて、
前記吹き込み気体流路は、それと連繋する不織布膜濾過要素を有する、
システム。
【請求項7】
請求項2記載のシステムにおいて、
前記濾過筐体の前記後端部は、前記吹き込み気体流路と連通した第一の入口ポートを含む、
システム。
【請求項8】
請求項2記載のシステムにおいて、
前記濾過筐体の前記後端部は、前記加圧気体流路と連通した第二の入口ポートを含む、
システム。
【請求項9】
請求項2記載のシステムにおいて、
前記濾過筐体の前記後端部は、前記真空戻り流路と連通した第一の出口ポートを含む、
システム。
【請求項10】
請求項2記載のシステムにおいて、
前記濾過筐体の前記前端部は、前記吹き込み気体流路と連通した第二の出口ポートを含む、
システム。
【請求項11】
請求項2記載のシステムにおいて、
前記濾過筐体の前記前端部は、前記煙排出流路及び前記空気巻き込み流路と連通した一次中心ポートを含む、
システム。
【請求項12】
請求項2記載のシステムにおいて、
前記濾過筐体の前記前端部は、前記煙排出流路及び前記空気巻き込み流路と連通し離間した複数の通気ポートを含む、
システム。
【請求項13】
請求項7記載のシステムにおいて、
前記濾過筐体の前記後端部にある第一の前記入口ポートは、吹き込み気体の源と連通している、
システム。
【請求項14】
請求項8記載のシステムにおいて、
前記濾過筐体の前記後端部にある第二の前記入口ポートは、前記ポンプアセンブリの出口と連通している、
システム。
【請求項15】
請求項9記載のシステムにおいて、
前記濾過筐体の前記後端部にある第一の前記出口ポートは、前記ポンプアセンブリの入口と連通している、
システム。
【請求項16】
請求項10記載のシステムにおいて、
第一の外科用アクセス装置が、第一の可撓管を通じて、前記濾過筐体の第二の出口ポートと流体連通している、
システム。
【請求項17】
請求項11記載のシステムにおいて、
第二の外科用アクセス装置が、第二の可撓管を通じて、前記濾過筐体の前記一次中心ポートと流体連通している、
システム。
【請求項18】
請求項12記載のシステムにおいて、
前記濾過筐体にある複数の前記通気ポートは、大気に開放されている、
システム。
【請求項19】
請求項2記載のシステムにおいて、
前記濾過筐体は、前記内部ノズルアセンブリから上流に位置する前記加圧気体流路のなかに内部圧力室を含む、
システム。
【請求項20】
請求項2記載のシステムにおいて、
前記濾過筐体は、前記ポンプアセンブリから上流に前記真空戻り流路のなかに位置する内部貯蔵室を含む、
システム。
【請求項21】
外科用気体送達装置とともに使用する気体調節ユニットであって、前記気体調節ユニットは、
吹き込み気体を体腔又は管腔に送り届け、前記体腔又は管腔から静圧を定期的に容易に測定できるようにする吹き込み気体流路と、
加圧された気体を加速してこれにより吹き込み気体が前記体腔又は管腔から出ていくのを妨げる連続的な気体圧力バリアを生成する濾過筐体のなかの内部ノズルアセンブリに、前記外科用気体送達装置のなかのポンプから加圧された前記気体を送り届ける加圧気体流路と、
前記内部ノズルアセンブリによって費やされ減圧された気体を真空のもとで前記ポンプに戻す真空戻り流路と、
空気を前記体腔又は管腔のなかへ引き入れて、そのなかの所与の圧力を維持する空気巻き込み流路と、
前記体腔又は管腔から煙を運搬する煙排出流路と、
を有する前記濾過筐体を備える、
気体調節ユニット。
【請求項22】
請求項21記載の気体調節ユニットにおいて、
前記濾過筐体のなかで画定された各流路は、それと連繋する濾過要素を有し、そこを通じて流れる気体を調節する、
気体調節ユニット。
【請求項23】
請求項22記載の気体調節ユニットにおいて、
前記空気巻き込み流路及び前記煙排出流路は、襞状の濾過要素の形をした共通の円板形状の濾過要素を共有する、
気体調節ユニット。
【請求項24】
請求項22記載の気体調節ユニットにおいて、
前記真空戻り流路及び前記加圧気体流路は、それぞれ、それと連繋する独立した円板形状の襞状の濾過要素を有する、
気体調節ユニット。
【請求項25】
請求項22記載の気体調節ユニットにおいて、
前記吹き込み気体流路は、それと連繋する不織布膜濾過要素を有する、
気体調節ユニット。
【請求項26】
請求項21記載の気体調節ユニットにおいて、
前記濾過筐体の後端部が、
前記吹き込み気体流路と連通した第一の入口ポートと、
前記加圧気体流路と連通した第二の入口ポートと、
前記真空戻り流路と連通した第一の出口ポートと、
を含む、気体調節ユニット。
【請求項27】
請求項21記載の気体調節ユニットにおいて、
前記濾過筐体の前端部が、
前記吹き込み気体流路と連通した第二の出口ポートと、
前記煙排出流路及び前記空気巻き込み流路と連通した一次中心ポートと、
前記煙排出流路及び前記空気巻き込み流路と連通し離間した複数の通気ポートと、
を含む、気体調節ユニット。
【請求項28】
請求項26記載の気体調節ユニットにおいて、
前記濾過筐体の前記後端部にある第一の前記入口ポートは、吹き込み気体の源と連通している、
気体調節ユニット。
【請求項29】
請求項26記載の気体調節ユニットにおいて、
前記濾過筐体の前記後端部にある第二の前記入口ポートは、前記ポンプの出口と連通し、
前記濾過筐体の前記後端部にある第一の前記出口ポートは、前記ポンプの入口と連通している、
気体調節ユニット。
【請求項30】
請求項27記載の気体調節ユニットにおいて、
前記濾過筐体にある複数の前記通気ポートは、大気に開放されている、
気体調節ユニット。
【請求項31】
請求項21記載の気体調節ユニットにおいて、
前記濾過筐体は、前記内部ノズルアセンブリから上流に位置する前記加圧気体流路のなかに内部圧力室を含む、
気体調節ユニット。
【請求項32】
請求項21記載の気体調節ユニットにおいて、
前記濾過筐体は、前記ポンプから上流に前記真空戻り流路のなかに位置する内部貯蔵室を含む、
気体調節ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本主題出願は、米国仮特許出願第62/186,549号(2015年6月30日出願)から優先権の利益を主張する。その開示全体は、ここに参照により全体として組み入れられる。
【0002】
本主題発明は、手術を対象とする。もっと詳細に言えば、外科的処置をしている間に使用される多モード気体送達システムのための濾過装置を対象とする。これは、例えば、患者の腹腔のなかで実行される腹腔鏡下外科的処置、単孔式腹腔鏡下手術、又は、前記患者の体管腔を通じて実行される経腔外科的処置(例えば経肛門最小侵襲手術など)などである。
【背景技術】
【0003】
腹腔鏡下又は「最小侵襲性」外科的技法は、胆嚢切除術、虫垂切除術、ヘルニア修復、及び腎切除術などの処置の実行において一般的になりつつある。そのような処置の利点は、前記患者に与えられる外傷が小さくなり、感染の機会が減り、回復時間が短くなることを含む。前記腹腔(腹膜腔)のなかにおけるそのような処置は、トロカール又はカニューレとして知られる装置によって一般に実行される。これにより、腹腔鏡器具を患者の前記腹腔のなかへ容易に導入できるようになる。
【0004】
加えて、そのような処置は、一般に、前記腹腔(腹膜腔)に、加圧された流体(二酸化炭素など)を満たし又は「吹き込み」、気腹と呼ばれるものを生み出すことを伴う。前記吹き込みは、吹き込み流体を送り届けるよう装備された外科用アクセス装置(「カニューレ」又は「トロカール」と呼ばれる場合がある。)によって実現してもよいし、独立した吹き込み装置(吹き込み針(ベレス針)など)によってでもよい。吹き込み気体を実質的に失うことなく手術用器具を前記気腹のなかへ導入することが、前記気腹を維持するためには望ましい。
【0005】
一般的な腹腔鏡下処置をしている間、外科医は、三から四箇所の小さな切開を作製する。普通は、それぞれが約十二ミリメートル以下であり、一般に、前記外科用アクセス装置それ自体を使って作製する。これには、一般に、そのなかに配置され独立した挿入器又は閉塞具を使用する。挿入に続いて、前記挿入器を取り除き、前記トロカールによって、前記腹腔のなかへ挿入すべき器具がアクセスできるようになる。一般的なトロカールは、前記腹腔に吹き込む手段を設けることが多い。これにより、前記外科医は、そのなかで作業すべき開いた内部空間を得る。
【0006】
前記トロカールは、前記手術用器具を少なくとも最低限自由に動かせるようにしつつ、前記トロカールと使用中の前記手術用器具との間を密封することにより、前記腔のなかで圧力を維持する手段を設けなければならない。そのような器具は、例えば、鋏、把持器具、及び、閉鎖器具、焼灼ユニット、カメラ、光源などの手術用器具を含んでもよい。密封要素又は機構を、一般に、トロカールに設けて、吹き込み気体が逃げるのを防ぐ。密封要素又は機構は、一般に、比較的柔軟な材料で作製したダックビル型の弁を含む。これにより、前記トロカールを通り抜ける手術用器具の外側表面の周りを密封する。
【0007】
サージクエスト社(アメリカ合衆国コネチカット州ミルフォード)は、独自の外科用アクセス装置を開発してきた。これにより、従来の機械的シールをする必要なく、吹き込まれる手術腔にすぐにアクセスできる。そして、関係する気体送達システムを開発してきた。これは、そのようなアクセス装置に十分な圧力及び流量を提供する。これは、米国特許第7,854,724号及び米国特許第8,795,223号において、全体的又は部分的に記載されているとおりである。その開示は、両方とも、ここに参照により全体として組み入れられる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、多モード気体送達システム及び関係する装置に関する。これは、複数の外科的気体送達機能を実行する。これは、腹腔鏡下手術、単孔式腹腔鏡下手術及び経腔的最小侵襲性手術を含む外科的処置をしている間の吹き込み、再循環並びに吹き込み流体及び気体の濾過を含む。単一の多モードシステムを使用すると、複数の機能を達成するのに、システムを一つだけ購入すればよいので、動作コストが減少する。また、これにより、手術室のなかに必要な設備の量が減少し、したがって、散らかりを抑え、他の必要な設備のための空間を作ることができる。
【0009】
本主題発明は、新しい有用なシステムを対象とする。これは、外科的処置をしている間に、気体を送り届ける。例えば、患者の腹腔のなかで腹腔鏡下処置を実行している間、又は、患者の体管腔を通じて経腔処置(経肛門最小侵襲性手術など)を実行している間などである。
【0010】
前記システムは、気体送達装置を含む。これは、主筐体を有する。これは、吹き込み気体を気体源から受け入れるポートを含む。そして、前記システム全体にわたって気体を循環させるポンプアセンブリを囲い込む。更に、前記気体送達装置と連繋動作するよう構成された気体調節ユニットを含む。
【0011】
前記気体調節ユニットは、吹き込み気体流路を含む。これは、吹き込み気体を前記体腔又は管腔に送り届ける。そして、前記体腔又は管腔から静圧を定期的に容易に測定できるようにする。前記気体調節ユニットは、更に、加圧気体流路を含む。これは、前記ポンプから加圧された気体を内部ノズルアセンブリに送り届ける。これは、加圧された前記気体を加速して、これにより、連続的な圧力バリアを生成する。これは、前記気体調節ユニットのなかに含有される。これは、吹き込み気体が前記体腔又は管腔から出ていくのを妨げる。
【0012】
前記気体調節ユニットは、また、真空戻り流路を含む。これは、前記内部ノズルアセンブリによって費やされ減圧された気体を真空のもとで前記ポンプに戻す。そして、空気巻き込み流路を含む。これは、特定の異常動作条件のもとで、空気を前記体腔又は管腔のなかへ引き入れて、そのなかの所与の圧力を維持する。そして、煙排出流路を含む。これは、前記体腔又は管腔から煙及び残屑を運搬する。
【0013】
好ましくは、前記気体調節ユニットは、略円筒形の濾過筐体を含む。これは、前端部と反対側の後端部とを有する。そして、前記気体送達ユニットは、係合ポートを含む。これは、前記気体調節ユニットの前記後端部を取り外し可能に受け入れる。前記濾過筐体のなかで画定された各流路は、それと連繋する濾過要素を有する。これは、そこを通じて流れる気体を調節するなどして濾過する。
【0014】
前記空気巻き込み流路及び前記煙排出流路は、共通の濾過要素を共有する。これは、襞状の濾過要素の形をしている。前記真空戻り流路及び前記加圧気体流路は、それぞれ、それと連繋する独立した襞状の濾過要素を有する。前記吹き込み気体流路は、それと連繋する不織布膜濾過要素を有する。
【0015】
前記濾過筐体の前記後端部は、第一の入口ポートを含む。これは、前記吹き込み気体流路と連通している。そして、第二の入口ポートを含む。これは、前記加圧気体流路と連通している。そして、第一の出口ポートを含む。これは、前記真空戻り路と連通している。前記濾過筐体の前記前端部は、第二の出口ポートを含む。これは、前記吹き込み気体流路と連通している。そして、一次中心ポートを含む。これは、前記煙排出流路及び前記空気巻き込み流路と連通している。そして、離間した複数の通気ポートを含む。これは、前記煙排出流路及び前記空気巻き込み流路と連通している。
【0016】
前記濾過筐体の前記後端部にある第一の前記入口ポートは、吹き込み気体の源と連通している。前記濾過筐体の前記後端部にある第二の前記入口ポートは、前記ポンプの出口と連通している。前記濾過筐体の前記後端部にある第一の前記出口ポートは、前記ポンプの入口と連通している。
【0017】
前記システムを採用して気体を送り届けるのが、例えば、腹腔鏡下手術をしている間である場合、第一の外科用アクセス装置又はトロカールが、第一の可撓管を通じて、前記濾過筐体の第二の出口ポートと流体連通する。そして、第二の外科用アクセス装置又はトロカールが、第二の可撓管を通じて、前記濾過筐体の前記一次中心ポートと流体連通する。前記システムを採用して気体を送り届けるのが、例えば、経肛門最小侵襲性手術又は単孔式腹腔鏡下手術をしている間である場合、多ポートアクセス装置が、前記濾過筐体の前記一次中心ポート及び第二の前記出口ポートと連繋動作し、これにより、複数の外科用装置又は工具が、単一の切開部又は自然身体開口部を通じて同時にアクセスできるようになる。
【0018】
好ましくは、前記濾過筐体の前記前端部にある離間した複数の前記通気ポートは、大気に開放されている。前記濾過筐体は、前記加圧気体流路のなかに内部圧力室を含む。これは、前記内部ノズルアセンブリから上流に位置する。そして、前記真空戻り流路のなかに位置する内部貯蔵室を含む。これは、前記ポンプから上流にある。
【0019】
本主題発明は、また、前記システムを採用して経肛門最小侵襲性手術又は単孔式腹腔鏡下手術をしている間に気体を送り届ける場合に使用するアクセス装置を対象とする。前記アクセス装置は、長尺の管状本体部分を含む。これは、体管腔の自然開口部を通じて、又は、患者の腹壁に形成された単一の切開部を通じて、導入するよう適合され構成されている。第一の連結継手が、好ましくは、前記管状本体部分の近位端部分と連繋する。これは、第一の導管と連結する。これにより、吹き込み気体を前記患者の前記体管腔又は腹腔に容易に送り届けられるようになる。
【0020】
多ポート端部キャップが、前記管状本体部分の前記近位端部分と連繋動作する。そして、独立した複数のアクセスポートを含む。これにより、個々の手術用器具を前記患者の前記体管腔又は腹腔のなかへ導入できるようになる。第二の連結継手が、好ましくは、前記多ポート端部キャップと連繋する。これは、第二の導管と連結する。これにより、患者の前記体管腔又は腹腔から煙を排出しそのなかへ空気を容易に巻き込めるようになる。別の実施形態において、前記第二の連結継手は、前記端部キャップではなく、前記管状本体部分の前記近位端部分と連繋してもよい。
【0021】
好ましくは、前記管状本体部分は、遠位環状鍔部を含む。これは、前記管状本体部分を前記患者の腹壁の内側表面に対して固定する。調整可能な係合リングが、前記管状本体部分の前記近位端部分と連繋動作する。これは、多ポート端部キャップを受け入れ、取り除き可能に保定する。第一の前記連結継手は、前記係合リングと連繋する。そして、導管と連通している。これは、前記管状本体部分のなかへ延びている。前記導管は、前記管状本体部分の内部壁に沿って、前記管状本体部分の前記遠位端部へ向けて延びてもよい。別の実施形態において、第二の前記連結継手は、前記係合リングと連繋してもよい。
【0022】
前記多ポート端部キャップは、好ましくは、独立した三つのアクセスポートを含む。これは、採用される用途又は外科的処置に応じて、四つ以上でもよいし、二つ以下でもよい。本主題発明の一実施形態において、独立した三つの前記アクセスポートは、直径が同一又は共通である。本主題発明の別の実施形態において、独立した三つの前記アクセスポートのうちの一つは、直径が他の二つの前記アクセスポートと異なる。これは、他のものより大きくてもよいし、小さくてもよい。
【0023】
本主題発明の前記外科用気体送達システム及び前記気体調節装置のこのような特徴、並びに、両者を製造し採用するやり方は、以下の記載から当業者にもっと容易に明らかになるだろう。これにより、以下に記載したいくつかの図面とあわせて本主題発明の好ましい実施形態が実施できるようになる。
【0024】
本主題発明が属する技術の当業者が、過度の実験をせずに本主題発明の前記多経路濾過アセンブリをいかにして作製し使用するかを容易に理解できるよう、いくつかの図面を参照しつつ、その好ましい実施形態を詳細にここで以下に記載する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本主題発明の気体送達システムを腹腔鏡下外科的処置をしている間に採用する動作環境を示す説明図。特に、気体送達装置を含む。これは、気体源から加圧された吹き込み気体を受け入れるポートを伴う筐体を有する。そして、独立した気体調節ユニットを含む。これは、前記気体送達装置と連繋動作するよう構成されている。
【
図2】
図1に示す前記気体送達装置及び独立した前記気体調節ユニットの斜視図。前記気体調節ユニットが前記気体送達装置のなかに設置されていないときである。
【
図3】本主題発明の前記気体調節ユニットの斜視図。前記ユニットの前記前端部から見ている。そこから延びる二つの前記気体流導管を示す。
【
図4】本主題発明の前記気体調節ユニットの分解斜視図。説明を容易にするため部品を分離している。
【
図5】前記気体調節ユニットの断面図。
図3の線5−5に沿って切り取ってある。これは、前記環状噴射リングを示す。これは、前記気体調節ユニットの前記内部ノズルアセンブリを形成する。そして、前記喉領域を示す。このなかで、前記内部気密シールが形成される。そして、四つの前記濾過器を示す。これは、前記ユニットを通じて流れる気体を調節する。
【
図6】前記気体調節ユニットの断面図。
図5に示す図と同様である。方向性矢印が、前記吹き込み気体流路(及び感知流路)を示す。これは、前記濾過筐体の前記後端部にある入口ポートから、前記濾過筐体の前記前端部にある出口ポートまで延びている。
【
図7】前記気体調節ユニットの断面図。
図5に示す図と同様である。方向性矢印が、前記加圧気体流路を示す。これは、前記濾過筐体の前記後端部にある入口ポートから、前記濾過筐体の前記前端部にある一次中心ポートまで延びている。
【
図8】前記気体調節ユニットの断面図。
図5に示す図と同様である。方向性矢印が、前記真空戻り流路を示す。これは、前記濾過筐体の前記前端部にある前記一次中心ポートから、前記濾過筐体の前記後端部にある出口ポートまで延びている。
【
図9】前記気体調節ユニットの断面図。
図3の線9−9に沿って切り取ってある。方向性矢印が、前記煙排出流路を示す。これは、前記濾過筐体の前記前端部にある前記一次中心ポートから、前記濾過筐体の前記前端部にある前記通気孔まで延びている。
【
図10】前記気体調節ユニットの断面図。
図3の線10−10に沿って切り取ってある。方向性矢印が、前記空気巻き込み流路を示す。これは、前記濾過筐体の前記前端部にある前記一次中心ポートから、前記濾過筐体の前記前端部にある前記通気孔まで延びている。
【
図11】二つの外科用アクセス装置又はトロカールの配列の斜視図。これは、
図1で見られるような腹腔鏡下手術処置をしている間、
図3の前記気体調節ユニットと連繋動作する。一方のアクセス装置を、前記吹き込み気体流路に連結する。他方を、前記煙排出流路及び気体巻き込み流路に連結する。
【
図12】本主題発明の前記気体調節ユニットの斜視図。これは、多ポートアクセス装置を伴う。これは、単孔式腹腔鏡下外科的処置及び経肛門最小侵襲性外科的処置において使用するよう構成されている。
【発明を実施するための形態】
【0026】
ここで図面を参照する。似た参照番号は、本主題発明の同様の構造的特徴又は態様を同定する。
図1,2に示したのは、新規で有用なシステムである。これは、最小侵襲性外科的処置(患者の腹腔のなかで実行される腹腔鏡下外科的処置など)をしている間に、医療用気体(例えば二酸化炭素)を送り届け、循環させる。代わりの用途は、自然な開口部又は管腔を通じて実行される内視鏡下外科的処置を伴ってもよい。
【0027】
前記気体送達システムは、全体的に参照番号10によって指定されている。これは、特に、気体送達装置12を含む。これは、後部コネクタ又はポート16を伴う筐体14を有する。これは、気体源18から加圧された吹き込み気体を受け入れる。図示したとおり、前記気体源18は、可搬供給ボンベである。しかしながら、考えられるのは、前記医療用又は吹き込み気体は、別の源から供給されてもよいことである。これは、例えば、遠隔保管タンク(例えば屋内気体)を含む。これは、当分野において周知である。圧縮機又はポンプアセンブリ20が、気体送達装置12の前記筐体14のなかに囲い込まれている。これは、加圧された気体を前記システム10全体にわたって循環させ、腹腔鏡下外科的処置をしている間、安定した腹腔圧力又は気腹を維持する。
【0028】
連繋する制御回路を有するグラフィカルユーザインターフェース25が、気体送達装置12の前記筐体14のなかに設けられている。これは、前記ポンプアセンブリ20の動作、及び、供給源18からの吹き込み気体の送達を制御する。前記インターフェース及び連繋する回路によって、使用者が、前記システム全体にわたって気体及び流体を送り届け、循環させ、再循環させるのに関係する流量及び供給圧力を容易に調整できる。
【0029】
前記気体送達システム10は、更に、独立し好ましくは使い捨ての気体調節ユニット30を含む。これは、前記気体送達装置12と連繋動作するよう寸法設定され構成されている。もっと詳しく以下で記載するとおり、本主題発明の前記気体調節ユニット30は、
前記患者から遠く離れた前記気体調節ユニットそれ自体の前記筐体の内部に、連続的な気体圧力バリアを生成するよう構築されている。腹腔鏡下外科的処置をしている間、この気体圧力バリア又は作業区域によって、前記患者15の前記腹腔から吹き込み気体が出ていくのを防ぎつつ、前記腹腔のなかで安定した気腹を維持する。同様に、経腔処置(例えば経肛門最小侵襲性手術(TAMIS)など)をしている間、前記気体圧力バリアによって、前記患者の前記腸管から吹き込み気体が出ていくを防ぐ。
【0030】
この特徴は、共通権利者による米国特許第7,854,724号及び米国特許第8,795,223号で開示された多モード気体送達システムとは異なる。そこでは、前記気体圧力バリアが、手術部位に直に位置する特殊なトロカールの筐体のなかに生成している。そして、前記システムを通じて流れる気体の濾過は、共通権利者による米国特許第9,067,030号で開示された種類の使い捨て気体調節ユニットを使用して達成している。これは、ここに参照により全体として組み入れられる。
【0031】
本主題発明の前記気体調節ユニット30を、詳細に以下記述する。最初に、しかしながら、前記気体調節ユニット30の前記筐体のなかで画定される前記内部気体流路の簡単な説明を記述する。もっと詳細に言うと、前記気体調節ユニット30は、いくつかの内部気体流路を含む。これは、吹き込み気体を定期的に送り届け、加圧された気体を連続的に循環させ再循環させるのを容易にするよう構成されている。
【0032】
特に、前記気体調節ユニット30は、感知/吹き込み流路210を含む。これは、
図6で前記方向性矢印によって指示されている。これは、前記気体送達装置12から前記患者15の前記腹腔まで、
図1及び11で見られるように外科用アクセス装置又はカニューレ42に連結された導管40を経由して、吹き込み気体を送り届けるよう構成されている。加えて、流路210は、前記腹腔からカニューレ42を通じて定期的に静圧測定をするのを容易にするよう構成されている。圧力測定の間の吹き込み間隔の持続期間は、前記患者及び動作環境に応じて変化してもよい。一般に、前記流入及び停止の間隔は、数ミリ秒において測定される。前記腹腔から静圧を測定できるようにするためのこの流入及び停止の方法論は、当分野において周知である。
【0033】
気体調節ユニット30は、更に、加圧気体流路220を含む。これは、
図7に示す前記方向性矢印によって指示されている。これは、前記気体送達装置12の前記ポンプアセンブリ又は圧縮機20から加圧された気体を受け入れるよう構成されている。前記加圧気体流路220は、主導管32と連繋する。これは、
図1,11に見られるように外科的アクセス装置又はトロカール34に連結している。前記トロカール34は、腹腔鏡下外科的処置をしている間に、患者の前記腹腔15のなかへ手術用器具類を導入するための一次経路である。そして、そのなかに機械的シールが設置されている。加圧された前記気体を使用して、前記気体調節ユニット30の前記筐体50の前記前端部キャップ70における前記喉領域225のなかに圧力バリアを生み出す。前記圧力バリアによって、前記腹腔15から導管32を経由して気体が出ていくのを防ぐ。そうしながら、また、前記患者15の前記腹腔のなかで安定した気腹を維持する。前記圧力バリアは、前記筐体50のなかに位置するノズルアセンブリ150に加圧された気体を送り届けることによって生成する。前記ノズルアセンブリ150は、上下の噴射リング152,154を含む。これは、加圧された前記気体を使用して高速気体流を生む。これが、前記喉領域225のなかで前記圧力バリアを形成する。
【0034】
前記ノズルアセンブリ150の構造は、共通権利者による米国特許第米国特許第8,795,223号明細書でもっと詳細に開示されている。これは、ここに参照により全体として組み入れられる。そこで説明したとおり、前記喉領域225は、空気管理機能を合む。これは、気体が入ってくる流れ及び出ていく流れを制御する。これは、前記装置が前記空気バリアを生み出す効率に寄与する。ボウル状の前記喉区域は、前記噴射リング152,154から出て来る加圧された気体が、気体圧力バリアを形成できるよう形作られている。一組の周方向に離間した長尺のフィンが前記喉領域225のなかにある。これにより、膨張し又は費やされた加圧された前記気体が、入ってくる前記気体と衝突することなく前記圧縮機に戻ることができる。気体が入ってくる流れ及び出ていく流れをこのように管理することは、前記装置が前記空気バリアを生み出す効率に寄与する。
【0035】
前記気体調節ユニット30は、また、真空戻り路230を含む。これは、
図8に示す前記方向性矢印によって指示されている。これは、費やされた加圧された前記気体を前記気体送達装置12の前記ポンプアセンブリ20に戻すよう構成されている。前記ポンプアセンブリ20に戻る前記気体は、加圧された前記気体が、前記気体調節ユニット30の前記喉領域225のなかで前記圧力バリアを生み出すのに使用され費やされたものである。更に、これは、前記喉領域225のなかで前記フィンによって効率的に管理され膨張した前記気体である。
【0036】
本主題発明の前記気体調節ユニット30は、また、煙排出流路240を含む。これは、
図9に示す前記方向性矢印によって指示されている。流路240は、煙及び残屑を前記体腔15から運搬するよう構成されている。これは、組織切除装置、電気焼灼装置などを使用することによって手術中に生成hされる。通常の動作において、この流れは、3から8リットル毎分に及んでもよい。結果として、前記腹腔(又は場合により管腔)をきれいに保ち、前記外科的処置をしている間を通して視界を維持する。
【0037】
前記気体調節ユニット30は、また、空気巻き込み流路250を含む。これは、
図10に示す前記方向性矢印によって指示されている。これは、特定の異常動作条件のもと、前記体腔又は管腔のなかへ空気を引き入れて、そのなかの所与の圧力を維持するよう構成されている。例えば、外科的処置をしている間に顕著な漏れが生じた場合、空気を前記体腔のなかへ巻き込んで前記気腹を維持する。また、前記腹腔から顕著な量の気体を故意に取り除く場合、激しい吸引が起きている間、流路250を通じて空気を前記体腔のなかへ巻き込んでもよい。これは、前記気体送達システム10の安全機能である。正常動作条件のもとでこれが生じることは意図していない。
【0038】
再び
図2を参照する。前記気体調節ユニット30は、相互嵌合突起配置によって、気体送達装置12の前記筐体14のなかへすぐに設置できそこから取り除けるよう適合され構成されている。もっと詳細に言うと、気体調節ユニット30の略円筒形の前記筐体50は、周方向に離間した複数の係合突起を含む。これは、L字形の突起52と、正方形の突起54とを含む。第三の突起56は、
図12で見られる。三つの前記係合突起52,54,56は、対応する形状及び位置の凹部62,64,66と相互作用するよう寸法設定され構成されている。これは、筐体14の前記前面パネルのなかに形成された前記カートリッジ係合ポート60の前記外周のなかに画定されている。これは、
図2に示すとおりである。
【0039】
図2から4を参照する。気体調節ユニット30の前記筐体50は、前端部キャップ又はカバー70と、後端部キャップ又はカバー90とを含む。前記前端部キャップ70は、それと連繋する二つの導管連結を有する。第一又は中心の導管連結72がある。これは、
図1,2に示す前記第一の導管32と連繋動作する。前端部キャップ70は、また、第二の導管連結80を含む。これは、やはり
図1,2に示す前記第二の導管40と連繋動作する。
【0040】
前記後端部キャップ90は、三つのポートを含む。それぞれは、連繋する弾性材密封リングを有する。これは、前記カートリッジ係合ポート60のなかに画定された着座区域との境界の密封を立証する。第一の前記ポート92は、シール93によって囲まれた気体入口である。
図7に示す前記圧力経路220と連通し、最終的に管32と連通する。第二の前記ポート94は、シール95によって囲まれた気体入口である。
図6に示す前記感知/吹き込み経路210と連通し、最終的に管80と連通する。第三の前記ポート96は、シール97によって囲まれた気体出口である。
図8に示す前記真空戻り経路230と連通している。この経路は、送達装置12のなかの前記ポンプ20に戻る。
【0041】
前記濾過筐体50のなかで画定された各流路は、それと連繋する濾過要素を有する。これは、それを通じて流れる気体を調節する。
図8に示す前記真空戻り流路230は、それと連繋する円板形状の襞状の濾過要素330を有する。これは、前記ノズルアセンブリ150から前記圧縮機ポンプ20に向かって行く費やされ又は減圧された前記流体を濾過する。
図7に示す前記加圧気体流路220は、それと連繋する円板形状の襞状の濾過要素320を有する。これは、前記圧縮機ポンプ20から前記ノズルアセンブリ150にやって来る加圧された気体を濾過する。
【0042】
図6に示す前記感知/吹き込み気体流路210は、それと連繋する不織布膜の濾過要素310を有する。
図9に示す前記煙排出流路240及び
図10に示す前記空気巻き込み流路250は、共通の円板形状の襞状の濾過要素340を共有している。これは、煙排出モードで動作するとき、前記患者の腹腔から煙などの残屑を濾過し、特定の動作条件のもと、前記システム10のなかへ引き入れ巻き込んだ空気を濾過する。襞状の前記濾過要素は、例えばLydAir MG Grade 6850媒体などの適切な材料から形成してもよい。そして、ULPA規格を十分満たす多孔性及び濾過効率を有してもよい。
【0043】
図3,4を参照する。前記濾過筐体50の前記前端部キャップ70は、前記吹き込み/感知気体流路210と連通した側部出口ポート80と、前記煙排出流路240及び前記空気巻き込み流路250と連通した一次中心ポート72とを含む。濾過筐体50の前記前端部キャップ70は、更に、離れた複数の通気ポート245を含む。これは、
図9の前記煙排出流路240及び
図10の前記空気巻き込み流路250と連通している。好ましくは、前記濾過筐体50の前記前端部キャップ70の前記通気ポート245は、直径方向に対向した鍔部260a,260bの上に設ける。これは、すべて、大気に開放されている。
【0044】
前記濾過筐体50は、好ましくは、内部圧力室を含む。これは、前記加圧気体流路220のなかに形成されている。これは、前記内部ノズルアセンブリ150から上流に位置している。前記圧力室は、入口変向板500によって形成されている。これは、前記筐体50に溶接されている。前記変向板500は、注入ポート510を含む。これは、濾過要素320から下流の流路220を通じて、前記ポンプ20から加圧された気体を受け入れる。前記注入ポート510は、周囲の圧力リング550を介して前記ノズルアセンブリ150と連通している。前記入口変向板500は、前記煙排出流路240及び前記空気巻き込み流路250の周りで加圧された前記気体流の向きを変えるよう機能する。更に、前記入口変向板500は、空洞515を画定する。これは、前記襞状の濾過器340を収容する。これは、前記煙排出路240及び前記空気巻き込み路250と連繋する。加えて、前記変向板は、対向した弧状の隙間560a,560bを含む。これは、対向した弧状の前記鍔部260a,260bを収容する。これは、前記前端部キャップ70の上に設けられている。
【0045】
調節ユニット30の前記濾過筐体50は、更に、内部貯蔵室600を含む。これは、
図8に示す前記真空戻り流路230のなかに位置する。これは、前記ポンプ20から上流である。前記貯蔵部600は、煙排出経路240のなかにある前記濾過要素340を通過して進むいかなる流体又は残屑をも貯留するよう適合され構成されている。前記貯蔵部600は、感知アセンブリを含む。これは、前記濾過筐体50のなかに蓄積した流体のレベルを監視して、前記システム10の安全な動作を維持するよう設計されている。前記感知アセンブリは、共通権利者による米国特許第9,067,030号でもっと完全に記述されている。これは、ここに参照により全体として組み入れられる。
【0046】
図11を参照する。に図示されているのは、二つのトロカール又はカニューレである。これは、本主題発明の前記気体送達システム10とともに、腹腔鏡下外科的処置のために採用される。これは、以上詳しく説明したとおり、吹き込み/感知と、再循環と、煙排出とを行うことができる。これは、
図1でまた示した前記装置34,42である。トロカール34は、前記システムのための前記一次アクセスポートである。そして、標準的な機械的シールを含む。例えば、ダックビルシールなど(図示せず)である。トロカール34は、大きなルアー継手34aを装備している。これは、標準的なルアー継手よりも直径が大きい。これにより、気体調節ユニット30の前記中心導管32に容易に連結できる。トロカール42は、前記システムの前記二次アクセスポートである。これも、また、標準的な機械的シールを含む。ダックビルシール(図示せず)などである。トロカール42は、標準的な大きさのルアー継手42aを含む。これは、気体調節ユニット30の前記吹き込み/感知ライン40に連結するよう適合され構成されている。
【0047】
ここで、
図12を参照する。図示されているのは、多ポートアクセス装置である。これは、参照番号800によって全体的に指定されている。これは、単孔式腹腔鏡下処置及び経肛門最小侵襲性外科的処置において、本主題発明の前記気体調節ユニット30とともに使用するよう構成されている。前記多ポートアクセス装置800は、長尺の管状本体部分810を含む。これは、体管腔の自然開口部を通じて、又は、患者の前記腹壁のなかに形成された単一の切開部を通じて、なかへ導入するよう適合され構成されている。
【0048】
前記本体部分810は、遠位環状鍔部812を含む。これは、単孔式腹腔鏡下処置の場合において、前記本体部分810を前記腹壁の前記内側表面に対して固定する。調整可能な係合リング814が、前記本体部分810の前記近位端部と連繋動作する。これは、多ポート端部キャップ又はカバー816を受け入れて保定する。前記係合リング814は、標準的なルアー継手818を含む。これは、前記調節ユニット30の前記吹き込み/感知ライン40と連結する。前記継手818は、導管820に通じている。これは、前記本体部分810の前記内部壁に沿って延びている。前記導管820は、吹き込み気体を前記体腔又は管腔に送り届ける。また、アクセス装置800のための前記圧力感知導管として働く。
【0049】
前記多ポート端部キャップカバー816は、大きな(標準的でない)ルアー継手822を含む。これは、本主題発明の前記調節ユニット30と連繋する前記主導管又は中心導管32と連結する。以前説明したとおり、前記中心導管32は、端部キャップ70の前記コネクタ72に通じている。そして、前記端部キャップ70の前記喉領域225のなかで形成された圧力バリアと連通し、気体調節ユニット30の前記煙排出路240及び前記空気巻き込み路250と連通している。
【0050】
前記多ポート端部キャップ又はカバー816は、好ましくは、前記管状本体部分810から取り除き可能である。そして、独立した三つのアクセスポート820a〜820cを含む。カバー816の前記アクセスポート820a〜820cは、すべて、直径が共通している内視鏡器具(すなわち5mm器具)を受け入れるよう構成してもよい。あるいは、カバー816の前記アクセスポート820a〜820cは、直径が異なる内視鏡器具(すなわち12mm器具及び5mm器具)を受け入れるよう構成してもよい。
【0051】
本主題発明を、好ましい実施形態を参照して示し述べてきたが、当業者が容易に理解されるのは、添付した請求の範囲によって画定されるような本主題発明の精神及び範囲から逸脱することなく、様々な変更や修正をしてもよいことである。