(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記押さえ部には、前記チューブの外径よりも細く形成された軸部と、前記軸部の先端から突出して前記軸部よりもさらに細く形成された突出部とが設けられている請求項4に記載の飲料泡注出装置。
前記チューブ保持体は、前記チューブ挿通領域を開放するようにして分割可能な複数の保持部品を組み合わせて構成されている請求項1〜5のいずれか一項に記載の飲料泡注出装置。
前記オリフィス生成機構には、ユーザによって操作される操作部材と、前記操作部材の操作を前記押し込み部材の前記チューブに対する進退動作に変換する操作変換機構とが設けられている請求項1〜6のいずれか一項に記載の飲料泡注出装置。
前記操作変換機構は、前記操作部材の操作に伴って前記チューブの長手方向に変位する駆動部材を有し、前記駆動部材と前記開閉部材及び前記押し込み部材のそれぞれとの間には、前記長手方向に対する傾斜部を利用して前記駆動部材の前記長手方向の動作を前記開閉部材及び前記押し込み部材の前記チューブに対する進退動作に変換する変換部が設けられている請求項10に記載の飲料サーバ。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
飲料の泡を注出する場合、飲料の流路中に断面積が絞られたオリフィスを生じさせる手法が一般に用いられる。飲料の注出経路の少なくとも一部にチューブが存在していれば、そのチューブを押し込んで内部にオリフィスを生じさせることも不可能ではない。しかしながら、泡の生成に適したオリフィスの断面積の範囲は狭いため、形状及び寸法の再現性が高まるようにチューブの弾性変形を管理できなければ、安定的に泡を注出できないおそれがある。
【0005】
そこで、本発明はチューブの弾性変形を適切に管理して安定的に泡を注出することが可能な飲料泡注出装置及びそれを用いた飲料サーバを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る飲料泡注出装置は、弾性変形可能な柔軟性を有し、内部を飲料が通過するチューブと、前記チューブを保持するチューブ保持体と、前記チューブ保持体にて保持されたチューブを押し込み部材で押し込むことにより、内部にオリフィスが生じるように前記チューブを弾性変形させるオリフィス生成機構と、を具備し、前記チューブ保持体には、前記押し込み部材と協働して前記チューブを挟み込む底壁部と、前記押し込みに伴う前記チューブの側方への弾性変形を制限する一対の側壁部とが、それらの壁部の間に前記チューブを通すチューブ挿通領域が形成されるようにして設けられ、かつ前記一対の側壁部間には、前記チューブ挿通領域に対する前記押し込み部材の進退を許容する空隙が設けられたものである。
【0007】
上記態様の飲料泡注出装置によれば、側壁部間の空隙からチューブ挿通領域へと押し込み部材を進出させると、チューブ挿通領域に通されたチューブが押し込み部材と底壁部との間に挟み込まれるようにして弾性変形する。底壁部の側方には、チューブの側方への弾性変形を制限する側壁部が存在するため、押し込み部材にて押し込まれたチューブは、押し込み方向に対する側方に自由にはみ出すことができない。そのため、押し込み部材の両側にてチューブは押し込み方向と反対側に丸みを帯びつつ膨らむように弾性変形し、それらの変形部分の内部にオリフィスが生成される。チューブが底壁部と側壁部とで囲まれることにより、弾性変形の再現性が高まり、それにより弾性変形を適切に管理して安定的に泡を注出することができる。
【0008】
上記態様の飲料泡注出装置においては、前記一対の側壁部が前記チューブの外周面に沿った円弧状の断面輪郭を描くように形成されてもよい。その場合、チューブの側方への自由な弾性変形を確実に阻止し、弾性変形に伴って生成されるオリフィスの形状や寸法の再現性をさらに高めることができる。
【0009】
また、上記態様の飲料泡注出装置においては、前記底壁部と前記一対の側壁部とが前記チューブの外周面に沿った円弧状の断面輪郭を描くように連なって形成されてもよい。その場合、チューブを押し込み部材によってチューブ挿通領域の底壁部に確実に密着するように押し込みつつ、チューブの側方への自由な弾性変形を確実に阻止することができる。これにより、弾性変形に伴って生成されるオリフィスの形状や寸法の再現性をさらに高めることができる。
【0010】
上記態様の飲料泡注出装置において、前記押し込み部材の前記チューブに当接する側には、前記チューブの外径よりも細い押さえ部が形成されてもよい。これによれば、チューブの中央部に押し込み力を集中させることができるので、チューブが全面的に押し潰されて内部が閉塞されるような弾性変形を阻止し、押し込み部材の両側にて丸みを帯びて膨らむようにチューブを弾性変形させてオリフィスの形状や寸法の再現性を高めることができる。
【0011】
さらに、前記押さえ部には、前記チューブの外径よりも細く形成された軸部と、前記軸部の先端から突出して前記軸部よりもさらに細く形成された突出部とが設けられてもよい。これによれば、チューブの中央部に押し込み力をより大きく集中させ、押し込み部材の両側では突出部から軸部へと沿うようにしてチューブが丸め込まれるようにチューブを弾性変形させることができる。したがって、オリフィスの形状や寸法の再現性をさらに高めることができる。
【0012】
上記態様の飲料泡注出装置において、前記チューブ保持体は、前記チューブ挿通領域を開放するようにして分割可能な複数の保持部品を組み合わせて構成されてもよい。これによれば、保持部品を分割することによりチューブ挿通領域を開放できるので、チューブを比較的容易に装着し、あるいは取り外すことができる。
【0013】
前記オリフィス生成機構には、ユーザによって操作される操作部材と、前記操作部材の操作を前記押し込み部材の前記チューブに対する進退動作に変換する操作変換機構とが設けられてもよい。これによれば、操作部材を操作すると押し込み部材がチューブに対して進退し、飲料泡の注出又は注出停止を切り替えることができる。
【0014】
本発明の一態様に係る飲料サーバは、飲料注出路を開閉して飲料の注出及び注出停止を切替可能な飲料サーバであって、上記態様に係る飲料泡注出装置を有し、前記飲料注出路の少なくとも一部が前記飲料泡注出装置の前記チューブにて構成されたものである。
【0015】
上記態様の飲料サーバによれば、チューブを弾性変形させてオリフィスを生成するという比較的簡素な構成の飲料泡注出装置を利用しつつ、飲料泡を安定的に注出することが可能な飲料サーバを提供することができる。
【0016】
上記態様の飲料サーバにおいては、飲料の注出位置、注出停止位置及び泡注出位置との間で操作可能な操作部材と、前記飲料注出路を開閉する開閉部材と、前記操作部材が前記注出位置及び前記泡注出位置に操作されたときは前記開閉部材が前記飲料注出路を開き、前記操作部材が前記注出停止位置に操作されたときは前記開閉部材が前記飲料注出路を閉じるように、前記操作部材の操作を前記開閉部材の開閉動作に変換し、かつ前記操作部材が前記注出位置に操作されたときは前記押し込み部材が前記チューブに対して後退し、前記操作部材が前記泡注出位置に操作されたときは前記押し込み部材が前記チューブに対して進出するように前記操作部材の操作を前記押し込み部材の前記チューブに対する進退動作に変換する操作変換機構とを備えてもよい。これによれば、操作部材を注出停止位置に操作したときは開閉部材が飲料注出路を閉じるので飲料も泡も注出されない。操作部材を注出位置に操作した場合、開閉部材は飲料注出路を開き、押し込み部材はチューブに対して後退するため、泡が生成されることなく飲料が注出される。一方、操作部材を泡注出位置に操作したときは開閉部材が飲料注出路を開き、押し込み部材はオリフィスが生成されるようにチューブを弾性変形させるので、飲料の泡が注出される。
【0017】
上記の態様において、前記開閉部材は、前記押し込み部材とは異なる位置にて前記チューブに対して進退可能に設けられ、前記操作変換機構は、前記操作部材が前記注出位置及び前記泡注出位置に操作されたときは前記開閉部材が前記チューブに対して後退し、前記操作部材が前記注出停止位置に操作されたときは前記開閉部材が前記チューブの内部を閉塞させるように当該チューブに対して進出するように構成されてもよい。これによれば、チューブの弾性変形を利用して飲料の注出又はその注出停止と、飲料泡の注出又はその注出停止とを切り替えることができる。したがって、飲料サーバの飲料及び泡の注出に関わる構成を簡素化することができる。
【0018】
上記の態様において、前記操作変換機構は、前記操作部材の操作に伴って前記チューブの長手方向に変位する駆動部材を有し、前記駆動部材と前記開閉部材及び前記押し込み部材のそれぞれとの間には、前記長手方向に対する傾斜部を利用して前記駆動部材の前記長手方向の動作を前記開閉部材及び前記押し込み部材の前記チューブに対する進退動作に変換する変換部が設けられてもよい。これによれば、操作部材にて駆動部材をチューブの長手方向に駆動すると、その駆動部材の動作が開閉部材又は押し込み部材のチューブに対する進退動作に変換される。したがって、飲料サーバの飲料及び泡の注出に関わる構成をさらに簡素化することができる。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1は本発明の一形態に係る飲料泡注出装置が適用された飲料サーバの一例を示している。飲料サーバ1は、飲料の一例としてのビール、又はビール様の発泡飲料が充填された飲料容器の一例としてのボトル2を収容する保持容器3と、ボトル2内に注出用のガス、例えば炭酸ガス(二酸化炭素)を送り込むガス供給装置4と、ガス圧によって飲料容器2から送り出される飲料を注出口5まで導く飲料注出管の一例としてのチューブ6と、チューブ6を介した飲料又は飲料泡の注出又は注出停止を切り替えるための注出切替装置7とを備えている。保持容器3は、ボトル2を収容する概ね円筒状の本体3aと、ボトル2の出し入れ等のために後端側(吐出口4の反対側)のヒンジ部3cを中心として開閉される蓋3bとを備えている。なお、本体3aの内部には、ボトル2に対する冷却ユニット8等も配置される。ボトル2は一例として樹脂製である。
【0021】
ボトル2の開口部にはキャップ10が着脱可能に装着される。ガス供給装置4はキャップ10を介してボトル2内にガスを送り込む。キャップ10には、ガス圧によってボトル2から押し出される飲料の取出管10aが設けられている。チューブ6の一端部はその取出管10aに接続されている。チューブ6はその全長に亘って柔軟性を有する樹脂素材によって形成されている。注出口5はチューブ6の先端部によって構成される。チューブ6は注出切替装置7の手前でほぼ水平に延ばされ、注出切替装置7を経由して下方に曲げられる。保持容器3の先端側にはほぼ鉛直方向に延びる案内筒12が設けられ、チューブ6の先端部はその案内筒12の内部に挿入される。なお、以下では、注出切替装置7を通過するチューブ6の長手方向(
図1の左右方向に相当する。)を飲料サーバ1の前後方向と呼び、そのチューブ6に対する側方を飲料サーバ1の左右方向と呼ぶことがある。
【0022】
図2は注出切替装置7の要部を一部透視した状態で示し、
図3はその内部構造を示している。また、
図4は注出切替装置7の分解状態を示し、
図5はその要部を半断面状態にて示す拡大図である。注出切替装置7は、チューブ保持体20と、チューブ保持体20の上部に配置される駆動部材21と、駆動部材21を操作する操作部材としての操作レバー22と、駆動部材21によって駆動されてチューブ6の内部を開閉するための開閉部材23と、駆動部材21によって駆動されてチューブ6を泡の注出に適した状態に弾性変形させるための押し込み部材24と、駆動部材21、開閉部材23、及び押し込み部材24を覆うようにしてチューブ保持体20に装着されるカバー25とを備えている。注出切替装置7はその全体が保持容器3の本体3aの上面に取り付けられ、蓋3bを開くことにより飲料サーバ1のユーザがアクセス可能となるように露出する。
【0023】
チューブ保持体20はチューブ6を定位置に保持するために設けられている。チューブ保持体20は、下保持部品26と上保持部品27とを上下方向に重ね合わせた組み立て部品である。下保持部品26は保持容器3の本体3aに固定される。
図4及び
図5によく示されているように、下保持部品26の上面側にはチューブ6の下半分が嵌り合うチューブ溝26aが形成されている。上保持部品27は概ね平板状の部品である。
図5から明らかなように、上保持部品27の下面側には、チューブ6の上半分が嵌り合うチューブ溝27aが形成されている。チューブ溝26a、27aのそれぞれは、チューブ6の外周面とほぼ等しい曲率半径の半円形状の断面輪郭を描くように形成されている。言い換えれば、チューブ溝26a、27aの断面輪郭は、チューブ6の外周輪郭を上下方向に二等分した形状にほぼ等しい。したがって、下保持部品26と上保持部品27とを上下方向に重ね合わせることにより、チューブ保持体20にはチューブ6の外周面とほぼ密着するチューブ挿通領域28が形成される(
図10及び
図11参照)。
【0024】
チューブ6はチューブ保持体20のチューブ挿通領域28に通される。チューブ溝26a、27aのそれぞれの端部には湾曲部26b、27bが形成されている(
図5参照)。チューブ挿通領域28に通されたチューブ6は湾曲部26b、27bに沿って曲げられつつ案内筒12の内部へ導かれる。
図4及び
図5に示したように、上保持部品27には、チューブ挿通領域28に通じる貫通孔27c、27dが形成されている。貫通孔27cはチューブ挿通領域28に対する開閉部材23の進退を許容する空隙として設けられ、貫通孔27dはチューブ挿通領域28に対する押し込み部材24の進退を許容する空隙として設けられている。貫通孔27c、27dはチューブ6の長手方向に適宜の距離をおいて設けられている。したがって、開閉部材23によるチューブ6の弾性変形と、押し込み部材24によるチューブ6の弾性変形とは互いに異なる位置にて行われる。押し込み部材24に対応する貫通孔27dは、チューブ挿通領域28の上端中央部に開口し、その軸線方向は上下方向と一致する。
【0025】
下保持部品26には、チューブ6の半径方向に突出する一対の支軸26eが形成されている。上保持部品27の一端部には支軸26eに回転自在に嵌り合う軸受部27eが形成されている。軸受部27eを支軸26eに嵌め合わせることにより、上保持部品27は下保持部品26に対して支軸26eを中心に回転可能に組み合わされる。支軸26eを中心として上保持部品27を上方に回転させると保持部品26、27間が分割されてチューブ挿通領域28が開放される(
図6参照)。そのため、チューブ6をチューブ溝26aに沿って配置してその先端部を案内筒12に挿入し、その後に上保持部品27を下保持部品26と重なるように回転させることにより、チューブ挿通領域28にチューブ6を通してチューブ保持体20にてチューブ6を保持することができる。
【0026】
駆動部材21は、上保持部品27の上面に沿ってチューブ6の長手方向に移動可能に設けられている。駆動部材21の一端側には、操作レバー22と駆動部材21とを噛み合わせるための嵌合孔21aが形成されている。操作レバー22は、レバー軸30と、そのレバー軸30の上部の連結部30aに装着されるハンドル31とを備えている。レバー軸30の中間には概ね半球面状の支点部30bが設けられている。操作レバー22は支点部30bを中心として前後方向に傾けるように操作可能な状態で蓋3bに装着されている。
図1及び
図2に示したように、操作レバー22は、ハンドル31が上下方向にほぼ直立する注出停止位置P0と、注出停止位置P0よりも前側にハンドル31が倒された注出位置P1と、注出停止位置P0よりも後側にハンドル31が倒された泡注出位置P3との間で操作可能である。
【0027】
図2及び
図4に示されるように、レバー軸30の下端部には拡大部30cが形成されている。拡大部30cの前後方向の端面は球面状に丸められている。レバー軸30は拡大部30cの前後の球面部分が駆動部材21の嵌合孔21aの内周面に接するようにして駆動部材21と組み合わされる。したがって、操作レバー22を前後方向に操作すると、駆動部材21は上保持部品27の上面に沿って前後方向に移動する。
【0028】
駆動部材21の嵌合孔21aが設けられた側の反対側には、左右一対の壁部21bが適度な間隔を空けて設けられている。壁部21bは互いに平行であり、かつチューブ挿通領域28に通されるチューブ6を挟んで左右方向に対称的である。開閉部材23及び押し込み部材24は一対の壁部21bの間に上下方向へ移動可能な状態で装着される。壁部21bには切欠部21c、21dが形成され、それらの切欠部21c、21dの間には逆V字状の突起部21eが形成されている。突起部21eの前後方向の側縁は、駆動部材21の駆動方向、すなわちチューブ6の長手方向に対して斜めに傾く傾斜部として機能する。
図2及び
図4から明らかなように、開閉部材23は、壁部21b間に架け渡されるように配置される本体部23aと、本体部23aから下方に延ばされた押さえ部23bとを備えている。本体部23aの左右方向の端部には逆V字状の溝部23cが形成されている。溝部23cは、駆動部材21の壁部21bに設けられた突起部21eに嵌め合わされる。それにより、開閉部材23が壁部21b間にて支持される。
【0029】
開閉部材23の押さえ部23bは、飲料サーバ1の左右方向に延ばされた矩形状断面を有する概略直方体形状に形成されている。押さえ部23bの先端部(下端部)は、チューブ6を傷付けることがないように適度に丸められている。押さえ部23bの左右方向の長さは、チューブ6の特定箇所を全体に亘って押し込むことができるように、チューブ6の外径よりも幾らか大きく設定されている。押さえ部23bは上保持部品27の貫通孔27cに挿入されている。それにより、駆動部材21が前後方向に移動しても、開閉部材23は前後に移動することなく、貫通孔27cの位置に保持される。チューブ溝26a、27aは、貫通孔27cから進出した押さえ部23bがチューブ溝26aの底まで到達できるように左右方向に拡張されている。開閉部材23とカバー25との間には、開閉部材23をチューブ6に押し付ける方向の力を発生する押し込み力付与部材の一例としての圧縮コイルばね(以下、ばねと略称することがある。)33が設けられている。
【0030】
操作レバー22のハンドル31が注出停止位置P0にあるとき、駆動部材21の突起部21eは開閉部材23の溝部23cと前後方向に同一位置にあり、それにより突起部21eと溝部23cとがばね33の力で嵌まり合う。その状態で、押さえ部23bはチューブ6をその内部空間が閉塞するように弾性変形させる。これにより、ボトル2から注出口5への飲料の流れが阻止され、飲料の注出が停止する。操作レバー22のハンドル31が注出停止位置P0から注出位置P1へと操作された場合、駆動部材21は後方(ボトル2に接近する側)に移動する。その場合、突起部21eの切欠部21c側の傾斜部が溝部23cの壁面を後方に押し込むことにより、駆動部材21の変位が開閉部材23を押し上げる方向の変位に変換される。その結果、開閉部材23は、ばね33に抗してチューブ6から離れるように上方に後退する。それにより、チューブ6の内部が開かれ、ボトル2から注出口5へ向かう飲料の流れが許容される。
【0031】
一方、操作レバー22のハンドル31が注出停止位置P0から泡注出位置P2へと操作された場合、駆動部材21は前方(注出口5に接近する側)に移動する。その場合、突起部21eの切欠部21d側の傾斜部が溝部23cの壁面を前方に押し込むことにより、駆動部材21の変位が開閉部材23を押し上げる方向の変位に変換される。その結果、開閉部材23はばね33に抗してチューブ6から離れるように上方に後退する。この場合も開閉部材23による開閉箇所に関してはチューブ6の内部が開かれ、ボトル2から注出口5へ向かう飲料の流れが許容される。
【0032】
図7〜
図9は押し込み部材24の一例を示している。押し込み部材24は、本体部24aと、本体部24aから下方に延ばされた押さえ部24bとを備えている。本体部24aの左右方向の端部には板状に突出した傾斜部24cが形成されている。傾斜部24cは、下方に向かうに従って漸次後方に偏るように設けられている。駆動部材21の壁部21bの内面側には、傾斜部24cが嵌り合う溝状の傾斜部21fが設けられている。一対の壁部21bのそれぞれの傾斜部21fに傾斜部24cが嵌め合わされることにより、押し込み部材24は一対の壁部21b間に支持される。なお、傾斜部24cは傾斜部21fに沿って移動自在である。
【0033】
押し込み部材24の押さえ部24bは、本体部24aから下方に延ばされた軸部24dと、その軸部24dの先端部(下端部)に連なる突出部24eとを備えている。軸部24dは円柱状であり、その外径はチューブ6の外径よりも幾らか小さく設定されている。一例として、軸部24dの外径はチューブ6の外径に対して50〜60%程度に設定される。突出部24eは、軸部24dから突出するに従って漸次細くなる先細り形状に形成されている。突出部24eはその先端面24fがチューブ挿通領域28に通されたチューブ6の上端中央部に接するように設けられている。
図9から明らかなように、突出部24eの先端面24fは概ね矩形状であり、その長手方向は傾斜部24cが並ぶ方向、つまりチューブ6を横断する左右方向に設定されている。突出部24eの先端面24fの寸法は適宜に定めてよいが、一例として、先端面24fの長辺の寸法がチューブ6の外径に対して25〜30%程度に設定される。ただし、突出部24eの先端面24fは正方形状、円形その他各種の形状に設定されてよい。
【0034】
押し込み部材24の軸部24dは上保持部品27の貫通孔27dに上下動可能な状態で挿入される。したがって、駆動部材21が前後方向に移動しても、押し込み部材24は前後に移動することなく、貫通孔27dの位置に保持される。駆動部材21が前方に移動すると、その駆動部材21の変位が傾斜部21f、24cにより押し込み部材24の下方への変位に変換される。それにより、押し込み部材24がチューブ6に向かって進出する。一方、駆動部材21が後方に移動すると、駆動部材21の変位が押し込み部材24のチューブ6に対する上方への変位に変換される。操作レバー22の位置と押し込み部材24の位置との対応関係は次の通りである。
【0035】
操作レバー22のハンドル31が注出停止位置P0にあるとき、押し込み部材24は、
図10に示すように、その押さえ部24bの先端面24fがチューブ6に対して相対的に後退した位置、より具体的にはチューブ6の上端に接するか、又はチューブ6から上方に幾らか離れた位置に保持される。操作レバー22のハンドル31が注出位置P1に操作された場合、押し込み部材24は
図10の位置よりも幾らか上方に変位する。したがって、注出停止位置P0、注出位置P1のいずれにおいても、押し込み部材24はチューブ6の弾性変形に関与しない。
【0036】
一方、操作レバー22のハンドル31が泡注出位置P2に操作された場合、駆動部材21は前方に移動し、その変位が傾斜部21f、24cにより押し込み部材24の下方への変位に変換される。そのため、
図11に示すように、チューブ6はその上端中央部から真下に押し込まれ、押し込み部材24の突出部24eとチューブ挿通領域28の内周面の底壁部28aとの間に挟み込まれるように弾性変形する。
【0037】
チューブ挿通領域28を形成するチューブ溝26a、27aのそれぞれの内周面は、チューブ6の外周面に沿った半円状の断面輪郭を描くように形成されている。そのため、チューブ6の弾性変形に関連して果たす機能の観点からみれば、チューブ挿通領域28の内周面には、押し込み部材24と協働してチューブ6を挟み込む底壁部28aのみならず、押し込みに伴うチューブ6の側方(
図11の左右方向)への弾性変形を制限する一対の側壁部28bが存在する。したがって、押し込み部材24によって押し込まれたチューブ6は側方に自由にはみ出るように弾性変形することができない。加えて、押し込み部材24の押し込み力はチューブ6の左右方向中央部に集中的に作用する。そのため、チューブ6は同図に示したように、押し込み部材24の両側で、チューブ挿通領域28の上方に向かって丸みを帯びるようにして左右対称的に弾性変形する。結果として、押し込み部材24の両側には、断面がほぼ円形状で断面積が極めて小さい一対のオリフィス35が生じる。そのオリフィス35の前後で飲料の圧力差が拡大することにより飲料泡が生成され、注出口5から泡が注出される。
【0038】
オリフィス35の断面積はチューブ6の寸法、押し込み部材24の形状及び寸法に応じて適宜に調整することが可能であり、飲料の種類に応じて泡の生成に適した寸法や形状が設定されてよい。一例として、飲料がビールであり、チューブ6の外径が6mm、内径が4mmの場合には、単一のオリフィス35の内径が概ね0.3mm程度となるように押し込み部材24の形状及び寸法を設定することができる。なお、チューブ6の外径が5mm、内径が3mmの場合でも同様に設定されてよい。
【0039】
図4に示したように、カバー25の後端部にはロック部材40がピン41を中心として回転自在に取り付けられている。ロック部材40の先端側(下端側)には一対の爪40aが設けられている。それらの爪40aを下保持部品26の凹部26d(
図6参照)に噛み合わせることにより、下保持部品26に対する上保持部品27の上方への回転を阻止することができる。したがって、チューブ6を開閉部材23又は押し込み部材24にて押し込む際の反力で上保持部品27が下保持部品26に対して上方に逃げるおそれがない。
【0040】
以上の説明から明らかなように、上記の形態においては、チューブ6、チューブ保持体20、駆動部材21、操作レバー22、及び押し込み部材24の組み合わせによって本発明の一例に係る飲料泡注出装置A(
図2)が実現され、操作レバー22、駆動部材21及び押し込み部材24によって飲料泡注出装置Aのオリフィス生成機構B(
図2)が実現され、駆動部材21及び押し込み部材24によって飲料泡注出装置Aの操作変換機構C(
図4)が実現される。また、駆動部材21、開閉部材23及び押し込み部材24によって本発明の一例に係る飲料サーバ1の操作変換機構D(
図2)が実現され、駆動部材21の突起部23e、開閉部材23の溝部23c、駆動部材21の傾斜部21f、及び押し込み部材24の傾斜部24cによって、操作変換機構Cにおける変換部E(
図2)が実現される。
【0041】
本発明は以上の形態に限定されず、適宜の変形又は変更が施された形態にて実施されてよい。例えば、上記の形態では押し込み部材24の突出部24eが先細り形状に形成されているが、
図12〜
図14に例示したように、突出部24eが軸部24dに対して外径が小さく設定された円柱状に形成されてもよい。このような形状であっても、押し込み力をチューブ6の中央部に集中させることが可能である。
【0042】
上記の形態では、チューブ挿通領域28の底壁部28aと一対の側壁部28bとをチューブ6の外周面に沿った一体的かつ円弧状の断面輪郭を描くように連ねて形成したが、底壁部28aと側壁部28bとの間に、チューブ6がはみ出すように弾性変形するおそれを生じさせない限度において隙間が存在していてもよい。底壁部28a、側壁部28bの壁面上にも、チューブ6のはみ出しが生じない限度で適宜に空隙等が存在していてもよい。底壁部28aは、押し込み部材24と協働してチューブ6を挟み込むことができるように設けられていれば足り、その断面輪郭がチューブ6の外周面に沿った円弧状に設定されることを必ずしも要しない。例えば、チューブ6の外周面よりも幾らか緩やかな円弧状の断面輪郭を有するように底壁部28aが形成されてもよい。側壁部28bは、押し込みに伴うチューブ6の側方へのはみ出すような弾性変形を制限できるものであれば足り、その断面輪郭がチューブ6の外周面に沿った円弧状に設定されることを必ずしも要しない。例えば、側壁部28bも底壁部28aと同様に、チューブ6の外周面よりも幾らか緩やかな円弧状の断面輪郭を有するように形成されてもよい。
【0043】
開閉部材23及び押し込み部材24を上下方向に駆動するための操作変換機構は図示例に限らず、例えばカム機構、リンク機構といった各種の運動変換機構が操作変換機構として用いられてよい。操作部材は操作レバーのように、傾ける操作が可能な部材に限らず、回転操作、スライド操作といった各種の操作が可能な部材が操作部材として設けられてよい。
【0044】
飲料注出路はその全体が柔軟性を有するチューブにて構成されることを必ずしも必要とせず、その一部に硬質樹脂や金属材料にて構成された剛体の配管部品が設けられてもよい。例えば、注出切替装置7を通過する範囲に限ってチューブ6を利用し、その前後の少なくともいずれか一方に剛体の配管部品が飲料注出路の一部として用いられてもよい。つまり、柔軟性を有するチューブは飲料注出路の少なくとも一部に設けられていればよい。
【0045】
本発明の飲料サーバは、飲料泡の注出のためのオリフィスをチューブの弾性変形によって実現する構成を備えていれば足り、飲料サーバにおける飲料の注出又は注出停止を切り替える装置は、開閉部材によるチューブの押し込み、押し込み解除によって実現する例に限らない。例えば、飲料注出路内に設けられた弁体を操作部材の操作に応じて開閉する切替弁等が別途設けられてもよい。本発明の飲料泡注出装置は、飲料容器を内蔵した飲料サーバに適用される例に限らず、飲料泡の注出が求められる各種の飲料注出装置に適用可能である。飲料は一例としてビールを示したが、各種の飲料の泡付けに対して本発明の飲料泡注出装置が用いられてよい。