特許第6578078号(P6578078)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6578078
(24)【登録日】2019年8月30日
(45)【発行日】2019年9月18日
(54)【発明の名称】TIG溶接用トーチ
(51)【国際特許分類】
   B23K 9/29 20060101AFI20190909BHJP
【FI】
   B23K9/29 B
【請求項の数】2
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2019-25920(P2019-25920)
(22)【出願日】2019年2月15日
(62)【分割の表示】特願2018-135946(P2018-135946)の分割
【原出願日】2018年7月19日
【審査請求日】2019年2月15日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000231235
【氏名又は名称】大陽日酸株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001634
【氏名又は名称】特許業務法人 志賀国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】和田 勝則
【審査官】 岩見 勤
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭60−103578(JP,U)
【文献】 実開昭60−157072(JP,U)
【文献】 実開昭57−052273(JP,U)
【文献】 国際公開第2015/141768(WO,A1)
【文献】 特開昭53−014639(JP,A)
【文献】 特開平09−201678(JP,A)
【文献】 特開2016−203187(JP,A)
【文献】 特開平09−010943(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23K 9/29
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被溶接物との間でアークを発生させる非消耗電極と、
前記非消耗電極を内側に挿入した状態で支持するコレットと、
前記非消耗電極を先端側から突出させた状態で前記コレットを内側に保持すると共に、冷却液が循環される流路が設けられたコレットボディと、
前記非消耗電極の周囲を囲んだ状態で、アークによって生じた被溶接物の溶融池に向かってシールドガスを放出するトーチノズルと、
前記コレットボディと熱的に接続された状態で取り付けられると共に、前記コレットの先端側と接触した状態で、その先端から前記非消耗電極を突出させる中心孔が設けられた冷却チップとを備え、
前記冷却チップは、前記コレットボディと共に、前記流路の一部を構成していることを特徴とするTIG溶接用トーチ。
【請求項2】
前記冷却チップは、前記コレットボディの先端側から内側に挿入された状態で、前記コレットボディに対して着脱自在に取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載のTIG溶接用トーチ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、TIG溶接用トーチに関する。
【背景技術】
【0002】
金属や非鉄金属などを母材として用いた構造物(被溶接物)の溶接には、従来よりTIG溶接(Tungsten Inert Gas welding)又はプラズマアーク溶接等のGTAW(Gas Tungsten Arc welding)と呼ばれる非消耗電極式のガスシールドアーク溶接が用いられている。
【0003】
TIG溶接では、非消耗電極と、トーチノズルと、トーチボディとを備えるTIG溶接用トーチを使用し、非消耗電極(−)と被溶接物(+)との間でアークを発生させて、このアークの熱により被溶接物を溶かして溶融池(プール)を形成しながら溶接が行われる。また、溶接中は電極の周囲を囲むトーチノズルからシールドガスを放出し、このシールドガスで大気(空気)を遮断しながら溶接が行われる。
【0004】
これに対して、プラズマアーク溶接では、非消耗電極と、水冷のインサートチップ(拘束ノズルとも言う。)と、シールドキャップと、トーチボディとを備えるプラズマアーク用トーチを使用し、非消耗電極とインサートチップとの間で電気的にプラズマ化されたプラズマガス(作動ガスとも言う。)を流す。このとき発生するプラズマ流(プラズマジェット)をインサートチップで絞り込み、インサートチップの内壁形状によるウォール効果(プラズマ流の気流の流れを安定させる効果)や、インサートチップを冷却することで得られるサーマルピンチ効果(プラズマ流を周囲から冷却することで緊縮し高温となる効果)を利用して、エネルギー密度が高められたプラズマアークを発生させる。また、プラズマアークは、シールドキャップから放出されるシールドガスによるサーマルピンチ効果を受けて更に絞り込まれる。
【0005】
プラズマアーク溶接では、このようにエネルギー密度が高く、アーク形状が円柱状に絞り込まれたプラズマアークを熱源として溶接が行われる。また、プラズマアークには、移行型と非移行型とがある。移行型のプラズマアークは、非消耗電極(−)と被加工物(+)との間で電流を流す方式であり、導電性の被加工物に対してのみ適用が可能である。一方、非移行型のプラズマアークは、非消耗電極(−)とインサートチップ(+)との間で電流を流す方式であり、非導電性の被加工物に対しても適用が可能である。さらに、プラズマアークは、上述した溶接の用途に限らず、例えば、被加工物に対するロウ付けや、接合、切断、溶射、溶融炉などにも利用されている。
【0006】
ところで、上述したプラズマアーク用トーチでは、高温のプラズマアークによるインサートチップの溶損を防止するために、冷却液(水)の循環によりインサートチップを冷却する水冷式の冷却機構(チラー)が用いられている。
【0007】
しかしながら、チラーの故障などでインサートチップが冷却されない場合には、インサートチップの損傷に留まらず、トーチボディが溶損することになる。この場合、修理などのコストが上昇することになる。
【0008】
また、インサートチップの先端部は、プラズマアークによる高温に晒されるだけでなく、溶接スパッタの付着等の影響によって、消耗が激しい部分である。この場合、寿命の短いインサートチップの先端部分のみならず、チップ自体を交換する必要があるため、交換によるコストも上昇することになる。
【0009】
そこで、本願出願人は、インサートチップの先端部に着脱自在に取り付けられるチップを設けることによって、チップの取付強度及び交換のし易さを確保しつつ、インサートチップの冷却性能の向上を可能としたプラズマアーク用トーチを提案している(下記特許文献1を参照。)。
【0010】
また、TIG溶接用トーチでも、冷却機構を設けて、冷却液(水)の循環によりトーチボディ等を冷却することが行われている。
【0011】
一方、TIG溶接用トーチでは、非消耗電極のアーク熱による消耗を抑制するために、この非消耗電極を冷却する必要がある。また、非消耗電極の冷却効果を上げるためには、この非消耗電極の先端と、冷却液(水)が循環される流路との距離をできるだけ短くする必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開2017−119297号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は、このような従来の事情に鑑みて提案されたものであり、非消耗電極の冷却性能を向上させたTIG溶接用トーチを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提供する。
〔1〕 被溶接物との間でアークを発生させる非消耗電極と、
前記非消耗電極を内側に挿入した状態で支持するコレットと、
前記非消耗電極を先端側から突出させた状態で前記コレットを内側に保持すると共に、冷却液が循環される流路が設けられたコレットボディと、
前記非消耗電極の周囲を囲んだ状態で、アークによって生じた被溶接物の溶融池に向かってシールドガスを放出するトーチノズルと、
前記コレットボディと熱的に接続された状態で取り付けられると共に、前記コレットの先端側と接触した状態で、その先端から前記非消耗電極を突出させる中心孔が設けられた冷却チップとを備え、
前記冷却チップは、前記コレットボディと共に、前記流路の一部を構成していることを特徴とするTIG溶接用トーチ。
〔2〕 前記冷却チップは、前記コレットボディの先端側から内側に挿入された状態で、前記コレットボディに対して着脱自在に取り付けられていることを特徴とする前記〔1〕に記載のTIG溶接用トーチ。
【発明の効果】
【0015】
以上のように、本発明によれば、非消耗電極の冷却性能を向上させたTIG溶接用トーチを提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の第1の実施形態に係るTIG用トーチの構成を示し、(a)はその断面図、(b)はその先端側から見た平面図である。
図2】第1の変型例であるTIG用トーチの構成を示し、(a)はその断面図、(b)はその先端側から見た平面図である。
図3】第2の変型例であるTIG用トーチの構成を示し、(a)はその断面図、(b)はその先端側から見た平面図である。
図4】第3の変型例であるTIG用トーチの構成を示し、(a)はその断面図、(b)はその先端側から見た平面図である。
図5】第4の変型例であるTIG用トーチの構成を示し、(a)はその断面図、(b)はその先端側から見た平面図である。
図6】第5の変型例であるTIG用トーチの構成を示す断面図である。
図7】第6の変型例であるTIG用トーチの構成を示す断面図である。
図8】本発明の第2の実施形態に係るTIG溶接用トーチの構成を示す断面斜視図である。
図9図8に示すTIG溶接用トーチの要部を拡大した断面斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
なお、以下の説明で用いる図面においては、各構成要素を見やすくするため、構成要素によって寸法の縮尺を異ならせて示すことがあり、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らないものとする。
【0018】
(第1の実施形態)
先ず、本発明の第1の実施形態として、例えば図1(a),(b)に示すTIG溶接用トーチ1Aについて説明する。なお、図1(a)は、TIG溶接用トーチ1Aの構成を示す断面図である。図1(b)は、TIG溶接用トーチ1Aを先端側から見た平面図である。
【0019】
本実施形態のTIG溶接用トーチ1Aは、被溶接物Sとの間でアークを発生させる非消耗電極2と、非消耗電極2を内側に挿入した状態で支持するコレット3と、非消耗電極2を先端側から突出させた状態でコレット3を内側に保持すると共に、冷却液Wが循環されるウォータージャケット(流路)4が設けられたコレットボディ5と、非消耗電極2の周囲を囲んだ状態でコレットボディ5に取り付けられると共に、アークによって生じた被溶接物Sの溶融池に向かってシールドガスを放出するトーチノズル6と、コレットボディ5と熱的に接続された状態で取り付けられると共に、その先端から非消耗電極2を突出させる中心孔7aが設けられた冷却チップ7Aとを概略備えている。
【0020】
非消耗電極2は、例えばタングステンなどの融点の高い金属材料を用いて形成された長尺状の電極棒からなる。また、非消耗電極2には、タングステンの他に、例えば酸化トリウムや酸化ランタン、酸化セリウム、酸化イットリウム、酸化ジルコニウムなどの酸化物を添加したものを用いることができる。
【0021】
コレット3は、例えば銅又は銅合金などの電気伝導性及び熱伝導性に優れた金属材料を用いて形成された概略円筒状の部材からなる。コレット3は、軸線方向に貫通する貫通孔3aを有し、この貫通孔3aの内側に挿入された非消耗電極2を軸線方向にスライド可能に支持する。コレット3の先端側には、複数のスリット3bが周方向に並んで設けられている。複数のスリット3bは、コレット3の先端から軸線方向の中途部に亘って直線状に切り欠かれている。これにより、各スリット3bの間の先端部分3cが縮径方向に弾性変形可能となっている。また、コレット3の先端部には、漸次縮径されたテーパー部3dが設けられている。
【0022】
コレットボディ5は、例えば銅又は銅合金などの電気伝導性及び熱伝導性に優れた材料を用いて形成された概略円筒状の部材からなる。コレットボディ5は、軸線方向に貫通する貫通孔5aを有し、この貫通孔5aの基端側から挿入されたコレット3を内側に保持する。
【0023】
また、コレットボディ5の貫通孔5aは、第1のシールドガスG1が流れる流路を形成している。貫通孔5aの内側には、コレット3のテーパー部3dが当接される縮径部5bが設けられている。縮径部5bは、非消耗電極2を貫通させる程度に縮径されている。これにより、コレットボディ5の先端部からは、貫通孔5aを貫通した非消耗電極2のみを突出させることが可能となっている。
【0024】
コレットボディ5の先端側には、貫通孔5aを介して供給された第1のシールドガスG1を放出するセンターノズル5cが設けられている。また、コレットボディ5の側面には、貫通孔5aに向けて第1のシールドガスG1を供給するガス供給口5dが設けられている。一方、コレットボディ5の後端側には、貫通孔5aの後端側を閉塞するトーチキャップ8が螺合により着脱自在に取り付けられている。
【0025】
ウォータージャケット4は、冷却液(水)Wの循環によりコレットボディ5を冷却する冷却機構(チラー)50と接続されている。これにより、コレットボディ5は、ウォータージャケット4を流れる冷却液(水)Wにより冷却されることになる。
【0026】
トーチノズル6は、例えば耐熱性に優れたセラミックなどを用いて概略円筒状に形成されたノズル形状を有している。トーチノズル6は、コレットボディ5の外周面との間で第2のシールドガスG2が流れる流路を形成すると共に、コレットボディ5の外周面に螺合により着脱自在に取り付けられている。なお、トーチノズル6は、その先端側が漸次縮径されたノズル形状であってもよい。
【0027】
冷却チップ7Aは、概略円筒状に形成されて、コレットボディ5の先端側からコレットボディ5の内側に挿入された状態で、コレットボディ5に対して螺合により着脱自在に取り付けられている。また、冷却チップ7Aは、その先端側が絞り込まれたテーパー形状を有している。
【0028】
冷却チップ7Aの中心孔7aは、非消耗電極2と接触した状態で、その先端から非消耗電極2を突出させている。また、冷却チップ7Aは、第1のシールドガスG1を放出するガス放出口9を有している。ガス放出口9は、中心孔7aの周囲に並んで設けられた複数の孔部9aにより構成されている。
【0029】
以上のような構成を有するTIG溶接用トーチ1Aは、電源装置60と接続されている。電源装置60は、従来より一般に使用されている直流式及び/又は交流式のTIG溶接用電源装置であり、TIG溶接用トーチ1Aと溶接ケーブル(図示せず。)を介して接続されて、TIG溶接用トーチ1Aへの電力並びに第1及び第2のシールドガスG1,G2の供給を行う。
【0030】
電源装置60では、マイナス(−)端子側にトーチ側ケーブル61aを介して非消耗電極2が電気的に接続され、且つ、プラス(+)端子側に母材側ケーブル61bを介して被溶接物Sが電気的に接続されている。
【0031】
これにより、非消耗電極2と被溶接物Sとの間でアークを発生させて、このアークの熱により被溶接物Sを溶かして溶融池(プール)を形成しながら溶接が行われる。また、溶接中は非消耗電極2の周囲を囲むトーチノズル6から第1及び第2のシールドガスG1,G2を放出し、これらのシールドガスG1,G2により大気(空気)を遮断しながら溶接が行われる。
【0032】
なお、第1及び第2のシールドガスG1,G2については、特に限定されるものではなく、例えばアルゴン(Ar)やヘリウム(He)等の不活性ガスや、アルゴン(Ar)に水素(H)、ヘリウム(He)、窒素(N)等のガスを添加した混合ガスを用いることができる。また、アルゴン(Ar)とヘリウム(He)との混合ガスに水素(H)、窒素(N)等のガスを添加した混合ガスを用いることができる。また、第2ののシールドガスG2については、上述した組成のガスの他に、アルゴン(Ar)又はアルゴン(Ar)とヘリウム(He)との混合ガスに、例えば炭酸ガス(CO)や酸素(O)等の酸化性ガスを添加したものを用いてもよい。
【0033】
本実施形態のTIG溶接用トーチ1Aでは、上述した冷却チップ7Aがコレットボディ5と熱的に接続された状態で取り付けられている。また、冷却チップ7Aの中心孔7aから非消耗電極2の先端を突出させた状態で、この非消耗電極2が冷却チップ7Aと接触している。
【0034】
すなわち、本実施形態のTIG溶接用トーチ1Aでは、冷却液(水)Wの循環により冷却されるコレットボディ5と冷却チップ7Aを介して非消耗電極2が熱的に接続された状態となっている。これにより、非消耗電極2の冷却効果を上げることができ、この非消耗電極2のアーク熱による消耗を抑制することが可能である。また、冷却チップ7Aの交換も容易である。
【0035】
(第1の変型例)
次に、本発明の第1の変形例として、例えば図2(a),(b)に示すTIG溶接用トーチ1Bについて説明する。
なお、図2(a)は、TIG溶接用トーチ1Bの構成を示す断面図である。図2(b)は、TIG溶接用トーチ1Bを先端側から見た平面図である。また、以下の説明では、上記TIG溶接用トーチ1Aと同等の部位については、説明を省略すると共に、図面において同じ符号を付すものとする。
【0036】
本実施形態のTIG溶接用トーチ1Bは、上記TIG溶接用トーチ1Aが備える冷却チップ7Aの代わりに、冷却チップ7Bを備える以外は、上記TIG溶接用トーチ1Aと基本的に同じ構成を有している。
【0037】
具体的に、このTIG溶接用トーチ1Bにおいて、冷却チップ7Bは、その先端から複数の孔部9a(ガス放出口9)の周囲を囲むように円筒状に突出されたノズル部7bを有している。この構成の場合、複数の孔部9a(ガス放出口9)から放出された第1のシールドガスG1をノズル部7bにより絞り込むことができる。
【0038】
本実施形態のTIG溶接用トーチ1Bでは、上述した冷却チップ7Bがコレットボディ5と熱的に接続された状態で取り付けられている。また、冷却チップ7Bの中心孔7aから非消耗電極2の先端を突出させた状態で、この非消耗電極2が冷却チップ7Bと接触している。
【0039】
すなわち、本実施形態のTIG溶接用トーチ1Bでは、冷却液(水)Wの循環により冷却されるコレットボディ5と冷却チップ7Bを介して非消耗電極2が熱的に接続された状態となっている。これにより、非消耗電極2の冷却効果を上げることができ、この非消耗電極2のアーク熱による消耗を抑制することが可能である。また、冷却チップ7Bの交換も容易である。
【0040】
(第2の変型例)
次に、本発明の第2の変形例として、例えば図3(a),(b)に示すTIG溶接用トーチ1Cについて説明する。
なお、図3(a)は、TIG溶接用トーチ1Cの構成を示す断面図である。図3(b)は、TIG溶接用トーチ1Cを先端側から見た平面図である。また、以下の説明では、上記TIG溶接用トーチ1Aと同等の部位については、説明を省略すると共に、図面において同じ符号を付すものとする。
【0041】
本実施形態のTIG溶接用トーチ1Cは、上記TIG溶接用トーチ1Aが備える冷却チップ7Aの代わりに、冷却チップ7Cを備える以外は、上記TIG溶接用トーチ1Aと基本的に同じ構成を有している。
【0042】
具体的に、このTIG溶接用トーチ1Cにおいて、冷却チップ7Cは、ガス放出口9として、上記冷却チップ7Aが備える複数の孔部9aの代わりに、複数の切欠部9bを有している。複数のスリット部9bは、中心孔7aの周囲に並んで設けられている。また、各切欠部9bは、中心孔7aの周面を軸線方向に切り欠くように形成されている。
【0043】
また、冷却チップ7Cは、その先端から複数の切欠部9b(ガス放出口9)の周囲を囲むように円筒状に突出されたノズル部7bを有している。この構成の場合、複数の切欠部9b(ガス放出口9)から放出された第1のシールドガスG1をノズル部7bにより絞り込むことができる。
【0044】
本実施形態のTIG溶接用トーチ1Cでは、上述した冷却チップ7Cがコレットボディ5と熱的に接続された状態で取り付けられている。また、冷却チップ7Cの中心孔7aから非消耗電極2の先端を突出させた状態で、この非消耗電極2が冷却チップ7Cと接触している。
【0045】
すなわち、本実施形態のTIG溶接用トーチ1Cでは、冷却液(水)Wの循環により冷却されるコレットボディ5と冷却チップ7Cを介して非消耗電極2が熱的に接続された状態となっている。これにより、非消耗電極2の冷却効果を上げることができ、この非消耗電極2のアーク熱による消耗を抑制することが可能である。また、冷却チップ7Cの交換も容易である。
【0046】
(第3の変型例)
次に、本発明の第3の変形例として、例えば図4(a),(b)に示すTIG溶接用トーチ1Dについて説明する。
なお、図4(a)は、TIG溶接用トーチ1Dの構成を示す断面図である。図4(b)は、TIG溶接用トーチ1Dを先端側から見た平面図である。また、以下の説明では、上記TIG溶接用トーチ1Aと同等の部位については、説明を省略すると共に、図面において同じ符号を付すものとする。
【0047】
本実施形態のTIG溶接用トーチ1Dは、上記TIG溶接用トーチ1Aが備える冷却チップ7Aの代わりに、冷却チップ7Dを備える以外は、上記TIG溶接用トーチ1Aと基本的に同じ構成を有している。
【0048】
具体的に、このTIG溶接用トーチ1Dにおいて、冷却チップ7Dは、ガス放出口9として、上記冷却チップ7Aが備える複数の孔部9aの代わりに、複数の切欠部9cを有している。複数の切欠部9cは、中心孔7aの周囲に並んで設けられている。また、各切欠部9bは、冷却チップ7Dの先端側を周方向に分断しながら軸線方向に切り欠くように形成されている。
【0049】
本実施形態のTIG溶接用トーチ1Dでは、上述した冷却チップ7Dがコレットボディ5と熱的に接続された状態で取り付けられている。また、冷却チップ7Dの中心孔7aから非消耗電極2の先端を突出させた状態で、この非消耗電極2が冷却チップ7Dと接触している。
【0050】
すなわち、本実施形態のTIG溶接用トーチ1Dでは、冷却液(水)Wの循環により冷却されるコレットボディ5と冷却チップ7Dを介して非消耗電極2が熱的に接続された状態となっている。これにより、非消耗電極2の冷却効果を上げることができ、この非消耗電極2のアーク熱による消耗を抑制することが可能である。また、冷却チップ7Dの交換も容易である。
【0051】
(第4の変型例)
次に、本発明の第4の変形例として、例えば図5(a),(b)に示すTIG溶接用トーチ1Eについて説明する。
なお、図5(a)は、TIG溶接用トーチ1Eの構成を示す断面図である。図5(b)は、TIG溶接用トーチ1Eを先端側から見た平面図である。また、以下の説明では、上記TIG溶接用トーチ1Aと同等の部位については、説明を省略すると共に、図面において同じ符号を付すものとする。
【0052】
本実施形態のTIG溶接用トーチ1Eは、上記TIG溶接用トーチ1Aが備える冷却チップ7Aの代わりに、冷却チップ7Eを備える以外は、上記TIG溶接用トーチ1Aと基本的に同じ構成を有している。
【0053】
具体的に、このTIG溶接用トーチ1Eにおいて、冷却チップ7Eは、上記冷却チップ7Aが備える複数の孔部9a(ガス放出口9)を省略した構成である。これにより、本実施形態のTIG溶接用トーチ1Eは、トーチノズル6から第2のシールドガスG2のみを放出する構成となっている。
【0054】
本実施形態のTIG溶接用トーチ1Eでは、上述した冷却チップ7Eがコレットボディ5と熱的に接続された状態で取り付けられている。また、冷却チップ7Eの中心孔7aから非消耗電極2の先端を突出させた状態で、この非消耗電極2が冷却チップ7Eと接触している。
【0055】
すなわち、本実施形態のTIG溶接用トーチ1Eでは、冷却液(水)Wの循環により冷却されるコレットボディ5と冷却チップ7Eを介して非消耗電極2が熱的に接続された状態となっている。これにより、非消耗電極2の冷却効果を上げることができ、この非消耗電極2のアーク熱による消耗を抑制することが可能である。また、冷却チップ7Eの交換も容易である。
【0056】
(第5の変型例)
次に、本発明の第5の変形例として、例えば図6に示すTIG溶接用トーチ1Fについて説明する。
なお、図6は、TIG溶接用トーチ1Fの構成を示す断面図である。また、以下の説明では、上記TIG溶接用トーチ1Aと同等の部位については、説明を省略すると共に、図面において同じ符号を付すものとする。
【0057】
本実施形態のTIG溶接用トーチ1Fは、上記TIG溶接用トーチ1Aが備える冷却チップ7Aの代わりに、冷却チップ7Fを備える以外は、上記TIG溶接用トーチ1Aと基本的に同じ構成を有している。
【0058】
具体的に、このTIG溶接用トーチ1Fにおいて、冷却チップ7Fは、上記冷却チップ7Aが備える複数の孔部9a(ガス放出口9)を省略した構成である。これにより、本実施形態のTIG溶接用トーチ1Fは、トーチノズル6から第2のシールドガスG2のみを放出する構成となっている。
【0059】
また、冷却チップ7Fは、コレットボディ5と共に、ウォータージャケット4の一部を構成している。このため、ウォータージャケット4を構成するコレットボディ5と冷却チップ7Fとの間は、Oリング10によって液密に封止(シール)されている。これにより、冷却チップ7Fは、コレットボディ5と共に、ウォータージャケット4を流れる冷却液(水)Wにより冷却されることになる。
【0060】
本実施形態のTIG溶接用トーチ1Fでは、上述した冷却チップ7Fがコレットボディ5と熱的に接続された状態で取り付けられると共に、冷却液(水)Wの循環によりコレットボディ5及び冷却チップ7Fを冷却している。また、冷却チップ7Fの中心孔7aから非消耗電極2の先端を突出させた状態で、この非消耗電極2が冷却チップ7Fと接触している。
【0061】
すなわち、本実施形態のTIG溶接用トーチ1Fでは、冷却液(水)Wの循環により冷却される冷却チップ7Fと非消耗電極2が熱的に接続された状態となっている。これにより、非消耗電極2の冷却効果を上げることができ、この非消耗電極2のアーク熱による消耗を抑制することが可能である。また、冷却チップ7Fの交換も容易である。
【0062】
(第6の変型例)
次に、本発明の第6の変形例として、例えば図7に示すTIG溶接用トーチ1Gについて説明する。
なお、図7は、TIG溶接用トーチ1Gの構成を示す断面図である。また、以下の説明では、上記TIG溶接用トーチ1Aと同等の部位については、説明を省略すると共に、図面において同じ符号を付すものとする。
【0063】
本実施形態のTIG溶接用トーチ1Gは、上記TIG溶接用トーチ1Aが備える冷却チップ7Aの代わりに、冷却チップ7Gを備える以外は、上記TIG溶接用トーチ1Aと基本的に同じ構成を有している。
【0064】
具体的に、このTIG溶接用トーチ1Gにおいて、冷却チップ7Gは、上記冷却チップ7Aが備える複数の孔部9a(ガス放出口9)を省略した構成である。これにより、本実施形態のTIG溶接用トーチ1Gは、トーチノズル6から第2のシールドガスG2のみを放出する構成となっている。
【0065】
また、冷却チップ7Gの中心孔7aには、上記縮径部5bの代わりに、非消耗電極2の尖形となる先端部と当接される縮径部7cが設けられている。縮径部7cは、非消耗電極2の先端部を貫通させる程度に縮径されている。これにより、冷却チップ7Gの先端部からは、中心孔7aを貫通した非消耗電極2の先端部(テーパー状の部分)のみを突出させることが可能となっている。
【0066】
本実施形態のTIG溶接用トーチ1Gでは、上述した冷却チップ7Gがコレットボディ5と熱的に接続された状態で取り付けられている。また、冷却チップ7Gの中心孔7aから非消耗電極2の先端を突出させた状態で、この非消耗電極2が冷却チップ7Gと接触している。
【0067】
すなわち、本実施形態のTIG溶接用トーチ1Gでは、冷却液(水)Wの循環により冷却されるコレットボディ5と冷却チップ7Gを介して非消耗電極2が熱的に接続された状態となっている。これにより、非消耗電極2の冷却効果を上げることができ、この非消耗電極2のアーク熱による消耗を抑制することが可能である。また、冷却チップ7Gの交換も容易である。
【0068】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態として、例えば図8及び図9に示すTIG溶接用トーチ1Hについて説明する。
なお、図8は、TIG溶接用トーチ1Hの構成を示す断面斜視図である。図9は、TIG溶接用トーチ1Hの要部を拡大した断面斜視図である。また、以下の説明では、上記TIG溶接用トーチ1Aと同等の部位については、説明を省略すると共に、図面において同じ符号を付すものとする。
【0069】
本実施形態のTIG溶接用トーチ1Hは、被溶接物S(図8,9において図示せず。)との間でアークを発生させる非消耗電極2Aと、非消耗電極2Aを内側に挿入した状態で支持するコレット3Aと、非消耗電極2Aを先端側から突出させた状態でコレット3Aを内側に保持すると共に、冷却液Wが循環されるウォータージャケット(流路)4Aが設けられたコレットボディ5Aと、コレットボディ5Aが取り付けられるトーチボディ11と、非消耗電極2Aの周囲を囲んだ状態でトーチボディ11に取り付けられると共に、アークによって生じた被溶接物Sの溶融池に向かってシールドガスを放出するトーチノズル6Aと、コレットボディ5Aと熱的に接続された状態で取り付けられると共に、その先端から非消耗電極2Aを突出させる中心孔7aが設けられた冷却チップ7Hとを概略備えている。
【0070】
このうち、非消耗電極2Aは、上記非消耗電極2と同様の構成を有しているが、本実施形態では、上記非消耗電極2よりも長尺のものを用いている。また、コレット3Aは、貫通孔3aと、複数のスリット3bと、先端部分3cと、テーバー部3dといった上記コレット3と同様の構成を有しているが、本実施形態では、上記コレット3Aよりも長尺のものを用いている。
【0071】
コレットボディ5Aは、貫通孔5aと、センターノズル5cと、ガス供給口5d(図8,9において図示せず。)といった上記コレットボディ5と同様の構成を有しているが、上記コレットボディ5よりも長尺のものを用いている。また、コレットボディ5Aの後端側には、トーチキャップ8Aが螺合により着脱自在に取り付けられている。トーチキャップ8Aには、第1のシールドガスG1を貫通孔5aに向けて供給するガス供給口8aが設けられている。
【0072】
トーチボディ11は、例えば軟鋼やステンレス鋼などの鋼材又は真鍮等を用いて概略円筒状に形成された外筒部材12と、絶縁樹脂を用いて概略円筒状に形成された絶縁部材13とを有している。
【0073】
外筒部材12は、非消耗電極2Aに電力を供給する給電部を形成している。また、外筒部材12の内側に形成された貫通孔12aは、その中心に非消耗電極2Aを配置すると共に、非消耗電極2Aの周囲からコレットボディ5Aの貫通孔5aに向けて第1のシールドガスG1を供給する流路を形成している。
【0074】
コレットボディ5Aは、貫通孔12aの内側に挿入された状態で、外筒部材12に対して螺合により着脱自在に取り付けられている。また、外筒部材12は、コレットボディ5Aの外周面との間で第2のシールドガスG2が流れる流路を形成している。
【0075】
絶縁部材13は、コレットボディ5Aの外周部を覆うと共に、貫通孔12aの内側に挿入された状態で、外筒部材12に対して螺合により着脱自在に取り付けられている。
【0076】
コレットボディ5Aと外筒部材12との間には、冷却液(水)Wが循環されるウォータージャケット(流路)14が設けられている。ウォータージャケット14は、外筒部材12の内周面を周方向に切り欠くリング状の溝部12bと、コレットボディ5Aの外周面とによって構成されている。また、ウォータージャケット14を構成するコレットボディ5Aと外筒部材12との間は、Oリング15によって液密に封止(シール)されている。Oリング15は、ウォータージャケット14を挟んだ軸線方向の両側にそれぞれ配置されている。
【0077】
ウォータージャケット4A,14は、冷却液(水)Wの循環によりコレットボディ5Aを冷却する冷却機構(チラー)50(図8,9において図示せず。)と接続されている。これにより、コレットボディ5Aは、ウォータージャケット4A,14を流れる冷却液(水)Wにより冷却されることになる。
【0078】
トーチノズル6Aは、上記トーチノズル6と同様の構成を有しているが、本実施形態では、コレットボディ5Aの外周面との間で第2のシールドガスG2が流れる流路を形成すると共に、外筒部材12の外周面に螺合により着脱自在に取り付けられている。また、トーチノズル6Aは、その先端側が漸次縮径されたノズル形状を有している。
【0079】
冷却チップ7Hは、概略円筒状に形成されて、コレットボディ5Aの先端側から内側に挿入された状態で、コレットボディ5Aに対して螺合により着脱自在に取り付けられている。また、冷却チップ7Hの先端には、拡径方向に突出したフランジ部7dが設けられている。冷却チップ7Hは、このフランジ部7dがコレットボディ5Aの先端に当接した状態で取り付けられている。
【0080】
冷却チップ7Hは、コレット3Aと接触している。具体的に、中心孔7aの内側には、コレット3Aのテーパー部3dが当接される縮径部7eが設けられている。縮径部7eは、非消耗電極2Aを貫通させる程度に縮径されている。これにより、冷却チップ7Hの先端部からは、中心孔7aを貫通した非消耗電極2Aのみを突出させることが可能となっている。
【0081】
また、冷却チップ7Hは、コレットボディ5Aと共に、ウォータージャケット4Aの一部を構成している。このため、ウォータージャケット4Aを構成するコレットボディ5Aと冷却チップ7Hとの間は、Oリング10Aによって液密に封止(シール)されている。これにより、冷却チップ7Hは、コレットボディ5Aと共に、ウォータージャケット4Aを流れる冷却液(水)Wにより冷却されることになる。
【0082】
以上のような構成を有するTIG溶接用トーチ1Hは、電源装置60(図8,9において図示せず。)と接続されている。電源装置60は、TIG溶接用トーチ1Hと溶接ケーブル(図示せず。)を介して接続されて、TIG溶接用トーチ1Hへの電力並びに第1及び第2のシールドガスG1,G2の供給を行う。
【0083】
電源装置60では、図示を省略するものの、マイナス(−)端子側にトーチ側ケーブル61aを介して非消耗電極2Aが電気的に接続され、且つ、プラス(+)端子側に母材側ケーブル61bを介して被溶接物Sが電気的に接続されている。
【0084】
これにより、非消耗電極2Aと被溶接物Sとの間でアークを発生させて、このアークの熱により被溶接物Sを溶かして溶融池(プール)を形成しながら溶接が行われる。また、溶接中は非消耗電極2Aの周囲を囲むトーチノズル6Aから第1及び第2のシールドガスG1,G2を放出し、これらのシールドガスG1,G2により大気(空気)を遮断しながら溶接が行われる。
【0085】
本実施形態のTIG溶接用トーチ1Hでは、上述した冷却チップ7Hがコレットボディ5及びコレット3Aと熱的に接続された状態で取り付けられると共に、冷却液(水)Wの循環によりコレットボディ5A及び冷却チップ7Hを冷却している。
【0086】
すなわち、本実施形態のTIG溶接用トーチ1Hでは、冷却液(水)Wの循環により冷却される冷却チップ7Hとコレット3Aとが熱的に接続された状態となっている。これにより、コレット3Aと熱的に接続された非消耗電極2Aの冷却効果を上げることができ、この非消耗電極2Aのアーク熱による消耗を抑制することが可能である。また、冷却チップ7Hの交換も容易である。
【0087】
なお、本発明は、上記実施形態のものに必ずしも限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記冷却チップ7A〜7D,7Gについては、上記冷却チップ7Fと同様に、コレットボディ5と共に、ウォータージャケット4の一部を構成し、このウォータージャケット4を流れる冷却液(水)Wにより冷却される構成とすることも可能である。
【0088】
また、上記TIG溶接用トーチ1A〜1Hでは、非消耗電極2,2Aの先端が冷却チップ7A〜7Hの先端よりも外側に突き出した状態となっているが、非消耗電極2,2Aの先端を冷却チップ7A〜7Hの先端よりも内側に引き込んだ状態とすることで、プラズマアーク用トーチとして利用することも可能である。さらに、従来のプラズマアーク用トーチの先端に設けられた拘束チップを本発明の冷却チップ7A〜7Hに変更することで、プラズマアーク用トーチからTIG溶接用トーチに変換することも可能である。
【符号の説明】
【0089】
1A〜1H…TIG溶接用トーチ 2,2A…非消耗電極 3,3A…コレット 4,4A…ウォータージャケット(流路) 5,5A…コレットボディ 6,6A…トーチノズル 7A〜7H…冷却チップ 7a…中心孔 7b…ノズル部 8,8A…トーチキャップ 9…ガス放出口 9a…孔部 9b,9c…切欠部 10,10A…Oリング 11…トーチボディ 12…外筒部材 13…絶縁部材 14…ウォータージャケット 15…Oリング 50…冷却機構(チラー) 60…電源装置 G1…第1のシールドガス G2…第2のシールドガス
【要約】
【課題】非消耗電極の冷却性能を向上させたTIG溶接用トーチを提供する。
【解決手段】被溶接物との間でアークを発生させる非消耗電極2Aと、非消耗電極2Aを内側に挿入した状態で支持するコレット3Aと、非消耗電極2Aを先端側から突出させた状態でコレット3Aを内側に保持すると共に、冷却液Wが循環される流路が設けられたコレットボディ5Aと、非消耗電極2Aの周囲を囲んだ状態で、アークによって生じた被溶接物の溶融池に向かってシールドガスを放出するトーチノズル6Aと、コレットボディ5Aと熱的に接続された状態で取り付けられると共に、コレット3Aと接触した状態で、その先端から非消耗電極2Aを突出させる中心孔7aが設けられた冷却チップ7Hとを備え、冷却チップ7Hは、コレットボディ5Aと共に、流路の一部を構成している。
【選択図】図9
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9