特許第6578086号(P6578086)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6578086
(24)【登録日】2019年8月30日
(45)【発行日】2019年9月18日
(54)【発明の名称】組み込み部材を収容するための時計部品
(51)【国際特許分類】
   G04B 29/04 20060101AFI20190909BHJP
   G04B 15/14 20060101ALI20190909BHJP
   G04B 29/02 20060101ALI20190909BHJP
【FI】
   G04B29/04 B
   G04B15/14 Z
   G04B15/14 A
   G04B29/02 Z
【請求項の数】24
【外国語出願】
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2014-87889(P2014-87889)
(22)【出願日】2014年4月22日
(65)【公開番号】特開2014-215297(P2014-215297A)
(43)【公開日】2014年11月17日
【審査請求日】2017年3月23日
(31)【優先権主張番号】13164838.8
(32)【優先日】2013年4月23日
(33)【優先権主張国】EP
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】599091346
【氏名又は名称】ロレックス・ソシエテ・アノニム
【氏名又は名称原語表記】ROLEX SA
(74)【代理人】
【識別番号】110000062
【氏名又は名称】特許業務法人第一国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】カッティオー, ピエール
【審査官】 菅藤 政明
(56)【参考文献】
【文献】 欧州特許出願公開第2219083(EP,A1)
【文献】 特開2012−88315(JP,A)
【文献】 国際公開第2013/045706(WO,A2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G04B 29/00−29/04
G04B 15/00−15/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
部材(13、23、33、43、53、63、73、83)を開口(140、240、340、440、540、640、740、840)に組み込むことによって前記部材を収容することを目的とする前記開口を備える時計部品(14、24、34、44、54、64、74、84)であって、前記部材を収容するための少なくとも1つの収容構造(15、25、35、45、55、65、75、85)を備え、各収容構造が、
前記部材と接触することを目的とする収容要素(16、26、36、46、56、66、76、86)と、
接続要素(17、27、37、47、57、67、77、87)と、
弾性変形可能要素(18、28、38、48、58、68、78、88)と、
を備え、
前記収容要素が前記接続要素を介して前記弾性変形可能要素に装着されており、
前記収容要素は、前記部材が前記時計部品に装着されると、前記部材の軸に対応する軸に対して放射方向又は実質的に放射方向に延出するように構成され、
前記接続要素は、前記部材が前記時計部品に装着されると、前記収容要素と前記弾性変形可能要素との間で前記部材の軸に対応する軸に対して半径方向又は実質的に半径方向に延出するように構成され、
前記弾性変形可能要素は、前記部材が前記時計部品に装着されると、前記部材の軸に対応する軸に対して放射方向又は実質的に放射方向に延出するように構成され、
前記収容要素は、半径方向の厚さの少なくとも4倍以上の距離にわたって、放射方向又は実質的に放射方向に延出し、
前記接続要素は、半径方向に沿って延出すると共に、前記収容要素の長さで表される角度の2分の1の角度の円弧内に含まれている、時計部品。
【請求項2】
前記開口内に配置された前記部材のための少なくとも2つの収容構造を備え、前記収容構造は同一である、請求項1に記載の時計部品。
【請求項3】
前記開口内に配置された前記部材のための2つの収容構造を備え、前記収容構造は同一である、請求項1に記載の時計部品。
【請求項4】
前記開口内に配置された前記部材のための3つの収容構造を備え、前記収容構造は同一である、請求項1に記載の時計部品。
【請求項5】
前記開口内に配置された前記部材のための4つの収容構造を備え、前記収容構造は同一である、請求項1に記載の時計部品。
【請求項6】
前記収容構造は、前記開口内に均等に配置されている、請求項2から5のいずれか1項に記載の時計部品。
【請求項7】
前記収容構造は、前記開口内に角度方向に均等に配置されている、請求項2から5のいずれか1項に記載の時計部品。
【請求項8】
前記収容構造が前記時計部品の剛性部分(141、241、341、441、541、641、841)によって分離されている、請求項1から7のいずれか1項に記載の時計部品。
【請求項9】
前記収容要素の少なくとも1つ以上が弾性的に変形可能である、請求項1から8のいずれか1項に記載の時計部品。
【請求項10】
前記部材が前記開口内に導入される際に、前記収容要素が少なくとも主として曲げの応力を受ける、請求項1から9のいずれか1項に記載の時計部品。
【請求項11】
前記収容要素が、前記部材と接触することを目的とする少なくとも1つの表面又は1つの接触点を備える、請求項1から10のいずれか1項に記載の時計部品。
【請求項12】
前記接続要素が変形不可能又は実質的に変形不可能である、請求項1から11のいずれか1項に記載の時計部品。
【請求項13】
前記部材が前記開口内に導入される際に、前記弾性変形可能要素が少なくとも主として曲げの応力を受ける、請求項1から12のいずれか1項に記載の時計部品。
【請求項14】
電気鋳造法又はLIGAタイプの方法又はディープ・エッチング及びフォトリソグラフィ法によって生成される、請求項1から13のいずれか1項に記載の時計部品。
【請求項15】
脆弱な材料、又はNi、又はNiP、又はSi、又はダイヤモンド、又は石英から生成される、請求項1から14のいずれか1項に記載の時計部品。
【請求項16】
前記時計部品が、計時器ムーブメントに対して可動である場合も可動でない場合もある、請求項1から15のいずれか1項に記載の時計部品。
【請求項17】
前記時計部品が、底板又は受け又はレバー又はてん輪又はひげぜんまい又はアンクル・アセンブリである、請求項1から16のいずれか1項に記載の時計部品。
【請求項18】
請求項1から17のいずれか1項に記載の時計部品(12、22、32、42、52、62、72、82)と、部材(13、23、33、43、53、63、73、83)と、を備え、前記部材が特に前記開口に装着される、アセンブリ。
【請求項19】
前記部材が脆弱な材料から生成される、請求項18に記載のアセンブリ。
【請求項20】
前記部材がルビーから生成される、請求項18に記載のアセンブリ。
【請求項21】
請求項1から17のいずれか1項に記載の部品又は請求項18から20のいずれか一項に記載のアセンブリを備える時計ムーブメント(11、21、31、41、51、61、71、81)。
【請求項22】
請求項21に記載のムーブメント又は請求項18から20のいずれか一項に記載のアセンブリ又は請求項1から17のいずれか1項に記載の部品を備える計時器(10、20、30、40、50、60、70、80)。
【請求項23】
前記計時器は時計である、請求項22に記載の計時器。
【請求項24】
前記計時器は腕時計である、請求項22に記載の計時器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内部に組み込んだ部材を収容するための時計部品に関する。また、本発明は、かかる部品を備えたアセンブリと、かかる部品内に装着されたか又は組み込まれた部材と、に関する。また、本発明は、かかる部品又はかかるアセンブリを備えたムーブメントに関する。最後に、本発明は、かかるムーブメント又はかかるアセンブリ又はかかる部品を備えた計時器、特に時計に関する。
【背景技術】
【0002】
部品(例えばムーブメントのブランク又はレバー等)内に添付の石を組み込むことは、必ずしも容易に行えることではない。真鍮製のブランク内に石を組み込むことは既知であり習得された業務であるが、他の材料、特に塑性変形域をほとんど又は全く有しない材料を用いることは、はるかに難しい場合がある。かかる場合、弾性の幾何学形状を用いることは魅力的な選択肢であるが、これは、この構造が、一方で回転トルクに対する必要な抵抗力及び取り外しに対する必要な抵抗力を提供し、他方で信頼性の高いアセンブリ形態を提供する場合である。
【0003】
2つの部品の組み立てを可能とする様々な穴の幾何学形状が既知であり、これらは、塑性変形域をほとんど又は全く有しない材料に特に適している。最も頻繁に用いられる例として、UV−Ligaによって得られるはめ歯歯車の円板に心棒を組み込むこと、及び、シリコン製のひげ玉にてん真を組み込むことが挙げられる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
これらの幾何学形状は、回転トルクに対する必要な抵抗力が低い場合及び/又は取り外しに対する必要な抵抗力が低い場合には満足なものである。しかしながら場合によっては、例えば部品に挿入した石を保持する場合、既存の解決策では取り外しに対する抵抗性が不充分であることがわかっている。更に、既知の幾何学形状は著しい大きさの空間を占め、これは部品を相互に取り付けるために利用可能な空間に常に適合するわけではない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の目的は、上述の欠点を克服することができる時計部品を提供し、従来技術から既知の時計部品を改良することである。特に、本発明は、部品に組み込まれた部材の取り外しに対する高い抵抗力及び部品に組み込まれた部材の回転に対する高い抵抗力を与えることができる時計部品を提案する。
【0006】
本発明による時計部品は、請求項1によって定義される。
【0007】
この部品の様々な実施形態は、請求項2乃至請求項17によって定義される。
【0008】
本発明によるアセンブリは、請求項18によって定義される。
【0009】
このアセンブリの一実施形態は、請求項19、20によって定義される。
【0010】
本発明によるムーブメントは、請求項21によって定義される。
【0011】
本発明による計時器は、請求項22乃至請求項24によって定義される。
【0012】
添付図面は、本発明による時計部品の多数の実施形態を一例として図示する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明による部品を含む計時器の第1の実施形態の概略図である。
図2】本発明による部品を含む計時器の第2の実施形態の概略図である。
図3】本発明による部品を含む計時器の第3の実施形態の概略図である。
図4】本発明による部品を含む計時器の第4の実施形態の概略図である。
図5】本発明による部品を含む計時器の第5の実施形態の概略図である。
図6】本発明による部品を含む計時器の第6の実施形態の概略図である。
図7】本発明による部品を含む計時器の第7の実施形態の概略図である。
図8】本発明による部品を含む計時器の第8の実施形態の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
これより、本発明による計時器10の第1の実施形態について図1を参照して説明する。計時器は例えば腕時計等の時計である。
【0015】
計時器は時計ムーブメント11を備える。ムーブメントは、時計部品14内に装着された、具体的には組み込まれた部材13を含むアセンブリ12を備える。
【0016】
時計部品14は開口140を備え、この開口内に部材13を組み込むことで部材13を収容するようになっている。部品は、部材を収容するための少なくとも1つの収容構造15を備え、これは、この特定の例では2つの部材収容構造15である。
【0017】
図1において時計部品及び部材は断面で示しており、具体的には、部材を部品に組み込む方向又は軸131に対して垂直な平面での断面で示す。
【0018】
各収容構造15は、
部材と接触するようになっている収容要素16と、
接続要素17と、
弾性変形可能要素18と、
を備える。
【0019】
収容要素は、接続要素を介して弾性変形可能要素に装着されている。
【0020】
例えば、これらの要素は一体に形成されている。
【0021】
好ましくは、部材は、回転の軸131の円筒形の形態をとる。図1において部材は中空として示す。あるいは部材は中実である場合もある。軸は例えば、開口140の重力の中心又は重心と規定される開口中心を通る。開口140は例えば楕円形又は実質的に楕円形とすることができる。
【0022】
時計部品は、相互に平行かつ軸131に垂直である同一又は実質的に同一の幾何学形状を有する少なくともいくつかの部分を有すると好都合である。例えば、部品の厚さにわたって全ての部分が同一の幾何学形状を有することができる。あるいは、収容構造の寸法、特に要素の厚さは、部品の厚さにわたって変動する場合がある。
【0023】
収容構造の収容要素は、1つ以上の接触表面を介在させて又は1つ以上の接触点を介して部材に接触することができる。部材と接触する収容要素の表面又は点は、部材の軸131を中心とする円に内接すると好都合である。
【0024】
2つの部材収容構造は開口内に分散していると好ましい。特に、2つの部材収容構造は開口内で均等に分散しており、これは2つの構造が対称的に分散していること、特に相互に対向していることを意味する。様々な部材収容構造は同一とすることができる。収容構造は部品の剛性部分141によって分離されている。
【0025】
好ましくは、収容要素の少なくとも1つ以上は弾性変形可能である。収容要素は、いったん部材が部品に装着されると、部材の軸に対応する軸131に対して放射方向又は実質的に放射方向に延出すると好ましい。
【0026】
収容要素は、部材が開口内に導入される際に少なくとも主として曲げの応力を受けると好都合である。このため、好ましくは収容要素は、部材と接触する長さ(図1の断面図)に対する厚さ(半径方向に測定した場合)が短い要素である。従って収容要素は、特に部材が部品に装着された場合に部材の形状に対して相補的であるか又は実質的に相補的である形状を有すると好都合である。具体的には、装着の前に収容要素は部材の形状とわずかに異なる形状を有することで、部材に接触するとわずかに弾性変形することができる。この後、収容要素の少なくとも1つの表面161、又はそれらの界面での部材に対する接触点によって、接触圧力が加わる。また、収容要素は少なくとも1つの表面161を備える。部材が円形の断面を有する場合、例えば楕円又は実質的に楕円の断面の収容要素を提供することができ、その短軸を部材の円形断面の直径よりも短くする。収容要素の変形によって、締め付けが行われるだけでなく、部材の大きさに対する広がりを補償するように適合させることができる。
【0027】
代替案として、開口内で部品に対する部材の回転を防ぐために、収容要素が第1の停止要素を備え、これが部材の第2の停止要素と共働して障害物となることができる。
【0028】
収容要素の表面161は、開口中心の周りに60度から175度の角度で延出することができる。収容要素の表面161は、約115度又は約120度の角度で延出することができる。収容要素の厚さは、開口中心に対して半径方向に測定した場合、厚さが50μmと100μmとの間、特に約70μmとすることができる。これは、特に製造方法及び部品の厚さによって決定される成形因子に依存する値である。
【0029】
接続要素は、変形不可能であるか又は実質的に変形不可能である。従って、部材を組み込む際にほぼ変形しないような寸法を有する。接続要素は、軸131又は開口中心に対して半径方向又は実質的に半径方向に延出する。接続要素は、収容要素を弾性変形可能要素に対して機械的に接続又は固定することができる。部材が部品の適正位置に配置された場合、接続要素の最大変形レベルは、例えば、収容要素及び弾性変形可能要素の最大変形レベルの10分の1から15分の1である。
【0030】
接続要素は、図1に示された、開口中心及び収容要素の部材との界面の長さによって画定される円弧内に含まれる。また、好ましくは接続要素は、収容要素の長さで表される角度の2分の1の角度の円弧内に含まれる。
【0031】
最後に、弾性変形可能要素は、開口中心に対して放射方向又は実質的に放射方向に延出すると好ましい。また、接続要素が延出する方向に対して垂直に又は実質的に垂直に延出することができる。この弾性変形可能要素は、開口140と部品の主要部内に形成されたスロット19との間の材料によって形成される。この実施形態において、スロットは開口中心に対して同心状に又は実質的に同心状に形成される。このため、弾性変形可能要素は一定の又は実質的に一定の厚さを有する(開口中心に対して半径方向に測定した場合)。
【0032】
弾性変形可能要素は、部材が開口内に導入される際に少なくとも主として曲げの応力を受ける。具体的には、この応力のために、弾性変形可能要素はスロット19の厚さが小さくなる方向にたわむ。
【0033】
収容要素は境界172によって接続要素から区別することができ、弾性変形可能要素は境界171によって接続要素から区別することができる。これらの区別は例えば、構造の延出方向の変化が生じる領域において、特に延出方向が半径方向から放射方向に変化するか又は延出方向が放射方向から半径方向に変化する領域において行われる。具体的には、収容要素は主として放射方向に延出し、接続要素は主として半径方向に延出し、弾性変形可能要素は主として放射方向に延出する。これらの区別は、例えば構造の断面積の変化が生じる領域、特に断面積が大きく変化する領域において行われる。これらの面積は、例えば開口中心を回転の中心とする円筒形上で測定される。例えば境界171は、軸131を中心とする半径r1の第1の円筒形により画定され、収容構造と第1の円筒形との間の交差により形成される面積が、収容構造、特に収容要素と、軸131を中心とするr1よりも小さい半径の円筒形との間の交差により形成される最大面積よりも、50%、更には30%、更には10%小さくなっている。例えば境界172は、軸131を中心とする半径r2の第2の円筒形によって画定され、収容構造と第2の円筒形との間の交差により形成される面積が、収容構造、特に接続要素と、r1よりも大きい半径の軸131を中心とする円筒形との間の交差により形成される最小面積よりも、200%、更には300%、更には500%大きくなっている。
【0034】
この代わりに又はこれに加えて、接続要素は、軸131を中心とする半径r3の第3の円筒形及び軸131を中心とする半径r4の第4の円筒形によって画定されるか又は境界を定められ、部材を装着した場合に、接続要素における機械的負荷の方向が半径方向又は実質的に半径方向となるように、すなわち半径方向に対してプラスマイナス10度、更にはプラスマイナス5度の範囲内の角度を形成する方向となるようになっている。
【0035】
この代わりに又はこれに加えて、1つ、いくつか、又は全ての収容要素は、半径方向の厚さの4倍、更には8倍の距離にわたって、放射方向又は実質的に放射方向に延出する。
【0036】
この代わりに又はこれに加えて、1つ、いくつか、又は全ての接続要素は、放射方向に測定した厚さに等しいか又は実質的に等しい距離にわたって、半径方向又は実質的に半径方向に延出する。
【0037】
この代わりに又はこれに加えて、1つ、いくつか、又は全ての弾性変形可能要素は、半径方向に測定した厚さの4倍、更には8倍の距離にわたって、放射方向又は実質的に放射方向に延出する。
【0038】
時計部品は、電気鋳造法又はLIGAタイプの方法又はディープ・エッチング及びフォトリソグラフィ法によって生成することができる。これは特に、脆弱な材料、又はNi、又はNiP、又はSi、又はダイヤモンド、又は石英から生成することができる。
【0039】
時計部品は、底板又は受け又はレバー又はてん輪又はひげぜんまい又はアンクル・アセンブリとすることができる。換言すると、部品は、計時器ムーブメントのフレームに対して可動である場合も可動でない場合もある。
【0040】
従って、時計部品は弾性変形可能な幾何学形状により画定される開口を備え、これはサイズが小さく、取り外しに対する高い抵抗力を与え、特に、時計の石、ピン、又は心棒等の様々なタイプの時計部材の収容に適している。
【0041】
組み込みの場合、いくつかの用途では実際に、取り外しに対する抵抗力すなわち軸131に沿って部材を部品から除去することに対抗する力が強いことが重要である。上述の幾何学形状によって、かかる目的を達成可能である。
【0042】
この第1の実施形態においてわかるように、2つの収容構造は相互に向き合う。それらは各々、弾性的に可撓性又は変形可能な要素すなわち収容要素及び弾性変形可能要素を備える。収容要素は全体的に把持部16と見ることができ、これは例えば円形、好ましくは楕円形(円形又は楕円形の断面を有する部材の場合)等の凹状形状の部材との接触及びその保持を提供する。把持部は、組み込みの間に変形し、把持部ごとに少なくとも2か所、好ましくは把持部のアームの端部付近における接触を保障する。この例における弾性変形可能要素はブレード18であり、部品において開口とスロットとの間に形成されている。把持部はこのブレード上に装着される。このブレードがたわむと把持部は半径方向に動くことができる。
【0043】
把持部の効果は、取り外しに対する抵抗力を与える際には二次的なものに見えるが、回転トルクに対する抵抗力という点では重要である。取り外しに抵抗する力は、主として可撓性ブレードによって与えられる。このため、取り外しに対する抵抗力及び回転トルクに対する抵抗力をほぼ個別に最適化することができる。
【0044】
例えば、取り付けた部材の効果的な締め付けは典型的に25〜35μmであり、これは各ブレード18が12〜18μmたわむことを意味する。
【0045】
開口の外形の最小寸法及び最大寸法の比は、例えば約0.85である。開口の幾何学形状について、(開口の短軸に沿った)1方向におけるサイズ要件は、部材の直径に極めて近くなるまで縮小することができる。
【0046】
次に、本発明による計時器20の第2の実施形態について図2を参照して説明する。
【0047】
この実施形態が第1の実施形態と異なる点は、開口29が異なる幾何学形状を有することだけである。具体的には、開口は伸長性が少し低い。このため弾性変形可能要素の剛性はわずかに高くなっている。
【0048】
図2において、図1の要素と同様又は同一の要素は、最初の数字が「2」である参照番号によって識別し、図1では最初の数字が「1」であったのと区別している。他の数字は変えていない。
【0049】
次に、本発明による計時器30の第3の実施形態について図3を参照して説明する。
【0050】
この実施形態が第1の実施形態と異なる点は、開口39が異なる幾何学形状を有することだけである。具体的には、開口は異なる曲率を有する。このため、弾性変形可能要素の剛性は著しく高くなっている。かかる剛性の向上を得るため、可撓性ブレード38の厚さが端部に向かって徐々に大きくなるような向きにスロットを設けることができる(例えば等ひずみビームと称されるものを得るために)。かかる向上は、別の方法によって、特に一定であるがもっと大きい厚さのブレードを設けることによっても得ることができる。
【0051】
図3において、図1の要素と同様又は同一の要素は、最初の数字が「3」である参照番号によって識別し、図1では最初の数字が「1」であったのと区別している。他の数字は変えていない。
【0052】
次に、本発明による計時器40の第4の実施形態について図4を参照して説明する。
【0053】
この実施形態が第1の実施形態と異なる点は、接続要素47が2つのセグメント又はブリッジ471及び472の形態で生成され、その各々が開口中心に対して実質的に半径方向に延出するということだけである。また、2つのセグメントは相互に角度方向に離れている。このため、第1の実施形態に対して、弾性変形可能要素の剛性は著しく高く、収容要素の剛性も著しく高くなっている。開口の幾何学形状にもよるが、収容要素の剛性及び弾性変形可能要素の剛性に対して個別に影響を与えることができる。
【0054】
図4において、図1の要素と同様又は同一の要素は、最初の数字が「4」である参照番号によって識別し、図1では最初の数字が「1」であったのと区別している。他の数字は変えていない。
【0055】
次に、本発明による計時器50の第5の実施形態について図5を参照して説明する。
【0056】
この実施形態が第4の実施形態と異なる点は、セグメント又はブリッジ571及び572が更に2つになっていることだけである。具体的には、それらは各々、5711、5712、5721、及び5722と称する1対のサブセグメント又はサブブリッジから成る。また、これによって、弾性変形可能要素の剛性及び収容要素の剛性を変更することができる。
【0057】
図5において、図4の要素と同様又は同一の要素は、最初の数字が「5」である参照番号によって識別し、図4では最初の数字が「4」であったのと区別している。他の数字は変えていない。
【0058】
次に、本発明による計時器60の第6の実施形態について図6を参照して説明する。
【0059】
この実施形態が第4の実施形態と異なる点は、スロット69が各々2つのスロット691及び692に分割されていることだけである。同様に、弾性変形可能要素68は各々2つの弾性変形可能要素681及び682に分割されている。これによって同様に、弾性変形可能要素の剛性及び収容要素の剛性を変更することができる。
【0060】
図6において、図4の要素と同様又は同一の要素は、最初の数字が「6」である参照番号によって識別し、図4では最初の数字が「4」であったのと区別している。他の数字は変えていない。
【0061】
次に、本発明による計時器70の第7の実施形態について図7を参照して説明する。
【0062】
この実施形態が様々な前出の実施形態と異なる点は、時計部品が、前出の実施形態の各々では収容構造を2つ備えたのに対し、単一の収容構造75を備えることである。この実施形態では、上述の収容構造のいずれか1つを用いることができる。この実施形態では、部品の開口に少なくとも1つの剛性表面が設けられ、この剛性表面に対して部材を接触させる。この剛性表面に少なくとも1つの停止要素を設けて、開口内で部材が部品に対して回転するのを防ぐことも可能である。
【0063】
図7において、図1の要素と同様又は同一の要素は、最初の数字が「7」である参照番号によって識別し、図1では最初の数字が「1」であったのと区別している。他の数字は変えていない。
【0064】
次に、本発明による計時器80の第8の実施形態について図8を参照して説明する。
【0065】
この実施形態が様々な前出の実施形態と異なる点は、時計部品が、前出の実施形態では収容構造を1つ又は2つ備えたのに対し、3つの収容構造85を備えることである。この実施形態では、上述の収容構造のいずれか1つを用いることができる。様々な収容構造は同一であると好ましい。しかしながら、それらは異なる性質のものとしても良い。また、開口において3つを超える数の収容構造、特に4つの収容構造を設けることも可能である。
【0066】
図8において、図1の要素と同様又は同一の要素は、最初の数字が「8」である参照番号によって識別し、図1では最初の数字が「1」であったのと区別している。他の数字は変えていない。
【0067】
様々な実施形態において、様々な要素の寸法は当然、用いる材料の機械的特性(ヤング係数、最大弾性応力等)に応じて調整することができる。
【0068】
更に、幾何学形状は、脆弱な材料すなわち塑性変形域をほとんど又は全く有しない材料から形成された部材を収容するように適合される。
【0069】
代替案として、停止要素、特に溝を有する取り付け部材を生成し、収容要素の端部の形状を用いて回転防止停止部を形成することも可能である。
【0070】
部材は例えば時計の石であり、中空又は他の構造であり、穿孔又は他の加工が行われ、脆弱な材料、特にセラミック、更に具体的にはルビーで形成される。もちろん、部材は、例えばブッシング又は下部ねじのような他の何らかの種類のものとし、例えばスチール又は銅ベースの材料で形成することも可能である。
【0071】
部材は実質的に円筒形であると好ましい。あるいはこれは、細長い形状、特に楕円形を有することも可能である。
【0072】
様々な実施形態において、部品は、厳密に1つ、厳密に2つ、厳密に3つ、厳密に4つ、厳密に5つ、又は厳密に6つの収容構造を含むことができる。
【符号の説明】
【0073】
10、20、30、40、50、60、70、80 計時器
13、23、33、43、53、63、73、83 部材
14、24、34、44、54、64、74、84 時計部品
140、240、340、440、540、640、740、840 開口
15、25、35、45、55、65、75、85 収容構造
16、26、36、46、56、66、76、86 収容要素
17、27、37、47、57、67、77、87 接続要素
18、28、38、48、58、68、78、88 弾性変形可能要素
141、241、341、441、541、641、841 剛性部分
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8