(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記テストプローブカートリッジがさらに、測定された量の電解質の前記管内部から前記膜に至る移動を可能にするようなバルブ装置を含む、請求項4に記載のハンドヘルドテストシステム。
前記テストプローブカートリッジが、前記テストプローブカートリッジに関連する情報データを通信するためのオンボード通信コンポーネントを含む、請求項4に記載のハンドヘルドテストシステム。
前記テストプローブカートリッジから前記情報データを受信し、ユーザーに前記情報データを提供するためのコンピュータおよび通信コンポーネントをさらに含む、請求項6に記載のハンドヘルドテストシステム。
前記テストプローブカートリッジに前記情報データをインプットし、前記テストプローブカートリッジから前記情報データを受信するためのコンピュータおよび通信コンポーネントをさらに含む、請求項6に記載のハンドヘルドテストシステム。
前記単一本体構造に組み込まれる前記複数のテストプローブカートリッジおよび前記システム電極がバネ荷重されて、テストされている前記金属および/または合金と操作可能に係合するように移動するようになっている、請求項12に記載のハンドヘルドテストシステム。
前記単一本体構造が、前記テストプローブカートリッジおよび前記システム電極の通過を可能にする開口部と、前記金属および/または合金の表面へのシーリング接触を可能にするシーリングガスケットとを有する平坦な底面を含む、請求項12に記載のハンドヘルドテストシステム。
前記テストプローブカートリッジがさらに、測定された量の電解質の前記管内部から前記膜に至る移動を可能にするようなバルブ装置を含む、請求項15に記載のハンドヘルドテスト方法。
前記テストプローブカートリッジが、前記テストプローブカートリッジに関連する情報データを通信するためのオンボード通信コンポーネントを含む、請求項15に記載のハンドヘルドテスト方法。
【発明を実施するための形態】
【0007】
他の態様の中でも、本システムは以下を使用する、
1)金属およびその合金構成成分と可逆性のレドックス反応が可能な電解質(例えば、水系電解質)を使用する。電解質のカチオンは、電解質媒体中に可溶性の少なくとも2つのレドックス状態を有する金属イオンからなることに留意する。
2)非対称励起により、サンプルとやり取りされる電荷(クーロン)の正味量が0であるような様式でレドックス反応を迅速に充電および放電する。
【0008】
本願の教示に従う異なる金属および金属合金からなるサンプルをテストするための配置
(装置)100を
図1に示す。
【0009】
配置100のテストシステム102は、電解質108を含有する非電気伝導性コンポーネント(例えば膜)106を備えた集電体プローブ104、ならびに電気励起および測定デバイス110を含む。テストシステムはさらに、プローブ104および電気励起および測定デバイス110と操作上で電気的に接続した電気的接続ライン112、ならびに電気励起および測定デバイス110と一方の端部において操作上で電気的に接続した電気的接続ライン114をさらに含む。電気的接続ライン114の他方の端部は、テストされるべきサンプル116と操作上で電気的に接続した状態であるように配置される。電気デバイス110の測定部分によって測定された測定値(電圧および/または電流)を記録および/または保存するため、ならびに記録および/または保存された測定値を調べるまたはそうでなければ計算および/または特定の金属および/または金属合金に特徴的である予め既知の値と関連させる操作を行うためのコンピュータデバイス118をテストシステム102の一部としても提供する。
【0010】
プローブ104は、サンプル116と電解質を通してガルバニック結合を形成する適切な材料から形成され、これらの材料としては、ガラス状カーボン、グラファイト、カーボン−プラスチック複合体、他の形態の炭素、種々の金属(金属酸化物、金属塩または金属塩複合体を含む)(例えばスズ、鉛およびインジウム)が挙げられるが、これらに限定されない。プローブ104はまた他の材料から製造されてもよく、カルコゲニドが挙げられるが、これらに限定されない。膜106は、特定の実施形態において、開放孔を有する多孔質または繊維性ポリマー材料である。他の実施形態において、膜は非多孔質イオン交換膜である。膜は、特定の実施形態において、例えばプローブの底部表面だけをカバーするために平坦な形態で構成されるが、これらに限定されず、他の実施形態において、膜は、プローブ104の端部部分および同様に特定量のプローブの側部をカバーする底部表面を有するスリーブ(例えば「カップ」形状)として形成される。なおさらに、他の実施形態において、膜は、プローブ104とサンプル116との間に位置するコンポーネントとしてのメニスカスと交換される。
【0011】
図1の矢印120は、プローブ104、膜106(電解質108を有する)、およびサンプル116の間の操作上の接触のためのプローブ104の移動方向を示し、それによってイオン性経路が形成される。操作上の接触は「106」との点線接続によって示されている。他の実施形態において、それはプローブに移動させるサンプルであり、なおさらなる実施形態において、プローブおよびサンプルの両方が移動して接触する。移動は、既知の技術を使用することによって行われる。測定は、測定操作の間に、電子デバイス110からの励起ありまたは励起なしで電子デバイス110によって行われることができる。
【0012】
ここで
図2を参照して、
図1の電気励起および測定デバイス110の励起部分によって生じる励起をグラフ200に記載する。この開示された実施形態において、記載された励起順序は次の通りである。
I.プローブからサンプル金属/金属合金への1mSec間の30uAの正電流(202)。
II.1mSec間の0電流(休止時間)(204)。
III.金属からプローブへの30mSec間の5uAの負電流(206)。
IV.1mSec間の0電流(休止期間)(208)。
この実施形態において、この順序は10回繰り返され(
図2では3回の繰り返しが示される)、次いでアウトプットを平均化してもよい。
【0013】
時間の関数としての電流の値のプロットを実線210によって示す。
【0014】
この順序が実行されている間、ポテンシャルが時間の関数として
図1の電気デバイス110を介して測定され、記録される。時間の関数としてのポテンシャルのプロットは点線212として示される。
【0015】
ここで
図2のパルス順序をより詳細に説明する。技術的には、1つの金属が別の金属と電解質接触する場合、またはより一般的には伝導体電解質および別の伝導体が接触する場合に、電子移動はないが、イオン性移動はあり、ポテンシャルが存在する。このポテンシャルを使用して、2つの金属の特徴を表す。しかしながら、発生している顕著な電流がない場合、システム中の少量の不純物が観察されているアウトプットを実質的に変化させる。例えば一方のサイドに純粋なアルミニウムが存在し、他方のサイドには純粋なグラファイトが存在するが、一片でも不純物(例えば鉄)が存在する場合、顕著な電流フローが存在しないので、この鉄はアウトプット読取値を不安定にするように作用し、これはサンプル金属を確実には同定できないことを意味する。
【0016】
この問題に対処するために、
図2に示されるように、電流に基づくサイクルパルシングを充電および放電操作を生じさせるために提供する(これはサイクルパルシングが電池として作用することを意味する)。故に、金属または金属組成物の相対的な大きさは、不純物(例えば一片の鉄)よりも相当重要である。故にサンプルにある不純物(例えばアルミニウム)は、テスト操作にわずかな影響を与える(例えば観察される電圧)。
【0017】
使用されている励起が非対称である1つの理由は、(大部分の電池と同様に)充電が放電よりも相当効率が良いからである。故に充電パルスは、所望の結果を達成するために短時間に狭いパルスを使用できる。放電サイクルパルシングは電流および時間に応じて選択され、結果として実質的に同じ数の電子が、充電操作の間に添加されたサンプルから抽出される。放電は通常充電よりも遅い。故に、電子の放電を完了させるためにはさらに時間がかかり、また結果として
図2の1つのフルパルシングサイクルの間に、実質的に正味0の電子交換(例えば正味の電子がサンプルにインプットされない)を導く。
【0018】
充電時間が短時間に保持される第2の理由は、充電操作が、長期間の充電期間での特定の実施において生じ得るガス放電を生じるのを回避するためである。
【0019】
記載されたパルシング順序は、電流フローを提供することによってテストされているサンプルにおける不純物の影響を最小限にすると同時に電子の正味0の交換が生じることを確実にする。
【0020】
図2に示される実施形態において、3つのフルパルシングサイクル(202〜208)が記載されており、それぞれが、1ミリ秒の充電期間(202)、1ミリ秒の第1の休止期間(204)、30ミリ秒の放電期間(206)、および1ミリ秒の第2の休止期間(208)を有する。サイクルの合計は33ミリ秒である。
【0021】
これらの期間およびパルシング値は特定の実施形態に関するものであり、異なる期間および値が使用され得る用途もあり得ることが理解されるべきである。他の実施形態において、充電操作は、0.5ミリ秒から5秒までの範囲のいずれかであってもよい。同様に、放電は、3ミリ秒から30秒の範囲のいずれであってもよく、休止期間は、0.5ミリ秒から5秒のいずれであってもよい。実際選択された期間は、特定の用途に従ってこれらの選択された範囲内のいずれかであってもよい。加えて、電流値はまた、パルシングサイクル全体が完了したら正味の電子移動が実質的にないという概念が維持される限り、システムの特定の実施に依存して変動し、例えば正の充電パルスに関して3uA〜300uAの範囲のいずれか、放電パルスに関しては−0.5uA〜−50uAのいずれかであってもよい。
【0022】
さらに
図2と関連した議論は各パルシング順序の10サイクル(202〜208)の使用を示すが、実施に依存して、わずか1つのパルシングサイクルが、一部の実施形態において有用である場合があり、他の場合には2つ以上のパルシングサイクルが特定の実施に適切である場合がある。
【0023】
しかしながら、大きな値が使用される場合、例えば5秒の充電および30秒の放電順序が使用される場合、充電が生じるときに電圧が上昇し、放電が生じるときには電圧が降下するので、電圧スウイングはより大きくなり、こうして充電および放電に関してより長い期間を有し、この場合にパルシングサイクル(鋸歯状波形の形態)は相当広くなることに留意する。一方で、1ミリ秒および30ミリ秒の状況の場合、電圧ライン212は
図2に示されるように実質的に平坦であり、これは両サイドにおける実質的に正味0の電子増加を確実にする能力を改善する。本実施形態は電荷平衡技術を用いる。
【0024】
また、本開示の態様は、読取値が
図1の電子デバイス110によって読取られ得る速度である。故に、鋸歯状の波形配置にてパルス幅がより狭くなるにつれて、読取値はより迅速に得られ得る。故に、
図2の値を用いて、特定のサンプルの同一性を決定するためのテスト操作は以下であり得る、
1msec+1msec+30msec+1msec=33msec×10サイクル=330msec
【0025】
特定の実施を参照して、システム、例えば
図1のシステム100のようなシステムによるイオン性プロセスにおける固有の化学反応は、銅(Cu)サンプルのための塩化鉄(III)電解質を用いる場合においては、次のように記述できる。
Fe
3++e
−→Fe
2+
Cu→Cu
++e
−
【0026】
Cuは、例えばアルミニウム合金の2xxx系のための主要な合金構成成分である。故に銅の量は、励起の間に観察される平均ポテンシャルを決定する。
【0027】
銅がレドックス反応の例として示されるが、他の金属は、同様のレドックス反応を行い、故に経験上決定された電圧の値で同定され得る。
【0028】
またこの開示が異なるアルミニウム合金の同定にその実施例の焦点を合わせるが、他の金属および金属−合金システム、例えば鋼、青銅および金システムは、電解質の適切な選択によってこの方法を用いて同定できる。
【0029】
図1の教示に基づいたテストシステムを用いて、ここでは
図3、4および5に示されるようなテスト操作の結果に注目する。
【0030】
ここで
図3を参照して、異なるアルミニウム合金について塩化鉄(III)を用いる鉄(III)−鉄(II)システムに関して時間の関数として観察されたポテンシャルを、グラフプロット302および対応する表304を含む例示300において示す。合金2024、4032、7075および3003が広く分離した電圧により明確に同定されるが、合金5086および5052は互いに実質的に区別不可能であることが観察され得る。しかしながら、5xxx合金のファミリは表304の他の合金とは区別される。
【0031】
上記の観察は、プロットグラフ302および表304の両方に示される。より詳細には表304に注目して、最左のカラムにはテストされている特定の金属合金がある(1100、2024、3003、4032、5086、5052、6061および7075)。中央のカラムは、対応する同定金属合金についての電圧読取値
【0033】
を列挙し、最右のカラムは記述された合金のそれぞれについてのテスト結果の関連するシグマ(σ)値(すなわち標準偏差値)を列挙する。より詳細には、シグマ値は、対応するサンプルについて測定された電圧値の正確性を表す。例えば、2つの合金の平均測定値の分離が3.0σ以上である場合、同定の正確性は99%を超える。2.0σ以上の分離に関して、テスト結果の正確性は約92%の正確性であることが理解される。他方で、表304の合金5086、5052および6061についてのテスト結果は、平均で2σ未満離れていて互いに実質的に区別不可能であることがわかったので、確実ではないと考えられる。
【0034】
1つの電解質を用いるテストシステムは、調査中の金属または合金に依存して、所与のファミリの合金または金属のすべてを区別することは不可能な場合があると考えられる。 この場合、同じ励起方法を用いる異なる電解質が、異なる組の電圧を提供するので、直交する組の測定値を提供する。
【0035】
例えば、グラフプロット402および表404を含む
図4の例示400は、硝酸セリウムアンモニウム電解質を用いるテストシステムに関して異なるアルミニウム合金についてのテスト電圧結果を示す。セリウムは2つのレドックス状態、+3および+4を有する。対応する反応は、この場合以下であってもよい。
Ce
4++e
−→Ce
3+
Cu→Cu
++e
−
【0036】
観察できるように、この電解質および
図1および2に示される同じテストシステムおよび励起方法を用いて、4xxxアルミニウム合金ファミリを十分分離できる。
【0037】
この電解質は、金属および合金の表面酸化物に対して感受性である。
図4の表404は、表404のシグマ(σ)カラムにおいて反映されるように、4xxx系合金だけが2σ以上の分離を有するシグマ(σ)値を有することを示す。
【0038】
ここで
図5を参照して、例示500は、電解質として使用される1−メチル−1−エチルピロリジニウムブロミド(4M MEP Br)を有する異なるアルミニウム合金についてグラフプロット502および電圧の表504を含む。この場合、レドックス反応は以下である。
Br
−→Br+e
−
Cu
++e
−→Cu
【0039】
図3および4と同様に、表504は、多数の合金金属群について電圧
【0041】
およびσ値(mV)を含む。表504において、本システムのテスト結果は、99%を超える(すなわち3.0σ以上)信頼性を伴って6xxxおよび7xxxを分離できることを示す。一方で、1xxxおよび4xxxが排除される(例えば電解質として2M FeCl
3+0.1M HClを用いる第2のテストを用いる)場合、合金群5xxxが同定できる。
【0042】
ここで
図6の配置600を参照して、サンプルならびに必要とされる同定および正確性の範囲に依存して、1つまたは複数の電解質が同定問題に使用されてもよい。
図6において、マルチプローブテストシステム602が記載されており、複数の集電プローブ604a、604b、604nおよび対応する非電気伝導性コンポーネント(例えば膜)606a、606b、606nを有し、異なる好適な電解質608a、608b、608nを有する。これらのプローブは、同時にまたは連続的に一片の金属をプローブでき、および/または平行に異なるサンプルをプローブできる。テストシステム602はさらに、電気励起および測定デバイス610(例えば
図1に示される電気デバイス110)、対応するプローブ604a、604b、604nと電気励起および測定デバイス610とを操作上で接続した状態の電気的接続ライン612a、612b、612n、ならびに一方の端部において電気励起および測定デバイス610に操作上で接触した状態で延びる電気的接続ライン614を含む。電気的接続ライン614の他方の端部は、テストされるべきサンプル616と操作上で電気接触状態である。例えば
図3、4、5に示されるように、電気デバイス610の測定部分によって測定された値を記録するため、ならびに記録された測定値を調べるまたはそうでなければ計算するおよび/または特定の金属および/または金属合金と関連した予備決定された値と関連させる操作を行うためのコンピュータデバイス618が、テストシステム602の一部としても提供される。
【0043】
例えばコンピュータデバイスに保存された参照表は、合金または金属を異なるカテゴリに分類するために使用されてもよい。参照表は、既知の参照金属および/または金属合金組成物を測定することによって経験的に確立される。特定の実施形態においてコンピュータデバイス618(および
図1の118)は、コンピュータ、ラップトップ、電子パッド、ハンドヘルドまたは他のスマート電子デバイスである。他の実施形態において、コンピュータデバイスは、本操作のために設けた電子デバイスである。コンピュータデバイスは、特定の金属および/または金属合金を表す経験的に決定された電圧と、検出された電圧および/または電流値を相関させる操作を行うためのソフトウェアおよび/または参照表を保存するためのメモリーを含む。
【0044】
図1に示されるものと同様に、矢印620は、プローブ604の移動方向を示し、これはプローブ604、膜606(電解質608を伴う)、およびサンプル616との間の操作上の接触を提供し、これによってイオン性経路が形成される。操作上接触は「606a」、「606b」および「606n」についての点線の接続ラインによって表されている。他の実施形態において、それはプローブに移動してもよいサンプル616であり、なおさらなる実施形態においてプローブおよびサンプルの両方が移動して接触する。動作は、既知の制御技術によって達成される。
【0045】
図6のプローブおよび非電気伝導性コンポーネント配置は、連続しておよび/または平行して異なるサンプルを個々にプローブするために使用されてもよい。あるいは、複数のプローブが、同じサンプルをプローブするために使用されてもよい。プローブ/非電気伝導性コンポーネント配置は、プローブ/非電気伝導性コンポーネント配置の異なるものについて同じ電解質または異なる電解質を使用してもよい。例えば複数の配置が同じサンプルをテストするために使用される場合、それぞれの配置が異なる電解質を有していてもよい。異なる電解質を用いて、特定の実施に関して、サンプルのより詳細なおよび/または確実な同定を提供する。
【0046】
図7を参照して、異なるプローブ/非電気伝導性コンポーネント配置のための2つの異なる電解質を用いて種々のアルミニウム合金を同定/分離するために(ここで一度に1つのサンプルがフローチャート700に従ってテストされる)、
図6のコンピュータデバイス618を用いて使用するためのアルゴリズム(ソフトウェア)を得るために使用されてもよいフローチャート700を示す。
図7は、アルミニウム合金を一度に1つの合金にて95%の正確性でソーティングするためのフローチャートを表す。従って、この範囲は±2σ値として報告される。最初に、ブロック702にて表される第1の電解質(2M FeCl
3+0.1M HCl)が、電気化学的テストシステムに使用される(例えば
図6に示されるような602)。初期テスト(ブロック704)において、ブロック702の電解質は、ブロック706、708、710、712、および714によって同定されるサンプルのテスト(すなわち、ここでは1つのサンプルが一度にテスト下にある)に使用され、ここでサンプルはテスト時には同定されない。それぞれのサンプル(ボックス706〜714)について得られるミリボルトポテンシャル(1472±10mV、1305±3mV、1456±6mV、1414±6mV、1516±8mV)は、対応する金属/金属合金(この例ではアルミニウム/アルミニウム合金)(アルミニウムおよびアルミニウム合金群1100、2024、3003、4032、7075を含む)に特徴的な予め同定された電圧に相関させる。
【0047】
予め記述された特徴的な電圧は、一例として、既知の金属/金属合金の経験的観察によって見出される。これらの特徴的な電圧は、参照表に保存されるか、またはアルゴリズムの一部として使用されるか、または既知の特徴的な電圧値と測定電圧値とのマッチングを可能にする他の様式で使用される(例えば
図6に記載のコンピュータデバイスにおいて)。
【0048】
図7は、分離プローブ/非電気伝導性コンポーネント配置(ブロック716)と共に使用される第2の電解質(4M MEP Br)を含む。これらのシステムを使用する初期テストにおいて、第2の電解質が使用されて、複数の金属性サンプルについてダイヤ(V)718によって区画されるような電圧を得る。得られた電圧1791±6mV、1855±14mV、1702±12mVは再び、ブロック720、722、および724によってそれぞれ示される特定アルミニウムおよび/またはアルミニウム合金5052、5086、6061に相関させる。ブロック726は、本明細書に記載されるシステムが追加の金属/金属合金を同定するために他の電解質と共に使用され得ることを認識する。もちろん正確な電圧は、電解質の精密な配合、時期、または温度および当業者に明らかな他の変数によって変動し得る。
【0049】
3つの電解質を用いて、参照表または他の相関機構に基づいて種々のアルミニウム合金を分離するためにフローチャート800を
図8に示す。
【0050】
初期には、ボックス802における電解質(2M FeCl
3 0.1M HCl)は、テストシステム、例えば
図6のテストシステム602に使用され、ここでテスト操作「V」(ダイヤ804)がサンプル(すなわち、同様にここでも1つのサンプルが一度にテスト下にある)806、808、810をテストするために使用され、この金属性含有量はテスト時には未知である。テスト操作804は、結果として、特定のミリボルトポテンシャル(それぞれ1305±4mV、1414±6mV、および1516±8mV)をもたらす。これらの測定値は、次いで特定の金属組成物に特徴的であることが既知の電圧値(例えば2024(Al/Cu)、4032(Al/Si)、7075(Al/Zn))に相関させる。故に、テスト操作により、予め同定されていない金属サンプルを同定する。
【0051】
図8は、未知の金属含有量を有するサンプル616についてのテスト(評価)操作「V」(ダイヤ814)において上記で記載されるように使用される別の電解質4M(MEP Br)ボックス812を含む。本明細書に記載される電解質およびテスト操作を用いて、未同定サンプルは、1702±15mVのミリボルトポテンシャルを生じる。次いでこの電圧ポテンシャルは、特定金属組成物(すなわち6061(Al/Mg/Si))の特徴に対応する予め経験的に同定された電圧に相関させる。
【0052】
図8はまた、この未知のサンプルをより決定的に定義するために、同じ未知の金属サンプルを異なる電解質を用いてテストする複数のプローブの使用を示す。より詳細には、工程812に戻って、4M MEB Br電解質を有するプローブは、未知のサンプル817について工程(ダイヤ)814にて評価を行う。未知のサンプル817の特徴および/または組成物に依存して、電圧1785±10mVまたは1855±19mVが、プロービング操作によって検出される。これらの値は、例としてのみ選択され、サンプル817が他の金属特徴を有していた場合、さらに他の電圧に戻されることを理解すべきである。故に、未同定のサンプル817は単一ボックスとして一回示されるが、単一ボックスがこの議論の趣旨上、異なる金属性サンプル組成物の可能性を表すことを意図していることが理解されるべきである。この理解で、この例の説明を続ける。電圧1855±17mV(点線)が検出される場合に、予備同定が行われるが(アルミニウム合金5086)、ユーザーはこの同定を検証しようとし得る。故に、次の工程は802(これは2M FeCl
3+0.1M HClの電解質を使用した)から報告された電圧を再びレビューし、このサンプル818をチェックする(チェック値ボックス)ことである。次いで、評価工程(ダイヤ)820にてこのサンプル817に関してさらなる比較が行われ、1500±4mVの電圧が決定される場合、この電圧を既知の金属組成物、すなわち5086(Al/Mg)と相関させる。換言すれば、ボックス822はボックス817の予備サンプル同定を検証している。
【0053】
サンプル817をテストすることによって戻されたこの議論の第2の部分(すなわち電圧1785±10mVの対処)は、結果として特定金属組成物の同定の失敗をもたらす。 次いで先の議論と同様に、802から報告される電圧のさらなるレビュー(これは2M FeCl
3+0.1M HClの電解質を使用した)は、評価操作(ダイヤ)820において使用される。この状況において、ボックスのサンプル817が1499±4mVの電圧に戻る場合、ボックス824に示されるように、それは5052(Al/Mg)に相関される。同様に、評価が1472±13mVの電圧に戻る場合、それは、サンプル817がボックス826のアルミニウム金属1100(Al)であることを決定できる。
【0054】
以下の議論は、単一サンプルが異なる電解質を有する複数のプローブによってテストされてもよいことを示すことを意図する。このマルチプロービングプロセスは、未知の金属性サンプルをより具体的に同定する可能性を絞る。
【0055】
なおさらに
図8は、未知サンプル832についてのテスト操作「V」(ダイヤ830)に使用される、電解質(2M CoCl
2+HCl)ボックス828を含む。テスト操作の結果は、金属サンプル832について1373±5mVのミリボルトポテンシャル測定をもたらす。次いでこの電圧値は、特定金属3003(Al/Mn)に相関することが見出される。
図8はさらに、他のAl合金がまた適切な電解質(ボックス834、836)の使用によってテストされてもよいことを示す。
【0056】
以下の例は、単一ユニットダイアグラムとして、電気励起および測定デバイス110、610を記載している。これらの機能は、他の適切な電子デバイスのうち、分離デバイス、例えばシグナル発生器、電圧器および電流計によって達成され得ることが理解されるべきである。
【0057】
図9をより詳細に参照して、(
図1および6に示されるように)本開示の電気励起および測定デバイス(102、602)のより詳細な図が提供される。1つの実施形態において、電気励起および測定デバイス(102、602)は、AC電流発生器902、電圧器904、および電流計906からなり得る。電圧計904および/または電流計906のアウトプットは、コンピュータデバイス(
図1および6のそれぞれの118、618)に提供される。
【0058】
図10を参照して、
図1および6に関連して先に記載されているように、プローブに基づく電気化学的テストシステム1002を含む金属性サンプル同定システム1000が示される。システム1002は、金属プローブ配置1004a、1004bおよび1004n、電気励起および測定デバイス1010、電気コネクタ1012a、1012b、1012nおよび1014、ならびにコンピュータデバイス1018を含む。電気化学的プロービングシステム1002をここで、コンベヤシステム1020と関連させて示し、ここに金属サンプル1022a、1022b、1022cおよび1022nがある。
図10のシステム1000はまた、クリーニング配置1024を含み、ここで金属サンプルは、プロービングシステム1002によってプローブされる前にクリーニングされてもよい。
【0059】
多くの状況において、調べられているまたはテストされている金属または合金サンプルはその表面において土、塗料または酸化を有し得ることが知られている。プローブが使用される前に、サンプル表面はクリーニングされ得る。クリーニングは、システム1024によって表されるように、適切に使用されている処理システムによって以下の方法の1つ以上で行われてもよい、
I.サンプル表面の小さい部分をミル加工するためのミル加工配置。
II.金属ブラシを用いてまたは電気化学的に不活性なサンドペーパー、例えばタングステンカーバイドペーパーを用いてサンプル表面を研磨するための研磨配置。
II.例えばリン酸を用いて金属のサンプル表面を化学的にクリーニングするための化学クリーニング配置。
【0060】
テストシステム1012において、プローブ配置1004a〜1004nは、コンベヤシステム1020の第1のレベル1026付近に位置することに留意すべきである。プローブは、テストが現在進行中の迅速なテストプロセスであるように、それらが通過するときに金属サンプルと接触するように制御されるような方法で配置されてもよい。コンベヤシステム1020は、予め決定された速度にてコンベヤベルトを動かす制御された動力システム、例えば単一また複数のモーターを含み、ここでこの速度は、テストシステム1002の操作上の能力と同期させる。第1レベルのコンベヤ1026と関連してプローブが示されるが、プローブは、コンベヤシステムの異なる位置に位置してもよく、単純に便宜上第1レベル1026に示されていることが理解されるべきである。また、1つの実施形態において、電気コネクタ1014は、「ストリートカー」タイプの接続によって第1のコンベヤシステムと電気的に接続される。ストリートカー接続とは、コンベヤベルトが移動するときに電気的接続が維持されるように、コンベヤベルトと接触した状態であることを意味する。もちろん、他の電気的接続が使用され得ることが理解されるべきである。
【0061】
故に、このシステムにおいて、金属性サンプル(例えばスクラップ金属)は、コンベヤベルトシステム1020にて運ばれる。次いで(電解質を用いた)プローブは、種々の金属性サンプルと操作上接触し、結果として直接(例えば金属と金属)接続させるのではなく、電解質を通して生じる電圧ポテンシャルをもたらす。しかしながら、電気コネクタ1014の電気的接続は、金属性サンプル1022a〜1022nとコンベヤベルト(例えば上方レベル部分1026)との間に金属と金属との接続を提供し、ここで電気ポテンシャルが、電気コネクタ1014と、コンベヤシステム1020の表面上の金属サンプル1022a〜1022nとの電気的接続の間に存在する。故に、テストシステム1002によって行われている測定は、コンベヤベルトシステム1020上の特定の未知のサンプルの同定を決定する際に、金属と金属との接続(すなわち金属サンプルおよび金属コンベヤベルト)によって影響を受けない。
【0062】
本開示の別の態様は、ライン1028を介してコンベヤシステム1020と通信したコンピュータデバイス1018を有し、これがコントローラー/モーターコンポーネント1030と操作上接続した状態である。1つの実施形態において、コンピュータデバイス1018は、特定のサンプルの金属または金属合金タイプを同定するために電気励起測定デバイス1010からのデータ読取値(例えば電圧値)を相関させるように操作したら、コンピュータデバイスは、この情報をコントローラー/モーターコンポーネント1030にアウトプットし、これを順に同定されたサンプルをコンベヤシステムの特定の領域に分類する。例えば金属または金属合金の移動により、コントローラー/モーターコンポーネント1030によって制御される中央のコンベヤシステム部分1038のリダイレクタ機構1036の移動によって、同定されたサンプルを下方コンベヤシステム部分1032または1034のいずれかにて処理する。
【0063】
電解質ホルダーまたはキャリア
以下の議論は、電気化学的金属および合金組成物検出の特定の態様を開示している。ここで以下は、こうした検出を達成させるために特定の実施を開示する。
【0064】
図1および6に示されるように、電気伝導性(電流伝導性としても記載される)テストプローブ(例えば
図1の104、
図6の604a、604b、604n)は、特定のタイプの電解質(例えば
図1の108、および
図6の608a、608b、608n)と関連し、ここで電解質は、非電気伝導性コンポーネント(例えば
図1の膜106、および
図6の606a、606bおよび606n)によって保持される。1つの実施形態において、膜は非多孔性イオン交換膜として先に記載されており、これはプローブの底部表面だけを覆うように平坦な形態であるが、他の実施形態において、図に示されるように、膜は底部表面を有するスリーブとして形成される(例えばカップ形状)。これらの設計は特定の実施形態について所望されるが、例えばテストされている金属または合金がデブリ汚染表面(例えば油、泥粒子、金属くずなどを含有する)を有するような他の実施形態において、電解質キャリア(例えば膜)にて捕捉され得る金属および/または合金サンプルの表面からのいずれかのデブリは、テスト操作を妨害しないことが有益である。
【0065】
テストシステムにおける電解質は、テストプローブ(システム電極と呼ばれる)と金属または合金(時には共通電極)との間の操作上の回路にあることが理解される。しかしながら、テストプローブとテストされている金属または合金との間のいずれかの他の電気的接続は、結果としてテスト操作の劣化もたらし得る。故に、潜在的に伝導性のデブリ、例えば金属くずは、金属または合金の適切なテストを行うためにテスト回路と共にはまたはテスト回路付近には位置しないことが所望される。単純な解決策は、テストプローブ(システム電極)および金属または合金の両方を電解質浴に浸漬させることである。この解決策の欠点は、多量の電解質を(金属または合金と共に)消耗し、電解質を容易に汚染する場合があり、実施するのが危険であり、面倒であり得ることである。
【0066】
故に、デブリが存在する環境中で使用するための電解質ホルダーを提供することが所望されると考えられる。1つのこうしたタイプの電解質ホルダーを
図11に示す。電解質ホルダー1100は、電解質中に含浸され、テストプローブ1106および金属または合金1108の両方と操作上物理的に接続した状況であるように配置された非伝導性ウィッキング材料(例えば膜)1104のフィードロール1102保持部を含む。この実施形態において、フィードローラー1102に運ばれる膜1104は、中間ローラー1110、1112、1114を通して、それが巻き取りローラー1116に到達するまで移動させる。
図11に示されるように、電気プローブ1106(
図1および6のプローブと同様に)は、膜1104の表面の上方に置かれ、それによって膜1104は、電極プローブ1106と、テストされるべき一片の金属または合金1108との間に配置される。この実施形態において、テストプローブ1106が金属または合金1108に向かって移動するときに、膜1104は中間体であり、イオン性経路が
図1および6に関連して議論された様式と同様の様式で形成されるようになる。電解質ホルダー1100の設計および操作によって、先行するテスト操作の間にテストプローブ1106または金属もしくは合金1108の表面から移動し得たいずれかのデブリ(金属くずを含む)は、膜1104が巻き取りローラー1116に巻き取られるときにテスト領域1118から離れて移動する。1つの実施形態において、膜1104は、55%セルロースおよび45%ポリエステルの水流絡合ブレンドを含む織布クロステープ(例えばステンシルワイプ下でのJNJ Industries’401)であってもよい。1つの実施形態において、こうした膜テープは、おおよそ0.3mmの厚さを有し、故に低い電気抵抗を有する。
【0067】
故に記載される設計によって、新しい膜片(すなわちクロスまたは布地テープ)は、容易および自動的に移動して利用可能になる。この移動はまた、電解質が汚染されるとき/場合に、例えば1つのサンプルからの金属または合金の粒子が膜に埋め込まれ、潜在的に後続のサンプルの読取値を妨害する場合に有益である。膜1104の移動は、すべてのサンプル測定の後、固定数の測定の後、またはアルゴリズム制御移動が、システムが劣化していることを示す場合に(すなわち、可能性として既知の金属または合金に対する定期的なチェックを通して)行われ得る。
【0068】
第2の実施形態を参照して、
図11の実施形態は、膜に埋め込まれた金属または合金フラグメント片はテスト領域1118の直列回路にはないことを教示しているが、膜の下流側で埋め込まれた金属または合金フラグメントは、伝導性電解質で湿潤された膜(例えばクロスまたは布地テープ)1104を通してテストプローブ1106電極に電気的に接続されたままであり得る。また、下流からの使用済みまたは汚染された電解質は、活性テスト領域1118に潜在的に移動し得る(キャピラリー運動を通して)。テストシステムが十分感受性である場合、これは問題となる。故に、こうした問題が生じ得る環境において、電解質ホルダーのさらなる実施形態は、電解質ホルダーシステム1200として
図12に示される。
【0069】
この図は、例えば
図11に示されるロール・ツー・ロールシステムの単純化バージョンであることに留意する。
図12において、フィードローラー1202は、特定量の電解質膜テープ1204を保持し、これが矢印1210の方向に示されるように、巻き取りローラー1208に移動する。
図11の議論と同様に、集電体テストプローブ1206は、一片の金属または合金(例えばスクラップ金属または合金)1212にわたって配置される。膜テープ1204は、
図11に記載される様式と同様の様式でまた、これらの2つのコンポーネントの間に配置される。しかしながら、本実施形態の膜テープ1104(
図11)と膜テープ1204との間の差は、均質である代わりに、テープ1204は吸収剤材料1204a、1204c、1204n、ならびに非吸収剤材料1204bおよび1204dの一連の交互接続パネルセクションを含む。テープ1204の運動は、テストプローブ1206が常に、実際のテスト中は吸収剤電解質充填セグメント(1204a、1204c、1204n)にわたってあり、このセグメントは、いずれかの使用済みセグメントと電気的またはキャピラリー接続がない(すなわちスラッシュ入り円で標識された1204n)ような方法で制御される。特に非吸収剤セグメント1204bおよび1204dは、電解質を保持せず、故にバッファまたは分離セクションは電気的接続が不注意に創出されないように提供される。膜テープ1204のセクションの一部が、他のセクションから物理的に間隔をあけられ、他のセクションと接触していないように見え得るが、セクションは連続テープ1204として形成されることが理解されることが認められるべきである。例えば、1つの実施形態において、セクションはすべてのパネルを保持するバックプレーンと関連し、他の状況においては、セクションのそれぞれが1204bおよび1204cによって示されるように直接隣接して配置される。
【0070】
図11および12のこれらの上述のロール・ツー・ロールシステムは、異なるテスト操作のために膜の自動および頻繁な変更が可能である。
【0071】
電解質は、多数の方法で膜テープに送達でき、例えば新しいスプール布地が予備浸漬されてもよく、電解質は、テストプローブの領域に到達する直前に膜テープに含浸されてもよい。電解質はまた、当業者に明らかな他の方法のうち、テストプローブ(または金属または合金)にドリップされてもよい。
【0072】
図11および12のロール・ツー・ロールシステムに加えて、クリーンな膜が使用されるのを確実にするための代替配置は、交換式の多孔質チップタイプ電解質配置を使用することである。これは、例えば
図13の多孔質チップ配置1300に示される。この単純化された例示に示されるように、多孔質チップ配置1300は、底部端部において多孔質膜部分1304によって覆われる中空タイプの管1302を含む。管1302内には、先の図と関連して議論されたものと同様のテストプローブ1306がある。
図13に示されるように、多孔質膜1304は、一片の金属または合金(例えば一部の実施形態においては金属または合金のスクラップ片)1308と接触する。1つの実施形態において、中空管1302は、電解質1310で満たされ、これは適切なイオン性回路接続が行われるように電解質で浸漬される多孔質膜1304を維持する。代替実施形態において、管1302の内部は、多孔質材料で満たされることができ(多孔質膜1304の材料または他のスポンジ様材料と同様)、電解質1310を吸収して、測定された様式において電解質が多孔質膜1304に浸み込むことができる。管1302が電解質で満たされる実施形態において、テストプローブ1306は電解質に含浸される。管1302の下方開放部は、上述の膜チップ1304で栓をされる。操作において、電解質が多孔質膜チップ1304の孔を通して浸み込み、テストプローブ1306と金属または合金1308との間に必要な接続を可能にする。この実施形態において、膜チップ1302は、金属または合金くずなどによって汚染されることになる場合に交換できるように除去可能である。交換操作は手動でまたは自動的に行われてもよい(例えばピック・アンド・プレイスタイプの機械)。
【0073】
図13にはチップ多孔質膜1304が、実質的に円形の構成で示されるが、チップ1304は異なる形状、多孔率、材料および処理であってもよいことが理解される。最適な選択は、問題、例えば選択された特定の電解質および所望のプローブサイズに依存する。1つの特定実施形態において、20μmの孔を有する多孔質ポリエチレンの3mm厚さの片であってもよく、親水性であるように処理されてもよい。
【0074】
特定の実施形態において、管1302は、電解質で満たされる必要はなく、むしろ電解質は、管1302を完全に満たすことなく膜チップ1304が湿潤状態で維持されるような割合にて、外部貯蔵器1314からの外部ポンプ1312およびインプットライン1316によって供給されてもよい。
【0075】
チップの変更数を減少させるために、例えばポンプ1312、貯蔵器1314、およびインプットライン1316からの連続または断続的な多量流体で多孔質チップ1304をクリーンにするための配置が提供されてもよい。あるいは、別個の同様のこうしたシステムは、例えばクリーニングライン1318を通って、多孔質チップ1304の外側に直接、特定タイプのクリーニング液を提供する。各クリーニングシステムまたはプロセスは、汚染された電解質またはデブリをチップ1304の表面から除去するために設計された。 より感受性のシステムまたはよりひどく汚れた材料(すなわち金属または合金)を伴うシステムに関して、システムは、後に続くワイピング操作(すなわち手動または自動)と大きなフラッシュ操作を組み合わせてもよい。当業者に明らかなように、他の非伝導性材料および構造(例えば繊維性材料、例えばマーカーペンの先端またはスポンジ)が使用できることが理解されるべきである。さらに
図13の概念はまた、
図23および24と関連してより詳細に議論されるようなカートリッジの一部として適用されてもよい。
【0076】
電極として使用される金属または合金サンプル(例えばスクラップ)
図14に示されるように、テストシステム1400は、テストプローブ1402、電解質1406を保持する膜1404、および金属または合金サンプル(スクラップ)1408をどのように含むかを記載した先の議論を使用して、イオン性回路(電気化学的セルの形態)を形成する。記載されるように、金属または合金1408自体は、形成された電気化学的セルの他の電極であり、これは電気的接続ライン1410および1412を介して電気テストシステム1414に接続される。このセクションは、金属または合金1408に対してどのように電気的接続(すなわち1416)がなされるかについての実施形態を記載する。
【0077】
金属または合金1408(アルミニウムまたはアルミニウム合金の場合)は、多くの場合、酸化アルミニウム(他の金属または合金には他の酸化物)の薄い層、可能性として他の絶縁体、例えば油または塗料をその表面に有する。良好な電気的接続を得るために、これらの絶縁体を通して新たな金属または合金に浸透させる必要があり得る。これは、多くの場合バルクソータータイプの環境の場合である。金属または合金浸透接続を得るための特定の実施形態は、バイス上に少なくとも1つの鋸歯状ジョー1418を有するバイス1416を使用し、金属または合金サンプル(スクラップ)1408を保持することである。こうしたパターンの1つの例を、鋸歯状ジョー1418の分解図に示す。鋸歯状ジョー1418のパターンの堅く鋭い歯1420は、裸の金属または合金に到達するために表面汚染を通して中までかむ。この作用によってバイスまたはクランプに対する直接電気的接続は接続を完了させる。
【0078】
図33および34に拡張されるように、上述のバルクソーター環境は、金属または合金スクラップのソースを含み、これは分離され、次いで個々にテストされ、テスト結果に従ってソートされる。
【0079】
別の関連実施形態は、
図15のシステム1500によって示され、ここで示された金属プローブ1502、1504、1506、1508は、空気圧駆動機構1502a〜1508aによってスクラップ1510に空気圧で駆動させる。金属または合金(1つの実施形態において、相対的に軟質のアルミニウム)1510に駆動されたら、プローブは、新しい金属または合金と直接電気的接続を形成する。次いで電気ラインまたは電気ライン1502b〜1508bは、プローブ1502〜1508の1つまたはすべてからテストコンポーネントに提供される(例えば
図14のテストシステム1414)。1つの実施形態において、4つすべての電気ラインは共に繋がれてもよく、次いで単一電気ラインがテストシステムに提供されてもよく、またはそれぞれ個々のラインがテストシステムに提供されてもよい。他の機械的または電気機械デバイスは、当業者に明らかなように、金属または合金1510に対してこうしたプローブを駆動するために使用できることが理解されるべきである。例えば、バルクソーターについて、複数のこれらのプローブはまた、
図15に示されるようにスクラップを固定するために使用できる。特に、いくつかのこれらのプローブ1502〜1508が異なる角度からサンプル(例えばスクラップ)に向かって突き出す場合に、後のテスト工程のためにスクラップを適所に保持するためにそれらの間に使用できる。
【0080】
この開示において先に記述されたように、金属合金または合金(例えば1408、1510など)の表面上の電気絶縁体を除去するために使用することもできる技術は、粉砕、ミル加工、サンド加工を含み、これらの技術に加えて、除去はまた、サンド−ブラスティング、またはテストされているクリーニングされた金属または合金と単に電気的に接触する前に、表面を研磨するための他の配置によって達成できる。
【0081】
表面は、テストプローブ(次のセクションにおいて議論されるように)のために調製される場合、この調製された表面の特定部分はまた、電気的接触によって接触されてもよい(共通の接続を創出)。これは、ハンドヘルドタイプのテスターまたはソーターに有用な特定の実施形態である。
【0082】
電気化学的セルのための表面調製
電解質が相互作用する金属または合金片の表面(例えば一部の状況においてスクラップ金属または合金)は、作用する電気化学のために電気絶縁体が十分取り除かれているようにしなければならない。こうした絶縁体としては、塗料、油、および陽極酸化した仕上げ材および空気に曝された場合に金属または合金(例えばアルミニウム合金)上に自然に形成した自然酸化アルミニウム層が挙げられる。本システムは、純粋な電気的接続だけでなく、電気化学的接続を提供するので、特定の最小領域のクリーンな接触が達成されなければならない。
【0083】
金属または合金表面を調製するために使用される特定技術は、窒素、ドライアイス、相当な電気的および/または空気圧動力が利用可能であるかどうかにかかわらず、金属または合金のサイズ、形状、および表面状態に依存する。これらの技術は、4つの広いカテゴリに分けることができる、化学的、直接機械的、間接機械的および衝撃。
【0084】
すべてのこれらの場合において、クリーニングと、自然酸化物層の自然の再形成との間に限られた時間ウィンドウが存在する。次いでこれは、電気化学的プローブが適用できるまで、新しく調製された表面またはその他には領域からの酸素の排除のために電気化学的プローブ操作の迅速な適用(一部の場合には数秒以内)を必要とする。1つの好ましい実施形態において、サイトは、テストが完了するまで窒素ガスでフロッドさせる。
【0085】
化学的
化学的技術は、表面絶縁体を除去するために表面に適用される(例えばワイプされるまたは展延される)一部の酸、塩基、溶媒または他の化学物質を含む。表面が十分クリーニングされたら、クリーニング化学物質およびクリーニング化学物質と表面絶縁体との相互作用由来の副生成物の両方が、後続の電気化学的工程を妨害しないことが重要である。これは、第2のクリーニング工程によってクリーニング化学物質の注意深い選択または化学物質(および副生成物)の除去を通して達成できる。こうした除去は、乾燥ワイピング、エバポレーション、またはなおさらなる化学物質によるワイピングを通して達成できる。1つの実施形態において、アジ化水素酸は、クリーニング工程のために使用でき、続いてドライワイプが行われる。アジ化水素酸は、強い還元剤であり、ガス状生成物に分解される。
【0086】
直接機械的
特定の手法は、十分新しい金属が曝されるまで表面を切断、擦り取り、または研磨することである。特定の実施形態において、これは、ミル加工ビット、サンドペーパーまたは粉砕ディスクを金属のスクラップ表面に適用する空気圧−またはモーター駆動ツールを通して達成され得る。粉砕またはサンド加工の場合、材料は、少量の残渣が後続の電気化学的テストに影響を与えないように選択されるべきであることが望ましい。機械的ワイプまたは空気のジェットは、残渣を除去するために使用できる。クリーニングされるべきサイトにわたる空気のフローは、自然酸化物が再形成される割合を向上し得る。故に、不活性ガス、例えば窒素または二酸化炭素の使用がこの問題を緩和する。1つの特定の実施形態は、セラミックアルミナを埋め込んだナイロンメッシュディスクを回転させる回転モーターであり、ここでは残渣が窒素で吹き飛ばされる。
【0087】
回転ツールに動力を与えるハンドヘルド電池は、ハンドヘルドソーターと関連して使用できる。
【0088】
間接機械的
間接方法も、金属または合金の表面を調製するために使用できる、例えばサンド−ブラスティング。バルクソーターにおいて最も実用的には、これは、非平坦、非平滑表面(例えばしわの寄った金属または合金)に自然に適合するという利点を有する。異なる材料が研磨粒子として使用できる。材料は、少量の残渣が後続の電気化学的テストに影響を与えないように選択されることが好ましい。使用できる1つの特定の材料は炭化ケイ素である。クリーニングされるべきサイトにわたる空気のフローが自然酸化物が再形成する割合を向上し得るので、不活性ガス、例えば窒素または二酸化炭素はこの問題を緩和するプロペラントとして使用されてもよい。小片の固体二酸化炭素(「ドライアイス」)を研磨剤として使用することにより、結果として残渣なし(ゼロ)となり(すなわちエバポレートする)、同時に自然酸化物層の再形成を低減する。
【0089】
衝撃
図16および17の配置1600および1700を参照して、衝撃タイプの実施形態の例を示す。1つの解決策は、上記項目「電極としての金属または合金サンプル(例えばスクラップ)」に記載される様式と同様の様式で金属または合金に対して示された金属プローブを空気圧駆動させることである。
図16に示されるように、こうしたプローブ1602は、サンプル1604に突き刺さり、次いで除去されて、クレーター1606を残す。空気圧に基づくデバイス以外の機械的または電気機械的デバイスも、当業者に明らかなように、プローブ1602を駆動するために使用されてもよい。特定の実施形態において、プローブ1602がスクラップまたはサンプル1604から引き抜かれ(クレーターを残す)、電解質およびテストプローブまたは電極(図示せず)は、次いでクレーター1606に直接導入される。あるいは電解質を保持する膜は、テストプローブと共に、クレーター1606に導入できる。
【0090】
ドリップされた電解質の場合、小さい非伝導性管(例えばガラスピペット)または飽和膜は、電極に戻る切れ目のない一連の液体を維持しながら、電解質をプローブのクレーターに運ぶことができる。この方法は、サンプルあたり多くの電解質を消費するが、その小さいクレーターへの導入を容易にする。
【0091】
あるいは、
図17の配置1700に示されるように、衝撃−テストプローブ1702は、それに一体化した膜または電解質分配器を有する金属または合金スクラップにおいて形成されるクレーターに衝撃−テストプローブ1702が留まるようにする様式で構成されてもよい。より詳細には、衝撃テストプローブ1702は、絶縁された硬質外側ケース1704を含み、テストされるべきサンプルを浸透させるのに十分な強度を有する。テストプローブ電極1706、例えばグラファイト電極は、絶縁硬質外側ケース1704内に位置する。
図17はさらに、多孔質膜セクション1708を示し、ここで膜の少なくとも一部は硬質外側ケース1704の切欠きセクション1710内に適合する。
図17の右側サイドは、金属または合金サンプル1714のクレーター1712に埋め込まれた衝撃テストプローブ1702を示す(切欠き図)。新しいクリーンな金属または合金1716は、プローブの浸透によって曝露される。円1718は、電解質湿潤膜1708と接触する新しい金属または合金1716の部分を示す。硬質外側ケース1704は、スクラップ金属または合金1714よりも硬質になる必要があるが、(衝撃に耐えるのに)脆性でなく、電解質に対して不透過性であり、電気非伝導性であることを理解すべきである。
【0092】
複数プローブ
図18のマルチテストプローブ配置1800を参照して、特定の使用に必要とされるテストプローブ1802、1804、1806、1808の数は、所望のアウトプット(例えば金属または合金のファミリに関するまたは特定の合金に関するまたは製造方法に関するテスト)、およびさらに金属または合金サンプル(例えば5000または6000アルミニウム合金ファミリのいずれかであることが既知である)について既に知られていることに依存して変動する。一部の場合において、1つのシステムまたはテストプローブは十分であってもよい。他の場合、異なる電解質を用いて作用するいくつかのテストプローブは必要とされてもよい。このセクションは、複数のテストプローブの位置決めおよび使用を教示する。
【0093】
特定の実施形態において、ただ1つのシステムまたはテストプローブ1802、1804、1806、1808は、特定の金属または合金サンプルをテストする場合、所与の時間(すなわち
図14のテストシステム1414のようなテストシステムに戻る電気的接続ライン1802a、1804a、1806a、1808a)電気的に不活性である。不活性プローブは電気的に孤立している。プロセスが100msほど短い場合、この一連の手法は処理量にほとんど影響を与えない。
【0094】
バルクソーター構成の場合、これらの複数プローブは、高度に独立であることができる。実際、衝撃テストプローブの場合、適切な距離により、妨害を避けるためにテストプローブを分離すべきである。衝撃−テストプローブが固定機構として重なっている場合、これらの位置は、その役割によって主に示される、例えば4つのプローブは、
図18に示されるように、受動ホルダーの上方の単一点に向かって入る。
【0095】
直接機械方法が使用される場合、特定の実施形態において、ただ1つの表面領域を調製し、すべてのシステムテストプローブおよび可能性として共通プローブ(例えばサンプルまたはスクラッププローブとも呼ばれる)電極を単一位置で接触させるのにより効率が良い場合ある。テストプローブが十分近い場合、1つのテストプローブからの電解質が、隣接する隣のテストプローブまたは共通プローブと接触する特定のリスクがある。この状況は、電気化学的セルを「ショートアウト」(またはバイパス)し得、および/または将来のテストのためにテストプローブおよび/または共通プローブを汚染し得る。テストプローブおよび/または共通プローブは、近接して使用されるべきである場合、化学的に耐性のコンプライアントシール(例えば75Aデュロメータを有するVitonフルオロエラストマーO−リング)をプローブの周りに有することにより、このリスクを低減する。
【0096】
図19、20および21は、単一の本体構造1910に提供される3つのシステムテストプローブ1902、1904、1906および1つの共通プローブ電極1908を示す。これらは、例えば回転ツールを用いてクリーンにできるサンプル金属または合金にて規定されたコンパクト領域をすべて接触させるように配置されている。
図19の
図1900によって示されるように、テストプローブおよび共通するプローブ電極1902、1904、1906、1908は、単一本体構造1910にくぼみを作り、
図21の
図2100に最良に示されるように、独立に、対応するバネ配置1902b、1904b(完全には図示しない)、1906b、1908bを介してバネ荷重される。
【0097】
この単一本体プローブアッセンブリ1910が、サンプル(またはスクラップ)の平坦に調製された表面に向かって押される場合、O−リング1902a、1904a、1906a(
図20の
図2000において部分的に見られるように)は、まず、テストされるべき金属または合金サンプルに対して接触し、シール面1912に押し付ける。さらなる圧力を用いて、3つのシステムテストプローブ1902、1904、1906は、それら各々がサンプル表面と接触するまでバネ配置を介して前進する。さらなる圧力により、共通(スクラップ)プローブ電極1908は金属または合金サンプルと接触する。テストシステム(例えば
図14の1414)のエレクトロニクスは、共通(スクラップ)テスト電極1908といずれか1つのシステムテストプローブ(例えば電極)1902、1904、1906との間のOCV(開回路電圧)を検出できる。
【0098】
共通(スクラップ)プローブ電極1908は(
図20の
図2000からわかるように、さらにくぼみを作ることによって)最後に接触するので、テストシステムは、すべてのテストプローブ電極が金属または合金サンプルと接触し、テストが開始できるようにすることができる。共通プローブ電極1908および観察されている特定のテストプローブ電極(すなわちテストプローブ1902、1904、1906の1つ)との間に小電流を適用することにより、より容易に検出されるトリガーシグナルを創出する。シグナルは、接続ライン1902c、1904c(完全には示されず)、1906cを介して提供され、共通接続ライン1908cを有する。
【0099】
これらのコンパクトバネ−作動アセンブリは、複数の独立したまたは広く間隔をあけた位置を作るような方法でプロ―ブを保持することが困難である状況でのハンドヘルド配置に関して有用である。金属または合金サンプルにて単一の領域のみを調製すべきことも、ハンドヘルドの場合には役立つ。
【0100】
異なる形状または異なる数のプローブを有する他の構成も可能であることが当業者に明らかである。例えば
図22は、3つのシステムテストプローブ電極構成2202、2204、2206を有する線形設計2200を示す。ここで共通接続は、鋸歯状パターンを有するバイスジョーを通して、または他の接続配置(
図14に示されるがこの図では図示せず)によって行われる。
図19〜22のテストプローブがこうした配置において他のテストプローブと同じまたは異なる電解質を含有してもよいことが理解されるべきである。決定は、特定の実施に依存する。
【0101】
また、複数のプローブデバイス(バルクテスト配置およびハンドヘルド配置の両方に関する)において、すべてのシステムテストプローブが、金属または合金サンプルの表面と一度に接触する必要はない。例えば、特定のバルクソーター配置において、異なる電解質を含有する異なるテストプローブは、ソーティングシステムにおいて連続したステーションにおいて適用できる。実際には1つのテストからの結果が金属または合金サンプルを、次のテストプローブが適用される前にそらすのに十分決定的であり得る(次のテストプローブの消耗/使用の節約)。
【0102】
例示された
図23および24を参照すると、電解質管2302を含み、電解質2304、テストプローブ電極2306、および電解質膜2308を含む電解質テストカートリッジ2300の異なる図が示される。この実施形態において、膜2308は、多孔質ポリエチレンであり、電解質管2302は、高密度ポリエチレンまたはpeekであり、テスト電極2306は電極ガラス状炭素である。しかしながら、これらの材料は単に例として与えられ、カートリッジ2300のコンポーネントが他の材料で構成されてもよいことが理解されるべきである。
図24のカートリッジ2300の断面図は、電解質2304がテストプローブ2306の端部2306aと、膜2308の端部2308aとの間にあり、ならびにテストプローブ電極2306の他の部分を取り囲むことを示す。膜2308が、管2302の内部に入る細長いセクション2308bを有するt−タイプ構成において形成されることがさらに示される。加えて、テストプローブ電極2306の第2の端部2306bは、先に議論されたようなテストシステムコンポーネントに戻って接続される電気的接続ライン2310を有するように設計される。
【0103】
開示されたテストプローブ2300は、相対的に単純であり、一部の実施形態においては使い捨てであると考えられ得る(すなわち電解質流体が交換されず、むしろ新しいカートリッジが使用済みカートリッジと交換するために挿入される)。カートリッジ2300に関する1つの潜在的な問題は、電解質からの乾燥であり(特にテストプローブの表面における)、電解質を不必要に濃縮する。実質的に気密性の様式でテストプローブ電極の膜にわたって適合するように構成されたキャップ2400が、この問題を緩和するために使用されてもよい。
【0104】
代替実施形態において(
図25〜30を参照のこと)、
図23および24のカートリッジ2300は、カートリッジ2500の膜端部付近のバルブ配置2502を含有するように設計されたカートリッジ2500として設計されてもよい。バルブ配置2502以外のカートリッジ2500は、
図23および24のカートリッジ2300と関連して記載されるものと同様の様式で設計される。
【0105】
図25および26は、バルブ配置が開放位置にある場合に、バルブ配置2502が電解質を分配するように(特定の実施形態においては、固定体積において)構成されることを示すために、より詳細にバルブ配置2502を示す。例えば、この実施形態において、
図26のウェーブ洗浄機または圧縮フォームリング2600は、管2504の1つの端部と膜2506のより広い部分の表面との間のt形状膜2506のより狭いセクションの周りに配置される。この位置において、ウェーブ洗浄機または圧縮フォームリング2600は、t形状膜2506の端部部分2508を管2504から外にまたは管2504から離れる方向に押すように作用する。この作用により、膜2506の上方u形状部分2510は、硬質バルブベース2516に対して可撓性の閉鎖要素(マッシュルーム形状のコンポーネント)2514のステム2512を掴んで引く。この位置は、管2504の本体内の電解質からt形状の膜2506をシールする。より詳細には、
図27の
図2700および
図28の
図2800に示されるように、閉鎖要素2514およびバルブベース2516は、互いに接触する場合に、流体フローをブロックするように設計される。これは、
図28の分解
図2800をレビューする場合に示され、これは、閉鎖要素2514が開口部2514a、2514b、2514c、2514dを含むことをより明確に示す。
図29は、より明確には、バルブベース2516が開放部領域2516aを含むことを示す。閉じた位置において(
図30の
図3000に見られるように)、これらの開放部は、膜2506への流体フローを停止させるために互いにオフセットする。特にバルブベース2516の表面2516bが閉鎖要素2514の表面2514eに対して位置する場合、流体(例えば電解質)は膜2506に対して流れない。しかしながら、膜2506のチップ2508は、金属または合金サンプルの表面に対して加圧される場合に、閉鎖要素2514は内側に曲がり、バルブが開放して、新しい電解質が管2504の内部から開口部2514a〜2514dおよび2516aを通して膜2506に流れる。
【0106】
これらの単一カートリッジは、容易に現場交換可能である(ハンドヘルドの場合に特に有用である)。異なる管は、色分けされるか、またはシンボルまたはレタリングを用いて標識され、正しいカートリッジを正しいスロットに挿入するようにユーザーを導く。ユーザーは、特定の用途に関してすべてのスロットを埋めないように選択でき、特定の実施にはどのカートリッジが重要であるかについてユーザーインターフェイス(後のセクションを参照)によって誘導されてもよい。
【0107】
特定の実施形態において、カートリッジ(2300、2500)は、電解質タイプ、容量、工場充填日、およびプローブ毎の較正データの一部またはすべてをテストシステムに電子通信させる通信コンポーネントを含有する。これは、工場で整えられた/調整されたレジスタまたはキャパシタを通して、EEPROMの使用を通して、または他の通信設備を通して行うことができる。再プログラム可能なメモリーを各プローブに適合させる場合、行われた測定数、第1の使用日/時間、最近の使用日/時間のような値はすべて記録され得る。このさらなる情報により、システムがテストプローブに残る耐用年数を計算して(およびユーザーに示し)またはドリフト計算を行うことができる。当業者にとって、この情報を通信/保存する他の方法、および通信または保存できる他のアイテムは既知である。
【0108】
ハンドヘルドソーター
1つの好ましい実施形態において、
図31および32のハンドヘルドソーター3100は、それを置くことができる平坦な表面3102、1つの手で容易に保持するために一体化したハンドル3104を用いて設計される。それはまた、表面調製デバイス(例えば円形研磨ディスクを保持および回転させることができる回転チャンク)3106を組み込んでもよい。それはまた、小さいカートリッジの圧縮流体(例えばCO
2またはN
2)3108を含有してもよい。このカートリッジのアウトプットは、ユーザーによってバルブ調節され、アウトプット管3110を通して指向され表面が研磨された後の残渣のない調製表面に吹き込む。非酸素保持ガスの使用により、自然酸化物の再形成が低減する。
【0109】
プローブカートリッジホルダー3112はまた、例えば
図19〜24と関連して議論されたように、複数のテストプローブおよび共通プローブ(例えば
図14〜17および19〜21と関連して議論される)を保持するために、ハンドヘルドデバイス3100に組み込まれ、ここでカートリッジホルダー3112のテストプローブは、先に開示されるように、搭載テストシステムに接続される。
【0110】
ハンドヘルドソーター3100は、一次または二次電池3114または場合により外部電源(例えばAC電源、図示せず)から動力
(電力)供給できる。バッテリは、標準サイズ(例えばAA)であることができ、固定一体化され、またはパワードリルの場合と同様にモジュールユニットであることができる。
【0111】
ユーザーインターフェイス
ハンドヘルドテスター実施形態において、
図32に示されるユーザーインターフェイス3200は、インプット/アウトプットスクリーンの形態で提供される。ユーザーインターフェイス3200はまた、音声作動式システム、LEDなどを含む他の構成において設計できることが理解されるべきである。サンプル金属または合金が何であり得るかについてユーザーが詳しく知るにつれて(ユーザーインターフェイスを通してハンドヘルドデバイスに情報を与える)、それが与え得る結果はより良好になる、例えば5xxxと7xxx系のアルミニウム合金との間の不明瞭な結果を与えるテストは、サンプルが5xxxまたは6xxxのいずれかであることがデバイスに知らされる場合に、正しい方向に容易に解決できる。以上では、サンプル金属または合金がスクラップ金属であり得ることについて言及したが、本発明の概念はまた、特にロール構成、平坦面構成にて構成された新しく形成された金属または合金に関して使用できる。
【0112】
(先に記載されたように)カートリッジがテストシステムに自動的に通信する方法を含有しない限り、ユーザーはテストプローブカートリッジについての情報(電解質タイプ、容量、工場充填日、およびプローブ毎の較正データを含む)を、それが変化する度に入力する必要があり得る。各カートリッジのためのソケットは、正確なプローブが正確なスポットにあることを確実にするために適合され、または着色/シンボル分けされてもよい。しかしながら、一部の実施形態において、スロットよりも多いプローブタイプが存在し、ユーザーは、プローブのどのタイプが挿入されているかを示さなければならない。
【0113】
所望のテストおよび現在のプローブ構成が既知であれば、システムが、ユーザーに、カートリッジを追加し/除去し/変更することを勧めることができる。カートリッジ容量、製造日、初期使用日、およびテストの数の1つ以上が既知であれば、システムは、古いカートリッジを交換するようにユーザーに勧めることができる。
【0114】
もちろんユーザーにとって重要な情報は、テストシステムのアウトプットである、ファミリ(例えば6000系のアルミニウム合金)、または特定の合金(例えばタイプ6061合金)、または主要な合金化剤(例えば>1%の銅)、または製造方法(キャスト対鍛造)の1つ以上。結果における可能性としての不確定性に関して、システムは、信頼性の指標を提供でき、またはさらにそれぞれの可能性を有する複数の選択肢を列挙できる。これらの回答は、可聴式または視覚式(例えばテキストを示すLCDディスプレイ)であることができる。ユーザーが単純なテストを構成する場合(「すべてが5xxxであることの確認」または「5xxxと6xxxとをソート」)、少数の指標光で十分な場合があり、作用するのが迅速となり得る(例えば緑=「はい、それは5xxです」、赤=「他のものが検出されました」)。
【0115】
他の実施形態において、テストが完了したときにハンドルを振動させることによって、さらなる触知性を使用し、または(反対に)それが繰り返されるべきであること、または例外が検出されたことを示すために使用される。
【0116】
システムは、テストが成功したかどうか(十分高い信頼性)またはシステムが表面調製およびテストを繰り返すことを推奨するかどうかをユーザーにフィードバックできる。これはまた可聴式であることも、視覚式であることもできる。
【0117】
ユーザーインプットは、ボタン、スイッチおよびボイスコマンドの一部の組み合わせであることができる。1つの好ましい実施形態において、ユーザーインプット(およびアウトプット)は、別の1つの設備(例えば電話またはタブレット)を介して、ハンドヘルドとの有線(例えばUSB)またはワイアレス(例えばBluetooth(登録商標))通信におけるものであることができる。別個の1つの設備とのこうした通信は、一連のテストを設定する際に特に有用であり、総計の結果をセッションまたはシフトの終わりに報告する。
【0118】
バルクソーター
ハンドヘルドソーターおよびバルクソーター配置は、イオン性テスト概念の実施に関する範囲に沿った特定の要点である。以下のセクションにおいては、バルクソーター配置に限定されないが、有用な用途を有するこうした実施形態において使用され得るさらなる配置について議論する。
【0119】
単体化および固定
スクラップのインプットストリームは、パイルからまたはトラックの背後から直接もたらされてもよく、またはシステムに手動でシャベルですくわれてもよい。特定の実施形態において、これらすべては、結果としてコンベヤベルト上のスクラップの整理されていないパイルをもたらす。それぞれ
図33および34のテストシステム3300および3400において、テストシステムは、各片がテスト下にある間は個々に保持(または固定)されることを教示する。整理されていないパイルを単体化する種々の方法は、当業者に既知であるが、ピック・アンド・プレイスクローおよびシェーカーテーブルを含む。
【0120】
単体化されたら、一片のスクラップは、まず表面調製機に対して、次いでテストプローブに対して保持されなければならない。多くの選択肢が存在するが(例えばバイス、クローおよびクランプ)、スクラップ金属は、広範囲の予測できない複雑な形状を有し得る。1つの好ましい実施形態は、先に記載されたようなスクラップに空気圧駆動された複数の鋭い金属プローブである。これらは、スクラップの予測できない形状によく適合し、さらにスクラップ電極としても作用する。
【0121】
スクラップの予測できない形状に固定器具を適合させる代替法は、スクラップの形状を固定器具に対してより均一にまたは都合の良い形状に変化させることである。例えば、
図33および34と関連してより完全に詳述されるように、一対のローラーが、インプットスクラップを冷間ロール加工し、既知の厚さを有する低品質プレートにできる。別の実施形態において、システムは、進入スクラップを角柱プリズムに押し込むように作動されるいくつかのプレートを用いて構成できる。これらの場合のいずれかにおいて、固定システムは単純化され、より確実になる。
【0122】
増大した処理量のために、テストプロセスは2つ以上の連続ステーションに分けることができ、固定デバイスは、テストのいくつかの工程を通って移動してもよい(スクラップを保持);例えば表面調製、第1のプローブを用いたテスト、第2のプローブを用いたテスト、次いで放出。
【0123】
プローブ配置
予測できない形状のスクラップの表面のいずれかの部分を選択し、調製し、プローブに配置することは、自動で行うのは困難な場合がある。理想的には、配置は、スクラップの接触面積に対してプローブチップを最大限にするために選択される、垂直で平坦領域の中央(「ピーク」またはステップの途中にはない)。これは、いくつかの軸において移動するプローブおよび/またはスクラップ保持デバイスのいずれかを必要とし得る。視覚システムは、直接配置のために使用できる。明らかなように、表面調製は、プローブが配置されるのと同じ領域に(少なくとも)適用されなければならない。これらの領域を確実に選択および調製するのが困難であるならば、1つの実施形態においては、同じタイプの複数のプローブが、同じスクラップ片の異なる場所に配置される。最も高い信頼性の結果、平均結果、信頼性加重平均結果またはこれらのプローブからの電気化学的応答の一部の他の組み合わせが、最終決定のために使用できる。
【0124】
先のセクションにおいて記載されるロール加工または圧縮技術が使用される場合、プローブ配置および表面調製が単純化される。例えば、平坦な水平シートに冷間ロール加工される場合、垂直に載置されたテストプローブは、常に平坦な表面の大きな広がりにおいて垂直に方向付けられる。
【0125】
較正サンプル
行われるテストの数が多い場合にはバルクソーターに特に有用であり、1つ以上の既知のテストサンプルに対するプローブの周期的配置は、較正に役立ち得る。既知のサンプルに対してテストシステムを時には適用することによって、システムの現在の正確性を評価できる。
【0126】
これは、プローブクリーニングを誘発し、膜交換を誘発し、または電極「ドリフト」を補正するために使用される較正値の表をアップデートするために使用できる。
【0127】
アウトプット
自動化/バルクソーターにおいて、1つの使用は、金属または合金の流入ストリームを複数のアウトプットストリームにソートすることである。このソーティングは、ファミリ、合金などによって、または除外によって可能となり、例えば5xxxでないすべてをリジェクトストリームに送る。こうするために、完了したテスト操作の後にダイバータが、テストシステムによって制御される。このダイバータは、転換パドル、プッシャー、トラップ−ドア、または当業者に既知の多くの他の方法の1つ以上であることができ、ダイバータ配置の特定の提示が
図10のコンベヤシステムによって示される。
【0128】
特定の用途に依存して、金属または合金片に関して、その同定において信頼性が低いテストシステムは、見出された最も近い一致として処理されるか、またはリジェクトストリームにソートされ得る。経済性に依存して、このリジェクトストリームは、場合により、再テストのためのインプットストリームに再経路付けできる。この好ましくない点は、一部の非常に劣るスクラップ(例えば岩)が繰り返し循環されることである。代替として、低い信頼性テストは固定され続けることができ、テストは多数回繰り返すことができる。この場合、ある設定数の不十分な読取の後、スクラップは、テストが不可能であると考えることができ、それに基づいてソートされる。
【0129】
別の実施形態において、システムはソートしないが、すべての片を通過させる。次いでそのジョブは、スクラップストリームの累積アッセイを周期的に提供することである。これは、フルソーターよりも安価な選択肢であるが、二次精錬所は、それらの炉に入ろうとするものが何かを少なくとも知ることができ、適切に追加分を調製することができる。
【0130】
バルクソート実施
バルクソーティングシステムの種々の実施が前述の記載を用いて実施され得るが、
図33および34は2つの特定の実施を提供する。
【0131】
図33を参照して、システム3300は、コンベヤシステム3304に沿って移動するスクラップ金属3302を有することを含む。スクラップ金属がらせん状にねじれるか、またはそうでなければ変形する場合が多いので、特定の実施は、冷間ロール加工システム3306を使用してもよく(この場合2つの冷間ローラーを使用する)、それによってスクラップ金属は、コンベヤベルト3304上を移動し、それは連続的に平坦化されたまたはより線形の金属または合金片に移る。圧縮された金属または合金片、例えば3308が所定の位置に到達したとき、ピック・アンド・グラブシステム3310は、平坦化された金属または合金片を、保持ステーション3312、例えば先に議論されるように移動させるために使用されてもよい。これは、空気圧保持または他の既知のタイプを含んでいてもよい。保持ステーション3312はまた、クリーニングステーション3314を組み込んでもよく、これは先に議論されたような様式で金属をクリーニングする。一旦クリーニングされ、固定されたら、テストシステム3316は、先に議論されたテストプローブまたはテストプローブ配置のいずれかにおける電極配置3318を提供し、ならびに当業者に明らかであり得、金属または合金片をテストするための位置に移動される他のもの、例えば3320を提供する。一旦テストが達成されたら、テストされた金属または合金片は、ピック・アンド・プレイスシステム3310の別の部分によって拾い上げられ、ソーティング領域3322に提供されてもよく、これは、同様の金属または合金がさらなる加工処理のために配置される種々の位置であってもよい。
【0132】
図34を参照して、同様の構成は、バルクソーティングシステム3400に示される。 このシステムにおいて、コンポーネントの多くは、先に議論されたものと同様であり、そのため繰り返さない。しかしながら、特定の区別は、ローラー配置3306の代わりに、冷却金属スタンプ加工構成3402が、金属片を平坦にする試みのために使用され得ることである。異なる軸にて移動する複数のスタンプを用いて、金属片は、平坦な表面を示し、より大きな厚さを維持する角柱プリズムに成形できる。