特許第6578263号(P6578263)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6578263通信システム、情報提供装置及び情報提供方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6578263
(24)【登録日】2019年8月30日
(45)【発行日】2019年9月18日
(54)【発明の名称】通信システム、情報提供装置及び情報提供方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 13/00 20060101AFI20190909BHJP
【FI】
   G06F13/00 500A
【請求項の数】11
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2016-177577(P2016-177577)
(22)【出願日】2016年9月12日
(65)【公開番号】特開2018-45292(P2018-45292A)
(43)【公開日】2018年3月22日
【審査請求日】2018年3月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100166006
【弁理士】
【氏名又は名称】泉 通博
(74)【代理人】
【識別番号】100124084
【弁理士】
【氏名又は名称】黒岩 久人
(74)【代理人】
【識別番号】100153280
【弁理士】
【氏名又は名称】寺川 賢祐
(72)【発明者】
【氏名】西岡 勲
(72)【発明者】
【氏名】櫻庭 一幸
(72)【発明者】
【氏名】岡村 賢一
【審査官】 今川 悟
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−228240(JP,A)
【文献】 特開2007−264945(JP,A)
【文献】 特開2013−105347(JP,A)
【文献】 特開2000−125026(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0045811(US,A1)
【文献】 特開2005−258855(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信回線を利用した通信が可能な通信端末と、前記通信端末に情報を提供する情報提供装置と、を備える通信システムであって、
前記情報提供装置は、
前記通信端末の仕様に関連付けて前記通信端末の設定情報を記憶する記憶部と、
前記通信端末から前記設定情報を要求する設定情報要求コマンドを受信したことに応じて、前記通信端末の仕様に対応する前記設定情報を前記通信端末に提供する情報提供部と、
を有し、
前記通信端末は、
前記設定情報要求コマンドを前記情報提供装置に送信するコマンド送信部と、
前記情報提供部から前記設定情報を受信すると、前記設定情報に基づいて、前記通信端末の設定内容を更新する設定管理部と、
を有し
前記情報提供部は、前記設定情報要求コマンドを受信した場合に、前記設定情報要求コマンドを送信した前記通信端末以外の前記通信端末である第三者端末に対して前記設定情報の提供を要求する提供要求コマンドを送信する通信システム。
【請求項2】
前記記憶部は、設定対象に関連付けて前記設定情報を記憶し、
前記情報提供部は、複数の前記設定対象を含む一覧情報を前記通信端末に提供し、
前記設定管理部は、前記情報提供部から前記一覧情報を受信すると、受信した前記一覧情報を表示部に表示させ、
前記コマンド送信部は、前記通信端末のユーザが前記表示部に表示された前記一覧情報から選択した項目を示す情報を含む前記設定情報要求コマンドを送信する、
請求項1に記載の通信システム。
【請求項3】
前記情報提供部は、前記設定情報要求コマンドを要求した前記通信端末と同一の仕様の前記第三者端末に対して前記提供要求コマンドを送信する、
請求項1又は2に記載の通信システム。
【請求項4】
前記記憶部は、前記通信端末のユーザに割り当てられたユーザ識別情報に関連付けて前記ユーザの属性を記憶し、
前記情報提供部は、前記設定情報要求コマンドを要求した前記通信端末のユーザと類似する属性を有する第三者の前記第三者端末に前記提供要求コマンドを送信する、
請求項に記載の通信システム。
【請求項5】
前記記憶部は、前記通信端末のユーザに割り当てられたユーザ識別情報に関連付けて、前記通信端末にインストールされたアプリケーションソフトウェアの識別情報を記憶し、
前記情報提供部は、前記設定情報要求コマンドを要求した前記通信端末と、インストールしているアプリケーションソフトウェアの種類が類似する前記第三者端末に前記提供要求コマンドを送信する、
請求項からのいずれか一項に記載の通信システム。
【請求項6】
前記記憶部は、前記設定情報の提供元の前記通信端末のユーザに割り当てられたユーザ識別情報に関連付けて評価情報を記憶し、
前記情報提供部は、前記設定情報要求コマンドを送信した前記通信端末と同じ機種の複数の前記第三者端末から、それぞれに対応する前記評価情報に基づいて選択した第三者端末に前記提供要求コマンドを送信する、
請求項からのいずれか一項に記載の通信システム。
【請求項7】
前記記憶部は、前記通信端末のユーザに割り当てられたユーザ識別情報に関連付けて、前記設定情報と特典情報とを記憶し、
前記情報提供部は、前記設定情報要求コマンドを送信した前記通信端末のユーザと異なる第三者に関連付けて前記記憶部に記憶された前記設定情報を前記通信端末に提供した場合に、提供した前記設定情報に対応する前記ユーザ識別情報に関連付けられた前記特典情報を更新する、
請求項からのいずれか一項に記載の通信システム。
【請求項8】
前記情報提供部は、前記設定情報の提供先の前記通信端末から、前記設定情報に基づいて変更された箇所の数の通知を受け、変更された箇所の数に基づいて前記特典情報を更新する、
請求項に記載の通信システム。
【請求項9】
前記情報提供部は、前記設定情報の提供に対して付与される特典に関する情報を含む前記提供要求コマンドを前記第三者端末に送信する、
請求項又はに記載の通信システム。
【請求項10】
通信回線を利用した通信が可能な通信端末に情報を提供する情報提供装置であって、
前記通信端末の仕様に関連付けて前記通信端末の設定情報を記憶する記憶部と、
前記通信端末から前記設定情報を要求する設定情報要求コマンドを受信したことに応じて、前記設定情報要求コマンドを送信した前記通信端末以外の前記通信端末である第三者端末に対して前記設定情報の提供を要求する提供要求コマンドを送信し、前記第三者端末から受信した前記通信端末の仕様に対応する前記設定情報を前記通信端末に提供する情報提供部と、
を有する情報提供装置。
【請求項11】
コンピュータが、
通信回線を利用した通信が可能な通信端末から、前記通信端末に設定する設定情報を要求する設定情報要求コマンドを受信するステップと、
前記設定情報要求コマンドを受信したことに応じて、前記設定情報要求コマンドを送信した前記通信端末以外の前記通信端末である第三者端末に対して前記設定情報の提供を要求する提供要求コマンドを送信するステップと、
前記第三者端末から受信した前記通信端末の仕様に対応する前記設定情報を前記通信端末に提供するステップと、
を有する情報提供方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信端末に情報を提供する通信システム、情報提供装置及び情報提供方法に関する。
【背景技術】
【0002】
通信端末が多機能になる中、通信端末の操作方法がわからないユーザを支援する方法が検討されている。特許文献1には、通信端末のユーザがヘルプボタンを押すことにより、ユーザが操作支援をしていることが他の通信端末に通知され、他の通信端末からヘルプボタンを押したユーザの通信端末に対して操作方法を案内する情報を送信できるシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−141789号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のシステムにおいては、通信端末のユーザがヘルプボタンを押したことにより、操作に関する案内情報が通信端末から出力される。ユーザが抱えている問題を解決するために通信端末の設定情報を変更する必要がある場合、ユーザは、案内情報を参照しながら設定情報を変更する操作を行う必要があった。したがって、問題を解決するために手間がかかる上に、設定ミスをしてしまうというおそれもあった。
【0005】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、通信端末の設定情報を変更しやすくすることができる通信システム、情報提供装置及び情報提供方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様の通信システムは、通信回線を利用した通信が可能な通信端末と、前記通信端末に情報を提供する情報提供装置と、を備える通信システムであって、前記情報提供装置は、前記通信端末の仕様に関連付けて前記通信端末の設定情報を記憶する記憶部と、前記通信端末から前記設定情報を要求する設定情報要求コマンドを受信したことに応じて、前記通信端末の仕様に対応する前記設定情報を前記通信端末に提供する情報提供部と、を有し、前記通信端末は、前記設定情報要求コマンドを前記情報提供装置に送信するコマンド送信部と、前記情報提供部から前記設定情報を受信すると、前記設定情報に基づいて、前記通信端末の設定内容を更新する設定管理部と、を有する。
【0007】
前記記憶部は、設定対象に関連付けて前記設定情報を記憶し、前記情報提供部は、複数の前記設定対象を含む一覧情報を前記通信端末に提供し、前記設定管理部は、前記情報提供部から前記一覧情報を受信すると、受信した前記一覧情報を表示部に表示させ、前記コマンド送信部は、前記通信端末のユーザが前記表示部に表示された前記一覧情報から選択した項目を示す情報を含む前記設定情報要求コマンドを送信してもよい。
【0008】
前記情報提供部は、前記設定情報要求コマンドを受信した場合に、前記設定情報要求コマンドを送信した前記通信端末以外の前記通信端末である第三者端末に対して前記設定情報の提供を要求する提供要求コマンドを送信してもよい。
また、前記情報提供部は、前記設定情報要求コマンドを要求した前記通信端末と同一の仕様の前記第三者端末に対して前記提供要求コマンドを送信してもよい。
【0009】
前記記憶部は、前記通信端末のユーザに割り当てられたユーザ識別情報に関連付けて前記ユーザの属性を記憶し、前記情報提供部は、前記設定情報要求コマンドを要求した前記通信端末のユーザと類似する属性を有する第三者の前記第三者端末に前記提供要求コマンドを送信してもよい。
【0010】
また、前記記憶部は、前記通信端末のユーザに割り当てられたユーザ識別情報に関連付けて、前記通信端末にインストールされたアプリケーションソフトウェアの識別情報を記憶し、前記情報提供部は、前記設定情報要求コマンドを要求した前記通信端末と、インストールしているアプリケーションソフトウェアの種類が類似する前記第三者端末に前記提供要求コマンドを送信してもよい。
【0011】
また、前記記憶部は、前記設定情報の提供元の前記通信端末のユーザに割り当てられたユーザ識別情報に関連付けて評価情報を記憶し、前記情報提供部は、前記設定情報要求コマンドを送信した前記通信端末と同じ機種の複数の前記第三者端末から、それぞれに対応する前記評価情報に基づいて選択した第三者端末に前記提供要求コマンドを送信してもよい。
【0012】
また、前記記憶部は、前記通信端末のユーザに割り当てられたユーザ識別情報に関連付けて、前記設定情報と特典情報とを記憶し、前記情報提供部は、前記設定情報要求コマンドを送信した前記通信端末のユーザと異なる第三者に関連付けて前記記憶部に記憶された前記設定情報を前記通信端末に提供した場合に、提供した前記設定情報に対応する前記ユーザ識別情報に関連付けられた前記特典情報を更新してもよい。
【0013】
前記情報提供部は、前記設定情報の提供先の前記通信端末から、前記設定情報に基づいて変更された箇所の数の通知を受け、変更された箇所の数に基づいて前記特典情報を更新してもよい。
【0014】
また、前記情報提供部は、前記設定情報の提供に対して付与される特典に関する情報を含む前記提供要求コマンドを前記第三者端末に送信してもよい。
【0015】
本発明の第2の態様の情報提供装置は、通信回線を利用した通信が可能な通信端末に情報を提供する情報提供装置であって、前記通信端末の仕様に関連付けて前記通信端末の設定情報を記憶する記憶部と、前記通信端末から前記設定情報を要求する設定情報要求コマンドを受信したことに応じて、前記通信端末の仕様に対応する前記設定情報を前記通信端末に提供する情報提供部と、を有する。
【0016】
本発明の第3の態様の情報提供方法は、コンピュータが、通信回線を利用した通信が可能な通信端末から、前記通信端末に設定する設定情報を要求する設定情報要求コマンドを受信するステップと、前記設定情報要求コマンドを受信したことに応じて、前記通信端末の仕様に対応する前記設定情報を前記通信端末に提供するステップと、を有する。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、通信端末の設定情報を変更しやすくすることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】第1の実施形態に係る通信システムの構成を示す図である。
図2】情報提供装置及び通信端末の構成を示す図である。
図3】装置記憶部が記憶している設定情報データベースの一部の情報を例示する表である。
図4】情報提供装置及び通信端末における処理の流れを示す処理シーケンス図である。
図5】第2の実施形態の情報提供装置及び通信端末における処理の流れを示す処理シーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
<第1の実施形態>
[通信システムSの概要]
図1は、第1の実施形態に係る通信システムSの構成を示す図である。通信システムSは、情報提供装置1と、通信網Nを介して情報提供装置1とデータを送受信できる複数の通信端末2(図1においては、通信端末2a及び通信端末2bを例示)と、を備える。通信網Nは、例えば携帯電話網及びインターネットを含んでいる。通信端末2は、通信回線を利用した通信が可能な端末であり、例えば携帯電話網の無線通信回線にアクセス可能なスマートフォン又はタブレット等である。
【0020】
情報提供装置1は、通信端末2に情報を提供するサーバである。情報提供装置1は、通信端末2における各種の設定に用いられる設定情報を通信端末2に提供する。設定情報は、通信端末2においてユーザが選択可能な設定項目における設定値や動作条件等を示す情報であり、例えば、Wi−Fi(登録商標)を使用するか否か、GPS(Global Positioning System)を使用するか否か、ローミングを行うか否か等に関する設定状態を示す情報である。
【0021】
情報提供装置1は、通信端末2の仕様に関連付けて、各種の設定情報を記憶している。通信端末2の仕様とは、通信端末2が有するCPU(Central Processing Unit)の種別、OS(Operating System)の種別、メモリ容量及び機種名等のように、設定項目や設定値に影響を与える特徴である。通信端末2のユーザは、所定の操作をすることにより、自身の通信端末2に適した設定情報を情報提供装置1からダウンロードすることができる。通信端末2は、ダウンロードした設定情報に基づいて自身の設定内容を更新することにより、ユーザが容易に設定内容を変更することを可能にする。
以下、情報提供装置1及び通信端末2の構成及び動作について詳細に説明する。
【0022】
[情報提供装置1の構成]
図2は、情報提供装置1及び通信端末2の構成を示す図である。情報提供装置1は、装置通信部11と、装置記憶部12と、情報提供部13とを有する。
装置通信部11は、通信網Nを介して通信端末2に設定情報を送信するための通信インターフェースを有する。装置通信部11は、例えばインターネットの終端装置に接続するためのLAN(Local Area Network)コントローラを有する。装置通信部11は、通信端末2から送信される設定情報要求コマンドを受信し、受信した設定情報要求コマンドを情報提供部13に通知する。また、装置通信部11は、情報提供部13から取得した設定情報を通信端末2に対して送信する。
【0023】
装置記憶部12は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)及びハードディスク等の記憶媒体を有する。装置記憶部12は、情報提供部13が実行するプログラムを記憶している。また、装置記憶部12は、通信端末2の仕様に関連付けて設定情報を記憶する。具体的には、装置記憶部12は、通信端末2の仕様と設定情報とが関連付けられた設定情報データベースを記憶している。
【0024】
図3は、装置記憶部12が記憶している設定情報データベースの一部の情報を例示する表である。設定情報データベースは、通信端末2の仕様ごとに複数の設定情報を有している。図3においては、複数の設定情報の例として、設定情報DB1、DB2、DB3を示している。各設定情報は、一以上の設定項目と、各設定項目に対応する設定内容を含んでいる。図3に示す設定情報DB1においては、Wi−Fiが使用できないオフ状態に設定すること、GPSを使用オフ状態に設定すること、スリープ状態に移行するまでの時間を30秒に設定すること等が示されている。
【0025】
なお、装置記憶部12は、通信端末2の仕様に加えて、又は仕様の代わりに、通信端末2の動作特性又は設定対象となる機能に関連付けられた設定情報を記憶してもよい。例えば、装置記憶部12は、電池を消耗しづらい動作特性に対応する設定情報、又は処理速度が大きい動作特性に対応する設定情報を記憶する。このようにすることで、情報提供装置1が、通信端末2のユーザが優先する動作特性に適した設定情報を通信端末2に提供することが可能になる。
【0026】
情報提供部13は、例えばCPU(Central Processing Unit)が、装置記憶部12に記憶されたプログラムを実行することにより実現される。情報提供部13は、通信端末2から設定情報を要求する設定情報要求コマンドを受信したことに応じて、通信端末2の仕様に対応する設定情報を通信端末2に提供する。設定情報要求コマンドには、通信端末2の仕様を示す情報(例えば機種名やOSの種別)が含まれている。情報提供部13は、設定情報要求コマンドに含まれている仕様情報に基づいて通信端末2の仕様を特定し、設定情報データベースに登録されている複数の設定情報のうち、特定した仕様に対応する設定情報を選択する。
【0027】
設定情報要求コマンドに、通信端末2の位置を示す情報が含まれている場合、情報提供部13は、通信端末2の位置に基づいて設定情報を選択してもよい。例えば、情報提供部13は、通信端末2の位置が予め登録された会社の位置である場合、GPSをオフにすることで消費電力を削減可能な設定情報を選択する。このようにすることで、通信端末2は、位置に適した設定内容に柔軟に変更することが可能にある。
【0028】
情報提供部13は、設定情報の提供に先立って、複数の設定対象を含む一覧情報を通信端末に提供してもよい。一覧情報には、例えば、通信端末2において表示される設定項目が含まれている。具体的には、一覧情報には、Wi−Fi設定、GPS設定、ローミング設定、電子メール設定、時刻設定等が含まれる。一覧情報は、「海外に出かける」、「海外から帰国した」、「電池を長持ちさせる」、「処理速度を向上させる」等のように、ユーザの行動や通信端末2の動作特性を示す項目を含んでもよい。
【0029】
[通信端末2の構成]
通信端末2は、電池20と、端末通信部21と、表示部22と、端末記憶部23と、端末制御部24とを有する。端末制御部24は、例えばCPUであり、端末記憶部23に記憶されたプログラムを実行することにより、設定管理部241及びコマンド送信部242として機能する。電池20は、通信端末2の各部に電力を供給する。
【0030】
端末通信部21は、通信網Nを介して情報提供装置1との間でデータを送受信するための通信インターフェースを有する。端末通信部21は、例えば通信網Nに含まれるLTE(Long Time Evolution)の携帯電話網にアクセスするための通信コントローラを有する。端末通信部21は、コマンド送信部242からの指示に基づいて設定情報要求コマンドを情報提供装置1に送信する。また、端末通信部21は、情報提供装置1から送信される設定情報を受信する。端末通信部21は、受信した設定情報を設定管理部241に通知する。
【0031】
表示部22は、情報を表示するディスプレイである。表示部22は、操作画面を表示する。また、表示部22は、端末通信部21が情報提供装置1から受信した設定対象一覧表を表示する。さらに、表示部22は、ディスプレイに重ねて設けられたタッチパネルを有しており、ユーザの操作を受け付けることもできる。表示部22は、受け付けた操作が示す操作内容を端末制御部24に通知する。
【0032】
端末記憶部23は、ROM及びRAM等の記憶媒体を有する。端末記憶部23は、端末制御部24が実行するプログラムを記憶している。また、端末記憶部23は、通信端末2の各種の設定内容を記憶している。具体的には、端末記憶部23は、各種設定項目と設定内容とを関連付けて記憶している。
【0033】
設定管理部241は、情報提供部13から設定情報を受信すると、設定情報に基づいて、端末記憶部23に記憶された通信端末2の設定内容を更新する。また、設定管理部241は、情報提供部13から一覧情報を受信すると、受信した一覧情報を表示部22に表示させる。
【0034】
コマンド送信部242は、端末通信部21を介して、設定情報要求コマンドを情報提供装置1に送信する。情報提供装置1から設定対象の一覧情報が送信されてきた場合、コマンド送信部242は、表示部22に表示された一覧情報から通信端末2のユーザが選択した設定対象を示す情報を含む設定情報要求コマンドを送信する。このように、コマンド送信部242が、ユーザが選択した項目に対応する設定情報要求コマンドを送信することで、ユーザが選択した設定対象に関する設定を容易に更新することが可能になる。例えば、ユーザが海外に出かける時にローミングの設定を変更することは煩雑であるが、通信端末2においては、ユーザが「海外に出かける」という設定対象を選択するだけで、ローミングに関する設定を自動的に変更できるようになるので、ユーザの満足度を向上させることができる。
【0035】
[通信システムSにおける処理シーケンス]
図4は、情報提供装置1及び通信端末2における処理の流れを示す処理シーケンス図である。通信端末2においては、設定管理部241が、ユーザが設定を変更するための操作を行ったかどうかを監視する(S11)。設定管理部241が、設定を変更するための操作が行われたことを検出した場合(S11においてYES)、コマンド送信部242は、設定対象一覧表を要求するコマンドを情報提供装置1に送信する(S12)。設定対象一覧表を要求するコマンドには、通信端末2の仕様を特定するための情報が含まれている。
【0036】
情報提供装置1の情報提供部13は、設定対象一覧表を要求するコマンドを受信すると、通信端末2の仕様に対応する設定対象一覧表を通信端末2に送信する(S13)。通信端末2の設定管理部241は、設定対象一覧表を受信すると、受信した設定対象一覧表を表示部22に表示させる(S14)。なお、通信端末2は、設定対象一覧表を予め端末記憶部23に記憶しておき、コマンド送信部242が設定対象一覧表を要求するコマンドを情報提供装置1に送信することなく、設定管理部241が、端末記憶部23に記憶された設定対象一覧表を表示部22に表示させてもよい。
【0037】
設定管理部241は、設定対象一覧表を表示させた状態で、ユーザが設定対象一覧表から一以上の項目を選択する操作を監視する(S15)。設定管理部241は、一以上の項目を選択する操作が行われたことを検出すると(S15においてYES)、コマンド送信部242に、通信端末2の仕様を特定するための情報を含む設定情報要求コマンドを送信させる(S16)。例えば、ユーザが「海外に出かける」という項目を選択した場合に、コマンド送信部242は、選択された項目に関する設定項目であるローミング設定を要求する設定情報要求コマンドを送信する。
【0038】
情報提供装置1の情報提供部13は、設定情報要求コマンドを受信すると、設定情報要求コマンドを送信した通信端末2の仕様に対応する設定情報のうち、設定情報要求コマンドが示す設定対象の設定情報を選択し、選択した設定情報を送信する(S17)。通信端末2の設定管理部241は、設定情報を受信すると、端末記憶部23に記憶されている各種の設定内容を、受信した設定情報が示す設定内容に更新する(S18)。
【0039】
[通信システムSによる効果]
以上説明したように、情報提供装置1は、通信端末2から設定情報を要求する設定情報要求コマンドを受信したことに応じて、通信端末2の仕様に対応する設定情報を通信端末2に提供する。このようにすることで、通信端末2のユーザは、自らが各種の設定項目を設定する操作をすることなく、自らの通信端末2に適した設定を容易に行うことが可能になる。
【0040】
<第2の実施形態>
第1の実施形態における情報提供装置1は、装置記憶部12に記憶されている設定情報を通信端末2に提供した。これに対して、第2の実施形態における情報提供装置1は、他の通信端末2から取得した設定情報を通信端末2に提供するという点で第1の実施形態と異なり、他の点で同じである。
【0041】
情報提供部13は、通信端末2aから設定情報要求コマンドを受信した場合に、設定情報要求コマンドを送信した通信端末2a以外の通信端末である第三者端末(例えば通信端末2b)に対して設定情報の提供を要求する提供要求コマンドを送信する。情報提供部13は、提供要求コマンドに応じて送信された設定情報を受信すると、受信した設定情報を通信端末2aに送信する。このようにすることで、情報提供装置1の管理者が、多数の通信端末2に適した設定情報を管理しなくてもよくなる。
【0042】
情報提供部13は、例えば、設定情報要求コマンドを要求した通信端末2aと同一の仕様の第三者端末に対して提供要求コマンドを送信する。情報提供部13は、提供要求コマンドに応じて第三者端末から送信された設定情報を、通信端末2aに提供する。このようにすることで、情報提供部13は、予め通信端末2aに適した設定情報を記憶しておくことなく、通信端末2aに適した設定情報を提供することができる。
【0043】
情報提供部13は、通信端末2aからの要求に基づいて第三者端末を選択してもよい。一例として、情報提供部13は、設定情報要求コマンドとともに、第三者端末を指定する情報を通信端末2aから受信し、受信した情報に対応する第三者端末に対して提供要求コマンドを送信することができる。
【0044】
例えば、通信端末2aのユーザが子供である場合、子供は、通信端末2aのアドレス帳を検索して、アドレス帳に登録された母親の通信端末2を選択する。通信端末2aは、アドレス帳から選択された通信端末2の電話番号を含む設定情報要求コマンドを情報提供装置1に送信する。情報提供部13は、通信端末2aから送信された電話番号に対応する母親の通信端末2を第三者端末として選択する。このようにすることで、ユーザは、所望の人が使用している通信端末2の設定情報を自身の通信端末2に設定できるので、家族で同じ内容に設定したいような場合に好適である。
【0045】
また、他の例として、情報提供部13は、設定情報要求コマンドとともに、第三者端末の仕様を指定する情報を通信端末2aから受信し、受信した情報に対応する第三者端末に対して提供要求コマンドを送信することもできる。このような構成は、例えば、ユーザが、自身の通信端末2と同一の仕様(例えば同一のCPU及び同一の容量のメモリを搭載)の第三者端末と同じように設定したい場合に好適である。
【0046】
また、情報提供部13は、通信端末2bから受信した設定情報を、通信端末2bの識別情報(以下、IDという)又は通信端末2bの仕様に関連付けて、装置記憶部12に記憶させてもよい。この場合、情報提供部13は、通信端末2aから設定情報要求コマンドを受信した時点で、通信端末2aの仕様と同等の仕様の他の通信端末2により提供された設定情報が装置記憶部12に記憶されているときには、提供要求コマンドを通信端末2bに送信することなく、通信端末2aに設定情報を提供することができる。このようにすることで、情報提供部13は、通信端末2aから設定情報の要求があった後に、速やかに設定情報を提供することができる。
【0047】
装置記憶部12は、通信端末2のユーザに割り当てられたユーザIDに関連付けてユーザの属性を記憶し、情報提供部13は、設定情報要求コマンドを要求した通信端末2aのユーザと類似する属性を有する第三者の第三者端末に提供要求コマンドを送信してもよい。通信端末2aのユーザと類似する属性を有する第三者の第三者端末においては、通信端末2aのユーザに適した設定がなされている可能性が高い。したがって、このようにすることで、情報提供部13は、通信端末2aのユーザに適した設定情報を提供することができるので、通信端末2aのユーザの満足度を高めることができる。
【0048】
また、装置記憶部12は、通信端末2のユーザに割り当てられたユーザIDに関連付けて、通信端末2にインストールされたアプリケーションソフトウェアのIDを記憶してもよい。そして、情報提供部13は、設定情報要求コマンドを要求した通信端末2aと、インストールされているアプリケーションソフトウェアの種類が類似する第三者の通信端末2に提供要求コマンドを送信する。類似のアプリケーションソフトウェアをインストールしているユーザ同士は、似たような嗜好を持っている可能性が高い。したがって、このようにすることで、情報提供部13は、通信端末2aのユーザに適した設定情報を提供することができるので、ユーザの満足度を高めることができる。
【0049】
[評価情報に基づく設定情報の選択]
また、装置記憶部12は、設定情報の提供元の通信端末2(例えば、設定情報を情報提供装置1に送信する通信端末2b)のユーザに割り当てられたユーザIDに関連付けて評価情報を記憶してもよい。情報提供部13は、設定情報要求コマンドを送信した通信端末2と同じ機種の複数の第三者の通信端末2から、それぞれに対応する評価情報に基づいて選択した第三者の通信端末2に提供要求コマンドを送信する。
【0050】
評価情報は、他の通信端末2から提供された設定情報を受け取った通信端末2のユーザが、受け取った設定情報に基づいて設定変更した後に、設定情報の良否を評価した結果に基づいて、情報提供部13により作成された情報である。評価情報は、例えば0から100までの数値により表され、数値が大きくなればなるほど、設定情報に対する評価が高い。具体的には、最も評価が高い設定情報に対しては評価情報として100が付与され、最も評価が低い設定情報に対しては評価情報として0が付与される。
【0051】
以下、情報提供部13が評価情報を作成する際の各部の処理について説明する。
通信端末2の設定管理部241は、設定情報を受信してから設定情報の内容に基づいて定められる期間が経過した後に、ユーザが、設定変更による満足度を評価するための評価画面を表示する。設定情報の内容に基づいて定められる期間は、例えば、設定情報に基づいて通信端末2の設定変更をした場合に、設定変更をしたことによる効果が生じるまでの期間である。
【0052】
設定管理部241は、設定情報に基づく設定変更が行われてから上記の期間が経過すると、例えば、「とても満足している」、「ほぼ満足している」、「あまり満足していない」、「全く満足していない」という選択肢を含む表示画面を表示部22に表示する。通信端末2は、ユーザが選択肢のうちの一つにタッチすると、タッチされた選択肢を特定する情報(以下、評価結果という)と、評価の対象となった設定情報を特定する情報とを含む、設定情報に対するフィードバック情報を情報提供装置1に送信する。
【0053】
情報提供装置1の情報提供部13は、設定情報の提供先の通信端末2から送信されたフィードバック情報を取得する。情報提供部13は、複数の通信端末2から取得した複数のフィードバック情報に基づいて評価情報を作成する。例えば、情報提供部13は、複数の通信端末2から受信したフィードバック情報に含まれる評価結果に対応する点数の平均値に基づいて評価情報を作成する。具体的には、情報提供部13は、「とても満足している」、「ほぼ満足している」、「あまり満足していない」、「全く満足していない」という各選択肢に対して、それぞれ10点、7点、4点、0点の点数を割り当てて、設定情報ごとに、複数の通信端末2から受信した評価結果の平均値を算出することにより、評価情報を作成する。
【0054】
情報提供部13は、このようにして評価情報を作成し、評価情報に基づいて、通信端末2に提供する設定情報を選択することにより、通信端末2のユーザが満足する確率が高い設定情報を提供することが可能になる。
【0055】
[設定情報の提供者への特典の付与]
情報提供部13は、設定情報の提供元の通信端末2のユーザに対して特典を付与してもよい。情報提供部13は、付与した特典の内容を示す特典情報を、ユーザIDに関連付けて装置記憶部12に記憶させる。装置記憶部12は、ユーザIDに関連付けて、設定情報と特典情報とを記憶する。情報提供部13は、設定情報要求コマンドを送信した通信端末2のユーザと異なる第三者に関連付けて装置記憶部12に記憶された設定情報を、設定情報要求コマンドを送信した通信端末2に提供した場合に、提供した設定情報に対応するユーザIDに関連付けられた特典情報を更新する。
【0056】
ユーザに対して付与される特典は、例えば、ユーザが通信網Nを利用する場合の無料電話時間若しくは無料データ通信である。特典は、ポイント又はギフトのように、通信網Nの利用と関係ないものであってもよい。情報提供部13は、例えば、通信端末2が提供した設定情報が他の通信端末2に設定された回数に基づいて、特典情報の内容を決定する。情報提供部13は、例えば、設定情報の提供先の通信端末2から、設定情報に基づいて変更された箇所の数の通知を受け、変更された箇所の数に基づいて、ユーザIDに関連付けて装置記憶部12に記憶された特典情報を更新する。
【0057】
情報提供部13は、設定情報の提供に対して付与される特典に関する情報を含む提供要求コマンドを第三者の通信端末2に送信してもよい。提供要求コマンドを受信した通信端末2は、特典に関する情報に基づいて、設定情報を提供することによる特典の内容を表示部22に表示する。このようにすることで、通信端末2のユーザが、積極的に設定情報を提供することを促すことができる。
【0058】
[通信端末2から設定情報の提供を受ける際の処理シーケンス]
図5は、第2の実施形態の情報提供装置1及び通信端末2における処理の流れを示す処理シーケンス図である。図5においては、通信端末2aが設定情報を要求し、通信端末2bが設定情報を提供する場合について説明する。
【0059】
まず、通信端末2aは、設定情報要求コマンドを情報提供装置1に送信する(S21)。情報提供装置1の情報提供部13は、通信端末2aに適した設定情報を提供できる可能性がある他の通信端末2(図5においては通信端末2b)に対して、設定情報の提供を要求するための提供要求コマンドを送信する(S22)。
【0060】
通信端末2bの設定管理部241は、提供要求コマンドを受信すると、設定情報の提供が要求されている旨を表示部22に表示させる(S23)。通信端末2bのユーザが、設定情報の提供を承認しない操作をした場合(S24においてNO)、通信端末2bのコマンド送信部242は情報提供装置1に対して拒否応答を送信する。情報提供部13は、拒否応答を受信すると、予め装置記憶部12に記憶された標準設定情報を通信端末2aに送信する(S25)。通信端末2aは、受信した標準設定情報に基づいて設定内容を更新する(S26)。
【0061】
ステップS24において、通信端末2bのユーザが、設定情報の提供を承認する操作をした場合(S24においてYES)、通信端末2bのコマンド送信部242は、情報提供装置1に設定情報を送信する(S27)。情報提供部13は、設定情報を受信すると、受信した設定情報を通信端末2aに送信する(S28)。通信端末2aは、受信した設定情報に基づいて設定内容を更新する(S29)。
【0062】
[第2の実施形態に係る通信システムSによる効果]
以上説明したように、第2の実施形態に係る通信システムSにおいては、情報提供装置1が通信端末2aから設定情報要求コマンドを受信すると、情報提供装置1は、通信端末2a以外の通信端末2bから取得した設定情報を通信端末2aに送信する。この際、情報提供装置1は、通信端末2aと同一の仕様の通信端末2b、ユーザの属性が類似する通信端末2b、インストールされたアプリケーションソフトウェアが類似する通信端末2b等から取得した設定情報を通信端末2aに送信することで、通信端末2a又は通信端末2aのユーザに適した設定情報を通信端末2aに提供することができる。したがって、通信システムSは、通信端末2aのユーザの満足度を高める確率が高くなるという効果を奏する。
【0063】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。特に、装置の分散・統合の具体的な実施形態は以上に図示するものに限られず、その全部又は一部について、種々の付加等に応じて、又は、機能負荷に応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。
【符号の説明】
【0064】
1 情報提供装置
11 装置通信部
12 装置記憶部
13 情報提供部
2 通信端末
20 電池
21 端末通信部
22 表示部
23 端末記憶部
24 端末制御部
241 設定管理部
242 コマンド送信部
図1
図2
図3
図4
図5