特許第6578275号(P6578275)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6578275チオール標識のための3−アリールプロピオニトリル化合物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6578275
(24)【登録日】2019年8月30日
(45)【発行日】2019年9月18日
(54)【発明の名称】チオール標識のための3−アリールプロピオニトリル化合物
(51)【国際特許分類】
   C07C 319/18 20060101AFI20190909BHJP
   C07K 1/13 20060101ALI20190909BHJP
   C07C 255/37 20060101ALI20190909BHJP
   C07C 255/42 20060101ALI20190909BHJP
   C07C 255/44 20060101ALI20190909BHJP
   C07C 255/43 20060101ALI20190909BHJP
   C07C 255/35 20060101ALI20190909BHJP
   C07C 255/40 20060101ALI20190909BHJP
   C07C 255/41 20060101ALI20190909BHJP
   C07C 309/42 20060101ALI20190909BHJP
   C07C 331/28 20060101ALI20190909BHJP
   C07C 335/22 20060101ALI20190909BHJP
   C07C 309/13 20060101ALI20190909BHJP
   C07C 321/14 20060101ALI20190909BHJP
   C07F 5/04 20060101ALI20190909BHJP
   C07F 9/54 20060101ALI20190909BHJP
   C07F 7/10 20060101ALI20190909BHJP
   G01N 33/58 20060101ALI20190909BHJP
   C07D 337/04 20060101ALI20190909BHJP
   C07D 409/06 20060101ALI20190909BHJP
   C07D 249/06 20060101ALI20190909BHJP
   C07D 265/38 20060101ALI20190909BHJP
   C07D 405/12 20060101ALI20190909BHJP
   C07D 207/448 20060101ALI20190909BHJP
   G01N 21/64 20060101ALI20190909BHJP
   C07C 321/18 20060101ALI20190909BHJP
【FI】
   C07C319/18
   C07K1/13
   C07C255/37CSP
   C07C255/42
   C07C255/44
   C07C255/43
   C07C255/35
   C07C255/40
   C07C255/41
   C07C309/42
   C07C331/28
   C07C335/22
   C07C309/13
   C07C321/14
   C07F5/04 C
   C07F9/54
   C07F7/10 J
   G01N33/58 A
   G01N33/58 Z
   C07D337/04
   C07D409/06
   C07D249/06 501
   C07D265/38
   C07D405/12
   C07D207/448
   G01N21/64 F
   C07C321/18
【請求項の数】5
【全頁数】100
(21)【出願番号】特願2016-522652(P2016-522652)
(86)(22)【出願日】2014年7月4日
(65)【公表番号】特表2016-536292(P2016-536292A)
(43)【公表日】2016年11月24日
(86)【国際出願番号】EP2014064387
(87)【国際公開番号】WO2015001117
(87)【国際公開日】20150108
【審査請求日】2017年6月22日
(31)【優先権主張番号】13305950.1
(32)【優先日】2013年7月4日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】509228260
【氏名又は名称】ユニヴェルシテ・ドゥ・ストラスブール
(73)【特許権者】
【識別番号】500531141
【氏名又は名称】セントレ・ナショナル・デ・ラ・レシェルシェ・サイエンティフィーク
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】アラン・ワーグナー
(72)【発明者】
【氏名】オレクサンドル・コニエフ
【審査官】 奥谷 暢子
(56)【参考文献】
【文献】 特表2011−515698(JP,A)
【文献】 特表2005−503372(JP,A)
【文献】 FURSTNER, Alois, et al.,JOURNAL OF THE AMERICAN CHEMICAL SOCIETY,2001年,123(48),pp. 11863-11869
【文献】 LACY, Adam R. , et al.,EUROPEAN JOURNAL OF ORGANIC CHEMISTRY,2013年,2013(5),pp. 869-879
【文献】 GOVINDAPPA, Vasanth Kumar, et al.,DER PHARMA CHEMICA,2012年,4(6),pp. 2283-2287
【文献】 TANCINI, Francesca, et al.,EUROPEAN JOURNAL OF ORGANIC CHEMISTRY,2012年,2012(14),pp. 2756-2765
【文献】 MCINTOSH, Melissa L. , et al.,THE JOURNAL OF ORGANIC CHEMISTRY,2012年,77(2),pp. 1101-1112
【文献】 ESTARELLAS, Carolina, et al.,CHEMPHYSCHEM,2011年,12(15),pp. 2742-2750
【文献】 LUCAS, Xavier, et al.,THE JOURNAL OF PHYSICAL CHEMISTRY A,2010年,114(4),pp. 1926-1930
【文献】 WEBER, Daniela, et al.,Z. Naturforsch,2007年,62c,pp. 567-570
【文献】 KIM, Joong-Gon, et al.,TETRAHEDRON LETTERS,2007年,48(13),pp. 2299-2301
【文献】 WANG, Teng, et al.,ADVANCED SYNTHESIS & CATALYSIS,2013年,355(6),pp. 1207-1210
【文献】 BORIS TROFIMOV; ANASTASIYA MAL'KINA; OLESYA SHEMYAKINA,SYNTHESIS OF FUNCTIONALIZED L-CYSTEINE AND L-METHIONINE BY REACTION WITH 以下備考,SYNTHESIS, [ONLINE],THIEME CHEMISTRY,2009年 7月10日,VOL:2009, NR:18,,PAGE(S):3136 - 3142,ELECTRON-DEFICIENT ACETYLENES,URL,http://dx.doi.org/10.1055/s-0029-1217602
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07C 319/18
C07C 255/35
C07C 255/37
C07C 255/40
C07C 255/41
C07C 255/42
C07C 255/43
C07C 255/44
C07C 309/13
C07C 309/42
C07C 321/14
C07C 321/18
C07C 331/28
C07C 335/22
C07D 207/448
C07D 249/06
C07D 265/38
C07D 337/04
C07D 405/12
C07D 409/06
C07F 5/04
C07F 7/10
C07F 9/54
C07K 1/13
G01N 21/64
G01N 33/58
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
チオール部位を含む標識化合物の調製のための方法であって、チオール部位を含む化合物を、式(I):
【化1】
式中、R〜Rが、それぞれ:
− 水素原子、
− O、NおよびSの中から選択された少なくとも1つのヘテロ原子によって場合により中断されたアルキル、アルケンまたはアルキン基、
− アリール基、
− アルコキシ基、
− ハロゲン原子、
− アミノ(−NRR’)基、式中、RおよびR’は、独立して、水素原子、アルキル、アルケン、アルキンまたはアリール基である、
− ヒドロキシルアミン(−ONH)基、
− ヒドラジン(−NH−NH)基、
− ニトロ(−NO)基、
− アジド(−N)基、
− ジアゾニウム(−N)基、
− マレイミド基、
− アルキルまたはアリールカルボキシル(−C(=O)OR)基、
− アルキルまたはアリールカルボニル(−C(=O)R)基、
− ヒドロキシル(−OH)基、
− ホウ酸−B(OR”)基、式中、R”は水素原子またはアルキル基である、
− ホスフィンまたはホスホニウム基、
− イソシアネート(−N=C=O)またはイソチオシアネート(−N=C=S)基、
− クロロスルホニル(−SOCl)基、
− −O−C(=O)−C(N)−CF基または−C(=O)−C(NCF基、
− −C(=O)−NHS、過フッ素化エステルおよびアシルウレアから選択される活性化エステル、
− −C≡C−C≡N基、ならびに
− 先に列挙された基の少なくとも1つによって置換されたアルキル基
からなる群から独立して選択され、
〜Rの少なくとも1つが、場合により、リンカー基を通じてフェニル環に結合し、かつ、抗体、薬物、または蛍光プローブから選択される、タグ部位を含む;
の化合物と接触させることを含む方法。
【請求項2】
式(I):
【化2】
式中、R〜Rは、請求項1に定義されている通りである、
の化合物。
【請求項3】
以下:
【化3-1】
【化3-2】
【化3-3】
からなる群から選択される、化合物。
【請求項4】
化合物が、以下:
【化4】
からなる群から選択される、請求項3に記載の化合物。
【請求項5】
式(III):
【化5】
式中、R〜Rは、請求項1に記載の通りであり、R−Sが、少なくとも1つのチオール部位を含む−SHであるタンパク質に由来する
の化合物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、チオール部位を含む化合物を3−アリールプロピオニトリル化合物によって標識するための方法、タグ部位によって置換された3−アリールプロピオニトリル化合物、および特定の3−アリールプロピオニトリルリンカーに関する。
【背景技術】
【0002】
ヒトタンパク質の90%超がシステインを含有する一方で、ヒトプロテオームのコンピュータ内消化では、質量分析(MS)によって検出可能な全てのヒトトリプシンペプチドのうち約15%だけが、その配列において、少なくとも1種のシステインを含有することが明らかになった。この観察は、側鎖における高反応性チオール基の存在と組み合わされて、システインを化学標識の魅力的な標的にする。システインは、タンパク質に存在する傾向にあるあらゆる他の求核官能基の反応性を大幅に超える求核スルフヒドリル(またはチオール)基(−SH)を持つ唯一のコード化アミノ酸である。その結果、化学特異的なシステイン誘導体化は、間違いなく、タンパク質の化学的タグ付けのための最も広く用いられている方法である。これまで文献において報告されている膨大な量の化学的なシステイン修飾方法の中でも、N−置換マレイミド、4−ビニルピリジンおよびヨードアセトアミドなどの試薬が最も一般的に用いられている。これらはいずれも、この役割には適しているが、システイン標識のための理想的な方法ではないという欠点を持っている。かかる欠点は、主に、特にヨードアセトアミドおよびマレイミドに関する望ましくない副反応が存在すること、ならびに、可逆性のチオール交換および他の副反応に起因して、付加物が生体環境において不安定であるということである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、少なくとも1つのチオール部位を含む化合物、例えばシステインを、タグ部位および3−アリールプロピオニトリル部位を含む化合物によって標識するための方法に関する。上記化合物およびシステイン誘導体を含むその付加物は、広範な条件において予想外の安定性を示す。そのため、本発明のチオール部位を含む化合物を標識するための方法は、広範な用途に用いられ得る。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の第1目的は、チオール部位を含む標識化合物の調製のための方法であって、チオール部位を含む化合物を式(I)の化合物:
【化1】
式中、R〜Rは下記の通りであり、R〜Rの少なくとも1つがタグ部位を含む;と接触させることを含む方法である。
【0005】
本発明の別の目的は、式(I):
【化2】
式中、R〜Rは以下に定義の通りであり、R〜Rの少なくとも1つがタグ部位を含む;の化合物である。
【0006】
本発明の別の目的は、式(II):
【化3】
式中、R〜Rは以下に定義の通りであり、R〜Rの少なくとも1つが水素原子とは異なる;の化合物である。
【0007】
本発明の別の目的は、式(III):
【化4】
式中、R−Sは、上記で特定された、少なくとも1つのチオール部位を含む化合物の部位に相当する;の化合物である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1:同濃度の化合物AおよびBについてヒト血漿において得られた蛍光強度の経時的発展。
図2a図2a):同濃度の化合物AおよびBについてインセルロで得られた蛍光強度の経時的発展。
図2b図2b):インセルロでの種々の時間における化合物B/化合物Aの強度比。
図2c図2c):化合物AおよびB、TAMRAの重ね合わせならびにヘキスト標識によって処理した細胞の顕微鏡写真。核の周囲の白色スポットは、加水分解されたプローブに相当する。A−アリールプロピオニトリルプローブ、B−マレイミドプローブ。
図3図3:25℃、1mMの濃度におけるPBS(1×、pH7.6)中のフェニルマレイミド(2)の加水分解のHPLCモニタリング;ピークは、最古から最新のものまで
【化5】
に相当する;転換は、出発物質(a)の消失によってモニタリングした。反応の疑似一次速度定数は、ln([フェニルマレイミド])対時間をプロットし、線形回帰によって分析することにより求めた。この定数は、求めた傾きの絶対値(b)に相当する。
図4図4:25℃、1mMの濃度におけるPBS(1×、pH7.6)中のN−(4−(シアノエチニル)フェニル)アセトアミド(pNHAc−APN、11)の加水分解のHPLCモニタリング。転換は、出発物質の消失によってモニタリングした;ピークは、最古から最新のものまで
【化6】
に相当する。アリールプロピオニトリル11の検出不能な転換は、5時間のモニタリング後に観察した。
図5図5:化合物1、2、3、5、7、11、10および9についてのMTT試験結果。
図6図6a):CD38およびCD38A275C突然変異体の概略構造および測定されたDLSスペクトル;b):49によるCD38A275C修飾のスキーム;c)得られたコンジュゲートのDLS(動的光散乱)スペクトル。
図7図7:精製前(a)および精製後(b)の、本発明の化合物によっておよび対応するマレイミド化合物によって標識したCD38−C375突然変異体のゲル電気泳動。
図8図8:本発明の化合物による抗体−TAMRAコンジュゲートの調製のストラテジー、および対応するマレイミドとの比較。
図9図9:本発明の化合物(CBTF)によっておよび対応するマレイミド(SMCC)によってそれぞれ得られたコンジュゲートのゲル電気泳動。
図10図10:本発明の化合物によって得られたコンジュゲートの質量スペクトル。
図11図11図10の質量スペクトルの拡大。
図12図12:マレイミドによって得られた質量スペクトル。
図13図13図12の質量スペクトルの拡大。
図14図14:部分還元トラスツズマブに対する化合物58の直接コンジュゲーションの一般スキーム。
図15図15:得られたコンジュゲートのSDS−PAGE分析は、化合物58が抗体に共有結合していることを示す。
図16図16:化合物33および34を用いた抗体フラグメントの再架橋の一般スキーム。
図17図17:SDS−PAGE分析は、抗体フラグメントが、化合物33および34によって成功裏に架橋されていることを示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の第1目的は、チオール部位を含む化合物の標識のための方法であって、チオール部位を含む化合物を、式(I):
【化7】
式中、R〜Rは、それぞれ:
− 水素原子、
− O、NおよびSの中から選択された少なくとも1つのヘテロ原子によって場合により中断されたアルキル、アルケンまたはアルキン基、
− アリール基、
− アルコキシ基、
− ハロゲン原子、
− アミノ(−NRR’)基、式中、RおよびR’は、独立して、水素原子、以下に定義するアルキル、アルケン、アルキンまたはアリール基である、
− ヒドロキシルアミン(−ONH)基、
− ヒドラジン(−NH−NH)基、
− ニトロ(−NO)基、
− アジド(−N)基、
− 場合により対イオンの存在下にジアゾニウム(−N)基、
− マレイミド基、
− アルキルまたはアリールカルボキシル(−C(=O)OR)基、式中、Rは、上記の通りである、
− アルキルまたはアリールカルボニル(−C(=O)R)基、式中、Rは、上記の通りである、
− ヒドロキシル(−OH)基、
− ホウ酸−B(OR”)基、式中、R”は水素原子またはアルキル基である、
− ホスフィンまたはホスホニウム基、
− イソシアネート(−N=C=O)またはイソチオシアネート(−N=C=S)基、
− クロロスルホニル(−SOCl)基、
− −O−C(=O)−C(N)−CF基または−C(=O)−C(NCF基、
− 活性化エステル、例えば−C(=O)−NHS、式中、NHSは、N−ヒドロスクシンイミジル、過フッ素化エステル、およびアクリルウレアを表す、
− −C≡C−C≡N基、
− タグ、ならびに
− 先に列挙された基の少なくとも1つによって置換されたアルキル基
からなる群から独立して選択され、
〜Rの少なくとも1つが、タグ部位を含み、好ましくはタグ部位であり、
代替的には、R〜Rのうち2つが、これらが連結するフェニル環の炭素原子と一緒になって、少なくとも1つのヘテロ原子、例えばP、OまたはSを場合により含む、飽和、不飽和または芳香族の単または多環式環を形成していてよい;
の化合物と接触させることを含む方法である。
【0010】
式(I)の化合物から構成されているタグ部位は、フェニル環に直接結合していてよい。また、該タグ部位は、「リンカー」基、例えばCOO、NH−C(=O)−NH、NH−C(=O)−O、トリアゾール、またはCONH基を通してフェニル環に結合していてもよい。また、該タグ部位は、上記のR〜R基の1つの置換基として存在していてもよい。好ましい実施形態において、Rは、タグ部位を含み、Rは、好ましくはタグ部位である。
【0011】
本発明において、用語「アルキル」は、1〜20個の炭素原子、好ましくは1〜6個の炭素原子、特に1〜3個の炭素原子を含む線状、環状または分枝状炭化水素基に関する。アルキル基の中でも、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシルおよびシクロヘキシル基を挙げることができる。本発明によるアルキル基は、Si、N、OおよびSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子によって中断されていてよい。少なくとも1つのヘテロ原子によって中断されたアルキル基の中でも、式−(OCH−CH−OH:式中、nは1〜1000、好ましくは1〜100、特に1〜8である;のポリエチレングリコール基を挙げることができる。本発明によるアルキル基は、少なくとも1つのハロゲン原子によって置換されていてよい。
【0012】
用語「アルケン」は、少なくとも1つのC=C二重結合をさらに含む、先に定義したアルキル基に関する。
【0013】
用語「アルキン」は、少なくとも1つのC≡C三重結合をさらに含む、先に定義したアルキル基に関する。アルキン基の中でも、例えば、アセチレンおよびシクロオクチン基を挙げることができる。
【0014】
用語「アルコキシ」は、分子の残部に酸素原子を介して連結している、先に定義したアルキル基に関する。
【0015】
用語「アリール」は、二重結合および/または非結合二重項からなる共役π系を含む少なくとも1つの平面環を含む基であって、該環の各原子がp軌道を含んでおり、p軌道が、互いに重複しており、π電子の非局在化が分子エネルギーを低下させる、上記基に関する。好ましくは、アリール基は、N、OおよびSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を場合により含む炭化水素アリール基である。好ましくは、アリール基は、フェニル、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、トリアジニル、フラニル、チオフェニル、ピロリル、イミダゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、ジヒドロイソオキサゾリル、トリアゾリル、ジアジニル、テトラジニル、ピラゾリルおよびナフチル基からなる群から選択される。特に、アリール基は、オキサゾリル、ジヒドロオキサゾリル、トリアゾリル、ジアジニル、テトラジニルおよびピラゾリル基からなる群から選択される。
【0016】
用語「ハロゲン」は、F、Cl、BrおよびI原子からなる群から選択される原子に関する。好ましくは、ハロゲンは、ClまたはBr原子である。
【0017】
化合物の光学および幾何異性体、ラセミ体、互変異性体、塩、水和物、溶媒和物ならびにこれらの混合物も、本発明の式(I)、(II)、(III)および(IV)の範囲に包含される。
【0018】
本発明の化合物は、塩の形態であるとき、好ましくは薬学的に許容可能な塩である。かかる塩として、薬学的に許容可能な酸付加塩、薬学的に許容可能な塩基付加塩、薬学的に許容可能な金属塩、アンモニウムおよびアルキル化アンモニウム塩が挙げられる。酸付加塩として、無機酸および有機酸の塩が挙げられる。好適な無機酸の代表例として、塩化水素酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、リン酸、硫酸、硝酸などが挙げられる。好適な有機酸の代表例として、ギ酸、酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、安息香酸、桂皮酸、クエン酸、フマル酸、グリコール酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、シュウ酸、ピクリン酸、ピルビン酸、サリチル酸、コハク酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、酒石酸、アスコルビン酸、パモン酸、ビスメチレンサリチル酸、エタンジスルホン酸、グルコン酸、シトラコン酸、アスパラギン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、EDTA、グリコール酸、p−アミノ安息香酸、グルタミン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、過塩素酸塩、ホウ酸塩、酢酸塩、安息香酸塩、ヒドロキシナフトエ酸塩、グリセロリン酸塩、ケトグルタル酸塩などが挙げられる。薬学的に許容可能な無機または有機酸の酸付加塩のさらなる例として、J.Pharm.Sci.1977,66,2に列挙されている薬学的に許容可能な塩が挙げられる。好ましくは、当該塩は、いずれのチオール部位も含まない。
【0019】
「対イオン」は、ジアゾニウム基の電荷を補償するのに適切ないずれのイオンであってもよく、当業者によって容易に選択され得る。例えば、対イオンは、ハロゲン化物、BF、NO、HSO、PF、CHCOO、N(SOCF、CFSO、CHSO、CFCOO,(CHO)(H)POおよびN(CN)からなる群から選択されてよい。
【0020】
本発明において、ヒドロキシル(OH)、アミノ(NHまたはNHR)およびカルボキシル(COOH)基は、適切な保護基によって保護されていてよい。T.W.Green,P.G.M.Wuts,Protective Groups in Organic Synthesis,Wiley-Interscience,New York,1999を参照することができる。
【0021】
ヒドロキシル基のための保護基の中でも、アセチル(Ac)、ベンゾイル(Bz)、ベンジル(Bn)、β−メトキシエトキシメチルエーテル(MEM)、ジメトキシトリチル、[ビス−(4−メトキシフェニル)フェニルメチル](DMT)、メトキシメチルエーテル(MOM)、メトキシトリチル[(4−メトキシフェニル)ジフェニルメチル、MMT)、p−メトキシベンジルエーテル(PMB)、メチルチオメチルエーテル、ピバロイル(Piv)、テトラヒドロピラニル(THP)、テトラヒドロフラン(THF)、およびトリチル(トリフェニルメチル、Tr)を挙げることができる。
【0022】
アミノ基のための保護基の中でも、カルバミン酸t−ブチル(Boc)、カルバミン酸2−トリメチルシリルエチル(Teoc)、カルバミン酸1−(1−アダマンチル)−1−メチルエチル(Adpoc)、カルバミン酸1−メチル−1−(4−ビフェニル)エチル(Bpoc)、カルバミン酸1−(3,5−ジ−t−ブチルフェニル)−1−メチルエチル(t−Bumeoc)、カルバミン酸1−アダマンチル(Adoc)、カルバミン酸p−メトキシベンジル(Moz)、カルバミン酸9−アントリルメチル、カルバミン酸ジフェニルメチル、カルバミン酸9−フルオレニルメチル(Fmoc)、カルバミン酸9−(2−スルホ)フルオレニル(Fluoroenyl)メチル、カルバミン酸9−(2,7−ジブロモ)フルオレニルメチル、カルバミン酸2,7−ジ−t−ブチル−[9−(10,10−ジオキソ−10,10,10,10−テトラヒドロチオキサンチル)]メチル(DBD−Tmoc)、カルバミン酸2−(N,N−ジシクロヘキシルカルボキシアミド)エチル、カルバミン酸2−ホスホリノ(Phosphonio)エチル(Peoc)、カルバミン酸2−フェニルエチル、カルバミン酸ベンジル(Cbz)、カルバミン酸アリル(Alloc)、カルバミン酸1−イソプロピルアリル(Ipaoc)、カルバミン酸4−ニトロシンナミル(Noc)、カルバミン酸8−キノリルおよびN−フタルイミドを挙げることができる。
【0023】
カルボキシル基のための保護基の中でも、メチルエステル、ベンジルエステル、tert−ブチルエステル、シリルエステル、2,6−ジメチルフェノール、2,6−ジイソプロピルフェノール、および2,6−ジ−tert−ブチルフェノールを挙げることができる。
【0024】
用語「タグ」または「タグ部位」は、以下のうち1つまたはいくつかを可能にするのに適切な化学基に関する:
− 化合物の検出、
− 化合物による対象薬剤のベクトル化、
− 化合物の可溶化、
− 化合物の安定化、
− 化合物の抽出および/または精製の改善、
− 化合物のADME(投与、分布、代謝、排泄)パラメータの少なくとも1つの変更;
− 化合物への生物活性の付加;
− クリック化学のための適切な官能性の付加。
【0025】
したがって、かかるタグを含む、本発明の化合物は、検出、対象薬剤のベクトル化、可溶化、安定化、抽出および/もしくは精製の改善、ADME(投与、分布、代謝、排泄)パラメータの少なくとも1つの変更;生物活性の付加;ならびに/またはクリック化学のための適切な官能性の付加のためのツールとして用いられ得る。
【0026】
本発明の化合物の検出を可能にするのに適切な化学基は、当業者に公知のいずれの分析技術によっても同定および/または定量化され得るいずれの化学基であってもよい。検出のためのタグの中でも、蛍光、例えば蛍光プローブ、例えばフルオレセイン、量子ドット、シアニン染料Cy3(登録商標)およびCy5(登録商標)、Alexa Fluor(登録商標)染料、Dylight fluor(登録商標)染料、IRIS(登録商標)染料、Seta(登録商標)染料、SeTau(登録商標)染料、SRfluor(登録商標)染料、Square(登録商標)染料、Nile red、FL[AM1]またはカルボキシテトラメチルローダミン(TAMRA);核磁気共鳴(NMR)タグ、例えばキセノンまたはランタノイド(特にテルビウムTbまたはユーロピウムEu);磁気共鳴イメージング(MRI)造影剤、例えばGdキレート;質量分析タグ、例えばトリス(2,4,6−トリメトキシフェニル)ホスホニウム(TMPP)または同位体コード化タグ;赤外(IR)タグ;ポジトロン放出断層撮影(PET)タグ;単光子放出コンピュータ断層撮影(SPECT)タグ;三重水素または重水素原子;顕微鏡タグ、例えば金ナノ粒子;消光剤、例えばダブシル(ジメチルアミノアゾベンゼンスルホン酸)を挙げることができる。
【0027】
本発明の化合物によって対象薬剤のベクトル化を可能にするのに適切な化学基は、化合物および/または対象薬剤が適切な組織または器官、例えば肝臓または膀胱に到達するのを助けるのに適切ないずれの化学基または生体部位であってもよい。例えば、ベクトル化タグは、ミセル、逆ミセルもしくはリポソーム、例えば両親媒性化学基、ナノもしくはミクロ粒子、ウイルスベクター、ポリマー、フォレート、アンモニウム基、ペプチド、EGFR(上皮成長因子受容体)リガンドまたは抗体を形成することができる化学基であってよい。
【0028】
化合物の安定化を可能にするのに適切な化学基は、好ましくはインビボで化合物の半減期の増加を提供する化学基である。例えば、安定化タグは、アルブミン、例えばヒト血清アルブミンHASまたはウシ血清アルブミンBSAであってよい。
【0029】
化合物のADMEパラメータの変更を可能にするのに適切な化学基は、例えば、治療剤、薬物、プロドラッグ、式−(OCH−CH−OR”のポリエチレングリコール(式中、R”は水素原子またはアルキル基であり、nは、1〜1000、好ましくは1〜100、特に1〜8である)、ペプチド、例えばプロリン−アラニン−セリン(Pro−Ala−Ser)またはポリ−Glu、ポリペプチド、例えばXTEN組み換えポリペプチド、脂質、例えばパルミチン酸、炭化水素、ヒドロキシエチルデンプン、核酸、例えばDNAまたはRNA、特にsiRNAであってよい。用語「プロドラッグ」は、薬物にインビボで変換可能な薬物の変異体に関する。用語「ペプチド」は、1〜20、好ましくは1〜10のアミノ酸を含むペプチドに関する。
【0030】
適切なタグの選択、例えば、エチレングリコール部位の数の決定は、所望のADMEの変更に応じて当業者によって容易に調整され得る。
【0031】
化合物の抽出および/または精製を可能にするのに適切な化学基は、本発明の化合物の抽出および/または精製を好ましいものにするおよび/または促進するいずれの化学基であってもよい。抽出および/または精製タグの中でも、ビオチン、キレートタグ、例えばDTPA(ジエチレントリアミン五酢酸)、EDTA(エチレンジアミン−N,N,N’,N’−四酢酸)、NTA(ニトリロトリ酢酸)およびD4(オクタメチルシクロテトラシロキサン)、タンパク質タグ、例えばポリアルギニンもしくはポリヒスチジンタグ、好ましくはHis6またはHis10タグ、FLAG−タグ、Strep−タグ、c−myc−タグ、S−タグ、カルモジュリン結合ペプチド、セルロース結合ドメイン、SBP−タグ、キチン結合ドメイン、グルタチオンS−トランスフェラーゼタグ、マルトース結合タンパク質、NusA、TrxAおよびDsbAタグ、ボロン酸タグ、例えば[(3−オキソスピロ[イソベンゾフラン−1(3H),9’−[9H]キサンテン]−3’,6’−ジイル)ビス(イミノメチレン−2,1−フェニレン)]ビス−(9Cl)、パーフルオロアルキル基、イオン性(カチオン性またはアニオン性)基、例えばアンモニウム基、ならびに固体表面、例えばポリマー材料、特にポリエチレンビーズ、ナノ粒子、特に磁気ナノ粒子、チップ、シリカビーズまたはシリカウェハを挙げることができる。
【0032】
生物活性の付加に適切な化学基は、少なくとも1つの放射性同位体、例えば131I、90Y、89Sr、もしくは153Smを含む化学基、またはこれらの誘導体であってよい。
【0033】
クリック化学における反応に適切な化学基は、例えば、アジド(例えば、N)および歪みアルキン、特に環状アルキンからなる群から選択される化学基であってよい。環状アルキンの中でも、例えば、ビシクロノニン(BCN)およびテトラメチルチエピニウム(TMTI)部位を挙げることができる。
【0034】
実施形態において、R〜Rは、それぞれ:
− アルキン基、
− アミノ基、
− ヒドロキシルアミン(−ONH)基、
− ヒドラジン(−NH−NH)基、
− アジド(N)基、
− 好ましくは対イオンの存在下にジアゾニウム(N)基、
− マレイミド基、
− カルボン酸基、
− アルデヒド(−CHO)基、
− ホウ酸−B(OR”)基、式中、R”は上記の通りである、および
− 活性化エステル;からなる群から独立して選択される。
【0035】
好ましい実施形態において、R〜Rのいずれもが、遊離SH基を含まない。好ましい実施形態において、Rおよび/またはRは、アミノ基、ヒドロキシルアミン基、ヒドラジン基またはヒドロキシル基などのいずれの求核基も含まない。
【0036】
特定の実施形態において、R〜Rのうち1、2、3、4または5つが、水素原子とは異なる。
【0037】
特定の実施形態において、R〜Rの少なくとも1つが、チオール(SH)部位、アミン(NH)部位およびカルボン酸(COOH)部位からなる群から選択される化学基との共有結合をさらに形成するのに適切な少なくとも1つの部位を含む。チオール部位との共有結合を形成するのに適切な部位の中でも、マレイミド部位を挙げることができる。アミン部位との共有結合を形成するのに適切な部位の中でも、NHS−エステル部位を挙げることができる。
【0038】
本発明の式(I)の化合物の中でも、以下の化合物を挙げることができる:
【化8-1】
【化8-2】
【化8-3】
【0039】
式(I)の化合物の中でも、以下の化合物を挙げることもできる:
【化9-1】
【化9-2】
【化9-3】
【化9-4】
【0040】
本発明の化合物の合成
本発明の式(I)または(II)の化合物は、例えば薗頭カップリングを介してプロパルギルアルコールとのカップリングによって、例えば、対応するヨードアレーンから二工程で合成され得る。カップリングには、好ましくは酸化が続く;例えば、酸化は、アンモニア溶液の存在下にMnOによって実施されるタンデム酸化であってよい。代替的には、本発明の化合物は、アリールアルキンのシアノ化によって合成され得る。シアノ化は、例えば、CuCN、アリールイソシアネート、シアノベンゾトリアゾールまたはシアノイミダゾールによって実施されてよい。
【0041】
少なくとも1つのチオール部位を含む化合物の標識
式(I)の化合物は、少なくとも1つのチオールSH部位を含む化合物を標識するための方法において用いられ得る。好ましくは、本発明の方法は、式(I)の少なくとも1つの化合物を、少なくとも1つのチオールSH部位を含む化合物、またはかかる化合物を含む傾向にあるサンプルと接触させることを含む。好ましくは、サンプルは、生体サンプル、特に水性サンプルである。
【0042】
本発明において用語「標識」は、チオール部位の硫黄原子と式(I)の化合物のプロピオニトリル部位との間の共有結合の形成を称する。
【0043】
チオール部位(R−SH化合物)を含む化合物は、例えば、フルオロフォア、消光剤、アミノ酸、ペプチド、タンパク質、酵素、薬物、プロドラッグおよび/または薬物代謝産物であり得る。
【0044】
は、チオール(SH)基に結合して「チオール部位を含む化合物」を形成するいずれの化学基であってもよい。Rは、炭素、水素、酸素、窒素、リン、および/または硫黄原子を好ましくは含む。
【0045】
特に、チオール部位を含む化合物は、システイン、または誘導体、例えばそのエステル、または少なくとも1つのシステイン残基を含むペプチドもしくはンパク質であり得る。代替的には、チオール部位を含む化合物は、少なくとも1つの遊離SH基を与える表面であってよい。
【0046】
式(I)の化合物によるチオール部位を含む化合物の標識は、多数の用途に用いられ得る。
【0047】
第1実施形態において、式(I)の化合物によるチオール部位を含む化合物の標識は、サンプルにおけるチオール部位を含む化合物の検出および/または定量化に用いられ得る。検出とは、本発明では、サンプルにおいて所望の化合物の有無を特定することを意味する。サンプルは、少なくとも1つのチオール部位を含む化合物を含む傾向にあるいずれのサンプルであってもよい。例えば、サンプルは、生体サンプル、例えば、生体液、例えば血液、血漿、血清、唾液、尿など、天然産物の抽出物、生体組織、もしくはその一部、または細胞を含む媒体であってよい。
【0048】
第2実施形態において、式(I)の化合物によるチオール部位を含む化合物の標識は、チオール部位を含む化合物の、その物理化学特性を改善する部位によるコンジュゲーションに用いられ得る。例えば、コンジュゲート部位は、チオール部位を含む化合物の溶解度を改善し、またはその合成および/もしくは精製を改善することができる。
【0049】
第3実施形態において、式(I)の化合物によるチオール部位を含む化合物の標識は、チオール部位を含む化合物の、対象化合物、例えば薬物、プロドラッグ、炭化水素またはタンパク質によるバイオコンジュゲーションに用いられ得る。
【0050】
例えば、タグとして対象化合物を含む式(I)の化合物は、少なくとも1つのチオール部位を含む化合物に対する対象化合物の選択的ベクトル化および/または結合を可能にすることができる。
【0051】
本発明の別の目的は、記載した特定の実施形態を含めた、先に定義した式(I):
【化10】
の化合物である。
【0052】
また、本発明は、式(II):
【化11】
式中、R〜Rは、それぞれ:
− 水素原子、
− O、NおよびSの中から選択された少なくとも1つのヘテロ原子によって場合により中断されたアルキル、アルケンまたはアルキン基、
− アリール基、
− アルコキシ基、
− ハロゲン原子、
− アミノ(−NRR’)基、式中、RおよびR’は、独立して、水素原子、または先に定義したアルキル、アルケン、アルキンもしくはアリール基である、
− ヒドロキシルアミン(−ONH)基、
− ヒドラジン(−NH−NH)基、
− ニトロ(−NO)基、
− アジド(−N)基、
− 好ましくは対イオンの存在下にジアゾニウム(−N)基、
− マレイミド基、
− アルキルまたはアリールカルボキシル(−C(=O)OR)基、
− アルキルまたはアリールカルボニル(−C(=O)R)基、
− ヒドロキシル(−OH)基、
− ホウ酸−B(OR”)基、式中、R”は水素原子またはアルキル基である、
− ホスフィンまたはホスホニウム基、
− イソシアネート(−N=C=O)またはイソチオシアネート(−N=C=S)基、
− クロロスルホニル(−SOCl)基、
− O−C(=O)−C(N)−CF基または−C(=O)−C(NCF基、
− 活性化エステル、例えば−C(=O)−NHS、過フッ素化エステルおよびアクリルウレア、
− タグ、ならびに
− 先に列挙された基の少なくとも1つによって置換されたアルキル基;からなる群から独立して選択される;
の化合物も開示する。
【0053】
式(II)の化合物は、上記のように少なくとも1つのタグが付加されて式(I)の化合物を形成することができるリンカーである。
【0054】
本発明の式(II)の化合物の中でも、以下の化合物を挙げることができる:
【化12-1】
【化12-2】
【0055】
本発明の式(II)の化合物の中でも、以下の化合物を挙げることもできる:
【化13-1】
【化13-2】
【化13-3】
【0056】
本発明のチオール部位を含む化合物を標識するための方法は、チオール部位を含む化合物を式(I)の化合物と接触させる工程の前に、式(II)の化合物を、タグ部位を含む化合物またはその前駆体と接触させる、式(I)の化合物の調製の予備工程をさらに含むことができる。
【0057】
用語「前駆体」は、この場合、式(II)の化合物との接触の後に、タグ部位を形成することができる化学基を称する。
【0058】
好ましくは、R〜Rの少なくとも1つが、水素原子とは異なる。
【0059】
本発明の目的は、式(II):式中、R〜Rの少なくとも1つが、マレイミド、アジド(N)基、アルキンまたはNHS−エステル部位を含み、好ましくは、マレイミド、アジド(N)基、アルキンまたはNHS−エステル部位である;の化合物である。
【0060】
マレイミドおよびNHS−エステル部位は、それぞれ、化合物の、別のチオールまたはアミン基へのさらなる連結を可能にし;N基は、化合物の、別のアルキン基へのさらなる連結を可能にし、アルキン基は、化合物の、別のN基へのさらなる連結を可能にする。
【0061】
実施形態において、本発明の式(II)の化合物は、以下の化合物から選択される:
【化14】
【0062】
本発明はまた、式(I)または(II)の化合物であって、R〜Rの少なくとも1つが、対象化合物にさらに結合している、上記化合物にも関する。
【0063】
対象化合物は、例えば、分子、例えば、フルオロフォア、例えばローダミン、少なくとも1つの放射性原子(例えば14C、H、もしくは131I)を含む原子の基、公知のマス(マスタグ)の原子の基、リガンド、薬物、治療剤、生体分子、例えば抗体、タンパク質、例えばBSA(ウシ血清アルブミン)、DNAフラグメント、ナノ対象物、例えばナノ粒子(すなわち、0.1〜1000nmの対象物または粒子)、または支持体、例えばポリマーであってよい。
【0064】
本発明の標識方法が、かかる式(I)または(II):式中、R〜Rの少なくとも1つが対象化合物にさらに結合している;の化合物によって実施されるとき、該方法は、対象化合物とチオール部位を含む化合物との間のコンジュゲートの形成を提供する。
【0065】
実施形態において、対象化合物は、生体分子、例えばタンパク質または抗体であり、チオール部位を含む化合物は、フルオロフォア、例えばTAMRA部位およびチオール部位を含む化合物(TAMRA−SH)である。
【0066】
実施形態において、対象化合物は、生体分子、例えばタンパク質または抗体であり、チオール部位を含む化合物は、薬物または治療剤である。本発明の標識方法によって得られるコンジュゲートは、治療抗体である。
【0067】
本発明の別の目的は、式(III):
【化15】
式中、R−Sは、先に定義した少なくとも1つのチオール部位を含む化合物の部位に相当する;の化合物である。特に、式(III)の化合物は、式(IV):
【化16】
式中、RおよびRは、OH、タグ、アルキル、O−アルキル、およびペプチド部位からなる群から選択され、アルキル基は、少なくとも1つのタグ部位によって置換されていてよい;を含む。ペプチド部位は、少なくとも1つのアミノ酸を含む部位であり、該部位が、1を超えるアミノ酸(2、3、4、5、・・・)を与えるとき、該アミノ酸は、ペプチド結合によって互いに連結している。好ましくは、式(III)または(IV)の化合物の二重結合は、(Z)配置を有する。タグおよびアルキル基は、先に定義した通りである。
【0068】
本発明の式(III)の化合物の中でも、以下の化合物を挙げることができる:
【化17】
【0069】
式(I)の化合物は、チオール部位の標識に古典的に用いられている、3−アリールプロピオニトリル部位がマレイミド部位で置き換えられている対応する化合物よりも、水性媒体中でより安定であることが驚くべきことに見出された。例えば、化合物1:
【化18】
は、緩衝溶液(kobs=7×10−5−1)中、1時間後に約5%が加水分解されたが、化合物11:
【化19】
に関する加水分解は検出され得なかった。興味深いことに、室温において1週間後でさえも、化合物11に関して微量の加水分解生成物も検出され得なかった。
【0070】
また、本発明の式(II)の化合物は、遊離チオール部位を含まない他のアミノ酸と比較して、システインに対して顕著な選択性を示した。比較すると、3−アリールプロピオニトリル部位がマレイミド部位によって置き換えられている対応する化合物に関して得られた化学選択性の方が低い。
【0071】
最後に、上記の式(III)の化合物は、3−アリールプロピオニトリル部位がマレイミド部位によって置き換えられている対応する化合物よりも、生体条件において、高度により安定であることが示された。例えば、化合物:
【化20】
と、システイン誘導体3:
【化21】
との間の付加物:
【化22】
は、広範な条件、例えば生理的条件において特に安定であった。特に、上記付加物は、広範なpH(0〜14)において安定であり、過剰のフェニルチオールおよびグルタチオンとの反応の1時間後にも、交換生成物が観測され得なかった。
【0072】
本発明を以下の実施例を参照してより詳細に説明するが、本発明は、これらに限定されると見なされると理解されてはならない。
【実施例】
【0073】
実施例1:本発明の化合物の合成
式(II)の化合物の合成
式(I)または(II)の一連の化合物を以下の手順に従って合成し、特性決定した。
【0074】
一般的なプロトコール:
薗頭カップリング
【化23】
標準の反応プロトコール:
A.適当なハロゲン化アリール(1当量、1mmol)のDMF(5mL)およびDIPEA(10当量、10mmol)脱気溶液に、予め混合したPdCl(PPh(0.03当量、30μmol)およびCuI(0.06当量、60μmol)を添加した。得られた反応塊を脱気し、さらに5分間撹拌し、続いてプロパルギルアルコール(1.2当量、1.2mmol)を添加した。反応塊を1〜24時間撹拌した(TLCによってモニタリングした)。1M HCl(50mL)を添加し(遊離アミノ基を含有するときには、代わりに50mLの水を添加し)、反応混合物を酢酸エチル(3×20mL)で抽出した。合わせた酢酸エチル画分を水で洗浄し(1×10mL)、MgSO上で乾燥し、蒸発させて粗生成物を得た。生成物をフラッシュクロマトグラフィ(100%のシクロヘキサンから100%の酢酸エチルまで20分の勾配)によって精製した。
【0075】
B.適当なハロゲン化アリール(1当量、1mmol)のTHF(5mL)およびTEA(5mL)脱気溶液に、予め混合したPdCl(PPh(0.03当量、30μmol)およびCuI(0.06当量、60μmol)を添加し、続いてプロパルギルアルコール(2当量、1.2mmol)を添加した。反応塊を1〜24時間撹拌した(TLCによってモニタリングした)。THFおよびTEAを蒸発させ、フラッシュクロマトグラフィ(100%のシクロヘキサンから100%の酢酸エチルまで20分の勾配)によって精製した。
【0076】
C.適当なハロゲン化アリール(1当量、1mmol)のプロピルアミンまたはピロリジン(3mL)脱気溶液に、Pd(PPh(0.05当量、50μmol)を添加した。反応塊を一晩加熱し(30〜50℃)、蒸発させ、フラッシュクロマトグラフィ(100%のシクロヘキサンから100%の酢酸エチルまで20分の勾配)によって精製した。
【0077】
高活性なMnOの調製
70℃のMnCl・4HO(1当量、1モル、200g)の水(2L)溶液を、フードにおいて60℃でKMnO(1当量、1モル、160g)の水(2L)溶液に撹拌しながら10分間で徐々に添加した。激しい反応により、結果として塩素が発生した;懸濁液を2時間撹拌し、室温で一晩保持した。沈殿を濾去し、pHが6.5〜7となるまで水(4L)で完全に洗浄し、この洗浄により、無視できるほどの塩化物試験を与えた。次いでフィルタケーキを120〜130℃で18時間乾燥させ;これにより、チョコブラウン色の高分散アモルファス粉末を得た。
【0078】
MnO酸化
【化24】
McAllisterら824によって記載された、僅かに変更された手順。適当なプロパルギルアルコール(1当量、1mmol)のTHF(4.5mL)溶液に、MgSO(15当量、15mmol)、高活性なMnO(25当量、25mmol)および2M NHのIPA(4当量、4mmol、2mL)溶液を添加した。得られた反応塊を室温で0.5〜12時間激しく撹拌した(TLCによってモニタリングした)。DCM(20mL)を添加し、得られた反応塊をセライトを通して濾過し、蒸発させて粗生成物を得、必要に応じてフラッシュクロマトグラフィによって精製した。
【0079】
置換3−(アリール)プロプ−2−イン−1−オール(1a−12a):
【化25】
【表1】
【0080】
3−(2−メトキシフェニル)プロプ−2−イン−1−オール(1a)。
反応時間:18時間;収率:72%。
H NMR(400MHz,メタノール−d)δ7.36(dd,J=1.5,7.5Hz,1H),7.26−7.33(m,1H),6.97(d,J=8.3Hz,1H),6.86−6.93(m,1H),4.43(s,2H),3.84(s,3H);13C NMR(101MHz,メタノール−d)δ161.6,134.5,131.0,121.5,113.4,112.0,92.7,82.0,56.2,51.5。
【0081】
3−(3−メトキシフェニル)プロプ−2−イン−1−オール(2a)。
反応時間:16時間;収率:87%。
H NMR(400MHz,メタノール−d)δ7.15−7.24(pseudo−t,J=7.5Hz,1H),7.00(d,J=7.5Hz,1H),6.93−6.98(m,1H),6.87(dd,J=2.13,7.5Hz,1H),4.41(s,2H),3.73(s,3H);13C NMR(101MHz,メタノール−d)δ160.9,130.6,125.4,125.1,117.8,115.7,88.8,85.6,55.9,51.4。
【0082】
3−(4−メトキシフェニル)プロプ−2−イン−1−オール(3a)。
反応時間:16時間;収率:92%。
H NMR(400MHz,クロロホルム−d)δ7.40(d,J=8.78Hz,2H),6.86(d,J=8.78Hz,2H),4.51(d,J=4.9Hz,2H),3.83(s,3H),1.78(t,J=4.9Hz,1H);13C NMR(101MHz,クロロホルム−d)δ159.8,133.2,114.6,114.0,85.9,85.7,55.3,51.7。
【0083】
3−(2−アミノフェニル)プロプ−2−イン−1−オール(4a)。
反応時間:24時間;収率:62%。
H NMR(400MHz,メタノール−d)δ7.19(dd,J=1.25,7.9Hz,1H),7.03−7.12(m,1H),6.75(d,J=7.9Hz,1H),6.56−6.65(m,1H),4.47(s,2H),4.26(s,2H);13C NMR(101MHz,メタノール−d)δ150.3,133.0,130.6,118.2,115.6,93.8,78.9,69.5,51.0。
【0084】
3−(3−アミノフェニル)プロプ−2−イン−1−オール(5a)。
反応時間:18時間;収率:77%。
H NMR(400MHz,クロロホルム−d)δ7.08(t,J=7.8Hz,1H),6.83(d,J=7.8Hz,1H),6.76(s,1H),6.64(dd,J=1.5,7.8Hz,1H),4.46(s,2H),2.17(s,1H);13C NMR(101MHz,クロロホルム−d)δ146.3,129.2,123.4,122.0,118.0,115.5,87.0,85.6,51.4。
【0085】
3−(4−アミノフェニル)プロプ−2−イン−1−オール(6a)。
反応時間:18時間;収率:42%。
H NMR(400MHz,メタノール−d)δ7.11−7.21(d,J=8.5Hz,2H),6.53−6.68(d,J=8.5Hz,2H),4.37(s,2H);13C NMR(101MHz,メタノール−d)δ149.7,133.8,115.7,112.5,86.7,85.9,51.4;
【0086】
3−(2−ニトロフェニル)プロプ−2−イン−1−オール(7a)。
反応時間:15時間;収率:35%。
H NMR(400MHz,クロロホルム−d)δ7.97(d,J=8.0Hz,1H),7.54−7.60(d,J=8.0Hz,1H),7.46−7.54(t,J=8.0Hz,1H),7.36−7.44(t,J=8.0Hz,1H),4.49(s,2H),1.68(br.s.,1H);13C NMR(101MHz,クロロホルム−d)δ149.9,134.8,132.8,128.9,124.6,118.0,95.2,80.9,51.7。
【0087】
4−(3−ヒドロキシプロプ−1−イン−1−イル)−N−メチルベンズアミド(8a)。
反応時間:12時間;収率:91%。
H NMR(400MHz,メタノール−d)δ7.72−7.82(m,J=8.28Hz,2H),7.41−7.53(m,J=8.28Hz,2H),4.43(s,2H),2.92(s,3H);13C NMR(101MHz,メタノール−d)δ169.9,135.2,132.7,128.3,127.6,91.5,84.7,51.3,27.1。
【0088】
N−(4−(3−ヒドロキシプロプ−1−イン−1−イル)フェニル)アセトアミド(9a)。
反応時間:18時間;収率:85%。
H NMR(400MHz,メタノール−d)δ7.56−7.64(d,J=8.8Hz,2H),7.47−7.56(d,J=8.8Hz,2H),4.74(s,2H),2.04(s,3H);13C NMR(101MHz,メタノール−d)δ171.9,143.8,135.7,120.7,112.8,106.2,84.5,62.7,24.1。
【0089】
3−(o−トリル)プロプ−2−イン−1−オール(10a)。
反応時間:5時間;収率:70%。
H NMR(400MHz,クロロホルム−d)δ7.40(d,J=7.5Hz,1H),7.11−7.24(m,3H),4.54(s,2H),2.43(s.,3H);13C NMR(101MHz,クロロホルム−d)δ138.2,131.2,128.4,128.0,119.3,115.3,86.5,85.2,51.2,21.2。
【0090】
3−(2,6−ジメチルフェニル)プロプ−2−イン−1−オール(11a)。
反応時間:24時間;収率:25%。
H NMR(400MHz,クロロホルム−d)δ7.03(t,J=7.5Hz,1H),6.95(d,J=7.5Hz,2H),4.50(s,2H),2.34(s,7H);13C NMR(101MHz,クロロホルム−d)δ140.5,127.9,126.7,122.3,95.6,83.3,51.9,21.1。
【0091】
3−(2,6−ジメトキシフェニル)プロプ−2−イン−1−オール(12a)。
反応条件:30℃、プロピルアミン、16時間;収率:38%。
H NMR(400MHz,メタノール−d)δ7.25(t,J=8.4Hz,1H),6.62(d,J=8.4Hz,2H),4.46(s,2H),3.84(s,6H);13C NMR(101MHz,メタノール−d)δ163.0,131.0,104.7,102.5,97.0,78.1,56.4,51.7。
【0092】
置換3−アリール−プロピオニトリル(1−12):
【化26】
【表2】
【0093】
3−(2−メトキシフェニル)プロピオニトリル(1,APN−o−OMe)。
H NMR(400MHz,メタノール−d)δ7.51−7.65(m,2H),7.12(d,J=8.3Hz,1H),7.01(t,J=7.7Hz,1H),3.94(s,4H);13C NMR(101MHz,メタノール−d)δ164.7,136.4,135.3,122.0,112.6,107.7,106.4,81.8,66.7,56.7;IR(ニートフィルム,cm−1):2946,2264,2142 1596,1490,1245,1164,1122,1047,1021,752,498;GC−ESI−HRMS:157.05276;実測値157.05044。
【0094】
3−(3−メトキシフェニル)プロピオニトリル(2,APN−m−OMe)。
H NMR(400MHz,メタノール−d)δ7.38(t,J=7.8Hz,1H),7.27(d,J=7.8Hz,1H),7.20−7.24(m,1H),7.12−7.20(m,1H),3.83(s,3H);13C NMR(101MHz,メタノール−d)δ161.2,131.4,127.1,120.0,119.4,119.2,106.0,84.1,62.7,56.1;IR(ニートフィルム,cm−1):2491,2264,2144,1595,1573,1488,1464,1420,1324,1294,1207,1178,1045,783,681,494;GC−ESI−HRMS:157.05276;実測値157.05298。
【0095】
3−(4−メトキシフェニル)プロピオニトリル(3,APN−p−OMe)。
H NMR(400MHz,クロロホルム−d)δ7.46−7.70(m,J=8。8Hz,2H),6.86−6.96(m,J=8.8Hz,2H),3.86(s,3H);13C NMR(101MHz,クロロホルム−d)δ161.4,134.4,113.7,108.2,104.8,82.7,61.5,54.5;IR(ニートフィルム,cm−1):2985,2358,2342,2263,2178,2149,1603,1514,1307,1270,1180,1028,835,808,669,424;GC−ESI−HRMS:157.05276;実測値157.05337。
【0096】
3−(2,6−ジメトキシフェニル)プロピオニトリル(4,APN−o,o’−ジメトキシ):
H NMR(400MHz,クロロホルム−d)δ7.38(t,J=8.5Hz,1H),6.53(d,J=8.5Hz,2H),3.88(s,6H);13C NMR(101MHz,クロロホルム−d)δ164.4,133.8,106.2,103.4,96.5,77.7,70.5,56.2;IR(ニートフィルム,cm−1):2847,2359,2259,2201,2139,1926,1586,1574,1478,1432,1302,1255,1188,1109,1025,778,727,648,632,545,506,488,420;GC−ESI−HRMS:187.06333;実測値184.06465。
【0097】
3−(2−アミノフェニル)プロピオニトリル(5,APN−o−NH)。
H NMR(500MHz,メタノール−d)δ6.81(d,J=7.88Hz,1H),6.65−6.76(m,1H),6.08−6.19(m,2H),3.85(br.s.,1H);13C NMR(126MHz,クロロホルム−d)δ151.4,134.0,133.4,118.2,115.0,105.8,101.0,81.6,68.5;IR(ニートフィルム,cm−1):3413,3332,3211,2925,2853,2250,2136,1632,1600,1563,1486,1452,1312,1273,1252,1161,740,673,493;GC−ESI−HRMS:142.05310;実測値142.05458。
【0098】
3−(3−アミノフェニル)プロピオニトリル(6,APN−m−NH)。
H NMR(400MHz,クロロホルム−d)δ7.17(t,J=7.6Hz,1H),6.99(d,J=7.6Hz,1H),6.74−6.89(m,2H),3.85(br.s.,2H);13C NMR(101MHz,クロロホルム−d)δ146.8,129.8,123.6,118.7,118.7,118.0,105.7,83.7,62.3;IR(ニートフィルム,cm−1):3426,3340,2923,2852,2265,2142,1630,1594,1579,1513,1448,1326,1313,1300,1220,1164,993,882,862,784,680,534,456;GC−ESI−HRMS:142.05310;実測値142.05197。
【0099】
3−(4−アミノフェニル)プロピオニトリル(7,APN−p−NH)。
H NMR(400MHz,メタノール−d)δ7.26(d,J=8.6Hz,2H),6.51(d,J=8.6Hz,2H);13C NMR(101MHz,メタノール−d)δ152.5,135.1,113.6,105.6,102.3,86.3,60.2;IR(ニートフィルム,cm−1):3431,3333,3211,2250,2132,1632,1599,1513,1438,1303,1178,1043,949,826,814,526,495,452;GC−ESI−HRMS:142.05310;実測値142.05464。
【0100】
3−(o−トリル)プロピオニトリル(8,APN−o−メチル)。
H NMR(400MHz,クロロホルム−d)δ7.47(d,J=7.78Hz,1H),7.28−7.36(m,1H),7.18(d,J=8.03Hz,1H),7.08−7.16(m,1H),2.39(s,3H);13C NMR(101MHz,クロロホルム−d)δ143.4,134.1,131.8,130.1,126.1,117.4,105.6,82.4,66.4,20.5;IR(ニートフィルム,cm−1):2295,2257,2141,1599,1484,1456,1383,1291,1199,1162,1116,1039,757,711,672,548,490,452;GC−ESI−HRMS:141.05785;実測値141.05926。
【0101】
3−(2,6−ジメチルフェニル)プロピオニトリル(9,APN−o,o’−ジメチル)。
H NMR(400MHz,クロロホルム−d)δ7.12−7.27(t,J=7.5Hz,1H),7.01(d,J=7.5Hz,2H),2.38(s,6H);13C NMR(101MHz,クロロホルム−d)δ143.8,131.2,127.3,117.6,105.6,81.5,70.2,20.8;IR(ニートフィルム,cm−1):2923,2856,2261,2138,1732,1595,1468,1381,1265,1168,1033,774,728,490;GC−ESI−HRMS:155.07350;実測値155.07507。
【0102】
3−(2−ニトロフェニル)プロピオニトリル(10,APN−o−NO)。
H NMR(400MHz,メタノール−d)δ8.28−8.35(m,1H),7.96−8.06(m,1H),7.81−7.90(m,2H);13C NMR(101MHz,メタノール−d)δ151.9,138.3,135.2,134.1,126.6,114.2,105.7,79.0,68.6;IR(ニートフィルム,cm−1):2268,1604,1567,1528,1502,1480,1345,851,787,744,709,687,537,491;GC−ESI−HRMS:172.02728;実測値172.02869。
【0103】
N−(4−(シアノエチニル)フェニル)アセトアミド(11,APN−p−NHAc)。
H NMR(400MHz,メタノール−d)δ7.56−7.63(m,J=8.8Hz,2H),7.49−7.56(m,J=8.8Hz,2H),2.04(s,3H);13C NMR(101MHz,メタノール−d)δ171.9,143.8,135.7,120.7,112.8,106.2,84.5,62.7,24.1;IR(ニートフィルム,cm−1):3303,3174,3098,2278,2262,2139,1670,1594,1535,1407,1364,1321,1263,1177,834,534;GC−ESI−HRMS:184.06366;実測値184.06212。
【0104】
4−(シアノエチニル)−N−メチルベンズアミド(12,APN−p−CONHMe):
H NMR(400MHz,メタノール−d)δ7.96−8.05(m,J=7.78Hz,2H),7.85−7.93(m,J=7.78Hz,2H),3.03(s,3H);13C NMR(101MHz,メタノール−d)δ169.1,138.3,134.9,129.0,121.6,105.9,83.0,64.6,28.8;IR(ニートフィルム,cm−1):3348,2270,1641,1549,1502,1408,1392,1327,1303,1283,1162,854,760,617,488;GC−ESI−HRMS:184.06366;実測値184.06465。
【0105】
3−(4−ヨードフェニル)プロピオニトリル(13):
【化27】
反応物をMnO酸化の一般手順に従って合成した。反応時間:30分間;収率:61%。
H NMR(400MHz,クロロホルム−d)δ=7.78(d,J=8.5Hz,2H),7.32(d,J=8.5Hz,3H);13C NMR(101MHz,クロロホルム−d)δ138.1,134.4,116.8,105.2,99.2,81.9,64.2。
化合物13を本発明による標識方法に用いることができる(放射性同位体125Iによる)。
【0106】
3−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)プロピオニトリル(14):
【化28】
反応物をMnO酸化の一般手順に従って合成した。反応時間:1時間;収率:45%。
H NMR(400MHz,クロロホルム−d)δ=7.76(d,J=8.3Hz,2H),7.70(d,J=8.3Hz,2H)。
化合物14を、(放射性同位体18Fによる)本発明による標識方法に用いることができる。
【0107】
4−(3−ヒドロキシプロプ−1−イン−1−イル)安息香酸tert−ブチル(15a):
【化29】
生成物をカップリングに関する一般手順Bに従って合成した。収率:98%。
H NMR(400MHz,クロロホルム−d)δ=7.93(d,J=8.1Hz,2H),7.47(d,J=8.1Hz,2H),4.53(s,2H),1.60(s,9H);13C NMR(101MHz,クロロホルム−d)δ=165.1,131.7,131.4,129.3,126.6,89.8,85.1,81.4,51.6,28.1。
【0108】
4−(シアノエチニル)安息香酸tert−ブチル(15):
【化30】
反応物をMnO酸化の一般手順に従って合成した。反応時間:15分間;収率:48%。
H NMR(400MHz,DMSO−d)δ=8.00(d,J=8.3Hz,2H),7.94(d,J=8.3Hz,2H),1.56(s,9H);13C NMR(101MHz,クロロホルム−d)δ=164.3,134.8,133.3,129.7,121.3,105.2,82.2,81.9,64.8,28.1。
【0109】
4−(シアノエチニル)安息香酸(16):
【化31】
4−(2−シアノエチ−1−イン−1−イル)安息香酸tert−ブチル(1当量、350mg、1.54mmol)のMeCN(14mL)溶液にTFA(30.6当量、5.372g、3.5mL、47.1mmol)を添加した。混合物を室温で36時間撹拌し、次いで濾過し、3×2mLのEtOで洗浄した。沈殿は、純粋な4−(2−シアノエチ−1−イン−1−イル)安息香酸(140mg、0.823mmol、53%収率)からなった。
H NMR(400MHz,メタノール−d)δ=8.12(d,J=8.3Hz,3H),7.83(d,J=8.3Hz,2H)。
【0110】
4−(シアノエチニル)安息香酸パーフルオロフェニル(17):
【化32】
ペンタフルオロフェノール(1当量、89.2mg、0.484mmol)および4−(2−シアノエチ−1−イン−1−イル)安息香酸(1当量、82.9mg、0.484mmol)のTHF(4.84mL)溶液を0℃に冷却し、DCC(1当量、99.9mg、0.484mmol)を混合物に添加した。得られた溶液を室温で14時間撹拌し、次いで濾過し、EtOで洗浄した。濾液を蒸発させて、4−(2−シアノエチ−1−イン−1−イル)安息香酸ペンタフルオロフェニル(120mg、0.358mmol、74%収率)を白色固体として得た。
H NMR(400MHz,DMSO−d)δ=8.29(d,J=8.3Hz,2H),8.08(d,J=8.3Hz,2H)。
化合物17を本発明によるバイオコンジュゲーション法に用いることができる。
【0111】
4−((4−(シアノエチニル)ベンゾイル)オキシ)−2,3,5,6−テトラフルオロベンゼンスルホン酸ナトリウム(18):
【化33】
4−(2−シアノエチ−1−イン−1−イル)安息香酸(1当量、54.2mg、0.317mmol)および2,3,5,6−テトラフルオロ−4−ヒドロキシベンゼン−1−スルホン酸ナトリウム(1当量、84.9mg、0.317mmol)の乾燥DMF(0.792mL)溶液に、DCC(1当量、65.3mg、0.317mmol)を添加した。得られた混合物を室温で36時間撹拌し、次いで0℃に冷却し、1時間撹拌し、濾過し、0.8mLの乾燥DMFで洗浄した。濾液を16mLのEtOで希釈し、15分間撹拌して完全に結晶化させ、沈殿を濾過して4−((4−(シアノエチニル)ベンゾイル)オキシ)−2,3,5,6−テトラフルオロベンゼンスルホン酸ナトリウム(72.5mg、0.172mmol、54%収率)を白色固体として得た。
H NMR(400MHz,DMSO−d)δ=8.31(d,J=6.3Hz,2H),8.09(d,J=6.3Hz,2H)。
化合物18を本発明によるバイオコンジュゲーション法に用いることができる。
【0112】
N−((1−(4−(シアノエチニル)フェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メチル)−5−(ジメチルアミノ)ナフタレン−1−スルホンアミド(20):
【化34】
5−(ジメチルアミノ)−N−(プロプ−2−イン−1−イル)ナフタレン−1−スルホンアミド(1当量、395mg、1.37mmol)および3−(4−アジドフェニル)プロプ−2−インニトリル(1当量、230mg、1.37mmol)をtBuOH(6.91mL)に可溶化させた。この混合物に硫酸銅五水和物(10%、34.2mg、0.137mmol)の0.5mLの水溶液を添加し、次いでアスコルビン酸ナトリウム(0.5当量、135mg、0.685mmol)の0.5mLの水溶液を添加した。得られた溶液を2時間撹拌し、次いでロータリーエバポレータで濃縮した。残渣をDCMで抽出した。有機層をNHClの飽和水溶液および水で洗浄し、MgSO上で乾燥し、蒸発させて、20(544mg、1.19mmol、87%収率)を緑色固体として得た。
H NMR(400MHz,DMSO−d)δ=8.59(br.s.,1H),8.34(d,J=7.3Hz,1H),8.33(s,1H)8.26(d,J=8.8Hz,1H),8.13(d,J=7.3Hz,1H),8.00(d,J=8.8Hz,2H),7.83(d,J=8.8Hz,2H),7.61−7.51(m,2H),7.18(d,J=7.5Hz,1H),4.21(s,2H),2.71(s,6H)。
13C NMR(101MHz,DMSO−d)δ=151.2,144.8,138.4,135.7,135.6,129.4,128.9,128.8,128.6,127.8,123.4,121.3,119.9,119.0,116.0,114.9,105.3,82.5,63.1,44.9,37.6。
化合物20を、本発明による検出方法(例えば、染料による)に用いることができる。
【0113】
3−(4−イソチオシアナトフェニル)プロピオニトリル(21):
【化35】
50mLのRBフラスコにおいて炭酸水素ナトリウム(886mg、10.55mmol)の10mLの水溶液を10分間撹拌し、これにジクロロメタン(10mL)、続いて3−(4−アミノフェニル)プロプ−2−インニトリル(500mg、3.52mmol)を添加した。反応混合物を0℃に冷却し、チオホスゲン(402μL、5.28mmol)を30分間かけて滴下導入し、室温で1時間連続的に撹拌した。有機相を分離し、無水MgSO上で乾燥した。溶液を濃縮させ、純粋な21(609mg、3.31mmol、94%収率)を黄色固体の形態で与えた。
H NMR(400MHz,アセトニトリル−d)δ=7.71(d,J=8.5Hz,2H),7.37(d,J=8.5Hz,2H)。
化合物21を本発明によるバイオコンジュゲーション法に用いることができる。
【0114】
(1−((4−(シアノエチニル)フェニル)アミノ)−1−チオキソ−6,9,12−トリオキサ−2−アザペンタデカン−15−イル)カルバミン酸tert−ブチル(22):
【化36】
(3−(2−(2−(3−アミノプロポキシ)エトキシ)エトキシ)プロピル)カルバミン酸tert−ブチル(1当量、91.5mg、0.271mmol)をDCM(2mL)に溶解し、0℃に冷却した。この溶液に3−(4−イソチオシアナトフェニル)プロプ−2−インニトリル(1当量、50mg、0.271mmol)の1mLのDCM溶液をゆっくりと添加し、混合物を30分間撹拌した。反応混合物を1mLに濃縮し、残渣をフラッシュクロマトグラフィ(DCM/MeOH勾配、100/0〜90/10)によって精製し、(1−((4−(シアノエチニル)フェニル)アミノ)−1−チオキソ−6,9,12−トリオキサ−2−アザペンタデカン−15−イル)カルバミン酸tert−ブチル(126mg、0.25mmol、92%収率)を黄色油として得た。
H NMR(400MHz,メタノール−d)δ=7.66(s,4H),3.65−3.54(m,12H),3.50(t,J=6.1Hz,2H),3.12(t,J=6.8Hz,2H),1.91(quin,J=6.1Hz,2H),1.72(quin,J=6.4Hz,2H),1.45(s,9H)。
13C NMR(101MHz,メタノール−d)δ=182.0,158.5,144.6,135.6,106.4,84.8,80.0,71.6,71.5,71.3,71.3,70.0,68.2,63.0,38.8,31.0,29.8,29.0
【0115】
塩化4−(シアノエチニル)ベンゾイル(23):
【化37】
4−(2−シアノエチ−1−イン−1−イル)安息香酸(1当量、30mg、0.175mmol)をDCM(2mL)に溶解し、SOCl(31.5当量、400μL、5.51mmol)を添加した。混合物を固体が完全に溶解するまで還流撹拌し、次いで蒸発させて、純粋な23(29.6mg、0.156mmol、89%収率)を白色固体として得た。
H NMR(400MHz,クロロホルム−d)δ=8.08(d,J=8.3Hz,2H),7.67(d,J=8.3Hz,2H)。
化合物23を本発明によるバイオコンジュゲーション法に用いることができる。
【0116】
(1−(4−(シアノエチニル)フェニル)−1−オキソ−6,9,12−トリオキサ−2−アザペンタデカン−15−イル)カルバミン酸tert−ブチル(24):
【化38】
(3−(2−(2−(3−アミノプロポキシ)エトキシ)エトキシ)プロピル)カルバミン酸tert−ブチル(1当量、50mg、0.156mmol)およびNEt(5当量、78.9mg、0.108mL、0.78mmol)を1mLのDCMに溶解し、−78℃に冷却した。この溶液に、1mLのDCM中の23(1当量、29.6mg、0.156mmol)をゆっくりと添加した。混合物を室温まで徐々に加温し、2時間撹拌した。次いで反応混合物をフラッシュクロマトグラフィカラムに注入し、DCM/MeOH(勾配100/0〜90/10)で溶離し、純粋な24(40.6mg、0.086mmol、55%)を黄色油として得た。
H NMR(400MHz,メタノール−d)δ=7.92(d,J=8.3Hz,2H),7.82(d,J=8.3Hz,2H),3.72−3.45(m,14H),3.12(t,J=6.8Hz,2H),1.90(quin,J=6.3Hz,2H),1.72(quin,J=6.4Hz,2H),1.44(s,9H)。
【0117】
4−(シアノエチニル)−N−(15−オキソ−4,7,10−トリオキサ−14−アザノナトリアコンタ−24,26−ジイン−1−イル)ベンズアミド(25):
【化39】
4−(2−シアノエチ−1−イン−1−イル)安息香酸(1当量、29.7mg、0.173mmol)をDCMに懸濁させ、SOCl(39.8当量、820mg、0.5mL、6.89mmol)を添加した。混合物を1.5時間還流撹拌し、蒸発させ、DCMに溶解させ、N−(3−{2−[2−(3−アミノプロポキシ)エトキシ]エトキシ}プロピル)ペンタコサ−10,12−ジインアミド(1当量、100mg、0.173mmol)およびTEA(4当量、70.2mg、0.0964mL、0.693mmol)のDCM溶液に−78℃で添加した。得られた混合物を室温で1時間撹拌し、蒸発させた。残渣をフラッシュクロマトグラフィ(DCM/MeOH:10/0〜9/1)によって精製し、所望の生成物(35.4mg、0.0485mmol、28%収率)を黄色油として得た。
H NMR(400MHz,クロロホルム−d)δ=7.90(d,J=8.3Hz,2H),7.67(d,J=8.3Hz,2H),7.48(br.s,1H),6.18(br.s,1H),3.71−3.45(m,14H),3.32(t,J=6.0Hz,2H),2.23(t,J=6.8Hz,4H),2.15(t,J=7.5Hz,2H),1.90(td,J=6.0,11.7Hz,2H),1.73(quin,J=6.1Hz,2H),1.65−1.42(m,6H),1.41−1.32(m,4H),1.32−1.19(m,22H),0.88(t,J=6.8Hz,3H)。
化合物25を、化合物を結合および/または固定化させるための本発明による標識(例えば光標識)方法に用いることができる。
【0118】
(4−(シアノエチニル)フェニル)カルバミン酸エチル(26):
【化40】
トリホスゲン(1当量、49.5mg、27.8μL、0.167mmol)のDCM(4mL)溶液に、3−(4−アミノフェニル)プロプ−2−インニトリル(3当量、71.1mg、0.5mmol)のDCM(1mL)溶液を添加した。次いで、1mLのDCM中のトリエチルアミン(6当量、101mg、138μL、1mmol)を滴加した。混合物を15分間撹拌してイソシアネート中間体を形成させ、次いで、エタノール(0.1mL)を滴加した。反応混合物をを1時間撹拌し、次いで2×5mLの水で洗浄し、蒸発させた。残渣をフラッシュクロマトグラフィによって精製し、(4−(シアノエチニル)フェニル)カルバミン酸エチル(102mg、0.48mmol、96%収率)を白色固体として得た。
H NMR(400MHz,クロロホルム−d)δ=7.56(d,J=8.5Hz,2H),7.46(d,J=8.5Hz,2H),6.79(br.s.,1H),4.26(q,J=7.0Hz,2H),1.33(t,J=7.0Hz,3H)。
【0119】
1−(4−(シアノエチニル)フェニル)−3−(プロプ−2−イン−1−イル)ウレア(27):
【化41】
トリホスゲン(1当量、49.5mg、27.8μL、0.167mmol)のDCM(2mL)溶液に、3−(4−アミノフェニル)プロプ−2−インニトリル(3当量、71.1mg、0.5mmol)のDCM(3mL)溶液を添加した。次いで、トリエチルアミン(6当量、101mg、138μL、1mmol)を添加し、混合物を5分間撹拌し、次いで、1mLのDCM中のプロパルギルアミン(4.69当量、43mg、50.1μL、0.782mmol)およびトリエチルアミン(2当量、33.7mg、46.3μL、0.333mmol)を添加した。反応混合物を1時間撹拌し、次いで5mLの水で洗浄し、MgSO上で乾燥し、濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィ(DCM/MeOH勾配)によって精製し、1−(4−(シアノエチニル)フェニル)−3−(プロプ−2−イン−1−イル)ウレア(94.9mg、0.425mmol、85%収率)を白色固体として得た。
H NMR(400MHz,メタノール−d)δ=7.60(d,J=8.8Hz,2H),7.52(d,J=8.8Hz,2H),4.00(d,J=2.4Hz,2H),2.61(t,J=2.4Hz,1H)。
化合物27を本発明によるクリック化学に用いることができる。
【0120】
(4−(シアノエチニル)フェニル)カルバミン酸プロプ−2−イン−1−イル(28):
【化42】
トリホスゲン(1当量、49.5mg、27.8μL、0.167mmol)のDCM(2mL)溶液に、3−(4−アミノフェニル)プロプ−2−インニトリル(3当量、71.1mg、0.5mmol)のDCM(3mL)溶液を添加した。次いで、トリエチルアミン(6当量、101mg、138μL、1mmol)を添加した。混合物を5分間撹拌し、次いで、1mLのDCM中の2−プロピン−1−オール(6当量、56.1mg、59.1μL、1mmol)およびトリエチルアミン(2当量、33.7mg、46.3μL、0.333mmol)を添加した。反応混合物を1時間撹拌し、次いで、5mLの水で洗浄し、MgSO上で乾燥し、濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィ(シクロヘキサン/EtOAc勾配)によって精製し、(4−(シアノエチニル)フェニル)カルバミン酸プロプ−2−イン−1−イル(104mg、0.465mmol、93%収率)を白色固体として得た。
H NMR(400MHz,クロロホルム−d)δ=7.57(d,J=8.6Hz,2H),7.48(d,J=8.6Hz,2H),4.80(d,J=2.3Hz,2H),2.54(t,J=2.3Hz,1H)。
化合物28を、本発明によるクリック化学に用いることができる。
【0121】
(4−(シアノエチニル)フェニル)カルバミン酸ビシクロ[6.1.0]ノナ−4−イン−9−イルメチル(29):
【化43】
トリホスゲン(1当量、34.8mg、19.5μL、0.117mmol)のDCM(4mL)溶液に3−(4−アミノフェニル)プロプ−2−インニトリル(3当量、50mg、0.352mmol)のDCM(1mL)溶液を添加した。次いで、トリエチルアミン(6当量、71.2mg、97.8μL、0.703mmol)を滴加した。混合物を5分間室温で撹拌し、次いで、1mLのDCM中のビシクロ[6.1.0]ノナ−4−イン−9−イルメタノール(3当量、52.8mg、0.352mmol)およびトリエチルアミン(2当量、23.7mg、32.6μL、0.234mmol)を添加した。反応混合物を室温で2時間撹拌した。HPLCによって完全な転換を確認した後、混合物を1mLの体積に濃縮し、フラッシュクロマトグラフィ(シクロヘキサン/EtOAc勾配)によって精製し、(4−(シアノエチニル)フェニル)カルバミン酸ビシクロ[6.1.0]ノナ−4−イン−9−イルメチル(68.3mg、0.215mmol、183%)を白色固体として得た。
H NMR(400MHz,クロロホルム−d)δ=7.55(d,J=8.8Hz,2H),7.47(d,J=8.8Hz,2H),7.09(br.s,1H),2.38−2.14(m,6H),1.67−1.51(m,2H),1.42(quin,J=8.7Hz,1H),1.04−0.91(m,2H)
化合物29を本発明によるクリック化学(例えば、歪促進クリック)に用いることができる。
【0122】
3−(4−((トリメチルシリル)エチニル)フェニル)プロプ−2−イン−1−オール(30a):
【化44】
生成物をカップリングに関する一般手順Bに従って合成した。収率:99%。
H NMR(400MHz,クロロホルム−d)δ=7.41(d,J=8.4Hz,2H),7.36(d,J=8.4Hz,2H),4.50(d,J=5.5Hz,2H),1.89(t,J=5.5Hz,1H),0.25(s,9H)。
【0123】
3−(4−((トリメチルシリル)エチニル)フェニル)プロピオニトリル(30):
【化45】
反応物をMnO酸化の一般手順に従って合成した。反応時間:3時間;収率:29%。
H NMR(400MHz,クロロホルム−d)δ=7.55(d,J=8.4Hz,2H),7.48(d,J=8.4Hz,2H),0.27(s,9H)。
13C NMR(101MHz,クロロホルム−d)δ=133.2,132.2,126.9,117.1,105.3,103.4,99.4,82.3,64.5,−0.3。
【0124】
3,3’−(5−アミノ−1,3−フェニレン)ジプロピオニトリル(31):
【化46】
反応物をMnO酸化の一般手順に従って合成した。反応時間:3時間;収率:11%。
H NMR(400MHz,クロロホルム−d)δ=7.20(t,J=1.3Hz,1H),6.98(d,J=1.3Hz,2H),4.02(br.s.,2H)。
13C NMR(101MHz,クロロホルム−d)δ=147.1,127.5,121.6,119.5,105.0,81.0,63.6。
化合物31を本発明による再架橋(ジAPN)に用いることができる。
【0125】
3−(4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)プロピオニトリル(32):
【化47】
反応物をMnO酸化の一般手順に従って合成した。反応時間:4時間;収率:63%。
H NMR(400MHz,クロロホルム−d)δ=7.84(d,J=8.2Hz,2H),7.60(d,J=8.2Hz,2H),1.36(s,12H)。
【0126】
3,3’−(1,2−フェニレン)ジプロピオニトリル(33):
【化48】
33a:3,3’−(1,2−フェニレン)ビス(プロプ−2−イン−1−オール)。
1,2−ジヨージドベンゼン(1当量、661mg、0.262mL、2mmol)およびプロパルギルアルコール(2.3当量、272μL、4.61mmol)のブチルアミン(15.8mL)脱気溶液にPd(PPh(4%,92.6mg、0.0801mmol)を添加し、得られた反応塊を一晩還流した。溶媒を蒸発させ、得られた粗生成物をフラッシュクロマトグラフィ(20分、勾配EtOAc/シクロヘキサン)によって精製し、33a(150mg、0.8mmol、40%)を褐色がかった固体として生成した。
H NMR(400MHz,メタノール−d)δ7.38−7.53(m,2H),7.25−7.38(m,2H),4.48(s,4H);13C NMR(101MHz,メタノール−d)d135.6,131.9,129.2,95.6,86.6,53.9;ESI−MS:C1211[M+H],187.1;実測値187.1。
【0127】
33:3,3’−(1,2−フェニレン)ジプロピオニトリル。
化合物を標準のMnO酸化プロトコールの唯一の生成物として得た。反応時間:75分間。褐色固体、収率:42%。
H NMR(400MHz,メタノール−d)δ7.89(dd,J=3.30,5.80Hz,2H),7.73(dd,J=3.30,5.80Hz,2H);13C NMR(101MHz,メタノール−d)δ136.0,133.5,126.5,105.5,80.2,67.2;GC−ESI−MS:C12[M+H],177.0;実測値177.0。
【0128】
3,3’−(1,3−フェニレン)ジプロピオニトリル(34):
【化49】
34a:3,3’−(1,3−フェニレン)ビス(プロプ−2−イン−1−オール)。
33aの合成と同じ手段。褐色がかった固体、収率:55%。
H NMR(400MHz,メタノール−d)δ7.47(s,1H),7.36−7.43(m,2H),7.29−7.36(m,1H),4.41(s,4H);13C NMR(101MHz,メタノール−d)δ135.3,132.5,129.8,124.8,89.7,84.5,51.2;ESI−MS:C1211[M+H],187.1;実測値187.0。
【0129】
34:3,3’−(1,3−フェニレン)ジプロピオニトリル。
化合物を標準のMnO酸化プロトコールの唯一の生成物として得た。反応時間:2時間。褐色固体、収率:35%。
H NMR(400MHz,メタノール−d)δ8.10(d,J=1.50Hz,1H),7.93(dd,J=1.50,8.00Hz,1H),7.63(t,J=8.00Hz,2H);13C NMR(101MHz,メタノール−d)δ139.3,137.8,131.2,120.0,105.7,81.7,64.2;GC−ESI−MS:C12[M+H],177.0;実測値177.1。
【0130】
3,3’−(1,4−フェニレン)ジプロピオニトリル(35):
【化50】
35a:3,3’−(1,4−フェニレン)ビス(プロプ−2−イン−1−オール)。
33aの合成と同じ手段であるが、72時間還流。褐色がかった固体、収率:35%。
H NMR(400MHz,メタノール−d)δ7.39(s,4H),4.41(s,4H);13C NMR(101MHz,メタノール−d)δ132.6,124.3,101.4,90.8,84.9,51.2;ESI−MS:C1211[M+H],187.1;実測値187.1。
【0131】
35:3,3’−(1,4−フェニレン)ジプロピオニトリル。
化合物を標準のMnO酸化プロトコールの唯一の生成物として得た。反応時間:2時間。褐色固体、収率:19%。
H NMR(400MHz,メタノール−d)δ7.94(s,4H);13C NMR(101MHz,メタノール−d)δ135.0,121.6,105.5,82.0,65.9;GC−ESI−MS:C12[M+H],177.0;実測値177.0。
化合物33〜35を本発明による再架橋(ジAPN)に用いることができる。
【0132】
(S)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−3−(4−(((トリフルオロメチル)スルホニル)オキシ)フェニル)プロピオン酸tert−ブチル(36b):
【化51】
2−{[(tert−ブトキシ)カルボニル]アミノ}−3−(4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸tert−ブチル(1当量、518mg、1.54mmol)の0℃に冷却したピリジン(2.5mL)溶液に、トリフルオロメタンスルホン酸無水物(1.1当量、476mg、0.28mL、1.69mmol)を20分間かけて(シリンジプレッサーを用いて)滴加した。得られた暗色溶液を室温まで加温させ、水(10mL)に注ぎ、エチルエステル(15mL)で抽出した。エーテル抽出物を水(5mL)、1N HCl(2×5mL)、水(5mL)、塩水(5mL)で順次洗浄し、MgSO4上で乾燥し、蒸発させて、標的生成物(614mg、1.31mmol、85%)を暗赤色油として得た。生成物をさらに精製することなく次の工程に用いた。
H NMR(400MHz,クロロホルム−d)δ7.03−7.18(m,3H),6.82−7.03(m,2H),4.87(d,J=7.28Hz,1H),4.24(d,J=7.03Hz,1H),2.65−2.95(m,2H),1.17(s,9H),1.21(s,9H)。
13C NMR(101MHz,クロロホルム−d)δ170.5,148.5,137.3,131.3,121.1,120.3,117.1,82.5,80.0,54.7,38.1,28.3,27.9。
【0133】
(S)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−3−(4−(3−ヒドロキシプロプ−1−イン−1−イル)フェニル)プロピオン酸tert−ブチル(36a):
【化52】
フェノールトリフラート(tryphlate)(1当量、136mg、0.291mmol)のモルホリン(1mL)溶液に、PdCl(PPh(5%、10.2mg、0.0145mmol)、CuI(10%、5.53mg、0.0291mmol)、およびプロパルギルアルコール(2当量、32.6mg、0.0343mL、0.581mmol)を続けて添加した。得られた反応混合物を脱気し、60℃で24時間加熱した。得られた黒色溶液を水(10mL)に注ぎ、EtOAc(3×10mL)で抽出した。合わせた有機層を1N HCl(2×10mL)、水(1×10mL)で洗浄し、MgSO上で乾燥し、蒸発させて粗生成物を得、フラッシュクロマトグラフィによる精製後に標的生成物(8.73mg、0.0232mmol、8%)を黄色がかった固体として得た。
H NMR(400MHz,メタノール−d)δ7.30−7.45(m,J=7.78Hz,2H),7.14−7.30(m,J=8.03Hz,2H),4.40(s,2H),4.18−4.32(m,1H),3.06(dd,J=6.27,13.80Hz,1H),2.91(dd,J=8.66,13.68Hz,1H),1.45−1.53(m,1H),1.42(d,J=3.26Hz,19H)。
【0134】
2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−3−(4−(シアノエチニル)フェニル)プロピオン酸tert−ブチル(36):
【化53】
反応物をMnO酸化の一般手順に従って合成した。反応時間:2時間;収率:56%。
H NMR(400MHz,クロロホルム−d)δ=7.54(d,J=8.2Hz,2H),7.24(d,J=8.2Hz,2H),5.05(d,J=7.3Hz,1H),4.46(td,J=6.1,7.3Hz,1H),3.14(dd,J=6.1,13.7Hz,1H),3.05(dd,J=6.1,13.7Hz,1H),1.42(s,9H),1.41(s,9H)。
13C NMR(101MHz,クロロホルム−d)δ=170.3,154.9,141.4,133.4,130.1,115.9,105.5,82.9,82.5,79.9,63.2,54.5,38.8,28.3,27.9。
化合物36を本発明による精製および/または固定化に用いることができる。
【0135】
4−(シアノエチニル)−N−(2−(2−(2−(5−((3aS,4S,6aR)−2−オキソヘキサヒドロ−1H−チエノ[3,4−d]イミダゾール−4−イル)ペンタンアミド)エトキシ)エトキシ)エチル)ベンズアミド(37)
【化54】
N−(2−(2−(2−アミノエトキシ)エトキシ)エチル)−5−((3aS,4S,6aR)−2−オキソヘキサヒドロ−1H−チエノ[3,4−d]イミダゾール−4−イル)ペンタンアミド(1当量、222mg、0.593mmol)の乾燥DMF(1mL)溶液に、4−((4−(シアノエチニル)ベンゾイル)オキシ)−2,3,5,6−テトラフルオロベンゼンスルホン酸ナトリウム(1.2当量、300mg、0.712mmol)およびDIEA(5.1当量、391mg、0.5mL、3.03mmol)を添加した。混合物を室温で3時間撹拌し、次いでセミ分取HPLCによって精製して所望の生成物(68.8mg、0.13mmol、22%収率)を黄色油として得た。
H NMR(400MHz,メタノール−d)δ=7.92(d,J=8.5Hz,2H),7.81(d,J=8.5Hz,2H),4.49(dd,J=4.8,7.8Hz,1H),4.30(dd,J=4.5,7.8Hz,1H),3.71−3.56(m,8H),3.54(t,J=5.5Hz,2H),3.34(t,J=5.5Hz,2H),3.24−3.14(m,1H),2.92(dd,J=4.8,12.8Hz,1H),2.70(d,J=12.8Hz,1H),2.19(t,J=7.4Hz,2H),1.78−1.50(m,4H),1.48−1.35(m,2H)。
13C NMR(101MHz,メタノール−d)δ=176.3,168.8,166.2,138.9,135.0,129.1,121.5,105.9,83.1,71.5,71.4,70.7,70.6,64.6,63.5,61.8,57.1,41.2,40.4,36.9,29.9,29.6,27.0。
【0136】
2−((4−((4−(シアノエチニル)フェニル)アミノ)−4−オキソブチル)−アミノ)−2−オキソエチル)トリス(2,4,6−トリメトキシフェニル)ホスホニウムトリフルオロアセテート(38):
【化55】
38d:(4−((4−ヨードフェニル)アミノ)−4−オキソブチル)カルバミン酸tert−ブチル。
Boc−GABA(1当量、0.928g、4.57mmol)、TEA(3当量、1.39g、1.9mL、13.7mmol)およびDMAP(0.05当量、0.0279g、0.228mmol)の0℃に冷却したDCM(11.7mL)溶液に、EDC(1当量、0.875g、4.57mmol)を添加した。得られた反応塊をさらに10分間0℃で撹拌し、氷浴を除去し、p−ヨードアニリン(1当量、1g、4.57mmol)を添加し、反応物を25℃で一晩放置した。得られた反応塊を1M HCl(2×20mL)、水(1×20mL)で洗浄し、NaSO上で乾燥して38d(1125mg、2.79mmol、61%)を得、これをさらに精製することなく用いた。
H NMR(400MHz,クロロホルム−d)δ9.04(br.s.,1H),7.58−7.72(m,J=8.50Hz,2H),7.37−7.51(m,J=8.50Hz,2H),4.81(br.s.,1H),3.27(m,2H),2.30−2.50(m,2H),1.88(m,2H),1.49(s,9H);13C NMR(101MHz,クロロホルム−d)δ174.2,157.4,137.8,120.9,120.0,87.3,77.0,33.1,32.8,28.4,26.0;ESI−MS:C1522[M+H],405.0;実測値405.1。
【0137】
38c:(4−((4−(3−ヒドロキシプロプ−1−イン−1−イル)フェニル)−アミノ)−4−オキソブチル)カルバミン酸tert−ブチル。
薗頭カップリングのプロトコールBに従って合成した。黄色がかった固体、収率:79%。
H NMR(400MHz,メタノール−d)δ7.54−7.58(m,J=8.50Hz,2H),7.34−7.38(m,J=8.50Hz,2H),4.40(s,2H),3.13(t,J=6.90Hz,2H),2.41(t,J=7.40Hz,2H),1.81−1.89(m,2H),1.44(s,9H);13C NMR(101MHz,メタノール−d)δ174.0,158.6,140.1,133.2,120.8,119.5,88.3,85.3,80.1,51.3,40.9,35.3,28.8,27.1;ESI−MS:C1825[M+H],332.1;実測値332.0。
【0138】
38b:(4−((4−(シアノエチニル)フェニル)アミノ)−4−オキソブチル)カルバミン酸tert−ブチル。
MnO酸化のプロトコールを用いて合成した。反応時間:1時間。白色固体、収率:85%。
H NMR(400MHz,メタノール−d)δ7.61−7.65(m,J=8.80Hz,2H),7.54−7.59(m,J=8.50Hz,2H),3.04(t,J=6.85Hz,2H),2.34(t,J=7.40Hz,2H),1.74−1.81(m,2H),1.34(s,9H);13C NMR(101MHz,メタノール−d)δ174.3,159.1,143.8,135.7,120.8,112.8,106.3,84.6,62.7,40.8,35.3,34.8,28.8,26.9;ESI−MS:C1822[M+H],328.1;実測値328.1。
【0139】
38a:4−((4−(シアノエチニル)フェニル)アミノ)−4−オキソブタン−1−アミニウムトリフルオロアセテート。
38b(1当量、62.8mg、0.192mmol)のDCM(1mL)懸濁液に、TFA(20当量、285μL、3.83mmol)を添加し、得られた25℃で30分間撹拌した。反応塊の蒸発後に標的生成物38a(TFA塩、65.0mg、0.19mmol、99%)を得、さらに精製することなく次の工程に用いた。
H NMR(400MHz,メタノール−d)δ7.71−7.79(m,J=9.15Hz,2H),7.63−7.70(m,J=9.15Hz,2H),3.04(t,J=6.80Hz,2H),2.6(t,J=7.05Hz,2H),1.98−2.08(m,2H);13C NMR(101MHz,メタノール−d)δ173.1,143.6,135.7,120.7,112.9,106.2,84.5,62.7,40.4,34.5,24.0;ESI−MS:C1314[M+H],228.1;実測値228.1。
【0140】
38:(2−((4−((4−(シアノエチニル)フェニル)アミノ)−4−オキソブチル)アミノ)−2−オキソエチル)トリス(2,4,6−トリメトキシフェニル)ホスホニウムトリフルオロアセテート。
38a(1当量、10.1mg、0.0296mmol)のDMF(250μL)溶液に、TEA(1当量、4μL、0.0296mmol)を添加した。TMPP−Ac−OSu(1当量、22.7mg、0.0296mmol)を得られた溶液に添加し、反応塊を15分間室温で。粗生成物をHPLCによって精製し、38(9.9mg、0.0126mmol、42%)を主生成物として単離した。
H NMR(400MHz,メタノール−d)δ7.44−7.59(m,4H),6.13(d,J=4.52Hz,6H),3.75(s,9H),3.50(s,18H),3.00(td,J=7.91,15.31Hz,2H),2.26(t,J=6.90Hz,2H),1.64−1.75(m,2H),1.25−1.43(m,2H);13C NMR(101MHz,メタノール−d)δ174.2,167.4,167.4,165.3,143.6,135.8,120.6,112.8,106.3,92.2(d,J=8Hz),84.5,62.7,56.5,56.2,37.5,29.4(d,J=64Hz),27.9,27.7,24.9;ESI−HRMS:C424711[M],800.29427;実測値800.29401。
【0141】
(5−((4−(シアノエチニル)フェニル)アミノ)−5−オキソペンチル)トリス(2,4,6−トリメトキシフェニル)ホスホニウムブロミド(39):
【化56】
39d:塩化5−ブロモペンタノイル。
5−ブロモペンタン酸(1当量、2.85g、15.7mmol)およびSOCl(1当量、1.87g、1.14mL、15.7mmol)のDCM(50mL)脱気溶液を3時間還流した。得られた反応塊を減圧下で蒸発させて39d(3.11g、100%)を黄色がかった油として得た。粗生成物を精製することなく次の工程に用いた。
【0142】
39c:5−ブロモ−N−(4−ヨードフェニル)ペンタンアミド。
39d(1当量、3.11g、15.7mmol)のDCM(50mL)溶液を、4−ヨードアニリン(1当量、3.45g、15.7mmol)およびDIPEA(1当量、2.03g、2.6mL、15.7mmol)の−78℃に冷却したDCM(50mL)溶液に注いだ。得られた反応塊を室温まで加温させ、さらに30分間撹拌し、1N HCl(2x25mL)、水(1×25mL)で洗浄し、NaSO上で乾燥し、蒸発させて、39c(5.60g、14.66mmol、93%)を褐色固体として得た。
H NMR(400MHz,メタノール−d)δ7.62−7.66(m,2H),7.38−7.43(m,2H),3.50(t,J=6.53Hz,2H),2.42(t,J=7.28Hz,2H),1.81−1.98(m,4H),1.37−1.42(m,1H);13C NMR(101MHz,メタノール−d)δ174.0,140.5,138.9,123.1,87.6,36.9,33.8,33.4,25.3;ESI−MS:C1114BrINO[M+H],381.9;実測値381.8。
【0143】
39b:5−ブロモ−N−(4−(3−ヒドロキシプロプ−1−イン−1−イル)フェニル)ペンタンアミド:
薗頭カップリングのプロトコールAに従って合成した。褐色固体、収率:92%。
H NMR(400MHz,メタノール−d)δ7.49−7.63(m,J=8.53Hz,2H),7.32−7.43(m,J=8.53Hz,2H),4.40(s,2H),4.26(s,1H),3.50(t,J=6.53Hz,2H),2.43(t,J=7.15Hz,2H),1.90−2.04(m,2H),1.74−1.90(m,2H),1.32(s,1H);13C NMR(101MHz,メタノール−d)δ173.9,140.0,133.1,120.7,119.6,88.2,85.2,51.2,36.8,33.7,33.3,25.3;ESI−MS:C1417BrNO[M+H],310.0;実測値310.0。
【0144】
39a:5−ブロモ−N−(4−(シアノエチニル)フェニル)ペンタンアミド。
NH(4当量、94.8mg、5.56mmol)のIPA溶液(2M)および無水MgSO(15当量、2511mg、20.9mmol)を39b(1当量、431mg、1.39mmol)のTHF(3.42mL)撹拌溶液に添加した。この溶液に活性化したMnO(15当量、1814mg、20.9mmol)を添加し、得られた混合物を室温で4時間撹拌し(TLCによって制御、さらなる出発アルコールなし;NB:反応時間が長すぎて加水分解生成物が得られた)、DCM(13mL)で希釈した。混合物を濾過し、DCMで完全に洗浄し、合わせた濾液を減圧下に濃縮させた。固体残渣をフラッシュクロマトグラフィ(EtOAc−シクロヘキサン、20分間勾配、0〜100%のEtOAc)によって精製し、39を白色固体として得た(288mg、0.946mmol、68%)。
H NMR(400MHz,メタノール−d)δ7.69−7.79(m,J=8.78Hz,2H),7.59−7.69(m,J=8.78Hz,2H),3.50(t,J=6.53Hz,2H),1.79−1.99(m,4H),1.26(t,J=7.15Hz,2H);13C NMR(101MHz,メタノール−d)δ174.3,143.8,135.7,120.7,112.8,106.2,101.4,84.6,37.0,33.7,33.4,25.2。ESI−MS:C1414BrN[M+H],304.0;実測値304.0。
【0145】
39:(5−((4−(シアノエチニル)フェニル)アミノ)−5−オキソペンチル)トリス(2,4,6−トリメトキシ−フェニル)ホスホニウムブロミド。
39a(1当量、20mg、0.0655mmol)およびトリス(2,4,6−トリメトキシ−フェニル)ホスファン(TMPP、1.2当量、41.9mg、0.0786mmol)を乾燥トルエン(1mL)に溶解し、室温で一晩撹拌した。39(TFA塩、22mg、39%)を逆相HPLC後に白色固体として得た。
H NMR(400MHz,メタノール−d)δ7.51−7.55(m,4H),6.13(d,J=4.77Hz,6H),3.75(s,9H),3.50(s,18H),3.00(td,J=6.90,15.31Hz,2H),2.26(t,J=6.90Hz,2H),1.73(m,2H),1.22−1.45(m,2H);13C NMR(101MHz,メタノール−d)δ174.2,167.4,165.3,143.6,135.8,120.6,112.8,106.2,93.6,92.3,92.2,84.5,62.7,56.3,37.5,29.7,27.7,24.9;ESI−HRMS:C414610[M],757.28846;実測値757.29552。
【0146】
(4−(4−(シアノエチニル)ベンズアミド)ブチル)トリス(2,4,6−トリメトキシフェニル)ホスホニウムトリフルオロアセテート(40):
【化57】
40c:N−(4−ブロモブチル)−4−ヨードベンズアミド。
4−ヨード安息香酸(1当量、1.45g、5.85mmol)をSOCl(9当量、3.8mL、52.6mmol)中110℃で完全に溶解するまで(およそ15分)加熱した。過剰のSOClを真空中で除去し、得られた固体をDCM(15mL)に注ぎ、−78℃に冷却し、DIPEA(3.1当量、3mL、18.2mmol)を激しい撹拌下に添加した。得られた反応塊に3−ブロモプロピルアミンヒドロブロミド(1.5当量、1.90g、8.77mmol)を添加し、−78℃で5分間撹拌したままにし、さらに20分間撹拌しながら室温まで加温させた。酢酸エチル(100mL)を1M HCl(5mL)と共に添加し、得られた固体を濾過し(生成物)、水で洗浄し、乾燥して40c(2.09g、5.67mmol、97%)を白色固体として生成した。
H NMR(400MHz,メタノール−d)δ7.85(m,J=8.40Hz,2H),7.58(m,J=8.40Hz,2H),3.48−3.56(m,4H),2.12−2.23(m,2H);13C NMR(101MHz,メタノール−d)δ160.1,139.2,136.0,132.8,102.4,50.1,43.2,23.0;ESI−MS:C1012BrINO[M+H],367.9;実測値368.0。
【0147】
40b:N−(4−ブロモブチル)−4−(3−ヒドロキシプロプ−1−イン−1−イル)ベンズアミド。
薗頭カップリングのプロトコールBに従って合成した。褐色固体、収率:81%。
H NMR(400MHz,メタノール−d)δ7.73(m,J=8.40Hz,2H),7.38(m,J=8.40Hz,2H),4.37(t,J=5.30Hz,2H),4.34(s,2H),3.51(t,J=5.80Hz,2H),1.92−1.98(m,2H);13C NMR(101MHz,メタノール−d)δ159.2,134.2,132.4,128.2,127.1,91.2,84.8,67.2,51.2,43.3,22.5;ESI−MS:C1315BrNO[M+H],295.0;実測値295.0。
【0148】
40a:N−(3−ブロモプロピル)−4−(シアノエチニル)ベンズアミド。
MnO酸化のプロトコールを用いて合成した。反応時間:45分間。褐色固体、収率:52%。
H NMR(400MHz,メタノール−d)δ7.90(m,J=8.50Hz,2H),7.80(m,J=8.50Hz,2H),3.42−3.55(m,2H),3.25−3.35(m,2H),2.13−2.23(m,2H),1.92−1.98(m,2H);13C NMR(101MHz,メタノール−d)δ168.7,138.8,134.9,128.9,121.4,105.8,83.0,67.3,41.9,39.8,22.8;ESI−MS:C1312BrN[M+H],291.0;実測値291.2。
【0149】
40:(4−(4−(シアノエチニル)ベンズアミド)ブチル)トリス(2,4,6−トリメトキシフェニル)ホスホニウムトリフルオロアセテート。
40a(1当量、30mg、0.103mmol)およびトリス(2,4,6−トリメトキシフェニル)ホスファン(TMPP、1当量、54.9mg、0.103mmol)を乾燥トルエン(2mL)に溶解させた。得られた溶液を室温で一晩放置した。沈殿を濾過し、DMSOに再溶解させ、HPLCによって精製し、40(35mg、0.0409mmol、40%)を白色固体として得た。
H NMR(400MHz,メタノール−d)δ7.75(d,J=8.50Hz,2H),7.69(d,J=8.50Hz,2H),6.16(d,J=4.70Hz,2H),3.76(s,9H),3.51(s,18H),3.35(t,J=7.10Hz,2H),2.98−3.10(m,2H),1.53−1.64(m,2H);13C NMR(101MHz,メタノール−d)δ168.5,167.5,165.3,138.7,134.9,128.8,121.2,105.8,94.0,92.9,92.3,82.9,64.5,56.5,41.7,27.8,25.7;ESI−HRMS:C404410[M],743.22728;実測値743.23946。
化合物38〜40を本発明による検出および/または分離方法に用いることができる。
【0150】
3−(4−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)フェニル)プロピオニトリル(41):
【化58】
41a:(Z)−4−((4−(シアノエチニル)フェニル)アミノ)−4−オキソブタ−2−ン酸。
7(1当量、76.8mg、0.541mmol)のアセトン(2mL)溶液に、無水マレイン酸(2当量、106mg、1.08mmol)を添加した。約7時間の撹拌後、黄色がかった固体を得た。反応塊を蒸発させ、過剰の無水マレイン酸およびマレイン酸をメタノールで洗浄した。41a(127mg、0.53mmol、98%)を黄色がかった固体として得、さらに精製する必要はなかった。
H NMR(400MHz,DMSO−d)δ12.90(br.s.,1H),10.70(s,1H),7.62−7.90(m,4H),6.50(d,J=11.90Hz,1H),6.34(d,J=11.90Hz,1H);13C NMR(101MHz,DMSO−d)δ166.8,163.8,142.4,135.0,131.7,130.1,119.3,110.2,105.6,84.3,61.9;ESI−MS:C13[M−H],239.0;実測値239.0。
【0151】
41:3−(4−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)フェニル)−プロピオニトリル。
41a(1当量、75mg、0.312mmol)の乾燥DMF(1.21mL)溶液に、無水トリフルオロ酢酸(2当量、86.9μL、0.624mmol)を添加した。室温でさらに5分間撹拌を継続し、KCO(3当量、129mg、0.937mmol)を添加した。反応塊をさらに60分間撹拌し、次いでHPLCによって直接精製し、41(65.9mg、0.297mmol、95%)を僅かに黄色の固体として得た。
H NMR(400MHz,DMSO−d)δ7.81(m,J=8.50Hz,2H),7.52(m,J=8.50Hz,2H),6.96(s,2H);13C NMR(101MHz,DMSO−d)δ169.0,134.4,134.0,126.0,117.3,117.0,82.2,78.5,62.3;ESI−MS:C13[M+H],223.0;実測値229.9。
化合物41を本発明によるバイオコンジュゲーション法に用いることができる。
【0152】
5−((4−(シアノエチニル)−フェニル)−アミノ)−5−オキソペンタン酸2,5−ジオキソピロリジン−1−イル(42):
【化59】
42a:5−((4−(シアノエチニル)フェニル)アミノ)−5−オキソペンタン酸。
7(1当量、200mg、1.41mmol)のアセトン(1mL)溶液に、無水グルタル酸(2当量、321mg、2.81mmol)を添加した。得られた溶液を24時間室温で撹拌した。アセトンを蒸発させ、粗生成物をIPA−シクロヘキサンから再結晶し、42a(324mg、1.27mmol、90%)を灰色固体として得た。
H NMR(400MHz,DMSO−d)δ10.21(s,1H),8.15(br.s.,1H),7.60(d,J=8.72Hz,2H),7.52(d,J=8.72Hz,2H),2.52−2.62(m,4H),2.22−2.32(m,2H);13C NMR(101MHz,DMSO−d)δ170.0,168.5,140.9,134.2,119.0,111.9,105.4,84.1,63.3,30.1,29.0,21.2;ESI−MS:C1411[M−H],255.1;実測値255.1。
【0153】
42:5−((4−(シアノエチニル)フェニル)−アミノ)−5−オキソペンタン酸2,5−ジオキソピロリジン−1−イル。
42a(1当量、18mg、0.0702mmol)のDCM(1mL)溶液に、DCC(1.02当量、14.8mg、0.0716mmol)およびTEA(1当量、6.52mg、0.00895mL、0.0644mmol)を添加した。得られた反応塊を5分間撹拌し、NHS(1当量、8.08mg、0.0702mmol)を添加した。得られた溶液をさらに2時間室温で撹拌した。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィ(シクロヘキサン−EtOAc)によって精製し、42(6.45mg、0.0183mmol、26%)を白色固体として得た。
H NMR(400MHz,クロロホルム−d)δ8.27(br.s.,1H),7.64(d,J=8.78Hz,2H),7.57(d,J=8.78Hz,2H),2.94(s,4H),2.74(t,J=6.53Hz,2H),2.52(t,J=6.90Hz,2H),2.23(m,2H);13C NMR(101MHz,クロロホルム−d)d170.3,169.5,168.2,141.3,134.6,119.4,112.4,105.7,83.2,62.9,35.6,29.9,25.7,21.2;ESI−MS:C1816[M+H],353.1;実測値353.2。
化合物42を本発明によるバイオコンジュゲーション法に用いることができる。
【0154】
3−(4−アジドフェニル)プロピオニトリル(43):
【化60】
7(1当量、151mg、1.07mmol)を25mLの丸底フラスコにおいてアセトニトリル(2.34mL)に溶解させ、氷浴において0℃に冷却した。この撹拌混合物にイソアミルニトリル(IAN、1.5当量、215μL、1.6mmol)、続いてトリメチルシリルアジド(1.2当量、147mg、0.168mL、1.28mmol)を滴加した。得られた溶液を室温で45分間撹拌した。反応混合物を真空下で濃縮し、粗生成物をEtOAcに再溶解させ、水で洗浄し、乾燥し、蒸発させて、43(177mg、1.06mmol、99%)を得た。
H NMR(400MHz,アセトニトリル−d)δ7.58−7.81(m,J=8.78Hz,2H),7.11−7.26(m,J=8.78Hz,2H);13C NMR(101MHz,アセトニトリル−d)δ144.9,136.0,120.4,113.6,105.9,83.4,62.9;GC−ESI−MS:C[M+H],169.0;実測値169.0。
【0155】
5−アジド−N−(4−(シアノエチニル)フェニル)ペンタンアミド(44):
【化61】
44a:塩化5−アジドペンタノイル。
5−アジドペンタン酸(1当量、1.1g、6.99mmol)をSOCl(10当量、5.1mL、69.9mmol)中で30分間還流した。過剰のSOClを真空中で除去し、得られた粗固体を精製することなく次の工程に用いた。
【0156】
44:5−アジド−N−(4−(シアノエチニル)フェニル)ペンタンアミド。
7(1当量、16.1mg、0.113mmol)およびTEA(1.5当量、24μL、0.17mmol)をDCM(3mL)に溶解させ、−78℃に冷却し、44a(1.1当量、20.1mg、0.125mmol)を反応混合物に添加し、次いで、これを、さらに1時間撹拌しながら室温まで加温させた。反応塊を1M HCl(2×1mL)、水(2mL)で洗浄し、NaSO上で乾燥し、蒸発させて粗生成物を得、これををフラッシュクロマトグラフィによって精製し、44(25.5mg、0.101mmol、89%)を灰色固体として得た。
H NMR(400MHz,メタノール−d)δ7.58−7.67(m,J=8.70Hz,2H),7.40−7.58(m,J=8.70Hz,2H),3.23−3.28(m,2H),2.34(t,J=7.28Hz,2H),1.61−1.72(m,2H),1.49−1.61(m,2H);13C NMR(101MHz,メタノール−d)δ173.0,144.0,135.7,134.3,120.7,113.0,106.2,84.5,40.4,34.4,28.8,24.0;ESI−MS:C1414[M+H],268.1;実測値268.1。
【0157】
1−[4−(シアノエチニル)ベンジル]−3,3,6,6−テトラメチル−4,5−ジデヒドロ−2,3,6,7−テトラヒドロチエピニウムトリフラート(45):
【化62】
45c:3−(p−トリル)プロプ−2−イン−1−オール。
薗頭カップリングのプロトコールAを用いて合成した。黄色がかった固体、収率:88%。
H NMR(400MHz,アセトニトリル−d)δ7.25−7.49(m,J=8.03Hz,2H),7.04−7.25(m,J=8.03Hz,2H),4.34(d,J=6.02Hz,2H),3.31(t,J=6.02Hz,1H),2.32(s,3H);13C NMR(101MHz,アセトニトリル−d)δ139.8,132.4,130.3,120.8,88.8,85.1,51.2,21.5;ESI−MS:C1011[M+H],146.1;実測値146.0。
【0158】
45b:3−(p−トリル)プロピオニトリル。
化合物を標準のMnO酸化プロトコールの唯一の生成物として得た。反応時間:3時間。白色固体、収率:67%。
H NMR(400MHz,メタノール−d)δ7.37−7.59(m,J=8.03Hz,2H),7.02−7.31(m,J=8.03Hz,2H),2.29(s,3H);13C NMR(101MHz,メタノール−d)143.2,133.3,129.5,114.0,104.8,83.2,61.3,20.4;ESI−MS:C10[M+H],141.1;実測値141.0。
【0159】
45a:3−(4−(ブロモメチル)フェニル)プロピオニトリル。
45b(1当量、68mg、0.482mmol)のDCM(1mL)脱気溶液を5分間MW照射した(100℃)。反応混合物を蒸発させ、粗生成物を分取HPLCによって精製し、45a(42.4mg、0.193mmol、40%)を黄色がかった固体として得た。
H NMR(400MHz,クロロホルム−d)δ7.56−7.71(m,J=8.28Hz,2H),7.40−7.49(m,J=8.28Hz,2H),4.48(s,2H);13C NMR(101MHz,クロロホルム−d)141.8,133.9,129.5,117.5,105.3,82.3,63.7,31.8;GC−ESI−MS:C10BrN[M+H],219.0;実測値219.0。
【0160】
45:1−[4−(シアノエチニル)ベンジル]−3,3,6,6−テトラメチル−4,5−ジデヒドロ−2,3,6,7−テトラヒドロチエピニウムトリフラート。
45a(1当量、43.7mg、0.199mmol)およびTMTH(1.29当量、43mg、0.255mmol;上述の手順831に従って合成した)のDCM(1.34mL)脱気溶液に、LiOTf(11.6当量、360mg、2.31mmol)の蒸留かつ脱気したHO(0.668mL)溶液を添加した。得られた二相混合物を25℃で5日間激しく撹拌した(1日に1回脱気)。二相を分離し、有機相をDCM(5×2mL)で洗浄した。合わせた有機分を蒸発させ、粗生成物をHPLCによって精製し、45(46.9mg、0.111mmol、56%)を無色油として得た(0℃でゆっくりと結晶化して白色固体を生成した)。
H NMR(400MHz,クロロホルム−d)δ7.65−7.73(m,J=8.03Hz,2H),7.56−7.65(m,J=8.03Hz,2H),5.07(s,2H),4.12(d,J=12.30Hz,2H),3.72(d,J=12.30Hz,2H),1.36(s,6H),1.30(s,6H);13C NMR(101MHz,DMSO−d)δ135.1,133.6,131.9,117.8,106.4,105.8,83.3,63.6,60.1,43.2,34.6,26.4,25.4;HR−ESI−MS:C2022NS[M],308.1;実測値308.1。
化合物43〜45を本発明によるクリック化学(例えば、反応クリック−アジド)に用いることができる。
化合物45を本発明による歪促進クリックに用いることができる。
【0161】
1‐({4‐[1‐{[2‐({3‐カルボキシラト‐4‐[6‐(ジメチルアミノ)‐3‐(ジメチルイミニウミル)‐3H‐キサンテン‐9−イル]フェニル}ホルムアミド)エチル]スルファニル}‐2‐シアノエタ‐1‐エン‐1‐イル]フェニル}メチル)‐3,3,6,6‐テトラメチル‐1‐チアシクロヘプタ‐4‐イン‐1‐イウムトリフルオロアセテート(46):
【化63】
46a:2−(6−(ジメチルアミノ)−3−(ジメチルイミニオ)−3H−キサンテン−9−イル)−5−((2−メルカプトエチル)カルバモイル)ベンゾエート。
TAMRA−5’−COOH(1当量、68.3mg、0.159mmol)のDMF(0.228mL)溶液に、HATU(1当量、60.3mg、0.159mmol)、DIPEA(6当量、123mg、0.157mL、0.952mmol)および二塩化シスタミン(5当量、178mg、0.793mmol)を続けて添加した;得られた溶液塊を一晩撹拌した。DTT(5当量、122mg、0.118mL、0.793mmol)のDCM(0.911mL)溶液を反応塊に添加し、撹拌を2時間継続させた。溶媒を蒸発させた;得られた粗塊をHPLCによって精製し、46a(33.5mg、0.0555mmol、35%)を暗紫色固体として生成した。
H NMR(400MHz,DMSO−d)δ9.06(t,J=5.4Hz,1H,8.70(d,J=1.8Hz,1H),8.30(dd,J=1.8,8.0Hz,1H),7.59(d,J=8.0Hz,1H),7.08−7.02(m,4H),6.95(s,2H),3.52−3.42(m,2H),3.26(s,12H),2.72(dt,J=6.8,8.0Hz,2H);13C NMR(101MHz,DMSO−d)δ166.0,164.7,156.8,156.6,135.9,131.2,130.6,114.6,96.3,42.9,40.5,23.3;HR−ESI−MS:C2727S:489.1722;実測値489.1723。
【0162】
46:1‐({4‐[(1Z)‐1‐{[2‐({3‐カルボキシラト‐4‐[6‐(ジメチルアミノ)‐3‐(ジメチルイミニウミル)‐3H‐キサンテン‐9−イル]フェニル}ホルムアミド)エチル]スルファニル}‐2‐シアノエタ‐1‐エン‐1‐イル]フェニル}メチル)‐3,3,6,6‐テトラメチル‐1‐チアシクロヘプタ‐4‐イン‐1‐イウムトリフルオロアセテート(TAMRA−APN−TMTI)。
45(1当量、6.74mg、0.016mmol)のACN(1mL)溶液を46a(1当量、9.64mg、0.016mmol)のDMF(1mL)溶液と混合させた。次いでDIPEA(5当量、132μL、0.08mmol)を添加し、得られた反応塊を5分の反応後にHPLCに注入し、46(11.9mg、0.0149mmol、93%)を暗紫色固体として生成した。
H NMR(400MHz,DMSO−d)δ8.98(t,J=5.40Hz,1H),8.30(d,J=8.28Hz,1H),8.10−8.20(m,1H),7.85(s,1H),7.57−7.69(m,4H),6.97−7.15(m,5H),6.07(s,1H),4.85(s,2H),2.81−2.90(m,4H),3.28(br.s.,16H),1.25(s,6H),1.05(s,6H);13C NMR(101MHz,DMSO−d)−情報なし(低い分割シグナル);HR−ESI−MS:C4749,797.31897;実測値797.32739。
【0163】
1‐({4‐[2‐シアノ‐1‐[(2‐{4‐[(E)‐2‐[4−(ジメチルアミノ)フェニル]ジアゼン‐1‐イル]ベンゼンスルホンアミド}エチル)スルファニル]エタ‐1‐エン−1‐イル]フェニル}メチル)‐3,3,6,6‐テトラメチル‐1‐チアシクロヘプタ‐4‐イン‐1‐イウム(47,BHQ2−APN−TMTI):
【化64】
47a:(E)−4−((4−(ジメチルアミノ)フェニル)ジアゼニル)−N−(2−メルカプトエチル)ベンゼンスルホンアミド。
塩化ダブシル(1当量、100mg、0.309mmol)の0℃に冷却した乾燥ACN(3mL)溶液に、TEA(7当量、218mg、0.3mL、2.16mmol)および二塩酸シスタミン(5当量、347mg、1.54mmol)を続いて添加した。2時間の撹拌後、DTT(6当量、285mg、0.275mL、1.85mmol)を反応塊に添加した。得られた溶液をさらに2時間撹拌し、蒸発させ、得られた粗生成物をフラッシュクロマトグラフィ(シクロヘキサン−EtOAc)によって精製して47a(105.9mg、94%)を橙色固体として生成した。
【0164】
47:1‐({4‐[(2‐シアノ‐1‐[(2‐{4‐[(E)‐2‐[4‐(ジメチルアミノ)フェニル]ジアゼン‐1‐イル]ベンゼンスルホンアミド}エチル)スルファニル]エタ‐1‐エン‐1‐イル]フェニル}メチル)‐3,3,6,6‐テトラメチル‐1‐チアシクロヘプタ‐4‐イン‐1‐イウムトリフルオロアセテート。
46の合成と同じ手順。収率:94%。
H NMR(400MHz,DMSO−d)δ8.03(t,J=4.89Hz,1H),7.91(d,J=8.53Hz,2H),7.80−7.87(m,J=9.04Hz,2H),7.72−7.79(m,J=8.53Hz,2H),7.68(s,4H),6.87(d,J=9.04Hz,2H),6.08(s,1H),4.86(s,2H),3.92(d,J=12.05Hz,2H),3.84(d,J=12.30Hz,2H),3.10(s,6H),2.71−2.87(m,4H),1.32(s,6H),1.17(s,6H);13C NMR(101MHz,DMSO−d)δ160.2,158.6,158.3,155.1,153.7,143.1,140.3,136.8,131.9,131.3,129.5,128.2,125.9,122.8,117.2,112.1,106.4,99.4,60.0,43.3,42.9,34.5,26.4,25.3;HR−ESI−MS:C3642,672.24951;実測値672.25042。
化合物46〜47を、他の場合には到達可能でない化合物(TMTI)の調製に用いることができる。
【0165】
5‐(3‐{4‐[1‐(4‐{[4‐(2‐シアノエタ‐1‐イン‐1‐イル)フェニル]カルバモイル}ブチル)‐1H‐1,2,3‐トリアゾール‐4−イル]ブタンアミド}プロピル)‐2‐[(E)‐2‐[4‐ヒドロキシ‐2‐(2‐{2‐[2‐(2‐{5‐[(4S)‐2‐オキソ‐ヘキサヒドロ‐1H‐チエノ[3,4‐d]イミダゾリジン‐4−イル]ペンタンアミド}エトキシ)エトキシ]エトキシ}エトキシ)フェニル]ジアゼン‐1‐イル]安息香酸(48,APN−HAZA−ビオチン):
【化65】
化合物48を本発明による精製および/または固定化に用いることができる。
【0166】
48a:2−(6−(ジメチルアミノ)−3−(ジメチルイミニオ)−3H−キサンテン−9−イル)−5−((2−メルカプトエチル)カルバモイル)ベンゾエート。
この化合物を、先に報告したプロトコールに従って合成した。
【0167】
48:5‐(3‐{4‐[1‐(4‐{[4‐(2‐シアノエタ‐1‐イン‐1‐イル)フェニル]カルバモイル}ブチル)−1H‐1,2,3‐トリアゾール‐4−イル]ブタンアミド}プロピル)‐2‐[(E)‐2‐[4‐ヒドロキシ‐2‐(2‐{2‐[2‐(2‐{5‐[(4S)‐2‐オキソ‐ヘキサヒドロ‐1H‐チエノ[3,4‐d]イミダゾリジン‐4−イル]ペンタンアミド}エトキシ)エトキシ]エトキシ}エトキシ)フェニル]ジアゼン‐1‐イル]安息香酸(APN−HAZA−ビオチン)。
48a(1当量、10mg、0.0123mmol)および77(1当量、3.12mg、0.0123mmol)のDMSO(0.472mL)溶液に、アスコルビン酸ナトリウム(10当量、24.4mg、0.123mmol)およびCuSO・5HO(5当量、15.4mg、0.0617mmol)の水溶液を添加した。得られた反応塊を脱気し、25℃で一晩撹拌した。反応塊をHPLCによって直接精製し、48(8.3mg、0.0078mmol、63%)を黄色固体として得た。
H NMR(400MHz,メタノール−d)δ7.78(br.s.,2H),7.72(d,J=8.28Hz,1H),7.67(s,1H),7.58(d,J=8.78Hz,2H),7.50(d,J=8.78Hz,2H),7.29(d,J=8.28Hz,1H),7.25(d,J=8.53Hz,1H),6.29(d,J=7.78Hz,1H),3.70−3.81(m,8H),3.62(d,J=4.77Hz,2H),3.58(d,J=5.02Hz,2H),3.48−3.53(m,2H),3.41−3.48(m,2H),3.01−3.07(m,6H),2.89−3.00(m,10H),2.78(dd,J=4.89,12.93Hz,1H),2.52−2.67(m,8H),2.33(t,J=7.28Hz,2H),2.09−2.19(m,2H),1.81−1.91(m,4H),1.65−1.78(m,2H),1.52−1.63(m,2H),1.42−1.52(m,1H),1.23−1.31(m,1H);HR−ESI−MS:C56671111S,1077.47422;実測値1077.45931。
【0168】
2−((4−(シアノエチニル)フェニル)アミノ)−N,N,N−トリメチル−2−オキソエタン−1−アミニウムトリフルオロアセテート(49):
【化66】
49a:2−クロロ−N,N,N−トリメチル−2−オキソエタン−1−アミニウム。
VasselおよびSkelly(10.1002/0471264180.os035.09)によって先に記載されているように合成した。
【0169】
49:2−((4−(シアノエチニル)フェニル)アミノ)−N,N,N−トリメチル−2−オキソエタン−1−アミニウムトリフルオロアセテート。
3−(4−アミノフェニル)プロプ−2−インニトリル(1当量、66.3mg、0.466mmol)およびDIPEA(1.1当量、66.3mg、0.0848mL、0.513mmol)のDMF(1mL)溶液に、(2−クロロ−2−オキソエチル)トリメチルアザニウムクロリド(1.1当量、88.3mg、0.513mmol)の−20℃に冷却したDMF(1mL)溶液を添加した。得られた反応塊を25℃で10時間撹拌し、RPフラッシュクロマトグラフィによって精製し、49を黄色がかった固体として得た(39mg、0.110mmol、24%)。
H NMR(400MHz,アセトニトリル−d)δ11.14(br.s.,1H),7.70−7.83(m,J=8.78Hz,2H),7.56−7.70(m,J=8.78Hz,2H),4.33(s,2H),3.28(s,9H);13C NMR(101MHz,アセトニトリル−d)δ163.5,142.5,135.8,121.2,113.5,106.5,84.4,66.3,63.1,55.2;ESI−MS:C1416[M],242.13;実測値242.13。
【0170】
3−(1−(1−(4−(シアノエチニル)フェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)−2,5,8,11,14−ペンタオキサヘプタデカン−17−アミド)ペンタン二酸(50):
【化67】
43(1当量、5.65mg、0.0336mmol)のDMSO(0.0331mL)溶液に、二酸アルキン(1当量、14.6mg、0.0336mmol)の水(0.0331mL)溶液を添加した。得られた反応塊に硫酸銅五水和物(0.1当量、0.839mg、0.00336mmol)の最小量の水の溶液を添加し、続いて、アスコルビン酸ナトリウム(0.5当量、3.33mg、0.0168mmol)の最小量の水の溶液を添加した。この添加を、30分後、出発物質が完全に消失するまで(全体で2回)繰り返した。過剰の水を真空まで蒸発させ(加熱を用いてはならない、そうしないと、加水分解生成物が生じ始める)、得られた粗塊を、シリンジフィルタを通した銅塩の濾過後にHPLCによって精製し、50(11mg、0.01828mmol、54%)を白色固体として得た。
H NMR(400MHz,アセトニトリル−d)δ8.41(s,1H),7.95−8.02(m,2H),7.88−7.94(m,2H),6.86(d,J=7.78Hz,1H),4.71(s,2H),4.49(td,J=6.71,8.41Hz,1H),3.68−3.76(m,3H),3.49−3.68(m,21H),2.53−2.64(m,5H),1.97(td,J=2.42,4.96Hz,15H);13C NMR(101MHz,アセトニトリル−d)δ188.7,173.3,161.6,146.5,135.1,131.3,130.8,122.5,121.0,117.9,115.4,64.2,40.4,39.5,36.7,30.6;ESI−MS:C283410[M−H],600.21;実測値600.23。
【0171】
N1,N5−ビス(23−アミノ−3,6,9,12,15,18,21−ヘプタオキサトリコシル)−3−(1−(1−(4−(シアノエチニル)フェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)−2,5,8,11,14−ペンタオキサヘプタデカン−17−アミド)ペンタンジアミド(51):
【化68】
43(1当量、1.64mg、0.00973mmol)およびPEG−アルキン(1当量、11mg、0.00973mmol)のDMSO溶液を、DMSO(0.00958mL)および水(0.00958mL)の混合物に添加した。得られた反応塊に硫酸銅五水和物(0.1当量、0.243mg、0.000973mmol)の最小量の水の溶液を添加し、続いて、アスコルビン酸ナトリウム(0.5当量、0.964mg、0.00487mmol)の最小量の水の溶液を添加した。反応塊を濾過し、HPLCによって精製し、51(5mg、0.003839mmol、39%)を無色液体として得た。
ESI−HRMS:C6010322,1301.72177;実測値1301.72204。
【0172】
N−(17−アミノ−3,6,9,12,15−ペンタオキサヘプタデシル)−1−(1−(4−(シアノエチニル)フェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)−2,5,8,11,14−ペンタオキサヘプタデカン−17−アミド(52):
【化69】
3−(4−アジドフェニル)プロプ−2−インニトリル(1当量、14.9mg、0.0886mmol)のDMSO(0.0872mL)溶液、PEG−アルキン(1当量、50.2mg、0.0886mmol)の水(0.0872mL)溶液。得られた混合物に硫酸銅五水和物(0.1当量、2.21mg、0.00886mmol)の最小量の水の溶液を添加し、続いて、アスコルビン酸ナトリウム(0.5当量、8.77mg、0.0443mmol)の最小量の水の溶液を添加した。硫酸銅五水和物(0.1当量、2.21mg、0.00886mmol)およびアスコルビン酸ナトリウム(0.5当量、8.77mg、0.0443mmol)の添加を、30分後、出発アジドが依然として存在するとき、繰り返した。過剰の水を真空まで蒸発させ、粗生成物をHPLCによって精製し、52(55mg、0.07485mmol、84%)を無色油として得た。
H NMR(400MHz,アセトニトリル−d)δ8.42(s,1H),7.95−8.02(m,J=9.03Hz,2H),7.86−7.95(m,J=8.78Hz,2H),7.30(br.s.,2H),7.19(br.s.,1H),4.71(s,2H),3.73−3.79(m,2H),3.65−3.73(m,7H),3.54−3.65(m,29H),3.51(t,J=5.40Hz,2H),3.34(q,J=5.35Hz,2H),3.13(d,J=4.52Hz,2H),2.37−2.46(m,2H),1.92−2.01(m,5H);13C NMR(126MHz,クロロホルム−d)δ177.5,151.3,144.6,140.7,140.7,140.6,127.2,126.0,125.9,125.8,122.4,110.5,87.2,75.4,75.3,75.3,75.2,75.2,75.1,75.1,75.1,75.0,74.9,74.8,74.8,72.2,71.9,68.9,68.5,45.0,44.2,41.6;ESI−MS:C355511[M+H],735.39;実測値735.20。
【0173】
1−(4−(シアノエチニル)フェニル)−3−(3−(ジメチルアミノ)プロピル)ウレア(53):
【化70】
トリホスゲン(1当量、56.3mg、31.6μL、0.19mmol)のTHF(0.404μL)溶液に、3−(4−アミノフェニル)プロプ−2−インニトリル(3当量、80.9mg、0.569mmol)のTHF(0.404μL)を添加し、次いで、トリエチルアミン(6当量、115mg、158μL、1.14mmol)を添加した。混合物を5分間撹拌し、次いで、3−ジメチルアミノプロピルアミン(3当量、58.1mg、71.8μL、0.569mmol)およびトリエチルアミン(2当量、38.4mg、52.7μL、0.379mmol)をTHF(0.404μL)中に添加した。反応混合物を10分間撹拌し、次いで、濃縮した。得られた残渣をHPLCによって精製し、53(47mg、0.1764mmol、93%)を白色固体として得た。
H NMR(400MHz,メタノール−d)δ7.45−7.50(m,2H),7.41−7.45(m,2H),3.23−3.25(m,1H),3.04−3.11(m,2H),2.80(s,6H),1.77−1.91(m,2H);13C NMR(101MHz,メタノール−d)δ156.5,143.7,134.4,118.0,109.3,105.0,83.7,61.0,55.2,42.1,35.9,25.3;ESI−MS:C1520[M+H],271.16;実測値271.15。
【0174】
3−((3−(3−(4−(シアノエチニル)フェニル)ウレイド)プロピル)ジメチルアンモニオ)プロパン−1−スルホネート(54):
【化71】
53(1当量、27mg、0.0702mmol)および1,3−プロパンスルトン(1.1当量、9.44mg、0.00678mL、0.0773mmol)をIPA(0.5mL)に溶解し、3時間還流した。反応混合物を室温まで冷却し、沈殿を濾過し、冷蒸留水で洗浄してあらゆる未反応プロパンスルトンを除去し、54(27mg、0.0688mmol、98%)を白色固体として得た。
H NMR(400MHz,酸化重水素)δ7.45−7.67(m,2H),7.33(br.s.,2H),3.61(br.s.,4H),3.53(br.s.,1H),3.39(br.s.,2H),3.31(br.s.,2H),3.25(br.s.,2H),3.03(br.s.,7H),2.89(br.s.,7H),2.13(br.s.,1H),1.89(br.s.,7H),1.08(br.s.,2H);ESI−HRMS:C1824S,392.15183;実測値392.15254。
化合物49〜54を、例えばADMEパラメータを変更するための(可溶化剤)本発明によるコンジュゲーション法に用いることができる。
【0175】
3−(4−(4−(ヒドロキシメチル)−1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)フェニル)プロピオニトリル(55):
【化72】
3−(4−アジドフェニル)プロプ−2−インニトリル(1当量、300mg、1.78mmol)および2−プロピン−1−オール(2当量、200mg、0.211mL、3.57mmol)をTHF(9mL)に可溶化させた。この混合物に、硫酸銅五水和物(10%、44.5mg、0.178mmol)の1.5mLの水溶液、続いてアスコルビン酸ナトリウム(0.5当量、176mg、0.892mmol)の1.5mLの水溶液を添加した。得られた溶液を2時間撹拌し、次いで、ロータリーエバポレータで濃縮させた。残渣をDCMで抽出した。有機層をNHCl(飽和)および水で洗浄し、MgSO上で乾燥し、次いで、蒸発させた。残渣をDCMに再可溶化させ、生成物を濾過して55(23.28mg、0.08108mmol、92%)を僅かに黄色がかった固体として得た。
1H NMR(400MHz,MeOD)δ8.58(s,1H),8.04(d,J=7.4Hz,2H),7.93(d,J=7.4Hz,2H),4.77(s,2H);ESI−MS:C12[M+H],225.08;実測値225.05。
【0176】
3−(4−(4−(ブロモメチル)−1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)フェニル)プロピオニトリル(56):
【化73】
55(1当量、19.8mg、0.0881mmol)をTHF(1mL)に、窒素下、室温で溶解させ、3−{4−[4−(ブロモメチル)−1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル]フェニル}プロプ−2−インニトリル(23.3mg、0.0811mmol、92%)を添加した。反応混合物を室温で15時間撹拌した。溶媒を蒸発させ、粗生成物をHPLCによって精製し、56(23.3mg、0.0811mmol、92%)を白色固体として得た。
H NMR(400MHz,アセトニトリル−d)δ8.44(s,1H),7.78−8.03(m,5H),4.74(s,2H);13C NMR(101MHz,クロロホルム−d)δ150.9,144.3,140.6,140.5,126.0,125.9,110.4,87.1,68.5,27.0;ESI−MS:C12BrN[M+H],286.99;実測値287.08。
化合物56を本発明によるバイオコンジュゲーション法に用いることができる。
【0177】
1−({1−[4−(シアノエチニル)フェニル]−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル}メチル)−3,3,6,6−テトラメチル−4,5−ジデヒドロ−2,3,6,7−テトラヒドロチエピニウムトリフルオロアセテート(57):
【化74】
3−{4−[4−(ブロモメチル)−1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル]フェニル}プロプ−2−インニトリル(1当量、19.6mg、0.0684mmol)およびTMTH(1.89当量、21.7mg、0.129mmol)のDCM(0.982mL)脱気溶液に、リチウムトリフラート(10当量、106mg、0.684mmol)の水(0.982mL)溶液を添加した。得られた二相混合物を25℃で2日間激しく混合した。相を分離し、有機相をDCM(5×2mL)で洗浄した。合わせた有機分を蒸発させ、粗生成物をHPLCによって精製して57(23.7mg、0.0451,66%)を白色固体として得た。
ESI−HRMS:C2223S,375.16434;実測値375.16497。
化合物57を本発明によるクリック化学(歪促進クリック)に用いることができる。
【0178】
4−(((1−(4−(シアノエチニル)フェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メチル)カルバモイル)−2−(6−(ジメチルアミノ)−3−(ジメチルイミニオ)−3H−キサンテン−9−イル)ベンゾエート(58):
【化75】
2−[6−(ジメチルアミノ)−3−(ジメチルイミニウミル)−3H−キサンテン−9−イル]−4−[(プロプ−2−イン−1−イル)カルバモイル]ベンゾエート(1当量、52.8mg、0.113mmol)および3−(4−アジドフェニル)プロプ−2−インニトリル(1当量、19mg、0.113mmol)をTHF(1mL)に可溶化させた。得られた反応混合物にH2O(1mL)を添加し、続いて、硫酸銅五水和物(10%、2.82mg、0.0113mmol)およびアスコルビン酸ナトリウム(50%、11.2mg、0.0565mmol)の最小量の水の溶液を添加した(別々に)。得られた反応混合物をさらに30分間撹拌し、蒸発させ、HPLCによって精製して58(66.8mg、0.105mmol、93%)を暗紫色固体として得た。
H NMR(400MHz,メタノール−d)δ8.51(s,1H),8.33(d,J=8.28Hz,1H),8.16(dd,J=1.51,8.28Hz,1H),7.86−8.02(m,2H),7.64−7.86(m,3H),7.02−7.12(m,2H),6.84−7.02(m,4H),4.58−4.71(m,2H);ESI−HRMS:C3729,635.22811;実測値635.22861。
【0179】
3−(9−(ジエチルアミノ)−5−オキソ−5H−ベンゾ[a]フェノキサジン−2−イル)プロピオニトリル(59):
【化76】
59b:8−(ジエチルアミノ)−3−ヒドロキシ−12H−10−オキサ−5−アザテトラフェン−12−オン(1当量、65mg、0.194mmol)を乾燥DCM(2mL)に溶解させ、5℃に冷却した。次いで、TEA(1.2当量、23.6mg、0.0324mL、0.233mmol)を添加し、続いてTfCl(1.2当量、39.3mg、0.0249mL、0.233mmol)を添加した。出発物質が完全に消失するまでTf2Oの添加を繰り返した。溶媒を蒸発させ、残渣を水で処理した。沈殿を濾去し、水およびヘプタンで洗浄して所望の生成物(76mg、0.163mmol、84%)を暗紫色固体として得た。
ESI−HRMS:C2117S,466.08103;実測値466.08221。
【0180】
59a:不活性雰囲気下、DIPEA(2当量、16.1mg、0.0206mL、0.124mmol)およびプロパルギルアルコール(1.5当量、5.23mg、0.00551mL、0.0933mmol)を59b(1当量、29mg、0.0622mmol)、PdCl(PPh(5%、2.18mg、0.00311mmol)およびCuI(10%、1.18mg、0.00622mmol)のDMF(1mL)溶液に添加した。90℃で2時間撹拌後、溶媒を減圧下で除去した。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィ(DCM−メチルOH100−0〜80−20)によって精製した。
ESI−HRMS:C23203,372.14739;実測値372.14735。
【0181】
59:59a(1当量、10mg、0.0269mmol)のTHF(0.121mL)溶液にMgSO(15当量、48.5mg、0.403mmol)、NH(4当量、2M、0.0537mL、0.107mmol)およびMnO(15当量、35mg、0.403mmol)を添加した。反応混合物を室温で15分間撹拌し、続いてHPLCに供した。完了後、混合物を、セライトを通して濾過し、THFで完全に洗浄した。濾液の蒸発により粗生成物59(9.47mg、0.0258mmol、96%)を得、これをHPLCによって精製した。
H NMR(400MHz,クロロホルム−d)δ8.91(s,1H),8.26(d,J=8.03Hz,1H),7.79(dd,J=1.51,8.03Hz,1H),7.62(d,J=9.29Hz,1H),6.74(dd,J=2.63,9.16Hz,1H),6.51(d,J=2.51Hz,1H),6.35(s,1H),5.31(s,2H),3.49(q,J=7.11Hz,4H),1.09−1.36(m,6H);ESI−HRMS:C2317,367.13208;実測値367.13145。
【0182】
(E)−3−(4−((4−(ジメチルアミノ)フェニル)ジアゼニル)フェニル)プロピオニトリル(60):
【化77】
7(1当量、167mg、1.17mmol)をアセトニトリル(2.58mL)に溶解した。この撹拌混合物にイソアミルニトリル(1.5当量、206mg、0.237mL、1.76mmol)を添加し、撹拌をさらに2分間継続させ、次いでジメチルアニリン(1.1当量、156mg、0.165mL、1.29mmol)を添加した。得られた反応混合物を一晩撹拌し(赤色になった)、蒸発させ、フラッシュクロマトグラフィ(DCM、最初のピーク)によって精製して60(120mg、0.437mmol、37%)を赤色固体として得た。
H NMR(400MHz,クロロホルム−d)δ7.91(d,J=9.03Hz,2H),7.82−7.88(m,J=8.53Hz,2H),7.62−7.77(m,J=8.53Hz,2H),6.77(d,J=9.03Hz,2H),3.08−3.18(m,6H);13C NMR(101MHz,クロロホルム−d)δ154.7,153.2,143.7,134.4,125.8,122.5,117.3,111.6,105.6,83.3,64.2,40.3;ESI−HRMS:C1714,274.12185;実測値274.12247。
化合物58〜60を、本発明による検出方法方法に用いることができる。
【0183】
((1−(4−(シアノエチニル)フェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メチル)カルバミン酸tert−ブチル(61):
【化78】
43(1当量、51.5mg、0.306mmol)およびboc−プロパルギルアミン(1当量、47.5mg、0.306mmol)のTHF(2mL)溶液にHO(1mL)ならびにCuSO(10%、4.89mg、0.0306mmol)およびアスコルビン酸ナトリウム(50%、30.3mg、0.153mmol)の水(各50μL)溶液を添加した。撹拌を10分間継続させ、CuSO(10%、4.89mg、0.0306mmol)およびアスコルビン酸ナトリウム(50%、30.3mg、0.153mmol)のうちもう一方の部分を添加した。さらに15分間撹拌した後、EtO(15mL)およびNHCl(飽和、10mL)を添加した。有機相をNHCl(飽和、10mL)でもう二回洗浄し、MgSO上で乾燥し、蒸発させて61(98mg、0.303mmol、99%)を黄色固体として得た。さらに精製することなく用いた。
H NMR(400MHz,クロロホルム−d)δ7.97(s,1H),7.74−7.81(m,J=8.78Hz,2H),7.67−7.74(m,J=8.78Hz,2H),4.41(d,J=6.02Hz,2H),1.32−1.41(m,9H);13C NMR(101MHz,クロロホルム−d)δ139.0,135.1,120.4,117.8,107.2,105.1,81.3,64.5,28.4;ESI−MS:C1718[M+H],323.14;実測値323.13。
【0184】
(1−(4−(シアノエチニル)フェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メタンアミニウムトリフルオロアセテート(62):
【化79】
61(1当量、21.5mg、0.0665mmol)のDCM(1mL)溶液にTFA(20当量、151mg、0.0988mL、1.33mmol)を添加した。得られた反応混合物を室温で一晩(または37℃で2時間)放置し、全ての揮発性化合物の蒸発後に標的生成物(22.4mg、0.0665mmol、100%)を得た。
H NMR(400MHz,メタノール−d)δ8.74(s,1H),7.99−8.15(m,2H),7.85−7.97(m,2H),4.25−4.45(m,2H);13C NMR(101MHz,メタノール−d)δ141.2,138.9,135.2,122.3,120.3,117.7,104.4,81.1,62.9,34.0;ESI−MS:C1210[M],227.09;実測値227.10。
【0185】
N−((1−(4−(シアノエチニル)フェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メチル)−4−(3−(トリフルオロメチル)−3H−ジアジリン−3−イル)ベンズアミド(63):
【化80】
4−[3−(トリフルオロメチル)−3H−ジアジリン−3−イル]安息香酸(1当量、57.8mg、0.251mmol)、HATU(1当量、95.5mg、0.251mmol)、およびDIPEA(3当量、97.4mg、0.125mL、0.753mmol)のDMF(2mL)溶液を62(1当量、84.7mg、0.251mmol)上に添加した。得られた反応塊を10分間撹拌し、HPLCによって精製して標的化合物(76.5mg、0.176mmol、70%)を白色固体として得た。
ESI−HRMS:C2112O,435.10554;実測値435.10512。
化合物63を、例えばタンパク質の光標識のための本発明による標識方法に用いることができる。
【0186】
(2−((2−(4−(シアノエチニル)ベンズアミド)エチル)ジスルファニル)エチル)カルバミン酸tert−ブチル(64):
【化81】
23(1当量、36mg、0.143mmol)のacn(1mL)溶液に、N−{2−[(2−アミノエチル)ジスルファニル]エチル}カルバミン酸tert−ブチル(1当量、36mg、0.143mmol)およびDIPEA(2.12当量、39.1mg、0.05mL、0.303mmol)のACN(1mL)溶液を添加した。得られた反応混合物を10分間放置し、次いで溶媒を蒸発させ、粗生成物をフラッシュクロマトグラフィによって精製して標的生成物(29.3mg、0.0723mmol、51%)を黄色がかった固体として得た。
H NMR(400MHz,メタノール−d)δ7.74−7.84(m,J=8.53Hz,2H),7.58−7.74(m,J=8.53Hz,2H),3.60(t,J=6.78Hz,2H),3.23−3.35(m,2H),2.85(t,J=6.78Hz,2H),2.71(t,J=6.90Hz,2H),1.32(s,9H);13C NMR(101MHz,メタノール−d)δ167.3,157.0,137.3,133.5,127.5,120.1,104.4,81.5,78.8,63.1,39.3,39.1,37.8,27.4,26.6;ESI−MS:C1924[M+H],406.12;実測値406.10。
【0187】
2−((2−(4−(シアノエチニル)ベンズアミド)エチル)ジスルファニル)エタン−1−アミニウムトリフルオロアセテート(65):
【化82】
64(1当量、29.3mg、0.0723mmol)のACN−DCM混合物(1mLの各溶媒)溶液にTFA(10当量、82.4mg、0.0537mL、0.723mmol)を添加した。得られた反応混合物を24時間撹拌し、蒸発させて標的化合物65(30mg、0.0715mmol、99%)を無色液体として得た。
ESI−HRMS:C1416OS,306.07293;実測値306.07312。
【0188】
2−((2−(4−(シアノエチニル)ベンズアミド)エチル)ジスルファニル)エタン−1−アミニウムトリフルオロアセテート(66):
【化83】
62(0.567当量、10.1mg、0.0299mmol)のMeOH(0.0881mL)溶液を2−[4,7,10−トリス(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロデカン−1−イル]酢酸(1当量、21.4mg、0.0528mmol)の水(0.661mL)溶液にゆっくり添加した。混合物を氷によって冷却し、DIPEA(25.2当量、172mg、0.22mL、1.33mmol)を用いてpHを5に調整した。EDC(0.65当量、6.59mg、0.0344mmol)の水溶液を滴加し、氷冷しながら20分間撹拌した。DIPEAを用いてpHを8まで上昇させ、30分間室温で反応させた。反応の終点をHPLCを用いてモニタリングした。
ESI−HRMS:C2835,609.26594;実測値609.26417。
化合物66をキレート剤として用いることができる。
【0189】
5−((4−((4−(2−シアノ−1−((2−(4−((4−((E)−(2,5−ジメトキシ−4−((E)−(4−ニトロフェニル)ジアゼニル)フェニル)ジアゼニルフェニル)−(メチル)アミノ)ブタンアミド)エチル)チオ)ビニル)フェニル)アミノ)−4−オキソブチル)カルバモイル)−2−(6−(ジメチルアミノ)−3−(ジメチルイミニオ)−3H−キサンテン−9−イル)ベンゾエート(A):
【化84】
4−((4−((E)−(2,5−ジメトキシ−4−((E)−(4−ニトロフェニル)ジアゼニル)フェニル)ジアゼニル)フェニル)(メチル)アミノ)−ブタン酸(BHQ−2)。
FastBlackKヘミ(塩化亜鉛)塩(実用等級、約30%の染料分)(7.76g)を冷水(150.0mL、0℃)に懸濁させ、20分間撹拌した。懸濁液を濾過し、赤色溶液を、水アセトン混合物(1:1)(150.0mL)中の4−(メチル(フェニル)アミノ)ブタン酸(1.33g、6.88mmol)、濃塩酸(3.1mL)および酢酸ナトリウム(3.6g、43.90mmol)の冷(0℃)混合物に滴加した。反応混合物を10℃で15分間および室温で2時間撹拌した。次いで、反応粗生成物を酢酸エチル(3×150mL)で抽出し、合わせた有機層をNaSO上で乾燥した。粗生成物をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィ(100%EtOAc、次いで100%DCM〜DCM/MeOH(95:5))によって精製した。BHQ−2(1.36g、39%)を暗紫色固体として得た。
1H NMR(400MHz,メタノール−d)δ8.31(d,J=9.0Hz,2H),8.00(d,J=9.0Hz,2H),7.86(d,J=9.0Hz,2H),7.45(s,1H),7.40(s,1H),6.77(d,J=9.0Hz,2H),4.05(s,3H),4.00(s,3H),3.5(t,J=7.1Hz,2H),2.36(t,J=7.1Hz,2H),1.98−1.90(m,2H);13C NMR(101MHz,メタノール−d)δ176.2,157.1,154.3,153.0,151.4,149.0,147.4,145.0,142.6,126.9,125.3,124.2,112.1,101.7,100.7,57.2,52.3,39.0,31.6,22.9。
【0190】
65b:4−((4−((E)−(2,5−ジメトキシ−4−((E)−(4−ニトロフェニル)ジアゼニル)フェニル)ジアゼニル)フェニル)(メチル)アミノ)−N−(2−メルカプトエチル)ブタンアミド((BHQ−2)−SH)。
BHQ−2(1当量、92.2mg、0.182mmol)をDMF(5mL)およびDCM(10mL)の混合物に溶解させた。TEA(6当量、152μL、1.09mmol)および二塩化シスタミン(5当量、204mg、0.91mmol)を添加した。混合物を0℃に冷却し、HBTU(1当量、69mg、0.182mmol)を添加した。溶液を室温に到達させ、15時間撹拌した。全て転換したら、DTT(6当量、168mg、0.162mL、1.09mmol)を添加した。得られた混合物を室温で10分間撹拌した後、粗生成物を飽和NaHCO溶液(75mL)で希釈し、EtOAc(2×50mL)で抽出した。有機層を合わせ、水(50mL)、塩水(50mL)で洗浄し、NaSO上で乾燥した。粗生成物をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィ(DCM/MeOH、100:0〜95:5)によって精製して(BHQ−2)−SH(60.7mg、0.107mmol、59%)を暗紫色固体として生成した。
H NMR(400MHz,クロロホルム−d)δ8.33(d,J=9.0Hz,2H),8.0(d,J=9.1Hz,2H),7.9(d,J=9.1Hz,2H),7.42(s,1H),7.42(s,1H),6.75(d,J=9.00Hz,2H),5.90(t,J=5.6Hz,1H),4.06(s,3H),4.01(s,3H),3.49(t,J=7.4Hz,2H),3.41(dt,J=6.2,6.4Hz,2H),2.64(td,J=6.4,8.47Hz,2H),2.24(t,J=7.4Hz,2H),2.01−1.94(m,2H);13C NMR(101MHz,クロロホルム−d)δ172.2,156.6,153.8,152.4,151.1,148.5,147.0,144.7,142.3,126.4,124.9,123.7,111.6,101.2,100.3,57.0,56.9,51.8,42.5,38.7,33.4,24.9,23.0;HR−ESI−MS:C2731S,565.2107;実測値565.2105。
【0191】
67:5−((4−((4−(シアノエチニル)フェニル)アミノ)−4−オキソブチル)カルバモイル)−2−(6−(ジメチルアミノ)−3−(ジメチルイミニオ)−3H−キサンテン−9−イル)ベンゾエート。
62a(1当量、17.3mg、0.0507mmol)およびTAMRA−5’−COOH(1当量、21.8mg、0.0507mmol)の0℃に冷却したDMF(1.4mL)脱気溶液に、HBTU(1当量、19.2mg)を0℃で添加した。得られた反応塊を5分間撹拌し、TEAを添加した。反応塊を25℃で1時間撹拌し、蒸発させ、HPLCによって精製し、65a(22mg、68%)を暗紫色固体として生成した。
H NMR(400MHz,メタノール−d)δ8.8(br.s,1H),8.7(s,1H),8.08−8.16(d,J=8.2Hz,1H),7.60−7.70(d,J=8.9Hz,2H),7.49−7.58(d,J=8.9Hz,2H),7.32−7.39(d,J=8.2,1H),δ7.01(s,4H),6.93(s,2H),3.48−3.58(m,2H),3.26(s,12H),2.44−2.54(t,J=7.17Hz,2H),1.98−2.12(m,2H);13C NMR(101MHz,メタノール−d)−情報なし;HR−ESI−MS:639.24817;実測値639.24310。
【0192】
A:5−((4−((4−(2−シアノ−1−((2−(4−((4−((E)−(2,5−ジメトキシ−4−((E)−(4−ニトロフェニル)ジアゼニル)フェニル)ジアゼニルフェニル)−(メチル)アミノ)ブタンアミド)エチル)チオ)ビニル)フェニル)アミノ)−4−オキソブチル)カルバモイル)−2−(6−(ジメチルアミノ)−3−(ジメチルイミニオ)−3H−キサンテン−9−イル)ベンゾエート。
BHQ−SH(1.13当量、2mg、0.00354mmol)のDCM(0.5mL)脱気溶液に、67(1当量、2mg、0.00313mmol)のメタノール(0.5mL)脱気溶液を添加した。TEA(4.6当量、2μL、0.0144mmol)を添加し、得られた反応塊を25℃で一晩放置した。溶媒を蒸発させ;粗生成物をDMSO(0.5mL)に再溶解させ、HPLCによって精製し、BHQ−APN−TAMRA(A,2.7mg、0.00225mmol、72%)を暗紫色固体として得た。
H NMR(400MHz,メタノール−d4)δ8.63(d,J=2.0Hz,1H),8.34(d,J=8.8Hz,2H),8.22(dd,J=7.8,2.0Hz,1H),8.00(d,J=8.8Hz,2H),7.75(d,J=9.0Hz,2H),7.69(d,J=8.5Hz,2H),7.53(d,J=8.0Hz,1H),7.39(d,J=8.5Hz,2H),7.34(d,J=9.0Hz,2H),6.75−6.86(m,8H),5.48(s,1H),4.02(s,3H),3.92(s,3H),3.58−3.63(m,2H),3.45−3.52(m,2H),3.21(s,12H),3.16(t,J=6.9Hz,2H),3.08(s,3H),2.71(t,J=6.5Hz,2H),2.55(t,J=6.2Hz,2H),2.22(t,J=6.9Hz,2H),2.08−2.16(m,2H),1.88−1.96(m,2H),1.61(br.s,1H);13C NMR(101MHz,メタノール−d)−情報なし;HR−ESI−MS:C65651210[M+H],1205.46618;実測値1205.46748。
【0193】
5−((3−(3−((2−(4−((4−((E)−(2,5−ジメトキシ−4−((E)−(4−ニトロフェニル)ジアゼニル)フェニル)ジアゼニル)フェニル)(メチル)アミノ)ブタンアミド)エチル)チオ)−2,5−ジオキソピロリジン−1−イル)プロピル)カルバモイル)−2−(6−(ジ−メチルアミノ)−3−(ジメチルイミニオ)−3H−キサンテン−9−イル)ベンゾエート(B):
【化85】
B−4:3a,4,7,7a−テトラヒドロ−1H−4,7−エポキシイソインドール−1,3(2H)−ジオン。
この化合物を先に記載した手順に従って合成した。845
【0194】
B−3:(3−((3aR,7aS)−1,3−ジオキソ−3a,4,7,7a−テトラヒドロ−1H−4,7−エポキシイソインドール−2(3H)−イル)プロピル)カルバミン酸tert−ブチル。
B−4(1当量、1.76g、10.7mmol)およびN−(3−ブロモプロピル)カルバミン酸tert−ブチル(2当量、5.07g、21.3mmol)のDMF(20mL)溶液に、KCO(1.2当量、1.77g、12.8mmol)を添加した。得られた反応塊を50℃で18時間加熱した。溶液を冷却させ;固体残渣を濾過してDMFで洗浄した。合わせた有機分を蒸発させ、ヘキサン(50mL)を添加してスラリー塊を得た。得られた懸濁液をさらなる時間にわたって撹拌し、濾過し、ヘキサンで洗浄してB−3(3.36g、10.4mmol、98%)を白色固体として得た。
H NMR(400MHz,クロロホルム−d)δ6.49(s,2H),5.23(s,2H),3.52(t,J=6.5Hz,2H),2.96−3.09(m,2H),2.82(s,2H),1.66−1.75(m,2H),1.41(s,9H);13C NMR(101MHz,クロロホルム−d)δ176.5,155.9,136.5,81.0,79.3,47.5,37.1,36.0,28.4,27.8。
【0195】
B−2:1−(3−アミノプロピル)−1H−ピロール−2,5−ジオン(TFA塩)。
66c(1当量、243mg、0.754mmol)のトルエン(25mL)溶液を3時間還流した。トルエンを蒸発させ;得られた白色粗生成物をDCM(5mL)に再溶解させ、TFA(0.5mL)を添加した。撹拌を出発物質が完全に消失するまで(TLCによって制御)2時間継続させた。メタノール(3mL)によって反応をクエンチした後、溶媒を蒸発させた。得られた1−(3−アミノプロピル)−1H−ピロール−2,5−ジオン(B−2、TFA塩、190mg、94%)をさらに精製することなく用いた。
H NMR(400MHz,メタノール−d)δ6.76(s,2H),3.52(t,J=6.7Hz,2H),2.80−2.88(m,2H),1.76−1.88(m,2H);13C NMR(101MHz,メタノール−d4)δ170.6,135.6,38.5,35.4,28.0。
【0196】
B−1:2−(6−(ジメチルアミノ)−3−(ジメチルイミニオ)−3H−キサンテン−9−イル)−5−((3−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)プロピル)カルバモイル)ベンゾエート(TAMRA−マレイミド):
TAMRA−5’−COOH(1当量、71.5mg、0.166mmol)のDMF(3.21mL)溶液に、TEA(2.5当量、57.7μL、0.415mmol)およびHATU(1.12当量、70.7mg、0.186mmol)を添加した。得られた反応塊をさらに5分間撹拌し、B−2(1当量、71.5mg、0.166mmol)を添加した。撹拌を25分間継続し、反応塊を約1mLの体積になるまで減圧下で蒸発させ、反応塊を分取HPLCによって精製してTAMRA−マレイミド(B−1、34.8mg、0.0615mmol、37%)を桃色固体として得た。
H NMR(400MHz,メタノール−d)δ8.66(d,J=1.8Hz,1H),8.14(dd,J=1.8,8.0Hz,2H),7.41(d,J=8.0Hz,2H),7.02(d,J=9.5Hz,1H),6.92(dd,J=9.5,2.2Hz,2H),6.81(d,J=2.2Hz,2H),6.72(s,2H),3.52(t,J=6.8Hz,2H),3.34(t,J=7.0Hz,2H),3.17(s,12H),1.80−1.90(m,2H);13C NMR(101MHz,メタノール−d)δ172.5,168.2,167.4,160.6,159.0,158.9,138.1,137.7,137.6,135.5,132.9,132.3,132.0,131.4,115.6,114.8,97.5,82.4,41.0,38.6,36.4,29.3。HR−ESI−MS:C3230,566.21653;実測値566.21654。
【0197】
B:5−((3−(3−((2−(4−((4−((E)−(2,5−ジメトキシ−4−((E)−(4−ニトロ−フェニル)ジアゼニル)フェニル)ジアゼニル)フェニル)(メチル)アミノ)ブタンアミド)エチル)チオ)−2,5−ジオキソピロリジン−1−イル)プロピル)カルバモイル)−2−(6−(ジメチルアミノ)−3−(ジメチルイミニオ)−3H−キサンテン−9−イル)ベンゾエート。
BHQ−SH(1.15当量、4.6mg、0.00812mmol)のDCM(0.5mL)脱気溶液に、TAMRA−マレイミド(B−1)(1当量、4mg、0.00313mmol)のメタノール(0.5mL)脱気溶液を添加した。TEA(5当量、5μL、0.0353mmol)を添加し、得られた反応塊を25℃で一晩放置した。溶媒を蒸発させ;粗生成物をDMSO(0.5mL)に再溶解し、HPLCによって精製してB(7mg、0.00621mmol、88%)を暗紫色固体として得た。
H NMR(400MHz,DMSO−d)δ8.91(t,J=6.1Hz,1H),8.68(s,1H),8.43(d,J=9.1Hz,2H),8.31(d,J=8.9Hz,1H),8.01−8.10(m,3H),7.77(d,J=9.1Hz,2H),7.60(d,J=7.8Hz,1H),7.39(s,1H),7.33(s,1H),6.99(s,3H),6.89(s,1H),6.85(d,J=9.1Hz,2H),4.04(dd,J=3.9,8.9Hz,1H),3.98(s,3H),3.92(s,3H),3.41−3.45(m,2H),3.27−3.38(m,6H),3.23(m,12H),3.06(s,3H),2.85−2.95(m,1H),2.72−2.81(m,1H),2.52−2.56(m,2H),2.17(t,J=7.3Hz,2H),1.74−1.88(m,4H)。HR−ESI−MS:C59621111[M+H],1132.43455;実測値1132.43384。
【0198】
実施例2:本発明の化合物によるシステイン誘導体の標識
【化86】
一般手順
985μLのPBS(1×、pH7.6)を含有するバイアルに、5μLのベンズアミド原液(水中10mM)、5μLのアリールプロピオニトリル原液(1−12、DMSO中10mM)および5μLのAcCysNHBn原液(7m、DMSO中10mM)を続けて添加した。反応混合物(50μL)のアリコートをHPLC(反応の0および30分で注入)によって分析した。出発物質および加水分解生成物のピーク下の面積を内部標準のピークの面積に従って正規化した。
【0199】
結果
得られた結果を以下の表2にまとめる。表2は、50μMの濃度の各試薬において25℃で7mの存在下に30分での化合物1〜12の転化率を提示する。反応は、プロピオニトリル基に対してオルト位の置換基に由来する立体障害(エントリー1、5、8〜9、4)、ならびに置換基:−Iおよび−M置換基;の電子効果の増加(エントリー10および12)に対して極めて感受性であるが、+M置換基は、化合物の反応性を低下させる(エントリー3および7)。
【表3】
【0200】
実施例3:式(I)の化合物の加水分解安定性およびフェニルマレイミドとの比較
980μLのPBS(1×、pH7.6)を含有するバイアルに、10μLのベンズアミド原液および10μLの求電子剤原液(フェニルマレイミド1または
【化87】
を続けて添加し、最終濃度を1mMとした(内部標準および求電子剤の両方)。反応混合物(50μL)のアリコートをHPLCによって分析し、5時間加水分解した(30分ごとに注入)。出発物質および加水分解生成物のピーク下の面積を内部標準のピークの面積に従って正規化した。
【0201】
得られた結果を図4および5に提示する。顕著な加水分解はフェニルマレイミド1についてのみ観察された(PhMal、kobs=7×10−5−1)。11は、検出可能な濃度変化を示さなかった。
【0202】
実施例4:式(III)の化合物の安定性
種々の条件における以下の化合物の安定性
「付加物」
【化88】
の100mM原液をDMSO中で調製し、−20℃で保存した。1μLの上記原液を999μLの希釈標準溶液に添加し、最終濃度が100μMの基質を得た。アリコートを0、30および60分で分析した。出発物質のピーク下の面積を内部標準(ベンズアミド)のピークの面積に従って正規化した。全ての測定を25℃で行った。
【0203】
以下の表3は、種々の媒体中の1時間での「付加物」の転化率を示す。
【表4】
【0204】
この実験は、付加物が安定であり、広範な条件、特に0〜14の範囲のpHにおいて非常に僅かな分解しか経験しないことを明確に示している。
【0205】
また、付加物が、過剰の別のチオール、例えばフェニルチオールまたはグルタチオンを含む媒体に1時間暴露されたとき、いずれのチオール交換もほとんど観察されない。
【0206】
式(III)の化合物の安定性およびマレイミドとの比較
以下の化合物A(本発明による)およびB(参照化合物)の安定性を種々の生体条件において調査した。
【化89】
【0207】
細胞培養:
マウスからの正常な肝臓BNL CL.2細胞を、10%ウシ胎児血清(Perbio,Brebieres,France)、2mMのL−グルタミン、100U/mLのペニシリン、100μg/mLのストレプトマイシン(Eurobio)を補充した1g/lのグルコース(Eurobio,Les Ulis,France)を含むダルベッコMEM培地において成長させた。細胞を37℃で5%CO湿気環境に維持した。
【0208】
顕微鏡
実験の24時間前に、ウエルあたり2.5×10のBNL CL.2細胞を8ウエルのLab-Tek IIチャンバーカバーガラス(参照番号155409,Nunc,Naperville,IL,USA)に播種した。所要量のプローブAおよびBをMEM完全培地において300μlまで希釈して1μMの最終濃度を得、次いで、上記細胞上に添加した。5μg/mlのHoechst118溶液を核マーカーとして用いた。細胞を、10%FBSフェノールレッドフリーイーグルMEM培地で洗浄した後、共焦点Leica TSC SPE II顕微鏡によって観察した。
【0209】
サイトメトリー:
実験前日、BNL CL.2細胞をダルベッコMEM完全培地中2.0×10細胞/ウエルで96プレート(Greiner Bio One,Frickenhausen,Germany)に播種した。両方のプローブ(AおよびB)をダルベッコMEM完全培地中1μMの濃度で調製し、種々の時間(2、6および24時間)の間、細胞上に添加した。PBS(Eurobio)で洗浄し、40μlのトリプシンで5分間インキュベーションし、160μLのPBS EDTA(5mM)を添加した後、細胞を、緑色レーザーによるPCA-96Guavaサイトメーター(Guava Technologies Merck Millipore,Billerica,MA,USA)におけるフローサイトメトリーによって分析した。
【0210】
第1に、化合物Aは、ヒト血漿において化合物Bよりもはるかに安定であった(図1参照)。第2に、化合物Aは、インセルロにおいて、化合物Bよりも、はるかに安定であった(図2参照)。
【0211】
実施例4:チオール部位に対する本発明の化合物の選択性
選択性についてのスクリーニングを、非保護アミノ酸のベンジルアミドにおいて行った。アミノ酸(TFA塩の形態)のベンジルアミドおよび求電子剤(フェニルプロピオニトリルおよびフェニルマレイミド)の100mMの原液をDMSO中で調製し、−20℃で保存した。100mMのベンズアミド原液(内部標準として使用)を蒸留水中で調製し、−20℃で保存した。反応混合物の分析をShimadzu LC with SunFire(商標)C18(5μMの4.6×150mmのカラム)によって行った(Waters)。HPLCパラメータは以下の通りであった:流量:1mL/分、勾配:5〜95%の移動相B、0〜20分、続いて95%の移動相で5分、およびポスト時間5分。移動相Aは0.05%TFA水溶液(mQ)(v/v)であり、移動相Bはアセトニトリル(HPLC等級)であった。データを、Shimadzu分析ソフトウェアを用いて分析した。シグナルを、内部標準(ベンズアミド)のピークの面積に従って正規化した。アミノ酸ベンジルアミドのピーク下の面積を用いて反応の際の転化率を算出した。
【0212】
10μLのアミノ酸ベンズアミド原液および2.5μLのベンズアミド原液を、977.5μLのPBS(1×、pH7.6)を含有するバイアルに添加した。溶液を撹拌し、10μLの求電子剤原液を添加して1mMの最終濃度の試薬および0.25mMの濃度のベンズアミドを得た。反応混合物(50μL)のアリコートを1時間の加水分解(0、30および60分で注入)でHPLCによって分析した。出発物質および加水分解生成物のピーク下の面積を内部標準のピークの面積に従って正規化した。フェニルプロピオニトリルの場合、いずれのアミノ酸モデルも1.6%超の転化率を得られなかった(以下の表3を参照)。逆に、フェニルマレイミドを試験したとき、いくつかのアミノ酸ベンジルアミドが最大で8.5%の転化率を示した。対応するアダクトの塊をいくつかの場合において(表4の太字を参照)質量分析(ESI−LCMS)によって検出した。
【0213】
以下の表4は、フェニルプロピオニトリル(1)の存在下、PBS(1×、pH7.6)中1時間でのベンジルアミドの転化率を提示する。
【表5】
【0214】
以下の表5は、フェニルマレイミドの存在下、PBS(1×、pH7.6)中1時間でのベンジルアミドの転化率を提示する。太字の値は、対応するアダクトの塊がESI−LCMSによって検出されたものに相当する。
【表6】
【0215】
結論として、チオール部位に対する本発明の化合物の選択性は、他の部位と比較したとき、プロピオニトリル部位がマレイミド部位で置き換えられている対応する化合物について得られた選択性よりも明らかに高い。
【0216】
実施例5:毒性試験
以下の式(II)の「リンカー」化合物の毒性をHaCaT細胞株におけるMTTアッセイによって検討した:
【化90】
インビトロ細胞毒性を、MTT(3−(4,5−ジメチルチアゾール−2−イル)−2,5−ジフェニルテトラゾリウムブロミド)アッセイを用いて測定した。この実験を、細胞培養培地(10%ウシ胎児血清および1mMグルタミンを補充したRPMI1640培地、ウエルあたり200μL)においてコンフルエンスまで成長させたHaCaT細胞を含む96ウエルプレートにおいて実施した。細胞を化学試薬によって種々の濃度(1/2段階希釈により100μM〜0.78μM)で37℃において24時間インキュベートした。インキュベーション後、上澄みを、MTT(300μg/mL)を含有する新たな培養培地で置き換えた。37℃で2時間のインキュベーション後、培地を注意深く除去し、100μLのDMSOを添加し、MTTのミトコンドリア内酵素誘導還元によって生成したホルマザン結晶を溶解した。吸光度をマイクロプレートリーダー(Biotek,Synergy HT)を用いて595nmで測定した。細胞生存性を未処理の対照細胞の百分率として表した。
【0217】
MTT試験の結果を図5に提示する。式(II)の化合物は毒性でなく、そのため、例えば生体用途に用いられ得ることが明確に示されている。
【0218】
実施例6:式(I)の化合物によるリゾチームの標識:
リゾチームのトリプシン消化物の標識
1nmolのリゾチームをNHHCO(25mM)に可溶化させ、1時間の間57℃で1mMのTCEPによって還元した。APN−TMPPの溶液(DMSO中1mM)を1:200のモル比でタンパク質に添加した。次いで、標識タンパク質をブタトリプシン(Promega V5111)によるタンパク質分解に供した。サンプルを25mM重炭酸アンモニウム中1:100(w/w)トリプシンによって35℃で一晩消化させた。反応に続いてナノLC−MS/MS分析を行った。得られたペプチド混合物を、ナノエレクトロスプレー源を備えたQ-TOF maXis(Bruker Daltonics,Bremen,Germany)質量分析器に連結されたnanoACQUITY Ultra-Performance-LC system(Waters,Milford,MA)においてC18逆相ナノHPLCによって分析した。クロマトグラフィ分離をnanoACQUITY Ultra-Performance-LCにおいて実施した。ペプチドをACQUITY UPLC(登録商標)BEH130 C18カラム(Waters Corp.)(75μm×200mm、1.7μm粒径)において分離した。溶媒系は、0.1%ギ酸の水溶液(溶媒A)および0.1%ギ酸のアセトニトリル溶液(溶媒B)からなった。トラッピングを、99%の溶媒Aおよび1%の溶媒Bによって5μL/分で3分間、20×0.18mmの5μmのSymmetry C18プレカラム(Waters Corp.)において実施した。溶離を、1〜50%勾配の溶媒Bを用いて300nL/分の流量で50℃において30分、続いて、80%(5分間)の溶媒Bにおいて高速上昇で実施した。完全系をHystar 3.2(Bruker Daltonics)によって完全に制御した。Q-TOF機器を以下の設定で操作した:電源温度を200℃に設定し、乾燥気体流量が4l/時間であり、ナノエレクトロスプレー電圧が4kVであった。TOFの質量検量線を50〜2200m/zの範囲においてポジティブモードでES-TOF Tuning Mix(Agilent Technologies)を用いて得た。タンデムMS実験では、系をm/z範囲[50〜2200]においてMSおよびMS/MSモードの両方の間での自動切り替えによって操作した。MSにおいて、総時間は0.2秒であった。MS/MSにおいて、総時間は、親イオン強度の関数において0.2秒と1.4秒との間で加重した。2つの最も豊富なペプチド(強度閾値400au)、好ましくは2、3、4または5つの電荷を有するイオンを各MSスペクトルにおいて選択してさらに単離し、衝突エネルギープロファイルを用いて設定された2つのエネルギーによりCIDフラグメント化した。衝突ガスとしてアルゴンを用いてフラグメント化を実施した。トリプシンペプチドを(初めから)手動で配列決定してその配列を確認し、APN-TMPPプローブによってタグ付けされたシステインを位置付けた。ペプチドを、算出されたペプチド配列のモノアイソトピック質量に基づいて、抽出されたイオンクロマトグラム(EIC)を用いて同定した。
【0219】
APN−TMPP化学選択性の評価を、APN−TMPP(1μM)対タンパク質のモル比200:1(システイン部位に対しておよそ10:1)で、室温で1時間のトリプシン消化物による反応の研究によって実施した。化学的誘導体化によらずおよびこれによって得られたペプチド混合物をLC−MS/MSによって分析した。全ての検出可能なシステイン含有ペプチドは、システイン不含ペプチドが影響を受けることなく、プローブと反応し、遅延された。標識効率を、LC−MSによる、標識および非標識ペプチドの強度間の比に基づいて評価した。検出されたペプチドのうち98%超が完全に標識された。LC−MS結果により、システイン含有ペプチドは、疎水性TMPP基の添加に起因して保持時間が増加する一方で、他の全てのペプチドの保持時間は変化しないということが明確に示されている(表6)。
【0220】
以下の表6は、APN−TMPPとの反応前後のリゾチームのトリプシン消化物のLC−MS分析の結果を示す。
【表7】
【0221】
実施例7:CD38A275C突然変異体による可溶化APN試薬(49〜54)のコンジュゲーション。
(49によるCD38突然変異体の修飾の例における)実験の一般スキームを図6に示す。
300μLのCD38C275溶液(1mg/mL)に可溶化APN試薬(49〜54)の6μLの50mM DMSO溶液を添加した。平行して、対照として、300μLのCD38C275に、6μLのDMSOを添加した。両方のサンプルを25℃で15時間インキュベートし、次いで5回透析し(メンブレンカットオフ10k)、最終体積が30μL(10mg/mL)のそれぞれを得た。凝集物のサイズをDLSによって測定した。
【0222】
実施例8:CD38−CD375突然変異体の標識およびマレイミドとの比較
a)本発明の化合物および対応するマレイミドの安定性
以下の化合物を合成した:
【化91】
安定性の研究により、本発明の化合物がPBS(リン酸緩衝食塩水)中で24時間安定であることが実証された。比較して、マレイミド部位を含む対応する化合物は、1時間後にPBS中で70%が分解した。
【0223】
b)CD38突然変異体との反応
両方の化合物をCD38−C375突然変異体の2μM溶液と反応させた。
精製後のゲル電気泳動により、対応するマレイミド化合物によってよりも、本発明の化合物によって、より高い標識速度が得られ得ることが示された。図7は、精製前後に本発明の化合物およびマレイミドによって得られたゲル電気泳動を提示する。
【0224】
実施例9:化合物18を用いたトラスツズマブおよびTAMRAのコンジュゲーション
実験の一般スキームを図8に示す。
トラスツズマブの溶液(100uL、50mMホウ酸緩衝液pH8.5中10mg/mL)に18の溶液(DMSO中10mg/mL)1.74μLを添加した。25℃で1時間インキュベーション後、0.69μLのTAMRA−SH(DMSO中100mM)を添加した。混合物を25℃で16時間インキュベートし、コンジュゲートをサイズ排除クロマトグラフィによって精製した。
18の代わりに4−(N−マレイミドメチル)シクロヘキサンカルボン酸N−ヒドロキシスクシンイミドエステル(SMCC)を用いて比較実験を行った。
得られたコンジュゲート(図9)のSDS−PAGE分析により、化合物18がSMCCと比較して高いレベルのコンジュゲーションを可能にすることが示された。
18を用いて調製したコンジュゲートのネイティブESI−MS分析(図10図11)により、抗体あたり平均1分子のTAMRAがコンジュゲートしたことが示された。
SMCCを用いて調製したコンジュゲートのネイティブESI−MS分析(図12図13)により、識別不能な種の複合混合物が示された。
実験により、化合物18が、一般に適用されるSMCCと比較して、より高いレベルのコンジュゲーションを可能にし、よりクリーンなコンジュゲート集団を与えることが示されている。
【0225】
実施例10:部分還元トラスツズマブへの化合物58の直接コンジュゲーション。
実験の一般スキームを図14に示す。
トラスツズマブの溶液(100uL、10mMのEDTAを含む50mM PBS(pH7.4)中10mg/mL)をTCEPの溶液(水中10mM、1.1または2.2当量)に添加した。混合物を37℃で2時間インキュベートし、次いで、58の溶液(8.25μL、DMSO中10mM)を添加した。混合物を25℃で16時間インキュベートし、コンジュゲートをサイズ排除クロマトグラフィによって精製した。
得られたコンジュゲートのSDS−PAGE分析(図15)により、化合物58が抗体に共有結合したことが示された。ESI−MS分析により、2.2当量のTCEPを用いて抗体あたり平均4分子がコンジュゲートしたことが示された。
【0226】
実施例11:化合物33および34を用いた抗体フラグメントの再架橋。
実験の一般スキームを図16に示す。
トラスツズマブの溶液(100uL、10mMのEDTAを含む50mM PBS(pH7.4)中10mg/mL)を、TCEPの溶液(水中10mM、5当量)に添加した。混合物を37℃で2時間インキュベートし、次いで、33または34の溶液(DMSO中10mM、15当量)を添加した。得られた溶液を25℃で16時間インキュベートし、次いで、還元条件においてSDS−PAGEによって分析した。
SDS−PAGE分析により、抗体フラグメントが化合物33および34によって成功裏に架橋されたことが示された(図17)。
図1
図2a
図2b
図2c
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17