(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6578440
(24)【登録日】2019年8月30日
(45)【発行日】2019年9月18日
(54)【発明の名称】電気エネルギーを貯蔵するためのセルモジュール、電池及びハウジング
(51)【国際特許分類】
H01M 10/04 20060101AFI20190909BHJP
H01M 2/30 20060101ALI20190909BHJP
H01M 2/10 20060101ALI20190909BHJP
H01M 2/02 20060101ALI20190909BHJP
H01M 10/058 20100101ALI20190909BHJP
H01M 4/587 20100101ALI20190909BHJP
H01M 4/58 20100101ALI20190909BHJP
H01M 4/505 20100101ALI20190909BHJP
H01M 4/525 20100101ALI20190909BHJP
【FI】
H01M10/04 Z
H01M2/30 B
H01M2/10 M
H01M2/02 A
H01M10/058
H01M4/587
H01M4/58
H01M4/505
H01M4/525
【請求項の数】11
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2018-524555(P2018-524555)
(86)(22)【出願日】2016年9月26日
(65)【公表番号】特表2018-523283(P2018-523283A)
(43)【公表日】2018年8月16日
(86)【国際出願番号】EP2016072870
(87)【国際公開番号】WO2017063858
(87)【国際公開日】20170420
【審査請求日】2018年1月31日
(31)【優先権主張番号】102015220196.1
(32)【優先日】2015年10月16日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】317008263
【氏名又は名称】ヴァルタ マイクロバッテリー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
(73)【特許権者】
【識別番号】519138128
【氏名又は名称】ファオヴェー クラフトヴェルク ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100103816
【弁理士】
【氏名又は名称】風早 信昭
(74)【代理人】
【識別番号】100120927
【弁理士】
【氏名又は名称】浅野 典子
(72)【発明者】
【氏名】ホル, コンラッド
【審査官】
結城 佐織
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2013/0089761(US,A1)
【文献】
特開2009−272161(JP,A)
【文献】
特開2008−159590(JP,A)
【文献】
特開2002−008605(JP,A)
【文献】
特開2007−095597(JP,A)
【文献】
独国特許出願公開第102013213550(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 10/04
H01M 2/02
H01M 2/10
H01M 2/30
H01M 4/505
H01M 4/525
H01M 4/58
H01M 4/587
H01M 10/058
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気エネルギーを貯蔵するためのセルモジュールであって、モジュールハウジングと、モジュールハウジング内のn個のセルとを含み、n個のセルの各々は、少なくとも一つの陽極及び少なくとも一つの陰極を有し、n≧2であり、モジュールハウジングが、少なくとも三つの外部電気接続極を有し、モジュールハウジングが金属からなり、n個のセルが共通の電解質システムを持ち、モジュールハウジング内のn個のセルがn個の同一のセルである、セルモジュール。
【請求項2】
前記セルモジュールが、n個のセルとしてn個の電池及び/又は蓄電器を含むことを特徴とする請求項1に記載のセルモジュール。
【請求項3】
モジュールハウジングが、以下の(i)又は(ii)を有することを特徴とする請求項1又は2に記載のセルモジュール:
(i)n個のセルの陽極に電気的に接続される二つの陽外部電気接続極、及びn個のセルの陰極に電気的に接続される少なくとも一つの陰外部電気接続極、又は
(ii)n個のセルの陰極に電気的に接続される二つの陰外部電気接続極、及びn個のセルの陽極に電気的に接続される少なくとも一つの陽外部電気接続極。
【請求項4】
モジュールハウジングが、第一及び第二の陽外部電気接続極を有し、かつ第一及び第二の陰外部電気接続極を有し、二つの第一の外部電気接続極は、第一回路に属し、二つの第二外部電気接続極は、第二回路に属し、第一及び第二回路は、互いに分離されている、請求項1〜3のいずれかに記載のセルモジュール。
【請求項5】
以下の(i)〜(v)を特徴とする請求項4に記載のセルモジュール:
(i)少なくとも一つの第一陽極及び少なくとも一つの第一陰極を有する第一セル、及び少なくとも一つの第二陽極及び少なくとも一つの第二陰極を有する第二セルが、モジュールハウジング内に配置される、
(ii)少なくとも一つの第一陽極が、第一陽外部電気接続極に電気的に接続される、
(iii)少なくとも一つの第一陰極が、第一陰外部電気接続極に電気的に接続される、
(iv)少なくとも一つの第二陽極が、第二陽外部電気接続極に電気的に接続される、
(v)少なくとも一つの第二陰極が、第二陰外部電気接続極に電気的に接続される。
【請求項6】
互いに異なるセルが、モジュールハウジング内に配置されることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のセルモジュール。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれかに記載のセルモジュールを二つ以上含む電池であって、セルモジュールが、それらの外部電気接続極を介して直列で又は並列で互いに相互接続されている、電池。
【請求項8】
セルモジュールが第一のセルモジュール及び第二のセルモジュールを含む請求項7に記載の電池であって、第一のセルモジュール及び第二のセルモジュールが請求項4又は5に記載のセルモジュールであり、第一セルモジュールの第一陽外部電気接続極が、第二セルモジュールの第一陰外部電気接続極に電気的に接続され、第一セルモジュールの第二陽外部電気接続極が、第二セルモジュールの第二陰外部電気接続極に電気的に接続される、電池。
【請求項9】
セルモジュールをm個直列に接続して含む請求項7又は8に記載の電池であって、セルモジュールが請求項4又は5に記載のセルモジュールであり、mが12であり、隣接するセルモジュールの各々が、請求項8に記載の第一及び第二セルモジュールのように相互接続される、電池。
【請求項10】
C//NMC(Liニッケル−マンガン−コバルト)に基づくか、及び/又はC//LFP(Li鉄ホスフェート)に基づくセルを少なくとも一つ含む、請求項7〜9のいずれかに記載の電池。
【請求項11】
前記モジュールハウジングが少なくとも三つの開口を有し、それらを通って電気伝導体がモジュールハウジングの内側から外側に案内される、請求項1又は2に記載のセルモジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
以下に記載される発明は、電気エネルギーを貯蔵するためのセルモジュール、及びかかるセルモジュールを有する、特にハイブリッド車のための電池に関する。
【背景技術】
【0002】
ハイブリッド車では、純粋なハイブリッド(短くするとHEV、「ハイブリッド電気自動車」)と、いわゆるプラグインハイブリッド(短くするとPHEV、「プラグインハイブリッド電気自動車」)の間で区別がなされている。
【0003】
HEVは、電気モーター及び内燃機関によって駆動される自動車である。HEVは、二つのエネルギー貯蔵源を持つ。即ち、ガソリン、ディーゼル、又は水素のような燃料のためのタンク、及び電気エネルギーを貯蔵するための電池である。前記HEVはさらに、内燃機関及び電気モーターを有し、それらは、二つのエネルギー貯蔵源に結合されている。外部エネルギー源から電池を充電するための設備を持たない。
【0004】
PHEVは、基本的にHEVと同じ構成を有する。しかしながら、PHEVでは、電池はまた、配電網で外部から充電されることができる。PHEV中の電池は、通常、HEV中のものより大きい寸法を有している。
【0005】
HEV及びPHEVの両方において、使用される電池は、通常、モジュールシステムであり、それは、直列に接続された複数のセルを含み、各々が陽極及び陰極を有する。セルは、一般に二つの外部接続極を有するハウジングを持つ。接続極の一方は、少なくとも一つの陽極に接続され、他方は、少なくとも一つの陰極に接続される。セルは、一般に接続極によって直列に相互接続される。例えば、リチウムイオンに基づく12個のセル(個々のセルのスイッチオフ電圧=4.2V)は、相互接続されて50.4Vの最大電圧を有する電池を形成することができる。
【発明の概要】
【0006】
本発明は、電池によって含まれるセルモジュールのタイプ又は数を変化させずに、特にそれぞれに要求される電圧に関して、HEV及びPHEVにおける異なる要求に柔軟かつ簡単に調整されることができるモジュール式構造の電池を提供する目的に基づく。
【0007】
この目的は、請求項1の特徴を有する電気エネルギーを貯蔵するためのセルモジュールによって、及び請求項8の特徴を有する電池によって達成される。さらに、請求項12の特徴を有するモジュールハウジングもまた、本発明に含まれる。セルモジュールの好ましい実施形態は、従属請求項2〜7に規定される。本発明による電池の好ましい実施形態は、従属請求項9〜11に特定される。従属請求項13は、本発明によるモジュールハウジングの好ましい実施形態を含む。
【0008】
本発明によるセルモジュールは、モジュールハウジングと、モジュールハウジング内のn個のセルとを含み、n個のセルの各々は、少なくとも一つの陽極(positive electrode)及び少なくとも一つの陰極(negative electrode)を有する。
【0009】
この場合において、n≧2であり、モジュールハウジングが、少なくとも三つの外部電気接続極を有する。
【0010】
原則として、セルモジュールは、n個のセルとしていかなる種類の電気化学セルを含むことができる。前記セルモジュールは、電池又は蓄電器セル又は電池と蓄電器セルの組み合わせを含むことが特に好ましい。個々のセルと、複数の個々のセルを含むセル複合体の両方がセルとして使用されることができる。n個のセルは、n個の個々のセルであることが特に好ましい。
【0011】
個々のセルの最も簡単な場合は、陽極及び陰極を含むセルである。即ち、陽極/セパレーター/陰極の順序を有するセルである。
【0012】
さらに、いわゆるバイセルもまた、個々のセルであると考えられる。即ち、陽極/セパレーター/陰極/セパレーター/陽極、又は陰極/セパレーター/陽極/セパレーター/陰極の順序を有するセルである。
【0013】
上述の順序のうちの一つを有する複数の個々のセルから構成されるスタックは、例えばセル複合体として使用されることができる。もしセル又はセル複合体が同じ極性の二つ以上の電極を含むなら、前記電極が適切な導電体によって、通常は溶接によって互いに電気的に接続されることが一般に好ましい。
【0014】
ある好ましい実施形態では、n個のセルの各々は、それ自身のセルハウジングを有し、特に複合フィルム、例えば金属とプラスチックの複合フィルムから構成されたハウジングを有し、n個のセルハウジングは、そのときモジュールハウジングに配置される。
【0015】
しかしながら、n個のセルは、それら自身のセルハウジングを持たないことも可能である。この場合において、モジュールハウジングは、セルハウジングとして機能する。n個のセルは、そのとき例えば共通の電解質システムを持つことができる。
【0016】
好ましい実施形態では、セルモジュールは、リチウムイオンに基づくn個のセルを含む。即ち、充電及び放電工程中、リチウムイオンが陽極から陰極に、その逆に移動するセルを含む。セルは、巻き形態で又はスタック形態でモジュールハウジング内に存在することができる。
【0017】
ある特に好ましい実施形態では、モジュールハウジングは、n=2の巻かれた個々のセルをセルとして含む。
【0018】
モジュールハウジング内のn個のセルが同一であることが好ましい。これは、セルが同じ材料及び成分から、そして各場合において同じ条件下で製造されたこと、及びそれらが同じ構造、同じ公称静電容量、及び同じ公称電圧を有することを意味することが理解されるべきである。
【0019】
特に好ましくは、n=2の同一セルは、モジュールハウジング内に配置され、特にn=2の同一の巻かれた個々のセルが配置される。
【0020】
原則として、少なくとも三つの外部電気接続極は、モジュールハウジングの外側に位置される電気負荷の直接接触接続のために作用することができる。しかしながら、前記接続極は、少なくとも一つのさらなるセルモジュール、好ましくは同じタイプの少なくとも一つのさらなるセルモジュールの極に対するセルモジュールの相互接続のために作用することが好ましい。
【0021】
モジュールハウジングの外側に配置される金属構成部品は、通常、接続極として作用する。しかしながら、モジュールハウジング自体はまた、電気接続極の一つとして、又は少なくともモジュールハウジング内に配置された電極の一つと接続極の一つの間の電気ブリッジとして作用することができる。但し、前記モジュールハウジングが電気的に伝導性の設計を持つことが条件である。
【0022】
本発明によるセルモジュールは、モジュールハウジングが以下の(i)又は(ii)のいずれかを有することを特徴とすることが好ましい:
(i)n個のセルの陽極に電気的に接続される二つの陽外部電気接続極(positive external electrical connection pole)、及びn個のセルの陰極に電気的に接続される少なくとも一つの陰外部電気接続極(negative external electrical connection pole)、又は
(ii)n個のセルの陰極に電気的に接続される二つの陰外部電気接続極、及びn個のセルの陽極に電気的に接続される少なくとも一つの陽外部電気接続極。
【0023】
セルモジュールは、以下の(i)〜(v)の特徴の少なくとも一つ、特に以下の(i)〜(v)の特徴の組み合わせを有することを特徴とすることが特に好ましい:
(i)モジュールハウジングが第一及び第二の陽外部電気接続極を有する、
(ii)モジュールハウジングが第一及び第二の陰外部電気接続極を有する、
(iii)二つの第一接続極が第一回路に属する、
(iv)二つの第二接続極が第二回路に属する、
(v)第一及び第二の回路が互いに分離されている。
【0024】
一つの発展例では、本発明によるセルモジュールのかかる特に好ましい構成の場合において、
(i)少なくとも一つの第一陽極及び少なくとも一つの第一陰極を有する第一セル、及び少なくとも一つの第二陽極及び少なくとも一つの第二陰極を有する第二セルが、モジュールハウジング内に配置される、
(ii)少なくとも一つの第一陽極が、第一陽外部電気接続極に電気的に接続される、
(iii)少なくとも一つの第一陰極が、第一陰外部電気接続極に電気的に接続される、
(iv)少なくとも一つの第二陽極が、第二陽外部電気接続極に電気的に接続される、
(v)少なくとも一つの第二陰極が、第二陰外部電気接続極に電気的に接続される。
【0025】
本発明によるセルモジュールの幾つかの実施形態では、互いに異なるセルがモジュールハウジング内に配置されることが好ましいかもしれない。この変形例は、特に異なるセルが同じ電解質システムを有するときに有利でありうる。例えば、C//NMC(Liニッケル−マンガン−コバルト)に基づくセルをC//LFP(Li鉄ホスフェート)に基づくセルと組み合わせることが可能である。両システムは、一般に、電解質として有機溶媒(通常、二種以上の有機カーボネートの混合物)に溶解されたリチウムイオンを使用する。
【0026】
少なくとも三つの外部電気接続極を有するセルモジュールの発明構成によって、二つ以上のセルは、一つの同じモジュールハウジングにおいて互いに分離された方法で構築されることができる。従って、セルモジュールは、異なる電圧を供給することができる。
【0027】
複数のセルモジュールは、要求によりそれらの外部接続極によって直列に又は並列に相互接続されることができる。結果として、電池は、高度のフレキシビリティ及び極めてコスト効果的な方法で構成されることができる。例えば、リチウムイオンに基づく12個の同一のセルモジュール(個々のセルのスイッチオフ電圧=4.2V)は、各々前述の第一及び第二のセルを備えられ、各々が二つの陽接続極及び二つの陰接続極を有し、それらは、記載された方法で第一及び第二の個々のセルの電極に結合され、従って1×50.4V又は2×50.4V又は1×100.8Vを有する電池を形成するために相互接続されることができる。1×50.4Vを有する電池は、おそらくちょうど六個のかかるセルモジュールで形成されることもできる。それゆえ、セルモジュールは、≦60Vの電圧を有する極めてコンパクトな電池の構成のために特に好適である。かかる電池は、例えば冒頭で述べたHEV及びPHEVのために好適である。
【0028】
本発明によるセルモジュール、好ましくは二つ以上の本発明によるセルモジュールを含む各電池は、本発明の主題である。セルモジュールは、この場合においてそれらの外部電気接続極によって直列に又は並列に互いに相互接続されることが好ましい。
【0029】
特に好ましい実施形態では、本発明による電池は、上記の好ましい実施形態による第一及び第二のセルモジュールを含み、
(i)モジュールハウジングが第一及び第二の陽外部電気接続極を有する、
(ii)モジュールハウジングが第一及び第二の陰外部電気接続極を有する、
(iii)二つの第一接続極が第一回路に属する、
(iv)二つの第二接続極が第二回路に属する、
(v)第一及び第二の回路が互いに分離されている、
そして、第一セルモジュールの第一陽外部電気接続極が、第二セルモジュールの第一陰外部電気接続極に電気的に接続され、第一セルモジュールの第二陽外部電気接続極が、第二セルモジュールの第二陰外部電気接続極に電気的に接続される。
【0030】
この特に好ましい実施形態の一つの可能な発展例では、電池は、直列に接続されたm個のかかるセルモジュールを含み、mは、12であることが好ましく、隣接セルモジュールは、各々第一及び第二のセルモジュールのように相互接続されることが好ましい。
【0031】
電池は、C//NMC(Liニッケル−マンガン−コバルト)に基づくか、及び/又はC//LFP(Li鉄ホスフェート)に基づく少なくとも一つのセルを含むことが好ましい。
【0032】
電池は、互いに相互接続されたセルモジュールが互いに隣りに配置される容器を含むことができる。この場合において、前記容器は、例えばプラスチックから作られた容器であることができる。
【0033】
本発明によるモジュールハウジングは、特に本発明によるセルモジュールのために設計されている。前記モジュールハウジングは、それが少なくとも三つの開口、好ましくは四つの開口を有し、それを通って電気伝導体がモジュールハウジングの内側から外側に案内されることを特徴とする。電気伝導体は、例えば極スタッドであることができる。
【0034】
モジュールハウジングは、金属、例えばアルミニウム板からなることができる。
【0035】
モジュールハウジングは、矩形のハウジングベースと、それに対して直角に配置された四つの側壁と、ハウジングベースと実質的に同じ形状及びサイズであるハウジングカバーとを有する容器から構成されることが好ましい。換言すれば、前記モジュールハウジングは、立方体であることが好ましい。ハウジングカバーは、概して輪郭で表わされることが難しく、ほぼ水平面として言及されることができる。モジュールハウジングは、通常、容器の開口リムに溶接されるハウジングカバーの縁によって閉じられる。
【0036】
モジュールハウジングは、前述のアルミニウム板のような金属からなることが特に好ましく、矩形のハウジングベース及び前記のハウジングカバーを有する容器から構成される。
【0037】
モジュールハウジングが金属からなるとき、開口を通って案内された電気伝導体は、モジュールハウジングから絶縁されなければならない。
【0038】
好ましい実施形態では、モジュールハウジングはまた、金属フィルム又は金属とプラスチックの複合フィルムからなることができる。後者は、多層形態で構成されることが好ましく、少なくとも一つのアルミニウム層を含むことが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【
図1】
図1は、従来技術の電池の概略平面図を示す。
【
図2】
図2は、本発明によるセルモジュールの一実施形態の概略平面図を示す。
【
図3】
図3は、本発明による電池の一実施形態の概略平面図を示す。
【
図4】
図4は、本発明による電池の一実施形態の概略平面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0040】
本発明のさらなる特徴及び本発明から生じる効果は、図面の以下の記載から明らかであり、それを使用して本発明が説明される。以下に記載される実施形態は、本発明の説明のため及びより良い理解のためにのみ役立ち、いかなる場合にも限定して理解されるべきでない。
【0041】
図1(従来技術)は、電池100の平面図を示し、それは通常のセルから構成され、それらのセルは各々、二つの電気接続極(陽極及び陰極)を有するハウジングを持つ。図面は、概略図である。
【0042】
全体として、電池は、リチウムイオンに基づく12個のセル1−12を含む(個々のモジュールの電圧:4.2V)。隣接セルの陽極及び陰極は各々、それらの接続極によって互いに電気的に接続される。12個のセルは、この直列相互接続によって相互接続され、50.4Vの最大電圧を有する電池を形成することができる。
【0043】
図2は、本発明によるセルモジュール200の一実施形態の(概略的な)平面図を示す。セルモジュール200は、二つの巻かれたセル201及び202を含み、各々は、少なくとも一つの陽極と少なくとも一つの陰極を有する。さらに、前記セルモジュールは、四つの外部接続極:つまり、陽接続極205及び208、及び陰接続極206及び207を含む。セル201及び202は、モジュールハウジング209内に配置される。モジュールハウジング209は、矩形のバウジングベース及びそれに対して直角に配置された四つの側壁、及びハウジングベースと実質的に同じ形状及びサイズであるハウジングカバー209aを有する容器209b(ここでは良好な明確化の目的のために透明で示される)から構成される。
【0044】
陽接続極205は、二つの巻かれたセル201及び202の一方の少なくとも一つの陽極に電気的に接続される。陽接続極208は、二つの巻かれたセル201及び202の他方の少なくとも一つの陽極に電気的に接続される。陰接続極206は、二つの巻かれたセル201及び202の一方の少なくとも一つの陰極に電気的に接続される。陰接続極207は、二つの巻かれたセル201及び202の他方の少なくとも一つの陰極に電気的に接続される。二つの接続極205及び206は、第一回路203に属する。二つの接続極207及び208は、第二回路204に属する。第一及び第二回路203及び204は、互いに分離される。
【0045】
巻かれたセル201及び202は、同一のセル(4.2Vの電圧を有するリチウムイオンセル)であるので、第一及び第二回路は、それぞれ同じ電圧(U1=U2)を供給する。
【0046】
図3は、本発明による電池300の一実施形態の(概略的)平面図を示し、それは、
図2に示されるように、セルモジュールから構成される。セルモジュール1−12の各々は、応じて四つの電気接続極(二つの陽極及び二つの陰極)を有するモジュールハウジングを有する。
【0047】
隣接セルモジュールの陽極及び陰極は各々、それらの接続極によって互いに電気的に接続される。12個のセルモジュールの選択された相互接続は、(互いに独立して)50.4Vの2倍の最大電圧を供給することができる電池を与える。
【0048】
図4は、本発明による電池400の一実施形態の(概略的)平面図を示し、それは、
図2に示されるように、セルモジュールから構成される。セルモジュール1−12の各々は、応じて四つの電気接続極(二つの陽極及び二つの陰極)を有するハウジングを有する。
【0049】
隣接セルモジュールの陽極及び陰極は各々、それらの接続極によって互いに電気的に接続される。さらに、セルモジュール1の陽接続極は、セルモジュール12の陰接続極に電気的に接続される。12個のセルモジュールの選択された相互接続は、100.8Vの最大電圧を供給することができる電池を与える。