(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記少なくとも1つのアームは、第1加重端部と前記第1加重端部に対して鈍角に設けられる第1先細状端部とを有する第1アームと、第2加重端部と前記第2加重端部に対して鈍角に設けられる第2先細状端部とを有する第2アームとを備え、
前記第1アームは、第1枢動可能締結具により前記プロペラの前記第1面に枢動可能に装着され、前記第2アームは、第2枢動可能締結具により前記プロペラの前記第1面に枢動可能に装着される、請求項1,2,3,4,5,6,7,8または9のいずれかに記載のプロペラ。
前記少なくとも1つの付勢部材は、前記第1加重端部と前記第2加重端部とに結合される第1付勢部材と、前記第2加重端部と前記第1締結具とに結合される第2付勢部材とを有し、
前記第1付勢部材は、前記第1加重端部に第1付勢力を作用させ、前記第2付勢部材は、前記第2加重端部に第2付勢力を作用させる、請求項10に記載のプロペラ。
前記第1プロペラの角速度が第1所定閾値を越えたときに、前記少なくとも1つの付勢部材により前記第1アームに作用する付勢力を越えて前記第1モータの前記作動を開始した後に、遠心力が少なくとも前記第1アームに作用する、請求項12に記載の方法。
複数のモータの作動を開始することであって、前記複数のモータのそれぞれが複数のプロペラの1つに連結され、前記第1モータは、前記複数のモータの1つであり、前記第1プロペラは、前記複数のプロペラの1つである、前記複数のモータの作動を開始することを更に備え、
前記第2モータの前記作動は、前記複数のモータの前記作動が開始した後に停止される、請求項14に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0005】
以下により詳細に説明するように、本開示はプロペラクラッチ機構に関する。特に、本明細書に開示したシステム及び方法は、プロペラブレードに関連して装着されるばね付勢された機構、例えば、プロペラブレードの下側に設けられる取付板に関する。いくつかの実施形態では、航空機、例えば、無人航空機は、プロペラを回転するためのシャフトを有するモータを備える。シャフトは、プロペラの回転を望まなくなったときにプロペラが実質的に整列すべき軸を画定する、1つまたは複数のポスト(または、肩)を有するベースを通して延びる。プロペラに回転可能に装着されかつ引張ばねまたは他の付勢部材によりリンクされる一対のフェザーリングアーム(または、ロックアーム)を有するばね付勢されたクラッチ機構が、プロペラの平坦面に装着され、プロペラがシャフトに結合されるポイントを囲む。
【0006】
プロペラが回転してないとき、フェザーリングアームはシャフトの回りに収縮し、ベースのポストがその中に収容される狭いチャンネルを形成する。したがって、ベースのポストが狭いチャンネル内に収容され、モータが停止されたときに、プロペラはポストにより画定される軸に沿って実質的に整列状態のままである。モータが始動し、プロペラが回転を開始するときに、フェザーリングアームは、このアームとポストとの間の接触により、プロペラが十分速い角速度に達するまで、例えばプロペラの角速度が所定の閾値を越えるときまで、押し開けられる。プロペラが通常作動に一致する角速度で動力回転すると、付勢部材により提供される付勢力は、フェザーリングアームに作用する遠心力により完全に克服され、フェザーリングアームは最終的に開いたままとなり、ポストとの接触から解放される。モータが停止し、プロペラの角速度が所定の閾値よりも低下すると、フェザーリングアームは、ポストと接触する状態となる前に、再度収縮し始め、プロペラは最終的に停止し、ポストにより画定される軸に沿って整列する。
【0007】
したがって、本開示にしたがって、ばね付勢されたクラッチ機構は、フェザーリングアームがベースに装着された1つまたは複数のポストを緊密に囲み、プロペラをポストにより画定される軸方向に向けたままとする閉位置と、フェザーリングアームがポストを越えて拡大し、プロペラを充分に高い回転速度でシャフトの回りに自由に回転可能とする開位置とを有してもよい。ばね付勢されたクラッチ機構は、結果として、プロペラが結合されるモータが作動してないときに、他のいかなる電気または機械装置または構成要素を使用することなく、プロプラを所定の向き(例えば、所定の軸方向に沿って)に整列させる。所定の向きは、制限するものではないが、抗力、音響特性または他の作動上の考慮を含む任意の基準で選択してもよい。
【0008】
図1Aから1Dを参照すると、航空機100の一部を示してある。航空機100は、プロペラ105と、クラッチ機構110と、ベース150と、モータ160と、モータマウント170とを有する。プロペラ105は、モータ160により提供される駆動力に応じてプロペラ105を回転させるシャフト165により、モータ160に剛結合される。クラッチ機構110は、取付板140に装着され、これは、それ自体がプロペラ105の一側(例えば、下側)に装着される。プロペラ105と取付板140とは、破線で示してある。
【0009】
図1Aから1Dに示すように、クラッチ機構110は、一対の引張ばね120と一対のフェザーリングアーム130とを有する。
図1Aから1Dに示すフェザーリングアーム130は、ほぼ135度(135°)の鈍角を画定する、例えば、伝統的なホッケースティックのそれと似た、傾斜状または先細状形状を有する。
図1Bに示すように、フェザーリングアーム130のそれぞれは、先細状端部132と、加重端部134とを有する。フェザーリングアーム130は、例えば、ねじ、ナット、ボルト、貝折れくぎ、または、フェザーリングアーム130を取付板140に回転可能に結合し得る任意の他の適切な構成要素である任意の種類の締結具142を使用して、回転可能または枢動可能に取付板140に装着される。
【0010】
フェザーリングアーム130は、任意の適切な材料で形成してもよい。いくつかの実施形態では、フェザーリングアーム130は、アルミニウム等の軽量金属、スチールの合金を含むより重量のある金属、複合材、または、任意の他の材料の組合わせで形成してもよい。いくつかの実施形態では、フェザーリングアーム130は、1つまたは複数のプラスチック(例えば、エポキシまたはフェノール樹脂、ポリウレタンまたはポリエステル等の熱硬化性プラスチック、及び、ポリエチレン、ポリプロピレンまたはポリ塩化ビニル)、または、木材(例えば、トネリコ材等の十分な強度特性を有する木材)で形成してもよい。更に他の実施形態では、フェザーリングアーム130は、制限するものではないが、炭素繊維、グラファイト、機械加工されたアルミニウム、チタン、またはガラス繊維を含む他の材料で形成してもよい。
【0011】
更に、制限するものではないが、先細状端部132または加重端部134を含むフェザーリングアーム130の一部は、任意の適切な寸法を有してもよい。例えば、
図1Aから1Dに示すように、フェザーリングアーム130の加重端部134は、フェザーリングアーム130の先細状端部132よりも大きな長さ、幅及び/または断面領域を有してもよい。加重端部134は、フェザーリングアーム130が十分に速い角速度で回転されるときに、先細状端部132よりもより大きな遠心力を受け得る。いくつかの実施形態では、加重端部134は更に、フェザーリングアーム130の対応する端部における質量を増大するねじまたは他の締結具等の構成要素を有してもよい。代替的に、いくつかの実施形態では、加重端部134は、先細状端部132が形成される材料よりもより高い密度を有する材料で形成してもよく、加重端部134は、先細状端部132と同じ長さ、幅及び/または断面領域を有してもよく、これにより、加重端部134に、フェザーリングアーム130がかなり速い角速度で回転するときに、より大きな遠心力を作用させる。フェザーリングアーム130の材料成分及び/または寸法は、プロペラ105が回転または静止しているときに、本明細書に記載の作用または効果の1つまたは複数を生じさせるために、任意の態様で操作してもよい。
【0012】
引張ばね120のそれぞれは、ばねまたは他の付勢手段の任意のタイプまたは形態でもよく、それぞれの引張アーム130の1つをシャフト165の回りの収縮位置に付勢する付勢力を提供する。
図1Bに示すように、引張ばね120のそれぞれは、フェザーリングアーム130の1つを取付板140に回転可能に装着する締結具142に第1端部で、フェザーリングアーム130の他方の加重端部134に第2端部で結合される。いくつかの実施形態では、引張ばね120は、締結具142またはフェザーリングアーム130の1つの他の部分と、他のフェザーリングアーム130の加重端部134との間に密に巻回される任意のサイズまたは形状(例えば、円形、矩形または方形)の断面領域を有するワイヤを有してもよい。したがって、引張ばね120は、フェザーリングアーム130が締結具142の回りで回転することにより生成される引張応力に応じて、長さが拡大し、コイル径が収縮することがある。
【0013】
図1Aから1Dのクラッチ機構110は、それぞれのフェザーリングアーム130を付勢する一対の引張ばね120を有するが、当業者であれば、任意数の付勢部材、及び、引張ばね以外の、制限するものではないが、圧縮ばね、引張コイルばね、トーションばね、板ばね、定力ばねまたは同様な部材を含む任意の付勢部材を利用して、本開示にしたがうそれぞれのフェザーリングアーム130に付勢力を付与してもよいことが認められる。例えば、いくつかの実施形態では、フェザーリングアーム130は、シャフトの回りで閉位置に自己バイアスされる板ばねでもよく、板ばねで提供される付勢力を越えてその上に作用する遠心力により、開位置に付勢してもよい。
【0014】
取付板140は、プロペラ105の下側に装着され、クラッチ機構110をプロペラ105に剛結合して設けられ、これにより、プロペラ105とクラッチ機構110とがタンデム状態で回転することが確保される。
図1Bから1Dに示すように、取付板140は更に、一対の機械的ストッパ144を有し、このそれぞれは、フェザーリングアーム130の1つが締結具142により画定される軸の回りを最大範囲まで回転したときに先細状端部132の1つと整列して接触し、これにより、フェザーリングアーム130が更に回転することに対して抵抗する。機械的ストッパ144は、取付板140及び/またはプロペラ105から延びかつフェザーリングアーム130の回転に抵抗するように整列し得る1つまたは複数のポスト、ねじ、ナット、ボルト、貝折れくぎ、または、任意の他の適切な構成要素を包含または有してもよい。
【0015】
取付板140は、1つまたは複数の締結具142及び/または機械的ストッパ144を介してプロペラ105に結合してもよく、これは、それぞれのフェザーリングアーム130及び取付板140を通ってプロペラ105内に延び得る。代替的に、取付板140は、制限するものではないが、1つまたは複数の追加締結具(図示しない)または膠剤または他の接着剤を含む、任意の他の構成要素または物質により、プロペラ105に結合してもよい。いくつかの実施形態では、クラッチ機構110は、プロペラ105に直接的に結合してもよく、取付板140は、独立した個別構成要素として、包含される必要はない。
【0016】
ベース150は、開口155の回りに設けられた円筒状プラットホーム154から半径方向外方に延びる一対の隆起ポスト(または肩)152を有する。ベース150は、複数の支柱または他のサポートによりモータマウント170に装着され、モータ160の上方に延びる。
図1Aから1Dに示すように、ポスト152はベース150に形成され、モータマウント170に実質的に平行な軸を画定するために、通常、開口155に対して整列する。シャフト165がモータ160とプロペラ105との間で、開口155を通して延び、これにより、ポスト152がプロペラ105に対して軸に沿って所定位置に固定されたままとすることができる。
【0017】
モータ160は、モータマウント170に装着され、開口155を通って延びかつプロペラ105に剛結合されるシャフト165を有する。いくつかの実施形態では、モータ160は、ブラシレス直流(DC)モータであってもよい。他の実施形態では、モータ160は、制限するものではないが、例えば、交流(AC)またはDCを動力源とするモータである1つまたは複数の他の電動モータ、及び、任意のガソリンを動力源とするモータ、または、任意の他の動力若しくは燃料源で作動するモータを含む任意の他のタイプまたは形式のモータとしてもよい。いくつかの実施形態では、モータマウント170は、例えば機体、1つ若しくは複数の翼、または、ベース150及び/若しくはモータ160が装着される任意の他の構成要素である、航空機100のフレームの全体または一部含んでもよい。いくつかの実施形態では、ベース150及び/または1つ以上のポスト152は、モータ160の非回転部分、または、任意の他の場所に直接装着してもよい。
【0018】
クラッチ機構110の作動は、
図1B,1C及び1Dに関して示してある。
図1Bを参照すると、モータ160は、停止され、プロペラ105は静止している。
図1Bに示すように、クラッチ機構110の引張ばね120は、フェザーリングアーム130を、例えば、フェザーリングアーム130が互いに僅差で離隔し、その内部に窓を画定する状態で閉位置に付勢し、これがポスト152を囲む。したがって、航空機100が飛行中であっても、モータ160が停止しているときに、引張ばね120は、
図1Bに示す閉位置にフェザーリングアーム130を維持することにより、航空機の回りで変化する風の流れに応答してプロペラ105が回転するのを阻止し、プロペラ105は、ポスト152により画定される軸に整列したままとなる。
【0019】
図1Cを参照すると、プロペラ105は、モータ160が始動すると、プロペラ105が回転を開始するように示してある。クラッチ機構110が取付板140を介してプロペラ105に結合されるため、クラッチ機構110はプロペラ105と共に回転を開始し、プロペラ105のそれぞれのハーフサイクル回転で、ポスト152にフェザーリングアーム130のそれぞれの内面を接触させる。ポスト152とフェザーリングアーム130の内面との間の接触、及び、例えば加重端部134にフェザーリングアーム130に作用する遠心力は、プロペラ105の角速度が増加するにつれて、フェザーリングアーム130を
図1Bの閉位置から開かせ始める。
【0020】
図1Dを参照すると、モータ160は、プロペラ105を所定の閾値より速い角速度で回転させるように示してある。加重端部134に作用する遠心力は、プロペラ105が回転しているときに、フェザーリングアーム130がポストのいずれとも接触しないように、フェザーリングアーム130を完全開位置のままとさせる。逆に、モータ160が停止され、プロペラ105の角速度が低下し始めるときに、
図1Cに示すように、引張ばね120で提供される付勢力により、
図1Cに示すように、フェザーリングアーム130がポスト152に接触するまで、完全開位置から内方に引込まれる。プロペラ105が完全に停止すると、フェザーリングアーム130は、
図1Bに示す閉位置に引張ばね120により付勢され、ポスト152が内部に収容され、プロペラ105はポスト152により画定される軸に沿って整列したままとなる。
【0021】
本開示によるクラッチ機構の1つの実施形態のフェザーリングアームの動きが、
図2A及び2Bに示してある。
図2A及び2Bを参照すると、本開示の実施形態によるプロペラクラッチ機構210の態様の図を示してある。注記した場合を除き、
図2Aまたは
図2Bに示す数字「2」が先行する参照数字は、
図1Aから1Dに示す数字「1」が先行する参照数字を有する構成要素または特徴と同様な構成要素または特徴を示す。
【0022】
図2A及び2Bに示すように、クラッチ機構210は、一対の引張ばね220と、締結具242により取付板240に回転可能または枢動可能に装着される一対のフェザーリングアーム230とを有する。フェザーリングアーム230のそれぞれは、先細状端部232と、加重端部234とを有する。取付板240は更に、一対の機械的ストッパ244を有し、そのそれぞれは整列し、フェザーリングアーム230の回転を停止し、更に、シャフト(図示しない)をその中に収容するように構成される開口245を有する。引張ばね220のそれぞれは、第1端部でフェザーリングアーム230の1つを取付板240に装着する締結具242に、第2端部でフェザーリングアーム230の他方の加重端部234に接合される。
【0023】
図2Aに示すように、フェザーリングアーム230は、閉位置にあり、ここでは、例えば取付板240が装着されるプロペラ(図示しない)は静止しており、引張ばね220はフェザーリングアーム230を互いに向けて、プロペラのシャフトの回りに付勢する。フェザーリングアーム230が
図2Aの閉位置にあるときに、所定の軸に沿って整列する1つまたは複数のポスト(図示しない)を囲む窓は、1つまたは複数のポストがその中に収容されたときに、モータがプロペラを回転させるまで、プロペラが所定の軸に沿って整列したままになるように、フェザーリングアーム230の間に画定される。
【0024】
図2Bに示すように、フェザーリングアーム230は、フェザーリングアーム230の加重端部234に作用する遠心力が、引張ばね220によりフェザーリングアーム230に作用する付勢力を越えるように、例えば、取付板240が装着されるプロペラ(図示しない)が十分な角速度で回転する完全開位置にある。フェザーリングアーム230が
図2Bの完全開位置にあるときに、フェザーリングアーム230は、フェザーリングアーム230がフェザーリングアーム230の間の1つまたは複数のポスト(図示しない)から自由に回転するように十分に離隔し、フェザーリングアーム230の先細状端部232が対応する機械的ストッパ244に接触する。
【0025】
当業者であれば、本開示のクラッチ機構の構成要素は任意の形状または形態を取ってもよく、
図2A及び2Bに示すクラッチ機構210の構成要素の配向または形状に制限されないことが認められる。例えば、付勢力をフェザーリングアームに付与するばねまたは他の部材、及び、フェザーリングアームの回転を阻止する機械的ストッパは、フェザーリングアームから独立若しくは個別の構成要素として、または、代替的に、このようなフェザーリングアームと一体に若しくは内部に設けてもよい。
図3A及び3Bを参照すると、本開示の実施形態によるプロペラクラッチ機構310の態様の図が示してある。注記した場合を除き、
図3Aまたは
図3Bに示す数字「3」が先行する参照数字は、
図2A及び2Bに示す数字「2」が先行しまたは
図1Aから1Dに示す数字「1」が先行する参照数字を有する構成要素または特徴と同様な構成要素または特徴を示す。
【0026】
図3A及び3Bに示すように、クラッチ機構310は、締結具342を介して取付板340に回転可能または枢動可能に装着される一対のフェザーリングアーム330を有する。フェザーリングアーム330のそれぞれは、締結具342の1つの回りに装着された回転可能なキャニスタータイプのハウジング336内に埋設されるトーションばね320を有する。フェザーリングアーム330のそれぞれは更に、ハウジング336及び加重端部334内に設けられかつそれを通して延びるスロット332を有する。取付板340は更に、くぎまたはポストの形態の一対の機械的ストッパ344を有する。
図3A及び3Bに示すように、機械的ストッパ344の1つがスロット332のそれぞれ内に延びる。更に
図3A及び3Bに示すように、フェザーリングアーム330の加重端部334のそれぞれは、他のフェザーリングアーム330のハウジング336の丸められた(例えば、凸状)面に適合する、丸められた(例えば、凹状)面を有する。
【0027】
図3Aに示すように、フェザーリングアーム330は、閉位置にあり、例えば、ここでは、取付板340が装着されるプロペラ(図示しない)は静止しており、トーションばね320はフェザーリングアーム330を互いに向けて、プロペラのシャフトの回りに付勢する。フェザーリングアーム330が
図3Aの閉位置にあるときに、所定の軸に沿って整列する1つまたは複数のポスト(図示しない)は、モータがプロペラを回転させるまで、プロペラが所定の軸に沿って整列したままであるように、フェザーリングアーム330の間に収容してもよい。フェザーリングアーム330が
図3Aの閉位置にあるときに、所定の軸に沿って整列する1つまたは複数のポスト(図示しない)を囲む窓が、フェザーリングアーム330の間に画定され、加重端部334の丸められた面と対向するアームのハウジング336とが互いに滑らかにかみ合う。
【0028】
図3Bに示すように、フェザーリングアーム330は、フェザーリングアーム330の加重端部334に作用する遠心力が、引張ばね320によりフェザーリングアーム330に作用する付勢力を越えるように、例えば、取付板340が装着されるプロペラ(図示しない)が十分な角速度で回転する完全開位置にある。フェザーリングアーム330が
図3Bの完全開位置にあるときに、フェザーリングアーム330は、フェザーリングアーム330がフェザーリングアーム330間で1つまたは複数のポスト(図示しない)から自由に回転するように、充分に離隔される。
【0029】
図3A及び3Bに示すように、クラッチ機構310のフェザーリングアーム330の回転は、機械的ストッパ334がスロット332内で回転し得る範囲で制限され、これは、ハウジング336の形状に対応する弧状形状を有する。例えば、フェザーリングアーム330のそれぞれは、
図3Aの閉位置と、
図3Bの開位置との間で回転してもよく、そのそれぞれは、それぞれのフェザーリングアーム330内の対応するスロット332の範囲及び長さにより画定される。
図3Aの開位置、または、
図3Bの閉位置を越えるフェザーリングアーム330の回転は、機械的ストッパ344とスロット332の内面との間の接触により阻止される。
【0030】
上述のように、本開示のクラッチ機構は、フェザーリングアームが閉位置にあるときに、所定の軸に沿って整列されるポストまたは肩を収容する窓または開口を画定し、フェザーリングアームが閉位置にあるときにこのようなポストと接触せずにプロペラが回転するのを可能とし得る回転可能または枢動可能な態様で設けられるフェザーリングアーム(または、ロックアーム)の任意のタイプまたは形態を包含してもよい。当業者であれば、本開示のクラッチ機構が
図2A若しくは2Bのフェザーリングアーム230、または、
図3A若しくは3Bのフェザーリングアーム330、または、任意の特定の配置若しくはその配向に制限されないことが認められる。
【0031】
上述のように、1つまたは複数のポストは、ポストが本開示のクラッチ機構のフェザーリングアーム間に収容され、クラッチ機構が結合されるプロペラが所定の閾値角速度より下に低下したときに、フェザーリングアームがポストを囲む位置に付勢され、プロペラがポストの所定の配列と一致する配向で停止するように、所定の配列に設けてもよい。
図4を参照すると、本開示の実施形態によるプロペラクラッチ機構の態様の図を示してある。注記した場合を除き、
図4に示す数字「4」が先行する参照数字は、
図3A及び3Bに示す数字「3」または
図2A及び2Bに示す数字「2」または
図1Aから1Dに示す数字「1」が先行する参照数字を有する構成要素または特徴と同様な構成要素または特徴を示す。
【0032】
図4に示すように、ベース450は、開口455の回りに設けられた円筒状プラットホーム454から半径方向外方に延びる一対の隆起ポスト452を有する。ベース450は、複数の支柱456または他のサポートにより、モータマウント470に装着される。上述のように、ベース450は、実質的に台形形状に形成され、モータのシャフト(図示しない)がモータとプロペラ(図示しない)との間で開口455を通して延びることができ、これにより、ポスト452がプロペラに対して所定位置に固定されたままとすることができる態様でモータ(図示しない)の上に装着してもよい。
【0033】
更に、
図4に示すように、ポスト452は、ベース450上に形成され、一般的に開口455と整列し、軸を画定する。
図4のベース450が、開口455を通して延びるシャフト(または、他のプロペラ装着構造)に装着されるプロペラを有する航空機(図示しない)に設けられ、プロペラが静止しているときに、ポスト452は、プロペラがポスト452により画定される軸と一致した配向を維持するように、閉位置にあるプロペラに結合されたクラッチ機構(図示しない)のフェザーリングアーム内にまたはその間に収容され得る。
【0034】
本開示のクラッチ機構は、静止プロペラを任意の配向にまたは任意の軸に沿って整列したままとさせるように構成してもよく、このような配向または軸は、任意の基準で選択してもよい。例えば、
図4を再度参照すると、ベース450のポスト452は、本開示のクラッチ機構を有する静止プロペラが付勢されて軸に沿って整列するように、航空機の移動方向に一致または平行である選択した軸に整列してもよい。この関連で、本開示のクラッチ機構は、推進力モードで作動中の航空機の抗力を低減するために使用してもよく、例えば、推進力モードで作動するためには必要でないプロペラを移動方向に整列させることにより、航空機に設けられるプロペラの全てよりも少数が、上昇するために必要とされ、これにより、このようなプロペラを自由に回転可能とすることに関連する抗力を減少する。本開示のクラッチ機構は、ばねまたは他の付勢部材により提供される付勢力、及び、回転するプロペラにより生成される遠心力に基づいて作動し、これにより、プロペラは、いかなる電気または動力付機械的構成要素無しで、所定の配列に配置させることができる。
【0035】
上述のように、本開示のクラッチ機構は、プロペラに装着されまたは関連する回転可能な構成要素であり、例えば、ベースまたは他の構造機構に設けられたポストまたは肩である1つまたは複数の静止構成要素をその中に受入れるように構成される。本開示のクラッチ機構の1つを含む航空機の種々の構成要素の空間的関係が
図5に示してある。
図5を参照すると、本開示の実施形態によるプロペラクラッチ機構を有する航空機500の態様の展開図を示してある。注記した場合を除き、
図5に示す数字「5」が先行する参照数字は、
図4に示す数字「4」、
図3A及び3Bに示す数字「3」、
図2A及び2Bに示す数字「2」または
図1Aから1Dに示す数字「1」が先行する参照数字を有する構成要素または特徴と同様な構成要素または特徴を示す。
【0036】
図5に示すように、航空機500は、プロペラ505と、クラッチ機構510と、ベース550と、モータ560とを有する。プロペラ505は、モータ560により提供される回転駆動力に応じてプロペラ505を回転させるシャフト565により、モータ560に剛結合される。クラッチ機構510は、取付板540によりプロペラ505の下側に装着され、一対の引張ばね520と一対のフェザーリングアーム530とを有する。ベース550は、例えば、1つまたは複数の支柱により、モータ560の上側でモータマウント570に装着され、一対のフェザーリングアーム530により画定される開口内に、ベース550の上側を上方に延びる一対の隆起ポスト552を有する。
図5に示すように、ポスト552は、ベース550上に形成され、モータマウント570と実質的に平行な軸を画定する。シャフト570はモータ560とプロペラ505との間を、開口555を通して延び、これにより、ポスト552がプロペラ505に対して所定位置に固定されたままとすることができる。
【0037】
したがって、
図5に示すように、航空機500は、制限するものではないがプロペラ505及びクラッチ機構510を含む複数の回転可能な構成要素を有し、これらはモータ560により回転を生じさせることができ、更に、制限するものではないがベース550、モータ560及びモータマウント570を含む複数の静止構成要素を有し、これらはプロペラ505またはクラッチ機構510の回転または位置に関わらず所定位置に固定された状態を維持する。例えばベース550に設けられるポスト552である静止の1つまたは複数の構成要素は、クラッチ機構510のフェザーリングアーム530により画定される窓または他の開口内に延びてもよく、これらは、引張ばね520により閉位置に付勢される。モータ560が停止すると、回転可能部材の配向の角度は、回転可能なクラッチ機構510の窓または開口内に延びる例えばポスト552である静止部材により画定され得る。しかし、モータ560が始動すると、プロペラ505及びクラッチ機構510が回転し始め、遠心力がフェザーリングアーム530をポスト552の回りに開かせる。
【0038】
上述のように、本開示のシステム及び方法は、プロペラの回転が望ましくも、必要もないときに、プロペラを好ましい配列に配置するために利用してもよい。プロペラの配列は、制限するものではないが、抗力、音響または他の作動上の考慮を含む任意の基準で選択してもよい。例えば、クラッチ機構は、プロペラが作動してないときに、航空機の移動方向にプロペラを整列させるために使用してもよい。
図6A及び6Bを参照すると、本開示の実施形態による複数のプロペラクラッチ機構610A,610B,610C,610Dを有する航空機600の態様の図を示してある。注記した場合を除き、
図6Aまたは
図6Bに示す数字「6」が先行する参照数字は、
図5に示す数字「5」、
図4に示す数字「4」、
図3A及び3Bに示す数字「3」、
図2A及び2Bに示す数字「2」または
図1Aから1Dに示す数字「1」が先行する参照数字を有する構成要素または特徴と同様な構成要素または特徴を示す。
【0039】
図6A及び6Bに示すように、航空機600は、機体602と、4つのプロペラ605A,605B,605C,605Dと、4つのクラッチ機構610A,610B,610C,610Dと、4つのモータ660A,660B,660C,660Dとを有する。プロペラ605A,605B,605C,605Dと、クラッチ機構610A,610B,610C,610Dと、モータ660A,660B,660C,660Dとは、マウント670A,670B,670C,670Dにより、機体602に結合される。
【0040】
図6Aを参照すると、航空機600は、例えば、プロペラ605A,605B,605C,605D及びクラッチ機構610A,610B,610C,610Dが、モータ660A,660B,660C,660Dにより回転される上昇作動中に示してある。モータ660A,660B,660C,660Dが、十分速い角速度でプロペラ605A,605B,605C,605Dを回転させると、クラッチ機構610A,610B,610C,610Dは完全に開位置となり、プロペラ605A,605B,605C,605Dの回転は、
図6Aに示す上昇作動中に妨げられない態様で生じる。
【0041】
図6Bを参照すると、推進力作動中の航空機600を示してあり、例えば、ここではプロペラ605A,605Bとクラッチ機構610A,610Bだけがモータ660A,660Bにより回転され、モータ660C,660Dは停止している。したがって、プロペラ605A,605Bの回転は、クラッチ機構610A,610Bとベース650A,650Bとの間で接触することなく、妨げられずに生じ、プロペラ605C,650Dは、ベース650C,650Dにより、例えば、クラッチ機構610A,610Bにより画定される窓または開口内に1つまたは複数の上方に延びるポストまたは肩により画定される軸に沿って整列される。特に、
図6Bのクラッチ機構610Dに関して示すように、フェザーリングアーム630D−1,630D−2は、引張ばね620D−1,620D−2によりベース650Dの回りの閉位置に付勢される。したがって、ベース650C,650Dが移動方向と平行または一致する軸を画定するため、このような軸に沿ってプロペラ605C,605Dが整列し、これにより、プロペラ605C,605Dが航空機600の推進力作動中にドリフトまたは自由回転を可能とした場合に生じ得る抗力または他の不都合な音響状態が減少または最小化される。
【0042】
プロペラの回転が望ましくなくなったときにプロペラが整列し得る軸は、本開示のクラッチ機構の1つまたは複数を使用する任意の基準で画定または選択してもよい。更に、本開示のクラッチ機構は、ヘリコプタタイプの航空機または無人航空機に使用することに制限されない。
図7A及び7Bを参照すると、本開示の実施形態によるプロペラクラッチ機構を有する航空機700の態様が示してある。注記した場合を除き、
図7Aまたは厨7Bに示す数字「7」が先行する参照数字は、
図6Aまたは
図6Bに示す数字「6」、
図5に示す数字「5」、
図4に示す数字「4」、
図3A及び3Bに示す数字「3」、
図2A及び2Bに示す数字「2」または
図1Aから1Dに示す数字「1」が先行する参照数字を有する構成要素または特徴と同様な構成要素または特徴を示す。
【0043】
図7A及び7Bに示すように、航空機700は、機体702と、一対の翼770−1,770−2と、翼770−1,770−2に装着された1つまたは複数のモータ(図示しない)とにより駆動されるシャフトの回りの回転され得る4つのプロペラ705A,705B,705C,705Dを有する固定翼航空機である。プロペラ705A,705B,705C,705Dのそれぞれは、翼770−1,770−2に対応する所定の軸に沿って整列するベース750A,750B,750C,750Dの回りを回転するように構成されるクラッチ機構710A,710B,710C,710Dを有してもよい。したがって、
図7Aに示すように、プロペラ705A,705B,705C,705Dのそれぞれが、例えば高速または最大出力回転で、航空機700を作動することが必要なときに、クラッチ機構710A,710B,710C,710Dのそれぞれは、完全開位置にあり、プロペラ705A,705B,705C,705Dは、ベース750A,750B,750C,750Dの回りを妨げられない態様で回転し得る。
【0044】
しかし、プロペラ705A,705B,705C,705Dの1つまたは複数の作動が望ましくも、必要もないときに、このようなプロペラ705A,705B,705C,705Dに連結されたモータは停止してもよく、対応するプロペラ705A,705B,705C,705Dは、閾値角速度よりも下方に減速することができる。プロペラ705A,705B,705C,705Dの1つまたは複数の角速度が閾値よりも下方に低下すると、このようなプロペラ705A,705B,705C,705Dのクラッチ機構710A,710B,710C,710Dはそれぞれのシャフトの回りに収縮し、このようなプロペラ705A,705B,705C,705Dを、そのそれぞれのベース750A,750B,750C,750Dにより画定される軸に沿って整列させる。例えば、
図7Bを参照すると、プロペラ705A,705Dは停止し、プロペラ705A,705Bに装着されるクラッチ機構710A,710Bは、プロペラ705A,705Dを、例えば、それぞれの翼770−1,770−2の配向角に対応するベース750A,750Dにより画定される軸に沿う配列に固定されたままとする。
【0045】
当業者であれば、本開示のクラッチ機構は、任意の態様で、任意の基準で、任意の目的のために、所定の軸に沿ってプロペラを整列するために利用し得ることが認められる。例えば、
図7Bを再度参照すると、ベース750A,750Dは、非回転プロペラ705A,705Dによる抗力に起因する揚力の任意の低減を最小とし、保守回転中に、このようなプロペラ705A,705Dが装着されるモータ(図示しない)に対して容易にアクセス可能とし、または、他の目的のために、それぞれの翼770−1,770−2に実質的に垂直な軸に整列してもよい。
【0046】
本開示のシステム及び方法を実行するために、例示的な技術、構成要素及び/または工程を使用して本明細書で説明してきたが、当業者であれば、他の技術、構成要素及び/若しくは工程、または、ここに記載の技術、構成要素及び/若しくは工程の他の組合わせ及び順序を使用し、または、ここに記載されかつ本開示の範囲内に包含されるのものと同じ機能(複数可)及び/若しくは結果(複数可)達成することを実行してもよいことが理解される。
【0047】
例えば、当業者であれば、本開示のクラッチ機構は、2つのフェザーリングアーム(または、ロックアーム)及び2つの引張部材の組合わせに制限されないことが認められる。プロペラに関連して設けられるクラッチ機構のいくつかの実施形態は、例えばクレセント形状のフェザーリングアームである単一のフェザーリングアームを備え、これは十分に速い角速度のときに、ベースに設けられた1つまたは複数の静止ポストまたは肩から離隔して回転または枢動可能とし、更に、十分に遅い角速度のときまたはプロペラが回転しなくなったときに、このようなポストまたは肩の回りに単一のフェザーリングアームを収縮させる単一の引張部材を有する。本開示のクラッチ機構の他の実施形態は、3つ以上のフェザーリングアームを有してもよく、このそれぞれは、このようなクラッチ機構に関連するプロペラの角速度にしたがって、ポスト若しくは肩から離隔させて回転若しくは枢動し、または、このようなポスト若しくは肩の回りに収縮するように構成してもよい。例えば、3つ以上のフェザーリングアームは、このようなアームが閉位置にあるときに、多角形または連続的形状(例えば、正三角形または円形)を画定してもよく、同様の形状または対応する形状に配置される1つまたは複数の静止ポストまたは肩の回りに収縮させてもよい。更に、このようなアームを付勢する引張部材は、本開示にしたがって、プロペラ、取付板または他の回転部材の任意の部分に装着してもよい。
【0048】
更に、同業者であれば、本明細書に開示したクラッチ機構は、任意数のブレードを有するプロペラに関連して利用してもよく、2ブレードプロペラに制限されないことが認められる。このようなプロペラは、任意の基準で選択された所定の軸に沿って整列させてもよい。更に、本開示のクラッチ機構は、航空機への使用に制限されない。例えば、クラッチ機構は、外航船のプロペラに関連して装着してもよく、プロペラを所定配向に整列、例えば、プロペラの回転が望ましくなくなったときにラダーまたは他の付属品と共通して整列させてもよく、これにより、抗力または他の不都合な流れ効果だけでなく、減速または例外的作動、例えば、港から出港し、港に帰航しまたは乾ドックに入る際にプロペラに対する損傷の恐れを低減する。更に、クラッチ機構は、流れ状態の管理または抗力若しくはこれに起因する音響効果を低減する1つまたは複数の他のシステムとの関連で利用してもよい。
【0049】
更に、本明細書に開示したいくつかの実施形態は無人航空機の使用を参照しているが、当業者であれば、本明細書に開示したクラッチ機構の1つ若しくは複数の使用がこのように制限されず、プロペラの回転が一時的な基準で望まれ、または、全体の飛行若しくは関連する作動期間に満たない任意のタイプ若しくは形態の航空機(例えば、有人若しくは無人)との関連で利用してもよいことが認められる。
【0050】
本明細書に開示した実施形態は、1つまたは複数のフレームと、フレームに装着されるベースであって、このベースは開口を有するプラットホームとこのプラットホームから上方に垂直に延びる少なくとも1つのポストとを備えてよいベースと、ベースの下側でフレームに装着されるモータであって、このモータはプラットホームの開口を通して延びるシャフトを備えてもよいモータと、シャフトの遠位端部に装着されるプロペラと、このプロペラの第1側に装着されるクラッチ機構であって、このクラッチ機構は更に第1締結具によりプロペラの第1側に枢動可能に装着される1つまたは複数の第1フェザーリングアームを備えてよく、この第1フェザーリングアームは少なくとも1つのポストに近接する第1位置と少なくとも1つのポストから離隔する第2位置との間で第1締結具の回りを枢動するように構成してもよいクラッチ機構と、第2締結具によりプロペラの第1側に枢動可能に装着される第2フェザーリングアームであって、この第2フェザーリングアームは少なくとも1つのポストに近接する第3位置と少なくとも1つのポストからの第4位置との間で第2締結具の回りを枢動するように構成してもよい第2フェザーリングアームと、プロペラの第1側に装着される第1付勢部材であって、この第1付勢部材は第1フェザーリングアームを第1位置に付勢する付勢力を第1フェザーリングアームの少なくとも第1部分に作用させるように構成してもよい第1付勢部材と、プロペラの第1側に装着される第2付勢部材であって、この第2付勢部材は、第2フェザーリングアームを第3位置に付勢する第2付勢力をフェザーリングアームの少なくとも第2部分に作用させるように構成される第2付勢部材と、を含む無人航空機(UAV)を備えてもよい。必要に応じて、第1フェザーリングアームは、プロペラの角速度が第1所定閾値を越えたときに第2位置に枢動するように構成してもよく、第2フェザーリングアームは、プロペラの角速度が第1所定閾値を越えたときに第4位置に枢動するように構成してもよい。
【0051】
必要に応じて、少なくとも1つのポストが軸を画定し、クラッチ機構は、第1フェザーリングアームが第1位置にあるとき、かつ、第2フェザーリングアームが第3位置にあるときに、この軸に沿って整列してもよい。必要に応じて、少なくとも1つの第1フェザーリングアーム及び/または第2フェザーリングアームは、第1フェザーリングアームが第1位置にあるとき及び/または第2フェザーリングアームが第3位置にあるときに、整列し、少なくとも1つのポストに接触してもよい。必要に応じて、少なくとも1つの第1フェザーリングアーム及び第2フェザーリングアームのいずれも、第1フェザーリングアームが第2位置にありかつ第2フェザーリングアームが第4位置にあるときに、整列して少なくとも1つのポストに接触しなくてもよい。必要に応じて、第1フェザーリングアームは、第1加重端部と、第1加重端部に対して鈍角に設けられる第1先細状端部とを有してもよく、第2フェザーリングアームは、第2加重端部と、第2加重端部に対して鈍角に設けられる第2先細状端部とを有してもよい。必要に応じて、第1付勢部材は、第1加重端部と第2締結具とに装着される第1引張ばねでもよく、第2付勢部材は、第2加重端部と第1締結具とに装着される第2引張ばねでもよい。
【0052】
本明細書に開示した実施形態は、1つまたは複数のシャフトと、シャフトの回りに設けられるクラッチ機構とを有してもよい。必要に応じて、クラッチ機構は更に、プロペラの第1面に枢動可能に装着される1つまたは複数の少なくとも1つのアームであって、少なくとも1つのアームは、シャフトに近接する第1位置と、シャフトから離隔する第2位置との間を枢動するように構成してもよい少なくとも1つのアームと、少なくとも1つのアームを第1位置に付勢する付勢力を作用させる少なくとも1つの付勢部材とを有してもよい。
【0053】
必要に応じて、少なくとも1つのアームは、枢動可能な締結具により、プロペラの第1面に枢動可能に装着してもよく、少なくとも1つのアームは、加重端部と、加重端部に対して鈍角に設けられた先細状端部とを有し、加重端部の第1質量は、先細状端部の第2質量を越えてもよい。必要に応じて、少なくとも1つの付勢部材は、加重端部に付勢力を作用させてもよい。必要に応じて、加重端部における遠心力は、プロペラの角速度が所定閾値を越えるときに、付勢力を越えてもよい。必要に応じて、クラッチ機構は、少なくとも1つのアームが第1位置にあるときに少なくとも1つのポストに接触するように構成してもよく、クラッチ機構は、少なくとも1つのアームが第2位置にあるときに、少なくとも1つのポストに接触することなく回転するように構成してもよい。
【0054】
必要に応じて、プロペラは更に、プロペラの第1面に接合される取付板を有してもよく、少なくとも1つのアームは、取付板に枢動可能に装着してもよい。必要に応じて、プロペラは更に、取付板に装着された機械的ストッパを有してもよく、機械的ストッパは、少なくとも1つのアームが第2位置を越えて枢動するのを抑制するように整列してもよい。
【0055】
必要に応じて、少なくとも1つのアームは、金属、プラスチック及び/または複合材料の1つまたは複数で形成してもよい。必要に応じて、付勢部材の少なくとも1つは、引張ばね、圧縮ばね、引張コイルばね、トーションばね、板ばね及び/または定力ばねの1つまたは複数であってもよい。必要に応じて、少なくとも1つのアームは、第1加重端部と、第1加重端部に対して鈍角に設けられる第1先細状端部とを有する1つまたは複数の第1アーム、及び/または、第2加重端部と、第2加重端部に対して鈍角に設けられる第2先細状端部とを有する第2アームを包含してもよい。必要に応じて、第1アームは、第1枢動可能締結具によりプロペラの第1面に枢動可能に装着されてもよく、第2アームは、第2枢動可能締結具によりプロペラの第1面に枢動可能に装着されてもよい。必要に応じて、少なくとも1つの付勢部材は、第1加重端部と第2締結具とに接合される第1付勢部材を有してもよく、第2付勢部材は、第2加重端部と第1締結具とに結合されてもよく、第1付勢部材は、第1付勢力を第1加重端部に作用させてもよく、第2付勢部材は、第2付勢力を第2加重端部に作用させてもよい。
【0056】
本明細書に開示した実施形態は、第1モータに連結された第1プロペラを有する第1モータの1つまたは複数の作動を開始することを含む航空機を操作する方法を包含してもよい。必要に応じて、航空機は、第1モータと第1プロペラとの間に整列する軸を画定する第1ポストと第2ポストとを包含してもよい。必要に応じて、第1プロペラは、第1クラッチ機構の開位置または閉位置の一方を画定する1つまたは複数の第1アームを有する第1クラッチ機構と、第1クラッチ機構の閉位置を画定するように第1アームを付勢する少なくとも1つの付勢部材とを有してもよい。必要に応じて、第1クラッチ機構の少なくとも一部は、第1クラッチ機構が閉位置にあるときに、第1ポストまたは第2ポストに接触するように整列してもよい。必要に応じて、第1クラッチ機構は、第1クラッチ機構が開位置にあるときに、第1ポストまたは第2ポストに接触することなく回転するように整列してもよい。
【0057】
必要に応じて、遠心力は、第1プロペラの角速度が第1所定閾値を越えたときに、少なくとも1つの付勢部材により第1アームに作用する付勢力を越えて第1モータの作動を開始した後に、第1アームに作用し得る。必要に応じて、方法は更に、第1モータの作動を停止することを包含してもよい。必要に応じて、方法は更に、複数のモータの作動を開始することを包含し、複数のモータのそれぞれは、複数のプロペラの1つに連結してもよく、第1モータは、複数のモータの1つであってよく、第1プロペラは、複数のプロペラの1つであってよく、第1モータの作動は、複数のモータの作動が開始した後に停止し得る。
【0058】
なお、ここに、明確にまたは暗示的に記載しない限り、特定の実施形態に関する記載の特徴、特質、代替手段、または、変更は、本明細書に記載の任意の他の実施形態も適用し、使用し、または、組み込んでもよく、本開示の図面及び説明は、添付の特許請求の範囲により画定されるように、種々の実施形態に対する全ての変更、均等及び代替に及ぶことを意図することが理解されるべきである。更に、本明細書に記載の本開示の1つまたは複数の方法または工程について、このような方法または工程が提示される順序は、特許請求の範囲に記載の発明に何ら制限するものと解釈されることを意図するものではなく、本明細書に記載の方法または工程のステップまたはボックスの任意の数は、ここに記載の方法または工程を実行するために任意の順序で及び/または並列に組合わせることが可能である。更に、図面はここでは一定の尺度で描いたものではない。
【0059】
特に、「can」、「could」、「might」または「may」等の条件用語は、特に他に表明し、または、前後関係から他に理解されるように使用されていない限り、全体的に、特定の実施形態が包含可能である、または、包含する潜在性を有する許容態様で表すことを意図するが、特定の特徴、要素及び/若しくはステップを義務付けまたは必要とするのではない。同様に、「include(含む)」、「including(含む)」及び「includes(含む)」等の用語は、全体的に「包含するが、制限されないこと」を意図する。したがって、このような条件用語は、全体的に、特徴、要素及び/またはステップが、1つまたは複数の実施形態に多少なりとも必要とされること、または、これらの特徴、要素及び/またはステップが包含されまたは任意の特別な実施形態で実行されるべきであるかどうかに関わらず、ユーザ入力またはプロンプティングによりまたは無しで、1つまたは複数の実施形態が必然的に決定するための論理を有することを意図するのではない。
【0060】
語句「X,YまたはZの少なくとも1つ」または「X,Y及びZの少なくとも1つ」等の選言的言語は、特に他に表明しない限り、一般的に、項目、用語、その他は、X,YまたはZまたはその任意の組合わせ(例えば、X,Y及び/またはZ)を提示するために使用し得る。したがって、このような選言的言語は、特定の実施形態がそれぞれに対して、Xの少なくとも1つ、Yの少なくとも1つ、または、Zの少なくとも1つの存在を必要とすることを暗示することを全体的に意図するのではなく、かつ、意味するべきではない。
【0061】
他に明記しない限り、「a」または「an」等の冠詞は、1つ以上の記載された事項を含むことが全体的に解釈されるべきである。したがって、「〜するように構成される装置」は、1つまたは複数の列挙された装置を含むことを意図する。このような1つまたは複数の列挙された装置は更に、記載された記述を実行するように集合的に構成することができる。例えば、「記述A,B及びCを実行するように構成されるプロセッサ」は、記述B及びCを実行するように構成される第2プロセッサと共に動作する記述Aを実行するように構成された第1プロセッサを包含することができる。
【0062】
用語「about(約)」、「approximately(ほぼ)」、「generally(全体的に)」、「nearly(ほぼ)」または「substantially(実質的に)」等のここで使用される程度の言語は、値、量または特性が、所要の機能を実行しまたは所要の結果を達成する記述された値、量または特性に近似する値、量または特性を表す。例えば、用語「「約」、「ほぼ」、「全体的に」、「ほぼ」または「実質的に」の用語は、記述した量の10%未満の範囲内、5%未満の範囲内、1%未満の範囲内、0.1%未満の範囲内、及び、0.01%の範囲内の量を称してもよい。
【0063】
本発明は、その例示的な実施形態に関して記述しかつ説明してきたが、本開示の精神および範囲から逸脱することなく、上述及び種々の他の追加および省略をその中およびそれについて行うことができる。