特許第6578475号(P6578475)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6578475
(24)【登録日】2019年9月6日
(45)【発行日】2019年9月25日
(54)【発明の名称】情報処理装置及び固定具
(51)【国際特許分類】
   G06F 1/18 20060101AFI20190912BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20190912BHJP
   G06F 1/16 20060101ALI20190912BHJP
   H05K 7/00 20060101ALI20190912BHJP
【FI】
   G06F1/18 C
   G09F9/00 350Z
   G06F1/16 312E
   H05K7/00 J
【請求項の数】4
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-204372(P2016-204372)
(22)【出願日】2016年10月18日
(65)【公開番号】特開2018-67097(P2018-67097A)
(43)【公開日】2018年4月26日
【審査請求日】2018年12月3日
(73)【特許権者】
【識別番号】518133201
【氏名又は名称】富士通クライアントコンピューティング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002918
【氏名又は名称】特許業務法人扶桑国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】原 慎孝
【審査官】 豊田 真弓
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−219639(JP,A)
【文献】 特開2012−168726(JP,A)
【文献】 特開2008−269433(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/077746(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 1/18
G06F 1/16
G09F 9/00
H05K 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示パネルと、
前記表示パネルを内包する筐体と、
前記筐体の縁から所定の間隔のあけて設けられ、前記表示パネルの位置決めをするリブと、
前記表示パネルと前記リブとの間に設けられる固定具と、を備え、
前記固定具は、前記固定具から前記筐体の縁方向に延びて、前記筐体の縁と前記リブとの間に配線されるケーブルの移動を阻止するフランジ部を有する、
情報処理装置。
【請求項2】
前記固定具は、一方の面で前記リブに当接し前記一方の面の反対側にある他方の面で前記表示パネルの側面の一部に当接する壁部と、前記フランジ部から突出して前記リブを前記壁部との間で挟み込む突出部をさらに備える、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
表示パネルとの筐体内のリブと間に設置される、前記表示パネルの位置決めをする固定具であって、
一方の面で前記表示パネルの側面の一部に当接し、前記一方の面の反対側にある他方の面で前記リブに当接する壁部と、
前記壁部の一方の端部から、前記表示パネルの裏面を受けるように延びる受け部と、
前記壁部の他方の端部から、前記受け部とは反対側に延びるフランジ部と、
を備える、固定具。
【請求項4】
さらに、前記フランジ部から突出して、前記リブを前記壁部との間で挟み込む突出部を備える、請求項3に記載の固定具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は表示パネルを備える情報処理装置及び表示パネルを固定する固定具に関する。
【背景技術】
【0002】
ノートブック型パーソナルコンピュータ(以下、ノートパソコンと称する)等の情報処理装置は可搬性が重視されており、小型化又は薄型化が進められている。例えば、薄型化のために従来は液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display:LCD)等の表示パネルの背面に配置された無線アンテナのケーブル等が、ディスプレイ部分の縁の内側に沿って本体側まで這わされるようになった。さらに、情報処理装置の小幅化に伴い、ディスプレイ部分も狭額化され、ディスプレイ部分の縁の近傍まで表示パネルが設置されるようになっている。そのため、ケーブルは限られたスペース内で、はみ出さないよう確実に固定されることが求められている。特許文献1には、表示パネルの外周を囲む筐体フレームにアンテナ等のケーブルを配置したノートパソコンが開示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013−76938号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ノートパソコンのディスプレイ部分の筐体内部には、表示パネルを位置決めするためのリブが、筐体の縁から所定の間隔をあけて設けられる。そして、リブの表示パネル側にスポンジ又はゴムなどの緩衝材による固定具を入れることにより表示パネルが位置決めされる。そして、ケーブルをリブと筐体の縁の間に這わせることで、ケーブルが表示パネルによって傷つけられることを回避している。しかしながら、ディスプレイ部分の筐体に上蓋を嵌める際、ケーブルがリブの上にはみ出て、筐体と上蓋との間にケーブルが挟まれることがあった。このため、ケーブルのリブの上へのはみ出しを回避するために、ケーブルを両面テープ等で筐体に固定すると、組み立ての作業数が多くなるという課題があった。
【0005】
1つの側面では、ケーブルがリブと筐体の縁の外に出ることを防ぐことが可能な情報処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
1つの形態によれば、表示パネルと、表示パネルを内包する筐体と、筐体の縁から所定の間隔をあけて設けられ、表示パネルの位置決めをするリブと、表示パネルとリブとの間に設けられる固定具と、を備え、固定具は、固定具から筐体の縁方向に延びて、筐体の縁とリブとの間に配線されるケーブルの移動を阻止するフランジ部を有する、情報処理装置が提供される。
【0007】
他の形態によれば、表示パネルとの筐体内のリブと間に設置される、表示パネルの位置決めをする固定具であって、一方の面で表示パネルの側面の一部に当接し、前記一方の面の反対側にある他方の面でリブに当接する壁部と、壁部の一方の端部から、表示パネルの裏面を受けるように延びる受け部と、壁部の他方の端部から、受け部とは反対側に延びるフランジ部と、を備える、固定具が提供される。
【発明の効果】
【0008】
ケーブルがリブと筐体の縁の外に出ることを防ぐことができる情報処理装置を提供することできる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】開示の情報処理装置を示す斜視図である。
図2】開示の情報処理装置のディスプレイ部であって、上蓋を取り外した状態を示す斜視図である。
図3図2の部分Aを拡大して示す部分斜視図である。
図4図3に示す部分の分解斜視図である。
図5】(a)は比較技術の情報処理装置のディスプレイ部であって、上蓋を取り外した状態を示す分解斜視図であり、(b)は表示パネルを位置決めする構造を示す部分斜視図である。
図6図3のVI−VI線に沿った断面図である。
図7】(a)は開示する情報処理装置で用いる固定具を上方斜めから見た斜視図であり、(b)は固定具を下方斜めから見た斜視図である。
図8】(a)及び(b)は固定具の別例を示す図であり、(a)は固定具を上方斜めから見た斜視図、(b)は下方斜めから見た斜視図である。
図9】情報機器の筐体を示す部分斜視図であり、リブの形状を示す図である。
図10】固定具の別例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を用いて本出願の実施の形態を、具体的な実施例に基づいて詳細に説明する。また、以下の実施の形態において同一又は類似の要素には共通の参照符号を付けて示し、理解を容易にするために、これらの図面は縮尺を適宜変更している。
【0011】
図1は、本実施形態の情報処理装置の一例であるノートパソコン100を示す斜視図である。ノートパソコン100は、本体装置101と、本体装置101の後端部にヒンジを介して開閉されるディスプレイ部分102とを備える。図1は、ディスプレイ部分102が開いた状態を示している。
【0012】
本体装置101の内部には、図示しないCentral Processing Unit(CPU)等の電子部品を搭載する回路基板が収納されている。本体装置101の上面にはキーボード及びタッチパネル等の入力機器が設けられている。ディスプレイ部分102は、LCDである表示パネル3と、表示パネル3を収納する筐体2とを有している。
【0013】
図2は、ノートパソコン100のディスプレイ部分102の内部を示す斜視図であり、ディスプレイ部分102の上蓋(図示しない)を取り外した状態を示す図である。図3図2の部分Aを拡大して示す斜視図である。表示パネル3は、図2に示すように、全体として矩形形状に形成されている。筐体2内には、筐体2の縁部21(図3参照)から所定の間隔をあけて配置され、表示パネル3の位置決めするリブ4(図4参照)が形成されている。表示パネル3は、その四隅において表示パネル3とリブ4との間に設けられた四つの固定具5の間に嵌め込まれて筐体2に位置決めされる。表示パネル3の周囲には、筐体2の縁部21とリブ4との間に、表示パネル、アンテナ及びカメラ等と本体装置101とを接続するケーブル6が配線される。表示パネル3の四隅に配置された固定具5の機能及び構造は同じであるため、以下では図2の部分Aに示される固定具5について説明する。
【0014】
ここで、比較技術の情報処理装置であるノートパソコンについて図5を用いて説明する。図5(a)は、比較技術のノートパソコンのディスプレイ部分202の構造を示す分解斜視図、図5(b)は(a)の部分Bを拡大して示す図で、表示パネル3を位置決めする構造を示す部分斜視図である。
【0015】
比較技術の表示パネル3は、ディスプレイ部分202の筐体2に内包される。表示パネル3は、図5(b)に示すように、その四隅がディスプレイ部分202に設けられたリブ61に貼り付けたスポンジ62により位置決めされる。そして、比較技術のノートパソコンでは、表示パネル3の周囲に沿ってリブ61と筐体2の縁部21との間にケーブル6が這わされている。ケーブル6はリブ61に沿わせて曲げられるため、ケーブル6自体の曲げ反力により、ケーブル6がリブ61に乗り上げることが発生しやすく、ケーブル6の浮きは、特に表示パネル3の四隅の近傍で大きくなる。比較技術のノートパソコンでは、表示パネル3の四隅のリブ61の脇に両面テープ63を設け、両面テープ63にケーブル6を貼り付けることで浮きを抑制する場合がある。ただし、同軸ケーブル等、外皮の表面処理によっては両面テープ63に貼り付きづらい場合があった。また、ディスプレイ部分202を組み立てる際、ディスプレイ部分202のリブ61にスポンジ62を貼り付けたり、ケーブル6を固定するために両面テープ63を筐体に貼り付けたりするという非常に細かい作業が要求された。
【0016】
一方、本実施形態のノートパソコン100は、図6に示すように、表示パネル3を筐体2に位置決めしたとき、固定具5から、筐体2の縁方向(矢印C)、すなわち筐体2の縁部21に向かって延びるよう設けられたフランジ部51を備える。そのため、リブ4と筐体2の縁部21との間に配線されたケーブル6の移動が、フランジ部51により阻止される。それにより、ケーブル6の浮き、例えばディスプレイ部分102を組み立てる際にケーブル6がリブ4と筐体2の縁部21の外に出ることが防止される。ケーブル6の浮きが防止されるため上蓋を取り付ける際に、ケーブル6が筐体2と上蓋に挟み込まれることがないる。
【0017】
固定具5は壁部52を備え、壁部52は、一方の面52cで表示パネル3の側面31の一部に当接し、一方の面52cの反対側の他方の面52dでリブ4に当接する。また、固定具5は、壁部52の一方の端部52aから、表示パネル3の裏面32を受けるように延びる受け部53を有する。固定具5のフランジ部51は、図6に示すように壁部52の他方の端部52bから、受け部53とは反対側に延びる。固定具5は、さらに、フランジ部51からリブ4側に突出して、壁部52と協働してリブ4を挟み込む突出部54aを備える。
【0018】
図6では、表示パネル3の短辺方向の側面31の一部に当接する壁部52とフランジ部51と示している。固定具5には、図7(a)及び図7(b)に示すように表示パネル3の長辺方向の側面33(図4参照)に当接する壁部52及び突出部54b(以下、突出部54a、54bをまとめて突出部54と称する場合がある)が形成されている。
【0019】
ノートパソコン100を作製する際、製造者は、ケーブル6を筐体2の縁部21とリブ4との間の溝に這わせる。その後、製造者は、リブ4が突出部54と壁部52の間に挿入されるよう、すなわち、突出部54及び壁部52によりリブ4が挟み込まれるよう、固定具5を設置する。突出部54と壁部52によりリブ4を挟み込むことで、製造者は、固定具5を容易に筐体2に対して固定することができる。
【0020】
本実施形態の固定具5はゴム製(ラバー製)の成型品である。また、固定具5は、樹脂により形成されてもよい。また、図8に示すように、固定具5と表示パネル3が当接する箇所、具体的には図8の斜線部分をゴム製とし他の部分を樹脂製とした二色成型による固定具5aを形成してもよい。
【0021】
図5に示す比較技術のノートパソコンでは、表示パネル3及びケーブル6を筐体2に位置決めするために、多数のスポンジ又は両面テープを用いていたが、本実施形態では、四隅に配置された四つの固定具5のみで表示パネル3を位置決めすることが可能となる。そのため、部品点数を削減することができる。また、固定具5の設置も、リブ4に突出部54と壁部52を嵌め込むことによりできるため、比較技術のノートパソコンのように、スポンジ62をリブ61に貼り付ける等の細かい作業をする必要がなくなる。
【0022】
図9は、筐体2に形成されたリブ4の形状を示す斜視図である。リブ4は、表示パネル3を位置決めするために、表示パネルの四隅に対応するよう平面視でL字形になるよう形成されている。すなわち、リブ4は、表示パネル3の隅の直交する側面31、33に対向するようにリブ4a、4bの連続体として形成される。また、図7に示した、固定具5の突出部54a、54bの嵌め込みを容易にするために、突出部54a、54bのそれぞれの幅に応じて設けられた一対の突起部41a、41bが設けられている。突起部41a、41bを形成することで、固定具5の位置合わせが容易になる。
【0023】
また、固定具5の壁部52から縁方向に延びるフランジ部51の長さL1(図6参照)は、筐体2の縁部21とリブ4との間の長さL0によって決められる。長さL1は、縁部21に当接する長さ、すなわちL0と略同じになるよう設けられてもよい。また、図6に示すよう、例えば、縁部21とフランジ部51の先端との間がケーブル6の直径よりも小さい距離であれば、フランジ部51の長さL1は、筐体2の縁部21とリブ4との間の長さL0より短く形成されてもよい。また、図10に示す固定具5aの突出部54aのように、突出部54aの外側の断面形状は、ケーブル6の断面形状に対応する波形の形状にして、固定具5aを設置した際にケーブル6の位置がずれるのを防止されるように形成されてもよい。なお、本実施形態の情報処理装置としてノートパソコンが一例として示されているが、情報処理装置は表示パネルを用いる装置、例えばスマートフォン、携帯電話機、又は、タブレット等であってもよい。
【0024】
以上、本出願を特にその好ましい実施の形態を参照して詳細に説明した。本出願の容易な理解のために、本出願の具体的な形態を以下に付記する。
【0025】
(付記1)表示パネルと、
前記表示パネルを内包する筐体と、
前記筐体の縁から所定の間隔をあけて設けられ、前記表示パネルの位置決めをするリブと、
前記表示パネルと前記リブとの間に設けられる固定具と、を備え、
前記固定具は、前記固定具から前記筐体の縁方向に延びて、前記筐体の縁と前記リブとの間に配線されるケーブルの移動を阻止するフランジ部を有する、情報処理装置。
(付記2)前記固定具は、一方の面で前記リブに当接し、前記一方の面の反対側の他方の面で前記表示パネルの側面の一部に当接する壁部と、前記フランジ部から突出して前記リブを前記壁部との間で挟み込む突出部をさらに備える、付記1に記載の情報処理装置。
(付記3)表示パネルとの筐体内のリブと間に設置される、前記表示パネルの位置決めをする固定具であって、
一方の面で前記表示パネルの側面の一部に当接し、前記一方の面の反対側にある他方の面で前記リブに当接する壁部と、
前記壁部の一方の端部から、前記表示パネルの裏面を受けるように延びる受け部と、
前記壁部の他方の端部から、前記受け部とは反対側に延びるフランジ部と、
を備える、固定具。
(付記4)さらに、前記フランジ部から突出して、前記リブを前記壁部との間で挟み込む突出部を備える、付記3に記載の固定具。
(付記5)前記突出部の外側の断面がケーブルの外形に合わせた波状に形成される、付記4に記載の固定具。
【符号の説明】
【0026】
100 ノートパソコン
101 本体装置
102 ディスプレイ部分
2 筐体
21 縁部
3 表示パネル
4 リブ
5 固定具
51 フランジ部
52 壁部
53 受け部
54、54a、54b 突出部
6 ケーブル
61 リブ
62 スポンジ
63 両面テープ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10