(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
上記第1回転巻取部材は、上記操作部の第1操作モードにおいて、上記排水弁が閉弁して最低位置となる初期位置と、上記排水弁が開弁して第1最高位置となる第1最大回転位置との間で上記第2回転巻取部材とは互いにほぼ同一の回転半径で独立に回転可能であり、
上記第2回転巻取部材は、上記操作部の第2操作モードにおいて、上記初期位置と、上記排水弁が開弁して上記第1最高位置とは異なる第2最高位置となる第2最大回転位置との間で上記第1回転巻取部材とは互いにほぼ同一の回転半径で独立に回転可能であり、
上記第1回転巻取部材が上記初期位置から上記第1回転方向に上記第1最大回転位置まで回転したときの第1最大回転角度は、上記第2回転巻取部材が上記初期位置から上記第2回転方向に上記第2最大回転位置まで回転したときの第2最大回転角度よりも大きく設定され、
上記第1連結部材のみが上記第1回転巻取部材により巻き取られる上記第1量は、上記第2連結部材のみが上記第2回転巻取部材により巻き取られる上記第2量よりも大きく設定され、上記第1洗浄モードにより上記洗浄水タンク装置から上記便器に供給される上記第1洗浄水量は、上記第2洗浄モードにより上記洗浄水タンク装置から上記便器に供給される上記第2洗浄水量よりも大きく設定されている請求項2又は3に記載の排水弁操作装置。
さらに、上記第1回転巻取部材及び上記第2回転巻取部材に設けられた付勢部材を有し、この付勢部材は、上記第1最大回転位置の上記第1回転巻取部材及び上記第2最大回転位置の上記第2回転巻取部材のそれぞれについて上記初期位置に復帰させるように付勢可能に構成されている請求項4記載の排水弁操作装置。
上記付勢部材は、上記第1回転巻取部材及び上記第2回転巻取部材に対してほぼ同一中心軸線上に設けられたねじりコイルばねであり、このねじりコイルばねは、その一端及び他端のそれぞれから外側に延びる第1アーム部及び第2アーム部を備え、
上記第1回転巻取部材は、上記第1アーム部又は上記第2アーム部の一方が取り付けられる第1アーム取付部を備え、
上記第2回転巻取部材は、上記第1アーム部又は上記第2アーム部の他方が取り付けられる第2アーム取付部を備え、
上記ねじりコイルばねの第1アーム部は、上記第1最大回転位置の上記第1回転巻取部材の上記第1アーム取付部を上記第2回転方向に付勢し、上記第1回転巻取部材を上記初期位置に復帰させるように構成され、
上記ねじりコイルばねの第2アーム部は、上記第2最大回転位置の上記第2回転巻取部材の上記第2アーム取付部を上記第1回転方向に付勢し、上記第2回転巻取部材を上記初期位置に復帰させるように構成されている請求項5記載の排水弁操作装置。
上記回転軸は、その軸方向に延びる回転軸本体部と、この回転軸本体部の外周面の一部から外側に突出する突起部と、を備え、この突起部は、上記第1回転方向側に形成される第1突起側面と、この第1突起側面よりも上記第2回転方向側に形成される第2突起側面と、を備え、
上記第1回転巻取部材の第1切欠き部及び上記第2回転巻取部材の第2切欠き部は、それぞれの回転の中心部付近に上記回転軸が軸方向に挿入可能に形成されると共に、上記回転軸の回転方向に応じて上記回転軸の突起部との係合を回避可能にする第1係合回避領域及び第2係合回避領域をそれぞれ備えている請求項4乃至6の何れか1項に記載の排水弁操作装置。
上記第1回転巻取部材の第1切欠き部は、上記初期位置において、上記回転軸の第1突起側面と係合する第1切欠き側面と、この第1切欠き側面に対して上記第2回転方向側に離間する第2切欠き側面と、を備え、
上記第2回転巻取部材の第2切欠き部は、上記初期位置において、上記回転軸の第2突起側面と係合する第3切欠き側面と、この第3切欠き側面に対して上記第1回転方向側に離間する第4切欠き側面と、を備え、
上記第1係合回避領域においては、上記回転軸が上記初期位置と上記第2最大回転位置との間に位置しているときに、上記回転軸の突起部の第2突起側面と上記第1回転巻取部材の第1切欠き部の第2切欠き側面との係合が回避可能であり、
上記第2係合回避領域においては、上記回転軸が上記初期位置と上記第1最大回転位置との間に位置しているときに、上記回転軸の突起部の第1突起側面と上記第2回転巻取部材の第2切欠き部の第4切欠き側面との係合が回避可能である請求項7記載の排水弁操作装置。
上記操作部の第1操作モードにより上記回転軸が上記初期位置から上記第1回転方向に回転操作された場合には、上記第1係合回避領域において、上記第1回転巻取部材の第1切欠き部の第1切欠き側面と上記回転軸の第1突起側面とが互いに係合した状態が維持される一方、上記第2係合回避領域において、上記第2回転巻取部材の第2切欠き部の第3切欠き側面と上記回転軸の第2突起側面との互いの係合が解除された状態となり、
上記操作部の第2操作モードにより上記回転軸が上記初期位置から上記第2回転方向に回転操作された場合には、上記第2係合回避領域において、上記第2回転巻取部材の第2切欠き部の第3切欠き側面と上記回転軸の第2突起側面とが互いに係合した状態が維持される一方、上記第1係合回避領域において、上記第1回転巻取部材の第1切欠き部の第1切欠き側面と上記回転軸の第1突起側面との互いの係合が解除された状態となる請求項8記載の排水弁操作装置。
上記第1回転巻取部材及び上記第2回転巻取部材は、それぞれの外周において上記第1連結部材及び上記第2連結部材のそれぞれの他端が取り付け可能な第1取付部及び第2取付部をそれぞれ備え、これらの取付部は、上記初期位置において、上記第1回転巻取部材及び上記第2回転巻取部材のそれぞれの回転中心軸線方向に互いにほぼ並列して配置され、
上記第1連結部材及び上記第2連結部材は、立面視において上記第1回転巻取部材及び上記第2回転巻取部材の回転中心に対して一方側と他方側とに互いに対称に配置され、
上記初期位置において、上記第1回転巻取部材の上記第1取付部及び上記第1連結部材の他端は、上記第1連結部材が上記第1回転方向に上記第1回転巻取部材の外周に沿って所定長さだけ予め巻き取られた位置に設定されており、且つ、上記第2回転巻取部材の上記第2取付部及び上記第2連結部材の他端は、上記第2連結部材が上記第2回転方向に上記第2回転巻取部材の外周に沿って上記所定長さだけ予め巻き取られた位置に設定されている請求項4乃至9の何れか1項に記載の排水弁操作装置。
上記第1回転巻取部材は、その初期位置で上記保持部の回転角度制限部と係合可能な第1係合部と、上記第1最大回転位置で上記回転角度制限部と係合可能な第2係合部と、を備え、
上記第2回転巻取部材は、その初期位置で上記保持部の回転角度制限部と係合可能な第3係合部と、上記第2最大回転位置で上記回転角度制限部と係合可能な第4係合部と、を備えている請求項11記載の排水弁操作装置。
上記第1連結部材は、その一端が上記排水弁の第1連結部に係合/係合解除可能に連結され、上記第2連結部材は、その一端が上記排水弁の第1連結部に隣接する第2連結部に係合/係合解除可能に連結されている請求項12記載の洗浄水タンク装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
また、近年では、排水弁操作装置の使い勝手の良さを追求するために、使用者が直接的に手動で操作することだけにこだわらず、排水弁の開弁操作について電動等による自動化を実現している。
一方、このような自動化をたとえ実現することができたとしても、排水弁側のレイアウトや設計事情によっては、排水弁操作装置の設置スペースが限られたり、操作装置の作動中に排水弁の引き上げるワイヤ等の関連部品が周辺部品と干渉したりすること等が要因となり、操作装置の操作性の低下を招くという問題もある。
したがって、排水弁側のレイアウトや設計事情に応じて、排水弁操作装置の操作性をいかに向上させるかが、近年要請された課題となっている。
【0005】
そこで、本発明は、上述した従来技術の問題や近年要請されている課題を解決するためになされたものであり、排水弁の開弁操作の操作性を向上させることができ、複数の洗浄モードに応じた便器洗浄を正確に実行することができる排水弁操作装置、洗浄水タンク装置、及び、水洗大便器を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するために、本発明は、便器に洗浄水を供給する洗浄水タンク装置の排水弁を開弁操作する排水弁操作装置であって、回転軸を備え、この回転軸を第1回転方向に回転操作する第1操作モードの電動又は手動の操作が可能であると共に、上記回転軸を上記第1回転方向とは反対の第2回転方向に回転操作する第2操作モードによる電動又は手動の操作が可能である操作部と、上記排水弁にそれぞれの一端が連結された第1連結部材及び第2連結部材と、上記回転軸に対して回転方向に係合/係合解除可能に取り付けられた第1回転巻取部材であって、上記第1連結部材の他端が連結され、上記回転軸と共に上記第1回転方向に回転することにより上記第1連結部材を巻取可能とする上記第1回転巻取部材と、上記回転軸に対して回転方向に係合/係合解除可能に取り付けられた第2回転巻取部材であって、上記第2連結部材の他端が連結され、上記回転軸と共に上記第2回転方向に上記第1回転巻取部材とは独立に回転することにより上記第2連結部材を巻取可能とする上記第2回転巻取部材と、を有し、上記第1回転巻取部材及び上記第2回転巻取部材は、それぞれの回転の中心部近傍に設けられた第1切欠き部及び第2切欠き部をそれぞれ備え、各切欠き部は、各操作モードの上記回転軸の回転方向に応じて上記回転軸に対して回転方向に係合/係合解除可能であり、上記操作部の第1操作モードにより上記回転軸が上記第1回転方向に回転操作された場合において、上記第1回転巻取部材の第1切欠き部は、上記回転軸により回転方向に係合された状態で上記第1回転方向に回転するように構成される一方、上記第2回転巻取部材の第2切欠き部は、上記回転軸との回転方向の係合が解除されて静止状態となるように構成され、
上記排水弁は、上記第1連結部材のみが上記第1回転巻取部材により第1量だけ巻き取られることにより上記第1量だけ引き上げられるように構成され、上記洗浄水タンク装置から上記便器に第1洗浄水量の洗浄水が供給されて第1洗浄モードの便器洗浄が実行可能であり、上記操作部の第2操作モードにより上記回転軸が上記第2回転方向に回転操作された場合において、上記第1回転巻取部材の第1切欠き部は、上記回転軸との回転方向の係合が解除されて静止状態となるように構成される一方、上記第2回転巻取部材の第2切欠き部は、上記回転軸により回転方向に係合された状態で上記第2回転方向に回転するように構成され、上記排水弁は、上記第2連結部材のみが上記第2回転巻取部材により上記第1量と異なる第2量だけ巻き取られることにより上記第2量だけ引き上げられるように構成され、上記洗浄水タンク装置から上記便器に上記第1洗浄水量と異なる第2洗浄水量の洗浄水が供給されて第2洗浄モードの便器洗浄が実行可能であることを特徴としている。
このように構成された本発明においては、洗浄水量がそれぞれ異なる第1洗浄モード及び第2洗浄モードのそれぞれを実行する際に、まず、操作部の第1操作モードにより回転軸が第1回転方向に回転操作された場合には、第1回転巻取部材の第1切欠き部が、回転軸により回転方向に係合された状態で第1回転方向に回転する。これにより、第1回転巻取部材が第2回転巻取部材とは独立に回転軸と共に第1回転方向に回転する。このとき、第2回転巻取部材の第2切欠き部は回転軸との回転方向の係合が解除されているため、第2回転巻取部材は静止状態となる。
そして、第1連結部材のみが第1回転巻取部材により第1量だけ巻き取られ、排水弁が第1量だけ引き上げられる。これにより、洗浄水タンク装置から便器に第1洗浄水量の洗浄水が供給されて第1洗浄モードの便器洗浄が実行される。
つぎに、操作部の第2操作モードにより回転軸が第2回転方向に回転操作された場合には、第1回転巻取部材の第1切欠き部が、回転軸との回転方向の係合が解除されて静止状態となる。
一方、第2回転巻取部材の第2切欠き部が回転軸により回転方向に係合された状態で第2回転方向に回転する。これにより、第2回転巻取部材が第1回転巻取部材とは独立に回転軸と共に第2回転方向に回転する。
そして、第2連結部材のみが第2回転巻取部材により第1量と異なる第2量だけ巻き取られ、排水弁が第2量だけ引き上げられる。これにより、洗浄水タンク装置から便器に第1洗浄水量と異なる第2洗浄水量の洗浄水が供給されて第2洗浄モードの便器洗浄が実行される。
したがって、操作部の各操作モードに応じて、第1回転巻取部材又は第2回転巻取部材のいずれか一方を独立に回転操作することができるため、第1回転巻取部材及び第2回転巻取部材のそれぞれが互いの干渉を抑制しながら、スムーズに作動することができる。
また、第1回転巻取部材及び第2回転巻取部材のそれぞれに連結されている第1連結部材及び第2連結部材のそれぞれについても、互いの干渉を抑制しながら、スムーズに作動することができる。
よって、操作部による第1操作モード及び第2操作モードの異なる操作モードのそれぞれの切り替え操作について正確に且つスムーズに行うことができるため、各洗浄モードに応じた排水弁の開弁操作を正確に行うこともできる。
これらの結果、排水弁の開弁操作する排水弁操作装置の操作性を向上させることができ、複数の洗浄モードに応じた便器洗浄を正確に実行することができる。
【0007】
本発明において、好ましくは、上記操作部は、上記回転軸に連結されて外部からの電力により上記回転軸を電気的に回転駆動可能な電動回転軸を備えた電動操作部であり、上記第1回転巻取部材及び上記第2回転巻取部材は、上記電動回転軸の回転駆動により上記電動回転軸及び上記回転軸のそれぞれの回転半径よりも大きい回転半径で回転可能である。
このように構成された本発明においては、洗浄水量がそれぞれ異なる第1洗浄モード及び第2洗浄モードのそれぞれを実行する際に、電動操作部が各操作モードに応じて電動回転軸を電気的に回転操作する。
このとき、第1回転巻取部材又は第2回転巻取部材のいずれか一方が、回転軸及び電動回転軸と共にこれらの回転半径よりも大きい回転半径で各洗浄モードに応じて異なる方向に独立に自動で回転することができる。
そして、電動操作部が第1操作モードにより電動回転軸を回転操作し、第1回転巻取部材が回転軸と共に第1回転方向に自動で回転した場合には、第1連結部材のみについて、第1回転巻取部材により第1量だけ自動で巻き取り、排水弁を第1連結部材と共に比較的大きな引き上げ量で引き上げることができる。
同様に、電動操作部が第2操作モードにより電動回転軸を回転操作し、第2回転巻取部材が回転軸と共に第2回転方向に自動で回転した場合には、第2連結部材のみについて、第2回転巻取部材により第2量だけ自動で巻き取り、排水弁を第2連結部材と共に比較的大きな引き上げ量で引き上げることができる。
【0008】
本発明において、好ましくは、上記操作部は、上記回転軸に連結されて手動により上記回転軸を回転駆動可能な操作部材を備えた手動操作部である。
このように構成された本発明においては、洗浄水量がそれぞれ異なる第1洗浄モード及び第2洗浄モードのそれぞれを実行する際に、手動操作部の操作部材を手動で回転操作することにより各操作モードに応じて回転軸を手動で回転操作する。
このとき、第1回転巻取部材又は第2回転巻取部材のいずれか一方が、回転軸と共に各洗浄モードに応じて異なる方向に独立に回転することができる。
そして、手動操作部の操作部材の第1操作モードによる手動操作により回転軸が回転操作され、第1回転巻取部材が回転軸と共に第1回転方向に回転した場合には、第1連結部材のみについて、第1回転巻取部材により第1量だけ巻き取られ、排水弁を第1連結部材と共に比較的大きな引き上げ量で引き上げることができる。
同様に、手動操作部の操作部材の第2操作モードによる手動操作により回転軸が回転操作され、第2回転巻取部材が回転軸と共に第2回転方向に回転した場合には、第2連結部材のみについて、第2回転巻取部材により第2量だけ巻き取られ、排水弁を第2連結部材と共に比較的大きな引き上げ量で引き上げることができる。
【0009】
本発明において、好ましくは、上記第1回転巻取部材は、上記操作部の第1操作モードにおいて、上記排水弁が閉弁して最低位置となる初期位置と、上記排水弁が開弁して第1最高位置となる第1最大回転位置との間で上記第2回転巻取部材とは互いにほぼ同一の回転半径で独立に回転可能であり、上記第2回転巻取部材は、上記操作部の第2操作モードにおいて、上記初期位置と、上記排水弁が開弁して上記第1最高位置とは異なる第2最高位置となる第2最大回転位置との間で上記第1回転巻取部材とは互いにほぼ同一の回転半径で独立に回転可能であり、上記第1回転巻取部材が上記初期位置から上記第1回転方向に上記第1最大回転位置まで回転したときの第1最大回転角度は、上記第2回転巻取部材が上記初期位置から上記第2回転方向に上記第2最大回転位置まで回転したときの第2最大回転角度よりも大きく設定され、上記第1連結部材のみが上記第1回転巻取部材により巻き取られる上記第1量は、上記第2連結部材のみが上記第2回転巻取部材により巻き取られる上記第2量よりも大きく設定され、上記第1洗浄モードにより上記洗浄水タンク装置から上記便器に供給される上記第1洗浄水量は、上記第2洗浄モードにより上記洗浄水タンク装置から上記便器に供給される上記第2洗浄水量よりも大きく設定されている。
このように構成された本発明においては、まず、操作部の第1操作モードにより回転軸が第1回転方向に回転操作された場合には、第1回転巻取部材の第1切欠き部が、回転軸により回転方向に係合された状態で第1回転方向に回転する。
これにより、第1回転巻取部材は、排水弁が閉弁して最低位置となる初期位置から第1最大回転位置まで第1回転方向に第1最大回転角度の範囲内で回転可能となり、第2回転巻取部材とは独立に互いにほぼ同一の回転半径で回転する。このとき、第2回転巻取部材の第2切欠き部は回転軸との回転方向の係合が解除されているため、第2回転巻取部材は静止状態となる。
そして、第1連結部材のみが第1回転巻取部材により第1量(第2量よりも大きい量)だけ巻き取られ、排水弁が第1量だけ引き上げられる。これにより、洗浄水タンク装置から便器に第1洗浄水量(第2洗浄水量よりも大きい洗浄水量)の洗浄水が供給されて第1洗浄モードの便器洗浄が実行される。
つぎに、操作部の第2操作モードにより回転軸が第2回転方向に回転操作された場合には、第1回転巻取部材の第1切欠き部が、回転軸との回転方向の係合が解除されて静止状態となる。
一方、第2回転巻取部材の第2切欠き部が回転軸により回転方向に係合された状態で第2回転方向に回転する。これにより、第2回転巻取部材は、排水弁が閉弁して最低位置となる初期位置から第2最大回転位置まで第2回転方向に第2最大回転角度の範囲内で回転可能となり、第1回転巻取部材とは独立に互いにほぼ同一の回転半径で回転する。
そして、第2連結部材のみが第2回転巻取部材により第2量(第1量よりも小さい量)だけ巻き取られ、排水弁が第2量だけ引き上げられる。これにより、洗浄水タンク装置から便器に第2洗浄水量(第1洗浄水量よりも小さい洗浄水量)の洗浄水が供給されて第2洗浄モードの便器洗浄が実行される。
したがって、操作部の各操作モードに応じて、第1回転巻取部材又は第2回転巻取部材のいずれか一方を互いにほぼ同一の回転半径で独立に回転操作することができると共に、第1回転巻取部材の第1最大回転角度を第2回転巻取部材の第2最大回転角度よりも大きく設定することにより、第1回転巻取部材及び第2回転巻取部材のそれぞれを簡易な構造にすることができる。
よって、第1回転巻取部材及び第2回転巻取部材のそれぞれが互いの干渉を抑制しながら、スムーズに作動することができる。
また、第1回転巻取部材及び第2回転巻取部材のそれぞれに連結されている第1連結部材及び第2連結部材のそれぞれについても、互いの干渉を抑制しながら、スムーズに作動することができる。
よって、操作部による第1操作モード及び第2操作モードの異なる操作モードのそれぞれの切り替え操作について正確に且つスムーズに行うことができるため、各洗浄モードに応じた排水弁の開弁操作を正確に行うこともできる。
【0010】
本発明において、好ましくは、さらに、上記第1回転巻取部材及び上記第2回転巻取部材に設けられた付勢部材を有し、この付勢部材は、上記第1最大回転位置の上記第1回転巻取部材及び上記第2最大回転位置の上記第2回転巻取部材のそれぞれについて上記初期位置に復帰させるように付勢可能に構成されている。
このように構成された本発明においては、第1回転巻取部材及び第2回転巻取部材に設けられた付勢部材の付勢力により、第1最大回転位置の第1回転巻取部材及び第2最大回転位置の第2回転巻取部材のそれぞれについて初期位置に復帰させることができる。
したがって、第1操作モード終了後の第1回転巻取部材や第2操作モード終了後の第2回転巻取部材について、次回の便器洗浄操作(排水弁の開弁操作)に備えて、初期位置まで確実に且つ速やかに復帰させることができるため、次回の各洗浄モードに応じた第1回転巻取部材や第2回転巻取部材の回転操作についても正確に行うことができる。
【0011】
本発明において、好ましくは、上記付勢部材は、上記第1回転巻取部材及び上記第2回転巻取部材に対してほぼ同一中心軸線上に設けられたねじりコイルばねであり、このねじりコイルばねは、その一端及び他端のそれぞれから外側に延びる第1アーム部及び第2アーム部を備え、上記第1回転巻取部材は、上記第1アーム部又は上記第2アーム部の一方が取り付けられる第1アーム取付部を備え、上記第2回転巻取部材は、上記第1アーム部又は上記第2アーム部の他方が取り付けられる第2アーム取付部を備え、上記ねじりコイルばねの第1アーム部は、上記第1最大回転位置の上記第1回転巻取部材の上記第1アーム取付部を上記第2回転方向に付勢し、上記第1回転巻取部材を上記初期位置に復帰させるように構成され、上記ねじりコイルばねの第2アーム部は、上記第2最大回転位置の上記第2回転巻取部材の上記第2アーム取付部を上記第1回転方向に付勢し、上記第2回転巻取部材を上記初期位置に復帰させるように構成されている。
このように構成された本発明においては、第1操作モードにおいて、ねじりコイルばねの第1アーム部が、第1最大回転位置の第1回転巻取部材の第1アーム取付部を第2回転方向に付勢することにより、第1回転巻取部材を初期位置により確実に且つ速やかに復帰させることができる。
同様に、第2操作モードにおいて、ねじりコイルばねの第2アーム部が、第2最大回転位置の第2回転巻取部材の第2アーム取付部を第1回転方向に付勢することにより、第2回転巻取部材を初期位置により確実に且つ速やかに復帰させることができる。
したがって、第1操作モード終了後の第1回転巻取部材や第2操作モード終了後の第2回転巻取部材について、次回の便器洗浄操作(排水弁の開弁操作)に備えて、初期位置までより確実に且つ速やかに復帰させることができるため、次回の各洗浄モードに応じた第1回転巻取部材や第2回転巻取部材に関する回転操作についてもより正確に行うことができる。
【0012】
本発明において、好ましくは、上記回転軸は、その軸方向に延びる回転軸本体部と、この回転軸本体部の外周面の一部から外側に突出する突起部と、を備え、この突起部は、上記第1回転方向側に形成される第1突起側面と、この第1突起側面よりも上記第2回転方向側に形成される第2突起側面と、を備え、
上記第1回転巻取部材の第1切欠き部及び上記第2回転巻取部材の第2切欠き部は、それぞれの回転の中心部付近に上記回転軸が軸方向に挿入可能に形成されると共に、上記回転軸の回転方向に応じて上記回転軸の突起部との係合を回避可能にする第1係合回避領域及び第2係合回避領域をそれぞれ備えている。
このように構成された本発明においては、第1回転巻取部材の第1切欠き部及び第2回転巻取部材の第2切欠き部が、それぞれの回転の中心部付近に回転軸が軸方向に挿入可能に形成されると共に、回転軸の回転方向に応じて回転軸の突起部との係合を回避可能にする第1係合回避領域及び第2係合回避領域をそれぞれ備えている。これらにより、操作部の各操作モードにおいて、第1回転巻取部材及び第2回転巻取部材の互いの干渉を抑制しながら、各操作モードに応じて第1回転巻取部材又は第2回転巻取部材のいずれか一方を回転軸と共に効率良く独立に回転操作することができる。
したがって、操作部の各操作モードにおいて、第1回転巻取部材又は第2回転巻取部材のいずれか一方の回転巻取部材が、他方の回転巻取部材に対する干渉を抑制しながら、独立にスムーズに作動することができる。これにより、各操作モードに応じた排水弁操作装置の操作性を向上させることができる。
【0013】
本発明において、好ましくは、上記第1回転巻取部材の第1切欠き部は、上記初期位置において、上記回転軸の第1突起側面と係合する第1切欠き側面と、この第1切欠き側面に対して上記第2回転方向側に離間する第2切欠き側面と、を備え、上記第2回転巻取部材の第2切欠き部は、上記初期位置において、上記回転軸の第2突起側面と係合する第3切欠き側面と、この第3切欠き側面に対して上記第1回転方向側に離間する第4切欠き側面と、を備え、上記第1係合回避領域においては、上記回転軸が上記初期位置と上記第2最大回転位置との間に位置しているときに、上記回転軸の突起部の第2突起側面と上記第1回転巻取部材の第1切欠き部の第2切欠き側面との係合が回避可能であり、上記第2係合回避領域においては、上記回転軸が上記初期位置と上記第1最大回転位置との間に位置しているときに、上記回転軸の突起部の第1突起側面と上記第2回転巻取部材の第2切欠き部の第4切欠き側面との係合が回避可能である。
このように構成された本発明においては、回転軸が初期位置と第2最大回転位置との間に位置しているときには、第1回転巻取部材の第1切欠き部の第1係合回避領域により、回転軸の突起部の第2突起側面と第1回転巻取部材の第1切欠き部の第2切欠き側面との係合を簡易な構造で回避することができる。
一方、回転軸が初期位置と第1最大回転位置との間に位置しているときには、第2回転巻取部材の第2切欠き部の第2係合回避領域により、回転軸の突起部の第1突起側面と第2回転巻取部材の第2切欠き部の第4切欠き側面との係合を簡易な構造で回避することができる。
【0014】
本発明において、好ましくは、上記操作部の第1操作モードにより上記回転軸が上記初期位置から上記第1回転方向に回転操作された場合には、上記第1係合回避領域において、上記第1回転巻取部材の第1切欠き部の第1切欠き側面と上記回転軸の第1突起側面とが互いに係合した状態が維持される一方、上記第2係合回避領域において、上記第2回転巻取部材の第2切欠き部の第3切欠き側面と上記回転軸の第2突起側面との互いの係合が解除された状態となり、
上記操作部の第2操作モードにより上記回転軸が上記初期位置から上記第2回転方向に回転操作された場合には、上記第2係合回避領域において、上記第2回転巻取部材の第2切欠き部の第3切欠き側面と上記回転軸の第2突起側面とが互いに係合した状態が維持される一方、上記第1係合回避領域において、上記第1回転巻取部材の第1切欠き部の第1切欠き側面と上記回転軸の第1突起側面との互いの係合が解除された状態となる。
このように構成された本発明においては、まず、操作部の第1操作モードにより回転軸が初期位置から第1回転方向に回転操作された場合には、第1係合回避領域において、第1回転巻取部材の第1切欠き部の第1切欠き側面と回転軸の第1突起側面とが互いに係合した状態が維持される。このとき、第2係合回避領域においては、第2回転巻取部材の第2切欠き部の第3切欠き側面と回転軸の第2突起側面との互いの係合が解除された状態となる。
つぎに、操作部の第2操作モードにより回転軸が初期位置から第2回転方向に回転操作された場合には、第2係合回避領域において、第2回転巻取部材の第2切欠き部の第3切欠き側面と回転軸の第2突起側面とが互いに係合した状態が維持される。このとき、第1係合回避領域においては、第1回転巻取部材の第1切欠き部の第1切欠き側面と回転軸の第1突起側面との互いの係合が解除された状態となる。
これらの結果、操作部の各操作モードにおいて、第1回転巻取部材及び第2回転巻取部材の互いの干渉を抑制しながら、各操作モードに応じて第1回転巻取部材又は第2回転巻取部材のいずれか一方を回転軸と共に効率良く独立に回転操作することができる。
よって、操作部の各操作モードにおいて、第1回転巻取部材又は第2回転巻取部材のいずれか一方が他方との干渉を抑制しながら、独立にスムーズに作動することができるため、各操作モードに応じた排水弁操作装置の操作性を向上させることができる。
また、第1洗浄モード及び第2洗浄モードの異なる洗浄モードのそれぞれの便器洗浄についても正確に実行することができる。
【0015】
本発明において、好ましくは、上記第1回転巻取部材及び上記第2回転巻取部材は、それぞれの外周において上記第1連結部材及び上記第2連結部材のそれぞれの他端が取り付け可能な第1取付部及び第2取付部をそれぞれ備え、これらの取付部は、上記初期位置において、上記第1回転巻取部材及び上記第2回転巻取部材のそれぞれの回転中心軸線方向に互いにほぼ並列して配置され、
上記第1連結部材及び上記第2連結部材は、立面視において上記第1回転巻取部材及び上記第2回転巻取部材の回転中心に対して一方側と他方側とに互いに対称に配置され、
上記初期位置において、上記第1回転巻取部材の上記第1取付部及び上記第1連結部材の他端は、上記第1連結部材が上記第1回転方向に上記第1回転巻取部材の外周に沿って所定長さだけ予め巻き取られた位置に設定されており、且つ、上記第2回転巻取部材の上記第2取付部及び上記第2連結部材の他端は、上記第2連結部材が上記第2回転方向に上記第2回転巻取部材の外周に沿って上記所定長さだけ予め巻き取られた位置に設定されている。
このように構成された本発明においては、第1回転巻取部材の第1取付部及び第2回転巻取部材の第2取付部が、第1回転巻取部材及び第2回転巻取部材のそれぞれの回転中心軸線方向にほぼ並列して配置されている。また、第1連結部材及び上記第2連結部材は、立面視において第1回転巻取部材及び第2回転巻取部材の回転中心に対して一方側と他方側とに互いに対称に配置されている。さらに、第1回転巻取部材の第1取付部及び第1連結部材の他端は、初期位置において、第1連結部材が第1回転方向に第1回転巻取部材の外周に沿って所定長さだけ予め巻き取られた位置に設定されており、且つ、第2回転巻取部材の第2取付部及び第2連結部材の他端は、第2連結部材が第2回転方向に第2回転巻取部材の外周に沿って上記所定長さだけ予め巻き取られた位置に設定されている。
これらにより、各洗浄モードに応じて第1回転巻取部材又は第2回転巻取部材のいずれか一方が独立に回転した際にも、第1連結部材又は第2連結部材のいずれか一方が他方に干渉することなく、確実に且つスムーズに移動することができる。
【0016】
本発明において、好ましくは、さらに、上記第1回転巻取部材及び上記第2回転巻取部材を回転可能に保持する保持部を有し、上記保持部は、上記第1回転巻取部材の初期位置と第1最大回転位置との間の回転角度の範囲を制限可能にすると共に、上記第2回転巻取部材の初期位置と第2最大回転位置との間の回転角度の範囲を制限可能にする回転角度制限部を備えている。
このように構成された本発明においては、第1回転巻取部材及び第2回転巻取部材を回転可能に保持する保持部により、第1回転巻取部材の初期位置と第1最大回転位置との間の回転角度の範囲を制限することができると共に、第2回転巻取部材の初期位置と第2最大回転位置との間の回転角度の範囲を制限することができる。
したがって、各洗浄モードに応じた第1回転巻取部材又は第2回転巻取部材のいずれか一方の回転動作を正確に行うことができる。よって、各洗浄モードに応じた開弁操作時の排水弁の引き上げ量を正確に管理することができる。
【0017】
本発明において、好ましくは、上記第1回転巻取部材は、その初期位置で上記保持部の回転角度制限部と係合可能な第1係合部と、上記第1最大回転位置で上記回転角度制限部と係合可能な第2係合部と、を備え、上記第2回転巻取部材は、その初期位置で上記保持部の回転角度制限部と係合可能な第3係合部と、上記第2最大回転位置で上記回転角度制限部と係合可能な第4係合部と、を備えている。
このように構成された本発明においては、第1回転巻取部材が初期位置にあるときには、第1回転巻取部材の第1係合部が保持部の回転角度制限部と係合し、第1回転巻取部材が第1最大回転位置にあるときには、第1回転巻取部材の第2係合部が保持部の回転角度制限部と係合することができる。
また、第2回転巻取部材が初期位置にあるときには、第2回転巻取部材の第3係合部が保持部の回転角度制限部と係合し、第2回転巻取部材が第2最大回転位置にあるときには、第2回転巻取部材の第4係合部が保持部の回転角度制限部と係合することができる。
したがって、第1回転巻取部材の初期位置と第1最大回転位置との間の回転角度の範囲を確実に制限することができると共に、第2回転巻取部材の初期位置と第2最大回転位置との間の回転角度の範囲を確実に制限することができる。
よって、各洗浄モードに応じた第1回転巻取部材又は第2回転巻取部材のいずれか一方の回転動作をより正確に行うことができるため、各洗浄モードに応じた開弁操作時の排水弁の引き上げ量をより正確に管理することができる。
【0018】
本発明において、好ましくは、上記第1連結部材は、その一端が上記排水弁の第1連結部に係合/係合解除可能に連結され、上記第2連結部材は、その一端が上記排水弁の第1連結部に隣接する第2連結部に係合/係合解除可能に連結されている。
このように構成された本発明においては、まず、操作部の第1操作モードにより回転軸及び第1回転巻取部材が初期位置から第1回転方向に回転操作されると、第1連結部材のみが第1回転巻取部材により第1量だけ巻き取られるため、排水弁の第1連結部は、第1連結部材の一端により係合された状態で引き上げられる。
このとき、第2回転巻取部材は静止しており、第2連結部材については巻き取られていないため、排水弁の第2連結部は、第2連結部材の一端との係合が解除された状態で、排水弁の第1連結部及び第1連結部材と共に引き上げられて、第2連結部材の一端に対して上方に摺動移動する。
つぎに、操作部の第2操作モードにより回転軸及び第2回転巻取部材が初期位置から第2回転方向に回転操作されると、第2連結部材のみが第2回転巻取部材により第2量だけ巻き取られるため、排水弁の第2連結部は、第2連結部材の一端により係合された状態で引き上げられる。
このとき、第1回転巻取部材は静止しており、第1連結部材については巻き取られていないため、排水弁の第1連結部は、第1連結部材の一端との係合が解除された状態で、排水弁の第2連結部及び第2連結部材と共に引き上げられて、第1連結部材の一端に対して上方に摺動移動する。
これらの結果、各洗浄モードに応じた排水弁の開弁操作中に第1連結部材と第2連結部材について、互いに干渉し合うことを抑制することができる。また、第1連結部材及び第2連結部材と、これらの周辺の排水弁の関連構造部分とが互いに干渉し合うことを抑制することもできる。
したがって、各洗浄モードに応じた排水弁の開弁操作を正確に行うことができ、貯水タンクから第1洗浄モード及び第2洗浄モードの異なる洗浄モードに応じた洗浄水量を便器に正確に供給することができ、便器洗浄を正確に実行することができる。
【0019】
本発明において、好ましくは、さらに、上記排水弁の開弁操作を手動の押圧操作で可能にする手動操作部を有する。
このように構成された本発明においては、排水弁の開弁操作について、電動操作部による電動操作で行うことができることに加えて、手動操作部による手動の押圧操作でも行うこともできる。
したがって、便器洗浄を実行する際に、使用者の好みに応じて、電動操作部による電動操作と手動操作部による手動の押圧操作とを適宜使い分けることができる。
また、万一、電動操作部においてメンテナンスや不具合が発生したり、停電等のトラブル等が発生したりした場合であっても、手動操作部の手動の押圧操作により排水弁の開弁操作を確実に行うことができる。
【0020】
つぎに、本発明は、上記排水弁操作装置を有することを特徴とする洗浄水タンク装置である。
このように構成された本発明においては、排水弁操作装置による排水弁の開弁操作により、洗浄水タンク装置から第1洗浄モード及び第2洗浄モードの異なる洗浄モードに応じた洗浄水量を便器に正確に供給することができる。
したがって、便器洗浄を正確に実行することができる洗浄水タンク装置を提供することができる。
【0021】
つぎに、本発明は、上記洗浄水タンク装置を有することを特徴とする水洗大便器である。
このように構成された本発明においては、排水弁操作装置による排水弁の開弁操作により、洗浄水タンク装置から第1洗浄モード及び第2洗浄モードの異なる洗浄モードに応じた洗浄水量を便器に正確に供給することができる。
したがって、便器洗浄を正確に実行することができる水洗大便器を提供することができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明の排水弁操作装置、洗浄水タンク装置、及び、水洗大便器によれば、排水弁の開弁操作の操作性を向上させることができ、複数の洗浄モードに応じた便器洗浄を正確に実行することができる。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、添付図面を参照して、本発明の第1実施形態による排水弁操作装置について説明する。
まず、
図1は、本発明の第1実施形態による排水弁操作装置が適用された洗浄水タンク装置を備えた水洗大便器を示す概略斜視図である。
図1に示すように、本発明の第1実施形態による排水弁操作装置1は、水洗大便器2に洗浄水を供給する洗浄水タンク装置4に設けられている。
この洗浄水タンク装置4は、水洗大便器2の便器本体2aの上面且つ後方側に取り付けられた貯水タンク6を備えている。この貯水タンク6は、その内部に貯水された洗浄水について重力を利用して水洗大便器2に洗浄水を供給する、いわゆる、重力給水式の貯水タンクである。
【0025】
なお、本実施形態では、水洗大便器2については、洗浄水タンク装置4から供給された洗浄水が便器本体2a内のボウル2bの高さ方向の落差により汚物を排出する、いわゆる、洗い落とし式便器に適用してもよいし、サイホン作用を利用してボウル2b内の汚物を吸い込んで排水トラップ管路(図示せず)から一気に外部に排出する、いわゆる、サイホン式便器等、種々の形態の水洗大便器に適用可能である。
【0026】
つぎに、
図2は、本発明の第1実施形態による排水弁操作装置が適用された洗浄水タンク装置の内部構造を前方斜め上方から見た概略斜視図である。
図1及び
図2に示すように、本実施形態の排水弁操作装置1は、手動操作ユニット8及び電動操作ユニット10を備えている。
また、
図1及び
図2に示すように、手動操作ユニット8は、貯水タンク6の上方のタンク蓋6aに設けられており、電動操作ユニット10は、詳細は後述するが、貯水タンク6内の後壁面の上方に取り付けられている。
さらに、
図2に示すように、貯水タンク6の内部には、給水弁装置12及び排水弁装置14がそれぞれ設けられている。
【0027】
つぎに、
図2に示すように、給水弁装置12は、給水管(図示せず)、給水バルブ12a、及び、フロート12b等を備えている。給水管(図示せず)は、水道等の貯水タンク6の外部の給水源(図示せず)と接続されている。
また、給水バルブ12aは、給水管(図示せず)の流路を開閉するものであり、フロート12bは、貯水タンク6内の水位の変動に応じて上下動するようになっている。このフロート12bが上下動することにより、給水バルブ12aが給水管(図示せず)の流路を開閉し、貯水タンク6内への吐水又は止水が切り替え可能となっている。
なお、給水弁装置12の詳細については、従来のものと同様であるため、説明を省略する。
【0028】
つぎに、
図3は、
図2のIII−III線に沿った断面図であり、本発明の第1実施形態による排水弁操作装置が適用された洗浄水タンク装置における排水弁装置の中央側面断面図である。
図2及び
図3に示すように、排水弁装置14は、上下方向に延びる主軸部材16、排水弁体18、下側リンク部材20、上側リンク部材22、大洗浄モード用の受圧部材24、及び、小洗浄モード用の受圧部材26をそれぞれ備えている。
排水弁体18は、主軸部材16の下端に設けられており、主軸部材16と共に上下動することにより貯水タンク6の底部の排水口6bを開閉する排水弁として機能するようになっている。
そして、便器洗浄を開始する際には、手動操作ユニット8の手動操作、又は、詳細は後述する電動操作ユニット10(詳細は後述する)の電動操作のいずれかの操作により、排水弁体18の引き上げ操作(開弁操作)が可能となっている。
また、
図3に示すように、排水弁体18が開弁している状態では、貯水タンク6内の洗浄水が排水口6bからその下方(下流側)の便器本体2aの導水路(図示せず)内に流入するようになっている。
【0029】
つぎに、
図3に示すように、排水弁装置14の下側リンク部材20は、主軸部材16の上端部から外側に突出する手動操作用の取付部16aに取り付けられ、この下側リンク部材20の上端部には、上側リンク部材22の一端部が枢動可能に連結されている。
また、
図2及び
図3に示すように、各受圧部材24,26は、排水弁装置14のケーシング28の上端部に対して上下方向に摺動可能に取り付けられており、各受圧部材24,26には、共通の上側リンク部材22が揺動可能に連結されている。
【0030】
つぎに、
図2及び
図3に示すように、本発明の第1実施形態による排水弁操作装置1の手動操作ユニット8については、いわゆる、「操作ボタン式」の手動操作ユニットであり、手動により押し下げ操作(押圧操作)可能な大洗浄モード用の操作ボタン30及び小洗浄モード用の操作ボタン32と、各操作ボタン30,32から下方に延びる大洗浄モード用の操作バー34及び小洗浄モード用の操作バー36とをそれぞれ備えている。
また、
図2及び
図3に示すように、手動操作ユニット8の各操作バー34,36の下端は、排水弁装置14の各受圧部材24,26の上端面(受圧面)に常時当接した状態となっている。
ちなみに、
図2及び
図3に示すように、例えば、手動操作ユニット8により大洗浄モードの手動操作を行う際には、大洗浄モード用の操作ボタン30が小洗浄モード用の操作ボタン32よりも大きい押し込み量で押し下げられることにより、大洗浄モード用の操作バー34及び大洗浄モード用の受圧部材24が連動して下方に移動するようになっている。これにより、共通の上側リンク部材22が小洗浄モードの操作時よりも大きな揺動角度で揺動し、下側リンク部材20が小洗浄モードの操作時よりも大きい引き上げ量で引き上げられるようになっている。そして、排水弁装置14の排水弁体18が、主軸部材16と共に閉弁位置(初期位置)P0から大洗浄モードの最高開弁位置P1まで最大引き上げ量H1[mm]だけ引き上げられるようになっている。
一方、
図2及び
図3に示すように、手動操作ユニット8により小洗浄モードの手動操作を行う際には、小洗浄モード用の操作ボタン32が大洗浄モード用の操作ボタン30がよりも小さい押し込み量で押し下げられた状態で、操作ボタン32のさらなる下方の移動が制限されるようになっている。そして、小洗浄モード用の操作バー36及び小洗浄モード用の受圧部材26は、連動して下方に移動するが、大洗浄モード用の操作バー34及び大洗浄モード用の受圧部材24よりも上方の位置で停止するようになっている。
これにより、共通の上側リンク部材22が大洗浄モードの操作時よりも小さい揺動角度で揺動し、下側リンク部材20が大洗浄モードの操作時よりも小さい引き上げ量で引き上げられるようになっている。そして、排水弁装置14の排水弁体18が、主軸部材16と共に閉弁位置P0から小洗浄モードの最高開弁位置P2まで、大洗浄モードの操作時の引き上げ量H1[mm]よりも小さい最大引き上げ量H2[mm](H2<H1)で引き上げられるようになっている。
【0031】
つぎに、
図2〜
図10を参照して、本発明の第1実施形態による排水弁操作装置1の電動操作ユニット10の詳細について説明する。
まず、
図4は、本発明の第1実施形態による排水弁操作装置の電動操作ユニットについて、左前方斜め上方から見た分解斜視図である。つぎに、
図5は、本発明の第1実施形態による排水弁操作装置の電動操作ユニットについて、右前方斜め上方から見た分解斜視図である。
図4及び
図5に示すように、本実施形態による排水弁操作装置1の電動操作ユニット10は、ホルダ38、アクチュエータ40、回転軸部材42、留め具44、ケーシング46、大洗浄モード操作用の第1プーリ48(第1回転巻取部材)、小洗浄モード操作用の第2プーリ50(第2回転巻取部材)、戻りばね52(付勢部材)、大洗浄モード操作用の第1電動ワイヤ54(第1連結部材)、及び、小洗浄操作用の第2電動ワイヤ56(第2連結部材)をそれぞれ備えている。
【0032】
まず、
図2、
図4及び
図5に示すように、電動操作ユニット10のホルダ38は、貯水タンク6内の後壁面の上方に取り付けられて、貯水タンク6内に電動操作ユニット10全体を固定するためのものである。
つぎに、
図4及び
図5に示すように、電動操作ユニット10のアクチュエータ40は、複数のギヤ(図示せず)を備えたギヤボックス(図示せず)やDCモータ(図示せず)等を内蔵しており、ホルダ38によって貯水タンク6内に固定されている。
また、アクチュエータ40は、外部からの電力によってDCモータ(図示せず)が駆動し、電気的に回転駆動可能な電動回転軸40aを備えている。
さらに、
図4及び
図5に示すように、電動操作ユニット10の回転軸部材42は、詳細については後述するが、概ね円筒又は円柱状に形成され、アクチュエータ40の電動回転軸40aの先端部に連結されている。
また、回転軸部材42の軸方向基端側のベース部42aの外周面の一部には、外側から留め具44が取り付けられている。これにより、回転軸部材42は、電動回転軸40aに対して固定されており、電動回転軸40aと一体的に回転可能となっている。
ちなみに、電動操作ユニット10による電動操作においては、例えば、水洗大便器2の周辺に設置された人感センサS(
図1参照)が感知して送信された信号に基づいて、及び/又は、使用者がリモコン又はコントローラ等の指令装置C(
図1参照)の所定の操作ボタン等を操作して送信された信号に基づいて、DCモータ(図示せず)等のアクチュエータ40の駆動が制御され、電動回転軸40aの回転駆動が制御されるようになっている。
なお、本実施形態では、人感センサS(
図1参照)及び指令装置C(
図1参照)の双方を備えた形態について説明するが、いずれか一方を省略して他方のみから送信される信号に基づいて、電動操作ユニット10の電動回転軸40aを作動させるようにしてもよい。
【0033】
つぎに、
図6は、
図2に示す本発明の第1実施形態による排水弁操作装置の電動操作ユニットのケーシング部分を拡大した拡大斜視図である。
まず、
図4〜
図6に示すように、電動操作ユニット10のケーシング46は、回転軸部材42の軸方向の基端側に設けられた第1ケーシング46aと、回転軸部材42の軸方向の先端側に設けられた第2ケーシング46bとを備えている。このケーシング46は、回転軸部材42の外周面を回転可能に保持する保持部であり、保持状態では、ケーシング46の一部がホルダ38によって固定されている。
また、
図4及び
図5に示すように、ケーシング46内(第1ケーシング46aと第2ケーシング46bとの間)には、概ね円板状の第1プーリ48及び第2プーリ50が回転可能に収容されている。
これらの第1プーリ48及び第2プーリ50の詳細については、後述するが、電動操作ユニット10が電動操作したときの各操作モード(大洗浄操作モード又は小洗浄操作モード)に応じて、プーリ48,50のいずれか一方が回転軸部材42と共に回転すると共に、プーリ48,50の他方に対して独立に回転可能となっている。
【0034】
さらに、
図4及び
図5に示すように、ケーシング46内(第1ケーシング46aと第2ケーシング46bとの間)には、単一の戻りばね52が設けられている。
この戻りばね52の詳細についても、後述するが、戻りばね52の一部が各プーリ48,50の一部に取り付けられている。これにより、戻りばね52は、電動操作ユニット10による各洗浄モードに応じた電動操作の操作終了後には、第1プーリ48又は第2プーリ50のいずれかについて、初期位置に復帰させるように付勢する付勢部材として機能するようになっている。
【0035】
つぎに、
図4〜
図6に示すように、電動操作ユニット10の第1電動ワイヤ54及び第2電動ワイヤ56は、それぞれの一端が対応する第1プーリ48及び第2プーリ50のそれぞれの一部に取り付けられている。
一方、
図3に示すように、各電動ワイヤ54,56の他端の突起54b,56bは、排水弁装置14の主軸部材16の上端部に設けられている各ワイヤ取付部(詳細は後述する大洗浄操作用の第1ワイヤ取付部16b及び小洗浄操作用の第2ワイヤ取付部16c)に取り付けられるようになっている。
【0036】
また、
図4〜
図6に示すように、各ワイヤ54,56は、その外側が各保護チューブ58,60によってそれぞれ保護されており、各保護チューブ58,60内を摺動可能となっている。
さらに、
図4〜
図6に示すように、各保護チューブ58,60の一端は、電動操作ユニット10のケーシング46の各保護チューブ取付部46c,46dにそれぞれ固定されている。
一方、
図2及び
図3に示すように、各保護チューブ58,60の他端は、排水弁装置14のケーシング28の各保護チューブ取付部28a,28bにそれぞれ固定されている。
【0037】
ちなみに、各電動ワイヤ54,56は、電動操作ユニット10が電動操作したときの各操作モード(大洗浄操作モード又は小洗浄操作モード)に応じて、プーリ48,50のいずれか一方が回転軸部材42と共に回転した際に、第1電動ワイヤ54又は第2電動ワイヤ56のいずれか一方が、これと対応する第1プーリ48又は第2プーリ50のいずれかにより巻き取られるようになっている。
これにより、第1電動ワイヤ54又は第2電動ワイヤ56のいずれか一方が引き上げられて、排水弁装置14の主軸部材16の各ワイヤ取付部16b,16bが引き上げられるようになっている。
【0038】
つぎに、
図4〜
図10を参照して、電動操作ユニット10における回転軸部材42、大洗浄モード操作用の第1プーリ48、小洗浄モード操作用の第2プーリ50、戻りばね52、大洗浄モード操作用の第1電動ワイヤ54、及び、小洗浄操作用の第2電動ワイヤ56のそれぞれについて、より具体的に説明する。
まず、
図7A〜
図7Dのそれぞれは、
図6におけるA−A線、B−B線、C−C線、D−D線のそれぞれに沿った断面図であり、本発明の第1実施形態による排水弁操作装置の電動操作ユニットにおける各洗浄操作モードが開始する前の初期状態(待機状態)を示す。
また、
図8A〜
図8Dのそれぞれは、
図6におけるA−A線、B−B線、C−C線、D−D線のそれぞれに沿った断面図であり、本発明の第1実施形態による排水弁操作装置の電動操作ユニットにおける大洗浄操作モードが完了した状態を示す。
さらに、
図9A〜
図9Dのそれぞれは、
図6におけるA−A線、B−B線、C−C線、D−D線のそれぞれに沿った断面図であり、本発明の第1実施形態による排水弁操作装置の電動操作ユニットにおける小洗浄操作モードが完了した状態を示す。
【0039】
まず、
図4、
図5及び
図7A〜
図9Dに示すように、電動操作ユニット10の回転軸部材42は、そのベース部42aから軸方向先端側に延びる回転軸本体部42b、及び、この回転軸本体部42bの外周面の一部から外側に突出する突起部42cを備えている。
また、
図7A〜
図7Dに示すように、電動操作ユニット10の各操作モードが開始する前の初期位置(待機位置)P0の回転軸部材42は、その突起部42cが水平方向に差し向けられている。
つぎに、
図7A〜
図8Dに示すように、電動操作ユニット10の第1操作モード(大洗浄操作モード)により電動回転軸40aの回転操作を行った場合には、回転軸部材42は、
図7A〜
図7Dに示す初期位置(待機位置)P0から回転中心軸線Oを中心に第1回転方向R1に回転し、
図8A〜
図8Dに示す第1最大回転角度θ1の第1最大回転位置P1まで電動回転軸40aと一体的に回転可能となっている。
一方、電動操作ユニット10の第2操作モード(小洗浄操作モード)により電動回転軸40aの回転操作を行った場合には、回転軸部材42は、
図7A〜
図7Dに示す初期位置P0から回転中心軸線Oを中心に第2回転方向R2(第1回転方向R1とは反対の回転方向)に回転し、
図9A〜
図9Dに示す第2最大回転角度θ2の第2最大回転位置P2まで電動回転軸40aと一体的に回転可能となっている。
また、
図7A〜
図9Dに示すように、回転軸部材42の突起部42cは、第1回転方向R1側に形成される第1突起側面42dを備え、さらに、この第1突起側面42dよりも第2回転方向R2側に形成される第2突起側面42eを備えている。
【0040】
つぎに、
図4、
図5、
図7A〜
図7C、
図8A〜
図8C、及び、
図9A〜
図9Cに示すように、第1プーリ48及び第2プーリ50のそれぞれにおいて、回転中心軸線Oを含む中心部及びその周辺部には、第1切欠き穴62(第1切欠き部)及び第2切欠き穴64(第2切欠き部)がそれぞれ形成されている。
また、
図7A〜
図7C、
図8A〜
図8C、及び、
図9A〜
図9Cに示すように、各プーリ48,50の各切欠き穴62,64は、立面視において概ね扇形形状に形成されており、回転軸部材42の回転軸本体部42b及び突起部42cが軸方向から挿入可能となっている。
特に、
図7A〜
図7C、
図8A〜
図8C、及び、
図9A〜
図9Cに示すように、各切欠き穴62,64の断面形状については、回転軸部材42の回転軸本体部42b及び突起部42cの断面積よりも大きく周方向に切り欠かれた形状になっている。
これにより、
図7A〜
図7C、
図8A〜
図8C、及び、
図9A〜
図9Cに示すように、電動操作ユニット10の各洗浄操作モードに応じて回転軸部材42の突起部42cが第1回転方向R1又は第2回転方向R2に回転した際における各切欠き穴62,64には、そのいずれか一方と回転軸部材42の突起部42cとの係合が回避可能となる領域(第1係合回避領域A1、第2係合回避領域A2)が形成されるようになっている。
【0041】
つぎに、
図7A〜
図7Cに示すように、第1プーリ48の第1切欠き穴62は、初期位置P0において、回転軸部材42の突起部42cの第1突起側面42dと係合する第1切欠き側面62aを備えており、さらに、この第1切欠き側面62aに対して第2回転方向R2側に離間する第2切欠き側面62bを備えている。
また、
図7A〜
図7Cに示すように、第2プーリ50の第2切欠き穴64は、初期位置P0において、回転軸部材42の突起部42cの第2突起側面42eと係合する第3切欠き側面64aを備えており、さらに、この第3切欠き側面64aに対して第1回転方向R1側に離間する第4切欠き側面64bを備えている。
さらに、
図7A、
図7C、
図9A、及び、
図9Cに示すように、第1プーリ48の第1切欠き穴62の第1係合回避領域A1においては、回転軸部材42の突起部42cが初期位置P0と第2最大回転位置P2との間に位置しているときに、回転軸部材42の突起部42cの第2突起側面42eと第1切欠き穴62の第2切欠き側面62bとの係合が回避可能でとなっている。
また、
図7B及び
図8Bに示すように、第2プーリ50の第2切欠き穴64の第2係合回避領域A2においては、回転軸部材42の突起部42cが初期位置P0と第1最大回転位置P1との間に位置しているときに、回転軸部材42の突起部42cの第1突起側面42dと第2切欠き穴64の第4切欠き側面64bとの係合が回避可能となっている。
【0042】
つぎに、
図7A、
図7C、
図8A、及び、
図8Cに示すように、電動操作ユニット10の第1操作モード(大洗浄操作モード)により回転軸部材42の突起部42cが初期位置P0から第1回転方向R1に回転操作された場合には、第1プーリ48の第1切欠き穴62の第1係合回避領域A1において、第1切欠き穴62の第1切欠き側面62aと回転軸部材42の突起部42cの第1突起側面42dとが互いに係合した状態が維持されるようになっている。
このとき、
図7B及び
図8Bに示すように、第2プーリ50の第2切欠き穴64の第2係合回避領域A2においては、第2切欠き穴64の第3切欠き側面64aと回転軸部材42の突起部42cの第2突起側面42eとの互いの係合が解除された状態となるようになっている。
【0043】
一方、
図7B及び
図9Bに示すように、電動操作ユニット10の第2操作モード(小洗浄操作モード)により回転軸部材42の突起部42cが初期位置P0から第2回転方向R2に回転操作された場合には、第2プーリ50の第2切欠き穴64の第2係合回避領域A2において、第2切欠き穴64の第3切欠き側面64aと回転軸部材42の突起部42cの第2突起側面42eとが互いに係合した状態が維持されるようになっている。
このとき、
図7A、
図7C、
図9A、及び、
図9Cに示すように、第1プーリ48の第1切欠き穴62の第1係合回避領域A1において、第1切欠き穴62の第1切欠き側面62aと回転軸部材42の突起部42cの第1突起側面42dとの互いの係合が解除された状態となるようになっている。
【0044】
つぎに、
図7A及び
図7Bに示すように、第1プーリ48及び第2プーリ50は、それぞれの外周において、第1ワイヤ取付穴48a(第1ワイヤ取付部)及び第2ワイヤ取付穴50a(第2ワイヤ取付部)をそれぞれ備えている。各取付穴48a,50aには、各電動ワイヤ54,56の一端である各取付用の突起54a,56aが嵌合されて取り付けられるようになっている。
まず、
図7A及び
図7Bに示すように、各プーリ48,50のワイヤ取付穴48a,50aは、初期位置P0において、各プーリ48,50の回転中心軸線Oの方向に互いにほぼ並列して配置されている。
また、
図7A及び
図7Bに示す立面視において、各電動ワイヤ54,56は、各プーリ48,50の回転中心軸線Oに対して一方側と他方側とに互いに対称に配置されている。
さらに、
図7Aに示すように、第1プーリ48の第1ワイヤ取付穴48a及び第1電動ワイヤ54の突起54aは、初期位置P0において、第1電動ワイヤ54が第1回転方向R1に第1プーリ48の外周に沿って所定長さL0[mm]だけ予め巻き取られた位置に設定されている。
同様に、
図7Bに示すように、第2プーリ50の第2ワイヤ取付穴50a及び第2電動ワイヤ56の突起56aは、初期位置P0において、第2電動ワイヤ56が第2回転方向R2に第2プーリ50の外周に沿って所定長さL0[mm]だけ予め巻き取られた位置に設定されている。
【0045】
つぎに、
図4、
図5、
図7A〜
図7C、
図8A〜
図8C、及び、
図9A〜
図9Cに示すように、各プーリ48,50の内周側には、回転制限用のガイド溝48b,50bのそれぞれが回転中心軸線Oを中心に部分円弧状に形成されている。
また、
図5、
図7A〜
図7C、
図8A〜
図8C、及び、
図9A〜
図9Cに示すように、電動操作ユニット10のケーシング46(第2ケーシング46b)の内部の側面には、回転制限用の突起66が軸方向に延びるように形成されている。そして、この回転制限用の突起66は、各プーリ48,50の回転制限用のガイド溝48b,50b内を軸方向に貫いている。
さらに、
図7A、
図7C、
図8A、
図8C、
図9A、及び、
図9Cに示すように、第1プーリ48のガイド溝48bにおける周方向の一端及び他端は、電動操作ユニット10の各洗浄操作モードに応じて、回転制限用の突起66に係合可能な第1係合部48c及び第2係合部48dとなっている。
ちなみに、第1プーリ48は、初期位置P0において、ガイド溝48bの第1係合部48cが回転制限用の突起66と係合するように設定され(
図7A、
図7C参照)、第1最大回転位置P1において、ガイド溝48bの第2係合部48dが回転制限用の突起66と係合するように設定されている(
図8A、
図8C参照)。
【0046】
同様に、
図7B、
図7C、
図8B、
図8C、
図9B、及び、
図9Cに示すように、第2プーリ50のガイド溝50bにおける周方向の一端及び他端は、電動操作ユニット10の各洗浄操作モードに応じて、回転制限用の突起66に係合可能な第3係合部50c及び第4係合部50dとなっている。
ちなみに、第2プーリ50は、初期位置P0において、ガイド溝50bの第3係合部50cが回転制限用の突起66と係合するように設定され(
図7B、
図7C参照)、第2最大回転位置P2において、ガイド溝50bの第4係合部50dが回転制限用の突起66と係合するように設定されている(
図9B、
図9C参照)。
これらにより、
図7A〜
図7C、
図8A〜
図8C、及び、
図9A〜
図9Cに示すように、電動操作ユニット10の大洗浄操作モードにおける第1プーリ48の初期位置P0と第1最大回転位置P1との間の第1最大回転角度θ1の範囲が制限可能であると共に、電動操作ユニット10の小洗浄操作モードにおける第2プーリ50の初期位置P0と第2最大回転位置P2との間の第2最大回転角度θ2の範囲が制限可能となっている。
【0047】
つぎに、
図4、
図7A及び
図7Bに示すように、第1プーリ48の最大外径D1及び第2プーリ450の最大外径D2は、互いにほぼ同一の寸法に設定されており(D1=D2)また、各最大外径D1,D2、電動回転軸40aの最大外径D3(
図4参照)及び回転軸部材42のベース部42aの最大外径D4(
図4参照)よりも大きい寸法に設定されている(D1,D2>D3,D4)。
したがって、
図4、
図7A及び
図7Bに示すように、第1プーリ48の最大回転半径r1(=D1/2)及び第2プーリ50の最大回転半径r2(=D2/2)は、互いにほぼ同一の寸法に設定されており(r1=r2)、かつ、電動回転軸40aの最大回転半径r3(=D3/2)及び回転軸部材42の突起部42cの最大回転半径r4よりも大きい寸法に設定されている(r1,r2>r3,r4)。
【0048】
すなわち、
図3、
図7A、
図7C、
図8A、及び、
図8Cに示すように、第1プーリ48は、電動操作ユニット10の第1操作モード(大洗浄操作モード)において、排水弁装置14の排水弁体18が閉弁して最低位置となる初期位置(待機位置)P0と第1最大回転位置P1との間で、第2プーリ50とは互いにほぼ同一の最大回転半径r1(=r2)で第2プーリ50に対して独立に回転可能となっている。ここで、第1プーリ48の第1最大回転位置P1は、排水弁体18が開弁して、大洗浄モードの最高開弁位置P1(第1最高位置)に相当している。
また、
図3、
図7B及び
図8Bに示すように、第2プーリ50は、電動操作ユニット10の第2操作モード(小洗浄操作モード)において、初期位置(待機位置)P0と第2最大回転位置P2との間で、第1プーリ48とは互いにほぼ同一の最大回転半径r2(=r1)で第1プーリ48に対して独立に回転可能となっている。ここで、第2プーリ50の第2最大回転位置P2は、排水弁体18が開弁して、大洗浄モードの最高開弁位置P1(第1最高位置)よりも低い小洗浄モードの最高開弁位置P2(第2最高位置)に相当している。
さらに、
図7A及び
図8Aに示すように、電動操作ユニット10の第1操作モード(大洗浄操作モード)において、第1プーリ48が回転軸部材42と共に初期位置P0から第1回転方向R1に第1最大回転位置P1まで回転したときの第1最大回転角度θ1は、
図7B及び
図9Bに示すように、第2プーリ50が初期位置P0から第2回転方向R2に第2最大回転位置P2まで回転したときの第2最大回転角度θ2よりも大きく設定されている(θ1>θ2)。
ここで、第1最大回転角度θ1については、75度〜105度に設定されることが好ましく、85度〜95度に設定されることがより好ましい。
また、第2最大回転角度θ2については、45度〜75度に設定されることが好ましく、55度〜65度に設定されることがより好ましい。
これらにより、
図8Aに示すように、電動操作ユニット10の第1操作モード(大洗浄操作モード)において、第1電動ワイヤ54のみが第1プーリ48により巻き取られるときの第1電動ワイヤ54の長さである第1巻取量L1(第1量)は、第2電動ワイヤ56のみが第2プーリ50により巻き取られる長さである第2巻取量L2(第2量)よりも大きく設定されている。
そして、第1洗浄モード(大洗浄モード)により洗浄水タンク装置4から水洗大便器2に供給される第1洗浄水量W1は、第2洗浄モード(小洗浄モード)により洗浄水タンク装置4から水洗大便器2に供給される第2洗浄水量W2よりも大きく設定されている(W1>W2)。
【0049】
つぎに、
図4、
図5、
図7C、
図7D、
図8C、
図8D、
図9C、及び、
図9Dに示すように、戻りばね52は、第1プーリ48及び第2プーリ50に対して回転中心軸線Oとほぼ同一中心軸線上に設けられたねじりコイルばねであり。
また、
図4、
図5、
図7C、
図7D、
図8C、
図8D、
図9C、及び、
図9Dに示すように、戻りばね52は、その一端及び他端のそれぞれから外側に延びる第1アーム部52a及び第2アーム部52bをそれぞれ備えている。
さらに、
図5、
図7C、
図7D、
図8C、
図8D、
図9C、及び、
図9Dに示すように、第1アーム48は、戻りばね52の第1アーム部52aが取り付けられる第1アーム部取付用の突起48e(第1アーム取付部)を備えている。
同様に、
図5、
図7C、
図7D、
図8C、
図8D、
図9C、及び、
図9Dに示すように、第2アーム50は、戻りばね52の第2アーム部52bが取り付けられる第2アーム部取付用の突起50e(第2アーム取付部)を備えている。
【0050】
図7A、
図7C、
図7D、
図8A、
図8C、及び、
図8Dに示すように、電動操作ユニット10の第1操作モード(大洗浄操作モード)の前半において、まず、第1プーリ48が回転軸部材42と共に初期位置P0から第1最大回転位置P1まで第1回転方向R1に回転している状態では、戻りばね52の第1アーム部52aが、第1プーリ48の第1回転方向の回転力F1よりも小さい第2回転方向R2の第1付勢力f1(<F1)を第1プーリ48の第1アーム取付部48eに作用するようになっている。これにより、電動操作ユニット10の回転軸部材42が、電動回転軸40aと共に初期位置P0から第1最大回転位置P1まで第1回転方向R1に電動回転するようになっている。
その後、
図7A、
図7C,
図7D、
図8A、
図8C、及び、
図8Dに示すように、電動操作ユニット10の第1操作モード(大洗浄操作モード)の後半において、電動回転軸40a及び回転軸部材42が第1最大回転位置P1から第2回転方向R2に回転して初期位置(待機位置)P0に戻ると、第1最大回転位置P1の第1プーリ48の第1回転方向の回転力F1が解放されるようになっている(F1=0)。これにより、第1プーリ48は、戻りばね52の第1アーム部52aから第1プーリ48の第1アーム取付部48eに作用する第2回転方向R2の第1付勢力f1により、第1最大回転位置P1から第2回転方向R2に初期位置(待機位置)P0まで回転するようになっている。
この結果、第1プーリ48が第1操作モード(大洗浄操作モード)の開始前の初期位置(待機位置)P0に原点復帰し、第1操作モード(大洗浄操作モード)が完了するようになっている。
【0051】
図7B〜
図7D及び
図9B〜
図9Dに示すように、電動操作ユニット10の第2操作モード(小洗浄操作モード)の前半において、まず、第2プーリ50が回転軸部材42と共に初期位置P0から第2最大回転位置P2まで第2回転方向R2に回転している状態では、戻りばね52の第2アーム部52aが、第2プーリ50の第2回転方向の回転力F2よりも小さい第1回転方向R1の第2付勢力f2(<F2)が第2プーリ50の第1アーム取付部50eに作用するようになっている。これにより、電動操作ユニット10の回転軸部材42が、電動回転軸40aと共に初期位置P0から第2最大回転位置P2まで第2回転方向R2に電動回転するようになっている。
その後、
図7B〜
図7D及び
図9B〜
図9Dに示すように、電動操作ユニット10の第2操作モード(小洗浄操作モード)の後半において、電動回転軸40a及び回転軸部材42が第2最大回転位置P2から第1回転方向R1に回転して初期位置(待機位置)P0に戻ると、第2最大回転位置P2の第2プーリ50の第2回転方向の回転力F2が解放されるようになっている(F2=0)。これにより、第2プーリ50は、戻りばね52の第2アーム部52bから第2プーリ50の第2アーム取付部50eに作用する第2回転方向R1の第2付勢力f2により、第1最大回転位置P1から第1回転方向R1に初期位置(待機位置)P0まで回転するようになっている。
この結果、第2プーリ50が第2操作モード(小洗浄操作モード)の開始前の初期位置(待機位置)P0に原点復帰し、第2操作モード(小洗浄操作モード)が完了するようになっている。
【0052】
つぎに、
図10の(A)は、本発明の第1実施形態による排水弁操作装置の電動操作ユニットにおける各洗浄操作モードが開始する前の初期状態(待機状態)の各電動ワイヤと排水弁装置の各ワイヤ取付部との連結状態を示す概略斜視図である。
また、
図10の(B)は、本発明の第1実施形態による排水弁操作装置の電動操作ユニットにおける大洗浄操作モードが完了した状態の各電動ワイヤと排水弁装置の各ワイヤ取付部との連結状態を示す概略斜視図である。
さらに、
図10の(C)は、本発明の第1実施形態による排水弁操作装置の電動操作ユニットにおける小洗浄操作モードが完了した状態の各電動ワイヤと排水弁装置の各ワイヤ取付部との連結状態を示す概略斜視図である。
【0053】
まず、
図10の(A)に示すように、大洗浄操作用の第1ワイヤ取付部16b及び小洗浄操作用の第2ワイヤ取付部16cのそれぞれは、排水弁装置14の主軸部材16の上端部において手動操作用の取付部16aの前方に設けられており、各電動ワイヤ54,56の他端の突起54b,56bが前後方向に取り外し可能な取付穴68,70となっている。
また、各ワイヤ取付部16b,16cは、互いに水平左右方向に並列に一体的に設けられており、各取付穴68,70の上方には、縦穴72,74が上下方向に貫くように形成されている。
さらに、各縦穴72,74の大きさは、各電動ワイヤ54,56の大きさよりも大きく、かつ、各突起54b,56bの大きさよりも小さく設定されている。これにより、各電動ワイヤ54,56は、各突起54b,56bが各ワイヤ取付部16b,16cに係合/係合解除可能に連結されている。
そして、例えば、
図10の(B)に示すように、電動操作ユニット10が第1操作モード(大洗浄操作モード)で操作された場合には、第1電動ワイヤ54のみが第1最高位置P0まで引き上げられ、第1電動ワイヤ54の突起54bのみが第1ワイヤ取付部16bに下側から係合した状態で上方へ抜け出さない状態となる。これにより、両ワイヤ取付部16b,16cが第1電動ワイヤ54によって第1最高位置P1まで引き上げられるなっている。
このとき、
図10の(B)に示すように、第2電動ワイヤ56は引き上げられずに初期位置P0に留まるため、第2ワイヤ取付部16cは、第2電動ワイヤ56に対して上方に摺動するようになっている。
一方、
図10の(C)に示すように、電動操作ユニット10が第2操作モード(小洗浄操作モード)で操作された場合には、第2電動ワイヤ56のみが、第1最高位置P1よりも低い小洗浄操作モードの第2最高位置P2まで引き上げられ、第2電動ワイヤ56の突起56bのみが第2ワイヤ取付部16cに下側から係合した状態で上方へ抜け出さない状態となる。これにより、両ワイヤ取付部16b,16cが第2電動ワイヤ56によって第2最高位置P2まで引き上げられるなっている。
このとき、
図10の(C)に示すように、第1電動ワイヤ56は引き上げられずに初期位置P0に留まるため、第1ワイヤ取付部16cは、第1電動ワイヤ54に対して上方に摺動するようになっている。
【0054】
つぎに、
図1〜
図10を参照して、本発明の第1実施形態による排水弁操作装置の動作(作用)について、排水弁装置の動作と合わせて説明する。
まず、本実施形態による排水弁操作装置1を用いて第1操作モード(大洗浄操作モード)により排水弁装置14の開弁操作を行ったときの動作について説明する。
まず、
図3に示すように、排水弁装置14の排水弁体18が排水口6bを閉止している待機状態P0から、本実施形態の排水弁操作装置1の電動操作ユニット10の電動操作により排水弁体18について、大洗浄モードで開弁操作する。
この際、例えば、使用者がリモコン(図示せず)等の指令装置C(
図1参照)の所定の操作ボタン等を押すことにより大洗浄モードの便器洗浄操作を指示するか、或いは、人感センサS(
図1参照)が使用者を検知すると、これらの信号が指令装置Cのコントローラ(図示せず)等に送信される。
そして、
図7A及び
図8Aに示すように、電動操作ユニット10の電動回転軸40aが作動し、この電動回転軸40aと共に回転軸部材42が初期位置(待機位置)P0から回転中心軸線Oを中心に第1回転方向R1に回転し、大洗浄モードの開弁操作が開始される。
【0055】
より具体的には、
図7A及び
図8Aに示すように、電動操作ユニット10の第1操作モード(大洗浄操作モード)において、アクチュエータ40の電動回転軸40a及び回転軸部材42が初期位置P0から第1回転方向R1に第1最大回転位置P1まで回転操作され、
図8Aに示すように、第1プーリ48の第1切欠き穴62の第1切欠き側面62aが、回転軸部材42の突起部42cの第1突起側面42dにより第1回転方向R1に係合された状態となるため、第1プーリ48は第1回転方向R1に回転する。
これにより、
図7A及び
図8Aに示すように、第1プーリ48が、第2プーリ50とは独立に電動回転軸40a及び回転軸部材42と共に、初期位置P0から第1回転方向R1に第1最大回転位置P1まで第1最大回転角度θ1で回転する。
このとき、
図8Bに示すように、第2プーリ50の第2切欠き穴64は、回転軸部材42の突起部42cの第2突起側面42eとの回転方向の係合が解除されているため、第2プーリ50は、第1プーリ48の回転に関わらず、初期位置P0で静止した状態となる。
そして、
図8Aに示すように、大洗浄モード操作用の第1電動ワイヤ54のみが第1プーリ48により第1巻取量L1だけ巻き取られる。
これにより、
図3及び
図10の(B)に示すように、排水弁装置14の主軸部材16及び排水弁体18が第1電動ワイヤ54により最大引き上げ量H1(=L1)だけ引き上げられる。
そして、洗浄水タンク装置4から水洗大便器2に第1洗浄水量W1の洗浄水が供給されて第1洗浄モード(大洗浄モード)の便器洗浄が実行される。
【0056】
つぎに、
図7B及び
図9Bに示すように、電動操作ユニット10の第2操作モード(小洗浄操作モード)において、アクチュエータ40の電動回転軸40a及び回転軸部材42が初期位置P0から第2回転方向R2に第2最大回転位置P2まで回転操作された場合には、
図9Bに示すように、第2プーリ50の第2切欠き穴64の第3切欠き側面64aは、回転軸部材42の突起部42cの第2突起側面42eにより第2回転方向R2に係合された状態となるため、第2プーリ50は第2回転方向R2に回転する。
これにより、
図7B及び
図9Bに示すように、第2プーリ50が、第1プーリ48とは独立に電動回転軸40a及び回転軸部材42と共に、初期位置P0から第2回転方向R2に第2最大回転位置P2まで第2最大回転角度θ2で回転する。
このとき、
図9Aに示すように、第1プーリ48の第1切欠き穴62の第1切欠き側面62aが回転軸部材42の突起部42cの第1突起側面42dに対して、回転方向の係合が解除された状態となるため、第1プーリ48は、第2プーリ50の回転に関わらず、初期位置P0で静止した状態となる。
そして、
図9Bに示すように、小洗浄モード操作用の第2電動ワイヤ56のみが第2プーリ50により第2巻取量L2だけ巻き取られる。
これにより、
図3及び
図10の(C)に示すように、排水弁装置14の主軸部材16及び排水弁体18が第2電動ワイヤ56により、大洗浄操作モードの最大引き上げ量H1よりも低い小洗浄操作モードの最大引き上げ量H2(=L2<H1=L1)だけ引き上げられる。
そして、洗浄水タンク装置4から水洗大便器2に第1洗浄水量W2の洗浄水が供給されて第2洗浄モード(小洗浄モード)の便器洗浄が実行される。
【0057】
上述した本発明の第1実施形態による排水弁操作装置1によれば、電動操作ユニット10の各操作モードに応じて、第1プーリ48又は第2プーリ50のいずれか一方を独立に回転操作することができるため、第1プーリ48及び第2プーリ50のそれぞれが互いの干渉を抑制しながら、スムーズに作動することができる。
また、第1プーリ48及び第2プーリ50のそれぞれに連結されている第1電動ワイヤ54及び第2電動ワイヤ56のそれぞれについても、互いの干渉を抑制しながら、スムーズに作動することができる。
よって、電動操作ユニット10による第1操作モード(大洗浄操作モード)及び第2操作モード(小洗浄操作モード)の異なる操作モードのそれぞれの切り替え操作について正確に且つスムーズに行うことができるため、各洗浄モードに応じた排水弁装置14の排水弁体18の開弁操作を正確に行うこともできる。
これらの結果、排水弁操作装置1の操作性を向上させることができ、第1操作モード(大洗浄操作モード)及び第2操作モード(小洗浄操作モード)の異なる洗浄モードのそれぞれの便器洗浄についても正確に実行することができる。
【0058】
つぎに、本実施形態による排水弁操作装置1によれば、洗浄水量がそれぞれ異なる第1洗浄モード及び第2洗浄モードのそれぞれの便器洗浄を実行する際に、電動操作ユニット10により各操作モードに応じて電動回転軸40aが電気的に回転操作される。
このとき、第1プーリ48又は第2プーリ50のいずれか一方が、電動回転軸40a及び回転軸部材42と共に、これらの回転半径r3,r4よりも大きい回転半径r1,r2で各洗浄モードに応じて異なる方向に独立に自動で回転することができる。
そして、
図8Aに示すように、電動操作ユニット10が第1操作モード(大洗浄操作モード)により電動回転軸40aを回転操作した場合には、第1プーリ48について、回転軸部材42と共に第1回転方向R1に自動で第2プーリ50とは独立に回転操作することができる。
したがって、第1電動ワイヤ54のみについて、第1プーリ48により第1巻取量L1だけ自動で巻き取ることができ、排水弁装置14の排水弁体18について、第1電動ワイヤ54と共に比較的大きな引き上げ量H1(=L1)で引き上げることができる。
同様に、
図9Bに示すように、電動操作ユニット10が第2操作モード(小洗浄操作モード)により電動回転軸40aを回転操作した場合には、第2プーリ50について、回転軸部材42と共に第2回転方向R2に自動で第1プーリ48とは独立に回転操作することができる。
したがって、第2電動ワイヤ56のみについて、第2プーリ50により第2巻取量L2(<L1)だけ自動で巻き取ることができ、排水弁装置14を第2電動ワイヤ56と共に比較的大きな引き上げ量H2(<H1)で引き上げることができる。
【0059】
つぎに、本実施形態による排水弁操作装置1によれば、まず、
図8Aに示すように、電動操作ユニット10の第1操作モード(大洗浄操作モード)により電動回転軸40a及び回転軸部材42が第1回転方向R1に回転操作された場合には、第1プーリ48の第1切欠き穴62が、回転軸部材42の突起部42cにより回転方向に係合された状態で第1回転方向R1に回転する。
これにより、
図7A及び
図8Aに示すように、第1プーリ48は、排水弁体18が閉弁して最低位置P0(
図3参照)となる初期位置P0から第1最大回転位置P1まで第1回転方向R1に第1最大回転角度θ1の範囲内で回転可能となり、第2プーリ50とは独立に第2プーリ50の回転半径r2とほぼ同一の回転半径r1(=r2)で回転する。このとき、
図8Bに示すように、第2プーリ50の第2切欠き穴64は、回転軸部材42の突起部42cとの回転方向の係合が解除された状態であるため、第2プーリ50は、第1プーリ48の回転に関わらず静止した状態となる。
これにより、
図8Aに示すように、第2電動ワイヤ56が第1電動ワイヤ54に干渉することなく、第1電動ワイヤ54のみが第1プーリ48により第1巻取量L1(>L2)だけ効率良く巻き取ることができる。この結果、
図3に示すように、排水弁体18を第1引き上げ量H1(=L1>H2=L2)で効率良く引き上げることができる。
【0060】
一方、
図9Bに示すように、電動操作ユニtt10の第2操作モード(小洗浄モード)により電動回転軸40a及び回転軸部材42が第2回転方向R2に回転操作された場合には、第2プーリ50の第2切欠き穴64が、回転軸部材42の突起部42cにより回転方向に係合された状態で第2回転方向R2に回転する。
これにより、
図7B及び
図9Bに示すように、第2プーリ50は、排水弁体18が閉弁して最低位置P0(
図3参照)となる初期位置P0から第2最大回転位置P2まで第2回転方向R2に第2最大回転角度θ2の範囲内で回転可能となり、第1プーリ48とは独立に第1プーリ48の回転半径r1とほぼ同一の回転半径r2(=r1)で回転する。このとき、
図9Bに示すように、第1プーリ48の第1切欠き穴62は、回転軸部材42の突起部42cとの回転方向の係合が解除された状態であるため、第1プーリ48は、第2プーリ50の回転に関わらず静止した状態となる。
これにより、
図9Bに示すように、第1電動ワイヤ54が第2電動ワイヤ56に干渉することなく、第2電動ワイヤ56のみが第2プーリ50により第2巻取量L2(<L1)だけ効率良く巻き取ることができる。この結果、
図3に示すように、排水弁体18を第2引き上げ量H2(=L2<H1=L1)で効率良く引き上げることができる。
したがって、電動操作ユニット10の各操作モードに応じて、第1プーリ48又は第2プーリ50のいずれか一方を互いにほぼ同一の回転半径r1,r2で独立に回転操作することができると共に、第1プーリ48の第1最大回転角度θ1を第2プーリ50の第2最大回転角度θ2よりも大きく設定することにより(θ1>θ2)、第1プーリ48及び第2プーリ50のそれぞれを簡易な構造にすることができる。
よって、第1プーリ48及び第2プーリ50のそれぞれが互いの干渉を抑制しながら、スムーズに作動することができる。
また、第1プーリ48及び第2プーリ50のそれぞれに連結されている第1電動ワイヤ54及び第2電動ワイヤ56のそれぞれについても、互いの干渉を抑制しながら、スムーズに作動することができる。
よって、電動操作ユニット10による第1操作モード(大洗浄操作モード)及び第2操作モード(小洗浄操作モード)の異なる操作モードのそれぞれの切り替え操作について正確に且つスムーズに行うことができるため、各洗浄モードに応じた排水弁体18の開弁操作を正確に行うこともできる。
【0061】
つぎに、本実施形態による排水弁操作装置1によれば、
図7A、
図8A、
図8C、及び、
図8Dに示すように、第1操作モード(大洗浄操作モード)において、戻りばね52の第1アーム部52aが、第1最大回転位置P1の第1プーリ48の第1アーム部取付用の突起48eを第2回転方向R2に第1付勢力f1で付勢することにより、第1プーリ48を初期位置P0に確実に且つ速やかに復帰させることができる。
同様に、
図7B及び
図9B〜
図9Dに示すように、第2操作モードにおいて、戻りばね52の第2アーム部52bが、第2最大回転位置P2の第2プーリ50の第2アーム部取付用の突起50eを第1回転方向R1に第2付勢力f2で付勢することにより、第2プーリ50を初期位置P0に確実に且つ速やかに復帰させることができる。
したがって、第1操作モード(大洗浄操作モード)の終了後の第1プーリ48や第2操作モード(小洗浄操作モード)の終了後の第2プーリ50について、次回の便器洗浄操作(排水弁装置14の開弁操作)に備えて、初期位置P0まで確実に且つ速やかに復帰させることができる。よって、次回の各洗浄モードに応じた第1プーリ48や第2プーリ50に関する回転操作についても正確に行うことができる。
【0062】
つぎに、本実施形態による排水弁操作装置1によれば、第1プーリ48の第1切欠き穴62及び第2プーリ50の第2切欠き穴64が、それぞれの回転の中心部(回転中心軸線O)付近に回転軸部材42の突起部42cが軸方向に挿入可能に形成されている。
さらに、
図7A、
図7B、
図8A、
図8B、
図9A、及び、
図9Bに示すように、第1プーリ48の第1切欠き穴62及び第2プーリ50の第2切欠き穴64のそれぞれが、回転軸部材42の回転方向に応じて回転軸部材42の突起部42cとの係合を回避可能にする第1係合回避領域A1及び第2係合回避領域A2をそれぞれ備えている。
これらにより、例えば、
図9Aに示すように、電動操作ユニット10の回転軸部材42が初期位置P0と第2最大回転位置P2との間に位置しているときには、第1プーリ48の第1切欠き穴62の第1係合回避領域A1により、回転軸部材42の突起部42cの第2突起側面42eと第1プーリ48の第1切欠き穴62の第2切欠き側面62bとの係合を簡易な構造で回避することができる。
一方、
図8Bに示すように、電動操作ユニット10の回転軸部材42が初期位置P0と第1最大回転位置P1との間に位置しているときには、第2プーリ50の第2切欠き64の第2係合回避領域A2により、回転軸部材42の突起部42cの第1突起側面42dと第2プーリ50の第2切欠き穴64の第4切欠き側面64bとの係合を簡易な構造で回避することができる。
【0063】
また、本実施形態による排水弁操作装置1によれば、まず、
図8Aに示すように、電動操作ユニット10の第1操作モード(大洗浄操作モード)により回転軸部材42の突起部42cが初期位置P0から第1回転方向R1に回転操作された場合には、第1プーリ48の第1係合回避領域A1において、第1プーリ48の第1切欠き穴62の第1切欠き側面62aと回転軸部材42の突起部42cの第1突起側面42dとが互いに係合した状態が維持される。
このとき、
図8Bに示すように、第2プーリ50の第2係合回避領域A2においては、第2プーリ50の第2切欠き穴64の第3切欠き側面64aと回転軸部材42の突起部42cの第2突起側面42eとの互いの係合が解除された状態となる。
一方、
図9Bに示すように、電動操作ユニット10の第2操作モード(小洗浄モード)により回転軸部材42の突起部42cが初期位置P0から第2回転方向R2に回転操作された場合には、第2プーリ50の第2係合回避領域A2において、第2プーリ50の第2切欠き穴64の第3切欠き側面64aと回転軸部材42の突起部42cの第2突起側面42eとが互いに係合した状態が維持される。
このとき、
図9Aに示すように、第1プーリ48の第1係合回避領域A1においては、第1プーリ48の第1切欠き穴62の第1切欠き側面62aと回転軸部材42の突起部42cの第1突起側面42dとの互いの係合が解除された状態となる。
これらの結果、電動操作部の各操作モードにおいて、第1プーリ48及び第2プーリ50の互いの干渉を抑制しながら、各操作モードに応じて第1プーリ48又は第2プーリ50のいずれか一方について、回転軸部材42の突起部42cと共に効率良く独立に回転操作することができる。
したがって、電動操作ユニット10の各操作モードにおいて、第1プーリ48又は第2プーリ50のいずれか一方のプーリが、他方のプーリに対する干渉を抑制しながら、独立にスムーズに作動することができる。よって、各操作モードに応じた排水弁操作装置1の電動操作ユニット10の電動による操作性を向上させることができる。
【0064】
つぎに、本実施形態による排水弁操作装置1によれば、
図7A及び
図7Bに示すように、第1プーリ48の第1ワイヤ取付穴48a及び第2プーリ50の第2ワイヤ取付穴50aが、
図7A及び
図7Bに示すように、第1プーリ48及び第2プーリ50のそれぞれの回転中心軸線Oの方向にほぼ並列して配置されている。
また、
図7A及び
図7Bに示すように、第1電動ワイヤ54及び第2電動ワイヤ56が、立面視において第1プーリ48及び第2プーリ50の回転中心軸線Oに対して一方側と他方側とに互いに対称に配置されている。
さらに、
図7A及び
図7Bに示すように、第1プーリ48の第1ワイヤ取付穴48a及び第1電動ワイヤ54の突起54aは、初期位置P0において、第1電動ワイヤ54が第1回転方向R1に第1電動ワイヤ54の外周に沿って所定長さL0だけ予め巻き取られた位置に設定されている。
同時に、第2プーリ50の第2ワイヤ取付穴50a及び第2電動ワイヤ56の突起56aは、第2電動ワイヤ56が第2回転方向R2に第2プーリ50の外周に沿って所定長さL0だけ予め巻き取られた位置に設定されている。
これらにより、各洗浄モードに応じて第1回転巻取部材又は第2回転巻取部材のいずれか一方が独立に回転した際にも、第1プーリ48又は第2プーリ50のいずれか一方のプーリが他方のプーリに干渉することなく、確実に且つスムーズに移動することができる。
【0065】
つぎに、本実施形態による排水弁操作装置1によれば、
図7A、
図7B、
図8A、
図8B、
図9A、及び、
図9Bに示すように、第1プーリ48及び第2プーリ50を回転可能に保持するケーシング46が回転制限用の突起66を備えている。
したがって、
図7Aに示すように、第1プーリ48が初期位置P0にあるときには、第1プーリ48のガイド溝48bの第1係合部48cがケーシング46の回転制限用の突起66と係合することができる。
一方、
図8Aに示すように、第1プーリ48が第1最大回転位置P1にあるときには、第1プーリ48のガイド溝48bの第2係合部48dがケーシング46の回転制限用の突起66と係合することができる。
さらに、
図7Bに示すように、第2プーリ50が初期位置P0にあるときには、第2プーリ50のガイド溝50bの第3係合部50cがケーシング46の回転制限用の突起66と係合することができる。
一方、
図9Bに示すように、第2プーリ50が第2最大回転位置P2にあるときには、第2プーリ50のガイド溝50bの第4係合部50dがケーシング46の回転制限用の突起66と係合することができる。
したがって、第1プーリ48の初期位置P0と第1最大回転位置P1との間の第1最大回転角度θ1の範囲を確実に制限することができると共に、第2プーリ50の初期位置P0と第2最大回転位置P2との間の第2最大回転角度θ2の範囲を確実に制限することができる。
よって、各洗浄モードに応じた第1プーリ48又は第2プーリ50のいずれか一方の回転動作をより正確に行うことができる。
これらの結果、各洗浄モードに応じた第1プーリ48又は第2プーリ50のいずれか一方のプーリの回転動作を正確に行うことができる。
よって、各洗浄モードに応じた開弁操作時の排水弁体18の引き上げ量H1,H2を正確に管理することができる。
【0066】
つぎに、本実施形態による排水弁操作装置1によれば、まず、
図8Aに示すように、電動操作ユニット10の第1操作モード(大洗浄操作モード)により回転軸部材42の突起部42c及び第1プーリ48が、初期位置P0から第1回転方向R1に回転操作されると、
図10の(B)に示すように、第1電動ワイヤ54のみが、第1プーリ48により第1巻取量L1だけ巻き取られるため、排水弁装置14の主軸部材16の第1ワイヤ取付部16bが、第1電動ワイヤ54の一端の突起54bにより係合された状態で第1最大引き上げ量H1だけ引き上げられる。
このとき、
図8Bに示すように、第2プーリ50は静止しており、第2電動ワイヤ56については巻き取られていない。
よって、
図10の(B)に示すように、排水弁装置14の主軸部材16の第2ワイヤ取付部16cは、第2電動ワイヤ56の一端の突起56bとの係合が解除された状態で、排水弁装置14の第1ワイヤ取付部16b及び第1電動ワイヤ54と共に引き上げられて、第2電動ワイヤ56の一端の突起56bに対して上方に摺動移動する。
一方、
図9Bに示すように、電動操作ユニット10の第2操作モード(小洗浄モード)により回転軸部材42及び第2プーリ50が、初期位置P0から第2回転方向R2に回転操作されると、
図10の(C)に示すように、第2電動ワイヤ56のみが第2プーリ50により第2巻取量L2だけ巻き取られるため、排水弁装置14の第2ワイヤ取付部16cは、第2電動ワイヤ56の一端の突起56bにより係合された状態で引き上げられる。
このとき、
図9Aに示すように、第1プーリ48は静止しており、第1電動ワイヤ54については巻き取られていない。
よって、
図10の(C)に示すように、排水弁装置14の主軸部材16の第1ワイヤ取付部16bは、第1電動ワイヤ54の一端の突起54bとの係合が解除された状態で、排水弁装置14の第2ワイヤ取付部16c及び第2電動ワイヤ56と共に引き上げられて、第1電動ワイヤ54の一端の突起54bに対して上方に摺動移動する。
これらの結果、各洗浄モードに応じた排水弁装置14の排水弁体18の開弁操作中において、第1電動ワイヤ54と第2電動ワイヤ56とが互いに干渉し合うことを抑制することができる。また、第1電動ワイヤ54及び第2電動ワイヤ56と、その周辺の排水弁装置14の内部部品等の関連構造部分とが互いに干渉し合うことを抑制することもできる。
したがって、各洗浄モードに応じた排水弁装置14の開弁操作を正確に行うことができ、洗浄水タンク装置4の貯水タンク6から第1洗浄モード(大洗浄モード)及び第2洗浄モード(小洗浄モード)の異なる洗浄モードに応じた洗浄水量W1,W2を水洗大便器2に正確に供給することができる。
【0067】
さらに、本実施形態による排水弁操作装置1によれば、排水弁装置14の排水弁体18の開弁操作について、電動操作ユニット10による電動操作で行うことができることに加えて、手動操作ユニット8の操作ボタン30,32による手動の押圧操作でも行うこともできる。
したがって、便器洗浄を実行する際に、使用者の好みに応じて、電動操作ユニット10による電動操作と手動操作ユニット8による手動の押圧操作とを適宜使い分けることができる。
また、万一、電動操作ユニット10においてメンテナンスや不具合が発生したり、停電等のトラブルが発生したりした場合であっても、手動操作ユニット8の手動操作により排水弁装置14の排水弁体18の開弁操作を確実に行うことができる。
【0068】
つぎに、
図11を参照して、本発明の第1実施形態による排水弁操作装置について説明する。
図11は、本発明の第2実施形態による排水弁操作装置が適用された洗浄水タンク装置の内部構造を前方斜め上方から見た概略斜視図である。
ここで、
図11に示す本発明の第2実施形態による排水弁操作装置100が適用された洗浄水タンク装置104において、
図2に示す本発明の第1実施形態による排水弁操作装置1が適用される洗浄水タンク4と同一部分については同一の符号を付し、これらの説明については省略する。
【0069】
図11に示すように、本発明の第2実施形態による排水弁操作装置100においては、
図2に示す手動操作ユニット8を備えていない点で、本発明の第1実施形態による排水弁操作装置1の構造と相違し、その他の部分は共通している。
このような本実施形態による排水弁操作装置100によれば、手動操作ユニット8を省略した分だけ、洗浄水タンク装置104内の電動操作ユニット10や排水弁装置14の周辺スペース等を抑制することができるため、洗浄水タンク装置104の内部構造を簡易化することができる。
したがって、電動操作ユニット10や排水弁装置14のメンテナンス性を向上させることができる。
【0070】
つぎに、
図12を参照して、本発明の第3実施形態による排水弁操作装置について説明する。
図12は、本発明の第3実施形態による排水弁操作装置が適用された洗浄水タンク装置の内部構造を前方斜め上方から見た概略斜視図である。
ここで、
図12に示す本発明の第3実施形態による排水弁操作装置200が適用された洗浄水タンク装置204において、
図2に示す本発明の第1実施形態による排水弁操作装置1が適用される洗浄水タンク4と同一部分については同一の符号を付し、これらの説明については省略する。
【0071】
図12に示すように、本発明の第3実施形態による排水弁操作装置200においては、
図2に示す本発明の第1実施形態による排水弁操作装置1の操作ボタン式の手動操作ユニット8とは異なる、いわゆる、「操作レバー式」の手動操作ユニット208を備えている点で、本発明の第1実施形態による排水弁操作装置1の構造と相違している。
また、
図12に示すように、本実施形態による排水弁操作装置200の手動操作ユニット208は、操作レバー230、ケーシング46、大洗浄モード操作用の第1手動ワイヤ254、及び、小洗浄モード操作用の第2手動ワイヤ256を備えている。
さらに、
図12に示すように、手動操作ユニット208の操作レバー230は、貯水タンク6の前方から見て左側面の外側に配置されている。
【0072】
また、
図12に示すように、手動操作ユニット208のケーシング46は、その内部構造が本発明の第1実施形態による排水弁操作装置1の電動操作ユニット10のケーシング46と同様な構造となっており、第1プーリ48、第2プーリ50、及び、戻りばね52等が内蔵されている。
そして、
図12に示すように、手動操作ユニット208の大洗浄モード操作用の第1手動ワイヤ254及び小洗浄モード操作用の第2手動ワイヤ256のそれぞれの一端には、上述した第1電動ワイヤ54の取付用の突起54a及び第2電動ワイヤ56の取付用の突起56aと同様な突起(図示せず)がそれぞれ設けられている。これらの各手動ワイヤ254,256の一端側の各取付用の突起(図示せず)は、手動操作ユニット208のケーシング46内の第1プーリ48及び第2プーリ50のそれぞれのワイヤ取付穴48a,50aに連結されている。
同様に、
図12に示すように、手動操作ユニット208の第1手動ワイヤ254及び第2手ワイヤ256のそれぞれの他端には、上述した第1電動ワイヤ54の取付用の突起54b及び第2電動ワイヤ56の取付用の突起56bと同様な突起(図示せず)がそれぞれ設けられている。これらの各手動ワイヤ254,256の他端側の各取付用の突起(図示せず)は、排水弁装置214の内部において、第1実施形態の排水弁装置14の主軸部材16の各ワイヤ取付部16b,16cと同様な各手動ワイヤ取付部(図示せず)にそれぞれ連結されている。
【0073】
一方、電動操作ユニット10の各電動ワイヤ54,56の他端側の突起54b,56bについても、排水弁装置214の内部において、第1実施形態の排水弁装置14の主軸部材16の各ワイヤ取付部16b,16cと同様な各電動ワイヤ取付部(図示せず)にそれぞれ連結されている。ここで、各手動ワイヤ取付部(図示せず)及び各電動ワイヤ取付部(図示せず)は、互いに異なる箇所に設けられている。
また、各手動ワイヤ254,256及び各電動ワイヤ54,56のいずれか一本が引き上げられると、各手動ワイヤ取付部(図示せず)及び各電動ワイヤ取付部(図示せず)が一体的に引き上げられて、排水弁装置214の主軸部材16及び排水弁体18についても引き上げられるようになっている。
【0074】
図12に示すように、例えば、操作レバー230については、第1実施形態の回転軸部材42と同様な回転軸部材(図示せず)に接続された回転軸(図示せず)の一端に接続されている。
また、本実施形態では、手動操作ユニット208の各プーリ48,50は、第1実施形態と同様に、各切欠き穴62,64において、回転軸部材42の突起部42cと係合解除可能に係合されている。
例えば、
図12に示すように、操作レバー230について、その先端が下方に位置する初期位置P0から操作レバー230の先端が前方に位置するように、手前側(前方側)に手動で回転中心軸線Oを中心に第1回転方向R1に回転操作する。これにより、手動操作ユニット208のケーシング46内において回転軸部材42の突起部42cと第1プーリ48の切欠き穴62とが係合し、第1プーリ48のみが回転するようになっている。
そして、第1手動ワイヤ254のみについて、第1プーリ48により第1量L1だけ巻き取られ、大洗浄モード操作用の第1手動ワイヤ254が引き上げられて、排水弁装置214の排水弁体18が閉弁位置(初期位置)P0から大洗浄モードの最高開弁位置P1まで最大引き上げ量H1[mm]だけ引き上げられるようになっている。
一方、
図12に示すように、操作レバー230について、その先端が下方に位置する初期位置から操作レバー230の先端が後方に位置するように奥側(後方側)に手動で回転中心軸線Oを中心に第2回転方向R2に回転操作する。これにより、手動操作ユニット208のケーシング46内において回転軸部材42の突起部42cと第2プーリ50の切欠き穴64とが係合し、第2プーリ50のみが回転するようになっている。
そして、小洗浄モード操作用の第2手動ワイヤ256が引き上げられて、排水弁装置214の排水弁体18が閉弁位置P0から小洗浄モードの最高開弁位置P2まで、大洗浄モードの操作時の引き上げ量H1[mm]よりも小さい最大引き上げ量H2[mm](H2<H1)で引き上げられるようになっている。
【0075】
上述した本発明の第3実施形態による排水弁操作装置200によれば、手動操作ユニット208の各操作モードに応じて、手動操作ユニット208のケーシング46内の第1プーリ48又は第2プーリ50のいずれか一方を独立に回転操作することができる。
したがって、第1プーリ48及び第2プーリ50のそれぞれが互いの干渉を抑制しながら、スムーズに作動することができる。
また、第1プーリ48及び第2プーリ50のそれぞれに連結されている第1手動ワイヤ254及び第2手動ワイヤ256のそれぞれについても、互いの干渉を抑制しながら、スムーズに作動することができる。
よって、手動操作ユニット208による大洗浄操作モード及び小洗浄操作モードの異なる操作モードのそれぞれの切り替え操作について正確に且つスムーズに行うことができるため、各洗浄モードに応じた排水弁装置214の排水弁体18の開弁操作を正確に行うこともできる。
これらの結果、排水弁体18の開弁操作する排水弁操作装置200の手動操作ユニット208の手動による操作性を向上させることができ、複数の洗浄モードに応じた便器洗浄を正確に実行することができる。
また、排水弁装置14の排水弁体18の開弁操作について、電動操作ユニット10による電動操作で行うことができることに加えて、手動操作ユニット208の操作レバー230による手動操作でも行うこともできる。
したがって、便器洗浄を実行する際に、使用者の好みに応じて、電動操作ユニット10による電動操作と手動操作ユニット208による手動操作とを適宜使い分けることができる。
また、万一、電動操作ユニット10においてメンテナンスや不具合が発生したり、停電等のトラブルが発生したりした場合であっても、手動操作ユニット208の手動操作により排水弁装置214の排水弁体18の開弁操作を確実に行うことができる。
【0076】
つぎに、
図13を参照して、本発明の第4実施形態による排水弁操作装置について説明する。
図13は、本発明の第4実施形態による排水弁操作装置が適用された洗浄水タンク装置の内部構造を前方斜め上方から見た概略斜視図である。
ここで、
図13に示す本発明の第4実施形態による排水弁操作装置300が適用された洗浄水タンク装置304において、
図12に示す本発明の第3実施形態による排水弁操作装置200が適用される洗浄水タンク4と同一部分については同一の符号を付し、これらの説明については省略する。
【0077】
図13に示すように、本発明の第3実施形態による排水弁操作装置300においては、
図12に示す電動操作ユニット10を備えていない点で、本発明の第3実施形態による排水弁操作装置200の構造と相違し、その他の部分は共通している。
このような本実施形態による排水弁操作装置300によれば、電動操作ユニット10を省略した分だけ、排水弁装置214の周辺スペース等の洗浄水タンク装置304の内部スペースを抑制することができるため、洗浄水タンク装置304の内部構造を簡易化することができる。
したがって、手動操作ユニット208や排水弁装置214のメンテナンス性を向上させることができる。
【0078】
なお、上述した本発明の第1及び第2実施形態による排水弁操作装置1,100においては、電動操作ユニット10の2本の大洗浄モード操作用の電動ワイヤ54と小洗浄モード操作用の電動ワイヤ56を用いて、大小の2種類の洗浄モードによる便器洗浄が可能な形態について説明した。
また、上述した本発明の第3実施形態による排水弁操作装置200においては、電動操作ユニット10の2本の大洗浄モード操作用の電動ワイヤ54と小洗浄モード操作用の電動ワイヤ56、及び、手動操作ユニット208の2本の大洗浄モード操作用の手動ワイヤ254と小洗浄モード操作用の手動ワイヤ256を用いて、大小の2種類の洗浄モードによる便器洗浄が可能な形態について説明した。
さらに、上述した本発明の第4実施形態による排水弁操作装置300においては、手動操作ユニット208の2本の大洗浄モード操作用の手動ワイヤ254と小洗浄モード操作用の手動ワイヤ256を用いて、大小の2種類の洗浄モードによる便器洗浄が可能な形態について説明した。
しかしながら、本発明の第1〜第3実施形態による排水弁操作装置1,100,200の電動操作ユニット10の2本の電動ワイヤ54,56や、本発明の第3及び第4実施形態による排水弁操作装置200,300の手動操作ユニット208の2本の手動ワイヤ254,256を変更することなく、排水弁装置14,214の構造のみを適宜変更することにより、例えば、大中小の3種類の洗浄モード、或いは、4種類以上の洗浄モードによる便器洗浄を可能にすることができる。
【0079】
さらに、上述した本発明の第1〜第4実施形態による排水弁操作装置1,100,200,300においては、各プーリ48,50の回転角度を制限する手段として、第2ケーシング46bの回転制限用の突起66を雄側とし、各プーリ48,50の回転制限用のガイド溝48b,50bを雌側とする形態について説明したが、雄側と雌側とを互いに入れ替えてもよい。