(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記弁座と前記シール部材とが接触するシール線(S52)は、前記可動弁体と前記シール部材とが接触するシール線(S68)より径方向外側に位置している請求項1に記載の燃料タンク用通気制御弁。
前記弁座と前記シール部材とが接触するシール線(S52)は、前記可動弁体と前記シール部材とが接触するシール線(S68)より径方向内側に位置している請求項1に記載の燃料タンク用通気制御弁。
前記可動弁体と前記シール部材とが接触するシール線(S68)は、前記フランジ部より径方向外側に位置している請求項5または請求項6に記載の燃料タンク用通気制御弁。
前記保持機構は、前記可動弁体の径方向に関して前記内縁部の内側に設けられ、前記内縁部を前記径方向に関して緩く保持する軸部(64b)を有する請求項5から請求項7のいずれかに記載の燃料タンク用通気制御弁。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図面を参照しながら、複数の実施形態を説明する。複数の実施形態において、機能的におよび/または構造的に対応する部分および/または関連付けられる部分には同一の参照符号、または百以上の位が異なる参照符号が付される場合がある。対応する部分および/または関連付けられる部分については、他の実施形態の説明を参照することができる。
【0011】
(第1実施形態)
図1において、燃料貯蔵装置1は、燃料タンク2、給油制御弁3、および燃料蒸気処理装置4を備える。燃料貯蔵装置1は、車両に搭載されている。燃料貯蔵装置1は、車両に搭載された内燃機関に燃料を供給する燃料供給装置を含むことができる。
【0012】
給油制御弁3は、燃料タンク2に設けられている。給油制御弁3は、燃料タンク2に設けられた燃料供給装置、例えばポンプモジュールに設けられてもよい。給油制御弁3は、燃料タンク用フロート弁を提供する。給油制御弁3は、燃料タンク2と外部との間の通気を制御する。給油制御弁3は、燃料タンク2と燃料蒸気処理装置4との間の通気のための通気路に設けられている。通気路は、燃料タンク2から燃料蒸気処理装置4への気体の排出に利用される。通気路は、換気通路、または呼吸通路とも呼ばれる。給油制御弁3は、通気路を開閉する。給油制御弁3は、燃料タンク2の上部の壁面に設けられている。
【0013】
給油制御弁3は、燃料タンク2と燃料蒸気処理装置4との間の通気を許容することによって給油口からの給油を許容する。給油制御弁3は、燃料タンク2と燃料蒸気処理装置4との間の通気を遮断することによって給油口からの給油の停止を促す。給油制御弁3が通気を遮断することにより、給油口に向けて燃料液面が上昇する。この結果、給油装置5の自動停止機構(オートストップ機構とも呼ばれる)が反応し、給油装置5からの給油が自動的に停止される。
【0014】
燃料蒸気処理装置4は、燃料タンク2から排出される気体に含まれる燃料蒸気(ベーパ)を捕捉するキャニスタを備える。燃料蒸気処理装置4は、パージ機構を含む。パージ機構は、所定の条件が成立するとキャニスタに捕捉された燃料蒸気を内燃機関に供給し燃焼させることによって、燃料蒸気を処理する。
【0015】
図2において、給油制御弁3は、燃料タンク2の上部に設けられたフランジ6に装着されている。フランジ6は、樹脂製または金属製である。フランジ6は、燃料タンク2の開口部を覆う部材である。フランジ6は、給油制御弁3を装着するための専用の部材、または、他の燃料タンク付属部品を装着するための部材によって提供することができる。フランジ6は、燃料タンク2と燃料蒸気処理装置4との間における通路7を区画形成している。
【0016】
給油制御弁3は、フランジ6を介して燃料タンク2内に配置されている。給油制御弁3は、フランジ6から燃料タンク2内に垂下されている。給油制御弁3とフランジ6とは、スナップフィット機構などの接続機構によって接続されている。給油制御弁3とフランジ6との間には、シール部材としてのOリング8が設けられている。給油制御弁3は、車両が水平状態にあるとき、すなわち燃料タンク2が水平状態に置かれているときに、図示される鉛直な筒を提供するように設置されている。
【0017】
給油制御弁3は、燃料タンク2の上部から下に向けて延びる筒状の外観を有する。給油制御弁3は、ケースとしての部材31、34、51、53によって区画形成される筒状の管を提供する。この管は、燃料タンク2の上端にまで燃料液面が到達しようとするときに、管の外側(燃料タンク2の上部)に空気空間を確保しながら、管の中を燃料液面が上昇することを可能とする。管は、空気室形成管とも呼ぶことができる。管の上端は通路7に連通し、下端は燃料タンク2の上端よりやや下において開口している。管は、燃料タンク2の上部から垂下され、通気路を区画形成する。給油制御弁3は、管の中における燃料液面に応答して燃料タンク2と通路7との連通状態を開閉する、すなわち通気路を開閉する。給油制御弁3は、メインフロート弁21、燃料保持器22、サブフロート弁23、およびリリーフ弁24を有する。
【0018】
(メインフロート弁)
メインフロート弁21は、管内に配置されている。メインフロート弁21は、管内に燃料がないときに通気路を開く。メインフロート弁21は、管内に到達した燃料に浮いて通気路を閉じる。メインフロート弁21は、上記管の比較的上部における燃料液面(第1液面高さ)に反応して通気路を開閉する。
【0019】
燃料保持器22は、メインフロート弁21の開閉性を調節するための燃料溜めを提供する。燃料保持器22は、メインフロート弁21が一旦は閉弁した後に、短期間のうちに再び開弁するような頻繁な開閉を阻止するための開閉性調節機構でもある。燃料保持器22は、燃料タンク2が満たされたことを給油作業者が認識し、給油作業を終了すると想定される期間にわたってメインフロート弁21を閉弁状態に維持する。
【0020】
給油制御弁3は、第1のケース31を有する。第1のケース31は、メインフロート弁21の一部でもある。第1のケース31は、筒状の部材である。第1のケース31は、燃料タンク2の内部と外部との間の通気のための通路を形成する。第1のケース31は、燃料タンク2内に、筒の軸が鉛直に位置づけられるように設置される。第1のケース31は、燃料タンク2内での装着状態において、下方向へ向けて開いた筒である。第1のケース31は、下に向けて徐々に内径が大きくなる段付き筒状である。
【0021】
第1のケース31の上端はフランジ6に連結されている。第1のケース31の上端には、燃料タンク2内と通路7とを連通する開口部が設けられている。この開口部は、第1の弁座32によって囲まれ、区画されている。
【0022】
第1のケース31の下端には、燃料タンク2に連通する開口端が設けられている。第1のケース31の下端には、サブフロート弁23が設けられている。第1のケース31の下端は、サブフロート弁23によって開閉される。
【0023】
第1のケース31の上部の所定位置には、貫通穴33が設けられている。貫通穴33は、第1のケース31の内外を連通する。貫通穴33は、第1のケース31の上部からの燃料の排出および/または第1のケース31の上部への空気の供給を可能とする。
【0024】
給油制御弁3は、インナカップ34を有する。インナカップ34は、燃料保持器22の一部でもある。インナカップ34は、第1のケース31内に収容されている。インナカップ34は、第1のケース31内に第1のケース31の下端開口から挿入可能である。インナカップ34は、燃料を溜めることができるカップ状である。インナカップ34は、第1のケース31内において燃料溜めを区画形成する。インナカップ34が提供する燃料溜めの上端開口35は、貫通穴33とほぼ同じ高さに位置している。インナカップ34は、上端開口35から燃料を導入し溜めるように形成されている。
【0025】
インナカップ34は、接続機構26によって第1のケース31に接続され、第1のケース31内に保持されている。接続機構26は、樹脂の弾性を利用したスナップフィット機構を含む。インナカップ34は、第1のケース31と第2のケース51との間に挟まれることによっても保持されている。言い換えると、インナカップ34は、第2のケース51によって支えられることによって第1のケース31内に保持されている。
【0026】
インナカップ34は、側壁に設けられた貫通穴36と、底壁に設けられた貫通穴37とを有する。貫通穴36は、インナカップ34内の燃料溜めからの燃料の排出を可能とする。貫通穴36は、燃料をゆっくりと排出する。貫通穴36は、給油装置5の操作者が追加給油を諦めるであろうと予測される比較的長い時間にわたって、ゆっくりと燃料を漏出させるように小さく設定されている。インナカップ34の底壁は、内部に漏斗状の底面を提供するように形成されている。貫通穴37は、底壁の最も下の位置に開口している。貫通穴37は、燃料を急速に排出するように比較的大きく形成されている。インナカップ34は、メインフロート弁21を閉弁状態に維持するために燃料を溜める燃料溜めを形成する部材を提供する。
【0027】
メインフロート弁21は、ボール38を有する。ボール38は、貫通穴37を閉塞することができる。また、ボール38は、揺れを感知して転動することによって貫通穴37を開くことができる。ボール38に代えて、揺れを感知するためのローラ、薄片など多様な部材を利用することができる。インナカップ34とボール38とは、燃料保持器22を提供する。インナカップ34とボール38とは、給油作業が完了した後の期間において、インナカップ34内の燃料を排出するための排出弁を提供する。ボール38は、燃料タンク2の揺れ、すなわち車両の走行に伴う揺れを感知して転動する。貫通穴36、37およびボール38は、インナカップ34が提供する燃料溜めから燃料を排出する排出手段を提供する。排出手段は、一回の給油作業における過剰な給油を阻止するように燃料を保持する一方で、給油作業が終了した後には、再び給油を可能とする。貫通穴37とボール38とは、給油作業の終了を判定して燃料を排出する手段を提供している。
【0028】
メインフロート弁21は、可動弁体39を有する。可動弁体39は、給油制御弁3における主可動弁体または第1の可動弁体とも呼ばれる。可動弁体39は、第1のケース31内に収容されている。可動弁体39は、第1のケース31内に第1のケース31の下端開口から挿入可能である。可動弁体39は、インナカップ34内に収容されている。可動弁体39は、第1のケース31内、およびインナカップ34内を軸方向、すなわち上下方向に沿って移動可能に収容されている。
【0029】
可動弁体39は、インナカップ34内に燃料があると、燃料に浮くように構成されている。可動弁体39は、フロート41を有する。フロート41は、インナカップ34内に収容されている。インナカップ34は、可動弁体39を支持すインナケースを提供する。可動弁体39は、ホルダ42を有する。ホルダ42は、フロート41の上に配置されている。ホルダ42は、連結機構43を介してフロート41と連結されている。連結機構43は、フロート41に設けられた突起部と、ホルダ42に設けられ、突起部を受け入れる高さ方向に細長いスロットを有するフック部とによって提供されている。突起部がフック部のスロット内を移動することにより遊びが許容されている。連結機構43は、フロート41とホルダ42とが軸方向に関して所定量だけ離れることができるように、両者を連結している。
【0030】
ホルダ42は、シール部材44を保持する。シール部材44は、環状の板である。シール部材44は、ホルダ42の筒状部分に緊密に嵌めこまれている。ホルダ42とシール部材44とは、可動弁体39が弁座32に着座するとき、すなわち、シール部材44が弁座32に着座するときに燃料タンク2と通路7との連通を遮断する。弁座32にシール部材44が着座することによって、メインフロート弁21の閉弁状態が提供される。弁座32からシール部材44が離座することによって、メインフロート弁21の開弁状態が提供される。
【0031】
フロート41とホルダ42との間には、メインフロート弁21の開弁を補助するためのパイロット弁45が形成されている。フロート41は、半球状の凸部を有する。ホルダ42は、凸部を受け入れるシート面を有する。連結機構43が提供する遊びによって、パイロット弁45は開閉される。弁座32にシール部材44が着座していると、燃料タンク2内の圧力は通路7より高くなる。燃料液面の低下によってフロート41が下降すると、連結機構43は、ホルダ42からフロート41が離れることを許容する。この結果、パイロット弁45が開く。パイロット弁45が開くと、シール部材44の前後における圧力差が緩和され、シール部材44が弁座32から離れやすくなる。
【0032】
フロート41は、インナカップ34内において上下方向、すなわち軸方向に案内されている。インナカップ34は、フロート41を案内するための内筒と外筒とを提供する。さらに、ホルダ42と第1のケース31との間には、ガイド機構46が設けられている。ガイド機構46は、ホルダ42に設けられた小径筒状部分と、第1のケース31に設けられた大径筒状部分とによって提供されている。大径筒状部分の中に小径筒状部分が配置されることによって、ホルダ42は径方向にずれることなく軸方向に移動可能に案内される。インナカップ34とフロート41との間には圧縮状態のスプリング47が配置されている。スプリング47は、可動弁体39を上方向へ向けて付勢する。スプリング47は可動弁体39の浮力を補う。
【0033】
第1のケース31、インナカップ34、フロート41、ホルダ42は樹脂製である。ボール38は、樹脂製である。シール部材44はゴム製である。
【0034】
(サブフロート弁)
サブフロート弁23は、メインフロート弁21の上流側に配置されている。サブフロート弁23は、メインフロート弁21への燃料の到達を制御する。サブフロート弁23は、一時的な燃料液面の上昇があっても、燃料がメインフロート弁21に到達することを阻止する。一方、サブフロート弁23は、継続的な燃料液面の上昇があると、燃料がメインフロート弁21に到達することを許容する。サブフロート弁23は、メインフロート弁21よりも管の燃料タンク2側に配置されている。サブフロート弁23は、上記管の下部、すなわち入口付近に配置されている。サブフロート弁23は、管内に燃料がないときに通気路を開き、管内に到達した燃料に浮いて通気路を閉じる。これにより、サブフロート弁23は、メインフロート弁21への燃料の到達を制限する。サブフロート弁23は、管の入口における燃料液面に反応して、管内部の通路、すなわち管の入口とメインフロート弁21との間の通気路を開閉する。
【0035】
給油制御弁3は、第2のケース51を有する。第2のケース51は、サブフロート弁23の一部でもある。第2のケース51は筒状である。第2のケース51は、第1のケース31の下端開口に装着されている。第1のケース31と第2のケース51とは接続されている。
【0036】
第2のケース51は、接続機構27によって第1のケース31に接続され、第1のケース31内に保持されている。接続機構27は、樹脂の弾性を利用したスナップフィット機構を含む。第2のケース51は、第1のケース31の開口端に接続されている。インナカップ34は、第2のケース51より、第1のケース31内の奥に保持されている。
【0037】
第2のケース51の上壁には、燃料タンク2内と第1のケース31内とを連通する開口部が設けられている。この開口部は、第2の弁座52によって囲まれ、区画されている。第2の弁座52は、給油制御弁3における空気の流れ方向に関して、第1の弁座32より上流側に位置づけられている。言い換えると、第2の弁座52は、第1の弁座32よりも燃料タンク2内側に設置されている。第2の弁座52が区画形成する開口は、第1の弁座32が区画形成する開口より大きい。第2の弁座52が区画形成する開口の直径は、第1のケース31の半径よりも大きい。
【0038】
給油制御弁3は、第3のケース53を有する。第3のケース53は、サブフロート弁23の一部でもある。第3のケース53は、浅い皿状である。第3のケース53は、第2のケース51の下端に装着されている。第2のケース51と第3のケース53とはスナップフィットによって接続されている。
【0039】
サブフロート弁23は、可動弁体54を有する。可動弁体54は、給油制御弁3における副可動弁体または第2の可動弁体とも呼ばれる。可動弁体54は、扁平な円筒状である。可動弁体54は、第2のケース51と第3のケース53との間に収容されている。可動弁体54は、第2の弁座52に対して移動可能である。可動弁体54は、燃料タンク2内の燃料に浮くことによって第2の弁座52に対して着座または離座する。可動弁体54は、第1のケース31の下端からメインフロート弁21へ連通する通路を開閉する。
【0040】
図3および
図6に図示されるように、開口部55は、第2のケース51の下端に周方向に沿って開口している。開口部55は、複数の円弧状部分を有する。開口部55は、全体として環状に開口している。開口部55は、可動弁体54より径方向外側において開口している。可動弁体54より径方向外側に外側通路56が区画形成されている。外側通路56は、環状である。外側通路56は、第2のケース51の径方向内側に区画形成されている。外側通路56は、開口部55から軸方向に延びる。外側通路56は、第2のケース51の内面に沿って延びている。外側通路56は、開口部55と弁座52によって区画される通路との間に延在している。
【0041】
第3のケース53は、補助的な開口部57、58を区画形成する。開口部57は、可動弁体54の下側において主に燃料のための通路を提供する。開口部58は、後述するガイド機構67の下側において主に燃料のための通路を提供する。
【0042】
複数の開口部55、57、58の中で、開口部55は最も大きい開口面積を提供する。開口部55は、給油制御弁3における管の主要な下端開口、または入口開口である。開口部55は、通気路の入口としての下端開口または入口開口とも呼ばれる。
【0043】
第3のケース53は、可動弁体54の下側を覆い、可動弁体54を下から支持するカバーを提供する。第3のケース53は、第2のケース51と第3のケース53との間に、可動弁体54のための収容室を形成しながら、第2のケース51の下端に開口部55を形成する。収容室は、下端において開口部55、57、58を介して燃料タンク2内に連通している。よって、燃料タンク2内の燃料は、少なくとも第2のケース51と第3のケース53とで区画される収容室内には自由に入ることができる。
【0044】
可動弁体54は、複数の空気溜め61、62を区画形成している。複数の空気溜め61、62は、可動弁体54が燃料に浮くために、燃料の液面下において空気を溜める。複数の空気溜め61、62は、第1の空気溜め61と第2の空気溜め62とを含む。複数の空気溜め61、62は、可動弁体54に燃料が到達すると可動弁体54を燃料に浮かせるための浮力室を提供する。これら空気溜め61、62は、下方向へ開口したキャップ状の部材によって区画形成されている。
【0045】
第1の空気溜め61は、可動弁体54の径方向中央部に配置されている。第1の空気溜め61は、可動弁体54の径方向における中央部分を占めるように配置されている。第1の空気溜め61は、可動弁体54の上部に配置されている。第1の空気溜め61は、可動弁体54が燃料に浮くために燃料の液面下において空気を溜める。
【0046】
第1の空気溜め61は、可動弁体54に燃料が到達した後の時間経過に伴って、可動弁体54に与える浮力を徐々に減少させる浮力減少機構を備える。可動弁体54は、浮力を徐々に減少させるための貫通穴63を有する。貫通穴63は、第1の空気溜め61から空気を抜くとともに、第1の空気溜め61に燃料を導入することにより、浮力を徐々に減少させる浮力減少機構を提供する。浮力減少機構は、可動弁体54を燃料の中に徐々に沈ませる。
【0047】
第2の空気溜め62は、可動弁体54の径方向外側部に配置されている。第2の空気溜め62は、可動弁体54の上下方向中央部または下部と呼べる位置に配置されている。第2の空気溜め62は、第1の空気溜め61の少なくとも一部の径方向外側に配置されている。第2の空気溜め62は、第1の空気溜め61の少なくとも一部を囲むように配置されている。第2の空気溜め62は、貫通穴63のような浮力減少手段を備えない。第2の空気溜め62は、複数の小部屋を有する。これら複数の小部屋は、周方向に沿って分散的に配置されている。第2の空気溜め62は、第2の弁座52に沿って環状に配置され、それぞれが独立して空気を溜めることができる。第2の空気溜め62は、可動弁体の外周に沿って環状に配置されている。
【0048】
可動弁体54は、第1部材64と第2部材65とを有する。第1部材64は、可動弁体54の上部および中央部を提供する。第1部材64は、アッパフロートまたはインナフロートとも呼ぶことができる。第1部材64は、円筒状である。第1部材64は、下端に下端開口部を有するキャップ状である。第1部材64は、上壁に貫通穴63を有する。貫通穴63は、第2の弁座52によって囲まれた開口部の中に開口している。第2部材65は、可動弁体54の下部および外周部を提供する。第2部材65は、ロワフロートまたはアウタフロートとも呼ぶことができる。第2部材65は、環状である。第1部材64は、第2部材65の径方向内側に配置されている。
【0049】
第1部材64と第2部材65とは、複数の空気溜め61、62を区画形成する形成部材を提供する。特に、第2部材65は、複数の第2の空気溜め62を区画形成する形成部材を提供する。複数の第2の空気溜め62は、可動弁体54の周方向に沿って分散して配置されている。複数の第2の空気溜め62は、周方向に沿って均等に分布している。このような配置は、周方向における浮力の望ましくない分布を抑制するために貢献する。第1部材64は、浮力減少手段としての貫通穴63を区画形成する。第1部材64と第2部材65とは、スナップフィットなどの接続機構によって接続されている。第1部材64と第2部材65とは、接着、溶着など多様な接続手法によって接続することができる。第1部材64と第2部材65とは樹脂製である。
【0050】
可動弁体54は、シール部材66を有する。シール部材66は、可動弁体54の上面に配置されている。シール部材66は、ゴム製または樹脂製である。シール部材66は、板状の部材である。シール部材66は、第2の弁座52に対して着座または離座する。シール部材66は、可動弁体54とともに、その移動方向に沿って移動することによって、通気のための通路を開閉する。シール部材66は、可動弁体54が燃料に浮くことによって上方向へ移動すると、第2の弁座52に着座する。シール部材66は、第2の弁座52に着座することによって通気路を閉じる。シール部材66は、可動弁体54が燃料に沈むか、燃料の液面が下がることによって下方向へ移動すると、第2の弁座52から離座する。シール部材66は、第2の弁座52から離座することによって通気路を開く。
【0051】
図2に戻り、給油制御弁3は、可動弁体54のためのガイド機構67を有する。ガイド機構67は、可動弁体54に設けられたガイドシャフトと、第3のケース53に設けられたガイド筒とによって提供されている。ガイドシャフトは、ガイド筒の中に挿入されている。可動弁体54にガイド筒を設け、第3のケース53にガイドシャフトが設けられてもよい。ガイド機構67は、可動弁体54の移動方向、すなわち給油制御弁3の軸方向への可動弁体54の移動を許容する。ガイド機構67は、可動弁体54の径方向への移動を規制する。ガイド機構67は、可動弁体54の傾きを規制する。ガイド機構67は、第2の弁座52とシール部材66との安定した接触を提供する。
【0052】
(リリーフ弁)
リリーフ弁24は、燃料タンク2内の圧力を抑制する。リリーフ弁24は、燃料タンク2内の圧力が過剰に高くなると開弁し、燃料タンク2内の気体を通路7に放出する。リリーフ弁24は、第1のケース31の上壁に設けられている。リリーフ弁24は、弁座71と、可動弁体72と、スプリング73とを有する。可動弁体72とスプリング73とによってリリーフ圧が設定される。
【0053】
(サブフロート弁のシール部材)
図2および
図4に図示されるように、シール部材66は、中央に開口部を有する環状の部材である。シール部材66は、径方向内側の縁に、内縁部66aを有する。シール部材66は、内縁部66aにおいて可動弁体54に緩く保持されている。
【0054】
図2および
図5に図示されるように、シール部材66は、スナップフィットなどの接続機構によって接続された第1部材64と第2部材65との間に保持されている。
【0055】
内縁部66aは、第1部材64に設けられたフランジ部64aと、第2部材65に設けられた受け面65aとの間に保持されている。フランジ部64aと受け面65aとの間には、シール部材66の厚さより大きい軸方向の隙間が形成されている。フランジ部64aと受け面65aとは、可動弁体54の移動方向に関して内縁部66aの両側に設けられている。フランジ部64aと受け面65aとは、内縁部66aを移動方向に関して緩く保持する。
【0056】
第1部材64は、可動弁体54の径方向に関して内縁部66aの内側に設けられた軸部64bを有する。内縁部66aの内径は、軸部64bの外径より大きい。軸部64bは、内縁部66aを径方向に関して緩く保持する。内縁部66aは、第1部材64に設けられた軸部64bの外側に緩く嵌め込まれている。内縁部66aと軸部64bとの間には、微小な隙間が設けられている。フランジ部64a、軸部64b、および受け面65aは、シール部材66を緩く保持する保持機構を提供する。内縁部66aは、可動弁体54によって径方向および軸方向の両方に関して緩く保持されている。緩い保持は、シール部材66の変形を抑制する。
【0057】
可動弁体54は、峰部68を有する。峰部68は、シール部材66に沿って環状に延びている。峰部68は、第2部材65に設けられている。峰部68は、受け面65aから、軸方向にシール部材66に向けて突出するように形成されている。峰部68は、三角形の突部である。峰部68は、三角形の断面を有する。峰部68の2つの斜面は、互いに約60度の角度をなしている。峰部68の頂部の鋭さは、シール部材66に対して峰部68の底辺よりも狭いシール線を形成するように設定されている。峰部68の斜面は、30度から120度の範囲内の角度をなすように設定可能である。
【0058】
峰部68は、第2の弁座52に対して対向するように延び出している。第2の弁座52は、シール部材66に向けて下向きに延び出している。これに対して、峰部68は、シール部材66に向けて上向きに延び出している。峰部68は、環状突起、または環状角部とも呼ぶことができる。峰部68は、フランジ部64aより径方向外側に位置している。峰部68は、第2の弁座52より径方向内側に位置している。
【0059】
峰部68の高さは、シール部材66が第2の弁座52に接触していない場合に、シール部材66が予荷重を受けることなく自由形状を維持できるように設定されている。言い換えると、峰部68の高さは、シール部材66が第2の弁座52に接触していない場合に、シール部材66がフランジ部64aと受け面65aと峰部68との間で変形することなく保持されるように設定されている。よって、峰部68は、シール部材66の緩い保持を維持するように設定されている。
【0060】
図4および
図5において、シール部材66が第2の弁座52に接触すると、シール部材66は、可動弁体54と第2の弁座52との間に挟まれ、わずかに変形する。シール部材66は、峰部68と第2の弁座52との間において、S字状、または逆S字状に変形する。シール部材66は、自らの弾性によって、峰部68と第2の弁座52との両方に、安定的に押し付けられる。
【0061】
第2の弁座52とシール部材66とは、環状のシール線S52において接触する。シール線S52の半径R52は、第2の弁座52の半径に相当する。峰部68は、その頂部において、シール部材66に対して接触する。峰部68、すなわち可動弁体54とシール部材66とは、環状のシール線S68において接触する。シール線S68の半径R68は、峰部68の半径に相当する。シール線S52は、シール線S68より径方向外側に位置している。シール線S68は、フランジ部64aより径方向外側に位置している。
【0062】
シール線S52は、第2の弁座52の中心軸と、シール部材66の中心軸とのずれに応じてわずかにずれることがある。シール線S68は、可動弁体54の中心軸と、シール部材66の中心軸とのずれに応じてわずかにずれることがある。半径R52と半径R68とは、シール部材66の上においてシール線S68とシール線S52とが互いにずれることがあっても、シール線S68とシール線S52とが重複および交差することがないように設定されている。
【0063】
シール部材66と峰部68とのシール線S68における接触は、シール線S68に圧力が集中することを可能とする。この結果、シール線S68において高いシール性が得られる。これにより、シール部材66と可動弁体54との間に高いシール性を与えることができる。
【0064】
しかも、峰部68は、シール部材66を可動弁体54に対して緩く保持することを許容しながら、シール線S68における強い接触を実現する。よって、シール部材66に過度の変形、または反りのような望ましくない変形を生じさせることなく、高いシール性が提供される。
【0065】
(接続機構)
図2において、第1のケース31は、小径部31aと、大径部31bとを有する。小径部31aは、インナカップ34を収容可能な内径を有する。小径部31aは、大径部31bより少なくとも内径が小さい。大径部31bは、第1のケース31の開口端、すなわち下端を含む範囲に形成されている。大径部31bは、サブフロート弁23を収容可能な内径を有する。具体的には、大径部31bは、第2のケース51を収容可能な内径を有する。小径部31aと大径部31bとの間には、段差部31cが形成されている。段差部31cは、第1のケース31の内面に設けられている。段差部31cは、開口端に面する段差面を提供する。大径部31bは、径方向外側へ変形しやすい部分を提供する。大径部31bは、サブフロート弁23、特に第2のケース51の装着作業を容易にするために貢献する。
【0066】
接続機構26は、インナカップ34に設けられたフランジ部34aを有する。フランジ部34aは、段差部31cに当接する板状の部分である。フランジ部34aは、インナカップ34から径方向外側に突出する。フランジ部34aは、段差部31cに当接することにより、第1のケース31内におけるインナカップ34の位置を規定する。フランジ部34aは、第1のケース31と第2のケース51との間において軸方向に関して挟まれている。フランジ部34aは、段差部31cと第2のケース51との間に挟まれている。
【0067】
接続機構26は、第1のケース31とインナカップ34との間に設けられたスナップフィット機構を有する。スナップフィット機構は、腕部34b、係合部34c、および係合部31dによって提供される。
【0068】
インナカップ34は、フランジ部34aから軸方向に沿って上へ向けて延びる腕部34bを有する。腕部34bは、第2の接続機構27から離れるように軸方向に沿って延びている。インナカップ34は、周方向に沿って互いに離れて設けられた複数の腕部34bを有する。腕部34bは、インナカップ34と樹脂材料によって一体成形されている。腕部34bは、弾性変形可能である。それぞれの腕部34bの先端には、係合部34cが設けられている。係合部34cは、腕部34bの弾性変形によって径方向に移動可能である。係合部34cは、可動係合部または第1の係合部とも呼ばれる。
【0069】
第1のケース31は、係合部34cが引っ掛けられる係合部31dを有する。係合部31dは、腕部34bおよび係合部34cを受け入れるように、径方向外側に向けて突出する空洞内に形成されている。腕部34bと係合部34cとは、係合部31dに引っ掛けることができるフック部を提供する。腕部34bは、係合部31dと係合部34cとが係合し、かつ、係合状態を維持するための弾性変形量を提供する。係合部31dは、固定係合部または第2の係合部とも呼ばれる。
【0070】
図3に図示されるように、第1のケース31の外面には、係合部31dを形成するための突部が設けられている。係合部31dは、小径部31aの範囲内に位置づけられている。
【0071】
係合部34c、31dは、一方を凸部、他方を凹部と呼びうる形状を有する。係合部34c、31dは、腕部34bの弾性変形および第1のケース31の弾性変形を利用して、互いに係合または離脱が可能である。係合部34c、31dは、インナカップ34が第1のケース31内に挿入される過程において、各部が弾性変形することによって図示される係合状態に到達する。
【0072】
接続機構27は、第1のケース31と第2のケース51との間に設けられたスナップフィット機構を有する。スナップフィット機構は、係合部31e、および係合部51aによって提供される。係合部31eは、第1のケース31に設けられている。係合部31eは、大径部31bに設けられている。係合部51aは、第2のケース51に設けられている。係合部31e、51aは、一方を凸部、他方を凹部と呼びうる形状を有する。係合部31e、51aは、第2のケース51が第1のケース31内に挿入される過程において、各部が弾性変形することによって図示される係合状態に到達する。
【0073】
接続機構26は、インナカップ34と第1のケース31との間に独立した接続機構を提供する。接続機構26は、第2のケース51に依存することなく、インナカップ34を第1のケース31の中に保持することを可能とする。例えば、第2のケース51が第1のケース31から脱落することがあっても、インナカップ34が第1のケース31内に保持される。この結果、メインフロート弁21および燃料保持器22の機能が維持される。
【0074】
接続機構26と接続機構27とは、第1のケース31の上において、軸方向に互いに離れて設けられている。接続機構26は、小径部31aに設けられている。一方、接続機構27は、大径部31bに設けられている。これらの配置は、接続機構26と接続機構27との間における悪影響を抑制するために有効である。例えば、接続機構27における第1のケース31の変形に起因する接続機構26における係合の緩みが抑制される。例えば、第2のケース51が第1のケース31から脱落するほどの変形が大径部31bに生じても、段差部31cによって小径部31aにおける変形は抑制される。よって、接続機構26における係合の緩みが抑制される。
【0075】
(サブフロート弁のバッフル部材)
図2、
図3、
図6において、サブフロート弁23は、バッフル部材81を有する。バッフル部材81は、板状の部材である。可動弁体54の径方向外側に設けられている。バッフル部材81は、筒状の部材である。バッフル部材81は、可動弁体54の移動方向に沿って、すなわち給油制御弁3の軸方向に沿って延びている。バッフル部材81は、可動弁体54の外周面に沿って軸方向に延びている。バッフル部材81と可動弁体54との間には、薄い環状の内側通路82が区画され、形成されている。バッフル部材81は、第3のケース53に設けられている。
【0076】
バッフル部材81は、第2のケース51の内周面と可動弁体54の外周面との間に設けられている。バッフル部材81と第2のケース51との間に、開口部55および外側通路56が区画され、形成されている。バッフル部材81と可動弁体54との間の径方向の距離は、バッフル部材81と第2のケース51との間の径方向の距離より小さい。
【0077】
バッフル部材81は、可動弁体54の周方向に関して所定の周方向範囲にわたって延びている。バッフル部材81の周方向範囲は、外側通路56を流れる流体によって可動弁体54が持ち上げられないように設定されている。バッフル部材81の周方向範囲は、開口部55の範囲に対応して設定されることが望ましい。図示される例では、バッフル部材81は、可動弁体54の外周面を全周にわたって囲む円筒状の部材である。
【0078】
バッフル部材81は、給油制御弁3の軸方向に関して所定の高さを有する。バッフル部材81の高さは、外側通路56を流れる流体によって可動弁体54が持ち上げられないように設定されている。すなわち、バッフル部材81の高さは、開口部55の外から、開口部55を通って、さらに開口部55の中にまで延びている。バッフル部材81の高さは、可動弁体54が図示される開弁位置にあるときに、可動弁体54の径方向外側の円筒状の面を覆うように設定されている。言い換えると、バッフル部材81は、可動弁体54の外周面を軸方向に沿って覆うことができる。バッフル部材81は、可動弁体54が最も下の基底位置にあるときに、可動弁体54の外周面の半分以上を覆うことが望ましい。図示される例では、バッフル部材81は、可動弁体54が基底位置にあるときに、可動弁体54の外周面の全体を覆っている。
【0079】
開口部55および外側通路56は、内側通路82より明らかに大きい断面積を提供している。外側通路56には、開口部55から導入される気体と、液体の燃料とが流れる。内側通路82にも、気体と、液体燃料とが流れる。ただし、内側通路82における流量は、内側通路82の断面積および開口部57、58によって制限される。開口部57、58は、バッフル部材81の径方向内側の空洞における燃料の導入と、燃料の排出とを提供するために常時開口している。内側通路82における流量は、外側通路56における流量より少ない。よって、内側通路82には、可動弁体54を上方向へ移動させるほどの量の流体(気体および/または液体)が流れることはない。
【0080】
外側通路56には下から上へ向かう流れが生じる。外側通路56における流体の流れは、可動弁体54を上方向へ移動させるように可動弁体54に作用する。バッフル部材81がない場合、給油制御弁3を通して大量の流体が流れると、可動弁体54は、閉弁状態に到達する場合がある。例えば、燃料蒸気処理装置4を通して内燃機関の負圧が給油制御弁3に供給されるとき、外側通路56には、燃料タンク2内の空気と液体の燃料とが流れることがある。この場合、バッフル部材81は、外側通路56を流れる流体と、可動弁体54との直接的な接触を抑制する。これにより、外側通路56を流れ上がる流体によって、可動弁体54が持ち上げられ、サブフロート弁23が閉弁状態に到達することが阻止される。
【0081】
図示される形態では、外側通路56における流体の流れに起因する可動弁体54の移動が確実に抑制される。可動弁体54は、燃料の中において浮力を徐々に減少させる浮力減少機構を有する。よって、可動弁体54は、燃料の液面がバッフル部材81を越えるときに、バッフル部材81の中において、一旦は燃料に浮いた後に、燃料に沈む。よって、可動弁体54は、外側通路56における流体の流れの影響を受けることなく、液面の高さに忠実に応答することができる。
【0082】
(作動)
図1に戻り、給油制御弁3の作動を説明する。燃料タンク2内の燃料液面FLが十分に低いとき、給油装置5から燃料タンク2内に燃料が給油されると、燃料タンク2内の気体が給油制御弁3を経由して燃料蒸気処理装置4に向けて排出される。このとき、給油制御弁3のメインフロート弁21とサブフロート弁23とは開弁している。
【0083】
図2に図示されるように、流体(気体または液体)は、矢印UWで示されるように流れる。燃料液面FLが低いとき、気体が給油制御弁3を経由して排出されることにより、給油装置5への燃料の逆流は生じない。よって、給油装置5から燃料タンク2内への給油が進行し、液面が徐々に上昇する。
【0084】
図1に戻り、燃料の液面が給油制御弁3の下端に到達し、燃料が下端開口を覆うと、燃料は給油制御弁3の中を急速に上昇する。貫通穴33で給油制御弁3の内外が連通されるが、貫通穴33によってそこを通る空気量が制限されるから、燃料は給油制御弁3の中を急速に上昇する。
【0085】
やがて、可動弁体54は、給油制御弁3の中を上昇する燃料に浮く。可動弁体54は、シール部材66を第2の弁座52に押し付ける。よって、サブフロート弁23が開弁状態から閉弁状態に移行する。これにより、給油制御弁3を経由する気体の排出が遮断される。この結果、給油装置5から給油される燃料はフィラーパイプへ逆流する。給油装置5は、フィラーパイプに逆流した燃料を検出し、給油を自動的に停止する。この自動停止は、一回目の自動停止である。このような自動的な停止機能は、オートストップ機構として給油装置5に一般的に設けられている。
【0086】
給油の自動停止と並行して、第1の空気溜め61内に溜められた気体は、貫通穴63から徐々に排出される。貫通穴63は、給油制御弁3の中に向けて気体を排出する。第1の空気溜め61から気体が排出されると、第1の空気溜め61に燃料が導入される。この結果、第1の空気溜め61は徐々に浮力を失う。第2の空気溜め62は、それだけでは可動弁体54を第2の弁座52に押し付ける浮力を提供できない。よって、可動弁体54は、やがては沈み、サブフロート弁23は閉弁状態から開弁状態へと復帰する。なお、貫通穴33による通気によって、給油制御弁3内の燃料液面も低下する。よって、可動弁体54は、液面の低下によっても下降し、サブフロート弁23は閉弁状態から開弁状態へと復帰する。サブフロート弁23が開くと、給油装置5からの追加給油が可能となる。
【0087】
1回目の自動停止の後、給油装置5を操作する作業者は、少量ずつゆっくりと給油する少量給油を試みようとする。可動弁体54が燃料の中に沈んでいると、少量給油によって給油制御弁3の中を燃料液面がと上昇する。やがて、燃料は、インナカップ34の上端開口35に到達し、インナカップ34内の燃料溜めの中に流れ込む。燃料溜めに入った燃料は、フロート41に浮力を与えるから可動弁体39が燃料に浮き、上方向へ移動する。なお、作業者が急速給油を継続する場合も同様に可動弁体39が浮き、上方へ移動する。
【0088】
可動弁体39が燃料に浮き、上昇すると、シール部材44が第1の弁座32に押し付けられる。これによりメインフロート弁21が開弁状態から閉弁状態に移行する。これにより、給油制御弁3を経由する通気路が遮断される。この結果、給油装置5から給油される燃料はフィラーパイプへ逆流する。給油装置5は、フィラーパイプに逆流した燃料を検出し、給油を自動的に停止する。この自動停止は、2回目の自動停止である。
【0089】
可動弁体39は、作業者がさらなる給油を諦めるであろうと想定される所定時間以上にわたって、閉弁状態を維持する。よって、作業者は給油作業を終了する。第1のケース31内の燃料液面が低下しても、インナカップ34内に燃料が溜められるからである。
【0090】
貫通穴33は、給油制御弁3内に過剰に導入された燃料を排出し、給油制御弁3内の液面を下げるために空気を導入する。これにより、インナカップ34が提供する燃料溜めの外側の燃料液面は低下する。貫通穴36は、燃料溜めから燃料を徐々に排出する。さらに、車両が移動すると、ボール38が移動する。これにより、ボール38は、貫通穴37を開く。燃料溜め内の燃料は、貫通穴37からも排出される。この結果、可動弁体39は下方向に移動する。可動弁体39が下方向へ移動すると、まずパイロット弁45が開き、次にシール部材44が第1の弁座32から離れる。これにより、メインフロート弁21が閉弁状態から開弁状態に復帰する。この結果、燃料タンク2への再度の給油が可能となる。
【0091】
(第2実施形態)
この実施形態は、先行する実施形態を基礎的形態とする変形例である。上記実施形態では、半径R68は、半径R52より小さい。これに代えて、峰部68と第2の弁座52との相対的な位置関係は、多様に変更可能である。
【0092】
図7に図示されるように、この実施形態では、峰部268が第2部材65に設けられている。峰部268の半径R268は、第2の弁座52の半径R52より大きい。シール線S52は、シール線S68より径方向内側に位置している。この実施形態でも、峰部268によって、可動弁体54とシール部材66との間に、シール線が形成される。これにより、可動弁体54とシール部材66との間に高いシール性が実現される。
【0093】
(第3実施形態)
この実施形態は、先行する実施形態を基礎的形態とする変形例である。上記実施形態では、峰部68、268は、可動弁体54に設けられている。これに代えて、峰部は、シール部材66に設けられてもよい。
【0094】
図8に図示されるように、この実施形態では、峰部368がシール部材66に設けられている。峰部368は、環状の突部である。峰部368の半径R368は、第2の弁座52の半径R52より小さい。シール部材66は、その両面に、峰部368を有する。これにより、シール部材66は、裏返しでも利用可能である。
【0095】
この実施形態でも、峰部368によって、可動弁体54とシール部材66との間に、シール線が形成される。これにより、可動弁体54とシール部材66との間に高いシール性が実現される。
【0096】
(他の実施形態)
この明細書における開示は、例示された実施形態に制限されない。開示は、例示された実施形態と、それらに基づく当業者による変形態様を包含する。例えば、開示は、実施形態において示された部品および/または要素の組み合わせに限定されない。開示は、多様な組み合わせによって実施可能である。開示は、実施形態に追加可能な追加的な部分をもつことができる。開示は、実施形態の部品および/または要素が省略されたものを包含する。開示は、ひとつの実施形態と他の実施形態との間における部品および/または要素の置き換え、または組み合わせを包含する。開示される技術的範囲は、実施形態の記載に限定されない。開示されるいくつかの技術的範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味及び範囲内での全ての変更を含むものと解されるべきである。
【0097】
上記実施形態では、この明細書における開示は、給油制御弁3への適用によって説明されている。この明細書における開示は、給油制御弁3に限られることなく、燃料タンクのための多様な通気制御弁に適用することができる。例えば、開示は、メインフロート弁21とサブフロート弁23との一方だけを備える通気制御弁、または、燃料に浮かない可動弁体を用いる通気制御弁に適用することができる。また、開示は、燃料タンク2から離れて、燃料タンク2と燃料蒸気処理装置4との間に設置される通気制御弁に適用されてもよい。
【0098】
上記実施形態では、この明細書における開示は、給油制御弁3への適用によって説明されている。この明細書における開示は、給油制御弁3に限られることなく、燃料タンクのための多様な通気制御弁に適用することができる。例えば、開示は、メインフロート弁21とサブフロート弁23との一方だけを備える通気制御弁、または、燃料に浮かない可動弁体を用いる通気制御弁に適用することができる。開示は、ロールオーバーバルブ、またはカットバルブと呼ばれる通気制御弁に適用されてもよい。また、開示は、燃料タンク2から離れて、燃料タンク2と燃料蒸気処理装置4との間に設置される通気制御弁に適用されてもよい。
【0099】
上記実施形態では、1本の峰部68、268、368によってシール線が形成される。これに代えて、通気制御弁は、複数の峰部を備えていてもよい。例えば、可動弁体54は、峰部68と、峰部268との両方を備えていてもよい。また、図示されたひとつの峰部68に代えて、多重の峰部が設けられてもよい。さらに、峰部68、268、368は、平面から突出するほぼ三角形の突部に代えて、多様な形状によって提供することができる。例えば、峰部は、半円形の突部によって提供されてもよい。また、峰部は、環状の段差部の角によって提供されてもよい。
【0100】
上記実施形態では、シール部材66は、その内縁部66aにおいて可動弁体54に保持されている。これに代えて、シール部材66は、その外縁において可動弁体54に保持されてもよい。
【0101】
上記実施形態では、第1の接続機構26と第2の接続機構27とは、第1のケース31の内部に形成されている。これに代えて、第1の接続機構26と第2の接続機構27との一部が第1のケース31の外側に露出していてもよい。例えば、係合部34cが外部から見えるように第1のケース31に窓部が設けられていてもよい。また、第2の接続機構27は、第2のケース51から、第1のケース31の外周面に延び出すフック部と、第1のケース31の外周面に設けられた係合部とによって提供されてもよい。さらに、上記実施形態では、第3のケース53は、第2のケース51に接続されている。これに代えて、第3のケース53を第1のケース31に接続してもよい。
【0102】
上記実施形態では、第1の接続機構26と第2の接続機構27とは樹脂の弾性を利用したスナップフィットによって提供されている。これに代えて、接続機構は、多様な機械的接続機構によって提供可能である。例えば、接続機構は、接続されるべき2つの部材を相対的に回動させることによって互いに締め付ける機構によって提供されてもよい。また、接続機構は、接続されるべき2つの部材を連結する付加的な部材、例えばクリップ、スクリュー、カバーによって提供されてもよい。
【0103】
上記実施形態では、円筒状のバッフル部材81が採用される。これに代えて、部分円筒状のバッフル部材が採用されてもよい。例えば、開口部55に相当する範囲だけに円弧状のバッフル部材を設けてもよい。また、上記実施形態では、可動弁体54は、ガイド機構67によって案内される。これに代えて、または加えて、可動弁体54をバッフル部材81によって案内してもよい。