【文献】
井上 健語,ビジネス実践!Office for Androidタブレット活用術,日経BP社,2015年 4月20日,初版,pp.130-132,144-148
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面に基づき本発明を実現するにあたっての好適な一実施の形態の例を説明する。
図1は、本実施の形態の構成例についての概念的なモジュール構成図を示している。
なお、モジュールとは、一般的に論理的に分離可能なソフトウェア(コンピュータ・プログラム)、ハードウェア等の部品を指す。したがって、本実施の形態におけるモジュールはコンピュータ・プログラムにおけるモジュールのことだけでなく、ハードウェア構成におけるモジュールも指す。それゆえ、本実施の形態は、それらのモジュールとして機能させるためのコンピュータ・プログラム(コンピュータにそれぞれの手順を実行させるためのプログラム、コンピュータをそれぞれの手段として機能させるためのプログラム、コンピュータにそれぞれの機能を実現させるためのプログラム)、システム及び方法の説明をも兼ねている。ただし、説明の都合上、「記憶する」、「記憶させる」、これらと同等の文言を用いるが、これらの文言は、実施の形態がコンピュータ・プログラムの場合は、記憶装置に記憶させる、又は記憶装置に記憶させるように制御するという意味である。また、モジュールは機能に一対一に対応していてもよいが、実装においては、1モジュールを1プログラムで構成してもよいし、複数モジュールを1プログラムで構成してもよく、逆に1モジュールを複数プログラムで構成してもよい。また、複数モジュールは1コンピュータによって実行されてもよいし、分散又は並列環境におけるコンピュータによって1モジュールが複数コンピュータで実行されてもよい。なお、1つのモジュールに他のモジュールが含まれていてもよい。また、以下、「接続」とは物理的な接続の他、論理的な接続(データの授受、指示、データ間の参照関係等)の場合にも用いる。「予め定められた」とは、対象としている処理の前に定まっていることをいい、本実施の形態による処理が始まる前はもちろんのこと、本実施の形態による処理が始まった後であっても、対象としている処理の前であれば、そのときの状況・状態に応じて、又はそれまでの状況・状態に応じて定まることの意を含めて用いる。「予め定められた値」が複数ある場合は、それぞれ異なった値であってもよいし、2以上の値(もちろんのことながら、全ての値も含む)が同じであってもよい。また、「Aである場合、Bをする」という意味を有する記載は、「Aであるか否かを判断し、Aであると判断した場合はBをする」の意味で用いる。ただし、Aであるか否かの判断が不要である場合を除く。
また、システム又は装置とは、複数のコンピュータ、ハードウェア、装置等がネットワーク(一対一対応の通信接続を含む)等の通信手段で接続されて構成されるほか、1つのコンピュータ、ハードウェア、装置等によって実現される場合も含まれる。「装置」と「システム」とは、互いに同義の用語として用いる。もちろんのことながら、「システム」には、人為的な取り決めである社会的な「仕組み」(社会システム)にすぎないものは含まない。
また、各モジュールによる処理毎に又はモジュール内で複数の処理を行う場合はその処理毎に、対象となる情報を記憶装置から読み込み、その処理を行った後に、処理結果を記憶装置に書き出すものである。したがって、処理前の記憶装置からの読み込み、処理後の記憶装置への書き出しについては、説明を省略する場合がある。なお、ここでの記憶装置としては、ハードディスク、RAM(Random Access Memory)、外部記憶媒体、通信回線を介した記憶装置、CPU(Central Processing Unit)内のレジスタ等を含んでいてもよい。
【0020】
本実施の形態である情報処理装置100は、複数のセルを有する台紙の処理と付箋の処理を連携させるものであって、
図1の例に示すように、スプレッドシート受付モジュール105、付箋受付モジュール110、スプレッドシート表示モジュール115、付箋貼付位置特定モジュール120、スプレッドシート内セル特定モジュール125、レイヤ表示制御モジュール130、付箋表示モジュール135、抽出モジュール140、変換処理受付モジュール160、処理モジュール165、処理結果出力モジュール170を有している。なお、「複数のセルを有する台紙」は、付箋を貼り付ける背景となるものであって、例えば、行と列で構成される表、その表を構成として含む帳票又は文書等が含まれる。より具体的な形態として、表計算ソフトで用いられる、行と列で構成される表としてのスプレッドシート(以下、スプレッドシートを例示して説明する)がある。
【0021】
情報処理装置100は、付箋を用いて、議事進行役であるファシリテーター(一般的には一人)と複数人の参加者によって行われる会合(ワークショップ、会議、アイデア抽出会、検討会等)で利用される。参加者は参加者用端末としての端末装置(後述する付箋情報処理装置210)を用いて、アイデア等が記載された付箋を作成する。一般的に、
図3の例に示すように、付箋情報処理装置210として、付箋情報処理装置210A、付箋情報処理装置210B等(以下、代表して付箋情報処理装置210という)があり、付箋情報処理装置210は複数ある。そして、共有付箋情報処理装置200は、付箋情報処理装置210から付箋を受け取って、台紙上にその付箋を貼り付ける。ファシリテーターは共有付箋情報処理装置200の表示装置である共有画面を用いて、その台紙上で、付箋の位置を決定又は変更したり、付箋をまとめたり(第1の付箋と第2の付箋を関連付けること、グループ形成等ともいわれる)、自らも付箋情報の作成等を行って、その会合を進行させる。なお、本実施の形態において、参加者には、ファシリテーターを含む。
【0022】
付箋情報処理装置210は、例えば、タッチパネル方式の表示装置及び入力装置を有しており、参加者の指、ペン等を用いた操作を受け付けて、付箋情報の作成等が行われる。また、タッチパネル以外にも、キーボード、マウスを用いた入力、マイクを用いた音声入力、カメラを用いた画像入力等であってもよい。付箋は、カード型の情報を管理し得るデータ構造であればよく、その内容は、例えば、テキスト情報、手書き文字、図形等を示すベクトルデータ、音声情報、写真等の静止画像情報、動画情報等、又はこれらの組み合わせであってもよい。
共有付箋情報処理装置200は、付箋情報処理装置210から送信されてきた付箋を台紙上に貼り付けて表示し、その付箋に対する処理を行うものである。付箋に対する処理を指示する者として、ファシリテーター、共有付箋情報処理装置200の操作者がいる。
【0023】
共有付箋情報処理装置200、付箋情報処理装置210を用いた会合では、議論等のために、用意されたテンプレートやフレームワークに、テキストや数字等が記入された付箋を貼り付けて、文字情報や数情報を集計すること等が行われている。情報処理装置100は、この集計処理等を、スプレッドシートを用いて行うようにするものであり、そのスプレッドシートへの入力に付箋を用いることができるようにしたものである。いわば、スプレッドシートソフトウェアに対するFEP(Front End Processor)としての機能を有している。
【0024】
スプレッドシート受付モジュール105は、スプレッドシート表示モジュール115、スプレッドシート記憶装置190と接続されている。スプレッドシート受付モジュール105は、スプレッドシートを受け付ける。スプレッドシートは、後述するように行と列からなる表形式を有しているが、そのスプレッドシートを表示した場合、その表示形態は必ずしも表形式である必要はなく、例えば、帳票、文書等であってもよい。スプレッドシートは、この実施の形態では、付箋を貼り付ける台紙としての機能を有することになる。したがって、台紙の表示形態は、表の形態のようになる場合もあるし、帳票等のようになる場合もある。ここで、受け付けるとは、スプレッドシート記憶装置190のスプレッドシート記憶モジュール192に記憶されているスプレッドシートを読み出すことであってもよいし、操作者が表計算ソフトウェアを用いて作成したスプレッドシートを受け付けるようにしてもよい。前者は、予めスプレッドシートが作成されている場合であり、必ずしも付箋が貼り付けられることを想定して作成されたものである必要はない。もちろんのことながら、付箋が貼り付けられることを想定して作成されたものであってもよい。
【0025】
付箋受付モジュール110は、付箋貼付位置特定モジュール120、付箋情報記憶装置194と接続されている。付箋受付モジュール110は、付箋を受け付ける。ここで、受け付けるとは、付箋情報記憶装置194の付箋情報記憶モジュール196に記憶されている付箋を読み出すことであってもよいし、操作者が付箋情報処理装置210を用いて作成した付箋を受け付けるようにしてもよい。前者は、予め付箋が作成されている場合であり、必ずしもスプレッドシートに貼り付けられることを想定して作成されたものである必要はない。もちろんのことながら、スプレッドシートに貼り付けられることを想定して作成されたものであってもよい。
【0026】
付箋受付モジュール110が受け付ける付箋として、例えば、付箋情報テーブル1700がある。
図17は、付箋情報テーブル1700のデータ構造例を示す説明図である。付箋情報テーブル1700は、付箋ID欄1710、対象スプレッドシートID欄1715、貼付位置欄1720、サイズ欄1725、対応セル欄1730、作成日時欄1735、作成者欄1740、色欄1745、枠線形状欄1750、枠線色欄1755、枠線太さ欄1760、所属グループ欄1765、内容種別欄1770、内容欄1775を有している。付箋ID欄1710は、付箋を、本実施の形態において一意に識別するための情報(付箋ID:IDentification)を記憶している。対象スプレッドシートID欄1715は、その付箋が貼り付けられているスプレッドシートを、本実施の形態において一意に識別するための情報(対象スプレッドシートID)を記憶している。具体的には、スプレッドシート受付モジュール105が受け付けたスプレッドシートのIDである。貼付位置欄1720は、その付箋が貼り付けられている位置を記憶している。つまり、台紙上の位置を記憶している。例えば、台紙のXY座標系における座標である。具体的には、付箋貼付位置特定モジュール120によって特定された位置である。サイズ欄1725は、その付箋のサイズを記憶している。例えば、表示する付箋が矩形である場合は、幅と高さを記憶している。対応セル欄1730は、その付箋が貼り付けられている位置と対応するスプレッドシート内のセルを記憶している。具体的には、スプレッドシート内セル特定モジュール125によって特定されたセルの位置(例えば、行番号と列番号の組)を記憶している。作成日時欄1735は、その付箋が作成された日時(年、月、日、時、分、秒、秒以下、又はこれらの組み合わせであってもよい)を記憶している。作成者欄1740は、その付箋の作成者(作成者ID)を記憶している。又は、その付箋が作成された情報処理装置(共有付箋情報処理装置200又は付箋情報処理装置210の機器ID)を記憶してもよい。色欄1745は、その付箋の表示色を記憶している。枠線形状欄1750は、その付箋の表示における枠線の形状を記憶している。枠線色欄1755は、その付箋の表示における枠線の色を記憶している。枠線太さ欄1760は、その付箋の表示における枠線の太さを記憶している。所属グループ欄1765は、その付箋が所属しているグループに関する情報を記憶している。例えば、その付箋がグループに属しているか否かを示す情報を記憶していてもよいし、グループに属している場合は、グループIDやそのグループに属している他の付箋ID等を記憶していてもよい。内容種別欄1770は、その付箋の内容種別(テキスト情報、手書き文字又は図形等を示すベクトルデータ、音声情報、写真等の静止画像情報、動画情報等、又はこれらの組み合わせを示す情報)を記憶している。内容欄1775は、その付箋に書き込まれている内容を記憶している。
なお、付箋が台紙であるスプレッドシートに貼り付けられていない状態では、対象スプレッドシートID欄1715、貼付位置欄1720、対応セル欄1730等は空白(NULL)であってもよいし、予め定められた値(デフォルト値)としてもよい。
【0027】
スプレッドシート表示モジュール115は、スプレッドシート受付モジュール105、スプレッドシート内セル特定モジュール125、レイヤ表示制御モジュール130と接続されている。スプレッドシート表示モジュール115は、共有付箋情報処理装置200又は付箋情報処理装置210の液晶ディスプレイ等の表示装置に、スプレッドシート受付モジュール105が受け付けたスプレッドシートを表示する。
図4の例を用いて後述するように、この表示はレイヤ構造を有しており、レイヤ表示制御モジュール130の制御によって、指示されたレイヤに対してスプレッドシートの表示を行う。
付箋貼付位置特定モジュール120は、付箋受付モジュール110、スプレッドシート内セル特定モジュール125、付箋表示モジュール135と接続されている。付箋貼付位置特定モジュール120は、付箋受付モジュール110が受け付けた付箋を、台紙であるスプレッドシート上に貼り付ける。この貼り付け処理は、操作者による操作にしたがって指定された位置であってもよいし、予め定められた位置に貼り付けるようにしてもよい。そして、付箋貼付位置特定モジュール120は、スプレッドシート上に貼り付けられた付箋の位置を特定する。この特定する位置は、スプレッドシートの座標空間における位置であってもよいし、表示装置の画面における位置であってもよい。
【0028】
付箋表示モジュール135は、付箋貼付位置特定モジュール120、レイヤ表示制御モジュール130と接続されている。付箋表示モジュール135は、共有付箋情報処理装置200又は付箋情報処理装置210の液晶ディスプレイ等の表示装置に、付箋貼付位置特定モジュール120で特定された位置に付箋を表示する。
図4の例を用いて後述するように、この表示はレイヤ構造を有しており、レイヤ表示制御モジュール130の制御によって、指示されたレイヤに対して付箋の表示を行う。
レイヤ表示制御モジュール130は、スプレッドシート表示モジュール115、付箋表示モジュール135と接続されている。レイヤ表示制御モジュール130は、スプレッドシート表示モジュール115、付箋表示モジュール135を制御して、レイヤの表示を制御する。この制御によって、スプレッドシート上に付箋が貼り付けられているように表示する。具体的には、スプレッドシートを表示するレイヤと付箋を表示するレイヤとの位置調整を行う。そして、スプレッドシートを表示するレイヤと付箋を表示するレイヤとの位置関係(例えば、一方の座標空間における原点(0,0)が位置する他方の座標空間での座標等)を、スプレッドシート内セル特定モジュール125に渡す。
【0029】
スプレッドシート内セル特定モジュール125は、スプレッドシート表示モジュール115、付箋貼付位置特定モジュール120、抽出モジュール140と接続されている。スプレッドシート内セル特定モジュール125は、付箋貼付位置特定モジュール120によって特定された付箋の位置からスプレッドシート内のセルを特定する。つまり、付箋表示モジュール135によって表示された付箋の貼り付け位置が、スプレッドシート表示モジュール115によって表示されたスプレッドシートにおけるどのセルに対応するかを特定する。具体的には、スプレッドシート内の各セルの領域とレイヤ表示制御モジュール130から受け取った位置関係を用いて、付箋の貼り付け位置が、どのセルに重複しているかを判別すればよい。なお、1つの付箋が複数のセルに重複している場合は、例えば、付箋の左上角(又は中心等であってもよい)が位置しているセルを選択するようにしてもよいし、重複している面積が最大のセルを選択するようにしてもよい。
レイヤ表示制御モジュール130は、スプレッドシート表示モジュール115、付箋表示モジュール135と接続されている。レイヤ表示制御モジュール130は、一方のレイヤにスプレッドシートの表示を割り当て、他方のレイヤに付箋の表示を割り当てる。これによって、スプレッドシート表示モジュール115によるスプレッドシートの表示制御と、付箋表示モジュール135による付箋の表示制御は独立して行うことができる。そして、両レイヤの位置関係を管理して、スプレッドシート上に付箋を貼り付けているように表示させる。
【0030】
抽出モジュール140は、付箋情報抽出モジュール145、スプレッドシート内適用処理抽出モジュール150、変換処理抽出モジュール155を有しており、スプレッドシート内セル特定モジュール125、処理モジュール165と接続されている。抽出モジュール140は、付箋内の情報、その情報に対する適用処理を定義した規則を抽出し、それらを処理モジュール165に渡す。
付箋情報抽出モジュール145は、スプレッドシート内適用処理抽出モジュール150又は変換処理抽出モジュール155が抽出した規則にしたがって、対象としている付箋から情報を抽出する。具体的には、規則内に定義されている対象とする情報を、スプレッドシート作成画面700から抽出する。
【0031】
スプレッドシート内適用処理抽出モジュール150は、付箋が貼り付けられたセルに関連する規則(適用処理)を抽出する。スプレッドシート内適用処理抽出モジュール150は、セルに関連する規則を、スプレッドシート内に定義されている規則から抽出する。規則には、「付箋から情報を抽出し、その情報を処理すること」が定義されている。つまり、(1)付箋のどのような情報を対象とするか、(2)その情報に対する処理内容、が定義されている。
変換処理受付モジュール160は、抽出モジュール140の変換処理抽出モジュール155と接続されている。変換処理受付モジュール160は、スプレッドシート表示モジュール115によって表示されたスプレッドシート上で定義された規則を受け付ける。付箋を貼り付ける作業において、操作者の操作に応じて、規則が入力されるものである。この規則は、位置に対応したものであり、例えば、後述する
図13の例に示すように、領域が指定され、その領域内に貼り付けられた付箋に対して行われる処理を定義したものである。
変換処理抽出モジュール155は、変換処理受付モジュール160と接続されている。変換処理抽出モジュール155は、付箋が貼り付けられた位置に関連する規則(適用処理)を抽出する。具体的には、変換処理抽出モジュール155は、その位置に関連する規則を、変換処理受付モジュール160によって受け付けられた規則から抽出する。規則には、「付箋から情報を抽出し、その情報を処理すること」が定義されている。つまり、(1)付箋のどのような情報を対象とするか、(2)その情報に対する処理内容、が定義されている。
【0032】
処理モジュール165は、抽出モジュール140、処理結果出力モジュール170と接続されている。処理モジュール165は、スプレッドシート内適用処理抽出モジュール150が抽出した規則にしたがって、対象としている付箋から抽出した情報の処理を行う。例えば、複数の付箋内の情報を対象とした統計処理(例えば、平均値、最大値、最小値、中央値、最頻値、合計値等の算出)等がある。
また、処理モジュール165は、スプレッドシート内適用処理抽出モジュール150がセルに関連する規則を抽出し、さらに変換処理抽出モジュール155が位置に関連する規則を抽出した場合(つまり、1つの付箋に対して複数の規則が抽出された場合)は、その位置に関連する規則を優先して適用するようにしてもよい。ここで「優先して」とは、(1)位置に関連する規則を適用し、セルに関連する規則を適用しないこと、(2)位置に関連する規則を適用した後に、セルに関連する規則を適用すること、のいずれか一方を適用することである。
処理結果出力モジュール170は、処理モジュール165と接続されている。処理結果出力モジュール170は、処理モジュール165による処理結果を、対象としているスプレッドシート上に出力する。
また、処理結果出力モジュール170は、処理モジュール165による処理結果を内容とする付箋を生成し、その付箋を、対象としているスプレッドシート上に出力するようにしてもよい。
【0033】
スプレッドシート記憶装置190は、スプレッドシート記憶モジュール192を有しており、情報処理装置100のスプレッドシート受付モジュール105と接続されている。スプレッドシート記憶装置190は、スプレッドシート記憶モジュール192内のスプレッドシートを管理する。スプレッドシート記憶モジュール192内には、予め作成されたスプレッドシートが記憶されている。
付箋情報記憶装置194は、付箋情報記憶モジュール196を有しており、情報処理装置100の付箋受付モジュール110と接続されている。付箋情報記憶装置194は、付箋情報記憶モジュール196内の付箋を管理する。付箋情報記憶モジュール196内には、予め作成された付箋が記憶されている。
【0034】
図2は、本実施の形態を利用したシステム構成例を示す説明図である。共有付箋情報処理装置200は、一般的に大画面の表示装置を備えており、ファシリテーターによって操作される。この表示装置は、参加者全員が見ることができるものである。各付箋情報処理装置210は、会合における参加者によって操作され、一般的には、各参加者が1台ずつ所持している。例えば、付箋情報処理装置210として、タブレット型端末等が使用される。
図2(a1)の例では、共有付箋情報処理装置200が、情報処理装置100を有している。そして、共有付箋情報処理装置200、付箋情報処理装置210A、付箋情報処理装置210B、付箋情報処理装置210C、付箋情報処理装置210D、付箋情報処理装置210Eは、通信回線299を介してそれぞれ接続されている。通信回線299は、無線、有線、これらの組み合わせであってもよく、例えば、通信インフラとしてのインターネット、イントラネット等であってもよい。この場合、情報処理装置100は、共有付箋情報処理装置200の画面に表示されるスプレッドシート、付箋に対する処理を行う。そして、共有付箋情報処理装置200の画面の表示を、各付箋情報処理装置210に送信し、各付箋情報処理装置210でそれを表示する。
【0035】
図2(a2)の例では、情報処理装置100、共有付箋情報処理装置200、付箋情報処理装置210A、付箋情報処理装置210B、付箋情報処理装置210C、付箋情報処理装置210D、付箋情報処理装置210Eは、通信回線299を介してそれぞれ接続されている。この場合、共有付箋情報処理装置200、各付箋情報処理装置210が、通信回線299を介して、情報処理装置100を利用する。また、情報処理装置100による機能は、クラウドサービスとして実現してもよい。
図2(a3)の例では、共有付箋情報処理装置200と各付箋情報処理装置210が、情報処理装置100を有している。共有付箋情報処理装置200、付箋情報処理装置210A、付箋情報処理装置210B、付箋情報処理装置210C、付箋情報処理装置210D、付箋情報処理装置210Eは、通信回線299を介してそれぞれ接続されている。この場合、各情報処理装置100が、それぞれの付箋情報処理装置(共有付箋情報処理装置200、各付箋情報処理装置210)の画面に表示されるスプレッドシート、付箋に対する処理を行う。
【0036】
図2(b)の例では、会議室280には、共有付箋情報処理装置200、付箋情報処理装置210A、付箋情報処理装置210B、付箋情報処理装置210Cが設置されており、会合が行われる。共有付箋情報処理装置200、付箋情報処理装置210A、付箋情報処理装置210B、付箋情報処理装置210Cは、通信回線299を介してそれぞれ接続されている。
そして、情報処理装置100、スプレッドシート記憶装置190、付箋情報記憶装置194、会議室280内の機器は、通信回線298を介してそれぞれ接続されている。通信回線298は、無線、有線、これらの組み合わせであってもよく、例えば、通信インフラとしてのインターネット、イントラネット等であってもよい。また、情報処理装置100、スプレッドシート記憶装置190、付箋情報記憶装置194による機能は、クラウドサービスとして実現してもよい。この場合、共有付箋情報処理装置200が情報処理装置100を利用して、共有付箋情報処理装置200の画面の表示を、各付箋情報処理装置210に送信し、各付箋情報処理装置210でそれを表示するようにしてもよい。また、共有付箋情報処理装置200、各付箋情報処理装置210のそれぞれが、情報処理装置100を利用するようにしてもよい。
【0037】
図3は、本実施の形態が使用される会議室等の例、共有付箋情報処理装置200、付箋情報処理装置210の使用例を示す説明図である。
図3(a)の例に示すように、会議室等内に、参加者311、312、ファシリテーター321が集まっている。参加者311は付箋情報処理装置210Aを利用し、参加者312は付箋情報処理装置210Bを利用する。一般的に、端末装置(付箋情報処理装置210A等)は参加者一人に1個付与されており、
図3(c)の例に示す付箋情報処理装置210のように、ノート程度の大きさ(例えば、A4、B5、7〜10インチ等)のタブレット型の端末であり、指又はペン等を用いて操作されるものである。参加者によって、テキストデータ、手書きの文字、図形等が記載された付箋情報が作成される。なお、端末装置は、タブレット型の端末に限られず、キーボード、マウス等を備えたPC(ノートPCを含む)等であってもよい。
図3(a)の例に示す共有付箋情報処理装置200xは、プロジェクターであって、台紙を表示する。また、共有付箋情報処理装置200yは、電子白板であって、ファシリテーター321の指又はペン等の動きを検知して、付箋を台紙(スプレッドシート)に貼り付けること、付箋の移動、付箋の関連付け(グループ化)を行うこと、規則の作成等の操作を受け付けるものである。例えば、共有付箋情報処理装置200yにペンが備えられており、そのペンが予め定められたペン置きから離れたこと(ファシリテーター321が操作するためにペンを持ち上げたこと)、そしてペンの先端の位置(ペン先端が共有付箋情報処理装置200yに触れたこと等)を検知することによって、台紙、付箋に対する操作を受け付ける。例えば、ペン置きにセンサー(ペンの重力でスイッチがオンオフとなるセンサー等)を設け、複数のペン(黒色のペン、赤色のペン、青色のペン等)のうち、どのペンが用いられているかを検知すればよい。また、共有付箋情報処理装置200yの表示画面全体がタッチセンサーであり、表示画面に触れられた位置、圧力を検知すればよい。
また、共有付箋情報処理装置200は、
図3(b)の例に示すような電子ボードであってもよい。電子ボードは、一般的に大画面の表示装置(少なくとも、付箋情報処理装置210の表示装置よりも大きい)を有しており、その表示装置はタッチパネルであり、表示画面に触れられた位置、圧力を検知する。例えば、画面として、80インチ等の大きさを備えたものであってもよい。
【0038】
図4は、レイヤ表示制御モジュール130による表示制御の処理例を示す説明図である。
図4(a)の例に示すように、レイヤ表示制御モジュール130は、2つのレイヤを作成する。一方はスプレッドシート(台紙)を表示するための背景レイヤ410であり、他方は付箋を表示するための付箋レイヤ420である。スプレッドシート表示モジュール115による表示先は背景レイヤ410であり、付箋表示モジュール135による表示先は付箋レイヤ420である。そして、一般に、背景レイヤ410を下位のレイヤとし、付箋レイヤ420を上位のレイヤとし、操作者による操作は付箋レイヤ420に表示されているオブジェクト(付箋)に対する操作として受け付ける。もちろんのことながら、背景レイヤ410に表示されているオブジェクト(スプレッドシート)に対する操作を受け付けるためのモードを用意しておいてもよい。
図4(b)の例に示すように、画面400には、スプレッドシート415の上に付箋422〜436を重ねて表示している。つまり、スプレッドシート表示モジュール115は背景レイヤ410にスプレッドシート415を表示し、付箋表示モジュール135は付箋レイヤ420に付箋422〜436を表示し、レイヤ表示制御モジュール130は背景レイヤ410に付箋レイヤ420を重ねて、画面400に表示している。
【0039】
図5は、スプレッドシート処理モジュール510、中間層処理モジュール520、付箋処理モジュール530の関連例を示す説明図である。スプレッドシート処理モジュール510はスプレッドシートの作成等を行うモジュールであり、付箋処理モジュール530は付箋の作成、表示等を行うモジュールであり、いずれも既存のソフトウェアを用いてよい。中間層処理モジュール520は情報処理装置100に該当する。そして、スプレッドシート処理モジュール510と付箋処理モジュール530との間のデータのやり取りを中間層処理モジュール520が担う。いわば、スプレッドシート処理モジュール510のFEPとして、そして付箋処理モジュール530のバックエンドプロセッサー(back end processor)として、中間層処理モジュール520が働くことになる。具体的には、スプレッドシート処理モジュール510のスプレッドシート内のセルへの入力は、付箋処理モジュール530での付箋の貼り付けに該当するようになる。
図5(a)に示す例は、スプレッドシート処理モジュール510、中間層処理モジュール520、付箋処理モジュール530をそれぞれ独立して構成させたものである。
図5(b)に示す例は、付箋処理拡張モジュール540が中間層処理モジュール520、付箋処理モジュール530を有しており、中間層処理モジュール520と付箋処理モジュール530を一体として構成したものである。付箋処理拡張モジュール540全体が、スプレッドシート処理モジュール510のFEPとしての機能を有することになる。
図5(c)に示す例は、スプレッドシート処理拡張モジュール550がスプレッドシート処理モジュール510、中間層処理モジュール520を有しており、スプレッドシート処理モジュール510と中間層処理モジュール520を一体として構成したものである。スプレッドシート処理拡張モジュール550全体が、付箋処理モジュール530のバックエンドプロセッサーとしての機能を有することになる。
図5(d)に示す例は、スプレッドシート付箋処理モジュール560がスプレッドシート処理モジュール510、中間層処理モジュール520、付箋処理モジュール530を有しており、スプレッドシート処理モジュール510、中間層処理モジュール520、付箋処理モジュール530を一体として構成したものである。
【0040】
図6は、本実施の形態による処理例を示すフローチャートである。
ステップS602では、スプレッドシート受付モジュール105は、スプレッドシートを受け付ける。
ステップS604では、スプレッドシート表示モジュール115は、スプレッドシートを表示する。
ステップS606では、付箋受付モジュール110は、付箋情報を受け付ける。
ステップS608では、付箋貼付位置特定モジュール120は、付箋の位置を特定する。
ステップS610では、付箋表示モジュール135は、付箋を表示する。
ステップS612では、スプレッドシート内セル特定モジュール125は、付箋が占める位置に対応するスプレッドシート内のセルを特定する。
ステップS614では、スプレッドシート内適用処理抽出モジュール150は、そのセルに対応する適用処理をスプレッドシートから抽出する。
ステップS616では、付箋情報抽出モジュール145は、その適用処理に必要な情報を付箋情報から抽出する。
ステップS618では、処理モジュール165は、適用処理を実行する。具体的には、ステップS616で抽出した情報に対して、ステップS614で抽出した適用処理を実行する。
ステップS620では、処理結果出力モジュール170は、実行結果を出力する。
【0041】
図7は、本実施の形態による処理例を示す説明図である。
図7(a)の例に示すスプレッドシート作成画面700では、スプレッドシート710を作成する。スプレッドシート作成画面700は、スプレッドシート710を作成するためのパスワード等の画面であり、表計算ソフトウェア(又はクラウドサービスが提供する表計算サービス)によって、スプレッドシート710が作成される。例えば、スプレッドシート710として、セルに入力された値を用いて計算を行うためのテンプレートを作成する。なお、スプレッドシート作成画面700は、一般的には、共有付箋情報処理装置200、付箋情報処理装置210以外のパーソナルコンピュータ等の画面であり、そのパーソナルコンピュータ等によってスプレッドシート710は作成される。ただし、スプレッドシート710は、共有付箋情報処理装置200、付箋情報処理装置210で作成されてもよい。
作成されたスプレッドシート710は、スプレッドシート記憶モジュール192に記憶され、スプレッドシート受付モジュール105によって取り出される。
【0042】
図7(b)の例に示す付箋表示画面720では、スプレッドシート表示モジュール115がスプレッドシート710を表示する。付箋表示画面720は、共有付箋情報処理装置200又は付箋情報処理装置210の表示画面である。例えば、スプレッドシート710のURL(Uniform Resource Locator)を指定して、付箋を貼り付けることのできるサービスを起動する。
図7(c)の例に示す付箋表示画面720では、操作者による操作によって付箋722等がスプレッドシート710に貼り付けられる。つまり、セル又は領域に付箋が貼り付けられる。
図7(d)の例に示す付箋表示画面720では、情報処理装置100の処理によって、合計付箋752、合計付箋754が作成され、規則が記載されているセルに対応する位置に表示されている。なお、合計付箋752は、スプレッドシート710の2列目に記載されているセルを計数する規則にしたがった結果であり、合計付箋754は、スプレッドシート710の3列目のセル内の数を集計する規則にしたがった結果である。
【0043】
図8は、スプレッドシート内で定義された規則の例を示す説明図である。
スプレッドシート710は、日時列812、会社名列814、個数列816、単価列818、品名列820、アドレス列822を有しており、最下行に合計行830を有している。
セル832には、会社名列814内のセル((2,2)、(2,3)、(2,4)、(2,5))に対して、「=count」の適用処理(対象セルにおいて、記載があるセルの計数処理)が定義されている。
セル834には、個数列816内のセル((3,2)、(3,3)、(3,4)、(3,5))に対して、「=sum」の適用処理(対象セル内の数値の集計処理)が定義されている。
セル836には、単価列818内のセル((4,2)、(4,3)、(4,4)、(4,5))に対して、「=average」の適用処理(対象セル内の数値の平均処理)が定義されている。
セル838には、品名列820内のセル((5,2)、(5,3)、(5,4)、(5,5))に対して、「=concatenate」の適用処理(対象セル内の文字列の連結処理)が定義されている。
セル840には、アドレス列822内のセル((6,2)、(6,3)、(6,4)、(6,5))に対して、「=send−email」の適用処理(対象セル内の文字列をメールアドレスとして扱い、そのメールアドレスにメールを送信する処理)が定義されている。
これらの定義は、スプレッドシート710内で定義されており、既存の表計算ソフトウェアによって定義される。
【0044】
図9は、スプレッドシート710に付箋(付箋912〜938)を貼り付けた例を示す説明図である。
例えば、セル(2,2)、(2,3)に付箋920、付箋922が貼り付けられたので、セル832の定義が実行されることとなる。実行結果は、
図10の例を用いて説明する。
なお、付箋を現在の位置(セル)から他の位置(セル)に移動すると、現位置のセルに消え去ることを示す情報(ポストプロセス)が入力され、新位置のセルにその付箋内の情報が入力される。
【0045】
図10は、処理結果を表示した例を示す説明図である。
セル832には、定義「=count」にしたがって「2」を表示する。セル(2,2)、(2,3)に付箋920、付箋922が貼り付けられたので、これらの数をカウントした結果である。
セル834には、定義「=sum」にしたがって「40」を表示する。セル(3,2)、(3,4)に付箋924、付箋926が貼り付けられたので、記載されている数値「10」、「30」を合計した結果である。
セル836には、定義「=average」にしたがって「200」を表示する。セル(4,3)、(4,5)に付箋928、付箋930が貼り付けられたので、記載されている数値「100」、「300」の平均値を算出した結果である。
セル838には、定義「=concatenate」にしたがって「ミカン,リンゴ,バナナ」を表示する。セル(5,2)、(5,3)、(5,5)に付箋932、付箋934、付箋936が貼り付けられたので、記載されている数値「ミカン」、「リンゴ」、「バナナ」の文字列を連結した結果である。
また、セル840の定義「=send−email」にしたがって、付箋938内の文字列である「a@b.c.def」宛てに電子メールを送信する。
【0046】
図11は、本実施の形態による処理例を示すフローチャートである。セルに関連する規則(適用処理、スプレッドシート内の定義)の他に、位置に関連する規則(
図11のフローチャート内では変換処理)が定義された場合の処理例を示している。
図6の例に示すフローチャートに対して、ステップS1106、S1116、S1118、S1120の処理が追加されている。
ステップS1102では、スプレッドシート受付モジュール105は、スプレッドシートを受け付ける。
ステップS1104では、スプレッドシート表示モジュール115は、スプレッドシートを表示する。
ステップS1106では、変換処理受付モジュール160は、符号情報の変換処理の定義をセルに対応させて受け付ける。
ステップS1108では、付箋受付モジュール110は、付箋情報を受け付ける。
ステップS1110では、付箋貼付位置特定モジュール120は、付箋の位置を特定する。
ステップS1112では、付箋表示モジュール135は、付箋を表示する。
【0047】
ステップS1114では、スプレッドシート内セル特定モジュール125は、付箋が占める位置に対応するスプレッドシート内のセルを特定する。
ステップS1116では、変換処理抽出モジュール155は、そのセルに対応する変換処理を抽出する。
ステップS1118では、変換処理抽出モジュール155は、その変換処理に必要な情報を付箋情報から抽出する。
ステップS1120では、変換処理を実行する。
ステップS1122では、スプレッドシート内適用処理抽出モジュール150は、そのセルに対応する適用処理をスプレッドシートから抽出する。
ステップS1124では、付箋情報抽出モジュール145は、その適用処理に必要な情報を付箋情報又は変換処理結果から抽出する。
ステップS1126では、処理モジュール165は、適用処理を実行する。
ステップS1128では、処理結果出力モジュール170は、実行結果を出力する。
なお、同じセルに対して、変換処理、適用処理が抽出された場合は、ステップS1122〜S1126の処理を行わないようにしてもよい。
【0048】
図12は、本実施の形態による処理例(
図11の例に示したフローチャートによる処理例)を示す説明図である。
図12(a)〜(c)に示す例は、
図7(a)〜(c)に示す例と同等である。
図12(d)の例に示す付箋表示画面720では、
図12(c)の例に示す付箋表示画面720の状態から、操作者による操作によって定義領域1210が指定され、定義領域1210内のセルに対する変換処理が定義される。
図12の例では、「定義領域1210内の付箋の集計値を算出し、定義領域1210の下のセルに入力する」という変換処理が定義されている。
図12(e)に示す付箋表示画面720では、情報処理装置100の処理によって、合計付箋752、合計付箋1254が作成され、規則が記載されているセルに対応する位置に表示されている。なお、合計付箋752は、
図7の例と同様に、スプレッドシート710の2列目に記載されているセルを計数する規則にしたがった結果であり、合計付箋1254は、スプレッドシート710の3列目のセル内の数を集計する規則にしたがった結果である。
【0049】
図13は、処理結果を表示した例を示す説明図である。
定義領域1310は、操作者の操作によって生成される。ただし、スプレッドシート710内のセルに合わせて領域を指定できるようにしてもよい。具体的には、領域の指定は、セルの境界に沿って行わせるようにしてもよい。これによって、セルの途中を横切るような領域の設定操作があったとしても、セルと対応させた領域を設定することができるようになる。
また、定義領域1310に定義することによって、例えば、
図8に示したセル834に定義した適用処理がない場合であっても、スプレッドシートで定義を追加することなしに(つまり、スプレッドシートを表示し、修正する操作なしに)、付箋表示画面上で定義することができる。
定義領域1310には、「定義領域1310内の付箋の集計値を算出し、定義領域1310の下のセルに入力する」という変換処理が定義されている。その結果、セル834には、「40」と表示する。その他のセル832等は、
図10の例と同等である。
【0050】
図14は、1セル内に複数の付箋が貼り付けられた場合の例を示す説明図である。セル(3,2)には、付箋924と付箋1412の2つの付箋が貼り付けられ、セル(4,3)には、付箋928と付箋1414の2つの付箋が貼り付けられている。なお、複数の付箋は重複して貼り付けられていてもよい。
このように1セル内に複数の付箋が貼り付けられていることを検知した場合は、これらの付箋内の情報に対して予め定められた処理を行って、そのセルに入力する。ここで「予め定められた処理」として、例えば、付箋内の記載内容が数値である場合は加算処理、付箋内の記載内容がテキストである場合は連結処理等としてもよい。この「予め定められた処理」にしたがって、セル(3,2)には「30」が入力され、セル(4,3)には「300」が入力される。なお、セル834は集計処理の結果であるので、(「10」+「20」)+「30」の処理を行えばよい。また、セル836は平均値の算出であり、セル数は2であるので、((「100」+「200」)+「300」)/2の処理を行えばよい。
【0051】
図15は、1セル内に複数の付箋が貼り付けられた場合の例を示す説明図である。付箋内の記載内容がテキストである場合の例を示している。
付箋内の記載内容がテキストである場合、例えば、連結処理を行うが、どのような順番で行うかは、セル内の付箋の位置で決定するようにしてもよいし、付箋を貼り付けた順番で決定するようにしてもよい。具体的には、セル内の付箋の位置で決定する処理として、付箋の貼り付け位置において、左から順番に連結するようにしてもよい。
図15(a)の例の場合、テキスト列「abc」と記載された付箋1512aが左にあり、テキスト列「de」と記載された付箋1514aが右にあるので、セル1500aに文字列「abcde」を入力する。
図15(b)の例の場合、テキスト列「de」と記載された付箋1514bが左にあり、テキスト列「abc」と記載された付箋1512bが右にあるので、セル1500bに文字列「deabc」を入力する。また、付箋を貼り付けた順番で決定する処理として、付箋を貼り付けた日時が早いものから順番に連結するようにしてもよい。
【0052】
図16は、1セル内に複数の付箋が貼り付けられた場合の例を示す説明図である。付箋内の記載内容が数値である場合の例を示している。
図14の例では、1セル内に複数のセルがある場合は、数値を加算する例を示したが、セル内の付箋の位置関係によって処理を異ならせてもよい。具体的には、付箋が横に並んでいる場合は加算処理、縦に並んでいる場合は除算処理としてもよい。除算処理の場合は、上にある付箋を分子、下にある付箋を分母として(分数と同様の位置関係)、除算処理の対象とする。例えば、
図16(a)の場合、数値「10」と記載された付箋1612aと数値「5」と記載された付箋1614aは横に並んでいるので、加算処理を適用して、セル1600aに数値「15(10+5)」を入力する。
図16(b)の場合、数値「10」と記載された付箋1612bと数値「5」と記載された付箋1614bは縦に並んでいるので、除算処理を適用して、セル1600bに数値「2(10/5)」を入力する。
図16(c)の場合、数値「5」と記載された付箋1614cと数値「10」と記載された付箋1612cは縦に並んでいるので、除算処理を適用して、セル1600cに数値「0.5(5/10)」を入力する。
連結処理、加算処理、除算処理を例として示したが、他の処理(減算処理、乗算処理、平均値処理、CSV(Comma−Separated Values)化処理、配列化処理、付箋のグループ形成処理等)であってもよい。これら(処理内容、付箋の位置関係又は貼り付け順序)は、デフォルトとして定義されていてもよいし、
図13の例で示した定義領域1310内に定義するようにしてもよい。
【0053】
なお、本実施の形態としてのプログラムが実行されるコンピュータのハードウェア構成は、
図18に例示するように、一般的なコンピュータであり、具体的にはパーソナルコンピュータ、サーバーとなり得るコンピュータ等である。つまり、具体例として、処理部(演算部)としてCPU1801を用い、記憶装置としてRAM1802、ROM1803、HD1804を用いている。HD1804として、例えばハードディスク、SSD(Solid State Drive)を用いてもよい。スプレッドシート受付モジュール105、付箋受付モジュール110、スプレッドシート表示モジュール115、付箋貼付位置特定モジュール120、スプレッドシート内セル特定モジュール125、レイヤ表示制御モジュール130、付箋表示モジュール135、抽出モジュール140、付箋情報抽出モジュール145、スプレッドシート内適用処理抽出モジュール150、変換処理抽出モジュール155、変換処理受付モジュール160、処理モジュール165、処理結果出力モジュール170等のプログラムを実行するCPU1801と、そのプログラムやデータを記憶するRAM1802と、本コンピュータを起動するためのプログラム等が格納されているROM1803と、補助記憶装置(フラッシュメモリ等であってもよい)であるHD1804と、キーボード、マウス、タッチパネル、マイク等に対する利用者の操作に基づいてデータを受け付ける受付装置1806と、CRT、液晶ディスプレイ、スピーカー等の出力装置1805と、ネットワークインタフェースカード等の通信ネットワークと接続するための通信回線インタフェース1807、そして、それらをつないでデータのやり取りをするためのバス1808により構成されている。これらのコンピュータが複数台互いにネットワークによって接続されていてもよい。
【0054】
前述の実施の形態のうち、コンピュータ・プログラムによるものについては、本ハードウェア構成のシステムにソフトウェアであるコンピュータ・プログラムを読み込ませ、ソフトウェアとハードウェア資源とが協働して、前述の実施の形態が実現される。
なお、
図18に示すハードウェア構成は、1つの構成例を示すものであり、本実施の形態は、
図18に示す構成に限らず、本実施の形態において説明したモジュールを実行可能な構成であればよい。例えば、一部のモジュールを専用のハードウェア(例えば特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)等)で構成してもよく、一部のモジュールは外部のシステム内にあり通信回線で接続しているような形態でもよく、さらに
図18に示すシステムが複数互いに通信回線によって接続されていて互いに協調動作するようにしてもよい。また、特に、パーソナルコンピュータの他、携帯情報通信機器(携帯電話、スマートフォン、モバイル機器、ウェアラブルコンピュータ等を含む)、情報家電、ロボット、複写機、ファックス、スキャナ、プリンタ、複合機(スキャナ、プリンタ、複写機、ファックス等のいずれか2つ以上の機能を有している画像処理装置)などに組み込まれていてもよい。
【0055】
なお、説明したプログラムについては、記録媒体に格納して提供してもよく、また、そのプログラムを通信手段によって提供してもよい。その場合、例えば、前記説明したプログラムについて、「プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体」の発明として捉えてもよい。
「プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、プログラムのインストール、実行、プログラムの流通等のために用いられる、プログラムが記録されたコンピュータで読み取り可能な記録媒体をいう。
なお、記録媒体としては、例えば、デジタル・バーサタイル・ディスク(DVD)であって、DVDフォーラムで策定された規格である「DVD−R、DVD−RW、DVD−RAM等」、DVD+RWで策定された規格である「DVD+R、DVD+RW等」、コンパクトディスク(CD)であって、読出し専用メモリ(CD−ROM)、CDレコーダブル(CD−R)、CDリライタブル(CD−RW)等、ブルーレイ・ディスク(Blu−ray(登録商標) Disc)、光磁気ディスク(MO)、フレキシブルディスク(FD)、磁気テープ、ハードディスク、読出し専用メモリ(ROM)、電気的消去及び書換可能な読出し専用メモリ(EEPROM(登録商標))、フラッシュ・メモリ、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、SD(Secure Digital)メモリーカード等が含まれる。
そして、前記のプログラム又はその一部は、前記記録媒体に記録して保存や流通等させてもよい。また、通信によって、例えば、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)、メトロポリタン・エリア・ネットワーク(MAN)、ワイド・エリア・ネットワーク(WAN)、インターネット、イントラネット、エクストラネット等に用いられる有線ネットワーク、又は無線通信ネットワーク、さらにこれらの組み合わせ等の伝送媒体を用いて伝送させてもよく、また、搬送波に乗せて搬送させてもよい。
さらに、前記のプログラムは、他のプログラムの一部分であってもよく、又は別個のプログラムと共に記録媒体に記録されていてもよい。また、複数の記録媒体に分割して記録されていてもよい。また、圧縮や暗号化等、復元可能であればどのような態様で記録されていてもよい。