特許第6578906号(P6578906)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6578906ガラス材の製造方法及びガラス材の製造装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6578906
(24)【登録日】2019年9月6日
(45)【発行日】2019年9月25日
(54)【発明の名称】ガラス材の製造方法及びガラス材の製造装置
(51)【国際特許分類】
   C03B 19/10 20060101AFI20190912BHJP
【FI】
   C03B19/10 D
【請求項の数】5
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2015-229587(P2015-229587)
(22)【出願日】2015年11月25日
(65)【公開番号】特開2017-95308(P2017-95308A)
(43)【公開日】2017年6月1日
【審査請求日】2018年5月31日
(73)【特許権者】
【識別番号】000232243
【氏名又は名称】日本電気硝子株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001232
【氏名又は名称】特許業務法人 宮▲崎▼・目次特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 太志
(72)【発明者】
【氏名】小谷 修
【審査官】 永田 史泰
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−129059(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C03B7/00−7/22
C03B11/00
C03B19/00−19/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガラス原料塊を略垂直方向に浮遊させた状態で、加熱溶融した後に冷却してガラス材を製造する方法であって、
前記ガラス原料塊を浮遊させて溶融した状態において前記ガラス原料塊の溶融物の略水平方向の外側周縁部近傍に位置する複数の第1のガス噴出孔と、前記外側周縁部近傍より内側に位置する複数の第2のガス噴出孔とが形成された成形部材を準備する工程と、
前記ガラス原料塊を前記成形部材の上に配置する工程と、
前記第1のガス噴出孔及び前記第2のガス噴出孔からガスを噴出することにより、前記ガラス原料塊を浮遊させた状態で加熱溶融し、その後冷却する工程とを備え、
前記第1のガス噴出孔から噴出されるガスが、前記第2のガス噴出孔から噴出するガスより速い流速で噴出される、ガラス材の製造方法。
【請求項2】
前記溶融物の略水平方向の直径の0.8倍〜1.5倍の位置に前記第1のガス噴出孔が形成されている、請求項1に記載のガラス材の製造方法。
【請求項3】
前記第1のガス噴出孔が円周状に配列されている、請求項1または2に記載のガラス材の製造方法。
【請求項4】
前記第1のガス噴出孔の孔径を、前記第2のガス噴出孔の孔径より小さくすることにより、前記第1のガス噴出孔から噴出されるガスが、前記第2のガス噴出孔から噴出するガスより速い流速で噴出される、請求項1〜3のいずれか一項に記載のガラス材の製造方法。
【請求項5】
ガラス原料塊をガスにより略垂直方向に浮遊させた状態で、加熱溶融した後に冷却してガラス材を製造する装置であって、
前記ガラス原料塊を浮遊させて溶融した状態において前記ガラス原料塊の溶融物の略水平方向の外側周縁部近傍に位置する複数の第1のガス噴出孔と、前記外側周縁部近傍より内側に位置する複数の第2のガス噴出孔とが形成された成形部材と、
前記第1のガス噴出孔及び前記第2のガス噴出孔にガスを供給するガス供給手段と、 前記ガラス原料塊を加熱する加熱手段とを備え、
前記第1のガス噴出孔の孔径が、前記第2のガス噴出孔の孔径より小さい、ガラス材の製造装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無容器浮遊法によるガラス材の製造方法及び製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ガラス材の製造方法として、無容器浮遊法に関する研究がなされている。例えば、特許文献1には、ガス浮遊炉で浮遊させたバリウムチタン系強誘電体の試料にレーザービームを照射して加熱溶融した後に、冷却することにより、バリウムチタン系強誘電体の試料をガラス化させる方法が記載されている。このように、無容器浮遊法では、容器の壁面との接触に起因する結晶化の進行を抑制できるため、従来の容器を用いた製造方法ではガラス化させることができなかった材料であってもガラス化し得る場合がある。従って、無容器浮遊法は、新規な組成を有するガラス材を製造し得る方法として注目に値すべき方法である。
【0003】
特許文献2においては、複数のガス噴出孔を有する成形面を用いた無容器浮遊法を利用して、より大きなガラス材が得られている。大きなガラス材が得られると、用途展開の多様性が高まるため好ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−248801号公報
【特許文献2】特開2014−141389号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献2に記載の方法よりも、さらに大きなガラス材を製造することができる方法が要望されている。
【0006】
本発明の目的は、さらに大きなガラス材を製造することができる無容器浮遊法によるガラス材の製造方法及び製造装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の製造方法は、ガラス原料塊を略垂直方向に浮遊させた状態で、加熱溶融した後に冷却してガラス材を製造する方法であって、ガラス原料塊を浮遊させて溶融した状態においてガラス原料塊の溶融物の略水平方向の外側周縁部近傍に位置する複数の第1のガス噴出孔と、外側周縁部近傍より内側に位置する複数の第2のガス噴出孔とが形成された成形部材を準備する工程と、ガラス原料塊を成形部材の上に配置する工程と、第1のガス噴出孔及び第2のガス噴出孔からガスを噴出することにより、ガラス原料塊を浮遊させた状態で加熱溶融し、その後冷却する工程とを備え、第1のガス噴出孔から噴出されるガスが、第2のガス噴出孔から噴出するガスより速い流速で噴出されることを特徴としている。
【0008】
本発明においては、ガラス原料塊の溶融物の略水平方向の直径の0.8倍〜1.5倍の位置に第1のガラス噴出孔が形成されていることが好ましい。
【0009】
本発明においては、第1のガラス噴出孔が円周状に配列されていることが好ましい。
【0010】
本発明においては、第1のガス噴出孔の孔径を、第2のガス噴出孔の孔径より小さくすることにより、第1のガス噴出孔から噴出されるガスが、第2のガス噴出孔から噴出するガスより速い流速で噴出されることが好ましい。
【0011】
本発明の製造装置は、ガラス原料塊をガスにより略垂直方向に浮遊させた状態で、加熱溶融した後に冷却してガラス材を製造する装置であって、ガラス原料塊を浮遊させて溶融した状態においてガラス原料塊の溶融物の略水平方向の外側周縁部近傍に位置する複数の第1のガス噴出孔と、外側周縁部近傍より内側に位置する複数の第2のガス噴出孔とが形成された成形部材と、第1のガス噴出孔及び第2のガス噴出孔にガスを供給するガス供給手段と、ガラス原料塊を加熱する加熱手段とを備え、第1のガス噴出孔の孔径が、第2のガス噴出孔の孔径より小さいことを特徴としている。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、無容器浮遊法により大きなガラス材を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の一実施形態の製造方法(製造装置)を説明するための模式的断面図である。
図2】本発明の一実施形態における第1のガス噴出孔及び第2のガス噴出孔を示す平面図である。
図3】本発明の一実施形態におけるガラス溶融物と第1のガス噴出孔の位置関係を示す模式的断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、好ましい実施形態について説明する。但し、以下の実施形態は単なる例示であり、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。また、各図面において、実質的に同一の機能を有する部材は同一の符号で参照する場合がある。
【0015】
図1は、本発明の一実施形態の製造方法(製造装置)を説明するための模式的断面図である。図1に示すように、ガラス原料塊1は、成形部材10のガス噴出部10aのガス噴出面10bの上方に浮遊した状態で配置されている。ガス噴出部10aには、ガス噴出面10bからガス22を噴出する第1のガス噴出孔11及び第2のガス噴出孔12が形成されている。第1のガス噴出孔11及び第2のガス噴出孔12からガス22が噴出することにより、ガラス原料塊1が略垂直方向(z方向)に浮遊している。第1のガス噴出孔11及び第2のガス噴出孔12に、ガスボンベなどのガス供給手段21からガス22が供給されることにより、第1のガス噴出孔11及び第2のガス噴出孔12からガス22が噴出する。
【0016】
ガス22の種類は、特に限定されるものではなく、例えば、空気や酸素であってもよいし、窒素ガスやアルゴンガス、ヘリウムガス等の不活性ガスであってもよいし、一酸化炭素ガス、二酸化炭素ガス、水素を含有した還元性ガスであってもよい。
【0017】
成形部材10は、例えば、炭化ケイ素、超鋼、ステンレス、ジュラルミン、カーボン等により構成することができる。なお、ガス噴出部10aがこれらの材料から構成され、ガス噴出部10a以外の部分は他の材料から構成されていてもよい。
【0018】
上記のように、ガラス原料塊1を浮遊させた状態で、加熱手段であるレーザー照射装置20からレーザー光をガラス原料塊1に照射することにより加熱溶融してガラス化させ、その後、冷却することにより、ガラス材を得る。ガラス原料塊1を加熱溶融する工程と、ガラス材の温度が少なくとも軟化点以下となるまで冷却する工程とにおいては、少なくともガス22の噴出を継続し、ガラス原料塊1またはガラス材がガス噴出面10bに接触しないようにすることが好ましい。なお、ガラス原料塊1の加熱方法は、レーザー光を照射する方法に特に限定されない。例えば、ガラス原料塊1を輻射加熱してもよい。
【0019】
図2は、本発明の一実施形態における第1のガス噴出孔及び第2のガス噴出孔を示す平面図である。図3は、本発明の一実施形態におけるガラス溶融物と第1のガス噴出孔の位置関係を示す模式的断面図である。なお、図3において、第1のガス噴出孔11及び第2のガス噴出孔12として示す矢印は、それぞれのガス噴出孔の相対的な位置関係を示しており、矢印の長さは、それぞれのガス噴出孔から噴出されるガスの相対的な流速を示している。
【0020】
図2及び図3に示すように、第1のガス噴出孔11及び第2のガス噴出孔12は、それぞれ複数形成されている。第1のガス噴出孔11は、略水平方向(x方向及びy方向)において、ガラス溶融物2の外側周縁部2aの近傍に位置している。具体的には、第1のガス噴出孔11は、略水平方向(x方向及びy方向)において、ガラス溶融物2の外側周縁部2aに沿って円周状に配列されている。第2のガス噴出孔12は、略水平方向(x方向及びy方向)において、ガラス溶融物2の外側周縁部2a近傍の内側に位置している。また、第2のガス噴出孔12は、第1のガス噴出孔11の位置より内側に形成されている。なお、ガラス溶融物2は、図1に示すガラス原料塊1を加熱溶融させた状態のものである。
【0021】
図2に示すように、本実施形態において、第1のガス噴出孔11の孔径は、第2のガス噴出孔12の孔径より小さくなるように形成されている。これにより、図3に示すように、第1のガス噴出孔11から噴出されるガスの流速が、第2のガス噴出孔12から噴出されるガスの流速よりも速くなる。第1のガス噴出孔11から噴出されるガスの流速を、第2のガス噴出孔12から噴出されるガスの流速よりも速くすることにより、ガラス溶融物2の外側周縁部2a近傍に、流速が速いガスによる壁を形成することができる。このような壁を形成することにより、ガラス溶融物2をガスの壁の内側に留めることができ、浮遊状態にあるガラス溶融物2が位置ずれして成形部材10のガス噴出面10bなどに接触するのを防止することができる。
【0022】
大きなガラス材を製造するため、ガラス溶融物2を大きくすると、ガラス溶融物2が位置ずれして成形部材10などに接触しやすくなる。このため、従来の無容器浮遊法では、大きなガラス材を製造することができないという問題があった。本発明によれば、ガラス溶融物2が大きくなっても、ガラス溶融物2をガスの壁の内側に留め、位置ずれを抑制することができるので、大きなガラス材を製造することができる。
【0023】
本実施形態において、第1のガス噴出孔11の孔径は、第2のガス噴出孔12の孔径より小さくなるように形成されている。第1のガス噴出孔11の孔径は、第2のガス噴出孔12の孔径の0.05倍〜0.95倍の範囲であることが好ましく、0.1倍〜0.8倍の範囲であることがさらに好ましく、0.2倍〜0.7倍の範囲であることが特に好ましい。このような範囲内とすることにより、ガラス溶融物2の位置ずれをより効果的に抑制することができる。
【0024】
第2のガス噴出孔12の孔径は3mm以下であることが好ましく、2mm以下であることがより好ましく、1mm以下であることがさらに好ましく、0.8mm以下であることが特に好ましく、0.5mm以下であることが最も好ましい。また、本実施形態において、第1のガス噴出孔11の孔径は第2のガス噴出孔12よりも小さく設定されており、2.85mm以下であることが好ましく、2mm以下であることがより好ましく、1mm以下であることがさらに好ましく、0.8mm以下であることが特に好ましく、0.4mm以下であることが最も好ましい。但し、第1のガス噴出孔11及び第2のガス噴出孔12の孔径が小さすぎると、ガスが噴出しにくくなる場合がある。従って、第1のガス噴出孔11及び第2のガス噴出孔12の孔径は、0.01mm以上であることが好ましく、0.05mm以上であることがより好ましい。
【0025】
図2に示すように、複数の第2のガス噴出孔12は、それらの中心が正三角格子の各頂点に位置するように設けられている。隣り合う第2のガス噴出孔12の中心間距離は、0.02mm〜4mmであることが好ましく、0.1mm〜2mmであることがより好ましく、0.2mm〜1.6mmであることがさらに好ましく、0.2mm〜0.8mmであることが特に好ましい。また、図2に示すように、複数の第1のガス噴出孔11は、ガラス溶融物2の外側周縁部2aに沿って円周状に配列されている。隣り合う第1のガス噴出孔11の中心間距離は、0.02mm〜15mmであることが好ましく、0.1mm〜7mmであることがより好ましく、0.2mm〜5mmであることがさらに好ましく、0.3mm〜3mmであることが特に好ましく、0.5mm〜1.5mmであることが最も好ましい。なお、複数の第1のガス噴出孔11は、ガラス溶融物2の外側周縁部2aの近傍に、互いに直径の異なる同心円の円周状に複数列設けても良い。
【0026】
図3に示すように、第1のガス噴出孔11は、ガラス溶融物2の外側周縁部2aの近傍に形成される。ガラス溶融物2の略水平方向(x方向及びy方向)における直径をDとし、第1のガス噴出孔11が配列して形成される円周の略水平方向における直径をdとすると、直径dは、直径Dの0.8倍〜1.5倍であることが好ましく、より好ましくは0.9倍〜1.4倍、さらに好ましくは1.0倍〜1.35倍である。このような範囲内とすることにより、ガラス溶融物2の位置ずれをより効果的に抑制することができる。
【0027】
第1のガス噴出孔11から噴出されるガスの流速は、第2のガス噴出孔12から噴出されるガスの流速の1.1倍〜400倍であることが好ましく、より好ましくは1.5倍〜100倍、さらに好ましくは2倍〜25倍である。このような範囲内とすることにより、ガラス溶融物2の位置ずれをより効果的に抑制することができる。
【0028】
本実施形態においては、第1のガス噴出孔11の孔径を、第2のガス噴出孔12の孔径より小さくすることにより、第1のガス噴出孔11から噴出されるガスの流速を、第2のガス噴出孔12から噴出するガスの流速より速くしている。本発明は、これに限定されるものではなく、その他の方法により、第1のガス噴出孔11から噴出されるガスの流速を、第2のガス噴出孔12から噴出するガスの流速より速くしてもよい。例えば、第1のガス噴出孔11に供給するガスの流路と、第2のガス噴出孔12に供給するガスの流路を別にし、第1のガス噴出孔11に供給するガスの流速を、第2のガス噴出孔12に供給するガスの流速より速くすることにより、第1のガス噴出孔11から噴出されるガスの流速を、第2のガス噴出孔12から噴出するガスの流速より速くしてもよい。
【0029】
また、ガラス溶融物2の外側周縁部2a近傍より外側に、別のガス噴出孔を設けてもよい。このようなガス噴出孔の孔径は、第1のガス噴出孔11と同様の孔径であってもよいし、第2のガス噴出孔12と同様の孔径であってもよいし、これらのガス噴出孔と異なる孔径であってもよい。
【0030】
本発明によれば、無容器浮遊法により、大きなガラス材を製造することができる。したがって、網目形成酸化物を含まないような、容器を用いた溶融法によってはガラス化しない組成を有するガラスについて、大きなガラス材を製造することができる。このようなガラスとしては、例えば、テルビウム−ホウ酸複合酸化物系ガラス材、チタン酸バリウム系ガラス材、ランタン−ニオブ複合酸化物系ガラス材、ランタン−ニオブ−アルミニウム複合酸化物系ガラス材、ランタン−ニオブ−タンタル複合酸化物系ガラス材、ランタン−タングステン複合酸化物系ガラス材、ランタン−チタン複合酸化物ガラス材、ランタン−チタン−ジルコニア複合酸化物ガラス材等が挙げられる。
【0031】
以下、本発明について、具体的な実施例に基づいて、さらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲において適宜変更して実施することが可能である。
【0032】
(実施例1)
まず、原料粉末を秤量、混合した後、1000℃前後の温度で仮焼きすることで混合粉末を焼結させた。焼結体から所望の体積となる量に切り出し、ガラス原料塊1を作製した。
【0033】
次に、図1及び2に準じたガラス材の製造装置を用いて、以下の条件で、ガラス原料塊1をガス噴出面10bの上方に浮上させた状態で、出力100Wの二酸化炭素レーザーを照射し、ガラス原料塊1を加熱溶融させた。その後、レーザー照射を停止し、冷却させた。その結果、直径が8.32mmのガラス材が得られた。
【0034】
ガラス組成(モル比):0.6・Tb−0.3・B−0.1・SiO
第2のガス噴出孔12の孔径:0.3mm
第1のガス噴出孔11の孔径:0.1mm
第1のガス噴出孔11の位置:ガラス溶融物2の直径の1.2倍
ガラス溶融物2の直径:8.35mm
第2のガス噴出孔12の数:350
第1のガス噴出孔11の数:30
加熱温度:1850℃
ガス:窒素ガス
【0035】
(実施例2)
以下の条件としたこと以外は、実施例1と同様の製造工程を行った。その結果、直径が8.51mmのガラス材が得られた。
【0036】
ガラス組成(モル比):0.6・Tb−0.3・B−0.1・SiO
第2のガス噴出孔12の孔径:0.5mm
第1のガス噴出孔11の孔径:0.4mm
第1のガス噴出孔11の位置:ガラス溶融物の直径の1.1倍
ガラス溶融物2の直径:8.55mm
第2のガス噴出孔12の数:185
第1のガス噴出孔11の数:15
加熱温度:1850℃
ガス:窒素ガス
【0037】
(実施例3)
以下の条件としたこと以外は、実施例1と同様の製造工程を行った。その結果、直径が9.23mmのガラス材が得られた。
【0038】
ガラス組成(モル比):0.6・Tb−0.3・B−0.1・SiO
第2のガス噴出孔12の孔径:0.5mm
第1のガス噴出孔11の孔径:0.3mm
第1のガス噴出孔11の位置:ガラス溶融物の直径の1.0倍
ガラス溶融物2の直径:9.30mm
第2のガス噴出孔12の数:120
第1のガス噴出孔11の数:32
加熱温度:1850℃
ガス:窒素ガス
【0039】
(比較例)
全てのガス噴出孔の孔径を0.3mmに揃えた以外は、実施例1と同様の製造工程を行った。その結果、直径が5.32mmまでのガラス材を作製することができたが、6mm以上のガラス材は作製することができなかった。
【符号の説明】
【0040】
1…ガラス原料塊
2…ガラス溶融物
2a…外側周縁部
10…成形部材
10a…ガス噴出部
10b…ガス噴出面
11…第1のガス噴出孔
12…第2のガス噴出孔
20…レーザー照射装置
21…ガス供給手段
22…ガス
図1
図2
図3