(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記磁気センサは、磁界を検知する感度軸が前記筆記具本体の中心軸上かつ当該中心軸方向に沿って延びるように設けられていることを特徴とする請求項1に記載の筆記具。
前記磁石は、当該磁石のN極とS極とによって生じる磁界が、前記被挿入部材の軸心に沿うように配置されていることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の筆記具。
前記磁石は、当該磁石のN極とS極とを結ぶ線が延びる方向が、前記被挿入部材の軸心に平行となるように又は当該被挿入部材の軸心に沿うように配置されていることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の筆記具。
前記磁石は、当該磁石のN極とS極とを結ぶ線が延びる方向が、前記被挿入部材の軸心が延びる方向と交差するように配置されていることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の筆記具。
前記筆記具本体の軸方向において、前記磁気センサに隣接する箇所には、前記被挿入部材の前記磁石により生じる磁界によって磁性を帯びる磁性体が設けられていることを特徴とする請求項1乃至7の何れかに記載の筆記具。
前記筆記具本体の軸方向における、前記磁気センサの長さの方が、当該筆記具本体の径方向における、当該磁気センサの長さよりも大きくなるように、当該磁気センサは配置されていることを特徴とする請求項1乃至8の何れかに記載の筆記具。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
筆記具本体に磁気センサを設け、この筆記具本体が挿入されるキャップなどの被挿入部材に磁石を設けることで、筆記具本体に対する被挿入部材の着脱を検知できる。
ここで、被挿入部材の回転などが生じると、磁気センサと磁石との位置関係が変化し、磁気センサによる被挿入部材の検知が困難になることがある。
本発明の目的は、筆記具本体と、この筆記具本体が挿入される被挿入部材との相対的な位置関係が変化しても、筆記具本体に対する被挿入部材の着脱の検知を行えるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明は、媒体への色材の供給を行う筆記先端を備えた筆記具本体と、磁石を備え、前記筆記具本体のうちの前記筆記先端が設けられている部分が挿入される被挿入部材と、前記筆記具本体に設けられ、感度軸が当該筆記具本体の中心軸方向に延びるように配置され、前記被挿入部材の前記磁石により生じる磁界を検知する磁気センサと、を備える筆記具である。
請求項2に記載の発明は、前記磁気センサは、前記筆記具本体の中心軸上に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の筆記具である。
請求項3に記載の発明は、前記磁気センサは、磁界を検知する感度軸が前記筆記具本体の中心軸上かつ当該中心軸方向に沿って延びるように設けられていることを特徴とする請求項1に記載の筆記具である。
請求項4に記載の発明は、前記磁石は、当該磁石のN極とS極とによって生じる磁界が、前記被挿入部材の軸心に沿うように配置されていることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の筆記具である。
請求項5に記載の発明は、前記磁石は、当該磁石のN極とS極とを結ぶ線が延びる方向が、前記被挿入部材の軸心に平行となるように又は当該被挿入部材の軸心に沿うように配置されていることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の筆記具である。
請求項6に記載の発明は、前記磁石は、当該磁石のN極とS極とを結ぶ線が延びる方向が、前記被挿入部材の軸心が延びる方向と交差するように配置されていることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の筆記具である。
請求項7に記載の発明は、前記磁石は、複数設けられていることを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載の筆記具である。
請求項8に記載の発明は、前記筆記具本体の軸方向において、前記磁気センサに隣接する箇所には、前記被挿入部材の前記磁石により生じる磁界によって磁性を帯びる磁性体が設けられていることを特徴とする請求項1乃至7の何れかに記載の筆記具である。
請求項9に記載の発明は、前記筆記具本体の軸方向における、前記磁気センサの長さの方が、当該筆記具本体の径方向における、当該磁気センサの長さよりも大きくなるように、当該磁気センサは配置されていることを特徴とする請求項1乃至8の何れかに記載の筆記具である。
請求項10に記載の発明は、
媒体へ筆記を行う筆記先端
部を備えた筆記具本体と、
前記筆記具本体に設けられ、感度軸が
当該筆記具本体の
中心軸方向に延びるように配置された磁気センサと、を備え
、前記磁気センサが、前記筆記具本体に対し着脱対象となる対象部材に設けられた磁石により生じる磁界を検知することに基づいて、当該筆記具本体が当該対象部材に対して着脱されたことを検知することを特徴とする筆記具である。
請求項11に記載の発明は、前記筆記具は、当該筆記具が備える機能部を制御する制御部をさらに備え、前記制御部は、磁気センサからの出力に応じて、前記機能部を始動させるよう制御することを特徴とする請求項10に記載の筆記具である。
請求項12に記載の発明は、前記筆記具は、当該筆記具が備える機能部を制御する制御部をさらに備え、前記制御部は、前記磁気センサが、前記対象部材から前記筆記具本体が取り外されたことを検知すると、前記機能部を始動させるよう制御することを特徴とする請求項10に記載の筆記具である。
【発明の効果】
【0006】
請求項1の発明によれば、筆記具本体と、この筆記具本体が挿入される被挿入部材との相対的な位置関係が変化しても、筆記具本体に対する被挿入部材の着脱の検知を行えるようになる。
請求項2の発明によれば、磁気センサが筆記具本体の中心軸上からずれている場合に比べ、被挿入部材の着脱の検知精度を高めることができる。
請求項3の発明によれば、磁気センサの感度軸が筆記具本体の中心軸上からずれている場合に比べ、被挿入部材の着脱の検知精度を高めることができる。
請求項4の発明によれば、磁石のN極とS極とによって生じる磁界が被挿入部材の軸心に沿わない場合に比べ、被挿入部材の着脱の検知精度を高めることができる。
請求項5の発明によれば、磁石のN極とS極とを結ぶ線が延びる方向が、被挿入部材の軸心に平行ではない場合や軸心に沿っていない場合に比べ、筆記具本体の軸方向に沿う磁束密度を高めることができる。
請求項6の発明によれば、磁石のN極とS極とを結ぶ線が延びる方向が被挿入部材の軸心に沿っている場合に比べ、被挿入部材の着脱の検知精度を高めることができる。
請求項7の発明によれば、磁石が単数である場合に比べ、被挿入部材の着脱の検知精度を高めることができる。
請求項8の発明によれば、磁性体が設けられていない場合に比べ、磁石をキャップに配置する際の配置の自由度を高めることができる。
請求項9の発明によれば、筆記具本体の径方向における磁気センサの長さの方が、筆記具本体の軸方向における磁気センサの長さよりも大きい場合に比べ、筆記具本体内に部材を配置する際の配置の自由度を高めることができる。
請求項10
、11、12の発明によれば、筆記具本体と、この筆記具本体
に対し着脱対象となる対象部材との相対的な位置関係が変化しても、
筆記具本体が対象部材に対して着脱されたことを検知できるようになる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本実施形態に係る筆記具1を示した図である。
本実施形態の筆記具1には、筆記先端110を有する筆記具本体100、および、キャップ200が設けられている。本実施形態では、筆記具本体100のうちの筆記先端110が設けられている部分が、このキャップ200に挿入され、筆記先端110の保護が行われている。
【0009】
筆記具本体100には、複数の部品(不図示)が内部に収容された筒状部材120が設けられている。筆記具1による筆記が行われる際には、この筒状部材120がユーザにより把持される。
筒状部材120は、一端120Aおよび他端120Bを有し、本実施形態では、この一端120A側に、筆記先端110が設けられている。そして、本実施形態では、この一端120A側が、被挿入部材の一例としてのキャップ200に挿入される。付言すると、本実施形態では、筆記具本体100のこの一端120Aに対して、キャップ200が取り付けられる。
【0010】
筆記先端110は、紙などの媒体に接し、この媒体に対してインクなどの色材を供給する。なお、本実施形態では、筆記先端110が、いわゆるボールペン先により構成された場合を一例に説明するが、筆記先端110は、シャープペンシルなど、他の筆記先端110としてもよい。
また、本実施形態では、筒状部材120の内部に、磁気センサ121が設けられている。この磁気センサ121は、その感度軸121Aが、筆記具本体100の軸方向に延びるように(沿うように)配置されている。また、磁気センサ121は、筆記具本体100の中心軸100G上に設けられている。また、磁気センサ121は、磁界を検知する感度軸121Aが筆記具本体100の中心軸100G上かつこの中心軸100Gに沿って延びるように設けられている。
【0011】
一方、キャップ200には、磁石300が取り付けられている。
この磁石300は、N極とS極とを結ぶ線300Aが延びる方向が、キャップ200の軸心200Gに平行となるように設けられている。付言すると、磁化方向(磁石300の設置箇所における磁界の方向)(図中、矢印1Aで示す方向)が、キャップ200の軸心200Gに平行となるように、磁石300は設置されている。
【0012】
さらに、本実施形態では、筆記具本体100に対してキャップ200が取り付けられた状態において(
図1に示す状態において)、磁気センサ121の対向箇所に磁石300が位置する。
付言すると、本実施形態では、筆記具本体100にキャップ200が取り付けられた状態においては、筆記具1の軸方向における磁石300の位置と、筆記具1の軸方向における磁気センサ121の位置とが一致する。
【0013】
なお、本実施形態では、筆記具1の軸方向における磁石300の位置と、筆記具1の軸方向における磁気センサ121の位置とを一致させたが、磁石300により生じる磁界が磁気センサ121を通過するならば、筆記具1の軸方向における磁石300の位置と、筆記具1の軸方向における磁気センサ121の位置とをずらしてもよい。
例えば、筆記具1の径方向に延び且つ磁気センサ121を通る基準線50を基準とした場合に、この基準線に対して、±45°の範囲内に位置する領域内に、磁気センサ121を設けるようにしてもよい。
【0014】
ここで、本実施形態では、
図1に示すように、筆記具本体100にキャップ200が取り付けられた状態において、磁石300により生じる磁界が、磁気センサ121を通過する。より具体的には、本実施形態では、磁気センサ121の感度軸121Aに沿った磁界が生じ、この磁界が、磁気センサ121を通過する。言い換えると、本実施形態では、磁石300は、磁石300のN極とS極とによって生じる磁界が、キャップ200の軸心200Gに沿うように配置されている。
【0015】
これにより、本実施形態では、筆記具本体100に対するキャップ200の装着の検知を行える。また、筆記具本体100からキャップ200が取り外されると、磁界が、磁気センサ121を通過しなくなり、筆記具本体100からのキャップ200の取り外しの検知を行える。
【0016】
ここで、上記では説明を省略したが、本実施形態の筆記具1は、筆記情報の取得を行える筆記具1である。
本実施形態では、文書画像と符号画像とが予め印刷された紙などの媒体に対し、本実施形態の筆記具1を用いて筆記を行うと、筆記具1は、符号画像に含まれる位置情報に基づいて手書き情報(筆跡情報)を生成する。またそれと同時に、筆記具1は、符号画像に含まれる識別情報を認識する。
【0017】
そして、本実施形態では、認識された識別情報と筆跡情報とは、サーバ装置(不図示)に送られる。
識別情報と筆跡情報とを受け取ったサーバ装置は、識別情報に基づいて、媒体に印刷された電子文書を特定し、この特定された電子文書と筆跡情報とを関連付けて記憶する。
【0018】
図示は省略するが、本実施形態の筆記具1の内部には、媒体上に赤外光を照射する赤外LED、反射光を検知することによって符号画像を読み取る赤外2次元イメージセンサーが設けられている。また、識別情報および位置情報を記憶するための情報メモリ、外部装置と通信するための通信回路が設けられている。さらに、ペンを駆動するためのバッテリ、ペンの識別情報(ペンID)を記憶するペンIDメモリ、筆記具1内の各機能部を制御する制御部が設けられている。
本実施形態では、赤外LED、赤外2次元イメージセンサー、制御部などが始動デバイスとなっており、磁気センサ121により、キャップ200の取り外しが検知されると、この始動デバイスが始動する。言い換えると、本実施形態では、磁気センサ121の出力に応じて始動デバイスが始動するようになっている。
【0019】
図2(A)〜(C)は、筆記具1の比較例を示した図である。なお、
図2(B)、(C)は、
図2(A)の矢印IIB方向から筆記具1を眺めた場合の図である。
この比較例では、
図2(A)に示すように、磁気センサ121の感度軸121Aがキャップ200の径方向に沿うように、磁気センサ121が配置されている。
さらに、この比較例では、磁石300の磁化方向1Aが、キャップ200の径方向に沿うように、磁石300が配置されている。
【0020】
この比較例では、
図2(A)、(B)に示すように、キャップ200に設けられた磁石300と、筆記具本体100に設けられた磁気センサ121とが互いに対向するときのみ、磁気センサ121によるキャップ200の着脱の検知が行える。
図2(C)に示すように、磁石300と磁気センサ121とが互いに対向しない場合、磁気センサ121の感度軸121Aに沿った磁界が生じにくくなり、キャップ200の着脱の検知が難しくなる。
【0021】
なお、
図2にて示した構成にて、例えば、筆記具本体100、キャップ200の断面形状を非円形にするなどして、筆記具本体100の対するキャップ200の位相が、予め定められた位相にあるときにのみ、筆記具本体100へのキャップ200の着脱を行える構成とすれば、
図2(C)に示したような状態は発生せず、磁石300と磁気センサ121とがより確実に対向する。そして、この場合、キャップ200の着脱の検知がより確実に行われる。
しかしながら、この場合は、予め定められた位相にあるときのみ、キャップ200の着脱が可能となる構成となり、筆記具本体100に対しキャップ200を着脱する際の操作性が低下しやすい。
【0022】
これに対し、
図1にて示した本実施形態の構成では、キャップ200の周方向におけるキャップ200の位置(筆記具本体100に対するキャップ200の位相)が、どの位置であっても、磁気センサ121によるキャップ200の着脱の検知が行われる。
例えば、
図1に示す状態からキャップ200が周方向に180°回転し、図中破線1Bで示す位置へ磁石300が位置する場合も起こり得る。本実施形態では、このような場合であっても、筆記具本体100の軸方向に沿った(磁気センサ121の感度軸121Aに沿った)磁界が生じ、キャップ200の着脱の検知が行われる。
【0023】
なお、本実施形態では、磁気センサ121が、筆記具本体100の中心軸100G上に設けられている場合を一例に説明したが、磁気センサ121は、筆記具本体100の中心軸100Gからずれた箇所に設置してもよい。
付言すると、キャップ200の磁石300により筆記具本体100に生じる磁界の強度が、筆記具本体100の径方向における何れの位置でも、予め定められた強度以上となるならば、磁気センサ121は、筆記具本体100の中心軸100G上に限らず、この中心軸100Gからずれた箇所に設置することが可能になる。
【0024】
ここで、本実施形態では、このように、磁石300および磁気センサ121を用い、キャップ200の着脱の検知を行う。ここで、キャップ200の着脱の検知は、例えば、機械的なスイッチを用いても行うこともできる。しかしながら、このような機械的なスイッチでは、機械的、電気的な接触が必要となり、部材の損耗が生じやすくなる。さらに、機械的なスイッチを用いる場合、筆記具本体100やキャップ200に穴などを開ける必要が生じたりする。
【0025】
これに対し、本実施形態のように、磁石300を用いると、筆記具本体100やキャップ200に、穴などを開ける必要が無くなる。また、部材同士の接触が発生せず、部材の長寿命化を図れる。さらに、穴などを開ける必要がないと、防水、防塵等の要求がある場合に、この要求を満たしやすくなる。
【0026】
図3は、筆記具1の他の構成例を示した図である。
この構成例では、磁石300の磁化方向1Aが、キャップ200の径方向に沿うように、磁石300が配置されている。付言すると、磁石300のN極とS極とを結ぶ線が延びる方向が、キャップ200の径方向(キャップ200の軸心が延びる方向と交差する方向)に沿うように、磁石300が配置されている。
さらに、この構成例では、筆記具1の軸方向における磁石300の設置位置と、筆記具1の軸方向における磁気センサ121の設置位置とが異なっている。付言すると、この構成例では、
図1とは異なり、磁気センサ121の対向箇所とは異なる箇所に、磁石300が設けられている。
【0027】
この構成例でも、磁気センサ121の感度軸121Aの沿った磁界が生じ、筆記具本体100に対するキャップ200の着脱の検知を行える。
また、キャップ200が周方向に回転し、周方向におけるキャップ200の位置が変化しても、キャップ200の着脱の検知を行える。
【0028】
さらに、この構成例では、
図1にて示した構成に比べ、キャップ200の着脱の検知精度を高められる。
図1にて示した構成例では、磁石300による磁化方向が筆記具本体100の軸方向に沿っているため、筆記具本体100の中心軸100Gを通る磁界(磁気センサ121の感度軸121Aに沿う磁界)の長さが大きくなる傾向にある。より具体的には、磁界のうちの、図中符号1Eで示す部分の長さが大きくなる傾向にある。
【0029】
かかる場合、キャップ200の本来の装着位置から、キャップ200の軸方向にキャップ200がずれていても、磁気センサ121にて、磁界の検知がなされやすくなる。
これに対し、
図3に示す構成例では、図中符号3Eで示すように、筆記具本体100の軸方向に沿う磁界の長さが短くなりやすい。かかる場合、キャップ200が、予め定められた狭い領域に位置する場合にのみキャップ200の検知がなされるようになり、キャップ200の着脱の検知精度が高まる。
【0030】
図4は、筆記具1の他の構成例を示した図である。
この構成例では、2個(複数)の磁石300がキャップ200に取り付けられている。ここで、この構成例では、2個設けられたこの磁石300は、キャップ200の周方向における設置位置が互いに異なるように配置されている。さらに、この2個の磁石300は、キャップ200の軸方向における位置が一致するように配置されている。
【0031】
また、この構成例では、2個の磁石300は、キャップ200の周方向における位置が180°異なるように配置されている。言い換えると、この構成例では、キャップ200の軸心200Gを挟み、2個の磁石300が互いに対峙するように配置されている。
さらに、この構成例では、同じ極が互いに対峙するように、2個の磁石300が配置されている。具体的には、一方の磁石300のN極と、他方の磁石300のN極とが互いに対峙するように、2個の磁石300は、配置されている。
【0032】
ここで、
図4にて示すこの筆記具1では、磁気センサ121の感度軸121Aに沿う磁界の密度が大きくなる。これにより、磁気センサ121の感度軸121A上では、磁界の強度が大きくなり、磁石300が単数である場合に比べ、磁気センサ121による磁界の検知がより確実に行われる。
なお、本実施形態では、磁石300は2個であるが、3個の磁石300をキャップ200の周方向において、120°おきに配置するなど、3個以上の磁石300を設置してもよい。
【0033】
図5(A)、(B)は、筆記具1の他の構成例を示した図である。なお、
図5(A)、(B)では、筆記具本体100に対しキャップ200が装着されている状態を示している。
この構成例では、
図5(A)に示すように、筆記具本体100の軸方向において、磁気センサ121に隣接する箇所に、鉄やニッケルなどにより構成される磁性体400が設けられている。より具体的には、磁気センサ121よりも磁石300に近い側に、磁性体400が設けられている。
【0034】
キャップ200における磁石300の設置箇所によっては、磁石300と磁気センサ121とが離れ、磁気センサ121を通る磁束密度の強度が低下する。
これに対し、
図5(A)にて示す構成では、磁石300により生じた磁界によって、磁性体400が磁化され(磁性体400が磁性を帯び)、磁性体400が磁石としての役割を果たす。これにより、磁気センサ121を通る磁束密度の強度が増し、磁気センサ121にて磁界が検知される可能性が高まる。
また、この構成例では、磁石300の設置位置を、キャップ200の軸方向へずらせるようになり(磁気センサ121から離れる方向へ磁石300をずらせるようになり)、キャップ200に磁石300を配置する際の配置の自由度を高められる。
【0035】
なお、
図5(A)に示した構成例では、磁化方向1Aがキャップ200の軸方向に沿うように磁石300が配置されている場合を示したが、
図5(B)に示すように、磁化方向1Aがキャップ200の径方向に沿うように磁石300を配置してもよい。
なお、
図5(B)に示す構成例では、2個の磁石300を設け、
図4にて示した構成例と同様に、磁束密度を高めている。
【0036】
図6は、筆記具1の他の構成例を示した図である。
上記にて説明した構成例では、キャップ200の外周部に磁石300を設けたが、
図6で示す構成例では、キャップ200の軸心200G(中心軸)上に且つキャップ200の開口部側とは反対側に、磁石300を設けている。
付言すると、キャップ200には、筆記具本体100が挿入される開口部が一端部に設けられているが、この構成例では、この一端部とは反対側の他端部に、磁石300が設けられている。さらに説明すると、キャップ200の他端部は、一端部側に位置する開口部とは異なり、塞がれているが、本実施形態では、この塞がれた側に、磁石300が設けられている。
【0037】
ここで、この磁石300は、磁化方向1Aが、キャップ200の軸方向に沿うように配置されている。付言すると、磁石300のN極とS極とを結ぶ線が延びる方向が、キャップ200の軸心200Gに沿うように、磁石300は配置されている。
さらに、磁石300は、キャップ200の軸心200G上に配置されている。
【0038】
ここで、
図6は、キャップ200が筆記具本体100に装着される前の状態を示しており、この状態から、矢印6Aに示すように、筆記具本体100に対するキャップ200の装着操作を行うと、磁気センサ121に磁石300が近づく。これにより、磁気センサ121にて、磁石300により生じた磁界が検知され、筆記具本体100に対するキャップ200の装着が検知される。
【0039】
図7(A)、(B)は、筆記具本体100内の磁気センサ121の配置を説明する図である。
上記の
図1、
図3〜
図6にて示した磁気センサ121、および、
図7(A)にて示した磁気センサ121は、ホール効果素子を用いて磁界を検知する磁気センサ121である。
ホール効果素子を用いた磁気センサ121は、ホール効果素子の配置方向に垂直な方向に沿う磁界を検知する感度を持っている。
【0040】
図7(A)にて示す磁気センサ121には、その内部に、基板121Bが設けられ、さらに、この基板121Bに、ホール効果素子(不図示)が配置される。ホール効果素子は、この基板121Bが延びる方向に沿って配置される。
この場合、磁気センサ121は、基板121Bが延びる方向と直交する方向に向かう磁界を検知する感度を有する。この場合、磁気センサ121は、筆記具本体100の軸方向に直交する方向に沿うように配置される。
【0041】
一方、
図7(B)で示す磁気センサ121は、磁気抵抗素子を備えた磁気センサ121である。キャップ200の着脱の検知(磁石300により生じた磁界の検知)は、磁気抵抗素子を備えた磁気センサ121で行ってもよい。
磁気抵抗素子を備えた磁気センサ121は、磁気抵抗素子の素子面に沿う磁界に対する感度を持っており、この場合、
図7(B)に示すように、磁気センサ121は、筆記具本体100の軸方向に沿うように配置される。
【0042】
ここで、筆記具本体100内には、筆記具本体100の軸方向に沿う回路基板が設けられることがあるが、磁気抵抗素子を備えた磁気センサ121を用いる場合には、この回路基板上に、磁気センサ121を載せられる。
【0043】
図7(B)に示した構成例では、磁気センサ121の長手方向と、磁気センサ121の感度軸121Aとが沿う形となり、この磁気センサ121では、磁気センサ121の長手方向が筆記具本体100の軸方向に沿うように、磁気センサ121が配置される。
言い換えると、
図7(B)に示す構成例では、筆記具本体100の軸方向における磁気センサ121の長さの方が、筆記具本体100の径方向における磁気センサ121の長さよりも大きくなるように、磁気センサ121が配置される。
【0044】
この場合、
図7(A)で示す構成に比べ、筆記具本体100内へ部材を配置する際の自由度が高まる。
筆記具本体100内には、インク収容筒や回路基板などの長尺状部材が設置されることがあり、この場合、
図7(B)にて示す構成例を採用すると、
図7(A)で示す構成例に比べ、この長尺状部材と磁気センサ121との干渉を避けやすくなり、部材を配置する際の自由度が高まる。
【0045】
(その他)
上記では、筆記具本体100が挿入される被挿入部材の一例として、キャップ200を説明した。ところで、キャップ200は一例であり、被挿入部材は、キャップ200に限られない。被挿入部材としては、他に、クレードルや、机上などに置かれるペンスタンドなどが挙げられる。