(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記給電コイルは、前記空間内であって、前記受電コイルの移動方向に沿って配置される複数のコイルから構成されていることを特徴とする請求項1に記載のワイヤレス電力伝送システム。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明を実施するための形態(実施形態)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には、同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。
【0015】
(第1実施形態)
まず、
図1〜
図3を参照して、本発明の第1実施形態に係るワイヤレス電力伝送システム10の構成について説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係るワイヤレス電力伝送システムを充電部、蓄電部、負荷とともに示す模式図である。
図2は、本発明の第1実施形態に係るワイヤレス電力伝送システムにおける給電部及び受電部を拡大して示す斜視図である。
図3は、本発明の第1実施形態に係るワイヤレス電力伝送システムにおける給電部及び受電部を示す模式側面図である。なお、
図3では、給電コイルが発生する磁束のうち、磁性構造体を通過する代表的な磁束のみを矢印で表している。
【0016】
ワイヤレス電力伝送システム10は、
図1に示されるように、ワイヤレス給電装置100と、ワイヤレス受電装置200と、を有する。ワイヤレス給電装置100は、地上に配設される給電設備に搭載され、ワイヤレス受電装置200は、移動体500に搭載される。ここで、ワイヤレス受電装置200が搭載される移動体500は、内蔵のバッテリーに蓄えられた電力を利用して推進力を発生させるものや外部からの電力供給を受けて推進力を発生させるものであれば特に制限されず、ボールねじの回転によって移動する直動型ロボットやモータによってアームが旋回する旋回型ロボットなどが挙げられる。また、ワイヤレス受電装置200が搭載される移動体500は、これら可動ロボットだけではなく、電気自動車(EV:Electric Vehicle)やハイブリッド自動車(HV:Hybrid Vehicle)などの車両、工場内で物品等を搬送する走行車(AGV:Aotomatic Guided Vehicle)、移動ロボット、あるいは車輪を持たず外部の駆動手段によって移動するエレベータにおけるエレベータかごなどが挙げられる。なお、本実施形態では、ワイヤレス受電装置200を直動型ロボットに搭載した例を用いて説明する。
【0017】
ワイヤレス給電装置100は、電源110と、インバータ120と、給電部130と、を有する。
【0018】
電源110は、直流電力を後述するインバータ120に供給する。電源110としては、直流電力を出力するものであれば特に制限されず、商用交流電源を整流・平滑した直流電源、二次電池、太陽光発電した直流電源、あるいはスイッチングコンバータなどのスイッチング電源装置などが挙げられる。
【0019】
インバータ120は、電源110から供給される直流電力を交流電力に変換する機能を有している。本実施形態では、インバータ120は、電源110から供給される直流電力を交流電力に変換し、後述する給電部130に供給する。インバータ120としては、図示しない複数のスイッチング素子がブリッジ接続されたスイッチング回路から構成される。このスイッチング回路を構成するスイッチング素子としては、例えばMOS−FET(Metal Oxide Semiconductor−Field Effect Transistor)やIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)などが挙げられる。
【0020】
給電部130は、インバータ120から供給された交流電力を後述する受電部210に給電する機能を有する。この給電部130は、直動型ロボットの近傍に配置される。本実施形態では、給電部130は、
図2に示されるように、給電コイル131と、磁性構造体135と、を有している。なお、給電部130は、給電コイル131と接続し共振回路を構成する給電側共振コンデンサ(図示しない)を含んでいても構わない。また、給電コイル131と磁性構造体135は、後述する受電部210が移動可能な空間を確保しつつ、絶縁性を有する筺体(図示しない)によってパッケージングされていてもよい。
【0021】
給電コイル131は、電源110からの電力を受けて磁界を発生させる。具体的には、給電コイル131は、インバータ120から所定の駆動周波数の交流電圧が供給されると、交流電流が流れて交流磁界を発生させる。この給電コイル131は、銅やアルミニウムなどの導線を複数撚り合わせたリッツ線を巻回して形成される。本実施形態では、給電コイル131は、リッツ線が平面状に巻回されて構成されている。このように構成される給電コイル131の巻数は、所望の電力伝送効率に基づいて適宜設定される。なお、給電コイル131は、リッツ線が螺旋状に巻回されて構成されるソレノイドコイルであっても構わない。
【0022】
磁性構造体135は、磁路の磁気抵抗を減らし、コイル間の磁気的な結合を高める作用を有する。また、磁性構造体135は、給電コイル131が発生した磁束の一部を吸収し、給電コイル131が発生した磁束が外部空間に漏洩することを抑制する作用を有する。この磁性構造体135は、第1磁性体136と、第2磁性体137と、第3磁性体138と、を有する。
【0023】
第1磁性体136は、平板状の磁性材料から構成されている。この第1磁性体135は、給電コイル131の後述する受電コイル211と対向する側とは反対側に配置される。つまり、第1磁性体136は、給電コイル131の背面側に配置されることとなる。本実施形態では、第1磁性体136の対向する2つの主面のうち鉛直上方側の主面上に給電コイル131が設置されている。ここで、第1磁性体136と給電コイル131との間には絶縁性のシートが介在していても構わない。このように構成される第1磁性体136は、給電コイル131が効率良く磁界を発生するための機能を果たす。なお、第1磁性体136を構成する磁性材料としては、比較的透磁率の高いフェライトなどが挙げられる。
【0024】
第2磁性体137は、平板状の磁性材料から構成されている。この第2磁性体137は、第1磁性体136の鉛直上方に離間して配置されている。つまり、第1磁性体136と第2磁性体137は、空間を介して対向配置されている。具体的には、第1磁性体136の対向する2つの主面のうちの鉛直上方側の主面と第2磁性体137の対向する2つの主面のうちの鉛直下方側の主面が対向するように配置されており、給電コイル131が第1磁性体136と第2磁性体137の間の空間に位置するように配置されている。また、第2磁性体137は、第2磁性体137と給電コイル131との間に、後述する受電コイル211が移動可能な空間が確保される位置に配置されている。したがって、第2磁性体137は、電力伝送時、後述する受電コイル211の給電コイル131と対向する側とは反対側に配置されることとなる。つまり、第2磁性体137は、後述する受電コイル211の背面側に配置されることとなる。本実施形態では、第2磁性体137は、第1磁性体136と同一形状、同一寸法で構成されており、第1磁性体136の中心と第2磁性体137の中心が鉛直方向から見て略一致している。このように構成される第2磁性体137は、給電コイル131が発生した磁束が効率良く後述する受電コイル211に鎖交するための機能を果たす。また、第2磁性体137は、給電コイル131から発生し、後述する受電コイル211を鎖交して外部空間に漏洩しようとする磁束の一部や給電コイル131から発生し、後述する受電コイル211を鎖交せず外部空間に漏洩しようとする磁束の一部を吸収する機能も果たす。なお、第2磁性体137を構成する磁性材料としては、比較的透磁率の高いフェライトなどが挙げられる。
【0025】
第3磁性体138は、平板状の磁性材料から構成されている。この第3磁性体138は、第1磁性体136と第2磁性体137との間に、第3磁性体138の対向する2つの主面の対向方向が第1磁性体136と第2磁性体137との対向方向と直交するように配置されている。また、第3磁性体138は、第1磁性体136と第2磁性体137を連結するように配置されている。具体的には、第3磁性体138の鉛直下方側の端部が第1磁性体136の鉛直上方側の主面の端部に接続され、第3磁性体138の鉛直上方側の端部が第2磁性体137の鉛直下方側の主面の端部に接続されている。これにより、第3磁性体138は、第1磁性体136と第2磁性体137を磁気的に連結する位置であって、電力伝送時、後述する受電コイル211が第1磁性体136と第2磁性体137の間の空間を移動する際に障害とならない位置に配置されることとなる。本実施形態では、第3磁性体138は、略U字状を呈している。このように構成される第3磁性体138は、第2磁性体137に吸収された磁束を、第1磁性体136を経由して給電コイル131に至るように促す機能を果たすとともに、給電コイル131から発生し、後述する受電コイル211を鎖交せず外部空間に漏洩しようとする磁束の一部を吸収し、第1磁性体136を経由して給電コイル131に至るように促す機能を果たす。なお、第3磁性体137を構成する磁性材料としては、比較的透磁率の高いフェライトなどが挙げられる。また、第1磁性体136、第2磁性体137、第3磁性体138は、それぞれ別々に構成されていてもよく、一体的に構成されていても構わない。
【0026】
ここで、本実施形態では、給電コイル131は、給電コイル131の巻回軸方向が第1磁性体136と第2磁性体137との対向方向と略平行となるように第1磁性体136と第2磁性体137の間の空間内に配置されている。つまり、給電コイル131は、第1磁性体136、第2磁性体137、第3磁性体138によって周囲を囲むように配置されている。したがって、磁性構造体135によって、給電コイル131から発生した磁束の一部は、外部空間に漏洩することなく給電コイル131に至るループを形成するよう誘導されることとなる。
【0027】
ワイヤレス受電装置200は、受電部210と、整流部220と、を有する。
【0028】
受電部210は、ワイヤレス給電装置100の給電部130から給電された交流電力を受電する機能を有する。本実施形態では、受電部210は、
図2に示されるように、移動体500に設置される。ここで、本実施形態における移動体500である直動型ロボットは、水平方向に直線的に伸びるねじ軸252と、ねじ軸252にボール(図示しない)を介して貫通支持される動作部251を有し、ねじ軸252の回転によって動作部251がねじ軸252の延伸方向に直線往復移動が可能に構成されている。この直動型ロボットは、例えば、動作部251に取り付けられる水平多関節ロボットや単軸ロボットなどの可動部(図示しない)を移動させる目的で使用される。なお、ねじ軸252等を収納する筐体に関しては、説明の便宜上、図示を省略している。本実施形態では、直動型ロボットの動作部251の側面に受電部210が設置され、受電部210は動作部251の移動に連動して移動可能に構成されている。この受電部210は、
図2に示されるように、受電コイル211を有し、絶縁性を有する筐体によってパッケージングされている。なお、受電部210は、受電コイル211と接続し共振回路を構成する受電側共振コンデンサ(図示しない)を含んでいても構わない。また、受電部210は、磁路の磁気抵抗を減らし、コイル間の磁気的な結合を高める磁性体(図示しない)を有していても構わない。
【0029】
受電コイル211は、給電コイル131が発生させる磁界を介して、給電コイル131から電力を受電する。具体的には、受電コイル211は、給電コイル131が発生する交流磁界により、電磁誘導作用による起電力が生じ、この起電力に基づく交流電流が流れる。そして、受電コイル211に発生した交流電流は、後述する整流部220に供給される。受電コイル211は、銅やアルミニウムなどの導線を複数撚り合わせたリッツ線を巻回して形成される。本実施形態では、受電コイル211は、リッツ線を平面状に巻回されて構成されている。また、受電コイル211は、受電コイル211の巻回軸方向が鉛直方向と略平行となるように動作部251に支持されている。この受電コイル211は、電力伝送時、動作部251により第1磁性体136と第2磁性体137の間の空間内であって、給電コイル131と対向する位置に移動して停止した状態で給電コイル131からの電力を受電してもよく、動作部に251により第1磁性体136と第2磁性体137の間の空間内を移動しながら給電コイル131からの電力を受電しても構わない。つまり、受電コイル211は、電力伝送時、第1磁性体136と第2磁性体137の間の空間内を移動可能に構成されている。このとき、受電コイル211(受電部210)は、第1磁性体136、第2磁性体137とは非接触状態で移動することとなる。このように構成される受電コイル211の巻数は、所望の電力伝送効率に基づいて適宜設定される。なお、受電コイル211は、リッツ線が螺旋状に巻回されて構成されるソレノイドコイルであっても構わない。
【0030】
整流部220は、受電コイル211が受電した交流電力を直流電力に整流して、後述する充電部230に出力する。整流部220を構成する素子としては、トランジスタやダイオード等の半導体素子が挙げられる。例えば、複数のダイオードがブリッジ接続されたブリッジ型回路と、このブリッジ型回路に並列に接続され、整流された電圧を平滑して直流電圧を生成する平滑コンデンサから構成される。ここで、整流部220から出力された直流電力は、整流部220に接続された充電部230により、蓄電部240を充電するための電圧に変換されて蓄電部240に充電され、蓄電部240に蓄えられた電力は負荷250に供給されることとなる。これら充電部230、蓄電部240、負荷250は移動体500に搭載されている。充電部230としては、整流部220から出力される直流電圧および蓄電部240の定格電圧に応じて、昇圧型コンバータ、昇降圧型コンバータ、降圧型コンバータ等の非絶縁型やトランスを用いる絶縁型あるいは複数の素子を用いるインターリーブ型などが挙げられる。蓄電部240としては、繰り返し充電可能な電池であれば特に制限されず、リチウムイオン二次電池、ニッケル水素二次電池、蓄電量の高い電気二重層キャパシタ(EDLC:Electric Double−Layer Capacitor)、電力を一時的に蓄え、蓄えられた電力を負荷250に供給可能な電力バッファとして機能するものなどが挙げられる。負荷250としては、動作部251に取り付けられる水平多関節ロボットや単軸ロボットを駆動させるためのモータや電動アクチュエータなどが挙げられる。なお、本実施形態では、負荷250は、蓄電部240に蓄えられた電力を受けて動作するように構成されているがこれに限られず、受電コイル211が受電し整流部220により整流された直流電力を直接受けて動作するように構成されていても構わない。この場合、充電部230と蓄電部240を省くことができる。
【0031】
このような構成を備えることにより、ワイヤレス給電装置100からワイヤレス受電装置200にワイヤレスにて電力伝送するワイヤレス電力伝送システム10が実現される。
【0032】
続いて、本実施形態に係るワイヤレス電力伝送システム10の給電動作について説明する。なお、本例においては、受電コイル211が第1磁性体135と第2磁性体136の間の空間内を移動しながら給電コイル131からの電力を受電する移動中給電の場合を例に用いて説明する。
【0033】
まず、ワイヤレス受電装置200を備えた移動体500が移動し、ワイヤレス受電装置200の受電部210が、ワイヤレス給電装置100の磁性構造体135の第1磁性体136と第2磁性体137の間の空間内に進入する。受電部210が磁性構造体135の第1磁性体136と第2磁性体137の間の空間内に進入すると、受電コイル211が給電コイル131と重なる。このとき、給電コイル131が発生する交流磁界を介して受電コイル211に電力が伝送される。受電コイル211で受電した電力は、整流部220によって整流され、整流部220から出力された直流電力は、充電部230に供給される。充電部230に整流部220から直流電力が供給されると、充電部230から蓄電部240への充電動作が開始され蓄電部240への電力の蓄積が始まる。そして、蓄電部240に蓄えられた電力は、要求に応じて負荷250に供給される。ここで、ワイヤレス給電装置100からワイヤレス受電装置200への電力伝送において、給電コイル131から発生した磁束の大部分は、受電コイル211に鎖交して給電コイル131に至るように周回する。本実施形態では、受電コイル211の給電コイル131と対向する側とは反対側に第2磁性体137が配置されており、給電コイル131から発生し受電コイル211に鎖交した磁束の一部は、外部空間に漏洩することなく、第2磁性体137に吸収され、第3磁性体138、第1磁性体136を経由して給電コイル131に至るように周回する。また、給電コイル131から発生し受電コイル211に鎖交しない磁束の一部も、外部空間に漏洩することなく、第2磁性体137あるいは第3磁性体138に吸収され、第1磁性体136を経由して給電コイル131に至るように周回する。つまり、電力伝送時、給電コイル131から発生した磁束の外部空間への漏洩を防止することができる。また、給電コイル131から発生した磁束を誘導する磁性構造体135は、給電部130が備える構成であって、受電部210と接触させる必要はないため、ワイヤレス電力伝送システム10における搭載部品の破損を招くことはない。したがって、受電コイル211を搭載する移動体500が移動中であっても、漏洩電磁ノイズを抑制しつつ電力伝送を行うことができる。
【0034】
以上のように、本実施形態に係るワイヤレス電力伝送システム10は、磁性構造体135は、空間を介して対向配置される第1及び第2磁性体136,137と、第1磁性体136と第2磁性体137を連結する第3磁性体138を有し、給電コイル131は、当該給電コイル131の巻回軸方向が第1磁性体136と第2磁性体137との対向方向と略平行になるように空間内に配置され、受電コイル211は、電力伝送時、空間内を移動可能に構成されている。そのため、電力伝送時に、給電コイル131から発生し、受電コイル211に鎖交した磁束の一部は、外部に漏れることなく、磁性構造体135の第1〜第3磁性体136〜138を介して給電コイル131に至るように周回する。したがって、受電コイル211を搭載する移動体500が移動中であっても、漏洩電磁ノイズを抑制しつつ電力伝送を行うことができる。
【0035】
(第2実施形態)
次に、
図4を参照して、本発明の第2実施形態に係るワイヤレス電力伝送システムの構成について説明する。
図4は、本発明の第2実施形態に係るワイヤレス電力伝送システムにおける給電部及び受電部を拡大して示す斜視図である。
【0036】
第2実施形態に係るワイヤレス電力伝送システムは、第1実施形態に係るワイヤレス電力伝送システム10と同様に、ワイヤレス給電装置100と、ワイヤレス受電装置200と、を有する。ワイヤレス給電装置100は、電源110と、インバータ120と、給電部180と、を有し、ワイヤレス受電装置200は、受電部210と、整流部220と、を有する。電源110、インバータ120、受電部210、整流部220の構成は、第1実施形態に係るワイヤレス電力伝送システム10と同様である。すなわち、第2実施形態に係るワイヤレス電力伝送システムは、第1実施形態の給電部130に代えて給電部180を備えている点において、第1実施形態と相違する。以下、第1実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0037】
給電部180は、インバータ120から供給された交流電力を受電部210に給電する機能を有する。本実施形態では、給電部180は、
図4に示されるように、給電コイル181と、磁性構造体135と、を有し、磁性構造体135は、第1磁性体136と、第2磁性体137と、第3磁性体138と、を有している。なお、給電部180は、給電コイル181と接続し共振回路を構成する給電側共振コンデンサ(図示しない)を含んでいても構わない。また、給電コイル181と磁性構造体135は、後述する受電部210が移動可能な空間を確保しつつ、絶縁性を有する筺体(図示しない)によってパッケージングされていてもよい。
【0038】
給電コイル181は、電源110からの電力を受けて磁界を発生させる。具体的には、給電コイル181は、インバータ120から所定の駆動周波数の交流電圧が供給されると、交流電流が流れて交流磁界を発生させる。本実施形態では、給電コイル181は、複数のコイル(本実施形態では2つのコイル)から構成されている。複数のコイルは、それぞれ銅やアルミニウムなどの導線を複数撚り合わせたリッツ線を巻回して形成される。本実施形態では、複数のコイルは、それぞれリッツ線が平面状に巻回されて構成されている。また、本実施形態では、複数のコイルは、第1磁性体136と第2磁性体137との間の空間内であって、受電コイル211の移動方向に沿って第1磁性体136の対向する2つの主面のうち鉛直上方側の主面上に配置されている。すなわち、複数のコイルは、第1磁性体136と第2磁性体137の対向方向と直交する方向であって、第3磁性体138の対向する2つの主面の対向方向と直交する方向に並置されている。これら複数のコイルのそれぞれは、各コイルの巻回軸方向が第1磁性体136と第2磁性体137との対向方向と略平行となるように第1磁性体136と第2磁性体137との間の空間内に配置されている。なお、複数のコイルは、互いに離間して配置されていてもよく、各コイルの導線の一部が重なり合うように配置されていても構わない。ここで、第1磁性体136と第2磁性体137の基本的な構成は第1実施形態と同様であるが、給電コイル181である複数のコイルを第1磁性体136と第2磁性体137との間の空間に収めるため、第1磁性体136及び第2磁性体137のそれぞれの2つの主面は、受電コイル211の移動方向と平行な方向が長辺方向となる長方形形状を呈している。このように構成される複数のコイルの巻数は、所望の電力伝送効率に基づいて適宜設定される。なお、複数のコイルは、それぞれリッツ線が螺旋状に巻回されて構成されるソレノイドコイルであっても構わない。また、給電コイル181を構成する複数のコイルは、単一の筐体に収容されていてもよく、それぞれのコイルが別々の筐体に収容されていてもよい。
【0039】
続いて、本実施形態係るワイヤレス電力伝送システムの給電動作について説明する。
【0040】
まず、ワイヤレス受電装置200を備えた移動体500が移動し、ワイヤレス受電装置200の受電部210が、ワイヤレス給電装置100の磁性構造体135の第1磁性体136と第2磁性体137の間の空間に進入する。受電部210が磁性構造体135の第1磁性体136と第2磁性体137の間の空間に進入すると、受電コイル211が給電コイル181である複数のコイルのうち、受電コイル211の移動方向手前側のコイルと重なる。このとき、給電コイル181である複数のコイルのうち、受電コイル211の移動方向手前側のコイルが発生する交流磁界を介して受電コイル211に電力が伝送される。受電コイル211で受電した電力は、整流部220によって整流され、整流部220から出力された直流電力は、充電部230に供給される。充電部230に整流部220から直流電力が供給されると、充電部230から蓄電部240への充電動作が開始され蓄電部240への電力の蓄積が始まる。さらに移動体500が移動を続けると、移動体500の移動に合わせて受電コイル211も移動し、給電コイル181である複数のコイルのうち、受電コイル211の移動方向奥側のコイルに重なる。このとき、給電コイル181である複数のコイルのうち、受電コイル211の移動方向奥側のコイルが発生する交流磁界を介して受電コイル211に電力が伝送される。このようにして、移動中の移動体500に対して移動中給電が行われるが、ワイヤレス給電装置100から移動中のワイヤレス受電装置200への電力伝送において、第1磁性体136と第2磁性体137の間の空間に、受電コイル211の移動方向に沿って給電コイル181である複数のコイルが並置されているので、移動中の移動体500に搭載された受電コイル211に効率よく移動中の電力伝送を行うことができる。具体的には、本実施形態では、受電コイル211の給電コイル181である複数のコイルと対向する側とは反対側に第2磁性体137が配置されており、給電コイル181である複数のコイルから発生し移動中の受電コイル211に鎖交した磁束の一部は、外部空間に漏洩することなく、第2磁性体137に吸収され、第3磁性体138、第1磁性体136を経由して給電コイル181である複数のコイルに至るように周回する。また、給電コイル181である複数のコイルから発生し移動中の受電コイル211に鎖交しない磁束の一部も、外部空間に漏洩することなく、第2磁性体137あるいは第3磁性体138に吸収され、第1磁性体136を経由して給電コイル181である複数のコイルに至るように周回する。つまり、移動中の電力伝送時、給電コイル181である複数のコイルから発生した磁束の外部空間への漏洩を防止することができる。したがって、受電コイル211を搭載する移動体500が移動中に、漏洩電磁ノイズを抑制しつつ受電コイル211に対して効率よく電力伝送を行うことができる。
【0041】
以上のように、本実施形態に係るワイヤレス電力伝送システムは、給電コイル181は、第1磁性体136及び第2磁性体137が対向配置して形成される空間内に、受電コイル211に移動方向に沿って配置される複数のコイルから構成されている。そのため、受電コイル211を搭載する移動体500が移動中に、漏洩電磁ノイズを抑制しつつ受電コイル211に対して効率よく電力伝送を行うことができる。
【0042】
(第3実施形態)
次に、
図5を参照して、本発明の第3実施形態に係るワイヤレス電力伝送システムの構成について説明する。
図5は、本発明の第3実施形態に係るワイヤレス電力伝送システムにおける給電部及び受電部を示す模式側面図である。なお、
図5では、給電コイルが発生する磁束のうち、磁性構造体を通過する代表的な磁束のみを矢印で表している。
【0043】
第3実施形態に係るワイヤレス電力伝送システムは、第1実施形態に係るワイヤレス電力伝送システム10と同様に、ワイヤレス給電装置100と、ワイヤレス受電装置200と、を有する。ワイヤレス給電装置100は、電源110と、インバータ120と、給電部190と、を有し、ワイヤレス受電装置200は、受電部210と、整流部220と、を有する。電源110、インバータ120、受電部210、整流部220の構成は、第1実施形態に係るワイヤレス電力伝送システム10と同様である。すなわち、第3実施形態に係るワイヤレス電力伝送システムは、第1実施形態の給電部130に代えて給電部190を備えている点において、第1実施形態と相違する。以下、第1実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0044】
給電部190は、インバータ120から供給された交流電力を受電する機能を有する。本実施形態では、給電部190は、
図5に示されるように、給電コイル191と、磁性構造体135と、を有し、磁性構造体135は、第1磁性体136と、第2磁性体137と、第3磁性体138と、を有している。なお、給電部190は、給電コイル191と接続し共振回路を構成する給電側共振コンデンサ(図示しない)を含んでいても構わない。また、給電コイル191と磁性構造体135は、後述する受電部210が移動可能な空間を確保しつつ、絶縁性を有する筺体(図示しない)によってパッケージングされていてもよい。
【0045】
給電コイル191は、インバータ120から所定の駆動周波数の交流電圧が供給されると、交流電流が流れて交流磁界を発生させる。本実施形態では、給電コイル191は、互いに直列接続された第1巻回部132と第2巻回部133を有する。第1巻回部132は、銅やアルミニウムなどの導線を複数撚り合わせたリッツ線を巻回して形成される。本実施形態では、第1巻回部132は、リッツ線が平面状に巻回されて構成されている。同様に、第2巻回部133は、銅やアルミニウムなどの導線を複数撚り合わせたリッツ線を巻回して形成される。本実施形態では、第2巻回部133は、リッツ線が平面状に巻回されて構成されている。これら第1及び第2巻回部132,133は、第1巻回部132の一方端がインバータ120に接続され、第1巻回部132の他方端が第2巻回部133の一方端に接続され、第2巻回部133の他方端がインバータ120に接続されている。本実施形態では、第1巻回部132と第2巻回部133は、交流電流が流れた際に各巻回部を同一方向に鎖交する磁束を発生するように、互いの巻回軸方向が略一致し、且つ、対向方向に離間して配置されている。具体的には、第1巻回部132は、第1磁性体136の対向する2つの主面のうち鉛直上方側の主面上(第1磁性体136の第2磁性体137と対向する側の主面上)に巻回軸方向が第1磁性体136と第2磁性体137との対向方向と略平行となるように配置され、交流電流が流れると、第1磁性体136から第2磁性体137に向かう方向に第1巻回部132を鎖交する磁束を発生させる。第2巻回部133は、第2磁性体137の対向する2つの主面のうち鉛直下方側の主面上(第2磁性体137の第1磁性体136と対向する側の主面上)に巻回軸方向が第1磁性体136と第2磁性体137との対向方向と略平行となるように配置され、交流電流が流れると、第1磁性体136から第2磁性体137に向かう方向に第2巻回部133を鎖交する磁束を発生させる。ここで、第1巻回部132と第2巻回部133は、第1巻回部132と第2巻回部133の間に移動体500に搭載された受電コイル211が移動可能な空間が確保される位置に配置される。このように構成される第1及び第2巻回部132,133のそれぞれの巻数は、所望の電力伝送効率に基づいて適宜設定される。なお、第1及び第2巻回部132,133は、リッツ線が螺旋状に巻回されて構成されていても構わない。
【0046】
続いて、本実施形態係るワイヤレス電力伝送システムの給電動作について説明する。
【0047】
まず、ワイヤレス受電装置200を備えた移動体500が移動し、ワイヤレス受電装置200の受電部210が、ワイヤレス給電装置100の磁性構造体135の第1磁性体136と第2磁性体137の間の空間に進入する。受電部210が磁性構造体135の第1磁性体136と第2磁性体137の間の空間に進入すると、受電コイル211が給電コイル191の第1及び第2巻回部132,133と重なる。このとき、受電コイル211は、給電コイル191の第1巻回部132と第2巻回部133で形成される空間に格納された状態となる。受電コイル211が第1巻回部132と第2巻回部133との間の空間に格納されると、給電コイル191の第1及び第2巻回部132,133が発生する交流磁界を介して受電コイル211に電力が伝送される。受電コイル211で受電した電力は、整流部220によって整流され、整流部220から出力された直流電力は、充電部230に供給される。充電部230に整流部220から直流電力が供給されると、充電部230から蓄電部240への充電動作が開始され蓄電部240への電力の蓄積が始まる。本実施形態では、給電コイル191は第1巻回部132と第2巻回部133を有している。したがって、第1巻回部132から発生し受電コイル211に鎖交した磁束の一部は、外部空間に漏洩することなく、第2巻回部133によって第2磁性体137に吸収されるよう集束される。そして、第2磁性体137に吸収された磁束は、第3磁性体138、第1磁性体136を経由して第1巻回部132に至るように周回する。その結果、外部空間に漏洩する磁束が大幅に抑制されることから、漏洩電磁ノイズの抑制効果を向上させることができる。
【0048】
以上のように、本実施形態に係るワイヤレス電力伝送システムは、給電コイル191は、互いに直列接続された第1巻回部132及び第2巻回部133を有し、第1巻回部132及び第2巻回部133は、電流が流れた際に各巻回部を同一方向に鎖交する磁束を発生するように、互いの巻回軸方向が略一致し、且つ、対向方向に離間して配置されている。そのため、第1巻回部132及び第2巻回部133の一方の巻回部から放出された磁束が他方の巻回部を介して磁性構造体135に流れ込み易くなるため、漏洩電磁ノイズの抑制効果を向上させることができる。
【0049】
以上、本発明を実施の形態をもとに説明したが、本発明は上述の実施形態に限られることなく、様々な変形や変更が可能である。例えば、上述の第3実施形態に係るワイヤレス電力伝送システムにおける特徴的構成ならびに機能は、第2実施形態に係るワイヤレス電力伝送システムに適用しても構わない。この場合においても、漏洩電磁ノイズの抑制効果を向上させることができる。また、上述の実施形態では、受電コイル211が直線移動可能に構成されている例を用いて説明したが、受電コイル211が回転移動可能に構成されている場合についても適用可能である。