特許第6579048号(P6579048)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6579048
(24)【登録日】2019年9月6日
(45)【発行日】2019年9月25日
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/00 20060101AFI20190912BHJP
   G03G 21/00 20060101ALI20190912BHJP
【FI】
   H04N1/00 C
   G03G21/00 370
【請求項の数】5
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2016-129960(P2016-129960)
(22)【出願日】2016年6月30日
(65)【公開番号】特開2018-6952(P2018-6952A)
(43)【公開日】2018年1月11日
【審査請求日】2018年3月28日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100168583
【弁理士】
【氏名又は名称】前井 宏之
(72)【発明者】
【氏名】岡▲崎▼ 友佑
【審査官】 野口 俊明
(56)【参考文献】
【文献】 特開2016−008991(JP,A)
【文献】 特開2014−044437(JP,A)
【文献】 特開2001−268289(JP,A)
【文献】 特開2015−084028(JP,A)
【文献】 特開2011−035667(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/00
G03G 21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿から読み取った第1画像をシートに形成する画像形成装置であって、
捲られる前記原稿を撮影し、捲られる前記原稿を示す第2画像を出力するカメラと、
前記第2画像に基づいて、前記第1画像が形成された前記シートを綴じる領域を決定する決定部と、
前記シートの前記領域に穿孔する第1処理、及び、前記シートを前記領域でステープルにより綴じる第2処理の少なくとも一方を実行する処理部と
前記領域を表示する表示部とを備え、
前記決定部は、前記第2画像に基づいて、複数の前記領域を示すリストの中から少なくとも1つの前記領域を選定し、選定された前記領域を選択可能に前記表示部に表示し、選択された前記領域を、前記シートを綴じる前記領域に決定し、
前記処理部は、前記第1処理及び前記第2処理の両方を実行可能であり、
前記表示部は、前記第1処理の実行を推奨する第1選択肢、及び、前記第2処理の実行を推奨する第2選択肢を表示し、
前記第1選択肢は、前記第1処理を実行する前記領域を示し、
前記第2選択肢は、前記第2処理を実行する前記領域を示し、
前記決定部は、前記第1選択肢及び前記第2選択肢に序列を設けて前記表示部に表示する画像形成装置。
【請求項2】
人感センサーを更に備え、
前記カメラは、前記人感センサーが人を検知したときに撮影を開始する、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記カメラは前記原稿を撮影し、前記原稿を示す第3画像を出力し、
前記決定部は、前記第3画像に基づいて、前記原稿が孔を有するか否かを判定し、前記原稿が孔を有する場合に、前記第1選択肢を前記第2選択肢よりも高い序列で前記表示部に表示する、請求項に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記カメラは前記原稿を撮影し、前記原稿を示す第3画像を出力し、
前記決定部は、前記第3画像に基づいて、前記原稿がステープルを有するか否かを判定し、前記原稿がステープルを有する場合に、前記第2選択肢を前記第1選択肢よりも高い序列で前記表示部に表示する、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記カメラは前記原稿を撮影し、前記原稿を示す第3画像を出力し、
前記決定部は、
前記第3画像に基づいて、前記原稿上の文字を認識し、
前記文字の向きに基づいて、前記原稿の向きを認識し、
前記原稿の向きに基づいて、前記領域を決定する、請求項1又は請求項に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、後処理装置(フィニッシャー)を備える画像形成装置が増加している。後処理装置は、シートに画像を形成した後に所定の処理(以下、後処理とも記載する)をシートに実行する装置である。特許文献1に記載の画像形成装置は、穿孔処理、及びステープル処理を後処理として実行する後処理装置を備える。穿孔処理は、画像が形成されたシートに孔を設ける処理である。ステープル処理は、画像が形成されたシートをステープルにより綴じる処理である。
【0003】
また、特許文献1に記載の画像形成装置は、撮影装置及び画像解析部を備えている。撮影装置はユーザーの手を撮影し、画像解析部は、ユーザーの手によるジェスチャーを解析する。画像解析部は、ジェスチャーが行われた空間を特定し、空間に対応する原稿上の領域を特定する。
【0004】
ユーザーは、シート上の所望の領域と対応する空間で予め決められたジェスチャーを行う。その結果、シート上の所望の領域で、穿孔処理又はステープル処理を後処理装置に実行させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2015−84028号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載の画像形成装置においては、原稿から読み取った画像を表示部に表示する必要がある。また、ユーザーは、原稿上の領域と対応する空間で予め決められたジェスチャーを行う必要がある。従って、特許文献1に記載の画像形成装置においては、ユーザーは、予め決められたジェスチャーを覚えていないと、画像形成装置に後処理を指示することができない。
【0007】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、シートに画像を形成した後に所定の処理をシートに実行することを、ジェスチャーにより容易に指示することができる画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る画像形成装置は、原稿から読み取った第1画像をシートに形成する。画像形成装置は、カメラと、決定部と、処理部とを備える。カメラは、捲られる前記原稿を撮影し、捲られる前記原稿を示す第2画像を出力する。決定部は、前記第2画像に基づいて、前記第1画像が形成された前記シートを綴じる前記原稿上の領域を決定する。処理部は、前記シートの前記領域に穿孔する第1処理、及び、前記シートを前記領域においてステープルにより綴じる第2処理の少なくとも一方を実行する。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る画像形成装置によれば、シートに画像を形成した後に所定の処理をシートに実行することを、ジェスチャーにより容易に指示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施形態に係る画像形成装置を示す図である。
図2】原稿Uが捲られる部分と、用紙Rを綴じる領域との関係を示す図である。
図3】原稿Uが捲られる部分と、用紙Rを綴じる領域との関係を示す図である。
図4】原稿Uが捲られる部分と、用紙Rを綴じる領域との関係を示す図である。
図5】原稿Uが捲られる部分と、用紙Rを綴じる領域との関係を示す図である。
図6図1に示す表示部に表示される推奨設定リストを示す図である。
図7図1に示す制御部の動作を示すフローチャートである。
図8図1に示す制御部の動作を示すフローチャートである。
図9図7に示す表示処理を示すフローチャートである。
図10図1に示す表示部に表示されるセット指示を示す図である。
図11】実施形態2に係る推奨設定リストを示す図である。
図12】倒立した原稿を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について、図面(図1図12)を参照しながら説明する。なお、図中、同一又は相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。
【0012】
≪実施形態1≫
図1は、本発明の実施形態に係る画像形成装置10を示す。本実施形態において画像形成装置10は、複合機である。
【0013】
図1に示すように、画像形成装置10は、後処理装置100と、原稿から読み取った画像(第1画像)を用紙R(シート)に形成する本体部200とを備える。後処理装置100は、本体部200から送られた画像形成後の用紙Rに対して穿孔処理(第1処理)、及びステープル処理(第2処理)を行う。穿孔処理は、第1画像が形成された用紙Rを綴じるために、用紙Rに孔(以下、パンチ孔とも記載する)を設ける処理である。ステープル処理は、第1画像が形成された用紙Rをステープル(綴じ針)により綴じる処理である。以下の説明では、穿孔処理、及びステープル処理を後処理と総称する。
【0014】
後処理装置100は、搬送部120と、待避部材141と、処理トレイ142と、規制部材143と、少なくとも1つの送りローラー対144とを含む。
【0015】
搬送部120は、第1画像が形成された用紙Rを本体部200から受け取り、順次搬送する。
【0016】
処理トレイ142は、複数の用紙Rを積載可能である。規制部材143は、処理トレイ142の一端に配置される。処理トレイ142は、処理トレイ142に積載された用紙Rが自重で規制部材143側に向けて滑るように傾斜している。
【0017】
待避部材141は、モーターなどの駆動機構によって回転する円筒状の回転部材である。待避部材141は、搬送部120によって処理トレイ142へ向けて搬送される用紙Rを順次、搬送部120から一時待避させる。そして、待避部材141は、搬送部120から待避させた用紙Rを重ね合わせて用紙束を作製することが可能である。搬送部120は、待避部材141によって用紙束が作製されると、その用紙束を処理トレイ142上に搬送する。送り部材である送りローラー対144は、処理トレイ142上に搬送された用紙束を規制部材143側へ送ることが可能である。また、送りローラー対144の各ローラーは、それぞれスポンジ状の弾性体を有する。
【0018】
待避部材141は、用紙Rを3枚以上重ね合わせて用紙束を作製する際に、最上位用紙R、及び最下位用紙Rの一端よりも、中間用紙Rの一端が処理トレイ142上で規制部材143側へ突出するように用紙束を作製する。最上位用紙Rは、待避部材141が用紙Rを3枚以上重ね合わせて作成した用紙束の各用紙Rのうち、処理トレイ142上で最上位に位置する用紙である。最下位用紙Rは、用紙束に含まれる各用紙Rのうち、処理トレイ142上で最下位に位置する用紙である。中間用紙Rは、用紙束に含まれる各用紙Rのうち、最上位用紙R及び最下位用紙Rに挟まれた用紙Rである。
【0019】
また、後処理装置100は、第1排出トレイ134と、第2排出トレイ136とを備える。更に、後処理装置100は、穿孔装置151と、ステープル装置152とを備える。
【0020】
穿孔装置151は、搬送部120によって搬送される用紙Rに対して規定のタイミングで穿孔処理を行う。穿孔処理された用紙R、及び、後処理が実行されない用紙Rは、搬送部120により第2排出トレイ136に搬送される。
【0021】
ステープル装置152は、処理トレイ142上で一端が揃えられた複数の用紙Rをステープルで綴じる。ステープル装置152によって綴じられた用紙Rは、搬送部120により第1排出トレイ134に搬送される。
【0022】
次に、画像形成装置10の本体部200について説明する。本体部200は、画像形成ユニット1、画像読取ユニット2、原稿搬送ユニット3、操作パネル4、給送ユニット11、搬送ユニット13、排出ユニット15、カメラ16、人感センサー17、及び制御部5(決定部)を備える。制御部5は、例えばユーザーにより捲られる原稿Uを示す画像(第2画像)に基づいて、原稿Uの動きを解析し、決定処理を実行する。決定処理については、図2から図5を参照して後述する。
【0023】
画像形成ユニット1は、用紙Rに第1画像を形成する。画像読取ユニット2は、原稿Uに形成された第1画像を読み取る。原稿搬送ユニット3は、原稿Uを画像読取ユニット2に搬送する。原稿搬送ユニット3は、例えば、ADF(Auto Document Feeder)である。操作パネル4は、本体部200に対するユーザーからの操作を受け付ける。操作パネル4は表示部41を含む。表示部41は、推奨設定リストSK1及びセット指示413を表示する。推奨設定リストSK1については、図6を参照して後述する。セット指示413については、図10を参照して後述する。表示部41はタッチパネルであり、画面に触れることによりユーザーからの操作を受け付ける。
【0024】
給送ユニット11は、用紙Rを積載するとともに、用紙Rを搬送ユニット13に給送する。搬送ユニット13は、用紙Rを画像形成ユニット1に搬送する。更に、搬送ユニット13は、第1画像の形成された用紙Rを排出ユニット15に搬送する。排出ユニット15は、第1画像の形成された用紙Rを後処理装置100に送る。
【0025】
カメラ16は、ユーザーが保持する原稿Uを撮影し、捲られる原稿Uを示す第2画像を出力する。カメラ16は、原稿Uを、上方向、下方向、右方向及び左方向から撮影することが好ましい。従って、本実施形態の画像形成装置10は、4つのカメラ16を備える。4つのカメラ16は、操作パネル4の上方向、下方向、右方向及び左方向にそれぞれ配置される。
【0026】
人感センサー17は、操作パネル4にユーザーが接近したことを感知する。制御部5は、人感センサー17がユーザーを感知したときにカメラ16を起動し、原稿Uの撮影を開始する。
【0027】
制御部5は、画像形成ユニット1、画像読取ユニット2、原稿搬送ユニット3、操作パネル4、給送ユニット11、搬送ユニット13、排出ユニット15、カメラ16、及び後処理装置100を制御する。制御部5は、例えば、プロセッサー及びメモリーを含む。プロセッサーは、例えば、CPU(Central Processing Unit)を含む。メモリーは、データ及びコンピュータープログラムを記憶する。メモリーは、例えば、半導体メモリーを含み、HDD(Hard Disk Drive)を更に含んでもよい。
【0028】
以下に、図2から図5を参照して、制御部5が実行する決定処理を説明する。決定処理においては、第2画像に基づいて、用紙Rを綴じる領域が決定される。
【0029】
図2から図5は、原稿Uが捲られる部分と、用紙Rを綴じる領域との関係を示す。
【0030】
制御部5は、少なくとも図2から図5に示す領域SP1〜領域SP8を含む領域リストを保持している。領域リストは、例えば制御部5のメモリーに記憶される。
【0031】
図2に示す原稿U1の束は、矢印AR1、及び、矢印AR1の反対方向の矢印AR2が示す方向に右辺で捲られている。矢印AR1は、原稿U1を手に持つユーザーから見て、奥側(遠い側)から手前側(近い側)に向かう方向を示す。
【0032】
原稿U1の右辺は、カメラ16から見て、左側の辺である。原稿U2においても同様である。
【0033】
カメラ16は、右辺で捲られる原稿U1を撮影し、第2画像を出力する。第2画像に基づいて、制御部5は、領域リストの中から領域SP1を選定する。領域SP1は、用紙Rの左辺に沿う領域である。用紙Rの左辺は原稿U1の左辺と対応する。原稿U1の左辺は、カメラ16から見て、右側の辺である。原稿U2においても同様である。
【0034】
原稿U2の束は、矢印AR3、及び、矢印AR3の反対方向の矢印AR4が示す方向に左辺で捲られている。矢印AR3は、原稿U2を手に持つユーザーから見て、奥側から手前側に向かう方向を示す。カメラ16は、左辺で捲られる原稿U2を撮影し、第2画像を出力する。第2画像に基づいて、制御部5は、領域リストの中から領域SP2を選定する。領域SP2は、用紙Rの右辺に沿う領域である。用紙Rの右辺は原稿Uの右辺と対応する。
【0035】
図3に示す原稿U3の束は、矢印AR5、及び、矢印AR5の反対方向の矢印AR6が示す方向に下辺で捲られている。矢印AR5は、原稿U3を手に持つユーザーから見て、奥側から手前側に向かう方向を示す。
【0036】
原稿U3の下辺は、カメラ16から見て、奥側の辺である。原稿U4においても同様である。
【0037】
カメラ16は、下辺で捲られる原稿U3を撮影し、第2画像を出力する。第2画像に基づいて、制御部5は、領域リストの中から領域SP3を選定する。領域SP3は、用紙Rの上辺に沿う領域である。用紙Rの上辺は原稿Uの上辺と対応する。原稿Uの上辺は、カメラ16から見て、手前側の辺である。原稿U4においても同様である。
【0038】
原稿U4の束は、矢印AR7、及び、矢印AR7の反対方向の矢印AR8が示す方向に上辺で捲られている。矢印AR7は、原稿U4を手に持つユーザーから見て、奥側から手前側に向かう方向を示す。カメラ16は、上辺で捲られる原稿U4を撮影し、第2画像を出力する。第2画像に基づいて、制御部5は、領域リストの中から領域SP4を選定する。領域SP4は、用紙Rの下辺に沿う領域である。用紙Rの下辺は原稿U4の下辺と対応する。
【0039】
図2及び図3に示すように、用紙Rを綴じる領域として、原稿Uが捲られた辺の反対側の辺に沿う領域が選定される。
【0040】
図4に示す原稿U5の束は、矢印AR9、及び、矢印AR9の反対方向の矢印AR10が示す方向に右下角で捲られている。矢印AR9は、原稿U5を手に持つユーザーから見て、奥側から手前側に向かう方向を示す。
【0041】
原稿U5の右下角は、原稿U5の右辺と下辺とが交わる角である。原稿U6においても同様である。
【0042】
カメラ16は、右下角で捲られる原稿U5を撮影し、第2画像を出力する。第2画像に基づいて、制御部5は、領域リストの中から領域SP5を選定する。領域SP5は、用紙Rの左上角に隣接する領域である。用紙Rの左上角は原稿U5の左上角と対応する。原稿U5の左上角は、原稿U5の左辺と上辺とが交わる角である。原稿U6においても同様である。
【0043】
原稿U6の束は、矢印AR11、及び、矢印AR11の反対方向の矢印AR12が示す方向に左下角で捲られている。矢印AR11は、原稿U6を手に持つユーザーから見て、奥側から手前側に向かう方向を示す。カメラ16は、左下角で捲られる原稿U6を撮影し、第2画像を出力する。第2画像に基づいて、制御部5は、領域リストの中から領域SP6を選定する。領域SP6は、用紙Rの右上角に隣接する領域である。用紙Rの右上角は原稿U6の右上角と対応する。原稿U6の右上角は、原稿U6の右辺と上辺とが交わる角である。
【0044】
図5に示す原稿U7の束は、矢印AR13、及び、矢印AR13の反対方向の矢印AR14が示す方向に右上角で捲られている。矢印AR13は、原稿U7を手に持つユーザーから見て、奥側から手前側に向かう方向を示す。
【0045】
カメラ16は、右上角が捲られる原稿U7を撮影し、第2画像を出力する。第2画像に基づいて、制御部5は、領域リストの中から領域SP7を選定する。領域SP7は、用紙Rの左下角に隣接する領域である。用紙Rの左下角は、原稿U7の左下角と対応する。
【0046】
原稿U8の束は、矢印AR15、及び、矢印AR15の反対方向の矢印AR16が示す方向に左上角が捲られている。矢印AR15は、原稿U8を手に持つユーザーから見て、奥側から手前側に向かう方向を示す。カメラ16は、左上角で捲られる原稿U8を撮影し、第2画像を出力する。第2画像に基づいて、制御部5は、領域リストの中から領域SP8を選定する。領域SP8は、用紙Rの右下角に隣接する領域である。用紙Rの右下角は、原稿U8の右下角と対応する。
【0047】
図4及び図5に示すように、用紙Rを綴じる領域として、原稿Uが捲られた角の対角に隣接する領域が選定される。
【0048】
次に、制御部5が、第2画像に基づいて、原稿Uの捲られる部分を検知する方法の一例を説明する。
【0049】
制御部5は、カメラ16が撮影した画像を解析し、原稿Uの辺を検出する。制御部5が原稿Uの辺を検出する場合に、カメラ16は、原稿Uを異なる2つ以上の位置から撮影する。そして、制御部5は、2つ以上のカメラ16で撮影された画像を比較し、原稿Uと判定できる領域の存在を検知する。具体的には、制御部5は、撮影画像の輝度値を解析し、所定の輝度レベルを有する領域が存在する場合に、その領域が原稿Uと判定できる形状(例えば四角形)となっているかを判定する。原稿Uと判定できる領域が存在する場合には、本実施形態においては、制御部5は、カメラ16から最も遠い辺を原稿Uの下辺、下辺の反対側の辺を原稿Uの上辺、カメラ16から見て右側の辺を原稿Uの左辺、左辺の反対側の辺を原稿Uの右辺と判定する。
【0050】
また、制御部5は、2つ以上のカメラ16の撮影画像を解析し、原稿Uの各辺の3次元空間内の座標位置を検出する。そして、制御部5は、原稿Uの各辺が検出された後、原稿Uの各辺が動いた場合にも各辺の3次元空間上の座標位置の検出を継続する。
【0051】
制御部5は、原稿Uの各辺の動きを解析し、いずれかの辺又は角で原稿Uが捲られているか否かを判定する。
【0052】
例えば、一定以上の速度で変位している辺が1つだけ存在する場合には、その辺で原稿Uが捲られていると判定する。一定以上の速度で変位している辺が2つ存在する場合には、それらの辺が交わる角で原稿Uが捲られていると判定する。一定以上の速度で変位している辺が3つ以上存在する場合には、原稿Uは捲られておらず、原稿Uは移動していると判定する。
【0053】
図6に、表示部41に表示される推奨設定リストSK1を示す。図6に示す推奨設定リストSK1は、図2図5に矢印AR1〜矢印AR16によって示す用紙Rの捲り方(合計16個の捲り方)のうち、矢印AR1又は矢印AR2によって示す捲り方に対応している。推奨設定リストSK1は、1又は複数の推奨設定(選択肢)を含む。図6に示された推奨設定リストSK1は、推奨設定SF1(第2選択肢)、推奨設定SF2(第2選択肢)、推奨設定SF3(第1選択肢)、推奨設定SF4(第1選択肢)、及び、キャンセルボタン415を含む。推奨設定SF1、推奨設定SF2、推奨設定SF3、及び推奨設定SF4のそれぞれは、第1表示欄411、及び第2表示欄412を含む。
【0054】
第1表示欄411には、穿孔処理及びステープル処理の中で推奨する処理が表示される。また、第1表示欄411には、ステープル処理により設けるステープルの個数、又は、穿孔処理により設けるパンチ孔の個数が表示される。第2表示欄412には、穿孔処理、又は、ステープル処理の実行を推奨する用紙R上の領域が表示される。キャンセルボタン415は、推奨設定リストSK1の表示を消去する。
【0055】
穿孔処理においては、領域SP1から領域SP4のそれぞれに2つ以上のパンチ孔が設けられ、領域SP5から領域SP8のそれぞれに1つのパンチ孔が設けられる。ステープル処理においては、領域SP1から領域SP4のそれぞれに2つ以上のステープルが設けられ、領域SP5から領域SP8のそれぞれに1つのステープルが設けられる。
【0056】
推奨設定SF1及び推奨設定SF2は、第1表示欄411に示されているように、用紙Rを綴じる処理としてステープル処理を推奨する。推奨設定SF3及び推奨設定SF4は、第1表示欄411に示されているように、用紙Rを綴じる処理として穿孔処理を推奨する。
【0057】
また、推奨設定SF1及び推奨設定SF3は、第2表示欄412に示されているように、用紙Rを綴じる領域として領域SP1を推奨する。推奨設定SF2及び推奨設定SF4は、第2表示欄412に示されているように、用紙Rを綴じる領域として領域SP5を推奨する。
【0058】
推奨設定SF1、推奨設定SF2、推奨設定SF3、及び推奨設定SF4は、推奨設定リストSK1における序列を有している。推奨設定SF1、推奨設定SF2、推奨設定SF3、及び推奨設定SF4は、表示部41の上部から下部に向かって、序列が高い順に表示される。その結果、序列が高い推奨設定ほど選択されやすい。
【0059】
一方、穿孔処理及びステープル処理のそれぞれに対して、優先度が設定されている。本実施形態においては、ステープル処理に、穿孔処理より高い優先度が設定されている。その結果、図6に示す推奨設定リストSK1では、ステープル処理を推奨する推奨設定(推奨設定SF1及び推奨設定SF2)に、穿孔処理を推奨する推奨設定(推奨設定SF3及び推奨設定SF4)より高い序列が設定されている。
【0060】
また、図6に示す推奨設定リストSK1は、領域SP1を推奨する推奨設定(推奨設定SF1及び推奨設定SF3)と、領域SP5を推奨する推奨設定(推奨設定SF2及び推奨設定SF4)とを含んでいる。制御部5が、原稿Uが右辺で捲られた(図2参照)と判定したことにより、推奨設定リストSK1は、領域SP1を推奨する推奨設定と、領域SP5を推奨する推奨設定とを含む。
【0061】
具体的には、制御部5は、原稿Uが例えば右辺で捲られたと判定すると、用紙Rを綴じる領域として、領域SP1を選定する。そして、領域SP1と部分的に重なる領域SP5も用紙Rを綴じる領域として選定する。ただし、領域SP1に領域SP5より高い序列を設定する。領域SP1に領域SP5より高い序列が設定されることにより、推奨設定SF1に推奨設定SF2より高い序列が設定され、推奨設定SF3に推奨設定SF4より高い序列が設定される。
【0062】
各推奨設定に設定される序列は、ステープル処理及び穿孔処理に予め設定される優先度と、領域に設定される序列とに基づいて決定される。
【0063】
なお、制御部5が、用紙Rを綴じる領域として領域SP2を選定する場合には、領域SP2と部分的に重なる例えば領域SP6(図4参照)も用紙Rを綴じる領域として選定する。ただし、領域SP2に領域SP6より高い序列を設定する。
【0064】
同様に、制御部5が、用紙Rを綴じる領域として領域SP3を選定する場合には、領域SP3と部分的に重なる例えば領域SP5(図4参照)も用紙Rを綴じる領域として選定する。ただし、領域SP3に領域SP5より高い序列を設定する。
【0065】
同様に、制御部5が、用紙Rを綴じる領域として領域SP4を選定する場合には、領域SP4と部分的に重なる例えば領域SP7(図5参照)も用紙Rを綴じる領域として選定する。ただし、領域SP4に領域SP7より高い序列を設定する。
【0066】
同様に、制御部5が、用紙Rを綴じる領域として領域SP5又は領域SP6を選定する場合には、領域SP3も用紙Rを綴じる領域として選定し、用紙Rを綴じる領域として領域SP7又は領域SP8を選定する場合には、領域SP4も用紙Rを綴じる領域として選定する。ただし、領域SP5又は領域SP6に領域SP3より高い序列を設定し、領域SP7又は領域SP8に領域SP4より高い序列を設定する。
【0067】
推奨設定リストSK1が、ステープルの個数、又は、パンチ孔の個数が互いに異なる推奨設定を含むことで、ステープルの個数、又は、パンチ孔の個数を適切に調節することができる。
【0068】
次に、図7から図9を参照して、制御部5の動作を説明する。図7及び図8は、制御部5の動作を示すフローチャートである。
【0069】
制御部5は、人感センサー17がユーザーを感知したか否かを判定し(S101)、感知した場合(S101で「Yes」)は、カメラ16を起動し(S102)、処理はステップS103に進む。感知しない場合(S101で「No」)は、処理はステップS112に進む。
【0070】
次に、制御部5は、原稿Uが捲られたこと(以下、ジェスチャーと記載する)を認識できたか否かを判定し(S103)、ジェスチャーを認識できた場合(S103で「Yes」)は、捲られた原稿Uの部分に基づいて、用紙Rを綴じる1又は複数の領域を領域リストから選定し(S104)、処理はステップS105に進む。ジェスチャーを認識できない場合(S103で「No」)は、処理はステップS112に進む。
【0071】
次に、制御部5は、推奨設定リストSK1を表示する表示処理を実行し(S105)、処理は図8のステップS106に進む。表示処理については、図9を参照して後述する。
【0072】
次に、制御部5は、推奨設定リストの中から推奨設定が選択されたか否かを判定する(図8のS106)。選択されない場合(S106で「No」)は、処理はステップS115に進む。選択された場合(S106で「Yes」)は、セット指示413を表示部41に表示し(S107)、処理はステップS108に進む。セット指示413については、図10を参照して後述する。
【0073】
次に、制御部5は、原稿Uの第1画像の読み取りが指示されたか否かを判定し(S108)、読み取りが指示されない場合(S108で「No」)は、制御部5は、読み取りが指示されるまで待機する。読み取りが指示された場合(S108で「Yes」)は、処理はステップS109に進む。
【0074】
次に、制御部5は、原稿トレイ31にセットされた原稿Uの搬送を開始するように、原稿搬送ユニット3を制御し、第1画像の読み取りを開始するように、画像読取ユニット2を制御する(ステップS109)。続いて、制御部5は、ユーザーによる画像形成の指示により、用紙Rに第1画像を形成するように、画像形成ユニット1を制御する(ステップS110)。次に、制御部5は、ステップS106において選択された推奨設定に従う処理を実行するように、後処理装置100を制御し(ステップS111)、処理は終了する。
【0075】
なお、原稿Uが例えば本であれば、原稿Uを原稿トレイ31にセットできない。原稿Uが本である場合には、ステップS109及びステップS110において、画像読取ユニット2により、本の2ページ分の第1画像を読み取り、読み取った第1画像を用紙Rに形成する動作を繰り返す。具体的には、本の2ページ分の第1画像のうち1ページ分の画像が、1枚の用紙Rに形成される。ユーザーが必要とする全ての第1画像を用紙Rに形成した後、処理はステップS111に進む。
【0076】
次に、図7に戻って、人感センサー17がユーザーを感知しない場合(S101で「No」)、及び、ジェスチャーを認識できない場合(S103で「No」)の後の処理を説明する。
【0077】
図7のステップS112においては、制御部5は、読み取りが指示されたか否かを判定する。読み取りが指示されない場合(S112で「No」)は、読み取りが指示されるまで待機する。読み取りが指示された場合(S112で「Yes」)は、処理は図8のステップS113に進む。
【0078】
次に、制御部5は、原稿トレイ31にセットされた原稿Uの搬送を開始するように、原稿搬送ユニット3を制御し、第1画像の読み取りを開始するように、画像読取ユニット2を制御する(ステップS113)。続いて、制御部5は、用紙Rに画像を形成するように、画像形成ユニット1を制御し(ステップS114)、処理は終了する。
【0079】
つまり、ユーザーを感知しない状態(S101で「No」)、及び、ジェスチャーを認識できない状態(S103で「No」)で、読み取りが指示された場合(S112で「Yes」)は、後処理は実行されず、通常の画像形成処理だけが実行される。
【0080】
次に、図8に戻って、推奨設定リストの中から推奨設定が選択されない場合(S106で「No」)の後の処理を説明する。
【0081】
図8のステップS115においては、制御部5は、キャンセルボタン415が押下されたか否かを判定する。押下されない場合(S115で「No」)は、処理はステップS117に進む。押下された場合(S115で「Yes」)は、処理は図7のステップS116に進む。
【0082】
次に、制御部5は、推奨設定リストSK1の表示を表示部41から消去し(ステップS116)、処理はステップS112に進む。
【0083】
つまり、キャンセルボタン415が押下された場合は、後処理は実行されず、ユーザーの指示に従って、通常の画像形成処理が実行される。
【0084】
次に、図8に戻って、キャンセルボタン415が押下されない場合(S115で「No」)の後の処理を説明する。
【0085】
ステップS117においては、制御部5は、読み取りが指示されたか否かを判定する。読み取りが指示された場合(S117で「Yes」)は、処理は、ステップS113に進む。読み取りが指示されない場合(S117で「No」)は、処理はステップS106に戻る。
【0086】
つまり、推奨設定リストSK1で推奨設定が選択されず、キャンセルボタン415が押下されず、読み取りが指示された場合は、後処理は実行されず、通常の画像形成処理だけが実行される。
【0087】
次に、図9を参照して、図7のステップS105において制御部5により実行される表示処理を説明する。図9は、表示処理のフローチャートを示す。
【0088】
制御部5は、穿孔処理、及びステープル処理のそれぞれに対して予め設定された優先度をメモリーから読み出す(S201)。
【0089】
次に、制御部5は、ステップS104で選定された領域の序列と、処理の優先度とに基づいて、1又は複数の推奨設定を作成し(S202)、1又は複数の推奨設定を含む推奨設定リストを表示部に表示する(S203)。
【0090】
次に、図10を参照して、図8のステップS107において表示部41に表示されるセット指示413を説明する。図10は、表示部41に表示されるセット指示413を示す。
【0091】
セット指示413は、原稿Uを原稿トレイ31にセットする方向を示す画面である。セット指示413は、原稿Uを示す画像と、決定された領域SP11を示す画像と、原稿Uをセットする方向を示す矢印414と、画面の意味を補足するメッセージ416とを含む。原稿Uを示す画像は、カメラ16により撮影された画像に基づいて作成される。
【0092】
図7から図10を参照して説明したように、本実施形態によれば、ユーザーにより捲られる原稿Uがカメラ16により撮影され、カメラ16から第2画像が出力され、第2画像に基づいて、用紙Rを綴じる領域が決定され、穿孔処理、又はステープル処理が実行される。ユーザーは、原稿Uのいずれかの辺又は角を捲ることで、第1画像が形成された用紙Rを綴じる領域を画像形成装置10に指示することができる。従って、用紙Rに後処理を実行する領域を、ジェスチャーにより容易に指示することができる。また、領域の決定にカメラ16により撮影された画像を使用するので、原稿Uから予め第1画像を読み取る必要が生じない。従って、用紙Rに後処理を実行する手順が増大するのを抑制することができる。
【0093】
また、用紙Rを綴じる1又は複数の領域が選択可能に表示部41に表示され、ユーザーの選択に基づいて、用紙Rを綴じる領域が最終的に決定される。従って、ユーザーの意向を反映して、用紙Rを綴じる領域を決定することができる。その結果、制御部5がジェスチャーを正確に解析できない場合に、用紙Rを綴じる領域として不適切な領域に後処理が実行されるのを防止することができる。
【0094】
更に、表示部41に、用紙Rを綴じる領域として推奨する領域と、後処理として推奨する処理とを組み合わせた推奨設定を表示することで、用紙Rを綴じる領域及び処理を1回の操作で指定することができる。また、推奨設定を序列に従って表示部41に表示することで、ユーザーが適切な推奨設定を容易に選択することができる。
【0095】
≪実施形態2≫
次に、図11を参照して、本発明の実施形態2を説明する。実施形態2は、各処理に対して予め設定された優先度を変更する点で実施形態1と異なる。各処理に対して予め設定された優先度を修正すること以外の実施形態2の構成は、実施形態1と同じである。
【0096】
具体的には、カメラ16は原稿Uを撮影し、原稿Uを示す第3画像を出力する。第3画像は、原稿Uを示す画像であればよく、静止した状態の原稿Uを示す画像であっても、捲られる原稿Uを示す画像(第2画像)であってもよい。制御部5は、第3画像を解析し、原稿Uにステープルが設けられているか、又は、パンチ孔が設けられているかを判定する。原稿Uに、ステープルもパンチ孔も設けられていない場合には、穿孔処理及びステープル処理のそれぞれに対して予め設定されている優先度をそのまま維持する。
【0097】
一方、原稿Uにステープル及びパンチ孔の一方が設けられている場合には、各処理に対して予め設定された優先度をリセットする。
【0098】
そして、原稿Uにステープルが設けられている場合には、ステープル処理に穿孔処理より高い優先度を設定する。
【0099】
また、原稿Uにパンチ孔が設けられている場合には、穿孔処理にステープル処理より高い優先度を設定する。
【0100】
なお、原稿Uにステープル及びパンチ孔の両方が設けられている場合には、穿孔処理、及び、ステープル処理のそれぞれに対して予め設定されている優先度をそのまま維持する。
【0101】
図11は、推奨設定リストSK2を示す。推奨設定リストSK2は、制御部5が、原稿Uにパンチ孔が設けられていると判定した場合に表示部41に表示される推奨設定リストの一例である。
【0102】
具体的には、制御部5は、原稿Uにパンチ孔が設けられていると判定した場合に、各処理に対して予め設定された優先度に関わらず、穿孔処理にステープル処理より高い優先度を設定する。その結果、推奨設定リストSK2においては、穿孔処理を推奨する推奨設定SF11及び推奨設定SF12の序列が、ステープル処理を推奨する推奨設定SF13及び推奨設定SF14の序列よりも高くなっている。
【0103】
なお、制御部5が、原稿Uにステープルが設けられているか、又は、パンチ孔が設けられているかを判定する際に、ステープルの位置及び/又は個数、又は、パンチ孔の位置及び/又は個数を判定してもよい。例えば、原稿Uにステープルが設けられていると判定した場合、制御部5は、原稿Uに設けられたステープルの位置及び/又は個数を判定し、判定結果を第1表示欄411に表示する。判定結果を表示した第1表示欄411を含む推奨設定が選択されると、判定結果に従って後処理が実行される。一方、原稿Uにパンチ孔が設けられていると判定した場合、制御部5は、原稿Uに設けられたパンチ孔の位置及び/又は個数を判定し、判定結果を第1表示欄411に表示する。判定結果を表示した第1表示欄411を含む推奨設定が選択されると、判定結果に従って後処理が実行される。
【0104】
実施形態2によれば、原稿Uを綴じている処理(穿孔処理又はステープル処理)と同じ処理を推奨する推奨設定(推奨設定SF11及び推奨設定SF12)に、他の処理を推奨する推奨設定(推奨設定SF13及び推奨設定SF14)より高い序列が設定される。従って、実施形態2によれば、原稿Uを綴じている処理と同じ処理を実行するように、ユーザーが画像形成装置10に指示することが容易になる。
【0105】
≪実施形態3≫
次に、図12を参照して、本発明の実施形態3を説明する。実施形態3は、原稿Uに記載された文字の向きに基づいて原稿Uの向きを認識する点で、文字の向きと無関係に原稿Uの向きを認識する実施形態1と異なる。原稿Uに記載された文字の向きに基づいて、原稿Uの向きを認識すること以外の実施形態3の構成は、実施形態1と同じである。
【0106】
図12は、ユーザーにより倒立した状態で保持された原稿Uを示す。制御部5は、第3画像に基づいて、原稿Uに記載された文字を認識し、文字の向きに基づいて、原稿Uの向きを認識する。図12の例においては、制御部5は、文字の向きに基づいて、カメラ16から最も遠い辺を原稿Uの上辺と認識し、上辺の反対側の辺を原稿Uの下辺と認識する。
【0107】
また、制御部5は、文字の向きに基づいて、カメラ16から見て右側の辺を原稿U11の右辺と認識し、右辺の反対側の辺を原稿U11の左辺と認識する。
【0108】
原稿U11に記載された文字の向きにより、原稿U11の各辺を認識することで、用紙Rを綴じる領域を適切に決定することがきできる。
【0109】
以上、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明した。但し、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である。また、上記の実施形態に開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせることによって、種々の発明の形成が可能である。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。図面は、理解しやすくするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の厚み、長さ、個数、間隔等は、図面作成の都合上から実際とは異なる場合もある。また、上記の実施形態で示す各構成要素の材質、形状、寸法等は一例であって、特に限定されるものではなく、本発明の効果から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0110】
本発明は、画像形成装置の分野に利用可能である。
【符号の説明】
【0111】
1 :画像形成ユニット
4 :操作パネル
5 :制御部
10 :画像形成装置
16 :カメラ
17 :人感センサー
41 :表示部
100 :後処理装置
151 :穿孔装置
152 :ステープル装置
200 :本体部
R :用紙
U :原稿
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12