(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記電源から前記第1駆動部への電力供給及び前記第2駆動部への電力供給を同時に実行させて、前記第1駆動部への電力供給開始時から前記第1駆動部が定常状態に遷移するまでの第1経過時間及び前記第2駆動部への電力供給開始時から前記第2駆動部が定常状態に遷移するまでの第2経過時間を計測する計測処理部を更に備え、
前記駆動制御部は、前記交互実行時間の経過前は、前記電源から前記第1駆動部への電力供給及び前記第2駆動部への電力供給を前記第1経過時間及び前記第2経過時間の比率に応じた時間割合で交互に実行させる、
請求項1に記載の画像形成装置。
像担持体を駆動する第1駆動部と、前記像担持体と接触して設けられる接触部材を駆動する第2駆動部と、共通の通電経路を介して前記第1駆動部及び前記第2駆動部に接続される電源と、前記共通の通電経路上に設けられるヒューズと、を備える画像形成装置で実行される画像形成方法であって、
予め設定された交互実行時間の経過前は、前記電源から前記第1駆動部への電力供給及び前記第2駆動部への電力供給を交互に実行させる第1ステップと、
前記交互実行時間の経過後は、前記電源から前記第1駆動部及び前記第2駆動部への電力供給を同時に実行させる第2ステップと、
前記電源から前記第1駆動部への電力供給及び前記第2駆動部への電力供給を交互に実行させて、前記電源による前記第1駆動部への電力供給開始時から前記第1駆動部が定常状態に遷移するまでの間に前記第1駆動部に流れる第1起動電流及び前記電源による前記第2駆動部への電力供給開始時から前記第2駆動部が定常状態に遷移するまでの間に前記第2駆動部に流れる第2起動電流を検出する検出ステップと、
前記検出ステップによって検出された前記第1起動電流及び前記第2起動電流に基づいて、前記交互実行時間を設定する設定ステップと、
を含む画像形成方法。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明し、本発明の理解に供する。なお、以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0011】
[画像形成装置10の概略構成]
まず、
図1及び
図2を参照しつつ、本発明の実施形態に係る画像形成装置10の概略構成について説明する。ここで、
図1は画像形成装置10の構成を示す断面模式図である。
【0012】
画像形成装置10は、画像データに基づいて画像を形成するプリント機能と共に、スキャン機能、ファクシミリ機能、又はコピー機能などの複数の機能を有する複合機である。また、本発明は、プリンター装置、ファクシミリ装置、及びコピー機などの画像形成装置に適用可能である。
【0013】
図1及び
図2に示されるように、画像形成装置10は、ADF1、画像読取部2、画像形成部3、給紙部4、制御部5、操作表示部6、記憶部7、及び電源部8を備える。
【0014】
ADF1は、原稿セット部、複数の搬送ローラー、原稿押さえ、及び排紙部を備え、画像読取部2によって読み取られる原稿を搬送する自動原稿搬送装置である。画像読取部2は、原稿台、光源、複数のミラー、光学レンズ、及びCCD(Charge Coupled Device)を備え、原稿から画像データを読み取ることが可能である。給紙部4は、画像形成部3に印刷用紙などのシートを供給する。
【0015】
制御部5は、不図示のCPU、ROM、RAM、及びEEPROM(登録商標)などの制御機器を備える。前記CPUは、各種の演算処理を実行するプロセッサーである。前記ROMは、前記CPUに各種の処理を実行させるための制御プログラムなどの情報が予め記憶される不揮発性の記憶装置である。前記RAMは、前記CPUが実行する各種の処理の一時記憶メモリー(作業領域)として使用される揮発性の記憶装置である。前記EEPROMは、不揮発性の記憶装置である。制御部5では、前記CPUにより前記ROMに予め記憶された各種の制御プログラムが実行される。これにより、画像形成装置10が制御部5により統括的に制御される。なお、制御部5は、集積回路(ASIC)などの電子回路で構成されたものであってもよく、画像形成装置10を統括的に制御するメイン制御部とは別に設けられた制御部であってもよい。
【0016】
操作表示部6は、制御部5からの制御指示に応じて各種の情報を表示する液晶ディスプレーなどの表示部、及びユーザーの操作に応じて制御部5に各種の情報を入力する操作キー又はタッチパネルなどの操作部を有する。
【0017】
記憶部7は、ソリッドステートドライブ(SSD)又はハードディスクドライブ(HDD)などの記憶装置である。なお、記憶部7は、制御部5の前記ROM又は前記EEPROMであってもよい。
【0018】
次に、
図1〜
図3を参照しつつ、画像形成部3について説明する。ここで、
図3は画像形成ユニット31の構成を示す断面模式図である。
【0019】
画像形成部3は、画像読取部2で読み取られた画像データに基づいて電子写真方式でカラー又はモノクロの画像を形成する画像形成処理(印刷処理)を実行することが可能である。また、画像形成部3は、外部のパーソナルコンピューター等の情報処理装置から入力された画像データに基づいて前記印刷処理を実行することも可能である。
【0020】
具体的に、画像形成部3は、
図1及び
図2に示されるように、複数の画像形成ユニット31〜34、光走査装置(LSU)35、中間転写装置36、二次転写ローラー37、定着装置38、排紙トレイ39、第1駆動部30A、及び第2駆動部30Bを備える。画像形成ユニット31はC(シアン)、画像形成ユニット32はM(マゼンタ)、画像形成ユニット33はY(イエロー)、画像形成ユニット34はK(ブラック)に対応する電子写真方式の画像形成ユニットである。画像形成ユニット31〜34は、中間転写装置36における中間転写ベルト361の走行方向361Aに沿って、走行方向361Aの上流側からシアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの順に併設される。
【0021】
画像形成ユニット31は、
図3に示されるように、感光体ドラム311(本発明の像担持体の一例)、帯電ローラー312、現像装置313、一次転写ローラー314、及びドラム清掃部315を備える。また、画像形成ユニット32〜34各々も、画像形成ユニット31と同様の構成を備える。
【0022】
第1駆動部30Aは、画像形成ユニット31〜34各々の感光体ドラムを駆動する。例えば、第1駆動部30AはDCブラシレスモーター又はステッピングモーターなどである。第1駆動部30Aは、制御部5から入力される制御信号X1(
図4参照)に応じて、第1駆動部30Aと電源81とを接続する給電経路の導通の有無を切替可能である。
【0023】
中間転写装置36は、
図1に示されるように、中間転写ベルト361(本発明の接触部材の一例)、駆動ローラー362、及び張架ローラー363を備える。中間転写ベルト361は、画像形成ユニット31〜34各々の感光体ドラムに形成されたトナー像が転写される無端状のベルト部材である。中間転写ベルト361は、画像形成ユニット31〜34各々の感光体ドラム及び一次転写ローラーに接触した状態で、駆動ローラー362及び張架ローラー363に張架される。
【0024】
第2駆動部30Bは、駆動ローラー362を駆動する。例えば、第2駆動部30Bは、第1駆動部30Aと同様に、DCブラシレスモーター又はステッピングモーターなどである。第2駆動部30Bは、制御部5から入力される制御信号X2(
図4参照)に応じて、第2駆動部30Bと電源81とを接続する給電経路の導通の有無を切替可能である。中間転写ベルト361は、第2駆動部30Bから供給される駆動力によって駆動ローラー362が回転駆動されることで、走行方向361Aに沿って走行する。
【0025】
画像形成部3では、給紙部4から供給されるシートに以下の手順でカラー画像が形成され、画像形成後のシートが排紙トレイ39に排出される。なお、給紙部4から供給されるシートには、紙、コート紙、ハガキ、封筒、及びOHPシートなどのシート材料が含まれる。
【0026】
まず、画像形成ユニット31において、帯電ローラー312によって感光体ドラム311の表面が所定の電位に一様に帯電される。次に、光走査装置35により感光体ドラム311の表面に画像データに基づく光が照射される。これにより、感光体ドラム311の表面に画像データに対応する静電潜像が形成される。
【0027】
そして、感光体ドラム311上の静電潜像は現像装置313によってシアンのトナー像として現像(可視像化)される。具体的に、現像装置313の現像ローラーから感光体ドラム311に対してトナーが供給されることで、感光体ドラム311上の静電潜像がトナー像として現像される。なお、現像装置313には、画像形成部3に着脱可能なトナーコンテナ313A(
図1参照)からシアンのトナーが補給される。
【0028】
続いて、感光体ドラム311に形成されたシアンのトナー像は、一次転写ローラー314により中間転写装置36の中間転写ベルト361に転写される。なお、感光体ドラム311の表面に残存したトナーは、ドラム清掃部315で除去される。例えば、ドラム清掃部315は、ブレード状のクリーニング部材を備え、感光体ドラム311の表面を清掃する。
【0029】
次に、画像形成ユニット32〜34においても、画像形成ユニット31と同様の処理手順で、画像形成ユニット32〜34が備える感光体ドラム各々に各色のトナー像が形成される。そして、感光体ドラム各々に形成された各色のトナー像は、中間転写ベルト361上にシアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの順で重ねて転写される。
【0030】
中間転写ベルト361に転写されたトナー像は、中間転写装置36によって二次転写ローラー37によるシートへの二次転写位置まで搬送される。そして、二次転写ローラー37によって、前記二次転写位置で給紙部4から供給されるシートに転写される。その後、トナー像が転写されたシートは、定着装置38によりトナー像が溶融定着されることで画像が形成され、排紙トレイ39に排出される。
【0031】
次に、
図4を参照しつつ、電源部8について説明する。
【0032】
電源部8は、第1駆動部30A及び第2駆動部30Bに電力を供給する。
図4に示されるように、電源部8は、電源81、ヒューズ82、及び電流検出部83を備える。
【0033】
電源81は、
図4に示されるように、共通の通電経路Rを介して第1駆動部30A及び第2駆動部30Bに接続される。例えば、電源81は、外部電源から供給される100Vの交流電圧を予め定められた電圧値の直流電圧に変換するAC−DCコンバーターである。なお、電源81は、他のAC−DCコンバーターから供給される直流電圧を予め定められた電圧値の直流電圧に変換するDC−DCコンバーターであってもよい。
【0034】
ヒューズ82は、
図4に示されるように、共通の通電経路R上に設けられる。
【0035】
電流検出部83は、共通の通電経路Rに流れる電流を検出する電気回路である。例えば、電流検出部83は、共通の通電経路R上に設けられたシャント抵抗器における電圧降下を検出することで、共通の通電経路Rに流れる電流を検出する。電流検出部83は、検出された電流の電流値を示す検出信号X3を制御部5に入力する。
【0036】
ところで、画像形成装置10では、第1駆動部30A及び第2駆動部30Bへの電力供給が同時に開始される場合に、感光体ドラム311の駆動速度の上昇速度と中間転写ベルト361の駆動速度の上昇速度とが異なることがある。この場合、感光体ドラム311及び中間転写ベルト361は、各々の駆動速度間の速度差によって摩耗する。これに対し、第1駆動部30A及び第2駆動部30Bへの電力供給を交互に実行して、感光体ドラム311及び中間転写ベルト361の駆動速度を段階的に上昇させることで、感光体ドラム311及び中間転写ベルト361の駆動速度間の速度差を低減させることが考えられる。
【0037】
しかしながら、この場合には、第1駆動部30A及び第2駆動部30Bの駆動が安定するまでの初期起動時に第1駆動部30A及び第2駆動部30Bに流れる駆動電流がヒューズ82に流れる時間が長期化して、ヒューズ82が劣化するおそれがある。これに対し、本発明の実施形態に係る画像形成装置10では、以下に説明するように、感光体ドラム311及び中間転写ベルト361の摩耗を抑制しつつ、ヒューズ82の劣化を抑制することが可能である。
【0038】
具体的に、制御部5の前記ROMには、前記CPUに後述の交互実行時間設定処理(
図5のフローチャート参照)、経過時間計測処理(
図6のフローチャート参照)、及び駆動制御処理(
図7のフローチャート参照)を実行させるための駆動制御プログラムが予め記憶されている。なお、前記駆動制御プログラムは、CD、DVD、フラッシュメモリーなどのコンピューター読み取り可能な記録媒体に記録されており、前記記録媒体から読み取られて制御部5の前記EEPROM等の記憶装置にインストールされるものであってもよい。
【0039】
そして、制御部5は、
図2に示されるように、検出処理部51、設定処理部52、計測処理部53、及び駆動制御部54を含む。具体的に、制御部5は、前記CPUを用いて前記ROMに記憶されている前記駆動制御プログラムを実行する。これにより、制御部5は、検出処理部51、設定処理部52、計測処理部53、及び駆動制御部54として機能する。
【0040】
検出処理部51は、電源81から第1駆動部30Aへの電力供給及び第2駆動部30Bへの電力供給を交互に実行させる。そして、検出処理部51は、電源81による第1駆動部30Aへの電力供給開始時から第1駆動部30Aが定常状態に遷移するまでの間に第1駆動部30Aに流れる第1起動電流を検出する。また、検出処理部51は、電源81による第2駆動部30Bへの電力供給開始時から第2駆動部30Bが定常状態に遷移するまでの間に第2駆動部30Bに流れる第2起動電流を検出する。
【0041】
例えば、検出処理部51は、予め定められた第1タイミングが到来した場合に、電源81から第1駆動部30Aへの電力供給及び第2駆動部30Bへの電力供給を交互に実行させて、前記第1起動電流及び前記第2起動電流を検出する。例えば、前記第1タイミングは、操作表示部6において予め定められた第1操作が行われた時、及び後述する設定処理部52による交互実行時間の設定時から予め定められた期間が経過した時等である。例えば、画像形成装置10では、画像形成装置10の製造担当者等によって出荷前に前記第1操作が行われる。
【0042】
また、検出処理部51は、制御信号X1(
図4参照)及び制御信号X2を交互に出力して、第1駆動部30A及び第2駆動部30Bが定常状態に遷移するまでの間、電源81から第1駆動部30Aへの電力供給及び第2駆動部30Bへの電力供給を交互に実行させる。なお、検出処理部51は、第1駆動部30A及び第2駆動部30Bが定常状態に遷移する前に、電源81から第1駆動部30Aへの電力供給及び第2駆動部30Bへの電力供給を終了させてもよい。
【0043】
また、検出処理部51は、電源81による第1駆動部30Aへの電力供給が実行されている間に電流検出部83から出力される検出信号X3(
図4参照)に基づいて、前記第1起動電流を検出する。例えば、検出処理部51は、電源81による第1駆動部30Aへの電力供給開始時から第1駆動部30Aが定常状態に遷移するまでの間に第1駆動部30Aに流れる電流の平均値を前記第1起動電流として検出する。なお、検出処理部51は、第1駆動部30Aへの給電開始直後に第1駆動部30Aに瞬間的に流れる突入電流を無視して、第1駆動部30Aが定常状態に遷移するまでの間に第1駆動部30Aに流れる電流の平均値を算出してもよい。また、検出処理部51は、電源81による第1駆動部30Aへの電力供給開始時から第1駆動部30Aが定常状態に遷移するまでの間の予め定められたタイミングで第1駆動部30Aに流れる電流を前記第1起動電流として検出してもよい。
【0044】
同様に、検出処理部51は、電源81による第2駆動部30Bへの電力供給が実行されている間に電流検出部83から出力される検出信号X3に基づいて、前記第2起動電流を検出する。例えば、検出処理部51は、電源81による第2駆動部30Bへの電力供給開始時から第2駆動部30Bが定常状態に遷移するまでの間に第2駆動部30Bに流れる電流の平均値を前記第2起動電流として検出する。
【0045】
設定処理部52は、検出処理部51によって検出された前記第1起動電流及び前記第2起動電流に基づいて、電源81から第1駆動部30Aへの電力供給及び第2駆動部30Bへの電力供給を交互に実行させる交互実行時間を設定する。
【0046】
例えば、画像形成装置10では、ヒューズ82に流れる電流とヒューズ82において連続して電流を流すことが可能な許容時間との関係を示すヒューズ特性情報D10(
図8参照)が予め記憶部7に記憶されている。例えば、ヒューズ特性情報D10は、ヒューズ82の規格又はヒューズ82を用いた実験等に基づいて作成される。
【0047】
例えば、設定処理部52は、検出処理部51によって検出された前記第1起動電流及び前記第2起動電流の平均値を算出する。そして、設定処理部52は、ヒューズ特性情報D10に基づいて特定される前記第1起動電流及び前記第2起動電流の平均値に対応する前記許容時間を、前記交互実行時間に設定する。なお、設定処理部52は、検出処理部51によって検出された前記第1起動電流及び前記第2起動電流のうち、電流値が大きい方に基づいて前記交互実行時間を設定してもよい。
【0048】
計測処理部53は、電源81から第1駆動部30Aへの電力供給及び第2駆動部30Bへの電力供給を同時に実行させる。そして、計測処理部53は、第1駆動部30Aへの電力供給開始時から第1駆動部30Aが定常状態に遷移するまでの第1経過時間を計測する。また、計測処理部53は、第2駆動部30Bへの電力供給開始時から第2駆動部30Bが定常状態に遷移するまでの第2経過時間を計測する。
【0049】
例えば、計測処理部53は、予め定められた第2タイミングが到来した場合に、電源81から第1駆動部30Aへの電力供給及び第2駆動部30Bへの電力供給を同時に実行させて、前記第1経過時間及び前記第2経過時間を計測する。例えば、前記第2タイミングは、操作表示部6において予め定められた第2操作が行われた時、及び前回の前記第1経過時間及び前記第2経過時間の計測時から予め定められた期間が経過した時等である。例えば、画像形成装置10では、画像形成装置10の製造担当者等によって出荷前に前記第2操作が行われる。
【0050】
例えば、計測処理部53は、制御信号X1(
図4参照)及び制御信号X2を同時に出力して、第1駆動部30A及び第2駆動部30Bが定常状態に遷移するまでの間、電源81から第1駆動部30Aへの電力供給及び第2駆動部30Bへの電力供給を同時に実行させる。なお、計測処理部53は、第1駆動部30Aへの給電開始直後に第1駆動部30Aに瞬間的に流れる突入電流及び第2駆動部30Bへの給電開始直後に第2駆動部30Bに瞬間的に流れる突入電流の供給タイミングが重ならないように、制御信号X1及び制御信号X2の出力タイミングをずらしてもよい。
【0051】
駆動制御部54は、設定処理部52によって設定された前記交互実行時間の経過前は、電源81から第1駆動部30Aへの電力供給及び第2駆動部30Bへの電力供給を交互に実行させる。また、駆動制御部54は、前記交互実行時間の経過後は、電源81から第1駆動部30A及び第2駆動部30Bへの電力供給を同時に実行させる。
【0052】
例えば、駆動制御部54は、前記印刷処理が実行される場合に、電源81から第1駆動部30A及び第2駆動部30Bへの電力供給を実行させる。具体的に、駆動制御部54は、電源81から第1駆動部30A又は第2駆動部30Bへの電力供給の開始時から前記交互実行時間が経過するまでの間、制御信号X1(
図4参照)及び制御信号X2を交互に出力して、電源81から第1駆動部30Aへの電力供給及び第2駆動部30Bへの電力供給を交互に実行させる。また、駆動制御部54は、前記交互実行時間の経過後は、制御信号X1及び制御信号X2を同時に出力して、第1駆動部30A及び第2駆動部30Bが定常状態に遷移するまでの間、電源81から第1駆動部30Aへの電力供給及び第2駆動部30Bへの電力供給を同時に実行させる。
【0053】
例えば、駆動制御部54は、前記交互実行時間の経過前は、電源81から第1駆動部30Aへの電力供給及び第2駆動部30Bへの電力供給を、前記第1経過時間及び前記第2経過時間の比率に応じた時間割合で交互に実行させる。
【0054】
[交互実行時間設定処理]
以下、
図5を参照しつつ、画像形成装置10において制御部5により実行される交互実行時間設定処理の手順の一例について説明する。ここで、ステップS11、S12・・・は、制御部5により実行される処理手順(ステップ)の番号を表している。
【0055】
<ステップS11>
まず、ステップS11において、制御部5は、前記第1タイミングが到来したか否かを判断する。
【0056】
ここで、制御部5は、前記第1タイミングが到来したと判断すると(S11のYes側)、処理をステップS12に移行させる。また、前記第1タイミングが到来していなければ(S11のNo側)、制御部5は、ステップS11で前記第1タイミングの到来を待ち受ける。
【0057】
<ステップS12>
ステップS12において、制御部5は、電源81から第1駆動部30Aへの電力供給及び第2駆動部30Bへの電力供給を交互に実行させる。
【0058】
例えば、制御部5は、制御信号X1(
図4参照)及び制御信号X2を交互に出力して、第1駆動部30A及び第2駆動部30Bが定常状態に遷移するまでの間、電源81から第1駆動部30Aへの電力供給及び第2駆動部30Bへの電力供給を交互に実行させる。
【0059】
<ステップS13>
ステップS13において、制御部5は、電源81による第1駆動部30Aへの電力供給開始時から第1駆動部30Aが定常状態に遷移するまでの間に第1駆動部30Aに流れる前記第1起動電流を検出する。
【0060】
例えば、制御部5は、電源81による第1駆動部30Aへの電力供給が実行されている間に電流検出部83から出力される検出信号X3(
図4参照)に基づいて、前記第1起動電流を検出する。
【0061】
<ステップS14>
ステップS14において、制御部5は、電源81による第2駆動部30Bへの電力供給開始時から第2駆動部30Bが定常状態に遷移するまでの間に第2駆動部30Bに流れる前記第2起動電流を検出する。ここで、ステップS11〜ステップS14までの処理は、制御部5の検出処理部51によって実行される。
【0062】
例えば、制御部5は、電源81による第2駆動部30Bへの電力供給が実行されている間に電流検出部83から出力される検出信号X3に基づいて、前記第2起動電流を検出する。
【0063】
<ステップS15>
ステップS15において、制御部5は、ステップS13及びステップS14で検出された前記第1起動電流及び前記第2起動電流に基づいて、前記交互実行時間を設定する。ここで、ステップS15の処理は、制御部5の設定処理部52によって実行される。
【0064】
例えば、制御部5は、ステップS13及びステップS14で検出された前記第1起動電流及び前記第2起動電流の平均値を算出する。そして、制御部5は、ヒューズ特性情報D10に基づいて特定される前記第1起動電流及び前記第2起動電流の平均値に対応する前記許容時間を、前記交互実行時間に設定する。
【0065】
[経過時間計測処理]
次に、
図6を参照しつつ、画像形成装置10において制御部5により実行される経過時間計測処理の手順の一例について説明する。
【0066】
<ステップS21>
まず、ステップS21において、制御部5は、前記第2タイミングが到来したか否かを判断する。
【0067】
ここで、制御部5は、前記第2タイミングが到来したと判断すると(S21のYes側)、処理をステップS22に移行させる。また、前記第2タイミングが到来していなければ(S21のNo側)、制御部5は、ステップS21で前記第2タイミングの到来を待ち受ける。
【0068】
<ステップS22>
ステップS22において、制御部5は、電源81から第1駆動部30Aへの電力供給及び第2駆動部30Bへの電力供給を同時に実行させる。例えば、制御部5は、制御信号X1(
図4参照)及び制御信号X2を同時に出力して、第1駆動部30A及び第2駆動部30Bが定常状態に遷移するまでの間、電源81から第1駆動部30Aへの電力供給及び第2駆動部30Bへの電力供給を同時に実行させる。
【0069】
<ステップS23>
ステップS23において、制御部5は、第1駆動部30Aへの電力供給開始時から第1駆動部30Aが定常状態に遷移するまでの前記第1経過時間を計測する。
【0070】
<ステップS24>
ステップS24において、制御部5は、第2駆動部30Bへの電力供給開始時から第2駆動部30Bが定常状態に遷移するまでの前記第2経過時間を計測する。ここで、ステップS21〜ステップS24の処理は、制御部5の計測処理部53によって実行される。
【0071】
[駆動制御処理]
次に、
図7を参照しつつ、画像形成装置10において制御部5により実行される駆動制御処理の手順の一例と共に、本発明の画像形成方法について説明する。例えば、前記駆動制御処理は、前記印刷処理が実行される場合に、前記印刷処理における一部の処理として実行される。
【0072】
<ステップS31>
まず、ステップS31において、制御部5は、電源81から第1駆動部30Aへの電力供給及び第2駆動部30Bへの電力供給を交互に実行させる。ここに、ステップS31の処理が、本発明における第1ステップの一例であって、制御部5の駆動制御部54によって実行される。
【0073】
例えば、制御部5は、制御信号X1(
図4参照)及び制御信号X2を交互に出力して、電源81から第1駆動部30Aへの電力供給及び第2駆動部30Bへの電力供給を交互に実行させる。
【0074】
<ステップS32>
ステップS32において、制御部5は、ステップS31による処理の開始時から前記交互実行時間設定処理によって設定された前記交互実行時間が経過したか否かを判断する。
【0075】
ここで、制御部5は、ステップS31による処理の開始時から前記交互実行時間が経過したと判断すると(S32のYes側)、処理をステップS33に移行させる。また、ステップS31による処理の開始時から前記交互実行時間が経過していなければ(S32のNo側)、制御部5は、ステップS32で前記交互実行時間の経過を待ち受ける。
【0076】
<ステップS33>
ステップS33において、制御部5は、電源81から第1駆動部30A及び第2駆動部30Bへの電力供給を同時に実行させる。ここに、ステップS33の処理が、本発明における第2ステップの一例であって、制御部5の駆動制御部54によって実行される。
【0077】
例えば、制御部5は、制御信号X1及び制御信号X2を同時に出力して、第1駆動部30A及び第2駆動部30Bが定常状態に遷移するまでの間、電源81から第1駆動部30Aへの電力供給及び第2駆動部30Bへの電力供給を同時に実行させる。
【0078】
このように、画像形成装置10では、前記交互実行時間の経過前は、電源81から第1駆動部30Aへの電力供給及び第2駆動部30Bへの電力供給が交互に実行され、前記交互実行時間の経過後は、電源81から第1駆動部30A及び第2駆動部30Bへの電力供給が同時に実行される。これにより、前記交互実行時間の経過前は、感光体ドラム311及び中間転写ベルト361の駆動速度が段階的に上昇されて、感光体ドラム311及び中間転写ベルト361の駆動速度間の速度差が低減される。また、電源81による給電開始時から第1駆動部30A及び第2駆動部30Bの定常状態への遷移時まで第1駆動部30Aへの電力供給及び第2駆動部30Bへの電力供給が交互に実行される場合と比較して、前記第1起動電流及び前記第2起動電流がヒューズ82に流れる時間が短縮される。従って、感光体ドラム311及び中間転写ベルト361の摩耗を抑制しつつ、ヒューズ82の劣化が抑制される。
【0079】
なお、制御部5が検出処理部51及び設定処理部52を含まない構成が他の実施形態として考えられる。この場合、駆動制御部54は、予め設定された前記交互実行時間に基づいて、電源81から第1駆動部30A及び第2駆動部30Bへの電力供給を実行させることが考えられる。
【0080】
また、制御部5が計測処理部53を含まない構成が他の実施形態として考えられる。この場合、駆動制御部54は、前記交互実行時間の経過前は、電源81から第1駆動部30Aへの電力供給及び第2駆動部30Bへの電力供給を、予め定められた比率に応じた時間割合で交互に実行させることが考えられる。
【0081】
また、本発明の接触部材は、中間転写ベルト361に限られない。例えば、本発明の接触部材は、帯電ローラー312であってもよい。また、本発明は、感光体ドラムに形成されたトナー像がシートに直接転写される直接転写方式の画像形成装置に適用されてもよい。例えば、本発明の接触部材は、感光体ドラムと接触して設けられ、感光体ドラムに形成されたトナー像をシートに転写する転写ローラーなどの転写部材であってもよい。