(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
光源から射出される光を反射する反射面を複数有し、回転に伴って前記反射面各々で順に光を走査させる回転多面鏡と、前記回転多面鏡を回転させる駆動モーターと、前記駆動モーターの回転位置を検出するホール素子を有し、前記回転多面鏡が一回転する間に前記反射面の数より多く前記反射面の数と互いに素となる数の検出信号を出力する速度検出部と、前記駆動モーターの駆動を制御して、前記速度検出部から出力される前記検出信号を前記駆動モーターの駆動信号に同期させる駆動制御部と、前記回転多面鏡による光の走査領域内における予め定められた検出位置で前記回転多面鏡により走査される光を検出する光検出部と、を備える光走査装置で実行される反射面識別方法であって、
前記駆動モーターに流れる電流を検出する検出ステップと、
前記検出ステップによって検出される電流に基づいて、複数の前記反射面のうち予め定められた基準反射面に対応する前記光検出部による光の検出タイミングと前記検出タイミング後に最初に前記駆動制御部に入力される前記駆動信号の出力タイミングとの間隔を取得する取得ステップと、
前記光検出部による光の検出周期ごとにおける前記検出タイミングと前記出力タイミングとの間隔を計測する計測ステップと、
前記取得ステップにより取得される取得間隔及び前記計測ステップによって計測される計測間隔に基づいて、前記基準反射面を識別する識別ステップと、
を含み、
前記識別ステップでは、前記取得間隔と前記計測間隔との差が予め設定された許容値未満である場合に、前記計測間隔に対応する前記検出周期において前記光源から射出される光を反射する前記反射面が前記基準反射面であると判断される反射面識別方法。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明し、本発明の理解に供する。なお、以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0013】
[画像形成装置10の概略構成]
まず、
図1及び
図2を参照しつつ、本発明の実施形態に係る画像形成装置10の概略構成について説明する。ここで、
図1は画像形成装置10の構成を示す断面模式図である。
【0014】
画像形成装置10は、原稿から画像データを読み取るスキャン機能、及び画像データに基づいて画像を形成するプリント機能と共に、ファクシミリ機能、及びコピー機能などの複数の機能を有する複合機である。なお、本発明は、プリンター装置、ファクシミリ装置、及びコピー機などの画像形成装置に適用可能である。
【0015】
画像形成装置10は、
図1及び
図2に示されるように、ADF1、画像読取部2、画像形成部3、給紙部4、制御部5、操作表示部6、及び記憶部7を備える。
【0016】
ADF1は、原稿セット部、複数の搬送ローラー、原稿押さえ、及び排紙部を備え、画像読取部2によって読み取られる原稿を搬送する自動原稿搬送装置である。画像読取部2は、原稿台、光源、複数のミラー、光学レンズ、及びCCD(Charge Coupled Device)を備え、原稿から画像データを読み取ることが可能である。
【0017】
画像形成部3は、画像読取部2で読み取られた画像データ又は外部のパーソナルコンピューター等の情報処理装置から入力された画像データに基づいて、電子写真方式で画像を形成する画像形成処理(印刷処理)を実行可能である。具体的に、画像形成部3は、
図1に示されるように、感光体ドラム31(本発明における像担持体の一例)、帯電器32、光走査部33、現像器34、転写ローラー35、クリーニング装置36、定着ローラー37、加圧ローラー38、及び排紙トレイ39を備える。
【0018】
給紙部4は、給紙カセット、及び複数の搬送ローラーを備え、前記給紙カセットに収容されるシートを画像形成部3に供給する。なお、前記給紙カセットに収容されるシートは、紙、コート紙、ハガキ、封筒、及びOHPシートなどのシート材料である。
【0019】
画像形成部3では、給紙部4から供給されるシートに以下の手順で画像が形成され、画像形成後のシートが排紙トレイ39に排出される。
【0020】
まず、帯電器32によって感光体ドラム31の表面が所定の電位に一様に帯電される。次に、光走査部33により感光体ドラム31の表面に画像データに基づく光が照射される。これにより、感光体ドラム31の表面に画像データに対応する静電潜像が形成される。そして、感光体ドラム31上の静電潜像は現像器34によってトナー像として現像(可視像化)される。なお、現像器34には、画像形成部3に着脱可能なトナーコンテナ34Aからトナー(現像剤)が補給される。
【0021】
続いて、感光体ドラム31に形成されたトナー像は転写ローラー35によってシートに転写される。その後、シートに転写されたトナー像は、そのシートが定着ローラー37及び加圧ローラー38の間を通過する際に定着ローラー37で加熱されて溶融定着する。なお、感光体ドラム31の表面に残存したトナーはクリーニング装置36で除去される。
【0022】
制御部5は、不図示のCPU、ROM、RAM、及びEEPROM(登録商標)などの制御機器を備える。前記CPUは、各種の演算処理を実行するプロセッサーである。前記ROMは、前記CPUに各種の処理を実行させるための制御プログラムなどの情報が予め記憶される不揮発性の記憶部である。前記RAMは、前記CPUが実行する各種の処理の一時記憶メモリー(作業領域)として使用される揮発性の記憶部である。前記EEPROMは、不揮発性の記憶部である。制御部5では、前記CPUにより前記ROMに予め記憶された各種の制御プログラムが実行される。これにより、画像形成装置10が制御部5により統括的に制御される。なお、制御部5は、集積回路(ASIC)などの電子回路で構成されたものであってもよく、画像形成装置10を統括的に制御するメイン制御部とは別に設けられた制御部であってもよい。
【0023】
操作表示部6は、制御部5からの制御指示に応じて各種の情報を表示する液晶ディスプレーなどの表示部、及びユーザーの操作に応じて制御部5に各種の情報を入力する操作キー又はタッチパネルなどの操作部を有する。
【0024】
記憶部7は、フラッシュメモリーなどの不揮発性の記憶装置である。なお、記憶部7は、制御部5の前記ROM又は前記EEPROMであってもよい。
【0025】
[光走査部33の構成]
次に、
図2〜
図5を参照しつつ、光走査部33について説明する。ここで、
図3は光走査部33の構成を示す斜視図である。また、
図4は速度検出部334及びその周辺構成を示すブロック図である。また、
図5は光検出部338から出力される受光信号(以下、「BD信号」と称する。)X1の制御部5への入力タイミングと駆動制御部335に入力される駆動信号X2の制御部5からの出力タイミングとの関係を示すタイミングチャートである。
【0026】
なお、
図5では、BD信号X1の入力タイミングが電気信号(電圧)の立ち下がりによって表されている。また、
図5では、駆動信号X2の出力タイミングが電気信号(電圧)の立ち下がりによって表されている。
【0027】
光走査部33は、画像データに対応する光を感光体ドラム31上に走査して感光体ドラム31上に画像データに対応する静電潜像を形成する。
【0028】
具体的に、光走査部33は、
図2及び
図3に示されるように、光源331、ポリゴンミラー332、駆動モーター333、速度検出部334、駆動制御部335、電流検出部336、fθレンズ337A、fθレンズ337B、全反射ミラー337C、光検出部338、これら構成要素を収容する筐体330、及び筐体330に形成された射出口330Aを備える。なお、画像形成部3において、光走査部33は、感光体ドラム31の上方であって、射出口330Aの長手方向と感光体ドラム31の軸方向とが平行となる位置に配置される。
【0029】
光源331は、画像データに対応する光を射出する。例えば、光源331はレーザーダイオードである。
【0030】
ポリゴンミラー332は、光源331から射出される光を感光体ドラム31上に走査する。例えば、ポリゴンミラー332は、
図3に示されるように平面視が正五角形に形成されており、光源331から射出される光を反射する反射面332A〜332Eを有する。なお、ポリゴンミラー332の反射面の数は、5つ以外であってもよい。
【0031】
ポリゴンミラー332は、駆動モーター333から供給される回転駆動力により
図3に示される回転方向D1に回転する。これにより、ポリゴンミラー332は、回転に伴って反射面332A〜332E各々で順に光を走査させる。ここに、ポリゴンミラー332が、本発明における回転多面鏡の一例である。
【0032】
駆動モーター333は、ポリゴンミラー332に回転駆動力を供給して、ポリゴンミラー332を回転させる。例えば、駆動モーター333はブラシレスモーターである。
【0033】
速度検出部334は、駆動モーター333の回転速度に応じた周波数の検出信号X3(
図4参照)を出力する。具体的に、速度検出部334は、ポリゴンミラー332が一回転する間に、ポリゴンミラー332の反射面の数より多く、ポリゴンミラー332の反射面の数と互いに素となる数の検出信号X3を出力する。
図4に示されるように、速度検出部334は、駆動モーター333内に配置されるホール素子334A〜334F、及び信号処理回路334Gを有する。
【0034】
ホール素子334A〜334Fは、駆動モーター333の回転位置を検出する。例えば、ホール素子334A〜334Fは、駆動モーター333内部のローターの周囲において、前記ローターの回転方向に沿って60度の間隔ごとに配置されている。ホール素子334A〜334F各々は、前記ローターの回転に応じて変化する配置位置における磁界の強さに応じた電気信号を出力する。ホール素子334A〜334F各々から出力される電気信号は、信号処理回路334Gに出力される。
【0035】
信号処理回路334Gは、ホール素子334A〜334F各々から出力される電気信号に基づいて、検出信号X3を出力する。例えば、信号処理回路334Gは、ホール素子334A〜334Fのいずれかから出力される電気信号が予め定められた閾値を超えるごとに、検出信号X3を出力する。例えば、信号処理回路334Gは、ポリゴンミラー332が一回転する間に、ホール素子334A〜334Fの数だけ検出信号X3を出力する。信号処理回路334Gから出力される検出信号X3は、駆動制御部335に入力される。
【0036】
駆動制御部335は、制御部5から入力される駆動信号X2(
図4参照)の周波数に応じた速度で駆動モーター333を回転させる。具体的に、駆動制御部335は、信号処理回路334Gから出力される検出信号X3に基づくフィードバック制御により、駆動モーター333を駆動信号X2の周波数に応じた速度で回転させる。
【0037】
より具体的に、駆動制御部335は、検出信号X3及び駆動信号X2の位相差に応じた電力を駆動モーター333に供給するPLL(フェーズロックループ)制御を実行する。これにより、検出信号X3が駆動信号X2に同期されると共に(
図5参照)、駆動モーター333が駆動信号X2の周波数に応じた速度で回転される。
【0038】
電流検出部336は、駆動モーター333に流れる電流を検出する。例えば、電流検出部336は、駆動モーター333及び駆動制御部335を接続する給電経路上に設けられたシャント抵抗器における電圧降下を検出することで、前記給電経路上に流れる電流を検出する。電流検出部336は、検出された電流の電流値を示す電気信号X4(
図4参照)を制御部5に入力する。
【0039】
fθレンズ337A及びfθレンズ337Bは、ポリゴンミラー332により等角速度で走査される光を走査方向D2(
図3参照)に沿って等速走査される光に変換する。全反射ミラー337Cは、fθレンズ337Bを通過した光を感光体ドラム31の表面に向けて反射させる。射出口330Aは、全反射ミラー337Cで反射された光が感光体ドラム31の表面に向けて射出される長尺状の開口及び前記開口を塞ぐ透明なガラス板又はアクリル板を有する。
【0040】
光検出部338は、ポリゴンミラー332による光の走査領域における予め定められた検出位置で、ポリゴンミラー332により走査される光を検出する。例えば、光検出部338は、受光部を有する光センサーである。例えば、前記検出位置は、走査方向D2の上流側であって全反射ミラー337Cに反射されない走査領域外の位置である。光検出部338は、ポリゴンミラー332により走査される光の検出に応じてBD信号X1(
図4参照)を出力する。
【0041】
光検出部338から出力されるBD信号X1は、制御部5に入力される。制御部5は、BD信号X1の入力タイミングに基づいて、光源331からの画像データの1ラインに対応する光の射出開始タイミング、即ち走査方向D2における静電潜像の書き出しタイミングを決定する。
【0042】
ここで、画像形成装置10では、前述のように、速度検出部334によってポリゴンミラー332が一回転する間に、ポリゴンミラー332の反射面の数より多くポリゴンミラー332の反射面の数と互いに素となる数の検出信号X3が出力される。そのため、
図5に示されるように、光検出部338による光の検出周期(制御部5へのBD信号X1の入力周期)T2内に、少なくとも1回は検出信号X3と同期した駆動信号X2が制御部5から出力される。また、画像形成装置10では、
図5に示されるように、ポリゴンミラー332の回転周期T1内の検出周期T2の各々で、光検出部338による光の検出タイミング(制御部5へのBD信号X1の入力タイミング)と、前記検出タイミング後に最初に駆動制御部335に入力される駆動信号X2の出力タイミングとの間隔(t21〜t25)が異なっている。
【0043】
ところで、光検出部338による光の検出タイミングと前記PLL制御により検出信号X3と同期した駆動信号X2の出力タイミングとの間隔に基づいて、ポリゴンミラー332の反射面332A〜332Eを識別することが考えられる。ここで、駆動モーター333の劣化又は温度変化などにより駆動モーター333の負荷が増大すると、駆動モーター333に流れる電流は増大する。この場合、ホール素子334A〜334F各々から出力される電気信号の振幅が増大して、速度検出部334による検出信号X3の出力タイミングが変化する。これにより、光検出部338による光の検出タイミングと駆動信号X2の出力タイミングとの間隔が変化して、ポリゴンミラー332の反射面332A〜332Eの識別精度が低下することが考えられる。
【0044】
これに対し、本発明の実施形態に係る画像形成装置10では、以下に説明するように、ポリゴンミラー332の反射面332A〜332Eの識別精度の低下を抑制することが可能である。
【0045】
具体的に、制御部5の前記ROMには、前記CPUに後述の反射面識別処理(
図7のフローチャート参照)を実行させるための反射面識別プログラムが予め記憶されている。なお、前記反射面識別プログラムは、CD、DVD、フラッシュメモリーなどのコンピューター読み取り可能な記録媒体に記録されており、前記記録媒体から読み取られて制御部5の前記EEPROM等の記憶部にインストールされるものであってもよい。
【0046】
そして、制御部5は、
図2に示されるように、検出処理部51、取得処理部52、計測処理部53、識別処理部54、及び幅補正部55を含む。具体的に、制御部5は、前記CPUを用いて前記ROMに記憶されている前記反射面識別プログラムを実行する。これにより、制御部5は、検出処理部51、取得処理部52、計測処理部53、識別処理部54、及び幅補正部55として機能する。ここに、光走査部33及び制御部5を備える装置が、本発明における光走査装置の一例である。
【0047】
検出処理部51は、駆動モーター333に流れる電流を検出する。
【0048】
具体的に、検出処理部51は、電流検出部336から出力される電気信号X4に基づいて、駆動モーター333に流れる電流を検出する。
【0049】
取得処理部52は、検出処理部51によって検出される電流に基づいて、ポリゴンミラー332の反射面332A〜332Eのうち、予め定められた基準反射面に対応する光検出部338による光の検出タイミングと前記検出タイミング後に最初に駆動制御部335に入力される駆動信号X2の出力タイミングとの間隔を取得する。
【0050】
例えば、画像形成装置10では、駆動モーター333に流れる電流各々に対応する、前記基準反射面における光検出部338による光の検出タイミングと前記検出タイミング後に最初に駆動制御部335に入力される駆動信号X2の出力タイミングとの間隔を示すテーブルデータD10(
図6参照)が予め記憶部7に記憶されている。例えば、テーブルデータD10は、画像形成装置10の製造時等に取得される。具体的に、駆動モーター333の負荷を様々な値に変化させて、負荷に対応する駆動モーター333に流れる電流ごとに、前記基準反射面における光検出部338による光の検出タイミングと前記検出タイミング後に最初に駆動制御部335に入力される駆動信号X2の出力タイミングとの間隔を計測することで取得される。
【0051】
例えば、取得処理部52は、記憶部7から読み出されるテーブルデータD10に基づいて、検出処理部51によって検出される電流に対応する前記基準反射面における光検出部338による光の検出タイミングと前記検出タイミング後に最初に駆動制御部335に入力される駆動信号X2の出力タイミングとの間隔を取得する。
【0052】
計測処理部53は、光検出部338による光の検出周期T2ごとにおける光検出部338による光の前記検出タイミングと前記検出タイミング後に最初に駆動制御部335に入力される駆動信号X2の出力タイミングとの間隔を計測する。
【0053】
例えば、計測処理部53は、予め定められたタイミング毎に、光源331に光を射出させると共に、駆動制御部335に駆動信号X2を入力して、駆動モーター333を予め定められた基準速度で回転させる。そして、計測処理部53は、検出周期T2ごとに、前記検出タイミングと前記検出タイミング後に最初に駆動制御部335に入力される駆動信号X2の出力タイミングとの間隔を計測する。なお、前記予め定められたタイミングは、画像形成装置10の電源投入時、画像形成装置10の一部の機能が停止するスリープ状態から通常状態への復帰時、及び前記印刷処理の実行時などである。
【0054】
識別処理部54は、取得処理部52により取得される取得間隔、及び計測処理部53によって計測される計測間隔に基づいて、前記基準反射面を識別する。
【0055】
例えば、識別処理部54は、前記取得間隔と前記計測間隔との差が予め設定された許容値未満である場合に、前記計測間隔に対応する検出周期T2において光源331から射出される光を反射する反射面が前記基準反射面であると判断する。
【0056】
幅補正部55は、識別処理部54による識別結果に基づいて、ポリゴンミラー332の反射面332A〜332E各々によって感光体ドラム31に形成される静電潜像の一画素の幅を補正する。
【0057】
例えば、画像形成装置10では、反射面332A〜332E各々に対応する感光体ドラム31への光の照射時間が予め記憶部7に記憶されている。例えば、反射面332A〜332E各々に対応する前記照射時間は、画像形成装置10の製造作業者等によって予め治具等が用いられて計測されて、記憶部7の予め定められた記憶領域に記憶される。例えば、幅補正部55は、記憶部7から読み出される反射面332A〜332E各々に対応する前記照射時間に基づいて反射面332A〜332E各々に対応する画像データの各ラインを補正することで、反射面332A〜332E各々によって感光体ドラム31に形成される静電潜像の一画素の幅を補正する。
【0058】
[反射面識別処理]
以下、
図7を参照しつつ、画像形成装置10において制御部5により実行される反射面識別処理の手順の一例について説明する。ここで、ステップS11、S12・・・は、制御部5により実行される処理手順(ステップ)の番号を表している。
【0059】
<ステップS11>
まず、ステップS11において、制御部5は、前記タイミングが到来したか否かを判断する。
【0060】
ここで、制御部5は、前記タイミングが到来したと判断すると(S11のYes側)、処理をステップS12に移行させる。また、前記タイミングが到来していなければ(S11のNo側)、制御部5は、ステップS11で前記タイミングの到来を待ち受ける。
【0061】
<ステップS12>
ステップS12において、制御部5は、光源331に光を射出させると共に、駆動制御部335に駆動信号X2を入力して、駆動モーター333を前記基準速度で回転させる。
【0062】
<ステップS13>
ステップS13において、制御部5は、駆動モーター333に流れる電流を検出する。ここに、ステップS13の処理が、本発明における検出ステップの一例であって、制御部5の検出処理部51により実行される。
【0063】
具体的に、制御部5は、電流検出部336から出力される電気信号X4に基づいて、駆動モーター333に流れる電流を検出する。
【0064】
<ステップS14>
ステップS14において、制御部5は、ステップS13で検出された電流に基づいて、前記基準反射面に対応する光検出部338による光の検出タイミングと前記検出タイミング後に最初に駆動制御部335に入力される駆動信号X2の出力タイミングとの間隔を取得する。ここに、ステップS14の処理が、本発明における取得ステップの一例であって、制御部5の取得処理部52により実行される。
【0065】
例えば、制御部5は、記憶部7から読み出されるテーブルデータD10に基づいて、ステップS13で検出された電流に対応する前記基準反射面における光検出部338による光の検出タイミングと前記検出タイミング後に最初に駆動制御部335に入力される駆動信号X2の出力タイミングとの間隔を取得する。
【0066】
<ステップS15>
ステップS15において、制御部5は、光検出部338からBD信号X1が入力されたか否かを判断する。
【0067】
ここで、制御部5は、光検出部338からBD信号X1が入力されたと判断すると(S15のYes側)、処理をステップS16に移行させる。また、光検出部338からBD信号X1が入力されていなければ(S15のNo側)、制御部5は、ステップS15で光検出部338からのBD信号X1の入力を待ち受ける。
【0068】
<ステップS16>
ステップS16において、制御部5は、光検出部338による光の前記検出タイミング(ステップS15におけるBD信号X1の入力時)と前記検出タイミング後に最初に駆動制御部335に入力される駆動信号X2の出力タイミングとの間隔の計測を開始する。
【0069】
<ステップS17>
ステップS17において、制御部5は、駆動信号X2が出力されたか否かを判断する。
【0070】
ここで、制御部5は、駆動信号X2が出力されたと判断すると(S17のYes側)、処理をステップS18に移行させる。また、駆動信号X2が出力されていなければ(S17のNo側)、制御部5は、ステップS17で駆動信号X2の出力を待ち受ける。
【0071】
<ステップS18>
ステップS18において、制御部5は、ステップS16で開始された計測を終了する。ここに、ステップS11、ステップS12、ステップS15〜ステップS18までの処理が、本発明における計測ステップの一例であって、制御部5の計測処理部53により実行される。
【0072】
<ステップS19>
ステップS19において、制御部5は、ステップS14で取得される前記取得間隔、及びステップS18で計測される前記計測間隔に基づいて、前記基準反射面を識別する。ここに、ステップS19の処理が、本発明における識別ステップの一例であって、制御部5の識別処理部54により実行される。
【0073】
例えば、制御部5は、前記取得間隔と前記計測間隔との差が前記許容値未満である場合に、前記計測間隔に対応する検出周期T2において光源331から射出される光を反射する反射面が前記基準反射面であると判断する。
【0074】
<ステップS20>
ステップS20において、制御部5は、ステップS19で前記基準反射面が識別できたか否かを判断する。
【0075】
ここで、制御部5は、前記基準反射面が識別できたと判断すると(S20のYes側)、処理をステップS21に移行させる。また、前記基準反射面が識別できていなければ(S20のNo側)、制御部5は、処理をステップS15に移行させる。そして、制御部5は、ステップS19で前記基準反射面が識別できるまでの間、ステップS15〜ステップS19の処理を実行する。
【0076】
<ステップS21>
ステップS21において、制御部5は、ステップS19による識別結果に基づいて、反射面332A〜332E各々によって感光体ドラム31に形成される静電潜像の一画素の幅を補正する。ここで、ステップS21の処理は、制御部5の幅補正部55によって実行される。
【0077】
例えば、制御部5は、記憶部7から読み出される反射面332A〜332E各々に対応する前記照射時間に基づいて反射面332A〜332E各々に対応する画像データの各ラインを補正することで、反射面332A〜332E各々によって感光体ドラム31に形成される静電潜像の一画素の幅を補正する。これにより、ポリゴンミラー332の反射面332A〜332E各々の面倒れ等に起因する印字画像における主走査方向の等倍度のバラつきが補正される。
【0078】
このように、画像形成装置10では、駆動モーター333に流れる電流の検出結果に基づいて、前記基準反射面に対応する光検出部338による光の検出タイミングと前記検出タイミング後に最初に駆動制御部335に入力される駆動信号X2の出力タイミングとの間隔が取得される。これにより、駆動モーター333の劣化又は温度変化などにより駆動モーター333に流れる電流が増大して、光検出部338による光の検出タイミングと駆動信号X2の出力タイミングとの間隔が変化した場合であっても、変化後の前記間隔に基づいて前記基準反射面を識別することが可能である。従って、ポリゴンミラー332の反射面332A〜332Eの識別精度の低下を抑制することが可能である。