特許第6579082号(P6579082)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6579082
(24)【登録日】2019年9月6日
(45)【発行日】2019年9月25日
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/00 20060101AFI20190912BHJP
   G03G 21/00 20060101ALI20190912BHJP
   G03G 15/00 20060101ALI20190912BHJP
   B65H 7/12 20060101ALI20190912BHJP
【FI】
   H04N1/00 C
   G03G21/00 386
   G03G15/00 107
   B65H7/12
   G03G15/00 480
【請求項の数】6
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-213059(P2016-213059)
(22)【出願日】2016年10月31日
(65)【公開番号】特開2018-74419(P2018-74419A)
(43)【公開日】2018年5月10日
【審査請求日】2018年8月29日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100136098
【弁理士】
【氏名又は名称】北野 修平
(74)【代理人】
【識別番号】100137246
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 勝也
(72)【発明者】
【氏名】吉田 敏信
【審査官】 花田 尚樹
(56)【参考文献】
【文献】 特開平06−303375(JP,A)
【文献】 特開平11−275302(JP,A)
【文献】 特開平04−315358(JP,A)
【文献】 特開2006−245953(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/00
G03G 15/00
G03G 13/04 −13/056
15/00
15/04 −15/047
15/056
G03G 15/00
15/36
21/00
21/02
21/14
21/20
B65H 7/00 − 7/20
43/00 −43/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
読み取られた複数の原稿の画像を基に画像を形成する画像形成装置であって、
セットされた複数の原稿を画像の読み取り位置まで順次搬送する原稿搬送装置と、
セットされる複数の前記原稿の枚数の入力を予め受け付ける枚数入力受け付け部と、
前記原稿搬送装置により前記読み取り位置まで搬送された前記原稿の画像を読み取る画像読み取り部と、
前記画像読み取り部により読み取られた画像を基に画像を形成して用紙に印刷する画像形成部と、
前記原稿搬送装置にセットされた前記原稿が搬送された枚数をカウントする枚数カウント部と、
前記枚数入力受け付け部により入力を受け付けられたセットされた前記原稿の枚数と、前記枚数カウント部によりカウントされた前記原稿の枚数が一致するか否かを判断する判断部と、
前記判断部により一致しないと判断されれば、前記画像読み取り部により読み取られた画像を集約態様として2イン1、4イン1、8イン1のいずれかに集約する画像集約部と、
前記画像集約部により集約された集約画像を報知する報知部とを備え
前記報知部は、前記集約画像の報知に際し、確認用の集約画像である旨を報知し、
前記報知部は、前記判断部により一致しないと判断されれば、前記枚数入力受け付け部により入力を受け付けられたセットされた前記原稿の枚数と、前記枚数カウント部によりカウントされた前記原稿の枚数との差分を報知し、
前記画像集約部は、予めユーザーにより定められた集約態様で画像を集約する、画像形成装置。
【請求項2】
前記報知部は、前記画像集約部により集約された前記集約画像を、前記画像形成部により用紙に印刷して報知する、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
情報を表示する表示画面をさらに備え、
前記報知部は、前記画像集約部により集約された前記集約画像を前記表示画面に表示して報知する、請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記画像形成装置は、外部装置と通信可能であり、
前記報知部は、前記画像集約部により集約された前記集約画像を前記外部装置に送信して報知する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記報知部は、前記判断部により一致すると判断されれば、その旨を前記外部装置に送信して報知する、請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記画像形成部は、前記判断部により一致すると判断されれば、前記画像読み取り部により読み取られた画像をそのまま用紙に印刷する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
複合機に代表される画像形成装置においては、画像データを基に、感光体に対して光を照射し、感光体上に静電潜像を形成する。その後、形成した静電潜像の上に帯電したトナーを供給して可視画像とした後、用紙に転写して定着させ、装置外に出力される。
【0003】
画像形成装置には、セットされた複数枚の原稿を自動的に画像の読み取り位置に搬送して原稿の画像を読み取る原稿搬送装置が搭載されているものがある。原稿搬送装置を備えた画像形成装置に関する技術が、特開2000−352911号公報(特許文献1)、および特開2011−10030号公報(特許文献2)に開示されている。
【0004】
特許文献1に開示の画像形成装置によると、複数載置された原稿を順次一枚ずつ分離搬送可能な原稿搬送手段と、該原稿搬送手段によって搬送される原稿上の画像を読み取る画像読み取り手段と、順次搬送される記録シート上に、前記画像読み取り手段によって読み取った画像を形成する画像形成手段とを備える。画像形成装置は、載置する原稿の枚数を予め入力する入力手段と、搬送される記録シートの枚数をカウントするカウント手段と、前記入力手段による入力枚数と前記カウント手段によるカウント枚数から、原稿の入力枚数に対応した分だけ画像形成動作が行われていないことを検知した場合に、対応枚数分だけ画像形成が行われなかったことを通知する通知手段とを備えたことを特徴としている。
【0005】
特許文献2に開示の画像読み取り装置によると、複数枚載置された原稿を順次1枚ずつ分離搬送可能な原稿搬送手段と、前記原稿搬送手段によって搬送される前記原稿上の画像を読み取って画像データを出力する画像読み取り手段と、読み取られた前記画像データを格納する格納手段と、前記原稿の搬送異常を検知する検知手段と、前記検知手段により前記搬送異常が検知された場合、前記搬送異常を報知する報知手段と、前記搬送異常の場合に、前記格納部に格納された前記画像データを読み出して表示する表示手段とを有することを特徴としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2000−352911号公報
【特許文献2】特開2011−10030号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に開示の技術では、画像の読み取りが行われなかった、すなわち重送が発生したことを通知するのみであり、具体的にどの用紙が重送されたのか分かりにくい。そうすると、ユーザーは、重送された用紙がどの用紙か一枚一枚見て確認しなければならず、ユーザーの作業が煩雑になるおそれがある。
【0008】
特許文献2に開示の技術では、読み取られた画像をパネルにプレビュー表示させることとしているが、表示される一枚一枚の画像の大きさがパネルに対して相対的に大きくなれば、ユーザーにとって非常に見づらく、重送した原稿の確認が困難なものとなっていた。
【0009】
この発明の目的は、ユーザーが容易に重送された原稿を確認することができる画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この発明に係る画像形成装置は、読み取られた複数の原稿の画像を基に画像を形成する。画像形成装置は、原稿搬送装置と、枚数入力受け付け部と、画像読み取り部と、画像形成部と、枚数カウント部と、判断部と、画像集約部と、報知部とを備える。原稿搬送装置は、セットされた複数の原稿を画像の読み取り位置まで順次搬送する。枚数入力受け付け部は、セットされる複数の原稿の枚数の入力を予め受け付ける。画像読み取り部は、原稿搬送装置により読み取り位置まで搬送された原稿の画像を読み取る。画像形成部は、画像読み取り部により読み取られた画像を基に画像を形成して用紙に印刷する。枚数カウント部は、原稿搬送装置にセットされた原稿が搬送された枚数をカウントする。判断部は、枚数入力受け付け部により入力を受け付けられたセットされた原稿の枚数と、枚数カウント部によりカウントされた原稿の枚数が一致するか否かを判断する。画像集約部は、判断部により一致しないと判断されれば、画像読み取り部により読み取られた画像を集約態様として2イン1、4イン1、8イン1のいずれかに集約する。報知部は、画像集約部により集約された集約画像を報知する。報知部は、集約画像の報知に際し、確認用の集約画像である旨を報知する。報知部は、判断部により一致しないと判断されれば、枚数入力受け付け部により入力を受け付けられたセットされた原稿の枚数と、枚数カウント部によりカウントされた原稿の枚数との差分を報知する。画像集約部は、予めユーザーにより定められた集約態様で画像を集約する。
【発明の効果】
【0011】
このような画像形成装置によれば、枚数入力受け付け部により入力を受け付けられたセットされた原稿の枚数と、枚数カウント部によりカウントされた原稿の枚数が一致しなければ、読み取られた画像を集約して報知することとしている。そうすると、集約画像を確認して、重送して搬送された原稿を容易に把握することができる。この場合、画像を集約しているため、表示や印刷といった報知の態様において、スペースを有効活用でき、効率的に報知することができる。したがって、このような画像形成装置によれば、ユーザーが容易に重送された原稿を確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】この発明の一実施形態に係る画像形成装置を複合機に適用した場合の複合機の外観を示す概略図である。
図2図1に示す複合機の構成を示すブロック図である。
図3】操作部の概略的な構成を示す外観図である。
図4】制御部の構成を示すブロック図である。
図5】複数枚の原稿の画像を読み取って画像を形成する場合の処理の流れを示すフローチャートである。
図6】原稿の枚数の入力を受け付ける際の表示画面の一例を示す図である。
図7】集約画像が印刷された印刷物の一例を示す図である。
図8】集約された集約画像を表示画面に表示した場合の表示画面の一例を示す図である。
図9】携帯端末装置に集約画像が送信された場合の携帯端末装置のタッチパネルの表示の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、この発明の実施の形態を説明する。図1は、この発明の一実施形態に係る画像形成装置を複合機に適用した場合の複合機11の外観を示す概略図である。図2は、図1に示す複合機11の構成を示すブロック図である。
【0014】
図1および図2を参照して、複合機11は、画像処理に関し、複写機能、プリンター機能、ファクシミリ機能等、複数の機能を有する。複合機11は、制御部12と、操作部13と、画像読み取り部14と、画像形成部15と、給紙カセット16と、ハードディスク17と、ネットワーク(図示せず)と接続するためのネットワークインターフェース部18と、複合機通信部23とを備える。
【0015】
制御部12は、複合機11全体の制御を行う。なお、制御部12は、CPU等から構成されており、一時的にデータを記憶する主記憶メモリ19を含む。操作部13は、複合機11側から発信される情報やユーザーの入力内容を表示する表示部としての表示画面21を含む。操作部13は、印刷部数や階調等の画像形成の条件といった画像形成に関するユーザーからの入力を受け付ける。画像読み取り部14は、セット位置にセットされた原稿を読み取り位置に搬送する原稿搬送装置としてのADF(Auto Document Feeder)22を含む。画像読み取り部14は、ADF22または図示しない載置台上にセットされた原稿の画像を読み取る。具体的には、画像読み取り部14は、ADF22により読み取り位置まで搬送された原稿の画像を読み取る。給紙カセット16は、複数設けられており、それぞれ複数枚の用紙をその内部に収納することができる。画像形成部15は、画像読み取り部14により読み取られた原稿の画像データや図示しないネットワークを介して送信された画像データを基に、給紙カセット16から搬送されてきた用紙に画像を形成する。すなわち、画像形成部15は、給紙カセット16に収納された用紙に画像を形成して印刷する。ハードディスク17は、送信された画像データや入力された画像形成条件等、画像形成に関するデータを記憶する。複合機通信部23は、外部装置、例えば、スマートフォンや携帯電話、タブレットPCといった携帯端末装置と接続して、外部装置との通信を可能にする。
【0016】
次に、上記した操作部13の構成について、さらに詳細に説明する。図3は、操作部13の概略的な構成を示す外観図である。図3を参照して、操作部13は、印刷部数等を入力させるための0〜9までの数字、および「*」や「#」の記号をユーザーに入力させるテンキー31と、原稿の画像の読み取りの開始やファクシミリ送信の開始を指示させるスタートキー32と、複合機11の電源のオンまたはオフを入力させる電源キー33と、複合機11の有するプリンター機能やコピー機能等の選択を指示させるメニューキー34と、テンキー31等を用いてユーザーにより入力された指示の内容をキャンセルさせるリセットキー35と、上記した表示画面21とを含む。テンキー31は、いわゆるハードキーである。表示画面21は、液晶のタッチパネル機能を有しており、ユーザーの指でのタップ等により、表示画面21からも画像形成条件等を入力させると共に、機能の選択等を行うことができる。
【0017】
次に、複合機11に備えられる制御部12の構成について説明する。図4は、制御部12の構成を示すブロック図である。図4を参照して、制御部12は、枚数入力受け付け部41と、枚数カウント部42と、判断部43と、画像集約部44とを備える。枚数入力受け付け部41は、セットされる複数の原稿の枚数の入力を予め受け付ける。枚数カウント部42は、ADF22にセットされた原稿が搬送された枚数をカウントする。判断部43は、枚数入力受け付け部41により入力を受け付けられたセットされた原稿の枚数と、枚数カウント部42によりカウントされた原稿の枚数が一致するか否かを判断する。画像集約部44は、判断部43により一致しないと判断されれば、画像読み取り部14により読み取られた画像を集約する。報知部45は、画像集約部44により集約された集約画像を報知する。これらの構成については、後に詳述する。
【0018】
次に、複合機11を用いて、複数枚の原稿の画像を読み取って画像を形成する場合について説明する。図5は、複数枚の原稿の画像を読み取って画像を形成する場合の処理の流れを示すフローチャートである。なお、この場合、五枚の原稿の画像を読み取らせるものとする。また、ここでは、原稿の画像をコピーする場合、すなわち、原稿の画像を読み取って読み取った画像を基に用紙に画像を形成する場合について説明する。
【0019】
図5を参照して、まず、ユーザーは、複数枚の原稿の画像をADF22にセットする。原稿のセットを検知すると(図5において、ステップS11、以下、「ステップ」を省略する)、枚数入力受け付け部41は、表示画面21において、読み取らせる原稿の枚数の入力を受け付ける(S12)。
【0020】
図6は、原稿の枚数の入力を受け付ける際の表示画面21の一例を示す図である。図6を参照して、表示画面21には、「原稿の枚数を入力してください。」とのメッセージ51と、テンキー31等により原稿の枚数の入力を受け付ける枚数入力受け付け領域52とが表示されている。ユーザーは、セットした原稿の枚数を、テンキー31等を用いて枚数入力受け付け領域52に入力する。なお、原稿の枚数については、予めユーザーによってカウントされている。この場合、テンキー31を用いて枚数入力受け付け領域52に数値の「5」が入力される。
【0021】
その後、スタートキー32の押下が検知されると(S13において、YES)、ADF22による原稿の搬送が行われる(S14)。ADF22は、画像読み取り部14によって読み取られる読み取り位置まで原稿を搬送する。搬送後、原稿を排出する。また、枚数カウント部42は、搬送される原稿の枚数をカウントする(S15)。具体的には、枚数カウント部42は、例えば、読み取り位置を通過する原稿の切れ目の数を数えて、原稿の枚数をカウントする。
【0022】
原稿の搬送が終了すると(S16において、YES)、原稿の枚数のカウントを終了する(S17)。そして、判断部43は、枚数入力受け付け部41により入力を受け付けられたセットされた原稿の枚数と、枚数カウント部42によりカウントされた原稿の枚数が一致するか否かを判断する(S18)。
【0023】
ここで、ADF22により複数枚の原稿を順次搬送する際に、複数枚の原稿において、原稿同士が湿気等で引っ付いてしまって、重なって搬送、すなわち、重送を引き起こしてしまう場合がある。重送を引き起こしてしまった場合、結果として、原稿にセットされた枚数よりも少ない枚数の原稿の画像を読み取ることとなる。この場合、一枚の原稿が重送すれば、枚数カウント部42は、四枚の原稿を搬送したとカウントすることとなる。そして、枚数入力受け付け部41により入力を受け付けられたセットされた原稿の枚数と、枚数カウント部42によりカウントされた原稿の枚数とが一致しないこととなる。
【0024】
ここで、判断部43により一致しないと判断されれば(S18において、NO)、画像集約部44は、画像読み取り部14により読み取られた画像を集約する(S19)。そして、報知部45は、画像集約部44により集約された集約画像を報知する。この場合、具体的には、報知部45は、画像集約部44により集約された集約画像を、画像形成部15により用紙に印刷して報知する(S20)。
【0025】
図7は、集約画像が印刷された印刷物の一例を示す図である。図7を参照して、印刷物56には、「確認用集約画像」との文字57と、集約画像58とが印刷されている。集約画像58は、四つの画像59a、59b、59c、59dを集約して構成されている。この場合、いわゆる4イン1の集約で、集約画像58が構成されている。
【0026】
ユーザーは、印刷物56に印刷された集約画像58を見て、どの原稿が重送して読み飛ばされているかを判断する。そして、その後の処理、具体的には、例えば、再度の原稿のセットを行い、原稿の画像を再び読み取らせる。
【0027】
なお、判断部43により一致すると判断されれば(S18において、YES)、読み取られた画像を基に、画像形成部15によりそのまま画像を形成して出力する(S21)。この場合、全ての原稿の画像が読み取られているため、全ての原稿の画像に対して、画像を形成することになる。
【0028】
このような構成の複合機11によれば、枚数入力受け付け部41により入力を受け付けられたセットされた原稿の枚数と、枚数カウント部42によりカウントされた原稿の枚数が一致しなければ、読み取られた画像を集約して報知することとしている。この場合、報知部45は、画像形成部15を利用して、集約画像58を印刷物56に印刷して報知することとしている。そうすると、集約画像58を確認して、重送して搬送された原稿を容易に把握することができる。この場合、画像を集約しているため、印刷において、用紙のスペースを有効活用でき、効率的に報知することができる。したがって、このような複合機11によれば、ユーザーが容易に重送された原稿を確認することができる。
【0029】
この場合、画像が集約されて印刷されているため、印刷による用紙の無駄を防止することができる。すなわち、集約画像58の印刷において、用紙を節約することができる。また、印刷物56が出力されているため、印刷物56を見て、容易に重送された原稿を確認することができる。
【0030】
なお、上記の実施の形態において、報知部45は、画像集約部44により集約された集約画像を、画像形成部15により用紙に印刷して報知することとしたが、これに限らず、報知部45は、画像集約部44により集約された集約画像を表示画面21に表示して報知するようにしてもよい。
【0031】
図8は、集約された集約画像を表示画面21に表示した場合の表示画面21の一例を示す図である。図8を参照して、表示画面21には、「確認用集約画像」との文字61と、画像読み取り部14により読み取られ、画像集約部44により集約された集約画像62とが表示されている。集約画像62は、四つの画像63a、63b、63c、63dから構成されている。
【0032】
ユーザーは、表示画面21に表示された集約画像62を見て、いずれの原稿が重送したかを確認することができる。この場合、画像が集約されているため、あまり大きくない表示画面21であっても、ユーザーは、原稿が重送されたか否かを判断することができ、特に問題はない。
【0033】
なお、報知部45は、画像集約部44により集約された集約画像を外部装置に送信して報知するようにしてもよい。外部装置としては、ユーザーの所有するスマートフォンや携帯電話、タブレットPCといった携帯端末装置等が挙げられる。
【0034】
図9は、外部装置としての携帯端末装置に集約画像が送信された場合の携帯端末装置のタッチパネルの表示の一例を示す図である。図9を参照して、携帯端末装置66には、テンキー67と、機能選択キー68と、情報を表示するタッチパネル69と、外部装置との通信を可能にする不図示の携帯端末装置通信部とが設けられている。
【0035】
ユーザーは、テンキー67の押下により、0〜9までの数値やA〜Zまでのアルファベット等を入力することができる。また、ユーザーは、機能選択キー68の所定の箇所を押下して、種々の操作を行うことができる。例えば、携帯端末装置66における携帯電話機能を選択して、機能選択キー68の押下により通話を開始したり、通話を終了させたりする。
【0036】
タッチパネル69は、携帯端末装置66における情報の表示に際して、ユーザーへの出力のインターフェースとなる。すなわち、タッチパネル69において、携帯端末装置66における種々の情報を表示すると共に、ユーザーによる入力内容等を表示する。また、タッチパネル69は、ユーザーから携帯端末装置66に対する入力のインターフェースにもなる。すなわち、ユーザーは、タッチパネル69に表示される内容を見て、指を使ってアイコン(不図示)へのタップ等を行うことにより、携帯端末装置66への実行の命令の入力等の操作を行う。
【0037】
報知部45は、複合機通信部23、および携帯端末装置通信部を介して、画像集約部44により集約された集約画像のデータを携帯端末装置66に送信する。携帯端末装置66は、報知部45から送信された集約画像72のデータを受信する。そして、タッチパネル69に「確認用集約画像」の文字71と共に、集約画像72を表示する。集約画像72は、四つの画像73a、73b、73c、73dから構成されている。
【0038】
このような構成によれば、携帯端末装置66のタッチパネル69に表示された集約画像72を見て、どの原稿の画像が重送により読み取られなかったかを容易に把握することができる。この場合、ユーザーは、複合機11の近辺に滞在している必要がなく、複合機11が設置された位置から離れた箇所に滞在していたとしても、容易にどの原稿の画像が重送により読み取られなかったかを容易に把握することができる。この構成は、大量の原稿の画像を読み取らせる場合において、原稿の画像の読み取りに多大な時間を要する際に、ユーザーは、複合機11の近辺に滞在しなくてもよいため、ユーザーの利便性を向上させることができる。
【0039】
なお、報知部45は、判断部43により一致すると判断されれば、その旨を外部装置に送信して報知するよう構成してもよい。こうすることにより、原稿が重送することなく、全ての原稿の画像が読み取られた旨をタッチパネル69の表示により認識することができる。したがって、ユーザーは、原稿が重送せずに搬送された旨を、複合機11が設置された箇所に赴くことなく、認識することができる。
【0040】
また、上記の実施の形態において、報知部45は、判断部43により一致しないと判断されれば、枚数入力受け付け部41により入力を受け付けられたセットされた原稿の枚数と、枚数カウント部42によりカウントされた原稿の枚数との差分を報知するようにしてもよい。こうすることにより、集約画像の確認と併せて、何枚の原稿の画像が重送により読み取られなかったかを容易に把握することができる。
【0041】
なお、上記の実施の形態において、画像集約部44による画像の集約の態様については、2イン1や8イン1等、予めユーザーにより定められた集約態様であってもよいし、読み取られた原稿の枚数に応じて、画像の集約態様を変更することにしてもよい。集約における一つ一つの画像の縮小率についても、任意に定められる。すなわち、重送された原稿が集約画像から把握できればよいため、原稿の画像によっては、非常に小さく縮小しても重送した原稿を把握することができる。
【0042】
また、重送した原稿については、用紙の状態や用紙の重さ等に起因することも多いため、重送が複数回生じた場合には、原稿の差し替え等を促す旨を表示画面21等に表示するようにしてもよい。
【0043】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、どのような面からも制限的なものではないと理解されるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって規定され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【産業上の利用可能性】
【0044】
この発明に係る画像形成装置は、ユーザーによる重送された原稿の容易な確認が要求される場合に、特に有効に利用される。
【符号の説明】
【0045】
11 複合機、12 制御部、13 操作部、14 画像読み取り部、15 画像形成部、16 給紙カセット、17 ハードディスク、18 ネットワークインターフェース部、19 主記憶メモリ、21 表示画面、22 ADF、23 複合機通信部、31,67 テンキー、32 スタートキー、33 電源キー、34 メニューキー、35 リセットキー、41 枚数入力受け付け部、42 枚数カウント部、43 判断部、44 画像集約部、45 報知部、51 メッセージ、52 枚数入力受け付け領域、56 印刷物、57,61,71 文字、58,62,72 集約画像、59a,59b,59c,59d,63a,63b,63c,63d,73a,73b,73c,73d 画像、66 携帯端末装置、68 機能選択キー、69 タッチパネル。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9