特許第6579083号(P6579083)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6579083
(24)【登録日】2019年9月6日
(45)【発行日】2019年9月25日
(54)【発明の名称】画像処理装置
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/00 20060101AFI20190912BHJP
   B41J 29/00 20060101ALI20190912BHJP
   G03G 21/00 20060101ALI20190912BHJP
   G06F 3/0488 20130101ALI20190912BHJP
【FI】
   H04N1/00 350
   B41J29/00 T
   G03G21/00 376
   G03G21/00 386
   G03G21/00 390
   G06F3/0488 130
   G06F3/0488 160
【請求項の数】9
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2016-217177(P2016-217177)
(22)【出願日】2016年11月7日
(65)【公開番号】特開2018-78364(P2018-78364A)
(43)【公開日】2018年5月17日
【審査請求日】2018年8月29日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100167302
【弁理士】
【氏名又は名称】種村 一幸
(74)【代理人】
【識別番号】100135817
【弁理士】
【氏名又は名称】華山 浩伸
(72)【発明者】
【氏名】小西 浩平
【審査官】 花田 尚樹
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−075011(JP,A)
【文献】 特開平07−321983(JP,A)
【文献】 特開2008−225708(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/00
B41J 29/00 −29/70
G03G 15/00
15/36
21/00
21/02
21/14
21/20
G06F 3/01
3/048− 3/0489
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部及び前記表示部への操作を検出可能な操作検出部を含む操作表示部と、
前記操作表示部に対するジェスチャー操作を検出する検出処理部と、
前記検出処理部により検出されるジェスチャー操作を、ジョブと関連付けて記憶する記憶処理部と、
前記記憶処理部により記憶されている前記ジェスチャー操作と同じジェスチャー操作が前記検出処理部により検出されたことに応じて、前記ジェスチャー操作に関連付けられている前記ジョブに関する情報を前記操作表示部に表示する表示処理部と、
を備え
前記記憶処理部は、前記ジョブについての前記操作表示部に対する実行開始操作が行われた後の予め定められた期間に前記検出処理部により検出されるジェスチャー操作を、前記ジョブと関連付けて記憶する画像処理装置。
【請求項2】
表示部及び前記表示部への操作を検出可能な操作検出部を含む操作表示部と、
前記操作表示部に対するジェスチャー操作を検出する検出処理部と、
前記検出処理部により検出されるジェスチャー操作を、ジョブと関連付けて記憶する記憶処理部と、
前記記憶処理部により記憶されている前記ジェスチャー操作と同じジェスチャー操作が前記検出処理部により検出されたことに応じて、前記ジェスチャー操作に関連付けられている前記ジョブに関する情報を前記操作表示部に表示する表示処理部と、
を備え、
前記表示処理部は、前記ジョブを操作するコマンドキーを前記操作表示部に表示するものであって、前記ジョブの進捗状況に応じて異なる前記コマンドキーを前記操作表示部に表示する画像処理装置。
【請求項3】
表示部及び前記表示部への操作を検出可能な操作検出部を含む操作表示部と、
前記操作表示部に対するジェスチャー操作を検出する検出処理部と、
前記検出処理部により検出されるジェスチャー操作を、ジョブと関連付けて記憶する記憶処理部と、
前記記憶処理部により記憶されている前記ジェスチャー操作と同じジェスチャー操作が前記検出処理部により検出されたことに応じて、前記ジェスチャー操作に関連付けられている前記ジョブに関する情報を前記操作表示部に表示する表示処理部と、
を備え、
前記検出処理部は、前記操作表示部の画面上の任意の領域に対して行われる前記ジェスチャー操作を検出可能である画像処理装置。
【請求項4】
前記検出処理部は、前記操作表示部に対するタッチ操作が検出されたときに、当該タッチ操作が、前記ジェスチャー操作であるか、前記操作表示部に表示されているソフトキーの操作であるかを判別する、
請求項に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記記憶処理部は、前記ジョブについての前記操作表示部に対する実行開始操作が行われた後の予め定められた期間に前記検出処理部により検出されるジェスチャー操作を、前記ジョブと関連付けて記憶する、
請求項2又は3に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記期間が、前記実行開始操作が行われてから予め定められた一定時間が経過するまでの期間である、
請求項1又は5に記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記操作表示部を操作するユーザーを識別する識別処理部を更に備え、
前記記憶処理部は、前記ジェスチャー操作と当該ジェスチャー操作を行ったユーザーとを、前記ジョブと関連付けて記憶し、
前記表示処理部は、前記記憶処理部により記憶されている前記ジェスチャー操作と同じユーザーによる同じジェスチャー操作が検出されたことに応じて、前記ジェスチャー操作に関連付けられている前記ジョブに関する情報を前記操作表示部に表示する、
請求項1〜のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項8】
前記表示処理部は、前記ジョブの進捗状況を示す情報を前記操作表示部に表示する、
請求項1〜のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項9】
前記表示処理部は、前記ジョブを操作するコマンドキーを前記操作表示部に表示する、
請求項1〜のいずれかに記載の画像処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ジョブに関する情報を表示することが可能な画像処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像処理装置に蓄積されたジョブ情報を表示部に常に表示することにより、前記ジョブ情報をユーザーが常に確認することが可能な画像処理装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−135494号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記画像処理装置では、前記表示部に前記ジョブ情報が常に表示されるので、その分だけ、前記ジョブ情報以外の情報を表示するための表示領域が狭くなってしまう。
【0005】
本発明の目的は、画像処理装置に記憶されている一又は複数のジョブのうちの特定のジョブに関する情報をユーザーが必要に応じて簡単に表示させることが可能な画像処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一の局面に係る画像処理装置は、操作表示部と、検出処理部と、記憶処理部と、表示処理部と、を備える。前記操作表示部は、表示部及び前記表示部への操作を検出可能な操作検出部を含む。前記検出処理部は、前記操作表示部に対するジェスチャー操作を検出する。前記記憶処理部は、前記検出処理部により検出されるジェスチャー操作を、ジョブと関連付けて記憶する。前記表示処理部は、前記記憶処理部により記憶されている前記ジェスチャー操作と同じジェスチャー操作が前記検出処理部により検出されたことに応じて、前記ジェスチャー操作に関連付けられている前記ジョブに関する情報を前記操作表示部に表示する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、画像処理装置に記憶されている一又は複数のジョブのうちの特定のジョブに関する情報をユーザーが必要に応じて簡単に表示させることが可能な画像処理装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、本発明の実施形態に係る画像処理装置のシステム構成を示すブロック図である。
図2図2は、本発明の実施形態に係る画像処理装置の操作表示部の外観を示す図である。
図3図3は、本発明の実施形態に係る画像処理装置で用いられるジョブ情報の一例を示す図である。
図4図4は、本発明の実施形態に係る画像処理装置で用いられるジェスチャー情報の一例を示す図である。
図5図5は、本発明の実施形態に係る画像処理装置で用いられる画面構成情報の一例を示す図である。
図6図6は、本発明の実施形態に係る画像処理装置で実行されるジョブ表示処理の手順の一例を示すフローチャートである。
図7図7は、本発明の実施形態に係る画像処理装置で実行されるジェスチャー登録処理の手順の一例を示すフローチャートである。
図8図8は、本発明の実施形態に係る画像処理装置の操作表示部に対して行われるジェスチャー操作の一例を示す図である。
図9図9は、本発明の実施形態に係る画像処理装置で表示されるジョブ詳細画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下添付図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明し、本発明の理解に供する。なお、以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0010】
[画像処理装置の構成]
図1に示されるように、本発明の実施形態に係る画像処理装置1は、操作表示部10、ADF(Auto Document Feeder)11、画像読取部12、画像形成部13、通信I/F14、記憶部15、及び制御部16などを備える。具体的に、画像処理装置1は、プリンター機能、スキャナー機能、コピー機能、及びファクシミリ機能などを有する複合機である。なお、本発明は、複合機に限らず、コピー機、プリンター、ファクシミリ装置のような任意の画像処理装置に適用可能である。
【0011】
操作表示部10は、図2に示されるように、情報を表示する液晶ディスプレーなどの表示部20と、ユーザー操作を受け付けるタッチパネル及び操作ボタンなどの操作部とを備える。前記タッチパネルは、例えば表示部20の画面上に設けられ、表示部20への操作(タッチ操作)を検出可能である。前記タッチパネルは、本発明の「操作検出部」の一例である。操作表示部10には、前記操作ボタンとして、複数のハードキーが設けられている。具体的には、操作表示部10には、スタートキー21、及びその他の複数のハードキー22が設けられている。また、表示部20には、必要に応じて一又は複数のソフトキー(例えば、後述のソフトキーK1、ログアウトキーK2、及びコマンドキーK3)が表示される。
【0012】
ADF11は、原稿セット部、搬送ローラー、原稿押さえ、及び排紙部を備え、画像読取部12の読み取り対象となる原稿を搬送する自動原稿搬送装置である。
【0013】
画像読取部12は、原稿台、光源、ミラー、光学レンズ、及びCCD(Charge Coupled Device)を備え、原稿の画像を読み取って画像データとして出力することが可能である。
【0014】
画像形成部13は、電子写真方式又はインクジェット方式で画像データに基づく印刷処理を実行することが可能であり、前記画像データに基づいてシート上に画像を形成する。例えば、画像形成部13が電子写真方式の画像形成部である場合、画像形成部13は感光体ドラム、帯電器、露光装置、現像装置、転写装置、及び定着装置などを備える。
【0015】
通信I/F14は、電話回線、インターネット、又はLANなどの通信網を介して、外部のファクシミリ装置又はパーソナルコンピューターなどの情報処理装置との間で所定の通信プロトコルに従った通信処理を実行することが可能な通信インターフェイスである。
【0016】
記憶部15は、ハードディスク又はEEPROM(登録商標)などの不揮発性の記憶部である。記憶部15には、制御部16によって実行される各種の制御プログラム、及び各種のデータなどが記憶される。記憶部15には、例えば、ジョブ情報D1(図3参照)、ジェスチャー情報D2(図4参照)、及び画面構成情報D3(図5参照)が記憶される。これらの情報の詳細については後述する。
【0017】
制御部16は、CPU、ROM、及びRAMなどの制御機器を備える。前記CPUは、各種の演算処理を実行するプロセッサーである。前記ROMは、前記CPUに各種の処理を実行させるための制御プログラムなどの情報が予め記憶される不揮発性の記憶部である。前記RAMは、前記CPUが実行する各種の処理の一時記憶メモリー(作業領域)として使用される揮発性又は不揮発性の記憶部である。
【0018】
ところで、画像処理装置1に蓄積されたジョブ情報(例えば、実行中のジョブに関する情報、待機中のジョブに関する情報、完了したジョブに関する情報など)を表示部20に常に表示するようにすれば、前記ジョブ情報をユーザーが常に確認することが可能となる。しかしながら、この場合には、表示部20に前記ジョブ情報が常に表示されるので、その分だけ、前記ジョブ情報以外の情報を表示するための表示領域が狭くなってしまう。これに対して、本実施形態に係る画像処理装置1では、以下で説明する構成及び動作によって、画像処理装置1に記憶されている一又は複数のジョブのうちの特定のジョブに関する情報をユーザーが必要に応じて簡単に表示させることが可能である。
【0019】
具体的に、制御部16は、検出処理部161、記憶処理部162、表示処理部163、及び識別処理部164を含む。なお、制御部16は、前記制御プログラムに従って各種の処理を実行することによりこれらの各処理部として機能する。また、制御部16は、これらの各処理部の一部又は複数の処理機能を実現する電子回路を備えるものであってもよい。
【0020】
検出処理部161は、操作表示部10に対するジェスチャー操作を検出する。具体的には、検出処理部161は、操作表示部10に設けられている前記タッチパネルからの信号に基づいて、表示部20の画面上で行われたジェスチャー操作を検出する。前記ジェスチャー操作は、表示部20の画面に対するタッチ操作の一種であり、例えば図8に示されるように、表示部20の画面上で指又はペンなどで任意の形状(例えば、図形、記号、文字など)を描く操作である。
【0021】
本実施形態では、検出処理部161は、操作表示部10の画面上の任意の領域に対して行われる前記ジェスチャー操作を検出可能である。また、検出処理部161は、操作表示部10に対するタッチ操作が検出されたときに、当該タッチ操作が、前記ジェスチャー操作であるか、操作表示部10に表示されているソフトキーの操作であるかを判別することが可能である。例えば、検出処理部161は、表示部20に表示されている複数のソフトキーのいずれかが指でタッチされたあと、当該ソフトキー上から指が外れることなしに、当該ソフトキー上で指が離された場合に、当該タッチ操作がソフトキーの操作であると判断する。一方、それ以外のタッチ操作が検出された場合(例えば、図8に示されるような形状J1が描かれた場合)は、検出処理部161は、当該タッチ操作を前記ジェスチャー操作であると判断する。これにより、ユーザーは、表示部20の画面上の任意の領域において前記ジェスチャー操作を行うことが可能であり、なおかつ、表示部20に表示されているソフトキーを操作することも可能である。
【0022】
記憶処理部162は、検出処理部161により検出される前記ジェスチャー操作を、画像処理装置1で実行されるジョブと関連付けて、記憶部15又は前記RAMなどに記憶する。例えば、記憶処理部162は、図4に示されるようなジェスチャー情報D2を記憶部15に記憶する。
【0023】
記憶処理部162は、例えば、前記ジョブについての操作表示部10に対する実行開始操作が行われた後の予め定められた期間に検出処理部161により検出されるジェスチャー操作を、前記ジョブと関連付けて記憶する。前記実行開始操作は、例えば、図2に示されるスタートキー21の操作である。前記期間は、例えば、前記実行開始操作が行われてから予め定められた一定時間(例えば10秒間)が経過するまでの期間である。
【0024】
表示処理部163は、記憶処理部162により記憶されている前記ジェスチャー操作と同じジェスチャー操作が検出処理部161により検出されたことに応じて、前記ジェスチャー操作に関連付けられている前記ジョブに関する情報を操作表示部10に表示する。例えば、表示処理部163は、図9に示されるようなジョブ詳細画面P1を操作表示部10に表示する。ジョブ詳細画面P1には、前記ジョブの進捗状況を示す情報と、前記ジョブを操作する複数のコマンドキーK3とが含まれる。表示処理部163は、前記ジョブの進捗状況に応じて異なるコマンドキーK3を操作表示部10に表示してもよい。
【0025】
識別処理部164は、操作表示部10を操作するユーザーを識別する。例えば、識別処理部164は、表示部20に表示されるログイン画面(不図示)を通じて入力されるユーザーIDに基づいてユーザーを識別することが可能である。もしくは、識別処理部164は、ユーザーが携帯するICカード(不図示)に記憶されているユーザーIDをカードリーダー(不図示)で読み取ることによってユーザーを識別してもよい。
【0026】
本実施形態では、記憶処理部162は、前記ジェスチャー操作と当該ジェスチャー操作を行ったユーザーとを、前記ジョブと関連付けて記憶する。そして、表示処理部163は、記憶処理部162により記憶されている前記ジェスチャー操作と同じユーザーによる同じジェスチャー操作が検出されたことに応じて、前記ジェスチャー操作に関連付けられている前記ジョブに関する情報を操作表示部10に表示する。
【0027】
[ジョブ表示処理]
次に、図6を参照しつつ、制御部16によって実行されるジョブ表示処理の手順の一例について説明する。ここで、ステップS1,S2,・・・は、制御部16により実行される処理手順(ステップ)の番号を表している。なお、前記ジョブ表示処理は、例えば、画像処理装置1の電源がオンされたことに応じて開始され、その後、画像処理装置1の電源がオフされたことに応じて終了される。
【0028】
<ステップS1>
まず、ステップS1において、制御部16(識別処理部164)は、ユーザーがログインしたか否かを判断する。例えば、制御部16は、表示部20に表示されるログイン画面(不図示)を通じて入力されるユーザーID及びパスワードに基づいて、ユーザーがログインしたか否かを判断する。そして、ユーザーがログインしたと判断されると(S1:Yes)、処理がステップS2に移行する。一方、ユーザーがログインしていないと判断されると(S1:No)、ユーザーがログインしたと判断されるまで、ステップS1の処理が繰り返される。
【0029】
<ステップS2>
ステップS2において、制御部16は、前記実行開始操作が行われたか否かを判断する。例えば、制御部16は、図2に示されるようなコピー設定画面等を通じてジョブの設定が行われた後に、スタートキー21が押下された場合に、前記実行開始操作が行われたと判断する。そして、前記実行開始操作が行われたと判断されると(S2:Yes)、処理がステップS3に移行する。このとき、前記ジョブに関する情報がジョブ情報D1に追加される。例えば、図3に示されるように、前記ジョブを識別するための「ジョブID」、前記ジョブに対する前記実行開始操作が行われた日時を示す「受付日時」、及び前記ジョブの実行を指示したユーザー(すなわち、前記実行開始操作が行われたときにログインしていたユーザー)を識別するための「ユーザーID」などがジョブ情報D1に追加される。なお、図3に示されるジョブ情報D1における「進捗状況」の情報は、各ジョブの進捗状況に応じて随時更新される。一方、前記実行開始操作が行われていないと判断されると(S2:No)、処理がステップS4に移行する。
【0030】
<ステップS3>
ステップS3において、制御部16は、ジェスチャー登録処理を実行する。以下、図7を参照しつつ、ステップS3で実行される前記ジェスチャー登録処理の手順の一例について説明する。
【0031】
<ステップS21>
ステップS21において、制御部16は、タッチ操作が開始されたか否かを判断する。例えば、制御部16は、操作表示部10からの信号に基づいて、表示部20の画面がタッチされたことを検出すると、前記タッチ操作が開始されたと判断する。そして、前記タッチ操作が開始されたと判断されると(S21:Yes)、処理がステップS22に移行する。一方、前記タッチ操作が開始されていないと判断されると(S21:No)、処理がステップS27に移行する。
【0032】
<ステップS22>
ステップS22において、制御部16(検出処理部161)は、表示部20の画面上に描かれた形状を記憶する。例えば、制御部16は、操作表示部10からの信号に基づいてタッチ位置の移動方向及び移動量を周期的に検出し、それらのデータを前記RAMに順次記憶する。
【0033】
<ステップS23>
ステップS23において、制御部16は、前記タッチ操作が終了したか否かを判断する。例えば、制御部16は、操作表示部10からの信号に基づいて、表示部20の画面がタッチされていない状態であることを検出すると、前記タッチ操作が終了したと判断する。そして、前記タッチ操作が終了したと判断されると(S23:Yes)、処理がステップS24に移行する。一方、前記タッチ操作が終了していないと判断されると(S23:No)、処理が前記ステップS22に戻る。
【0034】
<ステップS24>
ステップS24において、制御部16は、前記タッチ操作が前記ジェスチャー操作であるか否かを判断する。具体的には、制御部16は、前記ステップS22で前記RAMに記憶されたデータ(すなわち、表示部20の画面上に描かれた形状を示すデータ)に基づいて、前記タッチ操作が前記ジェスチャー操作であるか、表示部20に表示されているソフトキー(例えば、ソフトキーK1、ログアウトキーK2、又はコマンドキーK3)の操作であるかを判定する。例えば、制御部16は、前記タッチ操作における全てのタッチ位置がいずれか1つのソフトキー上にある場合には、前記タッチ操作が当該ソフトキーの操作であると判断し、それ以外の場合には、前記タッチ操作が前記ジェスチャー操作であると判断する。前記タッチ操作が前記ジェスチャー操作であると判断されると(S24:Yes)、処理がステップS25に移行する。一方、前記タッチ操作が前記ジェスチャー操作ではないと判断されると(S24:No)、処理がステップS26に移行する。
【0035】
<ステップS25>
ステップS25において、制御部16(記憶処理部162)は、前記ジェスチャー操作を、前記ジョブと関連付けて記憶する。例えば、制御部16は、前記ジェスチャー操作として、前記ステップS22で前記RAMに記憶されたデータ(すなわち、表示部20の画面上に描かれた形状を示すデータ)をジェスチャー情報D2に追加する。このとき、制御部16は、図4に示されるように、前記ジェスチャー操作の形状を示すデータと共に、前記ジェスチャー操作を行ったユーザー(すなわち、現在ログイン中のユーザー)の「ユーザーID」、及び前記ジョブを識別するための「ジョブID」もジェスチャー情報D2に追加する。そして、前記ジェスチャー登録処理が終了する。
【0036】
なお、ジェスチャー情報D2に新たに追加しようとするジェスチャー操作と同じユーザーによる同じジェスチャー操作がジェスチャー情報D2にすでに登録されている場合には、制御部16は、例えば、すでに登録されているジェスチャー操作を削除した上で、新たなジェスチャー操作をジェスチャー情報D2に追加してもよい。もしくは、制御部16は、すでに登録されているジェスチャー操作を残したままで、新たなジェスチャー操作をジェスチャー情報D2に追加してもよい。
【0037】
<ステップS26>
ステップS26において、制御部16は、前記タッチ操作により操作されたソフトキー(例えば、ソフトキーK1、ログアウトキーK2、又はコマンドキーK3)に対応する処理を実行する。そして、前記ジェスチャー登録処理が終了する。
【0038】
<ステップS27>
ステップS27において、制御部16は、前記実行開始操作が行われてから、予め定められた一定時間(例えば10秒間)が経過したか否かを判断する。そして、前記実行開始操作が行われてから前記一定時間が経過したと判断されると(S27:Yes)、前記ジェスチャー登録処理が終了する。一方、前記実行開始操作が行われてから前記一定時間が経過していないと判断されると(27:No)、処理が前記ステップS21に戻る。
【0039】
前記ジェスチャー登録処理が終了すると、処理が図6のステップS4に移行する。以下、図6を再び参照しつつ、前記ジョブ表示処理におけるステップS4以降の処理について説明する。
【0040】
<ステップS4>
ステップS4において、制御部16は、タッチ操作が開始されたか否かを判断する。例えば、制御部16は、操作表示部10からの信号に基づいて、表示部20の画面がタッチされたことを検出すると、前記タッチ操作が開始されたと判断する。そして、前記タッチ操作が開始されたと判断されると(S4:Yes)、処理がステップS5に移行する。一方、前記タッチ操作が開始されていないと判断されると(S4:No)、処理がステップS11に移行する。
【0041】
<ステップS5>
ステップS5において、制御部16(検出処理部161)は、表示部20の画面上に描かれた形状を記憶する。例えば、制御部16は、操作表示部10からの信号に基づいてタッチ位置の移動方向及び移動量を周期的に検出し、それらのデータを前記RAMに順次記憶する。
【0042】
<ステップS6>
ステップS6において、制御部16は、前記タッチ操作が終了したか否かを判断する。例えば、制御部16は、操作表示部10からの信号に基づいて、表示部20の画面がタッチされていない状態であることを検出すると、前記タッチ操作が終了したと判断する。そして、前記タッチ操作が終了したと判断されると(S6:Yes)、処理がステップS7に移行する。一方、前記タッチ操作が終了していないと判断されると(S6:No)、処理が前記ステップS5に戻る。
【0043】
<ステップS7>
ステップS7において、制御部16は、前記タッチ操作が前記ジェスチャー操作であるか否かを判断する。具体的には、制御部16は、前記ステップS5で前記RAMに記憶されたデータ(すなわち、表示部20の画面上に描かれた形状を示すデータ)に基づいて、前記タッチ操作が前記ジェスチャー操作であるか、表示部20に表示されているソフトキー(例えば、ソフトキーK1、ログアウトキーK2、又はコマンドキーK3)の操作であるかを判定する。例えば、制御部16は、前記タッチ操作における全てのタッチ位置がいずれか1つのソフトキー上にある場合には、前記タッチ操作が当該ソフトキーの操作であると判断し、それ以外の場合には、前記タッチ操作が前記ジェスチャー操作であると判断する。前記タッチ操作が前記ジェスチャー操作であると判断されると(S7:Yes)、処理がステップS8に移行する。一方、前記タッチ操作が前記ジェスチャー操作ではないと判断されると(S7:No)、処理がステップS10に移行する。
【0044】
<ステップS8>
ステップS8において、制御部16は、今回行われたジェスチャー操作と、ジェスチャー情報D2に登録されている各ジェスチャー操作とを照合する照合処理を実行する。例えば、制御部16は、前記ステップS5で前記RAMに記憶されたデータ(すなわち、表示部20の画面上に描かれた形状を示すデータ)と、現在ログイン中のユーザーのユーザーIDとに基づいて、前記照合処理を実行する。そして、制御部16は、ジェスチャー情報D2に登録されている一又は複数のジェスチャー操作の中から、今回行われたジェスチャー操作と同じユーザーによる同じジェスチャー操作を検出する。
【0045】
<ステップS9>
ステップS9において、制御部16(表示処理部163)は、前記ステップS8の照合処理により検出された前記ジェスチャー操作に対応するジョブのジョブ詳細画面P1を表示部20に表示する。例えば、図8に示されるような形状J1のジェスチャー操作がユーザーBによって行われたことが検出された場合は、制御部16は、ジェスチャー情報D2において当該ジェスチャー操作と関連付けられているジョブ(すなわち、ジョブIDが「FFFFF」であるジョブ)のジョブ詳細画面P1(図9参照)を表示部20に表示する。このとき、制御部16は、予め設定された画面構成情報D3に基づいて、前記ジョブの進捗状況(すなわち、現在の状態)に応じて、ジョブ詳細画面P1に表示すべき表示項目及びコマンドキーK3を変化させる。
【0046】
例えば、前記ジョブの進捗状況が「読取中」である場合には、制御部16は、ジョブ詳細画面P1において、前記ジョブの進捗情報を示す情報として「読取完了枚数」の情報を表示すると共に、前記ジョブを操作するコマンドキーK3として「ジョブ中止」のコマンドキーK3及び「ジョブ停止」のコマンドキーK3を表示する。また、前記ジョブの進捗状況が「出力中」である場合には、制御部16は、図9に示されるように、ジョブ詳細画面P1において、「出力完了枚数」、「出力予定枚数」、及び「読取完了枚数」の情報を表示すると共に、「ジョブ中止」及び「ジョブ停止」のコマンドキーK3を表示する。なお、前記ジョブの進捗状況が「読取中」である場合と「出力中」である場合とを区別することなく、一纏めにして「処理中」としてもよい。そして、前記ジョブの進捗状況が「処理中」である場合には、制御部16は、図9に示されるように、ジョブ詳細画面P1において、「出力完了枚数」、「出力予定枚数」、及び「読取完了枚数」の情報を表示すると共に、「ジョブ中止」及び「ジョブ停止」のコマンドキーK3を表示してもよい。
【0047】
また、例えば、前記ジョブの進捗状況が「停止中」である場合には、制御部16は、ジョブ詳細画面P1において、「出力完了枚数」、「出力予定枚数」、及び「読取完了枚数」の情報を表示すると共に、「ジョブ再開」及び「ジョブ中止」のコマンドキーK3を表示する。また、前記ジョブの進捗状況が「待機中」である場合には、制御部16は、ジョブ詳細画面P1において、「出力予定枚数」、及び「読取完了枚数」の情報を表示すると共に、「ジョブ優先」及び「ジョブ中止」のコマンドキーK3を表示する。また、前記ジョブの進捗状況が「完了」である場合には、制御部16は、ジョブ詳細画面P1において、「出力完了枚数」及び「読取完了枚数」の情報を表示すると共に、「付加機能」のコマンドキーK3を表示する。なお、「付加機能」のコマンドキーK3の操作により入力可能なコマンドの例としては、当該ジョブとジェスチャー操作との関連付けを解除するコマンド、又は当該ジョブに関する情報をジョブ情報D1から削除するコマンドなどが挙げられる。そして、処理がステップS11に移行する。
【0048】
なお、前記ステップS8において、条件に合致するジェスチャー操作が複数検出された場合には、制御部16は、それらの複数のジェスチャー操作に対応する複数のジョブの中から、情報を表示すべきジョブをユーザーに選択させてもよい。そして、制御部16は、ユーザーにより選択されたジョブのジョブ詳細画面P1を表示してもよい。
【0049】
<ステップS10>
ステップS10において、制御部16は、前記タッチ操作により操作されたソフトキー(例えば、ソフトキーK1、ログアウトキーK2、又はコマンドキーK3)に対応する処理を実行する。そして、処理がステップS11に移行する。
【0050】
<ステップS11>
ステップS11において、制御部16は、前記ユーザーがログアウトしたか否かを判断する。例えば、制御部16は、表示部20に表示されるログアウトキーK2(図8参照)が操作された場合に、前記ユーザーがログアウトしたと判断する。そして、前記ユーザーがログアウトしたと判断されると(S11:Yes)、処理が前記ステップS1に戻る。一方、前記ユーザーがログアウトしていないと判断されると(S11:No)、処理が前記ステップS2に戻る。
【0051】
以上のように、本実施形態に係る画像処理装置1では、或るジョブについての前記実行開始操作が行われた後に、任意の形状のジェスチャー操作が行われると、当該ジェスチャー操作が前記ジョブと関連付けて記憶される。そして、当該ジェスチャー操作と同じジェスチャー操作が後ほど行われると、前記ジョブに関する情報(ジョブ詳細画面P1)が表示される。したがって、本実施形態に係る画像処理装置1によれば、画像処理装置1に記憶されている一又は複数のジョブのうちの特定のジョブに関する情報をユーザーが必要に応じて簡単に表示させることが可能である。
【0052】
また、本実施形態では、前記ジェスチャー操作がユーザーと関連付けて記憶されるため、或るユーザーによるジェスチャー操作に応じて、別のユーザーのジョブのジョブ詳細画面P1が表示されてしまうことを防止することができる。
【0053】
また、本実施形態では、ジョブ詳細画面P1に、ジョブの進捗状況に応じたコマンドキーK3が表示されるので、ユーザーは、より簡単に所望の操作を行うことができる。
【0054】
また、本実施形態では、表示部20の画面の任意の領域において前記ジェスチャー操作を行うことができるので、表示部20の画面の一部を前記ジェスチャー操作を行うための専用の領域として確保する必要がない。よって、表示部20の画面を有効に利用することができる。
【0055】
[変形例]
なお、本実施形態では、前記ジェスチャー操作がユーザーと関連付けて記憶されるが、本発明はこれに限定されない。すなわち、前記ジェスチャー操作がユーザーと関連付けずに記憶されてもよい。
【0056】
また、本実施形態では、表示部20の画面の任意の領域において前記ジェスチャー操作を行うことができるが、本発明はこれに限定されない。他の実施形態では、例えば、所定のユーザー操作に応じて、前記ジェスチャー操作を行うための操作画面が表示部20に表示されてもよい。
【0057】
また、本実施形態では、或るジョブについての前記実行開始操作が行われてから一定時間(例えば10秒間)が経過するまでの期間に行われたジェスチャー操作が、前記ジョブと関連付けて記憶されるが、本発明はこれに限定されない。他の実施形態では、例えば、前記実行開始操作が行われてから、いずれかのソフトキー又はハードキーが操作されるまでの期間に行われたジェスチャー操作が、前記ジョブと関連付けて記憶されてもよい。もしくは、前記実行開始操作が行われてから、ユーザーがログアウトするまで(すなわち、ログアウトキーK2が操作されるまで)の期間に行われたジェスチャー操作が、前記ジョブと関連付けて記憶されてもよい。
【0058】
なお、制御部16は、ジェスチャー情報D2として記憶されている前記ジェスチャー操作を、予め定められた条件を満たしたことに応じて、ジェスチャー情報D2から削除してもよい。例えば、制御部16は、前記ジェスチャー操作に関連付けられているジョブの情報がジョブ情報D1から削除されたことに応じて、当該ジェスチャー操作をジェスチャー情報D2から削除してもよい。もしくは、制御部16は、前記ジェスチャー操作に関連付けられているジョブの進捗状況が「完了」になっており、且つ当該ジェスチャー操作に関連付けられているユーザがログアウトしたことに応じて、当該ジェスチャー操作をジェスチャー情報D2から削除してもよい。もしくは、制御部16は、前記ジェスチャー操作に関連付けられているジョブの進捗状況が「完了」になってから一定時間(例えば、1日)が経過したことに応じて、当該ジェスチャー操作をジェスチャー情報D2から削除してもよい。なお、ジェスチャー情報D2が前記RAMに記憶される場合には、画像処理装置1の電源がオフされたことに応じてジェスチャー情報D2が消去されてもよい。
【符号の説明】
【0059】
1 画像処理装置
10 操作表示部
15 記憶部
16 制御部
20 表示部
21 スタートキー
22 ハードキー
161 検出処理部
162 記憶処理部
163 表示処理部
164 識別処理部
図1
図2
図3
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図5
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図9