特許第6579087号(P6579087)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 京セラドキュメントソリューションズ株式会社の特許一覧

特許6579087電子機器及び起動シーケンス生成プログラム
<>
  • 特許6579087-電子機器及び起動シーケンス生成プログラム 図000002
  • 特許6579087-電子機器及び起動シーケンス生成プログラム 図000003
  • 特許6579087-電子機器及び起動シーケンス生成プログラム 図000004
  • 特許6579087-電子機器及び起動シーケンス生成プログラム 図000005
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6579087
(24)【登録日】2019年9月6日
(45)【発行日】2019年9月25日
(54)【発明の名称】電子機器及び起動シーケンス生成プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 9/445 20180101AFI20190912BHJP
【FI】
   G06F9/445 130
【請求項の数】6
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2016-227395(P2016-227395)
(22)【出願日】2016年11月24日
(65)【公開番号】特開2018-84941(P2018-84941A)
(43)【公開日】2018年5月31日
【審査請求日】2018年9月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100097113
【弁理士】
【氏名又は名称】堀 城之
(74)【代理人】
【識別番号】100162363
【弁理士】
【氏名又は名称】前島 幸彦
(74)【代理人】
【識別番号】100194146
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 明
(74)【代理人】
【識別番号】100194283
【弁理士】
【氏名又は名称】村上 大勇
(74)【代理人】
【識別番号】100141324
【弁理士】
【氏名又は名称】小河 卓
(72)【発明者】
【氏名】土居 臣仁
【審査官】 今城 朋彬
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−108618(JP,A)
【文献】 特開2012−252536(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 9/445
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
機能部毎の初期化モジュールと、機能毎に異なる前記初期化モジュールの起動順番が登録された複数の起動管理テーブルとを記憶する不揮発性メモリーと、
各種ジョブのジョブ履歴を管理し、各ジョブ種別の実行頻度を比較して最も実行頻度が大きいジョブ種別を実行度合いの高いジョブ種別として選択するジョブ履歴管理部と、
前記ジョブ履歴管理部が選択した実行度合いの高いジョブ種別に関連する前記起動管理テーブルの登録内容に従い、前記初期化モジュールの起動順番を決定する起動シーケンス管理部と、
前記起動シーケンス管理部が決定した前記起動順番に従って前記初期化モジュールを前記不揮発性メモリーから読み出し、それぞれの前記機能部を初期化するシステム制御部とを備え
前記起動シーケンス管理部は、前記初期化モジュールの起動順番を決定する際、それぞれの機能の実行が可能な初期化モジュールまでの初期化が完了した時点でそれぞれの機能の使用を可能とする定義を、決定した前記起動順番に含ませる
ことを特徴とする電子機器。
【請求項2】
機能部毎の初期化モジュールと、機能毎に異なる前記初期化モジュールの起動順番が登録された複数の起動管理テーブルとを記憶する不揮発性メモリーと、
各種ジョブのジョブ履歴を管理し、各ジョブ種別の実行頻度を比較して最も実行頻度が大きいジョブ種別を実行度合いの高いジョブ種別として選択するジョブ履歴管理部と、
前記ジョブ履歴管理部が選択した実行度合いの高いジョブ種別に関連する前記起動管理テーブルの登録内容に従い、前記初期化モジュールの起動順番を決定する起動シーケンス管理部と、
前記起動シーケンス管理部が決定した前記起動順番に従って前記初期化モジュールを前記不揮発性メモリーから読み出し、それぞれの前記機能部を初期化するシステム制御部とを備え、
前記ジョブ履歴管理部は、起動中に実行された前記各種ジョブのジョブ履歴を管理する
ことを特徴とする電子機器。
【請求項3】
機能部毎の初期化モジュールと、機能毎に異なる前記初期化モジュールの起動順番が登録された複数の起動管理テーブルとを記憶する不揮発性メモリーと、
各種ジョブのジョブ履歴を管理し、各ジョブ種別の実行頻度を比較して最も実行頻度が大きいジョブ種別を実行度合いの高いジョブ種別として選択するジョブ履歴管理部と、
前記ジョブ履歴管理部が選択した実行度合いの高いジョブ種別に関連する前記起動管理テーブルの登録内容に従い、前記初期化モジュールの起動順番を決定する起動シーケンス管理部と、
前記起動シーケンス管理部が決定した前記起動順番に従って前記初期化モジュールを前記不揮発性メモリーから読み出し、それぞれの前記機能部を初期化するシステム制御部とを備え、
前記ジョブ履歴管理部は、起動時毎に前記各種ジョブのジョブ履歴からジョブ種別を集計し、実行度合いの高いジョブ種別を選択する
ことを特徴とする電子機器。
【請求項4】
不揮発性メモリーにより、機能部毎の初期化モジュールと、機能毎に異なる前記初期化モジュールの起動順番が登録された複数の起動管理テーブルとを記憶する工程と、
ジョブ履歴管理部により、各種ジョブのジョブ履歴を管理し、各ジョブ種別の実行頻度を比較して最も実行頻度が大きいジョブ種別を実行度合いの高いジョブ種別として選択する工程と、
起動シーケンス管理部により、前記ジョブ履歴管理部が選択した実行度合いの高いジョブ種別に関連する前記起動管理テーブルの登録内容に従い、前記初期化モジュールの起動順番を決定する工程と、
システム制御部により、前記起動シーケンス管理部が決定した前記起動順番に従って前記初期化モジュールを前記不揮発性メモリーから読み出し、それぞれの前記機能部を初期化する工程とを電子機器を制御するコンピューターに実行させ
前記起動シーケンス管理部は、前記初期化モジュールの起動順番を決定する際、それぞれの機能の実行が可能な初期化モジュールまでの初期化が完了した時点でそれぞれの機能の使用を可能とする定義を、決定した前記起動順番に含ませる
ことを特徴とする起動シーケンス生成プログラム。
【請求項5】
不揮発性メモリーにより、機能部毎の初期化モジュールと、機能毎に異なる前記初期化モジュールの起動順番が登録された複数の起動管理テーブルとを記憶する工程と、
ジョブ履歴管理部により、各種ジョブのジョブ履歴を管理し、各ジョブ種別の実行頻度を比較して最も実行頻度が大きいジョブ種別を実行度合いの高いジョブ種別として選択する工程と、
起動シーケンス管理部により、前記ジョブ履歴管理部が選択した実行度合いの高いジョブ種別に関連する前記起動管理テーブルの登録内容に従い、前記初期化モジュールの起動順番を決定する工程と、
システム制御部により、前記起動シーケンス管理部が決定した前記起動順番に従って前記初期化モジュールを前記不揮発性メモリーから読み出し、それぞれの前記機能部を初期化する工程とを電子機器を制御するコンピューターに実行させ、
前記ジョブ履歴管理部は、起動中に実行された前記各種ジョブのジョブ履歴を管理する
ことを特徴とする起動シーケンス生成プログラム。
【請求項6】
不揮発性メモリーにより、機能部毎の初期化モジュールと、機能毎に異なる前記初期化モジュールの起動順番が登録された複数の起動管理テーブルとを記憶する工程と、
ジョブ履歴管理部により、各種ジョブのジョブ履歴を管理し、各ジョブ種別の実行頻度を比較して最も実行頻度が大きいジョブ種別を実行度合いの高いジョブ種別として選択する工程と、
起動シーケンス管理部により、前記ジョブ履歴管理部が選択した実行度合いの高いジョブ種別に関連する前記起動管理テーブルの登録内容に従い、前記初期化モジュールの起動順番を決定する工程と、
システム制御部により、前記起動シーケンス管理部が決定した前記起動順番に従って前記初期化モジュールを前記不揮発性メモリーから読み出し、それぞれの前記機能部を初期化する工程とを電子機器を制御するコンピューターに実行させ、
前記ジョブ履歴管理部は、起動時毎に前記各種ジョブのジョブ履歴からジョブ種別を集計し、実行度合いの高いジョブ種別を選択する
ことを特徴とする起動シーケンス生成プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、起動シーケンスを最適化した電子機器及び起動シーケンス生成プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
たとえば、プリンターや、MFP(Multifunction Peripheral)などの画像形成装置においては、電源がオンされたり、リセットボタンが操作されたりすると、起動シーケンスに従い、各機能部を初期化するプログラムが実行される。
【0003】
なお、プリンターやMFPにおいては、それぞれ搭載されている機能が異なる。すなわち、たとえばプリンターには、印刷機能、FAX(Facsimile)機能などが搭載されている。一方、MFPには、印刷機能、コピー機能、FAX機能、ネットワーク経由でのデータ送受信機能などが搭載されている。このため、プリンターやMFPにおいての起動シーケンスは、それぞれに搭載されている機能に合わせて設定される。
【0004】
ここで、起動の最適化を図ったものとして、特許文献1では、表示画面への表示にかかる時間を短縮させるプログラムの起動方法を提案している。この起動方法は、装置の全ての構成要素をリセットする第1のリセット手順と、表示装置を含んだ装置の起動画面の表示に関する構成要素以外をリセットする第2のリセット手順と、第1のリセット手順によって装置の全ての構成要素をリセットした後に、起動画面の表示に関する構成要素を動作させるための第1のプログラムをプログラムメモリーからワークメモリーに転送し、ワークメモリーに転送された第1のプログラムに基づいて、表示装置に起動画面を表示させる第1のプログラム起動手順と、第2のリセット手順によって表示装置を含んだ装置の起動画面の表示に関する構成要素以外をリセットした後に、装置の全ての構成要素を動作させるための第2のプログラムをプログラムメモリーからワークメモリーに転送し、ワークメモリーに転送された第2のプログラムに基づいて、装置を起動する第2のプログラム起動手順と、を含む。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2011−070306号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述したように、特許文献1でのプログラムの起動方法では、起動画面の表示に関する構成要素を動作させるための第1のプログラムに基づいて表示装置に起動画面を表示させるので、表示画面への画面データの表示にかかる時間を短縮できる。
【0007】
ところで、上述したプリンターでの起動シーケンスにおいては、いち早く印刷ができることが起動速度に求められる起動条件となっている。一方、上述したMFPでの起動シーケンスにおいては、いち早くコピーができることまでが起動速度に求められる起動条件となっている。
【0008】
ただし、プリンターやMFPにおいては、ユーザー毎に使用環境が異なるため、ユーザー毎の使用環境に合わせた起動シーケンスにすると、ユーザーに対する利便性が高まるものと考えられる。
【0009】
ところが、特許文献1でのプログラムの起動方法は、予め設定されている起動シーケンスに沿った起動であるため、このプログラムの起動方法をプリンターやMFPに適用した場合、ユーザー毎の使用環境に合わせた最適な起動シーケンスへの変更ができない、という問題がある。
【0010】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、上記問題点を解消することができる電子機器及び起動シーケンス生成プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の電子機器は、機能部毎の初期化モジュールと、機能毎に異なる前記初期化モジュールの起動順番が登録された複数の起動管理テーブルとを記憶する不揮発性メモリーと、各種ジョブのジョブ履歴を管理し、各ジョブ種別の実行頻度を比較して最も実行頻度が大きいジョブ種別を実行度合いの高いジョブ種別として選択するジョブ履歴管理部と、前記ジョブ履歴管理部が選択した実行度合いの高いジョブ種別に関連する前記起動管理テーブルの登録内容に従い、前記初期化モジュールの起動順番を決定する起動シーケンス管理部と、前記起動シーケンス管理部が決定した前記起動順番に従って前記初期化モジュールを前記不揮発性メモリーから読み出し、それぞれの前記機能部を初期化するシステム制御部とを備え、前記起動シーケンス管理部は、前記初期化モジュールの起動順番を決定する際、それぞれの機能の実行が可能な初期化モジュールまでの初期化が完了した時点でそれぞれの機能の使用を可能とする定義を、決定した前記起動順番に含ませることを特徴とする。
本発明の電子機器は、機能部毎の初期化モジュールと、機能毎に異なる前記初期化モジュールの起動順番が登録された複数の起動管理テーブルとを記憶する不揮発性メモリーと、各種ジョブのジョブ履歴を管理し、各ジョブ種別の実行頻度を比較して最も実行頻度が大きいジョブ種別を実行度合いの高いジョブ種別として選択するジョブ履歴管理部と、前記ジョブ履歴管理部が選択した実行度合いの高いジョブ種別に関連する前記起動管理テーブルの登録内容に従い、前記初期化モジュールの起動順番を決定する起動シーケンス管理部と、前記起動シーケンス管理部が決定した前記起動順番に従って前記初期化モジュールを前記不揮発性メモリーから読み出し、それぞれの前記機能部を初期化するシステム制御部とを備え、前記ジョブ履歴管理部は、起動中に実行された前記各種ジョブのジョブ履歴を管理することを特徴とする
本発明の電子機器は、機能部毎の初期化モジュールと、機能毎に異なる前記初期化モジュールの起動順番が登録された複数の起動管理テーブルとを記憶する不揮発性メモリーと、各種ジョブのジョブ履歴を管理し、各ジョブ種別の実行頻度を比較して最も実行頻度が大きいジョブ種別を実行度合いの高いジョブ種別として選択するジョブ履歴管理部と、前記ジョブ履歴管理部が選択した実行度合いの高いジョブ種別に関連する前記起動管理テーブルの登録内容に従い、前記初期化モジュールの起動順番を決定する起動シーケンス管理部と、前記起動シーケンス管理部が決定した前記起動順番に従って前記初期化モジュールを前記不揮発性メモリーから読み出し、それぞれの前記機能部を初期化するシステム制御部とを備え、前記ジョブ履歴管理部は、起動時毎に前記各種ジョブのジョブ履歴からジョブ種別を集計し、実行度合いの高いジョブ種別を選択することを特徴とする
本発明の起動シーケンス生成プログラムは、不揮発性メモリーにより、機能部毎の初期化モジュールと、機能毎に異なる前記初期化モジュールの起動順番が登録された複数の起動管理テーブルとを記憶する工程と、ジョブ履歴管理部により、各種ジョブのジョブ履歴を管理し、各ジョブ種別の実行頻度を比較して最も実行頻度が大きいジョブ種別を実行度合いの高いジョブ種別として選択する工程と、起動シーケンス管理部により、前記ジョブ履歴管理部が選択した実行度合いの高いジョブ種別に関連する前記起動管理テーブルの登録内容に従い、前記初期化モジュールの起動順番を決定する工程と、システム制御部により、前記起動シーケンス管理部が決定した前記起動順番に従って前記初期化モジュールを前記不揮発性メモリーから読み出し、それぞれの前記機能部を初期化する工程とを電子機器を制御するコンピューターに実行させ、前記起動シーケンス管理部は、前記初期化モジュールの起動順番を決定する際、それぞれの機能の実行が可能な初期化モジュールまでの初期化が完了した時点でそれぞれの機能の使用を可能とする定義を、決定した前記起動順番に含ませることを特徴とする。
本発明の起動シーケンス生成プログラムは、不揮発性メモリーにより、機能部毎の初期化モジュールと、機能毎に異なる前記初期化モジュールの起動順番が登録された複数の起動管理テーブルとを記憶する工程と、ジョブ履歴管理部により、各種ジョブのジョブ履歴を管理し、各ジョブ種別の実行頻度を比較して最も実行頻度が大きいジョブ種別を実行度合いの高いジョブ種別として選択する工程と、起動シーケンス管理部により、前記ジョブ履歴管理部が選択した実行度合いの高いジョブ種別に関連する前記起動管理テーブルの登録内容に従い、前記初期化モジュールの起動順番を決定する工程と、システム制御部により、前記起動シーケンス管理部が決定した前記起動順番に従って前記初期化モジュールを前記不揮発性メモリーから読み出し、それぞれの前記機能部を初期化する工程とを電子機器を制御するコンピューターに実行させ、前記ジョブ履歴管理部は、起動中に実行された前記各種ジョブのジョブ履歴を管理することを特徴とする。
本発明の起動シーケンス生成プログラムは、不揮発性メモリーにより、機能部毎の初期化モジュールと、機能毎に異なる前記初期化モジュールの起動順番が登録された複数の起動管理テーブルとを記憶する工程と、ジョブ履歴管理部により、各種ジョブのジョブ履歴を管理し、各ジョブ種別の実行頻度を比較して最も実行頻度が大きいジョブ種別を実行度合いの高いジョブ種別として選択する工程と、起動シーケンス管理部により、前記ジョブ履歴管理部が選択した実行度合いの高いジョブ種別に関連する前記起動管理テーブルの登録内容に従い、前記初期化モジュールの起動順番を決定する工程と、システム制御部により、前記起動シーケンス管理部が決定した前記起動順番に従って前記初期化モジュールを前記不揮発性メモリーから読み出し、それぞれの前記機能部を初期化する工程とを電子機器を制御するコンピューターに実行させ、前記ジョブ履歴管理部は、起動時毎に前記各種ジョブのジョブ履歴からジョブ種別を集計し、実行度合いの高いジョブ種別を選択することを特徴とする。
本発明の電子機器及び起動シーケンス生成プログラムでは、不揮発性メモリーにより、機能部毎の初期化モジュールと、機能毎に異なる初期化モジュールの起動順番が登録された複数の起動管理テーブルとを記憶し、ジョブ履歴管理部により、各種ジョブのジョブ履歴を管理し、実行度合いの高いジョブ種別を選択し、起動シーケンス管理部により、ジョブ履歴管理部が選択した実行度合いの高いジョブ種別に関連する起動管理テーブルの登録内容に従い、初期化モジュールの起動順番を決定し、システム制御部により、起動シーケンス管理部が決定した起動順番に従って初期化モジュールを不揮発性メモリーから読み出し、それぞれの機能部を初期化する。
このように、実行度合いの高いジョブ種別に関連する起動管理テーブルの起動順番に従ってそれぞれの機能部を初期化することで、実行度合いに応じて起動シーケンスを変更できる。
【発明の効果】
【0012】
本発明の電子機器及び起動シーケンス生成プログラムによれば、実行度合いに応じて起動シーケンスを変更できることから、ユーザー毎の使用環境に合わせた最適な起動シーケンスへの変更が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の電子機器をMFPに適用した場合の一実施形態を説明するための図である。
図2図1のEEPROMに記憶されている複数の機能別起動管理テーブルの登録内容について説明するための図である。
図3】起動シーケンスの最適化について説明するものであって、図3(a)は全体のフローを示し、図3(b)は起動条件選択のフローを示し、図3(c)は起動順番生成のフローを示し、図3(d)は起動シーケンス実行のフローを示す図である。
図4図1のシステム制御部による初期化モジュールの実行処理を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の電子機器の一実施形態を、図1図4を参照しながら説明する。なお、以下の説明においての電子機器の一例としては、たとえば印刷機能、コピー機能、FAX機能、ネットワーク経由でのデータ送受信機能などを搭載した複合的な周辺機器であるMFP(Multifunction Peripheral)であるものとする。また、以下に説明する初期化とは起動を意味する。
【0015】
まず、図1に示すように、MFP100は、スキャナー部101、プリンター部102、FAX部103、I/F(インターフェース)104、パネル部105及びHDD106の動作を制御する制御部110を備えている。
【0016】
スキャナー部101は、イメージセンサ(図示省略)によって読み取られる、図示しない用紙上の画像をデジタルの画像データに変換し、制御部110に入力するデバイスである。プリンター部102は、制御部110から出力される印刷データに基づき、図示しない用紙上に画像を印刷するデバイスである。FAX部103は、制御部110から出力されるデータを、電話回線を通じ相手方となるファクシミリへと送信し、また、相手方ファクシミリからのデータを受信して制御部110に入力するデバイスである。
【0017】
I/F104は、ネットワークを介し、他のMFP100やユーザー端末などとの通信を受け持つ。なお、I/F104は、図示しないコンテンツサーバーやウェブサーバーなどとの通信を受け持ってもよい。パネル部105は、たとえばMFP100の印刷機能、コピー機能、FAX機能、ネットワーク経由でのデータ送受信機能や、各種設定のための表示を行うタッチパネルとハードウェアキーとを有するデバイスである。HDD106は、MFP100の種々の機能を提供するためのアプリケーションプログラムなどを記憶している記憶デバイスである。また、HDD106は、ユーザー端末側から登録された印刷ジョブを記憶するユーザーボックスを有している。
【0018】
制御部110は、認証プログラムなどのアプリケーションプログラム、画像形成プログラム、及び制御プログラムなどの各種プログラムを実行してMFP100全体の動作を制御するプロセッサーである。制御部110は、スキャナー制御部111、プリンター制御部112、FAX(Facsimile)制御部113、通信制御部114、RAM(Random Access Memory)115、EEPROM(electrically erasable and programmable read−only memory)116、画像処理部117、ジョブ履歴管理部118、起動シーケンス管理部119、パネル操作制御部120、HDD制御部121、システム制御部122を備えている。また、これらは、データバス123に接続されている。
【0019】
スキャナー制御部111は、スキャナー部101の読み取り動作を制御する。プリンター制御部112は、プリンター部102の印刷動作を制御する。FAX制御部113は、FAX部103によるデータの送受信動作を制御する。通信制御部114は、I/F104を介し、ネットワーク経由でのデータなどの送受信の制御を行う。RAM115は、プログラムを実行するためのワークメモリーである。また、RAM115は、画像処理部117によって画像処理された印刷データを記憶する。EEPROM116には、各部の動作チェックや起動シーケンスを生成する制御プログラムなどが記憶されている。起動シーケンス生成プログラムは、制御プログラムの1つである。また、EEPROM116には、後述の図2に示す複数の機能別起動管理テーブル200A〜200Dを記憶している。また、EEPROM116には、後述の図2に示すスキャナー制御部初期化モジュール201、プリンター制御部初期化モジュール202、パネル操作制御部初期化モジュール203、コピーアプリケーション初期化モジュール204、ジョブ実行情報管理部初期化モジュール205、ストレージ制御部初期化モジュール206、通信制御部初期化モジュール207、ログ情報管理部初期化モジュール208、プリントアプリケーション初期化モジュール209、アカウント情報管理部初期化モジュール210、FAX予約情報管理部初期化モジュール211などを記憶している。
【0020】
画像処理部117は、スキャナー部101によって読み取られた画像データに対する画像処理(ラスタライズ)を行う。また、画像処理部117は、HDD106のユーザーボックスに登録された印刷ジョブに対する画像処理(ラスタライズ)を行う。なお、システム制御部122は、画像処理部117が画像処理した印刷データを、一旦、RAM115に記憶させる。
【0021】
ジョブ履歴管理部118は、MFP100の起動中(起動時から電源オフ時までの間)に実行された各種ジョブのジョブ履歴を管理する。また、ジョブ履歴管理部118は、MFP100の電源がオンされたり、リセットボタンが操作されたりした際の起動時において、起動条件を選択する。ここで、起動条件の選択とは、各種ジョブのジョブ履歴からジョブ種別を集計し、実行度合いの高いジョブ種別を選択することである。ここで、ジョブ履歴管理部118は、各ジョブ種別の実行頻度を比較して最も実行頻度が大きいジョブ種別を実行度合いの高いジョブ種別として選択しても良い。
【0022】
なお、ジョブ履歴管理部118は、各種ジョブのジョブ履歴を管理を、起動中(起動時から電源オフ時までの間)に限らず、起動時からリセットボタンが操作されるまでの間、又は起動時から省電力モード(低電力モードや、低電力モードよりも消費電力の少ないスリープモードなど)に移行するまでの間としてもよい。また、ジョブ履歴管理部118は、起動条件を選択する際、MFP100の電源がオンされたり、リセットボタンが操作されたりした際の起動時に限らず、省電力モードからの復帰時において起動条件を選択してもよい。
【0023】
起動シーケンス管理部119は、ジョブ履歴管理部118が選択した実行度合いの高いジョブ種別に関連する、EEPROM116に記憶されている後述の図2に示す機能別起動管理テーブル200A〜200Dの参照先を決定し、初期化モジュールの起動順番を決定する。パネル操作制御部120は、パネル部105の表示動作を制御する。また、パネル操作制御部120は、パネル部105を介し、印刷、コピー、FAX、ネットワーク経由でのデータ送受信などの設定を受け付ける。HDD制御部121は、HDD106に対するデータの読み出し及び書き込みなどを制御する。システム制御部122は、各部の連携動作などを制御する。また、システム制御部122は、起動シーケンス管理部119が決定した初期化モジュールの起動順番に従い、起動シーケンスを実行する。
【0024】
次に、図2を参照し、EEPROM116に記憶されている複数の機能別起動管理テーブル200A〜200Dの登録内容について説明する。すなわち、機能別起動管理テーブル200Aにはコピー機能に対応した初期化モジュールの起動順番が登録され、機能別起動管理テーブル200Bには送信機能に対応した初期化モジュールの起動順番が登録され、機能別起動管理テーブル200Cにはボックス保存機能に対応した初期化モジュールの起動順番が登録され、機能別起動管理テーブル200Dにはプリント機能に対応した初期化モジュールの起動順番が登録されている。また、それぞれの機能別起動管理テーブル200A〜200Dでの初期化モジュールの起動順番は、それぞれの機能の起動速度を高める並び順となっている。
【0025】
ここで、コピー機能に対応する機能別起動管理テーブル200Aには、スキャナー制御部初期化モジュール201、プリンター制御部初期化モジュール202、パネル操作制御部初期化モジュール203、コピーアプリケーション初期化モジュール204、ジョブ実行情報管理部初期化モジュール205、ストレージ制御部初期化モジュール206、通信制御部初期化モジュール207、ログ情報管理部初期化モジュール208、プリントアプリケーション初期化モジュール209、アカウント情報管理部初期化モジュール210、FAX予約情報管理部初期化モジュール211が起動順に登録されている。
【0026】
また、コピー機能に対応する機能別起動管理テーブル200Aには、たとえば起動順番が1〜5のスキャナー制御部初期化モジュール201からジョブ実行情報管理部初期化モジュール205までの初期化が完了した時点でコピー機能の使用を可能とする定義が含まれている。これにより、MFP100での起動シーケンスにおいて、いち早くコピー機能を使用できる。
【0027】
また、送信機能に対応する機能別起動管理テーブル200Bには、スキャナー制御部初期化モジュール201、パネル操作制御部初期化モジュール203、通信制御部初期化モジュール207、ジョブ実行情報管理部初期化モジュール205、ストレージ制御部初期化モジュール206、プリンター制御部初期化モジュール202、コピーアプリケーション初期化モジュール204、ログ情報管理部初期化モジュール208、プリントアプリケーション初期化モジュール209、アカウント情報管理部初期化モジュール210、FAX予約情報管理部初期化モジュール211が起動順に登録されている。
【0028】
また、送信機能に対応する機能別起動管理テーブル200Bには、たとえば起動順番が1〜4のスキャナー制御部初期化モジュール201からジョブ実行情報管理部初期化モジュール205までの初期化が完了した時点で送信機能の使用を可能とする定義が含まれている。これにより、MFP100での起動シーケンスにおいて、いち早く送信機能を使用できる。
【0029】
また、ボックス保存機能に対応する機能別起動管理テーブル200Cには、ストレージ制御部初期化モジュール206、スキャナー制御部初期化モジュール201、パネル操作制御部初期化モジュール203、ジョブ実行情報管理部初期化モジュール205、ログ情報管理部初期化モジュール208、通信制御部初期化モジュール207、プリンター制御部初期化モジュール202、プリントアプリケーション初期化モジュール209、コピーアプリケーション初期化モジュール204、アカウント情報管理部初期化モジュール210、FAX予約情報管理部初期化モジュール211が起動順に登録されている。
【0030】
また、ボックス保存機能に対応する機能別起動管理テーブル200Cには、たとえば起動順番が1〜4のストレージ制御部初期化モジュール206からジョブ実行情報管理部初期化モジュール205までの初期化が完了した時点でボックス保存機能の使用を可能とする定義が含まれている。これにより、MFP100での起動シーケンスにおいて、いち早くボックス保存機能を使用できる。
【0031】
また、プリント機能に対応する機能別起動管理テーブル200Dには、ストレージ制御部初期化モジュール206、通信制御部初期化モジュール207、プリンター制御部初期化モジュール202、プリントアプリケーション初期化モジュール209、ジョブ実行情報管理部初期化モジュール205、ログ情報管理部初期化モジュール208、スキャナー制御部初期化モジュール201、パネル操作制御部初期化モジュール203、コピーアプリケーション初期化モジュール204、アカウント情報管理部初期化モジュール210、FAX予約情報管理部初期化モジュール211が起動順に登録されている。
【0032】
また、プリント機能に対応する機能別起動管理テーブル200Dには、たとえば起動順番が1〜5のストレージ制御部初期化モジュール206からジョブ実行情報管理部初期化モジュール205までの初期化が完了した時点でプリント機能の使用を可能とする定義が含まれている。これにより、MFP100での起動シーケンスにおいて、いち早くプリント機能を使用できる。
【0033】
ここで、スキャナー制御部初期化モジュール201は、スキャナー制御部111を初期化する。プリンター制御部初期化モジュール202は、プリンター制御部112を初期化する。パネル操作制御部初期化モジュール203は、パネル操作制御部120を初期化する。コピーアプリケーション初期化モジュール204は、HDD106に記憶されているコピーアプリケーションを初期化する。ジョブ実行情報管理部初期化モジュール205は図示しないジョブ実行情報管理部を初期化する。ストレージ制御部初期化モジュール206は、HDD制御部121を初期化する。通信制御部初期化モジュール207は、通信制御部114を初期化する。ログ情報管理部初期化モジュール208は、図示しないログ情報管理部を初期化する。プリントアプリケーション初期化モジュール209は、HDD106に記憶されているプリントアプリケーションを初期化する。アカウント情報管理部初期化モジュール210は、図示しないアカウント情報管理部を初期化する。FAX予約情報管理部初期化モジュール211は、図示しないFAX予約情報管理部を初期化する。
【0034】
そして、起動シーケンス管理部119は、ジョブ履歴管理部118がたとえばコピー機能の実行度合いが高いことを検出すると、機能別起動管理テーブル200Aを参照先として決定し、初期化モジュールの起動順番を決定する。また、起動シーケンス管理部119は、ジョブ履歴管理部118がたとえば送信機能の実行度合いが高いことを検出すると、機能別起動管理テーブル200Bを参照先として決定し、初期化モジュールの起動順番を決定する。また、起動シーケンス管理部119は、たとえばジョブ履歴管理部118がボックス保存機能の実行度合いが高いことを検出すると、機能別起動管理テーブル200Cを参照先として決定し、初期化モジュールの起動順番を決定する。また、起動シーケンス管理部119は、ジョブ履歴管理部118がたとえばプリント機能の実行度合いが高いことを検出すると、機能別起動管理テーブル200Dを参照先として決定し、初期化モジュールの起動順番を決定する。
【0035】
次に、図3を参照し、起動シーケンスの処理について説明する。以下に説明する手順は、MFP100の電源がオンされたり、リセットボタンが操作された際の起動時に実行される。なお、起動シーケンスの処理においては、MFP100の電源がオンされたり、リセットボタンが操作されたりした際の起動時に限らず、上述した省電力モードからの復帰時において実行されてもよい。
【0036】
まず、全体のフローは、図3(a)に示すように、ステップS100での起動条件選択が実行されると、ステップS200での起動順番生成が実行され、ステップS300での起動シーケンス実行で全体の処理が終了となる。
【0037】
次に、ステップS100、S200、S300でのそれぞれの処理を個別に説明する。まず、図3(b)により、ステップS100の起動条件選択のフローについて説明する。
【0038】
(ステップS101)
ジョブ履歴管理部118は、各種ジョブのジョブ履歴からジョブ種別を集計する。
【0039】
(ステップS102)
ジョブ履歴管理部118は、実行度合いの高いジョブ種別を選択する。
この場合、ジョブ履歴管理部118は、各種ジョブのジョブ履歴からジョブ種別を集計した結果、コピー機能の実行度合いが高い場合、コピー機能を選択する。また、ジョブ履歴管理部118は、各種ジョブのジョブ履歴からジョブ種別を集計した結果、送信機能の実行度合いが高い場合、送信機能を選択する。また、ジョブ履歴管理部118は、各種ジョブのジョブ履歴からジョブ種別を集計した結果、ボックス保存機能の実行度合いが高い場合、ボックス保存機能を選択する。また、ジョブ履歴管理部118は、各種ジョブのジョブ履歴からジョブ種別を集計した結果、プリント機能の実行度合いが高い場合、プリント機能を選択する。
【0040】
次に、図3(c)により、ステップS200の起動順番生成のフローについて説明する。
【0041】
(ステップS201)
起動シーケンス管理部119は、実行度合いの高いジョブ種別に関連する機能別起動管理テーブル200A〜200Dの参照先を決定する。
この場合、起動シーケンス管理部119は、ジョブ履歴管理部118による選択に基づき、実行度合いの高いジョブ種別がコピー機能である場合、EEPROM116に記憶されている機能別起動管理テーブル200Aを参照先として決定する。また、起動シーケンス管理部119は、ジョブ履歴管理部118による選択に基づき、実行度合いの高いジョブ種別が送信機能である場合、EEPROM116に記憶されている機能別起動管理テーブル200Bを参照先として決定する。また、起動シーケンス管理部119は、ジョブ履歴管理部118による選択に基づき、実行度合いの高いジョブ種別がボックス保存機能である場合、EEPROM116に記憶されている機能別起動管理テーブル200Cを参照先として決定する。また、起動シーケンス管理部119は、ジョブ履歴管理部118による選択に基づき、実行度合いの高いジョブ種別がプリント機能である場合、EEPROM116に記憶されている機能別起動管理テーブル200Dを参照先として決定する。
【0042】
(ステップS202)
起動シーケンス管理部119は、初期化モジュールの起動順番を決定する。
この場合、起動シーケンス管理部119は、機能別起動管理テーブル200Aを参照先として決定した際、初期化モジュールの起動順番を、スキャナー制御部初期化モジュール201、プリンター制御部初期化モジュール202、パネル操作制御部初期化モジュール203、コピーアプリケーション初期化モジュール204、ジョブ実行情報管理部初期化モジュール205、ストレージ制御部初期化モジュール206、通信制御部初期化モジュール207、ログ情報管理部初期化モジュール208、プリントアプリケーション初期化モジュール209、アカウント情報管理部初期化モジュール210、FAX予約情報管理部初期化モジュール211の順で決定する。
この場合、起動シーケンス管理部119は、上述した機能別起動管理テーブル200Aに含まれている、たとえば起動順番が1〜5のスキャナー制御部初期化モジュール201からジョブ実行情報管理部初期化モジュール205までの初期化が完了した時点でコピー機能の使用を可能とする定義を、決定した起動順番に含ませる。
また、起動シーケンス管理部119は、機能別起動管理テーブル200Bを参照先として決定した際、初期化モジュールの起動順番が、スキャナー制御部初期化モジュール201、パネル操作制御部初期化モジュール203、通信制御部初期化モジュール207、ジョブ実行情報管理部初期化モジュール205、ストレージ制御部初期化モジュール206、プリンター制御部初期化モジュール202、コピーアプリケーション初期化モジュール204、ログ情報管理部初期化モジュール208、プリントアプリケーション初期化モジュール209、アカウント情報管理部初期化モジュール210、FAX予約情報管理部初期化モジュール211の順で決定する。
この場合、起動シーケンス管理部119は、上述した機能別起動管理テーブル200Bに含まれている、たとえば起動順番が1〜4のスキャナー制御部初期化モジュール201からジョブ実行情報管理部初期化モジュール205までの初期化が完了した時点で送信機能の使用を可能とする定義を、決定した起動順番に含ませる。
また、起動シーケンス管理部119は、機能別起動管理テーブル200Cを参照先として決定した際、初期化モジュールの起動順番が、ストレージ制御部初期化モジュール206、スキャナー制御部初期化モジュール201、パネル操作制御部初期化モジュール203、ジョブ実行情報管理部初期化モジュール205、ログ情報管理部初期化モジュール208、通信制御部初期化モジュール207、プリンター制御部初期化モジュール202、プリントアプリケーション初期化モジュール209、コピーアプリケーション初期化モジュール204、アカウント情報管理部初期化モジュール210、FAX予約情報管理部初期化モジュール211の順で決定する。
この場合、起動シーケンス管理部119は、上述した機能別起動管理テーブル200Cに含まれている、たとえば起動順番が1〜4のストレージ制御部初期化モジュール206からジョブ実行情報管理部初期化モジュール205までの初期化が完了した時点でボックス保存機能の使用を可能とする定義を、決定した起動順番に含ませる。
また、起動シーケンス管理部119は、機能別起動管理テーブル200Dを参照先として決定した際、初期化モジュールの起動順番が、ストレージ制御部初期化モジュール206、通信制御部初期化モジュール207、プリンター制御部初期化モジュール202、プリントアプリケーション初期化モジュール209、ジョブ実行情報管理部初期化モジュール205、ログ情報管理部初期化モジュール208、スキャナー制御部初期化モジュール201、パネル操作制御部初期化モジュール203、コピーアプリケーション初期化モジュール204、アカウント情報管理部初期化モジュール210、FAX予約情報管理部初期化モジュール211の順で決定する。
この場合、起動シーケンス管理部119は、上述した機能別起動管理テーブル200Dに含まれている、たとえば起動順番が1〜5のストレージ制御部初期化モジュール206からジョブ実行情報管理部初期化モジュール205までの初期化が完了した時点でプリント機能の使用を可能とする定義を、決定した起動順番に含ませる。
【0043】
なお、起動シーケンス管理部119は、機能別起動管理テーブル200A〜200Dに含まれているそれぞれの機能の使用を可能とする定義を、決定した起動順番に含ませているが、起動順番を決定する際、予め設定された定義を決定した起動順番に含ませてもよい。この場合、それぞれの機能別起動管理テーブル200A〜200Dに含まれている、それぞれの機能の使用を可能とする定義を省くことができる。
【0044】
(ステップS203)
起動シーケンス管理部119は、それぞれの初期化モジュールに対し、次に実行する初期化モジュールを定義する。
この場合、起動シーケンス管理部119は、それぞれの初期化モジュールに対し、次に実行する初期化モジュールを定義する際、実行が最後となる初期化モジュールに対しては、次に実行する初期化モジュールを定義しない。
【0045】
次に、図3(d)により、ステップS300での起動シーケンス実行のフローについて説明する。
【0046】
(ステップS301)
システム制御部122は、起動シーケンス管理部119が決定した起動順番に従い、EEPROM116から初期化モジュールを読み出して初期化を実行する。
【0047】
次に、図4を参照し、初期化モジュールの実行処理について説明する。なお、以下においては、起動シーケンス管理部119がコピー機能に対応する機能別起動管理テーブル200Aを参照先として決定し、機能別起動管理テーブル200Aの登録内容に従い、初期化モジュールの起動順番を決定した場合で説明する。
【0048】
(ステップS401)
システム制御部122は、スキャナー制御部初期化モジュール201を実行する。
この場合、システム制御部122は、EEPROM116に記憶されているスキャナー制御部初期化モジュール201を読み出し、スキャナー制御部111を初期化する。
また、システム制御部122は、スキャナー制御部初期化モジュール201に定義されている、次に実行する初期化モジュールを確認し、ステップ402に移行する。
【0049】
(ステップS402)
システム制御部122は、プリンター制御部初期化モジュール202を実行する。
この場合、システム制御部122は、EEPROM116に記憶されているプリンター制御部初期化モジュール202を読み出し、プリンター制御部112を初期化する。
また、システム制御部122は、プリンター制御部初期化モジュール202に定義されている、次に実行する初期化モジュールを確認し、ステップ403に移行する。
【0050】
(ステップS403)
システム制御部122は、パネル操作制御部初期化モジュール203を実行する。
この場合、システム制御部122は、EEPROM116に記憶されているパネル操作制御部初期化モジュール203を読み出し、パネル操作制御部120を初期化する。
また、システム制御部122は、パネル操作制御部初期化モジュール203に定義されている、次に実行する初期化モジュールを確認し、ステップ404に移行する。
【0051】
(ステップS404)
システム制御部122は、コピーアプリケーション初期化モジュール204を実行する。
この場合、システム制御部122は、EEPROM116に記憶されているコピーアプリケーション初期化モジュール204を読み出し、HDD106に記憶されているコピーアプリケーションを初期化する。
また、システム制御部122は、コピーアプリケーション初期化モジュール204に定義されている、次に実行する初期化モジュールを確認し、ステップ405に移行する。
【0052】
(ステップS405)
システム制御部122は、ジョブ実行情報管理部初期化モジュール205を実行する。
この場合、システム制御部122は、EEPROM116に記憶されているジョブ実行情報管理部初期化モジュール205を読み出し、図示しないジョブ実行情報管理部を初期化する。
ここで、システム制御部122は、ジョブ実行情報管理部初期化モジュール205までの初期化が完了した時点でコピー機能の使用を可能とする定義に基づき、パネル操作制御部120を介し、パネル部105に使用可能を表示させる。
また、システム制御部122は、ジョブ実行情報管理部初期化モジュール205に定義されている、次に実行する初期化モジュールを確認し、ステップ406に移行する。
【0053】
(ステップS406)
システム制御部122は、ストレージ制御部初期化モジュール206を実行する。
この場合、システム制御部122は、EEPROM116に記憶されているストレージ制御部初期化モジュール206を読み出し、HDD制御部121を初期化する。
また、システム制御部122は、ストレージ制御部初期化モジュール206に定義されている、次に実行する初期化モジュールを確認し、ステップ407に移行する。
【0054】
(ステップS407)
システム制御部122は、通信制御部初期化モジュール207を実行する。
この場合、システム制御部122は、EEPROM116に記憶されている通信制御部初期化モジュール207を読み出し、通信制御部114を初期化する。
また、システム制御部122は、通信制御部初期化モジュール207に定義されている、次に実行する初期化モジュールを確認し、ステップ408に移行する。
【0055】
(ステップS408)
システム制御部122は、ログ情報管理部初期化モジュール208を実行する。
この場合、システム制御部122は、EEPROM116に記憶されているログ情報管理部初期化モジュール208を読み出し、図示しないログ情報管理部を初期化する。
また、システム制御部122は、ログ情報管理部初期化モジュール208に定義されている、次に実行する初期化モジュールを確認し、ステップ409に移行する。
【0056】
(ステップS409)
システム制御部122は、プリントアプリケーション初期化モジュール209を実行する。
この場合、システム制御部122は、EEPROM116に記憶されているプリントアプリケーション初期化モジュール209を読み出し、HDD106に記憶されているプリントアプリケーションを初期化する。
また、システム制御部122は、プリントアプリケーション初期化モジュール209に定義されている、次に実行する初期化モジュールを確認し、ステップ410に移行する。
【0057】
(ステップS410)
システム制御部122は、アカウント情報管理部初期化モジュール210を実行する。
この場合、システム制御部122は、EEPROM116に記憶されているアカウント情報管理部初期化モジュール210を読み出し、図示しないアカウント情報管理部を初期化する。FAX予約情報管理部初期化モジュール211は、図示しないFAX予約情報管理部を初期化する。
また、システム制御部122は、アカウント情報管理部初期化モジュール210に定義されている、次に実行する初期化モジュールを確認し、ステップ411に移行する。
【0058】
(ステップS411)
システム制御部122は、FAX予約情報管理部初期化モジュール211を実行する。
この場合、システム制御部122は、EEPROM116に記憶されているFAX予約情報管理部初期化モジュール211を読み出し、図示しないFAX予約情報管理部を初期化する。
ここで、システム制御部122は、FAX予約情報管理部初期化モジュール211の次に実行する初期化モジュールが定義されていないため、初期化処理を終了する。
【0059】
このように、本実施形態では、EEPROM116(不揮発性メモリー)により、機能部毎の初期化モジュールと、機能毎に異なる初期化モジュールの起動順番が登録された複数の機能別起動管理テーブル200A〜200D(起動管理テーブル)とを記憶し、ジョブ履歴管理部118により、各種ジョブのジョブ履歴を管理し、実行度合いの高いジョブ種別を選択し、起動シーケンス管理部119により、ジョブ履歴管理部118が選択した実行度合いの高いジョブ種別に関連する機能別起動管理テーブル200A〜200D(起動管理テーブル)の登録内容に従い、初期化モジュールの起動順番を決定し、システム制御部122により、起動シーケンス管理部119が決定した起動順番に従って初期化モジュールをEEPROM116(不揮発性メモリー)から読み出し、それぞれの機能部を初期化する。
【0060】
このように、実行度合いの高いジョブ種別に関連する機能別起動管理テーブル200A〜200D(起動管理テーブル)の起動順番に従ってそれぞれの機能部を初期化することにより、実行度合いに応じて起動シーケンスを変更できることから、ユーザー毎の使用環境に合わせた最適な起動シーケンスへの変更が可能となる。
【0061】
なお、本実施形態では、電子機器をMFP100に適用させた場合で説明したが、プリンターや複合機に適用してもよい。
【符号の説明】
【0062】
100 MFP
101 スキャナー部
102 プリンター部
103 FAX部
104 I/F
105 パネル部
106 HDD
110 制御部
111 スキャナー制御部
112 プリンター制御部
113 FAX制御部
114 通信制御部
115 RAM
116 EEPROM
117 画像処理部
118 ジョブ履歴管理部
119 起動シーケンス管理部
120 パネル操作制御部
121 HDD制御部
122 システム制御部
123 データバス
200A〜200D 機能別起動管理テーブル
201 スキャナー制御部初期化モジュール
202 プリンター制御部初期化モジュール
203 パネル操作制御部初期化モジュール
204 コピーアプリケーション初期化モジュール
205 ジョブ実行情報管理部初期化モジュール
206 ストレージ制御部初期化モジュール
207 通信制御部初期化モジュール
208 ログ情報管理部初期化モジュール
209 プリントアプリケーション初期化モジュール
210 アカウント情報管理部初期化モジュール
211 FAX予約情報管理部初期化モジュール
図1
図2
図3
図4